JPWO2007064033A1 - 再帰反射物品 - Google Patents
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Abstract
Description
詳しくは、多数の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が形成されてなる多方向性再帰反射素子集合体(多方向性素子)からなる再帰反射物品であり、夜間における優れた再帰反射性能を示す。
さらに詳しくは、優れた広角性能を有した再帰反射物品であって、改善された入射角特性、観測角特性、および特に優れた回転角特性を有した再帰反射物品に関する。
このようなキューブコーナー型再帰反射シートおよび再帰反射物品、特に三角錐型キューブコーナー再帰反射シートおよび再帰反射物品の入射角特性または観測角特性の改良に関しては、古くから多くの提案が知られており、種々の改良検討がなされている。これらの技術の多くは、いずれも再帰反射素子の有する光学軸を傾斜することによって入射角特性を改善している。
例えば、ユンゲルセン(Jungersen)の米国特許第2,310,790号においては薄いシートの上に様々な形の再帰反射素子を設置述べられている。この米国特許に例示されている三角錐型反射素子は頂点を底面三角形の中心に位置した光学軸の傾斜のない底面形状が正三角形の三角錐型反射素子や、頂点の位置が底面三角形の中心に位置していない底面形状が二等辺三角形の三角錐型反射素子が例示されており、接近してくる自動車に対して効率的に光を反射させる(入射角特性の改善)ことが記載されている。
また、三角錐型反射素子の大きさとしては素子の深さとして1/10インチ(2,540μm)以内であることが記載されている。さらに、この米国特許のFig.15には、光学軸が、後述するようにプラス(+)となる方向に傾斜している三角錐型反射素子対が図示されており、その光学軸の傾斜角(θ)は、図示されている三角錐型反射素子の底面二等辺三角形の長辺と短辺の長さの比率から求めると、約6.5°であると推定される。
さらに、ホープマン(Hoopman)のヨーロッパ特許第137,736B1においては、薄いシート上に底面の三角形の形状が二等辺三角形である一対の傾斜三角錐型キューブコーナー再帰反射素子がお互いに180°回転した形でその底面が共通面上に最密充填状に並べられた再帰反射シートおよび再帰反射物品について述べられている。この特許に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子の光学軸の傾斜は、本明細書に記載するマイナス(−)方向に傾斜しており、その傾斜角は約7°〜13°であることが示されている。
さらにまた、スチェッチ(Szczech)の米国特許第5,138,488号においても、同様に薄いシート上に底面の三角形の形状が二等辺三角形である傾斜三角錐型キューブコーナー再帰反射素子をその底面が共通面上に最密充填状となるように並べられた再帰反射シートおよび再帰反射物品が開示されている。この米国特許においては、該三角錐型反射素子の光学軸は、お互いに向き合って対を成す二つの三角錐型反射素子が互いに共有する辺の方向、すなわち後述するプラス(+)方向に傾斜しており、その傾斜角は約2°〜5°であり、素子の大きさが25μm〜100μmであることが規定されている。
また、上記特許に対応するヨーロッパ特許第548,280B1においては、光学軸の傾きの方向が、対をなす二つの素子の共通の辺を含みかつ共通平面に垂直な面と素子の頂点との距離が、素子の光学軸が共通平面と交差する点と前記垂直な面との距離に等しくなく、その傾斜角は約2°〜5°であり素子の大きさが25μm〜100μmであることが記載されている。
上記の様に、Szczechのヨーロッパ特許第548,280B1おいては、光学軸の傾きがプラス(+)およびマイナス(−)の両方を含む約2〜5°の範囲となっている。しかし、Szczechの上記米国特許およびヨーロッパ特許の実施例には、光学軸の傾斜角度が(−)8.2°、(−)9.2°および(−)4.3°で、素子の高さ(h)が87.5μmの三角錐型反射素子しか開示されていない。
また、観測角特性の改善に関しても様々な提案がなされている。
アッペルドーン(Appeldorn)の米国特許第4,775,219号には,素子を形成するV字状溝が本発明を説明する図17に示されるような非対称形を呈し,キューブコーナーを形成する理論的なV字状溝の角度に対してわずかな偏差を有している。さらに,隣り合うV字状溝との非対称性を与える偏差を周期的に変化させることにより,観測角特性の改善を試みている。
しかしながら,隣り合うV字状溝の角度を周期的に変化させることは金型加工の困難性を増大させるものであった。たとえ、この困難性を克服できたとしても与えうる偏差の組み合わせは有限であり均一な反射光の広がりを与えることはできなかった。また,V字状溝を形成するダイアモンドバイトなどの加工工具を一つのV字状の溝方向に対しても数種類準備する必要があった。さらに,V字状溝を非対称に形成する場合にも高精度の加工技術を要した。
さらに、ウオルター(Walter)の米国特許第5,171,624号においては、曲線状の断面形状を有した加工工具を用いて,一定の2次曲面の断面形状を有した反射側面を形成した三角錐型再帰反射素子が開示されている。このような,2次曲面を有した反射側面を形成した三角錘型再帰反射素子においては適度の再帰反射光の発散が可能であり観測角特性の改善が得られる。
しかしながら,このような曲面状の断面形状を有した加工工具を意図した形状で作成することは非常に困難である。従って、工具の加工の困難性から意図した設計に基づく2次曲面を得ることは非常に困難であった。さらに,与えうる曲面形状は用いる加工工具の形状によってのみ決定され様々な形状の2次曲面を同一の再帰反射物品上に形成することは不可能であった。
ニルセン(Nilsen)の米国特許第5,565,151号においては、反射側面(A−B−H)の一部を切り取り,それにより形成した三角柱形状(A−A1−A2−B2−B1−B)の部分と新しい反射側面(A2−H1−B2)とにより再帰反射光の発散を促進して観測角特性の改善を試みている。
しかしながら,ニルセンの発明においてはどの様な形状の三角柱形状の設置が好ましいのか,あるいは,新しい反射側面はどのような角度で形成されるのが好ましいかの具体的な記載は少ない。また,反射側面の一部を切り取り三角柱形状の部分を形成するための特殊な工具を必要とする。さらに,新しく形成された三角柱形状の素子は再帰反射機能を有しておらず単に光をさまざまな方向に分散することにより再帰反射光の広がりを得ようとするものである。
しかしながら、上記の入射角特性、観測角特性を改善する技術においては回転角特性の改善は達成できなかった。
回転角特性の改善に関しても様々な提案が試みられているが、いずれの提案においても底部の形状が三角形である再帰反射素子の方位を、様々な領域に区切って組み合わせることにより回転角特性の改善を試みるものである。
例えば、ベネット(Bennett)等による米国特許第5,022,739号、米国特許第5,132,841号、米国特許第5,175,645号、また、ニールセン(Nilsen)等による米国特許第6,036,322号、さらに、ネステガード(Nestegard)等による米国特許第5,706,132号、米国特許第5,936,770号、スミス(Smith)による米国特許第5,898,523号などが例示できる。
しかしながら、いずれの特許技術においても素子の領域を区切る形状や三角錐型キューブコーナー素子の方位が異なっているものの基本的な技術は同じであると言える。
特に、優れた回転角特性を持つ再帰反射物品であって、併せて、優れた入射角特性と観測角特性を具備しているような再帰反射物品を提供することである。
具体的な用途としては、交通標識、工事標識、商業標識、車両ナンバープレートなどに用いることのできる再帰反射シートであって、優れた回転角特性を所有しているために自由な方位でシートを切断して標識に用いることが出来る再帰反射シートの供給することにある。
本発明は、断面が実質的にV字状の溝群により切り取られて形成されている三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が多数形成されてなる三角錐型キューブコーナー再帰反射物品において、5個または7個以上の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(以降、単位素子と呼ぶ)が、該単位素子の三角形状の底面を形成する2つの底辺(以降、共有底辺と呼ぶ)および該共有底辺が交差する頂部(以降、共有頂部と呼ぶ)を、隣接する再帰反射素子の共有底辺および共有頂部と共有するようにして形成されている多方向性再帰反射素子集合体(以降、多方向性素子と呼ぶ)を形成していることを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射物品に関する。
本発明における多方向性素子は、様々な方向に向けられた光学軸を有する三角錐型キューブコーナー素子の組み合わせにより形成されているために、該多方向性素子のどの方位から光が入射しても優れた再帰反射効率を示す。また、実用面においては本発明による再帰反射物品はどのような回転角(再帰反射物品または再帰反射シートの方向を意味する。)に設置しても優れた再帰反射効率を示す。
さらに、この様に多方向に単位素子が組み合わされた多方向性素子においては、優れた入射角特性も示す。特に、本発明に用いる単位素子は光学軸が傾けられた形状を持っているので入射角特性も改善されている。
本発明における多方向性素子は5個または7〜12個の単位素子より形成されていることが好ましい。4個以下では単位素子がキューブコーナー形状を形成できず、6個の組み合わせは従来技術の三角錐型キューブコーナー反射素子によって構成される反射素子群と同一である。
また、13個以上の単位素子が組み合わされた多方向性素子の組み合わせも存在するが、共有底辺と外周底辺との長さの比率が過大になる。従って、共有底辺を有する反射側面の面積と外周底辺を有する反射側面の面積の比率が大きくなりすぎるために再帰反射効率が低下するために好ましくない。
また、単位素子の数が奇数の組み合わせの場合には、多方向性素子と該多方向性素子を180度回転させた多方向性素子を組み合わせた再帰反射物品を形成することによって単位素子の数の2倍の数の単位素子の組み合せになりより一層回転角特性が均一化される。
さらに、単位素子の数が偶数の組み合わせの場合には金型形成が容易になって好ましい。
さらに、2種類以上の多方向性素子を組み合わせた再帰反射物品も可能である。この様な複数の多方向性素子を組み合わせることによってもより一層回転角特性の改善が可能である。
本発明における該単位素子を形成する二つの共有底辺の長さは等しいことが好ましい。この様な単位素子の底面形状は二等辺三角形であり、形成される多方向性素子の形状は正多角形形状の外周を持つ。この様な正多角形の外周を有する多方向性素子を組み合わせた再帰反射物品は、多方向性素子の充填密度が高まり再帰反射効率を改善することが出来る。
本発明における多方向性素子の形成方法としては、断面が実質的に対称形のV字状であって、該V字状の溝の二つの側面が交差して規定される底部の軌跡が直線、屈曲線、曲線およびこれらの線群の組み合わせからなる繰返し線群を形成することによって形成することが出来る。
本発明における実質的に対称形のV字状の溝は、V字状の溝を切り取って残された三角錐形状の3つの側面が互いに垂直になるようにV字状の溝の角度が決定できる。また、互いに垂直な側面にわずかに偏差を加えて観測角特性を改善することも可能である。その為にはV字状の溝の角度を垂直形成する角度からわずかに偏差を加えたり、非対称のV字状の溝を用いることも可能である。
V字状の溝は連続した溝として形成され、該V字状の溝の二つの側面が交差して規定される底部の軌跡は連続的に形成されている。この底部の軌跡は多方向性素子を形成するために直線または屈曲線を描いている。さらに、観測角特性を改善するために本来の直線の底辺に対してわずかな変形を加えるために屈曲線や曲線、あるいはこれらの線の組み合わせの軌跡を取ることも可能である。この直線からの隔たりは、例えば、5〜1000nm/μm程度の非直線性が好ましい。
さらに、該底部の軌跡を形成する線群は三角関数、逆三角関数、楕円関数、円関数およびこれらの関数の合成関数で定義される曲線群とする事により、観測角特性を改善することが出来る。
これらの曲線の直線からの隔たりは、例えば、5〜1000nm/μm程度の非直線性が好ましい。
本発明における屈曲線は実質的に直線の組み合わせとして形成されているが、屈曲部は曲率半径が2〜20μmの曲線であることが好ましい。屈曲部の半径が20μmを超えて過大になると単位素子の稜線を切り取り反射効率が低下するなどの不都合が生じやすい。また、半径が2μm未満の場合には切削ツールに過大の負荷がかかりツールの破損や磨耗などの不都合が生じやすく好ましくない。
本発明における多方向性素子が多数形成された再帰反射物品を形成するための直線、屈曲線、曲線およびこれらの線群の組み合わせからなる線群は、繰返しのパターンで等ピッチで多数形成される。
さらに、上記のV字状の溝の底部の軌跡を形成する繰返し線群は単位素子の三角形状の底面で規定される共通平面上にある。
また、再帰反射効率を改善する目的で繰返し線群の少なくとも一つの線群が該共通平面上にないように設置することも可能である。例えば、5角形状の多方向性素子における単位素子の外周底辺を形成する繰返し線群は共有底辺を形成する繰返し線群より浅くすることにより、単位素子の三つの反射側面の面積が等しくなるようにすることが出来る。
また、7角形以上の多方向性素子の場合には、単位素子の外周底辺を形成する繰返し線群は共有底辺を形成する繰返し線群より深くすることにより、単位素子の三つの反射側面の面積が等しくなるようにすることが出来る。
すなわち、前記繰返し線群の少なくとも一つの線群が該共通平面上になく、該線群によって規定される平面と該単位素子の頂点との距離により確定されるV字状の溝の深さが、該単位素子の頂点と共通平面との距離で規定される素子高さの±(5〜200)、更に好ましくは、±(5〜40)%とすることにより再帰反射効率を高めることが出来る。
また、該単位素子の三角形底面の3つの底辺において、最も短い底辺を形成するV字状の溝の深さをds、最も長い底辺を形成するV字状の溝の深さをdeとしたときに、
1.05≦(ds/de)≦3.00 (式1)
更に好ましくは、
1.05≦(ds/de)≦1.40 (式2)
であることが再帰反射効率を改善するために好ましい。
本発明における単位素子を形成する互いに垂直な三つの反射側面が互いになす三つのプリズム頂角の少なくとも一つのプリズム頂角は、垂直に対して0.0001〜0.01度の偏差を有しているプリズム側面を少なくとも1種類以上含んでなる単位素子から形成される多方向性素子であることが観測角特性を改善する上で好ましい。
さらに好ましくは、単位素子を形成する互いに垂直な三つの反射側面が互いになす三つのプリズム頂角の少なくとも一つのプリズム頂角が、垂直に対して0.0001〜0.01度の偏差を有しているプリズム側面を少なくとも3種類以上含んでなる単位素子から形成される多方向性素子であることが好ましい。
さらに単位素子の三つの再帰反射側面の少なくとも一つの反射側面が曲面を形成しており、該曲面と該単位素子が理論的なキューブコーナー素子を形成する仮想的平面からの最大の隔たりが、該曲面を形成する底部の長さの1/1000〜200/1000であることが観測角特性を改善する上で好ましい。
上記に説明した様々な方法による単位素子のプリズム頂角にわずかな偏差を与えることは、再帰反射光の広がりを増大して観測角特性を改善することが出来る。偏差の程度は改善を目的とする観測角によって適宜選択することが可能である。
また、単位素子が7個以上で形成されている多方向性素子の場合には、光学軸の傾斜が大きいために、多方向性素子の外周を形成する単位素子の底辺を形成するV字状の溝に平行であり、V字状の溝の角度が実質的に等しい一本以上のV字状の副溝により共有底辺を形成するV字状の溝が切り取られ、底面が少なくとも一つの四角形のキューブコーナー再帰反射素子と一つの三角錐型キューブコーナー再帰反射素子により単位射素子が形成されていることが再帰反射効率を改善する上で好ましい。
また、本発明による再帰反射物品をシート状の製品として用いる場合には、該単位素子の高さが25〜2000μmであることがシート製品の柔軟性が得られるために好ましい。25μm未満の場合には、素子が小さいために回折効果による再帰反射光の広がりが過大になるために好ましくなく、2000μmを超える場合には柔軟なシートを得られないために好ましくない。
本発明に再帰反射素子として用いることの出来る光学媒体は光の透過性に優れ、屈折率の高い素材であれば特に限定されるものではない。例えば、ガラス、透明性の樹脂などが好ましく用いることが出来る。透明性の樹脂としてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニール樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびこれら樹脂の共重合樹脂、変性樹脂、混合物などを用いることが出来る。樹脂製の再帰反射物品は柔軟性、軽量性、着色製などにおいて優れているので好ましい。
さらに、これらの透明樹脂には着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などを適宜添加することにより、優れた着色性、耐久性、耐侯性などの性質を与えることが出来る。これらの性能は他の樹脂層を再帰反射物品に積層するなどの方法で達成することもできる。
また、本発明における再帰反射物品においては内部全反射原理による反射を達成するために再帰反射素子の背面に空気層を設置して水や湿度などの浸入を防止する密封封入構造を採用することが出来る。
さらに、再帰反射素子の反射面にアルミニウムなどの光反射性の鏡面反射層を設置することも可能である。この様な鏡面反射層が設置された再帰反射物品は広い範囲の入射角に対して効率的に再帰反射するので好ましいが、鏡面反射層により物品の外観が暗くなるという欠点を有する。
かくして、本発明によれば広角特性、即ち入射角特性、観測角特性、回転角特性の改善された再帰反射物品が提供できる。
図2は、従来技術による三角錐型キューブコーナー素子群である。
図3は、本発明における多方向性素子を示す図である。
図4は、本発明における多方向性素子群を示す平面図である。
図5は、本発明における多方向性素子を示す図である。
図6は、本発明における多方向性素子を示す図である。
図7は、本発明における多方向性素子群を示す平面図である。
図8は、本発明における多方向性素子群を示す平面図である。
図9は、本発明における多方向性素子を示す図である。
図10は、本発明における多方向性素子群を示す平面図である。
図11は、本発明における多方向性素子を示す図である。
図12は、本発明における多方向性素子を示す図である。
図13は、本発明における多方向性素子を示す図である。
図14は、本発明における多方向性素子を形成する溝底部の軌跡示す図である。
図15は、本発明における多方向性素子を形成する溝底部の軌跡示す図である。
図16は、本発明における多方向性素子を形成する溝底部の軌跡示す図である。
図17は、本発明における反射素子を説明する立体図である。
図18は、本発明における反射素子を説明する立体図である。
図19は、本発明における反射素子を説明する立体図である。
図20は、本発明における反射素子を説明する立体図である。
図21は、本発明における反射素子を説明する立体図である。
図22は、本発明における反射素子を説明する立体図である。
図23は、本発明の実施例1の再帰反射物品の再帰反射係数のレーダーチャートである。
図24は、本発明の実施例2の再帰反射物品の再帰反射係数のレーダーチャートである。
図25は、本発明の実施例3の再帰反射物品の再帰反射係数のレーダーチャートである。
図26は、本発明の実施例4の再帰反射物品の再帰反射係数のレーダーチャートである。
図27は、本発明の比較例1の再帰反射物品の再帰反射係数のレーダーチャートである。
図28は、本発明の比較例2の再帰反射物品の再帰反射係数のレーダーチャートである。
図29は、本発明の実施例3の再帰反射物品の再帰反射係数のレーダーチャートである。
図1は従来技術による三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(A−B−CおよびA−B−C’)の平面図および断面図を示す。この三角錐型キューブコーナー再帰反射素子は左右対称形の二つの素子が一つの底辺(A−B)を共有するようにして対の形で最密充填状に形成されうる。
一般的に素子の持つ光学軸は入射角特性を改善する目的で傾斜しており素子対の二つの光学軸は互いに向きが反対方向で同じ角度だけ傾斜されている。しかしながら、光学軸の傾斜方向は共有底辺(A−B)に対して垂直な面に対してだけ傾斜されており、共有底辺(A−B)に平行な面に対しては傾斜されていないためにこの方位に対する入射角特性の改善は得られないという問題点がある。
一方、図2に示される素子群は対を成す三角錐型キューブコーナーの方向がたがいに直角となるように領域を区切って組み合わされている。この様な素子群の組み合わせは、方位角が0度と90度の性能が平均化されて回転角特性が改善されうるが、0度および90度以外の方位角においては依然として反射性能の変動を生じている。特に45度の方位角においては反射性能特に入射角特性の改善は不満足である。
この様な素子の態様は、ベネット(Bennett)等による米国特許第5,022,739号、米国特許第5,132,841号、米国特許第5,175,645号、また、ニールセン(Nilsen)等による米国特許第6,036,322号、さらに、ネステガード(Nestegard)等による米国特許第5,706,132号、米国特許第5,936,770号、スミス(Smith)による米国特許第5,898,523号などに例示されているが、いずれの態様においても回転角特性の改善は不十分である。
図3には本発明における5つの単位素子が二つの底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,およびA5−B)と一つの頂部(B)を共有するようにして形成されている多方向性素子の平面図および断面図が示されている。図3に示された矢印は素子の持つ光学軸の傾斜方向を示しており、その方向は5つの方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は11.333度であり外周底辺の方向に傾けられているために入射角特性も改善されている。
図4には図3に示された五角形の多方向性素子が多数配置された本発明による再帰反射物品の平面図が示されている。該多方向性素子の間には三角錐型の形状を持つ素子が形成されているがこの三角錐形状はキューブコーナー素子を形成していないために再帰反射には寄与しない。図4に示された多方向性の再帰反射物品を形成する素子群は、連続した屈曲線状の底部軌跡をもつV字状溝群により形成されている。
図5には本発明における7つの単位素子が二つの底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,A5−B,A6−BおよびA7−B)と一つの頂部(B)を共有するようにして形成されている多方向性素子の平面図および断面図が示されている。図5に示された単位素子の持つ光学軸は傾斜しており、その方向は7つの方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は6.476度であり共有頂部(B)の方向に傾けられているために入射角特性も改善されている。
図6には本発明における8つの単位素子が二つの底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,A5−B,A6−B,A7−BおよびA8−B)と一つの頂部(B)を共有するようにして形成されている多方向性素子の平面図および断面図が示されている。図6に示された矢印は素子の持つ光学軸の傾斜方向を示しており、その方向は8つの方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は10.790度であり共有頂部(B)の方向に傾けられているために入射角特性も改善されている。
図7には図6に示された八角形の多方向性素子が多数配置された本発明による再帰反射物品の平面図が示されている。該多方向性素子の間には三角錐型の形状を持つ素子が形成されているがこの三角錐形状はキューブコーナー素子を形成していないために再帰反射には寄与しない。図7に示された多方向性の再帰反射物品を形成する素子群は、連続した屈曲線状の底部軌跡をもつV字状溝群により形成されている。また、八角形の多方向性素子の間には小さな形状の八角形の多方向性素子が形成されており素子群の充填密度が高められており再帰反射効率が高められている。さらに、この小さな多方向性素子は大きな回折効果により観測角特性が改善されている。
図8には十角形の多方向性素子が多数配置された本発明による再帰反射物品の平面図が示されている。該多方向性素子の間には一つの頂部が切り取られた形の三角錐型の形状を持つ素子が形成されているがこの三角錐形状はキューブコーナー素子を形成していないために再帰反射には寄与しない。図8に示された多方向性の再帰反射物品を形成する素子群は、連続した屈曲線状の底部軌跡をもつV字状溝群により形成されている。
図9には本発明における5つの単位素子が二つの底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,およびA5−B)と一つの頂部(B)を共有するようにして形成されている多方向性素子であって、外周底辺が共有底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,およびA5−B)よりも浅く形成されて、外周底辺の一部が共有底辺によって切り取られているような多方向性素子の平面図および断面図が示されている。その為に、単位素子の三つの反射側面の面積が等しくなるように形成されており再帰反射効率が高められている。
図9に示された多方向性素子を形成する単位素子の持つ光学軸は5つの方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は11.333度であり外周底辺(A1−A2,A2−A3,A3−A4,およびA5−A1)の方向に傾けられているために入射角特性も改善されている。
図10には図9に示された浅溝タイプの五角形の多方向性素子が多数配置された本発明による再帰反射物品の平面図が示されている。該多方向性素子の間には三角錐型の形状を持つ素子が形成されているがこの三角錐形状はキューブコーナー素子を形成していないために再帰反射には寄与しない。図10に示された多方向性の再帰反射物品を形成する素子群は、連続した屈曲線状の底部軌跡をもつV字状溝群により形成されている。
図11には本発明における8つの単位素子が二つの底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,A5−B,A6−B,A7−BおよびA8−B)と一つの頂部(B)を共有するようにして形成されている多方向性素子であって、外周底辺(A1−A2,A2−A3,A4−A5,A5−A6,A6−A7,A7−A8,およびA8−A1)が共有底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,A5−B,A6−B,A7−BおよびA8−B)よりも深く形成されているような多方向性素子の平面図および断面図が示されている。その為に、単位素子の三つの反射側面の面積が等しくなるように形成されており再帰反射効率が高められている。
図11に示された多方向性素子を形成する単位素子の持つ光学軸は8つの方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は10.790度であり外周底辺(A1−A2,A2−A3,A4−A5,A5−A6,A6−A7,A7−A8,およびA8−A1)の方向に傾けられているために入射角特性も改善されている。
図12に示された多方向性素子を形成する単位素子の持つ光学軸は12の方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は19.720度であり外周底辺(A1−A2,A2−A3,A4−A5,A5−A6,A6−A7,A7−A8,A8−A9,A9−A10,A10−A11,A11−A12,A12−A1)の方向に傾けられているために入射角特性も改善されている。
図13には10個の単位素子が組み合わされた多方向性素子が示されている。この多方向性素子においては、外周底辺を形成するV字状の溝に平行であり、V字状の溝の角度が実質的に等しい一本のV字状の副溝により共有底辺を形成するV字状の溝が切り取られ、底面が四角形のキューブコーナー再帰反射素子と三角錐型キューブコーナー再帰反射素子により単位反射素子が形成されている。この様な副溝が形成された素子は再帰反射効率が高められているために特に好ましい。
図14、15、および16には本発明の再帰反射物品における多方向性素子の形成方法を説明する図が示されている。
図14は図4に示されている五角形状の多方向性素子を形成する断面がV字状の溝の底部の軌跡のみが示されている。これらの溝の軌跡は連続した屈曲線が繰返しのパターンで形成されている。
図15には図14に示されたV字状の溝の軌跡のうち、外周底辺を形成する溝の軌跡がL1,L2およびL3として示されている。これらの3種類の底部軌跡を持つV溝の角度はいずれも同じ角度を持っている。
また、図16には図14に示されたV字状の溝の軌跡のうち、共有底辺を形成する溝の軌跡がL4,L5およびL6として示されている。これらの3種類の底部軌跡を持つV溝の角度はいずれも同じ角度を持っている。
これらの六種類のV溝を形成することによって図4に示されるような五角形の形状を持った多方向性素子集合体が形成された再帰反射物品が形成される。
また、本発明における多方向性素子に観測角特性を付与するためには、プリズムの頂角にわずかな偏差を加えること出来る。図17には従来公知のプリズム頂角の偏差がないキューブコーナー素子の立体図が示されている。ここでプリズム頂角とは三つの反射側面(ABH,BCH,およびCAH)が互いになす角度の事をさし、再帰反射するためにはこれらの三つの反射側面が互いに垂直であることが必要である。プリズム頂角に偏差を与えると再帰反射光は入射光とは平行に戻らないために再帰反射光が広がりを持って戻るために観測角特性が改善される。
図18には頂角偏差を加える方法の一つであるV溝角度に偏差を加える方法の概念図が示されている。V溝角に偏差を加えるには切削工具の刃先角度をあらかじめ理論値に対して偏差を加えたり、切削工具を垂直に対してわずかに傾斜させて非対称の形状で切削するなどの方法を採用できる。
図19には頂角偏差を加える他の方法が示されている。この方法においては溝軌跡を理論的な位置である線分A−Bに対して傾斜させることにより偏差を加えることが出来る。
図20にも頂角偏差を加える他の方法が示されている。この方法においては溝軌跡を底辺群によって画定される面内、即ち基準面A−B−Cに対して深く切削することにより偏差を加えることが出来る。
図21には頂角偏差を加える方法として、溝の底部の軌跡を底辺群によって画定される面内、即ち基準面A−B−Cと同一平面上で複数回屈曲させることにより偏差を加える方法である。この方法において反射側面は多数の多面体として形成され、均一な観測角特性が達成されるので特に好ましい。
また、図22には頂角偏差を加える方法として、溝軌跡を曲線とすることにより偏差を加える方法である。この方法において反射側面は曲面として形成され、均一な観測角特性が達成されるので特に好ましい。
なお、図21及び図22に示された方法に基づき均一な観測角特性を得る方法は、底辺群によって画定される基準面A−B−C内で変化させる方法以外に、図19に示されるように深さを変えることによっても同様な効果が得られる。溝の深さを変える場合は基準面に対して深くても浅くてもよい。また、深さの変化は溝の軌跡を屈曲させても良いし連続的に曲線の軌跡で変化させても良い。
<再帰反射係数>
実施例をはじめ本明細書に記載の再帰反射係数は以下で述べる方法で測定されたものである。再帰反射係数測定器として、ガンマーサイエンティフィック社製「モデル920」を用い100mm角の再帰反射シートの再帰反射係数をASTM E810−91に規定される測定法に準じて、観測角(α)は0.2°、入射角(β)5°、30°、40°、および60°、回転角(ω)は0から345°まで15°おきの角度条件で、適宜の5個所について測定し、その平均値をもって再帰反射物品の再帰反射係数とした。
<再帰反射物品の形成方法>
以下の実施例及び比較例に説明される再帰反射素子は、市販の厚さ200μmで無着色のポリメチルメタアクリレートの樹脂板に、所定の角度を有するダイアモンドバイトを用いて直接切削加工を行って形成した。
<実施例1>
図3に示される素子において、多方向性素子を構成する5個の単位素子の形状はいずれも、共有底辺(A1−B、A2−B等)の長さが247.60μm、外周底辺(A1−A2等)の長さが291.07μmであり、素子の底面(A1−B−A2)から単位素子の頂点H1までの高さが100μmであるように形成されている。
このような素子を形成するためには各反射側面を形成するためのV字状の溝の角度は、反射側面A1−A2−H1を形成するV字状の溝の角度が93.195°であり、反射側面A1−B−H1および反射側面A2−B−H1を形成するV字状の溝の角度が58.139°である。
素子の底面三角形A1−A2−Bの内角は∠A1−B−A2が72.00°、∠B−A1−A2および∠B−A2−A1は54.00°であり、底辺A1−B、A2−BおよびA1−A2はいずれも同一平面上に位置している。回転方向の基準方向としては共有頂点Bを中心に点A1の方向を回転角0°とした。
5個の単位素子がそれぞれもつ光学軸は共有頂点Bと反対の方向、即ち外周底辺の方向に11.333°傾斜するように形成されており、いずれの光学軸もおのおの72°の方位角を形成して等しく配置されている。
<実施例2>
図6に示される素子において、多方向性素子を構成する8個の単位素子の形状はいずれも、共有底辺(A1−B、A2−B等)の長さが287.07μm、外周底辺(A1−A2等)の長さが219.75μmであり、素子の底面(A1−B−A2)から単位素子の頂点H1までの高さが100μmであるように形成されている。
このような素子を形成するためには各反射側面を形成するためのV字状の溝の角度は、反射側面A1−A2−H1を形成するV字状の溝の角度が48.949°であり、反射側面A1−B−H1および反射側面A2−B−H1を形成するV字状の溝の角度が80.117°である。
素子の底面三角形A1−A2−Bの内角は∠A1−B−A2が45.00°、∠B−A1−A2および∠B−A2−A1は67.5°であり、底辺A1−B、A2−BおよびA1−A2はいずれも同一平面上に位置している。回転方向の基準方向としては共有頂点Bを中心に頂点H1の方向を回転角0°とした。
8個の単位素子がそれぞれもつ光学軸は共有頂点Bの方向、即ち外周底辺と反対の方向に10.790°傾斜するように形成されており、いずれの光学軸もおのおの45°の方位角を形成して等しく配置されている。
<実施例3>
図9に示される素子において、多方向性素子を構成する5個の単位素子の形状はいずれも、共有底辺(A1−B、A2−B等)の長さが247.60μm、外周底辺(A1−A2等)の長さが291.07μmであり、素子の底面(A1−B−A2)から単位素子の頂点H1までの高さが100μmであるように形成されている。
このような素子を形成するためには各反射側面を形成するためのV字状の溝の角度は、反射側面A1−A2−H1を形成するV字状の溝の角度が93.195°であり、反射側面A1−B−H1および反射側面A2−B−H1を形成するV字状の溝の角度が58.139°である。ただし、反射側面A1−A2−H1は実施例1におけるV字状の溝に対して20μm浅く形成されている。
素子の底面三角形A1−A2−Bの内角は∠A1−B−A2が72.00°、∠B−A1−A2および∠B−A2−A1は54.00°であり、底辺A1−BおよびA2−Bは同一平面上に位置している。回転方向の基準方向としては共有頂点Bを中心に点A1の方向を回転角0°とした。
5個の単位素子がそれぞれもつ光学軸は共有頂点Bと反対の方向、即ち外周底辺の方向に11.333°傾斜するように形成されており、いずれの光学軸もおのおの72°の方位角を形成して等しく配置されている。
<実施例4>
図11に示される素子において、多方向性素子を構成する8個の単位素子の形状はいずれも、素子の外周を規定する三角形の辺の投影長さ(A1−B、A2−B等)が287.07μm、外周底辺(A1−A2等)の長さが219.75μmであり、素子の基準底面(C1−B−C2)から単位素子の頂点H1までの高さが100μmであるように形成されている。
このような素子を形成するためには各反射側面を形成するためのV字状の溝の角度は、反射側面A1−A2−H1を形成するV字状の溝の角度が48.949°であり、反射側面C1−B−H1および反射側面C2−B−H1を形成するV字状の溝の角度が80.117°である。
ただし、反射側面A1−A2−H1は実施例2におけるV字状の溝に対して40μm深く形成されている。即ち、単位素子の三角形底面の3つの底辺において、最も短い底辺A1−A2を形成するV字状の溝の深さをds、最も長い底辺を形成するV字状の溝(B−C1およびB−C2)の深さをdeとしたときに、ds/de=1.40である。
素子の外周を規定する投影三角形A1−A2−Bの内角は∠C1−B−C2が45.00°、∠B−A1−A2および∠B−A2−A1は67.5°であり、底辺C1−B、C2−Bはいずれも同一平面上に位置している。回転方向の基準方向としては共有頂点Bを中心に頂点H1の方向を回転角0°とした。
8個の単位素子がそれぞれもつ光学軸は共有頂点Bの方向、即ち外周底辺と反対の方向に10.790°傾斜するように形成されており、いずれの光学軸もおのおの45°の方位角を形成して等しく配置されている。
<実施例5>
図12に示される素子のように、12個の単位素子から形成される多方向性素子を形成した。構成する12個の単位素子の形状はいずれも、素子の外周を規定する三角形の辺の投影長さ(A1−B、A2−B等)が401.03μm、外周底辺(A1−A2等)の長さが207.59μmであり、素子の基準底面(C1−B−C2)から単位素子の頂点H1までの高さが100μmであるように形成されている。
このような素子を形成するためには各反射側面を形成するためのV字状の溝の角度は、反射側面A1−A2−H1を形成するV字状の溝の角度が31.085°であり、反射側面C1−B−H1および反射側面C2−B−H1を形成するV字状の溝の角度が85.883°である。
ただし、反射側面A1−A2−H1は実施例2におけるV字状の溝に対して200μm深く形成されている。即ち、単位素子の三角形底面の3つの底辺において、最も短い底辺A1−A2を形成するV字状の溝の深さをds、最も長い底辺を形成するV字状の溝(B−C1およびB−C2)の深さをdeとしたときに、ds/de=3.0である。
素子の外周を規定する投影三角形A1−A2−Bの内角は∠C1−B−C2が30.00°、∠B−A1−A2および∠B−A2−A1は75°であり、底辺C1−B、C2−Bはいずれも同一平面上に位置している。回転方向の基準方向としては共有頂点Bを中心に頂点H1の方向を回転角0°とした。
12個の単位素子がそれぞれもつ光学軸は共有頂点Bの方向、即ち外周底辺と反対の方向に19.72°傾斜するように形成されており、いずれの光学軸もおのおの30°の方位角を形成して等しく配置されている。
<実施例6>
実施例6においては、実施例2において作成した8個の単位素子からなる多方向性素子を形成するに当たって、V字状の溝を形成する際に、図22に示される方法によって溝の底部の軌跡を曲線状になるようにしてV字状の溝の切削加工を行なった。
曲線の形状としては実施例2における素子の底辺の直線軌跡を基準とした正弦曲線に近似した。正弦曲線の振幅は各辺(A1−B,A2−BおよびA1−A2など)の長さの0.005倍とした。従って、実施例2の辺A1−Bおよび辺A2−Bの長さは287.07μmであるので振幅は1.44μmであり、辺A1−A2の長さは219.75μmであるので振幅は1.10μmである。
さらに、正弦曲線の周期は辺の長さの4倍であるようにした。従って、実施例2の辺A1−Bおよび辺A2−Bの長さは287.07μmであるので周期は1148.27μmであり、辺A1−A2の長さは219.75μmであるので周期は878.98μmである。また、振動が極大値となる位置とゼロとなる位置を各辺の端部になるように調節した。
さらに、本発明の再帰反射物品と対比するための従来公知の技術に基づく比較例を説明する。
<比較例1>
図1に示されるような一つの底辺を共有して互いに向かい合う一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対を比較例における再帰反射物品とした。共有の底辺(A−B)の長さが291.07μm、他の二辺(A−CおよびB−C)の長さが247.60μmであり、素子の基準底面(A−B−C)から単位素子の頂点Hまでの高さが100μmであるように形成されている。
このような素子を形成するためには各反射側面を形成するためのV字状の溝の角度は、反射側面A−B−Hを形成するV字状の溝の角度が93.195°であり、反射側面A−C−Hおよび反射側面B−C−Hを形成するV字状の溝の角度が58.139°である。
素子の底面三角形A−B−Cの内角は∠A−C−Bが72.00°、∠B−A−Cおよび∠A−B−Cは54.00°であり、底辺A−B、C−BおよびB−Cはいずれも同一平面上に位置している。即ち、比較例1における再帰反射素子は実施例1において用いた単位素子と同じ形状を有している。回転方向の基準方向としては共有底辺A−Bの中点を中心として点Cの方向を回転角0°とした。
2個の反射素子がそれぞれもつ光学軸は共有底辺A−Bの方向に11.333°傾斜するように形成されており、2つの光学軸は互いに180°の方位をもって形成されている。このような三角錐型再帰反射素子対が細密充填状に形成されている再帰反射物品を比較例1とした。
<比較例2>
図1に示されるような一つの底辺を共有して互いに向かい合う一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対を比較例における再帰反射物品とした。共有の底辺(A−B)の長さが219.75μm、他の二辺(A−CおよびB−C)の長さが287.07μmであり、素子の基準底面(A−B−C)から単位素子の頂点Hまでの高さが100μmであるように形成されている。
このような素子を形成するためには各反射側面を形成するためのV字状の溝の角度は、反射側面A−B−Hを形成するV字状の溝の角度が48.949°であり、反射側面A−C−Hおよび反射側面B−C−Hを形成するV字状の溝の角度が80.117°である。
素子の底面三角形A−B−Cの内角は∠A−C−Bが45.00°、∠B−A−Cおよび∠A−B−Cは67.50°であり、底辺A−B、C−BおよびB−Cはいずれも同一平面上に位置している。即ち、比較例2における再帰反射素子は実施例2において用いた単位素子と同じ形状を有している。回転方向の基準方向としては共有底辺A−Bの中点を中心として点Cの方向を回転角0°とした。
2個の反射素子がそれぞれもつ光学軸は共有底辺A−Bと反対の方向に10.79°傾斜するように形成されており、2つの光学軸は互いに180°の方位をもって形成されている。このような三角錐型再帰反射素子対が細密充填状に形成されている再帰反射物品を比較例2とした。
<比較例3>
図1に示されるような一つの底辺を共有して互いに向かい合う一対の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子対を比較例における再帰反射物品とした。共有の底辺(A−B)の長さが274.65μm、他の二辺(A−CおよびB−C)の長さが242.91μmであり、素子の基準底面(A−B−C)から単位素子の頂点Hまでの高さが100μmであるように形成されている。
このような素子を形成するためには各反射側面を形成するためのV字状の溝の角度は、反射側面A−B−Hを形成するV字状の溝の角度が86.529°であり、反射側面A−C−Hおよび反射側面B−C−Hを形成するV字状の溝の角度が61.983°である。
素子の底面三角形A−B−Cの内角は∠A−C−Bが68.851°、∠B−A−Cおよび∠A−B−Cは55.575°であり、底辺A−B、C−BおよびB−Cはいずれも同一平面上に位置している。即ち、比較例1における再帰反射素子は実施例1において用いた単位素子と同じ形状を有している。回転方向の基準方向としては共有底辺A−Bの中点を中心として点Cの方向を回転角0°とした。
2個の反射素子がそれぞれもつ光学軸は共有底辺A−Bの方向に8.00°傾斜するように形成されており、2つの光学軸は互いに180°の方位をもって形成されている。
比較例3においては、上記の光学軸の傾きが8°であるような素子対を図2に示されているような、素子の回転方向が0°と90°であるような二つのゾーンに組み合わせた再帰反射物品を形成し比較例3とした。
実施例1〜4および比較例1〜3による再帰反射物品を、再帰反射係数測定器として、ガンマーサイエンティフィック社製「モデル920」を用い100mm角の再帰反射シートの再帰反射係数をASTM E810−91に規定される測定法に準じて、観測角(α)は0.2°、入射角(β)5°、30°、40°、および60°、回転角(ω)は0から345°まで15°おきの角度条件で、適宜の5個所について測定し、その平均値をもって再帰反射物品の再帰反射係数とし、図22〜28にレーダーチャートとして示した。
図22〜28におけるレーダーチャートにおいては入射角(β)5°、30°、40°、および60°における再帰反射係数を、対数軸としてレーダーチャートの時計回りの軸として、素子の回転角を15°おきに0〜345°変化させてプロットを行なった。
従来公知の技術に基づく比較例1〜3においては、入射角の増大に伴い再帰反射係数の回転角依存性が顕著である。かかる、回転角依存性は交通標識などにおいて異なる方位から再帰反射物品を観察する場合にははなはだ不具合であった。
比較例1においては、特に回転角0°と90°の再帰反射性能の違いが顕著であり、回転角0°と回転角90°での、入射角60°における再帰反射係数とは80倍以上、入射角40°においても1.5倍以上の反射性能の違いがあることが図26に示されている。
比較例2においても依然としてこの傾向は同じであり回転角依存性が顕著であることが図27に示されている。比較例1と異なって比較例2における再帰反射物品においては回転角が30〜45°、135〜150°、210〜225°および315〜330°に増大した再帰反射性能を示している。
比較例3における素子の設計は、方位角が0°と90°に振り分けられているために、0°と90°の再帰反射性能は等しく出来るが、依然として45°での再帰反射性能の低下は顕著であり、このような再帰反射物品は交通標識として好ましいものではない。
実施例1および実施例2における再帰反射物品の回転角依存性は図22および図23に示されるように、明らかに比較例1〜3に示される従来公知の再帰反射物品に比較して、あらゆる入射角においても回転角の依存性は小さい。
また、実施例3および実施例4における再帰反射物品の回転角依存性は図24および図25に示されるように、明らかに比較例1〜3に示される従来公知の再帰反射物品に比較して、あらゆる入射角においても回転角の依存性は小さい。同様の効果は実施例5における再帰反射物品においても確認することが出来た。
さらに、実施例3においては反射側面A1−A2−H1は実施例1におけるV字状の溝に対して20μm浅く形成されており、また、実施例4においては反射側面A1−A2−H1は実施例2におけるV字状の溝に対して40μm深く形成されているために、再帰反射効率が高められて改善された再帰反射係数を有している。
さらにまた、実施例5においては反射側面A1−A2−H1は200μm深く形成されているために、再帰反射効率が高められて改善された再帰反射係数を有している。
実施例2および6による再帰反射物品の観測角特性を、入射角が5°で観測角が0.2°、0.33°および1.0°において比較したところ、いずれの回転角においても実施例6の再帰反射物品のほうが実施例2の再帰反射物品に対して以下の表1に示されるような優れた観察角特性を示した。
即ち、実施例2における再帰反射物品の正面方向、即ち、観測角0.2°における再帰反射の光束が、曲線状の溝の形成により大きな観測角の方向に広げられていることが確認できた。
りツールの破損や磨耗などの不都合が生じやすく好ましくない。
本発明における多方向性素子が多数形成された再帰反射物品を形成するための直線、屈曲線、曲線およびこれらの線群の組み合わせからなる線群は、繰返しのパターンで等ピッチで多数形成される。
さらに、上記のV字状の溝の底部の軌跡を形成する繰返し線群は単位素子の三角形状の底面で規定される共通平面上にある。
また、再帰反射効率を改善する目的で繰返し線群の少なくとも一つの線群が該共通平面上にないように設置することも可能である。例えば、5角形状の多方向性素子における単位素子の外周底辺を形成する繰返し線群は共有底辺を形成する繰返し線群より浅くすることにより、単位素子の三つの反射側面の面積が等しくなるようにすることが出来る。
また、7角形以上の多方向性素子の場合には、単位素子の外周底辺を形成する繰返し線群は共有底辺を形成する繰返し線群より深くすることにより、単位素子の三つの反射側面の面積が等しくなるようにすることが出来る。
すなわち、前記繰返し線群の少なくとも一つの線群が該共通平面上になく、該線群によって規定される平面と該単位素子の頂点との距離により確定されるV字状の溝の深さが、該単位素子の頂点と共通平面との距離で規定される素子高さの±(5〜200)、更に好ましくは、±(5〜40)%とすることにより再帰反射効率を高めることが出来る。
また、該単位素子の三角形底面の3つの底辺において、最も短い底辺を形成するV字状の溝の深さをds、最も長い底辺を形成するV字状の溝の深さをdeとしたときに、
1.05≦(ds/de)≦3.00 (式1)
更に好ましくは、
1.05≦(ds/de)≦1.40 (式2)
であることが再帰反射効率を改善するために好ましい。
本発明における単位素子を形成する互いに垂直な三つの反射側面が互いになす三つのプリズム頂角の少なくとも一つのプリズム頂角は、垂直に対して0.0001〜0.01度の偏差を有しているプリズム側面を有する単位素子を、少なくとも1種類以上含
んで形成される多方向性素子であることが観測角特性を改善する上で好ましい。
さらに好ましくは、単位素子を形成する互いに垂直な三つの反射側面が互いになす三つのプリズム頂角の少なくとも一つのプリズム頂角が、垂直に対して0.0001〜0.01度の偏差を有しているプリズム側面を有する単位素子を、少なくとも3種類以上含んで形成される多方向性素子であることが好ましい。
さらに単位素子の三つの再帰反射側面の少なくとも一つの反射側面が曲面を形成しており、該曲面と該単位素子が理論的なキューブコーナー素子を形成する仮想的平面からの最大の隔たりが、該曲面を形成する底部の長さの1/1000〜200/1000であることが観測角特性を改善する上で好ましい。
上記に説明した様々な方法による単位素子のプリズム頂角にわずかな偏差を与えることは、再帰反射光の広がりを増大して観測角特性を改善することが出来る。偏差の程度は改善を目的とする観測角によって適宜選択することが可能である。
また、単位素子が7個以上で形成されている多方向性素子の場合には、光学軸の傾斜が大きいために、多方向性素子の外周を形成する単位素子の底辺を形成するV字状の溝に平行であり、V字状の溝の角度が実質的に等しい一本以上のV字状の副溝により共有底辺を形成するV字状の溝が切り取られ、底面が少なくとも一つの四角形のキューブコーナー再帰反射素子と一つの三角錐型キューブコーナー再帰反射素子により単位射素子が形成されていることが再帰反射効率を改善する上で好ましい。
また、本発明による再帰反射物品をシート状の製品として用いる場合には、該単位素子の高さが25〜2000μmであることがシート製品の柔軟性が得られるために好ましい。25μm未満の場合には、素子が小さいために回折効果による再帰反射光の広がりが過大になるために好ましくなく、2000μmを超える場合には柔軟なシートを得られないために好ましくない。
本発明に再帰反射素子として用いることの出来る光学媒体は光の透過性に優れ、屈折率の高い素材であれば特に限定されるものではない。例えば、ガラス、透明性の樹脂などが好ましく用いることが出来る。透明性の樹脂としてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニール樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、およびこれら樹脂の共重合樹脂、変性樹脂、混合物などを用いることが出
およびA5−B)と一つの頂部(B)を共有するようにして形成されている多方向性素子であって、外周底辺が共有底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,およびA5−B)よりも浅く形成されて、外周底辺の一部が共有底辺によって切り取られているような多方向性素子の平面図および断面図が示されている。その為に、単位素子の三つの反射側面の面積が等しくなるように形成されており再帰反射効率が高められている。
図9に示された多方向性素子を形成する単位素子の持つ光学軸は5つの方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は11.333度であり外周底辺(A1−A2,A2−A3,A3−A4,およびA5−A1)の方向に傾けられているために入射角特性も改善されている。
図10には図9に示された浅溝タイプの五角形の多方向性素子が多数配置された本発明による再帰反射物品の平面図が示されている。該多方向性素子の間には三角錐型の形状を持つ素子が形成されているがこの三角錐形状はキューブコーナー素子を形成していないために再帰反射には寄与しない。図10に示された多方向性の再帰反射物品を形成する素子群は、連続した屈曲線状の底部軌跡をもつV字状溝群により形成されている。
図11には本発明における8つの単位素子が二つの底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,A5−B,A6−B,A7−BおよびA8−B)と一つの頂部(B)を共有するようにして形成されている多方向性素子であって、外周底辺(A1−A2,A2−A3,A4−A5,A5−A6,A6−A7,A7−A8,およびA8−A1)が共有底辺(A1−B,A2−B,A3−B,A4−B,A5−B,A6−B,A7−BおよびA8−B)よりも深く形成されているような多方向性素子の平面図および断面図が示されている。その為に、単位素子の三つの反射側面の面積が等しくなるように形成されており再帰反射効率が高められている。
図11に示された多方向性素子を形成する単位素子の持つ光学軸は8つの方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は10.790度であり共有頂部(B)の方向に傾けられているために入射角特性も改善されている。
図12に示された多方向性素子を形成する単位素子の持つ光学軸は12の方向に均一に分散されているために優れた回転角特性を得ることができる。また、該光学軸の傾斜角は19.720度であり外周底辺(A1−A2,A2−A3,A4−A5,A5−A6,A6−A7,
Claims (15)
- 断面が実質的にV字状の溝群により切り取られて形成されている三角錐型キューブコーナー再帰反射素子が多数形成されてなる三角錐型キューブコーナー再帰反射物品において、5個または7個以上の三角錐型キューブコーナー再帰反射素子(以降、単位素子と呼ぶ)が、該単位素子の三角形状の底面を形成する2つの底辺(以降、共有底辺と呼ぶ)および該共有底辺が交差する頂部(以降、共有頂部と呼ぶ)を、隣接する再帰反射素子の共有底辺および共有頂部と共有するようにして形成されている多方向性再帰反射素子集合体(以降、多方向性素子と呼ぶ)を形成していることを特徴とする三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該多方向性素子が5個または7〜12個の単位素子より形成されていことを特徴とする請求項1に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該単位素子を形成する二つの共有底辺の長さが等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該多方向性素子が、断面が実質的に対称形のV字状であって、該V字状の溝の二つの側面が交差して規定される底部の軌跡が直線、屈曲線、曲線およびこれらの線群の組み合わせからなる繰返し線群であることを特徴とする請求項1〜3に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該底部の軌跡を形成する繰返し線群が該単位素子の三角形状の底面で規定される共通平面上にあることを特徴とする請求項1〜4に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該繰返し線群の少なくとも一つの線群が該共通平面上にないことを特徴とする請求項1〜4に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該繰返し線群の少なくとも一つの線群が該共通平面上になく、該線群によって規定される平面と該単位素子の頂点との距離により確定されるV字状の溝の深さが、該単位素子の頂点と共通平面との距離で規定される素子高さの±(5〜200)%であることを特徴とする請求項1〜4または6に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 屈曲線状の底部軌跡の屈曲部分の曲率半径が2〜50μmであることを特徴とする請求項1〜7に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該底部の軌跡を形成する線群が三角関数、逆三角関数、楕円関数、円関数およびこれらの関数の合成関数で定義される曲線群であることを特徴とする請求項1〜7に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該単位素子の三角形底面の3つの底辺において、最も短い底辺を形成するV字状の溝の深さをds、最も長い底辺を形成するV字状の溝の深さをdeとしたときに、
1.05≦(ds/de)≦3.00 (式1)
であることを特徴とする請求項1から4または6から9に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。 - 該単位素子を形成する互いに垂直な三つの反射側面が互いになす三つのプリズム頂角の少なくとも一つのプリズム頂角が、垂直に対して0.0001〜0.01度の偏差を有しているプリズム側面を少なくとも1種類以上含んでなる単位素子から形成される多方向性素子であることを特徴とする請求項1〜10に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該単位素子を形成する互いに垂直な三つの反射側面が互いになす三つのプリズム頂角の少なくとも一つのプリズム頂角が、垂直に対して0.0001〜0.01度の偏差を有しているプリズム側面を少なくとも3種類以上含んでなる単位素子から形成される多方向性素子であることを特徴とする請求項11に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該単位素子の三つの再帰反射側面の少なくとも一つの反射側面が曲面を形成しており、該曲面と該単位素子が理論的なキューブコーナー素子を形成する仮想的平面からの最大の隔たりが、該曲面を形成する底部の長さの1/1000〜200/1000であることを特徴とする請求項1〜12に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該多方向性素子の外周を形成する単位素子の底辺(以降、外周底辺と呼ぶ)を形成するV字状の溝に平行であり、V字状の溝の角度が実質的に等しい一本以上のV字状の副溝により共有底辺を形成するV字状の溝が切り取られ、底面が少なくとも一つの四角形のキューブコーナー再帰反射素子と一つの三角錐型キューブコーナー再帰反射素子により単位反射素子が形成されていることを特徴とする請求項1〜13に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
- 該単位素子の高さが25〜2000μmであることを特徴とする請求項1〜14に記載の三角錐型キューブコーナー再帰反射物品。
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