JPWO2008035633A1 - 反応装置及び反応方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、目的物質の高い収率を得ると共に高い生産性を確保することを目的とする。反応装置10は、原料M1が流れる内径が3mmの主流路12と、原料M1と化学反応する原料M2が流れる導入流路14と、導入流路14から分岐して主流路12における所定の導入点12o〜12sにおいて原料M2を主流路12に導入させる5つの分岐導入流路16a〜16eとを備える。ここで主流路12において、隣り合う導入点間12p〜12sの流路12b〜12dの流路長が、原料M1の流れ方向流れ方向における直前の隣り合う導入点12o〜12r間の流路12a〜12cの流路長以下である。また、少なくとも1つの隣り合う導入点12p〜12s間の流路12b〜12dの流路長が、原料M1の流れ方向における前方の隣り合う導入点12o〜12r間の流路12a〜12cの流路長よりも短くなっている。

Description

本発明は、2種類の流体を化学反応させる反応装置及び反応方法に関する。
従来から、2種類の流体の化学反応を効率的に行えるように、微小な断面積を有する流路において、当該2種類の流体の化学反応させる反応装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。この反応装置では、従来のバッチによる反応方法に比べて、反応路となる流路での反応物質の比表面積(単位体積当りの表面積)を大きく出来ることから、高い除熱効率を得られる。これにより、反応温度の制御を精密に行え、理想的な条件で反応を実現でき、効率的な反応と高い収率を実現することができる。とりわけ大きな発熱反応を伴う反応物に対して適用すると、大きな収率向上が可能である。また、近年では当該技術において2mmの内径の管をスタテックミキサーに用いて500ml/minの生産量に相当する実用規模に近い例が示されている(例えば、下記特許文献2参照)。
特開2002−292271号公報 特表2003−523960号公報
これまでは、流路の径が数百μm程度の反応装置(以下、マイクロリアクタと呼ぶ)の研究が活発に行われてきた。しかし、工業的な利用を考えると、この程度の大きさの径では、流体中に混入した小さなゴミや流体反応により生成された結晶による流路の閉塞の問題が発生する。特にグリニャール試薬等の求核性有機金属化合物は0℃付近で析出するものもあり、マイクロリアクタが効果的な冷却を行うが故に、グリニャール試薬が流路中で冷媒の温度に近づくのと、流路中の速度が低いことから析出物による流路閉塞が起こりやすい。また、このような問題があることから析出温度以下の温度は使用できないため、目的物質の収率において不利な点があった。
また、マイクロリアクタにおいては、反応物質である流体を通常20ml/minの流量よりも大きな流量とすることが困難である。これに径の小ささと相まって、マイクロリアクタでは、十分に高い生産性を確保することが困難である。
一方で、単に、径を数mm程度に太くすることを考えると、流路の閉塞の問題は解決されるが、マイクロリアクタ程の除熱効率が得られにくく収率が減少する。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、目的物質の高い収率を得ると共に、高い生産性を確保することができる反応装置及び反応方法を提供することを目的とする。
本発明に係る反応装置は、断面積が、直径が0.5〜6mmの円の面積に相当する、第1の流体が流れる主流路と、第1の流体と化学反応する第2の流体が流れる導入流路と、導入流路から分岐して主流路における所定の導入点において第2の流体を主流路に導入させる3つ以上の分岐導入流路と、を備え、主流路において、隣り合う導入点間の流路長が、第1の流体の流れ方向における直前の隣り合う導入点間の流路長以下であって、少なくとも1つの隣り合う導入点間の流路長が、第1の流体の流れ方向における前方の隣り合う導入点間の流路長よりも短くなっていることを特徴とする。
本発明に係る反応装置では、主流路の3つ以上の導入点において第2の流体が主流路に導入されるので、第1の流体と第2の流体との反応を段階的に行うことができる。これにより、1つの導入点における第2の流体の導入での温度上昇を抑えることができる。また、本発明に係る反応装置では、主流路の流れ方向において後の方ほど導入点における温度上昇が低くなるが、第1の流体の流れ方向に、隣り合う導入点間の流路長が、第1の流体の流れ方向における直前の隣り合う導入点間の流路長以下であって、少なくとも1つの隣り合う導入点間の流路長を前方の隣り合う導入点間の流路長よりも短くする構成となっているので適切に除熱を行える。これらから、本発明に係る反応装置では、高い除熱効率が得られるため、目的物質の高い収率を得ることができる。
大型タンクを用いる反応方式によれば、反応熱による温度上昇を現実的に制御するためには化合物を溶媒で希釈することによって熱容量を上げて温度変化を低下する必要がある。一方、本発明に係る反応装置によれば、溶媒による希釈をすることなく目的の温度制御が可能である。
また、本発明に係る反応装置では、マイクロリアクタと比較して流路の断面積が大きいので、流路の閉塞を防止することができ、また、高い生産性を確保することができる。
反応装置は、主流路、及び分岐導入流路における導入点の近傍の温度制御を行う温度制御手段を更に備えることが望ましい。この構成によれば、確実に本発明を実施することができる。
主流路の断面積が、直径が1〜3mmの円の面積に相当するものであることが望ましい。この構成によれば、収率及び生産性の少なくとも何れかで、更に好ましい結果を得ることができる。
導入点は、180°T型混合路により構成され、主流路に対して、分岐導入流路が垂直に接続されていることが望ましい。この構成によれば、容易に本発明を実施することができ、また、装置の省スペース化を実現することができる。
分岐導入流路の数が、5〜10であることが望ましい。この構成によれば、第1の流体と第2の流体との反応による温度上昇が更に分散されて、本発明による効果を確実に奏することができる。
反応装置は、第1の流体が主流路に供給される前に当該第1の流体の温度を調節するための第1の調整用流路と、第2の流体が導入流路に供給される前に当該第2の流体の温度を調節するための第2の調整用流路と、を更に備えることが望ましい。この構成によれば、第1の流体及び第2の流体の温度調節を確実に行うことができる。
主流路、導入路及び分岐導入流路の断面積が同一であり、分岐導入流路の流路長が同一である、ことが望ましい。
主流路、分岐導入流路の断面積が、導入流路の断面積以下であり、分岐導入流路の流路長が同一である、ことが望ましい。
主流路、分岐導入流路の断面積が、導入流路の断面積以下であり、分岐導入流路の流路長が、主流路の流れ方向において当該分岐導入流路の導入点の直前の導入点で主流路に接続される分岐導入流路以上である、ことが望ましい。
反応装置は、主流路に第1の流体を供給する第1のポンプと、導入流路に第2の流体を供給する第2のポンプと、を更に備えることが望ましい。この構成によれば、確実に本発明に係る反応装置を利用することができる。
第1及び第2のポンプは、非円形カムが用いられたダブルダイヤフラムポンプであることが望ましい。この構成によれば、流体における脈流を小さくすることができ、正確な流量によって高い収率を安定的に得ることができ、本発明による効果を確実に奏することができる。更に、流体中のゴミ等の微小な固体がポンプに咬み込むことなどがなく、信頼性の高い流体の供給が長時間連続的に可能である。
上述した反応装置を用いることで種々の反応が可能となる。
すなわち、上記反応装置による反応方法であって、第1の流体及び第2の流体の一方として、求核性有機金属化合物を含む流体を流通させ、他方として該求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物を含む流体を流通させる反応方法が実施可能である。
反応の特性及び得ようとする目的化合物によって構成は変わるが、求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物に対して、求核性有機金属化合物が過剰に存在すると目的化合物から更に合成反応が進んだ逐次反応物の副生成物が生じやすい。そのため、求核性有機金属化合物を含む流体を第2の流体として流通させ、該求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物を含む流体を第1の流体として流通させることが好ましい。この構成とすれば、導入点付近において反応は完結し、反応流体中で求核性有機金属化合物の濃度を上げず、副生成物を生じさせることの少ない効率の高い製造が可能である。
また、得られた生成物と化学反応する流体を逐次的に反応させることが効率的にできる。すなわち、本反応装置から生成物として得られる流体を、同じ構造の反応装置に第1の流体又は第2の流体の何れかとして流通させ、得られた生成物と化学反応する流体を他方の流体として流通させることにより、連続した2つの反応装置によって逐次的な反応を効率的に行うことができる。
反応性を高めるために、第1の流体及び第2の流体は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン及びジブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有することが好ましい。
この場合において、第1の流体及び第2の流体のうち、求核性有機金属化合物を含む流体はテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン及びジブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有しており、求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物を含む流体は溶媒を含有しないようにすることが可能である。このような構成により高濃度の目的物質を得ることができる。
求核性有機金属化合物は、有機マグネシウム化合物(特にはグリニャール試薬)、有機リチウム化合物、有機亜鉛化合物、有機カドミウム化合物及び有機ナトリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とすることが好ましい。また、求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物は、カルボニル化合物であることが好ましい。
このような求核性有機金属化合物は、カルボニル化合物などの反応基質に対する反応性が優れ、高収率で目的物質を得ることができる。カルボニル化合物を用いた反応の具体例としては、求核性有機金属化合物を1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタンとし、求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物をシュウ酸ジエチルとした反応が挙げられる。
本発明の反応装置は上記以外の反応にも適用できる。例えば、第1の流体及び第2の流体の一方として、水素化又は還元から選ばれる反応の触媒及び水素を含む流体を流通させ、他方として該反応用の基質を含む流体を流通させる反応方法も可能である。
この場合において、第1の流体及び第2の流体の一方として、フェロセノフォスフィンを配位子として有する金属錯体からなる水素化反応の触媒及び水素を含む流体を流通させ、他方として不飽和化合物を含む流体を流通させることが好ましく、この場合において、金属錯体としては、フェロセノフォスフィンを配位子として有するロジウム錯体が特に適している。
本発明によれば、高い除熱効率が得られるため、目的物質の高い収率を得ることができる。また、マイクロリアクタと比較して流路の断面積が大きいので、流路の閉塞を防止することができ、また、高い生産性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る反応装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る反応装置の別の例の構成図である。 本発明の実施形態に係る反応装置を上方から見た図である。 本発明の実施形態に係る反応装置を側面から見た図である。
符号の説明
10,50…反応装置、12…主流路、12a〜12e…主流路の各導入点から次の導入点までの流路、12o〜12s…導入点、14…導入流路、14o〜14s…分岐点、16a〜16e…分岐導入流路、18,24…調整用流路、20,26…ポンプ、22…容器、28…恒温液槽、30…冷媒、32…流通型微小反応流路、34…温度調節器、36…熱交換器、38…冷却管。
以下、図面とともに本発明に係る反応装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に、本実施形態に係る反応装置10を示す。反応装置10は、2種類の流体である原料M,Mを流路において化学反応させて、目的物質を生成するための装置である。反応装置10は、第1の流体である原料Mが流れる主流路12と、第2の流体である原料Mが流れる導入流路14とを備えている。主流路12及び導入流路14は、例えば、それぞれステンレス製の円管により構成されており、内径が3mm、外径が4mmのものが用いられる。
なお、これら各流路12,14には、円管が用いられる必要はないが、主流路12の断面積は、目的物質の生産性等の観点から、直径(内径)が0.5〜6mmの円の面積に相当するものを用いる。即ち、主流路12の相当直径を0.5〜6mmとする。また、収率及び生産性の少なくとも何れの観点から、相当直径を1〜3mmとするのが望ましい。
主流路12と導入流路14との間は、複数の分岐導入流路16a〜16eで接続されている。分岐導入流路16a〜16eは、それぞれ導入流路14から分岐点14o〜14sで分岐して主流路12における所定の導入点12o〜12sで主流路12に接続されて、導入流路14を流れる原料Mを主流路12に導入させる。分岐点14o〜14sにおいて、分岐導入流路16a〜16eは、導入流路14に対して垂直に接続されている。具体的には例えば、ステンレス製の180°T型混合路により構成され、例えば、スウェージロック社製のT型継手を利用できる。
分岐導入流路16a〜16eを通って主流路12に導入された原料Mは、主流路12を流れている原料Mと反応して、目的物質(あるいは目的物質を生成するための物質)が生成される。分岐導入流路16a〜16eは、例えば、ステンレス製の円管により構成されており、内径が1mm、外径が3mmのものが用いられる。
また、導入点12o〜12sにおいて、分岐導入流路16a〜16eは、主流路12に対して垂直に接続されている。導入点12o〜12sは、具体的には例えば、ステンレス製の180°T型混合路(例えば、スウェージロック社製のT型継手を利用できる)により構成される。なお、各分岐導入流路16a〜16eから主流路12に導入される原料Mの流量がほぼ均一、又は流れ方向でより後方で主流路12に接続される分岐導入流路16a〜16eほど少し多めになるように、主流路12、導入流路14及び各分岐導入流路16a〜16eの配管径及び長さは調節されている。
例えば、主流路12、導入流路14及び分岐導入流路16a〜16eの相当直径を同一(即ち断面積が同一)とし、分岐導入流路16a〜16eの流路長を互いに同一とするのがよい。更に、主流路12及び分岐導入流路16a〜16eの相当直径を、導入流路14の相当直径以下(即ち主流路12及び分岐導入流路16a〜16eの断面積が、導入流路14の断面積以下)とし、分岐導入流路16a〜16eの流路長を互いに同一とするのがよい。更に好ましくは、主流路12及び分岐導入流路16a〜16eの相当直径を、導入流路14の相当直径以下とし、分岐導入流路16a〜16eの流路長は、主流路12の流れ方向において当該分岐導入流路16b〜16eそれぞれの直前の導入点12o〜12rで主流路12に接続される分岐導入流路16a〜16dそれぞれの流路長以上とするのがよい。
なお、分岐導入流路16a〜16eの相当直径は、導入流路14の相当直径以下とし、例えば、1mmとするのがよい。また、分岐導入流路16a〜16eにおける流量を100ml/min以上とする場合には、分岐導入流路16a〜16eの相当直径は3mmとするのがよい。
主流路12において、各導入点12o〜12rから次の各導入点12p〜12sまでの流路12a〜12d、及び最後の導入点12sから恒温液槽28の縁までの流路12eは、省スペースとするためコイル状にするのがよい。また、分岐導入流路16a〜16eも同様にコイル状にするのがよい。
簡素な構成を実現するために導入流路14の分岐点14o〜14s間の流路14a〜14dは、同じ流路長とすることができる。この場合、より後に分岐する分岐導入流路16a〜16e程、分岐流量として流通させる原料Mは大きくなる。導入流路14の分岐点14o〜14s間の流路14a〜14dの流路長は、対応する主流路12の導入点12o〜12s間の流路12a〜12dの流路長とそれぞれ等しくする。すなわち、導入流路14の流路14aと、主流路12の流路12aの長さとを等しくし、導入流路14の流路14b〜14dも同様にする。このような構成とすることにより、分岐導入流路16a〜16eに同程度の原料Mを流通させることができ、高い収率を得ることができるため好ましい。なお、分岐導入流路16a〜16eの流路長は通常0.5m〜3.0mであり、同一長さになるようにすることが好ましい。具体的には例えば、各分岐導入流路16a〜16eの長さは、何れも0.5mとする。更には、それぞれ0.5m、1.5m、2.0m、2.5m、3.0mとすることが好ましい。
主流路12において、原料Mの流れ方向に、隣り合う導入点12p〜12s間の流路長は、第1の流体の流れ方向における直前の隣り合う導入点12o〜12r間の流路長以下である。また、少なくとも1つの隣り合う導入点12p〜12s間の流路長が、直前の隣り合う導入点12o〜12r間の流路長よりも短くなっている。具体的には例えば、導入点12o,12p間の流路12aの流路長を1m、それ以外の隣り合う導入点12p〜12s間の流路12b〜12dの流路長を0.5mとする。これは、主流路12の原料Mの流れ方向において後方ほど導入点12o〜12sにおける温度上昇が低くなるため、適切に除熱を行えるようにしたものである。
なお、本実施形態では、分岐導入流路16a〜16eは、5つ設けられているが、最低3つあればよい。また、分岐導入流路の数は5〜10であることが望ましい。原料Mと原料Mとの化学反応による温度上昇が更に分散されて、本発明による効果を確実に奏することができるからである。
また、主流路12の最初の導入点12oより前方には、原料Mを最適な温度に予め調節するための第1の調整用流路18が設けられている。調整用流路18は、具体的には、主流路12を構成する円管と一体に構成されている。当該円管の更に前方には、原料Mを主流路12に供給する第1のポンプ20が設けられている。また、主流路12の逆側の端部には、原料Mと原料Mとが反応した生成液Pを回収する容器22が設けられる。
導入流路14の最初に分岐導入流路16aと分岐する点より(原料Mの流れ方向における)前方にも、原料Mを最適な温度に予め調節するための第2の調整用流路24が設けられている。調整用流路24は、具体的には、導入流路14を構成する円管と一体に構成されている。当該円管の更に前方には、原料Mを導入流路14に供給する第2のポンプ26が設けられている。調整用流路18,24も、主流路12及び分岐導入流路16a〜16eと同様に、省スペースとするためコイル状にするのがよい。
上記のポンプ20,26としては、供給する流体の脈流を小さくするために非円形カムが用いられたダブルダイヤフラムポンプが用いられることが望ましい。このポンプとしては、具体的には例えば、タクミナ(株)社製スムーズフローポンプTPL1MあるいはTLP2Mを用いることができる。
上述した主流路12、導入流路14、分岐導入流路16a〜16e及び調整用流路18,24は、恒温液槽28内に配置される。恒温液槽28内には冷媒30が入れられ、当該冷媒30により、主流路12、導入流路14、分岐導入流路16a〜16e及び調整用流路18,24(これらを総称して流通型微小反応流路32と呼ぶ)を流れる流体に対して冷却がなされる。冷媒30は、恒温液槽28に設けられた温度調節器34、熱交換器36及び冷却管38により一定の温度に保たれる。即ち、恒温液槽28、冷媒30、温度調節器34、熱交換器36及び冷却管38は、主流路12及び分岐導入流路16a〜16eの温度制御を行う温度制御手段である。但し、温度制御手段は、必ずしも上記のような構成を取る必要はなく、適切に温度制御が行われるものであればよい。例えば、冷却管を用いず、外部に冷却器を設置し、直接冷媒30をそこに循環させ一定温度を保つ方法がある。
当該温度制御手段は、主流路12及び分岐導入流路16a〜16eにおける導入点12p〜12s近傍の流路内を流通する流体の温度制御を行うことを目的とする。恒温液槽28は簡便な装置とするため、流通型微小反応流路32に対し1つ設置され、供給される冷媒の温度も1つとするのがよい。従って、反応熱の除去の調整は、流路長あるいは流体の流路に滞留する時間によって行われる。即ち、前述のように、主流路12においては、原則Mの流れ方向に少なくとも1つの隣り合う導入点12p〜12s間の流路長が、直前のそれよりも短くすることによって主流路12内の流体の温度を目的の温度に近づけることができる。各流路12a〜12eの流路長は、通常0.5m〜3.0mが用いられ、流量が大きいほど流路長を長くする。
一方、導入点12p〜12sに分岐導入流路16a〜16eから供給される流体の温度は、当該恒温液槽28内に配置される分岐導入流路16a〜16eの流路長によって制御するのがよい。冷媒の温度が低いほど短く配置され、分岐導入流路16a〜16eに流される流量が小さいほど短くてよい。−15〜−30℃の冷媒を使用するときは、通常、恒温液槽28内にはおよそ5cmを配置した、後述する図2に示すような構成の装置構成にするとよい。分岐導入流路16a〜16eに求核性有機金属化合物を流通させる際、閉塞を起こさず長時間安定した流通を継続させるためである。この場合、主流路12で除熱を中心的に行う。冷媒温度として、−5〜−15℃以上を用いるときは、図1に示すように分岐導入流路16a〜16eを全て恒温液槽28内に配置するのが効率的である。
なお、冷媒30の温度は、流量(=導入流路14の流量+主流路12の流量)が大きいほど、また主流路12の相当直径が大きいほど、望ましい冷却効率を得るため低い温度とする必要がある。通常、主流路12の相当直径が3mmであれば−15〜−30℃とし、1mmであれば−5〜−15℃とする。
その一例として、図3に上方から見た図、図4に側面から見た図を示し、説明するように、恒温液槽28内においては、主流路12を水平方向に配置して、分岐導入流路16a〜16eを垂直(鉛直)方向に配置するのが好ましい。配置スペースをなるべく小さくするためである。
引き続いて、上述した反応装置10の動作について説明する。原料Mが、ポンプ20により主流路12に供給される。主流路12に供給される原料Mは、調整用流路18により温度制御がなされている。その一方で、原料Mが、ポンプ26により導入流路14に供給される。導入流路14に供給される原料Mは、調整用流路24により温度制御がなされている。
原料Mは、導入流路14における各分岐導入流路16a〜16eとの分岐点で、その一部が導入流路14から分岐して各分岐導入流路16a〜16eに流れる。各分岐導入流路16a〜16eを流れる原料Mは、各導入点12o〜12sで主流路12に導入される。主流路12に導入された原料Mは、主流路12を流れていた原料Mと反応する。この反応により流体の温度が上昇する。上昇した温度は、恒温液槽28内の冷媒により冷却される。反応により生成された生成液Pは、容器22に回収される。
この反応装置10では、主流路12の5つの導入点12o〜12sにおいて原料Mが主流路12に導入されるので、原料Mと原料Mとの反応を分散させて行うことができる。これにより、1つの導入点12o〜12sにおける原料Mの導入による温度上昇を抑えることができる。この反応装置10では、主流路12の流れ方向において後の方ほど導入点12o〜12sにおける温度上昇が低くなるが、最も温度上昇が高くなる主流路12における導入点12o,12p間の流路12aの流路長を、他の導入点12b〜12e間の流路長よりも長くする構成をとっているので、適切に除熱を行うことができる。これらから、本実施形態の反応装置10では、高い除熱効率が得られるため、目的物質の高い収率を得ることができる。
また、本実施形態に係る反応装置10では、マイクロリアクタと比較して流路の断面積が大きいので、流路の閉塞を防止することができ、また、高い生産性を確保することができる。
ところで、本実施形態では、原料M,Mの一方に、グリニャール試薬等の求核性有機金属化合物を用いた場合に、特に効果を奏する。マイクロリアクタでは効率的な冷却を行うが故に、流路中で冷媒の温度にグリニャール試薬が近づくのと流体の速度が低いことから析出物による流路閉塞が起こりやすく、冷媒温度としては析出温度以下の温度は使用できない。しかしながら、本実施形態においては冷媒温度としては析出温度以下の温度が使用可能である。従って、冷却効率を高く保つことができると共に、主流路12でマイクロリアクタではできない低い温度まで反応流体を冷却可能であり、目的物質の収率向上に寄与する。
また、非常に効率のよい除熱を実現することができるので、原料M,Mを有機溶媒で希釈する必要がなく、有機溶媒を節約できる。
なお、グリニャール試薬の具体例としては、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、臭化アリルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、塩化プロピルマグネシウム、塩化アリルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウムが挙げられる。
グリニャール試薬を用いた場合の具体例としては、下記の反応が挙げられる。この例では、下記式(1)で表されるカルボニル化合物に対して下記式(2)で表されるグリニャール試薬が付加し、その後2工程を経て、下記式(3)で表される付加体が得られる。なお、式中、Arはアリール基を示す。
Figure 2008035633
また、グリニャール試薬を用いた場合の別の具体例としては、下記式(7)で表されるアリールアルデヒドに対して塩化アリルマグネシウムが付加することにより、下記式(8)で表される付加体が得られる反応が挙げられる。なお、式中、Arはアリール基を示し、Arはアリーレン基を示す。
Figure 2008035633
グリニャール試薬以外の反応として、原料M,Mの一方として、アルキルリチウム化合物等の有機リチウム化合物、アルキル亜鉛等の有機亜鉛化合物、ジアルキルカドミウム等の有機カドミウム化合物、又はアルキルナトリウム等の有機ナトリウム化合物を用い、原料M,Mの他方として、有機シアン化合物又はカルボニル化合物を用い、有機シアン化合物又はカルボニル化合物に対する求核性有機金属化合物の付加反応を行うこともできる。
なお、有機リチウム化合物としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム等が挙げられる。また、カルボニル化合物としては、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、具体的には、アシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、アミノアルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基等の官能基を有する化合物が挙げられる。
有機リチウム化合物を用いた場合の反応の具体例としては、例えば、下記の反応が挙げられる。この例では、第2の流体としてn−ブチルリチウム及びジエチルアミンを第1の本発明に係る反応装置(の導入流路)に流通させ、第1の流体として(主流路に)下記式(4)で表されるエチルアセトアセテートを流通させ反応させる。生成物を、第2の流体として第2の本発明に係る反応装置(の導入流路)に流通させ、第1の流体として(主流路に)1−アリール−3−ヘキサノンを流通させる。これにより、下記式(6)で表される5,5−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−6−(アリールエチル)−6−プロピル−2,H−ピラン−2−オンを得る方法に適用できる。なお、式中、Arはアリール基を示す。
Figure 2008035633
この方法においては、上述したように、第1の本発明に係る反応装置において得られる生成物たるリチウム化合物を最大限の収率で得て、連続的にカルボニル化合物を流通して反応させることによって高い総合収率が得られる。
当該リチウム化合物(5)を時間的に保持すると継続的に副反応で消失していくので、上記のように本発明に係る反応装置を連結して、第1の反応装置における生成物を時間的に保持することなく、次の反応物を流通させることは総合収率を高める上で大きな効果がある。
また、原料M,Mの一方として、アルキルリチウム化合物等の有機リチウム化合物、又はアルキルナトリウム等の有機ナトリウム化合物を用い、原料M,Mの他方として、2級アミン等の活性水素を有する化合物を用い、活性水素とリチウム又はナトリウム等の金属との交換反応を行うこともできる。例えば、原料M,Mとして、ブチルリチウムとジイソプロピルアミンとを用いることにより、リチウムジイソプロピルアミドが得られる。
さらに、原料M,Mの一方として、アルキルリチウム化合物等の有機リチウム化合物、又はアルキルナトリウム等の有機ナトリウム化合物を用い、原料M,Mの他方として、ハロゲン原子を有する有機化合物を用い、ハロゲン原子とリチウム又はナトリウム等の金属との交換反応を行うこともできる。
さらにまた、原料M,Mの一方として、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素化物、金属又は合金を用い、原料M,Mの他方として、カルボニル化合物を用い、カルボニル化合物の還元反応を行うこともできる。
上記に加え、原料M,Mの一方として、フェロセノフォスフィンを配位子として有する金属錯体を用い、原料M,Mの他方として不飽和化合物を用いて、不飽和化合物の水素化を行うこともできる。
この場合において適用できるフェロセノフォスフィン配位子としては、
以下の化学式で示されるJosiphos配位子(R、R’は有機基を表す);
Figure 2008035633
以下の化学式で示されるWalphos配位子(R、R’は有機基を表す);
Figure 2008035633
以下の化学式で示されるMandyphos配位子(R、R’は有機基を表す);
Figure 2008035633
等が適用できる。
フェロセノフォスフィンを配位子として有する金属錯体としては、上記のような配位子を備えるロジウム錯体が特に好ましい。
ロジウム錯体を用いる水素化反応の具体例としては、以下の反応式で表されるキラル水素化反応(キラル均一ロジウム錯体触媒反応)が挙げられる。なお、下記式中、Rh−CODはロジウム−シクロオクタジエニル、Rはハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基を、Arはアリール基(該アリール基は、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cアルキル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい)をそれぞれ示し、Josiphosは上述したJosiphos配位子(Rが4−トリフルオロメチルフェニル基であり、R’がt−ブチル基であるもの、又は、Rがフェニル基であり、R’がt−ブチル基であるもの)である。
Figure 2008035633
上述した図1に示す、本実施形態の反応装置10では、流通型微小反応流路32を全て恒温液槽28内に配置していたが、これらを全て恒温液槽28内に配置しなくてもよい。例えば、図2に示す反応装置50のように、主流路12、分岐導入流路16a〜16eにおける主流路12の近傍及び調整用流路18のみを恒温液槽28内に配置する構成としてもよい。分岐導入流路16a〜16eにおける主流路12の近傍のみを温度制御することにより、原料Mを十分に温度制御することができる場合等に適用できる。
具体的には例えば、主流路12から5cmの部分まで分岐導入流路16a〜16eが恒温液槽28内に配置される。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
図1に示す反応装置10において実施を行った。主流路12はステンレス製円管であり、導入点12o,12pはステンレス製の180°T型混合路である。原料Mを、テトラヒドロフラン溶媒で希釈されたグリニャール試薬:1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタン(0.45mol/L)とした。1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタンは、1−ブロモ−5−クロロペンタンにマグネシウム粉を加えることによって調製した。原料Mを、溶媒で希釈されていないシュウ酸ジエチル(7.4mol/L)とした。原料Mは110mL/minで、原料Mは5.1mL/minで流通型微小反応流路32に供給した。ポンプ20,26は、タクミナ(株)製スムーズフローポンプを用いた。上記条件から、これらの混合液は流通型微小反応流路32内に約14秒滞留する。
グリニャール試薬及びシュウ酸ジエチルは、供給容器に入れられそれぞれ10℃及び常温で、恒温液槽28は、冷媒30としてメタノールを入れ−15℃で制御した。回収した生成液は希塩酸でクエンチし、目的物質であるエチル−7−クロロ−2−シュウ酸ペンタンを収率90%で得た。
(実施例2)
図2に示す反応装置50において実施を行った。ここで、分岐導入流路16a〜16eは、その長さを何れも0.5mとし、主流路12から5cmの部分まで恒温液槽28内に配置されるものとした。調整用流路18の長さは、1mとした。主流路12における導入点12o,12p間の流路12a及び導入点12p,12q間の流路12bの流路長をそれぞれ3m、導入点12q,12r間の流路12c、導入点12r,12s間の流路12d及び導入点12sから恒温液槽28の縁までの流路12eの流路長をそれぞれ1mとした。それ以外は、実施例1と同じものである。
原料Mを、テトラヒドロフラン溶媒で希釈されたグリニャール試薬:1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタン(0.45mol/L)とした。原料Mを、溶媒で希釈されていないシュウ酸ジエチル(7.4mol/L)とした。原料Mは110mL/minで、原料Mは5.1mL/minで流通型微小反応流路32に供給した。上記条件から、これらの混合液は流通型微小反応流路32内に約42秒滞留する。
グリニャール試薬及びシュウ酸ジエチルは、供給容器に入れられそれぞれ10℃及び常温で、恒温液槽28は、冷媒30としてメタノールを入れ−15℃で制御した。回収した生成液は希塩酸でクエンチし、目的物質であるエチル−7−クロロ−2−シュウ酸ペンタンを収率90%で得た。
(実施例2´)
また、恒温液槽28の温度を、−5℃で制御し、他の条件を同じにして行ったところ、エチル−7−クロロ−2シュウ酸ペンタンの収率は86%であった。
(実施例3)
図2に示す反応装置50において実施を行った。ここで、主流路12、導入流路14及び各分岐導入流路16a〜16eを構成する円管は、内径3mm、外径4mmのものを用いた。各分岐導入流路16a〜16eの長さは0.5mとした。調整用流路18の長さは、1mとした。主流路12における導入点12o,12p間の流路12a及び導入点12p,12q間の流路12bの流路長をそれぞれ3m、導入点12q,12r間の流路12c、導入点12r,12s間の流路12d及び導入点12sから恒温液槽28の縁までの流路12eの流路長をそれぞれ1mとした。それ以外は、実施例1と同じものである。
原料Mを、テトラヒドロフラン溶媒で希釈されたグリニャール試薬:1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタン(0.45mol/L)とした。原料Mを、溶媒で希釈されていないシュウ酸ジエチル(7.4mol/L)とした。原料Mは965mL/minで、原料Mは47mL/minで流通型微小反応流路32に供給した。上記条件から、これらの混合液は流通型微小反応流路32内に約4.9秒滞留する。
グリニャール試薬及びシュウ酸ジエチルは、供給容器に入れられそれぞれ10℃常温で、恒温液槽28は、冷媒30としてメタノールを入れ−30℃で制御した。回収した生成液は希塩酸でクエンチし、目的物質であるエチル−7−クロロ−2−シュウ酸ペンタンを収率88%で得た。
(実施例4)
図2に示す反応装置50において実施を行った。ここで、主流路12を構成する円管は、内径1mm、外径3mmのものを用いた。導入流路14を構成する円管は、内径3mm、外径4mmのものを用いた。各分岐導入流路16a〜16eを構成する円管は、内径1mm、外径3mmのものを用いた。分岐導入流路16a〜16eは、その長さをそれぞれ0.5m、1.5m、2.0m、2.5m、3.0mとし、何れも主流路12から5cmの部分まで恒温液槽28内に配置されるものとした。調整用流路18の長さは、1mとした。主流路12における導入点12o,12p間の流路12aの流路長を1.0m、並びに導入点12p,12q間の流路12b、導入点12q,12r間の流路12c、導入点12r,12s間の流路12d及び導入点12sから恒温液槽28の縁までの流路12eの流路長をそれぞれ0.5mとした。それ以外は、上述した反応装置10と同じものである。
原料Mを、テトラヒドロフラン溶媒で希釈されたグリニャール試薬:1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタン(0.45mol/L)とした。原料Mを、溶媒で希釈されていないシュウ酸ジエチル(7.4mol/L)とした。原料Mは109mL/minで、原料Mは5.1mL/minで流通型微小反応流路32に供給した。上記条件から、これらの混合液は流通型微小反応流路32内に約1.6秒滞留する。
グリニャール試薬及びシュウ酸ジエチルは、供給容器に入れられそれぞれ10℃常温で、恒温液槽28は、冷媒30としてメタノールを入れ−15℃で制御した。回収した生成液は希塩酸でクエンチし、目的物質であるエチル−7−クロロ−2−シュウ酸ペンタンを収率90%で得た。
(実施例4´)
また、恒温液槽28の温度を、5℃で制御し、他の条件を同じにして行ったところ、エチル−7−クロロ−2シュウ酸ペンタンの収率は89%であった。
(実施例5)
図2に示す反応装置50において実施を行った。ここで、主流路12を構成する円管は、内径1mm、外径3mmのものを用いた。導入流路14を構成する円管は、内径3mm、外径4mmのものを用いた。各分岐導入流路16a〜16eを構成する円管は、内径1mm、外径3mmのものを用いた。分岐導入流路16a〜16eは、その長さを何れも0.5mとし、何れも主流路12から5cmの部分まで恒温液槽28内に配置されるものとした。調整用流路18の長さは、1mとした。主流路12における導入点12o,12p間の流路12aの流路長を1.0m、及び導入点12p,12q間、導入点12q,12r間、導入点12r,12s間及び導入点12sから恒温液槽28の縁までの流路12b,12c,12d,12eの流路長をそれぞれ0.5mとした。それ以外は、上述した反応装置10と同じものである。
原料Mを、テトラヒドロフラン溶媒で希釈されたグリニャール試薬:1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタン(0.45mol/L)とした。原料Mを、同溶媒で希釈したシュウ酸ジエチル(2.0mol/L)とした。原料Mは100mL/minで、原料Mは17mL/minで流通型微小反応流路32に供給した。上記条件から、これらの混合液は流通型微小反応流路32内に約1.4秒滞留する。
グリニャール試薬及びシュウ酸ジエチルは、供給容器に入れられそれぞれ10℃及び常温で、恒温液槽28は、冷媒30としてメタノールを入れ−15℃で制御した。回収した生成液は希塩酸でクエンチし、目的物質であるエチル−7−クロロ−2−シュウ酸ペンタンを収率84%で得た。
(比較例1)
上記と同様の反応をCPC社のmicroreactor systemを用いて実施した。原料Mを、テトラヒドロフラン溶媒で希釈されたグリニャール試薬:1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタン(0.45mol/L)とした。原料Mを、同溶媒で希釈したシュウ酸ジエチル(5.5mol/L)とした。原料Mは16mL/minで、原料Mは1mL/minで流通型微小反応流路に供給した。また、反応装置は付属の温度調節器により−5℃に保持した。目的物質の収率は84%であったが、閉塞が起こり原料の供給が途中でできなくなった。
(比較例2)
実施例3に対し、主流路12へ接続される分岐導入流路16a〜16eを5つでなく1つにし、それ以外は同じ条件で実施を行った。目的物質の収率は74%だった。
(結果)
上記の実施例の結果をまとめて以下の表に示す。
Figure 2008035633
上記の実施例に係る反応は、発熱反応(反応熱:約100kJ/mol)であり、反応生成物の発生を抑制し、目的物質を効率的に生産するためには、反応により発生した熱を高効率に除去し、反応流路である主流路12内の温度を極力低温に保持することが必要になる。実施例における主流路12の相当直径は1〜3mmであることから、温度の上昇を抑制することが可能になる。更に、本発明のように、簡便な流路径と長さとを有する主流路、導入流路及び分岐導入流路からなる構成とし、分岐導入流路を複数にした方式を採用することで、導入点で発生する反応熱を分散させることができ、流路内の温度を所定温度にすべく、より効率的に反応流体から除熱できる。
また、本実施例に係る反応装置10,50は、microreactor systemよりも高い反応収率を得ることができた。更に、microreactor systemの流路は非常に小さいため詰まりが頻発したが、本実施例に係る反応装置10,50では、流路径が1〜3mmであるので詰まりは全く発生しなかった。microreactor systemでは、流路での圧力損失の影響が大きいため大流量で送液できないが、本実施例に係る反応装置10,50では、圧力損失の影響が小さく、大流量で送液可能なので長時間連続で安定操業が可能となり大量生産に適している。

Claims (22)

  1. 断面積が、直径が0.5〜6mmの円の面積に相当する、第1の流体が流れる主流路と、
    前記第1の流体と化学反応する第2の流体が流れる導入流路と、
    前記導入流路から分岐して前記主流路における所定の導入点において前記第2の流体を前記主流路に導入させる3つ以上の分岐導入流路と、を備え、
    前記主流路において、隣り合う導入点間の流路長が、前記第1の流体の流れ方向における直前の隣り合う導入点間の流路長以下であって、少なくとも1つの隣り合う導入点間の流路長が、前記第1の流体の流れ方向における前方の隣り合う導入点間の流路長よりも短くなっていることを特徴とする反応装置。
  2. 前記主流路、及び前記分岐導入流路における前記導入点の近傍の温度制御を行う温度制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の反応装置。
  3. 前記主流路の断面積が、直径が1〜3mmの円の面積に相当するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の反応装置。
  4. 前記導入点は、180°T型混合路により構成され、
    前記主流路に対して、前記分岐導入流路が垂直に接続されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の反応装置。
  5. 前記分岐導入流路の数が、5〜10であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の反応装置。
  6. 前記第1の流体が前記主流路に供給される前に当該第1の流体の温度を調節するための第1の調整用流路と、
    前記第2の流体が前記導入流路に供給される前に当該第2の流体の温度を調節するための第2の調整用流路と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の反応装置。
  7. 前記主流路、前記導入路及び前記分岐導入流路の断面積が同一であり、
    前記分岐導入流路の流路長が同一である、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の反応装置。
  8. 前記主流路、前記分岐導入流路の断面積が、前記導入流路の断面積以下であり、
    前記分岐導入流路の流路長が同一である、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の反応装置。
  9. 前記主流路、前記分岐導入流路の断面積が、前記導入流路の断面積以下であり、
    前記分岐導入流路の流路長が、前記主流路の前記流れ方向において当該分岐導入流路の導入点の直前の導入点で前記主流路に接続される分岐導入流路以上である、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の反応装置。
  10. 前記主流路に前記第1の流体を供給する第1のポンプと、
    前記導入流路に前記第2の流体を供給する第2のポンプと、
    を更に備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の反応装置。
  11. 前記第1及び前記第2のポンプは、非円形カムが用いられたダブルダイヤフラムポンプであることを特徴とする請求項10に記載の反応装置。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載の反応装置による反応方法であって、
    前記第1の流体及び前記第2の流体の一方として、求核性有機金属化合物を含む流体を流通させ、他方として該求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物を含む流体を流通させることを特徴とする反応方法。
  13. 前記求核性有機金属化合物を含む流体を前記第2の流体として流通させ、該求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物を含む流体を前記第1の流体として流通させることを特徴とする請求項12に記載の反応方法。
  14. 前記第1の流体及び前記第2の流体は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン及びジブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有することを特徴とする請求項12に記載の反応方法。
  15. 前記第1の流体及び前記第2の流体のうち、前記求核性有機金属化合物を含む流体はテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン及びジブチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有しており、前記求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物を含む流体は溶媒を含有しないことを特徴とする請求項12に記載の反応方法。
  16. 前記求核性有機金属化合物は、有機マグネシウム化合物、有機リチウム化合物、有機亜鉛化合物、有機カドミウム化合物及び有機ナトリウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の求核性有機金属化合物であることを特徴とする請求項12〜15の何れか一項に記載の反応方法。
  17. 前記有機マグネシウム化合物は、グリニャール試薬であることを特徴とする請求項16に記載の反応方法。
  18. 前記求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物は、カルボニル化合物であることを特徴とする12〜17の何れか一項に記載の反応方法。
  19. 前記求核性有機金属化合物は、1−ブロモマグネシウム−5−クロロペンタンであり、
    前記求核性有機金属化合物と付加反応又は交換反応を生じる化合物は、シュウ酸ジエチルであることを特徴とする請求項12〜15の何れか一項に記載の反応方法。
  20. 請求項1〜11の何れか一項に記載の反応装置による反応方法であって、
    前記第1の流体及び前記第2の流体の一方として、水素化又は還元から選ばれる反応の触媒及び水素を含む流体を流通させ、他方として該反応用の基質を含む流体を流通させることを特徴とする反応方法。
  21. 前記第1の流体及び前記第2の流体の一方として、フェロセノフォスフィンを配位子として有する金属錯体からなる水素化反応の触媒及び水素を含む流体を流通させ、他方として不飽和化合物を含む流体を流通させることを特徴とする請求項20に記載の反応方法。
  22. 前記金属錯体は、フェロセノフォスフィンを配位子として有するロジウム錯体であることを特徴とする請求項21に記載の反応方法。
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