JPWO2008038712A1 - メタボリックシンドロームの治療・予防剤 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、副作用の少ない新規なメタボリックシンドロームの治療・予防剤を提供することである。本発明によれば、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、メタボリックシンドロームの治療・予防剤が提供される。

Description

本発明は、メタボリックシンドロームの治療・予防剤に関する。
生活習慣病には、肥満、糖尿病、高血圧症、並びに高脂血症などがあるが、これらの生活習慣病は、それぞれが独立した病気ではなく、肥満から引き起こされることが多いため、症状は重複することが多い。このような生活習慣病が複合した状態をメタボリックシンドロームと称することがある。最近、これらの生活習慣病の原因として、糖代謝異常や脂質代謝異常などあることがわかってきている。日本におけるメタボリックシンドロームの暫定的な診断基準としては、内臓脂肪型肥満を有し、これに加えて高血糖、高血圧及び高脂血症のうちの2項目以上を有することとされている。
近年の生活様式の急速な変化にともない、メタボリックシンドロームに起因する動脈硬化症の発症事例が増えている。日本人の死亡原因の第1位は悪性新生物であるが、第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患である。このうち、心疾患と脳血管疾患は動脈硬化性疾患とみなすことができる。従って、メタボリックシンドロームに起因する動脈硬化症の発生は死亡率に大きな影響を及ぼしており、メタボリックシンドロームの予防と治療は極めて重要である。しかしながら、現在のところ、メタボリックシンドロームの各種代謝異常を包括的にターゲットにした薬剤は存在しない。
一方、ゲラニルゲラニルアセトン(GGA)(テプレノン;商品名セルベックス)は、胃炎や胃潰瘍の治療剤として知られており(特許文献1及び特許文献2)、安全性の高い抗潰瘍薬として日本で開発され、臨床使用されている。テプレノンは心筋虚血再灌流障害や脳梗塞の虚血領域軽減に寄与するとの報告もあるが(特許文献3)、メタボリックシンドロームにおけるインスリン抵抗性改善効果や体重抑制効果については知られていない。
特開昭53−145922号公報 特開昭62−10013号公報 特開2003−267863号公報
本発明は、副作用の少ない新規なメタボリックシンドロームの治療・予防剤を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、テプレノン(ゲラニルゲラニルアセトン)のメタボリックシンドロームに対する体重抑制作用、血糖低下作用、インスリン抵抗性の改善作用、及び血中アディポネクチン量の増加作用を検討した。その結果、高脂肪食負荷によりインスリン抵抗性を有する糖尿病を誘発したマウスにテプレノン 200 mg/kgを経口投与したところ2週間の連日投与にて、体重増加の抑制・インスリン抵抗性の改善・耐糖能の改善が認められた。またインスリン抵抗性を改善するアディポネクチンの血中濃度も上昇していた。これらの結果より、テプレノンが、メタボリックシンドローム治療剤として有効であることが判明した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、メタボリックシンドロームの治療・予防剤が提供される。
好ましくは、本発明のメタボリックシンドロームの治療・予防剤は、体重増加の抑制、血糖の低下、インスリン抵抗性の改善、及び/又は血中アディポネクチン量の増加のために使用される。
本発明の別の側面によれば、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、体重増加抑制剤が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、血糖低下剤が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性の改善剤が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、血中アディポネクチン量増加剤が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物の有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、メタボリックシンドロームを治療・予防する方法、体重増加を抑制する方法、血糖を低下する方法、インスリン抵抗性を改善する方法、又は血中アディポネクチン量を増加する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、メタボリックシンドロームの治療・予防剤、体重増加抑制剤、血糖低下剤、インスリン抵抗性の改善剤、又は血中アディポネクチン量増加剤の製造のための、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物の使用が提供される。
メタボリックシンドロームが動脈硬化性疾患の一因として注目されており、内臓脂肪の蓄積に起因するインスリン抵抗性の存在が重要とされている。本発明によれば、新規なメタボリックシンドローム治療剤を提供することができる。本発明において有効成分として使用されるゲラニルゲラニルアセトンの安全性の高さは既に認められているため、本発明によれば、副作用の少ない安全なメタボリックシンドローム治療剤を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
以下の実施例に示す通り、テプレノン(ゲラニルゲラニルアセトン)はインスリン抵抗性改善作用・体重増加抑制作用・血清アディポネクチン値上昇作用を有することが判明した。これらの結果より、テプレノン(ゲラニルゲラニルアセトン)は、インスリン抵抗性改善薬・体重増加抑制薬となりうることが示された。近年、メタボリックシンドロームが動脈硬化性疾患の一因として注目されており、内臓脂肪の蓄積に起因するインスリン抵抗性の存在が重要視されている。薬理作用を鑑みるにテプレノン(ゲラニルゲラニルアセトン)はメタボリックシンドロームへの早期介入薬剤として臨床的に応用することが可能である。
本発明によるメタボリックシンドローム治療剤は、ゲラニルゲラニルアセトンを有効成分として含むものである。本発明の医薬において有効成分として使用されるゲラニルゲラニルアセトンは、以下の式(I)で表され、化合物名は、6,10,14,18−テトラメチル−5,9,13,17−ノナデカテトラエン−2−オンの化合物である。なお、ゲラニルゲラニルアセトンは、一般名をテプレノンと称し、GGAとも略記される。
式(I):H(−CH2C(CH3)=CH−CH2−)4CH2C(=O)CH3
ゲラニルゲラニルアセトンは各種の異性体が存在するが、本発明では任意の異性体を用いることができる。例えば、5,9,13位がE体、Z体のいずれでもよく、また1種類の異性体を使用してもよいし、2種類の異性体の混合物を使用してもよい。好ましくは、9位かつ13位がE体である5E体、5Z体または任意の混合比のそれらの混合物を使用することができる。より好ましくは、(5E,9E,13E)体と(5Z,9E,13E)体とが3:2の混合物である。
ゲラニルゲラニルアセトンは、胃潰瘍や胃炎の治療薬として広く使用されており、薬剤グレードのものを容易に入手可能である。また、ゲラニルゲラニルアセトンの合成法は公知であり、例えば特開昭53−145922号公報や特開平6−192073号公報に開示される方法に従って合成することができる。
本発明において、ゲラニルゲラニルアセトンは塩として使用してもよい。ゲラニルゲラニルアセトンの塩としては、薬理学的に許容される塩であれば特に限定されない。ゲラニルゲラニルアセトンの塩は、好ましくはハロゲン化水素酸塩(例えば、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等)、無機酸塩(例えば、硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩等)、有機カルボン酸塩(例えば、酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等)、アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等)、四級アミン塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)等があげられる。ゲラニルゲラニルアセトンの塩は、より好ましくは塩酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、又は酢酸塩である。
本発明に用いられるゲラニルゲラニルアセトンは、無水物、水和物、又は溶媒和物の何れでもよい。
本発明のメタボリックシンドローム治療剤の製剤形態は特に限定されず、経口投与又は非経口投与用の製剤形態の中から治療や予防の目的に最も適した適宜の形態のものを選択することが可能である。経口投与に適した製剤形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、シロップ剤、溶液剤、乳剤、懸濁剤、チュアブル剤などを挙げることができ、非経口投与に適する製剤形態としては、例えば、注射剤(皮下注射、筋肉内注射、又は静脈内注射など)、点滴剤、吸入剤、噴霧剤、坐剤、ゲル剤若しくは軟膏剤などの形態の経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤若しくはテープ剤などの形態の経皮吸収剤などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
経口投与に適当な液体製剤、例えば、溶液剤、乳剤、又はシロップ剤などは、水、ソルビット、果糖などの糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油などの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフレーバー類などを用いて製造することができる。また、カプセル剤、錠剤、散剤、又は顆粒剤などの固体製剤の製造には、乳糖、マンニットなどの賦形剤、澱粉、アルギン酸ソーダなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなどの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いることができる。
非経口投与に適当な注射用又は点滴用の製剤は、好ましくは、受容者の血液と等張な滅菌水性媒体に有効成分である上記の物質を溶解又は懸濁状態で含んでいる。例えば、注射剤の場合、塩溶液、又は塩水と他の溶液との混合物からなる水性媒体などを用いて溶液を調製することができる。腸内投与のための製剤は、例えば、カカオ脂、水素化脂肪、又は水素化カルボン酸などの担体を用いて調製することができ、座剤として提供される。また、噴霧剤の製造には、有効成分である上記の物質を微細な粒子として分散させることができ、受容者の口腔および気道粘膜を刺激せず、かつ有効成分の吸収を容易ならしめる担体を用いることができる。担体としては、具体的には、乳糖又はグリセリンなどが例示される。有効成分である物質及び使用する担体の性質に応じて、エアロゾル又はドライパウダーなどの形態の製剤が調製可能である。これらの非経口投与用製剤には、グリコール類、油類、フレーバー類、防腐剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤などから選択される1種又は2種以上の補助成分を添加することもできる。
本発明のメタボリックシンドローム治療剤の投与量及び投与回数は、疾患の種類や重篤度、投与形態、患者の年齢や体重などの条件、合併症の有無などの種々の要因により適宜設定することができるが、一般的には、有効成分の投与量として一日当たり200mg/kgが好ましい。肝臓及び腎臓にて代謝されるため高齢者においては減量することが望ましい。最大投与量は500mg/kgと考えられている。
本発明のメタボリックシンドローム治療剤は、ヒトを含む任意の哺乳動物に投与することができるが、好ましくはヒトに投与される。
本発明のメタボリックシンドローム治療剤は、体重増加の抑制、血糖の低下、インスリン抵抗性の改善、及び/又は血中アディポネクチン量の増加のために使用することができる。また本発明の別の側面によれば、ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、体重増加抑制剤、血糖低下剤、インスリン抵抗性の改善剤、並びに血中アディポネクチン量増加剤が提供される。
本発明のメタボリックシンドローム治療剤は、体重増加抑制剤として使用することができる。肥満は、メタボリックシンドロームとも密接に関連していることから、本発明のメタボリックシンドローム治療剤を用いて体重増加を抑制することにより、メタボリックシンドロームを治療及び/又は予防することができる。
本発明のメタボリックシンドローム治療剤はまた、血糖低下剤として使用することができる。例えば糖尿病は高血糖を特徴の一つとする糖代謝異常に基づく疾患であり、本発明のメタボリックシンドローム治療剤を用いて糖尿病患者の血糖値を低下させることにより、糖尿病を治療することができ、また糖尿病の疑いのある患者の血糖値をコントロールすることによって糖尿病を予防することもできる。さらに、本発明のメタボリックシンドローム治療剤は、糖尿病の予防及び/又は治療のためのみならず、血糖低下のために広く用いることができる。糖尿病以外の各種疾患によって臨床的に高血糖が示される場合があり、例えば、膵組織の器質的障害、慢性肝疾患、内分泌疾患、脳圧亢進状態、肥満症、過食、アルコール過飲、胃切除後の食餌性高血糖、発熱性疾患、一酸化炭素中毒、薬剤による血糖上昇など様々な要因により高血糖が生じることがある。本発明のメタボリックシンドローム治療剤はこれらの高血糖を低下させるために用いてもよい。
本発明のメタボリックシンドロームの治療・予防剤はまた、インスリン抵抗性の改善剤として使用することができる。インスリン抵抗性の亢進した病態、いわゆるインスリン抵抗性症候群は、生活習慣病(例えば、糖尿病、高血圧症または肥満など)の根本的原因であると考えられ、上記生活習慣病の治療または予防において、インスリン抵抗性の改善は、重要な役割を果たしている。すなわち、本発明のメタボリックシンドロームの治療・予防剤を用いてインスリン抵抗性を改善することにより、インスリン抵抗性症候群に起因する上記生活習慣病を治療または予防することができる。
本発明のメタボリックシンドロームの治療・予防剤はまた、血中アディポネクチン量増加剤として使用することができる。アディポネクチンは、脂肪細胞から産生及び分泌されるタンパク質であり、糖や脂質の代謝に密接に関与している。循環器系疾患、糖尿病または肥満等の患者では、血中アディポネクチン濃度が一般に低下している。従って、血中アディポネクチン濃度の低下は、高血圧症、糖尿病または肥満などの生活習慣病と密接に関連し、これらの生活習慣病の一因であると考えられている。従って、本発明のメタボリックシンドロームの治療・予防剤を用いて血中アディポネクチン量を増大することによって、低アディポネクチン血症に起因する上記生活習慣病を治療または予防することが可能である。またアディポネクチンはインスリン抵抗性とも関連している。低アディポネクチン血症では、インスリン抵抗性が増大することが知られており、動物モデルにおいて、アディポネクチンの投与が、インスリン抵抗性を改善し、糖代謝を改善することが知られている。従って、本発明のメタボリックシンドロームの治療・予防剤を用いて血中アディポネクチン量を増大することによって、糖尿病や糖尿病合併症の治療または予防を行うことができる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(1)実験方法
11週齢のC57BL/6マウスを10匹用意し、コントロール群(5匹)及びテプレノン群(5匹)に分けた。コントロール群及びテプレノン群に、高脂肪食を1週間負荷し、体重および血糖値を測定した。12週齢(高脂肪食負荷後1週間)になったところでコントロール群には0.008% tocopherol(Phosphate Buffered Salineに溶解)を、テプレノン群には0.008% tocopherolに溶解したテプレノンを200 mg/kgの量で、毎日1回経口投与した。1週間後(13週齢)に、体重と血糖値を測定し、インスリン負荷試験(0.75 U/kg)を行った。インスリン負荷試験では、腹腔内にインスリン(0.75 U/kg)を投与し、0分から120分までの血糖値を測定した。また、その3日後に糖負荷試験(1 g/kg)を行った。糖負荷試験では、腹腔内にグルコース(1 g/kg)を投与し、0分から120分までの血糖値を測定した。レプチン測定はマウスレプチンキット(モリナガ)、アディポネクチン測定はマウス/ラットアディポネクチンELISAキット(大塚製薬)を使用して行った。
(2)結果
体重の測定結果を図1に示し、糖負荷試験における血糖値の変化を図2に示し、インスリン負荷試験における血糖値の変化を図3に示し、レプチンとアディポネクチンの測定結果を図4に示す。
(i)テプレノン投与群では高脂肪食負荷による体重増加を抑制した。即ち、コントロール群は+1.18gであるのに対し、テプレノン群では−0.39gであった(図1)
(ii)テプレノン投与群において空腹時血糖値低下作用を認めた。
コントロール群は118 mg/dlであるのに対し、テプレノン群では96 mg/dlであった。
(図3:0分における血糖値参照)
(iii) テプレノン投与群において糖負荷試験において血糖上昇抑制作用を認めた。(図2)。
(iv) テプレノン投与群においてインスリン負荷試験において血糖低下作用が増強し、 インスリン抵抗性の改善を認めた。(図3)。
(v)テプレノン投与群において血清アディポネクチン値の上昇を認めた(図4)。
本発明において有効成分として使用されるゲラニルゲラニルアセトンの安全性の高さは既に認められているため、本発明によれば、副作用の少ない安全なメタボリックシンドローム治療剤を提供できる。
図1は、体重の変化を測定した結果を示す。GGAは体重増加を抑制しているようであった。 図2は、糖負荷試験における血糖値の変化を示す。糖負荷試験において、耐糖能は改善しているようであった。 図3は、インスリン負荷試験における血糖値の変化を示す。インスリン負荷試験において、インスリン抵抗性は改善しているようであった。 図4は、レプチンとアディポネクチンの測定結果を示す。METと同様にレプチン値に差はないが、アディポネクチン値は上昇しているようであった。

Claims (6)

  1. ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、メタボリックシンドロームの治療・予防剤。
  2. 体重増加の抑制、血糖の低下、インスリン抵抗性の改善、及び/又は血中アディポネクチン量の増加のために使用される、請求項1に記載のメタボリックシンドロームの治療・予防剤。
  3. ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、体重増加抑制剤。
  4. ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、血糖低下剤。
  5. ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、インスリン抵抗性の改善剤。
  6. ゲラニルゲラニルアセトン、その塩、又はその水和物若しくは溶剤和物を有効成分として含有する、血中アディポネクチン量増加剤。
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