JPWO2007135919A1 - 伝送装置、伝送方法、システムlsi、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、障害物等の影響により直接波の強さが変化した結果、パケット誤り率が変化する場合であっても、伝送レートの実効値の比較を行ったうえで、PHYレートを選択するので、最適なPHYレートを選択することができる。最適なPHYレートで伝送を行うことにより、データの送受信の効率を向上させることができ、例えば、伝送装置が映像や音声などのコンテンツを伝送する場合には、映像や音声に乱れを生じさせることなく、従来よりも短時間にコンテンツを伝送することができる。
ここで、前記制御手段は、前記物理層間の伝送に、前記複数のPHYレートのうち、一のPHYレートが使用されたとした場合に、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかを算出し、算出した伝送レートの実効値を予め記憶されている閾値と比較し、前記閾値より大きい場合には、該実効値に対応するPHYレートを選択し、前記閾値以下の場合には、前記一のPHYレート以外の何れかのPHYレートが使用されたとすると、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかを算出し、算出した伝送レートの実効値を予め記憶されている閾値と比較するとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記物理層間の伝送に、各PHYレートがそれぞれ使用されたとした場合に、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかをPHYレート毎に算出し、算出した伝送レートの実効値同士を順次比較していき、算出した伝送レートの実効値のうち、最大の実効値に対応するPHYレートを選択するとしても良い。
ところで、データの送受信の効率を向上させるために、実測したパケット誤り率に基づきPHYレートを決定する方法も考えられるが、パケット誤り率の測定には、一定期間の受信または送信履歴を必要とするので、パケット誤り率を瞬時に測定することはできず、伝搬状態の変動に応じて、迅速にPHYレートを決定することはできない。例えば、SD(最低コンテンツレート2Mbps)のコンテンツなら100個のパケット(パケット長約1500バイト)を送信するのに最低約1秒必要になり、msオーダーの制御が必要になるコンテンツ伝送においては、それは映像や音声の乱れの原因となる。
ここで、前記記憶手段は、さらに、パケット誤り率がとり得る複数の値とパケット誤り率がとり得る値毎の標準偏差とを対応付けて示す第三情報を記憶しており、前記制御手段は、さらに、前記第一情報及び第三情報に基づいて、前記受信側における受信電力値におけるパケット誤り率の標準偏差を取得し、取得した標準偏差をN(N:正の数)倍した値を前記パケット誤り率に加算する標準偏差取得手段と、加算後の値と伝送すべきパケットのパケットレートを用いて、伝送に必要な帯域を算出する帯域算出手段とを備え、前記通信手段による伝送は算出された帯域で行われるとしても良い。
ここで、前記帯域算出手段は、さらに、算出した帯域と割当可能帯域とを比較し、前記算出した帯域の方が割当可能帯域より大きい場合に、パケットレートを変更するパケットレート変更手段と、変更後のパケットレートに基づき、確保する帯域を算出する確保帯域算出手段とを備えるとしても良い。
ここで、前記標準偏差取得手段は、前記標準偏差を取得した後、前記標準偏差に用いられた複数のパケット誤り率のうち、前記標準偏差内に存在するパケット誤り率の割合値を算出する割合算出手段と、算出された割合値が予め設定されている閾値を上回ったか否かに基づき、前記標準偏差の乗算値Nを決定する決定手段とを備えるとしても良い。
ここで、前記通信手段による伝送はパケット単位で行われ、前記制御手段は、随時、受信電力値を取得する受信電力値取得手段と、伝送されたパケットにおけるパケット毎の再送回数と、伝送が完了したパケットの個数とを用いて、所定数のパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出手段と、算出されたパケット誤り率のそれぞれについて、隣接するパケット誤り率の間隔が一定以上離れているか否かを判定するばらつき判定手段と、前記パケット誤り率と前記受信電力値とに基づき、受信電力がとり得る複数の値と前記受信電力がとり得る値毎のパケット誤り率とを対応付けて示す第一情報を生成する生成手段とを備えるとしても良い。
これにより、予め関係式を記憶させる作業が不要となる。
これにより、受信側で受信電力値を測定し、送信側に受信電力値を通知する作業が不要となる。
ここで、前記記憶手段は不揮発性メモリであるとしても良い。
2 クライアント装置
10 送信機(無線伝送装置)
100 受信機(無線伝送装置)
11、110 無線送受信部
12、120 パケット識別部
13 受信電力値通知パケット解析部
14、260 受信電力値管理部
15、51、150 パケット誤り率推定部
15A パケット誤り率要求部
15B 関係式管理部
15C 読込み処理部
15D 関係式変更判定部
15E、51E 関係式生成部
15F 書込み処理部
16、160 PHYレート決定部
17、260 パケット誤り率測定部
18、25、41、250 補正情報作成部
18A パケット誤り率算出部
18B 関係式生成情報作成部
25C パケット誤り率管理部
25D 標準偏差算出部
25E、41E 関係式生成情報作成部
21、42、52、210 標準偏差推定部
21A、52A 標準偏差要求部
21B 関係式管理部
21C 読込み処理部
21D 関係式変更判定部
21E、52E 関係式生成部
21F 書込み処理部
42G 最大パケット誤り率変更部
22、32、220 必要帯域決定部
32A 必要帯域算出部
32B 確保帯域決定部
32C 割当可能帯域取得部
32D コンテンツレート算出部
32E コンテンツレート変更指示部
32F 伝送コンテンツレート記憶部
23 アプリケーション部
24、56 テストパケット作成部
31 コンテンツレート変更部
53 PHYレート変更部
54 送信電力変更部
55 パラメータ決定部
61、130 受信電力値測定部
140 受信電力値通知パケット作成部
270 コンテンツレート測定部
<概要>
先ず始めに、本発明に係る伝送装置10、100の概要について説明する。
本発明に係る伝送装置は図1に示すようなシステムで用いられる。図1に示すシステムはサーバ装置1とクライアント装置2とからなり、サーバ装置1とクライアント装置2とは無線(例えば、IEEE802.11a)により接続されている。IEEE802.11aは、54Mb/s(メガビット/秒)の最大PHYレートに加え、より遅いPHYレートである48Mb/s、36Mb/s、24Mb/s、18Mb/s、12Mb/s、9Mb/s、及び6Mb/sを定義する。
伝送装置10は受信電力値を測定させるためのパケットを伝送装置100に送信する。伝送装置100から送信される受信電力値を受信すると、該受信電力値に基づき、PHYレート毎に実効レートを算出し、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定する。PHYレートを決定すると、サーバ装置1より供給されるコンテンツをパケット単位で伝送装置100に送信する。
このように、伝送装置10は受信電力値に基づき実効レートを算出し、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定する。決定したPHYレートでコンテンツの送信を行うことにより、環境によらず、データの送信効率を向上させることができる。
<送信機10の構成>
図2は本発明の実施の形態1におけるデータ送信側の伝送装置10(以下、「送信機10」という)の機能ブロック図である。
送信機10は無線送受信部11、パケット識別部12、受信電力値通知パケット解析部13、受信電力値管理部14、パケット誤り率推定部15、PHYレート決定部16、パケット誤り率測定部17、及び補正情報作成部18を含んで構成される。
また、無線送受信部11は無線ネットワークに出力するパケットに対して変調を行い、前記アンテナ等を介して、変調したパケットを送信する。無線送受信部11はPHYレート決定部16からPHYレート設定の指示を受けると、指示されたPHYレートに設定し、パケットの送信を行う。
受信電力値通知パケット解析部13はパケット識別部12から入力された受信電力値通知パケットを解析する。具体的には、受信電力値通知パケット解析部13は受信電力値通知パケットから受信電力値を抽出し、抽出した受信電力値を受信電力値管理部14に送信する。
パケット誤り率推定部15は受信電力値管理部14から入力された受信電力値から無線区間のパケット誤り率(以下、「PER」という)を推定する。PERを推定する方法については、<パケット誤り率推定部15の構成>で説明する。パケット誤り率推定部15はPHYレート決定部16に各PHYレートにおける推定したPERを送信する。
なお、受信したPERの値から実効レートが最大になるPHYレートをどのように決定するかについては、<PHYレート決定部16による処理>で説明する。
<受信機100の構成>
図3は本発明の実施の形態1におけるデータ受信側の伝送装置100(以下、「受信機100」という)の機能ブロック図である。
受信機100は無線送受信部110、パケット識別部120、受信電力測定部130、及び受信電力値通知パケット作成部140を含んで構成される。
また、無線送受信部110は受信電力値通知パケット作成部140から入力された受信電力値通知パケットに対して変調を行い、前記アンテナ等を介して、変調した受信電力値通知パケットを送信機10に送信する。
受信電力測定部130はRSSI(Received Signal Strength Indicator)測定回路を含んで構成され、送信機10から送信されたパケットの受信電力値を測定し、測定した受信電力値を受信電力値通知パケット作成部140に送信する。
受信電力値通知パケット作成部140は受信電力測定部130から入力されるパケットの受信電力値を含む受信電力値通知パケットを作成し、作成したパケットを無線送受信部110に送信する。
<パケット誤り率推定部15の機能>
続いて、送信機10におけるパケット誤り率推定部15の機能について、図4を用いて更に詳しく説明する。図4はパケット誤り率推定部15の機能ブロック図である。図4に示すようにパケット誤り率推定部15はパケット誤り率要求部15A、関係式管理部15B、読込み処理部15C、関係式変更判定部15D、関係式生成部15E、及び書込み処理部15Fを含んで構成される。
図5について、さらに詳細に説明する。図5はIEEE802.11aのPHYレート36Mbpsで五分間のコンテンツ伝送(パケット約30万個)を行った結果と、この結果から求めた近似式を示す図である。横軸は五分間で受信に成功したパケットの平均受信電力値を示し、縦軸は五分間に送信されたパケットの再送回数から算出されたPERを示す。本図では、送信電力を変えてコンテンツ伝送を8回行った結果(図中の黒丸)から近似式を求めている。パケット誤り率要求部15Aはこの近似式を関係式として用いて受信電力値からPERを求めることができる。
パケット誤り率要求部15Aは受信電力値管理部14から入力される受信電力値を受信すると、読込み処理部15Cを介して、関係式管理部15Bにより予め管理されている関係式をPHYレート毎に順に読み込む。読み込んだ関係式と受信した受信電力値とから各PHYレートにおけるPERを求め、求めた各PERを推定したPERとして、PHYレート決定部16に送信する。
関係式変更判定部15DはRAM等のメモリを含んで構成され、関係式管理部15Bが管理する関係式の変更の有無を判定する。
関係式生成部15Eは関係式管理部15Bが管理する関係式と関係式変更判定部15Dからの情報とを用いて、受信電力値とPERの値との関係式を生成する。
関係式変更判定部15D、関係式生成部15E、及び書込み処理部15Fの詳細については、<補正方法に関する動作>で説明する。
<補正情報作成部18の機能>
続いて、送信機10における補正情報作成部18の機能について図6を用いて更に詳しく説明する。図6は補正情報作成部18の機能ブロック図である。図6に示すように補正情報作成部18はパケット誤り率算出部18A、及び関係式生成情報作成部18Bを含んで構成される。
関係式生成情報作成部18Bはパケット誤り算出部18AからPERとPHYレートの値とを受信する。また、受信電力値管理部14により記憶されている複数の受信電力値を取得し、受信電力値の平均値を算出する。算出した平均値とPERの値とPHYレートの値とをパケット誤り率推定部15に送信する。
<PHYレート決定部16による処理>
続いて、PHYレート決定部16がどのようにPHYレートを決定するかについて説明する。PHYレート決定部16は各PHYレートにおけるPERを受信すると、予め記憶している(数1)を用いて、各PHYレートの実効レートを算出し、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定する。ここで、実効レートとは、PERを考慮したデータの単位伝送量をいう。
(数1)は100個のパケットを伝送する場合に、再送を考慮した冗長パケット数Sを決定する関係式である。
pはPERを示し、Pdropは100個のパケットを100+Sのパケット間で送信できなかったパケットの割合を表すパケット損失率である。
なお、パケット損失率は想定されるデータで最もレートが高いBSデジタル放送フルTS伝送の28Mbpsで二時間程度の映像(伝送するパケットの個数は約1.65E+7個)を視聴するときに一個もパケットを損失しないように、1.0E−8に固定する。
図8は受信電力値が30であった場合の各PHYレート(ここでは24Mbps、36Mbps、48Mbpsとする)における理想レート、PER、再送比率、及び実効レートを示している。この場合には、PHYレート決定部16は求めた実効レート(17.36Mbps、17.48Mbps、0.02Mbps)のうち、最大の実効レート(17.48Mbps)に対応するPHYレート(36Mbps)を決定し、決定したPHYレートの値(36Mbps)を無線送受信部11に送信する。
<PHYレート設定処理のフローチャート>
続いて、PHYレート設定処理について説明する。図9は、本発明の実施の形態1におけるPHYレート設定のフローチャートである。本フローチャートにおいて、nは一のPHYレートを示す変数である。まず、無線送受信部11は受信機100に送信すべきパケットを変調し、アンテナを介して、変調したパケットを無線ネットワークに出力する(ステップS1)。
すでに実効レートが記憶されている場合には(ステップS6でYES)、算出した実効レートが記憶されている実効レートよりも大きいか否かを判定する(ステップS10)。算出した実効レートの方が記憶されている実効レートより大きい場合には(ステップS10でYES)、算出した実効レートを記憶(上書き)する(ステップS7)。算出した実効レートが記憶されている実効レート以下の場合には(ステップS10でYES)、nが最後か否かを判定し(ステップS8)、nが最後である場合には(ステップS8でYES)、記憶されている実効レートに対応するPHYレートを選択する(ステップS9)。無線送受信部11は選択されたPHYレートで以降のデータを送信する設定を行う。
<補正方法に関する動作>
次に、図10のフローチャートを用いてパケット誤り率推定部15が管理している関係式(図5の近似式)の補正方法について説明する。本フローチャートにおいて、iは送信すべき一のパケットを示す変数であり、nは予め設定されている送信すべきパケットの個数を示し、jは関係式から求めたPERと補正情報作成部18から受信したPERの値とを比較した場合における所定値以上の差の回数を示す変数であり、mは予め設定されている、所定値以上の差の許容回数を示す。
なお、書込み処理部15Fは、関係式管理部15Bに書込み処理を行う前に、読込み処理部15Cに対して関係式管理部15Bに対する読込みの停止命令を送ってから書込み処理を行い、書込み処理終了後に、読込み処理部15Cに読込みの停止命令に対する解除命令を送る。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信機10は受信電力値から各PHYレートのPERを推定し、推定したPERを用いて各PHYレートの実効レートを算出するので、迅速に、最大の実効レートに対応するPHYレートでのデータ伝送が可能になる。よって、無線帯域を常に効率的に利用できる。
また、データ伝送中にパケット誤り率推定部15により保持されている関係式を補正することにより、実環境に適応したPHYレートを決定することが可能になる。
(実施の形態2)
実施の形態1は実効レートが最大となるPHYレートを決定する構成であったが、本実施の形態はさらに、伝搬状態に応じて、データ伝送に必要な帯域を送信機で確保するという実施の形態である。
図12に示すように送信機20は、実施の形態1の送信機10の構成要素に加え、標準偏差推定部21、必要帯域決定部22、アプリケーション部23、及びテストパケット作成部24を含んで構成される。また、送信機20は送信機10における補正情報作成部18の代わりに、補正情報作成部25を備える。
必要帯域決定部22はFlash ROM等のメモリを含んで構成され、標準偏差推定部21から送信されたMAXPERの値からデータ伝送に必要な帯域を求める。必要帯域決定部22は求めた帯域でデータ送信を行うよう、無線送受信部11に指示する。
テストパケット作成部24はアプリケーション部23からの指示で伝搬状態を測定するためのテストパケットを作成し、作成したテストパケットを無線送受信部11に送信する。
なお、本実施の形態における受信機は実施の形態1における受信機100と同様である。
<標準偏差推定部21の構成>
標準偏差推定部21の内部の機能構成について図13を用いて更に詳しく説明する。図13に示すように標準偏差推定部21は標準偏差要求部21A、関係式管理部21B、読込み処理部21C、関係式変更判定部21D、関係式生成部21E、及び書込み処理部21Fを含んで構成される。
関係式変更判定部21DはRAM等のメモリを含んで構成され、関係式管理部21Bが管理する関係式の変更の有無を判定する。
関係式生成部21Eは関係式管理部21Bが管理する関係式と関係式変更判定部21Dからの情報を用いて、PERとPERの標準偏差の値との関係式を生成する。
関係式変更判定部21D、関係式生成部21E、及び書込み処理部21Fの詳細については<補正方法に関する動作>で説明する。
<補正情報作成部25の機能>
続いて、補正情報作成部25の機能について図15を用いて更に詳しく説明する。図15は補正情報作成部25の機能ブロック図である。補正情報作成部25は補正情報作成部18の構成に加え、さらに、パケット誤り率管理部25C、標準偏差算出部25D、及び関係式生成情報作成部25Eを含んで構成される。
関係式生成情報作成部25Eは標準偏差算出部25Dから入力された複数のPERの値の平均を求め、求めた平均のPERと標準偏差算出部25Dから入力された標準偏差の値とPHYレートの値とを標準偏差推定部21に送信する。
<データ伝送開始時のPHYレート及び帯域確保の設定>
続いて、データ伝送開始時のPHYレート及び帯域確保の設定処理について説明する。図16は本発明の実施の形態2におけるデータ伝送開始時のPHYレート及び帯域確保の設定のフローチャートである。まず、アプリケーション部23はユーザからのデータの伝送要求があるか否かを判定する(ステップS41)。データの伝送要求があると判定すると(ステップS41でYES)、受信機100のアドレスをテストパケット作成部24に送信する。テストパケット作成部24はアプリケーション部23からアドレスを受けると、そのアドレスの受信機100に対して送信するテストパケットを作成し(ステップS42)、作成したパケットを無線送受信部11に送信する。無線送受信部11はテストパケット作成部24から送信されたパケットを受信すると、受信したテストパケットを変調し、アンテナを介して、変調したパケットを無線ネットワークに出力する(ステップS43)。
PHYレート決定部16は実効レートが最も高くなるPHYレートの値を決定すると(ステップS46)、決定したPHYレートの値を無線送受信部11に送信するとともに、標準偏差推定部21に決定したPHYレートと対応するPERの値とを送信する。標準偏差推定部21は関係式管理部21Bに管理されている関係式と受信したPERの値とから標準偏差を求め、求めた標準偏差を推定した標準偏差として、MAXPER(=PER+標準偏差×2)を算出する(ステップS47)。
無線送受信部11は必要帯域決定部22から帯域の確保の指示を受けると、無線ネットワークの帯域の確保を行う。
無線送受信部11はコンテンツが入力されると、コンテンツをパケット化(以後、「コンテンツパケット」という)して、PHYレート決定部16で決定されたPHYレートで伝送する。また、無線送受信部11は必要帯域決定部22からの指示で確保した帯域でコンテンツパケットを伝送する。
<コンテンツ伝送中にPHYレートと帯域割当とを変更>
次に、図17のフローチャートを用いてデータ伝送中のPHYレートと帯域設定の方法について説明する。なお、本図におけるステップS51からS55までは、図16のステップS44からS48までと同様であるので、説明を省略する。
<標準偏差の補正>
次に、図18のフローチャートを用いて標準偏差推定部21が管理する関係式(図14の近似式)の補正方法について説明する。本フローチャートにおいて、iは送信すべき一のパケットを示す変数であり、nは予め設定されている送信すべきパケットの個数を示し、jは関係式から求めたPERの標準偏差と標準偏差算出部25Dにより算出されたPERの標準偏差とを比較した場合における所定値以上の差の回数を示す変数であり、mは予め設定されている、所定値以上の差の許容回数を示す。本図のステップS70からS75までは図10のステップS20からS25までと同様であるので、説明を省略する。
標準偏差算出部25Dはパケット誤り率管理部25Cから受信した複数のPERを用いて、PERの標準偏差を算出し(ステップS77)、算出した標準偏差の値と標準偏差を求めるのに用いた複数のPERの値と前記PHYレートの値とを関係式生成情報作成部25Eに送信する。
関係式変更判定部21Dは関係式生成情報作成部25EからPERと標準偏差とPHYレートの値とを受信すると、読込み処理部21Cを介して、関係式管理部21Bから前記PHYレートに対応する関係式を読込み、受信したPERの値を用いて関係式から標準偏差を求め、求めた標準偏差と標準偏差算出部25Dにより算出された標準偏差とを比較する(ステップS79)。
関係式生成部21Eは、関係式変更判定部21DからPERと標準偏差の値とを受けると、図19(a)、(b)の手順で関係式の補正に必要な値を決定する。まず、関係式生成部21Eは、読込み処理部21Cを介して、関係式管理部21Bからコンテンツ伝送に用いたPHYレートに対応する関係式を読込み、予め設定されている間隔ごとに関係式の値を求め、サンプリング(図19の黒三角の値)を行う(ステップS83)。
関係式生成部21Eは、決定した値を用いて関係式を生成する(ステップS85)。生成する関係式は、最小二乗法を用いて生成した二次関数の近似式とする。
なお、書込み処理部21Fは、関係式管理部21Bに書込み処理を行う前に、読込み処理部21Cに対して関係式管理部21Bに対する読込みの停止命令を送ってから書込み処理を行い、書込み処理終了後に、読込み処理部21Cに読込みの停止命令に対する解除命令を送る。
以上説明したように、本実施の形態によれば、受信電力値から各PHYレートのPERを推定し、推定したPERからPERの標準偏差を推定する。そして、PERと標準偏差とからMAXPER(PER+標準偏差×2)を算出し、算出したMAXPER用いて、実効レートが最大になるPHYレートでコンテンツ伝送する際に必要な帯域を確保するので、安定したコンテンツ伝送を行うことが可能になる。
また、コンテンツ伝送中に、障害物の設置などにより伝搬環境に定常的な変化が発生し、受信電力値が変化した場合であっても、受信電力値から推定されるPERから標準偏差を推定し、MAXPERを求めるので、迅速に、伝搬環境の変化に追従したPHYレート決定及び帯域設定を行うことが可能になる。
また、コンテンツ伝送中にパケット誤り率推定部15及び標準偏差推定部21に記憶されている関係式を補正することにより、より実環境に適応したPHYレートと帯域設定が可能になる。
(実施の形態3)
実施の形態2は割当可能な帯域が必要帯域に満たない場合に、割当可能な帯域だけを確保する構成であったが、本実施の形態は、割当可能な帯域に応じて、コンテンツのレートを変更する実施の形態である。
図20に示すように送信機30は実施の形態2における送信機20の構成に加え、さらに、コンテンツレート変更部31を含んで構成される。
また、送信機30は送信機20における必要帯域決定部22の代わりに、必要帯域決定部32を備える。
必要帯域決定部32は必要帯域決定部22の機能に加え、割当可能な帯域に応じて、伝送するコンテンツのレートを決定する機能を有する。
なお、本実施の形態の受信機は実施の形態1の受信機100と同様である。
<必要帯域決定部32の機能>
必要帯域決定部32の機能について図21を用いて更に詳しく説明する。図21に示すように必要帯域決定部32は必要帯域算出部32A、確保帯域決定部32B、割当可能帯域情報取得部32C、コンテンツレート算出部32D、コンテンツレート変更指示部32E、及び伝送コンテンツレート記憶部32Fを含んで構成される。
確保帯域決定部32Bは必要帯域算出部32Aから入力された必要帯域と割当可能帯域情報取得部32Cから入力された割当可能な帯域とに基づき、確保する帯域を決定する。
コンテンツレート算出部32Dは伝送するコンテンツのレートを決定し、決定したコンテンツレートをコンテンツレート変更指示部32Eと伝送コンテンツレート記憶部32Fとに送信する。
伝送コンテンツレート記憶部32FはRAM等のメモリを含んで構成され、コンテンツレート算出部32Dより入力されたコンテンツレートの値を記憶する。
<コンテンツの伝送開始時のPHYレート、帯域割当、コンテンツレート設定>
続いて、コンテンツの伝送開始時のPHYレート決定、帯域確保、及びコンテンツレートの設定について説明する。図22は、本発明の実施の形態3におけるデータ伝送開始時のPHYレート決定と帯域確保とコンテンツレート設定とに関する処理を示すフローチャートである。
必要帯域算出部32Aは、標準偏差推定部21からPHYレート決定部16により決定されたPHYレートの値とそれに対応するMAXPERの値とを受信すると、アプリケーション部23から該当するコンテンツのコンテンツレートを取得する。そして、(数1)と受信したMAXPERの値とから該当コンテンツの伝送に必要な帯域を求め、求めた必要帯域と(数1)から算出される再送比率とを確保帯域決定部32Bに送信する(ステップS98)。
必要帯域が割当可能帯域より小さいならば(S99でYES)、帯域確保決定部32Bは必要帯域を確保する指示を無線送受信部11に、コンテンツ伝送要求に対する応答をアプリケーション部23に通知する(ステップS100)。
コンテンツレート算出部32Dは帯域確保決定部32Bから割当可能帯域と再送比率の値とを受信すると、(数3)を用いて、割当可能な帯域で伝送可能なコンテンツレートを算出する。
例えば、割当可能帯域が10Mbps、再送比率が1.4の場合、伝送可能なコンテンツレートは約7Mbpsとなる(10×(10/14))。
次に、コンテンツレート算出部32Dはコンテンツレート変更指示部32Eと伝送コンテンツレート記憶部32Fとに算出した伝送可能なコンテンツレートの値を送信し、確保帯域決定部32Bに割当可能帯域の確保を要求する。
コンテンツレート変更部31は、必要帯域決定部32からコンテンツのレート変更の指示を受けると、該当コンテンツのレートを指示されたレートの値に変更する設定を行う(ステップS101)。
無線送受信部11は、必要帯域決定部32から帯域の確保の指示を受けると、無線ネットワークの帯域の確保を行う(ステップS102)。
コンテンツレート変更部31は、入力されたコンテンツを無線送受信部11に入力する。
無線送受信部11は、コンテンツが入力されるとコンテンツをパケット化して、PHYレート決定部16で決定したPHYレートで伝送する。
<コンテンツ伝送中のPHYレート決定、帯域割当、コンテンツレート設定>
次に、図23のフローチャートを用いてデータ伝送中のPHYレート決定、帯域割当、及びコンテンツレートの設定の方法について説明する。
必要帯域算出部32Aは標準偏差推定部21から実効レートが最大となるPHYレートのMAXPERを受信すると、伝送コンテンツレート記憶部32Fに記憶されているコンテンツレートを取得し、(数1)と受信したMAXPERの値とから再送比率を算出し、算出した再送比率と取得したコンテンツレートとから該当コンテンツの伝送に必要な帯域を算出する(ステップS115)。そして、求めた必要帯域と再送比率とを確保帯域決定部32Bに送信する。
必要帯域が現帯域割当より小さいならば(ステップS116でNO)、コンテンツレートがすでに変更されているか(下げられているか)否かを判定する(ステップS117)。変更されていない場合には(ステップS117でNO)、確保帯域決定部32Bは現帯域割当を必要帯域の大きさに変更する指示を無線送受信部11に送り(ステップS118)、変更されている場合には(ステップS117でYES)、現帯域割当と再送余裕とをコンテンツレート算出部41Dに送信する。
コンテンツレート変更指示部41Eは、コンテンツレート算出部32Dから入力された値にコンテンツレートを変更するよう、コンテンツレート変更部31に対してコンテンツのレート変更の指示を送る。
コンテンツレート変更部31は、コンテンツレート変更指示部32Eからコンテンツのレート変更またはレート変更の解除の指示を受けると、指示に基づき、該当する伝送中のコンテンツのレートの変更または解除の設定を行う(ステップS119)。
確保帯域決定部32Bは、コンテンツレート算出部32Dから割当可能帯域の確保要求を受けると、割当可能帯域を確保する指示を無線送受信部11に送る。
必要帯域が現帯域割当より大きいならば(ステップS116でYES)、確保帯域決定部32Bは割当可能帯域情報取得部32Cから割当可能帯域を取得し、取得した割当可能帯域と必要帯域とを比較する(ステップS121)。
必要帯域が割当可能帯域より大きいならば(ステップS121でNO)、確保帯域決定部32Bは割当可能帯域と再送比率の値とをコンテンツレート算出部32Dに送信する。
コンテンツレート変更部31は、コンテンツレート変更指示部32Eからコンテンツのレート変更の指示を受けると、指示に基づき、該当する伝送中のコンテンツのレートの変更の設定を行う(ステップS122)。
無線送受信部11は、コンテンツレート算出部32Dから帯域の確保の指示を受けると、無線ネットワークの帯域の確保を行う(ステップS123)。
以上の方法でコンテンツ伝送中に、PHYレートと帯域設定の変更を行う。
(実施の形態4)
(必要帯域の変更:標準偏差許容値のNの変更)
実施の形態2、3では、MAXPERを(PER+標準偏差×2)としていたが、本実施の形態では、標準偏差を求めるのに用いた複数のPERの発生分布に応じて、MAXPERの値を変更する実施の形態である。
図24に示されるように送信機40は、実施の形態2の送信機20における補正情報作成部18及び標準偏差推定部21の代わりに、補正情報作成部18の機能に加え、標準偏差を求めるのに用いた複数のPERの発生分布を求める機能を有する補正情報作成部41と、標準偏差推定部21の機能に加え、標準偏差の状態に応じてMAXPERの値を変更する機能を有する標準偏差推定部42とを含んで構成される。他の構成要素は、実施の形態2の送信機20と同様である。
以下、コンテンツ伝送中のMAXPERの変更処理について説明する。
なお、コンテンツ伝送開始時のMAXPERの値は、(PER+標準偏差×2)として必要帯域が求められ、確保されたとする。
<補正情報作成部41の機能>
補正情報作成部41の機能について図25を用いて更に詳しく説明する。図25において、図15と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図25に示すように補正情報作成部41は、実施の形態2の関係式生成情報作成部25Eの代わりに、関係式生成情報作成部25Eの機能に加え、標準偏差算出部25Dで求めた標準偏差に用いた複数のPERの標準偏差内の割合を求める機能を有する関係式生成情報作成部41Eを含んで構成される。他の構成要素は、実施の形態2の補正情報作成部25と同様である。
<標準偏差推定部42の機能>
続いて、標準偏差推定部42の機能について図26を用いて更に詳しく説明する。図26において、図13と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図26に示すように標準偏差推定部42は実施の形態2の標準偏差推定部21の構成に加え、さらに、最大パケット誤り率変更部42Gを含んで構成される。
(実施の形態5)
(推定部の関係式生成方法電源起動時に)
実施の形態1〜4では、PER及びPERの標準偏差の推定に用いる関係式を予め記憶していたが、本実施の形態では、PER及びPERの標準偏差の推定に用いる関係式を電源起動時に生成する実施の形態である。
なお、電源起動時の無線送受信部11で設定されるPHYレート及び送信電力値は設定可能な最大値とする。
図27は、本発明の実施の形態5の送信機の機能ブロック図である。図27において、図12と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
パラメータ決定部55は電源が起動されると、自機と無線ネットワークを介して接続されている装置(ここでは、受信機100とする)のアドレスを取得し、自機と受信機100との間の伝搬状態を測定するために、受信機100のアドレスをテストパケット作成部56に送信する。
テストパケット作成部56は、パラメータ決定部55からアドレスを受け取ると、受信機100に送信するテストパケットを作成し、無線送受信部11に送信する。なお、テストパケット生成部66は、パラメータ決定部55から指示があるまで、あるいは送信バッファの蓄積パケット数が予め設定されている閾値以内ならば、テストパケットを連続で生成し、無線送受信部11に送信する。
(パケット誤り率推定部51の機能)
続いて、パケット誤り率推定部51の機能について図28を用いて更に詳しく説明する。図28において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図28に示すようにパケット誤り率推定部51は、パケット誤り要求部15A及び関係式変更判定部15Dの代わりに、関係式管理部15Bにより管理されている関係式の生成に用いられた情報を管理する関係式生成情報管理部51A、及び補正情報作成部25から入力される情報と関係式生成情報管理部51Aにより管理される受信電力値とPERの値とから、受信電力値とPERの値との関係式を生成する関係式生成部51Eを含んで構成される。
関係式生成情報管理部51Aは、RAM等のメモリを含んで構成され、関係式生成部51Eから入力される受信電力値とPERの値とを記憶する。関係式生成情報管理部51Aは記憶済みのPERの数が予め設定されている閾値に達しているか否かを判定し、達していると判定すると、記憶している各PERの値のばらつき具合を判定する。具体的には、隣接するPERの値が予め設定されている一定間隔以上を隔てているか否かを判定し、判定結果を示す成否情報をパラメータ決定部55に送る。例えば、各PERの値のうち、ある隣接する2つのPERが一定間隔未満しか離れていない場合には、「否」を示す成否情報を送信し、隣接する2つのPERの全てが一定間隔以上離れている場合には、「成功」を示す成否情報を送信する。
(標準偏差推定部52の機能)
続いて、標準偏差推定部52の機能について図29を用いて更に詳しく説明する。図29において、図13と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
関係式生成情報管理部52Aは、RAM等のメモリを含んで構成され、関係式生成部52Eから入力されるPERとPERの標準偏差の値とを記憶する。関係式生成情報管理部52Aは記憶済みのPERの数が予め設定されている閾値に達しているか否かを判定し、達していると判定すると、記憶している各PERの値のばらつき具合を判定する。具体的には、隣接するPERの値が予め設定されている一定間隔以上を隔てているか否かを判定し、判定結果を示す成否情報をパラメータ決定部55に送る。
(関係式生成処理の説明)
図30は関係式生成処理を示すフローチャートである。電源が起動されると(ステップS141でYES)、PHYレート変更部53はPHYレートを最大値に設定し、送信電力変更部54は送信電力を最大値に設定する(ステップS142)。それぞれが最大値に設定されると、無線送受信部11はテストパケット作成部56により作成されたテストパケットを受信機100に送信する(ステップS143)。そして、無線送受信部11が受信機100から受信電力通知パケットを受信する(ステップS144でYES)。パケット誤り率測定部17はPERを算出する(ステップS145)。関係式生成部51EによりPERは関係式生成情報管理部51Aに記憶され、関係式生成情報管理部51Aは記憶済みのPERの数が閾値に達しているか否かを判定する(ステップS146)。
閾値に達していると判定した場合には(ステップS146でYES)、関係式生成情報管理部51A及び関係式生成情報管理部52Aはそれぞれ各PERのばらつき具合を判定し、判定結果をパラメータ決定部55に送信する(ステップS148)。関係式生成部51Eは受信電力値とPERとから関係式を生成し、記憶する(ステップS149)。関係式生成部52EはPERとPERの標準偏差とから関係式を生成し、記憶する(ステップS150)。
両方の成否情報が「成功」を示しているなら(ステップS151でYES)、パラメータ決定部55は設定可能な全てのPHYレートでの関係式の生成が完了したか否かを判定する(ステップS152)。
PHYレート変更部53は、パラメータ決定部55からPHYレート変更の要求を受けると、要求されたPHYレートに変更するよう、無線送受信部11に指示する。
完了したならば(ステップS152でYES)、パラメータ決定部55はテストパケット作成部56にテストパケットの作成の停止を指示する(ステップS154)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電源起動時に、パラメータ決定部55は、送信電力値とPHYレートとを調整し、関係式管理部15Bと関係式管理部21Bで管理する関係式を生成する。したがって、予め関係式を記憶させる作業が不要となる。
(実施の形態6)
(送信機で受信電力測定)
上記の実施の形態では、受信機がパケットの受信電力値を測定したが、本実施の形態では、送信機がパケットの受信電力値を測定し、測定した受信電力値からPERの推定を行う実施の形態である。
無線送受信部11がテストパケットを受信機100に送信するまでの処理は実施の形態2と同様である。
パケット識別部12は、テストパケットのAckを受けると、受信電力値測定部61にAckの受信を通知する。
受信電力測定部61は、テストパケットのAckの受信通知を受けると、パケットのAckの受信電力値を測定して、測定した受信電力値を受信電力値管理部14に送信する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信機60はテストパケットのAckの受信電力値を測定し、測定した受信電力値を用いてPERを推定することが可能である。
また、コンテンツ伝送中は、コンテンツパケットのAckの受信電力値を測定し、パケット誤り率推定部15でPERを推定することが可能になる。
なお、本実施の形態と他の実施の形態を組み合わせ、受信機側から受信電力値通知パケットを受信しない場合に本実施の形態にて説明した機能に切り替わるとしてもよい。
(実施の形態7)
(受信機でPERを測定)
本実施の形態では、受信機はパケットの受信電力値を測定するだけでなく、さらにPERを算出する。また、測定した受信電力値からPERの推定を行い、推定したPERに基づきPHYレートや必要帯域を決定するとともに、算出したPERから補正に用いられる情報を作成し、パケット誤り率推定部150と標準偏差推定部210とが保持している関係式の補正を行う。
以上のように構成された受信機200について、その動作を述べる。
なお、パケット誤り率推定部150と標準偏差推定部210とが保持している関係式(図5、図14の近似式)のデータ伝送中における補正方法については、実施の形態1及び2と同じであるため、説明を省略する。
パケット識別部120は、入力されたパケットを識別し、識別した結果、該パケットがテストパケットのAckである場合には、受信電力値測定部130に通知する。
受信電力値測定部130は、パケット識別部120から受信通知を受けると、入力されたパケットの受信電力値を測定して、測定した受信電力値を受信電力値管理部260に送信する。
コンテンツレート測定部270は、無線送受信部110からコンテンツパケットが入力されると、入力された時間を記憶し、設定した一定時間ごとに理想レートを求め、求めた理想レートを記憶する。
パケット誤り率測定部260はコンテンツパケット毎に、コンテンツパケットの受信誤り(例えば、CRCによる誤り検出)による再送回数を記憶する。そして、予め設定されている個数のパケットの受信が完了すると、再送回数の合計と受信が完了したパケットの個数と伝送に用いたPHYレートの値とを補正情報作成部250に送信する。
なお、他の構成については、実施の形態6と同様である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、測定した受信電力値からPERの推定を行い、推定したPERに基づきPHYレートや必要帯域を決定し、また、コンテンツパケットの受信誤りからパケット誤り率を求めることにより、パケット誤り率推定部150と標準偏差推定部210とがそれぞれ保持している関係式の補正を行う。したがって、受信機側の処理のみで、コンテンツ伝送に最適なPHYレートと必要帯域とが決定でき、送信機側での処理が不要となる。
(補足)
以上、本発明に係る伝送装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られないことは勿論である。
上記実施の形態では、図9に示されるように、実効レートを算出した結果、実効レートが同じ場合にはPHYレートが高い方が選択されるが、実効レートが同じ場合には低いPHYレートの方がPERが小さく安定しているので、PHYレートが低い方が選択されるとしてもよい。
上記実施の形態1では、PHYレート決定部16は(数1)を用いて再送比率を算出したが、図7中の黒丸の値を用いて求めた二次関数の近似式(数2)を記憶しておき、近似式を用いて再送比率を決定するとしてもよいし、(数1)か(数2)を用いて求めた値をテーブルとして管理してもよい。以下に示される(数2)は図7の実線を示す二次関数である。
xはPER、yは再送比率である。二次関数の近似式(数2)の計算は、(数1)に比べ、処理が軽減される。
上記実施の形態では、(数1)のパケット損失率Pdropは1.0E−8としたが、これに限定されるものではない。
ソフトウェア的に実装する場合、被演算子を引き数として受け付けて、所定の演算処理を実行し、演算結果を戻り値として返すようなシステムコール(API)、ライブラリィ関数を作成すればよい。
上述したような数式は、これらの演算処理をソフトウェア的又はハードウェア的に実装するにあたって、入力となる数値と、出力となる数値との因果関係を定めたものに過ぎないので、数式に対する入力、つまり被演算子に対して、何等かの演算を施し、上述したような因果関係と同等の変化をもたらすことができるのであれば、改変された数式を用いて、演算処理を実行してよいことはいうまでもない。
また、上記数式は、数学的な概念を意味するのではなく、あくまでも、コンピュータ上で実行される数値演算を意味するものなので、当然のことながら、コンピュータに実現させるための、必要な改変が加えられることはいうまでもない。例えば、数値を、整数型、浮動小数点型で扱うための飽和演算や正値化演算が施されてよいことはいうまでもない。
以上述べたように、ROM乗算器での実現が可能であるので、本明細書でいうところの“演算処理”は、純粋な算術演算のみを意味するのではなく、ROM等の記録媒体に格納された演算結果を、被演算子の値に応じて読み出すという、記録媒体の読み出しをも包含する。
上記実施の形態では、無線送受信部11はPHYレート決定部16からPHYレートの値を受けると、前記PHYレートで以降のデータを送信するよう、PHYレートの設定を行うとしたが、次のパケット送信時に、同じ動作を繰り返し、パケット単位でPHYレートを設定するとしてもよいし、一定期間ごとに設定するとしてもよい。
上記実施の形態では、受信機100の受信電力値通知パケット作成部140はパケットごとに受信電力値通知パケットを作成したが、受信電力値通知パケット作成部140はRAM等のメモリを備え、メモリに受信電力値を記憶しておき、次のパケットの受信電力値の測定時に、記憶しておいた前回の受信電力値と比較し、予め設定した値以上ならば、測定した受信電力値を含む受信電力値通知パケットを作成するとしてもよい。
上記実施の形態では、パケット誤り推定情報変更部15Dは所定値以上の差が存在する回数を記憶したが、PERを求めるのに使用したパケットの送信期間中において、送信バッファに蓄積された最大パケット数を記憶し、最大パケット数が予め設定した値以下になる回数を記憶してもよい。
また、関係式管理部15B及び関係式管理部21BはPHYレート毎に1つの関数式を記憶していたが、複数の関数式を記憶していてもよい。例えば、PERが5%以上なら関係式A、5%未満なら関数式Bを用いるとしてもよい。
また、関係式管理部15B及び関係式管理部21Bは二次関数で関係式を管理しているとしたが、一次関数や指数関数など他の近似式で管理してもよい。
また、関係式生成部15E及び関係式生成部21Eは図11、19に示す手順で関係式の補正を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、サンプリングした値に乱数を加えた値を用いてもよい。この場合、補正情報作成部18、25から入力される値と関係式により求まる値との差を用いて、乱数の大きさを決定してもよい。
上記実施の形態1では、受信機100は送信機10から送信されたデータパケットの受信電力値を測定したが、これに限定されるものではなく、送信機10から送信される他のパケットの受信電力値を測定してもよい。例えば、送信機10が無線ネットワークの帯域を管理する無線親機(アクセスポイント)ならば、送信機10から間欠受信するビーコン(同期信号)を用いてもよい。また、データ伝送中に、テストパケットを送信してもよいし、それ以外のパケット(例えば、コンテンツパケット)を送信してもよい。
上記実施の形態では、データを伝送する媒体を無線としたが、これに限定されるものではない、複数のPHYレートから1つを選択し、データの送受信を行う媒体ならいずれにも適応可能である。例えば、家電ノイズを検出することにより、電力線通信の制御に適応することも可能である。
上記実施の形態1では、パケット誤り率の測定に用いられたPHYレートに対応する関係式のみ補正したが、他の関係式も補正してもよい。例えば、補正後の関係式と補正前の関係式のズレの大きさを求め、求めたズレの大きさ分だけ他のPHYレートの関係式を補正してもよい。
関係式変更判定部21Dは、関係式から求めた標準偏差と補正情報作成部18から受けた標準偏差の値の差が予め設定されている値になった回数を記憶し、記憶した回数が予め設定されている回数になった場合に、関係式の補正が必要と判断し、関係式生成部21Eに補正情報作成部18から受けたPERと標準偏差とPHYレートの値を送信したが、補正情報作成部18から標準偏差の算出に用いた複数のPERの値を取得し、PERの標準偏差内に占める割合を求め、求めた割合が予め設定されている値以上なら関係式生成部21Eに補正情報作成部18から受けたPERと標準偏差とPHYレートの値を送信するとしてもよい。
また、無線送受信部11はコンテンツ伝送に必要な帯域確保のために他の装置にネゴシエーションを行ってもよい。例えば、送信機20と受信機100と無線ネットワークの帯域を管理する無線親機(アクセスポイント)とがIEEE802.11eのHCCAの機能を備え、送信機20が無線親機に属する無線子機(ステーション)の場合には、帯域割当の要求である無線マネジメントフレームのADD TS requestを無線親機に送信してもよい。また、送信機20が無線親機の場合は、無線子機である受信機100に対してADD TS requestの送信要求を送信し、受信機100がADD TS requestを送信機20(無線親機)に対して送信してもよい。これらの場合、ADD TS requestのTSPECパラメータのMean Data Rateにコンテンツレート、Surplus Bandwidth Allowanceに必要帯域決定部22で求めた必要帯域、Minimum PHY RateにPHYレート決定部16で決定したPHYレートの情報を含めてもよい。
現在のPHYレートが最も実効レートが高いのであれば(ステップS168でYES)、割当可能帯域を確保し(ステップS172)、他に実効レートが高いPHYレートが存在するなら(ステップS168でNO)、最大の実効レートに対応するPHYレートに変更し(ステップS169)、変更後のPHYレートにおける必要帯域を算出する(ステップS170)。
また、関係式変更判定部15Dと関係式変更判定部15Dは、補正情報作成部18から取得したPERの値が、予め設定されている、帯域確保を行う必要のあるPERの値で、関係式から求めた値と異なる場合に変更が必要と判定してもよい。
上記実施の形態2では、標準偏差推定部21はMAXPERを(PER+標準偏差×2)としたが、これに限定されるものではない。例えば、MAXPERを(PER+標準偏差×3)や(PER+標準偏差×2.5)としてもよい。
上記実施の形態3において、送信機30と受信機100と無線ネットワークの帯域を管理する無線親機(アクセスポイント)とがIEEE802.11eのEDCAの機能を備える場合には、必要帯域決定部32は該当コンテンツのAC(アクセスカテゴリ)から割当可能帯域内での理想レートを求め、理想レートがコンテンツのレートより小さい場合には、コンテンツレート変更部31にコンテンツのレートを理想レートの値に変更する指示を送るとしてもよい。
上記実施の形態3では、データ伝送中のPHYレート決定、帯域割当及びコンテンツレート設定の方法において、まず、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定したが、コンテンツ伝送中のPHYレートにおける実効レートが最大でなくても、必要帯域を確保できる場合なら、PHYレートを変更することなく、現帯域割当を必要帯域の大きさに変更してもよい。図34は、その場合におけるデータ伝送中のPHYレート決定、帯域割当及びコンテンツレート設定処理を示すフローチャートである。
最大の実効レートに対応するPHYレートが現在コンテンツ伝送に用いているPHYレート以外である場合には(ステップS188でNO)、確保帯域決定部32Bは最大の実効レートに対応するPHYレートに切り替えるよう、無線送受信部11に指示を送る(ステップS189)。必要帯域算出部32Aは変更後のPHYレートにおける必要帯域を算出する(ステップS190)。他のステップの処理は図23、33で説明しているので、ここでは省略する。
上記実施の形態5にて生成した関係式は、最小二乗法を用いて生成された二次関数の近似式としたが、これに限定されるものではない、例えば、一次関数の近似式でもよいし、Lagrange補完を用いて生成してもよい。
上記実施の形態7において、無線送受信部110はコンテンツ伝送に必要な帯域確保のために他の装置にネゴシエーションを行ってもよい。例えば、受信機200と無線ネットワークの帯域を管理する無線親機(アクセスポイント)とコンテンツを送信する送信機がIEEE802.11eのHCCAの機能を備え、受信機200が無線親機に属する無線子機(ステーション)の場合は、帯域割当の要求である無線マネジメントフレームのADD TS requestを無線親機に送信してもよい。この場合、ADD TS requestのTSPECパラメータのMean Data Rateにコンテンツレート、Surplus Bandwidth Allowanceに必要帯域決定部220で求めた必要帯域、Minimum PHY RateにPHYレート決定部160で決定したPHYレートの情報を含めてもよい。
上記の実施形態では、伝送装置について説明したが、本発明は上記フローチャートで示したステップを含む方法、及び上記フローチャートで示したステップをコンピュータに実行させるプログラムコードを含むプログラムであってもよいし、そのプログラムを記憶している記録媒体であるとしてもよい。
上記実施の形態及び上記補足をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。例えば、上記実施の形態7と他の実施の形態を組み合わせ、送信機からテストパケットを受信しない場合に実施の形態7の機能に切り替わるとしてもよい。また、テストパケット以外に送信機が実施の形態1の機能をサポートしていることを示す情報を予め送信しない場合も、実施の形態の機能に切り替わるとしてもよい。
したがって、障害物等の影響により直接波の強さが変化した結果、パケット誤り率が変化する場合であっても、伝送レートの実効値の比較を行ったうえで、PHYレートを選択するので、最適なPHYレートを選択することができる。最適なPHYレートで伝送を行うことにより、データの送受信の効率を向上させることができ、例えば、伝送装置が映像や音声などのコンテンツを伝送する場合には、映像や音声に乱れを生じさせることなく、従来よりも短時間にコンテンツを伝送することができる。
ここで、前記制御手段は、前記物理層間の伝送に、前記複数のPHYレートのうち、一のPHYレートが使用されたとした場合に、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかを算出し、算出した伝送レートの実効値を予め記憶されている閾値と比較し、前記閾値より大きい場合には、該実効値に対応するPHYレートを選択し、前記閾値以下の場合には、前記一のPHYレート以外の何れかのPHYレートが使用されたとすると、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかを算出し、算出した伝送レートの実効値を予め記憶されている閾値と比較するとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記物理層間の伝送に、各PHYレートがそれぞれ使用されたとした場合に、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかをPHYレート毎に算出し、算出した伝送レートの実効値同士を順次比較していき、算出した伝送レートの実効値のうち、最大の実効値に対応するPHYレートを選択するとしても良い。
ところで、データの送受信の効率を向上させるために、実測したパケット誤り率に基づきPHYレートを決定する方法も考えられるが、パケット誤り率の測定には、一定期間の受信または送信履歴を必要とするので、パケット誤り率を瞬時に測定することはできず、伝搬状態の変動に応じて、迅速にPHYレートを決定することはできない。例えば、SD(最低コンテンツレート2Mbps)のコンテンツなら100個のパケット(パケット長約1500バイト)を送信するのに最低約1秒必要になり、msオーダーの制御が必要になるコンテンツ伝送においては、それは映像や音声の乱れの原因となる。
ここで、前記記憶手段は、さらに、パケット誤り率がとり得る複数の値とパケット誤り率がとり得る値毎の標準偏差とを対応付けて示す第三情報を記憶しており、前記制御手段は、さらに、前記第一情報及び第三情報に基づいて、前記受信側における受信電力値におけるパケット誤り率の標準偏差を取得し、取得した標準偏差をN(N:正の数)倍した値を前記パケット誤り率に加算する標準偏差取得手段と、加算後の値と伝送すべきパケットのパケットレートを用いて、伝送に必要な帯域を算出する帯域算出手段とを備え、前記通信手段による伝送は算出された帯域で行われるとしても良い。
ここで、前記帯域算出手段は、さらに、算出した帯域と割当可能帯域とを比較し、前記算出した帯域の方が割当可能帯域より大きい場合に、パケットレートを変更するパケットレート変更手段と、変更後のパケットレートに基づき、確保する帯域を算出する確保帯域算出手段とを備えるとしても良い。
ここで、前記標準偏差取得手段は、前記標準偏差を取得した後、前記標準偏差に用いられた複数のパケット誤り率のうち、前記標準偏差内に存在するパケット誤り率の割合値を算出する割合算出手段と、算出された割合値が予め設定されている閾値を上回ったか否かに基づき、前記標準偏差の乗算値Nを決定する決定手段とを備えるとしても良い。
ここで、前記通信手段による伝送はパケット単位で行われ、前記制御手段は、随時、受信電力値を取得する受信電力値取得手段と、伝送されたパケットにおけるパケット毎の再送回数と、伝送が完了したパケットの個数とを用いて、所定数のパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出手段と、算出されたパケット誤り率のそれぞれについて、隣接するパケット誤り率の間隔が一定以上離れているか否かを判定するばらつき判定手段と、前記パケット誤り率と前記受信電力値とに基づき、受信電力がとり得る複数の値と前記受信電力がとり得る値毎のパケット誤り率とを対応付けて示す第一情報を生成する生成手段とを備えるとしても良い。
これにより、予め関係式を記憶させる作業が不要となる。
これにより、受信側で受信電力値を測定し、送信側に受信電力値を通知する作業が不要となる。
ここで、前記記憶手段は不揮発性メモリであるとしても良い。
<概要>
先ず始めに、本発明に係る伝送装置10、100の概要について説明する。
本発明に係る伝送装置は図1に示すようなシステムで用いられる。図1に示すシステムはサーバ装置1とクライアント装置2とからなり、サーバ装置1とクライアント装置2とは無線(例えば、IEEE802.11a)により接続されている。IEEE802.11aは、54Mb/s(メガビット/秒)の最大PHYレートに加え、より遅いPHYレートである48Mb/s、36Mb/s、24Mb/s、18Mb/s、12Mb/s、9Mb/s、及び6Mb/sを定義する。
伝送装置10は受信電力値を測定させるためのパケットを伝送装置100に送信する。伝送装置100から送信される受信電力値を受信すると、該受信電力値に基づき、PHYレート毎に実効レートを算出し、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定する。PHYレートを決定すると、サーバ装置1より供給されるコンテンツをパケット単位で伝送装置100に送信する。
このように、伝送装置10は受信電力値に基づき実効レートを算出し、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定する。決定したPHYレートでコンテンツの送信を行うことにより、環境によらず、データの送信効率を向上させることができる。
<送信機10の構成>
図2は本発明の実施の形態1におけるデータ送信側の伝送装置10(以下、「送信機10」という)の機能ブロック図である。
送信機10は無線送受信部11、パケット識別部12、受信電力値通知パケット解析部13、受信電力値管理部14、パケット誤り率推定部15、PHYレート決定部16、パケット誤り率測定部17、及び補正情報作成部18を含んで構成される。
また、無線送受信部11は無線ネットワークに出力するパケットに対して変調を行い、前記アンテナ等を介して、変調したパケットを送信する。無線送受信部11はPHYレート決定部16からPHYレート設定の指示を受けると、指示されたPHYレートに設定し、パケットの送信を行う。
受信電力値通知パケット解析部13はパケット識別部12から入力された受信電力値通知パケットを解析する。具体的には、受信電力値通知パケット解析部13は受信電力値通知パケットから受信電力値を抽出し、抽出した受信電力値を受信電力値管理部14に送信する。
パケット誤り率推定部15は受信電力値管理部14から入力された受信電力値から無線区間のパケット誤り率(以下、「PER」という)を推定する。PERを推定する方法については、<パケット誤り率推定部15の構成>で説明する。パケット誤り率推定部15はPHYレート決定部16に各PHYレートにおける推定したPERを送信する。
なお、受信したPERの値から実効レートが最大になるPHYレートをどのように決定するかについては、<PHYレート決定部16による処理>で説明する。
<受信機100の構成>
図3は本発明の実施の形態1におけるデータ受信側の伝送装置100(以下、「受信機100」という)の機能ブロック図である。
受信機100は無線送受信部110、パケット識別部120、受信電力測定部130、及び受信電力値通知パケット作成部140を含んで構成される。
また、無線送受信部110は受信電力値通知パケット作成部140から入力された受信電力値通知パケットに対して変調を行い、前記アンテナ等を介して、変調した受信電力値通知パケットを送信機10に送信する。
受信電力測定部130はRSSI(Received Signal Strength Indicator)測定回路を含んで構成され、送信機10から送信されたパケットの受信電力値を測定し、測定した受信電力値を受信電力値通知パケット作成部140に送信する。
受信電力値通知パケット作成部140は受信電力測定部130から入力されるパケットの受信電力値を含む受信電力値通知パケットを作成し、作成したパケットを無線送受信部110に送信する。
<パケット誤り率推定部15の機能>
続いて、送信機10におけるパケット誤り率推定部15の機能について、図4を用いて更に詳しく説明する。図4はパケット誤り率推定部15の機能ブロック図である。図4に示すようにパケット誤り率推定部15はパケット誤り率要求部15A、関係式管理部15B、読込み処理部15C、関係式変更判定部15D、関係式生成部15E、及び書込み処理部15Fを含んで構成される。
図5について、さらに詳細に説明する。図5はIEEE802.11aのPHYレート36Mbpsで五分間のコンテンツ伝送(パケット約30万個)を行った結果と、この結果から求めた近似式を示す図である。横軸は五分間で受信に成功したパケットの平均受信電力値を示し、縦軸は五分間に送信されたパケットの再送回数から算出されたPERを示す。本図では、送信電力を変えてコンテンツ伝送を8回行った結果(図中の黒丸)から近似式を求めている。パケット誤り率要求部15Aはこの近似式を関係式として用いて受信電力値からPERを求めることができる。
パケット誤り率要求部15Aは受信電力値管理部14から入力される受信電力値を受信すると、読込み処理部15Cを介して、関係式管理部15Bにより予め管理されている関係式をPHYレート毎に順に読み込む。読み込んだ関係式と受信した受信電力値とから各PHYレートにおけるPERを求め、求めた各PERを推定したPERとして、PHYレート決定部16に送信する。
関係式変更判定部15DはRAM等のメモリを含んで構成され、関係式管理部15Bが管理する関係式の変更の有無を判定する。
関係式生成部15Eは関係式管理部15Bが管理する関係式と関係式変更判定部15Dからの情報とを用いて、受信電力値とPERの値との関係式を生成する。
関係式変更判定部15D、関係式生成部15E、及び書込み処理部15Fの詳細については、<補正方法に関する動作>で説明する。
<補正情報作成部18の機能>
続いて、送信機10における補正情報作成部18の機能について図6を用いて更に詳しく説明する。図6は補正情報作成部18の機能ブロック図である。図6に示すように補正情報作成部18はパケット誤り率算出部18A、及び関係式生成情報作成部18Bを含んで構成される。
関係式生成情報作成部18Bはパケット誤り算出部18AからPERとPHYレートの値とを受信する。また、受信電力値管理部14により記憶されている複数の受信電力値を取得し、受信電力値の平均値を算出する。算出した平均値とPERの値とPHYレートの値とをパケット誤り率推定部15に送信する。
<PHYレート決定部16による処理>
続いて、PHYレート決定部16がどのようにPHYレートを決定するかについて説明する。PHYレート決定部16は各PHYレートにおけるPERを受信すると、予め記憶している(数1)を用いて、各PHYレートの実効レートを算出し、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定する。ここで、実効レートとは、PERを考慮したデータの単位伝送量をいう。
(数1)は100個のパケットを伝送する場合に、再送を考慮した冗長パケット数Sを決定する関係式である。
pはPERを示し、Pdropは100個のパケットを100+Sのパケット間で送信できなかったパケットの割合を表すパケット損失率である。
なお、パケット損失率は想定されるデータで最もレートが高いBSデジタル放送フルTS伝送の28Mbpsで二時間程度の映像(伝送するパケットの個数は約1.65E+7個)を視聴するときに一個もパケットを損失しないように、1.0E−8に固定する。
図8は受信電力値が30であった場合の各PHYレート(ここでは24Mbps、36Mbps、48Mbpsとする)における理想レート、PER、再送比率、及び実効レートを示している。この場合には、PHYレート決定部16は求めた実効レート(17.36Mbps、17.48Mbps、0.02Mbps)のうち、最大の実効レート(17.48Mbps)に対応するPHYレート(36Mbps)を決定し、決定したPHYレートの値(36Mbps)を無線送受信部11に送信する。
<PHYレート設定処理のフローチャート>
続いて、PHYレート設定処理について説明する。図9は、本発明の実施の形態1におけるPHYレート設定のフローチャートである。本フローチャートにおいて、nは一のPHYレートを示す変数である。まず、無線送受信部11は受信機100に送信すべきパケットを変調し、アンテナを介して、変調したパケットを無線ネットワークに出力する(ステップS1)。
すでに実効レートが記憶されている場合には(ステップS6でYES)、算出した実効レートが記憶されている実効レートよりも大きいか否かを判定する(ステップS10)。算出した実効レートの方が記憶されている実効レートより大きい場合には(ステップS10でYES)、算出した実効レートを記憶(上書き)する(ステップS7)。算出した実効レートが記憶されている実効レート以下の場合には(ステップS10でYES)、nが最後か否かを判定し(ステップS8)、nが最後である場合には(ステップS8でYES)、記憶されている実効レートに対応するPHYレートを選択する(ステップS9)。無線送受信部11は選択されたPHYレートで以降のデータを送信する設定を行う。
<補正方法に関する動作>
次に、図10のフローチャートを用いてパケット誤り率推定部15が管理している関係式(図5の近似式)の補正方法について説明する。本フローチャートにおいて、iは送信すべき一のパケットを示す変数であり、nは予め設定されている送信すべきパケットの個数を示し、jは関係式から求めたPERと補正情報作成部18から受信したPERの値とを比較した場合における所定値以上の差の回数を示す変数であり、mは予め設定されている、所定値以上の差の許容回数を示す。
なお、書込み処理部15Fは、関係式管理部15Bに書込み処理を行う前に、読込み処理部15Cに対して関係式管理部15Bに対する読込みの停止命令を送ってから書込み処理を行い、書込み処理終了後に、読込み処理部15Cに読込みの停止命令に対する解除命令を送る。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信機10は受信電力値から各PHYレートのPERを推定し、推定したPERを用いて各PHYレートの実効レートを算出するので、迅速に、最大の実効レートに対応するPHYレートでのデータ伝送が可能になる。よって、無線帯域を常に効率的に利用できる。
また、データ伝送中にパケット誤り率推定部15により保持されている関係式を補正することにより、実環境に適応したPHYレートを決定することが可能になる。
(実施の形態2)
実施の形態1は実効レートが最大となるPHYレートを決定する構成であったが、本実施の形態はさらに、伝搬状態に応じて、データ伝送に必要な帯域を送信機で確保するという実施の形態である。
図12に示すように送信機20は、実施の形態1の送信機10の構成要素に加え、標準偏差推定部21、必要帯域決定部22、アプリケーション部23、及びテストパケット作成部24を含んで構成される。また、送信機20は送信機10における補正情報作成部18の代わりに、補正情報作成部25を備える。
必要帯域決定部22はFlash ROM等のメモリを含んで構成され、標準偏差推定部21から送信されたMAXPERの値からデータ伝送に必要な帯域を求める。必要帯域決定部22は求めた帯域でデータ送信を行うよう、無線送受信部11に指示する。
テストパケット作成部24はアプリケーション部23からの指示で伝搬状態を測定するためのテストパケットを作成し、作成したテストパケットを無線送受信部11に送信する。
なお、本実施の形態における受信機は実施の形態1における受信機100と同様である。
<標準偏差推定部21の構成>
標準偏差推定部21の内部の機能構成について図13を用いて更に詳しく説明する。図13に示すように標準偏差推定部21は標準偏差要求部21A、関係式管理部21B、読込み処理部21C、関係式変更判定部21D、関係式生成部21E、及び書込み処理部21Fを含んで構成される。
関係式変更判定部21DはRAM等のメモリを含んで構成され、関係式管理部21Bが管理する関係式の変更の有無を判定する。
関係式生成部21Eは関係式管理部21Bが管理する関係式と関係式変更判定部21Dからの情報を用いて、PERとPERの標準偏差の値との関係式を生成する。
関係式変更判定部21D、関係式生成部21E、及び書込み処理部21Fの詳細については<補正方法に関する動作>で説明する。
<補正情報作成部25の機能>
続いて、補正情報作成部25の機能について図15を用いて更に詳しく説明する。図15は補正情報作成部25の機能ブロック図である。補正情報作成部25は補正情報作成部18の構成に加え、さらに、パケット誤り率管理部25C、標準偏差算出部25D、及び関係式生成情報作成部25Eを含んで構成される。
関係式生成情報作成部25Eは標準偏差算出部25Dから入力された複数のPERの値の平均を求め、求めた平均のPERと標準偏差算出部25Dから入力された標準偏差の値とPHYレートの値とを標準偏差推定部21に送信する。
<データ伝送開始時のPHYレート及び帯域確保の設定>
続いて、データ伝送開始時のPHYレート及び帯域確保の設定処理について説明する。図16は本発明の実施の形態2におけるデータ伝送開始時のPHYレート及び帯域確保の設定のフローチャートである。まず、アプリケーション部23はユーザからのデータの伝送要求があるか否かを判定する(ステップS41)。データの伝送要求があると判定すると(ステップS41でYES)、受信機100のアドレスをテストパケット作成部24に送信する。テストパケット作成部24はアプリケーション部23からアドレスを受けると、そのアドレスの受信機100に対して送信するテストパケットを作成し(ステップS42)、作成したパケットを無線送受信部11に送信する。無線送受信部11はテストパケット作成部24から送信されたパケットを受信すると、受信したテストパケットを変調し、アンテナを介して、変調したパケットを無線ネットワークに出力する(ステップS43)。
PHYレート決定部16は実効レートが最も高くなるPHYレートの値を決定すると(ステップS46)、決定したPHYレートの値を無線送受信部11に送信するとともに、標準偏差推定部21に決定したPHYレートと対応するPERの値とを送信する。標準偏差推定部21は関係式管理部21Bに管理されている関係式と受信したPERの値とから標準偏差を求め、求めた標準偏差を推定した標準偏差として、MAXPER(=PER+標準偏差×2)を算出する(ステップS47)。
無線送受信部11は必要帯域決定部22から帯域の確保の指示を受けると、無線ネットワークの帯域の確保を行う。
無線送受信部11はコンテンツが入力されると、コンテンツをパケット化(以後、「コンテンツパケット」という)して、PHYレート決定部16で決定されたPHYレートで伝送する。また、無線送受信部11は必要帯域決定部22からの指示で確保した帯域でコンテンツパケットを伝送する。
<コンテンツ伝送中にPHYレートと帯域割当とを変更>
次に、図17のフローチャートを用いてデータ伝送中のPHYレートと帯域設定の方法について説明する。なお、本図におけるステップS51からS55までは、図16のステップS44からS48までと同様であるので、説明を省略する。
<標準偏差の補正>
次に、図18のフローチャートを用いて標準偏差推定部21が管理する関係式(図14の近似式)の補正方法について説明する。本フローチャートにおいて、iは送信すべき一のパケットを示す変数であり、nは予め設定されている送信すべきパケットの個数を示し、jは関係式から求めたPERの標準偏差と標準偏差算出部25Dにより算出されたPERの標準偏差とを比較した場合における所定値以上の差の回数を示す変数であり、mは予め設定されている、所定値以上の差の許容回数を示す。本図のステップS70からS75までは図10のステップS20からS25までと同様であるので、説明を省略する。
標準偏差算出部25Dはパケット誤り率管理部25Cから受信した複数のPERを用いて、PERの標準偏差を算出し(ステップS77)、算出した標準偏差の値と標準偏差を求めるのに用いた複数のPERの値と前記PHYレートの値とを関係式生成情報作成部25Eに送信する。
関係式変更判定部21Dは関係式生成情報作成部25EからPERと標準偏差とPHYレートの値とを受信すると、読込み処理部21Cを介して、関係式管理部21Bから前記PHYレートに対応する関係式を読込み、受信したPERの値を用いて関係式から標準偏差を求め、求めた標準偏差と標準偏差算出部25Dにより算出された標準偏差とを比較する(ステップS79)。
関係式生成部21Eは、関係式変更判定部21DからPERと標準偏差の値とを受けると、図19(a)、(b)の手順で関係式の補正に必要な値を決定する。まず、関係式生成部21Eは、読込み処理部21Cを介して、関係式管理部21Bからコンテンツ伝送に用いたPHYレートに対応する関係式を読込み、予め設定されている間隔ごとに関係式の値を求め、サンプリング(図19の黒三角の値)を行う(ステップS83)。
関係式生成部21Eは、決定した値を用いて関係式を生成する(ステップS85)。生成する関係式は、最小二乗法を用いて生成した二次関数の近似式とする。
なお、書込み処理部21Fは、関係式管理部21Bに書込み処理を行う前に、読込み処理部21Cに対して関係式管理部21Bに対する読込みの停止命令を送ってから書込み処理を行い、書込み処理終了後に、読込み処理部21Cに読込みの停止命令に対する解除命令を送る。
以上説明したように、本実施の形態によれば、受信電力値から各PHYレートのPERを推定し、推定したPERからPERの標準偏差を推定する。そして、PERと標準偏差とからMAXPER(PER+標準偏差×2)を算出し、算出したMAXPER用いて、実効レートが最大になるPHYレートでコンテンツ伝送する際に必要な帯域を確保するので、安定したコンテンツ伝送を行うことが可能になる。
また、コンテンツ伝送中に、障害物の設置などにより伝搬環境に定常的な変化が発生し、受信電力値が変化した場合であっても、受信電力値から推定されるPERから標準偏差を推定し、MAXPERを求めるので、迅速に、伝搬環境の変化に追従したPHYレート決定及び帯域設定を行うことが可能になる。
また、コンテンツ伝送中にパケット誤り率推定部15及び標準偏差推定部21に記憶されている関係式を補正することにより、より実環境に適応したPHYレートと帯域設定が可能になる。
(実施の形態3)
実施の形態2は割当可能な帯域が必要帯域に満たない場合に、割当可能な帯域だけを確保する構成であったが、本実施の形態は、割当可能な帯域に応じて、コンテンツのレートを変更する実施の形態である。
図20に示すように送信機30は実施の形態2における送信機20の構成に加え、さらに、コンテンツレート変更部31を含んで構成される。
また、送信機30は送信機20における必要帯域決定部22の代わりに、必要帯域決定部32を備える。
必要帯域決定部32は必要帯域決定部22の機能に加え、割当可能な帯域に応じて、伝送するコンテンツのレートを決定する機能を有する。
なお、本実施の形態の受信機は実施の形態1の受信機100と同様である。
<必要帯域決定部32の機能>
必要帯域決定部32の機能について図21を用いて更に詳しく説明する。図21に示すように必要帯域決定部32は必要帯域算出部32A、確保帯域決定部32B、割当可能帯域情報取得部32C、コンテンツレート算出部32D、コンテンツレート変更指示部32E、及び伝送コンテンツレート記憶部32Fを含んで構成される。
確保帯域決定部32Bは必要帯域算出部32Aから入力された必要帯域と割当可能帯域情報取得部32Cから入力された割当可能な帯域とに基づき、確保する帯域を決定する。
コンテンツレート算出部32Dは伝送するコンテンツのレートを決定し、決定したコンテンツレートをコンテンツレート変更指示部32Eと伝送コンテンツレート記憶部32Fとに送信する。
伝送コンテンツレート記憶部32FはRAM等のメモリを含んで構成され、コンテンツレート算出部32Dより入力されたコンテンツレートの値を記憶する。
<コンテンツの伝送開始時のPHYレート、帯域割当、コンテンツレート設定>
続いて、コンテンツの伝送開始時のPHYレート決定、帯域確保、及びコンテンツレートの設定について説明する。図22は、本発明の実施の形態3におけるデータ伝送開始時のPHYレート決定と帯域確保とコンテンツレート設定とに関する処理を示すフローチャートである。
必要帯域算出部32Aは、標準偏差推定部21からPHYレート決定部16により決定されたPHYレートの値とそれに対応するMAXPERの値とを受信すると、アプリケーション部23から該当するコンテンツのコンテンツレートを取得する。そして、(数1)と受信したMAXPERの値とから該当コンテンツの伝送に必要な帯域を求め、求めた必要帯域と(数1)から算出される再送比率とを確保帯域決定部32Bに送信する(ステップS98)。
必要帯域が割当可能帯域より小さいならば(S99でYES)、帯域確保決定部32Bは必要帯域を確保する指示を無線送受信部11に、コンテンツ伝送要求に対する応答をアプリケーション部23に通知する(ステップS100)。
コンテンツレート算出部32Dは帯域確保決定部32Bから割当可能帯域と再送比率の値とを受信すると、(数3)を用いて、割当可能な帯域で伝送可能なコンテンツレートを算出する。
例えば、割当可能帯域が10Mbps、再送比率が1.4の場合、伝送可能なコンテンツレートは約7Mbpsとなる(10×(10/14))。
次に、コンテンツレート算出部32Dはコンテンツレート変更指示部32Eと伝送コンテンツレート記憶部32Fとに算出した伝送可能なコンテンツレートの値を送信し、確保帯域決定部32Bに割当可能帯域の確保を要求する。
コンテンツレート変更部31は、必要帯域決定部32からコンテンツのレート変更の指示を受けると、該当コンテンツのレートを指示されたレートの値に変更する設定を行う(ステップS101)。
無線送受信部11は、必要帯域決定部32から帯域の確保の指示を受けると、無線ネットワークの帯域の確保を行う(ステップS102)。
コンテンツレート変更部31は、入力されたコンテンツを無線送受信部11に入力する。
無線送受信部11は、コンテンツが入力されるとコンテンツをパケット化して、PHYレート決定部16で決定したPHYレートで伝送する。
<コンテンツ伝送中のPHYレート決定、帯域割当、コンテンツレート設定>
次に、図23のフローチャートを用いてデータ伝送中のPHYレート決定、帯域割当、及びコンテンツレートの設定の方法について説明する。
必要帯域算出部32Aは標準偏差推定部21から実効レートが最大となるPHYレートのMAXPERを受信すると、伝送コンテンツレート記憶部32Fに記憶されているコンテンツレートを取得し、(数1)と受信したMAXPERの値とから再送比率を算出し、算出した再送比率と取得したコンテンツレートとから該当コンテンツの伝送に必要な帯域を算出する(ステップS115)。そして、求めた必要帯域と再送比率とを確保帯域決定部32Bに送信する。
必要帯域が現帯域割当より小さいならば(ステップS116でNO)、コンテンツレートがすでに変更されているか(下げられているか)否かを判定する(ステップS117)。変更されていない場合には(ステップS117でNO)、確保帯域決定部32Bは現帯域割当を必要帯域の大きさに変更する指示を無線送受信部11に送り(ステップS118)、変更されている場合には(ステップS117でYES)、現帯域割当と再送余裕とをコンテンツレート算出部41Dに送信する。
コンテンツレート変更指示部41Eは、コンテンツレート算出部32Dから入力された値にコンテンツレートを変更するよう、コンテンツレート変更部31に対してコンテンツのレート変更の指示を送る。
コンテンツレート変更部31は、コンテンツレート変更指示部32Eからコンテンツのレート変更またはレート変更の解除の指示を受けると、指示に基づき、該当する伝送中のコンテンツのレートの変更または解除の設定を行う(ステップS119)。
確保帯域決定部32Bは、コンテンツレート算出部32Dから割当可能帯域の確保要求を受けると、割当可能帯域を確保する指示を無線送受信部11に送る。
必要帯域が現帯域割当より大きいならば(ステップS116でYES)、確保帯域決定部32Bは割当可能帯域情報取得部32Cから割当可能帯域を取得し、取得した割当可能帯域と必要帯域とを比較する(ステップS121)。
必要帯域が割当可能帯域より大きいならば(ステップS121でNO)、確保帯域決定部32Bは割当可能帯域と再送比率の値とをコンテンツレート算出部32Dに送信する。
コンテンツレート変更部31は、コンテンツレート変更指示部32Eからコンテンツのレート変更の指示を受けると、指示に基づき、該当する伝送中のコンテンツのレートの変更の設定を行う(ステップS122)。
無線送受信部11は、コンテンツレート算出部32Dから帯域の確保の指示を受けると、無線ネットワークの帯域の確保を行う(ステップS123)。
以上の方法でコンテンツ伝送中に、PHYレートと帯域設定の変更を行う。
(実施の形態4)
(必要帯域の変更:標準偏差許容値のNの変更)
実施の形態2、3では、MAXPERを(PER+標準偏差×2)としていたが、本実施の形態では、標準偏差を求めるのに用いた複数のPERの発生分布に応じて、MAXPERの値を変更する実施の形態である。
図24に示されるように送信機40は、実施の形態2の送信機20における補正情報作成部18及び標準偏差推定部21の代わりに、補正情報作成部18の機能に加え、標準偏差を求めるのに用いた複数のPERの発生分布を求める機能を有する補正情報作成部41と、標準偏差推定部21の機能に加え、標準偏差の状態に応じてMAXPERの値を変更する機能を有する標準偏差推定部42とを含んで構成される。他の構成要素は、実施の形態2の送信機20と同様である。
以下、コンテンツ伝送中のMAXPERの変更処理について説明する。
なお、コンテンツ伝送開始時のMAXPERの値は、(PER+標準偏差×2)として必要帯域が求められ、確保されたとする。
<補正情報作成部41の機能>
補正情報作成部41の機能について図25を用いて更に詳しく説明する。図25において、図15と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図25に示すように補正情報作成部41は、実施の形態2の関係式生成情報作成部25Eの代わりに、関係式生成情報作成部25Eの機能に加え、標準偏差算出部25Dで求めた標準偏差に用いた複数のPERの標準偏差内の割合を求める機能を有する関係式生成情報作成部41Eを含んで構成される。他の構成要素は、実施の形態2の補正情報作成部25と同様である。
<標準偏差推定部42の機能>
続いて、標準偏差推定部42の機能について図26を用いて更に詳しく説明する。図26において、図13と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図26に示すように標準偏差推定部42は実施の形態2の標準偏差推定部21の構成に加え、さらに、最大パケット誤り率変更部42Gを含んで構成される。
(実施の形態5)
(推定部の関係式生成方法電源起動時に)
実施の形態1〜4では、PER及びPERの標準偏差の推定に用いる関係式を予め記憶していたが、本実施の形態では、PER及びPERの標準偏差の推定に用いる関係式を電源起動時に生成する実施の形態である。
なお、電源起動時の無線送受信部11で設定されるPHYレート及び送信電力値は設定可能な最大値とする。
図27は、本発明の実施の形態5の送信機の機能ブロック図である。図27において、図12と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
パラメータ決定部55は電源が起動されると、自機と無線ネットワークを介して接続されている装置(ここでは、受信機100とする)のアドレスを取得し、自機と受信機100との間の伝搬状態を測定するために、受信機100のアドレスをテストパケット作成部56に送信する。
テストパケット作成部56は、パラメータ決定部55からアドレスを受け取ると、受信機100に送信するテストパケットを作成し、無線送受信部11に送信する。なお、テストパケット生成部66は、パラメータ決定部55から指示があるまで、あるいは送信バッファの蓄積パケット数が予め設定されている閾値以内ならば、テストパケットを連続で生成し、無線送受信部11に送信する。
(パケット誤り率推定部51の機能)
続いて、パケット誤り率推定部51の機能について図28を用いて更に詳しく説明する。図28において、図4と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。図28に示すようにパケット誤り率推定部51は、パケット誤り要求部15A及び関係式変更判定部15Dの代わりに、関係式管理部15Bにより管理されている関係式の生成に用いられた情報を管理する関係式生成情報管理部51A、及び補正情報作成部25から入力される情報と関係式生成情報管理部51Aにより管理される受信電力値とPERの値とから、受信電力値とPERの値との関係式を生成する関係式生成部51Eを含んで構成される。
関係式生成情報管理部51Aは、RAM等のメモリを含んで構成され、関係式生成部51Eから入力される受信電力値とPERの値とを記憶する。関係式生成情報管理部51Aは記憶済みのPERの数が予め設定されている閾値に達しているか否かを判定し、達していると判定すると、記憶している各PERの値のばらつき具合を判定する。具体的には、隣接するPERの値が予め設定されている一定間隔以上を隔てているか否かを判定し、判定結果を示す成否情報をパラメータ決定部55に送る。例えば、各PERの値のうち、ある隣接する2つのPERが一定間隔未満しか離れていない場合には、「否」を示す成否情報を送信し、隣接する2つのPERの全てが一定間隔以上離れている場合には、「成功」を示す成否情報を送信する。
(標準偏差推定部52の機能)
続いて、標準偏差推定部52の機能について図29を用いて更に詳しく説明する。図29において、図13と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
関係式生成情報管理部52Aは、RAM等のメモリを含んで構成され、関係式生成部52Eから入力されるPERとPERの標準偏差の値とを記憶する。関係式生成情報管理部52Aは記憶済みのPERの数が予め設定されている閾値に達しているか否かを判定し、達していると判定すると、記憶している各PERの値のばらつき具合を判定する。具体的には、隣接するPERの値が予め設定されている一定間隔以上を隔てているか否かを判定し、判定結果を示す成否情報をパラメータ決定部55に送る。
(関係式生成処理の説明)
図30は関係式生成処理を示すフローチャートである。電源が起動されると(ステップS141でYES)、PHYレート変更部53はPHYレートを最大値に設定し、送信電力変更部54は送信電力を最大値に設定する(ステップS142)。それぞれが最大値に設定されると、無線送受信部11はテストパケット作成部56により作成されたテストパケットを受信機100に送信する(ステップS143)。そして、無線送受信部11が受信機100から受信電力通知パケットを受信する(ステップS144でYES)。パケット誤り率測定部17はPERを算出する(ステップS145)。関係式生成部51EによりPERは関係式生成情報管理部51Aに記憶され、関係式生成情報管理部51Aは記憶済みのPERの数が閾値に達しているか否かを判定する(ステップS146)。
閾値に達していると判定した場合には(ステップS146でYES)、関係式生成情報管理部51A及び関係式生成情報管理部52Aはそれぞれ各PERのばらつき具合を判定し、判定結果をパラメータ決定部55に送信する(ステップS148)。関係式生成部51Eは受信電力値とPERとから関係式を生成し、記憶する(ステップS149)。関係式生成部52EはPERとPERの標準偏差とから関係式を生成し、記憶する(ステップS150)。
両方の成否情報が「成功」を示しているなら(ステップS151でYES)、パラメータ決定部55は設定可能な全てのPHYレートでの関係式の生成が完了したか否かを判定する(ステップS152)。
PHYレート変更部53は、パラメータ決定部55からPHYレート変更の要求を受けると、要求されたPHYレートに変更するよう、無線送受信部11に指示する。
完了したならば(ステップS152でYES)、パラメータ決定部55はテストパケット作成部56にテストパケットの作成の停止を指示する(ステップS154)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電源起動時に、パラメータ決定部55は、送信電力値とPHYレートとを調整し、関係式管理部15Bと関係式管理部21Bで管理する関係式を生成する。したがって、予め関係式を記憶させる作業が不要となる。
(実施の形態6)
(送信機で受信電力測定)
上記の実施の形態では、受信機がパケットの受信電力値を測定したが、本実施の形態では、送信機がパケットの受信電力値を測定し、測定した受信電力値からPERの推定を行う実施の形態である。
無線送受信部11がテストパケットを受信機100に送信するまでの処理は実施の形態2と同様である。
パケット識別部12は、テストパケットのAckを受けると、受信電力値測定部61にAckの受信を通知する。
受信電力測定部61は、テストパケットのAckの受信通知を受けると、パケットのAckの受信電力値を測定して、測定した受信電力値を受信電力値管理部14に送信する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信機60はテストパケットのAckの受信電力値を測定し、測定した受信電力値を用いてPERを推定することが可能である。
また、コンテンツ伝送中は、コンテンツパケットのAckの受信電力値を測定し、パケット誤り率推定部15でPERを推定することが可能になる。
なお、本実施の形態と他の実施の形態を組み合わせ、受信機側から受信電力値通知パケットを受信しない場合に本実施の形態にて説明した機能に切り替わるとしてもよい。
(実施の形態7)
(受信機でPERを測定)
本実施の形態では、受信機はパケットの受信電力値を測定するだけでなく、さらにPERを算出する。また、測定した受信電力値からPERの推定を行い、推定したPERに基づきPHYレートや必要帯域を決定するとともに、算出したPERから補正に用いられる情報を作成し、パケット誤り率推定部150と標準偏差推定部210とが保持している関係式の補正を行う。
以上のように構成された受信機200について、その動作を述べる。
なお、パケット誤り率推定部150と標準偏差推定部210とが保持している関係式(図5、図14の近似式)のデータ伝送中における補正方法については、実施の形態1及び2と同じであるため、説明を省略する。
パケット識別部120は、入力されたパケットを識別し、識別した結果、該パケットがテストパケットのAckである場合には、受信電力値測定部130に通知する。
受信電力値測定部130は、パケット識別部120から受信通知を受けると、入力されたパケットの受信電力値を測定して、測定した受信電力値を受信電力値管理部260に送信する。
コンテンツレート測定部270は、無線送受信部110からコンテンツパケットが入力されると、入力された時間を記憶し、設定した一定時間ごとに理想レートを求め、求めた理想レートを記憶する。
パケット誤り率測定部260はコンテンツパケット毎に、コンテンツパケットの受信誤り(例えば、CRCによる誤り検出)による再送回数を記憶する。そして、予め設定されている個数のパケットの受信が完了すると、再送回数の合計と受信が完了したパケットの個数と伝送に用いたPHYレートの値とを補正情報作成部250に送信する。
なお、他の構成については、実施の形態6と同様である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、測定した受信電力値からPERの推定を行い、推定したPERに基づきPHYレートや必要帯域を決定し、また、コンテンツパケットの受信誤りからパケット誤り率を求めることにより、パケット誤り率推定部150と標準偏差推定部210とがそれぞれ保持している関係式の補正を行う。したがって、受信機側の処理のみで、コンテンツ伝送に最適なPHYレートと必要帯域とが決定でき、送信機側での処理が不要となる。
(補足)
以上、本発明に係る伝送装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限られないことは勿論である。
上記実施の形態では、全てのPHYレートにおける実効レートを算出し、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定したが、これに限らない。例えば、一のPHYレートが使用されたとすると、実効レートがどれだけになるかを算出し、算出した実効レートを予め記憶されている閾値(例えば、20Mbps)と比較し、比較した結果、前記閾値より大きい場合には、他のPHYレートにおける実効レートを算出することなく、前記実効レートに対応するPHYレートを選択するとしてもよい。これにより、閾値以上の実効レートは保証されるとともに、実効レートの算出処理の負荷を軽減することができる。
上記実施の形態1では、PHYレート決定部16は(数1)を用いて再送比率を算出したが、図7中の黒丸の値を用いて求めた二次関数の近似式(数2)を記憶しておき、近似式を用いて再送比率を決定するとしてもよいし、(数1)か(数2)を用いて求めた値をテーブルとして管理してもよい。以下に示される(数2)は図7の実線を示す二次関数である。
xはPER、yは再送比率である。二次関数の近似式(数2)の計算は、(数1)に比べ、処理が軽減される。
上記実施の形態では、(数1)のパケット損失率Pdropは1.0E−8としたが、これに限定されるものではない。
ソフトウェア的に実装する場合、被演算子を引き数として受け付けて、所定の演算処理を実行し、演算結果を戻り値として返すようなシステムコール(API)、ライブラリィ関数を作成すればよい。
上述したような数式は、これらの演算処理をソフトウェア的又はハードウェア的に実装するにあたって、入力となる数値と、出力となる数値との因果関係を定めたものに過ぎないので、数式に対する入力、つまり被演算子に対して、何等かの演算を施し、上述したような因果関係と同等の変化をもたらすことができるのであれば、改変された数式を用いて、演算処理を実行してよいことはいうまでもない。
また、上記数式は、数学的な概念を意味するのではなく、あくまでも、コンピュータ上で実行される数値演算を意味するものなので、当然のことながら、コンピュータに実現させるための、必要な改変が加えられることはいうまでもない。例えば、数値を、整数型、浮動小数点型で扱うための飽和演算や正値化演算が施されてよいことはいうまでもない。
以上述べたように、ROM乗算器での実現が可能であるので、本明細書でいうところの“演算処理”は、純粋な算術演算のみを意味するのではなく、ROM等の記録媒体に格納された演算結果を、被演算子の値に応じて読み出すという、記録媒体の読み出しをも包含する。
上記実施の形態では、無線送受信部11はPHYレート決定部16からPHYレートの値を受けると、前記PHYレートで以降のデータを送信するよう、PHYレートの設定を行うとしたが、次のパケット送信時に、同じ動作を繰り返し、パケット単位でPHYレートを設定するとしてもよいし、一定期間ごとに設定するとしてもよい。
上記実施の形態では、受信機100の受信電力値通知パケット作成部140はパケットごとに受信電力値通知パケットを作成したが、受信電力値通知パケット作成部140はRAM等のメモリを備え、メモリに受信電力値を記憶しておき、次のパケットの受信電力値の測定時に、記憶しておいた前回の受信電力値と比較し、予め設定した値以上ならば、測定した受信電力値を含む受信電力値通知パケットを作成するとしてもよい。
上記実施の形態では、パケット誤り推定情報変更部15Dは所定値以上の差が存在する回数を記憶したが、PERを求めるのに使用したパケットの送信期間中において、送信バッファに蓄積された最大パケット数を記憶し、最大パケット数が予め設定した値以下になる回数を記憶してもよい。
また、関係式管理部15B及び関係式管理部21BはPHYレート毎に1つの関数式を記憶していたが、複数の関数式を記憶していてもよい。例えば、PERが5%以上なら関係式A、5%未満なら関数式Bを用いるとしてもよい。
また、関係式管理部15B及び関係式管理部21Bは二次関数で関係式を管理しているとしたが、一次関数や指数関数など他の近似式で管理してもよい。
また、関係式生成部15E及び関係式生成部21Eは図11、19に示す手順で関係式の補正を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、サンプリングした値に乱数を加えた値を用いてもよい。この場合、補正情報作成部18、25から入力される値と関係式により求まる値との差を用いて、乱数の大きさを決定してもよい。
上記実施の形態1では、受信機100は送信機10から送信されたデータパケットの受信電力値を測定したが、これに限定されるものではなく、送信機10から送信される他のパケットの受信電力値を測定してもよい。例えば、送信機10が無線ネットワークの帯域を管理する無線親機(アクセスポイント)ならば、送信機10から間欠受信するビーコン(同期信号)を用いてもよい。また、データ伝送中に、テストパケットを送信してもよいし、それ以外のパケット(例えば、コンテンツパケット)を送信してもよい。
上記実施の形態では、データを伝送する媒体を無線としたが、これに限定されるものではない、複数のPHYレートから1つを選択し、データの送受信を行う媒体ならいずれにも適応可能である。例えば、家電ノイズを検出することにより、電力線通信の制御に適応することも可能である。
上記実施の形態1では、パケット誤り率の測定に用いられたPHYレートに対応する関係式のみ補正したが、他の関係式も補正してもよい。例えば、補正後の関係式と補正前の関係式のズレの大きさを求め、求めたズレの大きさ分だけ他のPHYレートの関係式を補正してもよい。
関係式変更判定部21Dは、関係式から求めた標準偏差と補正情報作成部18から受けた標準偏差の値の差が予め設定されている値になった回数を記憶し、記憶した回数が予め設定されている回数になった場合に、関係式の補正が必要と判断し、関係式生成部21Eに補正情報作成部18から受けたPERと標準偏差とPHYレートの値を送信したが、補正情報作成部18から標準偏差の算出に用いた複数のPERの値を取得し、PERの標準偏差内に占める割合を求め、求めた割合が予め設定されている値以上なら関係式生成部21Eに補正情報作成部18から受けたPERと標準偏差とPHYレートの値を送信するとしてもよい。
また、無線送受信部11はコンテンツ伝送に必要な帯域確保のために他の装置にネゴシエーションを行ってもよい。例えば、送信機20と受信機100と無線ネットワークの帯域を管理する無線親機(アクセスポイント)とがIEEE802.11eのHCCAの機能を備え、送信機20が無線親機に属する無線子機(ステーション)の場合には、帯域割当の要求である無線マネジメントフレームのADD TS requestを無線親機に送信してもよい。また、送信機20が無線親機の場合は、無線子機である受信機100に対してADD TS requestの送信要求を送信し、受信機100がADD TS requestを送信機20(無線親機)に対して送信してもよい。これらの場合、ADD TS requestのTSPECパラメータのMean Data Rateにコンテンツレート、SurplusBandwidth Allowanceに必要帯域決定部22で求めた必要帯域、Minimum PHY RateにPHYレート決定部16で決定したPHYレートの情報を含めてもよい。
現在のPHYレートが最も実効レートが高いのであれば(ステップS168でYES)、割当可能帯域を確保し(ステップS172)、他に実効レートが高いPHYレートが存在するなら(ステップS168でNO)、最大の実効レートに対応するPHYレートに変更し(ステップS169)、変更後のPHYレートにおける必要帯域を算出する(ステップS170)。
また、関係式変更判定部15Dと関係式変更判定部15Dは、補正情報作成部18から取得したPERの値が、予め設定されている、帯域確保を行う必要のあるPERの値で、関係式から求めた値と異なる場合に変更が必要と判定してもよい。
上記実施の形態2では、標準偏差推定部21はMAXPERを(PER+標準偏差×2)としたが、これに限定されるものではない。例えば、MAXPERを(PER+標準偏差×3)や(PER+標準偏差×2.5)としてもよい。
上記実施の形態3において、送信機30と受信機100と無線ネットワークの帯域を管理する無線親機(アクセスポイント)とがIEEE802.11eのEDCAの機能を備える場合には、必要帯域決定部32は該当コンテンツのAC(アクセスカテゴリ)から割当可能帯域内での理想レートを求め、理想レートがコンテンツのレートより小さい場合には、コンテンツレート変更部31にコンテンツのレートを理想レートの値に変更する指示を送るとしてもよい。
上記実施の形態3では、データ伝送中のPHYレート決定、帯域割当及びコンテンツレート設定の方法において、まず、最大の実効レートに対応するPHYレートを決定したが、コンテンツ伝送中のPHYレートにおける実効レートが最大でなくても、必要帯域を確保できる場合なら、PHYレートを変更することなく、現帯域割当を必要帯域の大きさに変更してもよい。図34は、その場合におけるデータ伝送中のPHYレート決定、帯域割当及びコンテンツレート設定処理を示すフローチャートである。
最大の実効レートに対応するPHYレートが現在コンテンツ伝送に用いているPHYレート以外である場合には(ステップS188でNO)、確保帯域決定部32Bは最大の実効レートに対応するPHYレートに切り替えるよう、無線送受信部11に指示を送る(ステップS189)。必要帯域算出部32Aは変更後のPHYレートにおける必要帯域を算出する(ステップS190)。他のステップの処理は図23、33で説明しているので、ここでは省略する。
上記実施の形態5にて生成した関係式は、最小二乗法を用いて生成された二次関数の近似式としたが、これに限定されるものではない、例えば、一次関数の近似式でもよいし、Lagrange補完を用いて生成してもよい。
上記実施の形態7において、無線送受信部110はコンテンツ伝送に必要な帯域確保のために他の装置にネゴシエーションを行ってもよい。例えば、受信機200と無線ネットワークの帯域を管理する無線親機(アクセスポイント)とコンテンツを送信する送信機がIEEE802.11eのHCCAの機能を備え、受信機200が無線親機に属する無線子機(ステーション)の場合は、帯域割当の要求である無線マネジメントフレームのADD TS requestを無線親機に送信してもよい。この場合、ADD TS requestのTSPECパラメータのMean Data Rateにコンテンツレート、SurplusBandwidth Allowanceに必要帯域決定部220で求めた必要帯域、Minimum PHY RateにPHYレート決定部160で決定したPHYレートの情報を含めてもよい。
上記の実施形態では、伝送装置について説明したが、本発明は上記フローチャートで示したステップを含む方法、及び上記フローチャートで示したステップをコンピュータに実行させるプログラムコードを含むプログラムであってもよいし、そのプログラムを記憶している記録媒体であるとしてもよい。
上記実施の形態及び上記補足をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。例えば、上記実施の形態7と他の実施の形態を組み合わせ、送信機からテストパケットを受信しない場合に実施の形態7の機能に切り替わるとしてもよい。また、テストパケット以外に送信機が実施の形態1の機能をサポートしていることを示す情報を予め送信しない場合も、実施の形態の機能に切り替わるとしてもよい。
2 クライアント装置
10 送信機(無線伝送装置)
100 受信機(無線伝送装置)
11、110 無線送受信部
12、120 パケット識別部
13 受信電力値通知パケット解析部
14、260 受信電力値管理部
15、51、150 パケット誤り率推定部
15A パケット誤り率要求部
15B 関係式管理部
15C 読込み処理部
15D 関係式変更判定部
15E、51E 関係式生成部
15F 書込み処理部
16、160 PHYレート決定部
17、260 パケット誤り率測定部
18、25、41、250 補正情報作成部
18A パケット誤り率算出部
18B 関係式生成情報作成部
25C パケット誤り率管理部
25D 標準偏差算出部
25E、41E 関係式生成情報作成部
21、42、52、210 標準偏差推定部
21A、52A 標準偏差要求部
21B 関係式管理部
21C 読込み処理部
21D 関係式変更判定部
21E、52E 関係式生成部
21F 書込み処理部
42G 最大パケット誤り率変更部
22、32、220 必要帯域決定部
32A 必要帯域算出部
32B 確保帯域決定部
32C 割当可能帯域取得部
32D コンテンツレート算出部
32E コンテンツレート変更指示部
32F 伝送コンテンツレート記憶部
23 アプリケーション部
24、56 テストパケット作成部
31 コンテンツレート変更部
53 PHYレート変更部
54 送信電力変更部
55 パラメータ決定部
61、130 受信電力値測定部
140 受信電力値通知パケット作成部
270 コンテンツレート測定部
Claims (20)
- 伝送装置であって、
複数のPHYレートから1つのPHYレートを選択する制御手段と、
選択されたPHYレートで、プロトコルスタックにおける物理層間の伝送を行う通信手段とを備え、
前記制御手段はPHYレートを選択するにあたって、
前記複数のPHYレートのうち少なくとも1以上のPHYレートのそれぞれで前記物理層間の伝送を行ったとした場合の前記プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値の比較を行い、
各伝送レートの実効値は、
受信側における受信電力値に対応する前記物理層間の再送比率と前記各伝送レートの理想値とに基づき得られる値である
ことを特徴とする伝送装置。 - 前記制御手段は、
前記物理層間の伝送に、前記複数のPHYレートのうち、何れか2つのPHYレートが使用されたとした場合に、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかを、前記2つのPHYレートのそれぞれについて算出し、算出した伝送レートの実効値同士を比較し、大きい方の実効値に対応するPHYレートを選択する
請求項1記載の伝送装置。 - 前記制御手段は、
前記物理層間の伝送に、前記複数のPHYレートのうち、一のPHYレートが使用されたとした場合に、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかを算出し、算出した伝送レートの実効値を予め記憶されている閾値と比較し、前記閾値より大きい場合には、該実効値に対応するPHYレートを選択し、
前記閾値以下の場合には、前記一のPHYレート以外の何れかのPHYレートが使用されたとすると、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかを算出し、算出した伝送レートの実効値を予め記憶されている閾値と比較する
請求項1記載の伝送装置。 - 前記制御手段は、
前記物理層間の伝送に、各PHYレートがそれぞれ使用されたとした場合に、プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値がどれだけになるかをPHYレート毎に算出し、算出した伝送レートの実効値同士を順次比較していき、算出した伝送レートの実効値のうち、最大の実効値に対応するPHYレートを選択する
請求項1記載の伝送装置。 - 前記伝送装置は、
受信電力がとり得る複数の値と前記受信電力がとり得る値毎のパケット誤り率とを対応付けて示す第一情報と、前記パケット誤り率がとり得る複数の値とパケット誤り率がとり得る値毎の再送比率とを対応付けて示す第二情報とをPHYレート毎に記憶している記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記第一情報及び第二情報に基づいて、前記受信側における受信電力値から前記物理層間の再送比率をPHYレート毎に取得する再送比率取得手段を備える
請求項1記載の伝送装置。 - 前記通信手段による伝送はパケット単位で行われ、
前記制御手段は、さらに、
伝送されたパケットにおけるパケット毎の再送回数と、伝送が完了したパケットの個数とを用いて、パケット誤り率を算出するパケット誤り率算出手段と、
前記パケット誤り率算出手段により算出されたパケット誤り率と、前記第一情報に基づくパケット誤り率とを比較する比較手段と、
比較した結果、所定値以上のずれがある場合に、前記第一情報の補正を行う補正手段と
を備える請求項5記載の伝送装置。 - 前記伝送装置は、さらに、
随時、前記受信側における受信電力値を取得し、取得した受信電力値を蓄積する蓄積手段を備え、
前記補正手段は、
算出されたパケット誤り率と前記第一情報に基づくパケット誤り率と蓄積された受信電力値とから、受信電力がとり得る複数の値と前記受信電力がとり得る値毎のパケット誤り率とを対応付けて示す補正第一情報を生成する生成手段と、
記憶されている第一情報を、生成された補正第一情報に変更する変更手段と
を備える請求項6記載の伝送装置。 - 前記記憶手段は、さらに、
パケット誤り率がとり得る複数の値とパケット誤り率がとり得る値毎の標準偏差とを対応付けて示す第三情報を記憶しており、
前記制御手段は、さらに、
前記第一情報及び第三情報に基づいて、前記受信側における受信電力値におけるパケット誤り率の標準偏差を取得し、取得した標準偏差をN(N:正の数)倍した値を前記パケット誤り率に加算する標準偏差取得手段と、
加算後の値と伝送すべきパケットのパケットレートを用いて、伝送に必要な帯域を算出する帯域算出手段とを備え、
前記通信手段による伝送は算出された帯域で行われる
請求項5記載の伝送装置。 - 前記通信手段による伝送はパケット単位で行われ、
前記制御手段は、さらに、
伝送されたパケットにおけるパケット毎の再送回数と、伝送が完了したパケットの個数とを用いて、所定数のパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出手段と、
前記パケット誤り率算出手段により算出された所定数のパケット誤り率の標準偏差と、前記所定数のパケット誤り率及び前記第三情報に基づく標準偏差とを比較する比較手段と、
比較した結果、所定値以上のずれがある場合に、前記第三情報の補正を行う補正手段と
を備える請求項8記載の伝送装置。 - 前記伝送装置は、さらに、
随時、前記受信側における受信電力値を取得し、取得した受信電力値を蓄積する蓄積手段を備え、
前記補正手段は、
前記パケット誤り率がとり得る複数の値と、前記所定数のパケット誤り率の標準偏差と、前記所定数のパケット誤り率及び前記第三情報に基づく標準偏差とから、パケット誤り率がとり得る複数の値とパケット誤り率毎の標準偏差とを対応付けて示す補正第三情報を生成する生成手段と、
記憶されている第三情報を、生成された補正第三情報に変更する変更手段と
を備える請求項9記載の伝送装置。 - 前記帯域算出手段は、さらに、
算出した帯域と割当可能帯域とを比較し、前記算出した帯域の方が割当可能帯域より大きい場合に、パケットレートを変更するパケットレート変更手段と、
変更後のパケットレートに基づき、確保する帯域を算出する確保帯域算出手段と
を備える請求項8記載の伝送装置。 - 前記標準偏差取得手段は、
前記標準偏差を取得した後、前記標準偏差に用いられた複数のパケット誤り率のうち、前記標準偏差内に存在するパケット誤り率の割合値を算出する割合算出手段と、
算出された割合値が予め設定されている閾値を上回ったか否かに基づき、前記標準偏差の乗算値Nを決定する決定手段と
を備える請求項8記載の伝送装置。 - 前記通信手段による伝送はパケット単位で行われ、
前記制御手段は、
随時、受信電力値を取得する受信電力値取得手段と、
伝送されたパケットにおけるパケット毎の再送回数と、伝送が完了したパケットの個数とを用いて、所定数のパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出手段と、
算出されたパケット誤り率のそれぞれについて、隣接するパケット誤り率の間隔が一定以上離れているか否かを判定するばらつき判定手段と、
前記パケット誤り率と前記受信電力値とに基づき、受信電力がとり得る複数の値と前記受信電力がとり得る値毎のパケット誤り率とを対応付けて示す第一情報を生成する生成手段とを備える
請求項1記載の伝送装置。 - 前記制御手段は、さらに、
前記所定数のパケット誤り率の標準偏差を算出する標準偏差算出手段と、
前記パケット誤り率と標準偏差とに基づき、パケット誤り率がとり得る複数の値とパケット誤り率がとり得る値毎の標準偏差とを対応付けて示す第三情報を生成する生成手段とを備える
請求項13記載の伝送装置。 - 前記伝送装置は、さらに、
前記受信側における受信電力値を測定する測定手段を備える
請求項1記載の伝送装置。 - 前記再送比率は、所定数のパケットが伝送された場合に、前記所定数のパケットにおけるパケット誤りが発生する確率、正常に伝送される確率、及びパケット誤りのパターンの組み合わせに基づき算出される
請求項1記載の伝送装置。 - 前記記憶手段は不揮発性メモリである
請求項5記載の伝送装置。 - 伝送方法であって、
複数のPHYレートから1つのPHYレートを選択する制御ステップと、
選択されたPHYレートで、プロトコルスタックにおける物理層間の伝送を行う通信ステップとを含み、
前記制御ステップはPHYレートを選択するにあたって、
前記複数のPHYレートのうち少なくとも1以上のPHYレートのそれぞれで前記物理層間の伝送を行ったとした場合の前記プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値の比較を行い、
各伝送レートの実効値は、
受信側における受信電力値に対応する前記物理層間の再送比率と前記各伝送レートの理想値とに基づき得られる値である
ことを特徴とする伝送方法。 - 伝送装置に設けられるシステム集積回路であって、
複数のPHYレートから1つのPHYレートを選択する制御手段と、
選択されたPHYレートで、プロトコルスタックにおける物理層間の伝送を行う通信手段とを備え、
前記制御手段はPHYレートを選択するにあたって、
前記複数のPHYレートのうち少なくとも1以上のPHYレートのそれぞれで前記物理層間の伝送を行ったとした場合の前記プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値の比較を行い、
各伝送レートの実効値は、
受信側における受信電力値に対応する前記物理層間の再送比率と前記各伝送レートの理想値とに基づき得られる値である
ことを特徴とするシステム集積回路。 - 伝送処理をコンピュータに行わせるコンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
複数のPHYレートから1つのPHYレートを選択する制御手順と、
選択されたPHYレートで、プロトコルスタックにおける物理層間の伝送を行う通信手順とを含み、
前記制御手順はPHYレートを選択するにあたって、
前記複数のPHYレートのうち少なくとも1以上のPHYレートのそれぞれで前記物理層間の伝送を行ったとした場合の前記プロトコルスタックの上位層における伝送レートの実効値の比較を行い、
各伝送レートの実効値は、
受信側における受信電力値に対応する前記物理層間の再送比率と前記各伝送レートの理想値とに基づき得られる値である
ことを特徴とするプログラム。
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