JPWO2007018232A1 - モノアゾ化合物、インク組成物及び着色体 - Google Patents

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禎之 出島
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Abstract

本発明は、下記式(1)【化1】(式(1)中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を、Y1はカルボキシル基、メチル基又はフェニル基を、Y2はヒドロキシル基又はアミノ基をそれぞれ表す。)で示されるモノアゾ化合物又はその塩、これを含有するインク組成物及びそれらによって着色された着色体に関するものであり、該化合物を含むインク組成物は高い保存安定性を有し、かつ、該化合物を用いて記録された記録物は高い鮮明性を示し、かつ記録物の耐湿性、耐オゾン性、キセノン耐光性等の堅牢度が高いものである。

Description

本発明はモノアゾ化合物又はその塩及びこれを含有するインク組成物並びにこれを用いて得られる着色体に関する。
各種カラー記録法の中で、代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法においては、インクの吐出方式が各種開発されているが、いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものとなっている。この方法では、記録ヘッドが被記録材料と直接接触しない為、音の発生がなく静かであり、また小型化、高速化が容易という特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用のインクとしては、水溶性染料を水性媒体中に溶解したインクが使用されており、これらの水溶性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶性有機溶剤が添加されている。これらのインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求され、また形成される画像には、耐水性、耐湿性、耐光性、耐ガス耐性等の堅牢度が求められていた。
一方、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによりカラ−で記録材料上に記録するには、一般にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクによる減法混色で表現される。CRTディスプレー等におけるレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を減法混色画像で出来るだけ忠実に再現するには、使用する色素、中でもY、M、Cのそれぞれが、標準に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。さらに、インク組成物は長期の保存に対して安定であり、またプリントした画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度に優れている事が求められる。耐ガス性とは、空気中に存在する酸化作用を持つオゾンガス等が記録紙上又は記録紙中で色素と反応し、印刷された画像を変退色させるという現象に対する耐性のことである。このようにオゾンガスは、インクジェット記録画像の退色現象を促進させる主要な原因物質とされている。この変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、インクジェット記録の技術分野にあっては、耐オゾンガス性の向上は重要な課題となっている。特に、写真画質インクジェット専用紙の表面に設けられるインク受容層には、インクの乾燥を早め、高画質でのインクのにじみを少なくする為に、多孔性白色無機物を用いているものが多く、このような記録紙上ではオゾンガスによる顕著な変退色が見られる。最近のデジタルカメラの普及と共に、家庭でも画像をプリントする機会が増しており、得られたプリント物を保管する時に、空気中のオゾン、酸化窒素等の酸化性ガスによる画像の変色が大きな課題とされている。
水溶性及び鮮明性に優れるインクジェット用のイエロー色素の骨格としては、下記式(2)で示されるピラゾロン系モノアゾ色素のC.I.(カラーインデックス)アシッドイエロー23(例えば、特許文献1〜4参照)が挙げられるが、高品位のインクジェット記録に要求される色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐湿性、耐ガス性及び溶解安定性のすべてを満足させるものは得られていない。また、特許文献5にはジカルボアニリン類をピラゾロン類にカップリングして得られるピラゾロン系モノアゾ化合物がインクジェットプリント用に使用されること、インク保存安定性及び耐光性に優れていることがが開示されている。しかしながら、耐オゾン性及び耐湿性に優れた染料については開示がない。特許文献6にもピラゾロン系モノアゾ化合物が記載されているが、インクジェットプリントには触れられておらず、耐オゾン性及び耐湿性等インクジェットプリントに必要とされる性能についての記載は見られない。
Figure 2007018232
特開2000−178492 特開2002−241648 特開2002−53780 特開2002−226739 特開2003−286420 英国特許公報753,550号
本発明は水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つそれによる記録物の耐水性、耐湿性、耐光性、耐ガス性などの堅牢性に優れた色素(化合物)特に黄色色素及びそれを含有するインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、特定の式で示されるピラゾロン系モノアゾ化合物が前記課題を解決するものであることを見出し本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は
(1)下記式(1)で示されるモノアゾ化合物又はその塩
Figure 2007018232
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を、Y1はカルボキシル基、メチル基又はフェニル基を、Yはヒドロキシル基又はアミノ基をそれぞれ表す。又、Xは、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、スルファモイル基、ヒドロキシル基又はニトロ基を、nは1〜3の整数をそれぞれ表す。)
(2)式(1)中のR1が水素原子、Y1がカルボキシル基、Yがヒドロキシル基、Xが水素原子、nが2である(1)に記載のモノアゾ化合物又はその塩、
(3)色素成分として、(1)又は(2)に記載のモノアゾ化合物又はその塩を含有することを特徴とするインク組成物、
(4)水溶性有機溶剤を含有する(3)に記載のインク組成物、
(5)インクジェット記録用である(3)又は(4)に記載のインク組成物、
(6)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インク組成物として(3)乃至(5)のいずれか一項に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法、
(7)被記録材が情報伝達用シートである(6)に記載のインクジェット記録方法、
(8)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有する用紙である(7)に記載のインクジェット記録方法、
(9)(1)又は(2)に記載のモノアゾ化合物又はその塩で着色された着色体、
(10)(3)乃至(5)のいずれか一項に記載のインク組成物で着色された着色体、
(11)着色がインクジェットインクプリンタによりなされた(10)に記載の着色体、
(12)(3)乃至(5)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
本発明の式(1)のモノアゾ化合物又はその塩は、水溶解性に優れ、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターに対するろ過性が良好であり、又インクジェット記録紙上で非常に鮮明で、明度の高い色相を示し、優れた諸堅牢度を示すという特徴を有する。即ち、本発明の化合物を使用した本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好で、このインク組成物を使用して得られた印刷物は被記録材(紙、フィルム等)を選択することなく理想的な色相であり、写真調のカラー画像の色相を紙の上に忠実に実現することも可能である。更に写真画質用インクジェット専用紙のような多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に、本発明のインク組成物により記録しても各種堅牢性、すなわち耐水性、耐湿性、耐光性、耐ガス性が良好であり、その記録画像の長期保存安定性が優れている。
本発明を詳細に説明する。尚、以下において特に断りが無い限り、スルホ基及びカルボキシル基は遊離酸の形で表すものとする。
本発明のモノアゾ化合物は遊離酸の形で下記式(1)で表される。
Figure 2007018232
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表わす。Y1はカルボキシル基、メチル基又はフェニル基をYはヒドロキシル基又はアミノ基を表す。又、Xは、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、スルファモイル基、ヒドロキシル基又はニトロ基を、nは1〜3の整数をそれぞれ表す。)
式(1)のR1における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が挙げられ、メチル基が好ましい。Xがハロゲン原子の場合、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子が最も好ましい。
式(1)における好ましいR、Y 、Y 、X及びnは、それぞれ水素原子、カルボキシル基、ヒドロキシ基、水素原子及び2である。
これらの基の好ましい組み合わせとしては、Rが水素原子で、Y 、Y 、X及びnが式(1)におけると同じ基の組み合わせ、より好ましくはRが水素原子、Y がカルボキシル基、Y がヒドロキシ基で、X及びnが式(1)におけると同じ基である場合である。また、他の好ましい組み合わせはR 、Y 及びY が式(1)におけると同じ基を表し、Xが水素原子、nが2で有り、好ましくは2つのカルボキシル基が3位及び5位に置換した場合である。この組み合わせにおいてより好ましい組み合わせは、Y がカルボキシル基でY がヒドロキシ基である場合である。
式(1)中のR、Y 、Y 、X及びnの更に好ましい組み合わせは、R1が水素原子又はメチル基、Y1がカルボキシル基、Yがヒドロキシル基、Xが水素原子、nが2である場合である。最も好ましいこれらの基の組み合わせは式(1)中のR1が水素原子、Y1がカルボキシル基、Yがヒドロキシル基、Xが水素原子、nが2である場合であり、この場合、特に好ましくは−(COOH)nで表される2つのカルボキシル基の置換位置が、ピラゾロンの窒素原子への結合位置に対して3位及び5位のものである。
本発明で上記好ましい組み合わせの1つの化合物として、下記式(7)の化合物を挙げることができる。
Figure 2007018232
(式中R1、X及びnは式(1)におけると同じ意味を表す)
式(1)の化合物は、無機又は有機陽イオンの塩として使用するのが好ましいが、塩の例としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、式(4)で表されるアンモニウム塩等が挙げられる。
Figure 2007018232
(式(4)中、X〜Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わす。)
式(4)のX〜Xにおけるアルキル基の例としてはメチル基、エチル基等があげられ、ヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等があげられ、更にヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル基、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル基等があげられる。
これらのうち好ましいものとしては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。上記のうち、特に好ましい塩は、リチウム塩及びナトリウム塩である。
当業者であれば明らかなように上記の各塩は次のようにして容易に得ることができる。例えば、色素の合成時における反応液、あるいは色素を含むウェットケーキ又は乾燥品を水に溶解したものに食塩を加えて、塩析、濾過することによって、色素のナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。又、得られたウェットケーキを再び水に溶解後、塩酸を加えてpHを適宜調整して得られる結晶を濾過すれば、色素の遊離酸、あるいは遊離酸とナトリウム塩の混合物を得ることができる。遊離酸とナトリウム塩の混合物の場合、塩酸を加えて、アルカリ側から酸性側にpHを適宜調整することにより、遊離酸とナトリウム塩の混合割合を任意に調整することができる。また、ナトリウム塩以外の塩にする場合には、得られた遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水又は式(4)の水酸化物等を添加してアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩が得られる。また遊離酸とナトリウム塩の混合物に対して同様に水中で攪拌しながら上記と同様の処理を行うことにより、相当するナトリウム塩と他のカリウム、リチウム、アンモニウム、4級アンモニウムなどの混合塩をも容易に得ることが可能である。
本発明の式(1)で示されるモノアゾ化合物は、例えば次のようにして製造することができる。
すなわち、常法により、下記式(5)で示される芳香族アミンをジアゾ化し、下記式(6)で示されるカップラーと室温下(通常20〜25℃)、中性〜弱アルカリ性(通常pH7〜8)でカップリング反応することにより得ることができる。
Figure 2007018232
(式中R、Y、Y 、X及びnは式(1)におけると同じ)
次に前記式(1)で示される本発明のモノアゾ化合物の具体例を表1に挙げる。尚、表1中、Phはフェニル基を示す。又、カルボキシル基及びスルホ基は遊離酸の形で表記する。
Figure 2007018232
本発明のモノアゾ化合物は、天然及び合成繊維材料又は混紡品の染色に適しており、さらにこれらの化合物は、筆記用インク組成物及びインクジェット記録用インク組成物の製造に適している。
本発明の式(1)のモノアゾ化合物を含む反応液は、インク組成物の製造に直接使用する事が出来る。しかし、反応液から単離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、次にインク組成物に加工することもできる。本発明の記録用インク組成物は、本発明のモノアゾ化合物を水溶液中に通常0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%含有する。本発明のインク組成物中、水溶性有機溶剤は通常0〜30質量%、好ましくは5〜30質量%、インク調製剤は通常0〜10質量%、好ましくは1〜7質量%、場合により、0〜5質量%を含有する。残部は水である。
本発明のインク組成物に用いうる水溶性有機溶剤の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノマー、オリゴマー又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル、γーブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等があげられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
これらのうち好ましいものは2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトールであり、より好ましくは2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコール又はブチルカルビトールである。
インク調製剤としては、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、界面活性剤などがあげられる。防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ安息香酸ナトリウム等があげられる。
pH調整剤としては、調合されるインク組成物に悪影響を及ぼさずに、インク組成物のpHを通常7.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。使用しうるpH調整剤の具体例としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化されたベンゾフェノン又はスルホン化されたベンゾトリアゾール等があげられる。水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などがあげられる。アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学社製サーフィノール104、104PG50、82、465、オルフィンSTGなど)、などが挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
本発明のインク組成物は、式(1)で表されるモノアゾ化合物を水又は水と前記水溶性有機溶剤の混合物に上記インク調製剤などと共に溶解させることによって製造できる。
式(1)のモノアゾ化合物の反応液を直接インク組成物の製造に使用する際には、不純物となる金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えばモノアゾ化合物(純分)中の含有量で1質量%以下程度である。無機物の少ない色素を製造するには、例えば逆浸透膜による方法等で、脱塩処理を施せばよい。
前記製造方法において、各成分を溶解させる順序には特に制限はない。あらかじめ水及び/又は水溶性有機溶剤に式(1)で表されるモノアゾ化合物を溶解させ、インク調製剤を添加して溶解させてもよいし、式(1)で表されるモノアゾ化合物を水に溶解させたのち、水溶性有機溶剤、インク調製剤を添加して溶解させてもよい。またこれと順序が異なっていてもよいし、式(1)で表されるモノアゾ化合物の反応液又は逆浸透膜による脱塩処理を行った液に、水溶性有機溶剤、インク調製剤を添加してインク組成物を製造してもよい。本発明のインク組成物を調製するにあたり、用いられる水はイオン交換水又は蒸留水など不純物が少ない物が好ましい。インク組成物を調製した後で、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行う場合のフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.2ミクロンである。
本発明のモノアゾ化合物を含有するインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録法、特にインクジェット記録におけるイエローのインク組成物として使用するのに適する。この場合、水、日光、オゾン及び摩擦に対し良好な耐性を有する高品質のイエロー印捺物が得られる。
本発明の着色体は前記の本発明の化合物で着色されたものである。着色されるべきものとしては、特に制限無く、例えば紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等があげられるがこれらに限定されない。着色法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェットプリンタによる方法等があげられるが、インクジェットプリンタによる方法が好ましい。
インクジェットプリンタにおいて、高精細な画像を供給することを目的に、高濃度のインクと低濃度のインクの2種類のインクが設定されたものもある。その場合、本発明の式(1)で表されるモノアゾ化合物を用いて高濃度のインクと、低濃度のインクを作製しそれを併用したインクセットとして使用しうる。またどちらか一方だけに式(1)で表されるモノアゾ化合物を含有するインクを用いてもよい。また本発明の式(1)で表されるモノアゾ化合物を公知のイエロー色素と併用してもよい。また他の色、例えばブラック色素の色相を調整する為、あるいはマゼンタ色素やシアン色素と混合して、レッドインクやグリーンインクを調製する為に式(1)で表されるモノアゾ化合物を調色成分として用いることもできる。
本発明のインクジェット記録方法を適用しうる被記録材(メディア)としては例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維及び皮革等が挙げられる。情報伝達用シートについては、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等インク中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)あるいは光沢紙(フィルム)と呼ばれ、例えばピクトリコ(旭硝子株式会社製)、カラーBJペーパー、カラーBJフォトフィルムシート、プロフェッショナルフォトペーパー(いずれもキャノン株式会社製)、カラーイメージジェット用紙(シャープ株式会社製)、PM写真用紙、スーパーファイン専用光沢フィルム(いずれもエプソン株式会社製)、ピクタファイン(日立マクセル株式会社製)等として市販されている。なお、普通紙にも利用できることはもちろんである。
これらのうち、特に多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録した画像がオゾンガスによって変退色が大きくなることが知られているが、本発明のインク組成物はガス耐性が優れているため、このような被記録材への記録の際に特に効果を発揮する。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、本発明の水性イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、必要に応じて、グリーンインク組成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物、レッドインク組成物、及びブラックインク組成物等と併用される。各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、その容器を、本発明のインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置に装填されて使用される。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等があげられる。
本発明のインク組成物は、鮮明な黄色であり、特にインクジェット光沢紙において鮮明度が高く、インクジェット記録に適した色相を有する。また、記録画像の堅牢度も非常に高いことを特徴とする。本発明のインク組成物は貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明のインク組成物をインクジェット記録において使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明によるインク組成物は連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間一定の再循環下又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
以下に本発明を実施例により、更に具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。
実施例1
2−アミノ−安息香酸−5−スルホンアミド21.6部を水400部に溶解し、亜硝酸ナトリウム7.2部を加えた。この溶液を5〜10℃の5%塩酸255部中に1時間かけて滴下した後、10℃以下で1時間攪拌し、ジアゾ化反応を行った。生成したジアゾニウム塩を含む液中に、水50部に1−(3,5−ジカルボキシフェニル)−5−ピラゾロン−3−カルボン酸29.2部を懸濁させた液を投入し、水酸化ナトリウム溶液を用いてpH7〜8、5〜10℃で3時間攪拌した。得られた反応液をろ過後、ろ液を熱風乾燥機(80℃)で全乾燥し、反応物の色素粉末50.0部を得た。この粉末を水200部、メタノール450部の混合物中に投入し、1時間攪拌後、ろ過した。得られたウエットケーキを熱風乾燥機(80℃)で全乾燥することにより、式(8)で示される本発明のモノアゾ化合物(水中でのλmax 412nm)44.0部を得た。
Figure 2007018232
実施例2
(A)インクの調製
上記実施例1で得られた化合物を用いて表2に示した組成の液体を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事によりインクジェット記録用の本発明のインク組成物を得た。表における水はイオン交換水を使用した。尚、インク組成物のpHが7〜9の範囲になるように28%アンモニア水で調製した後、総量100部になるように水を加えた。
表2(インク組成物の組成)
Figure 2007018232
(注)サーフィノール104PG50;商品名、ノニオン界面活性剤、日信化学社製
比較対象として、インクジェット用黄色色素として広く用いられている前記式(2)で示されるC.I.アシッドイエロー23について、表3の組成により実施例2に準じて比較用のインク組成物を調製した。得られたインク組成物を用いて行った試験を比較例1とする。
表3(インク組成物の組成)
Figure 2007018232
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタとしてキヤノン社製 Pixus 550iを用いて、色素受容層を有する光沢紙1(キヤノン社製 プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)、光沢紙2(エプソン社製 PM写真用紙(光沢) KA420PSK)の2種にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンを作り、黄色の印字物を得た。
尚、耐光性試験、耐オゾンガス性試験は試験前の印刷物の反射濃度D値が1に最も近い部分(試験片)で行った。また、反射濃度はGRETAG SPM50(測色システム、GRETAG社製)を用いて測色した。
(C)記録画像の耐湿性試験
光沢紙1と光沢紙2に数段階の階調が得られるように画像パターンを印刷した試験片をOHKEN RTH−35DX(恒温恒湿器、応用技研産業株式会社製)を用いて50℃、90%RHで7日間放置し、試験前後の画像パターンにおける色素(化合物)の滲みを視感により判定した。
結果を表4に示す。尚、評価基準は以下の通りである。
○ 色素の滲みがほとんど見られない。
△ 色素の滲みがやや見られる。
× 色素の滲みがかなり見られる。
表4 耐湿性試験結果
耐湿性
光沢紙1 光沢紙2
実施例2 ○ ○
比較例1 × ×
表4の結果から明らかなように、いずれの光沢紙においても比較例1は目視により色素の滲みがかなり認められるのに対し、実施例2の画像パターンにおいてはほとんど滲みが認められず、本発明の色素を用いた記録画像は耐湿性において極めて優れていることがわかる。
(D)記録画像のキセノン耐光性試験
前記試験片をCi4000(キセノンウェザオメータ、ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル照度で50時間照射し、試験前後の反射濃度比(試験後の反射OD値 / 試験前の反射OD値 ×100)を求め、試験後の各色素(化合物)の残存率(%)とした。 結果を表5に示す。尚、判定基準は次の通りである。
○ 残存率が80%以上である。
△ 残存率が70%以上、80未満である。
× 残存率が70%未満である。
表5 キセノン耐光性試験結果
耐光性
光沢紙1 光沢紙2
実施例2 ○ ○
比較例1 × ×
表5の結果から明らかなように、いずれの光沢紙においても比較例1の色素残存率は70%未満であったのに対し、実施例2においては色素残存率が80%以上であり、本発明の色素を用いた記録画像は耐光性においても極めて優れた堅牢性を有していることがわかる。
(E)記録画像の耐オゾンガス性試験
前記試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度40ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に3時間放置した。前記(D)における測定法と同様にして、3時間後の反射濃度比(%)を求め、試験後の各化合物の残存率(%)を算出した。
結果を表6に示す。尚、判定基準は次の通りである。
○ 残存率が70%以上である。
△ 残存率が60%以上、70未満である。
× 残存率が60%未満である。
表6 耐オゾンガス性試験結果
耐オゾン性
光沢紙1 光沢紙2
実施例2 ○ ○
比較例1 × ×
表6の結果から明らかなように、いずれの光沢紙においても比較例1の色素残存率は60%未満であったのに対し、実施例2においては色素残存率が70%以上であり、本発明の色素を用いた記録画像は耐オゾンガス性においても極めて優れた堅牢性を有していることがわかる。
表4乃至表6の結果から、本発明のモノアゾ化合物を用いたインク組成物は、耐湿性、耐光性、耐オゾンガス性が極めて優れ、インクジェットインク組成物用の黄色色素として非常に有用な化合物であることがわかる。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で示されるモノアゾ化合物又はその塩
    Figure 2007018232
    (式(1)中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を、Y1はカルボキシル基、メチル基又はフェニル基を、Yはヒドロキシル基又はアミノ基をそれぞれ表す。又、Xは、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、スルファモイル基、ヒドロキシル基又はニトロ基を、nは1〜3の整数をそれぞれ表す。)
  2. 式(1)中のR1が水素原子、Y1がカルボキシル基、Yがヒドロキシル基、Xが水素原子、nが2である請求項1に記載のモノアゾ化合物又はその塩
  3. 色素成分として、請求項1又は請求項2に記載のモノアゾ化合物又はその塩を含有することを特徴とするインク組成物
  4. 水溶性有機溶剤を含有する請求項3に記載のインク組成物
  5. インクジェット記録用である請求項3又は請求項4に記載のインク組成物
  6. インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インク組成物として請求項3に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法
  7. 被記録材が情報伝達用シートである請求項6に記載のインクジェット記録方法
  8. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有する用紙である請求項7に記載のインクジェット記録方法
  9. 請求項1又は請求項2に記載のモノアゾ化合物又はその塩で着色された着色体
  10. 請求項3に記載のインク組成物で着色された着色体
  11. 着色がインクジェットインクプリンタによりなされた請求項9に記載の着色体
  12. 請求項3に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ
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