JPWO2008016075A1 - 周波数可変音響薄膜共振器、フィルタ、及びそれを用いた通信装置 - Google Patents

周波数可変音響薄膜共振器、フィルタ、及びそれを用いた通信装置 Download PDF

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Abstract

第1圧電薄膜101と、前記第1圧電薄膜上に形成された、電気信号を印加するための対を成す1次側電極103、104と、前記第1圧電薄膜中に発生した振動が伝播するように配置された第2圧電薄膜102と、前記第2圧電薄膜上に形成された、電気信号を出力するための対を成す2次側電極104、105と、前記2次側電極間に接続された負荷108と、前記負荷の値を制御する制御部109とを備えた音響薄膜共振器。前記1次側電極から入力された電気信号が圧電効果により前記2次側電極から出力される音響薄膜共振子が構成され、前記負荷の値を制御することで共振周波数、及び反共振周波数が可変である。共振特性を劣化させることなく、共振周波数、反共振周波数が同時に可変である。

Description

本発明は、スプリアスの発生を抑えることが可能な周波数可変音響薄膜共振器、及びそれを用いたフィルタに関する。
携帯機器等の電子機器に内蔵される部品は、より小型化及び軽量化されることが要求されている。例えば、携帯機器に使用されるフィルタには、小型化が要求されると共に、中心周波数、帯域が可変であることが要求される。これらの要求を満たすフィルタの1つとして、音響薄膜共振器を用いたフィルタが知られている(特許文献1〜2を参照)。
まず、図17を参照して、特許文献1に記載された従来例の音響薄膜共振器について説明する。
図17は、音響薄膜共振器の断面構造を示す。この音響薄膜共振器は、圧電体2およびその両面に設けられた半導体層1、3を、上部電極E2と下部電極E1とで挟んだ構造を有する。この構造が、基板Sの上に音響ミラー層ASを介して支持されている。音響ミラー層ASは、高い音響インピーダンス差を有する組み合わせの材料を用いて構成される。この音響薄膜共振器は、上部電極E2及び下部電極E1によって厚さ方向に電界が印加され、厚さ方向の振動を生じる。このとき、音響ミラー層ASにより音波はほぼ100%反射して、圧電体2と、半導体層1、3と、上部電極E2と、下部電極E1とで構成された領域に振動が集中される。
次に、この音響薄膜共振器の周波数を可変とする動作原理を説明する。
電圧を上部電極E2、及び下部電極E1へ印加することにより、電荷の拡散により生じる拡散電圧Vdは増幅、または減衰される。そのため、印加される外部電圧により得られる活性層の厚さが変化する。活性層は、縦波に対して半導体層とは異なった振る舞いをするため、活性層の厚さの変化に応じて音響薄膜共振器の共振周波数が変化する。
次に、図18、図19A、19Bを参照して、特許文献2に記載された従来例の音響薄膜共振器について説明する。
図18は、音響薄膜共振器の断面構造を示す。この音響薄膜共振器は、圧電体13を電極10と電極11とで挟み、さらに電極11の下部に、直流の印加電圧によって誘電率が変化する誘電体14と、電極12が形成された構造を有する。誘電体14と電極12により可変容量CTが形成される。この音響薄膜共振器は、キャビティ16が形成された基板17の上に載置されて使用される。キャビティ16は、例えば微細加工法を用いて、基板17の裏面から部分的にエッチングして薄板部15を形成することによって設けられる。電極10及び電極11によって、圧電体13の厚さ方向に電界が印加され、厚さ方向の振動を生じる。
この音響薄膜共振器の等価回路を、図19A、19Bに示す。薄膜バルク音響波共振子18は、容量C1、インダクタL1及び抵抗R1が直列接続された回路と、この回路に対して並列接続された容量C0から構成された等価回路で表すことができる。可変容量素子19は、可変容量CTで構成された等価回路で表すことができる。接続の仕方により、可変容量素子19が薄膜バルク音響波共振子18に対して、図19Aに示すように直列に接続された構成、あるいは図19Bに示すように並列に接続された構成となる。
図18における電極12と電極11の間に直流電圧を印加して誘電体14の誘電率を変化させることで、音響薄膜共振器の共振周波数を変化させることができる。
特表2004−534473号公報 特開2005−109573号公報
特許文献1に記載の音響薄膜共振器は、DCバイアスにより電極サイズを可変とする構造を用いているため、共振器にDCを印加して周波数を制御する回路が必要であり、回路構成が複雑になる。また、共振周波数を可変とするために、音響薄膜共振器を構成する材料として圧電体以外の材料が電極間に必要となるので、損失が増加する。
また、特許文献2に記載の音響薄膜共振器では、音響薄膜共振子に直列、或いは並列に可変コンデンサが付加されている。そのため、コンデンサが音響薄膜共振子に直列に接続されている場合には、音響薄膜共振器の共振周波数と反共振周波数の差が小さくなり、フィルタ特性が悪化する。また、コンデンサが音響薄膜共振子に並列に接続されている場合には、コンデンサの損失が音響薄膜共振器の特性に大きく影響する。また、特許文献2の構成では、音響薄膜共振器の共振周波数、反共振周波数を個別に可変とすることは可能であるが、同時に可変とすることはできない。
それ故に、本発明の目的は、音響薄膜共振器の共振特性を劣化させることなく、共振周波数、反共振周波数を同時に可変とすることが可能な音響薄膜共振器及びフィルタを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の周波数可変音響薄膜共振器は、第1圧電薄膜と、前記第1圧電薄膜上に形成された、電気信号を印加するための対を成す1次側電極と、前記第1圧電薄膜中に発生した振動が伝播するように配置された第2圧電薄膜と、前記第2圧電薄膜上に形成された、電気信号を出力するための対を成す2次側電極と、前記2次側電極間に接続された負荷と、前記負荷の値を制御する制御部とを備える。前記1次側電極から入力された電気信号が圧電効果により前記2次側電極から出力される音響薄膜共振子が構成され、前記負荷の値を制御することで共振周波数、及び反共振周波数が可変である。
上記構成の周波数可変音響薄膜共振器によれば、共振周波数と反共振周波数を同時に可変することができる。これにより、低損失、広帯域の周波数可変音響薄膜共振器、及びフィルタ、通信機器を実現することができる。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図1Bは、同周波数可変音響薄膜共振器の等価回路図 図2は、本発明の実施の形態1に係る他の周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図3は、図2に示す周波数可変音響薄膜共振器における容量変化に対する周波数シフトを説明する図 図4は、図2に示す周波数可変音響薄膜共振器における容量変化に対する周波数変化量を説明する図 図5は、本発明の実施の形態1に係る他の周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図6は、本発明の実施の形態1に係る基板を有した周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図7Aは、本発明の実施の形態1に係る他の音響薄膜共振器の表面形状を示す平面図 図7Bは、同音響薄膜共振器のA−A断面図 図8Aは、本発明の実施の形態1に係る他の音響薄膜共振器の表面形状を示す平面図 図8Bは、同音響薄膜共振器のB−B断面図 図9は、本発明の実施の形態2に係る周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図10は、本発明の実施の形態2に係る他の周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図11は、本発明の実施の形態3に係る周波数可変音響薄膜共振器の特性を示す図 図12は、本発明の実施の形態4に係るフィルタを示すブロック図 図13は、図12に示すフィルタの動作を説明する図 図14は、本発明の実施の形態5に係るフィルタを示すブロック図 図15は、本発明の実施の形態6に係る共用器を示すブロック図 図16は、本発明の実施の形態7に係る通信装置を示すブロック図 図17は、従来例の周波数可変音響薄膜共振器を示す正面図 図18は、他の従来例の周波数可変音響薄膜共振器を示す断面図 図19Aは、図18の周波数可変音響薄膜共振器の等価回路を示す図 図19Bは、図18の周波数可変音響薄膜共振器の他の例の等価回路を示す図
符号の説明
1、3 半導体層
2、13 圧電体
10、11、12 電極
14 誘電体
15 薄板部
16 キャビティ
17 基板
18 薄膜バルク音響波共振子
19 可変容量素子
100、110、120、200、300、310、400、410 音響薄膜共振子
101、102、131、141 圧電体
103、132、142 第1電極
104、134、144 第2電極
105、133、143 第3電極
106、301a、401a 入力端子
107、301b、401b 出力端子
108、123、302、402a、402b 負荷
109、112、114、124、202、204、303 制御部
111 可変容量
113 可変インダクタ
121、135、145 基板
122、136、146 キャビティ
201、201a、201b、201c スイッチ素子
203a〜203c 負荷A〜負荷C
304 インダクタ
403a 制御部A
403b 制御部B
501 移相器
502 送信フィルタ
503 受信フィルタ
601 アンテナ
602 共用器
603 低雑音アンプ
604 ベースバンド部
605 パワーアンプ
AS 音響ミラー層
CT 可変容量
E2 上部電極
E1 下部電極
S 基板
本発明の周波数可変音響薄膜共振器は、上記構成を基本として、以下のような種々の態様をとることができる。
すなわち、好ましくは、負荷は可変容量で構成される。前記負荷の可変範囲は、前記音響薄膜共振子の2次側容量の1/100〜100倍の範囲内に設定されることが望ましい。より好ましくは1/10〜10倍の範囲で可変とする。
また、負荷は可変インダクタでもよい。前記可変インダクタのインピーダンスの可変範囲は、前記音響薄膜共振子の2次側インピーダンスの1/100〜100倍の範囲内に設定されることが望ましい。より好ましくは1/10〜10倍の範囲で可変とする。
また、負荷はスイッチ素子でもよい。スイッチ素子の場合容易に負荷を無限大〜ゼロに可変することが可能となる。
また、負荷はスイッチ素子と容量、インダクタなどを複数組み合わせたもので構成することも可能である。この場合、負荷をON/OFFを切り替えることで容易に切り替え可能となる。
また、本発明の周波数可変音響薄膜共振器は、前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜が積層配置されて、前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜の間に、両圧電薄膜に対して共通に第2電極が設けられ、前記第1圧電薄膜の前記第2電極とは反対側の面に第1電極が設けられ、前記第2圧電薄膜の前記第2電極とは反対側の面に第3電極が設けられ、前記第1および第2電極が前記1次側電極として機能し、前記第2および第3電極が前記2次側電極として機能する構成とすることができる。
この構成において好ましくは、前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、前記第1、第2電極及び前記第1圧電体で構成される共振子の実効結合係数が最大となる場合よりも大きく、前記第2、第3電極及び第2圧電体で構成される共振子の実効結合係数が最大となる場合よりも小さい範囲に設定される。
また、好ましくは、前記第1圧電薄膜及び前記第2圧電薄膜がAlNにより形成され、前記第1〜第3電極がMoにより形成され、前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、0.4〜0.5の範囲に設定される。
また、好ましくは、前記第1圧電薄膜及び前記第2圧電薄膜がAlNにより形成され、前記第1〜第3電極がMoにより形成され、前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、0.58以下に設定される。
あるいは、前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜は一体に形成されている構成とすることができる。その場合、前記1次側電極の一方と前記2次側電極の一方は共通とすることができる。
上述した本発明の音響共振器は、単独でフィルタとして機能するが、いずれか又は組み合わせて接続すれば、様々な周波数特性のフィルタを実現することができる。また、上記フィルタを用いて送信フィルタ、及び受信フィルタを構成し共用器として用いることも可能であり、さらに通信機器に用いることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る周波数可変音響薄膜共振器のブロック図である。図1Bはその等価回路図である。
図1Aにおいて、音響薄膜共振子100は、積層配置された第1圧電体101及び第2圧電体102を有する。第1圧電体101は第1電極103および第2電極104に挟まれ、第2圧電体102は第2電極104および第3電極105に挟まれている。第1電極103には入力端子106が接続され、第2電極104はGNDに接続され、第3電極105には出力端子107が接続される。第3電極105にはまた、負荷108が接続され、負荷108は制御部109によりその値を制御される。
図1Bに示されるように、音響薄膜共振子100は、容量C1、抵抗R1及びインダクタL1が直列接続された回路と、この回路に対して並列接続された容量C01及びC02から構成された等価回路で表すことができる。
上記構成では、入力端子106から第1電極103に電気信号を印加すると、第1圧電体101の部分で電気機械変換により厚さ方向縦振動が励振される。励振された振動は第2圧電体102に伝搬し、第3電極105を介して出力端子107から電気信号として出力される。このとき、第1電極103と第1圧電体101が接する主面と逆の主面、及び第3電極105と第2圧電体102が接する主面と逆の主面において振動の腹が形成されるような定在波となる振動が利用される。
本実施の形態に係る周波数可変音響薄膜共振器では、負荷108が設けられ、それが制御されることによって、以下の特徴を発揮する。
すなわち、負荷108の値を変化させることにより、音響薄膜共振子100中を伝搬する振動に影響が与えられ、共振周波数、反共振周波数が同時にシフトする。これは、次のような動作によるものである。定在波で振動する音響薄膜共振器では、第1圧電体101で励振された振動は、第2圧電体102に伝搬し、そこで圧電効果により電気信号(電荷)に変換される。変換された電荷は第2電極104と第3電極105から取り出されることとなるが、本実施の形態では、第2電極104が接地となっているため、第3電極105から出力される。
負荷108の値が無限大に近い状態の場合、第3電極105に発生した電荷は負荷108に流れることなく、再び第2圧電体102で振動に変換される。このときの共振周波数は、負荷108が接続されていない場合の共振周波数と等しくなる。
また、負荷108の値がゼロに近い状態の場合、第3電極105に発生した電荷は負荷108に流れ込むこととなる。その結果、第3電極105で発生した電荷が負荷108に流れる分、音響薄膜共振子100の動作に影響を与え、共振周波数が変化することとなる。このとき共振周波数は、低周波数側にシフトする。
また、負荷108を任意に可変とした場合、第3電極105に発生した電荷が負荷108に流れる量が変化し、共振周波数を任意に可変とすることが可能となる。このときの共振周波数は、負荷無限大での共振周波数と、負荷がゼロでの共振周波数との間の値となる。
図2に示す周波数可変音響薄膜共振器は、図1Aと同様の構成の音響薄膜共振子110に対し、図1Aに示した負荷108として可変容量111を接続し、その容量値を制御部112で制御するように構成した実施例である。負荷として可変容量111を用いることで、第3電極105で発生した電荷は、可変容量111と第3電極105の間で無効電力として受け渡しされる。そのため、損失を小さくすることができる。
図3は、可変容量111の値を変えたときのアドミタンスの周波数特性を示した図である。可変容量111の容量値が小さいときは、共振周波数は負荷無限大での共振周波数付近(高周波数側)にあり、容量値を大きくすると、負荷がゼロでの共振周波数付近(低周波数側)にシフトする。
図4は、可変容量111の容量値Cvと音響薄膜共振子110の出力容量Crの比Cv/Crに対する、共振周波数の変化量を示す。容量比Cv/Crが1付近の場合には、負荷変動に対する周波数変化量が大きく、そこから離れた領域では共振周波数変化量は小さい。容量比Cv/Crが0.01〜100の間で可変容量111の容量値Cvを可変とすることで、周波数可変幅は、負荷無限大での共振周波数付近から負荷ゼロでの共振周波数付近まで可変とすることができる。
さらに、容量比Cv/Crが0.1〜10の付近で容量値Cvを可変とすることで、小さな負荷変動に対して、周波数変化量の大きい周波数可変音響薄膜共振器を実現することができる。
図2に示したような可変容量111を負荷として用いた実施例に代えて、図5に示すように、負荷として可変インダクタ113を用いても同様の効果を得ることができる。可変インダクタ113は制御部114により、音響薄膜共振子110の共振、反共振周波数を可変とするようインピーダンス値が制御される。
また、上記の例で示したような、音響薄膜共振子100、110を単体で存在させた例に代えて、図6に示すように、音響薄膜共振子120が基板121により支持された構成としても、同様の効果を得ることができる。基板121には、振動を確保するためのキャビティ122が設けられている。第3電極105は負荷123に接続されており、負荷123は制御部124により、音響薄膜共振子120の共振、反共振周波数を可変とするよう制御される。
さらに、音響薄膜共振子100の構造は、図1Aに示した構造以外にも、図7A、7B、あるいは図8A、8Bに示す構造とすることもできる。
図7A、7Bは、厚さ方向の振動で横方向に結合する振動を利用する音響薄膜共振子の実施例である。図7Aは平面図、図7Bは図7AにおけるA−A断面を示す断面図である。圧電体131の一方の面に第1電極132および第3電極133が設けられ、他方の面に第2電極134が設けられて、圧電体131が第1電極132および第2電極134に挟まれた構造と、圧電体131が第2電極134および第3電極133に挟まれた構造が、横方向に並んで配置された構成を有する。この音響薄膜共振子が、基板135に形成されたキャビティ136上に配置されている。
図8A、8Bは、図7A、7Bと同様、横方向に結合した音響薄膜共振子であるが、電極を同心形状とした実施例である。図8Aは平面図、図8Bは図8AにおけるB−B断面を示す断面図である。圧電体141の一方の面には、円形に形成された第1電極142の周囲に同心円形状に、環状の第3電極143が設けられている。圧電体141の他方の面には第2電極144が、第1電極142および第2電極144との間に圧電体141を挟むように設けられている。この音響薄膜共振子が、基板145に形成されたキャビティ146上に配置されている。図8A、8Bに示す構造とすることで、図7A、7Bに示す構造の音響薄膜共振子と比較して結合度を上げることができ、広帯域、低損失の特性を得ることができる。
また、本実施形態では、負荷として可変容量、可変インダクタの例を示したが、負荷として可変抵抗を用いた場合でも同様の効果が得られる。その場合、第3電極で発生した電荷は負荷により消費される。そのため、音響薄膜共振器の出力容量とインピーダンス整合する条件では、周波数可変音響薄膜共振器のQ値が低下するなどの原因となるため、それ以外の領域で使用することが望ましい。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る周波数可変音響薄膜共振器のブロック図である。本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、図1Aに示した負荷108に代えてスイッチ素子201が設けられ、スイッチ素子201を制御する制御部202が設けられている点である。
その他、音響薄膜共振子200の構造、動作は、実施の形態1の音響薄膜共振子100と同じであり、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを省略する。
上記構成による本実施の形態の周波数可変音響薄膜共振器では、スイッチ素子201が設けられることによって、以下の特徴を発揮する。
まず、負荷として開放状態と短絡状態とで動作できるスイッチ素子201を用いてON/OFFの2値で負荷を可変することで、簡単に周波数可変を実現することができる。
また、図10に示すように、複数のスイッチ素子201a、201b、201cと、それに接続された負荷A203a、負荷B203b、負荷C203cを有し、制御部204によりスイッチ素子201a、201b、201cを切り替えて、周波数を可変とすることも可能である。この場合、所望の周波数変化量に対して、各スイッチ素子201a、201b、201cをON/OFF制御するだけで周波数可変を行うことができ、かつ、制御がON/OFFのみで簡便に行えるという効果を有するなど、実用上の効果が大きい。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる周波数可変音響薄膜共振器について、圧電体及び電極の膜厚の変化に対する特性の変化を示す図11を参照して説明する。本実施の形態における周波数可変音響薄膜共振子は、基本的には図1Aに示したものと同様の、第1圧電体と第2圧電体が積層配置された構造を有する。
図11は、実施の形態1で示した周波数可変音響薄膜共振器の構造(図1A)において、電極材料にMoを用いて厚みを固定し、圧電材料にAlNを用いて、第1圧電体101と第2圧電体102の膜厚を変えて計算を行った結果得られた特性を示す。
図11において、横軸は、第1電極103、第2電極104および第1圧電体101を合わせた膜厚Pの、全体膜厚Tに対する膜厚比P/Tを示している。全体膜厚Tは、膜厚Pに第2圧電体102及び第3電極105の膜厚を加えた膜厚である。図11の丸印(○)は、周波数シフト量を示す。周波数シフト量とは、図1Aの構成における負荷108の値の単位当たり変化に対して生じる周波数シフトの大きさとして定義される。三角印(△)は第1電極103、第2電極104、および第1圧電体101から見た、共振器の実効結合係数を示している。
第1圧電体101の厚みを大きくして膜厚比P/Tを増大させたとき、周波数シフト量は増加する。しかしながら、0.58付近の膜厚比P/Tを境にその増加率が低下する。一方、実効結合係数は、膜厚比P/Tが0.4〜0.5の範囲で最大値を持ち、0.5を超えて膜厚比P/Tが増えるに従い減少する、という傾向となる。このため、膜厚比P/Tを0.58よりも大きくしても周波数シフト量の増加は小さく、共振器としての特性が低下するのみとなる。
一方、第1圧電体101と第2圧電体102の膜厚が同じ時は、上下面を振動の腹として、第2電極104の位置に振動の腹となるような振動分布となる。このとき、第1圧電体101を厚くしていくと、振動の腹は第1圧電体101の中に入り込むような振動分布となる。その結果、圧電体の中で振動による電荷のキャンセルが発生し、入力された電気エネルギーが有効に振動に変換されないといった状況となり、実効結合係数が低下する。また、第1圧電体101を薄くすると振動の腹は、第2圧電体102の方向に移動するため、圧電体の中での電荷のキャンセルは発生せず実効結合係数は増加する。しかし、さらに第1圧電体101を薄くすると、第2圧電体102と第3電極105が、振動する際の機械的な負荷となるため実効結合係数の低下を招く。
また、周波数シフト量については、第2圧電体102で構成される共振子の特性が影響する。第2電極104、第2圧電体102、および第3電極105で構成される共振子の実効結合係数で決まる周波数だけシフトを行うため、膜厚比P/Tを小さくしていくと周波数シフト量は小さくなる。一方、膜厚比P/Tを大きくしていくと周波数シフト量は大きくなるが、特定の値を超えて膜厚比P/Tを大きくすると実効結合係数が飽和して変化量が小さくなる。本実施の形態の場合、膜厚比P/Tが0.58のときがそれに相当するため、膜厚比P/Tが0.58よりも小さい範囲となるように構成することが望ましい。それにより、共振器としての特性(実効結合係数)を維持したまま、十分な周波数可変の作用を得ることができる。
つまり、第1、第2電極103、104、および第1圧電体101で構成される共振子の実効結合係数が最大となる場合よりも膜厚比P/Tが大きく、第2、第3電極104、105、および第2圧電体102で構成される共振子の実効結合係数が最大となるよりも膜厚比P/Tが小さい範囲に膜厚を設定することで、実効結合係数が大きく、また、周波数シフト量が大きい周波数可変音響薄膜共振器を実現することができる。
(実施の形態4)
図12は、実施の形態4に係るフィルタであって、本発明に係る周波数可変音響薄膜共振器を用いた構成の例を示す図である。このフィルタは、音響薄膜共振子をL型に接続したラダーフィルタである。音響薄膜共振子300は、直列共振器として動作するように接続される。すなわち、入力端子301aと出力端子301bとの間に直列に接続される。周波数可変音響薄膜共振子310は、並列共振器として動作するように接続される。すなわち、入力端子301aから出力端子301bへ向かう経路と接地電位との間に接続される。ここで、音響薄膜共振子300の共振周波数を音響薄膜共振子310の共振周波数よりも高く設定すれば、帯域通過特性を有するラダーフィルタを実現することができる。
図12における音響薄膜共振子310は、実施の形態1あるいは実施の形態2で示した音響薄膜共振器と同じ動作を行うものであり、負荷302の値を制御部303で制御することで、共振及び反共振周波数が可変である。また、図12の構成では、音響薄膜共振子310はインダクタ304を介して接地される。この構成とすることで、インダクタ304により帯域外での減衰量を維持でき、或いは減衰極の制御などを行うことができるので、使用上の効果は大きい。
次に、図13を参照して、図12に示す回路の動作について説明する。図13の(A)は、音響薄膜共振子300、及び音響薄膜共振子310(と負荷302で構成された周波数可変音響薄膜共振器)のアドミタンスの周波数特性を示す図である。特性aは、音響薄膜共振子300の特性である。音響薄膜共振子310は、負荷302の値を可変することでアドミタンスの周波数特性が可変である。特性Aは、音響薄膜共振子310の負荷302が重いときの特性である。特性Bは、音響薄膜共振子310の負荷302が軽いときの特性である。
特性Aと特性Bを比較した場合、共振−反共振周波数の間隔はほぼ一定である。図13の(B)は、図13の(A)におけるアドミタンスの周波数特性Aを有する場合のフィルタの通過特性を示す。図13の(C)は、アドミタンスの周波数特性Bを有する場合の通過特性を示している。
図13の(A)及び(B)を参照すると、音響薄膜共振子310の負荷302が重い状態では、共振周波数、反共振周波数が低域側にシフトすることが判る。一方、音響薄膜共振子300のアドミタンスの周波数特性は一定のままである。その結果、図13の(B)に示すような広帯域の通過特性を得ることができる。
一方、図13の(A)及び(C)を参照すると、音響薄膜共振子310の負荷302が軽い状態では、共振周波数、反共振周波数が高域側にシフトすることが判る。一方、音響薄膜共振子300のアドミタンスの周波数特性は一定のままである。その結果、図13の(C)に示すような通過帯域幅の狭いバンドパス特性となる。
以上のように負荷302を制御することで、通過帯域幅を可変とすることができる。
なお、本実施形態では、L型構成のフィルタを例示したが、フィルタは、L型構成のフィルタが多段に接続したフィルタを構成することもできる。
(実施の形態5)
図14は、実施の形態5に係るフィルタであって、本発明に係る周波数可変音響薄膜共振器を用いた構成の例を示す図である。このフィルタは、周波数可変音響薄膜共振器をL型に接続したラダーフィルタである。音響薄膜共振子400は、直列共振器として動作するように接続される。すなわち、入力端子401aと出力端子401bとの間に直列に接続される。音響薄膜共振子410は、並列共振器として動作するように接続される。すなわち、入力端子401aから出力端子401bへ向かう経路と接地電位との間に接続される。ここで、音響薄膜共振子400の共振周波数を音響薄膜共振子410の共振周波数よりも高く設定すれば、帯域通過特性を有するラダーフィルタを実現することができる。
図14における音響薄膜共振子400、及び410は、実施の形態1、あるいは実施の形態2で示した音響薄膜共振器と同様に動作し、負荷402a、402bの値を、制御部A403a、制御部B403bで制御することで共振及び反共振周波数が可変である。また、音響薄膜共振子410は、インダクタ404を介して接地される。この構成とすることで、インダクタ404により帯域外での減衰量を維持できる、或いは減衰極の制御などを行うことができ、使用上の効果は大きい。
図14において、実施の形態4と異なる点は、直列に接続された音響薄膜共振子400も、実施の形態1及び2で示した音響薄膜共振子と同様に構成される点である。
以上のように構成されたフィルタでは、直列に接続された音響薄膜共振子400も並列に接続された音響薄膜共振子410も共振、反共振周波数が可変である。つまり、負荷402a、402bを可変とすることで、帯域幅だけでなく、中心周波数(減衰極と減衰極の中間の周波数)も可変できるなど、使用上の効果は非常に大きい。
なお、本実施の形態では、L型構成のフィルタを例示して説明を行ったが、その他のT型構成やπ型構成のフィルタや、格子型構成のフィルタでも同様の効果を得ることができる。また、L型構成のフィルタが多段に接続されたフィルタを構成してもよい。
(実施の形態6)
図15は、実施の形態6にかかる共用器の構成を示すブロック図である。この共用器は、移相器501に、送信フィルタ502と受信フィルタ503が接続された構成を有する。送信フィルタ502、受信フィルタ503は、実施の形態1及び2に係る周波数可変音響薄膜共振器、或いは実施の形態4及び5に係るフィルタを使用して構成されている。
このように構成することで、周波数可変の共用器を実現することができる。このような周波数可変の共用器では、単一のシステムに対する共用器(フィルタ)として機能するだけでなく、周波数を切り替えて使用することで、複数のシステムに対応した共用器(フィルタ)となり、フィルタ部分の小型化の面で効果が大きい。また、移相器もフィルタの帯域幅、中心周波数制御と一体で制御することにより、低損失な共用器を実現することができる。
なお、本実施の形態では、移相器、送信フィルタ、及び受信フィルタで構成した共用器の例を示したが、他の構成に上記実施の形態の周波数可変音響薄膜共振器あるいはフィルタを使用した場合でも、同様の効果を得ることができることは言うまでも無い。
(実施の形態7)
図16は、実施の形態7にかかる通信装置の構成を示すブロック図である。この装置は、アンテナ601により受信された信号が共用器602を介して、低雑音アンプ(LNA)603に供給され、LNA603の出力がベースバンド部604に入力されるとともに、ベースバンド部604から出力された信号が、パワーアンプ(PA)605により増幅された後、共用器602を介してアンテナ601から発信される構成を有する。共用器602は、実施の形態6で示した共用器と同様の構成を有する。このような構成によって、小型、低損失な通信機器を実現することができる。また、各通信システムに応じて周波数を切り替えることで単一のフィルタで複数の通信システムに対応するなど利用上の効果は大きい。
以上の各実施の形態に開示された構成はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施の形態の説明ではなく特許請求の範囲の記載によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の周波数可変音響薄膜共振器及びフィルタは、共振周波数及び反共振周波数が可変であるアドミッタンス周波数特性を得たい用途に適し、携帯電話、無線通信又はワイヤレスのインターネット接続等に利用可能である。
本発明は、スプリアスの発生を抑えることが可能な周波数可変音響薄膜共振器、及びそれを用いたフィルタに関する。
携帯機器等の電子機器に内蔵される部品は、より小型化及び軽量化されることが要求されている。例えば、携帯機器に使用されるフィルタには、小型化が要求されると共に、中心周波数、帯域が可変であることが要求される。これらの要求を満たすフィルタの1つとして、音響薄膜共振器を用いたフィルタが知られている(特許文献1〜2を参照)。
まず、図17を参照して、特許文献1に記載された従来例の音響薄膜共振器について説明する。
図17は、音響薄膜共振器の断面構造を示す。この音響薄膜共振器は、圧電体2およびその両面に設けられた半導体層1、3を、上部電極E2と下部電極E1とで挟んだ構造を有する。この構造が、基板Sの上に音響ミラー層ASを介して支持されている。音響ミラー層ASは、高い音響インピーダンス差を有する組み合わせの材料を用いて構成される。この音響薄膜共振器は、上部電極E2及び下部電極E1によって厚さ方向に電界が印加され、厚さ方向の振動を生じる。このとき、音響ミラー層ASにより音波はほぼ100%反射して、圧電体2と、半導体層1、3と、上部電極E2と、下部電極E1とで構成された領域に振動が集中される。
次に、この音響薄膜共振器の周波数を可変とする動作原理を説明する。
電圧を上部電極E2、及び下部電極E1へ印加することにより、電荷の拡散により生じる拡散電圧Vdは増幅、または減衰される。そのため、印加される外部電圧により得られる活性層の厚さが変化する。活性層は、縦波に対して半導体層とは異なった振る舞いをするため、活性層の厚さの変化に応じて音響薄膜共振器の共振周波数が変化する。
次に、図18、図19A、19Bを参照して、特許文献2に記載された従来例の音響薄膜共振器について説明する。
図18は、音響薄膜共振器の断面構造を示す。この音響薄膜共振器は、圧電体13を電極10と電極11とで挟み、さらに電極11の下部に、直流の印加電圧によって誘電率が変化する誘電体14と、電極12が形成された構造を有する。誘電体14と電極12により可変容量CTが形成される。この音響薄膜共振器は、キャビティ16が形成された基板17の上に載置されて使用される。キャビティ16は、例えば微細加工法を用いて、基板17の裏面から部分的にエッチングして薄板部15を形成することによって設けられる。電極10及び電極11によって、圧電体13の厚さ方向に電界が印加され、厚さ方向の振動を生じる。
この音響薄膜共振器の等価回路を、図19A、19Bに示す。薄膜バルク音響波共振子18は、容量C1、インダクタL1及び抵抗R1が直列接続された回路と、この回路に対して並列接続された容量C0から構成された等価回路で表すことができる。可変容量素子19は、可変容量CTで構成された等価回路で表すことができる。接続の仕方により、可変容量素子19が薄膜バルク音響波共振子18に対して、図19Aに示すように直列に接続された構成、あるいは図19Bに示すように並列に接続された構成となる。
図18における電極12と電極11の間に直流電圧を印加して誘電体14の誘電率を変化させることで、音響薄膜共振器の共振周波数を変化させることができる。
特表2004−534473号公報 特開2005−109573号公報
特許文献1に記載の音響薄膜共振器は、DCバイアスにより電極サイズを可変とする構造を用いているため、共振器にDCを印加して周波数を制御する回路が必要であり、回路構成が複雑になる。また、共振周波数を可変とするために、音響薄膜共振器を構成する材料として圧電体以外の材料が電極間に必要となるので、損失が増加する。
また、特許文献2に記載の音響薄膜共振器では、音響薄膜共振子に直列、或いは並列に可変コンデンサが付加されている。そのため、コンデンサが音響薄膜共振子に直列に接続されている場合には、音響薄膜共振器の共振周波数と反共振周波数の差が小さくなり、フィルタ特性が悪化する。また、コンデンサが音響薄膜共振子に並列に接続されている場合には、コンデンサの損失が音響薄膜共振器の特性に大きく影響する。また、特許文献2の構成では、音響薄膜共振器の共振周波数、反共振周波数を個別に可変とすることは可能であるが、同時に可変とすることはできない。
それ故に、本発明の目的は、音響薄膜共振器の共振特性を劣化させることなく、共振周波数、反共振周波数を同時に可変とすることが可能な音響薄膜共振器及びフィルタを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の周波数可変音響薄膜共振器は、第1圧電薄膜と、前記第1圧電薄膜上に形成された、電気信号を印加するための対を成す1次側電極と、前記第1圧電薄膜中に発生した振動が伝播するように配置された第2圧電薄膜と、前記第2圧電薄膜上に形成された、電気信号を出力するための対を成す2次側電極と、前記2次側電極間に接続された負荷と、前記負荷の値を制御する制御部とを備える。前記1次側電極から入力された電気信号が圧電効果により前記2次側電極から出力される音響薄膜共振子が構成され、前記負荷の値を制御することで共振周波数、及び反共振周波数が可変である。
上記構成の周波数可変音響薄膜共振器によれば、共振周波数と反共振周波数を同時に可変することができる。これにより、低損失、広帯域の周波数可変音響薄膜共振器、及びフィルタ、通信機器を実現することができる。
本発明の周波数可変音響薄膜共振器は、上記構成を基本として、以下のような種々の態様をとることができる。
すなわち、好ましくは、負荷は可変容量で構成される。前記負荷の可変範囲は、前記音響薄膜共振子の2次側容量の1/100〜100倍の範囲内に設定されることが望ましい。より好ましくは1/10〜10倍の範囲で可変とする。
また、負荷は可変インダクタでもよい。前記可変インダクタのインピーダンスの可変範囲は、前記音響薄膜共振子の2次側インピーダンスの1/100〜100倍の範囲内に設定されることが望ましい。より好ましくは1/10〜10倍の範囲で可変とする。
また、負荷はスイッチ素子でもよい。スイッチ素子の場合容易に負荷を無限大〜ゼロに可変することが可能となる。
また、負荷はスイッチ素子と容量、インダクタなどを複数組み合わせたもので構成することも可能である。この場合、負荷をON/OFFを切り替えることで容易に切り替え可能となる。
また、本発明の周波数可変音響薄膜共振器は、前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜が積層配置されて、前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜の間に、両圧電薄膜に対して共通に第2電極が設けられ、前記第1圧電薄膜の前記第2電極とは反対側の面に第1電極が設けられ、前記第2圧電薄膜の前記第2電極とは反対側の面に第3電極が設けられ、前記第1および第2電極が前記1次側電極として機能し、前記第2および第3電極が前記2次側電極として機能する構成とすることができる。
この構成において好ましくは、前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、前記第1、第2電極及び前記第1圧電体で構成される共振子の実効結合係数が最大となる場合よりも大きく、前記第2、第3電極及び第2圧電体で構成される共振子の実効結合係数が最大となる場合よりも小さい範囲に設定される。
また、好ましくは、前記第1圧電薄膜及び前記第2圧電薄膜がAlNにより形成され、前記第1〜第3電極がMoにより形成され、前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、0.4〜0.5の範囲に設定される。
また、好ましくは、前記第1圧電薄膜及び前記第2圧電薄膜がAlNにより形成され、前記第1〜第3電極がMoにより形成され、前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、0.58以下に設定される。
あるいは、前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜は一体に形成されている構成とすることができる。その場合、前記1次側電極の一方と前記2次側電極の一方は共通とすることができる。
上述した本発明の音響共振器は、単独でフィルタとして機能するが、いずれか又は組み合わせて接続すれば、様々な周波数特性のフィルタを実現することができる。また、上記フィルタを用いて送信フィルタ、及び受信フィルタを構成し共用器として用いることも可能であり、さらに通信機器に用いることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る周波数可変音響薄膜共振器のブロック図である。図1Bはその等価回路図である。
図1Aにおいて、音響薄膜共振子100は、積層配置された第1圧電体101及び第2圧電体102を有する。第1圧電体101は第1電極103および第2電極104に挟まれ、第2圧電体102は第2電極104および第3電極105に挟まれている。第1電極103には入力端子106が接続され、第2電極104はGNDに接続され、第3電極105には出力端子107が接続される。第3電極105にはまた、負荷108が接続され、負荷108は制御部109によりその値を制御される。
図1Bに示されるように、音響薄膜共振子100は、容量C1、抵抗R1及びインダクタL1が直列接続された回路と、この回路に対して並列接続された容量C01及びC02から構成された等価回路で表すことができる。
上記構成では、入力端子106から第1電極103に電気信号を印加すると、第1圧電体101の部分で電気機械変換により厚さ方向縦振動が励振される。励振された振動は第2圧電体102に伝搬し、第3電極105を介して出力端子107から電気信号として出力される。このとき、第1電極103と第1圧電体101が接する主面と逆の主面、及び第3電極105と第2圧電体102が接する主面と逆の主面において振動の腹が形成されるような定在波となる振動が利用される。
本実施の形態に係る周波数可変音響薄膜共振器では、負荷108が設けられ、それが制御されることによって、以下の特徴を発揮する。
すなわち、負荷108の値を変化させることにより、音響薄膜共振子100中を伝搬する振動に影響が与えられ、共振周波数、反共振周波数が同時にシフトする。これは、次のような動作によるものである。定在波で振動する音響薄膜共振器では、第1圧電体101で励振された振動は、第2圧電体102に伝搬し、そこで圧電効果により電気信号(電荷)に変換される。変換された電荷は第2電極104と第3電極105から取り出されることとなるが、本実施の形態では、第2電極104が接地となっているため、第3電極105から出力される。
負荷108の値が無限大に近い状態の場合、第3電極105に発生した電荷は負荷108に流れることなく、再び第2圧電体102で振動に変換される。このときの共振周波数は、負荷108が接続されていない場合の共振周波数と等しくなる。
また、負荷108の値がゼロに近い状態の場合、第3電極105に発生した電荷は負荷108に流れ込むこととなる。その結果、第3電極105で発生した電荷が負荷108に流れる分、音響薄膜共振子100の動作に影響を与え、共振周波数が変化することとなる。このとき共振周波数は、低周波数側にシフトする。
また、負荷108を任意に可変とした場合、第3電極105に発生した電荷が負荷108に流れる量が変化し、共振周波数を任意に可変とすることが可能となる。このときの共振周波数は、負荷無限大での共振周波数と、負荷がゼロでの共振周波数との間の値となる。
図2に示す周波数可変音響薄膜共振器は、図1Aと同様の構成の音響薄膜共振子110に対し、図1Aに示した負荷108として可変容量111を接続し、その容量値を制御部112で制御するように構成した実施例である。負荷として可変容量111を用いることで、第3電極105で発生した電荷は、可変容量111と第3電極105の間で無効電力として受け渡しされる。そのため、損失を小さくすることができる。
図3は、可変容量111の値を変えたときのアドミタンスの周波数特性を示した図である。可変容量111の容量値が小さいときは、共振周波数は負荷無限大での共振周波数付近(高周波数側)にあり、容量値を大きくすると、負荷がゼロでの共振周波数付近(低周波数側)にシフトする。
図4は、可変容量111の容量値Cvと音響薄膜共振子110の出力容量Crの比Cv/Crに対する、共振周波数の変化量を示す。容量比Cv/Crが1付近の場合には、負荷変動に対する周波数変化量が大きく、そこから離れた領域では共振周波数変化量は小さい。容量比Cv/Crが0.01〜100の間で可変容量111の容量値Cvを可変とすることで、周波数可変幅は、負荷無限大での共振周波数付近から負荷ゼロでの共振周波数付近まで可変とすることができる。
さらに、容量比Cv/Crが0.1〜10の付近で容量値Cvを可変とすることで、小さな負荷変動に対して、周波数変化量の大きい周波数可変音響薄膜共振器を実現することができる。
図2に示したような可変容量111を負荷として用いた実施例に代えて、図5に示すように、負荷として可変インダクタ113を用いても同様の効果を得ることができる。可変インダクタ113は制御部114により、音響薄膜共振子110の共振、反共振周波数を可変とするようインピーダンス値が制御される。
また、上記の例で示したような、音響薄膜共振子100、110を単体で存在させた例に代えて、図6に示すように、音響薄膜共振子120が基板121により支持された構成としても、同様の効果を得ることができる。基板121には、振動を確保するためのキャビティ122が設けられている。第3電極105は負荷123に接続されており、負荷123は制御部124により、音響薄膜共振子120の共振、反共振周波数を可変とするよう制御される。
さらに、音響薄膜共振子100の構造は、図1Aに示した構造以外にも、図7A、7B、あるいは図8A、8Bに示す構造とすることもできる。
図7A、7Bは、厚さ方向の振動で横方向に結合する振動を利用する音響薄膜共振子の実施例である。図7Aは平面図、図7Bは図7AにおけるA−A断面を示す断面図である。圧電体131の一方の面に第1電極132および第3電極133が設けられ、他方の面に第2電極134が設けられて、圧電体131が第1電極132および第2電極134に挟まれた構造と、圧電体131が第2電極134および第3電極133に挟まれた構造が、横方向に並んで配置された構成を有する。この音響薄膜共振子が、基板135に形成されたキャビティ136上に配置されている。
図8A、8Bは、図7A、7Bと同様、横方向に結合した音響薄膜共振子であるが、電極を同心形状とした実施例である。図8Aは平面図、図8Bは図8AにおけるB−B断面を示す断面図である。圧電体141の一方の面には、円形に形成された第1電極142の周囲に同心円形状に、環状の第3電極143が設けられている。圧電体141の他方の面には第2電極144が、第1電極142および第2電極144との間に圧電体141を挟むように設けられている。この音響薄膜共振子が、基板145に形成されたキャビティ146上に配置されている。図8A、8Bに示す構造とすることで、図7A、7Bに示す構造の音響薄膜共振子と比較して結合度を上げることができ、広帯域、低損失の特性を得ることができる。
また、本実施形態では、負荷として可変容量、可変インダクタの例を示したが、負荷として可変抵抗を用いた場合でも同様の効果が得られる。その場合、第3電極で発生した電荷は負荷により消費される。そのため、音響薄膜共振器の出力容量とインピーダンス整合する条件では、周波数可変音響薄膜共振器のQ値が低下するなどの原因となるため、それ以外の領域で使用することが望ましい。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る周波数可変音響薄膜共振器のブロック図である。本実施の形態が実施の形態1と異なる点は、図1Aに示した負荷108に代えてスイッチ素子201が設けられ、スイッチ素子201を制御する制御部202が設けられている点である。
その他、音響薄膜共振子200の構造、動作は、実施の形態1の音響薄膜共振子100と同じであり、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを省略する。
上記構成による本実施の形態の周波数可変音響薄膜共振器では、スイッチ素子201が設けられることによって、以下の特徴を発揮する。
まず、負荷として開放状態と短絡状態とで動作できるスイッチ素子201を用いてON/OFFの2値で負荷を可変することで、簡単に周波数可変を実現することができる。
また、図10に示すように、複数のスイッチ素子201a、201b、201cと、それに接続された負荷A203a、負荷B203b、負荷C203cを有し、制御部204によりスイッチ素子201a、201b、201cを切り替えて、周波数を可変とすることも可能である。この場合、所望の周波数変化量に対して、各スイッチ素子201a、201b、201cをON/OFF制御するだけで周波数可変を行うことができ、かつ、制御がON/OFFのみで簡便に行えるという効果を有するなど、実用上の効果が大きい。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる周波数可変音響薄膜共振器について、圧電体及び電極の膜厚の変化に対する特性の変化を示す図11を参照して説明する。本実施の形態における周波数可変音響薄膜共振子は、基本的には図1Aに示したものと同様の、第1圧電体と第2圧電体が積層配置された構造を有する。
図11は、実施の形態1で示した周波数可変音響薄膜共振器の構造(図1A)において、電極材料にMoを用いて厚みを固定し、圧電材料にAlNを用いて、第1圧電体101と第2圧電体102の膜厚を変えて計算を行った結果得られた特性を示す。
図11において、横軸は、第1電極103、第2電極104および第1圧電体101を合わせた膜厚Pの、全体膜厚Tに対する膜厚比P/Tを示している。全体膜厚Tは、膜厚Pに第2圧電体102及び第3電極105の膜厚を加えた膜厚である。図11の丸印(○)は、周波数シフト量を示す。周波数シフト量とは、図1Aの構成における負荷108の値の単位当たり変化に対して生じる周波数シフトの大きさとして定義される。三角印(△)は第1電極103、第2電極104、および第1圧電体101から見た、共振器の実効結合係数を示している。
第1圧電体101の厚みを大きくして膜厚比P/Tを増大させたとき、周波数シフト量は増加する。しかしながら、0.58付近の膜厚比P/Tを境にその増加率が低下する。一方、実効結合係数は、膜厚比P/Tが0.4〜0.5の範囲で最大値を持ち、0.5を超えて膜厚比P/Tが増えるに従い減少する、という傾向となる。このため、膜厚比P/Tを0.58よりも大きくしても周波数シフト量の増加は小さく、共振器としての特性が低下するのみとなる。
一方、第1圧電体101と第2圧電体102の膜厚が同じ時は、上下面を振動の腹として、第2電極104の位置に振動の腹となるような振動分布となる。このとき、第1圧電体101を厚くしていくと、振動の腹は第1圧電体101の中に入り込むような振動分布となる。その結果、圧電体の中で振動による電荷のキャンセルが発生し、入力された電気エネルギーが有効に振動に変換されないといった状況となり、実効結合係数が低下する。また、第1圧電体101を薄くすると振動の腹は、第2圧電体102の方向に移動するため、圧電体の中での電荷のキャンセルは発生せず実効結合係数は増加する。しかし、さらに第1圧電体101を薄くすると、第2圧電体102と第3電極105が、振動する際の機械的な負荷となるため実効結合係数の低下を招く。
また、周波数シフト量については、第2圧電体102で構成される共振子の特性が影響する。第2電極104、第2圧電体102、および第3電極105で構成される共振子の実効結合係数で決まる周波数だけシフトを行うため、膜厚比P/Tを小さくしていくと周波数シフト量は小さくなる。一方、膜厚比P/Tを大きくしていくと周波数シフト量は大きくなるが、特定の値を超えて膜厚比P/Tを大きくすると実効結合係数が飽和して変化量が小さくなる。本実施の形態の場合、膜厚比P/Tが0.58のときがそれに相当するため、膜厚比P/Tが0.58よりも小さい範囲となるように構成することが望ましい。それにより、共振器としての特性(実効結合係数)を維持したまま、十分な周波数可変の作用を得ることができる。
つまり、第1、第2電極103、104、および第1圧電体101で構成される共振子の実効結合係数が最大となる場合よりも膜厚比P/Tが大きく、第2、第3電極104、105、および第2圧電体102で構成される共振子の実効結合係数が最大となるよりも膜厚比P/Tが小さい範囲に膜厚を設定することで、実効結合係数が大きく、また、周波数シフト量が大きい周波数可変音響薄膜共振器を実現することができる。
(実施の形態4)
図12は、実施の形態4に係るフィルタであって、本発明に係る周波数可変音響薄膜共振器を用いた構成の例を示す図である。このフィルタは、音響薄膜共振子をL型に接続したラダーフィルタである。音響薄膜共振子300は、直列共振器として動作するように接続される。すなわち、入力端子301aと出力端子301bとの間に直列に接続される。周波数可変音響薄膜共振子310は、並列共振器として動作するように接続される。すなわち、入力端子301aから出力端子301bへ向かう経路と接地電位との間に接続される。ここで、音響薄膜共振子300の共振周波数を音響薄膜共振子310の共振周波数よりも高く設定すれば、帯域通過特性を有するラダーフィルタを実現することができる。
図12における音響薄膜共振子310は、実施の形態1あるいは実施の形態2で示した音響薄膜共振器と同じ動作を行うものであり、負荷302の値を制御部303で制御することで、共振及び反共振周波数が可変である。また、図12の構成では、音響薄膜共振子310はインダクタ304を介して接地される。この構成とすることで、インダクタ304により帯域外での減衰量を維持でき、或いは減衰極の制御などを行うことができるので、使用上の効果は大きい。
次に、図13を参照して、図12に示す回路の動作について説明する。図13の(A)は、音響薄膜共振子300、及び音響薄膜共振子310(と負荷302で構成された周波数可変音響薄膜共振器)のアドミタンスの周波数特性を示す図である。特性aは、音響薄膜共振子300の特性である。音響薄膜共振子310は、負荷302の値を可変することでアドミタンスの周波数特性が可変である。特性Aは、音響薄膜共振子310の負荷302が重いときの特性である。特性Bは、音響薄膜共振子310の負荷302が軽いときの特性である。
特性Aと特性Bを比較した場合、共振−反共振周波数の間隔はほぼ一定である。図13の(B)は、図13の(A)におけるアドミタンスの周波数特性Aを有する場合のフィルタの通過特性を示す。図13の(C)は、アドミタンスの周波数特性Bを有する場合の通過特性を示している。
図13の(A)及び(B)を参照すると、音響薄膜共振子310の負荷302が重い状態では、共振周波数、反共振周波数が低域側にシフトすることが判る。一方、音響薄膜共振子300のアドミタンスの周波数特性は一定のままである。その結果、図13の(B)に示すような広帯域の通過特性を得ることができる。
一方、図13の(A)及び(C)を参照すると、音響薄膜共振子310の負荷302が軽い状態では、共振周波数、反共振周波数が高域側にシフトすることが判る。一方、音響薄膜共振子300のアドミタンスの周波数特性は一定のままである。その結果、図13の(C)に示すような通過帯域幅の狭いバンドパス特性となる。
以上のように負荷302を制御することで、通過帯域幅を可変とすることができる。
なお、本実施形態では、L型構成のフィルタを例示したが、フィルタは、L型構成のフィルタが多段に接続したフィルタを構成することもできる。
(実施の形態5)
図14は、実施の形態5に係るフィルタであって、本発明に係る周波数可変音響薄膜共振器を用いた構成の例を示す図である。このフィルタは、周波数可変音響薄膜共振器をL型に接続したラダーフィルタである。音響薄膜共振子400は、直列共振器として動作するように接続される。すなわち、入力端子401aと出力端子401bとの間に直列に接続される。音響薄膜共振子410は、並列共振器として動作するように接続される。すなわち、入力端子401aから出力端子401bへ向かう経路と接地電位との間に接続される。ここで、音響薄膜共振子400の共振周波数を音響薄膜共振子410の共振周波数よりも高く設定すれば、帯域通過特性を有するラダーフィルタを実現することができる。
図14における音響薄膜共振子400、及び410は、実施の形態1、あるいは実施の形態2で示した音響薄膜共振器と同様に動作し、負荷402a、402bの値を、制御部A403a、制御部B403bで制御することで共振及び反共振周波数が可変である。また、音響薄膜共振子410は、インダクタ404を介して接地される。この構成とすることで、インダクタ404により帯域外での減衰量を維持できる、或いは減衰極の制御などを行うことができ、使用上の効果は大きい。
図14において、実施の形態4と異なる点は、直列に接続された音響薄膜共振子400も、実施の形態1及び2で示した音響薄膜共振子と同様に構成される点である。
以上のように構成されたフィルタでは、直列に接続された音響薄膜共振子400も並列に接続された音響薄膜共振子410も共振、反共振周波数が可変である。つまり、負荷402a、402bを可変とすることで、帯域幅だけでなく、中心周波数(減衰極と減衰極の中間の周波数)も可変できるなど、使用上の効果は非常に大きい。
なお、本実施の形態では、L型構成のフィルタを例示して説明を行ったが、その他のT型構成やπ型構成のフィルタや、格子型構成のフィルタでも同様の効果を得ることができる。また、L型構成のフィルタが多段に接続されたフィルタを構成してもよい。
(実施の形態6)
図15は、実施の形態6にかかる共用器の構成を示すブロック図である。この共用器は、移相器501に、送信フィルタ502と受信フィルタ503が接続された構成を有する。送信フィルタ502、受信フィルタ503は、実施の形態1及び2に係る周波数可変音響薄膜共振器、或いは実施の形態4及び5に係るフィルタを使用して構成されている。
このように構成することで、周波数可変の共用器を実現することができる。このような周波数可変の共用器では、単一のシステムに対する共用器(フィルタ)として機能するだけでなく、周波数を切り替えて使用することで、複数のシステムに対応した共用器(フィルタ)となり、フィルタ部分の小型化の面で効果が大きい。また、移相器もフィルタの帯域幅、中心周波数制御と一体で制御することにより、低損失な共用器を実現することができる。
なお、本実施の形態では、移相器、送信フィルタ、及び受信フィルタで構成した共用器の例を示したが、他の構成に上記実施の形態の周波数可変音響薄膜共振器あるいはフィルタを使用した場合でも、同様の効果を得ることができることは言うまでも無い。
(実施の形態7)
図16は、実施の形態7にかかる通信装置の構成を示すブロック図である。この装置は、アンテナ601により受信された信号が共用器602を介して、低雑音アンプ(LNA)603に供給され、LNA603の出力がベースバンド部604に入力されるとともに、ベースバンド部604から出力された信号が、パワーアンプ(PA)605により増幅された後、共用器602を介してアンテナ601から発信される構成を有する。共用器602は、実施の形態6で示した共用器と同様の構成を有する。このような構成によって、小型、低損失な通信機器を実現することができる。また、各通信システムに応じて周波数を切り替えることで単一のフィルタで複数の通信システムに対応するなど利用上の効果は大きい。
以上の各実施の形態に開示された構成はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施の形態の説明ではなく特許請求の範囲の記載によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の周波数可変音響薄膜共振器及びフィルタは、共振周波数及び反共振周波数が可変であるアドミッタンス周波数特性を得たい用途に適し、携帯電話、無線通信又はワイヤレスのインターネット接続等に利用可能である。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図1Bは、同周波数可変音響薄膜共振器の等価回路図 図2は、本発明の実施の形態1に係る他の周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図3は、図2に示す周波数可変音響薄膜共振器における容量変化に対する周波数シフトを説明する図 図4は、図2に示す周波数可変音響薄膜共振器における容量変化に対する周波数変化量を説明する図 図5は、本発明の実施の形態1に係る他の周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図6は、本発明の実施の形態1に係る基板を有した周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図7Aは、本発明の実施の形態1に係る他の音響薄膜共振器の表面形状を示す平面図 図7Bは、同音響薄膜共振器のA−A断面図 図8Aは、本発明の実施の形態1に係る他の音響薄膜共振器の表面形状を示す平面図 図8Bは、同音響薄膜共振器のB−B断面図 図9は、本発明の実施の形態2に係る周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図10は、本発明の実施の形態2に係る他の周波数可変音響薄膜共振器を示すブロック図 図11は、本発明の実施の形態3に係る周波数可変音響薄膜共振器の特性を示す図 図12は、本発明の実施の形態4に係るフィルタを示すブロック図 図13は、図12に示すフィルタの動作を説明する図 図14は、本発明の実施の形態5に係るフィルタを示すブロック図 図15は、本発明の実施の形態6に係る共用器を示すブロック図 図16は、本発明の実施の形態7に係る通信装置を示すブロック図 図17は、従来例の周波数可変音響薄膜共振器を示す正面図 図18は、他の従来例の周波数可変音響薄膜共振器を示す断面図 図19Aは、図18の周波数可変音響薄膜共振器の等価回路を示す図 図19Bは、図18の周波数可変音響薄膜共振器の他の例の等価回路を示す図
符号の説明
1、3 半導体層
2、13 圧電体
10、11、12 電極
14 誘電体
15 薄板部
16 キャビティ
17 基板
18 薄膜バルク音響波共振子
19 可変容量素子
100、110、120、200、300、310、400、410 音響薄膜共振子
101、102、131、141 圧電体
103、132、142 第1電極
104、134、144 第2電極
105、133、143 第3電極
106、301a、401a 入力端子
107、301b、401b 出力端子
108、123、302、402a、402b 負荷
109、112、114、124、202、204、303 制御部
111 可変容量
113 可変インダクタ
121、135、145 基板
122、136、146 キャビティ
201、201a、201b、201c スイッチ素子
203a〜203c 負荷A〜負荷C
304 インダクタ
403a 制御部A
403b 制御部B
501 移相器
502 送信フィルタ
503 受信フィルタ
601 アンテナ
602 共用器
603 低雑音アンプ
604 ベースバンド部
605 パワーアンプ
AS 音響ミラー層
CT 可変容量
E2 上部電極
E1 下部電極
S 基板

Claims (18)

  1. 第1圧電薄膜と、
    前記第1圧電薄膜上に形成された、電気信号を印加するための対を成す1次側電極と、
    前記第1圧電薄膜中に発生した振動が伝播するように配置された第2圧電薄膜と、
    前記第2圧電薄膜上に形成された、電気信号を出力するための対を成す2次側電極と、
    前記2次側電極間に接続された負荷と、
    前記負荷の値を制御する制御部とを備え、
    前記1次側電極から入力された電気信号が圧電効果により前記2次側電極から出力される音響薄膜共振子が構成され、
    前記負荷の値を制御することで共振周波数、及び反共振周波数が可変であることを特徴とする周波数可変音響薄膜共振器。
  2. 前記負荷は、可変容量である請求項1に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  3. 前記負荷の可変範囲は、前記音響薄膜共振子の2次側容量の1/100〜100倍の範囲内に設定された請求項2に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  4. 前記負荷の可変範囲は、前記音響薄膜共振子の2次側容量の1/10〜10倍の範囲内に設定された請求項3に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  5. 前記負荷は、可変インダクタである請求項1に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  6. 前記可変インダクタのインピーダンスの可変範囲は、前記音響薄膜共振子の2次側インピーダンスの1/100〜100倍の範囲内に設定された請求項5に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  7. 前記可変インダクタのインピーダンスの可変範囲は、前記音響薄膜共振子の2次側インピーダンスの1/10〜10倍の範囲内に設定された請求項6に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  8. 前記負荷は、スイッチ素子により負荷無限大と負荷ゼロを切り替える構成を有する請求項1に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  9. 前記負荷は、複数のスイッチ素子と、前記スイッチ素子により接続と遮断が切換えられる複数の負荷により構成され、前記スイッチ素子を切り替えることにより負荷の値が可変である請求項1に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  10. 前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜が積層配置されて、
    前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜の間に、両圧電薄膜に対して共通に第2電極が設けられ、
    前記第1圧電薄膜の前記第2電極とは反対側の面に第1電極が設けられ、
    前記第2圧電薄膜の前記第2電極とは反対側の面に第3電極が設けられ、
    前記第1および第2電極が前記1次側電極として機能し、
    前記第2および第3電極が前記2次側電極として機能する請求項1に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  11. 前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、前記第1、第2電極及び前記第1圧電体で構成される共振子の実効結合係数が最大となる場合よりも大きく、前記第2、第3電極及び第2圧電体で構成される共振子の実効結合係数が最大となる場合よりも小さい範囲に設定された請求項10に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  12. 前記第1圧電薄膜及び前記第2圧電薄膜がAlNにより形成され、
    前記第1〜第3電極がMoにより形成され、
    前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、0.4〜0.5の範囲に設定された請求項10に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  13. 前記第1圧電薄膜及び前記第2圧電薄膜がAlNにより形成され、
    前記第1〜第3電極がMoにより形成され、
    前記第1、第2電極及び前記第1圧電薄膜を合わせた膜厚をPと定義し、前記膜厚Pに前記第2圧電薄膜及び前記第3電極を加えた全体膜厚をTと定義したとき、膜厚比P/Tが、0.58以下に設定された請求項10に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  14. 前記第1圧電薄膜と前記第2圧電薄膜は一体に形成されている請求項1に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  15. 前記1次側電極の一方と前記2次側電極の一方は共通である請求項14に記載の周波数可変音響薄膜共振器。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の周波数可変音響薄膜共振器を、単独又は組み合わせて構成されたフィルタ。
  17. 請求項16に記載のフィルタを備えた共用器。
  18. 請求項17に記載の共用器を備えた通信装置。
JP2008527769A 2006-08-03 2007-08-01 周波数可変音響薄膜共振器、フィルタ、及びそれを用いた通信装置 Expired - Fee Related JP4691163B2 (ja)

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