JPWO2008004691A1 - 核酸増幅用プライマー設計装置、プライマー設計プログラム、及びプライマー設計サーバ装置 - Google Patents
核酸増幅用プライマー設計装置、プライマー設計プログラム、及びプライマー設計サーバ装置 Download PDFInfo
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Abstract
Description
マルチプレックスPCRにおいて使用するプライマーの設計は、例えば以下のようにして行われる。
はじめに、増幅の対象となるDNAの塩基配列から増幅部位(ターゲット)に対応するプライマー候補を選び出す。増幅対象DNAの塩基配列からプライマー候補を選び出す手法としては、例えば、特許文献:特開2003−99438号公報「コンピュータを利用して解析対象核酸塩基配列から最適なオリゴ核酸配列の候補を設計するためのコンピュータソフトウェアプログラム及びその方法」などがある。以下に、増幅対象DNAの塩基配列からプライマー候補を選び出す手法の例を、図1を参照して説明する。
増幅の対象となるDNAの塩基配列から1つめの増幅部位(ターゲット)X1に対応するプライマー候補を選び出す。
このとき、プライマー候補は、プライマーの融解温度Tm、GC含量、塩基配列の長さ、塩基配列の特異性、ヘアピン構造及びプライマーダイマーの形成のしにくさをあらわすスコアから選び出されるものとする。
Tm、GC含量、及び塩基配列の長さが、あらかじめ定めた範囲内に収まっている、ターゲットX1に対応するn個のプライマー候補のうち、塩基配列の特異性、ヘアピン構造及びプライマーダイマーの形成のしにくさから算出した、プライマー候補の優位性を示すスコアが最も高いものをP11、2番目に高い候補をP12、そしてn番目の候補をP1nと呼ぶことにする。
2つめのターゲットX2に対応するn’個のプライマー候補P21,P22,・・・,P2n’も、上記と同様に選び出す。
すべてのターゲットについて同様の操作を繰り返し、m番目のターゲットXmに対応するk個のプライマー候補Pm1,Pm2,・・・,Pmkを選び出す。
次に、選び出されたプライマー候補の中から反応に最適なプライマーの組み合わせを選び出すために、異なるターゲットのプライマー同士が意図しない場所で相補的な塩基配列を持っていないか調べる。プライマー同士の相補性を調べることについて記載した文献として、非特許文献:Rachlin J,Ding C,Cantor C,Kasif S.;Computational tradeoffs in multiplex PCR assay design for SNP genotyping;BMC Genomics;2005 Jul 25;6:102が挙げられる。
一方、第20回国際生化学・分子生物学会議バイオインダストリーセミナー(2006年6月23日)における、非特許文献:プロメガ株式会社、演者:ダグラス・R・ストーツ,Ph.D.(Douglas R.Storts,Ph.D.)、「PlexorTM qPCR and qRT−PCR Systemによる定量的マルチプレックス増幅」においては、プライマー設計の際、他のアンプリコンへのミスプライミングを予め排除することが開示されたが、その具体的なアルゴリズムは開示されていない。
プライマー同士の相補性は、以下のようにして調べることができる。
プライマーは通常塩基配列の異なる2つの核酸の組であり、例えば、プライマーPxは、2つの核酸pxF(Forward)及びpxR(Reverse)であらわされる。そして、関数pa(i,j)を塩基配列iとjの相補性を求める関数として表現した場合、ターゲットXに対するプライマーPxと、ターゲットYに対するプライマーPyとの相補性を確かめるためには、プライマーのすべての組み合わせ、すなわちpa(pxF,pyF)、pa(pxF,pyR)、pa(pxR,pyF)、及びpa(pxR,pxR)を調べる必要がある。
具体的には、プライマーP11(すなわち核酸p11F及びp11R)と、プライマーP21(すなわち核酸p21F及びp21R)との相補性を調べるために、pa(p11F,p21F),pa(p11F,p21R),pa(p11R,p21F),及びpa(p11R,p21R)を求める。一方で、あらかじめ、相補性のスコア(すなわち上記関数による計算値)の上限値pamaxを定めておく。プライマーP11とプライマーP21とについて求めた上記関数による計算値(相補性のスコア)のうち、いずれかがpamaxを超えていた場合は、P11かP21を2番目の候補に置き換える必要があるということになる。どちらを置き換えるかは,他のプライマーとの組み合わせによって計算された相補性のスコアをもとに決めればよい。
まずは、選び出した各ターゲットのプライマー候補のうち優先順位が1番目の候補(P11,P21,・・・,Pm1)を、相補性を検証するための対象とし、当該1番目の候補の中から2つを選び出すすべての組み合わせについて、相補性スコアを計算する。計算の結果、pamaxを超える相補性スコアを生じたプライマーを、候補からはずす。優先順位が1番目のプライマーが候補からはずされた後は、当該ターゲットにおける2番目のプライマー候補が相補性を検証するための対象となる。このように、プライマー候補は、優先順位の高いものから順に候補をはずされていく。
上記の操作を繰り返し,すべてのターゲットについて,プライマー候補の組み合わせのスコアがpamax以下になるようにする。このようにして求められたプライマーの組み合わせは,異なるターゲットのプライマー同士がプライマーダイマーを形成する可能性が低く、マルチプレックスPCRで使用可能なプライマーとなる。
既に述べたように、マルチプレックスPCRは、多数のSNPをタイピングするのに有用な技術である。しかし、その成否の多くは、増幅で用いるプライマーの設計に因っている。上述の従来技術で設計されたプライマーは、実際に増幅反応を行っても増幅されない場合が数多くあった。その理由は次の通りである。
上述した従来技術は、プライマー設計の際に他のプライマーの配列を検査して、相補的な配列を持つプライマーが同時に選出されるのを防ぎ、このことによって、目的の核酸の増幅反応を効率よく行うものである。ところが、増幅反応においては、反応が進むにつれてプライマーの数は減少し、逆に核酸の数が増加していく。その速度は、増幅反応のサイクル数をnとしたとき、理想的な条件下では2のn乗に比例する。すると、反応の初期段階では数が少ないために問題にならなかった増幅核酸が、その数の増加とともに問題になってくる。すなわち、増幅された核酸の塩基配列の中に、意図せずして他のプライマーと同じ塩基配列があった場合、当該プライマーと当該増幅された核酸とで結合してしまい、増幅反応を阻害することになる。
このことを、具体的な例で説明する。0.16ng/uLのDNA8uLについて、20箇所の増幅部位をマルチプレックスPCRで増幅するとする。DNAの大きさが3Gbpであるとき、分子量は約9.90×1011であるから、増幅前のDNAの量は次式で求められる。
(0.16×10−9)×8.0÷(9.90×1011)=1.29×10−21[mol]
一方、プライマー20組(合計40種類)が1.25uMの濃度で0.83uL使用されるとすると、プライマーの合計量は、
(1.25×10−6)×(0.83×10−6)=1.04×10−12[mol]
となる。この時点では、DNA量はプライマー量に比べて圧倒的に少ないため、プライマーが意図しない場所でDNAに結合するリスクは考慮する必要はなく、プライマー同士が意図しない場所で結合するリスクのほうが圧倒的に高い。
次に、マルチプレックスPCR反応によって増幅された結果、200bpの核酸20種類が合計で50ng生成されるとすると、その合計の数は、
(50×10−9)÷(6.60×104)=7.58×10−13[mol]
となる。ここでは、200bpの分子量を6.60×104として計算している。
このように、マルチプレックスPCRの結果、増幅された核酸は反応前のプライマー量とほぼ同程度まで増え、その一方でプライマーは核酸が増えた分だけ数が減ることになる。その結果、プライマー同士が意図しない場所で結合するリスクは低くなり、逆にプライマーと増幅された核酸が意図しない場所で結合するリスクが高くなる。
図2に、プライマーと増幅された核酸が意図しない場所で結合した例を示す。本来プライマーp11Fとp21Fから、増幅産物としてx11及び[x11](ここで、[x11]はx11に相補的な配列)が生成されるはずである。しかしながら、別の部位を増幅するためのプライマーp21Fの一部に、意図せずx11に相補的な配列があるため、p21Fがx11途中に結合してしまう。その結果、本来の増幅産物x11及び[x11]よりも短い別の増幅産物x11’及び[x11’](同様に、[x11’]はx11’に相補的な配列)を多く作ってしまうことになる。すると、目的の増幅産物を十分得ることができない。
また、2つのプライマーが意図せずに互いに相補的な配列を持つ確率と、プライマーと増幅産物である核酸とが意図せずに相補的な配列を持つ確率との違いにも注目しなければならない。
例えば核酸Aの3’末端側からa個の配列と相補的な配列が、大きさk[mer]の核酸Bの配列の中に含まれている確率は、次式であらわされる。
(1/4)a×(k−a+1)
2つのプライマーが意図せずに互いに相補的な配列を持つ確率、すなわち、プライマーAの3’末端側配列(a=5とする。)と相補的な配列がプライマーB(k=20とする。)の中に含まれている確率は、以下のように求められる。
(1/4)5×(20−5+1)=1.6[%]
一方、プライマーと増幅産物である核酸とが意図せずに相補的な配列を持つ確率、すなわち、プライマーAの3’末端側配列(a=5とする。)と相補的な配列が、増幅された核酸B(k=260とする。)の中に含まれている確率は、以下のように求められる、
(1/4)5×(260−5+1)=25.0[%]
この結果は、2つのプライマーが意図せずに互いに相補的な配列を持つ確率よりも16倍高いことを示している。それだけでなく、この確率は、増幅産物が大きくなればなるほど高くなる。
つまり、プライマーの設計の際に、PCR反応によって増幅される核酸の配列とプライマーとの配列の相補性を確認していなければ、反応の後半になるに従って増幅反応を阻害する核酸が増加することになる。その結果、目的の核酸が十分得られないだけでなく、プライマーの意図しない場所への結合によって不所望な核酸の断片が多数増幅されることになる。
そこで本発明の目的は、核酸増幅反応において、プライマーが意図しない場所へ結合することによって不所望な核酸の断片を生じることがない、適切なプライマーを設計することができるプライマー設計装置、プライマー設計プログラム、及びプライマー設計サーバ装置を提供することにある。
発明の概要
本発明者らは、ある特定の部位を増幅するためのプライマーと、前記特定の部位以外の部位において生成する増幅産物との相補性を調べることによって、上記本発明の目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明を含む。すなわち、本発明は、プライマー設計装置(下記[1]〜[5])、プライマー設計プログラム(下記[6]〜[10])、プライマー設計サーバ装置(下記[11]〜[15])を含む。下記[1]〜[15]における、「プライマー候補」、「プライマー候補群」、「増幅産物」、及び「増幅産物群」について、以下に概説する。
本発明において、複数の増幅すべき部位を、X1,X2,・・・,Xmとする場合に、プライマー設計のために考慮される核酸種を図6に示している。
プライマー候補は、例えば1番目の増幅部位X1については、P11,P12,・・・,P1nのそれぞれをいう。同様に、m番目の増幅部位Xmについては、Pm1,Pm2,・・・,Pmkのそれぞれをいう。
なお、本発明において、プライマーと記載する場合、特に断りの無いかぎり、フォワードプライマーとリバースプライマーの対であることを意味する。従って、例えばプライマー候補P11は、フォワードプライマーp11Fとリバースプライマーp11Rとのプライマー対を意味する。
プライマー候補群は、例えば1番目の増幅部位X1については、複数のプライマー候補P11,P12,・・・及びP1nからなる群をいう。同様に、m番目の増幅部位Xmについては、複数のプライマー候補Pm1,Pm2,・・・,及びPmkからなる群をいう。
増幅産物は、例えば1番目の増幅部位X1については、x11,[x11],x12,[x12],・・・,x1n,[x1n]のそれぞれをいう。同様に、m番目の増幅部位Xmについては、xm1,[xm1],xm2,[xm2],・・・,xmk,[xmk]のそれぞれをいう。ここで、例えば[x11]は、x11に相補的な核酸、[xm2]はxm2に相補的な核酸、[xmk]はxmkに相補的な核酸であることを示す。以下、他の核酸についても同様である。
なお、本明細書において、特に断りの無い限り、プライマー候補から得られる増幅産物とは、プライマー候補を用いた増幅反応を行った場合に理論上生成する増幅産物をいう。従って、例えばx11及び[x11]は、プライマーP11(すなわちプライマー対p11F及びp11R)を用いて増幅反応を行った場合に、理論上生成する増幅産物である。
増幅産物群は、例えば1番目の増幅部位X1については、複数の増幅産物x11,[x11],x12,[x12],・・・,x1n,及び[x1n]からなる群をいう。同様に、m番目の増幅部位Xmについては、複数の増幅産物xm1,[xm1],xm2,[xm2],・・・,xmk,及び[xmk]からなる群をいう。
下記[1]〜[5]は、プライマー設計装置に関する。
[1]
核酸中の複数の部位を増幅するための一連のプライマーを設計するための装置であって、
(I)プライマー候補と増幅産物との相補性を計算させるための計算命令Aを含む処理命令を入力するための入力部と;
(II)前記計算命令Aを受けて、
複数の増幅すべき部位から2つの部位を選択する場合の全ての組み合わせについて、前記2つの部位のうち一方の部位についての前記プライマー候補の配列と、前記2つのうち他方の部位において得られる前記増幅産物の配列との相補性を計算しスコア化することを含む処理を行うことによって、
前記複数の部位を増幅するための一連のプライマーを決定するための処理部と;
(III)複数の前記プライマー候補からなるプライマー候補群であって、前記複数の増幅すべき部位のそれぞれに対応するプライマー候補群のデータと、
複数の前記増幅産物からなる増幅産物群であって、前記複数の増幅産物のそれぞれは、前記増幅すべき部位のそれぞれにおいて、前記プライマー候補を用いた増幅反応によって得ることができるものである増幅産物群のデータと、
前記処理部によって計算された前記相補性の結果と、
前記処理部によって決定された前記一連のプライマーと、
を少なくとも格納するための記憶部と;
(IV)前記処理部によって決定された前記一連のプライマーを出力するための出力部と;
を備える、プライマー設計装置。
すなわち、上記[1]は、核酸の複数の部位を増幅するためのプライマー設計において、プライマー候補と増幅産物との相補性を検証することを特徴とする、プライマー設計装置である。
[2]
前記入力部(I)で入力される前記処理命令は、前記プライマー候補群を選出させるための選出命令Bをさらに含み、
前記処理部(II)において実行される前記処理は、前記選出命令Bを受けて、少なくとも増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及びプライマー設計パラメータに基づいて、前記プライマー候補群を選出することをさらに含み、
前記記憶部(III)には、少なくとも前記増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及び前記プライマー設計パラメータがさらに格納される、[1]に記載のプライマー設計装置。
[3]
前記プライマー設計パラメータが、融解温度、GC含量、塩基長、増幅産物長、塩基配列の目的部位への特異性、及び、1つの部位に対するプライマー対のプライマー分子間における相補性又はプライマー分子内における相補性を含む、[2]に記載のプライマー設計装置。
すなわち、上記[2]及び[3]は、特に、本発明のプライマー設計装置が、プライマー候補の選出も行う形態に向けられる。
[4]
前記入力部(I)において入力される前記処理命令は、前記増幅産物を計算させるための計算命令Cをさらに含み、
前記処理部(II)において実行される前記処理は、前記計算命令Cを受けて、前記複数の増幅すべき部位それぞれにおいて、少なくとも増幅対象の核酸配列及び前記プライマー候補の配列から、増幅反応によって得ることができる増幅産物を計算することをさらに含み、
前記記憶部(III)には、少なくとも前記増幅対象の核酸配列がさらに格納される、[1]〜[3]のいずれかに記載のプライマー設計装置。
すなわち、上記[4]は、特に、本発明のプライマー設計装置が、プライマー候補から増幅産物を計算することも行う形態に向けられる。
[5]
前記入力部(I)において入力される前記処理命令は、前記プライマー候補同士の相補性を計算させるための計算命令Dをさらに含み、
前記処理部(II)において実行される前記処理は、前記計算命令Dを受けて、前記複数の増幅すべき部位から2つの部位を任意に選択する場合の、前記2つの部位のうち一方の部位についてのプライマー候補の配列と、前記2つの部位のうち他方の部位についてのプライマー候補の配列との相補性を計算することをさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のプライマー設計装置。
すなわち、上記[5]は、特に、本発明のプライマー設計装置が、プライマー候補同士の相補性を検証することも行う形態に向けられる。
下記[6]〜[10]は、プライマー設計プログラムに関する。
[6]
核酸中の複数の配列を増幅するための一連のプライマーを決定する処理を、コンピュータに行わせるための、プライマー設計プログラムであって、
複数のプライマー候補からなるプライマー候補群であって、複数の増幅すべき部位のそれぞれに対応するプライマー候補群のデータと、
複数の増幅産物からなる増幅産物群であって、前記複数の増幅産物のそれぞれは、前記増幅すべき部位のそれぞれにおいて、前記プライマー候補を用いた増幅反応によって得ることができるものである増幅産物群のデータと、
が少なくとも与えられることにより、
前記プライマー候補と前記増幅産物との相補性を計算させるための計算命令Aを受けて、
前記複数の増幅すべき部位から2つの部位を選択する場合の全ての組み合わせについて、前記2つの部位のうち一方の部位についての前記プライマー候補の配列と、前記2つのうち他方の部位において得られる前記増幅産物の配列との相補性を計算しスコア化することを実行することを含む工程を行うことによって、前記複数の部位を増幅するための一連のプライマーを、前記複数のプライマー候補群から決定するための処理をコンピュータに行わせるための、プライマー設計プログラム。
すなわち、上記[6]は、核酸の複数の部位を増幅するためのプライマーをコンピュータによって設計する際に、プライマー候補と増幅産物との相補性を検証する処理を実行させることを特徴とする、プライマー設計プログラムである。本明細書において、プログラムとは、コンピュータによって直接実行可能なものと、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものとを含む。
[7]
前記プライマー候補群を選出させるための選出命令Bを受けることにより、少なくとも増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及びプライマー設計パラメータに基づいて前記プライマー候補群を選出することを実行することを含む工程がさらに行われる、[6]に記載のプライマー設計プログラム。
[8]
前記プライマー設計パラメータが、融解温度、GC含量、塩基長、増幅産物長、塩基配列の目的部位への特異性、及び、1つの部位に対するプライマー対のプライマー分子間における相補性又はプライマー分子内における相補性を含む、[7]に記載のプライマー設計プログラム。
すなわち、上記[7]及び[8]は、特に、本発明のプライマー設計プログラムが、プライマー候補の選出を行う処理も実行する形態に向けられる。
[9]
前記増幅産物を計算させるための計算命令Cを受けることにより、前記複数の増幅すべき部位それぞれにおいて、少なくとも増幅対象の核酸配列及び前記プライマー候補の配列から増幅反応によって得ることができる増幅産物を計算することを実行することを含む工程がさらに行われる、[6]〜[8]のいずれかに記載のプライマー設計プログラム。
すなわち、上記[9]は、特に、本発明のプライマー設計プログラムが、プライマー候補から増幅産物を計算する処理も実行する形態に向けられる。
[10]
前記プライマー候補同士の相補性を計算させるための計算命令Dを受けることにより、前記複数の増幅すべき部位から2つの部位を任意に選択する場合の、前記2つの部位のうち一方の部位についてのプライマー候補の配列と、前記2つの部位のうち他方の部位についてのプライマー候補の配列との相補性を計算することを実行することを含む工程がさらに行われる、[6]〜[9]のいずれかに記載のプライマー設計プログラム。
すなわち、上記[10]は、特に、本発明のプライマー設計プログラムが、プライマー候補同士の相補性を検証する処理も実行する形態に向けられる。
下記[11]〜[15]は、プライマー設計サーバ装置に関する。
[11]
ネットワークを介して他のコンピュータと通信可能な、核酸中の複数の部位を増幅するための一連のプライマーを設計するためのサーバ装置であって、
(V)他のコンピュータから送信されてくる、
プライマー候補と増幅産物との相補性を計算させるための計算命令Aを含む処理命令を受信するための受信部と;
(VI)前記計算命令Aを受けて、
複数の増幅すべき部位から2つの部位を選択する場合の全ての組み合わせについて、前記2つの部位のうち一方の部位についての前記プライマー候補の配列と、前記2つのうち他方の部位において得られる前記増幅産物の配列との相補性を計算しスコア化することを含む処理を行うことによって、
前記複数の部位を増幅するための一連のプライマーを、前記複数のプライマー候補群から決定するための処理部と;
(VII)複数の前記プライマー候補からなるプライマー候補群であって、前記複数の増幅すべき部位のそれぞれに対応するプライマー候補群のデータと、
複数の前記増幅産物からなる増幅産物群であって、前記複数の増幅産物のそれぞれは、前記増幅すべき部位のそれぞれにおいて、前記プライマー候補を用いた増幅反応によって得ることができるものである増幅産物群のデータと、
前記処理部によって計算された前記相補性の結果と、
前記処理部によって決定された前記一連のプライマーと、
を格納するための記憶部と;
(VIII)前記処理部によって決定された前記一連のプライマーを、他のコンピュータに送信するための送信部と;
を備える、プライマー設計サーバ装置。
すなわち、上記[11]は、核酸の複数の部位を増幅するためのプライマーを、上記本発明のプライマー設計プログラムが導入されていないコンピュータによって設計する際にネットワークを介してアクセスするサーバ装置であって、プライマー候補と増幅産物との相補性を検証する処理を行うことを特徴とする、プライマー設計サーバ装置である。本明細書において、ネットワークを介した他のコンピュータとは、端末装置及び他のサーバ装置を含む。
[12]
前記受信部(V)において受信される前記処理命令は、前記プライマー候補群を選出させるための選出命令Bをさらに含み、
前記処理部(VI)において実行される前記処理は、前記選出命令Bを受けて、少なくとも増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及びプライマー設計パラメータに基づいて、前記プライマー候補群を選出することをさらに含み、
前記記憶部(VII)には、少なくとも前記増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及び前記プライマー設計パラメータがさらに格納される、[11]に記載のプライマー設計サーバ装置。
[13]
前記プライマー設計パラメータが、融解温度、GC含量、塩基長、増幅産物長、塩基配列の目的部位への特異性、及び、1つの部位に対するプライマー対のプライマー分子間における相補性又はプライマー分子内における相補性を含む、[12]に記載のプライマー設計サーバ装置。
すなわち、上記[12]及び[13]は、特に、本発明のプライマー設計サーバ装置が、プライマー候補の選出を行う処理も行う形態に向けられる。
[14]
前記受信部(V)において受信される前記処理命令は、前記増幅産物を計算させるための計算命令Cをさらに含み、
前記処理部(VI)において実行される前記処理は、前記計算命令Cを受けて、前記複数の増幅すべき部位それぞれにおいて、少なくとも増幅対象の核酸配列及び前記プライマー候補の配列から、増幅反応によって得ることができる増幅産物を計算することをさらに含み、
前記記憶部(VII)には、少なくとも前記増幅対象の核酸配列がさらに格納される、[11]〜[13]のいずれかに記載のプライマー設計サーバ装置。
すなわち、上記[14]は、特に、本発明のプライマー設計サーバ装置が、プライマー候補から増幅産物を計算する処理を行う形態に向けられる。
[15]
前記受信部(V)において受信される前記処理命令は、プライマー候補同士の相補性を計算させるための計算命令Dをさらに含み、
前記処理部(VI)において実行される前記処理は、前記計算命令Dを受けて、前記複数の増幅すべき部位から2つの部位を任意に選択する場合の、前記2つの部位のうち一方の部位についてのプライマー候補の配列と、前記2つの部位のうち他方の部位についてのプライマー候補の配列との相補性を計算することをさらに含む、[11]〜[14]のいずれかに記載のプライマー設計サーバ装置。
すなわち、上記[15]は、特に、本発明のプライマー設計サーバ装置が、プライマー候補同士の相補性を検証する処理も行う形態に向けられる。
上記[1]〜[15]において、最も適したプライマーをプライマー候補群から決定するための相補性のスコア化においては、{(ローカルアライメントのスコア)/(アライメントの対象となった配列の長さ)}を相補性指数として用い、当該相補性指数の小さい核酸同士ほど、相補性が低いと判断することが好ましい。
本発明によると、核酸増幅反応において、プライマーが意図しない場所へ結合することによって不所望な核酸の断片を生じることがない、適切なプライマーを設計することができるプライマー設計装置、プライマー設計プログラム、及びプライマー設計サーバ装置を提供することができる。本発明によって設計されたプライマーは、プライマー同士の配列の相補性だけでなく、増幅反応によって得られる核酸の配列とプライマーの配列の相補性を加味し、反応液中に相補性の高い組み合わせがないように考慮されている。このため、所望の増幅産物を効率よく得ることができる。
図2は、従来のプライマー設計法において起こる問題点について説明した図である。
図3は、本発明のプライマー設計装置の全体構成の一例を示す図である。
図4は、図3の装置を、CPUを用いて実現した場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5は、本発明のプライマー設計プログラムを用いたプライマー設計装置の記憶部におけるデータ配置図の一例である。
図6は、本発明を用いたプライマー設計法において考慮される核酸種を示した図である。
図7は、本発明のプライマー設計プログラムを用いたプライマー設計方法の一例における処理フローチャートである。
図8は、本発明のプライマー設計プログラムを用いたプライマー設計方法の他の一例における処理フローチャートである。
図9は、本発明のサーバ装置を用いたシステムの全体構成を示す図である。
図10は、本発明のサーバ装置を用いたプライマー設計方法の一例における処理フローチャートである。
図11は、実施例におけるプライマー設計法において考慮された核酸種を示した図である。
図12は、プライマー間の相補性の計算の結果、出力されたファイルに含まれる情報の一部を示す。
図13は、プライマー及び増幅産物間の相補性の計算の結果、出力されたファイルに含まれる情報の一部を示す。
図14は、実施例において設計されたプライマーを用いてPCRを行った結果、得られたPCR産物量を測定した結果を示す。
図15は、実施例において設計されたプライマーを用いてPCRを行った結果、得られたPCR産物量を測定した結果を示す。
I:入力部
II:処理部
III:記憶部
IV:出力部
1:CPU
2:RAM
3:キーボード
4:ディスプレイ
5:ハードディスク
6:プログラム記憶部
7:データ記憶部
8:OS記憶部
11:増幅部位情報格納領域
12:組み合わせ情報格納領域
13:ターゲット配列情報格納領域
14:プライマー候補情報格納領域
15:プライマ候補番号情報格納領域
16:変更フラグ情報格納領域
17:相補性計算結果情報格納領域
18:フォワードプライマー情報及びリバースプライマー情報格納領域
19:増幅産物情報格納領域
20:プライマー同士間の相補性結果格納領域
21:プライマー及び増幅産物間の相補性結果格納領域
30:サーバ装置
31、32、及び33:端末装置
41:アライメント計算すべき2つのプライマー配列
42:3’末端のローカルアライメントスコアであることを示す情報
43:ローカルアライメントスコア
44:アライメントの対象となった配列の長さ
45:マッチする塩基の場所を示す情報
51:アライメント計算すべきプライマー配列
52:アライメント計算すべき増幅産物配列
53:3’末端のローカルアライメントスコアであることを示す情報
54:ローカルアライメントスコア
55:アライメントの対象となった配列の長さ
56:マッチする塩基の場所を示す情報
<1.プライマー設計装置の全体構成>
本発明のプライマー設計装置は、核酸中の複数の部位を増幅するための一連のプライマーを設計するための装置であって、入力部(I)、処理部(II)、記憶部(III)、及び出力部(IV)を含む。図3は、本発明のプライマー設計装置の全体構成を示すブロック図である。
<1−1.入力部>
入力部(I)は、処理命令などを入力するためのものである。また、場合によりプライマー設計に必要な情報、プライマー候補群の情報、増幅産物群の情報などを入力しても良い。
より具体的には、入力部(I)は、少なくとも処理命令を処理部に与えるためのインターフェイスをいう。入力部(I)としては、キーボード、マウスなどの、人間とのインターフェイスとなるデバイスと、インターフェイス回路、インターフェイスプログラムなど、他のプログラムや他のコンピュータなどとのインターフェイスとなる手段とが含まれる。
処理命令は、少なくとも、プライマー候補と増幅産物との相補性を計算させる処理を行うための計算命令Aを含み、後述の処理部(II)に当該処理を実行させるものである。また、処理命令は、プライマー候補群を選出させる処理を行うための選出命令B、増幅産物を計算させる処理を行うための計算命令C、及びプライマー候補同士の相補性を計算させる処理を行うための計算命令Dをさらに含むことができ、後述の処理部(II)に当該処理を実行させるものである。
<1−2.処理部>
処理部(II)において処理命令を実行する工程の詳細については、後の1−4.プライマー設計プログラムにおいて述べる。
処理部(II)は、処理命令すなわち少なくとも計算命令Aを実行するものをいい、CPUなどが含まれる。処理部(II)は、計算命令Aを受けることにより、増幅産物とプライマー候補との相補性計算を行う。
増幅産物とプライマー候補との相補性計算を行う際は、増幅すべき複数の部位から2つの部位を任意に選択した場合の、2つの部位のうち一方の部位に対するプライマー候補の配列と、他方の部位における増幅産物の配列との相補性を計算する。
プライマー候補を選出する処理も本発明のプライマー設計装置にて行う場合は、処理部(II)は、処理命令として選出命令Bも受け、増幅すべき複数の部位それぞれについて別々に、複数のプライマー候補を選出する処理を行うことができる。
増幅産物の配列を求める処理も本発明のプライマー設計装置にて行う場合は、処理部(II)は、処理命令として計算命令Cも受け、増幅すべき部位すべてについて、プライマー候補群に含まれるすべてのプライマー候補によって生成される増幅産物の配列を求める処理を行うことができる。
プライマー候補同士の相補性を計算する処理も本発明のプライマー設計装置にて行う場合は、処理部(II)は、処理命令として計算命令Dも受け、増幅すべき複数の部位から2つの部位を任意に選択した場合の、2つの部位のプライマー候補同士の相補性を計算する処理を行うことができる。
このことによって、複数の部位を増幅するための最適な一連のプライマーを、プライマー候補群から決定することができる。
<1−3.記憶部>
記憶部(III)は、プライマー候補群のデータ、増幅産物群のデータ、処理部(II)によって計算された相補性の計算結果、及び処理部(II)によって決定された最適な一連のプライマーのデータなどを格納するためのものをいい、RAMなどの主記憶装置及びハードディスクなどの補助記憶装置が含まれる。
記憶すべきデータ・情報は、外部データベースなどから読み込まれるものであっても良いし、本発明のプライマー設計装置によって得られるものであっても良い。外部データベースなどから読み込まれる場合は、記憶すべきデータ・情報は、例えば、CD−ROMなどのリムーバブルメディアから、ドライブを介して読み込まれるものであってもよいし、ネットワークを通じて、サーバコンピュータからダウンロードされるものであっても良い。
(プライマー候補群のデータ)
本発明においては、複数の増幅すべき部位のうち、特定の一の増幅すべき部位に対して複数のプライマー候補のデータを用いる。特定の一の増幅すべき部位を増幅することができる異なる複数のプライマー候補を、本明細書ではプライマー候補群と記載する。
従って、プライマー候補群のデータとは、増幅すべき部位1箇所につき複数のプライマー候補に関するデータをいう。プライマー候補は、上述のプライマー設計パラメータを含むプライマー設計情報に基づいて、増幅すべき部位ごとに別個に選出することができるものである。
プライマー候補群のデータとしては、増幅すべき部位1箇所につき複数のプライマー候補の情報を少なくとも含み、さらに、各々のプライマー候補の優先順位の情報を含むことができる。プライマー候補の情報としては、具体的には、少なくともプライマー候補の配列情報を含み、さらに、プライマー候補の位置情報や大きさの情報を含むことができる。プライマー候補の優先順位においては、前記プライマー設計パラメータをより好ましく満たすものをより優先順位が高いものとすることができる。
(増幅産物群のデータ)
増幅産物群のデータは、増幅すべき部位1箇所につき複数の増幅産物の情報を少なくとも含み、さらに、当該増幅産物に対応するプライマー候補の優先順位の情報を含むことができる。増幅産物の情報としては、具体的には、少なくとも増幅産物の配列情報を含み、さらに、増幅産物の配列の大きさを含むことができる。
なお、増幅産物とは、プライマー候補を増幅反応に用いた場合に理論上生成する増幅産物のことをいう。
(相補性の結果)
相補性の結果としては、相補性を評価することができるスコアを含むものであればどのようなものでも良い。スコアの取り方は、当業者によって適宜決定することができるため、特に限定されないが、例えば、比較対象となる核酸間における配列においてマッチする塩基の長さ、或いは、比較対象となる核酸間における配列においてマッチする塩基の割合に相当する量などをスコアとしてとることができる。
本発明では、相補性に基づくローカルアライメントによるスコア(以下、scoreと記載する場合がある)と、アライメントの対象となった配列の長さ(以下、lengthと記載する場合がある)との比(以下、ratioと記載する場合がある)、言い換えれば、scoreをlengthで割った値を、相補性評価のための指数(相補性指数)として用いることが特に好ましい。ここで、lengthがより大きく且つscoreがより小さいことは、相補性が低いことを表す。従って、lengthに対するscoreの割合として示されるratioは、その値が小さいほど、対象となる2つの配列の相補性が低いことを表す。本発明の好ましい相補性スコアであるratio値は、特に、プライマー候補と増幅産物間の相補性計算によって算出される値である場合、当該プライマー候補を用いた複数部位の増幅を実際に行ったときに生成する増幅産物の量と良い相関を示すことが本発明者らによって見出されており、大変信頼性の高い値である。
(最適な一連のプライマーのデータ)
処理部(II)において、増幅すべき部位それぞれについて、少なくともプライマー候補と増幅産物との組み合わせ全てについて相補性が評価された結果、プライマー候補群中最も相補性の評価が良いプライマー候補が最適なプライマー候補として決定される。
従って、最適な一連のプライマーのデータは、全ての増幅すべき部位からそれぞれ決定された、上記のようなプライマー候補のセットについてのデータであり、少なくとも配列情報を含むものである。
(その他の情報)
記憶部(III)には、上記のデータ以外に、以下の情報が含まれていてよい。
例えば、増幅対象となる核酸の配列、及び複数の増幅すべき部位の情報が含まれてよい。増幅すべき部位の情報としては、少なくとも増幅すべき部位の位置情報を含み、さらに、増幅すべき部位の配列や当該配列の大きさなどを含むことができる。
また、プライマーが最低限満たすべきパラメータである、プライマー設計パラメータが含まれてよい。プライマー設計パラメータとしては、融解温度、GC含量、塩基長、増幅産物長、塩基配列の目的部位への特異性、及び、1つの部位に対するプライマー対のプライマー分子間における相補性(すなわちプライマーダイマーの形成しやすさ)又はプライマー分子内における相補性(すなわちヘアピン構造の形成のしやすさ)などを表すパラメータが含まれる。また、これらパラメータの優先順位も含まれていて良い。
さらに、増幅すべき部位から2つを選ぶ全ての組み合わせの情報が含まれていてよい。それぞれの組み合わせにおいて組み合わせられた2つの部位について、一方の部位を増幅するためのプライマー候補と、他方の部位で生成しうる増幅産物との相補性の計算が、処理部(II)で行われうる。さらに、当該2つの部位について、一方の部位に対するプライマー候補と、他方の部位に対するプライマー候補との相補性の計算が、処理部(II)で行われても良い。
さらに記憶部(III)には、上記のデータ・情報以外に、処理部(II)における計算が行われている間にプライマー候補を識別するためのフラグの情報が含まれていても良い。
上述した各データ・情報は、例えば後述の図5に示すような配置で記憶部(III)に格納されてよい。
<1−4.出力部>
出力部(IV)は、少なくとも決定された最適な一連のプライマーを出力するためのものをいい、ディスプレイなどが含まれる。最適なプライマーの出力の形態としては、プライマー配列そのものの出力、及びプライマー配列を含むデータファイルの出力が含まれる。出力とは、表示、印刷だけでなく、データとして他のプログラムや装置に与える場合も含む概念である。
<2.プライマー設計装置の動作概要>
本発明のプライマー設計装置の動作概要の一例を以下に記載する。なお、処理部(II)において処理命令を実行する工程の詳細については、後の1−4.プライマー設計プログラムにおいて述べる。
記憶部(III)に、プライマー候補群データ、及び増幅産物群データが格納されている。プライマー候補群データには、複数のプライマー候補の配列情報とともに、各々のプライマー候補の優先順位の情報を含むことができる。増幅産物群のデータには、増幅産物の配列情報とともに、当該増幅産物に対応するプライマー候補の優先順位の情報を含むことができる。
入力部(I)に処理命令として計算命令Aが入力されると、記憶部(III)に格納されたプライマー候補群データ、及び増幅産物群データが、処理部(II)に送られ、プライマー候補と増幅産物との相補性の計算が行われる。相補性の計算結果は、記憶部(III)に格納される。
本発明のプライマー設計装置においては、上記のプライマー候補と増幅産物との相補性の計算以外に、プライマー候補を選出する工程、増幅産物の配列を求める工程、及び/又は、プライマー候補同士の相補性を計算する工程を行うことができる。
プライマー候補を選出する工程を本発明のプライマー設計装置にて行う場合は、入力部(I)から処理命令として選出命令Bも受けることにより、処理部(II)は、記憶部(III)から、少なくとも増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及びプライマー設計パラメータを呼び出し、増幅すべき複数の部位それぞれについて別々に、複数のプライマー候補を選出する処理を行うことができる。選出されたプライマー候補のデータは、記憶部(III)に格納される。
増幅産物の配列を求める工程を本発明のプライマー設計装置にて行う場合は、入力部(I)から処理命令として計算命令Cも受けることにより、処理部(II)は、記憶部(III)から、少なくとも増幅対象となる核酸の配列とプライマー候補配列とを呼び出し、増幅産物を計算する処理を行うことができる。求められた増幅産物のデータは、記憶部(III)に格納される。
プライマー候補同士の相補性を計算する工程を本発明のプライマー設計装置にて行う場合は、入力部(I)から処理命令として計算命令Dも受けることにより、処理部(II)は、記憶部(III)から、少なくともプライマー候補の情報を呼び出し、プライマー候補同士の相補性を計算することができる。相補性の計算結果は、記憶部(III)に格納される。
処理部(II)は、プライマー候補と増幅産物との相補性の計算を含む、プライマー設計のための全ての処理が終了した際、各増幅部位において優先順位がもっとも高いプライマー同士を、最適な一連のプライマーとして決定することができる。計算された相補性の結果及び決定された一連のプライマーのデータは、記憶部(III)に格納される。記憶部(III)に格納された最適な一連のプライマーのデータは、出力部(IV)に出力される。
<3.ハードウェア構成>
図3の処理部を、中央演算処理装置CPUを用いて実現した場合、本発明のプライマー設計装置は、パーソナルコンピュータとして実現される。この場合、他の構成要素としては、キーボードが入力部として、ディスプレイが出力部として、RAMなどの主記憶装置及びハードディスクなどの補助記憶装置が記憶部として実現される。
本発明のプライマー設計装置のハードウェア構成を図4に示す。図4において、CPU1には、RAM2、キーボード3、ディスプレイ4、及びハードディスク5が接続されている。ハードディスクには、プライマー設計プログラム記憶部6、データ記憶部7、及びオペレーティングシステム(OS)記憶部8などの領域があり、それぞれ、プライマー設計プログラム、データ、OSが記憶されている。プライマー設計プログラムが起動されると、当該プログラムがハードディスク5からRAM2にロードされた後、CPU1に送られて計算などの処理が行われ、その結果がRAM2に書き戻される。この一連の動作により、本発明の機能が奏されるようになっている。
前述の1−3.記憶部で挙げたそれぞれのデータ・情報は、図4におけるデータ記憶部7に格納されている。より詳しくは、例えば図5に示すように、データ記憶部は、複数の増幅部位それぞれについての情報が格納される領域11、及び、それら増幅部位から2つの部位を選び出す組み合わせの情報が格納される領域12を有することができる。
増幅部位についての情報の領域11のそれぞれは、増幅ターゲットとなる配列情報の領域13、及び、当該増幅ターゲットを増幅することができるプライマー候補情報の領域14を有することができる。当該領域13は、増幅ターゲットとなる塩基配列情報の領域、及び当該増幅ターゲットとなる配列の大きさ情報の領域を有することができる。当該領域14のそれぞれは、フォワード(Forward)側のプライマー候補(以下、フォワードプライマーと記載する)及びリバース(Reverse)側のプライマー候補(以下、リバースプライマーと記載する)の情報の領域18、及び、当該当該プライマー候補によって生成しうる増幅産物の情報の領域19を有することができる。
当該領域18は、フォワードプライマーの配列情報の領域、リバースプライマーの配列情報の領域、フォワードプライマーの位置情報の領域、リバースプライマーの位置情報の領域、フォワードプライマーの配列の大きさ情報の領域、及びリバースプライマーの配列の大きさ情報の領域を有することができる。当該領域19は、プライマー候補によって生成しうる増幅産物の配列情報の領域、及び、当該増幅産物の配列の大きさ情報の領域を有することができる。
増幅部位から2つの部位を選び出す組み合わせの情報の領域12は、組み合わせられた部位の番号情報の領域15、当該部位における優先順位の変更フラグの情報の領域16、及び、当該組み合わせにおける相補性の計算結果の領域17を有することができる。
当該領域17は、当該組み合わせられた部位におけるプライマー候補と増幅産物との相補性の計算結果の領域21、及び、当該組み合わせられた部位におけるプライマー候補同士の相補性の計算結果の領域20を有することができる。
<4.プライマー設計プログラム>
本発明の一実施形態であるプライマー設計プログラムは、核酸中の複数の配列を増幅するための一連のプライマーを決定する処理を、コンピュータに行わせるためのプログラムである。本発明のプライマー設計プログラムは、本発明のプライマー設計装置及びプライマー設計サーバ装置に導入されて好ましく用いられる。
本発明のプライマー設計プログラムにより、プライマー候補と増幅産物との相補性を計算する処理が少なくとも行われる。プライマー候補と増幅産物との相補性計算に際し、プライマー候補群のデータ、及び増幅産物群のデータが与えられる。これら情報・データの詳細、及び、その他与えられうる情報・データについては、上記1.プライマー設計装置の全体構成の1−3.記憶部において述べたとおりである。
プライマー候補と増幅産物との相補性の計算は、計算命令Aを受けることによって行われる。具体的には、計算命令Aを受けることにより、複数の増幅すべき部位から2つの部位を任意に選択した場合の、2つの部位のうち一方の部位に対するプライマー候補の配列と、2つの部位のうち他方の部位において得られる増幅産物の配列との相補性を計算する処理とが行われる。プライマー候補と増幅産物との相補性の計算の際には、計算結果(すなわち算出された相補性スコア)が、あらかじめ定めた相補性スコアの条件を満たさない場合、プライマー候補の優先順位が書き換えられる。プライマー候補と増幅産物との組み合わせ全てにおいて、相補性スコアの条件を満たすように、プライマー候補の優先順位を書き換えながら相補性計算を繰り返すことができる。
プライマー候補と増幅産物との相補性を計算する処理の前には、プライマー候補を選出する処理と、増幅産物を求める処理とを行うことができる。また、プライマー候補と増幅産物との相補性を計算する処理は、適宜、増幅反応液中に存在する核酸種同士の相補性を検証するための他の処理とともに行われてよい。例えば、プライマー候補を選出する処理工程が行われた後、プライマー候補と増幅産物との相補性の計算処理と、プライマー候補同士の相補性の計算処理とが行われて良い。この場合、プライマー候補と増幅産物との相補性の計算処理と、プライマー候補同士の相補性の計算処理とは、どちらが先に行われてもよい。
プライマー候補を選出する処理は、選出命令Bを受けることによって行われる。具体的には、選出命令Bを受けることにより、少なくとも増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及びプライマー設計パラメータに基づいて、プライマー候補群が選出される。
増幅産物を求める処理は、計算命令Cを受けることによって行われる。具体的には、記計算命令Cを受けることにより、複数の増幅すべき部位それぞれにおいて、少なくとも増幅対象の核酸配列及び前記プライマー候補の配列から、増幅反応によって得ることができる増幅産物が計算される。
プライマー候補同士の相補性の計算を行う処理は、計算命令Dを受けることによって行われる。具体的には、計算命令Dを受けることにより、複数の増幅すべき部位から2つの部位を任意に選択する場合の、2つの部位のうち一方の部位についてのプライマー候補の配列と、2つの部位のうち他方の部位についてのプライマー候補の配列との相補性が計算される。
プライマー設計のための全ての処理が終了した際、各増幅部位において優先順位がもっとも高いプライマー同士を、最適な一連のプライマーとして決定することができる。
以下、図6を参照し、本発明のプログラムを用いたプライマー設計方法の例を示すフローチャートを挙げて、本発明のプログラムについて説明する。
<4−1.処理フローチャート1>
図7は、本発明のプログラムを用いたプライマー設計方法の一例を示すフローチャートである。当該フローチャート1は、入力工程S11、プライマー候補選出工程S12、プライマー間の相補性計算工程S13、プライマー及び増幅産物間の相補性計算工程S15、及び、出力工程S17を含む。
S11においては、増幅対象となる核酸の配列、増幅すべき部位の情報、及び、プライマー設計パラメータが入力される。ここでは、図6に示すように、m箇所の増幅部位(ターゲットX1,X2,・・・,Xm)を増幅するものとする。さらにS11においては、計算命令A、選出命令B、計算命令C、及び計算命令Dが入力される。
S12においては、選出命令Bを受け、増幅の対象となるDNAの塩基配列から、m箇所の増幅部位(ターゲットX1,X2,・・・,Xm)それぞれについて、別々にプライマー候補を選び出す。ここでは、m番目のターゲットXmに対するk個のプライマー候補をPm1,Pm2,・・・,Pmkとする。
S13−S14においては、計算命令Dを受け、異なるターゲットにおけるプライマー候補同士が、意図しない場所で相補的な塩基配列を持っていないか調べる。
S15−S16においては、計算命令C及びAを受け、プライマー候補を用いた増幅反応によって生成しうる増幅産物とプライマー候補とが、意図しない場所で相補的な塩基配列を持っていないか調べる。
まずS13において、m個の増幅部位X1,X2,・・・,Xmから2つの部位を選び出すすべての組み合わせにおいて、1番目のプライマー候補同士の配列の相補性を示すスコアをそれぞれ計算する。言い換えれば、各ターゲットのプライマー候補のうち、1番目のプライマー候補P11,P21,・・・,Pm1の中から2つを選び出すすべての組み合わせについて、配列の相補性を示すスコアをそれぞれ計算する。具体的には、上記背景技術において述べたとおりである。すなわち、例えば、m個の増幅部位X1,X2,・・・,XmからX1とX2とを選び出す組み合わせにおいて、プライマー候補間の相補性を調べる場合は、pa(p11F,p21F),pa(p11F,p21R),pa(p11R,p21F),及びpa(p11R,p21R)を求めることによって、相補性スコアを算出する。ここでは、関数pa(i,j)を、塩基配列iとjの相補性を求める関数として表現している。一方で、あらかじめ、相補性スコア上限値pamaxを定めておく。そして、相補性スコアの計算値がpamaxを超えているかを検証する。当該計算値が、当該上限を超える場合は、プライマー候補を2番目の候補に置き換えることによって優先順位の書き換えを行う。そして、置き換えられた候補について、上記と同様に相補性スコアの計算、検証、及び必要に応じプライマー候補の優先順位の書き換えを行う。このように、相補性スコアの算出とプライマー候補の優先順位の書き換えとを繰り返す。
S14において、すべての増幅部位の組み合わせにおいて、相補性スコアの計算値がpamax以下となる条件を満たしているかどうか、判断する。当該条件を満たしていれば(Yes)、S15の工程に進む。当該条件を満たしていなければ(No)、S12に戻る。この場合、S12のプライマー候補選出において、より優先順位の低いプライマー候補を選出するか、プライマー設計パラメータの条件を変えてプライマー候補を選出するか、或いは、プライマー候補選出方法自体を変更してプライマー候補を選出するか、などの方法を行い、S14における条件が満たされるまで、S12〜S14の工程を行う。
S15においては、m個の増幅部位X1,X2,・・・,Xmから2つの部位を選び出すすべての組み合わせにおいて、一方の増幅部位における1番目のプライマー候補と、他方の増幅部位における1番目のプライマー候補によって生成する増幅産物との相補性を示すスコアをそれぞれ計算する。
S15においては、まず、選出されたプライマー候補を核酸増幅反応に用いた場合に生成しうる増幅産物を計算する。増幅産物の計算の方法としては特に限定されず、当業者によって適宜行われる。例えば、増幅対象となる核酸の配列と増幅すべき部位の位置情報とから増幅産物を求めることができる。
次に、相補性スコアの計算を行う。例えば、m個の増幅部位X1,X2,・・・,XmからX1とX2とを選び出す組み合わせにおいて、プライマー候補と増幅産物の相補性を調べる場合は、次の核酸種の組み合わせについて相補性を示すスコアを計算する。
ここで、ターゲットX1の1番目のプライマー候補P11(フォワードプライマーp11F及びリバースプライマーp11R)から核酸増幅反応によって生成する増幅産物の配列をx11及び[x11]とし、ターゲットX2の1番目のプライマー候補P21(フォワードプライマーp21F及びリバースプライマーp21R)から核酸増幅反応によって生成する増幅産物の配列をx21及び[x21]とする。
プライマー候補P21による増幅産物と、プライマー候補P11との相補性については、相補性を示すスコアの算出は、pa(p11F,x21)、pa(p11F,[x21])、pa(p11R,x21)、及びpa(p11R,[x21])の計算によって行うことができる。
また、プライマー候補P11による増幅産物と、プライマーP21との相補性については、相補性を示すスコアの計算は、pa(p21F,x11)、pa(p21F,[x11])、pa(p21R,x11)、及びpa(p21R,[x11])の算出によって行うことができる。
一方で、あらかじめ、増幅産物とプライマー候補との間の相補性スコア(すなわち上記関数による計算値)の上限値pamax−productを定めておく。そして、増幅産物とプライマー候補との間の相補性を示す上記関数による計算値が、上限値pamax−productを超えているか否かを検証する。当該計算値が、当該上限値を超える場合は、プライマー候補又は増幅産物を2番目の候補に置き換えることによって優先順位の書き換えを行う。そして、置き換えられた候補について、上記と同様に相補性スコアの計算、検証、及び必要に応じ優先順位の書き換えを行う。このように、相補性スコアの算出と優先順位の書き換えとを繰り返す。
S16において、すべての増幅部位の組み合わせについて、相補性スコアの計算値がpamax−product以下となる条件を満たしているかどうか、判断する。当該条件を満たしていれば(Yes)、S17の工程に進む。当該条件を満たしていなければ(No)、S12に戻る。この場合、S12におけるプライマー候補選出方法を変え、S16における条件が満たされるまで、S12〜S16の工程を行う。
上述の工程によって、すべての増幅部位について、プライマー候補どうしの組み合わせのスコアがpamax以下であり、プライマー候補と生成される核酸の組み合わせのスコアがpamax−product以下であるプライマー候補が得られる。このようなプライマー候補が、最適なプライマーとして決定され、S17において、当該最適なプライマーが出力される。
<4−2.処理フローチャート2>
図8は、本発明のプログラムを用いたプライマー設計方法の他の一例を示すフローチャートである。フローチャートの他の一例を示す。当該フローチャート2は、入力工程S201、増幅産物計算工程S202、プライマー間の相補性計算工程S207、プライマー及び増幅産物間の相補性計算工程S208、及び、出力工程S213を含む。当該フローチャート2についての下記説明においては、相補性計算後、相補性スコアの条件を満たすかどうかの判断、及びプライマーの優先順位を書き換えるプロセスについて、より詳しく述べる。その他、相補性計算を行うプロセスなどについては、上記フローチャート1における例と同様である。
S201においては、増幅対象となる核酸の配列、増幅すべき部位の情報、及びプライマー候補データが入力される。このとき、例えば、これら情報・データが書き込まれたファイル形式で入力を行うことができる。m箇所の増幅部位(ターゲットX1,X2,・・・,Xm)を増幅するものとすると、増幅すべき部位の情報は、前述の図5に示す、増幅部位X1情報〜増幅部位Xm情報の領域11に格納される。プライマー候補データは、これら増幅部位情報の領域14に格納される。さらにS201においては、計算命令A、計算命令C、及び計算命令Dが入力される。
S202においては、計算命令Cを受け、増幅対象となる核酸の配列及び増幅すべき部位の情報から、増幅産物が計算される。計算された増幅産物のデータは、図5に示す、プライマー候補情報の領域14における増幅産物の情報の領域19に格納される。
S203においては、プライマー候補同士間の相補性スコアの上限値、及び、プライマー候補及び増幅産物間の相補性スコアの上限値の設定を行う。ユーザが当該上限値を入力してもよいが、この例においては、あらかじめ値が書き込まれていてよい。
S204においては、各プライマー候補におけるプライマー候補変更フラグを、すべてTRUEにする。このフラグがTRUEであるプライマー候補は、後述のS206の分岐後、プライマー候補同士間の相補性スコア、及びプライマー候補及び増幅産物間の相補性スコアの計算を実行することになる。一番初めの状態では、全てのプライマー候補について計算をするため、初期状態として、全てのフラグをTRUEにする。
S205においては、その後の工程において、増幅部位から2箇所を選び出す全ての組み合わせについて、プライマー候補同士間の相補性スコアの計算と、プライマー候補及び増幅産物間の計算とを実行することを命令する。例えば、図5に示す、組み合わせ情報の領域12に格納された組み合わせ1について、S206〜S209の処理が行われ、組み合わせ2について、S206〜S209の処理が行われる、というように、全ての組み合わせについて、S206〜S209の処理が繰り返し行われる。なお当該計算は、TRUEのフラグが付されているプライマー候補及びそれによって生成しうる増幅産物のうち、もっとも優先順位が高いものについて行われる。
S206においては、プライマー候補変更フラグがTRUEかどうかを判断する。ここで、プライマー候補変更フラグとしては、計算がまだ行われていない増幅部位の組み合わせにおけるプライマー候補に対してはTRUEが付され、すでに計算済みの増幅部位の組み合わせにおけるプライマー候補に対してはFALSEが付されるものとする。フラグ情報は、図5に示す、組み合わせ情報の領域12における候補変更フラグの領域16に格納されている。プライマー候補変更フラグがTRUEであれば、その部位の組み合わせについて相補性の計算を行う。プライマー候補変更フラグがFALSEであれば、その部位の組み合わせについては同じ計算を繰り返さずに、計算対象部位を次の部位の組み合わせに移す。
S207においては、プライマー候補同士間の相補性スコアを計算する。計算結果は、図5に示す、相補性計算結果の領域17における、プライマー候補同士の相補性の計算結果の領域20に格納される。例えば、増幅部位X1とX2とを選ぶ組み合わせにおいては、pa(p11F,p21F)の計算結果は1−Forward x 2−Forward、pa(p11F,p21R)の計算結果は1−Forward x 2−Reverse、pa(p11R,p21F)の計算結果は1−Reverse x 2−Forward、pa(p11R,p21R)の計算結果は1−Reverse x 2−Reverseの各領域に格納される。
S208においては、プライマー候補及び増幅産物間の相補性スコアを計算する。計算結果は、図5に示す、相補性計算結果の領域17における、プライマー候補と増幅産物との相補性の計算結果の領域21に格納される。例えば、増幅部位X1とX2とを選ぶ組み合わせにおいては、pa(p11F,x21)及びpa(p11F,[x21])の計算結果は1−Forward x 2−Product、pa(p11R,x21)及びpa(p11R,[x21])の計算結果は1−Reverse x 2−Product、pa(p21F,x11)及びpa(p21F,[x11])の計算結果は2−Forward x 1−Product、pa(p21R,x11)及びpa(p21R,[x11])の計算結果は2−Reverse x 1−Productの各領域に格納される。
S209においては、上記S207及びS208で計算済みとなった組み合わせにおけるプライマー候補変更フラグをFALSEに変える。
S210においては、上記S207又はS208で得られた相補性スコアの計算値が、上記S203において設定した上限値を超えているものと、上記S207及びS208で得られた相補性スコアの計算値が、上記S203において設定した上限値を超えていないものとで分岐する。当該計算値が当該上限値を超えている場合は、S211へ、そうでない場合は、S213へ進む。
S211においては、上記S207又はS208で得られた相補性スコアの計算値が、上記S203において設定した上限値を超えたプライマー候補を、相補性の計算の対象からはずすために、計算すべきプライマー候補を、次の優先順位のプライマー候補へ書き換える。
S212においては、上記S211で優先順位が繰上げられたプライマー候補を含む組み合わせについて、再び上記S207及びS208の計算を行う必要があるため、当該計算を行うべき当該組み合わせのプライマー候補のフラグを、全てTRUEに書き換える。その後、再びS205へ戻る。
S213においては、増幅部位から2箇所を選ぶ全ての組み合わせにおいて、上記S207及びS208の計算結果が、S203で設定された相補性スコアの上限値以下の条件を満たし、且つ優先順位の最も高いプライマー候補を、増幅反応に用いるプライマーとして決定し、出力することができる。このとき、例えば、決定されたプライマーの配列が書き込まれたファイル形式で出力を行うことができる。
<5.プライマー設計サーバ装置>
本発明のプライマー設計サーバ装置は、核酸の複数の部位を増幅するためのプライマーを、他のコンピュータによって設計する際に、ネットワークを介して通信することができるサーバ装置であって、プライマー候補と増幅産物との相補性を検証する処理を行うことを特徴とするサーバ装置である。ネットワークを介した他のコンピュータには、端末装置及び他のサーバ装置が含まれる。ネットワークとしては、インターネットやLANなどが挙げられる。本発明のサーバ装置は、通信のための受信部(V)、送信部(VIII)、及び、上記本発明のプライマー設計装置と同様に処理部(VI)及び記憶部(VII)を有するものであり、受信部(V)、送信部(VIII)を備える以外は上記本発明のプライマー設計装置と同様のハードウェア構成を有する(図示せず)。
本発明の一実施形態であるプライマー設計サーバによるシステムの例を図9に示す。この例においては、サーバ装置30と端末装置31、32、33・・・が、インターネットを介して接続されている。サーバ装置は、30は、本発明のプライマー設計プログラムが記録されており、ウェブサーバとして機能するものである。端末装置31、32、33・・・には、ウェブサイトを閲覧するための閲覧プログラムが記録されている。端末装置31、32、33・・・は、サーバ装置30にアクセスすることにより、プライマー設計を行うことができる。端末装置31、32、33・・・も、通信のための受信部及び送信部を有することを除いては、本発明のプライマー設計装置と同様のハードウェア構成を有する。
本発明のプライマー設計サーバ装置の記憶部は、ユーザ或いはユーザの属するグループごとに、前記図5に示したような一連のデータ領域を設けている。これら領域は、それぞれユーザ識別子やグループ識別子などによって識別されている。
<5−1.処理フローチャート>
図10に、本発明のプライマーサーバ設計装置を用いたプライマー設計方法の一例を示すフローチャートである。当該フローチャートにおいては、S305でプライマー設計処理が行われる。S305で行われる処理は、図7及び図8で示したとおりである。
本発明のサーバ装置は、S301において、クライアントからサーバに接続の要求があるまで待つ。S302において、クライアントに入力画面を送信する。ここでは、例として、本発明のサーバにWWWサーバの機能を持たせて、TCP/IPによってHTML形式で送信することを想定する。一方、クライアント側はウェブブラウザによって入力画面を表示し、以下の入力等を行う。
S303においては、クライアントからのプライマーの設計に必要な情報が入力されるのを待つ。一方、クライアント側は、例えば塩基配列を入力する場合は、最も一般的なFASTA形式で入力する。
S304においては、入力された情報が正しいかどうかを判定する。入力された情報が正しければ(YES)、S305に進み、間違っていれば(No)、S309に進む。S309においては、入力が間違っていることを示す画面をクライアントに送信する。
S305においては、入力された情報をもとに,プライマーの設計を行う。このアルゴリズムは、図7及び図8と同様である。
S306においては、プライマー設計が成功であるかどうかを判定する。プライアー設計が成功であれば(YES)、S307に進み、失敗であれば(No)、S310に進む。S310においては、設計に失敗したことを示す画面をクライアントに送信する。
S307においては、設計した結果及びそれを表示する画面をクライアントに送信する。
S308においては、クライアントからの接続が切断されればYESに進み、終了する。なお、このタイミングに限らず、いつでもクライアントから接続が切断されれば同様に終了処理をおこなって終了することができる。
以下の実施例では、本発明のプライマー設計プログラムを用いて、マルチプレックスPCR用のプライマーを設計した。本発明のプログラムによって最も好ましい判断されたプライマーと、それより優先順位の低いプライマーとをそれぞれ用いて、実際にマルチプレックスPCRを行った。そして、プライマー同士が誤って結合しない条件下で、PCR産物と他のプライマーとの結合がPCRの効率に及ぼす影響を検証した。検証は、2箇所の一塩基多型(SNP)部位を増幅するマルチプレックスPCRの系で行った。プライマー設計から検証までの概略は、以下のとおりである。
<1>2箇所目のSNP部位について、シングルPCR用のプライマー設計ソフトウェアで、プライマー候補を独立に選び出した。
<2>各プライマー間の相補性を計算し、誤って結合する可能性の低いプライマーの組み合わせを選び出した。
<3>上記<2>で選んだプライマーの組み合わせについて、PCR産物とプライマーの相補性を計算した。
<4>上記<2>で選んだプライマーの組み合わせで、マルチプレックスPCRを行った。
<5>上記<4>のPCR産物の増幅量を測定した。
<6>上記<3>の相補性計算結果と<5>の測定結果とを比較し、PCR産物・プライマー間の相補性とPCR産物の増幅量の間に相関があるか調べた。
以下、<1>〜<6>の手順について、図11を参照して詳しく述べる。なお、本実施例では、マイクロソフト社ウインドウズのコマンドプロンプトを使用した。
<1>2箇所のSNP部位それぞれについてのプライマー候補の選出
SNPのデータベースの中から、塩基配列″NT_022184″を取得した。この塩基配列に含まれる2つのSNPを増幅ターゲットにした。これらSNPの″refSNP ID″はそれぞれ″rs3770799″及び″rs3770797″である。本実施例においては、塩基配列″NT_022184″の中から20kbpの塩基配列だけを取り出し、プライマー設計ソフトに入力した。プライマー設計ソフトウェアとしては、シングルPCRのプライマー設計ソフトウェア″primer 3″(http://frodo.wi.mit.edu/primer3/primer3_code.html)を用いた。
(なお、″NT_022184″のすべての塩基配列をプライマー設計ソフトに入力することもできる。ただしその場合は、塩基配列の大きさが膨大であることから、プライマー候補選択に多くの時間を費やすことになる。)
このようにして、それぞれのSNP部位のプライマー候補を独立に選び出した。
<2>プライマー間の相補性の計算
上記<1>におけるプライマー選出で用いた″primer 3″に付属のソフトウェア″DPAL″を使用し、増幅ターゲットであるSNP X1:″rs3770799″及びX2:″rs2770797″に対するプライマー候補群の中から1つずつ候補を選び出し、プライマー間の3’末端での相補性を示すスコア(3’末端のローカルアライメントスコア)を計算した。なお、″DPAL″は、ローカルアライメントならびにグローバルアライメントのスコアを計算するソフトウェアで、実行時に、3’末端固定かそうでないかを選ぶことができる。
プライマー間の相補性の計算の結果、出力されたファイルに含まれる情報の一部を図12に示す。図12には、当該出力ファイル中の、X1に対するプライマーP1A(フォワードプライマー″p1AF″&リバースプライマー″p1AR″)と、X2に対するプライマーP2A(フォワードプライマー″p2AF″&リバースプライマー″p2AR″)との相補性の計算結果について書かれた部分の文字列を示す。当該情報は、アライメントスコアを計算する2つのプライマー配列41、3’末端のローカルアライメントスコアであることを示す情報42、ローカルアライメントスコア43、アライメントの対象となった配列の長さ44、及び、2つの配列でマッチする塩基の場所を示す情報45を含む。
結果として、次の4組のプライマーの組み合わせを選び出した。これらの組み合わせにおいて、それぞれのプライマーは、X1に対するプライマーP1A(″p1AF″&″p1AR″)及びP1B(″p1BF″&″p1BR″)と、X2に対するプライマーP2A(″p2AF″&″p2AR″)及びP2B(″p2BF″&″p2BR″)とからなる群から選ばれる。
<3>増幅産物とプライマーとの相補性の計算
上記<2>で挙げたプライマーの組み合わせのそれぞれについて、増幅産物とプライマーとの相補性の計算を行った。当該プライマーを用いて核酸増幅を行ったときに得られる増幅産物の配列を求めた。増幅産物の配列を求める方法としては、テンプレートの配列とプライマーの位置から求めることができる。或いは、e−PCR(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sutils/e−pcr/)のようなソフトウェアを使用して求めることも可能である。当該ソフトウェアを使用して求めた増幅産物の配列を以下に示す。
次に、<2>と同様の手順で、プライマー及び増幅産物それぞれの中から1つずつ配列を選び出し、プライマーと増幅産物との3’末端固定のローカルアライメントスコアを求めた。ここでは、プライマーの3’末端を固定した場合のスコアのみが分かればよく、増幅産物の3’末端固定のスコアまで求める必要はない。
相補性の計算を行ったプライマーと増幅産物との組み合わせは以下のとおりである。
プライマーと増幅産物との間の相補性の計算の結果、出力されたファイルに含まれる情報の一部を図13に示す。図13には、当該出力ファイル中の、組み合わせ[5](P1A−P2A_product)による相補性の計算結果について書かれた部分の文字列を示す。当該情報は、アライメントスコアを計算するプライマー配列51及び増幅産物配列52、3’末端のローカルアライメントスコアであることを示す情報53、ローカルアライメントスコア54、アライメントの対象となった配列の長さ55、及び、2つの配列でマッチする塩基の場所を示す情報56を含む。
さらに、<2>で得られたプライマー間(組み合わせ[1]〜[4])の相補性、及び、<3>で得られたプライマーと増幅産物との間(組み合わせ[5]〜[12])の相補性についての計算結果から、必要なデータを抜き出してまとめたものを下記表1、2及び3に示す。
下記表1は、<2>で得られたプライマー間(組み合わせ[1]〜[4])の相補性の計算結果における、ローカルアライメントスコアの合計(total score)、アライメントの対象となった配列の長さの合計(total length)、及びそれらの比(ratio:total score/total length x 100)を示す。
<4> 選出したプライマーを用いることによる増幅量の検証
前記<2>で選び出した組み合わせ[1]〜[4]の4通りの組み合わせによるプライマーをそれぞれ用いることにより、4通りのマルチプレックスPCRをおこなった。マルチプレックスPCRは、30サイクル行った。
PCR産物の増幅量は、インベーダ反応を利用して測定した。マルチプレックスPCRによって、X1:″rs3770799″を含む増幅産物と、X2:″rs2770797″含む増幅産物とが得られる。これらSNP(X1及びX2)がそれぞれインベーダ反応によって検出されるため、それぞれの増幅産物の量を調べることができる。
インベーダ反応においては、測定すべき2つのPCR産物に対応し、かつ波長の異なる蛍光物質が付された2つのプローブを使用することによって、2つのPCR産物量が同時に測定できるようにした。インベーダ反応が進むにつれて、それぞれのPCR産物において蛍光強度が上昇するが、その上昇速度はPCR産物の増幅量に応じて変化する。すなわち、増幅量が多い場合は蛍光強度の上昇速度が速く、逆に増幅量が少ない場合は傾向強度の上昇が遅くなる。このようにしてPCR産物量を測定した結果を図14及び図15のグラフに示す。それぞれの曲線から、図に記載のプライマー−増幅産物の組み合わせが含まれる反応系によって得られた増幅産物の量を知ることができる。
さらに、これらグラフにおける増幅曲線の傾きを最小二乗法で計算した。この計算結果を、以下の表4(a)及び(b)に示す。
表4(a)においては、SNP X2を含む増幅産物を得るための反応系に関して、増幅曲線の傾きを、使用したプライマーの組み合わせ、当該プライマー間の相補性指数(すなわち上記表1で得られたratio値)、反応系中に存在するプライマー−増幅産物間の組み合わせ、当該プライマー−増幅産物間の相補性指数(すなわち上記表2で得られたratio値)などとともに示す。
表4(b)においては、SNP X1を含む増幅産物を得るための反応系に関して、増幅曲線の傾きを、使用したプライマーの組み合わせ、当該プライマー間の相補性指数(すなわち上記表1で得られたratio値)、反応系中に存在するプライマー−増幅産物間の組み合わせ、当該プライマー−増幅産物間の相補性指数(すなわち上記表3で得られたratio値)などとともに示す。
以上より、プライマー間の相補性指数と、プライマー−増幅産物間の相補性指数とが総合的に良好である、[2]の組み合わせ(すなわちP1A−P2B)のプライマーが、SNP X1を含む増幅産物及びSNP X2を含む増幅産物の両方を効率よく合成しており、従って、最適なプライマーであると評価することができる。
このように、複数の増幅ターゲットを効率よく合成することは、従来のようにプライマー間の相補性の判定のみを行うよりも、プライマー−増幅産物間の相補性の判定をさらに行うことが大きく影響していることが証明された。
上記実施例においては、本発明の範囲における具体的な形態について示したが、本発明は、これらに限定されることなく他のいろいろな形態で実施することができる。このため、上記実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変更は、すべて本発明の範囲内である。
[配列表]
Claims (15)
- 核酸中の複数の部位を増幅するための一連のプライマーを設計するための装置であって、
(I)プライマー候補と増幅産物との相補性を計算させるための計算命令Aを含む処理命令を入力するための入力部と;
(II)前記計算命令Aを受けて、
複数の増幅すべき部位から2つの部位を選択する場合の全ての組み合わせについて、前記2つの部位のうち一方の部位についての前記プライマー候補の配列と、前記2つのうち他方の部位において得られる前記増幅産物の配列との相補性を計算しスコア化することを含む処理を行うことによって、
前記複数の部位を増幅するための一連のプライマーを決定するための処理部と;
(III)複数の前記プライマー候補からなるプライマー候補群であって、前記複数の増幅すべき部位のそれぞれに対応するプライマー候補群のデータと、
複数の前記増幅産物からなる増幅産物群であって、前記複数の増幅産物のそれぞれは、前記増幅すべき部位のそれぞれにおいて、前記プライマー候補を用いた増幅反応によって得ることができるものである増幅産物群のデータと、
前記処理部によって計算された前記相補性の結果と、
前記処理部によって決定された前記一連のプライマーと、
を少なくとも格納するための記憶部と;
(IV)前記処理部によって決定された前記一連のプライマーを出力するための出力部と;
を備える、プライマー設計装置。 - 前記入力部(I)で入力される前記処理命令は、前記プライマー候補群を選出させるための選出命令Bをさらに含み、
前記処理部(II)において実行される前記処理は、前記選出命令Bを受けて、少なくとも増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及びプライマー設計パラメータに基づいて、前記プライマー候補群を選出することをさらに含み、
前記記憶部(III)には、少なくとも前記増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及び前記プライマー設計パラメータがさらに格納される、請求の範囲第1項に記載のプライマー設計装置。 - 前記プライマー設計パラメータが、融解温度、GC含量、塩基長、増幅産物長、塩基配列の目的部位への特異性、及び、1つの部位についてのプライマー対のプライマー分子間における相補性又はプライマー分子内における相補性を含む、請求の範囲第2項に記載のプライマー設計装置。
- 前記入力部(I)において入力される前記処理命令は、前記増幅産物を計算させるための計算命令Cをさらに含み、
前記処理部(II)において実行される前記処理は、前記計算命令Cを受けて、前記複数の増幅すべき部位それぞれにおいて、少なくとも増幅対象の核酸配列及び前記プライマー候補の配列から、増幅反応によって得ることができる増幅産物を計算することをさらに含み、
前記記憶部(III)には、少なくとも前記増幅対象の核酸配列がさらに格納される、請求の範囲第1項に記載のプライマー設計装置。 - 前記入力部(I)において入力される前記処理命令は、前記プライマー候補同士の相補性を計算させるための計算命令Dをさらに含み、
前記処理部(II)において実行される前記処理は、前記計算命令Dを受けて、前記複数の増幅すべき部位から2つの部位を任意に選択する場合の、前記2つの部位のうち一方の部位についてのプライマー候補の配列と、前記2つの部位のうち他方の部位についてのプライマー候補の配列との相補性を計算することをさらに含む、請求の範囲第1項に記載のプライマー設計装置。 - 核酸中の複数の配列を増幅するための一連のプライマーを決定する処理を、コンピュータに行わせるための、プライマー設計プログラムであって、
複数のプライマー候補からなるプライマー候補群であって、複数の増幅すべき部位のそれぞれに対応するプライマー候補群のデータと、
複数の増幅産物からなる増幅産物群であって、前記複数の増幅産物のそれぞれは、前記増幅すべき部位のそれぞれにおいて、前記プライマー候補を用いた増幅反応によって得ることができるものである増幅産物群のデータと、
が少なくとも与えられることにより、
前記プライマー候補と前記増幅産物との相補性を計算させるための計算命令Aを受けて、
前記複数の増幅すべき部位から2つの部位を選択する場合の全ての組み合わせについて、前記2つの部位のうち一方の部位についての前記プライマー候補の配列と、前記2つのうち他方の部位において得られる前記増幅産物の配列との相補性を計算しスコア化することを実行することを含む工程を行うことによって、前記複数の部位を増幅するための一連のプライマーを、前記複数のプライマー候補群から決定するための処理をコンピュータに行わせるための、プライマー設計プログラム。 - 前記プライマー候補群を選出させるための選出命令Bを受けることにより、少なくとも増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及びプライマー設計パラメータに基づいて前記プライマー候補群を選出することを実行することを含む工程がさらに行われる、請求の範囲第6項に記載のプライマー設計プログラム。
- 前記プライマー設計パラメータが、融解温度、GC含量、塩基長、増幅産物長、塩基配列の目的部位への特異性、及び、1つの部位についてのプライマー対のプライマー分子間における相補性又はプライマー分子内における相補性を含む、請求の範囲第7項に記載のプライマー設計プログラム。
- 前記増幅産物を計算させるための計算命令Cを受けることにより、前記複数の増幅すべき部位それぞれにおいて、少なくとも増幅対象の核酸配列及び前記プライマー候補の配列から増幅反応によって得ることができる増幅産物を計算することを実行することを含む工程がさらに行われる、請求の範囲第6項に記載のプライマー設計プログラム。
- 前記プライマー候補同士の相補性を計算させるための計算命令Dを受けることにより、前記複数の増幅すべき部位から2つの部位を任意に選択する場合の、前記2つの部位のうち一方の部位についてのプライマー候補の配列と、前記2つの部位のうち他方の部位についてのプライマー候補の配列との相補性を計算することを実行することを含む工程がさらに行われる、請求の範囲第6項に記載のプライマー設計プログラム。
- ネットワークを介して他のコンピュータと通信可能な、核酸中の複数の部位を増幅するための一連のプライマーを設計するためのサーバ装置であって、
(V)他のコンピュータから送信されてくる、
プライマー候補と増幅産物との相補性を計算させるための計算命令Aを含む処理命令を受信するための受信部と;
(VI)前記計算命令Aを受けて、
複数の増幅すべき部位から2つの部位を選択する場合の全ての組み合わせについて、前記2つの部位のうち一方の部位についての前記プライマー候補の配列と、前記2つのうち他方の部位において得られる前記増幅産物の配列との相補性を計算しスコア化することを含む処理を行うことによって、
前記複数の部位を増幅するための一連のプライマーを、前記複数のプライマー候補群から決定するための処理部と;
(VII)複数の前記プライマー候補からなるプライマー候補群であって、前記複数の増幅すべき部位のそれぞれに対応するプライマー候補群のデータと、
複数の前記増幅産物からなる増幅産物群であって、前記複数の増幅産物のそれぞれは、前記増幅すべき部位のそれぞれにおいて、前記プライマー候補を用いた増幅反応によって得ることができるものである増幅産物群のデータと、
前記処理部によって計算された前記相補性の結果と、
前記処理部によって決定された前記一連のプライマーと、
を格納するための記憶部と;
(VIII)前記処理部によって決定された前記一連のプライマーを、他のコンピュータに送信するための送信部と;
を備える、プライマー設計サーバ装置。 - 前記受信部(V)において受信される前記処理命令は、前記プライマー候補群を選出させるための選出命令Bをさらに含み、
前記処理部(VI)において実行される前記処理は、前記選出命令Bを受けて、少なくとも増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及びプライマー設計パラメータに基づいて、前記プライマー候補群を選出することをさらに含み、
前記記憶部(VII)には、少なくとも前記増幅対象となる核酸の配列、前記核酸中の増幅すべき部位の情報、及び前記プライマー設計パラメータがさらに格納される、請求の範囲第11項に記載のプライマー設計サーバ装置。 - 前記プライマー設計パラメータが、融解温度、GC含量、塩基長、増幅産物長、塩基配列の目的部位への特異性、及び、1つの部位についてのプライマー対のプライマー分子間における相補性又はプライマー分子内における相補性を含む、請求の範囲第12項に記載のプライマー設計サーバ装置。
- 前記受信部(V)において受信される前記処理命令は、前記増幅産物を計算させるための計算命令Cをさらに含み、
前記処理部(VI)において実行される前記処理は、前記計算命令Cを受けて、前記複数の増幅すべき部位それぞれにおいて、少なくとも増幅対象の核酸配列及び前記プライマー候補の配列から、増幅反応によって得ることができる増幅産物を計算することをさらに含み、
前記記憶部(VII)には、少なくとも前記増幅対象の核酸配列がさらに格納される、請求の範囲第11項に記載のプライマー設計サーバ装置。 - 前記受信部(V)において受信される前記処理命令は、プライマー候補同士の相補性を計算させるための計算命令Dをさらに含み、
前記処理部(VI)において実行される前記処理は、前記計算命令Dを受けて、前記複数の増幅すべき部位から2つの部位を任意に選択する場合の、前記2つの部位のうち一方の部位についてのプライマー候補の配列と、前記2つの部位のうち他方の部位についてのプライマー候補の配列との相補性を計算することをさらに含む、請求の範囲第11項に記載のプライマー設計サーバ装置。
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