JPWO2008004541A1 - 出力補正装置及び方法、並びに、スピーカの出力補正装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
スピーカの出力補正装置は、制御手段(CPU)の制御下で、(i)第1テスト信号を出力する第1スピーカ(SP1)と、(ii)第1テスト信号と位相が略同一であると共に、第1テスト信号と合成された場合のパワー特性が一定値である第2テスト信号を含む第2音声信号を出力する第2スピーカ(SP2)と、(iii)出力された第1テスト信号、及び第2テスト信号を集音する集音手段(MIC)と、(iv)集音された第1テスト信号と第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、第1スピーカと集音手段との第1距離(L1)と、第2スピーカと集音手段との第2距離(L2)との差分を算出する算出手段(15等)と、(v)第1スピーカ、及び第2スピーカにおける相対的な出力特性を補正する補正手段(12)とを備える。
Description
本発明は、例えば2つのスピーカを備えるスピーカ装置の出力を補正する、出力補正装置及び方法、並びに、スピーカの出力補正装置及び方法の技術分野に関する。
例えば特許文献1等において、例えば聴取者から、等しい距離に配置されていない2つのスピーカの間の距離差を推定する手法について開示されている。即ち、この推定手法では、2つのスピーカから同時に、同じテスト信号を出力させ、マイク等の集音手段で、集音された信号の自己相関に基づいて、2つのスピーカの距離差の推定が行われている。
しかしながら、上述した、特許文献1によれば、例えば3回等の複数回のテスト信号の出力が必要であり、2つのスピーカ間の距離差を推定するための処理手順が冗長となってしまい、複雑になってしまうという技術的な問題点を有している。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば2つのスピーカ間の距離差を簡便且つ迅速に算出し、算出された距離差に基づいて、スピーカの出力補正を適切に行うことが可能な、出力補正装置及び方法、並びに、スピーカの出力補正装置及び方法を、提供することを課題とする。
(出力補正装置)
上記課題を解決するために、本発明の出力補正装置は、第1テスト信号を出力する第1スピーカに接続される第1出力端子と、前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を出力する第2スピーカに接続される第2出力端子とを備え、出力された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1テスト信号及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と前記第1スピーカとの第1距離と、前記集音手段と前記第2スピーカとの第2距離と、の差分を算出する算出手段と、前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性(遅延量、及び出力レベルの係数)を補正する補正手段と、算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、を備える。
上記課題を解決するために、本発明の出力補正装置は、第1テスト信号を出力する第1スピーカに接続される第1出力端子と、前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を出力する第2スピーカに接続される第2出力端子とを備え、出力された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1テスト信号及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と前記第1スピーカとの第1距離と、前記集音手段と前記第2スピーカとの第2距離と、の差分を算出する算出手段と、前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性(遅延量、及び出力レベルの係数)を補正する補正手段と、算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、を備える。
本発明の出力補正装置によれば、第1出力端子に接続した第1スピーカによって、第1テスト信号が出力される。第2出力端子に接続した第2スピーカによって、第1テスト信号と位相が略同一であると共に、第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号が出力される。ここに、本発明に係る「パワー特性」とは、例えば第1テスト信号の振幅の2乗と、第2テスト信号の振幅の2乗との和などの、2つの信号のパワーレベルにおける特性を意味する。集音手段によって、出力された第1テスト信号、及び第2テスト信号が集音される。算出手段によって、集音された第1テスト信号と第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、第1スピーカと集音手段との第1距離と、第2スピーカと集音手段との第2距離との差分が算出される。補正手段によって、第1スピーカ、及び第2スピーカにおける相対的な出力特性が補正される。ここに、本発明に係る「出力特性」とは、例えば、2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数などの、出力の時期やタイミング、或いは、出力のレベルを、2つのスピーカにおいて相対的に変化させる所定の特性を意味する。制御手段の制御下で、補正手段によって、算出された差分に基づいて、出力特性が補正される。
特に、本発明によれば、上述したように、第1テスト信号、及び第2テスト信号における位相は、略同一であると共に、第1テスト信号、及び第2テスト信号におけるパワー特性は、略一定である。従って、第1スピーカと集音手段との第1距離と、第2スピーカと集音手段との第2距離とが略等しい場合、集音された、第1テスト信号と第2テスト信号とが、周波数毎に、合成された合成信号のパワー特性は、略一定値となる。
このため、仮に、パワー特性が、相対的に低いレベルとなった周波数の帯域(又は、パワーが欠落した周波数帯域)が発生した場合、このパワー特性が低いレベルになったことを引き起こす原因となる位相差は、殆ど又は完全に全て、第1テスト信号に対応される音が空気中を伝播する過程と、第2テスト信号に対応される音が空気中を伝播する過程との違いに起因されると推論できる。言い換えると、パワー特性が低いレベルになったことを引き起こす原因となる位相差は、第1テスト信号が、第1スピーカから集音手段に到達するまでの第1距離と、第2テスト信号が、第2スピーカから、例えば集音手段に到達するまでの第2距離との差分に対応されると推論できる。特に、第1テスト信号と、第2テスト信号との位相差が、所定の波長の半分に等しい場合、パワー特性は、略ゼロとなり、パワーの欠落量の大きさは最大となる。具体的には、パワー特性が、相対的に低いレベルとなった周波数に基づいて算出される位相差が、第1テスト信号が、第1スピーカから、例えば集音手段に到達するまでの第1距離と、第2テスト信号が、第2スピーカから、例えば集音手段に到達するまでの第2距離との差分に対応される。従って、第1距離と、第2距離との差分は、このパワー特性が相対的に低いレベルとなった周波数、及び音速に基づいて、算出可能である。この算出された差分に基づいて、制御手段の制御下で、補正手段によって、出力特性が適切に補正される。
以上の結果、本発明によれば、例えば2つのスピーカ間の距離差(即ち、差分)を簡便且つ迅速に算出し、算出された距離差(差分)に基づいて、スピーカの出力補正を適切且つ迅速に行うことが可能である。
本発明の出力補正装置の一の態様では、(i)前記スペクトルに含まれる、前記第1テスト信号と、前記第2テスト信号とが重なった部分のうち、前記パワー特性が最小レベルである周波数に基づいて、前記差分を算出する。
この態様によれば、第1段階として、算出手段によって、(i)スペクトルに含まれる、第1テスト信号と、第2テスト信号とが重なった部分のうち、パワー特性が最小レベルである周波数に基づいて、差分が算出される。
この結果、算出された差分に基づいて、例えば遅延量などの出力特性の特性値を、高精度に算出可能であり、算出された出力特性の特性値に基づいて、スピーカの出力補正をより適切且つ高精度に行うことが可能である。
上述した算出手段に係る態様では、前記算出手段は、(ii)算出された前記差分に対応される、前記スペクトルに含まれる、前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが重ならない部分における、スペクトル形状に基づいて、前記第1距離と、前記第2距離との大小関係を判定する判定手段を含むように構成してもよい。
このように構成すれば、第2段階として、算出手段に含まれる判定手段によって、(ii)算出された差分に対応される、スペクトルに含まれる、第1テスト信号と第2テスト信号とが重ならない部分における、スペクトル形状に基づいて、前記第1距離と、前記第2距離との大小関係が判定される。
この結果、算出された差分に基づいて、例えば遅延量などの出力特性の特性値を、第1スピーカ、又は、第2スピーカに対して、高精度に適用可能である。
更に、上述した算出手段に係る態様では、前記算出手段は、前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが重ならない部分における、スペクトル形状に基づいて、前記第1出力端子、又は、前記第2出力端子における出力時期を相対的に遅延させる遅延量を算出するように構成してもよい。
このように構成すれば、第3段階として、算出手段によって、(ii)算出された差分に対応される、スペクトルに含まれる、第1テスト信号と第2テスト信号とが重ならない部分における、スペクトル形状に基づいて、第1出力端子、又は、第2出力端子における出力時期を相対的に遅延させる遅延量が算出される。
この結果、算出された差分に基づいて、遅延量などの出力特性の特性値を、高精度に算出可能であり、算出された出力特性の特性値に基づいて、出力手段の出力補正をより適切且つ高精度に行うことが可能である。
本発明の出力補正装置の他の態様では、前記制御手段は、更に、前記第1テスト信号、及び、前記第2テスト信号を、時間的に同時に出力するように、前記第1出力手段、及び、前記第2出力手段を制御する。
この態様によれば、算出手段は、時間的に同時に出力され、集音された、第1テスト信号と第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前述した差分を高精度に算出可能である。
本発明の出力補正装置の他の態様では、前記補正手段は、前記出力特性として、(i)前記第1出力手段、及び、前記第2出力手段における出力時期を相対的に遅延させる遅延量、及び、(ii)前記第1出力手段、及び、前記第2出力手段における出力レベルを相対的に変化させる係数を補正する。
この態様によれば、遅延量、及び係数に基づいて、出力手段の出力補正をより適切且つ高精度に行うことが可能である。
本発明の出力補正装置の他の態様では、前記算出手段は、前記合成信号のフーリエ変換スペクトルに基づいて、前記差分を算出する。
この態様によれば、算出手段は、合成信号をフーリエ変換して得られる、所謂、フーリエ変換スペクトルに基づいて、前述した差分を高精度に算出可能である。
本発明の出力補正装置の他の態様では、前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号における周波数帯域は、前記補正手段における、前記第1出力手段、及び、前記第2出力手段における出力時期を相対的に遅延させる遅延量の精度に対応して決定される。
この態様によれば、遅延量の精度に対応して決定される周波数帯域に含まれる周波数を有する第1テスト信号、及び第2テスト信号に基づいて、出力手段の出力補正をより適切且つ高精度に行うことが可能である。
本発明の出力補正装置の他の態様では、前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号における周波数帯域は、前記第1出力端子、及び、前記第2出力端子における出力時期を相対的に遅延させる遅延量が、大きくなる場合、低くなるように規定される。
この態様によれば、第1テスト信号、及び第2テスト信号の周波数は、遅延量が、大きくなるに従って、低くなるように規定される周波数帯域に含まれる。従って、遅延量が、大きくなるに従って、低く規定される周波数に基づいて、出力手段の出力補正をより適切且つ高精度に行うことが可能である。
本発明の出力補正装置の他の態様では、前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号における周波数帯域は、外界のノイズ音の周波数帯域と、異なる。
この態様によれば、外界のノイズ音の周波数帯域と、異なる周波数帯域に含まれる周波数を有する第1テスト信号、及び第2テスト信号に基づいて、出力手段の出力補正をより適切且つ高精度に行うことが可能である。
本発明の出力補正装置の他の態様では、前記算出手段は、前記スペクトルに含まれる、前記第1テスト信号と、前記第2テスト信号とが重なった部分のうち、相対的に早い時期に集音された部分に基づいて、前記差分を算出する。
この態様によれば、算出手段は、スペクトルに含まれる、第1テスト信号と、第2テスト信号とが直接的に重なった部分のうち、相対的に早い時期に集音された部分に基づいて、前述した差分を、算出する。従って、算出手段は、例えば音響空間における反響などの外界の影響を低減させつつ、前述した差分を、高精度に算出可能である。
本発明の出力補正装置の他の態様では、前記算出手段は、前記スペクトルに含まれる、前記第1テスト信号と、前記第2テスト信号とが重なった部分が前記集音手段に到着した直後の部分に基づいて、前記差分を算出する。
この態様によれば、算出手段は、スペクトルに含まれる、第1テスト信号と、第2テスト信号とが重なった部分が集音手段に到着した直後の部分に基づいて、例えば音響空間における反響などの外界の影響を殆ど又は完全に受けない、スペクトルにおいてパワー特性が最小レベルである周波数を算出し、ひいては、前述した差分を高精度に算出可能である。
(スピーカの出力補正装置)
上記課題を解決するために、本発明のスピーカの出力補正装置は、第1テスト信号を含む第1音声信号を出力する第1スピーカと、前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を含む第2音声信号を出力する第2スピーカとを備え、出力された前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と、集音された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1スピーカと前記集音手段との第1距離と、前記第2スピーカと前記集音手段との第2距離との差分を算出する算出手段と、前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性(遅延量、及び出力レベルの係数)を補正する補正手段と、算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、を備える。
上記課題を解決するために、本発明のスピーカの出力補正装置は、第1テスト信号を含む第1音声信号を出力する第1スピーカと、前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を含む第2音声信号を出力する第2スピーカとを備え、出力された前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と、集音された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1スピーカと前記集音手段との第1距離と、前記第2スピーカと前記集音手段との第2距離との差分を算出する算出手段と、前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性(遅延量、及び出力レベルの係数)を補正する補正手段と、算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、を備える。
本発明のスピーカの出力補正装置によれば、第1スピーカによって、第1テスト信号を含む第1音声信号が出力される。第2スピーカによって、第1テスト信号と位相が略同一であると共に、第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を含む第2音声信号が出力される。集音手段によって、出力された第1テスト信号、及び第2テスト信号が集音される。算出手段によって、集音された第1テスト信号と第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、第1スピーカと集音手段との第1距離と、第2スピーカと集音手段との第2距離との差分が算出される。補正手段によって、第1スピーカ、及び第2スピーカにおける相対的な出力特性が補正される。制御手段の制御下で、補正手段によって、算出された差分に基づいて、出力特性が補正される。
特に、本発明によれば、上述したように、第1テスト信号、及び第2テスト信号における位相は、略同一であると共に、第1テスト信号、及び第2テスト信号におけるパワー特性は、略一定である。従って、第1スピーカと集音手段との第1距離と、第2スピーカと集音手段との第2距離とが略等しい場合、集音された、第1テスト信号と第2テスト信号とが、周波数毎に、合成された合成信号のパワー特性は、略一定値となる。
このため、仮に、パワー特性が、相対的に低いレベルとなった周波数の帯域(又は、パワーが欠落した周波数帯域)が発生した場合、このパワー特性が低いレベルになったことを引き起こす原因となる位相差は、殆ど又は完全に全て、第1テスト信号に対応される音が空気中を伝播する過程と、第2テスト信号に対応される音が空気中を伝播する過程との違いに起因されると推論できる。言い換えると、パワー特性が低いレベルになったことを引き起こす原因となる位相差は、第1テスト信号が、第1スピーカから集音手段に到達するまでの第1距離と、第2テスト信号が、第2スピーカから集音手段に到達するまでの第2距離との差分に対応されると推論できる。特に、第1テスト信号と、第2テスト信号との位相差が、所定の波長の半分に等しい場合、パワー特性は、略ゼロとなり、パワーの欠落量の大きさは最大となる。具体的には、パワー特性が、相対的に低いレベルとなった周波数に基づいて算出される位相差が、第1テスト信号が、第1スピーカから集音手段に到達するまでの第1距離と、第2テスト信号が、第2スピーカから集音手段に到達するまでの第2距離との差分に対応される。従って、第1距離と、第2距離との差分は、このパワー特性が相対的に低いレベルとなった周波数、及び音速に基づいて、算出可能である。この算出された差分に基づいて、制御手段の制御下で、補正手段によって、出力特性が適切に補正される。
以上の結果、本発明によれば、例えば2つのスピーカ間の距離差(即ち、差分)を簡便且つ迅速に算出し、算出された距離差(差分)に基づいて、スピーカの出力補正を適切且つ迅速に行うことが可能である。
(出力補正方法)
上記課題を解決するために、本発明の出力補正方法は、第1テスト信号を出力する第1スピーカに接続される第1出力端子と、前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を出力する第2スピーカに接続される第2出力端子とを備える出力補正装置における出力補正方法であって、出力された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1テスト信号及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と前記第1スピーカとの第1距離と、前記集音手段と前記第2スピーカとの第2距離と、の差分を算出する算出工程と、前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性(遅延量、及び出力レベルの係数)を補正する補正工程と、算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正工程を制御する制御工程と、を備える。
上記課題を解決するために、本発明の出力補正方法は、第1テスト信号を出力する第1スピーカに接続される第1出力端子と、前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を出力する第2スピーカに接続される第2出力端子とを備える出力補正装置における出力補正方法であって、出力された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1テスト信号及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と前記第1スピーカとの第1距離と、前記集音手段と前記第2スピーカとの第2距離と、の差分を算出する算出工程と、前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性(遅延量、及び出力レベルの係数)を補正する補正工程と、算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正工程を制御する制御工程と、を備える。
本発明の出力補正方法によれば、上述した本発明の出力補正装置が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明の出力補正装置が有する各種態様に対応して、本発明の出力補正方法も各種態様を採ることが可能である。
(スピーカの出力補正方法)
上記課題を解決するために、本発明のスピーカの出力補正方法は、第1テスト信号を含む第1音声信号を出力する第1スピーカと、前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を含む第2音声信号を出力する第2スピーカとを備えるスピーカの出力補正装置における出力補正方法であって、出力された前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号を集音する集音工程と、集音された前記第1テスト信号と第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1スピーカと前記集音手段との第1距離と、前記第2スピーカと前記集音手段との第2距離との差分を算出する算出工程と、前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性(遅延量、及び出力レベルの係数)を補正する補正工程と、算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正工程を制御する制御工程と、を備える。
上記課題を解決するために、本発明のスピーカの出力補正方法は、第1テスト信号を含む第1音声信号を出力する第1スピーカと、前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性(例えば振幅の2乗和)が一定値である第2テスト信号を含む第2音声信号を出力する第2スピーカとを備えるスピーカの出力補正装置における出力補正方法であって、出力された前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号を集音する集音工程と、集音された前記第1テスト信号と第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1スピーカと前記集音手段との第1距離と、前記第2スピーカと前記集音手段との第2距離との差分を算出する算出工程と、前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性(遅延量、及び出力レベルの係数)を補正する補正工程と、算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正工程を制御する制御工程と、を備える。
本発明のスピーカの出力補正方法によれば、上述した本発明のスピーカの出力補正装置が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明のスピーカの出力補正装置が有する各種態様に対応して、本発明のスピーカの出力補正方法も各種態様を採ることが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の出力補正装置及び方法によれば、第1スピーカに接続された第1出力端子と、第2スピーカに接続された第2出力端子と、算出手段と、補正手段と、制御手段と、を備える。以上の結果、例えば2つの出力手段間の距離差(即ち、差分)を簡便且つ迅速に算出し、算出された距離差(差分)に基づいて、出力手段の出力補正を適切且つ迅速に行うことが可能である。
また、本発明のスピーカの出力補正装置及び方法によれば、第1スピーカと、第2スピーカと、集音手段と、算出手段と、補正手段と、制御手段と、を備える。以上の結果、例えば2つのスピーカ間の距離差(即ち、差分)を簡便且つ迅速に算出し、算出された距離差(差分)に基づいて、スピーカの出力補正を適切且つ迅速に行うことが可能である。
SP1 第1スピーカ
SP2 第2スピーカ
10 スピーカの出力補正装置
11 信号源
13 遅延部
14 出力レベル補正部
12 補正部
15 解析部
16 音源
17 記憶部
AMP1(アンプAMP0、AMP2) アンプ(Amplifer)
DAC1(DAC2) D/Aコンバータ(Digital to Analog Converter)
MIC マイク等の集音手段
ADC A/Dコンバータ(Analog to Digital Converter)
CPU Central Processing Unit
SP2 第2スピーカ
10 スピーカの出力補正装置
11 信号源
13 遅延部
14 出力レベル補正部
12 補正部
15 解析部
16 音源
17 記憶部
AMP1(アンプAMP0、AMP2) アンプ(Amplifer)
DAC1(DAC2) D/Aコンバータ(Digital to Analog Converter)
MIC マイク等の集音手段
ADC A/Dコンバータ(Analog to Digital Converter)
CPU Central Processing Unit
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
(1)2つのスピーカの間の距離差に対応した出力特性の補正概念
先ず、図1を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する補正概念について説明する。
(1)2つのスピーカの間の距離差に対応した出力特性の補正概念
先ず、図1を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する補正概念について説明する。
図1(a)に示されるように、2つのスピーカSP1及びSP2が、聴取者付近に配置されたマイク等の集音手段の位置を基準にして、等しい距離に配置されていない場合、図1(b)に示されるように、2つのスピーカSP1及びSP2があたかも、聴取者付近に配置されたマイク等の集音手段の位置を基準にして、等しい距離に配置されているかのように、2つのスピーカSP1及びSP2からの音声信号の出力を補正する。具体的には、スピーカSP1、及び、スピーカSP2から、テスト信号を出力し、集音手段によって、集音された信号の解析の結果、スピーカSP1と集音手段との第1距離「L1」と、スピーカSP2と集音手段との第2距離「L2」との差分に対応される、遅延量及び出力レベルの補正係数等の相対的な出力特性が決定される。この決定された出力特性に基づいて、スピーカSP1及びスピーカSP2の出力が夫々補正され、例えばCD等の通常の音源が、2つのスピーカSP1及びSP2があたかも、聴取者の位置を基準にして、等しい距離に配置されているかのように、再生可能である。
(2)2つのスピーカの間の距離差を補正する補正装置
(2−1)基本構成
次に、図2を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する、スピーカの出力補正装置の基本構成について説明する。
(2)2つのスピーカの間の距離差を補正する補正装置
(2−1)基本構成
次に、図2を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する、スピーカの出力補正装置の基本構成について説明する。
図2に示されるように、本実施例に係る、スピーカの出力補正装置10は、スピーカSP1、アンプ(Amplifer)AMP1、D/Aコンバータ(Digital to Analog Converter)DAC1、スピーカSP2、アンプAMP2、D/AコンバータDAC2、信号源11、遅延部13と、出力レベル補正部14とを含む補正部12、解析部15、マイク等の集音手段MIC、アンプAMP0、A/DコンバータADC(Analog to Digital Converter)、例えばCD等の通常の音源16、CPU(Central Processing Unit)20、記憶部17を備えて構成されている。
スピーカSP1は、本発明に係る第1スピーカの一例であり、第1テスト信号TS1を含む第1音声信号を出力する。また、スピーカSP2は、本発明に係る第2スピーカの一例であり、第2テスト信号TS2を含む第2音声信号を出力する。信号源11は、第1テスト信号TS1の信号源と第2テスト信号TS2の信号源とを含む。
補正部12は、本発明に係る補正手段の一例であり、遅延部13によって、遅延量だけ信号を遅延させると共に、出力レベル補正部14によって、補正係数に基づいて、信号の出力レベルを補正する。
解析部15は、本発明に係る算出手段の一例であり、信号のスペクトルの解析に基づいて、後述される、遅延量を決定するための差分の算出処理、及び出力レベルの補正係数の決定処理を行う。
CPU20は、本発明に係る制御手段の一例であり、記憶部17等と共に、スピーカの出力補正装置10を統括制御する。
概略的には、CPUの制御下で、スピーカSP1における第1テスト信号TS1の出力、及び、スピーカSP2における第2テスト信号TS2の出力が、時間的に同時で行われる。集音手段によって、集音された信号は、解析部15に送られ、解析される。解析の結果、遅延量及び出力レベルの補正係数等の相対的な出力特性が決定される。決定された出力特性に基づいて、補正部によって、スピーカSP1及びスピーカSP2の出力が夫々補正され、例えばCD等の通常の音源が再生され、音声信号が出力される。
(2−2)第1テスト信号、及び、第2テスト信号における信号特性
次に、図3を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する補正処理において出力される第1テスト信号、及び、第2テスト信号における信号特性について説明する。ここに、図3は、本実施例に係る、信号特性のうち振幅特性の一例を示したグラフである。尚、図3中のグラフの縦軸はdBを示す。
(2−2)第1テスト信号、及び、第2テスト信号における信号特性
次に、図3を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する補正処理において出力される第1テスト信号、及び、第2テスト信号における信号特性について説明する。ここに、図3は、本実施例に係る、信号特性のうち振幅特性の一例を示したグラフである。尚、図3中のグラフの縦軸はdBを示す。
第1テスト信号、及び第2テスト信号における信号特性は、次の2つの条件を満たし、第1テスト信号、及び第2テスト信号は、信号特性において、相互相関性を有して構成されている。即ち、信号特性における、第1条件は、第1テスト信号、及び第2テスト信号における、周波数に対応される位相は、同一であるように構成されている。具体的には、図3中に示された振幅特性に基づいて、図3中の式(1)及び式(2)に示されるように、第1テスト信号の信号特性「S1(f)」は、次の式(1)によって、表現することが可能である。加えて、第2テスト信号の信号特性「S2(f)」は、次の式(2)によって、表現することが可能である。
S1(f)=A1(f)・exp(jΦ(f)) …… (1)
S2(f)=A2(f)・exp(jΦ(f)) …… (2)
但し、「f」は周波数を意味し、「exp(x)」は自然対数の底を「x乗」した値を表現する関数を意味し、「Φ(f)」は、周波数を変数とする所定の関数を意味し、「A1」、「A2」、「j」は、所定の係数を夫々意味する。
S2(f)=A2(f)・exp(jΦ(f)) …… (2)
但し、「f」は周波数を意味し、「exp(x)」は自然対数の底を「x乗」した値を表現する関数を意味し、「Φ(f)」は、周波数を変数とする所定の関数を意味し、「A1」、「A2」、「j」は、所定の係数を夫々意味する。
加えて、信号特性における、第2条件は、第1テスト信号、及び第2テスト信号におけるパワー特性は、一定であるように設計されている。言い換えると、次の式(3)に示されるように、第1テスト信号と第2テスト信号とが、周波数毎に(何の処理も付加しないで、謂わば、単純に)、合成された合成信号の振幅の2乗和は、略一定値であるようになっている(又は、図3中の式(3)を参照)。
sqr{S1(f)} + sqr{S2(f)} = (一定値) …… (3)
但し、「sqr(x)」は、変数「x」の2乗を表現する関数である。
但し、「sqr(x)」は、変数「x」の2乗を表現する関数である。
具体的には、第1テスト信号及び第2テスト信号に有される周波数は、補正部において実現可能な遅延量の精度に対応して決定される周波数帯域に含まれるようにしてもよい。例えば、周波数帯域が「500(Hz)」から「4k(Hz)」のテスト信号を用いた場合、例えば4.25(cm)から34(cm)の差分に対応される、遅延補正を行うことが可能となる。或いは、第1テスト信号及び第2テスト信号に有される周波数は、遅延量が、大きくなるに従って、低くなるように決定される周波数帯域に含まれるようにしてもよい。或いは、第1テスト信号、及び第2テスト信号における周波数帯域は、外界のノイズ音の周波数帯域と、異なるように設計し、容易に識別可能であるようにしてもよい。以上の結果、第1テスト信号及び第2テスト信号に有される周波数に基づいて、スピーカの出力補正をより適切且つ高精度に行うことが可能である。
(3)動作原理
次に、図4から図8を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する補正処理の動作原理について説明する。
(3−1)全体的な動作原理
先ず、図4を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する補正処理の全体的な動作の流れについて説明する。
(3)動作原理
次に、図4から図8を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する補正処理の動作原理について説明する。
(3−1)全体的な動作原理
先ず、図4を参照して、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける、遅延量、及び出力レベルの補正係数を含む、相対的な出力特性を補正する補正処理の全体的な動作の流れについて説明する。
図4に示されるように、先ず、CPUの制御下で、本発明に係る第1スピーカの一例であるスピーカSP1、における第1テスト信号TS1の出力、及び、本発明に係る第2スピーカの一例であるスピーカSP2における第2テスト信号TS2の出力が、時間的に同時に行われる。と共に、CPUの制御下で、例えば聴取者の近傍に配置されたマイク等の集音手段MICによって、出力された第1テスト信号、及び、第2テスト信号が集音される(ステップS100)。
次に、CPUの制御下で、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定する決定処理が行われる(ステップS200)。この決定処理は、後ほど詳細に説明される、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出処理(ステップS210)、及び、遅延量が適用されるスピーカを決定するための第1距離と第2距離との比較処理(ステップS220)によって構成されている。
次に、CPUの制御下で、後ほど詳細に説明されるように、スピーカSP2と集音手段との第2距離と、スピーカSP1と集音手段との第1距離との差分に対応される出力レベルの補正係数が決定される(Step300)。
次に、CPUの制御下で、後ほど詳細に説明されるように、遅延量と、出力レベルの補正係数とに関する情報が、補正部12へと転送される転送処理が行われる(Step400)。
(3−2)遅延量を決定するための差分の算出原理
次に、図5を参照して、本実施例に係る、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出原理について説明する。ここに、図5は、本実施例に係る、集音された第1テスト信号、及び第2テスト信号のパワー特性の変化を、概念的に示したグラフ(図5(a))、及び、第1テスト信号と、第2テスト信号との間において、位相差が発生した場合、振幅の2乗和のレベルが相対的に低いレベルとなった周波数が発生したパワー特性を、図式的に示したグラフ(図5(b))である。尚、図5(a)の横軸は、集音手段に、第1テスト信号及び第2テスト信号が集音された時刻以降の時間軸を示し、縦軸は、パワー特性における振幅の2乗和のレベルを示す。また、図5(a)では、前述した図1(a)に示されるように、本発明に係る第2スピーカの一例である、スピーカSP2と、聴取者の近傍に配置された集音手段との第2距離「L2」が、本発明に係る第1スピーカの一例である、スピーカSP1と、集音手段との第1距離「L1」より小さい、即ち、スピーカSP2が、スピーカSP1と比較して、相対的に、集音手段に接近している場合について説明する。
(3−2)遅延量を決定するための差分の算出原理
次に、図5を参照して、本実施例に係る、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出原理について説明する。ここに、図5は、本実施例に係る、集音された第1テスト信号、及び第2テスト信号のパワー特性の変化を、概念的に示したグラフ(図5(a))、及び、第1テスト信号と、第2テスト信号との間において、位相差が発生した場合、振幅の2乗和のレベルが相対的に低いレベルとなった周波数が発生したパワー特性を、図式的に示したグラフ(図5(b))である。尚、図5(a)の横軸は、集音手段に、第1テスト信号及び第2テスト信号が集音された時刻以降の時間軸を示し、縦軸は、パワー特性における振幅の2乗和のレベルを示す。また、図5(a)では、前述した図1(a)に示されるように、本発明に係る第2スピーカの一例である、スピーカSP2と、聴取者の近傍に配置された集音手段との第2距離「L2」が、本発明に係る第1スピーカの一例である、スピーカSP1と、集音手段との第1距離「L1」より小さい、即ち、スピーカSP2が、スピーカSP1と比較して、相対的に、集音手段に接近している場合について説明する。
特に、図5(a)に示されるように、スピーカSP2から出力された第2テスト信号TS2が、集音手段に到着した時刻「L2/c」から、スピーカSP1から出力された第1テスト信号TS1が、集音手段に到着した時刻「L1/c」まで集音された信号のスペクトルに基づいて、前述のステップS220における、遅延量が適用されるスピーカを決定するための第1距離「L1」と第2距離「L2」との比較処理が行われる。加えて、スピーカSP1から出力された第1テスト信号TS1が、集音手段に到着した時刻「L1/c」以降、集音された信号のスペクトルに基づいて、前述のステップS210における、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出処理が行われる。
遅延量を決定するための差分、即ち、第1距離「L1」と、第2距離「L2」との差分を算出する際には、最初に、CPUの制御下で、図5(a)に示された、スピーカSP1から出力された第1テスト信号TS1が、集音手段に到着した時刻「L1/c」以降に、第1テスト信号と第2テスト信号とが合成された合成信号において、スペクトルの解析が行われる。
このスペクトルの解析には、次に説明することが前提となっている。即ち、前述の図3において説明したように、第1テスト信号、及び第2テスト信号における位相は、同一であるように設計されていると共に、第1テスト信号、及び第2テスト信号におけるパワー特性は、一定であるように設計されている。ここに、本実施例に係る「パワー特性」とは、例えば第1テスト信号の振幅の2乗と、第2テスト信号の振幅の2乗との和などの、2つの信号のパワーレベルにおける特性を意味する。従って、例えば、第1テスト信号と第2テスト信号とが、周波数毎に(何の処理も付加しないで、謂わば、単純に)、合成された合成信号の振幅の2乗和は、略一定値であることが前提となっている。
従って、仮に、第1テスト信号と、第2テスト信号との間において、位相差が発生した場合、図5(b)に示されるように、パワー特性において、振幅の2乗和のレベルが、相対的に低いレベルとなった周波数又は周波数帯域(以下、適宜「パワーが欠落した周波数又は周波数帯域」と称す)が発生する。特に、第1テスト信号と、第2テスト信号との位相差が、所定の波長の半分に等しい場合、パワー特性において、振幅の2乗和のレベルは、略ゼロとなり、パワーの欠落量の大きさは最大となる。
即ち、上述したように、第1テスト信号、及び第2テスト信号における位相は、同一であるように設計されている。このため、仮に、パワー特性において、振幅の2乗和のレベルが、相対的に低いレベルとなった周波数の帯域(パワーが欠落した周波数帯域)が発生した場合、このパワー特性が低いレベルになったことを引き起こす原因となる位相差は、殆ど又は完全に全て、第1テスト信号に対応される音が空気中を伝播する過程と、第2テスト信号に対応される音が空気中を伝播する過程との違いに起因されると推論することが可能である。言い換えると、パワー特性が低いレベルになったことを引き起こす原因となる位相差は、第1テスト信号が、スピーカSP1から集音手段に到達するまでの第1距離「L1」と、第2テスト信号が、スピーカSP2から集音手段に到達するまでの第2距離「L2」との差分に対応されると推論することが可能である。
具体的には、図5(b)に示されるように、パワー特性における、振幅の2乗和のレベルが、相対的に低いレベルとなった周波数「f0」(所謂、パワーが欠落した周波数「f0」)に基づいて算出される位相差が、第1テスト信号が、スピーカSP1から集音手段に到達するまでの第1距離と、第2テスト信号が、スピーカSP2から集音手段に到達するまでの第2距離との差分に対応される。従って、第1距離と、第2距離との差分「Δd」は、次の式(4)によって、算出される。
Δd = c / (f0 × 2) …… (4)
但し、「c」は、音速の値を意味する。
(3−3)遅延量を決定するための差分の算出処理の流れ(ステップS210)
次に、図6から図8を参照して、本実施例に係る、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出処理の流れについて説明する。ここに、図6は、本実施例に係る、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出処理の流れを示したフローチャートである。図7は、本実施例に係る、第1テスト信号と第2テスト信号とが実際に合成された合成信号が記憶され、抽出される処理を概念的に示した模式図である。図8は、本実施例に係る、移動平均に基づいたフーリエ変換、及び、ハミング窓に基づいたフーリエ変換とを概念的に比較した模式図である。
但し、「c」は、音速の値を意味する。
(3−3)遅延量を決定するための差分の算出処理の流れ(ステップS210)
次に、図6から図8を参照して、本実施例に係る、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出処理の流れについて説明する。ここに、図6は、本実施例に係る、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出処理の流れを示したフローチャートである。図7は、本実施例に係る、第1テスト信号と第2テスト信号とが実際に合成された合成信号が記憶され、抽出される処理を概念的に示した模式図である。図8は、本実施例に係る、移動平均に基づいたフーリエ変換、及び、ハミング窓に基づいたフーリエ変換とを概念的に比較した模式図である。
図6に示されるように、スピーカSP1、及びスピーカSP2における遅延量を決定するための差分の算出処理(前述のステップS210)は、先ず、CPUの制御下で、マイク等の集音手段による第1テスト信号TS1、又は、第2テスト信号TS2の集音の開始後、微小時間だけ経過し、第1テスト信号と第2テスト信号とが実際に合成され、パワー特性における振幅の2乗和が一定値となった時刻(例えば前述の図5中の時刻「L1/c」)以降における、合成信号のデータが、メモリ等の記憶部17に記憶され、抽出される、所謂、切り出される(Step211)。特に、この合成信号のデータにおいては、振幅の2乗和が一定値となった時刻(図5中の時刻「L1/c」)以降、相対的に早い時期に集音された部分が記憶され、抽出されることが好ましい。従って、スペクトル解析の結果、第1テスト信号と、第2テスト信号とが直接的に重なった部分のうち、相対的に早い時期に集音された部分に基づいて、例えば音響空間における反響などの外界の影響を低減させつつ、前述した差分を、高精度に算出可能である。或いは、第1テスト信号と、第2テスト信号とが重なった部分が集音手段に到着した直後の部分に基づいて、差分を算出することが好ましい。従って、スペクトル解析の結果、第1テスト信号と、第2テスト信号とが重なった部分が集音手段に到着した直後の部分に基づいて、例えば音響空間における反響などの外界の影響を殆ど又は完全に受けないで、前述した差分を高精度に算出可能である。
具体的には、図7に示されるように、第1テスト信号と第2テスト信号とが合成された合成信号のデータが、メモリ等の記憶部17における、アドレス「0」からアドレス「n」に記憶され、例えば時刻「L1/c」に対応されるアドレス以降の合成信号のデータが抽出可能である。尚、図7では、記憶部17に記憶される前工程である、マイク等の集音手段MICから集音された合成信号のデータが、アンプ(Amplifier)によって、増幅され、ADC(Analog to Digital Conversion)される工程が概念的に示されている。加えて、図7では、記憶部17に記憶された後工程である、後述される、方形窓やハミング窓が適用された高速フーリエ変換に基づいて、フーリエ変換スペクトル「s(f)」が算出される工程についても記載されている。
次に、CPUの制御下で、解析部15によって、第1テスト信号と第2テスト信号とが実際に合成された合成信号が高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)される(Step212)。具体的には、この高速フーリエ変換の代わりに、アナログ処理のフーリエ変換を行ってもよいし、デジタル処理のフーリエ変換を行ってもよい。
次に、CPUの制御下で、パワー特性において、振幅の2乗和のレベルが、周波数毎に(即ち、周波数軸上で)、移動平均に基づく平滑化が行われる(Step213)。具体的には、図8に示されるように、高速フーリエ変換を行った後に、周波数軸上において、移動平均を行い、平滑化を行ってよい。或いは、時間軸上で、ハミング窓を適用してから、高速フーリエ変換を行ってもよい。
次に、CPUの制御下で、設定可能な遅延量に対応した周波数帯域(例えば200(Hz)から4k(Hz)の周波数帯域)のうち、パワー特性における、振幅の2乗和のレベルが、相対的に低いレベルとなった周波数「f0」(所謂、パワーが欠落した周波数「f0」)が検出される(Step214)。尚、図8では、この平滑化の結果、振幅の2乗和のレベルが、相対的に低いレベルであるディップ(dip:谷)が示されている。この検出された周波数「f0」に基づいて算出される位相差が、第1テスト信号が、スピーカSP1から集音手段に到達するまでの第1距離と、第2テスト信号が、スピーカSP2から集音手段に到達するまでの第2距離との差分に対応される。具体的には、この第1距離と、第2距離との差分「Δd」は、前述の式(4)によって、算出される。
Δd = c / (f0 × 2) …… (4)
但し、「c」は、音速の値を意味する。
但し、「c」は、音速の値を意味する。
次に、CPUの制御下で、例えばメモリ等の記憶部17によって、記憶される(Step215)。具体的には、周波数「f0」が、例えば「500(Hz)」である場合、差分「Δd」は、約「34(cm)」に相当し、或いは、例えば「2k(Hz)」である場合、差分「Δd」は、約「8.5(cm)」に相当すると推論することが可能である。
(3−4)遅延量が適用されるスピーカの決定のための第1距離と第2距離との比較処理(ステップS220)
次に、前述の図4及び図5を参照して、本実施例に係る、遅延量が適用されるスピーカを決定するための第1距離と第2距離との比較処理の流れについて説明する。
(3−4)遅延量が適用されるスピーカの決定のための第1距離と第2距離との比較処理(ステップS220)
次に、前述の図4及び図5を参照して、本実施例に係る、遅延量が適用されるスピーカを決定するための第1距離と第2距離との比較処理の流れについて説明する。
前述の図4に示されるように、本実施例に係る、遅延量が適用されるスピーカを決定するための第1距離と第2距離との比較処理(前述のステップS220)は、CPUの制御下で、マイク等の集音手段によって集音された、第1テスト信号、及び、第2テスト信号のうちいずれか一方の信号(前述した図5中の時刻「L2/c」を参照)が、集音手段に到着した時刻から、第1テスト信号、及び、第2テスト信号のうちいずれか一方の信号が、所定時間だけ、メモリ等の記憶部17に記憶される、所謂、切り出される(Step220)。この所定時間は、上述した差分を音速で割った値「Δd/c」である。
従って、CPUの制御下で、記憶された(切り出された)信号のスペクトルが計算され、前述の図3に示された、第1テスト信号、及び第2テスト信号のうち、いずれか一方のスペクトルに近似しているかが解析される。近似していると解析されたスペクトルに対応されるテスト信号を出力するスピーカを、集音手段との距離が相対的に小さく、集音手段に相対的に近い位置に配置されたスピーカであると判定することが可能である。この結果、例えばスピーカSP2が相対的に近い位置に配置されていると判定された場合、上述した所定時間「Δd/c」に相当する時間、即ち、遅延量だけ、スピーカSP2における音声の出力を遅延させることが好ましい。他方、例えばスピーカSP1が相対的に近い位置に配置されていると判定された場合、上述した所定時間「Δd/c」に相当する時間、即ち、遅延量だけ、スピーカSP1における音声の出力を遅延させることが好ましい。
(3−5)出力レベルの補正係数の決定処理など(ステップS300及びS400)
次に、前述の図4を参照して、本実施例に係る、出力レベルの補正係数の決定処理以降の流れについて説明する。
(3−5)出力レベルの補正係数の決定処理など(ステップS300及びS400)
次に、前述の図4を参照して、本実施例に係る、出力レベルの補正係数の決定処理以降の流れについて説明する。
次に、CPUの制御下で、スピーカSP2と集音手段との第2距離と、スピーカSP1と集音手段との第1距離との差分に対応される出力レベルの補正係数が決定される(Step300)。例えばスピーカSP2が相対的に近い位置に配置されていると判定された場合、即ち、L2はL1より小さいと判定された場合、音は、理論的には、伝播する距離に反比例して、減衰するので、スピーカSP2の出力レベルに補正係数「L2/L1」を積算することが好ましい。具体的には、CPUの制御下で、集音手段によって集音された、第2テスト信号が集音手段に到着した時刻、即ち、信号のパワー特性を示す値が検出された時刻に基づいて、第2距離「L2」が算出可能である。次に、CPUの制御下で、この算出された第2距離「L2」と、前述の第1距離と、第2距離との差分「Δd」とに基づいて、第1距離「L1」が算出可能である。
他方、例えばスピーカSP1が相対的に近い位置に配置されていると判定された場合、L1はL2より小さいと判定された場合、上述したように音の理論的な減衰に基づいて、スピーカSP1の出力レベルに補正係数「L1/L2」を積算することが好ましい。
次に、CPUの制御下で、遅延量と、出力レベルの補正係数とに関する情報が、補正部12へと転送される(Step400)。
以上の結果、CPUの制御下で、本実施例に係る、聴取者を基準にして、等しい距離に配置されていない2つのスピーカにおける音声信号の出力を補正するための、遅延量、及び出力レベルの補正係数を簡便且つ迅速に算出することが可能である。従って、この算出された遅延量、及び出力レベルの補正係数に基づいて、通常の音源を、適切に再生することが可能となる。
上述した実施例では、例えば家庭用、車載用のスピーカの出力特性を補正する出力補正装置について説明したが、本発明は、例えば、例えば業務用のコンサートホールや、店舗等の大きな空間におけるスピーカの出力特性を補正する出力補正装置にも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う、出力補正装置及び方法、並びに、スピーカの出力補正装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る出力補正装置及び方法、並びに、スピーカの出力補正装置及び方法は、例えば2つのスピーカを備えるスピーカ装置の出力を補正する、出力補正装置及び方法、並びに、スピーカの出力補正装置及び方法に利用可能である。
Claims (15)
- 第1テスト信号を出力する第1スピーカに接続される第1出力端子と、
前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性が一定値である第2テスト信号を出力する第2スピーカに接続される第2出力端子とを備え、
出力された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1テスト信号及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と前記第1スピーカとの第1距離と、前記集音手段と前記第2スピーカとの第2距離と、の差分を算出する算出手段と、
前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性を補正する補正手段と、
算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする出力補正装置。 - 前記算出手段は、(i)前記スペクトルに含まれる、前記第1テスト信号と、前記第2テスト信号とが重なった部分のうち、前記パワー特性が最小レベルである周波数に基づいて、前記差分を算出することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 前記算出手段は、(ii)算出された前記差分に対応される、前記スペクトルに含まれる、前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが重ならない部分における、スペクトル形状に基づいて、前記第1距離と、前記第2距離との大小関係を判定する判定手段を含むことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の出力補正装置。
- 前記算出手段は、前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが重ならない部分における、スペクトル形状に基づいて、前記第1出力端子、又は、前記第2出力端子における出力時期を相対的に遅延させる遅延量を算出することを特徴とする請求の範囲第3項に記載の出力補正装置。
- 前記制御手段は、更に、前記第1テスト信号、及び、前記第2テスト信号を、時間的に同時に出力するように、前記第1出力端子、及び、前記第2出力端子を制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 前記補正手段は、前記出力特性として、(i)前記第1出力端子、及び、前記第2出力端子における出力時期を相対的に遅延させる遅延量、及び、(ii)前記第1出力端子、及び、前記第2出力端子における出力レベルを相対的に変化させる係数を補正することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 前記算出手段は、前記合成信号のフーリエ変換スペクトルに基づいて、前記差分を算出することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号における周波数帯域は、前記補正手段における、前記第1出力端子、及び、前記第2出力端子における出力時期を相対的に遅延させる遅延量の精度に対応して決定されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号における周波数帯域は、前記第1出力端子、及び、前記第2出力端子における出力時期を相対的に遅延させる遅延量が、大きくなる場合、低くなるように規定されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号における周波数帯域は、外界のノイズ音の周波数帯域と、異なることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 前記算出手段は、前記スペクトルに含まれる、前記第1テスト信号と、前記第2テスト信号とが重なった部分のうち、相対的に早い時期に集音された部分に基づいて、前記差分を算出することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 前記算出手段は、前記スペクトルに含まれる、前記第1テスト信号と、前記第2テスト信号とが重なった部分が前記集音手段に到着した直後の部分に基づいて、前記差分を算出することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の出力補正装置。
- 第1テスト信号を含む第1音声信号を出力する第1スピーカと、
前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性が一定値である第2テスト信号を含む第2音声信号を出力する第2スピーカとを備え、
出力された前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と、
集音された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1スピーカと前記集音手段との第1距離と、前記第2スピーカと前記集音手段との第2距離との差分を算出する算出手段と、
前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性を補正する補正手段と、
算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするスピーカの出力補正装置。 - 第1テスト信号を出力する第1スピーカに接続される第1出力端子と、
前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性が一定値である第2テスト信号を出力する第2スピーカに接続される第2出力端子とを備える出力補正装置における出力補正方法であって、
出力された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1テスト信号及び前記第2テスト信号を集音する集音手段と前記第1スピーカとの第1距離と、前記集音手段と前記第2スピーカとの第2距離と、の差分を算出する算出工程と、
前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性を補正する補正工程と、
算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正工程を制御する制御工程と、
を備えることを特徴とする出力補正方法。 - 第1テスト信号を含む第1音声信号を出力する第1スピーカと、
前記第1テスト信号と位相が略同一であると共に、前記第1テスト信号と合成された場合のパワー特性が一定値である第2テスト信号を含む第2音声信号を出力する第2スピーカとを備えるスピーカの出力補正装置における出力補正方法であって、
出力された前記第1テスト信号、及び前記第2テスト信号を集音する集音工程と、
集音された前記第1テスト信号と前記第2テスト信号とが合成された合成信号におけるスペクトルに基づいて、前記第1スピーカと前記集音手段との第1距離と、前記第2スピーカと前記集音手段との第2距離との差分を算出する算出工程と、
前記第1スピーカ、及び前記第2スピーカにおける相対的な出力特性を補正する補正工程と、
算出された前記差分に基づいて、前記出力特性を補正するように前記補正工程を制御する制御工程と、
を備えることを特徴とするスピーカの出力補正方法。
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