JPWO2007037158A1 - カプセル型薬物放出装置及びカプセル型薬物放出装置システム - Google Patents

カプセル型薬物放出装置及びカプセル型薬物放出装置システム Download PDF

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Abstract

カプセル型の薬物放出装置(100)は、カプセル形状の筐体(102)と、この筐体(102)の表面に配置されるカチオン交換膜(128A)と、筐体(102)の内部であって、且つ、カチオン交換膜(128A)の内側に配置される薬液保持部(130A)と、更に内側に配置されるアニオン交換膜(126A)と、更に内側に配置される電解液保持部(132A)と、更に内側に配置される電極(112A)と、電極(122A)と接続された電源(112)と、電源(122)から前記電極(122A)への通電/非通電を制御可能な制御部(162)と、制御部(162)が生体外部からの信号を受け取る送受信部(160)とを少なくとも有するように構成されている。

Description

本発明は、胃や腸等の体腔内の目的部位において、薬物を放出させるカプセル型薬物放出装置に関する。
従来より、カプセル内に薬物を封入し、このカプセルを飲み込むことによって胃や腸等の体腔内の目的部位において薬物を放出させることが行なわれている。例えば、特開2005−102851号公報記載の投薬用カプセルや、特開2003−325438号公報記載のカプセル型医療装置が知られている。
特開2005−102851号公報記載の投薬用カプセルを図8に示す。投薬用カプセル1には、薬物2を保持するリザーバ5が設けられ、該リザーバ5内にヒータ4が設けられている。又、カプセル状の筐体の一部には、薬物口3が複数設けられており、この薬物口3には薬物2が漏れ出ないように薄い膜が形成されている。この投薬用カプセル1を飲み込んだ後、投薬用カプセル1が所望の位置に達した時点において、外部(体外)から発信する信号によって、ヒータ4を加熱させる。このヒータ4の加熱によって、リザーバ5内に備わる薬物2が熱膨張、更には沸騰し、この圧力によって薬物口3に備わる薄い膜を突き破る。これにより体腔内の所望の位置に、薬物2を放出させることが可能となっている。
一方、特開2003−325438号公報に記載されるカプセル型医療装置11を図9に示す。
カプセル型医療装置11には、薬物12が備わる収容室15が設けられ、該収容室15から外部へとつながる開口13が設けられている。この開口13は、移動体14によりその通路を妨げられている。この移動体14は永久磁石17を有して構成されている。更に、この移動体14にはねじ部が設けられている。又、この移動体14の一部には、孔16が設けられている。なお、図9における右側半分は、体腔内の撮影を行なう撮影部等である。
この永久磁石17は、外部(体外)からのコントロールされた磁力によって、回転可能とされている。即ち、このカプセル型医療装置11を飲み込む段階においては、移動体14に備わる孔16は、収容室15の開口13とずれた位置に形成されるように移動体14が位置している。しかし、飲み込んだカプセル型医療装置11が、所望の位置(胃や腸等の疾患部)に位置したときに、外部からのコントロールされた磁力によって、永久磁石17が回転する。この回転により、移動体14は図9における右側に移動することとなり、図10に示すように、収容室15における開口13と、孔16とが連通する。この連通によって、収容室15に備わる薬物12が、外部(体内)に放出されることになる。
しかしながら、特開2005−102851号公報記載の投薬用カプセル1の場合には、一旦ヒータ4を作動させ薬物口3に備わる薄い膜を破った場合には、リザーバ5内に備わる薬物2は放出され続けることになり、薬物2の放出を停止させることは不可能である。即ち、胃や腸等の体腔内の離れた複数の個所に、薬物を放出したい特定部位がある場合であって、その特定部位の付近においてのみ薬物を放出したいような場合には、この投薬用カプセル1はその希望に沿うことはできていない。
又、特開2003−325438号公報記載のカプセル型医療装置11においては、コントロールされた磁気によって収容室15からつながる開口13と移動体14に備わる孔16とを連通させたり、その連通を解く等して、薬物12の放出及び停止を制御することは可能となっている。しかし、飲み込める程度の小さなカプセルの更にその一部にそのような機構を設けることは複雑であり、又、その分収容できる薬物の量も制限されてしまう。更に、胃や腸等の内部には、食物が消化された内容物が数多く含まれており、そのような内容物が、連通された孔16や開口13を通って収容室15内部に逆流してくることも考えられる。又、孔16や開口13の部分に、内容物が詰まってしまうことも考えられる。
本発明は、このような問題点を解消するべくなされたものであって、外部(体外)からのコントロールによって、自由に薬物の放出停止を制御でき、薬物の放出停止に伴う機構的な変化を伴うことなく確実に薬物をカプセル外部(生体内)に放出可能なカプセル型薬物放出装置、及び、この薬物放出装置を用いたシステムを提供することを目的とする。
以下に述べる実施形態のように、カプセル形状の筐体と、該カプセル形状の筐体表面に配置され、且つ、第1の導電型のイオンを選択的に通過させることが可能な第1のイオン交換部材と、前記筐体内部であって、且つ、前記第1のイオン交換部材の内側に配置され、第1の導電型の薬物イオンが保持されている薬液保持部と、該薬液保持部の更に内側に配置され、第2の導電型のイオンを選択的に通過させることが可能な第2のイオン交換部材と、該第2のイオン交換部材の更に内側に配置される電解液保持部と、該電解液保持部の更に内側に配置される電極と、該電極と接続された電源と、該電源から前記電極への通電/非通電を制御可能な制御部と、該制御部が生体外部からの信号を受け取る受信部とを少なくとも有してカプセル型薬物放出装置を構成することによって、上記課題を解決するものである。
これにより、薬物の放出・停止の制御が可能となる。又、この薬物の放出に当たって、カプセルの外部と内部を連通する穴を開けたり閉じたりするような機構的な動作は無く、この穴の部分に胃や腸等の内容物が逆流したり、詰まってしまうようなことも無い。
なお、ここでいう「第1の導電型のイオン」「第2の導電型のイオン」とは、カチオン又はアニオンのいずれかのことを意味している。例えば、「第1の導電型のイオン」がカチオンの場合は、「第2の導電型のイオン」はアニオンとなる。
又、前記イオン交換部材を、イオン交換膜で構成してもよい。これにより、市販される様々なイオン交換膜を用いることができ、製作コストを抑えることができる。
又、更に、前記制御部からの信号を生体外部に送ることができる送信部を有して構成してもよい。これにより、薬物放出装置からのデータ(薬物の放出量、薬物の放出時間等)を取得することが可能となり、このデータを利用して、薬物の放出をコントロールすることが可能となる。
又、以下に述べる実施形態のように、カプセル形状の筐体と、該カプセル形状の筐体表面に配置され、且つ、第1の導電型のイオンを選択的に通過させることが可能な第1のイオン交換部材と、前記筐体内部であって、且つ、前記第1のイオン交換部材の内側に配置され、第1の導電型の薬物イオンが保持されている薬液保持部と、該薬液保持部の更に内側に配置され、第2の導電型のイオンを選択的に通過させることが可能な第2のイオン交換部材と、該第2のイオン交換部材の更に内側に配置される電解液保持部と、該電解液保持部の更に内側に配置される電極と、該電極と接続された電源と、該電源から前記電極への通電/非通電を制御可能な制御部と、該制御部が生体外部からの信号を受け取る受信部と、を少なくとも有してなるカプセル型薬物放出装置と、前記カプセル型薬物放出装置の生体内での位置を特定可能な位置特定手段と、前記受信部が受け取る信号を生体外部から発信可能な発信手段とを備えてカプセル型の薬物放出装置システムを構成してもよい。
これにより、薬物放出装置の生体内での位置を特定しつつ、胃や腸等の体腔内における薬物の放出が必要な部位(特定部位)において、的確にカプセル内に封入した薬物を放出することが可能となる。
又、前記カプセル型薬物放出装置には、更に、前記制御部からの信号を生体外部に送ることができる送信部を有し、該送信部が送信する信号を生体外部で受信可能な受信手段とを有するカプセル型薬物放出装置システムとしてもよい。これにより、薬物の放出量や放出時間を取得することで、薬物の過剰な放出等を防止でき、薬物による副作用等を低減することが可能となる。
本発明の実施形態の例に係る薬物放出装置の正面図 図1におけるII−II線に沿う断面図 薬物放出装置の体内における動きを模式的に示した人体の透視図 腸の断面図 本発明の他の実施形態の例に係る薬物放出装置の正面図 図5におけるVI−VI線に沿う断面図 薬物放出装置をキトサンカプセルで包囲した例を示す正面一部断面図 特開2005−102851号公報に記載される投薬用カプセルの断面図 特開2003−325438号公報に記載されるカプセル用医療装置の薬物を放出する前の状態を示す断面図 同薬物放出時の状態を示す断面図
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1に示したように、薬物放出装置100は、円柱体の両端部にそれぞれ半球状の半球体を設けた、いわゆるカプセル型形状を有している。又、筐体であるカプセル102の円柱部分の外周面(表面)には、カチオン(第1の導電型のイオン)を選択的に通過させることができるカチオン交換膜128Aと、アニオン(第2の導電型のイオン)を選択的に通過させることができるアニオン交換膜128Bとが、表在している。又、カプセル102の外周面であって、カチオン交換膜128Aと、アニオン交換膜128Bとの間には、カプセル外部(当該装置使用時においては生体外部となる)との送受信を行なう送受信部160が設けられている。又、カプセル102とカプセルの外周面に表在するカチオン交換膜128A、アニオン交換膜128B、送受信部160との間は、それぞれ、図示はしないが適宜シール材料が備わっており、例えば消化液等がカプセル内部に浸入することを厳に防止している。
次に、図2に示すように、カプセル102の内部であって、且つ、カチオン交換膜128Aの内側(本明細書において「内側」とは、カプセル状の薬物放出装置における中心に近い側のことを意味する。以下単に「内側」という。)には薬液保持部130Aが配置されている。更に、薬液保持部130Aの内側にアニオン交換膜126Aが配置されている。更に、アニオン交換膜126Aの内側に電解液保持部132Aが配置されている。更に、電解液保持部132Aの内側に、電極122Aが配置されている。この電極は、薬物放出装置100の略中央部に備わる電源112のアノードと接続されている。
一方、カプセル102におけるカチオン交換膜128Aのちょうど対極側には、アニオン交換膜128Bが表在している。カプセル102の内部であって、且つ、このアニオン交換膜128Bの内側には電解液保持部130Bが配置されている。更に、この電解液保持部130Bの内側にカチオン交換膜126Bが配置されている。更に、このカチオン交換膜126Bの内側に電解液保持部132Bが配置されている。更に、この電解液保持部132Bの内側に電極122Bが配置されている。又、この電極122Bは、電源112のカソードに接続されている。なお、ここでの2つの電解液保持部130B、132Bは必ずしもイオン交換膜を介して2つに仕切られている必要はなく、一体的に構成されていてもよい。
電源112は、制御部162によって電極122A、122Bへの通電/非通電を制御されている。更に、この制御部162は、生体外部からの信号を受信したり、生体外部へと信号を送信することができる送受信部160と接続されている。
なお、説明の便宜上、薬効成分がカチオンに解離する薬物を投与するための薬物放出装置の例として説明するが、これとは逆に、薬効成分がアニオンに解離する薬物を投与するための薬物放出装置の場合には、上記で説明した構成における電極に印加される電圧及びイオン交換膜の極性を入れ替えることにより構成することができる。
筐体であるカプセル102は、胃や腸等の体腔内においても、不活性である材料で構成されている。更にカプセル102の内部は充填部材124が充填されている。この充填部材124は、カプセル102と以下述べる各部材とを密着させて密封しており、カプセル102を体内に飲み込んだ場合でも、消化液等が隙間から侵入することを防止している。なお、この充填部材はカプセル内部の全てにわたって充填されている必要はなく、十分なシール性が確保できている限りにおいて、カプセル内部に空間が存在してもよい。空間を設けることによって、装置自体の軽量化を図ることができるというメリットがある。
次に、電極122A、122Bは、任意の導電性材料を用いることができるが、本実施形態のように後述する電解液保持部132A、132Bが存在するような場合には、炭素電極(カーボン電極)を用いるのが好ましい。
続いて電解液保持部130B、132A、132Bは、長時間にわたって薬物放出装置の通電性を確保するための電解液を保持するものであり、この電解液としてはリン酸緩衝食塩水や有機酸類の水溶液を使用することが可能である。より好ましくは、水の電解反応(アノード電極における酸化反応及びカソード電極における還元反応)よりも酸化又は還元され易い電解質、例えば、リン酸第1鉄、リン酸第2鉄等の無機化合物、アスコルビン酸(ビタミンC)やアスコルビン酸ナトリウム等の物質、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸の有機酸及び/又はその塩、又はこれらの混合物を使用することにより、水の電解によるガスの発生及びこれによる導電抵抗の増大あるいはpH値の変動を防止することも可能である。勿論、ここで説明した物質に限定される趣旨のものではない。
次に、カチオン交換膜128Aは、カチオンを選択的に通過させる機能を有するイオン交換膜であり、例えば、株式会社トクヤマ製ネオセプタ(NEOSEPTA)CM−1、CM−2、CMX、CMS、CMB等のカチオン交換膜を特に制限無く使用できる。又、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等からなる多孔質フィルムの孔の一部又は全部に、カチオン交換樹脂が充填されたタイプのカチオン交換膜を特に好ましく使用することができる。この場合のカチオン交換樹脂の充填は、例えば、スチレン−ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン等の架橋性単量体に重合開始剤を配合した溶液を上記多孔質フィルムの孔中に含浸させた後に重合させ、この重合体にスルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等のカチオン交換基を導入することにより行なうことができる。
次にアニオン交換膜126Aは、アニオンを選択的に通過させる機能を有するイオン交換膜であり、例えば、株式会社トクヤマ製ネオセプタ(NEOSEPTA)AM−1、AM−3、AMX、AHA、AMH、ACS等のアニオン交換膜を特に制限無く使用できる。又、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂からなる多孔質フィルムの孔の一部又は全部に、アニオン交換樹脂が重合されたタイプのアニオン交換膜を特に好ましく使用することができる。この場合のアニオン交換樹脂の充填は、スチレン−ジビニルベンゼン、クロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン等の架橋性単量体に重合開始剤を配合した溶液を、上記多孔質フィルムの孔中に含浸させた後に重合させ、この重合体に1乃至3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム基、4級イミダゾリウム基等のアニオン交換基を導入することにより行なうことができる。
次に薬液保持部130Aには、溶液によって薬効成分がカチオンに解離する薬物の溶液(薬物イオン)が保持される。
次に、薬物放出装置100の作用について説明する。
図3に示すように、本発明に係る薬物放出装置100を患者が飲み込んだ場合には、蠕動運動等によって順次消化管(胃、小腸、大腸)170を経て体外へ排出される経路を取る。このとき、複数の特定部位(特定部位170A、特定部位170B、特定部位170C)において薬物を放出したいと仮定する。患者が飲み込んだこの薬物放出装置100の体内における位置は、例えばX線等を用いたカプセル位置特定手段によってその位置が常に又は定期的に特定されている。このカプセル位置特定手段によって特定された位置に基づいて、薬物放出装置100が特定の部位に到達した場合に、外部コントローラ164によって信号が発せられる。この外部コントローラ164は、薬物放出装置100に備わる制御部162が生体外部からの信号を受け取ることができる送受信部160へと信号を発信可能な発信手段である。又、同時に、制御部162からの信号を生体外部へと送信する送受信部160からの信号を受け取る受信手段としても機能している。この外部コントローラ164からの信号を受け、制御部162は、電源112から電極122A、122Bへの通電を開始(又は停止)する。この電源112からの電流が電極122Aへと伝わると、電解液保持部132Aに備わる電解液を酸化させる。例えば、リン酸第1鉄の場合であればリン酸第2鉄へと変化する。そうすると、電解液保持部132Aに備わるカチオンとアニオンのバランスが崩れる(カチオンが多くなる)こととなる。このバランスを補うために、電解液保持部132Aのカチオンは薬液保持部130Aの方向に移動しようとする。一方、薬液保持部130Aに備わるアニオンも、電解液保持部132A側へと移動しようとする。しかしながら、電解液保持部132Aと薬液保持部130Aの間に位置するアニオン交換膜126Aの存在により、カチオンは通過できず、アニオンのみが選択的に通過されることになる。即ち、電解液保持部132Aから薬液保持部130Aへのカチオンの移動は認められず、薬液保持部130Aから電解液保持部132Aへのアニオンの移動のみが許容される。そうすると、今度は、薬液保持部130Aのカチオンとアニオンのバランスが崩れてしまう。更にこのバランスの崩れを補うために、薬液保持部130Aのカチオンはカチオン交換膜128Aを通過して薬物放出装置100の外部(体内)へと移動しようとする。このときのカチオンはカチオン交換膜128Aに選択的に通過されるため、薬物放出装置100の外部へと移動(放出)することが可能となっている。
一方、電源112からの電気が電極122Bへと伝わると、電解液保持部132Bに備わる電解液が還元される。例えばリン酸第2鉄の場合であればリン酸第1鉄へと変化する。そうすると、電解液保持部132Bに備わるカチオンとアニオンのバランスが崩れる(アニオンが多くなる)こととなる。このバランスを補うために電解液保持部132Bのアニオンは電解液保持部130Bの方向に移動しようとする。一方、電解液保持部130Bに備わるカチオンも、電解液保持部132B側へと移動しようとする。しかしながら、電解液保持部132Bと電解液保持部130Bの間に位置するカチオン交換膜126Bの存在により、アニオンは通過できずカチオンのみが選択的に通過されることになる。即ち、電解液保持部132Bから電解液保持部130Bへのアニオンの移動は認められず、電解液保持部130Bから電解液保持部132Bへのカチオンの移動のみが許容される。そうすると、今度は、電解液保持部130Bのカチオンとアニオンのバランスが崩れてしまう。更に、このバランスの崩れを補うために、電解液保持部130Bのアニオンはアニオン交換膜128Bを通過して薬物放出装置100の外部へと移動しようとする。このときのアニオンはアニオン交換膜128Bに選択的に通過されるため、薬物放出装置100の外部へと移動することが可能となっている。
このような作用を経て、薬物放出装置100は所望の特定部位170Aから170Cにおいて、図4に示すように薬物を放出することが可能となっている。なお、符号171は、消化管170内に存在する消化途中の内容物である。
上記説明したのとは逆に、電源112から電極112A、112Bへの電流が非通電とされれば、イオンの動きがなくなるため、薬物の放出は直ちに停止する。
このように、薬物放出装置100は、薬物の放出/停止に伴う機構的な変化を伴わずに、電気的な作用のみで、薬物の放出又は停止を自由にコントロール可能となっている。又、同様に機構的な動きに起因するタイムラグが存在しないために、薬物の放出/停止のコントロールをよりリニアに制御することが可能となっている。
なお、本実施形態においては、電極122A、122Bに隣接する電解液保持部132A、132B、更には、該電解液保持部132A、132Bの中に存在する緩衝作用を有する電解液の作用によって、電源112から電気が供給された場合においても、塩素や水素等の気体が発生することは無く、この気体の発生に伴う薬物放出装置100の爆発等の危険性は皆無である。又、必要であれば圧力感作装置(例えば圧力センサなど)を付加してもよい。
又、制御部162からは、電源112の電源が入れられている時間、更には薬物の放出量等のデータを送受信部160を介して生体外部へと送信することが可能となっている。前記説明した外部コントローラ164でこのデータを受信し、管理することによって、それぞれの特定部位に必要な薬物量等をコントロール可能となり、必要以上の薬物を放出することによって生じる副作用等を軽減することが可能となっている。
次に、図5及び図6を用いて本発明に係る他の実施形態の一例について説明する。なお、前述した薬物放出装置100と同一又は類似する部分については数字下2桁が同一の符号を付するに止め、重複した構成及び作用の説明は省略する。
この薬物放出装置200の最大の特徴は、複数の薬液保持部を備えている点にある。即ち、複数の特定部位のそれぞれに、異なる薬物を放出したい場合に、それぞれ異なる薬物をそれぞれの薬液保持部に収容し、それぞれのタイミングでそれぞれの薬物を放出可能となっている点である。
この薬物放出装置200のカプセル状の筐体202においては、一方の半球部分にアニオン交換膜及び他方の半球部分にカチオン交換膜が配置されている。一方の半球部分には、仕切板229Aを介して2つのカチオン交換膜228A、228Cが配置されている。このそれぞれのカチオン交換膜228A、228Cの内側には、異なる薬物が保持される薬液保持部230A、230Cが位置している。更に、各薬液保持部230A、230Cの内側には、アニオン交換膜226A、226Cが位置している。更に各アニオン交換膜226A、226Cの内側には電解液保持部232A、232Cが位置している。更に各電解液保持部232A、232Cの内側には電極222A、222Cが位置している。この2つの電極222A及び222Cは共に電源212のアノードと接続されている。
一方、カチオン交換膜228A、228Cが表在する半球部の反対側の半球部には、アニオン交換膜228B、228Dが、仕切板229Bを介して配置されている。更に各アニオン交換膜228B、228Dの内側には、電解液保持部230B、230Dが位置している。更に各電解液保持部230B、230Dの内側にはカチオン交換膜226B、226Dが位置している。更に各カチオン交換膜226B、226Dの内側にはそれぞれ電解液保持部232B、232Dが位置している。更に各電解液保持部232B、232Dの内側には電極222B、222Dが位置している。この2つの電極222B、222Dはそれぞれ電源212のカソードと接続されている。
このような構成として、更に2つの薬液保持部230Aと230Cに異なる薬物を保持させることによって、体内を移動する薬物放出装置200が、例えば胃の中に位置している場合には特定部位Aにおいて消化促進剤を放出し、又、大腸部分に位置している場合には特定部位Cにおいて便通促進剤等を放出することが可能となる。
なお、最初に説明した薬物放出装置100についても同様であるが、薬液保持部230A、230Cに薬物を保持すると同時に、電源212のカソード側と接続される電解液保持部230B、230Dにも、薬効成分がアニオンに解離する薬物を保持させることによって、薬物放出装置200では最大4種類の薬物(前述した薬物放出装置100の場合は最大2種類の薬物)を保持して放出することが可能になる。
勿論、更に薬液保持部を仕切板で分けることによって更に多くの薬物を保持させて放出させることも可能である。
又、図7に示すように、薬物放出装置全体を更にキトサンカプセル150等で包囲した上で体内に投入してもよい。このようにすれば、キトサンカプセル150によって、胃におけるペプシンによる消化を受けずに小腸まで移動でき、小腸等に存在する細菌によってこのキトサンカプセルが分解されることによって薬物を放出することが可能となる。そうすれば、薬物放出装置の表面に存在する各イオン交換膜を胃の消化液から保護することが可能になる。
産業上の利用の可能性
本発明は、人体に対して用いられる薬物放出装置のみならず広く動物に用いられる薬物放出装置として適用することができる。
本発明を適用することで、カプセル型の薬物放出装置において、薬物の放出停止を自由に行なうことができる。又、更にこの薬物の放出及び停止に伴う機構的な動作を伴わないため、胃や腸等の内容物が逆流したり、詰まってしまうようなことも無い。

Claims (5)

  1. カプセル形状の筐体と、
    該カプセル形状の筐体表面に配置され、且つ、第1の導電型のイオンを選択的に通過させることが可能な第1のイオン交換部材と、
    前記筐体内部であって、且つ、前記第1のイオン交換部材の内側に配置され、第1の導電型の薬物イオンが保持されている薬液保持部と、
    該薬液保持部の更に内側に配置され、第2の導電型のイオンを選択的に通過させることが可能な第2のイオン交換部材と、
    該第2のイオン交換部材の更に内側に配置される電解液保持部と、
    該電解液保持部の更に内側に配置される電極と、
    該電極と接続された電源と、
    該電源から前記電極への通電/非通電を制御可能な制御部と、
    該制御部が生体外部からの信号を受け取る受信部と、
    を少なくとも有してなるカプセル型薬物放出装置。
  2. 請求項1において、
    前記イオン交換部材は、イオン交換膜で形成されている
    ことを特徴とするカプセル型薬物放出装置。
  3. 請求項1又は2において、
    更に、前記制御部からの信号を生体外部に送ることができる送信部を有する
    ことを特徴とするカプセル型薬物放出装置。
  4. カプセル形状の筐体と、該カプセル形状の筐体表面に配置され、且つ、第1の導電型のイオンを選択的に通過させることが可能な第1のイオン交換部材と、前記筐体内部であって、且つ、前記第1のイオン交換部材の内側に配置され、第1の導電型の薬物イオンが保持されている薬液保持部と、該薬液保持部の更に内側に配置され、第2の導電型のイオンを選択的に通過させることが可能な第2のイオン交換部材と、該第2のイオン交換部材の更に内側に配置される電解液保持部と、該電解液保持部の更に内側に配置される電極と、該電極と接続された電源と、該電源から前記電極への通電/非通電を制御可能な制御部と、該制御部が生体外部からの信号を受け取る受信部と、を少なくとも有してなるカプセル型薬物放出装置と、
    前記カプセル型薬物放出装置の生体内での位置を特定可能な位置特定手段と、
    前記受信部が受け取る信号を生体外部から発信可能な発信手段と、
    を有することを特徴とするカプセル型薬物放出装置システム。
  5. 請求項4において、
    前記カプセル型薬物放出装置には、更に、前記制御部からの信号を生体外部に送ることができる送信部を有し、
    該送信部が送信する信号を生体外部で受信可能な受信手段を有する
    ことを特徴とするカプセル型薬物放出装置システム。
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