JPWO2007073006A1 - 細胞保護性を有するアミノ酸の増加誘導剤及び増加方法 - Google Patents
細胞保護性を有するアミノ酸の増加誘導剤及び増加方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2007073006A1 JPWO2007073006A1 JP2007551178A JP2007551178A JPWO2007073006A1 JP WO2007073006 A1 JPWO2007073006 A1 JP WO2007073006A1 JP 2007551178 A JP2007551178 A JP 2007551178A JP 2007551178 A JP2007551178 A JP 2007551178A JP WO2007073006 A1 JPWO2007073006 A1 JP WO2007073006A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon monoxide
- cytoprotective
- protoheme
- protoporphyrin
- methionine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K33/00—Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/13—Amines
- A61K31/135—Amines having aromatic rings, e.g. ketamine, nortriptyline
- A61K31/137—Arylalkylamines, e.g. amphetamine, epinephrine, salbutamol, ephedrine or methadone
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/185—Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
- A61K31/19—Carboxylic acids, e.g. valproic acid
- A61K31/195—Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group
- A61K31/197—Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group the amino and the carboxyl groups being attached to the same acyclic carbon chain, e.g. gamma-aminobutyric acid [GABA], beta-alanine, epsilon-aminocaproic acid or pantothenic acid
- A61K31/198—Alpha-amino acids, e.g. alanine or edetic acid [EDTA]
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/40—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil
- A61K31/409—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil having four such rings, e.g. porphine derivatives, bilirubin, biliverdine
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P1/00—Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
- A61P1/16—Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P39/00—General protective or antinoxious agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P39/00—General protective or antinoxious agents
- A61P39/06—Free radical scavengers or antioxidants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Gastroenterology & Hepatology (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Emergency Medicine (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
本発明は、一酸化炭素、又は、生体内の一酸化炭素を増加させるprotoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン若しくはドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する、生体内の細胞保護性アミノ酸(メチオニン及び/又はホモシステイン)の増加誘導剤、及び、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン、ドブタミン、メチオニン又はホモシステインからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する、細胞保護用又は細胞障害治療用の医薬組成物(キット)を提供する。
Description
本発明は、細胞保護性を有するアミノ酸、及びその生体内濃度の増加を誘導する物質に関する。
アミノ酸は細胞の生存に必須の分子であり、特に必須アミノ酸とその関連物質は哺乳類の生存に極めて重要な役割を果たしている。メチオニン(methionine)はそのような必須アミノ酸のひとつであり、これまで脂肪肝や肝硬変などでその量が減少し、外因性に補給すると細胞障害の抑制が認められることが報告されてきた。
Methionineは、S−adenosyl methionine(SAM)に代謝され、メチル基をDNA、蛋白質などに転移させた後S−adenosyl homocysteineとなり、さらにホモシステイン(homocysteine)に変換される。またこのhomocysteineは、システイン(cysteine)の原料としてtranssulfuration pathwayで代謝され、抗酸化物質であるグルタチオン(glutathione)の原料として使われる。したがって、
methionineやhomocysteineの補給は、上記の肝疾患にとどまらず、各種の酸化ストレス病態の改善薬としての利用可能性を考えることができる。
しかしながら、homocysteineは強力な還元力を有し、試験管内では酸素を還元してスーパーオキサイド(superoxide)を生成することが知られており、また臨床的にも血中濃度が高くなると心血管イベントが増加するいわゆるcoronary risk factorのひとつとして認知されている。このため、methionineやhomocysteineの補給により酸化ストレス病態を制御する試みはされていなかった。
Methionineは、S−adenosyl methionine(SAM)に代謝され、メチル基をDNA、蛋白質などに転移させた後S−adenosyl homocysteineとなり、さらにホモシステイン(homocysteine)に変換される。またこのhomocysteineは、システイン(cysteine)の原料としてtranssulfuration pathwayで代謝され、抗酸化物質であるグルタチオン(glutathione)の原料として使われる。したがって、
methionineやhomocysteineの補給は、上記の肝疾患にとどまらず、各種の酸化ストレス病態の改善薬としての利用可能性を考えることができる。
しかしながら、homocysteineは強力な還元力を有し、試験管内では酸素を還元してスーパーオキサイド(superoxide)を生成することが知られており、また臨床的にも血中濃度が高くなると心血管イベントが増加するいわゆるcoronary risk factorのひとつとして認知されている。このため、methionineやhomocysteineの補給により酸化ストレス病態を制御する試みはされていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、生体内におけるアミノ酸(methionine及びhomocysteine)の細胞保護剤としての新規用途、並びに生体内においてこれらのアミノ酸濃度を増加誘導させる方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。血液中や細胞内には、methionineやhomocysteineは本来豊富に存在しており、homocysteineは血液中ではジスルフィド(disulfide)を形成してホモシスチン(homocystine)として存在し、homocystineは細胞内に取り込まれて再びhomocysteineとして利用される。このため、本発明者は、その強力な還元作用が細胞保護作用をもたらす可能性を改めて検証すべきであるという着想に至った。その結果、本発明者は、
methionine及びhomocysteineの投与が、肝臓等の組織において酸化ストレス病態を軽減し、細胞保護作用を有することを見出した。
さらには、生体内でheme oxygenaseを介したヘムの分解により生じるガス分子である一酸化炭素(CO)に着目し、このCO処理により、細胞保護性アミノ酸の細胞内含量を生理的濃度の範囲で人為的かつ有効に増加させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤。
(2)生体内に、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与することを特徴とする、細胞保護性アミノ酸の増加誘導方法。
細胞保護性アミノ酸としては、例えばメチオニン及び/又はホモシステインが挙げられる。
本発明において、一酸化炭素の投与は、10ppm以上250ppm以下の濃度で吸入により行うことができ、一酸化炭素含有錯体やcytochrome P450で代謝されてCOを体内で生成するarylhydrocarbonなどの化合物の形態で投与することもできる。また、一酸化炭素を、赤血球、修飾ヘモグロビン及びリポソーム内包ヘモグロビンからなる群から選ばれる少なくとも1つに結合させて投与することが可能である。
protoheme IX又はprotoporphyrin IXの濃度は、例えば10〜100μmol/Lである。
本発明の方法において、ドーパミン及び/又はドブタミンを投与すると、細胞のcyclic AMPを増加させてheme oxygenase−1を誘導し、生体内の一酸化炭素を増加させることができる。
(3)一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物。
(4)メチオニン及び/又はホモシステインを含有することを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物。
(5)生体内に、(3)又は(4)に記載の医薬組成物を投与することを特徴とする細胞障害の治療方法。
(6)生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤の製造における、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つの使用。
(7)細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物の製造のためのメチオニン及び/又はホモシステインの使用。
(8)一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導用キット。
(9)一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン、ドブタミン、メチオニン及びホモシステインからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用キット。
本発明の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤、及び細胞保護性アミノ酸の増加誘導方法を用いることにより、例えばmethionine、homocysteineなどの細胞保護性アミノ酸の細胞内含有量を生理的濃度範囲で人為的かつ有効に増加させることができる。そして、methionineやhomocysteineなどのアミノ酸は細胞保護作用を有するため、これらのアミノ酸は、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物として有用である。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。血液中や細胞内には、methionineやhomocysteineは本来豊富に存在しており、homocysteineは血液中ではジスルフィド(disulfide)を形成してホモシスチン(homocystine)として存在し、homocystineは細胞内に取り込まれて再びhomocysteineとして利用される。このため、本発明者は、その強力な還元作用が細胞保護作用をもたらす可能性を改めて検証すべきであるという着想に至った。その結果、本発明者は、
methionine及びhomocysteineの投与が、肝臓等の組織において酸化ストレス病態を軽減し、細胞保護作用を有することを見出した。
さらには、生体内でheme oxygenaseを介したヘムの分解により生じるガス分子である一酸化炭素(CO)に着目し、このCO処理により、細胞保護性アミノ酸の細胞内含量を生理的濃度の範囲で人為的かつ有効に増加させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤。
(2)生体内に、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与することを特徴とする、細胞保護性アミノ酸の増加誘導方法。
細胞保護性アミノ酸としては、例えばメチオニン及び/又はホモシステインが挙げられる。
本発明において、一酸化炭素の投与は、10ppm以上250ppm以下の濃度で吸入により行うことができ、一酸化炭素含有錯体やcytochrome P450で代謝されてCOを体内で生成するarylhydrocarbonなどの化合物の形態で投与することもできる。また、一酸化炭素を、赤血球、修飾ヘモグロビン及びリポソーム内包ヘモグロビンからなる群から選ばれる少なくとも1つに結合させて投与することが可能である。
protoheme IX又はprotoporphyrin IXの濃度は、例えば10〜100μmol/Lである。
本発明の方法において、ドーパミン及び/又はドブタミンを投与すると、細胞のcyclic AMPを増加させてheme oxygenase−1を誘導し、生体内の一酸化炭素を増加させることができる。
(3)一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物。
(4)メチオニン及び/又はホモシステインを含有することを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物。
(5)生体内に、(3)又は(4)に記載の医薬組成物を投与することを特徴とする細胞障害の治療方法。
(6)生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤の製造における、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つの使用。
(7)細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物の製造のためのメチオニン及び/又はホモシステインの使用。
(8)一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導用キット。
(9)一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン、ドブタミン、メチオニン及びホモシステインからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用キット。
本発明の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤、及び細胞保護性アミノ酸の増加誘導方法を用いることにより、例えばmethionine、homocysteineなどの細胞保護性アミノ酸の細胞内含有量を生理的濃度範囲で人為的かつ有効に増加させることができる。そして、methionineやhomocysteineなどのアミノ酸は細胞保護作用を有するため、これらのアミノ酸は、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物として有用である。
図1は、acetaminophen(AAP)による急性肝障害モデルにおけるCOの生成とHO阻害剤ZnPPの効果を示す図である。CTZ(chlotrimazole)はcytochrome P450の阻害剤であり、AAPの代謝を抑制することが示されている。
図2は、AAP投与後2時間における血液中homocysteine増加のHO阻害剤Zincprotoporphyrin(ZnPP)による抑制を示す図である。CuPPはHOの阻害効果のないコントロール製剤である。
図3は、AAP肝障害におけるheme oxygenase阻害による細胞障害の増悪とhomocysteine(Hcy)の投与による抑制効果を示す図である。抑制効果は最小用量である60nmol/25g body weightで最も強く、用量を増加させてもさらなる抑制効果は認められなかった(*P<0.05 versus the values for AAP+ZnPP,実験数は各6匹)。
図4は、虚血再灌流障害(I/R3H)におけるGLDHの増加とL−methionineによる抑制を示す図である。Methionineに細胞保護作用があることが分かる。
図2は、AAP投与後2時間における血液中homocysteine増加のHO阻害剤Zincprotoporphyrin(ZnPP)による抑制を示す図である。CuPPはHOの阻害効果のないコントロール製剤である。
図3は、AAP肝障害におけるheme oxygenase阻害による細胞障害の増悪とhomocysteine(Hcy)の投与による抑制効果を示す図である。抑制効果は最小用量である60nmol/25g body weightで最も強く、用量を増加させてもさらなる抑制効果は認められなかった(*P<0.05 versus the values for AAP+ZnPP,実験数は各6匹)。
図4は、虚血再灌流障害(I/R3H)におけるGLDHの増加とL−methionineによる抑制を示す図である。Methionineに細胞保護作用があることが分かる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施し得る。
なお、本明細書において引用された全ての刊行物、例えば先行技術文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。また、本明細書は、本願優先権主張の基礎となる米国仮出願第60/753,387号の開示内容を包含する。
本発明は、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを用いて、生体内において細胞保護性アミノ酸を増加させることを特徴とするものである。これらの物質を生体に投与すると生体内のCO量が増加する。生体内で増加したCOは、血液中や細胞内のmethionine、homocysteineなどの細胞保護性アミノ酸の細胞内含有量を増加させる。このようにして増加した細胞保護性アミノ酸の細胞保護作用により、各種の酸化ストレス病態を軽減することができる。したがって、生体内で増加した細胞保護性アミノ酸を細胞保護剤として使用することにより、細胞障害又は細胞障害に起因する各種疾患を治療することが可能となる。
1. 細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤及び増加誘導方法
本発明の「生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤」は、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
生体内に投与され取り込まれた一酸化炭素(CO)は、ヘモグロビン(hemoglobin)に結合して末梢組織に運ばれる。また、生体内に投与され取り込まれたprotoheme IX又はprotoporphyrin IXは、heme oxygenase−1(HO−1)を介した分解により、一酸化炭素を発生する。さらに、ドーパミン(dopamine)及びドブタミン(dobutamine)は、カテコールアミンの一種であるが、これらのカテコールアミンは、生体に投与することにより細胞のcyclic AMPを増加させてHO−1を誘導する。そして、生体内でHO−1を介したヘムの分解により、一酸化炭素が発生する。
したがって、本発明の増加誘導剤を生体に投与することにより、一酸化炭素の濃度が上昇して細胞保護性アミノ酸、例えば、メチオニン及び/又はホモシステインの細胞内含有量を生理的濃度の範囲で人為的かつ有効に増加誘導させることができる。
また本発明では、細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤を製造するために、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することができる。
本発明の増加誘導剤を生体内に投与するためには、例えば以下の通り実施することができる。
(i)10ppm以上250ppm以下の濃度の一酸化炭素を含む雰囲気の吸入により行う。
(ii)一酸化炭素含有錯体やcytochrome P450で代謝されてCOを体内で生成するarylhydrocarbonなどの化合物を生体内に投与する。
(iii)赤血球、修飾ヘモグロビン及びリポソーム内包ヘモグロビンからなる群から選ばれる少なくとも1つに一酸化炭素を結合させて投与する。
(iv)protoheme IX又はprotoporphyrin IXを投与する。
(v)ドーパミン及び/又はドブタミンを投与する。
一酸化炭素の投与を、一酸化炭素を含む雰囲気の吸入により行う場合、その濃度は一酸化炭素中毒を引き起こさない濃度、例えば250ppm以下、好ましくは100ppm以下と低濃度にすることが好ましい。
「一酸化炭素含有錯体」としては、CORM−1、CORM−2([Ru(CO)3Cl2]2)(Ozawa N,Goda N,Makino N,Yamaguchi T,Yoshimura Y,Suematsu M(2002)Leydig cell−derived heme oxygenase−1 regulates apoptosis of premeiotic germ cells in response to stress.J Clin Invest 109:457−467.))、CORM−3、CORM−A1、CORM−F3などのCO releasing moleculeを挙げることができる。それぞれ中心金属は、マンガン(CORM−1)、ルテニウム(CORM−2、−3)、ホウ素(CORM−A1)及び鉄(CORM−F3)である。
錯体の形態では、使用し得る一酸化炭素濃度(又は錯体の量)は、1μM−1mM、好ましくは10μM−100μMである。
また、一酸化炭素を、赤血球、修飾ヘモグロビン、及びリポソーム内包ヘモグロビンからなる群から選ばれる少なくとも1つに結合させて投与する場合、生体内への投与は、例えば、一酸化炭素を結合させた赤血球等の「修飾型一酸化炭素」を血管内に投与すればよい。赤血球は、自己血、輸血用血液、非ヒト動物の血液を問わず、あらゆる赤血球源からのものを使用することができる。リポソーム内包ヘモグロビンの作製方法は公知である(H.Sakai et al.,J.Biochem.,131,611−617(2002);J.G.Riess,Chem.Rev.,101,2797−2919(2001))。
さらに、protoheme IX又はprotoporphyrin IXを生体内に投与する場合、投与ルートは、例えば経口投与、又は腹腔内若しくは筋肉内注射することにより行うことができる。投与量は特に限定されるものではないが、例えば1〜1000μmol/kg、好ましくは40〜100μmol/kgである。
2.医薬組成物
上記の通り、本発明の増加誘導剤を生体に投与すると、メチオニン、ホモシステインなどのアミノ酸の細胞内含有量が増加する。これらのアミノ酸は細胞保護作用を有するため、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物として有用である。また、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンのいずれも、細胞保護性アミノ酸の増加を誘導させることができるため、これらの物質も、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物として有用である。
したがって、本発明の医薬組成物は、メチオニン及び/又はホモシステインを含有する。あるいは、本発明の医薬組成物は、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有するものとすることもできる。メチオニン、ホモシステインを生体内に投与した場合はもちろん、前述のように一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン又はドブタミンを投与した場合でも、メチオニン、ホモシステインなどの細胞内含有量を増加させることができる。メチオニン及びホモシステインは、例えば、肝臓のストレス病態を軽減するなど、細胞保護作用を有する。このため、これらのアミノ酸は、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物として有用であり、生体内に、この組成物を投与することにより、細胞障害を治療することができる。
本発明の医薬組成物を投与する対象は、ヒトに限定されるものではなく、非ヒト哺乳動物を挙げることができる。非ヒト哺乳動物としては、例えばマウス、ラット、モルモット、ウシ、ネコ、ウサギ、ウマ、ヒツジ、サル、イヌなどが挙げられる。
本発明において保護の対象となる細胞は特に限定されず、細胞保護性アミノ酸により保護することのできる全ての細胞を挙げることができる。例えば、肝細胞、神経細胞、血管内皮細胞、血球細胞、肥満細胞などが挙げることができる。
ここで、「細胞障害」には、例えば、虚血再灌流により生じたもの、薬剤誘起性のもの、感染症により生じたものなどがある。また、細胞障害に起因する疾患としては、限定されるものではないが、例えば虚血性臓器障害、出血性ショック、敗血症などが挙げられ、これらの疾患を医薬組成物の使用の目的とすることができる。
本発明の医薬組成物の有効成分として使用される一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミン、並びにメチオニン及びホモシステインは、前記1項において記載した投与方法により投与することができる。これらの有効成分は、例えば、一酸化炭素についてはガスボンベとして発注・購入することにより入手することができる。
protoheme IX又はprotoporphyrin IX、一酸化炭素は、例えば、ガスボンベとして発注・購入することにより入手することができるが、市販品CORM(CO−releasing molecules)(シグマ社)を購入すること等もできる。
上記有効成分は、そのまま使用しても良いし、薬理学的に許容された担体と組み合わせて製剤化したものを使用することができる。
薬理学的に許容される担体としては、例えば通常医薬に使用される、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、潤滑剤、乳化剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤などを挙げることができる。
製剤としては、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤などの経口剤、坐剤、軟膏剤、点眼剤、パップ剤などの外用剤、又は注射剤を挙げることができる。
上記注射剤は、点滴、筋注、皮下注、静注などの方法で使用することができる。注射剤は、上記の薬理学的に許容される担体を適宜組み合わせて、リポソーム製剤として製剤化してもよい。
生体内への一酸化炭素(気体の一酸化炭素、一酸化炭素含有錯体、修飾型一酸化炭素)、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン、ドブタミンの投与量は、年齢、性別、症状、投与経路、投与回数、剤形によって異なる。
気体の一酸化炭素の場合は、成人(60kg)、好ましくは10〜250ppm、より好ましくは100ppmの濃度で30分〜3時間、好ましくは1〜2時間、吸入投与する。吸入は、一酸化炭素元(例えば、一酸化炭素ボンベ又は濃縮装置)に接続したマスク、鼻カテーテル、鼻カニューレを用いて行うことができる。一酸化炭素の飽和溶液(生理食塩水など)を血管内に投与することもできる。
また、一酸化炭素含有錯体、又は赤血球、修飾ヘモグロビン及びリポソーム内包ヘモグロビン等に結合した一酸化炭素(修飾型一酸化炭素)の場合は、成人1日当たりの投与量は、臨床医によって適宜選択される。protoheme IX又はprotoporphyrin IXの成人1日当たりの投与量は、1〜40micromole/kg、好ましくは5〜20micromole/kgである。
本発明では、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物を製造するためにメチオニン及び/又はホモシステインを使用する。
3.キット
本発明の細胞保護性アミノ酸の増加誘導用キットは、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むものである。また、本発明の細胞保護用又は細胞障害治療用キットには、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミン並びにからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする。
キットに含まれる一酸化炭素は、例えば気体の一酸化炭素、修飾型一酸化炭素、又は製剤化した一酸化炭素である。また、protoheme IX及びprotoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミン、メチオニン及びホモシステインも適宜製剤化できる。
本発明のキットは、一酸化炭素等の他に、吸入器、注射器、希釈用緩衝液、生理食塩水等を含めることができる。さらに、本発明のキットには、操作説明書などを含めることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書において引用された全ての刊行物、例えば先行技術文献、及び公開公報、特許公報その他の特許文献は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。また、本明細書は、本願優先権主張の基礎となる米国仮出願第60/753,387号の開示内容を包含する。
本発明は、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを用いて、生体内において細胞保護性アミノ酸を増加させることを特徴とするものである。これらの物質を生体に投与すると生体内のCO量が増加する。生体内で増加したCOは、血液中や細胞内のmethionine、homocysteineなどの細胞保護性アミノ酸の細胞内含有量を増加させる。このようにして増加した細胞保護性アミノ酸の細胞保護作用により、各種の酸化ストレス病態を軽減することができる。したがって、生体内で増加した細胞保護性アミノ酸を細胞保護剤として使用することにより、細胞障害又は細胞障害に起因する各種疾患を治療することが可能となる。
1. 細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤及び増加誘導方法
本発明の「生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤」は、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有する。
生体内に投与され取り込まれた一酸化炭素(CO)は、ヘモグロビン(hemoglobin)に結合して末梢組織に運ばれる。また、生体内に投与され取り込まれたprotoheme IX又はprotoporphyrin IXは、heme oxygenase−1(HO−1)を介した分解により、一酸化炭素を発生する。さらに、ドーパミン(dopamine)及びドブタミン(dobutamine)は、カテコールアミンの一種であるが、これらのカテコールアミンは、生体に投与することにより細胞のcyclic AMPを増加させてHO−1を誘導する。そして、生体内でHO−1を介したヘムの分解により、一酸化炭素が発生する。
したがって、本発明の増加誘導剤を生体に投与することにより、一酸化炭素の濃度が上昇して細胞保護性アミノ酸、例えば、メチオニン及び/又はホモシステインの細胞内含有量を生理的濃度の範囲で人為的かつ有効に増加誘導させることができる。
また本発明では、細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤を製造するために、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することができる。
本発明の増加誘導剤を生体内に投与するためには、例えば以下の通り実施することができる。
(i)10ppm以上250ppm以下の濃度の一酸化炭素を含む雰囲気の吸入により行う。
(ii)一酸化炭素含有錯体やcytochrome P450で代謝されてCOを体内で生成するarylhydrocarbonなどの化合物を生体内に投与する。
(iii)赤血球、修飾ヘモグロビン及びリポソーム内包ヘモグロビンからなる群から選ばれる少なくとも1つに一酸化炭素を結合させて投与する。
(iv)protoheme IX又はprotoporphyrin IXを投与する。
(v)ドーパミン及び/又はドブタミンを投与する。
一酸化炭素の投与を、一酸化炭素を含む雰囲気の吸入により行う場合、その濃度は一酸化炭素中毒を引き起こさない濃度、例えば250ppm以下、好ましくは100ppm以下と低濃度にすることが好ましい。
「一酸化炭素含有錯体」としては、CORM−1、CORM−2([Ru(CO)3Cl2]2)(Ozawa N,Goda N,Makino N,Yamaguchi T,Yoshimura Y,Suematsu M(2002)Leydig cell−derived heme oxygenase−1 regulates apoptosis of premeiotic germ cells in response to stress.J Clin Invest 109:457−467.))、CORM−3、CORM−A1、CORM−F3などのCO releasing moleculeを挙げることができる。それぞれ中心金属は、マンガン(CORM−1)、ルテニウム(CORM−2、−3)、ホウ素(CORM−A1)及び鉄(CORM−F3)である。
錯体の形態では、使用し得る一酸化炭素濃度(又は錯体の量)は、1μM−1mM、好ましくは10μM−100μMである。
また、一酸化炭素を、赤血球、修飾ヘモグロビン、及びリポソーム内包ヘモグロビンからなる群から選ばれる少なくとも1つに結合させて投与する場合、生体内への投与は、例えば、一酸化炭素を結合させた赤血球等の「修飾型一酸化炭素」を血管内に投与すればよい。赤血球は、自己血、輸血用血液、非ヒト動物の血液を問わず、あらゆる赤血球源からのものを使用することができる。リポソーム内包ヘモグロビンの作製方法は公知である(H.Sakai et al.,J.Biochem.,131,611−617(2002);J.G.Riess,Chem.Rev.,101,2797−2919(2001))。
さらに、protoheme IX又はprotoporphyrin IXを生体内に投与する場合、投与ルートは、例えば経口投与、又は腹腔内若しくは筋肉内注射することにより行うことができる。投与量は特に限定されるものではないが、例えば1〜1000μmol/kg、好ましくは40〜100μmol/kgである。
2.医薬組成物
上記の通り、本発明の増加誘導剤を生体に投与すると、メチオニン、ホモシステインなどのアミノ酸の細胞内含有量が増加する。これらのアミノ酸は細胞保護作用を有するため、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物として有用である。また、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンのいずれも、細胞保護性アミノ酸の増加を誘導させることができるため、これらの物質も、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物として有用である。
したがって、本発明の医薬組成物は、メチオニン及び/又はホモシステインを含有する。あるいは、本発明の医薬組成物は、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有するものとすることもできる。メチオニン、ホモシステインを生体内に投与した場合はもちろん、前述のように一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン又はドブタミンを投与した場合でも、メチオニン、ホモシステインなどの細胞内含有量を増加させることができる。メチオニン及びホモシステインは、例えば、肝臓のストレス病態を軽減するなど、細胞保護作用を有する。このため、これらのアミノ酸は、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物として有用であり、生体内に、この組成物を投与することにより、細胞障害を治療することができる。
本発明の医薬組成物を投与する対象は、ヒトに限定されるものではなく、非ヒト哺乳動物を挙げることができる。非ヒト哺乳動物としては、例えばマウス、ラット、モルモット、ウシ、ネコ、ウサギ、ウマ、ヒツジ、サル、イヌなどが挙げられる。
本発明において保護の対象となる細胞は特に限定されず、細胞保護性アミノ酸により保護することのできる全ての細胞を挙げることができる。例えば、肝細胞、神経細胞、血管内皮細胞、血球細胞、肥満細胞などが挙げることができる。
ここで、「細胞障害」には、例えば、虚血再灌流により生じたもの、薬剤誘起性のもの、感染症により生じたものなどがある。また、細胞障害に起因する疾患としては、限定されるものではないが、例えば虚血性臓器障害、出血性ショック、敗血症などが挙げられ、これらの疾患を医薬組成物の使用の目的とすることができる。
本発明の医薬組成物の有効成分として使用される一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミン、並びにメチオニン及びホモシステインは、前記1項において記載した投与方法により投与することができる。これらの有効成分は、例えば、一酸化炭素についてはガスボンベとして発注・購入することにより入手することができる。
protoheme IX又はprotoporphyrin IX、一酸化炭素は、例えば、ガスボンベとして発注・購入することにより入手することができるが、市販品CORM(CO−releasing molecules)(シグマ社)を購入すること等もできる。
上記有効成分は、そのまま使用しても良いし、薬理学的に許容された担体と組み合わせて製剤化したものを使用することができる。
薬理学的に許容される担体としては、例えば通常医薬に使用される、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、潤滑剤、乳化剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張剤、安定化剤、緩衝剤、抗酸化剤などを挙げることができる。
製剤としては、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤などの経口剤、坐剤、軟膏剤、点眼剤、パップ剤などの外用剤、又は注射剤を挙げることができる。
上記注射剤は、点滴、筋注、皮下注、静注などの方法で使用することができる。注射剤は、上記の薬理学的に許容される担体を適宜組み合わせて、リポソーム製剤として製剤化してもよい。
生体内への一酸化炭素(気体の一酸化炭素、一酸化炭素含有錯体、修飾型一酸化炭素)、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン、ドブタミンの投与量は、年齢、性別、症状、投与経路、投与回数、剤形によって異なる。
気体の一酸化炭素の場合は、成人(60kg)、好ましくは10〜250ppm、より好ましくは100ppmの濃度で30分〜3時間、好ましくは1〜2時間、吸入投与する。吸入は、一酸化炭素元(例えば、一酸化炭素ボンベ又は濃縮装置)に接続したマスク、鼻カテーテル、鼻カニューレを用いて行うことができる。一酸化炭素の飽和溶液(生理食塩水など)を血管内に投与することもできる。
また、一酸化炭素含有錯体、又は赤血球、修飾ヘモグロビン及びリポソーム内包ヘモグロビン等に結合した一酸化炭素(修飾型一酸化炭素)の場合は、成人1日当たりの投与量は、臨床医によって適宜選択される。protoheme IX又はprotoporphyrin IXの成人1日当たりの投与量は、1〜40micromole/kg、好ましくは5〜20micromole/kgである。
本発明では、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物を製造するためにメチオニン及び/又はホモシステインを使用する。
3.キット
本発明の細胞保護性アミノ酸の増加誘導用キットは、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むものである。また、本発明の細胞保護用又は細胞障害治療用キットには、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミン並びにからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする。
キットに含まれる一酸化炭素は、例えば気体の一酸化炭素、修飾型一酸化炭素、又は製剤化した一酸化炭素である。また、protoheme IX及びprotoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミン、メチオニン及びホモシステインも適宜製剤化できる。
本発明のキットは、一酸化炭素等の他に、吸入器、注射器、希釈用緩衝液、生理食塩水等を含めることができる。さらに、本発明のキットには、操作説明書などを含めることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
急性肝障害モデルにおけるmethionine,homocysteineの細胞保護作用の解析
<方法>
急性臓器障害時に外因性にmethionine,homocysteinを投与した際の細胞保護作用を、マウスの薬剤惹起性肝臓障害モデルおよびラットの虚血再灌流モデルを用いて検証した。
マウス薬剤惹起性肝臓障害はacetaminophen(AAP)を200mg/kg腹腔内注射を行って2時間後に犠牲死させた。一方、肝臓の虚血再灌流障害では尾状葉を残して、他の門脈血流を微小クランプで停止させ、1時間後にクランプを解除して6時間後に犠牲死させた。
いずれの群においても犠牲死に際して心臓採血を行い肝臓細胞障害の指標としてGlutamate dehydrogenase(GLDH)を計測するとともに、肝臓組織を短時間で切り落として液体窒素内に瞬時に落とし、既報の方法により液体クロマトグラフィー・タンデム型質量分析法(LC−MS/MS)によりmethionine及びhomocysteineなどの低分子代謝物の定量的分析を行った(Sugiura,Y.,Kashiba,M.,Hoshikawa,K.,Sasaki,R.,Saito,K.,Kimura,H.,Maruyama,K.,Goda,N.,Suematsu,M.Cadmium exposure alters metabolomics of sulfur−containing amino acids in rat testes.Antioxid.Redox Signaling 7(5−6),781−787,2005.;Tian,J.,Bryk,R.,Itoh,M.,Suematsu,M.,Nathan,C.Variant tricarboxylic acid cycle in Mycobacterium tuberculosis:Identification of α−ketoglutarate decarboxylase.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102,10670−10675,2005.)。
液体窒素で凍結した組織の一部は蛋白量の定量に用い、代謝物量は蛋白質量で標準化して比較検討した。またそれぞれのモデルにおいて、肝臓内CO量をガスクロマトグラフィーを用いて既報の方法により定量した(McLaughlin BE,Lash GE,Smith GN,Marks GS,Nakatsu K,Graham CH,Brien JF.Heme oxygenase expression in selected regions of term human placenta.Exp Biol Med(Maywood).2003 May;228(5):564−7.)。同様の実験を、肝臓の門脈本幹を1時間クランプして解除した後、再灌流を3時間行って肝臓障害を惹起するモデルにおいても検討した。
<結果>
図1に示すように、AAP肝障害モデルでは、組織内のCOが急速に増加することが明らかになった(図1A)。またこのCOの増加は、AAP投与2時間ではheme oxygenase−1(HO−1)の誘導が増加していないこと、6時間では増加することが示された(図1A中の上側のパネル)。COの増加は、HOの阻害剤であるZn protoporphyrin(ZnPP)により抑制されることから、COはHO由来の生成であることが判明した(図1B)。COが最も高くなる2時間で肝臓及び血液中の代謝物を測定したところ、肝臓内のmethionine及び血液中のhomocysteineの増加が確認された(表1)。
図2に示すように、Homocysteineの増加はCOの阻害剤であるZnPPにより完全に抑制された。このことから、COには血液中のhomocysteineを増加させる作用があることが明らかになった。同様に、肝臓内のmethionineの量もZnPPにより低下した。
以上の結果から、COにはhomocysteine及びmethionineを増加させる作用があることが明らかになった。
次に、これら2つのアミノ酸(homocysteine,methionine)に細胞保護効果があるかどうかを検証した。
図3に示すように、AAPモデルでは、HOの阻害をかけることによりGLDHの増加による明らかな細胞障害の増悪が惹起された。ここに外因性のhomocysteineを投与すると、顕著に細胞障害が軽減した。
また、図4に示すように、虚血再灌流障害モデル(I/R3H)では、GLDHが有意に増加するが、Methionineを40μmol/kgで腹腔内投与すると(I/R3H+L−met)、GLDHの増加が顕著に抑制されることが判明した。
<考察>
COの増加は、肝臓の細胞保護性アミノ酸(methionine,homocysteine)の増加を促すことが本発明により明らかになった。上記の実験モデルでは、Methionine及びhomocysteine自身に細胞保護作用があることが明らかになったため、他の肝障害モデルでの効果も期待できると考えられる。また、これらの細胞保護作用は、COの投与によっても再現できると考えられる。
COはhemoglobinに結合して末梢組織に運ばれるものである。そのため、COの投与の方法に関しては、(1)低濃度(10〜250ppm、特に100ppm程度)の吸入とすること、(2)赤血球、修飾ヘモグロビン及びliposome−encapsulated hemoglobin等に結合させて血管内投与すること、並びに(3)protoheme IX及びprotoporphyrin IX等を体内に投与すること(経口投与、又は腹腔内若しくは筋肉内注射:40〜100μmol/L)が好適であると考えられ、さらには、(4)dopamine及びdobutamine等の細胞のcyclic AMPを増加させてHO−1を誘導する能力のあるすべての薬剤等により代替投与が可能であると考えられる。
<方法>
急性臓器障害時に外因性にmethionine,homocysteinを投与した際の細胞保護作用を、マウスの薬剤惹起性肝臓障害モデルおよびラットの虚血再灌流モデルを用いて検証した。
マウス薬剤惹起性肝臓障害はacetaminophen(AAP)を200mg/kg腹腔内注射を行って2時間後に犠牲死させた。一方、肝臓の虚血再灌流障害では尾状葉を残して、他の門脈血流を微小クランプで停止させ、1時間後にクランプを解除して6時間後に犠牲死させた。
いずれの群においても犠牲死に際して心臓採血を行い肝臓細胞障害の指標としてGlutamate dehydrogenase(GLDH)を計測するとともに、肝臓組織を短時間で切り落として液体窒素内に瞬時に落とし、既報の方法により液体クロマトグラフィー・タンデム型質量分析法(LC−MS/MS)によりmethionine及びhomocysteineなどの低分子代謝物の定量的分析を行った(Sugiura,Y.,Kashiba,M.,Hoshikawa,K.,Sasaki,R.,Saito,K.,Kimura,H.,Maruyama,K.,Goda,N.,Suematsu,M.Cadmium exposure alters metabolomics of sulfur−containing amino acids in rat testes.Antioxid.Redox Signaling 7(5−6),781−787,2005.;Tian,J.,Bryk,R.,Itoh,M.,Suematsu,M.,Nathan,C.Variant tricarboxylic acid cycle in Mycobacterium tuberculosis:Identification of α−ketoglutarate decarboxylase.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102,10670−10675,2005.)。
液体窒素で凍結した組織の一部は蛋白量の定量に用い、代謝物量は蛋白質量で標準化して比較検討した。またそれぞれのモデルにおいて、肝臓内CO量をガスクロマトグラフィーを用いて既報の方法により定量した(McLaughlin BE,Lash GE,Smith GN,Marks GS,Nakatsu K,Graham CH,Brien JF.Heme oxygenase expression in selected regions of term human placenta.Exp Biol Med(Maywood).2003 May;228(5):564−7.)。同様の実験を、肝臓の門脈本幹を1時間クランプして解除した後、再灌流を3時間行って肝臓障害を惹起するモデルにおいても検討した。
<結果>
図1に示すように、AAP肝障害モデルでは、組織内のCOが急速に増加することが明らかになった(図1A)。またこのCOの増加は、AAP投与2時間ではheme oxygenase−1(HO−1)の誘導が増加していないこと、6時間では増加することが示された(図1A中の上側のパネル)。COの増加は、HOの阻害剤であるZn protoporphyrin(ZnPP)により抑制されることから、COはHO由来の生成であることが判明した(図1B)。COが最も高くなる2時間で肝臓及び血液中の代謝物を測定したところ、肝臓内のmethionine及び血液中のhomocysteineの増加が確認された(表1)。
以上の結果から、COにはhomocysteine及びmethionineを増加させる作用があることが明らかになった。
次に、これら2つのアミノ酸(homocysteine,methionine)に細胞保護効果があるかどうかを検証した。
図3に示すように、AAPモデルでは、HOの阻害をかけることによりGLDHの増加による明らかな細胞障害の増悪が惹起された。ここに外因性のhomocysteineを投与すると、顕著に細胞障害が軽減した。
また、図4に示すように、虚血再灌流障害モデル(I/R3H)では、GLDHが有意に増加するが、Methionineを40μmol/kgで腹腔内投与すると(I/R3H+L−met)、GLDHの増加が顕著に抑制されることが判明した。
<考察>
COの増加は、肝臓の細胞保護性アミノ酸(methionine,homocysteine)の増加を促すことが本発明により明らかになった。上記の実験モデルでは、Methionine及びhomocysteine自身に細胞保護作用があることが明らかになったため、他の肝障害モデルでの効果も期待できると考えられる。また、これらの細胞保護作用は、COの投与によっても再現できると考えられる。
COはhemoglobinに結合して末梢組織に運ばれるものである。そのため、COの投与の方法に関しては、(1)低濃度(10〜250ppm、特に100ppm程度)の吸入とすること、(2)赤血球、修飾ヘモグロビン及びliposome−encapsulated hemoglobin等に結合させて血管内投与すること、並びに(3)protoheme IX及びprotoporphyrin IX等を体内に投与すること(経口投与、又は腹腔内若しくは筋肉内注射:40〜100μmol/L)が好適であると考えられ、さらには、(4)dopamine及びdobutamine等の細胞のcyclic AMPを増加させてHO−1を誘導する能力のあるすべての薬剤等により代替投与が可能であると考えられる。
本発明の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤、細胞保護性アミノ酸の増加方法、及び細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物は、各種の酸化ストレス病態の改善薬及び改善方法としての利用可能性がある。
Claims (16)
- 一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤。
- 細胞保護性アミノ酸が、メチオニン及び/又はホモシステインである、請求項1に記載の増加誘導剤。
- 生体内に、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与することを特徴とする、細胞保護性アミノ酸の増加誘導方法。
- 一酸化炭素の投与は、10ppm以上250ppm以下のCOを含む雰囲気の吸入により行うものである、請求項3に記載の方法。
- 一酸化炭素の投与は、一酸化炭素含有錯体の形態で投与するものである、請求項3に記載の方法。
- 一酸化炭素の投与は、一酸化炭素を、赤血球、修飾ヘモグロビン及びリポソーム内包ヘモグロビンからなる群から選ばれる少なくとも1つに結合させて投与するものである、請求項3に記載の方法。
- protoheme IX又はprotoporphyrin IXの濃度が40〜100μmol/Lである、請求項3に記載の方法。
- ドーパミン及び/又はドブタミンの投与により、細胞のcyclic AMPを増加させてheme oxygenase−1を誘導し、生体内の一酸化炭素を増加させることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 細胞保護性アミノ酸が、メチオニン及び/又はホモシステインである、請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物。
- メチオニン及び/又はホモシステインを含有することを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物。
- 生体内に、請求項10又は11に記載の医薬組成物を投与することを特徴とする細胞障害の治療方法。
- 生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導剤を製造するための、一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つの使用。
- 細胞保護用又は細胞障害治療用医薬組成物を製造するためのメチオニン及び/又はホモシステインの使用。
- 一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン及びドブタミンからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、生体内の細胞保護性アミノ酸の増加誘導用キット。
- 一酸化炭素、protoheme IX、protoporphyrin IX、ドーパミン、ドブタミン、メチオニン及びホモシステインからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことを特徴とする、細胞保護用又は細胞障害治療用キット。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US75338705P | 2005-12-22 | 2005-12-22 | |
US60/753,387 | 2005-12-22 | ||
PCT/JP2006/326307 WO2007073006A1 (ja) | 2005-12-22 | 2006-12-22 | 細胞保護性を有するアミノ酸の増加誘導剤及び増加方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2007073006A1 true JPWO2007073006A1 (ja) | 2009-06-04 |
Family
ID=38188759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007551178A Pending JPWO2007073006A1 (ja) | 2005-12-22 | 2006-12-22 | 細胞保護性を有するアミノ酸の増加誘導剤及び増加方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPWO2007073006A1 (ja) |
WO (1) | WO2007073006A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012046470A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Japan Science & Technology Agency | Gapdhの酵素活性阻害剤 |
CN104313889B (zh) * | 2014-10-22 | 2016-01-20 | 武汉纺织大学 | 一种光敏抗菌织物的制备方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BR9408581A (pt) * | 1994-06-02 | 1997-08-26 | Dan Riga | Medicamento anti-tens o anti-incapacitação e anti-envelhecimento e processo para a sua produção |
JP3908513B2 (ja) * | 2001-11-19 | 2007-04-25 | 日本甜菜製糖株式会社 | 肝機能改善剤 |
WO2003045334A2 (en) * | 2001-11-29 | 2003-06-05 | Sound Pharmaceuticals Incorporated | Methods and compositions for ameliorating the undesirable effects of chemotherapy |
WO2003088981A1 (en) * | 2002-04-15 | 2003-10-30 | University Of Pittsburgh Of The Commonwealth System Of Higher Education | Methods of treating necrotizing enterocolitis |
EA200401525A1 (ru) * | 2002-05-17 | 2006-06-30 | Йейл Юниверсити | Способы лечения гепатита (варианты ) |
JP2004018418A (ja) * | 2002-06-13 | 2004-01-22 | Minofuaagen Seiyaku:Kk | 星細胞活性化抑制剤、及び、臓器線維症の予防又は治療剤 |
HRP20041204A2 (en) * | 2002-06-21 | 2005-06-30 | University Of Pittsburgh Of The Commonwealth Systebeth Israel Deaconess Medical Center | Pharmaceutical use of nitric oxide, heme oxygenase-1 and products of heme degradation |
JP5089025B2 (ja) * | 2004-04-30 | 2012-12-05 | 東海物産株式会社 | 抗酸化組成物 |
-
2006
- 2006-12-22 JP JP2007551178A patent/JPWO2007073006A1/ja active Pending
- 2006-12-22 WO PCT/JP2006/326307 patent/WO2007073006A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2007073006A1 (ja) | 2007-06-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5242877B2 (ja) | チオールをベースとする化学保護剤の投与 | |
Martinez-Finley et al. | Manganese neurotoxicity and the role of reactive oxygen species | |
Oates et al. | Heme in intestinal epithelial cell turnover, differentiation, detoxification, inflammation, carcinogenesis, absorption and motility | |
US12329780B2 (en) | Acute and chronic mitochondrial electron transport chain dysfunction treatments and graphenic materials for use thereof | |
CN1674942A (zh) | 氧化氮、血红素加氧酶-1和血红素降解产物的药学用途 | |
US20110065729A1 (en) | Methods and compositions for ameliorating the undesirable effects of chemotherapy | |
Center | Metabolic, antioxidant, nutraceutical, probiotic, and herbal therapies relating to the management of hepatobiliary disorders | |
Folino et al. | Balance of nitric oxide and reactive oxygen species in myocardial reperfusion injury and protection | |
CN1213742C (zh) | 炎症的药物控制 | |
Takhtfooladi et al. | Influence of tramadol on ischemia–reperfusion injury of rats' skeletal muscle | |
TW201609090A (zh) | 苯酞類化合物用以製備提升血紅蛋白釋放氧氣至人體內各器官及周邊組織能力之藥物的用途及其醫藥組合物 | |
JPWO2007073006A1 (ja) | 細胞保護性を有するアミノ酸の増加誘導剤及び増加方法 | |
ES2665305T3 (es) | Composiciones farmacéuticas y métodos terapéuticos que emplean una combinación de un compuesto complejo de manganeso y una forma compleja sin manganeso del compuesto | |
Breimer et al. | Could carbon monoxide and bilirubin be friends as well as foes of the body? | |
Li et al. | Effect of β-alanine on the athletic performance and blood amino acid metabolism of speed-racing Yili horses | |
Ala et al. | A critical review of therapeutic interventions in sickle cell disease: Progress and challenges | |
CN113905726B (zh) | 能够激活蛋白质Klotho产生的包含柠檬酸盐和肉碱的组合物 | |
AU2007284355A1 (en) | Thiol-based agents for reducing toxicities associated with medical procedures employing radiographic contrast agents | |
WO2008151520A1 (fr) | Utilisation de sélénosulfate de sodium pour complémenter le sélénium et améliorer l'efficacité de traitement d'agents de chimiothérapie, et son procédé de préparation rapide | |
Yesildağ et al. | Erdosteine modulates radiocontrast‐induced hepatotoxicity in rat | |
JP2012532928A (ja) | 低分子量薬理学的活性モジュレータ | |
US20250009692A1 (en) | Micronutrient composition to prevent and reverse protein glycation during oxidative stress in human | |
CN101053578A (zh) | 一种含白果内酯的银杏叶提取物注射液及其制备方法 | |
Suzuki et al. | Hydrosulphide–methaemoglobin–albumin cluster: a hydrogen sulphide donor | |
TOKUNAGA et al. | Hepatic Arterial Infusion Therapy with Cisplatin using Protein Binding Inhibition: Pharmacokinetics and Antineoplastic Effects of Cisplatin Combined with L-Cysteine in Rats |