JPWO2007010629A1 - 調理用穀物に対する加圧システム及び調理加工方法 - Google Patents

調理用穀物に対する加圧システム及び調理加工方法 Download PDF

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Abstract

穀物収納容器の変形を伴わずとも、加圧室に対する加圧送水ポンプの加圧送水によって、密閉状態にある穀物及び水に対する加圧処理を可能とする調理用穀物に対する加圧システムの構成を提供することを課題とし、加圧送水ポンプ2と連通している加圧室1内において、穀物収納容器6に対し、内部に収容されている穀物8及び水が外側に漏出しない程度の密着状態を維持し、かつ着脱自在な状態にて、上側から支持する支持部51を設けると共に、当該支持部51において水の出入り口21を有し、かつ穀物収納容器6内の穀物8及び水と加圧室1内の水とを遮断した状態にて、加圧送水ポンプ2からの送水に基づく圧力を穀物収納容器6内に伝達する圧力伝達機構を設けたことに基づく調理用穀物に対する加圧システムであって、当該システムにおいては、加圧処理の後、加圧室1から当該容器6を取り出して、次の遠心分離操作、更には炊飯調理などの工程に移行する。

Description

本発明は、調理用穀物に対する加圧システム、及び当該加圧システムによる工程の後における遠心分離操作を経た穀物に対する調理加工システム、更には当該調理加工システムに基づく調理加工食品に関するものである。
穀物の加熱処理を行った場合には、デンプンの結晶を構成している立体的な分子構造が崩壊することによる糊化現象が生じることは、周知の技術的事項である。
特公平6−7777号公報、特許第2583808号公報、林力丸編「食品への高圧利用」(1989年7月15日株式会社さんえい出版第1版第1刷発行)18頁ないし19頁の1・6・6及び23頁ないし24頁の1・7・6に示すように、穀物に対し加熱調理を行う前段階において、所定の時間及び圧力による加圧に基づいて、デンプンの立体構造を崩壊させるという所謂加圧糊化によって、穀物の調理時間を短縮することは、既に公然と知られている。
前記のような穀物に対する加圧処理においては、必然的に加圧処理の対象となる穀物を水と共に、穀物収納容器に収納したうえで、加圧室内の加圧処理を行う場合が多い。
水に対する加圧処理を行った場合、常温の水の場合には、400MPa(約4000気圧)の加圧によって、体積は約12%減少するが、前記のように、穀物を収納する容器が変形自在ではない状態(剛体に近い状態)であって、かつ内部を密閉している場合には、加圧室内の圧力を内部に伝達することができないばかりか、加圧処理によって破損する危険性を有している。
このような技術上の問題点を解決するために、前記容器の素材として変形可能(曲折自在)な素材(例えば、変形可能なプラスチック)を選択することによって、加圧処理に伴って変形(収縮)可能とし、密閉状態にて内部に収納されている水及び穀物に対し、圧力を伝達する方法が採用されている。
しかしながら、前記のような変形可能な容器の場合には、通常耐熱性に乏しいため、加熱殺菌が困難であると共に、変形した後の洗浄が困難と化し、更には繰り返し変形することによって、容器自体が破損するという欠点を免れることができない。
他方、容器を密閉せずに、開放状態としたうえで加圧した場合には、前記各従来技術の欠点をクリアすることが可能であるが、容器内に収納された穀物や当該穀物に含まれている夾雑物が容器から流出して、加圧室内の水と混合し、ひいては加圧・減圧のために必要な機械システムの作動に支障が生ずることにならざるを得ない。
しかも、加圧室内、前記機械システム及び双方の間を連通する配管に混入した穀物及び夾雑物を清掃して排除することは殆ど不可能な状態にある。
このように、加圧室内において、穀物収納容器の破損を伴わずに、効率的に処理し得るような加圧システムは、これまで提唱されている訳ではない。
本発明は、穀物に対する加圧処理において、穀物収納容器の変形を伴わずとも、加圧室に対する加圧送水ポンプの加圧送水によって、密閉状態にて、内部に収納された穀物及び水に対する加圧処理を可能とするような調理用穀物に対する加圧システムの構成を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明の基本構成は、
(1)加圧送水ポンプと連通している加圧室内において、穀物収納容器に対し、内部に収容されている穀物及び水が外側に漏出しない程度の密着状態を維持し、かつ着脱自在な状態にて、上側から支持する支持部を設けると共に、当該支持部において水の出入り口を有し、かつ穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室内の水とを遮断した状態にて、加圧送水ポンプからの送水に基づく圧力を穀物収納容器内に伝達する圧力伝達機構を設けたことに基づく調理用穀物に対する加圧システム、
(2)圧力伝達機構が、穀物収納容器内に突設された状態にあるシリンダー、及び支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、かつ当該シリンダー内を摺動するピストンによって構成されていることを特徴とする前記(1)記載の調理用穀物に対する加圧システム、
(3)圧力伝達機構が、穀物収納容器内に突設された状態にある密閉容器、及び当該密閉容器の一部を構成し、支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、しかも加圧室からの水の出入りに伴って、変形可能な膜を有している密閉容器によって構成されていることを特徴とする前記(1)記載の調理用穀物に対する加圧システム、
からなる。
第1図は、遠心分離装置の基本構成を示す平面図である。
第2図は、前記(2)の構成を示す側断面図である(尚、支持部による穀物収納容器に対する支持状態の具体的な構成の図示については省略している。)。
第3図は、前記(3)の構成を示す側断面図である(尚、支持部による穀物収納容器に対する支持状態の具体的な構成の図示については省略している。)。
第4図は、支持部が、穀物収納容器を密着状態で、かつ着脱自在の状態にて支持する実施形態の断面図に該当するが、(a)は断面略コ字型の可動嵌子による実施形態を示しており、(b)は断面略L字型の可動嵌子による実施形態を示す。
第5図は、加圧処理の有無、及びその程度による米粒細胞壁の損傷状態を示しており、(a)は加圧処理を行っていない場合を示しており、(b)は300MPa×10分の場合を示しており、(c)は500MPa×10分の場合を示しており、(d)は700MPa×10分の場合を示している。
第6図は、400MPa×10分の加圧処理を行った場合の玄米ご飯と、このような処理を行っていない場合の白米ご飯及び玄米ご飯の消化酵素の作用に基づく還元糖生成量を対比したグラフである。
第7図は、加圧処理をそれぞれ10分行った場合の米飯の性状を示すグラフであって、(a)は各圧力に対応した粘りの程度を示しており、(b)は各圧力に対応したバランス度(粘りと硬さとの比率)を示している。
第8図は、炊飯前の水の浸漬期間と炊飯後の食味分析計による食味度について、400MPa×10分の加圧処理を行っている場合と、加圧処理を行っていない場合との対比を示すグラフである。
第9図は、米粒に対するMRI写真であって、(a)、(b)は、事前の加圧処理を行っていない場合の積算断面及び中央断面をそれぞれ示しており、(c)、(d)は、事前に400MPa×10分の加圧処理を行った場合の積算断面及び中央断面をそれぞれ示している。
第10図は、炊飯米の外観写真を示しており、Aは加圧処理を行っていない場合を示しており、Bは400MPa×10分の加圧処理を行った場合を示している。
第11図は、炊飯後、5日間保存した老化米飯について、再加熱処理を行っていない状態、及び各種類の再加熱処理を行った状態における糊化度の変化状態について、加圧処理を行っていない場合と、400MPa×10分の加圧処理を行った場合との対比を示すグラフである。
発明の効果
前記基本構成に基づき、本発明においては、加圧室内において、穀物収納容器の変形に伴う容器の破損を惹起せず、しかも穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室とを遮断した状態にて圧力を伝達する加圧伝達機構の介在によって、穀物及び当該穀物に含まれている夾雑物を加圧室内に排出することなく、調理用穀物に対する加圧処理を行うことが可能となる。
前記(1)の圧力伝達機構は、具体的には、前記(2)のピストン32及びシリンダー31による図2(a)、(b)に示すような構成、又は前記(3)の変形可能な膜42を有する密閉容器41による図3に示すような構成によって実現することが可能となる。
図2(a)は、前記(2)の構成の内、シリンダー31の内側に、シール部(図示せず)を設け、ピストン32に周設された筒状部3が当該シール部(図示せず)を摺動することを特徴とする実施形態を示しており、
図2(b)は、前記(2)の構成の内、ピストンの周囲にシール部を設け、当該シール部がシリンダーを摺動することを特徴とする実施形態を示している。
尚、図2(b)及び図3は、何れも右側において、穀物収納容器6を支持する前段階の状態を示しており、左側において、穀物収納容器6を支持した状態を示しており、しかも圧力伝達機構及び支持部51を複数個設け、回転自在とした実施形態を示している。
前記(2)、(3)は、何れの構成においても、加圧送水ポンプ2の作動によって穀物収納容器6を密着状態であり、かつ着脱自在な状態にて支持している支持部51の上側に位置している出入り口21を介して水をシリンダー31又は密閉容器41に対し、進入又は排出させることによって、加圧室1の水と穀物収納容器6内の水とを遮断した状態にて、当該穀物収納容器6内にピストン32の作動又は変形可能な膜42の作動によって圧力を伝達することが可能となる。
尚、前記(2)の構成と、前記(3)の構成とを組み合わせ、前記(2)のピストン32の内側に、前記(3)の変形可能な膜42を使用する構成も存在し得るが、実際には、このような複雑な構成を採用する技術的意義は乏しい。
加圧室1内において、加圧送水ポンプ2の送水によって、加圧室1内が高圧となった場合、穀物収納容器6は、周囲及び下側からも押圧されていることから、当該穀物収納容器6に対する支持状態が加圧によって支障を来たす訳ではなく、また加圧が行われることによって、当該容器6自体にも変形が生ぜずとも、圧力伝達機構の作動によって加圧が可能となる。
このため、穀物収納容器6に対する加圧作動を繰り返しても、当該容器6の素材の疲労、及び破損を伴わずに、当該容器6の使用を継続することが可能となる。
このように、穀物収納容器6は、自ら変形することが不要であることから、曲げ弾性の強力な金属板、又はプラスチック板を素材とすることができる。
尚、前記素材を採用し得ることは、逆に変形自在の素材を穀物収納容器6として採用することもまた、可能である(変形自在の素材を採用した場合においても、本発明の場合には、穀物収納容器6の内外の圧力が、略同一であることから、素材の変形及び破損の程度は、従来技術の場合よりも極めて少ない状態となる。)。
加圧室1内において、支持部51が穀物収納容器6との間を密閉状態とし、かつ着脱自在な状態にて支持するための実施形態としては、通常当該支持部51及び穀物収納容器6の被支持部に該当する平滑部61との間に伸縮自在のパッキング材52を介在させ、かつ当該平滑部61の下側から、着脱自在の状態にて支持する可動部材を採用すると良い。
特に、図4(a)、(b)に示すように、穀物収納容器6の上部に設けた平滑部61と支持部51との間に伸縮自在のパッキング材料52を介在させると共に、当該平滑部61と支持部51とを着脱自在とする可動嵌子53を設け、可動嵌子53を断面略コ字型としたうえで、当該コ字型の下側突出部532によって、パッキング材料52を介して、前記平滑部61と支持部51を密着状態とし、前記コ字型の上側突出部531において支持部に設けた3個以上の孔511に対し、挿脱自在とさせるか(図4(a)の場合)、又は可動嵌子53を断面略L字型としたうえで、当該L字型の下側突出部532によって、パッキング材料52を介して前記平滑部61と支持部51とを密着状態とし、支持部に設けた3個以上の突設部512によって、該L字型の上側柱状部が回転自在に支持された状態とする(図4(b)の場合)ことを特徴とする実施形態は、嵌合自在の状態によって、穀物収納容器6の支持及び取り外しを容易に実現することができ、極めて便利である。
前記(2)、(3)の各基本構成に対応している図2(a)、(b)、図3に示す実施形態においては、穀物収納容器6に対する支持部51が加圧室の蓋5の一部を構成するか、又は蓋5と結合しているが、このような実施形態の場合には、加圧室1から蓋5を外すことによって、穀物収納容器6を加圧室1から取り出すことが可能となり、効率的な取り外しを実現することができる。
本発明による加圧処理は、穀物に含有されるデンプンの結晶を構成している立体的な分子構造の崩壊に至るまでの圧力を所定時間加える場合、及び単にデンプンの細胞壁を損傷する程度の圧力を所定時間加える場合の何れにも採用することができる。
通常、穀物8に対する加圧処理においては、80MPaから700MPaの範囲にて加圧処理することが多いが、その根拠は、圧力が80MPa未満の場合には、細胞壁の損傷を十分行うことが不可能となり、逆に圧力が700MPaを超える場合には、無駄な加圧エネルギーを必要とし、装置も高価となって経済コストとして、好ましくないことに由来している。
出願人の経験によれば、前記のようなデンプンの立体構造の崩壊に至るような加圧を行うためには、精米の場合には、少なくとも700MPa以上であることを不可欠とする。
但し、前記のようなデンプンの立体構造の崩壊を伴わずとも、穀物8の細胞壁に損傷を加える程度の加圧処理によって、その後の炊飯処理を行った場合に、消化性を向上させることができ、しかも前記損傷を加えるために必要な圧力および時間は、精米の場合には、例えば略200MPaの加圧を2分間行えば十分であり、400MPaの加圧の場合には、1分間の加圧を以って実現することができる。
図5(a)、(b)、(c)、(d)は、米粒に対し、それぞれ加圧処理を行っていない場合、300MPa×10分、500MPa×10分、700MPa×10分による加圧処理を行った場合の走査型電子顕微鏡による断面写真を示すが、(b)の段階にて、既に細胞壁が部分的に損傷されており、(c)、(d)の段階では、全面的に損傷されている。
尚、図5(d)の場合には、精米におけるデンプンの結晶による立体構造も崩壊している可能性があるが、この点は、偏光十字の消滅の成否によって初めて、判断することが可能であり、前記顕微鏡写真では、判断することができない。
図6は、事前に400MPa×10分の加圧処理後炊飯処理を行った玄米ご飯(曲線a)、事前の加圧処理を行わずに炊飯処理を行った白米ご飯(曲線b)、事前の加圧処理を行わずに炊飯を行った玄米ご飯(曲線c)において消化酵素であるアミラーゼを反応させた場合の還元糖生成量(mg/g)を対比しているが、前記加圧処理を行った玄米ご飯の場合には、加圧処理を行っていない白米ご飯よりも還元糖生成量が大量となっており、消化性が向上していることが判明している。
このように、細胞壁に損傷を加えることによって、消化性を向上させた調理用穀物の場合には、高齢者用食品、病者用食品、乳児用食品、妊産婦用食品などの特別用途食品や特定保健用食品を開発することができる。
図7(a)、(b)は、それぞれ100MPa、200MPa、400MPa、600MPaによる加圧処理をそれぞれ10分行った後に、炊飯処理を行った白米に関する粘り(1cmの断面積について、相互に剥離するのに必要な引っ張り力)及び食感の指標でありバランス度と称される、前記粘りと硬さ(1cmの断面積について、粒状が破壊されるのに必要な押圧力)との比率(前記粘り/前記硬さ、による数値)を示すが、図7(a)に示すように、圧力の程度が高くなるほど、炊飯された白米の粘りが向上し、図7(b)に示すように、比率もまた、概略向上する傾向にあることが判明する。
このような粘り及びバランス度の向上は、加圧処理によって炊飯米の食味が向上することを意味している。
図8は、炊飯の前段階において、白米を水に浸漬する日数と炊飯後の食味分析計による炊飯米の食味度の対比である。
加圧処理を行っていない白米の場合には、水の浸漬日数を6日経ることによって、略86程度に至るが、400MPa×10分の加圧処理を行った場合には、当該加圧処理の後、直ちに食味度が約86であって、長期の水による浸漬処理を不要とし、速やかな調理が可能となる。
図9(a)、(b)は、それぞれ加圧処理を行っていない米粒のMRI写真による積算断面、及び中央断面をそれぞれ示すが、各映像面からも明らかなように、米粒内に空気孔を含有していることが判明する。
これに対し、図9(c)、(d)は、それぞれ400MPa×10分の加圧処理を行った米粒の前記MRI写真の積算断面、及び中央断面の映像をそれぞれ示すが、米粒内部に空気による孔が存在せず、加圧処理によって空気孔による隙間が概略消滅していることが判明する。
このような空気孔の消滅は、図7に示すような粘りの増加及びバランス度の増加との間に因果関係を有しており、更には図8に示すような速やかな食味度の向上との間にも因果関係を有しているものと考えられる。
図10A、Bは、事前の加圧処理を経ていない炊飯米の外観、及び事前に400MPa×10分による加圧処理を経た後の炊飯米の外観をそれぞれ示す。
図10A、Bの対比からも明らかなように、加圧処理を経ていない炊飯米の場合には、縦に伸びた細長い形状のご飯となっているのに対し、前記加圧処理を経た後の炊飯米の場合には、米の形のまま相似形に膨潤したご飯の形状となっている。
このような炊飯米における相互の形状の相違もまた、図7に示すような粘りの増加及びバランス度の増加との間に因果関係を有しており、更には図8に示すような速やかな食味度の相違に寄与しているものと考えられる。
図11は、炊飯処理を行った白米を5日間保存した後、当該保存状態(復元前の状態)、高周波加熱×2分、高周波加熱×3分、100℃の熱湯による加熱×25分、蒸し処理×15分による各処理を行った状態に関し、事前の加圧処理を行っていない炊飯米の場合と、事前に400MPa×10分の加圧処理を行っている炊飯米の場合とについて、BAP法による測定を行ったことによる糊化度(%)の対比を示す。
図11からも明らかなように、何れの場合においても、前記のような加圧処理を行った白米の方が良好な糊化度を呈しているが、このような相違は、加圧処理米の消化性、及び食味度の向上を客観的に裏付けている。
このように、本発明に係る調理用穀物に対する加圧システムによって、効率的な加圧処理を行い、当該処理によって穀物8の細胞壁に対する損傷を加えた場合には、その後の炊飯処理において、前記のような有用な作用効果を得ることができる。
以下、実施例に即して説明する。
実施例は、前記(1)、(2)又は(3)の基本構成による加圧処理後、加圧室1から穀物収納容器6を取り出したうえで、当該穀物8を図1に示すような遠心分離装置7に移動し、遠心力によって穀物8に付着した水を分離した後、当該穀物8に他の水又は液体によって加熱調理を行うことに基づく調理加工システムを採用している。
遠心分離装置7によって、穀物8に付着している水を速やかに分離させるのは、加圧処理後、穀物8と水の長時間における共存によって穀物粒からデンプン、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの各成分が水に溶出し、栄養分が減少すると共に、穀物8が膨潤することによって軟化し、その後の遠心分離工程によって破損することを防止するためである。
他方、前記遠心分離後、穀物8は、新しい液体と共に加熱調理を行うが、この場合にも遠心分離後、水が分離された穀物8を長時間保管した場合には、当該穀物8に表面乾燥によるクラックが生ずる可能性があることから、速やかに新たな加熱調理を行うことを必要とする。
尚、出願人においては、図1(a)、(b)に示すような遠心脱水乾燥機の発明及び出願を行っており、遠心による脱水を行う場合には、図1(a)に示すように、フィン71と底部とを接触させた状態としたうえで、回転に伴ってフィン71内部において収納した穀物8から水の分離及び当該分離した水の落下を実現し、穀物8の排出段階では、フィン71を底部から離脱させることによって、外側に排出させているが、各排出の単位をその後の炊飯及び包装の単位と合致させた場合には、効率的な調理加工商品の小分けを実現することができる。
通常、加圧処理後、30分以内に遠心分離操作を行うが、その根拠は、30分以上経過すると、穀物8粒の内部にまで水が浸透し、遠心分離では水の分離が困難となるからである。
実施例においても、加圧処理後30分以内に穀物収納容器6を遠心分離装置7に移動させたうえで、水分の遠心分離を行い、その後60分以内に新しい液体と共に加熱調理を行っている。
前記遠心分離操作においては、適切な遠心加速度を必要とする。
遠心加速度は、rωによって計算されるが(但し、r:遠心半径、ω:角速度)、実施例においては、r=20cm、回転数を200ないし800rpm、即ちω=2π(200/60)ないし2π(800/60)radと設定し、遠心加速度rω=87m/secないし1400m/secと設定している。
遠心加速度を前記のような数値範囲に設定する根拠は、約85m/sec未満の遠心加速度の場合には、水の分離が十分ではなく、逆に1400m/secを超える場合には、穀物8の粒が遠心加速度によって押し潰され、破壊される可能性があり、調理性を損なうことに由来している。
このような速やかな遠心分離操作及びその後の調理において、加圧処理後の穀物8の膨潤、更にはクラックを防止し、加圧処理の効果、即ち加圧糊化又は前記のような細胞壁に対する損傷効果をその後の加熱に十分生かすことが可能となる。
本発明の調理加圧加工システムを用いた穀物8は、必然的にその後の加熱調理工程を経るが、その際穀物以外に野菜類、茸類、魚介類、鳥獣肉類及び果実類を加えて加熱調理することは、当然可能である。
本発明は、穀物に対する加圧処理を伴う食品産業の分野において、効率的な利用を保証することができる。
前記課題を解決するため、本発明の基本構成は、
(1)加圧送水ポンプと連通している加圧室内において、穀物収納容器に対し、内部に収容されている穀物及び水が外側に漏出しない程度の密着状態を維持し、かつ着脱自在な状態にて、上側から支持する支持部を設けると共に、当該支持部において水の出入り口を有し、かつ穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室内の水とを遮断した状態にて、加圧送水ポンプからの送水に基づく圧力を穀物収納容器内に伝達する圧力伝達機構を設けたことに基づく調理用穀物に対する加圧システム、
(2)圧力伝達機構が、穀物収納容器内に突設された状態にあるシリンダー、及び支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、かつ当該シリンダー内を摺動するピストンによって構成されていることを特徴とする前記(1)記載の調理用穀物に対する加圧システム、
(3)圧力伝達機構が、穀物収納容器内に突設された状態にある密閉容器によって構成されており、当該密閉容器においては、支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、しかも加圧室からの水の出入りに伴って、変形可能な膜が存在することを特徴とする前記(1)記載の調理用穀物に対する加圧システム、
からなる。
特に、図4(a)、(b)に示すように、穀物収納容器6の上部に設けた平滑部61と支持部51との間に伸縮自在のパッキング材料52を介在させると共に、当該平滑部61と支持部51とを着脱自在とする可動嵌子53を設け、可動嵌子53を断面略コ字型としたうえで、当該コ字型の下側突出部532によって、パッキング材料52を介して、前記平滑部61と支持部51を密着状態とし、前記コ字型の上側突出部531において支持部に設けた3個以上の孔511に対し、挿脱自在とさせるか(図4(a)の場合)、又は可動嵌子53を断面略L字型としたうえで、当該L字型の下側突出部532によって、パッキング材料52を介して前記平滑部61と支持部51とを密着状態とし、支持部に設けた3個以上の突設部512によって、該L字型の上側柱状部が回転自在に支持された状態とする(図4(b)の場合)ことを特徴とする実施形態は、嵌合自在の状態によって、穀物収納容器6の支持及び取り外しを容易に実現することができ、極めて便利である。
本発明は、調理用穀物に対する加圧システム、及び当該加圧システムによる工程の後における遠心分離操作を経た穀物に対する調理加工システム、更には当該調理加工システムに基づく調理加工食品に関するものである。
穀物の加熱処理を行った場合には、デンプンの結晶を構成している立体的な分子構造が崩壊することによる糊化現象が生じることは、周知の技術的事項である。
特許文献1、2及び非特許文献1に示すように、穀物に対し加熱調理を行う前段階において、所定の時間及び圧力による加圧に基づいて、デンプンの立体構造を崩壊させるという所謂加圧糊化によって、穀物の調理時間を短縮することは、既に公然と知られている。
前記のような穀物に対する加圧処理においては、必然的に加圧処理の対象となる穀物を水と共に、穀物収納容器に収納したうえで、加圧室内の加圧処理を行う場合が多い。
水に対する加圧処理を行った場合、常温の水の場合には、400MPa(約4000気圧)の加圧によって、体積は約12%減少するが、前記のように、穀物を収納する容器が変形自在ではない状態(剛体に近い状態)であって、かつ内部を密閉している場合には、加圧室内の圧力を内部に伝達することができないばかりか、加圧処理によって破損する危険性を有している。
このような技術上の問題点を解決するために、前記容器の素材として変形可能(曲折自在)な素材(例えば、変形可能なプラスチック)を選択することによって、加圧処理に伴って変形(収縮)可能とし、密閉状態にて内部に収納されている水及び穀物に対し、圧力を伝達する方法が採用されている。
しかしながら、前記のような変形可能な容器の場合には、通常耐熱性に乏しいため、加熱殺菌が困難であると共に、変形した後の洗浄が困難と化し、更には繰り返し変形することによって、容器自体が破損するという欠点を免れることができない。
他方、容器を密閉せずに、開放状態としたうえで加圧した場合には、前記各従来技術の欠点をクリアすることが可能であるが、容器内に収納された穀物や当該穀物に含まれている夾雑物が容器から流出して、加圧室内の水と混合し、ひいては加圧・減圧のために必要な機械システムの作動に支障が生ずることにならざるを得ない。
しかも、加圧室内、前記機械システム及び双方の間を連通する配管に混入した穀物及び
夾雑物を清掃して排除することは殆ど不可能な状態にある。
このように、加圧室内において、穀物収納容器の破損を伴わずに、効率的に処理し得るような加圧システムは、これまで提唱されている訳ではない。
特公平6−7777号公報 特許第2583808号公報 林力丸編「食品への高圧利用」(1989年7月15日株式会社さんえい出版第1版第1刷発行)18頁ないし19頁の1・6・6及び23頁ないし24頁の1・7・6
本発明は、穀物に対する加圧処理において、穀物収納容器の変形を伴わずとも、加圧室に対する加圧送水ポンプの加圧送水によって、密閉状態にて、内部に収納された穀物及び水に対する加圧処理を可能とするような調理用穀物に対する加圧システムの構成を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本件発明の構成は、
(1)加圧送水ポンプと連通している加圧室内において、上部に平滑部を有している穀物収納容器の上側に支持部を設け、前記平滑部と前記支持部との間に伸縮自在のパッキング材料を介在させると共に、当該支持部に対し、回転自在又は挿脱自在にて係合している可動嵌子によって、平滑部を下方から支える状態と支えない状態とを選択可能とすることによって、当該平滑部と当該支持部を着脱自在な状態としており、平滑部が可動嵌子によって下方から支えられている場合には、前記パッキング材料によって内部に収容されている穀物及び水が外側に漏出しない程度の密着状態を維持し、当該支持部において水の出入り口を有し、かつ穀物収納容器内に突設された状態にあるシリンダー、及び支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、かつ当該シリンダー内を摺動するピストンを有している圧力伝達機構によって、穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室内の水とを遮断した状態にて、加圧送水ポンプからの送水に基づく圧力を穀物収納容器内に伝達することを可能としていることに基づく調理用穀物に対する加圧システム、
(2)加圧送水ポンプと連通している加圧室内において、上部に平滑部を有している穀物収納容器の上側に支持部を設け、前記平滑部と前記支持との間に伸縮自在のパッキング材料を介在させると共に、当該支持部に対し、回転自在又は挿脱自在にて係合している可動嵌子によって、平滑部を下方から支える状態と支えない状態とを選択可能とすることによって、当該平滑部と当該支持部を着脱自在な状態としており、平滑部が可動嵌子によって下方から支えられている場合には、前記パッキング材料によって内部に収容されている穀物及び水が外側に漏出しない程度の密着状態を維持し、当該支持部において水の出入り口を有し、かつ穀物収納容器内に突設された状態にある密閉容器によって構成されており、当該密閉容器においては、支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、しかも加圧室からの水の出入りに伴って、変形可能な膜を有している圧力伝達機構によって、穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室内の水とを遮断した状態にて、加圧送水ポンプからの送水に基づく圧力を穀物収納容器内に伝達することを可能としていることに基づく調理用穀物に対する加圧システム
からなる。
前記基本構成に基づき、本発明においては、加圧室内において、穀物収納容器の変形に伴う容器の破損を惹起せず、しかも穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室とを遮断した状態にて圧力を伝達する加圧伝達機構の介在によって、穀物及び当該穀物に含まれている夾雑物を加圧室内に排出することなく、調理用穀物に対する加圧処理を行うことが可能となる。
前記(1)の圧力伝達機構は、ピストン32及びシリンダー31による図2(a)、(b)に示すような構成によって実現可能としており、前記(2)の圧力伝達機構は、変形可能な膜42を有する密閉容器41による図3に示すような構成によって実現可能としている
図2(a)は、前記(2)の構成の内、シリンダー31の内側に、シール部(図示せず)を設け、ピストン32に周設された筒状部33が当該シール部(図示せず)を摺動することを特徴とする実施形態を示しており、
図2(b)は、前記(2)の構成の内、ピストンの周囲にシール部を設け、当該シール部がシリンダーを摺動することを特徴とする実施形態を示している。
尚、図2(b)及び図3は、何れも右側において、穀物収納容器6を支持する前段階の状態を示しており、左側において、穀物収納容器6を支持した状態を示しており、しかも圧力伝達機構及び支持部51を複数個設け、回転自在とした実施形態を示している。
前記(1)、(2)は、何れの構成においても、加圧送水ポンプ2の作動によって穀物収納容器6を密着状態であり、かつ着脱自在な状態にて支持している支持部51の上側に位置している出入り口21を介して水をシリンダー31又は密閉容器41に対し、進入又は排出させることによって、加圧室1の水と穀物収納容器6内の水とを遮断した状態にて、当該穀物収納容器6内にピストン32の作動又は変形可能な膜42の作動によって圧力を伝達することが可能となる。
尚、前記(1)の構成と、前記(2)の構成とを組み合わせ、前記(1)のピストン32の内側に、前記(2)の変形可能な膜42を使用する構成も存在し得るが、実際には、このような複雑な構成を採用する技術的意義は乏しい。
加圧室1内において、加圧送水ポンプ2の送水によって、加圧室1内が高圧となった場合、穀物収納容器6は、周囲及び下側からも押圧されていることから、当該穀物収納容器6に対する支持状態が加圧によって支障を来たす訳ではなく、また加圧が行われることによって、当該容器6自体にも変形が生ぜずとも、圧力伝達機構の作動によって加圧が可能となる。
このため、穀物収納容器6に対する加圧作動を繰り返しても、当該容器6の素材の疲労、及び破損を伴わずに、当該容器6の使用を継続することが可能となる。
このように、穀物収納容器6は、自ら変形することが不要であることから、曲げ弾性の強力な金属板、又はプラスチック板を素材とすることができる。
尚、前記素材を採用し得ることは、逆に変形自在の素材を穀物収納容器6として採用することもまた、可能である(変形自在の素材を採用した場合においても、本発明の場合には、穀物収納容器6の内外の圧力が、略同一であることから、素材の変形及び破損の程度は、従来技術の場合よりも極めて少ない状態となる。)。
前記(1)、(2)においては、加圧室1内において、支持部51が穀物収納容器6との間を密閉状態とし、かつ着脱自在な状態にて支持するために、通常当該支持部51及び穀物収納容器6の被支持部に該当する平滑部61との間に伸縮自在のパッキング材52を介在させ、かつ当該平滑部61に対し下側から支える状態と支えない状態とを選択可能とすることによって当該平滑部と当該支持部を着脱自在状態としている可動嵌子を支持部51に対し回転自在又は挿脱自在とする係合状態として採用している
特に、図4(a)、(b)に示すように、穀物収納容器6の上部に設けた平滑部61と支持部51との間に伸縮自在のパッキング材料52を介在させると共に、当該平滑部61と支持部51とを着脱自在とする可動嵌子53を設け、可動嵌子53を断面略コ字型としたうえで、当該コ字型の下側突出部532によって、パッキング材料52を介して、前記平滑部61と支持部51を密着状態とし、前記コ字型の上側突出部531において支持部に設けた3個以上の孔511に対し、挿脱自在とさせるか(図4(a)の場合)、又は可動嵌子53を断面略L字型としたうえで、当該L字型の下側突出部532によって、パッキング材料52を介して前記平滑部61と支持部51とを密着状態とし、支持部に設けた3個以上の突設部512によって、該L字型の上側柱状部が回転自在に支持された状態とする(図4(b)の場合)ことを特徴とする実施形態は、嵌合自在の状態によって、穀物収納容器6の支持及び取り外しを容易に実現することができ、極めて便利である。
前記(1)、(2)の各基本構成にそれぞれ対応している図2(a)、(b)、図3に示す実施形態においては、穀物収納容器6に対する支持部51が加圧室の蓋5の一部を構成するか、又は蓋5と結合しているが、このような実施形態の場合には、加圧室1から蓋5を外すことによって、穀物収納容器6を加圧室1から取り出すことが可能となり、効率的な取り外しを実現することができる。
本発明による加圧処理は、穀物に含有されるデンプンの結晶を構成している立体的な分子構造の崩壊に至るまでの圧力を所定時間加える場合、及び単にデンプンの細胞壁を損傷する程度の圧力を所定時間加える場合の何れにも採用することができる。
通常、穀物8に対する加圧処理においては、80MPaから700MPaの範囲にて加圧処理することが多いが、その根拠は、圧力が80MPa未満の場合には、細胞壁の損傷を十分行うことが不可能となり、逆に圧力が700MPaを超える場合には、無駄な加圧エネルギーを必要とし、装置も高価となって経済コストとして、好ましくないことに由来している。
出願人の経験によれば、前記のようなデンプンの立体構造の崩壊に至るような加圧を行うためには、精米の場合には、少なくとも700MPa以上であることを不可欠とする。
但し、前記のようなデンプンの立体構造の崩壊を伴わずとも、穀物8の細胞壁に損傷を加える程度の加圧処理によって、その後の炊飯処理を行った場合に、消化性を向上させることができ、しかも前記損傷を加えるために必要な圧力および時間は、精米の場合には、例えば略200MPaの加圧を2分間行えば十分であり、400MPaの加圧の場合には、1分間の加圧を以って実現することができる。
図5(a)、(b)、(c)、(d)は、米粒に対し、それぞれ加圧処理を行っていない場合、300MPa×10分、500MPa×10分、700MPa×10分による加圧処理を行った場合の走査型電子顕微鏡による断面写真を示すが、(b)の段階にて、既に細胞壁が部分的に損傷されており、(c)、(d)の段階では、全面的に損傷されている。
尚、図5(d)の場合には、精米におけるデンプンの結晶による立体構造も崩壊している可能性があるが、この点は、偏光十字の消滅の成否によって初めて、判断することが可能であり、前記顕微鏡写真では、判断することができない。
図6は、事前に400MPa×10分の加圧処理後炊飯処理を行った玄米ご飯(曲線a)、事前の加圧処理を行わずに炊飯処理を行った白米ご飯(曲線b)、事前の加圧処理を行わずに炊飯を行った玄米ご飯(曲線c)において消化酵素であるアミラーゼを反応させた場合の還元糖生成量(mg/g)を対比しているが、前記加圧処理を行った玄米ご飯の場合には、加圧処理を行っていない白米ご飯よりも還元糖生成量が大量となっており、消化性が向上していることが判明している。
このように、細胞壁に損傷を加えることによって、消化性を向上させた調理用穀物の場合には、高齢者用食品、病者用食品、乳児用食品、妊産婦用食品などの特別用途食品や特定保健用食品を開発することができる。
図7(a)、(b)は、それぞれ100MPa、200MPa、400MPa、600MPaによる加圧処理をそれぞれ10分行った後に、炊飯処理を行った白米に関する粘り(1cm2の断面積について、相互に剥離するのに必要な引っ張り力)及び食感の指標でありバランス度と称される、前記粘りと硬さ(1cm2の断面積について、粒状が破壊されるのに必要な押圧力)との比率(前記粘り/前記硬さ、による数値)を示すが、図7(a)に示すように、圧力の程度が高くなるほど、炊飯された白米の粘りが向上し、図7(b)に示すように、比率もまた、概略向上する傾向にあることが判明する。
このような粘り及びバランス度の向上は、加圧処理によって炊飯米の食味が向上することを意味している。
図8は、炊飯の前段階において、白米を水に浸漬する日数と炊飯後の食味分析計による炊飯米の食味度の対比である。
加圧処理を行っていない白米の場合には、水の浸漬日数を6日経ることによって、略86程度に至るが、400MPa×10分の加圧処理を行った場合には、当該加圧処理の後、直ちに食味度が約86であって、長期の水による浸漬処理を不要とし、速やかな調理が可能となる。
図9(a)、(b)は、それぞれ加圧処理を行っていない米粒のMRI写真による積算断面、及び中央断面をそれぞれ示すが、各映像面からも明らかなように、米粒内に空気孔を含有していることが判明する。
これに対し、図9(c)、(d)は、それぞれ400MPa×10分の加圧処理を行った米粒の前記MRI写真の積算断面、及び中央断面の映像をそれぞれ示すが、米粒内部に空気による孔が存在せず、加圧処理によって空気孔による隙間が概略消滅していることが判明する。
このような空気孔の消滅は、図7に示すような粘りの増加及びバランス度の増加との間に因果関係を有しており、更には図8に示すような速やかな食味度の向上との間にも因果関係を有しているものと考えられる。
図10A、Bは、事前の加圧処理を経ていない炊飯米の外観、及び事前に400MPa×10分による加圧処理を経た後の炊飯米の外観をそれぞれ示す。
図10A、Bの対比からも明らかなように、加圧処理を経ていない炊飯米の場合には、縦に伸びた細長い形状のご飯となっているのに対し、前記加圧処理を経た後の炊飯米の場合には、米の形のまま相似形に膨潤したご飯の形状となっている。
このような炊飯米における相互の形状の相違もまた、図7に示すような粘りの増加及びバランス度の増加との間に因果関係を有しており、更には図8に示すような速やかな食味度の相違に寄与しているものと考えられる。
図11は、炊飯処理を行った白米を5日間保存した後、当該保存状態(復元前の状態)、高周波加熱×2分、高周波加熱×3分、100℃の熱湯による加熱×25分、蒸し処理×15分による各処理を行った状態に関し、事前の加圧処理を行っていない炊飯米の場合と、事前に400MPa×10分の加圧処理を行っている炊飯米の場合とについて、BAP法による測定を行ったことによる糊化度(%)の対比を示す。
図11からも明らかなように、何れの場合においても、前記のような加圧処理を行った白米の方が良好な糊化度を呈しているが、このような相違は、加圧処理米の消化性、及び食味度の向上を客観的に裏付けている。
このように、本発明に係る調理用穀物に対する加圧システムによって、効率的な加圧処理を行い、当該処理によって穀物8の細胞壁に対する損傷を加えた場合には、その後の炊飯処理において、前記のような有用な作用効果を得ることができる。
以下、実施例に即して説明する。
実施例は、前記(1)、(2)又は(3)の基本構成による加圧処理後、加圧室1から穀物収納容器6を取り出したうえで、当該穀物8を図1に示すような遠心分離装置7に移動し、遠心力によって穀物8に付着した水を分離した後、当該穀物8に他の水又は液体によって加熱調理を行うことに基づく調理加工システムを採用している。
遠心分離装置7によって、穀物8に付着している水を速やかに分離させるのは、加圧処理後、穀物8と水の長時間における共存によって穀物粒からデンプン、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの各成分が水に溶出し、栄養分が減少すると共に、穀物8が膨潤することによって軟化し、その後の遠心分離工程によって破損することを防止するためである。
他方、前記遠心分離後、穀物8は、新しい液体と共に加熱調理を行うが、この場合にも遠心分離後、水が分離された穀物8を長時間保管した場合には、当該穀物8に表面乾燥によるクラックが生ずる可能性があることから、速やかに新たな加熱調理を行うことを必要とする。
尚、出願人においては、図1(a)、(b)に示すような遠心脱水乾燥機の発明及び出願を行っており、遠心による脱水を行う場合には、図1(a)に示すように、フィン71と底部とを接触させた状態としたうえで、回転に伴ってフィン71内部において収納した穀物8から水の分離及び当該分離した水の落下を実現し、穀物8の排出段階では、フィン71を底部から離脱させることによって、外側に排出させているが、各排出の単位をその後の炊飯及び包装の単位と合致させた場合には、効率的な調理加工商品の小分けを実現することができる。
通常、加圧処理後、30分以内に遠心分離操作を行うが、その根拠は、30分以上経過すると、穀物8粒の内部にまで水が浸透し、遠心分離では水の分離が困難となるからである。
実施例においても、加圧処理後30分以内に穀物収納容器6を遠心分離装置7に移動させたうえで、水分の遠心分離を行い、その後60分以内に新しい液体と共に加熱調理を行っている。
前記遠心分離操作においては、適切な遠心加速度を必要とする。
遠心加速度は、rω2によって計算されるが(但し、r:遠心半径、ω:角速度)、実施例においては、r=20cm、回転数を200ないし800rpm、即ちω=2π(200/60)ないし2π(800/60)radと設定し、遠心加速度rω2=87m/sec2ないし1400m/sec2と設定している。
遠心加速度を前記のような数値範囲に設定する根拠は、約85m/sec2未満の遠心加速度の場合には、水の分離が十分ではなく、逆に1400m/sec2を超える場合には、穀物8の粒が遠心加速度によって押し潰され、破壊される可能性があり、調理性を損なうことに由来している。
このような速やかな遠心分離操作及びその後の調理において、加圧処理後の穀物8の膨潤、更にはクラックを防止し、加圧処理の効果、即ち加圧糊化又は前記のような細胞壁に対する損傷効果をその後の加熱に十分生かすことが可能となる。
本発明の調理加圧加工システムを用いた穀物8は、必然的にその後の加熱調理工程を経るが、その際穀物以外に野菜類、茸類、魚介類、鳥獣肉類及び果実類を加えて加熱調理することは、当然可能である。
本発明は、穀物に対する加圧処理を伴う食品産業の分野において、効率的な利用を保証することができる。
遠心分離装置の基本構成を示す平面図である。 前記(2)の構成を示す側断面図である(尚、支持部による穀物収納容器に対する支持状態の具体的な構成の図示については省略している。)。 前記(3)の構成を示す側断面図である(尚、支持部による穀物収納容器に対する支持状態の具体的な構成の図示については省略している。)。 支持部が、穀物収納容器を密着状態で、かつ着脱自在の状態にて支持する実施形態の断面図に該当するが、(a)は断面略コ字型の可動嵌子による実施形態を示しており、(b)は断面略L字型の可動嵌子による実施形態を示す。 加圧処理の有無、及びその程度による米粒細胞壁の損傷状態を示しており、(a)は加圧処理を行っていない場合を示しており、(b)は300MPa×10分の場合を示しており、(c)は500MPa×10分の場合を示しており、(d)は700MPa×10分の場合を示している。 400MPa×10分の加圧処理を行った場合の玄米ご飯と、このような処理を行っていない場合の白米ご飯及び玄米ご飯の消化酵素の作用に基づく還元糖生成量を対比したグラフである。 加圧処理をそれぞれ10分行った場合の米飯の性状を示すグラフであって、(a)は各圧力に対応した粘りの程度を示しており、(b)は各圧力に対応したバランス度(粘りと硬さとの比率)を示している。 炊飯前の水の浸漬期間と炊飯後の食味分析計による食味度について、400MPa×10分の加圧処理を行っている場合と、加圧処理を行っていない場合との対比を示すグラフである。 米粒に対するMRI写真であって、(a)、(b)は、事前の加圧処理を行っていない場合の積算断面及び中央断面をそれぞれ示しており、(c)、(d)は、事前に400MPa×10分の加圧処理を行った場合の積算断面及び中央断面をそれぞれ示している。 炊飯米の外観写真を示しており、Aは加圧処理を行っていない場合を示しており、Bは400MPa×10分の加圧処理を行った場合を示している。 炊飯後、5日間保存した老化米飯について、再加熱処理を行っていない状態、及び各種類の再加熱処理を行った状態における糊化度の変化状態について、加圧処理を行っていない場合と、400MPa×10分の加圧処理を行った場合との対比を示すグラフである。
符号の説明
1 加圧室
2 加圧送水ポンプ
21 出入り口
31 シリンダー
32 ピストン
33 筒状部
34 シール部
41 密閉容器
42 変形可能な膜
5 加圧室の蓋
51 支持部
511 支持部に設けた孔
512 支持部からの突設部
52 パッキング材
53 可動嵌子
531 可動嵌子の上側突出部
532 可動嵌子の下側突出部
6 穀物収納容器
61 平滑部
7 遠心分離装置
71 フィン
8 穀物
本発明は、調理用穀物に対する加圧システム、及び当該加圧システムによる工程の後における遠心分離操作を経た穀物に対する調理加工システム、更には当該調理加工システムに基づく調理加工食品に関するものである。
穀物の加熱処理を行った場合には、デンプンの結晶を構成している立体的な分子構造が崩壊することによる糊化現象が生じることは、周知の技術的事項である。
特許文献1、2及び非特許文献1に示すように、穀物に対し加熱調理を行う前段階において、所定の時間及び圧力による加圧に基づいて、デンプンの立体構造を崩壊させるという所謂加圧糊化によって、穀物の調理時間を短縮することは、既に公然と知られている。
前記のような穀物に対する加圧処理においては、必然的に加圧処理の対象となる穀物を水と共に、穀物収納容器に収納したうえで、加圧室内の加圧処理を行う場合が多い。
水に対する加圧処理を行った場合、常温の水の場合には、400MPa(約4000気圧)の加圧によって、体積は約12%減少するが、前記のように、穀物を収納する容器が変形自在ではない状態(剛体に近い状態)であって、かつ内部を密閉している場合には、加圧室内の圧力を内部に伝達することができないばかりか、加圧処理によって破損する危険性を有している。
このような技術上の問題点を解決するために、前記容器の素材として変形可能(曲折自在)な素材(例えば、変形可能なプラスチック)を選択することによって、加圧処理に伴って変形(収縮)可能とし、密閉状態にて内部に収納されている水及び穀物に対し、圧力を伝達する方法が採用されている。
しかしながら、前記のような変形可能な容器の場合には、通常耐熱性に乏しいため、加熱殺菌が困難であると共に、変形した後の洗浄が困難と化し、更には繰り返し変形することによって、容器自体が破損するという欠点を免れることができない。
他方、容器を密閉せずに、開放状態としたうえで加圧した場合には、前記各従来技術の欠点をクリアすることが可能であるが、容器内に収納された穀物や当該穀物に含まれている夾雑物が容器から流出して、加圧室内の水と混合し、ひいては加圧・減圧のために必要な機械システムの作動に支障が生ずることにならざるを得ない。
しかも、加圧室内、前記機械システム及び双方の間を連通する配管に混入した穀物及び
夾雑物を清掃して排除することは殆ど不可能な状態にある。
このように、加圧室内において、穀物収納容器の破損を伴わずに、効率的に処理し得るような加圧システムは、これまで提唱されている訳ではない。
特公平6−7777号公報 特許第2583808号公報 林力丸編「食品への高圧利用」(1989年7月15日株式会社さんえい出版第1版第1刷発行)18頁ないし19頁の1・6・6及び23頁ないし24頁の1・7・6
本発明は、穀物に対する加圧処理において、穀物収納容器の変形を伴わずとも、加圧室に対する加圧送水ポンプの加圧送水によって、密閉状態にて、内部に収納された穀物及び水に対する加圧処理を可能とするような調理用穀物に対する加圧システムの構成を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本件発明の基本構成は、
(1)加圧送水ポンプと連通している加圧室内において、上部に平滑部を有している穀物収納容器の上側に支持部を設け、前記平滑部と前記支持部との間に伸縮自在のパッキング材料を介在させると共に、当該支持部に対し、回転自在又は挿脱自在にて係合している可動嵌子によって、平滑部を下方から支える状態と支えない状態とを選択可能とすることによって、当該平滑部と当該支持部を着脱自在な状態としており、平滑部が可動嵌子によって下方から支えられている場合には、前記パッキング材料によって内部に収容されている穀物及び水が外側に漏出しない程度の密着状態を維持し、当該支持部において水の出入り口を有し、かつ穀物収納容器内に突設された状態にあるシリンダー、及び支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、かつ当該シリンダー内を摺動するピストンを有している圧力伝達機構によって、穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室内の水とを遮断した状態にて、加圧送水ポンプからの送水に基づく圧力を穀物収納容器内に伝達することを可能としていることに基づく調理用穀物に対する加圧システム、
(2)加圧送水ポンプと連通している加圧室内において、上部に平滑部を有している穀物収納容器の上側に支持部を設け、前記平滑部と前記支持との間に伸縮自在のパッキング材料を介在させると共に、当該支持部に対し、回転自在又は挿脱自在にて係合している可動嵌子によって、平滑部を下方から支える状態と支えない状態とを選択可能とすることによって、当該平滑部と当該支持部を着脱自在な状態としており、平滑部が可動嵌子によって下方から支えられている場合には、前記パッキング材料によって内部に収容されている穀物及び水が外側に漏出しない程度の密着状態を維持し、当該支持部において水の出入り口を有し、かつ穀物収納容器内に突設された状態にある密閉容器によって構成されており、当該密閉容器においては、支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、しかも加圧室からの水の出入りに伴って、変形可能な膜を有している圧力伝達機構によって、穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室内の水とを遮断した状態にて、加圧送水ポンプからの送水に基づく圧力を穀物収納容器内に伝達することを可能としていることに基づく調理用穀物に対する加圧システム、
からなる。
前記基本構成に基づき、本発明においては、加圧室内において、穀物収納容器の変形に伴う容器の破損を惹起せず、しかも穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室とを遮断した状態にて圧力を伝達する加圧伝達機構の介在によって、穀物及び当該穀物に含まれている夾雑物を加圧室内に排出することなく、調理用穀物に対する加圧処理を行うことが可能となる。
前記(1)の圧力伝達機構は、ピストン32及びシリンダー31による図2(a)、(b)に示すような構成によって実現可能としており、前記(2)の圧力伝達機構は、変形可能な膜42を有する密閉容器41による図3に示すような構成によって実現可能としている。
図2(a)は、前記(1)の構成の内、シリンダー31の内側に、シール部(図示せず)を設け、ピストン32に周設された筒状部33が当該シール部(図示せず)を摺動することを特徴とする実施形態を示しており、
図2(b)は、前記(1)の構成の内、ピストンの周囲にシール部を設け、当該シール部がシリンダーを摺動することを特徴とする実施形態を示している。
尚、図2(b)及び図3は、何れも右側において、穀物収納容器6を支持する前段階の状態を示しており、左側において、穀物収納容器6を支持した状態を示しており、しかも圧力伝達機構及び支持部51を複数個設け、回転自在とした実施形態を示している。
前記(1)、(2)は、何れの構成においても、加圧送水ポンプ2の作動によって穀物収納容器6を密着状態であり、かつ着脱自在な状態にて支持している支持部51の上側に位置している出入り口21を介して水をシリンダー31又は密閉容器41に対し、進入又は排出させることによって、加圧室1の水と穀物収納容器6内の水とを遮断した状態にて、当該穀物収納容器6内にピストン32の作動又は変形可能な膜42の作動によって圧力を伝達することが可能となる。
尚、前記(1)の構成と、前記(2)の構成とを組み合わせ、前記(1)のピストン32の内側に、前記(2)の変形可能な膜42を使用する構成も存在し得るが、実際には、このような複雑な構成を採用する技術的意義は乏しい。
加圧室1内において、加圧送水ポンプ2の送水によって、加圧室1内が高圧となった場合、穀物収納容器6は、周囲及び下側からも押圧されていることから、当該穀物収納容器6に対する支持状態が加圧によって支障を来たす訳ではなく、また加圧が行われることによって、当該容器6自体にも変形が生ぜずとも、圧力伝達機構の作動によって加圧が可能となる。
このため、穀物収納容器6に対する加圧作動を繰り返しても、当該容器6の素材の疲労、及び破損を伴わずに、当該容器6の使用を継続することが可能となる。
このように、穀物収納容器6は、自ら変形することが不要であることから、曲げ弾性の強力な金属板、又はプラスチック板を素材とすることができる。
尚、前記素材を採用し得ることは、逆に変形自在の素材を穀物収納容器6として採用することもまた、可能である(変形自在の素材を採用した場合においても、本発明の場合には、穀物収納容器6の内外の圧力が、略同一であることから、素材の変形及び破損の程度は、従来技術の場合よりも極めて少ない状態となる。)。
前記(1)、(2)においては、加圧室1内において、支持部51が穀物収納容器6との間を密閉状態とし、かつ着脱自在な状態にて支持するために、通常当該支持部51及び穀物収納容器6の被支持部に該当する平滑部61との間に伸縮自在のパッキング材52を介在させ、かつ当該平滑部61に対し下側から支える状態と支えない状態とを選択可能とすることによって当該平滑部と当該支持部を着脱自在状態としている可動嵌子を支持部51に対し回転自在又は挿脱自在とする係合状態として採用している。
特に、図4(a)、(b)に示すように、穀物収納容器6の上部に設けた平滑部61と支持部51との間に伸縮自在のパッキング材料52を介在させると共に、当該平滑部61と支持部51とを着脱自在とする可動嵌子53を設け、可動嵌子53を断面略コ字型としたうえで、当該コ字型の下側突出部532によって、パッキング材料52を介して、前記平滑部61と支持部51を密着状態とし、前記コ字型の上側突出部531において支持部に設けた3個以上の孔511に対し、挿脱自在とさせるか(図4(a)の場合)、又は可動嵌子53を断面略L字型としたうえで、当該L字型の下側突出部532によって、パッキング材料52を介して前記平滑部61と支持部51とを密着状態とし、支持部に設けた3個以上の突設部512によって、該L字型の上側柱状部が回転自在に支持された状態とする(図4(b)の場合)ことを特徴とする実施形態は、嵌合自在の状態によって、穀物収納容器6の支持及び取り外しを容易に実現することができ、極めて便利である。
前記(1)、(2)の各基本構成にそれぞれ対応している図2(a)、(b)、図3に示す実施形態においては、穀物収納容器6に対する支持部51が加圧室の蓋5の一部を構成するか、又は蓋5と結合しているが、このような実施形態の場合には、加圧室1から蓋5を外すことによって、穀物収納容器6を加圧室1から取り出すことが可能となり、効率的な取り外しを実現することができる。
本発明による加圧処理は、調理用穀物に含有されるデンプンの結晶を構成している立体的な分子構造の崩壊に至るまでの圧力を所定時間加える場合、及び単にデンプンの細胞壁を損傷する程度の圧力を所定時間加える場合の何れにも採用することができる。
通常、調理用穀物8に対する加圧処理においては、80MPaから700MPaの範囲にて加圧処理することが多いが、その根拠は、圧力が80MPa未満の場合には、細胞壁の損傷を十分行うことが不可能となり、逆に圧力が700MPaを超える場合には、無駄な加圧エネルギーを必要とし、装置も高価となって経済コストとして、好ましくないことに由来している。
出願人の経験によれば、前記のようなデンプンの立体構造の崩壊に至るような加圧を行うためには、精米の場合には、少なくとも700MPa以上であることを不可欠とする。
但し、前記のようなデンプンの立体構造の崩壊を伴わずとも、調理用穀物8の細胞壁に損傷を加える程度の加圧処理によって、その後の炊飯処理を行った場合に、消化性を向上させることができ、しかも前記損傷を加えるために必要な圧力および時間は、精米の場合には、例えば略200MPaの加圧を2分間行えば十分であり、400MPaの加圧の場合には、1分間の加圧を以って実現することができる。
図5(a)、(b)、(c)、(d)は、米粒に対し、それぞれ加圧処理を行っていない場合、300MPa×10分、500MPa×10分、700MPa×10分による加圧処理を行った場合の走査型電子顕微鏡による断面写真を示すが、(b)の段階にて、既に細胞壁が部分的に損傷されており、(c)、(d)の段階では、全面的に損傷されている。
尚、図5(d)の場合には、精米におけるデンプンの結晶による立体構造も崩壊している可能性があるが、この点は、偏光十字の消滅の成否によって初めて、判断することが可能であり、前記顕微鏡写真では、判断することができない。
図6は、事前に400MPa×10分の加圧処理後炊飯処理を行った玄米ご飯(曲線a)、事前の加圧処理を行わずに炊飯処理を行った白米ご飯(曲線b)、事前の加圧処理を行わずに炊飯を行った玄米ご飯(曲線c)において消化酵素であるアミラーゼを反応させた場合の還元糖生成量(mg/g)を対比しているが、前記加圧処理を行った玄米ご飯の場合には、加圧処理を行っていない白米ご飯よりも還元糖生成量が大量となっており、消化性が向上していることが判明している。
このように、細胞壁に損傷を加えることによって、消化性を向上させた調理用穀物の場合には、高齢者用食品、病者用食品、乳児用食品、妊産婦用食品などの特別用途食品や特定保健用食品を開発することができる。
図7(a)、(b)は、それぞれ100MPa、200MPa、400MPa、600MPaによる加圧処理をそれぞれ10分行った後に、炊飯処理を行った白米に関する粘り(1cm2の断面積について、相互に剥離するのに必要な引っ張り力)及び食感の指標でありバランス度と称される、前記粘りと硬さ(1cm2の断面積について、粒状が破壊されるのに必要な押圧力)との比率(前記粘り/前記硬さ、による数値)を示すが、図7(a)に示すように、圧力の程度が高くなるほど、炊飯された白米の粘りが向上し、図7(b)に示すように、比率もまた、概略向上する傾向にあることが判明する。
このような粘り及びバランス度の向上は、加圧処理によって炊飯米の食味が向上することを意味している。
図8は、炊飯の前段階において、白米を水に浸漬する日数と炊飯後の食味分析計による炊飯米の食味度の対比である。
加圧処理を行っていない白米の場合には、水の浸漬日数を6日経ることによって、略86程度に至るが、400MPa×10分の加圧処理を行った場合には、当該加圧処理の後、直ちに食味度が約86であって、長期の水による浸漬処理を不要とし、速やかな調理が可能となる。
図9(a)、(b)は、それぞれ加圧処理を行っていない米粒のMRI写真による積算断面、及び中央断面をそれぞれ示すが、各映像面からも明らかなように、米粒内に空気孔を含有していることが判明する。
これに対し、図9(c)、(d)は、それぞれ400MPa×10分の加圧処理を行った米粒の前記MRI写真の積算断面、及び中央断面の映像をそれぞれ示すが、米粒内部に空気による孔が存在せず、加圧処理によって空気孔による隙間が概略消滅していることが判明する。
このような空気孔の消滅は、図7に示すような粘りの増加及びバランス度の増加との間に因果関係を有しており、更には図8に示すような速やかな食味度の向上との間にも因果関係を有しているものと考えられる。
図10A、Bは、事前の加圧処理を経ていない炊飯米の外観、及び事前に400MPa×10分による加圧処理を経た後の炊飯米の外観をそれぞれ示す。
図10A、Bの対比からも明らかなように、加圧処理を経ていない炊飯米の場合には、縦に伸びた細長い形状のご飯となっているのに対し、前記加圧処理を経た後の炊飯米の場合には、米の形のまま相似形に膨潤したご飯の形状となっている。
このような炊飯米における相互の形状の相違もまた、図7に示すような粘りの増加及びバランス度の増加との間に因果関係を有しており、更には図8に示すような速やかな食味度の相違に寄与しているものと考えられる。
図11は、炊飯処理を行った白米を5日間保存した後、当該保存状態(復元前の状態)、高周波加熱×2分、高周波加熱×3分、100℃の熱湯による加熱×25分、蒸し処理×15分による各処理を行った状態に関し、事前の加圧処理を行っていない炊飯米の場合と、事前に400MPa×10分の加圧処理を行っている炊飯米の場合とについて、BAP法による測定を行ったことによる糊化度(%)の対比を示す。
図11からも明らかなように、何れの場合においても、前記のような加圧処理を行った白米の方が良好な糊化度を呈しているが、このような相違は、加圧処理米の消化性、及び食味度の向上を客観的に裏付けている。
このように、本発明に係る調理用穀物に対する加圧システムによって、効率的な加圧処理を行い、当該処理によって調理用穀物8の細胞壁に対する損傷を加えた場合には、その後の炊飯処理において、前記のような有用な作用効果を得ることができる。
以下、実施例に即して説明する。
実施例は、前記(1)、(2)の基本構成による加圧システムを用いて調理用穀物に対し加圧処理を行った後、加圧室1から穀物収納容器6を取り出したうえで、当該調理用穀物8を図1に示すような遠心分離装置7に移動し、遠心力によって調理用穀物8に付着した水を分離した後、当該調理用穀物8に他の水又は液体によって加熱調理を行うことに基づく調理加工方法を採用している。
遠心分離装置7によって、調理用穀物8に付着している水を速やかに分離させるのは、加圧処理後、調理用穀物8と水の長時間における共存によって調理用穀物8粒からデンプン、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの各成分が水に溶出し、栄養分が減少すると共に、調理用穀物8が膨潤することによって軟化し、その後の遠心分離工程によって破損することを防止するためである。
他方、前記遠心分離後、調理用穀物8は、新しい液体と共に加熱調理を行うが、この場合にも遠心分離後、水が分離された調理用穀物8を長時間保管した場合には、当該調理用穀物8に表面乾燥によるクラックが生ずる可能性があることから、速やかに新たな加熱調理を行うことを必要とする。
尚、出願人においては、図1(a)、(b)に示すような遠心脱水乾燥機の発明及び出願を行っており、遠心による脱水を行う場合には、図1(a)に示すように、フィン71と底部とを接触させた状態としたうえで、回転に伴ってフィン71内部において収納した調理用穀物8から水の分離及び当該分離した水の落下を実現し、調理用穀物8の排出段階では、フィン71を底部から離脱させることによって、外側に排出させているが、各排出の単位をその後の炊飯及び包装の単位と合致させた場合には、効率的な調理加工商品の小分けを実現することができる。
通常、加圧処理後、30分以内に遠心分離操作を行うが、その根拠は、30分以上経過すると、調理用穀物8粒の内部にまで水が浸透し、遠心分離では水の分離が困難となるからである。
実施例においても、加圧処理後30分以内に穀物収納容器6を遠心分離装置7に移動させたうえで、水分の遠心分離を行い、その後60分以内に新しい液体と共に加熱調理を行っている。
前記遠心分離操作においては、適切な遠心加速度を必要とする。
遠心加速度は、rω2によって計算されるが(但し、r:遠心半径、ω:角速度)、実施例においては、r=20cm、回転数を200ないし800rpm、即ちω=2π(200/60)ないし2π(800/60)radと設定し、遠心加速度rω2=87m/sec2ないし1400m/sec2と設定している。
遠心加速度を前記のような数値範囲に設定する根拠は、約85m/sec2未満の遠心加速度の場合には、水の分離が十分ではなく、逆に1400m/sec2を超える場合には、調理用穀物8の粒が遠心加速度によって押し潰され、破壊される可能性があり、調理性を損なうことに由来している。
このような速やかな遠心分離操作及びその後の調理において、加圧処理後の調理用穀物8の膨潤、更にはクラックを防止し、加圧処理の効果、即ち加圧糊化又は前記のような細胞壁に対する損傷効果をその後の加熱に十分生かすことが可能となる。
本発明の調理加圧加工システムを用いて加圧された調理用穀物8は、必然的にその後の加熱調理工程を経るが、その際調理用穀物以外に野菜類、茸類、魚介類、鳥獣肉類及び果実類を加えて加熱調理することは、当然可能である。
本発明は、調理用穀物に対する加圧処理を伴う食品産業の分野において、効率的な利用を保証することができる。
遠心分離装置の基本構成を示す平面図である。 前記(1)基本構成を示す側断面図である(尚、支持部による穀物収納容器に対する支持状態の具体的な構成の図示については省略している。)。 前記(2)基本構成を示す側断面図である(尚、支持部による穀物収納容器に対する支持状態の具体的な構成の図示については省略している。)。 支持部が、穀物収納容器を密着状態で、かつ着脱自在の状態にて支持する実施形態の断面図に該当するが、(a)は断面略コ字型の可動嵌子による実施形態を示しており、(b)は断面略L字型の可動嵌子による実施形態を示す。 加圧処理の有無、及びその程度による米粒細胞壁の損傷状態を示しており、(a)は加圧処理を行っていない場合を示しており、(b)は300MPa×10分の場合を示しており、(c)は500MPa×10分の場合を示しており、(d)は700MPa×10分の場合を示している。 400MPa×10分の加圧処理を行った場合の玄米ご飯と、このような処理を行っていない場合の白米ご飯及び玄米ご飯の消化酵素の作用に基づく還元糖生成量を対比したグラフである。 加圧処理をそれぞれ10分行った場合の米飯の性状を示すグラフであって、(a)は各圧力に対応した粘りの程度を示しており、(b)は各圧力に対応したバランス度(粘りと硬さとの比率)を示している。 炊飯前の水の浸漬期間と炊飯後の食味分析計による食味度について、400MPa×10分の加圧処理を行っている場合と、加圧処理を行っていない場合との対比を示すグラフである。 米粒に対するMRI写真であって、(a)、(b)は、事前の加圧処理を行っていない場合の積算断面及び中央断面をそれぞれ示しており、(c)、(d)は、事前に400MPa×10分の加圧処理を行った場合の積算断面及び中央断面をそれぞれ示している。 炊飯米の外観写真を示しており、Aは加圧処理を行っていない場合を示しており、Bは400MPa×10分の加圧処理を行った場合を示している。 炊飯後、5日間保存した老化米飯について、再加熱処理を行っていない状態、及び各種類の再加熱処理を行った状態における糊化度の変化状態について、加圧処理を行っていない場合と、400MPa×10分の加圧処理を行った場合との対比を示すグラフである。
符号の説明
1 加圧室
2 加圧送水ポンプ
21 出入り口
31 シリンダー
32 ピストン
33 筒状部
34 シール部
41 密閉容器
42 変形可能な膜
5 加圧室の蓋
51 支持部
511 支持部に設けた孔
512 支持部からの突設部
52 パッキング材
53 可動嵌子
531 可動嵌子の上側突出部
532 可動嵌子の下側突出部
6 穀物収納容器
61 平滑部
7 遠心分離装置
71 フィン
調理用穀物

Claims (11)

  1. 加圧送水ポンプと連通している加圧室内において、穀物収納容器に対し、内部に収容されている穀物及び水が外側に漏出しない程度の密着状態を維持し、かつ着脱自在な状態にて、上側から支持する支持部を設けると共に、当該支持部において水の出入り口を有し、かつ穀物収納容器内の穀物及び水と加圧室内の水とを遮断した状態にて、加圧送水ポンプからの送水に基づく圧力を穀物収納容器内に伝達する圧力伝達機構を設けたことに基づく調理用穀物に対する加圧システム。
  2. 圧力伝達機構が、穀物収納容器内に突設された状態にあるシリンダー、及び支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、かつ当該シリンダー内を摺動するピストンによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の調理用穀物に対する加圧システム。
  3. シリンダーの内側に、シール部を設け、ピストンに周設された筒状部が当該シール部を摺動することを特徴とする請求項2記載の調理用穀物に対する加圧システム。
  4. ピストンの周囲にシール部を設け、当該シール部がシリンダーを摺動することを特徴とする請求項2記載の調理用穀物に対する加圧システム。
  5. 圧力伝達機構が、穀物収納容器内に突設された状態にある密閉容器、及び当該密閉容器の一部を構成し、支持部における水の出入り口よりも下方に位置し、しかも加圧室からの水の出入りに伴って、変形可能な膜を有している密閉容器によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の調理用穀物に対する加圧システム。
  6. 穀物収納容器の上部に設けた平滑部と支持部との間に伸縮自在のパッキング材料を介在させると共に、当該平滑部と支持部とを着脱自在とする可動嵌子を設け、可動嵌子を断面略コ字型としたうえで、当該コ字型の下側突出部によって、パッキング材料を介して、前記平滑部とシール部を密着状態とし、前記コ字型の上側突出部において支持部に設けた3個以上の孔に対し、挿脱自在とさせるか、又は可動嵌子を断面略L字型としたうえで、当該L字型の下側突出部によって、パッキング材料を介して前記平滑部と支持部とを密着状態とし、支持部に設けた3個以上の突設部によって、該L字型の上側柱状部が回転自在に支持された状態とすることを特徴とする請求項1記載の調理用穀物に対する加圧システム。
  7. 穀物収納容器を支持する支持部、加圧室の蓋の一部を構成するか、又は蓋と結合していることを特徴とする請求項1、及び6記載の調理用穀物に対する加圧システム。
  8. 加圧送水ポンプによって、圧力伝達機構に加えられる圧力の範囲を80MPa〜700MPaとし、穀物の細胞壁に損傷を加える程度の加圧を行うことを特徴とする請求項1記載の調理用穀物に対する加圧システム。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8記載の加圧処理後、加圧室から穀物収納容器を取り出したうえで、調理用穀物を遠心分離装置に移動し、遠心力によって当該穀物に付着した水を分離した後、当該穀物に他の水又は液体によって加熱調理を行うことに基づく調理加工システム。
  10. 加圧処理後、30分以内に遠心分離装置によって、87〜1400m/secの遠心加速度を加え、当該遠心操作の後、60分以内に他の水又は液体と共に加熱調理を行うことを特徴とする請求項9記載の調理加工システム。
  11. 請求項9、10記載の穀物調理加工システムによって処理された穀物に基づく調理加工食品、又は加熱調理前の穀物に対し、野菜類、茸類、魚介類、鳥獣肉類及び果実類を加えたうえで加熱調理されたことに基づく調理加工食品。
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