JPWO2008072527A1 - 眼圧測定装置 - Google Patents

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Abstract

眼圧測定装置10は、眼球8に離隔して向かい合う先端側に凹面音響レンズ22と、振動子と振動検出センサが積層される探触素子24とが設けられる探触子20と、探触子20の位置を眼球8に対して調整する探触子移動機構30と、探触子20に接続され眼圧を算出し出力する本体部60とを含んで構成される。本体部60は、探触子20に増幅器とともに直列に接続され、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させてその位相差をゼロに補償する位相シフト回路と、位相差をゼロに補償したときの周波数変化量と眼圧との関係を予め求めておき、眼球に超音波を入射したときに生じる位相差をゼロに補償する周波数変化量から眼圧を算出する眼圧算出部とを含む。

Description

本発明は、眼圧測定装置に係り、特に超音波を用いて眼圧を測定する眼圧測定装置に関する。
眼圧を測定するために、広くトノメータが用いられる。トノメータは、眼球にエアーを吹き付け、そのエアー圧により眼球が歪む様子を光学的に測定し、その歪の大小により眼圧を測定する。
トノメータは、眼球にエアーを吹き付けるものであるので、エアー圧の拍動等の影響を受けて精度がよくない。また、角膜等の眼球組織に直接的にエアーが噴射されるので、被験者に負荷を与える。そこで、例えば、特許文献1には、瞼の上にプローブを当てて適当に加圧し、そのときの前房部の深さの変化を、超音波によって検出することが行われる。ここでは、超音波を入射し、反射音束を検出して、超音波Aモードと呼ばれる波形について、超音波検出信号の1掃引内の時間軸を眼球前眼部の生体音速により距離に変換する一般的な距離計測原理により、前房部の深さを検出している。
なお、本願発明者は、特許文献2において開示されているように、位相シフト法を用いて対象物の硬さを精度よく測定できる方法を開発している。この技術は、振動子から測定対象物に振動を入射し、測定対象物からの反射波を振動検出センサで検出し、入射波と反射波との間に測定対象物の硬さに応じて生じる位相差を位相シフト回路によって周波数を変化させることで位相差をゼロに補償し、その位相差をゼロに補償する周波数変化量から測定物の硬さを求めるものである。この方法によれば、測定対象物に接触して振動を入力し反射波を検出する接触式によって測定対象物の硬さを測定することができる。
特開平8−322803号公報 特開平9−145691号公報
上記のようにトノメータはエアー圧を眼球に与え、特許文献1の方法においても瞼を通して眼球を加圧する。このように、従来技術では、外力によって眼球に圧力を与え、その圧力による眼球の歪から眼圧の大小を判断しているので、被検査者に負担をかける。また、本願発明者による特許文献2に記載の位相シフト法によれば、測定対象物に振動を入力しその反射波を検出することで、測定対象物の硬さが測定できる。測定対象物が眼球の場合は、その硬さは眼圧に関連付けられるので、この方法によれば、外力をかけずに眼圧を測定できるが、眼球に接触し、その面では被測定者に負担をかける。そこで、眼球に非接触のままで眼圧を測定できれば、被測定者の負担を軽減でき、便利である。
本発明の目的は、眼球に非接触のままで眼圧を測定できる眼圧測定装置を提供することである。
本発明は、眼球に非接触で振動を入射し、眼球からの反射波を検出し、入射波と反射波との間に生じる位相差について位相シフト法を適用できるかどうかを確かめた実験に基づくものである。実験によれば、眼球に向かい合う探触子の先端形状を工夫すれば、位相差をゼロに補償する周波数差と眼圧との関係に相関が見られることが見出された。この実験に基づけば、以下のような手段をとることができる。
本発明に係る眼圧測定装置は、非接触で眼球に超音波を入射する振動子と、眼球からの反射波を検出する振動検出センサとを有する探触子と、探触子の先端に設けられ、眼球に向かい合う面が凹面である凹面音響レンズと、探触子に増幅器とともに直列に接続され、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させてその位相差をゼロに補償する位相シフト回路と、位相差をゼロに補償したときの周波数変化量と眼圧との関係を予め求めておき、凹面音響レンズを眼球に離隔させて向かい合わせて眼球に超音波を入射したときに生じる位相差をゼロに補償する周波数変化量から眼圧を算出する眼圧算出部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る眼圧測定装置において、凹面音響レンズと測定対象物の眼球との間の距離を可変できる探触子移動機構を備えることが好ましい。
また、本発明に係る眼圧測定装置において、凹面音響レンズの曲面形状を可変できる曲面形状可変手段を備えることが好ましい。
上記構成により、眼圧測定装置は、眼球に向かい合う面が凹面である凹面音響レンズを有する探触子を用い、凹面音響レンズを眼球に離隔させて向かい合わせて眼球に超音波を入射する。そして、位相差をゼロに補償したときの周波数変化量と眼圧との関係を予め求めておいて、眼球に超音波を入射したときに生じる位相差をゼロに補償する周波数変化量から眼圧を算出する。したがって、眼球に非接触のままで眼圧を測定できる。
また、凹面音響レンズと測定対象物の眼球との間の距離を可変できるので、眼球に焦点を合わせて振動を入射し、反射波を検出できる。
また、凹面音響レンズの曲面形状を可変できるので、眼球に焦点を合わせて振動を入射し、反射波を検出できる。
本発明に係る実施の形態における眼圧測定装置の構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、探触素子、凹面音響レンズ、本体部に含まれる眼圧測定部の部分の構成について抜き出して示す図である。 本発明に係る実施の形態において、位相シフト回路の回路定数が設定される発振周波数の選定の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、周波数変化量と音響インピーダンスとの対応関係を求めるために用いた模擬対象物A,Bの形状寸法を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、周波数変化量と音響インピーダンスとの対応関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、周波数変化量と眼圧との対応関係を求めるために用いた眼球モデルの様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、周波数変化量と眼圧との対応関係を示す図である。
符号の説明
8 眼球、10 眼圧測定装置、20 探触子、22 凹面音響レンズ、24 探触素子、26 振動子、28 振動検出センサ、30 探触子移動機構、32 固定台、34 可動台、36 操作ハンドル、38 探触子取付部、40 眼圧測定部、42,44,46 端子、48 増幅器、50 位相シフト回路、52 周波数変化量算出部、54 眼圧算出部、60 本体部、70 眼球モデル、72 ベース部分、74,75,76 曲面部分、80 加圧器、82 圧力計。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、被測定者に対し、探触子を近づける手段として、床に対して移動可能な可動台に探触子を搭載するものとして説明するが、それ以外の方法によってもよい。例えば、被測定者の頭部等に関連して固定された支持台に探触子を搭載するものとしてもよい。また、以下において探触子は、振動子と振動検出センサとを積層したものとして説明するが、それ以外の配置方法であってもよい。例えば振動子と振動検出センサとを同心状に配置してもよく、また、振動子と振動検出センサとを並列に別個に配置するものとしてもよい。
図1は、眼圧測定装置10の構成を示す図である。図1には、眼圧測定装置10の構成要素ではないが、眼圧測定対象の眼球8が示されている。眼圧測定装置10は、探触子20と、探触子20の位置を眼球に対して調整するための探触子移動機構30と、探触子20に信号線を介して接続され眼圧を算出し出力する本体部60とを含んで構成される。
探触子移動機構30は、床面に固定される固定台32と、固定台32に対し直線的に移動可能な可動台34とを有し、可動台34には探触子取付部38が設けられる。固定台32と可動台34とは、たとえばピニオンとラックによる回転運動と直線運動との間の変換機構等を用いることができる。この場合には、ピニオンに接続される操作ハンドル36が設けられ、操作ハンドル36を回転することで固定台32に設けられたピニオンが回転し、これに噛み合うラックが直線運動し、ラックが取り付けられている可動台34を移動させることができる。もちろん、電気信号の制御によって移動可能なリニアモータ等を固定台32と可動台34との間の機構として用いてもよい。
探触子20は、細長い円筒状をなすプローブで、眼球8に離隔して向かい合う先端側に凹面音響レンズ22と探触素子24とが設けられ、探触素子24に一端側が接続される信号線は、他端側で上記の本体部60に接続される。
図2は、探触素子24、凹面音響レンズ22、本体部60に含まれる眼圧測定部40の部分の構成について抜き出して示す図である。
探触素子24は、凹面音響レンズ22を介して、測定対象物である眼球8に対し超音波を入射する振動子26と、眼球8からの反射波を検出する振動検出センサ28とを有する。図2の例では、振動子26と振動検出センサ28とが直列に積層されて接続され、接続点を接地して用いられている。具体的には、円板状の圧電素子の両面にそれぞれ電極を設けたものを2つ用いて積み重ね、中間の電極2つを一体化して接地電極とし、積み重ねた上面側電極と下面側電極の一方側を振動子26の入力電極とし、他方側を振動検出センサ28の出力電極とする。そして、図2の例では、振動子26の入力電極側の面を凹面音響レンズ22の平坦な裏面に接着して固定される。圧電素子としては、市販のPZT素子を用いることができる。
凹面音響レンズ22は、探触素子24から放射される超音波について測定対象物上に焦点を合わせるように、また、測定対象物から放射される反射波を効率よく集めて探触素子24に伝える機能を有する素子である。凹面音響レンズ22は、測定対象物である眼球8に向かい合う面が所定の曲面形状を有する凹面に形成され、凹面の反対側の裏面が探触素子24と接続するために例えば平坦面に形成される。かかる凹面音響レンズ22は、適当なプラスティック材料またはセラミック、ガラス等を所定の形状に成形したものを用いることができる。
凹面音響レンズ22の凹面の曲面形状は、測定対象である眼球8の曲面形状に対応する形状が好ましい。簡略的には、一定の曲率半径を有する球面の一部として構成することができる。この場合の曲率半径は、眼圧の測定に適した部位における曲率半径、あるいは眼球の平均的な曲率半径とすることができる。例えば、曲率半径を数mm程度とすることができる。
凹面音響レンズ22の凹面形状は、上記のように適当な材料を成形加工して、固定的な形状とすることができるほか、たとえば、円筒形状の支持部の外周に固定端を有する可撓性の曲面膜を張り、円筒状支持部の内部に加圧流体を注入し、流体圧を変更することで凹面の形状を可変する形状可変凹面音響レンズとしてもよい。流体としては、超音波振動が伝播しやすいものを用いることが好ましく、水、流動性のあるシリコンゴム等を用いることができる。
図2には、眼圧測定部40の構成が示されている。眼圧測定部40は、振動検出センサ28からの反射波に相当する出力信号を受け取る端子42と、振動子26への入射波に相当する入力信号を出す端子44と、図1に示す本体部60の表示画面等の出力部に眼圧値を出力する端子46とを有する。眼圧測定部40の内部は、次のように構成される。
振動検出センサ28に接続される端子42は、適当なDCカットコンデンサを介して増幅器48に接続される。増幅器48は、振動検出センサ28によって検出された反射波信号を適当に増幅する電子回路で、周知の増幅回路を用いることができる。
増幅器48の出力は、位相シフト回路50に入力され、位相シフト回路50の出力は、端子44を介して振動子26に接続される。したがって、振動子26−凹面音響レンズ22−(大気)−(眼球8)−(大気)−凹面音響レンズ22−振動検出センサ28−増幅器48−位相シフト回路50−振動子26の閉ループが構成される。したがって、位相シフト回路50の内容を適当に設定することで、この閉ループにおいて自励発振を生じさせることができる。
位相シフト回路50の機能は、この閉ループにおいて、位相シフト回路50に入力される入力信号と、出力される出力信号との間に位相差が生じるときは、閉ループの発振周波数を変更して、位相差をゼロに補償する機能を有する。そして、位相差をゼロに補償したときの周波数を周波数変化量算出部52に出力する。
周波数変化量算出部52は、閉ループにおいて測定対象物が含まれないときに位相シフト回路50の作用により自励発振が生じるときの閉ループの発振周波数fと、閉ループにおいて測定対象物が含まれるときに位相シフト回路50の作用により自励発振が生じるときの閉ループの発振周波数fとを受け取って、これらの間の周波数変化量であるΔf=f−fを算出する機能を有する。すなわち、周波数変化量算出部52の機能は、測定対象物が閉ループに含まれないときの発振周波数fを閉ループから検出してこれを一旦記憶し、次に測定対象物が閉ループに含まれるときの発振周波数fを閉ループから検出してこれも一旦記憶し、記憶された2つの周波数fとfとを読み出して、その差である周波数変化量を演算するという一連の処理を行うものである。
図1、図2の例では、眼球8がない場合の閉ループにおける自励発振の周波数fと、眼球8がある場合の閉ループにおける自励発振の周波数fの間の周波数変化量であるΔf=f−fが周波数変化量算出部52で求められ、眼圧算出部54に出力される。なお、かかる位相シフト回路50の具体的構成と詳細な作用については、上記の特許文献2に開示されている。
位相シフト回路50は、閉ループの自励発振を維持するために、振動検出センサ28からの出力信号と振動子26への入力信号との間に位相差が生じるときは、閉ループの周波数を変更して位相差をゼロに補償するものである。したがって、閉ループの自励発振の周波数は、位相差をゼロに補償する際の周波数変化量が大きい方が測定対象物の物性の相違の検出が容易になる。そこで、位相シフト回路50の回路内容である回路定数は、対象となる閉ループについて、位相差をゼロに補償する際の周波数変化量が安定して大きく取れる発振周波数となるように設定される。換言すれば、探触素子24の周波数−位相特性において、多くの発振周波数があるが、その中で、発振が安定していること、位相差を変更すると適当な大きさの周波数変化を生じること、の条件を満たす発振周波数が選択され、その選択された発振周波数に対して、位相シフト回路50の回路定数が設定される。
図3は、位相シフト回路50の回路定数が設定される発振周波数の選定の様子を示す図である。図3には、探触素子24の周波数−位相特性が示されている。図3に示されるように、この探触素子24の特性は、複数のピークを有している。ピークBは、最も発振特性が先鋭なピークであり、発振が安定しているが、逆にその強い安定性のため、位相差を変更してもほとんど周波数変化を示さない。ピークCは、発振が不安定である。
そこで、ピークAが、適当に発振が安定し、しかも位相差の変更に応じて適当な大きさの周波数変化を生じるものとして、測定対象物の物性の特性の相違の検出に適当なピークとして選定することができる。すなわち、位相シフト回路50の回路定数は、周波数帯で350kHz近辺に適するように設定される。
眼圧算出部54は、周波数変化量算出部52から出力される周波数変化量に基づいて、眼圧を算出する機能を有する。周波数変化量から眼圧を算出するには、周波数変化量と眼圧との関係を予め求めておき、その関係に周波数変化量算出部52によって算出された周波数変化量を当てはめて実行される。
図4から図7は、眼球に超音波を入射したときに生じる位相差をゼロに補償する周波数変化量と眼圧との関係を求める実験の様子を説明する図である。これらの図は、眼球をモデル化した模擬対象物に超音波を入射して位相差をゼロに補償したときの周波数fとについて、模擬対象物がないときの周波数fからの周波数変化量Δfを求め、これを模擬対象物の音響インピーダンスあるいは、眼圧に相当する圧力と対応付けを行ったものである。なお、以下では、図1、図2の符号を用いて説明する。
図4、図5は、形状の異なる模擬対象物A,Bを作成し、凹面音響レンズ22から模擬対象物A,Bの先端までの距離を4000μm、すなわち4mmとして、周波数変化量Δfと、模擬対象物A,Bの音響インピーダンスとの関係を求めた様子を説明する図である。図4には、模擬対象物A,Bの形状寸法が示されている。模擬対象物A,Bの形状は、眼球8の外形に近似して、半球状よりは緩やかな曲面を有するものとしてある。模擬対象物A,Bの先端部における曲率半径は、図4の寸法から、約4mmから約6mm程度と評価することができる。模擬対象物A,Bのそれぞれについて、シリコンゴムを適当な媒体に混ぜて、その濃度を40%,60%,80%,100%と変化させることで、それぞれ硬さの異なる4種類のサンプルを作成した。
そしてこれらのサンプルについて、硬さに対応する音響インピーダンスを測定した。また、上記のように、約350kHzの周波数帯において、模擬対象物A,Bがある場合とない場合との間の発振周波数の変化量である周波数変化量Δfを求めた。求められた音響インピーダンスと求められた周波数変化量を対応付けた結果を図5に示す。図5から分かるように、形状が異なる模擬対象物A,Bについて、それぞれ、周波数変化量Δfと音響インピーダンスとは相関関係がある。図5によれば、その相関関係はほぼ線形関係であるが、模擬対象物の形状に依存して相関関係が異なっている。
図5によって、位相シフト法を用いたときの周波数変化量Δfと、測定対象物の硬さとの間に相関関係があることが分かったので、次に、周波数変化量Δfと眼圧に相当する圧力との対応付けを実験した様子が図6、図7に示されている。ここでは、眼球をモデル化した模擬対象物として、図6に示される形状で、内部に空洞を有するシリコンゴムの眼球モデル70を用いている。眼球モデル70は、ベース部分72と、内部を加圧することで膨らみ外形形状を可変できる曲面部分74とを含んで構成され、加圧器80によって、眼球モデル70の内部に水あるいは適当な流動体を加圧して注入することで、曲面部分74の形状を可変できる。曲面部分74における内部流動体の圧力は、マノメータ等の圧力計82によって検出できる。図6には、圧力を大きくするにつれ、曲面部分74が膨らんで曲面部分75,76に変化する様子が示されている。
図7は、凹面音響レンズ22から眼球モデル70の先端までの距離を2000μm、すなわち2mmとして、周波数変化量Δfと、眼球モデル70の圧力との関係を示す図である。図7から分かるように、眼球モデル70の圧力と、位相シフト法における周波数変化量Δfとの間にきれいな線形性が認められる。
したがって、図7のような対応関係を予めメモリ等に記憶しておくことで、図1に示される眼圧測定装置10によって、眼球8の眼圧を求めることができる。「Δf−眼圧」の対応関係は、Δfを入力することで眼圧が出力される型式で記憶される。具体的には、ルックアップテーブルのような換算テーブルの型式で記憶されてもよく、計算式の形式で記憶されていてもよい。
上記構成の眼圧測定装置10の作用を、眼圧を求める手順として以下に説明する。以下では図1から図3の符号を用いて説明する。
最初に、位相シフト回路50の作用によって、眼球8がない状態で自励発振を生じさせ、そのときの発振周波数をfとして、周波数変化量算出部52に出力される。上記の例では、fは、図3のピークAの周波数であるので約350kHzである。眼球8がない状態とは、眼球8と凹面音響レンズ22の先端の間の間隔を十分広く取ることで実現できる。
次に、探触子移動機構30を用いて、眼球8に対し凹面音響レンズ22を近づける。近づける距離は、眼球8と凹面音響レンズ22の先端との間の距離が、凹面音響レンズ22の代表的な曲率半径となるようにすることが好ましい。あるいは、距離を変化させて、そのときの発振周波数のばらつきが少なくなる位置をもって、測定のための間隔とすることができる。すなわち、眼球8と凹面音響レンズ22との間の間隔が狭すぎても広すぎても、超音波が発散するか、あるいは凹面音響レンズ22の曲面上に集中しないからである。
適切な間隔に眼球8と凹面音響レンズ22との間が設定されると、その位置における発振周波数がfとして、周波数変化量算出部52に出力される。周波数変化量算出部52では、周波数変化量として、Δf=f−fを算出して、眼圧算出部54に出力する。Δfの大きさは、図5、図7の例では、およそ100Hz程度である。
眼圧算出部54では、予め記憶されている「Δf−眼圧」対応関係を読み出し、その対応関係に周波数変化量算出部52から与えられた周波数変化量Δfをあてはめ、対応する眼圧を算出し、出力する。出力された眼圧値は、本体部60において、ディスプレイあるいはプリンタ等の出力手段によって、表示出力される。図7の例で、Δf=120Hzとすれば、対応する眼圧は、約1.1kPaと算出されて表示されることになる。

Claims (3)

  1. 非接触で眼球に超音波を入射する振動子と、眼球からの反射波を検出する振動検出センサとを有する探触子と、
    探触子の先端に設けられ、眼球に向かい合う面が凹面である凹面音響レンズと、
    探触子に増幅器とともに直列に接続され、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させてその位相差をゼロに補償する位相シフト回路と、
    位相差をゼロに補償したときの周波数変化量と眼圧との関係を予め求めておき、凹面音響レンズを眼球に離隔させて向かい合わせて眼球に超音波を入射したときに生じる位相差をゼロに補償する周波数変化量から眼圧を算出する眼圧算出部と、
    を備えることを特徴とする眼圧測定装置。
  2. 請求の範囲1に記載の眼圧測定装置において、
    凹面音響レンズと測定対象物の眼球との間の距離を可変できる探触子移動機構を備えることを特徴とする眼圧測定装置。
  3. 請求の範囲1に記載の眼圧測定装置において、
    凹面音響レンズの曲面形状を可変できる曲面形状可変手段を備えることを特徴とする眼圧測定装置。
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