JPWO2008050830A1 - 抗hiv剤 - Google Patents

抗hiv剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008050830A1
JPWO2008050830A1 JP2008541019A JP2008541019A JPWO2008050830A1 JP WO2008050830 A1 JPWO2008050830 A1 JP WO2008050830A1 JP 2008541019 A JP2008541019 A JP 2008541019A JP 2008541019 A JP2008541019 A JP 2008541019A JP WO2008050830 A1 JPWO2008050830 A1 JP WO2008050830A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glu
lys
leu
trp
gln
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008541019A
Other languages
English (en)
Inventor
藤井 信孝
信孝 藤井
真也 大石
真也 大石
松岡 雅雄
雅雄 松岡
栄一 児玉
栄一 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto University
Original Assignee
Kyoto University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto University filed Critical Kyoto University
Publication of JPWO2008050830A1 publication Critical patent/JPWO2008050830A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/005Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/12Viral antigens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/12Viral antigens
    • A61K39/21Retroviridae, e.g. equine infectious anemia virus
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • A61P31/18Antivirals for RNA viruses for HIV
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/16011Human Immunodeficiency Virus, HIV
    • C12N2740/16111Human Immunodeficiency Virus, HIV concerning HIV env
    • C12N2740/16122New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/16011Human Immunodeficiency Virus, HIV
    • C12N2740/16111Human Immunodeficiency Virus, HIV concerning HIV env
    • C12N2740/16134Use of virus or viral component as vaccine, e.g. live-attenuated or inactivated virus, VLP, viral protein

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • AIDS & HIV (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明によれば、HIVのHR2領域に対応するアミノ酸配列に改変を加えることによって得られる優れた抗HIV活性を有するポリペプチド、該ポリペプチドを有効成分とする抗HIV剤、該抗HIV剤を含有する医薬組成物、該抗HIV剤を用いたHIVの治療方法等を提供することができる。

Description

本発明は、HIVに対して優れた膜融合阻害作用を有するペプチド及び該ペプチドのエイズウイルス関連疾患の予防又は治療への利用に関する。
エイズ(AIDS)とは後天性免疫不全症候群(Acquired Immuno Deficiency Syndrome)の略称であり、免疫不全を引き起こすレトロウイルス(例えばHIV、SIV)に感染することにより病原体に対する免疫力が正常に働かなくなって発症する様々な病気の総称を意味する。
免疫不全を引き起こすレトロウイルス、例えばHIVが宿主細胞へ侵入するメカニズムの1つとして、HIVのgp41タンパク質中のα-へリックス構造を有するC34の3量体が、α−へリックス構造を有するHR1の3量体を包み込むようにして6量体を形成し、HIVの細胞膜と宿主細胞の細胞膜との融合が起こるというメカニズムが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。HR1をターゲットにして上記6量体形成を防ぐための薬剤、例えばT20(商品名Fuzeon:配列番号3に示されるポリペプチド)は、米国FDAにより認可されているが、T20耐性能を有するHIV-1株の存在がすでに確認されており(例えば、非特許文献2を参照)、さらなる抗HIV活性を有する薬剤が必要とされている。
Reviw: D.M.Eckert, P.S.Kim, Annu. Rev. Biochem. 2001, 70, 777-810 L. Xu, et. al., ANTIMICROBIAL AGENT AND CHEMOTHERAPY, Mar, 2005, 49, 1113-1119
本発明は、HIVのgp41 HR1に結合してHIVの細胞膜と宿主細胞の細胞膜の融合を阻害し得るポリペプチド、該ポリペプチドを有効成分とする抗HIV剤、該抗HIV剤を含有する医薬組成物、及び該抗HIV剤を用いたHIVの治療方法を提供することを主な目的とする。
非特許文献2により明らかにされているように、T20に対する耐性は、gp41のHR1領域のアミノ酸変異およびHR2領域のアミノ酸変異によって生じているものと考えられる。HR1領域のアミノ酸変異は、HR2領域の部分ペプチドとして阻害活性を有するT20に対する親和性を下げる効果があると考えられる。一方、HR2領域のアミノ酸変異は、T20よりも親和性が高いHR2領域を形成するとともに、変異後のHR1領域の配列に対しても高い親和性を保持することを可能にしていると考えられる。この様なHR1領域及びHR2領域のへ変異は、ウイルスの耐性獲得のために合目的であるといえる。
本発明者らは、このウイルスの耐性獲得のメカニズムに着目して、T20耐性株のHR2領域のアミノ酸配列にあわせて、膜融合阻害ペプチドをデザインすれば、耐性株に対する高い活性を有するペプチドが得られると共に、野生株のウイルスに対する高い活性を有するペプチドが見出されるものと期待した。
ところで、ウイルスのアミノ酸変異は、アミノ酸をコードするDNA塩基の変異によって生じることから、特定のアミノ酸からの変異は数種類の天然型アミノ酸に限定される。しかしながら、合成化学的にはウイルスにおける変異に限定されず、化学試薬として市販されているあらゆるアミノ酸を導入したペプチドを調製することが可能である。こうしたことから、本発明者らは、HR2領域のHR1領域との接触部位に生じるアミノ酸置換位置をさまざまなアミノ酸に変換したHR2ペプチドの誘導体を網羅的に合成して、それらの抗ウイルス活性の評価を実施したところ、野生株およびT20耐性株をはじめとするHIV薬剤耐性株と宿主細胞の膜融合阻害効果が飛躍的に高められることを見出した。
また、HR1をはじめとするN36に対して結合するペプチドとしては、例えば特開2003-176298に記載されるような、6個又は7個のアミノ酸からなる複数のモジュール構造を有し、i位、i+4位のアミノ酸がそれぞれ酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸という組み合わせ(又はその逆の組み合わせでも良い)にすることにより、両者間にsalt bridgeが形成され、α−へリックスが形成されやすくしたものが挙げられる。
本発明者らは、このような知見を参考に、T20のアミノ酸を酸性アミノ酸(XA)、塩基性アミノ酸(XB)で規則的に置換するためのモジュール(X-XAXA-XX-XBXBもしくはX-XBXB-XX-XAXA:ここでXはT20の置換されていないアミノ酸を表す)を用い、T20の改変体を得た。
本発明の限定的解釈を望むものではないが、このようにして得られた本発明のペプチドの1個、2個又は3個が、3個のHIVのgp41のHR1領域と複合体を形成し、HIVと宿主細の膜融合を阻害し、HIV感染を阻止すると考えられる。
本発明は、以下のポリペプチド、抗HIV剤及び該抗HIV剤を含有する医薬組成物を提供する。
項1.下記表Iで表される順序でアミノ酸を含有するポリペプチド(配列番号1)。
Figure 2008050830
(表I中、X1は、セリン、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン及びバリンからなる群より選択されるいずれか1種のアミノ酸を表す;
R1は、配列番号4に表されるアミノ酸配列、その改変体及びアシル基からなる群から選択されるいずれか1種を表す;
R2は、配列番号6に表されるアミノ酸配列、その改変体、アミノ基及び置換基を有するアミノ基からなる群から選択される少なくともいずれか1種を表す;
XTyrはチロシン、
XThrはスレオニン、
XSerはセリン、
XLeuはロイシン、
XIleはイソロイシン、
XHisはヒスチジン、
XGluはグルタミン酸、
XGlnはグルタミン、
XAsnはアスパラギン、
XLysはリジン、
XAspはアスパラギン酸、
XTrp1及びXTrp2はトリプトファン、
XAlaはアラニン、
XPheはフェニルアラニンである;
また、表I中の1〜3個のアミノ酸が下記の(i)〜(xv)の法則に従って置換されていてもよい。
(i) XTyrは、同一又は異なって、チロシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(ii) XThrは、同一又は異なって、スレオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(iii) XSerは、同一又は異なって、セリンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(iv) XLeuは、同一又は異なって、ロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(v) XIleは、同一又は異なって、イソロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(vi) XHisは、同一又は異なって、ヒスチジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(vii) XGluは、同一又は異なって、グルタミン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(viii) XGlnは、同一又は異なって、グルタミンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(ix) XAsnは、同一又は異なって、アスパラギンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(x) XLysは、同一又は異なって、リジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xi) XAspは、同一又は異なって、アスパラギン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xii) XTrp1は、同一又は異なって、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xiii) XTrp2は、同一又は異なって、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸及びアラニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xiv) XAlaは、同一又は異なって、アラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xv) XPheは、同一又は異なって、フェニルアラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸及びアラニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種であり;
さらに、下記(xvi)の法則によってB列、C列、F列及びG列のアミノ酸が置換されていてもよい。
(xvi) 表Iの第1〜6行において、同一の行のB列及びC列の2個のアミノ酸、ならびにF列及びG列の2個のアミノ酸が、それぞれ、
同一又は異なって、グルタミン酸、アスパラギン酸及びシステイン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種の酸性アミノ酸、あるいは、
同一又は異なって、リジン、アルギニン、オルニチン及びヒスチジンからなる群より選択される少なくともいずれか1種の塩基性アミノ酸である。
ここで、同一の行において、B列及びC列の2個のアミノ酸が酸性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は塩基性アミノ酸であり、
B列及びC列の2個のアミノ酸が塩基性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は酸性アミノ酸である;
また、表Iに示されるアミノ酸は、R1をN末端として、以下の順序で結合している。
R1-1D-1E-1F-1G-2A-2B-2C-2D-2E-2F-2G-3A-3B-3C-3D-3E-3F-3G-4A-4B-4C-4D-4E-4F-4G-5A-5B-5C-5D-5E-5F-5G-6A-6B-6C-6D-R2
但し、1D-1E-1F-1GはN末端側から順に欠損していてもよい;
また、X1以外のアミノ酸が置換されていない場合、X1はセリンではない)。
項2.前記表Iにおいて
XTyrがチロシン、
XThrがスレオニン、
XSerがセリン、
XLeuがロイシン、
XIleがイソロイシン、
XHisがヒスチジン、
XGluがグルタミン酸、
XGlnがグルタミン、
XAsnがアスパラギン、
XLysがリジン、
XAspがアスパラギン酸、
XTrp1及びXTrp2がトリプトファン、
XAlaがアラニン、
XPheがフェニルアラニンである、項1に記載のポリペプチド。
項3.前記表Iにおいて、X1が、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン又はバリンのいずれかである、項1又は2に記載のポリペプチド。
項4.前記表Iにおいて、B列及びC列のアミノ酸がグルタミン酸であり、F列及びG列のアミノ酸がリジンであって、
かつX1がアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン又はバリンのいずれかであり、
R1がアセチル基、R2が-NH2である、項1〜3のいずれかに記載にポリペプチド。
項5.下記表IIで表される順序でアミノ酸を含有するポリペプチド(配列番号2)。
Figure 2008050830
(表II中、R3は、配列番号13に表されるアミノ酸配列、その改変体及びアシル基からなる群から選択されるいずれか1種を表す;
R4は、配列番号15に表されるアミノ酸配列、その改変体、アミノ基及び置換基を有するアミノ基からなる群から選択される少なくともいずれか1種を表す;
XLeuはロイシン、
XAspはアスパラギン酸、
XAlaはアラニン、
XAsnはアスパラギン、
XIleはイソロイシン、
XThrはスレオニン、
XLysはリジン、
XGluはグルタミン酸、
XGlnはグルタミン、
XMetはメチオニン、
XTyrはチロシン、
XTrpはトリプトファン、
XSerはセリン、
XPheはフェニルアラニンである;
また、表II中の1〜3個のアミノ酸が下記の(i)〜(xiv)の法則に従って置換されていてもよい。
(i) XLeuは、同一又は異なって、ロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(ii) XAspは、同一又は異なって、アスパラギン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(iii) XAlaは、同一又は異なって、アラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(iv) XAsnは、同一又は異なって、アスパラギンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(v) XIleは、同一又は異なって、イソロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(vi) XThrは、同一又は異なって、スレオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(vii) XLysは、同一又は異なって、リジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(viii) XGluは、同一又は異なって、グルタミン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(ix) XGlnは、同一又は異なって、グルタミンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(x) XMetは、同一又は異なって、メチオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xi) XTyrは、同一又は異なって、チロシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xii) XTrpは、同一又は異なって、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xiii) XSerは、同一又は異なって、セリンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
(xiv) XPheは、同一又は異なって、フェニルアラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種であり;
さらに、下記(xv)の法則によってB列、C列、F列及びG列のアミノ酸が置換されていてもよい。
(xv) 表IIの第1〜6行において、同一の行のB列及びC列の2個のアミノ酸、ならびにF列及びG列の2個のアミノ酸が、それぞれ、
同一又は異なって、グルタミン酸、アスパラギン酸及びシステイン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種の酸性アミノ酸、あるいは、
同一又は異なって、リジン、アルギニン、オルニチン及びヒスチジンからなる群より選択される少なくともいずれか1種の塩基性アミノ酸である。
ここで、同一の行において、B列及びC列の2個のアミノ酸が酸性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は塩基性アミノ酸であり、
B列及びC列の2個のアミノ酸が塩基性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は酸性アミノ酸である;
また、表IIに示されるアミノ酸は、R3をN末端として、以下の順序で結合している。
R3-1D-1E-1F-1G-2A-2B-2C-2D-2E-2F-2G-3A-3B-3C-3D-3E-3F-3G-4A-4B-4C-4D-4E-4F-4G-5A-5B-5C-5D-5E-5F-5G-6A-6B-6C-6D-R4
但し、1D-1E-1F-1GはN末端側から順に欠損していてもよい)。
項6. 前記表IIにおいて
XLeuはロイシン、
XAspはアスパラギン酸、
XAlaはアラニン、
XAsnはアスパラギン、
XIleはイソロイシン、
XThrはスレオニン、
XLysはリジン、
XGluはグルタミン酸、
XGlnはグルタミン、
XMetはメチオニン、
XTyrはチロシン、
XTrpはトリプトファン、
XSerはセリン、
XPheはフェニルアラニンである、項5に記載のポリペプチド。
項7.前記表IIにおいて、B列及びC列のアミノ酸がグルタミン酸であり、F列及びG列のアミノ酸がリジンであって、
R3がアセチル基、R4が-NH2である、項5又は6に記載にポリペプチド。
項8.下記(a)〜(f)のいずれかのアミノ酸配列を有する項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド。
(a)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ala-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号17)
(b)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ile-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号18)
(c)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号19)
(d)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Met-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号20)
(e)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Thr-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号21)
(f)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Val-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号22)
項9.下記(g)〜(v)のいずれかのアミノ酸配列を有する項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド。
(g)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号23)
(h)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ala-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号24)
(i)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Gly-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号25)
(j)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ile-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号26)
(k)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号27)
(l)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Met-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号28)
(m)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Thr-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号29)
(n)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Val-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号30)
(o)Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号31)
(p)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Ala-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号32)
(q)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Ala-Phe(配列番号33)
(r)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Ala(配列番号34)
(s)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号35)
(t)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Lys-Lys-Glu-Leu-Glu-Glu-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号36)
(u)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Lys-Lys-Trp-Ala-Glu-Glu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号37)
(v)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Lys-Lys-Trp-Ala-Glu-Glu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号38)
項10.下記(w)又は(x)のいずれかのアミノ酸配列を有する項5〜7のいずれかに記載のポリペプチド。
(w)Leu-Asp-Ala-Asn-Ile-Thr-Lys-Leu-Leu-Glu-Glu-Ala-Gln-Ile-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Met-Tyr-Glu-Leu-Gln-Lys-Leu-Asn-Gln-Trp-Asp-Ile-Phe-Ser-Asn-Trp-Phe(配列番号39)
(x)Leu-Asp-Ala-Asn-Ile-Glu-Glu-Leu-Leu-Lys-Lys-Ala-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Asp-Lys-Lys-Ser-Asn-Trp-Phe(配列番号40)
項11.項1〜10のいずれかに記載のポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗HIV剤。
項12.項11に記載の抗HIV剤を、薬学的に許容される担体又は添加剤と共に含有する医薬組成物。
項13.前記ポリペプチド又はその薬学的に許容される塩が、成人に対して1日体重1kg当り0.01 μg〜10 mgとなるように含有されてなる項11に記載の抗HIV剤。
項14.項1〜10のいずれかに記載のポリペプチドの有効量をHIV患者に投与することを含む、HIVの治療方法。
項15.HIV治療用組成物を製造するための請求〜10に記載されるポリペプチドの使用。
本発明のポリペプチドは、HIVのgp41 HR1と相互作用して、HIVの細胞膜と宿主細胞の細胞膜の融合を阻害し、HIV感染を阻害することができる。本発明のポリペプチドは、従来抗HIV剤として用いられていたT20よりもさらにHR1への親和性が高く、優れた抗HIV活性を発揮し得るものである。また、本発明のポリペプチドは、T20の耐性株のHIVに対しても有効に作用し得るものである。
T20は、HIV-1株に対する抗HIV活性を有することが知られているが、本発明のポリペプチドは、例えばHIV-2株に対しても有効に作用し得るものである。従って、本発明のポリペプチドによれば、幅広い種類のHIVに対して、HIVの感染予防又は治療を目的として使用することが可能である。
さらに、本発明によれば、このようなポリペプチドを有効成分とし、HIVの感染予防又は治療に有効な抗HIV剤、及び該抗HIV剤を含有する医薬組成物をも提供することができる。
以下、本発明のポリペプチド、ならびに該ポリペプチドを有効成分とする抗HIV剤及び該HIV剤を含有する医薬組成物について説明する。
1.抗HIV作用を有するポリペプチド
本発明は、以下の改変体I及び改変体IIとして示されるポリペプチドを提供する。
[改変体I]
本発明は、改変体Iとして、HIV-1 NL4-3株のHR2領域のアミノ酸配列(配列番号3)に基づいて改変を加えたポリペプチドを提供する。本発明において改変体Iは、下記表Iに表される順序でアミノ酸を含むポリペプチドである。
Figure 2008050830
表I中、X1は、セリン、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン及びバリンからなる群より選択されるいずれか1種のアミノ酸を表し、好ましくはセリン、アラニン、イソロイシン、ロイシン又はメチオニンであり、より好ましくはアラニン、イソロイシン又はメチオニンである。ただし、X1以外のアミノ酸が下記(i)〜(xvi)の法則に従って置換されていない場合、X1はセリンではない。
R1は、HIV-1のgp41 HR2領域の117〜126に位置するアミノ酸配列(Trp-Met-Glu-Trp-Asp-Arg-Glu-Ile-Asn-Asn:配列番号4)、その改変体及びアシル基からなる群から選択される少なくともいずれか1種を表す。
配列番号4に表されるアミノ酸配列の改変体は、XTrp-XMet-XGlu-XTrp-XAsp-XArg-XGlu-XIle-XAsn-XAsnのように表され、対応する下記(i)〜(xvi)の法則に従ってアミノ酸が置換された改変体が挙げられる。好ましくは、B列及びC列に相当するアミノ酸がグルタミン酸であり、F列及びG列に相当するアミノ酸がリジンである。すなわち、XTrp-Glu-Glu-XTrp-XAsp-Lys-Lys-XIle-Glu-Glu(配列番号5)のように表される。
また、R1のMet(メチオニン)は、メチオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、バリン、イソロイシン、スレオニン、リジン及びアルギニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種で置換されていてもよい。
R1のArg(アルギニン)は、アルギニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、プロリン、ヒスチジン、グルタミン、システイントリプトファン、セリン、グリシン、イソロイシン、メチオニン、スレオニン及びリジンからなる群より選択される少なくともいずれか1種で置換されていてもよい。
R1がアシル基である場合、上記表Iに表される1D(D列第1行)位、1E位、1F位、1G位又は2A位のアミノ酸のN末端のアミノ基には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、フタリル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基、ベンジル基等のアシル基が結合していてもよく、好ましくはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、フタリル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基が結合し、より好ましくはアセチル基が結合する。
R2はHIV gp41の163〜172に位置するアミノ酸配列(Asn-Ile-Thr-Asn-Trp-Leu-Trp-Tyr-Ile-Lys:配列番号6)、その改変体、アミノ基及び置換基を有するアミノ基からなる群から選択される少なくともいずれか1種を表す。
配列番号6に表されるアミノ酸配列の改変体は、XAsn-XIle-XThr-XAsn-XTrp-XLeu-XTrp-XTyr-XIle-XLysのように表され、対応する下記(i)〜(xvi)の法則に従ってアミノ酸が置換された改変体が挙げられる。好ましくは、B列及びC列に相当するアミノ酸がグルタミン酸であり、F列及びG列に相当するアミノ酸がリジンである。すなわち、XAsn-Lys-Lys-XAsn-Glu-Glu-XTrp-XTyr-Lys-Lys(配列番号7)のように表される。
R2がアミノ基又は置換基を有するアミノ基である場合、上記表Iに表される6D位のXPheのC末端のカルボニル基には、-NH2、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ベンジルアミノ基等のアミノ基が結合していてもよく、好ましくは-NH2、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基が結合し、より好ましくは-NH2が結合する。
本発明においては、R1がアセチル基であり、かつR2が-NH2であることがより好ましい。
表Iにおいて、アミノ酸は、それぞれ以下のように定義される。
XTyrはチロシン、
XThrはスレオニン、
XSerはセリン、
XLeuはロイシン、
XIleはイソロイシン、
XHisはヒスチジン、
XGluはグルタミン酸、
XGlnはグルタミン、
XAsnはアスパラギン、
XLysはリジン、
XAspはアスパラギン酸、
XTrp1及びXTrp2はトリプトファン、
XAlaはアラニン、
XPheはフェニルアラニンである。
本発明においては、表Iに示されるアミノ酸のうち1〜3個のアミノ酸が下記の(i)〜(xv)の法則に従って置換されていてもよい。
(i) XTyrは、同一又は異なって、チロシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちフェニルアラニン、セリン、システイン、ヒスチジン、アスパラギン及びアスパラギン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種ある。
(ii) XThrは、同一又は異なって、スレオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちイソロイシン、メチオニン、アスパラギン、リジン、セリン、アルギニン、プロリン及びアラニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(iii) XSerは、同一又は異なって、セリンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちフェニルアラニン、ロイシン、チロシン、システイン、トリプトファン、プロリン、スレオニン、アラニン、イソロイシン、アスパラギン、アルギニン、グリシン及びシステインからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(iv) XLeuは、同一又は異なって、ロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちプロリン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、フェニルアラニン、イソロイシン、メチオニン、バリン、セリン及びトリプトファンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(v) XIleは、同一又は異なって、イソロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちスレオニン、アスパラギン、リジン、セリン、アルギニン、フェニルアラニン、ロイシン、メチオニン及びバリンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(vi) XHisは、同一又は異なって、ヒスチジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、プロリン、アルギニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン及びアスパラギン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種ある。
(vii) XGluは、同一又は異なって、グルタミン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちバリン、アラニン、グリシン、リジン、アスパラギン酸及びグルタミンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(viii) XGlnは、同一又は異なって、グルタミンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、プロリン、アルギニン、リジン、ヒスチジン及びグルタミン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(ix) XAsnは、同一又は異なって、アスパラギンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちイソロイシン、スレオニン、セリン、チロシン、ヒスチジン、リジン及びアスパラギン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(x) XLysは、同一又は異なって、リジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちイソロイシン、メチオニン、スレオニン、アルギニン、グルタミン、アスパラギン及びグルタミン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(xi) XAspは、同一又は異なって、アスパラギン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちバリン、アラニン、グリシン、チロシン、ヒスチジン、グルタミン酸及びアスパラギンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(xii) XTrp1は、同一又は異なって、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、セリン、アルギニン、システイン及びグリシンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(xiii) XTrp2は、同一又は異なって、アラニン、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、セリン、アルギニン、システイン及びグリシンからなる群より選択される少なくともいずれか1種であり、好ましくはアラニンである。
(xiv) XAlaは、同一又は異なって、アラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちバリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、セリン、プロリン及びスレオニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(xv) XPheは、同一又は異なって、アラニン、フェニルアラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちセリン、チロシン、システイン、ロイシン、イソロイシン及びバリンからなる群より選択される少なくともいずれか1種であり、好ましくはアラニンである。
さらに、下記(xvi)の法則に従って、B列、C列、F列及びG列のアミノ酸が置換されていてもよい。
(xvi) 表Iの第1〜6行において、同一の行のB列及びC列の2個のアミノ酸、ならびにF列及びG列の2個のアミノ酸が、それぞれ、
同一又は異なる酸性アミノ酸、あるいは、
同一又は異なる塩基性アミノ酸であり、
ここで、同一の行において、
B列及びC列の2個のアミノ酸が酸性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は塩基性アミノ酸であり、
B列及びC列の2個のアミノ酸が塩基性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は酸性アミノ酸である。
すなわち、酸性アミノ酸をXAとし、塩基性をXBとすると、例えば、第2行の7個のアミノ酸配列としては、2A-2B-2C-2D-2E-2F-2Gの順で、(α)X−XA−XA−X−X−XB−XB(配列番号8)又は(β)X−XB−XB−X−X−XA−XA(配列番号9)(ここで、Xは、それぞれA列、D列及びE列のアミノ酸を表す)のように表される。本発明においては、(α)及び(β)に示される順で結合されるアミノ酸配列を組み合わせて第2〜4行に位置するアミノ酸配列とすることができる。また、本発明の効果を損なわない限り、(α)と(β)を任意に組み合わせて用いることができ、例えば、(α)−(α)−(α)−(α);(β)−(β)−(α)−(α);(α)−(β)−(β)−(α);(α)−(β)−(α)−(β);(β)−(α)−(α)−(β)等が挙げられる。本発明においてより好ましい組み合わせとしては、(α)−(α)−(α)−(α);(β)−(β)−(α)−(α);(α)−(β)−(α)−(β)等が挙げられる。なお、1F-1G及び6B-6Cのアミノ酸についても、XA−XA又はXB−XBのように同様の法則に従って改変されていてもよい。
ここで、酸性アミノ酸としては、好ましくはグルタミン酸、アスパラギン酸又はシステイン酸等であり、より好ましくはグルタミン酸又はアスパラギン酸であり、さらに好ましくはグルタミン酸である。
塩基性アミノ酸としては、好ましくはリジン、アルギニン、オルニチン又はヒスチジン等であり、より好ましくはリジン、アルギニン又はオルニチンであり、さらに好ましくはリジン又はアルギニンであり、さらに好ましくはリジンである。
上記酸性アミノ酸及び塩基性アミノ酸の組み合わせの中でも、グルタミン酸−リジンの組み合わせがより好ましい。
表Iに示されるアミノ酸は、R1をN末端として、以下の順序で結合している。
R1-1D-1E-1F-1G-2A-2B-2C-2D-2E-2F-2G-3A-3B-3C-3D-3E-3F-3G-4A-4B-4C-4D-4E-4F-4G-5A-5B-5C-5D-5E-5F-5G-6A-6B-6C-6D-R2
ただし、1D-1E-1F-1GはN末端側から順に欠損していてもよい。すなわち、XTyr-XThr-XSer-XLeu(配列番号10)、XThr-XSer-XLeu(配列番号11)、XSer-XLeu、XLeuのいずれかである。ここで、XTyr-XThr-XSer-XLeu(配列番号10)として表されるアミノ酸は、それぞれ前記と同様の法則によって置換されていても良い。
本発明のポリペプチドは、表Iに表されるアミノ酸配列において、下記(ア)〜(ウ)に示されるアミノ酸配列を有するものが好ましい。
(ア)表Iにおいて、
XTyrがチロシン、
XThrがスレオニン、
XSerがセリン、
XLeuがロイシン、
XIleがイソロイシン、
XHisがヒスチジン、
XGluがグルタミン酸、
XGlnがグルタミン、
XAsnがアスパラギン、
XLysがリジン、
XAspがアスパラギン酸、
XTrp1及びXTrp2がトリプトファン、
XAlaがアラニン、
XPheがフェニルアラニンである。
(イ)表Iにおいて、
XTyrがチロシン、
XThrがスレオニン、
XSerがセリン、
XLeuがロイシン、
XIleがイソロイシン、
XHisがヒスチジン、
XGluがグルタミン酸、
XGlnがグルタミン、
XAsnがアスパラギン、
XLysがリジン、
XAspがアスパラギン酸、
XTrp1及びXTrp2がトリプトファン、
XAlaがアラニン、
XPheがフェニルアラニンであって、
X1が、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン及びバリンからなる群より選択されるいずれか1種のアミノ酸を表し、
R1がアセチル基であり、かつR2が-NH2である。
(ウ)表Iにおいて、
XTyrがチロシン、
XThrがスレオニン、
XSerがセリン、
XLeuがロイシン、
XIleがイソロイシン、
XHisがヒスチジン、
XGluがグルタミン酸、
XGlnがグルタミン、
XAsnがアスパラギン、
XLysがリジン、
XAspがアスパラギン酸、
XTrp1及びXTrp2がトリプトファン、
XAlaがアラニン、
XPheがフェニルアラニンであって、
X1は、セリン、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン及びバリンからなる群より選択されるいずれか1種のアミノ酸を表し、
R1がアセチル基であり、かつR2が-NH2であり、
表Iの第1〜6行において、同一の行のB列及びC列の2個のアミノ酸、ならびにF列及びG列の2個のアミノ酸が、それぞれ、酸性アミノ酸又は塩基性アミノ酸であり、
ここで、同一の行において、B列及びC列の2個のアミノ酸が酸性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は塩基性アミノ酸であり、
B列及びC列の2個のアミノ酸が塩基性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は酸性アミノ酸である。
[改変体II]
本発明は、HIV-2 EHO株のHR2領域のアミノ酸配列(配列番号12)に基づいて改変を加えた、改変体IIとして以下のポリペプチドをも提供するものである。すなわち、改変体IIは、下記表IIで表される順序でアミノ酸を含有するポリペプチドである(配列番号2)。
Figure 2008050830
表II中、R3及びR4は、下記のように定義される。
R3は、HIV-2のgp41 HR2領域中のアミノ酸配列Trp-Gln-Gln-Trp-Glu-Arg-Gln-Val-Arg-Phe(配列番号13)、その改変体及びアシル基からなる群から選択される少なくともいずれか1種を表す。
配列番号13に表されるアミノ酸配列の改変体は、XTrp-XGln-XGln-XTrp-XGlu-XArg-XGln-XVal-XArg-XPheのように表され、対応する下記(i)〜(xv)の法則に従ってアミノ酸が置換された改変体が挙げられる。好ましくは、B列及びC列に相当するアミノ酸がグルタミン酸であり、F列及びG列に相当するアミノ酸がリジンである。すなわち、XTrp-Glu-Glu-XTrp-XGlu-Lys-Lys-XVal-Glu-Glu(配列番号14)のように表される。
また、R3のArg(アルギニン)は、アルギニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、プロリン、ヒスチジン、グルタミン、システイン、トリプトファン、セリン、グリシン、イソロイシン、メチオニン、スレオニン及びリジンからなる群より選択される少なくともいずれか1種で置換されていてもよい。
R3がアシル基である場合、上記表Iに表される1D(D列第1行)位、1E位、1F位、1G位又は2A位のアミノ酸のN末端のアミノ基には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、ベンジルオキシカルボニル基、フタリル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基、ベンジル基等のアシル基が結合していてもよく、好ましくはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、フタリル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基が結合し、より好ましくはアセチル基が結合する。
R4はHIV-2のgp41 中のアミノ酸配列Asp-Phe-Thr-Ser-Trp-Met-Ala-Tyr-Ile-Arg(配列番号15)、その改変体、アミノ基及び置換基を有するアミノ基からなる群から選択される少なくともいずれか1種を表す。
配列番号15に表されるアミノ酸配列の改変体は、XAsp-XPhe-XThr-XSer-XTrp-XMet-XAla-XTyr-XIle-XArgのように表され、対応する下記(i)〜(xv)の法則に従ってアミノ酸が置換された改変体が挙げられる。好ましくは、B列及びC列に相当するアミノ酸がグルタミン酸であり、F列及びG列に相当するアミノ酸がリジンである。すなわち、XAsp-Lys-Lys-XSer-Glu-Glu-XAla-XTyr-Lys-Lys(配列番号16)のように表される。
R4がアミノ基又は置換基を有するアミノ基である場合、上記表IIに表される6D位のXPheのC末端のアミノ酸のC末端カルボニル基には、-NH2、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ベンジルアミノ基等のアミノ基が結合していてもよく、好ましくは-NH2、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基が結合し、より好ましくは-NH2が結合する。
本発明においては、R3がアセチル基であり、かつR4が-NH2であることがより好ましい。
また、表II中、
XLeuはロイシン、
XAspはアスパラギン酸、
XAlaはアラニン、
XAsnはアスパラギン、
XIleはイソロイシン、
XThrはスレオニン、
XLysはリジン、
XGluはグルタミン酸、
XGlnはグルタミン、
XMetはメチオニン、
XTyrはチロシン、
XTrpはトリプトファン、
XSerはセリン、
XPheはフェニルアラニンである。
また、表I中の1〜3個のアミノ酸が下記の(i)〜(xv)の法則に従って置換されていてもよい。
(i) XLeuは、同一又は異なって、ロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちプロリン、ヒスチジン、グルタミン、アルギニン、フェニルアラニン、イソロイシン、メチオニン、バリン、セリン及びトリプトファンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(ii) XAspは、同一又は異なって、アスパラギン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちバリン、アラニン、グリシン、チロシン、ヒスチジン、グルタミン酸及びアスパラギンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(iii) XAlaは、同一又は異なって、アラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちバリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、セリン、プロリン及びスレオニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(iv) XAsnは、同一又は異なって、アスパラギンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちイソロイシン、スレオニン、セリン、チロシン、ヒスチジン、リジン及びアスパラギン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(v) XIleは、同一又は異なって、イソロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちスレオニン、アスパラギン、リジン、セリン、アルギニン、フェニルアラニン、ロイシン、メチオニン及びバリンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(vi) XThrは、同一又は異なって、スレオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちイソロイシン、メチオニン、アスパラギン、リジン、セリン、アルギニン、プロリン及びアラニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(vii) XLysは、同一又は異なって、リジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちイソロイシン、メチオニン、スレオニン、アルギニン、グルタミン、アスパラギン及びグルタミン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(viii) XGluは、同一又は異なって、グルタミン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちバリン、アラニン、グリシン、リジン、アスパラギン酸及びグルタミンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(ix) XGlnは、同一又は異なって、グルタミンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、プロリン、アルギニン、リジン、ヒスチジン及びグルタミン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(x) XMetは、同一又は異なって、メチオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、バリン、イソロイシン、スレオニン、リジン及びアルギニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(xi) XTyrは、同一又は異なって、チロシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちフェニルアラニン、セリン、システイン、ヒスチジン、アスパラギン及びアスパラギン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(xii) XTrpは、同一又は異なって、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちロイシン、セリン、アルギニン、システイン及びグリシンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(xiii) XSerは、同一又は異なって、セリンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちフェニルアラニン、ロイシン、チロシン、システイン、トリプトファン、プロリン、スレオニン、アラニン、イソロイシン、アスパラギン、アルギニン、グリシン及びシステインからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
(xiv) XPheは、同一又は異なって、フェニルアラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸、すなわちセリン、チロシン、システイン、ロイシン、イソロイシン及びバリンからなる群より選択される少なくともいずれか1種である。
さらに、(xv)の法則によってB列、C列、F列及びG列のアミノ酸が置換されていてもよい。(xv)は、前記表Iの(xvi)と同様に定義される。
表IIに示されるアミノ酸は、R3をN末端、R4をC末端として、上記表Iと同様の順序で結合している。また、1D-1E-1F-1Gについても表Iの場合と同様に定義される。
以上の本発明の改変体I及び改変体IIにおいて使用されるアミノ酸は、L体(Lアミノ酸)が好ましいが、D体を用いても良い。D体を用いる場合には、全ての光学活性アミノ酸をD体にすることが好ましい。
本発明のポリペプチドは、好ましくは下記(a)〜(x)のいずれかのアミノ酸配列を有する。ここで、(a)〜(v)は改変体Iに相当し、(w)及び(x)は改変体IIに相当する。本発明のポリペプチドとして、より好ましくは下記の(g)〜(n)のアミノ酸配列を有する。
(a)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ala-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号17)
(b)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ile-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号18)
(c)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号19)
(d)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Met-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号20)
(e)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Thr-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号21)
(f)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Val-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号22)
(g)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号23)
(h)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ala-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号24)
(i)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Gly-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号25)
(j)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ile-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号26)
(k)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号27)
(l)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Met-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号28)
(m)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Thr-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号29)
(n)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Val-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号30)
(o)Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号31)
(p)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Ala-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号32)
(q)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Ala-Phe(配列番号33)
(r)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Ala(配列番号34)
(s)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号35)
(t)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Lys-Lys-Glu-Leu-Glu-Glu-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号36)
(u)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Lys-Lys-Trp-Ala-Glu-Glu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号37)
(v)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Lys-Lys-Trp-Ala-Glu-Glu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号38)
(w)Leu-Asp-Ala-Asn-Ile-Thr-Lys-Leu-Leu-Glu-Glu-Ala-Gln-Ile-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Met-Tyr-Glu-Leu-Gln-Lys-Leu-Asn-Gln-Trp-Asp-Ile-Phe-Ser-Asn-Trp-Phe(配列番号39)
(x)Leu-Asp-Ala-Asn-Ile-Glu-Glu-Leu-Leu-Lys-Lys-Ala-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Asp-Lys-Lys-Ser-Asn-Trp-Phe(配列番号40)
本発明のポリペプチドは、N末端がアセチル化され、且つC末端がアミド化されていた方が、安定なα-へリックス構造を形成することができる。また、本発明のペプチド改変体は、N末端とC末端は互いに結合しておらず、非環状であることが好ましい。
本発明のポリペプチドは、公知のポリペプチド合成法、特に液相合成法あるいは固相合成法によって製造することができる。また、本発明のポリペプチドをコードするDNAを遺伝子組換え技術により宿主細胞に導入し、発現させる方法によっても合成することができる。
例えば、固相合成法では、最もC末端に対応するアミノ酸のアミノ基を9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基などのウレタン型保護基で保護したN-保護アミノ酸のカルボキシル基を、アミノ基を有する不溶性樹脂に結合させた後、アミノ基の保護基を除去し、N末端方向に順次保護アミノ酸を縮合させ、次いで不溶性樹脂およびアミノ酸の保護基を脱保護させて、本発明のポリペプチドを得ることができる。
前記のアミノ基を有する不溶性樹脂としては、特に限定されないが、Fmoc-NH-SAL樹脂(4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノエチル)フェノキシリンカー樹脂)が好ましく、開裂によって直接目的物を与えることができる。
本発明のポリペプチドの合成に用いる保護アミノ酸は、官能基を公知の方法により公知の保護基で保護することにより得ることができるし、市販の保護アミノ酸を使用することもできる。保護基としては公知のものが使用できる。
保護アミノ酸を調製する場合には、例えば、DIPCDI(ジイソプロピルカルボジイミド)-HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)法等のような公知の方法を用いることができる。本縮合反応は公知の溶媒中で行うことができ、例えば、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒が例示される。アミノ基の保護基の脱離試薬としては限定されず、ピペリジン/ジメチルホルムアミド等の公知の試薬によって、Fmoc基等の保護基を切断することができる。
また、合成の各段階における縮合反応の進行の程度は、例えばニンヒドリン反応法のような公知の方法によって確認することができる。
上記のようにして、所望のアミノ酸配列を有する保護ポリペプチドを得ることができる。
不溶性樹脂としてFmoc-NH-SAL樹脂を用いた場合、TMSBr(トリメチルシリルブロミド)やTFA(トリフルオロ酢酸)等で処理することにより、樹脂及び保護基を同時に脱離させることができる。
このようにして得られた本発明のポリペプチドは、例えば、抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー(ゲルろ過、イオン交換、分配、吸着)、電気泳動、向流分配等、公知の手段により単離精製することができ、逆相高速液体クロマトグラフィーによる方法が好ましい。
本発明のポリペプチドは、HIVが生体内の宿主細胞(例えば、T細胞等)に侵入(感染)することを防ぐことができ、または感染したHIVが宿主細胞内で増殖し更なる感染を引き起こすことを防ぐことができるので、HIVの感染予防、HIV感染細胞の拡大の予防、AIDSの発症予防、更にはAIDSの治療等にも使用することができる。
2.抗HIV剤及び該抗HIV剤を含む医薬組成物
本発明のポリペプチドには、その薬学的に許容される塩も包含される。かかる塩には、当業界で周知の方法により調製される、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなどの無毒性アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が包含される。更に上記塩には、本発明ポリペプチドと適当な有機酸乃至無機酸との反応による無毒性酸付加塩も包含される。代表的酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、ラウリン酸塩、乳酸塩、リン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシレート)、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、ベンゼンスルホン酸塩及びメタンスルホン酸塩などを例示できる。これらの塩を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明のポリペプチド又はその薬学的に許容される塩をそれぞれ単独で有効成分とし、又は本発明のポリペプチドとその塩の1種もしくは2種以上を組み合わせて有効成分とし、抗HIV剤として使用することもできる。また、上記ポリペプチドに等張化剤、無機塩類、緩衝剤、可溶化剤、キレート剤、抗酸化剤、香料、防腐剤、pH調整剤等の従来公知の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で組み合わせて、本発明の抗HIV剤とすることもできる。
さらに、本発明は、前記抗HIV剤を有効成分とし、従来公知の薬学的に許容される担体又は種々の添加剤(賦形剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤等)を共に含有する抗HIV活性を有する医薬組成物をも提供するものである。
前記医薬組成物の製剤形態としては各種のものが治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとしては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、カプセル剤、徐放性ミクロカプセル剤等の固形製剤、注射剤(液剤、懸濁剤など)等の経口又は非経口投与用の液状製剤が挙げられる。
例えば、錠剤の形態に成形するに際しては、上記製剤担体として乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウムなどの賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムなどの崩壊剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリドなどの界面活性剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油などの崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウムなどの吸収促進剤;グリセリン、デンプンなどの保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸などの吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコールなどの滑沢剤等を使用できる。
更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、フィルムコーティング錠、二重錠乃至多層錠等とすることができる。
丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルクなどの賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノールなどの結合剤;ラミナラン、カンテンなどの崩壊剤などを使用できる。
カプセル剤は、常法に従い通常本発明の有効成分を上記で例示した各種の製剤担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセルなどに充填して調整される。
本発明の医薬組成物を経口投与用の液状製剤として調製する場合は、慣用される不活性希釈剤、例えば水、を含む医薬的に許容される溶液、エマルジョン、懸濁液、シロップ、エリキシルなどを包含し、更に湿潤剤、乳剤、懸濁剤などの助剤を含ませることができ、これらは常法に従い調製される。
本発明の医薬組成物を非経口投与用の液状製剤として調製する場合、希釈剤として例えば水、エチルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びオリーブ油などの植物油などを使用でき、また注入可能な有機エステル類、例えばオレイン酸エチルなどを配合できる。これらには更に通常の溶解補助剤、緩衝剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、分散剤などを添加することもできる。滅菌は、例えばバクテリア保留フィルターを通過させる濾過操作、殺菌剤の配合、照射処理及び加熱処理などにより実施できる。また、これらは使用直前に滅菌水や適当な滅菌可能媒体に溶解することのできる滅菌固体組成物形態に調製することもできる。
本発明の医薬組成物は、液状製剤の形態で調製する場合、凍結乾燥化し保存し得る状態にした後、用時水、生埋的食塩水などを含む緩衝液などで溶解して適当な濃度に調製した後に使用することも可能である。
また、本発明の医薬組成物には、通常の蛋白製剤などに使用され得る各種の成分、例えば安定化剤、殺菌剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤、リン脂質などを適宜使用して調製され得る。
尚、本発明の医薬組成物中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤などや他の医薬品などを含有させることもできる。
本発明の抗HIV剤又は抗HIV活性を有する医薬組成物の投与方法は、特に制限がなく、各種製剤形態、疾患の程度などに応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤は経口投与され、注射剤は単独で又はブドウ糖やアミノ酸などの通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じ単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。
上記医薬組成物の投与量は、特に限定されず、所望の治療効果、投与法、治療期間、患畜の年齢などに応じて適宜選択されるが、一般的には、通常成人に対して有効成分量が、1日体重1kg当り、0.01 μg〜10 mg程度、好ましくは0.1 μg〜1 mg程度、より好ましくは0.01 mg〜1 mg程度、より好ましくは0.1 mg〜1 mg程度とするのがよく、該製剤は1日に1回又は数回に分けて投与することができる。前記用量の有効成分を投与することによってHIVの感染を予防若しくは治療することができ、加えて、ヒトAIDSの治療を行うことができる。
また、HIVの感染予防もしくは治療、又はヒトAIDSの治療において、本発明のポリペプチド、抗HIV剤又は抗HIV剤を含有する医薬組成物は、例えば、現在臨床の現場で行われている多剤療法(HAART:Highly Active Anti-retroviral Therapy)等の公知の療法と併用することも可能である。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(1)ペプチド合成
NovaSyn TGR resin (Novabiochem社)上、通常のFmoc型固相合成法により保護ペプチド樹脂を構築した。N末端は無水酢酸 (10 eq.), pyridine (10 eq.) を加えDMF溶媒中2 hr攪拌することで、アセチル化を行った。この樹脂 (200 mg)を、m-cresol : ethanedithiol : thioanisole : H2O : TFA = 5 : 5 : 5 : 5 : 80 (v/v, 10 mL)で室温、2.5 hr処理した。樹脂を濾去した後、窒素気流で溶媒を留去し、氷冷下で残渣にエーテルを加えてペプチドを析出させた。ペプチドは遠心分離器で沈殿させエーテルを除去し、この洗浄操作を3回繰り返した。粗ペプチドを0.1 % TFA in H2O-MeCN (1 : 2 v/v, 5 mL)に溶かし、HPLCにて分取精製し、目的とするペプチド(a)〜(x)を得た。各アミノ酸配列の下に、イオンスプレーマススペクトル(IS-MS)(トリプルステージ四重極型質量分析装置APIII (Perkin-Elmer ScieX)を使用) によって得られた、質量分析の結果を示す。
(a)T20/S138A
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ala-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号17)
(理論値:4476.9 ;実測値:4476.0 )

(b)T20/S138I
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ile-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号18)
(理論値:4519.0 ;実測値:4518.4 )

(c)T20/S138L
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号19)
(理論値:4519.0 ;実測値:4518.7 )

(d)T20/S138M
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Met-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号20)
(理論値:4537.0 ;実測値:4536.1 )

(e)T20/S138T
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Thr-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号21)
(理論値:4506.9 ;実測値:4506.4 )

(f)T20/S138V
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Val-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号22)
(理論値:4504.9 ;実測値:4504.8 )

(g) T20EK
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号23)
(理論値:4626.2 ;実測値:4625.5 )

(h)T20EK/S138A
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ala-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号24)
(理論値:4610.2 ;実測値:4610.0 )

(i) T20EK/S138G
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Gly-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号25)
(理論値:4696.2 ;実測値:4696.0 )

(j) T20EK/S138I
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ile-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号26)
(理論値:4652.3 ;実測値:4652.0 )

(k) T20EK/S138L
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号27)
(理論値:4652.3 ;実測値:4652.0 )

(l) T20EK/S138M
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Met-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号28)
(理論値:4670.3 ;実測値:4669.2 )

(m)T20EK/S138T
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Thr-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号29)
(理論値:4640.2 ;実測値:4640.0 )

(n)T20EK/S138V
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Val-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号30)
(理論値:4638.2 ;実測値:4638.0 )

(o)T20EK32
Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号31)
(理論値:4161.7 ;実測値:4162.0 )

(p)T20EK/W155A
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Ala-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号32)
(理論値:4511.1 ;実測値:4511.2 )

(q)T20EK/W161A
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Ala-Phe(配列番号33)
(理論値:4511.1 ;実測値:4511.0 )

(r)T20EK/F162A
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Ala(配列番号34)
(理論値:4550.1 ;実測値:4550.0 )

(s)T20EK-b
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号35)
(理論値:4626.2 ;実測値:4626.0 )

(t) T20EK-d
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Lys-Lys-Glu-Leu-Glu-Glu-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号36)
(理論値:4626.2 ;実測値:4626.0 )

(u) T20EK-g
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Lys-Lys-Trp-Ala-Glu-Glu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号37)
(理論値:4626.2 ;実測値:4626.0 )

(v) T20EK-h
Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Lys-Lys-Trp-Ala-Glu-Glu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号38)
(理論値:4626.2 ;実測値:4626.0 )

(w)T20/HIV-2
Leu-Asp-Ala-Asn-Ile-Thr-Lys-Leu-Leu-Glu-Glu-Ala-Gln-Ile-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Met-Tyr-Glu-Leu-Gln-Lys-Leu-Asn-Gln-Trp-Asp-Ile-Phe-Ser-Asn-Trp-Phe(配列番号39)
(理論値:4485.0 ;実測値:4485.0 )

(x)T20EK/HIV-2
Leu-Asp-Ala-Asn-Ile-Glu-Glu-Leu-Leu-Lys-Lys-Ala-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Asp-Lys-Lys-Ser-Asn-Trp-Phe(配列番号40)
(理論値:4504.0 ;実測値:4503.5 )
(2)MAGI(Maltinuclear activation of galactosidase indicator)アッセイによる抗HIV活性の測定
Hela細胞にCD4-LTR/βgalを発現させたMAGI細胞を使用し、MAGIアッセイにより上記(a)〜(o)の配列を含むポリペプチドについて抗HIV活性を測定した。
MAGI 細胞をトリプシン5分処理後、等量以上のDMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)を添加し、カウント後、96wellに1×104cells/wellとなるようにした。ウイルスHIV-1株クローンNL4-3をDMEMで希釈し、100μlずつウェルに添加した。上記(a)〜(o)の配列を含むポリペプチドを10倍ごとの段階希釈し、ウェルに添加した。48時間培養後、X-Galを添加して青色に染色される細胞数をカウントした。この細胞はHIVが感染するとX-GALで青色に染色されることから50%染色率を示す濃度をEC50(Effective concentration)として表記する。結果を下記表A〜Dに示す。
Figure 2008050830
Figure 2008050830
Figure 2008050830
Figure 2008050830
表A〜Dに示される結果より、本発明のポリペプチドは、T20よりも優れた抗HIV活性を有していることが示された。
(3)T20耐性ウイルスに対する抗HIV活性
T20と、前記ポリペプチド(a)〜(d)及び(g)〜(n)を用い、T20耐性ウイルスに対する抗HIV活性を評価した。
ウイルスHIV-1株クローンNL4-3の代わりに前記T20耐性株ウイルスを用いる以外は上記(2)と同じ試験方法によって抗HIV活性を評価した。
T20耐性を示す臨床株では、gp41のV38A及びN43Dといった変異が見られる。しかしながら、これらのT20耐性株ウイルスは増殖能が乏しいため、一部の配列に変異を導入し(36位のアスパラギン酸をグリシンに置換した)、アッセイに適用可能なウイルスとして調製した(これをDGと記載する)。すなわち、本試験では、DGに対する活性値を野性株HIVに対する活性値とし、変異株(T20耐性株)に相当するウイルスとしてDG/V38A及びDG/N43Dを用いて抗HIV活性の傾向を評価した。ここで、DG/V38Aは、T20耐性HIVのgp41のHR1領域における38位のバリンがアラニンに変異している耐性株である。また、DG/N43Dは、T20耐性HIVのgp41のHR1領域における43位のアスパラギンがアスパラギン酸に変異している耐性株である。
前述のように、T20に対する耐性は、gp41のHR1領域のアミノ酸変異およびHR2領域のアミノ酸変異によって生じているものと考えられている。ここで、HR1領域のアミノ酸変異は、HR2領域の部分ペプチドとして阻害活性を有するT20に対する親和性を下げると考えられる。一方、HR2領域のアミノ酸変異は、T20よりも親和性が高く、変異後のHR1領域の配列により高い親和性を保持すると考えられる。従って、本試験においては、DGのgp41のHR1領域に相当する箇所(すなわち38位のバリン及び43位のアスパラギン)に変異のあるT20耐性株を用いて、これらに対する本発明のペプチドの抗HIV活性を評価した。
結果を下記表E及び表Fに示す。
Figure 2008050830
Figure 2008050830
表E及び表Fに示されるように、本発明のポリペプチドは、T20耐性株のHIVに対しても優れた抗ウイルス活性を示した。
(4)HIV-2ウイルスに対する抗HIV活性
T20と、前記ポリペプチド(g)、(w)及び(x)を用い、HIV-2ウイルスに対する抗HIV活性を評価した。
ウイルスHIV-1株クローンNL4-3の代わりに、HIV-2 EHO株ウイルスを用いる以外は上記(2)と同じ試験方法によって抗HIV活性を評価した。結果を下記表Gに示す。
Figure 2008050830
表Gに示されるように、本発明のポリペプチドは、HIV-2(EHO)に対して優れた抗ウイルス活性を示した。特にポリペプチド(g)及び(w)は、HIV-1に対して優れた抗ウイルス活性を示すとともに、HIV-2に対しても優れた抗ウイルス活性を示した。
配列番号1は、表Iに示されるアミノ酸配列を表す。
配列番号2は、表IIに示されるアミノ酸配列を表す。
配列番号5は、HIV-1 (NL4-3) gp41 HR2領域117-126の改変体のアミノ酸配列を表す。
配列番号7は、HIV-1 (NL4-3) gp41 HR2領域163-173の改変体のアミノ酸配列を表す。
配列番号8は、(α)のアミノ酸配列を表す。
配列番号9は、(β)のアミノ酸配列を表す。
配列番号10は、表Iの1D-1E-1F-1Gのアミノ酸配列を表す。
配列番号11は、表Iの1E-1F-1Gのアミノ酸配列を表す。
配列番号14は、HIV-2 (EHO) gp41 HR2領域の部分配列の改変体のアミノ酸配列を表す。配列番号16は、HIV-2 (EHO) gp41の部分配列の改変体のアミノ酸配列を表す。
配列番号17は、(a)T20/S138Aのアミノ酸配列を表す。
配列番号18は、(b)T20/S138Iのアミノ酸配列を表す。
配列番号19は、(c)T20/S138Lのアミノ酸配列を表す。
配列番号20は、(d)T20/S138Mのアミノ酸配列を表す。
配列番号21は、(e)T20/S138Tのアミノ酸配列を表す。
配列番号22は、(f)T20/S138Vのアミノ酸配列を表す。
配列番号23は、(g)T20EKのアミノ酸配列を表す。
配列番号24は、(h)T20EK/S138Aのアミノ酸配列を表す。
配列番号25は、(i)T20EK/S138Gのアミノ酸配列を表す。
配列番号26は、(j)T20EK/S138Iのアミノ酸配列を表す。
配列番号27は、(k)T20EK/S138Lのアミノ酸配列を表す。
配列番号28は、(l)T20EK/S138Mのアミノ酸配列を表す。
配列番号29は、(m)T20EK/S138Tのアミノ酸配列を表す。
配列番号30は、(n)T20EK/S138Vのアミノ酸配列を表す。
配列番号31は、(o)T20EK32のアミノ酸配列を表す。
配列番号32は、(p)T20EK/W155Aのアミノ酸配列を表す。
配列番号33は、(q)T20EK/W161Aのアミノ酸配列を表す。
配列番号34は、(r)T20EK/F162Aのアミノ酸配列を表す。
配列番号35は、(s)T20EK-bのアミノ酸配列を表す。
配列番号36は、(t)T20EK-dのアミノ酸配列を表す。
配列番号37は、(u)T20EK-gのアミノ酸配列を表す。
配列番号38は、(v)T20EK-hのアミノ酸配列を表す。
配列番号39は、(w)T20/HIV-2のアミノ酸配列を表す。
配列番号40は、(x)T20EK/HIV-2のアミノ酸配列を表す。

Claims (15)

  1. 下記表Iで表される順序でアミノ酸を含有するポリペプチド(配列番号1)。
    Figure 2008050830
    (表I中、X1は、セリン、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン及びバリンからなる群より選択されるいずれか1種のアミノ酸を表す;
    R1は、配列番号4に表されるアミノ酸配列、その改変体及びアシル基からなる群から選択されるいずれか1種を表す;
    R2は、配列番号6に表されるアミノ酸配列、その改変体、アミノ基及び置換基を有するアミノ基からなる群から選択される少なくともいずれか1種を表す;
    XTyrはチロシン、
    XThrはスレオニン、
    XSerはセリン、
    XLeuはロイシン、
    XIleはイソロイシン、
    XHisはヒスチジン、
    XGluはグルタミン酸、
    XGlnはグルタミン、
    XAsnはアスパラギン、
    XLysはリジン、
    XAspはアスパラギン酸、
    XTrp1及びXTrp2はトリプトファン、
    XAlaはアラニン、
    XPheはフェニルアラニンである;
    また、表I中の1〜3個のアミノ酸が下記の(i)〜(xv)の法則に従って置換されていてもよい。
    (i) XTyrは、同一又は異なって、チロシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (ii) XThrは、同一又は異なって、スレオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (iii) XSerは、同一又は異なって、セリンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (iv) XLeuは、同一又は異なって、ロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (v) XIleは、同一又は異なって、イソロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (vi) XHisは、同一又は異なって、ヒスチジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (vii) XGluは、同一又は異なって、グルタミン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (viii) XGlnは、同一又は異なって、グルタミンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (ix) XAsnは、同一又は異なって、アスパラギンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (x) XLysは、同一又は異なって、リジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xi) XAspは、同一又は異なって、アスパラギン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xii) XTrp1は、同一又は異なって、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xiii) XTrp2は、同一又は異なって、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸及びアラニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xiv) XAlaは、同一又は異なって、アラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xv) XPheは、同一又は異なって、フェニルアラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸及びアラニンからなる群より選択される少なくともいずれか1種であり;
    さらに、下記(xvi)の法則によってB列、C列、F列及びG列のアミノ酸が置換されていてもよい。
    (xvi) 表Iの第1〜6行において、同一の行のB列及びC列の2個のアミノ酸、ならびにF列及びG列の2個のアミノ酸が、それぞれ、
    同一又は異なって、グルタミン酸、アスパラギン酸及びシステイン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種の酸性アミノ酸、あるいは、
    同一又は異なって、リジン、アルギニン、オルニチン及びヒスチジンからなる群より選択される少なくともいずれか1種の塩基性アミノ酸である。
    ここで、同一の行において、B列及びC列の2個のアミノ酸が酸性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は塩基性アミノ酸であり、
    B列及びC列の2個のアミノ酸が塩基性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は酸性アミノ酸である;
    また、表Iに示されるアミノ酸は、R1をN末端として、以下の順序で結合している。
    R1-1D-1E-1F-1G-2A-2B-2C-2D-2E-2F-2G-3A-3B-3C-3D-3E-3F-3G-4A-4B-4C-4D-4E-4F-4G-5A-5B-5C-5D-5E-5F-5G-6A-6B-6C-6D-R2
    但し、1D-1E-1F-1GはN末端側から順に欠損していてもよい;
    また、X1以外のアミノ酸が置換されていない場合、X1はセリンではない)。
  2. 前記表Iにおいて
    XTyrがチロシン、
    XThrがスレオニン、
    XSerがセリン、
    XLeuがロイシン、
    XIleがイソロイシン、
    XHisがヒスチジン、
    XGluがグルタミン酸、
    XGlnがグルタミン、
    XAsnがアスパラギン、
    XLysがリジン、
    XAspがアスパラギン酸、
    XTrp1及びXTrp2がトリプトファン、
    XAlaがアラニン、
    XPheがフェニルアラニンである、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 前記表Iにおいて、X1が、アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン又はバリンのいずれかである、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. 前記表Iにおいて、B列及びC列のアミノ酸がグルタミン酸であり、F列及びG列のアミノ酸がリジンであって、
    かつX1がアラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、スレオニン又はバリンのいずれかであり、
    R1がアセチル基、R2が-NH2である、請求項1〜3のいずれかに記載にポリペプチド。
  5. 下記表IIで表される順序でアミノ酸を含有するポリペプチド(配列番号2)。
    Figure 2008050830
    (表II中、R3は、配列番号13に表されるアミノ酸配列、その改変体及びアシル基からなる群から選択されるいずれか1種を表す;
    R4は、配列番号15に表されるアミノ酸配列、その改変体、アミノ基及び置換基を有するアミノ基からなる群から選択される少なくともいずれか1種を表す;
    XLeuはロイシン、
    XAspはアスパラギン酸、
    XAlaはアラニン、
    XAsnはアスパラギン、
    XIleはイソロイシン、
    XThrはスレオニン、
    XLysはリジン、
    XGluはグルタミン酸、
    XGlnはグルタミン、
    XMetはメチオニン、
    XTyrはチロシン、
    XTrpはトリプトファン、
    XSerはセリン、
    XPheはフェニルアラニンである;
    また、表II中の1〜3個のアミノ酸が下記の(i)〜(xiv)の法則に従って置換されていてもよい。
    (i) XLeuは、同一又は異なって、ロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (ii) XAspは、同一又は異なって、アスパラギン酸をコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (iii) XAlaは、同一又は異なって、アラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (iv) XAsnは、同一又は異なって、アスパラギンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (v) XIleは、同一又は異なって、イソロイシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (vi) XThrは、同一又は異なって、スレオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (vii) XLysは、同一又は異なって、リジンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (viii) XGluは、同一又は異なって、グルタミン酸をコードするコドンからの一塩基の
    変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (ix) XGlnは、同一又は異なって、グルタミンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (x) XMetは、同一又は異なって、メチオニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xi) XTyrは、同一又は異なって、チロシンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xii) XTrpは、同一又は異なって、トリプトファンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xiii) XSerは、同一又は異なって、セリンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種;
    (xiv) XPheは、同一又は異なって、フェニルアラニンをコードするコドンからの一塩基の変異によって生じるアミノ酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種であり;
    さらに、下記(xv)の法則によってB列、C列、F列及びG列のアミノ酸が置換されていてもよい。
    (xv) 表IIの第1〜6行において、同一の行のB列及びC列の2個のアミノ酸、ならびにF列及びG列の2個のアミノ酸が、それぞれ、
    同一又は異なって、グルタミン酸、アスパラギン酸及びシステイン酸からなる群より選択される少なくともいずれか1種の酸性アミノ酸、あるいは、
    同一又は異なって、リジン、アルギニン、オルニチン及びヒスチジンからなる群より選択される少なくともいずれか1種の塩基性アミノ酸である。
    ここで、同一の行において、B列及びC列の2個のアミノ酸が酸性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は塩基性アミノ酸であり、
    B列及びC列の2個のアミノ酸が塩基性アミノ酸であるとき、F列及びG列の2個のアミノ酸は酸性アミノ酸である;
    また、表IIに示されるアミノ酸は、R3をN末端として、以下の順序で結合している。
    R3-1D-1E-1F-1G-2A-2B-2C-2D-2E-2F-2G-3A-3B-3C-3D-3E-3F-3G-4A-4B-4C-4D-4E-4F-4G-5A-5B-5C-5D-5E-5F-5G-6A-6B-6C-6D-R4
    但し、1D-1E-1F-1GはN末端側から順に欠損していてもよい)。
  6. 前記表IIにおいて
    XLeuはロイシン、
    XAspはアスパラギン酸、
    XAlaはアラニン、
    XAsnはアスパラギン、
    XIleはイソロイシン、
    XThrはスレオニン、
    XLysはリジン、
    XGluはグルタミン酸、
    XGlnはグルタミン、
    XMetはメチオニン、
    XTyrはチロシン、
    XTrpはトリプトファン、
    XSerはセリン、
    XPheはフェニルアラニンである、請求項5に記載のポリペプチド。
  7. 前記表IIにおいて、B列及びC列のアミノ酸がグルタミン酸であり、F列及びG列のアミノ酸がリジンであって、
    R3がアセチル基、R4が-NH2である、請求項5又は6に記載にポリペプチド。
  8. 下記(a)〜(f)のいずれかのアミノ酸配列を有する請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド。
    (a)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ala-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号17)
    (b)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Ile-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号18)
    (c)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号19)
    (d)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Met-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号20)
    (e)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Thr-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号21)
    (f)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-His-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Val-Gln-Asn-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Glu-Gln-Glu-Leu-Leu-Glu-Leu-Asp-Lys-Trp-Ala-Ser-Leu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号22)
  9. 下記(g)〜(v)のいずれかのアミノ酸配列を有する請求項1〜4のいずれかに記載のポリペプチド。
    (g)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号23)
    (h)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ala-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号24)
    (i)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Gly-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号25)
    (j)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ile-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号26)(k)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号27)
    (l)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Met-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号28)
    (m)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Thr-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号29)
    (n)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Val-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号30)
    (o)Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号31)
    (p)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Ala-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号32)
    (q)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Ala-Phe(配列番号33)
    (r)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Ala(配列番号34)
    (s)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号35)
    (t)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Lys-Lys-Glu-Leu-Glu-Glu-Leu-Glu-Glu-Trp-Ala-Lys-Lys-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号36)
    (u)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Glu-Glu-Leu-Ile-Lys-Lys-Ser-Lys-Lys-Gln-Gln-Glu-Glu-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Lys-Lys-Trp-Ala-Glu-Glu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号37)
    (v)Tyr-Thr-Ser-Leu-Ile-Lys-Lys-Leu-Ile-Glu-Glu-Ser-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Lys-Lys-Trp-Ala-Glu-Glu-Trp-Asn-Trp-Phe(配列番号38)
  10. 下記(w)又は(x)のいずれかのアミノ酸配列を有する請求項5〜7のいずれかに記載のポリペプチド。
    (w)Leu-Asp-Ala-Asn-Ile-Thr-Lys-Leu-Leu-Glu-Glu-Ala-Gln-Ile-Gln-Gln-Glu-Lys-Asn-Met-Tyr-Glu-Leu-Gln-Lys-Leu-Asn-Gln-Trp-Asp-Ile-Phe-Ser-Asn-Trp-Phe(配列番号39)
    (x)Leu-Asp-Ala-Asn-Ile-Glu-Glu-Leu-Leu-Lys-Lys-Ala-Glu-Glu-Gln-Gln-Lys-Lys-Asn-Glu-Glu-Glu-Leu-Lys-Lys-Leu-Glu-Glu-Trp-Asp-Lys-Lys-Ser-Asn-Trp-Phe(配列番号40)
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のポリペプチド又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する抗HIV剤。
  12. 請求項11に記載の抗HIV剤を、薬学的に許容される担体又は添加剤と共に含有する医薬組成物。
  13. 前記ポリペプチド又はその薬学的に許容される塩が、成人に対して1日体重1kg当り0.01 μg〜10 mgとなるように含有されてなる請求項11に記載の抗HIV剤。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載のポリペプチドの有効量をHIV患者に投与することを含む、HIVの治療方法。
  15. HIV治療用組成物を製造するための請求項1〜10に記載されるポリペプチドの使用。
JP2008541019A 2006-10-25 2007-10-25 抗hiv剤 Withdrawn JPWO2008050830A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006290241 2006-10-25
JP2006290241 2006-10-25
PCT/JP2007/070807 WO2008050830A1 (fr) 2006-10-25 2007-10-25 Agent anti-vih

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008050830A1 true JPWO2008050830A1 (ja) 2010-02-25

Family

ID=39324615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008541019A Withdrawn JPWO2008050830A1 (ja) 2006-10-25 2007-10-25 抗hiv剤

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2008050830A1 (ja)
WO (1) WO2008050830A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018191858A1 (zh) * 2017-04-18 2018-10-25 中国医学科学院病原生物学研究所 强效抑制hiv的脂肽、其衍生物、其药物组合物及其用途
US20230416334A1 (en) * 2020-11-10 2023-12-28 Fundació Hospital Universitari Vall D'hebron - Institut De Recerca Cell-penetrating peptides

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5464933A (en) * 1993-06-07 1995-11-07 Duke University Synthetic peptide inhibitors of HIV transmission
JP4332618B2 (ja) * 2001-09-27 2009-09-16 国立大学法人京都大学 抗hiv剤
JP2007326781A (ja) * 2004-09-02 2007-12-20 Kyoto Univ 抗sarsウイルス剤

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008050830A1 (fr) 2008-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3266311B2 (ja) 新規ポリペプチドおよびこれを用いる抗hiv剤
JP4006021B2 (ja) ケモカインの生物学的活性の強化法
AU2005254736B2 (en) Oligomeric peptides and their use for the treatment of HIV infections
CZ287239B6 (en) Polypeptides exhibiting antimicrobial and antiviral activity and pharmaceutical preparations containing thereof
JP3178835B2 (ja) 新規ポリペプチドおよびこれを用いる抗hiv剤
WO2006025536A1 (ja) 抗sarsウイルス剤
JP2020519623A (ja) メトトレキサートとペプチドの結合体
JPWO2008050830A1 (ja) 抗hiv剤
EP1131352A2 (en) Rantes-derived peptides with anti-hiv activity
WO2001064716A1 (fr) Composes antiviraux
KR100273620B1 (ko) 레트로바이러스 감염의 억제방법
CN117120459A (zh) 抗感染双环肽配体
JP4332618B2 (ja) 抗hiv剤
US20200071357A1 (en) Antimicrobial peptides
US6358511B1 (en) Inhibitors of HIV infection
PT99791B (pt) Processo para a preparacao de peptidos seleccionados do antigene especifico de grupo (gas) do virus da imunodeficiencia humana (hiv) e de composicoes farmaceu-ticas que os contem
JP2008063275A (ja) 抗fiv剤
CN115724919B (zh) 强效抑制艾滋病病毒及其耐药毒株的新型膜融合抑制剂及其药物用途
US5578573A (en) Viral integrase inhibiting peptides
EP1337551A1 (en) Substance p analogs for the treatment of cancer
JPH05331195A (ja) 新規なペプチド
JPH0925240A (ja) 医薬組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110104