JPWO2007105442A1 - 摂食障害または摂水障害の治療薬 - Google Patents

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Abstract

摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチドを有効成分として含有する摂食障害や摂水障害の治療薬、および該ペプチドを利用する該ペプチドの活性を促進または阻害する物質のスクリーニング方法を提供する。

Description

本発明は、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチドを有効成分として含有する摂食障害または摂水障害の治療薬、および、該ペプチドを利用する、該ペプチドの活性を阻害または促進する物質、あるいは、該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法に関する。
VGF遺伝子は、ラットPC12細胞の神経成長因子刺激により増加する遺伝子として同定され(非特許文献1参照)、その後、ヒトVGF遺伝子が単離された(非特許文献2参照)。VGF遺伝子破壊マウスでは、摂食量は不変、体重減少、体脂肪減少、酸素消費増加、運動量増加が認められ、また生殖機能にも異常が見られた。特に、エネルギー代謝亢進が認められている(非特許文献3参照)。
VGF遺伝子は中枢、末梢神経系、内分泌、神経内分泌細胞に発現し、発現や分布は、摂食行動や消化管の運動を制御するニューロペプチドY、ペプチドYY、グレリン(ghrelin)、コレシストキニン等の発現パターンと類似し、エネルギー代謝に関連する部分に存在する(非特許文献4参照)。
VGF遺伝子がコードする蛋白質(以下、VGFとよぶ)は、ヒトで615アミノ酸、ラット/マウスで617アミノ酸である。VGFの1〜22番目のアミノ酸はシグナルペプチドであり、またプロホルモンコンベルターゼによる切断やアミド化等のプロセッシングを受ける配列が存在する。VGFのプロセッシングについて、ラットを中心に調べられており、ラットの脳より、ラットVGF(598−617)(かっこ内の数字は、VGFのアミノ酸配列におけるペプチドの配列の位置を表す。以下のペプチドについても同様)、ラットVGF(599−617)、ラットVGF(601−617)、ラットVGF(602−617)、ラットVGF(587−617)、ラットVGF(588−617)、ラットVGF(567−617)、ラットVGF(556−617)、ラットVGF(489−617)、ラットVGF18(18kDa:配列未確認)のVGFに由来するペプチドの存在が確認されている(非特許文献5参照)。ラットVGF(556−617)の部分ペプチドである、ラットVGF(577−617)、ラットVGF(588−617)、ラットVGF(599−617)は、オスのラットの視床下部室傍核(PVN)に直接投与することにより、勃起を引き起こす活性を示したが、ラットVGF(556−576)にはこの活性は確認されなかった(非特許文献6参照)。また、VGF(588−596)をVGF遺伝子破壊マウスに腹腔内投与したところ、10%〜15%程度の体重上昇があったが、この体重増加が食物または水の摂取増加の結果であるか否かは判定できないと報告されている(特許文献1参照)。
ヒトVGFに由来するペプチドについては、ヒト脳脊髄液においてヒトVGF(23−62)、ヒトVGF(23−59)、ヒトVGF(26−62)(非特許文献7参照)、さらに、ヒトVGF(23−58)、ヒトVGF(24−59)、ヒトVGF(24−62)、ヒトVGF(26−57)、ヒトVGF(26−58)、ヒトVGF(26−59)、ヒトVGF(26−61)、ヒトVGF(26−64)、ヒトVGF(49−62)、ヒトVGF(90−114)、ヒトVGF(350−367)、ヒトVGF(350−370)、ヒトVGF(373−404)、ヒトVGF(373−417)、ヒトVGF(420−471)、ヒトVGF(420−478)の存在が報告されている(特許文献2参照)。また、ウシの脳下垂体後葉から、ラットVGF(588−617)に相当し、ヒトVGFの586−615番目の配列と同一の配列のペプチドが単離されている(非特許文献8参照)。しかし、これらのヒトまたはウシのVGFに由来するペプチドの生理活性については、報告されていない。
国際公開第01/07477号パンフレット 国際公開第02/82075号パンフレット サイエンス(Science),(米国),1985年,第229巻,第4711号,p.393−395 ジェノミクス(Genomics),(米国),1997年,第45巻、第2号,p.443−446 ニューロン(Neuron),(米国),1999年,第23巻,第3号,p.537−548 セリュラー・アンド・モレキュラー・ニューロバイオロジー(Cellular and Molecular Neurobiology),(米国),2004年,第24巻,第4号,p.517−533 ジャーナル・オブ・ニューロケミストリー(Journal of Neurochemistry),(イギリス),2002年,第81巻,第3号,p.565−574 ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(European Journal of Neuroscience),(フランス),2004年,第20巻,第11号,p.3035−3040 ジャーナル・オブ・クロマトグラフィーB:バイオメディカル・サイエンシズ・アンド・アプリケーションズ(Journal ofChromatography B: Biomedical Sciences and Applications),(オランダ),2001年,第754巻,第2号,p.357−367 エンドクリノロジー(Endocrinology),(米国),1994年,第135巻,第6号,p.2742−2748
本発明の目的は、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチドを有効成分として含有する摂食障害または摂水障害の治療薬、および該ペプチドを利用する、該ペプチドの活性を阻害または促進する物質のスクリーニング方法を提供することである。
本発明は以下の(1)〜(6)に関する。
(1)以下の(a)〜(e)から選ばれる少なくとも1つのペプチドまたはその薬理学的に許容される塩を含有する摂食障害または摂水障害の治療剤。
(a)配列番号1〜6のいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1〜6のいずれかのアミノ酸配列を含み、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド
(c)配列番号1、2、4または5のアミノ酸配列において、1以上5以下のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド
(d)配列番号1、2、4または5のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド、および
(e)下記式(I)で表されるペプチドであって、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド。
[化1]
−A−R (I)
(式中、Rは水素原子、置換もしくは非置換のアルカノイル、置換もしくは非置換のアロイル、置換もしくは非置換のヘテロアリールカルボニル、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル、または置換もしくは非置換のヘテロアリールオキシカルボニルを表し、Rはヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルコキシ、または置換もしくは非置換のアミノを表し、Aは上記(a)〜(d)のいずれかのペプチドのペプチド残基を表す)。
(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むペプチド(ただし、配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチドは除く)またはその薬理学的に許容される塩。
(3)(1)の(a)〜(e)または(2)のいずれかに記載のペプチドまたはその塩および試験物質を視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に接触させた場合の細胞応答を測定し、該ペプチドまたはその塩を試験物質の非存在下で視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に接触させた場合の細胞応答と比較して、細胞応答が抑制される場合の試験物質を、該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を阻害する物質として選択することを特徴とする、該ペプチドの有する摂食もしくは摂水行動を促進する活性を阻害する物質のスクリーニング方法。
(4)(1)の(a)〜(e)または(2)のいずれかに記載のペプチドまたはその塩および試験物質を視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に接触させた場合の細胞応答を測定し、該ペプチドまたはその塩を試験物質の非存在下で視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に接触させた場合の細胞応答と比較して、細胞応答が促進される場合の試験物質を、該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を促進する物質として選択することを特徴とする、該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を促進する物質のスクリーニング方法。
(5)(1)の(a)〜(e)または(2)のいずれかに記載のペプチドまたはその塩および試験物質を視床下部細胞、下垂体細胞、または視床下部細胞もしくは下垂体細胞の膜画分に接触させた場合の該細胞もしくは該細胞の膜画分に対する該ペプチドまたはその塩の結合量を測定し、該ペプチドまたはその塩を試験物質の非存在下で該細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合の該ペプチドまたはその塩の結合量と比較して、結合量が低下する場合の試験物質を該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストとして選択することを特徴とする、該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法。
(6)(1)の(a)〜(e)または(2)のいずれかに記載のペプチドまたはその塩および試験物質を脳組織または脳組織の膜画分に接触させた場合の脳組織または脳組織の膜画分に対する該ペプチドまたはその塩の結合量を測定し、該ペプチドまたはその塩を試験物質の非存在下で脳組織または脳組織の膜画分に接触させた場合の該ペプチドまたはその塩の結合量と比較して、結合量が低下する場合の試験物質を該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストとして選択することを特徴とする、該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法。
本発明により、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチドを有効成分として含有する摂食障害または摂水障害の治療薬、該ペプチドを利用する、該ペプチドの活性を促進または抑制する物質あるいは該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法が提供される。
図1は、1μmol/Lのペプチド1(配列番号1で示されるペプチド)による、アポエクオリン発現マウスの視床下部の細胞の細胞内カルシウム濃度の上昇を示す。横軸は、培地添加後の時間(秒)、縦軸は毎秒の相対発光量(RLU)である。25秒でペプチド1を添加した。 図2は、5μmol/Lのペプチド1による、アポエクオリン発現マウスの下垂体の細胞の細胞内カルシウム濃度の上昇を示す。横軸は、培地添加後の時間(秒)、縦軸は毎秒の相対発光量(RLU)である。25秒でペプチド1を添加した。 図3は、1μmol/Lのペプチド2(配列番号2で示されるペプチド)による、アポエクオリン発現マウスの視床下部の細胞の細胞内カルシウム濃度の上昇を示す。横軸は、培地添加後の時間(秒)、縦軸は毎秒の相対発光量(RLU)である。25秒でペプチド2を添加した。 図4は、1μmol/Lのペプチド2による、アポエクオリン発現マウスの下垂体の細胞の細胞内カルシウム濃度の上昇を示す。横軸は、培地添加後の時間(秒)、縦軸は毎秒の相対発光量(RLU)である。25秒でペプチド2を添加した。 図5は、ペプチド1によるラットの摂食行動の促進を示す。ペプチド投与後1時間後の結果である。縦軸は摂食量(g)である。 図6は、ペプチド1によるラットの摂水行動の促進を示す。ペプチド投与後1時間後の結果である。縦軸は摂水量(g)である。 図7は、ペプチド2およびペプチド3(配列番号5で示されるペプチド)によるラットの摂水行動の促進を示す。縦軸は摂水量(g)である。□はペプチド投与後1時間後、■はペプチド投与後2時間後の結果である。
1.本発明の治療薬に使用するペプチド
本発明の摂食障害または摂水障害の治療薬は、以下の(a)〜(e)のいずれかのペプチドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する。本発明において、以下の(a)〜(e)のいずれかのペプチドを「VGF関連ペプチド」ともよぶ。
(a)配列番号1〜6のいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド。配列番号1のアミノ酸配列は、ヒトVGFの586−615番目のアミノ酸配列、配列番号2のアミノ酸配列は、ラットVGFのアミノ酸配列において配列番号1のアミノ酸配列に相当する配列であって、ラットVGFの588−617番目のアミノ酸配列に相当する。配列番号3のアミノ酸配列は、配列番号1と2のコンセンサス配列であって、下記式(II)で表されるアミノ酸配列である。
[化2]
Ala-Gln-Glu-Glu-Ala-X-Ala-Glu-Glu-Arg-Arg-Leu-Gln-Glu-Gln-Glu-Glu-Leu-Glu-Asn-Tyr-Ile-Glu-His-Val-Leu-Leu-X-Arg-Pro (II)

(式中、XおよびXは独立して同一または異なった任意のアミノ酸を表す)
式(II)において、好ましくは、X1はアスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸または2−アミノスベリン酸であり、Xはアルギニン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸またはヒスチジンであり、より好ましくは、Xはアスパラギン酸またはグルタミン酸であり、Xはアルギニンまたはヒスチジンである。
配列番号4のアミノ酸配列は、ヒトVGFの554−615番目のアミノ酸配列、配列番号5のアミノ酸配列は、ラットVGFの556−617番目のアミノ酸配列に相当する。配列番号6のアミノ酸配列は、配列番号4と5のコンセンサス配列であって、下記式(III)で表されるアミノ酸配列である。
[化3]
Thr-Leu-Gln-Pro-Pro-X-X-X-Arg-Arg-Arg-His-X-His-His-Ala-Leu-Pro-Pro-X-Arg-His-X-Pro-X-X10-Glu-Ala-Gln-Ala-Arg-Arg-Ala-Gln-Glu-Glu-Ala-X-Ala-Glu-Glu-Arg-Arg-Leu-Gln-Glu-Gln-Glu-Glu-Leu-Glu-Asn-Tyr-Ile-Glu-His-Val-Leu-Leu-X-Arg-Pro (III)

(式中、X−X10は独立して同一または異なった任意のアミノ酸を表す)
式(III)において、好ましくは、X1はアスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸または2−アミノスベリン酸であり、Xはアルギニン、リジン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸またはヒスチジンであり、X、X、Xはセリンまたはアラニンであり、Xはセリンまたはロイシンであり、Xはチロシンまたはフェニルアラニンであり、Xはチロシンまたはヒスチジンであり、Xはグリシンまたはアスパラギン酸であり、X10はアルギニンまたはロイシンであり、より好ましくは、Xはアスパラギン酸またはグルタミン酸であり、Xはアルギニンまたはヒスチジンである。
(b)配列番号1〜6のいずれかのアミノ酸配列を含み、摂食もしくは摂水行動の促進作用を有するペプチド。(b)のペプチドのアミノ酸配列は、配列番号1〜6のいずれかのアミノ酸配列を含み、摂食もしくは摂水行動の促進作用を有していれば、アミノ酸数はいくつでもよいが、80以下が好ましく、60以下がさらに好ましく、40以下が特に好ましい。
(c)配列番号1、2、4または5のアミノ酸配列において、1以上5以下のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、摂食もしくは摂水行動の促進作用を有するペプチド。
(d)配列番号1、2、4または5のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、摂食もしくは摂水行動の促進作用を有するペプチド。
(e)下記式(IV)で表されるペプチドであって、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド。
[化4]
−A−R (IV)
(式中、Rは水素原子、置換もしくは非置換のアルカノイル、置換もしくは非置換のアロイル、置換もしくは非置換のヘテロアリールカルボニル、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル、または置換もしくは非置換のヘテロアリールオキシカルボニルを表し、Rはヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルコキシ、または置換もしくは非置換のアミノを表し、Aは上記(a)〜(d)のいずれかのペプチドのペプチド残基を表す。)
配列番号1、2、4または5のアミノ酸配列において、1以上5以下のアミノ酸残基が置換、欠失もしくは付加されたとは、同一配列中の任意かつ一もしくは複数のアミノ酸配列中の位置において、1以上5以下のアミノ酸残基の置換、欠失もしくは付加があることを意味し、置換、欠失もしくは付加が同時に生じてもよい。置換または付加されるアミノ酸としては、例えば、必須アミノ酸として知られる20種類のL-アミノ酸、すなわちL−アラニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−アルギニン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、L−バリンおよびL−システインがあげられるが、これに限定されるものではなく、例えば、tert-ロイシン、ノルロイシン、ノルバリン、2−アミノブタン酸、O−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン、ホモセリン等の他のアミノ酸でもよく、またD−アミノ酸あるいはβ−アミノ酸でもよい。
以下に、相互に置換可能なアミノ酸残基の例を示す。同一群に含まれるアミノ酸残基は相互に置換可能である。
A群:ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、バリン、ノルバリン、アラニン、2−アミノブタン酸、メチオニン、O−メチルセリン、t−ブチルグリシン、t−ブチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、tert-ロイシン
B群:アスパラギン酸、グルタミン酸、イソアスパラギン酸、イソグルタミン酸、2−アミノアジピン酸、2−アミノスベリン酸
C群:アスパラギン、グルタミン
D群:リジン、アルギニン、オルニチン、2,4−ジアミノブタン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸
E群:プロリン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン
F群: セリン、スレオニン、ホモセリン
G群:フェニルアラニン、チロシン
配列番号1、2、4または5のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列とは、相同性解析プログラムBLAST 2 Sequences〔FEMSMicrobiol Lett. 174, 247 (1999)〕を用いてデフォルトの条件(program: blastp、matrix: BLOSUM62、opengap: 11 penalties、extension gap: 1 penalty、gap x_dropoff: 50、expect: 10.0、wordsize: 3)で計算し、アラインメントをしたときに、相同性(対象の配列と相同性解析を行った配列との間で同一のアミノ酸数/相同性解析を行った配列の全体のアミノ酸数+アラインメント時に挿入されたギャップの数)が90%以上、好ましくは95%以上であるアミノ酸配列をいう。
上記式(I)〜(IV)の各基の定義において、アルカノイルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数1〜20の、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、ラウロイル、エイコサノイル等があげられる。
アロイルおよびアリールオキシカルボニルのアリール部分としては、例えば炭素数6〜15の、例えばフェニル、ナフチル等があげられる。
ヘテロアリールカルボニルおよびヘテロアリールオキシカルボニルのヘテロアリール部分としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル等があげられる。
アルコキシカルボニルおよびアルコキシのアルキル部分としては、例えば直鎖または分枝状の炭素数1〜20の、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル、ドデシル、エイコシル等があげられる。
置換アルカノイル、置換アルコキシカルボニルおよび置換アルコキシにおける置換基としては、同一または異なって置換数1〜3の、例えばヒドロキシ、カルボキシ、炭素数3〜8の、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等の脂環式アルキル、置換もしくは非置換のフェニル、フルオレニル等があげられる。置換フェニルの置換基としては、同一または異なって置換数1〜3の、例えばアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、スルホ、シアノ、ハロゲン等があげられ、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子があげられる。置換フェニルの置換基としてのアルキル、アルコキシのアルキル部分は、前記アルコキシカルボニルおよびアルコキシのアルキル部分と同義である。
置換アロイル、置換アリールオキシカルボニル、置換ヘテロアリールカルボニルおよび置換ヘテロアリールオキシカルボニルにおける置換基は、同一または異なって置換数1〜3であり、上記の置換フェニルの置換基と同義である。
置換アミノにおける置換基としては、同一または異なって置換数1〜2の、例えば置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリール等があげられる。アルキルは、前記アルコキシ等のアルキル部分と同義であり、置換アルキルの置換基は、前記置換アルコキシ等の置換基と同義である。アリールは、前記アロイルまたはアリールオキシカルボニルのアリール部分と同義であり、置換アリールの置換基は、前記アロイルまたはアリールオキシカルボニルの置換基と同義である。
また、Aを構成するアミノ酸残基の側鎖の官能基が化学的に修飾または保護されたものであってもかまわない。そのように側鎖官能基が化学的に修飾または保護されたアミノ酸残基としては、例えば、側鎖カルボキシ基がベンジルエステルで保護されたアスパラギン酸残基もしくはグルタミン酸残基、側鎖チオール基がカルボキシメチル化されたシステイン残基等があげられる。
薬理学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、金属塩、有機塩基付加塩等があげられる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩および酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩があげられる。金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。有機塩基付加塩としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、アニリン等の一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン等の二級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等の三級アミン等とで形成される塩、アンモニウム塩等があげられる。
(a)〜(e)のペプチドが、摂食行動もしくは摂水行動を促進する活性を有していることは、実施例2に示した、ラットの側脳室内にペプチドを含む生理食塩水を投与し、投与後1〜2時間の摂餌量および飲水量を測定して、生理食塩水のみを投与した場合の摂餌量および飲水量と比較する方法を行い、生理食塩水のみを投与した場合と比較してペプチドを含む生理食塩水を投与した場合に摂餌量または飲水量が増加することで確認できる。また、(a)〜(e)のペプチドが、視床下部細胞または下垂体細胞の細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させる活性を有していることを確認することによっても、摂食行動もしくは摂水行動を促進する活性を有していることを確認できる。ペプチドが視床下部細胞または下垂体細胞の細胞内カルシウムイオン濃度を上昇させる活性を有していることは、実施例1に示した、アポエクオリンを発現するトランスジェニックマウスから摘出した視床下部または下垂体を細断し、セレンテラジンを含む培地で培養し、培地を添加し、25秒後にペプチドを含む培地を添加して、培地の添加直後からルミノメーターで相対発光量を測定する方法を行い、培地を添加した場合と比較してペプチドを含む培地を添加した場合に相対発光量が上昇することで確認できる。
上記のVGF関連ペプチドは、例えば泉屋信夫、加藤哲夫ら,「ペプチド合成の基礎と実験」,丸善,(1985年)、相本三郎ら,「実験化学講座」,第4版,第22巻,「有機合成IV酸・アミノ酸・ペプチド」,丸善,(1999年)、Int. J. Pept. Protein Res. 35, 161-214 (1990)、Fields,G. B., Solid-Phase Peptide Synthesis, Methods in Enzymology, vol. 289, AcademicPress, (1997)、Pennington, M. W. and Dunn, B. M., Peptide Synthesis Protocols,Methods in Molecular Biology, vol. 35, Humana Press, (1994) 等に記載の通常のペプチド合成法により合成後、精製することによって得ることができる。具体的な合成法としては、例えば、アジド法、酸クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、ジクロロメタン法、活性エステル法、カルボイミダゾール法、酸化還元法等があげられる。また、その合成は、固相合成法および液相合成法のいずれをも適用することができる。すなわち、本発明のペプチドを構成するアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的とするペプチドを合成することができる。
さらに、VGF関連ペプチドが、ペプチドを構成するアミノ酸残基の側鎖および/またはペプチドのアミノ末端および/またはペプチドのカルボキシ末端が化学修飾や保護がなされているものである場合には、ペプチド合成後に化学修飾する方法、化学修飾されたアミノ酸を用いてペプチド合成する方法、またはペプチド合成の最終脱保護の反応条件を適当に選ぶ方法等、ペプチド合成化学の分野において従来公知の方法〔泉屋信夫ら,「ペプチド合成の基礎と実験」,丸善,(1985年)、矢島治明監修,「続医薬品の開発」,第14巻,「ペプチド合成」,広川書店,(1991年)、日本生化学会編「生化学実験講座」,第1巻,「タンパク質の化学IV―化学修飾とペプチド合成」,東京化学同人、大野素徳ら,「生物化学実験法」,第12,13巻,「蛋白質の化学修飾(上)(下)」,学会出版センター,(1981年)〕によって製造することができる。
また、VGF関連ペプチドは、自動ペプチド合成機を用いて合成することもできる。ペプチド合成機によるペプチドの合成は、島津製作所製ペプチド合成機、アドバンスト・ケムテック社(AdvancedChemTech, Inc.)製ペプチド合成機等の市販のペプチド合成機上で、適当に側鎖を保護したNα−Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−アミノ酸あるいはNα−Boc(t−ブチルオキシカルボニル)−アミノ酸等を用い、それぞれの合成プログラムに従って実施することができる。原料となる保護アミノ酸および担体樹脂は、アプライド・バイオシステムズ社(AppliedBiosystems)、島津製作所、国産化学株式会社、EMDバイオサイエンシズ社(EMD Biosienses, Inc.)、渡辺化学株式会社、アドバンスト・ケムテック社、アナスペック社(AnaSpec,Inc.)またはペプチド研究所株式会社等から入手することができる。
VGF関連ペプチドの精製は、通常の精製法、例えば溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、再結晶等を組み合わせて行なうことができる。
2.VGF関連ペプチドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬製剤
VGF関連ペプチドまたはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬製剤は、活性成分として該ペプチドまたはその薬理学的に許容される塩単独で、あるいは任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。また、それら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
投与経路は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口または、例えば脳室内、静脈内等の非経口をあげることができる。
投与形態としては、錠剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、注射剤等がある。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、蔗糖、ソルビット、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を使用して製造できる。また、錠剤、散剤および顆粒剤等は、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニット等の賦形剤、澱粉、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いて製造できる。
非経口投与に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体等を用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー類、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤等から選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
VGF関連ペプチドまたはその薬理学的に許容される塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、通常経口の場合、成人一人当り0.01mg〜1g、好ましくは0.05〜50mgを一日一回ないし数回投与する。静脈内投与等の非経口投与の場合、成人一人当り0.001 〜100mg 、好ましくは0.01〜10mgを一日一回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
VGF関連ペプチドは摂食または摂水行動を促進する活性を有するので、上記の医薬製剤は、神経性食欲不振症(拒食症、神経性無食欲症)等の摂食障害あるいは摂水障害の治療剤として有用である。
3.VGF関連ペプチドの活性を阻害または促進する物質のスクリーニング方法
VGF関連ペプチドは、摂食または摂水行動を促進する活性を有するので、該ペプチドは、摂食または摂水行動の制御に関与する器官である脳、特に視床下部および下垂体に作用し、その細胞応答を起こすと考えられる。
VGF関連ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を阻害する物質は、(i)視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に、VGF関連ペプチドまたはその塩および試験物質を接触させた場合の細胞応答を測定し、(ii)同じ細胞に試験物質の非存在下で、該ペプチドまたはその塩を接触させた場合の細胞応答と比較し、(iii)試験物質の存在下で細胞応答が抑制される場合にその試験物質を該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を阻害する物質として選択すること、によりスクリーニングできる。
また同様に、(i)視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に、VGF関連ペプチドまたはその塩および試験物質を接触させた場合の細胞応答を測定し、(ii)同じ細胞に試験物質の非存在下で、該ペプチドまたはその塩を接触させた場合の細胞応答と比較し、(iii)試験物質の存在下で細胞応答が促進される場合にその試験物質を該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を促進する物質として選択すること、により該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を促進する物質をスクリーニングできる。
細胞応答としては、視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織にVGF関連ペプチドを接触させたときに起こる、測定可能な細胞応答であれば、いかなる細胞応答でもかまわないが、例えば、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇があげられる。
上記のスクリーニング方法で用いる視床下部細胞および下垂体細胞は、VGF関連ペプチドと接触させたときに細胞応答を示す細胞であれば、視床下部または下垂体に由来する細胞株でもよいし、動物から採取した視床下部または下垂体を細断したものでもよい。また、視床下部または下垂体を含む脳の一部を細断したものでもよい。上記のスクリーニング方法で用いる脳組織は、視床下部または下垂体を含む脳の一部、または脳全体を細断したものが好ましい。アポエクオリン遺伝子を導入して作製した全身にアポエクオリンを発現するトランスジェニックマウス(WO02/010371)の視床下部または下垂体を採取し、細断して得られる細胞は、セレンテラジンの存在下で発光量をルミノメーターで測定することにより、細胞内カルシウムイオン濃度を簡便に測定できるので、好ましい。
上記のスクリーニング方法で得られるVGF関連ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を促進する物質は、VGF関連ペプチドと同様に、摂食若しくは摂水行動を促進させる活性を有するので、摂食障害・摂水障害などの疾患の治療薬に用いることができる。また、上記のスクリーニング方法で得られるVGF関連ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を阻害する物質は、摂食行動を抑制するので、肥満症の治療薬、あるいは肥満症の治療に伴う食事療法(ダイエット)を補助するための薬剤として用いることができる。
4.VGF関連ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法
VGF関連ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストは、(i)視床下部細胞もしくは下垂体細胞または該細胞の膜画分に、VGF関連ペプチドまたはその塩および試験物質を接触させた場合の該細胞または該細胞の膜画分に対する該ペプチドまたはその塩の結合量を測定し、(ii)同じ細胞または膜画分に試験物質の非存在下で、該ペプチドまたはその塩を接触させた場合の該細胞または該細胞の膜画分に対する該ペプチドまたはその塩の結合量と比較し、(iii)試験物質の存在下で該ペプチドまたはその塩の結合量が低下する場合にその試験物質を該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストとして選択すること、によりスクリーニングできる。また、視床下部細胞もしくは下垂体細胞または該細胞の膜画分の代わりに脳組織または脳組織の膜画分を用いた同様の方法によりスクリーニングできる。
上記のスクリーニングに用いる視床下部細胞、下垂体細胞および脳組織としては、上記3.に記載の細胞および脳組織を用いることができる。該細胞もしくは該細胞の細胞膜画分、または脳組織もしくは脳組織の膜画分は、適当な緩衝液に懸濁する。緩衝液は、VGF関連ペプチドまたはその塩と、懸濁した細胞、組織または膜画分との結合を阻害しない緩衝液であればいずれでもよく、例えばpH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸緩衝液やTris−HCl緩衝液等が用いられる。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80、ジギトニン、デオキシコール酸等の界面活性剤やウシ血清アルブミンやゼラチン等の各種蛋白質を緩衝液に加えることもできる。さらに、プロテアーゼによる本発明のポリペプチドやリガンドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64、ペプスタチン等のプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。
上記の細胞または膜画分に対するVGF関連ペプチドまたはその塩の結合量は、例えば、該ペプチドを標識して、該細胞または該細胞の膜画分と接触させ、該細胞または該細胞の膜画分に結合した標識の量として測定することができる。標識物質としては、放射性同位元素、蛍光物質、発光物質、ビオチン、ジゴキシゲニン、タグ配列を含むペプチド、酵素等があげられ、標識した該ペプチドが該細胞または該細胞の膜画分との結合を有していればいずれのものでもよい。以下にスクリーニング法の具体例をあげる。
10μL〜10mLの該細胞もしくは該細胞の細胞膜画分、または脳組織もしくは脳組織の膜画分の懸濁液に、125I、H等の放射性同位元素で標識した一定の放射能量を有するVGF関連ペプチドまたはその塩を共存させて結合実験を行う。反応は0〜50℃、好ましくは4〜37℃で、20分〜24時間、好ましくは30分〜3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同緩衝液で洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性をγ−カウンターまたは液体シンチレーションカウンターで計測する。この時の放射活性を全結合量(A)とする。大過剰の非標識の同ペプチドまたはその塩を加えた条件で同様の反応を行い、その時の放射活性を非特異的結合量(B)とする。A−Bが、試験物質の非存在下での結合量となる。全結合量の測定と同様の測定を試験物質を加えた条件で行い、その時の放射活性をCとする。C−Bが試験物質の存在下での結合量となる。試験物質の結合阻害率は下記の式で求めることができる。
阻害率(%)=[1−{(C−B)/(A−B)}]×100
上記のスクリーニング方法で得られるVGF関連ペプチドの受容体に対するアゴニストは、VGF関連ペプチドと同様に、摂食または摂水行動を促進させる活性を有するので、摂食障害・摂水障害などの疾患の治療薬に用いることができる。また、該受容体に対するアンタゴニストは、VGF関連ペプチドが有する、摂食行動を促進させる活性を阻害するので、肥満症の治療薬、あるいは肥満症の治療に伴う食事療法(ダイエット)を補助するための薬剤として用いることができる。
以下に、本発明の実施例を示す。
VGFに由来するペプチドの視床下部細胞および下垂体細胞に対する作用
配列番号1、2および5のアミノ酸配列からなるペプチド(以下、それぞれペプチド1、ペプチド2、ペプチド3とよぶ)をシグマジェノシス社に依頼して化学合成した。配列番号1のアミノ酸配列は、ヒトVGFのアミノ酸配列の586〜615番目の配列、配列番号2のアミノ酸配列は、ラットVGFのアミノ酸配列の588〜617番目の配列、配列番号5のアミノ酸配列は、ラットVGFのアミノ酸配列の556〜617番目の配列である。
全身にアポエクオリンを発現しているアポエクオリン遺伝子のトランスジェニックマウス(以下、アポエクオリン発現マウスとよぶ)の視床下部細胞および下垂体細胞を利用して、ペプチドのこれらの細胞に対する作用を、細胞内カルシウムイオン濃度を指標にして調べた。アポエクオリン発現マウスの細胞は、アポエクオリンが発光基質セレンテラジンの存在下でカルシウムイオンと結合し発光するため、細胞内カルシウムイオン濃度をモニターできる。なお、特許文献(WO02/010371)には、アポエクオリン発現マウスの作製法、該マウス由来の生体試料を使用した生理活性物質の評価方法および、以下に示すような生理活性ペプチドを該マウスの臓器を使用して評価した実験結果が開示されている。すなわち、アポエクオリン発現マウスより得られた各臓器に、アンジオテンシンIIを終濃度1μmol/Lで添加したところ、血管、子宮、副腎において強い発光が観察され、またブラジキニンを終濃度10μmol/Lで添加したところ、血管、子宮、副腎において強い発光が観察されたとの記載があり、アポエクオリン発現マウスはペプチドの生理活性評価に使用可能である。
アポエクオリン発現マウスは特許文献(WO02/010371)の参考例4で開示されている方法に従い作製した。アポエクオリン発現マウスを屠殺後、視床下部および下垂体を摘出し、それぞれを約1〜2mmの立方体に細断して試料を調製した。次に、視床下部試料または下垂体試料それぞれについて、5mLチューブ(Rohren-Tubes;ザルスタット(Sarstedt)社製、No.55.476)中で、RPMI1640培地に溶解した10μmol/Lセレンテラジン〔モレキュラー・プローブズ(MolecularProbes社)製〕溶液50μLに、調製した試料3個を加え37℃で3時間培養した。3時間後、RPMI1640培地を添加し、25秒後にRPMI1640培地に溶解したペプチドを、視床下部試料に対しては終濃度1μmol/Lになるように、下垂体試料に対しては終濃度5μmol/Lになるように添加し、ルミノメーター〔オートルーマット(AutoLumat)LB953、ベルトルード(Berthold)社製〕を用いて、RPMI1640培地の添加直後から1秒ごとに相対発光量を測定した。
その結果、ペプチド1を加えることにより、視床下部試料(図1)および下垂体試料(図2)で発光が観察された。また、ペプチド2を加えることにより、視床下部試料(図3)および下垂体試料(図4)で発光が観察された。以上から、ペプチド1および2は、視床下部細胞および下垂体細胞において細胞内のカルシウムイオンの濃度を上昇させる活性を有していることがわかった。視床下部や下垂体は、摂食行動や摂水行動を支配する食欲中枢に関与する臓器であるので、ペプチド1および2が、視床下部細胞や下垂体細胞に作用し、摂食行動または摂水行動に影響を及ぼすことが予想された。
ペプチドのラットの摂食行動・摂水行動に対する作用
10週齢のWistar系雄ラット(日本チャールズリバー)5匹の側脳室にカニューラを挿入、固定し、1週間の回復期間をおいた。ストレスによる非特異的な行動異常を起こさないように、午前10時前後の明期に毎日ハンドリングを行った。ケージ内に通常餌と蒸留水を置き、自由給餌の状態でペプチドを含む生理食塩水もしくは人工髄液10μlを、カニューラを通して各ラットの側脳質内に投与した。各ラットのペプチドの投与後1時間または2時間の自由行動下での飲水量と摂餌量を測定した。コントロールとして、同一ラットに日を変えて生理食塩水もしくは人工髄液10μlをペプチドの投与と同一の条件で側脳質内に投与し、投与後1時間または2時間の自由行動下での飲水量と摂餌量を測定した。ペプチド投与時の飲水量および摂餌量とコントロールの生理食塩水投与時の飲水量および摂餌量とをそれぞれの平均値で比較した。
その結果、図5に見られるように、ペプチド1を投与して1時間後にコントロールと比較して摂餌量が増加しており、ペプチド1の投与により明らかな摂食行動の促進が認められた。また、図6に見られるように、ペプチド1を投与して1時間後にコントロールと比較して飲水量が増加しており、ペプチド1の投与により明らかな摂水行動の促進が認められた。さらに、図7に見られるように、ペプチド2およびペプチド3を投与して1時間および2時間後にコントロールと比較して飲水量が増加しており、ペプチド2およびペプチド3の投与により明らかな摂水行動の促進が認められた。
本発明により、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチドを有効成分として含有する摂食障害または摂水障害の治療薬、該ペプチドを利用する、該ペプチドの活性を促進または抑制する物質あるいは該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法が提供される。本発明で提供されるスクリーニング方法によって得られる該ペプチドの活性を促進する物質および該ペプチドの受容体に対するアゴニストは、摂食障害または摂水障害の治療に有用であり、該ペプチドの活性を阻害する物質および該ペプチドの受容体に対するアンタゴニストは、肥満症の治療、あるいは肥満症の治療に伴う食事療法(ダイエット)を補助に有用である。
「配列表フリーテキスト」
配列番号1−発明者:中里雅光;山崎基生
配列番号3−配列番号1と2のアミノ酸配列のコンセンサス配列
配列番号6−配列番号4と5のアミノ酸配列のコンセンサス配列

Claims (6)

  1. 以下の(a)〜(e)から選ばれる少なくとも1つのペプチドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する摂食障害または摂水障害の治療剤。
    (a)配列番号1〜6のいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド
    (b)配列番号1〜6のいずれかのアミノ酸配列を含み、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド
    (c)配列番号1、2、4または5のアミノ酸配列において、1以上5以下のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド
    (d)配列番号1、2、4または5のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド、および
    (e)下記式(I)で表されるペプチドであって、摂食または摂水行動を促進する活性を有するペプチド。
    [化5]
    −A−R (I)

    (式中、Rは水素原子、置換もしくは非置換のアルカノイル、置換もしくは非置換のアロイル、置換もしくは非置換のヘテロアリールカルボニル、置換もしくは非置換のアルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル、または置換もしくは非置換のヘテロアリールオキシカルボニルを表し、Rはヒドロキシ、置換もしくは非置換のアルコキシ、または置換もしくは非置換のアミノを表し、Aは上記(a)〜(d)のいずれかのペプチドのペプチド残基を表す)
  2. 配列番号4のアミノ酸配列を含むペプチド(ただし、配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチドは除く)またはその薬理学的に許容される塩。
  3. 請求項1の(a)〜(e)または請求項2のいずれかに記載のペプチドまたはその塩および試験物質を視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に接触させた場合の細胞応答を測定し、該ペプチドまたはその塩を試験物質の非存在下で視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に接触させた場合の細胞応答と比較して、細胞応答が抑制される場合の試験物質を、該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を阻害する物質として選択することを特徴とする、該ペプチドの有する摂食もしくは摂水行動を促進する活性を阻害する物質のスクリーニング方法。
  4. 請求項1の(a)〜(e)または請求項2のいずれかに記載のペプチドまたはその塩および試験物質を視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に接触させた場合の細胞応答を測定し、該ペプチドまたはその塩を試験物質の非存在下で視床下部細胞、下垂体細胞または脳組織に接触させた場合の細胞応答と比較して、細胞応答が促進される場合の試験物質を、該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を促進する物質として選択することを特徴とする、該ペプチドの有する摂食または摂水行動を促進する活性を促進する物質のスクリーニング方法。
  5. 請求項1の(a)〜(e)または請求項2のいずれかに記載のペプチドまたはその塩および試験物質を視床下部細胞、下垂体細胞、または視床下部細胞もしくは下垂体細胞の膜画分に接触させた場合の該細胞もしくは該細胞の膜画分に対する該ペプチドまたはその塩の結合量を測定し、該ペプチドまたはその塩を試験物質の非存在下で該細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合の該ペプチドまたはその塩の結合量と比較して、結合量が低下する場合の試験物質を該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストとして選択することを特徴とする、該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法。
  6. 請求項1の(a)〜(e)または請求項2のいずれかに記載のペプチドまたはその塩および試験物質を脳組織または脳組織の膜画分に接触させた場合の脳組織または脳組織の膜画分に対する該ペプチドまたはその塩の結合量を測定し、該ペプチドまたはその塩を試験物質の非存在下で脳組織または脳組織の膜画分に接触させた場合の該ペプチドまたはその塩の結合量と比較して、結合量が低下する場合の試験物質を該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストとして選択することを特徴とする、該ペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法。
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