JP2009526589A - 植込み可能な流体分配デバイスおよび流体送出方法 - Google Patents

植込み可能な流体分配デバイスおよび流体送出方法 Download PDF

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Abstract

植込み可能な流体分配デバイス(32、132、300)について記載する。該デバイスは、リモートポンプ(30、130)から加圧流体を受け取る第1の入口(40、310)を含む。また、複数の出口(50、312)が設けられており、各出口が流体送出カテーテル(36)に連結可能である。弁機構(42、150、170、190、200)が、第1の入口から複数の出口への流体の通過を制御するように配置される。また、流体分配デバイスと、植込み可能なポンプ(30、130)と、複数の薬物送出カテーテル(36)とを含む装置についても記載する。流体分配デバイス(32、132、300)を使用して薬物を体内の多数の領域に送出することができ、脳内の様々な部位への薬物の順次送出が開示される。

Description

本発明は、薬物などの流体をヒトまたは動物の身体の様々な部分に送出(deliver)する、植込み可能な(implantable)装置に関する。詳細には、本発明は、関連した薬物送出ポンプとともに使用するための植込み可能な薬物分配デバイスと、薬物を脳に送出する方法とに関する。
植込み可能な様々な薬物送出システムが知られており、通常、腹部に植え込むことのできる薬物ポンプアセンブリと、薬物をポンプから1つまたは複数の必要とされる解剖学的部位へと経路指定する1つまたは複数の可撓性カテーテルとを含む。薬物リザーバは、ポンプアセンブリ内に一体化することもでき、またはポンプから遠隔に設けることもできる。通常、薬物リザーバまたはポンプは、経皮的に再充電できるように、患者の皮膚の近くに植え込まれるように設計される。公知の薬物送出ポンプの例が記載されている(例えば、特許文献1、2、および3参照。)。
米国特許第3951147号明細書 米国特許第4013074号明細書 米国特許第4692147号明細書 米国特許第5752930号明細書 米国特許出願公開第2004/0220545号明細書 国際公開第2005/105199号パンフレット 国際公開第2004/105839号パンフレット 国際公開第2003/077785号パンフレット MOLECULAR THERAPY Vol. 1, No. 5, May 2000, Part 1
薬物を1つの解剖学的部位へと経路指定することは、特定の医学的状態の処置には十分であるが、しばしば、薬物を体内の多数の部位に送出するための要件が存在する。例えば、複数の流体流出口を有するカテーテルを含む薬物送出装置が記載されている(例えば、特許文献4参照)。同様に、薬物をポンプアセンブリから脊柱の様々な部分へと経路指定するための、分岐かつ/または多ルーメンカテーテルの使用が記載されている(例えば、特許文献5参照)。分岐カテーテルまたは多孔カテーテルの使用は、体内の様々な部位への薬物送出を可能にするが、カテーテルの異なる流出口からの薬物の相対的な流れは、予測不可能な場合がある。特に、カテーテル流出口が遮断または閉塞されて、特定の部位への薬物の流れを減少させ、またはなくし、他方で他の部位へと送出される薬物の量を増加させることになる虞がある。これは、処置有効性を著しく低下させかねない。
多数の流体制御弁と、流量センサと、圧力センサとを含む分岐カテーテルシステムが記載されている(例えば、特許文献6参照)。特に、特許文献6は、システムの様々な部分で圧力および流体流量を監視しながら弁を開閉する様々な方法を概説している。これは、システム内の流体流れの問題(例えば、閉塞または漏れ)を見つけられるようにするために述べられている。しかし、特許文献6のシステムは、実装して被術体内に植え込むのが比較的複雑である。
薬物の精確な投薬量をリザーバから体内の多数の部位それぞれに送り出すことができるようにする、他の植込み可能な薬物送出ポンプが記載されている(例えば、特許文献7参照)。ポンプは、ロータを2つ以上のチュービングに押し当てて、それらのチュービング内で薬物を押し進めることによって動作する。次いで、腹部に植え込まれたポンプから薬物を各カテーテルに運ぶために、別個のチュービングが使用される。必要ならば、ポンプ内のチュービングの内径を、各カテーテルへの薬物の相対的な流れを制御するように選択することができる。
本発明の第1の態様によれば、植込み可能な流体分配デバイスは、リモートポンプから加圧流体を受け取る第1の入口と、それぞれ流体送出カテーテルに連結可能な複数の出口と、第1の入口から複数の出口への流体の通過を制御する弁機構とを含む。
ゆえに、本発明は、ヒトまたは動物の体内に植え込むことのできる、加圧された流体供給をリモートポンプからそれに送り込むことのできる第1の入口を有する、流体分配デバイスを提供する。デバイスは、また、関連カテーテルに連結できる複数の出口を有しており、それについては以下でより詳細に説明する。本発明のデバイスの弁機構は、第1の入口と複数の出口との間の流体連通を必要に応じて制御できるようにする。弁機構は、好ましくは、異なる構成間で切り替えることができ、それによって使用時に第1の入口からデバイスの複数の出口への流体の流れに対する能動制御をもたらす、単一のNポート(Nは、少なくとも3の整数値である)流れ制御弁であり、それについては以下でより詳細に説明する。デバイスは、いずれのタイプの流体を経路指定するためにも使用できるが、薬液などを経路指定するのに特に適している。
本発明の流体分配デバイスによって、公知の薬物送出システムに優るいくつかの利点を有する薬物送出装置を提供できるようになる。例えば、流体分配デバイスは、ポンプアセンブリに比べて比較的小さなものとすることができ、それによって、薬物が送出されるべき(1つまたは複数の)部位にはるかに近い領域に該デバイスを植え込むことができるようになる。脳に薬物を送出するためのシステムの場合、流体分配デバイスは、植え込まれたカテーテルからわずか数センチメートルしか離れていない患者の頭骨の上に据え付けることができる。この配置は、各カテーテルが長いチュービングを通じて患者の胴体に植え込まれたポンプに連結される、特許文献7に記載のポンプなどのシステムに比べて、改善された流体流れ制御をもたらす。そのような配置は、また、特定の薬物がポンプアセンブリから放出された後に起こり得る停滞効果を低減することができる。
本発明の流体分配デバイスは、また、特許文献6の分配配置された分岐カテーテルシステムと比較していくつかの利益を有する。特に、本発明のデバイスは、必要とされる場合、単一の弁機構によって流体経路指定機能全体を提供できるようにする。特に、本発明のデバイスは、身体の様々な部分に植え込まれるべき、2ポート弁、流れ制限装置、圧力センサ、および様々な相互連結チュービング片の分散ネットワークを必要としない。本発明の流体分配デバイスは、リモートポンプから流体を受け取り、その流体を必要とされる方式で複数の出口に分配することができる。ゆえに、特許文献6のネットワーク化されたシステムに比べて、本発明の一体化されたデバイスでは、流体分配手段の損傷または故障の可能性がより低いことがわかる。
有利には、本発明のデバイスは、該デバイスを通る流体流量を制御する流体流れ制御手段を含む。流体流れ制御手段は、好都合には、第1の入口と複数の出口のうちの少なくとも1つとの間に配置された1つまたは複数の流れ調節装置を含むことができる。好ましくは、そのような別個の流れ調節装置は、流体分配デバイスのハウジング内に配置される。各流れ調節装置は、固定の特性を有することもでき(例えば、直径の狭い、チュービングを含むことができる)、または可変の特性を有することもできる(例えば、入口と出口との間の流体経路内に可変狭窄部を設けるように構成することができる)。流体流れ制御手段は、可変の流れ調節装置に直列に連結された固定の流れ調節装置を含むことができ、例えば、固定の流れ調節装置が圧力を所与の量だけ低減することができ、次いで可変の流れ調節装置が流量を必要なレベルに「微調整」することができる。
別個の流れ調節装置を設けることができるが、好ましい一実施形態では、弁機構自体が、それを通り抜ける流体の流量を制御するための一体型の流体流れ制御手段を含むことができる。ゆえに、弁機構は、「オン」、「オフ」、および1つまたは複数の中間流量状態を提供することができる。換言すれば、弁機構は、流体経路指定および流れ制御機能の両方を果たすことができる。第1の入口から所望の出口へと流体を選択的に経路指定し、またさらにそのような経路指定された流体の流量を制御する単一の弁機構を提供すると、より小型のデバイスを提供できるようになる。特に、そのようなデバイスは、特許文献6に記載されているタイプの分配配置された流れ制限装置および弁の複雑なネットワークを必要としない。
前述の流れ制御の提供によって、第1の入口のところで流体が受け取られるよりも低い圧力で流体を出口から吐出できるようになる。これによって、例えば、流体を比較的高い圧力で流体分配デバイスに供給し、他方で液体をより低い圧力でカテーテルへと経路指定できるようになる。可変の流れ調節装置が設けられる場合、各カテーテルに供給される流体の圧力は、流体送出を最適化するために必要に応じて動的に、場合によっては連続的に、調節することができる。所与の出口への流体流量と、その出口での流体の圧力とが、所与のデバイスについて相互依存的であることに留意すべきである。換言すれば、所与のシステム構成について、出口への流体流れを低減すると、またその出口での流体の圧力も低減することができる。
好都合には、弁機構は、流体が第1の入口から複数の出口のいずれへも通ることのできない、シャットオフ状態を提供する。換言すれば、弁機構は、第1の入口とすべての出口との間で流体連通が妨げられる、完全閉止状態を有するように構成することができる。デバイスを通る流体流れを停止できることにより、必要に応じて必要なときに流体送出を中断することができる。これは、ボーラス送出が必要とされるとき、例えば、高流量での薬物の送出に薬物送出なしの期間が散在することになるときに、有利な可能性がある。
有利には、デバイスは、出口の2つ以上のセットを含んでおり、出口の各セットが前記複数の出口のうちの少なくとも1つを含んでおり、弁機構は、流体がある一瞬に第1の入口から出口の1つのセットだけに通ることができるようにする。出口のセットは、共通の出口を含むことができる、すなわち、非排他的なセットとすることができる。ただし、出口のセットは、有利には相互排他的である。この方法では、弁機構は、流体を一度に出口のうちのいくつかだけに経路指定することができる。そのような配置によって、必要ならば順次的な方式で流体を出口のセットへと経路指定できるようになり、それについては以下で説明する。各セットは、単一の出口を含むことができ、その場合、必要に応じて第1の入口と前記複数の出口のうちのいずれか選択された1つ(1つだけ)との間に流体連通を順に確立することができる。
好ましくは、デバイスは、弁機構の動作を制御する制御装置を含む。制御装置は、電子デバイスまたは電気機械的デバイスとすることができる。制御装置は、好ましくは、弁機構が必要とされる状態をとるよう、該弁機構に適切な制御信号を印加するように構成される。好都合には、制御装置は、プログラム可能である、すなわち、制御装置は、弁機構の動作を制御する命令のセットを格納することができる。あるいは、制御装置は、リモートインターフェースから制御信号を受信し、それに応じて弁機構の構成を調節するように構成することもできる。弁機構の動作を制御するための制御装置を設けることが好ましいが、そのようなコンポーネントが必須ではないことに留意すべきである。弁機構は、望むなら、手作業で再構成可能なものとすることができる。例えば、弁機構は、ユーザによって、場合によっては植込み後に皮膚を通じて、手作業で再調整可能なものとすることができる。
制御装置は、有利には、患者体内への植込みの前に、弁機構を所望の方式で制御する命令のセットをプログラムすることができる。有利には、制御装置は、通信リンク上でプログラムすることができる。例えば、制御装置は、無線(例えば、インダクティブ、RFなど)通信リンクを通じてプログラムすることができる。制御装置を遠隔でプログラムまたは再プログラムできることにより、デバイスの体内への植込みの前、植込みの間、または植込みの後に、流体送出プロセスを変更することができる。これは、デバイスの植込み後に薬物送出プロファイルが修正を必要とする場合に、きわめて有利な可能性がある。制御装置は、また、植込みの間にデバイスを事前準備する命令をプログラムすることができる。例えば、デバイスは、設定された期間にわたって、または、植込みが済んでおり、必要な薬物送出プログラムを開始すべきであるという命令を(例えば、通信リンクを通じて)受け取るまで、最大流体流れを提供するように構成することができる。
有利には、デバイスは、出口の2つ以上のセットを含んでおり、出口の各セットが前記複数の出口のうちの少なくとも1つを含んでおり、制御装置は、流体が第1の入口から出口の各セットへと順番に通されるように弁機構を操作するように構成される。セットは、非排他的なものとすることもでき(例えば、ある出口が1つよりも多くのセットに含まれてよい)、または相互排他的なものとすることもできる。弁機構は、各出口への同時流体排出を可能にすることができるが、流体が出口のセットへと順に通されるように(例えば、順次流体送出をもたらすために)制御装置を構成できることに留意すべきである。あるいは、弁機構は、前述の形態をとり、流体を一度に出口の1つのセットだけに経路指定可能であってもよい。好ましい一実施形態では、制御装置は、第1の入口と出口の各セットとの間の流体連通が順次確立されるように弁機構を再構成するようにプログラムすることができる。
制御装置は、有利には時計を含んでおり、それによって弁機構を所定の時間間隔で自動的に調節できるようになる。この方法では、各出口間または出口の各セット間で流体流れを切り替える時間を定めることができる。例えば、制御装置は、流体を各出口内または出口の各セット内に予め設定された期間にわたって順に経路指定するように構成することができる。さらに、制御装置は、様々な出口を通る流体の流量または出口での流体の圧力を時間とともに変更するようにプログラムすることができる。時間指定された配置が実装される場合、制御装置の時計は、リモート電気ポンプの時計と同期させることができる。例えば、リモートポンプは、流体を様々なカテーテルへと経路指定する流体分配デバイスと一致するように、そのような流体が吐出される圧力を変えることができる。また、流体分配デバイス内を流体が通されていない期間は、ポンプを停止することができる。
時間指定された操作の代わりに、制御装置は、特定の条件が満たされるときに別の出口または出口のセットへと流体を導くように弁機構を再構成することができる。例えば、出口は、第1の入口での流体圧力の低下に応答して(例えば、リモートポンプが様々な時間間隔の間に流体を様々な圧力で提供するようにプログラムされる場合)、または特定の量の流体(例えば、特定の投薬量)が出口を通過したときに、切り替えることができる。制御装置は、また、リモートユニットによって、例えば無線リンク上で、直接操作することができる。例えば、弁機構を変更する命令は、ユーザインターフェースやリモートポンプなどのリモートユニットから受信することができる。また、流体分配デバイスとリモートポンプとの両方を制御するために、単一の主制御装置を設けることもできる。
流体を様々な出口へと選択的に経路指定できる流体分配デバイスを提供することには、特に制御装置の制御下で順次送出が自動的に実施される場合に、いくつかの利点がある。特に、薬物送出を、身体(例えば、脳内)のいくつかの異なる部位間で循環できるようになる。例えば、そのような順次送出によって、化学療法薬を特定の期間にわたって全脳に送出できるようになる。そのような順次送出は、多数のカテーテルを通じて大量の化学療法薬を同時に全脳に送り出す必要をなくし、それによってそのような処置の有効性を低減することなく化学療法処置に付随した副作用を軽減する。また、必要とされる最大流量を低減すると、関連ポンプアセンブリのコストおよびサイズが削減/縮小される。
流体送出を監視するために、本発明のデバイスは、有利には、流体圧力および流体流量のうちの少なくとも1つを感知する少なくとも1つのセンサを含む。換言すれば、デバイスは、一体型の流体圧力感知手段および/または流体流量感知手段を含むことができる。好都合には、少なくとも1つのセンサは、弁機構内に配置することができる。
少なくとも1つのセンサは、有利には、少なくとも1つの圧力センサを含むことができる。入口で受け取られる、および/または出口のうちの1つもしくは複数を通って吐出される流体の圧力を測定するために、圧力センサを設けることができる。各圧力センサは、例えば、シリコンひずみゲージを含むことができる。(1つもしくは複数の)圧力センサからのデータは、必要に応じて、記録する、または、例えばテレメトリリンクを通じて、デバイスから出力することができる。
少なくとも1つのセンサは、好都合には、1つまたは複数の流体流量センサを含むことができる。流量センサは、流体が第1の入口を通ってデバイスへと流れ込む速度、および/または流体が出口のうちの1つもしくは複数を通って出力される速度を測定するために設けることができる。流体流量が、また、複数の圧力センサを使用して測定することもできることに留意すべきであり、流体経路に沿った2点間の圧力降下が流量の指標を与える。流体流量の測定により、流体分配デバイスによって受け取られる流体の量および/または出口を通じて分配される流体の量を決定できるようになり、それによって投薬量を測定できるようになる。(1つもしくは複数の)流量センサからのデータは、必要に応じて、記録する、または、例えばテレメトリリンクを通じて、デバイスから出力することができる。
デバイスが前述の少なくとも1つのセンサを含む場合、制御装置は、流体圧力および/または流体流量データを受信するように構成することができる。例えば、制御装置は、(1つまたは複数の)圧力センサからの流体圧力データと、(1つまたは複数の)流量センサからの流体流量データとを受信することができる。制御装置は、そのようなデータを格納する、かつ/またはそのようなデータをリモートインターフェースに転送するように構成することができる。少なくとも1つのセンサからのデータは、デバイスの動作を制御する制御装置によって使用することができ、その結果、例えばフィードバック制御ループを確立できるようになる。一実施形態では、制御装置は、測定された流量および/または流体圧力データに応答して弁機構を制御するようにプログラムすることができる。例えば、流体がそれへと通される出口は、特定の量の流体がその出口を通過したときに変更することができる。流体送出は、また、設定された期間内に特定の量の流体が分配されたときに、完全に妨げることができる。
制御装置は、好都合にはメモリ部分を含む。このメモリ部分は、流体送出履歴データを格納するために使用することができる。例えば、メモリ部分は、薬物送出データを、時間および/または薬物がそれを通って送出される出口に応じて格納することができる。そのようなデータは、通信リンクを通じてリモートユニットにダウンロード可能なものとすることができる。一実施例では、通信リンクは、ブルートゥース(Bluetooth)接続を含むことができる。その場合、データは、ブルートゥース対応の携帯電話または類似のものを通じてデバイスからリモートコンピュータインターフェース(例えば、病院にある)へと送信することができる。
制御装置は、有利にはアラームを含む。アラームは、故障またはデバイスの動作に関する他の問題が識別されたときに、音(例えばビープ音)または他の表示を発するように構成することができる。換言すれば、制御装置は、自己監視機能を実行するように構成することができる。アラームは、例えば、流体圧力が所定の範囲からはずれるとき、流体流れが特定の限度を超えて増減するとき、またはバッテリ残量が少ない場合に鳴らすことができる。制御装置は、また、アラーム発生時にデバイスを「安全」構成に置くように構成することができる。例えば、デバイスは、バッテリ残量が少ない場合、または流体流量のさらなる望まれない増加が検出された場合に、すべての流体流れが停止される「オフ」状態へと切り替えることができる。また、アラーム状態発生時に、信号を(例えばブルートゥースリンクを通じて)リモートインターフェースに送信することができる。
第1の入口だけを設けることができるが、デバイスは、有利には、少なくとも1つの追加の入口を含む。換言すれば、デバイスは、複数の入口を含むことができる。好都合には、弁機構は、また、少なくとも1つの追加の入口から複数の出口への流体の通過を制御する。各入口は、1つまたは複数のリモートポンプから加圧流体を受け取るように構成することができる。各入口は、異なる流体を受け取ることができ、流体分配デバイスは、そのような流体を混合する何らかの種類のチャンバまたは他の領域を含むことができる。有利には、弁機構は、第1の入口および少なくとも1つの追加の入口から流体を受け取る混合チャンバを含む。必要に応じて混合比を制御して、様々な混合物(例えば、薬物の様々な組合せ)を様々な出口または出口のセットへと経路指定できるようにすることができる。混合比は、また、時間によって変えることができる。各入口は、望むなら、それに永久的に取り付けられた、可撓性チュービングを含むことができる。
デバイスは、わずか2つの出口だけを含むことができるが、より多くの出口を設けることもできる。ゆえに、デバイスは、好都合には3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、または10以上の出口を含むことができる。常時必要とされるよりも多くの出口を有するデバイスを設けることができることに留意すべきである。例えば、8つの出口を有するデバイスを、実際には8つ未満の出口しか必要とされない用途で使用することができる。より少ない出口しか必要とされない場合、流体の不慮の放出を防ぐため、使用されない出口を封止するために(1つまたは複数の)キャップを使用することができる。出口は、植込みの間にそれら出口を外科医が容易に識別できるように、マークを付ける(例えば、番号を付けるまたは色分けする)ことができる。
流体送出カテーテルに連結可能な複数の出口に加えて、デバイスは、有利には、入口で受け取った流体をそれへと経路指定できる1つまたは複数の流体戻り出口を含むことができる。デバイスは、ゆえに、流体をリモートポンプへと戻すように経路指定できるようになる、1つまたは複数の流れ戻り経路を提供するように構成することができる。そのような流れ戻り出口は、圧力解放またはブリーディング(bleeding)目的で使用することができ、またさらに、デバイス内の流体停滞効果を防ぐために使用することができる。流体は、流体がそれを通ってポンプから供給されるチュービングとは別個の、チュービングを通じて、デバイスからポンプへと戻るように経路指定することもでき、または、多ルーメンチュービングを使用して、流体を関連ポンプへと/関連ポンプから別々に経路指定することもできる。
有利には、弁機構は、チャンバを含んでおり、チャンバは、第1の入口と流体連通し、複数の排出開孔部を有しており、排出開孔部を通じて弁アセンブリのチャンバから流出する流体は、前記複数の出口のうちの1つへと経路指定される。好都合には、弁機構は、各排出開孔部に関連付けられた可動プラグを含んでおり、各可動プラグの運動が、関連開孔部を通る流体流れを制御する。各可動プラグは、その関連開孔部に係合する弾性変形可能な部分(例えば、ゴム引きされた(rubberised)末端キャップ)を含むことができる。その開孔部に直接係合する各プラグの代わりに、可撓性ダイアフラムをプラグと開孔部との間に配置することができる。そのような一実施例では、プラグは、ダイアフラムを開孔部と接触させて流体流れ制御をもたらす役目を果たすことができる。
弁機構は、好都合には、複数の電動アクチュエータを含むことができ、各電動アクチュエータは、前記可動プラグのうちの少なくとも1つを動かすように配置される。一実施形態では、各可動プラグは、関連付けられた電動アクチュエータを含むことができる。各電動アクチュエータは、双安定なものとすることができ、それによって電力を消費する必要なしに各プラグを「オン」または「オフ」状態のいずれかで保持できるようになる。あるいは、弁機構は、好都合には、前記複数の可動プラグそれぞれをその関連開孔部と接触させることのできる単一の可動部材を含むこともできる。ゆえに、弁機構は、好都合には、前記複数の可動プラグのうちのいずれか1つまたは複数を選択的に関連開孔部と接触または非接触状態にする、可動部材(例えば、陥凹部もしくは突出部がそれに形成された回転可能ディスク)を含むことができる。各可動プラグには、加えられる力がないときには所定の場所に戻るように、ばね荷重をかけることができる。例えば、可動プラグには、可動部材によって力が加えられないときには「開」または「閉」位置へと戻るように、ばね荷重をかけることができる。
前述の弁アセンブリは、有利には植込み可能な流体分配デバイスの一部を成すことができるが、また、他の(例えば、非医療)用途で使用することもできる。ゆえに、入口と流体連通する、1つまたは複数の排出開孔部を有するチャンバを含む、弁アセンブリを設けることができ、該弁アセンブリは、また、各排出開孔部に関連付けられた可動プラグを含んでおり、開孔部に対する可動プラグの運動が、該開孔部を通る流体流れを制御する。流体は、可動プラグを前述の方式で適切に動かすことによって、いずれか選択された開孔部を通ってチャンバから流出することができる。
好都合には、弁機構は、外側部材内で実質的に保持された、外側部材に対して可動の内側部材を含む。有利には、内側部材は、前記第1の入口と流体連通するキャビティを閉囲または画定する。内側部材は、さらに、あるいは代替的に、第1の入口と流体連通する1つまたは複数のチャネルを含むこともできる。弁アセンブリの外側部材は、好ましくは複数の排出ポートを含んでおり、各排出ポートは、前記出口のうちの1つと流体連通している。内側部材は、好都合には、それに形成された少なくとも1つの開孔部を有する。外側部材に対する内側部材の運動によって、有利には、流体を第1の入口から可動部材の少なくとも1つの開孔部を通って前記出口のいずれかへと選択的に経路指定できるようになる。そのような弁機構は、排出ポートのうちのいずれかと位置合わせできる単一の開孔部、または複数の開孔部を含むことができ、各開孔部は、1つの関連排出ポートと位置合わせすることができる。内側部材は、いくつかの方法で外側部材に対して可動のものとすることができる。有利には、内側部材は、外側部材に対して軸方向に平行移動可能なものとすることができる。好都合には、内側部材は、外側部材に対して回転可能である。ゆえに、内側部材の軸方向平行移動または回転は、それに応じてデバイス内の流体経路を制御する。
ゆえに、弁アセンブリまたは機構であって、弁が、入口と、1つまたは複数の出口を含む外側部分と、外側部分に対して可動の内側部分とを含んでおり、外側部分に対する内側部分の運動によって、第1の入口と出口のうちのいずれか1つまたは複数との間に流体連通を選択的に確立できる弁アセンブリまたは機構が、本明細書で記載される。内側部分は、それに形成された少なくとも1つの開孔部を有することができ、入口と流体連通するキャビティを画定することができる。内側部分は、流体を入口から可動部材の少なくとも1つの開孔部を通って複数の出口のうちのいずれか1つまたは複数へと選択的に経路指定できるように、複数の位置のいずれか1つへと移動可能なものとすることができる。そのような弁は、前述の流体分配デバイスで使用することもでき、または様々な代替(例えば、非医療用)デバイスのいずれか1つで使用することもできる。
有利には、本発明のデバイスの弁機構は、第1の入口から流体を受け取る、第1の弾性変形可能なチュービングと、流体を複数の出口へと送出する、1つもしくは複数の追加の弾性変形可能なチュービングとを含む。その場合、弁機構は、有利には、1つまたは複数の追加の弾性変形可能なチュービングそれぞれに対して選択的に押し付けることができ、それによって該チュービング内の流体の通過を制御する、単一の流れ制御部材を含むことができる。オン/オフ配置を設けることができるが、流れ制御部材は、有利には、弾性変形可能な関連チュービングそれぞれの可変変形をもたらし、それによって該チュービング内の流体流量を制御する。弁機構は、前記流れ制御部材を動かす電動アクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、例えば、ステッパモータおよび/または圧電アクチュエータを含むことができる。可撓性チューブ片が変形される弁機構には、流体経路内に配置されるべき弁コンポーネントを必要としないという利点がある。そのようなデバイスは、また、流体漏れをまねく虞のある機械的摩耗の影響を受ける可能性も低い。
流れ制御部材は、1つまたは複数のセグメントを含むことができ、各セグメントは、出口に通じる弾性変形可能なチュービング片のうちの1つに隣接して配置される。流れ制御部材の各セグメントは、円形部分とほぼ平らな部分とを含む断面プロファイルを有することができる。流れ制御部材の回転により、必要に応じて各セグメントの平らなまたは円形の断面部分を弾性変形可能な関連チュービングと接触させることができる。各セグメントの円形断面部分は、関連可撓性チューブを変形させ、それによってそのチューブ内の流体流れを妨げるように構成することができ、セグメントのほぼ平らな断面は、チューブ変形の低減(または変形ゼロ)をもたらし、それによって流体をチューブ内に通すように構成することができる。各セグメントの平らな部分は、常に流体が弾性変形可能な複数のチューブのうちの1つだけを通ることができるように、オフセットさせることができる。ゆえに、流れ制御部材の回転によって、「開」であるチューブを必要に応じて選択できるようになり、またさらに、その回転を使用して、選択された「開」のチューブ内の流体流量を制御することができる。
ゆえに、弾性変形可能なチュービング(例えばプラスチックを含むチュービング)と可動の流れ制御部材とを含む弁または流体経路指定手段であって、前記弾性変形可能なチュービング内の流体流れを制限するために可動の流れ制御部材を前記チュービングに押し付けることができる弁または流体経路指定手段が、本明細書で記載される。弁は、第1の入口から流体を受け取る、第1の弾性変形可能なチュービングと、流体を1つまたは複数の出口へと送出する、1つまたは複数の追加の弾性変形可能なチュービングとを含むことができ、流れ制御部材は、前記第1および追加の弾性変形可能なチュービングのうちのいずれか1つまたは複数に押し付けることができる。こうして、流体を運ぶ複数の変形可能なチューブと、前記複数の弾性変形可能なチューブ内の流体流れを制限するために前記チューブのうちのいずれか1つまたは複数に選択的に押し付けることのできる流れ制御手段とを含む、流体経路指定手段が提供される。そのような流体制御デバイスは、本発明の弁機構を提供することもでき、または任意の数の代替(例えば、非医療)用途で使用することもできる。
有利には、デバイスは、少なくとも1つの電動コンポーネントに電力を供給する(例えば、弁機構に電力を供給する)一体型電源を含む。あるいは、デバイスは、電動コンポーネントと、リモート電源から電力を受け取る手段とを含むこともできる。例えば、電気ケーブルを、植え込まれたリモートバッテリからデバイスへと届けることができる。好ましくは、そのような遠隔に配置されたバッテリは、リモートポンプアセンブリ内に収められる。電源は、好ましくはバッテリであるが、代替的に、動的電源(kinetic power source)またはRFハーベスティング電源(RF harvesting power source)を含むこともできる。また、皮膚を通して外部電源をデバイスへと結合させる(例えば、バッテリを再充電するため)手段を設けることができ、例えば、デバイスは、誘導電力結合(inductive power coupling)を含むことができる。
好ましくは、第1の入口および複数の各出口は、チューブ連結手段を含む。例えば、連結手段は、縫合(suture)またはスナップ嵌めコネクタによってチュービングをそれに取り付けることのできるノズルを含むことができる。あるいは、1つまたは複数のチュービングをデバイスに永久的に連結する(例えば、デバイス製造時に連結する)こともできる。例えば、入口は、リモートポンプまで延びるのに十分に長い可撓性チュービング片(例えば、プラスチックを含むチュービング)を含むことができる。リモートポンプに連結されるべきチュービングの端部は、リモートポンプ上の相補的なコネクタにしっかり取り付けることのできる、ねじ山などの一体型コネクタを含むことができる。同様に、各出口は、所望の解剖学的部位に到達するのに十分に長い、デバイスに永久的に取り付けられる、可撓性チュービングを含むことができる。1つを超える出口が設けられる場合、各出口は、永久的に取り付けられた同様の長さの可撓性チュービングを含むことができる。永久的な流体接続を提供すると、植込みの間または植込みの後のデバイスからの漏れの危険が低減され、またさらに、患者の体内にデバイスを植え込むのに必要な時間が短縮される。
デバイスは、好都合には、1つまたは複数の細菌フィルタを含むことができる。例えば、出口の少なくとも1つまたはすべてが細菌フィルタを含むことができる。細菌フィルタは、さらに、あるいは代替的に、前記少なくとも1つの入口のところに設けることもできる。さらに、1つまたは複数の細菌フィルタを弁機構自体の中に含めることもできる。適切に配置された細菌フィルタを設けると、確実に、デバイスに連結されたカテーテルを通って細菌が輸送されなくなり、該カテーテルから細菌が吐出されなくなる。これは、流体が血液脳関門を通って脳内に直接送出されるときに特に重要である。
本発明のデバイスの可能な1つの用途は、ウイルス性材料、例えば遺伝子治療材料を、身体の諸領域に送出することである。ゆえに、弁機構の流体接触表面のほぼすべてが、(例えば遺伝子治療ウイルスベクターの)ウイルス活性を大きく低減させない材料から形成されることが好ましい。ゆえに、デバイスは、有利には、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フルオロエチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリウレタンのうちの少なくとも1つを含む、流体接触表面を含むことができる。そのような材料とウイルスベクターの送出との適合性が、記載されている(例えば、非特許文献1参照)。流体接触表面は、また、好都合には、ガラス(例えば、溶融シリカ、シリカ、石英など)、またはセラミック(例えば、ジルコニア)を含むことができる。そのような材料の任意の組合せを必要に応じて提供することができる。
有利には、流体分配デバイスは、皮下に据え付けられるように適合されており、すなわち、デバイスは、皮膚の下に植込み可能である。好ましくは、デバイスは、頭骨に形成された陥凹部または穴の中に少なくとも一部が据え付けられるように適合される。デバイスは、それから突き出ている、頭骨に(例えば、ねじを使用して)取り付けることのできる1つまたは複数のフランジを有することができる。好都合には、デバイスは、ほぼ円筒状の外側ハウジングを含む。デバイスは、ドーム形の上面を有することができる、すなわち、感染部位の原因になりかねない鋭い縁部が存在しないようにすることができる。デバイスの(1つまたは複数の)入口と複数の出口とは、ハウジングから径方向に突き出ることができる。ハウジングは、チタンから形成することができる。あるいは、デバイスおよび/または該デバイスに含まれるコンポーネントは、デバイスを体内に植え込まれた患者が磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを受けられるように、プラスチックまたは他の非磁性材料から形成することもできる。
有利には、デバイスは、1つまたは複数の微小電気機械システム(MEMS:micro−electro−mechanical system)コンポーネントを使用して形成される。例えば、デバイスは、MEMSベースのアクチュエータ、圧力センサ(例えば、シリコンひずみゲージ)などを含むことができる。
本発明によれば、前述の植込み可能な流体分配デバイスを含む、植込み可能な薬物送出装置を提供することができる。装置は、好ましくは、また、少なくとも1つのポンプアセンブリを含む。ポンプアセンブリは、植込み可能なものとすることができ、抗菌フィルタなどを含むことができる。ポンプアセンブリから流体分配デバイスの第1の入口まで流体を運ぶために、有利には、可撓性の植込み可能チュービングを設けることができる。流体分配デバイスが複数の入口を含む場合、ポンプを各入口に繋ぐために複数のチューブ(または多ルーメンチューブ)を設けることができる。チュービングは、プラスチック(例えばポリウレタン)を含むことができる。そのような装置は、1つまたは複数のリモートポンプから流体分配デバイスを通じた体内の1つまたは複数の異なる部位への薬物の送出を可能にする。
前述のように、ポンプを流体分配デバイスに繋ぐ可撓性チュービングは、流体分配デバイスに永久的に取り付けられた第1の端部と、コネクタを含む第2の端部とを有することができる。その場合、ポンプアセンブリは、可撓性チュービングの第2の端部に設けられたコネクタへの取付けに適した相補的なコネクタ(例えば、雄ねじ山を有するポート)を含むことができる。この方法では、チュービングは、ポンプアセンブリと流体分配デバイスとの両方にしっかり取り付けることができる。ポンプアセンブリは、また、関連可撓性チュービングがしっかり取り付けられていないときにポンプアセンブリから流体が出ていくのを防ぐように構成された自閉式弁を有することができる。例えば、ポンプ上のコネクタは、自閉式コネクタとすることができる。あるいは、ポンプアセンブリは、流体流れまたは排出流体圧力を測定し、漏れが起こっている可能性が高い程度まで流量が増加するまたは圧力が低下する場合に流体の供給を停止するように構成することもできる。
有利には、ポンプアセンブリは、定圧ポンプを含む。ポンプアセンブリは、1つまたは複数の薬物を含む流体を蓄える1つまたは複数のリザーバを含むことができる。ポンプは、体内のいずれか適切な場所に植え込むことができ、例えば、ポンプは、腹部への植え込みに適合させることができる。リザーバを含めたポンプアセンブリは、流体リザーバに経皮的に補充する手段を有することができる。好都合には、流体をポンプから流体分配デバイスへと運ぶために、可撓性チュービングが設けられる。該チュービングは、皮下に通すことができる。チュービングは、10cmよりも長い、20cmよりも長い、50cmよりも長い、または1mよりも長いものとすることができる。チュービングは、作動が可能となるようにチュービングのコイルを患者の体内に設けることができるようにするのに十分に長いものとすることができる。
ポンプアセンブリが、流体分配デバイスおよび/または流体分配デバイスの機能を制御する制御電子機器に電力を供給する電源を含む場合、チュービングは、その長さに沿って走る複数の導電性トラックを含むことができる。これらの導電性トラックまたはワイヤは、好ましくは互いに電気的に絶縁されており、ポンプアセンブリと流体分配デバイスとの間で必要な信号および/または電力を運ぶように構成される。電気ワイヤをチュービングの周りに巻き付けることもでき、またはチュービングが外側(例えば、プラスチック)壁内に埋め込まれたそのようなワイヤを含むこともできる。ワイヤが埋め込まれる壁は、チュービングの内壁を形成することができる。チュービングは、一端または両端(例えば、ポンプアセンブリおよび/または流体分配デバイスに連結する端部)に、流体および電気接続の両方をもたらすコネクタを含むことができる。あるいは、必要に応じて別個の流体および電気コネクタを設けることもできる。ポンプと流体分配デバイスとの間の通信リンクが確立される場合、ポンプと流体分配デバイスとの両方の動作を制御するために単一の制御装置を設けることができる。
ゆえに、流体を運ぶコアまたはルーメンを画定する壁を含む植込み可能なチュービングであって、壁がまた1つまたは複数の導電性トラックも含むチュービングが、本明細書で記載される。導電性トラックまたはワイヤは、有利には、流体を運ぶコアと同軸なものとすることができる。コネクタは、必要に応じてチュービングの一端または両端に設けることができる。(1つまたは複数の)コネクタは、相補的なコネクタ(例えば、ポンプ上のコネクタ)への流体および電気接続の両方を提供することができる。そのようなチュービングは、前述のタイプの装置で使用することができ、またさらに、様々な異なる用途でも使用することができる。
有利には、装置は、複数のカテーテルを含んでおり、流体分配デバイスの各出口は、流体送出カテーテルに連結可能である、または連結される。流体分配デバイスの各出口は、可撓性チュービングを通じて流体送出カテーテルに連結することができる。ゆえに、装置は、流体分配デバイスの出口からカテーテルへと流体を運ぶために可撓性チュービングを含むことができ、そのようないずれのチュービングも頭皮全体にわたって皮下に通すことができる。被術体の脳への送出が必要とされる場合、カテーテルは、特許文献8に記載のタイプのものとすることができる。
前述のように、流体分配デバイスは、その中の流体圧力および/または流体流量を感知する1つまたは複数のセンサを含むことができる。流体の圧力および/または流量を感知する1つまたは複数のセンサは、好都合には、装置内の1つまたは複数の場所(例えば、ポンプもしくはカテーテルのところ)に設けることができる。これらのセンサのいくつかまたはすべてを、流体分配デバイスの外側に設けることができる。流体分配デバイスの弁機構の動作を制御する制御装置が設けられる場合、その制御装置は、また、流体分配デバイスの外部の場所で流体圧力(および/または流量)を監視するように構成することができる。有利には、制御装置は、確実に装置内の流体圧力が所定の値を超えないようにするように構成される。前述のように、制御装置は、所定の圧力値を超える場合、圧力警告信号を発することができる。
本発明の他の態様によれば、外科手術方法は、前述の1つまたは複数の流体分配デバイスを植え込むステップを含む。好都合には、該方法は、また、ポンプアセンブリおよび可撓性チュービングのうちの少なくとも1つを植え込むステップを含む。有利には、該方法は、また、少なくとも1つのカテーテルを植え込むステップを含む。好ましくは、少なくとも1つのカテーテルを植え込むステップは、中枢神経系の1つまたは複数の部分への流体の送出を可能にする少なくとも1つのカテーテルを植え込むステップを含む。好ましくは、カテーテルは、脳への流体の送出を可能にするように植え込まれる。そのようなカテーテルの場所は、必要とされる特定の処置によって決まる。
本発明の他の態様によれば、脳に薬物を送出する方法は、(a)複数のカテーテルがそれに植え込まれた被術体脳を得るステップと、(b)前記カテーテルの相互排他的な2つ以上のサブセットに流体を順次送出するステップとを含む。カテーテルの各サブセットは、1つまたは複数のカテーテルを含むことができる。有利には、ステップ(a)は、被術体脳に複数のカテーテルを植え込む工程を含む。好ましくは、ステップ(a)は、薬物をほぼ全脳に送出できるようになる場所に前記複数のカテーテルを植え込む工程を含む。
脳内の様々な部位への薬物の順次送出は、処置有効性を改善することができる。例えば、脳全体への薬物の送出は、7つのカテーテルを使用して最も効率的に達成することができる。例えば、第1のカテーテル対(セットA)は、薬物を左および右の前頭葉に送出するために挿入することができる。次いで、第2のカテーテル対(セットB)は、左および右の頭頂後頭葉への送出を可能にするように挿入することができる。第3のカテーテル対(セットC)は、左および右の側頭後頭葉に挿入することができる。カテーテル(セットD)は、また、白質トラックを通って薬物を小脳へと押し下げることができるように、脳橋に挿入することができる。
ゆえに、方法は、各セットA、B、C、およびDのカテーテルに薬物を順次送出することを伴うことができる。例えば、薬物を1時間にわたってセットAのカテーテルに送り出し、続いて薬物を1時間にわたってセットBのカテーテルに送り出し、続いて薬物を1時間にわたってセットCのカテーテルに送り出し、続いて薬物を1時間にわたってセットDのカテーテルに送り出すことができる。その場合、サイクルは、必要に応じて何度でも繰り返すことができる。サイクルには、薬物送出なしの期間を散在させることができ、薬物がその間に送出される時間は、必要に応じて、カテーテルのセットによって異なるものとすることができる。シーケンス(すなわち、A、B、C、D)は、また、変更することもでき、または必要に応じて時間とともに変化することもできる。
有利には、ステップ(b)は、各カテーテルに送出される流体の量を決定する工程を含む。例えば、流量を測定または推定することができる。そのような場合、特定の量の流体が送出されたときに、送出シーケンスの次のステップをトリガすることができる。ゆえに、ステップ(b)は、各カテーテルに送出される流体の量を選択する工程を含むことができる。
前述のように、ステップ(b)は、有利には複数回繰り返すことができる。例えば、薬物送出は、何時間、何日間、何週間、何ヶ月間、または何年間にもわたって実施することができる。さらに、各カテーテルによって送出される流体の相対量は、前記ステップ(b)の反復間に変更することができる。換言すれば、各カテーテルを通じた薬物送出のシーケンスおよび/または持続時間は、時間とともに変えることができる。薬物送出スキームのそのような変形形態は、例えばニューロトロフィンが送出される場合に必要とされることがある。ニューロトロフィンは、脳内の所望の標的部位で神経成長または軸索発芽を引き起こすことができる。成長/発芽がもたらされた後には、薬物は、新たに発芽した軸索および神経接続の完全性を維持することになる、神経細胞体が位置する、より離散的な領域に送出することができる。換言すれば、脳構造が受け取っている薬物によってその脳構造が変えられるにつれて、薬物送出プロファイルを適合させることができる。また、薬物送出プロファイルは、処置に対する患者の反応を考慮して医師によって変更することができる。
ステップ(b)は、好ましくは、薬物を送出する工程を含む。様々な状態を処置するいくつかの薬物について、以下でより詳細に説明する。送出される流体は、活性な構成成分がそれに溶解された液体(例えば、薬物、染料など)とすることもでき、または小さな固体粒子(例えば、ウイルス、ウイルスベクター、リポソーム、ナノ粒子、遺伝子治療剤など)を含む液体とすることもできる。好ましくは、ステップ(b)は、対流促進式の送出(convection enhanced delivery)を通じて流体を送出する工程を含む。換言すれば、カテーテルによる流体排出の圧力は、対流促進式の送出をもたらすように選択される。方法は、本明細書に記載される本発明の装置、または他のいずれかのタイプの装置を使用するステップを含むことができる。
ゆえに、リモートポンプから加圧流体を受け取る第1の入口と、1つまたは複数の出口とを含む、植込み可能な流体分配デバイスであって、前記第1の入口と前記1つまたは複数の出口との間で流体連通を選択的に確立できるようにする再構成可能な流体経路指定手段(例えば、流体経路指定弁または弁機構)を含むデバイスが、本明細書で記載される。
また、少なくとも1つの入口と1つまたは複数の出口とを含む、頭骨に据付可能な流体分配デバイスが本明細書で記載される。デバイスは、頭骨に形成された陥凹部または穴の中に少なくとも一部が据え付けられるように適合させることができる。デバイスは、それから突き出る、頭骨に(例えば、ねじを使用して)取り付けることのできる1つまたは複数のフランジを有することができる。デバイスは、受動的な(例えば、可動部をもたない)ものとすることもでき、または前述したタイプの流体経路指定手段(例えば、弁アセンブリなど)などの能動的コンポーネントを含むこともできる。デバイスは、また、ポンプおよび/またはリザーバを含むことができる。デバイスは、MEMSコンポーネントから形成することができ、5cm未満、より好ましくは3cm未満、より好ましくは1cm未満の1つの寸法を有することができる。デバイスは、好ましくはヒトの頭骨の上に据え付けるのに適している。好ましくは、デバイスは、複数の出口を含む。
また、第1の入口(例えば、リモートポンプから加圧流体を受け取る)と、複数の出口とを含む、植込み可能な流体分配デバイスであって、前記複数の出口が、出口の2つ以上の相互排他的なセットに分けられており、デバイスが、第1の入口と前記出口の2つ以上の相互排他的なセットのうちのいずれか1つとの間に流体連通を選択的に確立できるようにする再構成可能な流体経路指定手段(例えば、弁機構)を含むデバイスが、本明細書で記載される。好ましくは、出口の相互排他的なセットそれぞれが1対の出口を含む。前述のように、各出口は、カテーテルに連結することができる。デバイスは、出口(したがってカテーテル)の相互排他的なセットそれぞれへと流体を順に経路指定するように構成することができる。デバイスは、また、ポンプおよび/またはリザーバを含むことができる。デバイスは、MEMSコンポーネントから形成することができ、5cm未満、より好ましくは3cm未満、より好ましくは1cm未満の1つの寸法を有することができる。デバイスは、好ましくは、頭骨の上に据え付けるのに適している。
ここで、本発明について、単なる一例として添付の諸図面に即して説明する。
図1を参照すると、特許文献7に記載されているタイプの従来技術の植込み可能な薬物送出システムの略図が示されている。リザーバユニット21が、患者の前腹壁の上で、好ましくは腹直筋の前方の腹直筋鞘内で、皮下に植え込まれた状態で示されている。リザーバユニット21は、ある体積の注入用薬物を保持する目的を有しており、ユニット21が可能な限り多くの薬物を保持するためにかなり大きいので、このような場所は、非常に適している。
リザーバユニット21からは供給チューブ22に通じており、該供給チューブは、ポンプユニット23に通じる。供給チューブ22は、リザーバユニット21とポンプユニット23との間で皮下に通される。ポンプユニット23は、鎖骨下領域で皮下に植え込まれる。この場所での植え込みは、ポンプユニット23が小型であるので可能であり、それは、リザーバユニット21の場所が遠隔であることで可能となった。ポンプユニット23についてのこの場所は、患者にとって不便または不快であると判明せず、なおかつ経皮的補充が比較的容易である身体の表面に十分に近いことから、使用される。
ポンプユニット23は、それを通して容易に触診できるその前面上に補充ポート24を含む。ポンプユニット23は、そこから薬物が1つまたは複数の出口チューブへと送り込まれる1つまたは複数の出口ポート25を含む。出口チューブ26は、患者の脳に植え込まれた脳実質内カテーテル27に通じる。
脳実質内カテーテルは、脳神経外科の分野で、脳の特定の部分に薬物を送出することで知られている。カテーテルは、定位挿入され、それらの遠位端を脳内の処置されるべき標的の近くに置いて頭骨に固定される、剛性チューブである。脳実質内カテーテル27は、頭皮および頚部を通って皮下に通された出口チューブ26に連結される。
図1に記載されるタイプの、従来技術の植込み可能な薬物送出システムによって、薬物を長期間にわたって脳内の多数の部位に注入できるようになる。様々な部位に供給される流体の相対的な体積は、ポンプで使用されるチュービング直径によって制御できるが、薬物は、各部位に同時に供給される。しかし、そのような薬物送出方法が常に最適なレジメンを提供するわけではないことがわかっている。特に、本発明者は、脳の様々な部分に薬物を順次(同時ではなく)送出することによって、改善された処置が得られることを見出した。
図2を参照すると、脳の様々な領域への薬物の順次送出を可能にする、本発明の薬物送出装置が示されている。装置は、可撓性チュービング34を通じて頭骨に据付可能な流体分配デバイス32の入口に繋がれた一体型の薬物リザーバを有する、植込み可能なポンプアセンブリ30を含む。流体分配デバイス32の4つの出口は、それぞれ、4つの供給チューブ38a〜38d(以下、総じて供給チューブ38と称す)を通じて、4つのカテーテル36a〜36d(以下、総じてカテーテル36と称す)に連結される。流体分配デバイス32は、それについては以下でより詳細に説明するが、チューブ34を通じてポンプアセンブリ30から加圧流体を受け取り、その流体を各カテーテル36へと順に経路指定するように構成される。1つのカテーテルへの薬物送出を順に循環させることが好ましいが、流体分配デバイスは、カテーテルの排他的サブセットへと流体を順次経路指定するように構成することができる。例えば、流体は、異なるカテーテル対へと順に経路指定することができる。
薬物送出装置全体が、患者の体内に植込み可能である。例えば、ポンプアセンブリ30は、腹部に植え込むことができ、可撓性チュービング34は、頭骨に据え付けられた流体分配デバイス32へと皮下に通すことができる。同様に、供給チューブ38は、頭皮を通って各カテーテル36へと皮下に通すことができる。カテーテルは、定位挿入され、それらの遠位端を処置されるべき標的の近くに置いて頭骨に固定されるチューブである。
4つのカテーテル36は、特定の医学的状態の処置に必要とされるのに応じて、同一のものであっても異なるものであってもよいことに留意すべきである。例えば、視床に薬物を供給するために1対のより大きなカテーテルを使用しながら、患者の脳幹に薬物を送出するために1対の微小カテーテルを使用することができる。適切なカテーテルは、特許文献8に記載されており、その内容を参照により本願に援用する。
特定の状況では、薬物送出装置が対流促進式の薬物送出を提供することが好ましい。換言すれば、各カテーテル36の流出開孔部のところの流体圧力は、組織の膨圧を克服するには十分であるが、カテーテルと組織との界面に沿った流体の逆流を引き起こすほどには高くないように構成することができる。この方法では、拡散薬物送出技術を使用するよりも深く薬物を組織に押し入れることができる。対流促進式の送出が行われる状況(regime)は、各標的部位での組織の膨圧、カテーテル流出開孔部のサイズ、およびカテーテル流出開孔部での流体の圧力によって決まる。当業者は、必要ならば対流促進式の薬物送出をもたらすように装置を構成することができる。
ポンプアセンブリ30は、単一の薬物リザーバだけを含むが、また、多数のリザーバから流体を引き出すポンプアセンブリを使用することも可能である。そのような配置では、ポンプアセンブリは、流体分配デバイス32の単一の入口に異なる薬物または薬物濃度を通すように構成することができる。あるいは、流体分配デバイスには、別個のチュービングまたは多重コアチュービングを通じて異なる流体を別々に受け取るために、多数の入口を設けることもできる。この後者の場合、流体分配デバイスは、2つ以上の入口から受け取った薬物を混合し、そのような混合された流体を出口へと選択的に経路指定するように構成することができる。2つ以上の入口から受け取られた流体の相対混合比は、その流体を異なる出口へと導くときには、同じものとすることも異なるものとすることもできる。
また、本明細書に含まれる諸実施例は、脳の諸領域に薬物を送出することを記載しているが、流体分配デバイスを使用して薬物または任意のタイプの流体を体内のいずれの(1つもしくは複数の)部位にも送出できることに留意すべきである。例えば、薬物は、中枢神経系の他の部分、主要な臓器(例えば、腎臓、肝臓など)、または筋肉に供給することができる。同様に、デバイスを必要に応じてヒトの身体にも動物の身体にも植え込むことができることが、当業者には認識される。
ここで図3を参照すると、図2に関して記載した植込み可能な流体分配デバイス32の様々なコンポーネントの略図が与えられている。植込み可能な流体分配デバイス32は、可撓性チュービング34を通じて関連ポンプアセンブリ30から加圧流体を受け取る入口40を含む。入口40で受け取られた流体は、任意の圧力センサ44および/または任意の流量センサ46を通って四方弁42へと経路指定される。流体分配デバイスの四方弁42部分は、以下でより詳細に説明するいくつかの異なる方法で実装できるが、弁42の基本機能は、入口40で受け取られた流体を4つの出口50a〜50dのうちのいずれか1つへと経路指定することである。弁42からの流体排出は、任意の流体圧力センサ52a〜52dおよび/または任意の流量センサ54a〜54dを通って、その関連出口へと経路指定することができる。各出口50a〜50dは、チュービング38a〜38dを通って関連カテーテル36a〜36dに連結される。また、弁42の動作を制御し、デバイスのいずれかの圧力および/または流量センサからデータを受け取るために、制御装置56が設けられる。別個の流れセンサを設けることができるが、流路に沿った2点間の圧力降下から流量を決定できることが当業者には認識されよう。これによって、別個の流量センサを設ける代わりに、流量を測定するために1対の圧力センサを使用できるようになる。そのような1対の圧力センサのうちの1つは、必要ならばリモートポンプのところに配置することができる。
使用に際しては、流体は、入口40から各出口50a〜50dへと順に経路指定される。患者に植え込まれた後には、薬物は、ゆえに、4つのカテーテル36を通じて脳内の4つの部位へと順次送出することができる。脳内の様々な標的部位への薬物の順次(同時ではなく)送出は、特定の処置の有効性を大きく改善し、かつ/または特定の処置に付随した副作用を低減することがわかっている。例えば、脳腫瘍に隣接した部位への化学療法薬の順次送出は、そのような薬物を同じ部位に同時に送出するよりも患者に対する有害な影響が低いことがわかっている。また、四方弁42が、すべての出口への流体流れが妨げられる第5の「オフ」状態を有することができることに留意すべきである。換言すれば、異なるカテーテルを通じた薬物の順次送出には、薬物が送出されない期間を散在させることができる。
流体分配デバイス32の動作は、制御装置56によって制御される。最も単純な構成では、制御装置56は、所定の持続時間にわたって流体を各出口へと順次経路指定するように弁42を作動させるように構成(例えば、予めプログラム)される。そのような配置では、流体は、各出口50に同じ持続時間にわたって経路指定することもでき、または異なる出口には異なる期間にわたって経路指定することもできる。制御装置56は、また、すべての流体流れが妨げられる期間が存在するように構成することができる。
流体分配デバイス32の予めプログラムされた経路指定スケジュールは、ポンプアセンブリ30によって提供される流体圧力および/または流体組成と同期させることができる。例えば、ポンプは、流体分配デバイスが流体を第1のカテーテルへと経路指定している期間は第1の圧力で、流体分配デバイスが流体を第2のカテーテルへと経路指定している期間は第2の圧力で流体を送出するように構成することができる。ポンプアセンブリ30は、また、すべての出口への流体流れが妨げられる「オフ」状態に流体分配デバイス32がある期間は、流体流れを停止するように構成することができる。
制御装置56は、また、任意の圧力センサ44を使用して入口40で受け取られる流体の圧力を監視するように構成することができる。代替的に、または追加的に、制御装置56は、任意の流量センサ46を使用して流体分配デバイス32へと達する流体の量を監視するように構成することもできる。このような配置によって、異なるカテーテルを通じた薬物送出の必要な持続時間を決定するために、測定された流入流体圧力および/または流入流体流量を制御装置56によって使用できるようになる。制御装置56は、さらに、あるいは代替的に、任意の圧力センサ52および/または任意の流量センサ54を使用して各出口での流体圧力および/または流体流量を監視するように構成することもできる。この方法では、デバイスによって排出される流体の量および/または流体の圧力を測定することができる。そのような測定値を制御装置56によって使用して、例えば特定の投薬量を提供するために、各カテーテル36を通じて必要とされる流体送出の持続時間を計算することができる。
流体分配デバイス32は、また、選択された出口50での流体の圧力が入口40で受け取られた流体の圧力よりも低くなるように構成することができる。例えば、弁42は、経路指定装置(router)の役割を果たすことができるだけでなく、また、出口50への流体圧力および/または流量の制御をいくらかもたらすように構成することもできる。あるいは、経路指定弁42が入口40のところの圧力よりも低い圧力で流体を受け取るように、別個の圧力調節装置(図示せず)を設けることもできる。流体圧力調節を予め定められたものとすることもでき(例えば、固定圧力調節装置を設けることができ)、または各出口での流体圧力を制御装置56によって動的に制御することもできる。入口40で受け取られる流体の圧力は時間とともに変化するが各出口で流体の一定圧力が必要な場合、流体圧力調節をもたらすことが有利な可能性がある。
制御装置56は、流体分配デバイス32を患者に植え込む前に特定の薬物送出レジメンを提供するように構成(例えば、プログラム)することができる。流体分配デバイス32は、また、植込み後にテレメトリリンクを確立できるように通信デバイス(例えば、RF送信機/受信機)を含むことができる。この方法では、デバイスが患者に植え込まれたときに該デバイスからデータを受信かつ/または該デバイスにデータを送信することができる。また、テレメトリリンクを使用して、植え込まれたデバイスから情報を受信することもでき、その結果、例えば、送出された薬物の量や様々なカテーテルを通る流量などに関する情報をデバイスから受信できるようになる。そのようなデータは、植込み後の薬物送出システムの正しい動作を保証するために使用することができる。テレメトリリンクは、また、薬物送出プログラムを必要に応じて変更させる制御装置56にコマンドを送信するために使用することもできる。
流体分配デバイス32の入口40に流体を供給するポンプアセンブリ30は、いずれか公知のタイプのものとすることができる。例えば、ポンプ30アセンブリは、定圧ポンプとすることができる。定圧ポンプは、通常、リザーバが満たされたときにガスが圧縮され、次にそれがリザーバを空にするための圧力をもたらすように、ガスを含むハウジング内に配置された薬物リザーバを含む。換言すれば、加圧流体を吐出するために必要とされるエネルギーは、充填プロセスによって提供され、別個の動力源は必要とされない。あるいは、電動ポンプアセンブリを設けることもできる。
図4を参照すると、図2および図3に関して前述したタイプの植込み可能な流体分配デバイス32の外側ハウジングが示されている。流体分配デバイス32は、ほぼ円筒状で、ドーム形の上面64を有する。流体分配デバイス32は、弁42と必要なチュービングなどとを含む上側部分66、および制御装置56の電子機器とデバイスに電力供給するのに必要なバッテリとを含む下側部分68を有する。デバイスの下側部分68の大部分は、患者の頭骨70に形成された陥凹部または穴の中に配置することができる。突き出たフランジ72によって、ねじ74を使用してデバイス32を頭骨にしっかり取り付けることができるようになる。デバイスの入口40および出口50(図4では出口50aおよび50bだけが示されていることに留意する)は、上側部分66の半径の周りに分配配置され、上側部分からほぼ垂直に突き出る。入口40および各出口50は、縫合を使用してチュービング(例えば、可撓性チュービング34およびカテーテル供給チューブ38)をそれにしっかり取り付けることのできるノズルを含む。あるいは、ノズルは、チュービングをそれに取り付けることのできるバーブ付き端部、または「スナップ嵌め」コネクタを含むこともできる。
図2から図4に関して記載した流体分配デバイス32は、必要な制御電子機器およびバッテリすべてを収容する。ただし、また、電源および/または電子機器の一部を流体分配デバイスから遠隔に配置することも可能である。そのような薬物送出装置の一例を、ここで、図5に即して説明する。
図5に示される装置は、可撓性プラスチックチュービング126を通じてリモート流体リザーバ128に取り付けられたポンプアセンブリ130を含む。また、患者の頭骨の上に据え付けるのに適した流体分配デバイス132も示されている。流体分配デバイス132は、可撓性チュービング134を通じてポンプアセンブリ130から流体を受け取る入口を有する。流体分配デバイス132は、また、4つの関連供給チューブ38a〜38d(以下、総じて供給チューブ38と称す)を通じて、カテーテル36a〜36d(以下、総じてカテーテル36と称す)それぞれに連結される。
流体分配デバイス132は、以上で図2から図4に関して記載した流体分配デバイス32に類似の機能を果たす。ただし、流体分配デバイス132は、一体型電源を含まない。代わりに、可撓性チュービング134は、その外表面の周りに巻き付けられた、またはその外表面に形成された、絶縁された電気ケーブル135を有する。電源(例えばバッテリ)がポンプアセンブリ130内に配置されており、電気ケーブル135を通じて電力が流体分配デバイス132に供給される。ポンプアセンブリ130は、流体分配デバイス132に電力供給するために使用されるのと同じ電源によってやはり電力供給できる電気ポンプを含むことができる。ポンプアセンブリ130内にバッテリを配置すると、以上で図2から図4に関して記載した流体分配デバイス32に比べて、流体分配デバイス132のサイズが縮小される。
リモート電源に加えて、流体分配デバイス132の動作を制御するために使用される電子機器の一部またはすべてをポンプアセンブリ130内に配置することができる。そのような一実施例では、多芯電気ケーブルを使用して、ポンプアセンブリから流体分配デバイス132に電力および制御信号の両方を送ることができる。あるいは、流体分配デバイス132は、無線リンクを通じてポンプアセンブリ130内の電子機器によって制御することもできる。そのような配置では、流体分配デバイス132の流体経路指定機能は、ポンプ制御と同期させることができ、その結果、例えば、ポンプによって排出される異なる流体圧力または薬物組成を異なるカテーテルへと経路指定できるようになる。
図6を参照すると、前述のタイプの流体分配デバイスに含めるのに適した弁アセンブリ部分150が示されている。弁150は、4つの排出チューブ152a〜152dへと分岐する流入チューブを含んでおり、またさらに4つのセグメント156a〜156dを有する回転可能部材154も含む。また、図示されていないが、回転可能部材154を回転させるために、モータ(例えば電気ステッパモータ)を設けることができる。
回転可能部材154の4つのセグメント156a〜156dは、それぞれ、4つの変形可能チューブ152a〜152dの1つに隣接して配置され、円形部分とほぼ平らな部分とを含む断面プロファイルを有する。回転可能部材154の回転によって、各セグメントの平らなまたは円形の断面部分を必要に応じて関連可撓性チューブに隣接させて配置できるようになる。各セグメントの円形断面部分は、関連可撓性チューブを変形させ、それによってそのチューブ内の流体流れを妨げるように構成されており、セグメントのほぼ平らな断面は、最小限のチューブ変形をもたらし、それによって流体をチューブ内に通すように構成される。各セグメントの平らな部分は、常に流体が4つの排出チューブ152a〜152dのうちの1つだけを通ることができるようにオフセットされる。回転可能部材154の回転によって、「開」である1つのチューブを必要に応じて選択できるようになる。また、回転可能部材154の回転を使用して、チューブ変形量を制御し、したがって「開」チューブ内の流量の制御をもたらすことができる。
図7を参照すると、前述のタイプの流体分配デバイスに含めるのに適した代替的な弁アセンブリ170が示されている。アセンブリは、多数の出口174を有する外側ハウジング172を含む。外側ハウジング172内には、開孔部180と、流体を(例えばリモートポンプから)受け取るための入口182とを有する、回転可能部材178が収められている。入口182から回転可能部材178に進入する流体が開孔部180を通ってしか回転可能部材178から流出できないように、流体シールが設けられる。回転可能部材178の回転によって、開孔部を出口174のいずれか1つと位置合わせできるようになり、その結果、流体を入口182から出口174のうちのいずれか1つへと選択的に経路指定できるようになる。
図8を参照すると、前述のタイプの流体分配デバイスに含めるのに適した他の弁アセンブリ190が示されている。弁アセンブリ190は、複数の流体出口192を有するほぼ円筒状の外側ハウジング191を含む。複数の開孔部196を有するほぼ円筒状の内側部材194が、外側ハウジング191内で保持される。内側部材194は、また、加圧流体を受け取る入口198を含む。内側部材194は、外側ハウジング191内で回転可能であり、入口198から受け取られた流体が、開孔部196がその関連流体出口192と位置合わせされているときにだけその開孔部を通り抜けることができるように、内側部材194と外側ハウジング191との間に流体シールが設けられる。この方法では、外側ハウジング191内での内側部材194の回転によって、入口198と出口192のうちのいずれか1つとの間に流体連通を選択的に確立することができる。
図9を参照すると、前述のタイプの流体分配デバイスに含めるのに適した他の弁アセンブリ200が示されている。弁アセンブリ200は、径方向にオフセットされた複数の流体出口204を有する、ほぼ円筒状の外側ハウジング202を含む。複数の開孔部208を有するほぼ円筒状の内側部材206が、外側ハウジング202内で保持される。内側部材206は、また、加圧流体を受け取る入口210を含んでおり、外側ハウジング202に対して軸方向に平行移動可能である。開孔部がその関連流体出口208と位置合わせされたときにだけ流体がそのような開孔部を通り抜けることができるように、内側部材206と外側ハウジング202との間に流体シールが設けられる。ゆえに、流体連通は、外側ハウジング202内での内側部材206の線形平行移動によって、入口210と出口204のうちのいずれか1つとの間に選択的に確立することができる。
単一の流体分配デバイス(例えば、以上で図2から図9に関して記載した流体分配デバイス32または132)を患者に植え込むこともでき、またはそのようないくつかのデバイスを植え込んで1つに繋ぐこともできる。流体分配デバイスを1つに繋ぐことのできる2つの方法が、図10に示されている。
図10Aを参照すると、第1の流体分配デバイス230と第2の流体分配デバイス232とを含む流体送出装置が示されている。第1の流体分配デバイス230は、入口234と3つの出口236とを含む。第2の流体分配デバイス232は、入口238と2つの出口240とを含む。第2の流体分配デバイス232の入口238は、第1の流体分配デバイス230の出口236に連結される。この場合、カテーテルは、第1の流体分配デバイス230の他の出口236と、第2の流体分配デバイス232の出口240とに連結することができる。ゆえに、この配置によって、流体を4つのカテーテルのうちのいずれか1つへと経路指定できるようになる。
図10Bを参照すると、2つの流体分配デバイス240を含む流体送出装置が示されている。各流体分配デバイス240は、入口242と、1対の出口244とを含む。流体をリモートポンプアセンブリ(図示せず)から各流体分配デバイス240の入口へと経路指定するために、分岐チューブ246が配置される。この配置は、また、流体を4つの出口244に連結された4つのカテーテルのうちのいずれか1つへと経路指定できるようにする。
2つ以上の流体分配デバイスが設けられる場合、協調的な流体経路指定操作を実施することができる。例えば、流体分配デバイスは、流体を特定の時間間隔にわたって特定の出口へと経路指定するようにプログラムすることができる。この場合、2つの流体分配デバイスの動作を植込みの前に同期させることができる。あるいは、何らかの種類のデータリンク248を2つの流体分配デバイス間に設けることもできる。この場合、一方の流体分配デバイスをマスターユニットとすることができ、他方のデバイスをスレーブユニットとすることができる。あるいは、2つ以上の流体分配デバイスをリモート制御ユニットにケーブルで繋ぐこともでき、例えば、関連ポンプアセンブリが、分配デバイス動作に必要な電源および/または制御電子機器を含むことができる。2つの流体分配デバイスの組合せが示されているが、必要に応じて任意の数のユニットを1つに繋ぐことができることが当業者には認識される。
図11から図13を参照すると、本発明の流体分配デバイス300の代替的な設計が示されている。特に、図11は、流体分配デバイス300の様々なコンポーネントの分解組立図を与えており、該流体分配デバイス300は、図12ではその組み立てられた状態で示されている。
図11を参照すると、流体分配デバイス300は、ステッパモータ302と、制御電子機器304と、5つの圧力センサが306と、流体ハウジング308と、突き出た機構317を有する環状の回転可能部分316とを含む。また、末端キャップ318およびバッテリ319も設けられている。流体ハウジング308は、入口310と、4つの出口312(図11では出口のうちの2つだけが示されていることに留意する)とを含む。流体ハウジング308は、入口310から中央の内部キャビティまで走る流体経路を含む。他の4つのキャビティそれぞれが、関連出口312と流体連通する。また、他のキャビティは、それぞれ、開孔部を通じて中央の内部キャビティに結合されており、流れ制御部材が各開孔部の近くに設けられる。
各流れ制御部材は、外部から加えられる力がないときには該流れ制御部材がその関連開孔部に係合して該関連開孔部とともに流体シールを提供するように、ばね荷重をかけられている。回転可能部分316の突出部317は、該突出部をいずれか選択された流れ制御部材に押し付けることができ、それによって該流れ部材をその開孔部から係脱させ、その結果関連出口への流体の通過を可能にするように配置される。この方法では、中央の内部キャビティから選択された出口への流体流れの量は、回転可能部分316の突出部317によって流れ制御部材に加えられる力を変えることによって制御することができる。5つの圧力センサ306によって、入口圧力と4つの出口それぞれのところの圧力とを別々に監視できるようになる。
その動作が制御電子機器304によって制御されるステッパモータ302は、制御電子機器304および流体ハウジング308部分に形成された開孔部を通り抜けて回転可能部分316に係合するシャフトを有する。ステッパモータ302を作動させることによる回転可能部分316の回転によって、回転可能部分316の突出部317を流れ制御部材のうちのいずれか選択された1つと位置合わせできるようになる。突出部317は、傾斜表面を有しており、したがって、やはり流れ制御をもたらす。ゆえに、ステッパモータ302を使用して回転可能部分316を回転させると、流体を入口からいずれか1つの選択された出口へと必要な流量で流せるようになることがわかる。
図12を参照すると、図11に関して記載した流体分配デバイス300がその組み立てられた状態で示されている。デバイス300は、ステッパモータ302と、電子機器304と、流体ハウジング308と、さらにバッテリ319とを含む。図4に関して前述したように、デバイスは、頭骨に形成された陥凹部または頭骨を貫く穴に植え込むのに適している。
図13Aおよび図13Bを参照すると、図11および図12に関して記載した流体ハウジング308のより詳細な図が示されている。
図13Aは、入口キャビティ339を通じて入口310と流体連通する中央の内部キャビティ340を含むハウジング308を示す。中央の内部キャビティ340の壁には、流体がそれを通って他の出口キャビティ341へと到達できる開孔部が形成される。各出口キャビティ341は、また、関連出口312と流体連通する。各出口キャビティ341には、また、円錐状プラグ326とばね荷重がかけられた据付部328とが設けられる。追加の力がないときには、ばね荷重がかけられた据付部328は、円錐状プラグ326と開孔部を画定する壁とを係合させるように配置される。回転可能部分316は、ステッパモータ302のシャフト330に繋がれる。また、圧力センサ306が、入口キャビティ339および出口キャビティ341内に設けられる。回転可能部分316の回転は、該回転可能部分に形成された突出部をプラグ326のうちのいずれか1つと位置合わせさせ、それによって該プラグをその関連開孔部から係脱させ、それによって該開孔部を通る流体流れを可能にする。適切な形状をした突出部(例えばランプ(ramp))を提供すると、開孔部に対する関連ゴム引きプラグ326の位置を制御できるようになる。換言すれば、開孔部を通る流量は、必要に応じて開孔部を部分的に塞ぐように回転可能部分316を使用してゴム引きプラグの位置を変化させることによって制御することができる。
図13Bは、図13Aの線I−Iに沿ったハウジングの断面図を示す。ハウジング308が、4つの出口キャビティ341と1つの入口キャビティ339とを画定する5つのセグメントに分割されることがわかる。入口キャビティ341の開孔部360は、遮断されない。4つの出口キャビティのうちの3つの開孔部は、関連プラグ326によって塞がれる。1つの出口キャビティの開孔部362は、関連プラグ326によって封止されず、すなわち、この構成では、プラグ326は、図13Aに示されるように回転可能部分316の突出部317によって開孔部362から係脱させられている。
図11から図13の図が概略的なものにすぎないことに留意すべきであり、基本概念の多くの変形形態が可能であることが当業者には理解される。例えば、ハウジングは、流体経路内のデッドスペースを最小限に抑えるように設計することができる。また、回転可能部分316とばね荷重をかけられた機構とがプラグを各開孔部内に押し込む別個の圧電アクチュエータに置き換えられた、類似の配置を提供することもでき、そのようなアクチュエータは、電力消費を最小限に抑えるために双安定なものとすることができる。さらに、加えられる力がないときにはプラグが各関連開孔部から係脱するように、それらのプラグにばね荷重をかけることができる。そのような場合、回転可能部分316は、陥凹部がプラグと位置合わせされたときにプラグに加わる物理的な力が解放されるように、陥凹部を含むことができる。
図14は、図11〜13に示されるデバイスの変形形態を示す。図13Aに示されるように各開孔部を選択的に塞ぐ円錐状プラグ326を設ける代わりに、図14は、開孔部402を覆うために可撓性ダイアフラム400が使用されるデバイスを示す。また、ダイアフラムと接触させることのできる双安定アクチュエータ404が設けられる。図14Aは、アクチュエータ404がダイアフラム400を開孔部402と接触させ、それによって該開孔部を通る流体流れを妨げる、「閉」状態を示す。図14Bは、ダイアフラムが開孔部に押し当てられず、それによって流体の通過を可能にする、「開」状態を示す。また、必要ならば中間の流れ状態を提供することができる。図14には1つの開孔部だけが示されているが、単一のダイアフラムは複数の開孔部を覆うことができる。その場合、ダイアフラムを各アクチュエータと接触させる個々のアクチュエータを設けることもでき、または前述の回転可能部分316に類似した単一の作動機構を、すべての開孔部を通る流れを制御するために使用することもできる。
図15は、他の回転弁機構を示す。基部部分452に対して回転可能な中央部分450が設けられている。基部部分452は、必要に応じて機構の入口/出口ポートに連結される4つのチャネル454a〜454dを含む。中央部分450は、2つのチャネル456aおよび456bを含む。図15Aに示される回転位置では、基部部分452のチャネル454aおよび454bは、中央部分450のチャネル456aを通じて流体連通し、基部部分452のチャネル454cおよび454dは、中央部分450のチャネル456bを通じて流体連通する。
図15Bに示されるように中央部分を約90°回転させると、弁内の流体経路が変化する。特に、図15Bから、そのような回転が、基部部分452のチャネル454bと454cとを中央部分450のチャネル456aを通じて流体連通させ、基部部分452のチャネル454aと454dとを中央部分450のチャネル456bを通じて流体連通させることがわかる。チャネル454aが入口と流体連通している場合、中央部分450の回転によって、それぞれの出口と流体連通できるチャネル454bまたは454dのうちのいずれか1つへと流体を経路指定できるようになることがわかる。また、流体は、チャネル454cから454bまたは454dのいずれかへと選択的に経路指定することができる。4つのポート弁が示されているが、必要に応じてより多いまたはより少ないポートを設けることができる。
図16は、デバイスを通る流体経路指定路を変えるために角回転の縮小が必要とされる、図15の回転弁機構の「バーニヤ(Vernier)」バージョンを示す。弁機構は、基部部分500と、回転可能部分502とを含む。基部部分は、回転可能部分502のところで終わる複数のチャネル504a〜504gを含む。回転可能部分は、4つのチャネル506a〜506dを含む。回転可能部分502の各チャネル506の近位端は、互いに流体連通しており、これらのチャネルの遠位端は、回転可能部分502の周囲に分配配置される。
使用に際しては、回転可能部分502のチャネル506の近位端は、基部部分500の選択されたチャネルと流体連通して置かれる。図16は、回転可能部分502のチャネル506a〜dの近位端と流体連通する基部部分500のチャネル504aを示す。図16は、また、回転可能部分502のチャネル506aの遠位端が基部部分500のチャネル504bと位置合わせされた様子を示しており、この構成によって、流体がチャネル504aから回転可能部分502を通ってチャネル504bへと到達できるようになる。回転可能部分502の反時計回りの小さな回転は、チャネル506aと504bとの間の流体連通を遮断させるが、その後、チャネル506bと504cとの間で流体連通が確立される。反時計回りのさらなる回転は、次いで、チャネル506cと504dとの間などに流体接続を確立する。この方法では、回転可能部分502の比較的小さな回転運動を使用して、流体を様々な出口へと経路指定することができる。また、より大きな運動を使用して、流体がそれを通って回転可能部分502の各チャネル506の近位端へと到達できる、基部部分500のチャネルを変更することができる。換言すれば、弁機構は、複数の入口を提供することができる。本明細書に記載の装置は、ヒトまたは動物の体内の1つもしくは複数の任意の部位に流体を送出するように植え込むことができる。ただし、装置は、植え込まれた1つまたは複数のカテーテルを通じてある種の治療剤/薬物を脳に供給することを伴う医学的処置で使用するのに特に適している。流体は、それに溶解した1つもしくは複数の剤を含むこともでき、または流体によって運ばれる粒子(例えば、遺伝子治療剤、ナノ粒子、ウイルスベクター、リポソームなど)を含むこともできる。
図17を参照すると、脳への対流促進式送出について可能ないくつかの用途が与えられている。特に、剤のタイプと、そのような剤を送出するために必要な外径0.2mmのカテーテルの数とが示されている。特定の状況では、送出レジメンは、連続送出を必要とすることがあり、他方、他の処置は、パルス状(ボーラス)送出を必要とすることがある。複数のカテーテル(または複数のカテーテルのセット)を通じた治療剤の順次送出は、また、処置有効性の改善をもたらすことができる。図17のリストが決して網羅的なものではないことに留意すべきである。前述したタイプの装置を使用できる多数の用途が当業者には理解される。
脳の様々な部分に薬物を同時に送出する従来技術の薬物送出装置を示す図である。 脳の様々な部分に薬物を順次送出する本発明の薬物送出装置を示す図である。 図2に示される流体分配デバイスの様々なコンポーネントを示す図である。 図2および図3に示される流体分配デバイスの外側ハウジングを示す図である。 脳の様々な部分に薬物を順次送出する本発明の代替的な薬物送出装置を示す図である。 流体分配デバイスとして使用するのに適した第1の弁アセンブリを示す図である。 流体分配デバイスとして使用するのに適した第2の弁アセンブリを示す図である。 流体分配デバイスとして使用するのに適した第3の弁アセンブリを示す図である。 流体分配デバイスとして使用するのに適した第4の弁アセンブリを示す図である。 いくつかの流体分配デバイスの組合せを示す図である。 いくつかの流体分配デバイスの組合せを示す図である。 本発明の流体送出デバイスの分解組立図である。 図11のデバイスを組み立てられた状態で示す図である。 図11のデバイスの流体流れ経路を示す図である。 図11のデバイスの流体流れ経路を示す図である。 図11〜13の弁機構のダイアフラムバージョンを示す図である。 図11〜13の弁機構のダイアフラムバージョンを示す図である。 他のタイプの回転弁機構を示す図である。 他のタイプの回転弁機構を示す図である バーニヤ(Vernier)タイプの回転弁機構を示す図である。 本発明の様々な薬物送出用途を記載する図である。

Claims (42)

  1. 植込み可能な流体分配デバイスであって、
    リモートポンプから加圧流体を受け取る第1の入口と、
    それぞれ流体送出カテーテルに連結可能な複数の出口と、
    前記第1の入口から前記複数の出口への流体の通過を制御する弁機構とを含むことを特徴とするデバイス。
  2. 前記弁機構は、それを通り抜ける流体の流量および圧力のうちの少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記弁機構は、流体が前記第1の入口から前記複数の出口のいずれへも通ることのできないシャットオフ状態を提供することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  4. 出口の相互排他的な2つ以上のセットを含んでおり、出口の各セットは、前記複数の出口のうちの少なくとも1つを含んでおり、前記弁機構は、流体がある一瞬に前記第1の入口から出口の1つのセットだけに通ることができるようにすることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 前記弁機構の動作を制御する制御装置を含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 出口の相互排他的な2つ以上のセットを含んでおり、出口の各セットは、前記複数の出口のうちの少なくとも1つを含んでおり、前記制御装置は、流体が前記第1の入口から出口の各セットへと順番に通されるように前記弁機構を操作するように構成されることを特徴とする請求項5に記載のデバイス。
  7. 流体圧力および流体流量のうちの少なくとも1つを感知する少なくとも1つのセンサを含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 前記少なくとも1つのセンサは、前記弁機構内に配置されることを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
  9. 少なくとも1つの追加の入口を含でんおり、前記弁機構は、また、前記少なくとも1つの追加の入口から前記複数の出口への流体の通過を制御することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  10. 前記弁機構は、前記第1の入口および前記少なくとも1つの追加の入口から流体を受け取る混合チャンバを含むことを特徴とする請求項9に記載のデバイス。
  11. 少なくとも3つの出口を含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  12. 少なくとも4つの出口を含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  13. 前記弁機構は、チャンバを含んでおり、前記チャンバは、前記第1の入口と流体連通し、複数の排出開孔部を有しており、排出開孔部を通じて前記チャンバから流出する流体は、前記複数の出口のうちの1つへと経路指定されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  14. 前記弁機構は、各排出開孔部に関連付けられた可動プラグを含んでおり、各可動プラグの運動は、前記関連開孔部を通る流体流れを制御することを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記弁機構は、複数の電動アクチュエータを含んでおり、各電動アクチュエータは、前記可動プラグのうちの少なくとも1つを動かすように配置されることを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
  16. 前記弁機構は、前記複数の可動プラグそれぞれをその関連開孔部と接触させることのできる単一の可動部材を含むことを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
  17. 前記弁機構は、外側部材内で実質的に保持された、前記外側部材に対して可動の内側部材を含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
  18. 前記内側部材は、前記第1の入口と流体連通するキャビティを画定しており、前記外側部材は、複数の排出ポートを含んでおり、各排出ポートは、前記出口のうちの1つと流体連通しており、前記内側部材は、それに形成された少なくとも1つの開孔部を有しており、前記外側部材に対する前記内側部材の運動によって、流体を前記第1の入口から前記可動部材の前記少なくとも1つの開孔部を通って前記複数の出口のうちのいずれか1つまたは複数へと選択的に経路指定できるようになることを特徴とする請求項17に記載のデバイス。
  19. 前記内側部材は、前記外側部材に対して軸方向に平行移動可能および回転可能の少なくとも一方であることを特徴とする請求項18に記載のデバイス。
  20. 前記弁機構は、前記第1の入口から流体を受け取る、第1の弾性変形可能なチュービングと、流体を前記複数の出口へと送出する、1つまたは複数の追加の弾性変形可能なチュービングとを含んでおり、前記弁機構は、前記1つまたは複数の追加の弾性変形可能なチュービングそれぞれに対して選択的に押し付けることができ、それによって前記チュービング内の流体の通過を制御する、単一の流れ制御部材を含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
  21. 前記弁機構は、前記流れ制御部材を動かす電動アクチュエータを含むことを特徴とする請求項20に記載のデバイス。
  22. 一体型電源を含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  23. 前記第1の入口および前記複数の出口それぞれは、チューブに連結するコネクタを含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  24. 前記弁機構の流体接触表面のほぼすべては、ウイルス活性を大きく低減しない材料から形成されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  25. 前記流体接触表面は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フルオロエチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン、ガラス、およびセラミックのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項24に記載のデバイス。
  26. 皮下に据え付けられるように構成されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  27. 頭骨に形成された陥凹部内に少なくとも一部が据え付けられるように構成されることを特徴とする請求項26に記載のデバイス。
  28. ほぼ円筒状の外側ハウジングを含むことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
  29. 前記請求項のいずれか一項に記載の植込み可能な流体分配デバイスと、少なくとも1つのポンプアセンブリとを含む薬物送出装置であって、前記少なくとも1つのポンプアセンブリから前記流体分配デバイスまで流体を運ぶために可撓性チュービングが設けられることを特徴とする薬物送出装置。
  30. 前記ポンプおよび前記流体分配デバイスの動作を制御するために単一の制御装置が設けられることを特徴とする請求項29に記載の装置。
  31. 請求項1から28のいずれか一項に記載の植込み可能な流体分配デバイスと、複数の流体送出カテーテルとを含む薬物送出装置であって、前記流体分配デバイスの各出口は、流体送出カテーテルに連結されることを特徴とする薬物送出装置。
  32. 各出口は、可撓性チュービングを通じて流体送出カテーテルに連結されることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  33. 前記装置内の1つまたは複数の場所で流体の圧力を感知する1つまたは複数のセンサと、前記流体分配デバイスの前記弁機構の動作を制御する制御装置とを含んでおり、前記制御装置は、確実に前記装置内の前記流体圧力が所定の値を超えないようにするように構成されることを特徴とする請求項29から32のいずれか一項に記載の装置。
  34. 請求項1から28のいずれか一項に記載のデバイスおよび請求項29から33のいずれか一項に記載の装置のうちの少なくとも1つを植え込むステップを含むことを特徴とする外科手術方法。
  35. 脳に薬物を送出する方法であって、(a)複数のカテーテルがそれに植え込まれた被術体脳を得るステップと、(b)前記カテーテルの相互排他的な2つ以上のサブセットに流体を順次送出するステップとを含むことを特徴とする方法。
  36. ステップ(a)は、前記被術体脳に複数のカテーテルを植え込む工程を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
  37. ステップ(a)は、薬物をほぼ全脳に送出できるようになる場所に前記複数のカテーテルを植え込む工程を含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
  38. ステップ(b)は、各カテーテルに送出される流体の量を決定する工程を含むことを特徴とする請求項35から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. ステップ(b)は、各カテーテルに送出される流体の量を選択する工程を含むことを特徴とする請求項35から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. ステップ(b)は、複数回繰り返され、各カテーテルによって送出される流体の相対量は、前記ステップの後続の少なくとも2回の反復間に変更されることを特徴とする請求項35から39のいずれか一項に記載の方法。
  41. ステップ(b)は、薬物を送出する工程を含むことを特徴とする請求項35から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. ステップ(b)は、対流促進式の送出を通じて流体を送出する工程を含むことを特徴とする請求項35から41のいずれか一項に記載の方法。
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