JPWO2006137550A1 - 癌診断方法及び肺癌診断方法 - Google Patents

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Abstract

肺癌の初期において、癌細胞の存在証拠を血液中から検出でき、しかも、癌か否かの癌診断をした場合、肺癌患者であるにもかかわらず、陰性と判断してしまったり、また、肺癌患者でないにもかかわらず、陽性と判断する場合を著しく低減した、癌診断方法及びそのような癌診断方法を用いた肺癌診断方法を提供する。ある患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、EGFR mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、PCRにより増幅されたPCR産物を前記PCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、第一の癌診断方法と、前記ある患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、hTERT mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、前記PCRにより増幅されたPCR産物を前記PCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、第二の癌診断方法とを行い、第一の癌診断方法と第二の癌診断方法の双方の結果が、陽性と判定された場合、癌と判断する。

Description

本発明は、癌診断方法及び肺癌診断方法に関し、特に、早期に肺癌か否かの診断ができ、また、抗癌剤が患者に有効か否かの判断をできる、高感受性且つ特異性のある癌診断方法及びそのような癌診断方法を用いた肺癌診断方法に関する。
肺癌は、過去20年間において、生存率において少しの変化があったものの、依然として、悪性腫瘍関連死の主要な原因となっている。
そして、非小細胞肺癌(NSCLC(non−small cell lung cancer))は、現在、総肺癌患者の3/4を占めており、多くの患者が、新規な治療方法や外科的腫瘍学の進歩にもかかわらず、進行性かつ転移性の病気によって死に続けている。
また、メスなどを用いない、診断ツールとして、腫瘍マーカーがある。
この腫瘍マーカーは、一般に、癌の診断や、治療指標として用いられている。
腫瘍マーカーとしては、小細胞癌の診断には、例えば、NSE(Neuron−specific enolase、以下、単に「NSE」という。)やproGRP(Pro−gastorin−releasing peptide、以下、単に、「proGRP」という。)が有効なマーカーとされている。
非小細胞癌(NSCLC(non−small cell lung cancer)、以下、単に、「NSCLC」という。)や、癌胎児性抗原(CEA(carcinoembryonic antigen)、以下、単に、「CEA」という。)や、扁平上皮癌(SCC(squamous cell carcinoma)、以下、単に、「SCC」という。)や、サイトケラチン21−1フラグメント(シフラ21−1)(CYFRA(cytokeratin 19 fragment)、以下、単に、「CYFRA」という。)や、シアリルLeX−抗原(SLX(sialyl Le antigen such as sialyl stage−specific antigen−1)、以下、単に、「SLX」という。)や、CA19−9(carbohydrate antigen 19−9、以下、単に、「CA19−9」という。)は、一般に、診断に用いられており、少なくとも、CEA、SCC及びCYFRAの群から選択される1つのマーカーが、陽性の場合、70%の患者が、非小細胞癌(NSCLE)の患者である、とされている。
また、組織学的カテゴリーに基づけば、CEAとCYFRAとの双方が陽性の割合は、腺癌(adenocarcinoma)の患者において高く、CYFRAとSCCとの双方が陽性の割合は、扁平上皮癌squamous cell carcinoma)の患者において高い、とされている。
また、X線診断(X−ray examinations)や、従来の腫瘍マーカーを用いた診断や、気管支洗浄(bronchial lavage(BL)のような標準的な手法は、肺癌の発見に重要であるが、これらの手法は、臨床の初期段階における肺癌の発見には十分では無い、という問題がある。
また、上皮成長因子受容体(EGFR(epidermal growth factor receptor)、以下、単に、「EGFR」という。)のチロシンキナーゼ活性(Tyrosine kinase activity)は、腫瘍細胞の増殖や、細胞生存や、血管形成や、滲出や、転移に関与し、また、合成アニリノキナゾリン(a synthetic anilinoquinazoline)、ゲフィチニブ(Gefitinib)(商品名:「イレッサ」(登録商標)、販売会社:アスロラゼネカ株式会社)のEGFRチロシンキナーゼ阻害作用をうける作用点でもある。
ゲフィチニブ(Gefitinib)(商品名:「イレッサ」(登録商標)、販売会社:アスロラゼネカ株式会社)のEGFRチロシンキナーゼ阻害作用は、患者によっては、極めて有効な薬剤であるが、他方、副作用の問題がある。
EGFRは、NSCLCの組織標本の80%に発現するが、その発現は、小細胞癌(Small cell lung carcinoma(SCLC)の進行性タイプ(progress type)に観察される。この意味において、EGFRは、優れた肺癌の生体用マーカー(biomaker)であり、そして、EFFRターゲット療法(EGFR−targeted therapies)に腫瘍反応(tumor response)する分子決定因子(molecular detaerminants)である。
RGFRTが、腫瘍マーカーのように利用できれば、医師が、患者に対し、ゲフィチニブ(Gefitinib)を処方するか否かの判断するのが容易となり、また、患者に対し、ゲフィチニブ(Gefitinib)を処方後においても、ゲフィチニブ(Gefitinib)が腫瘍に有効であるか否かの追跡調査が容易に行える。
また、本発明者等は、患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、hTERT mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、PCRにより増幅されたPCR産物を前記PCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、癌診断方法を既に提案している。
しかしながら、この癌診断方法だけを用いて、例えば、肺癌か否かの癌診断をした場合、肺癌患者であるにもかかわらず、陰性と判断したり、また、肺癌患者でないにもかかわらず、陽性と判断したりする場合が全く無い、とは言い切れない、という問題がある。
Greenlee RT,Hill−Harmon MB,Murray T,Thun M.Cancer statistics.CA cancer J Clin 2005;51:15−36. Giaccone G.Clinical impact of novel treatment strategies.Oncogene 2002;21:6970−81. Johnson BE,Grayson J,Makuch RW,et al.Ten−year survival of patients with small−cell lung cancer treated with combination chemotherapy with or without irradiation.J Clin Oncol 1990;8:396−401. Morina R,Filella X,Auge JM.ProGRP:a new biomarker for small cell lung cancer.Clinical Biochemistry 2004;37:505−11. Sugio K,Sugaya M,Hanagiri T,Yasumoto K.Tumor marker in primary lung cancer.JUOEH 2004;1:473−9. Schneider J,Philipp M,Velcovsky HG,Morr H,Katz N.Pro−gastrin−releasing peptide(ProGRP),neuron speific enolase(NSE),carcinoembryonic antigen(CEA),and cyto keratin 19−fragments(CYFRA 21−1)in patients with lung cancer in comparison to other lung diseases.Anticancer Res 2003;23:885−93. Tagliaferri P,Tassone P,Blotta S,et al.Antitumor therapeutic strategies based on the targeting of epidermal growth factor−induced survival pathways.Curr Drug Targets 2005;6:289−300. Lynch TJ,Bell DW,Sodella R,et al.Activating mutations in the epidermal growth factor receptor underlying responsiveness of non−small−cell lung cancer to gefitinib.N Engl J Med 2004;350:2129−39. Gamou S,Hunts J,Harigai H,et al.Molecular evidence for the lack of epidermal growth factor receptor gene expression in small cell lung carcinoma cell.Cancer Res 1987;47:2668−73. Paez JG,Janne PA,Lee JC,et al.EGFR mutations in lung cancer:correlation with clinical response to Gefitinib therapy.Science 2004;304:1497−500. WO2005049864号
本発明は、上記した問題や医師等の要望を解決するためになされたものであって、癌、より具体的に説明すると、肺癌の初期において、癌細胞の存在証拠を血液中から検出でき、しかも、癌か否かの癌診断をした場合、肺癌患者であるにもかかわらず、陰性と判断したり、また、肺癌患者でないにもかかわらず、陽性と判断したりする場合を著しく低減した、癌診断方法及びそのような癌診断方法を用いた肺癌診断方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の癌診断方法は、ある患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、EGFR mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、PCRにより増幅されたPCR産物をPCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、第一の癌診断方法と、前記ある患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、hTERT mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、PCRにより増幅されたPCR産物をPCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、第二の癌診断方法とを行い、第一の癌診断方法の結果が、陽性と判定され、且つ、第二の癌診断方法の結果が、陽性と判定された場合、癌と判断する。
請求項2に記載の癌診断方法は、請求項1に記載の癌診断方法で用いる、EGFR mRNAの存在を検出する、プライマーセットの、上流側プライマーが、AACTGTGAGGTGGTCCTTGGであり、下流側プライマーが、GTTGAGGGCAATGAGGACATである。
請求項3に記載の癌診断方法は、請求項1又は請求項2に記載の癌診断方法で用いる、hTERTmRNAの存在を検出する、プライマーセットの、上流側プライマーが、上流側プライマーが、CGGAAGAGTGTCTGGAGCAAであり、下流側プライマーが、GGATGAAGCGGAGTCTGGAである。
請求項4に記載の癌診断方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の癌診断方法で用いる、体液が、血液またはリンパ液である。
請求項5に記載の肺癌診断方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の癌診断方法を用いた。
[発明の効果]
本発明に係る癌診断方法は、癌の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出できるので、早期医療行為によって癌細胞を根絶することが可能になる。
また、体液中からmRNAを含む試料を得るようにしたので、癌組織腫瘍形成、転移後の切除組織中からEGFRを検出するような場合に比べ、癌細胞の有無を正確に検出することができる。
また、PCRを行う際に使用するプライマーを工夫することにより、癌の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出できるようになった。
また、本発明に係る癌診断方法では、第一の癌診断方法と第二の癌診断方法の両方が、陽性と判断された場合を、癌と判断するようにしているので、癌でない者を誤って癌と誤って判断したり、癌であるにもかかわらず癌では無いと誤って判断することがない。
第1図は、本発明に係る癌診断方法と、その対象とを概略的に説明する説明図である。
第2図は、本発明に係る癌診断方法で使用するプライマーセットを説明する図である。
第3図は、全長塩基配列を示す図である。
第4図は、EGFRの全長塩基配列を示す図である。
第5図は、EGFRの全長塩基配列を示す図である。
第6図は、hTERT mRNA及びEGFR mRNAの各々の組織と血清との間の相関関係を表すグラフであり、図6(a)は、hTERT mRNAの組織と血清との間の相関関係を表すグラフであり、また、図6(b)は、EGFR mRNAの組織と血清との間の相関関係を表すグラフである。
第7図は、腫瘍マーカーの臨床因子に関する多変量解析結果を示す図である。
第8図は、ロックカーブ解析(ROC curve analyses)の結果を示すグラフである。
第9図は、各種の腫瘍マーカーの肺癌に対する感受性と特異性とを説明する図である。
以下、本発明に係る癌診断方法の一例を更に詳しく説明する。
1.患者と標本の収集
図1は、本発明に係る癌診断方法と、その対象とを概略的に説明する説明図である。
図1に示す試験を行うために、2003年7月〜2004年12月の期間、国立米子病院に許可された、89人の肺癌患者を登録した。
患者の平均年齢は63歳(22歳〜90歳)であった。
これらの患者について、血清試験、胸部X線、(ヘリカル)コンピュータ断層撮影法(CT)、胸部又は脳の磁気共鳴映像法、細胞学的試験、経気管支、経皮、又は胸腔鏡下肺生体組織検査の後に外科的切除標本の病理的評価を診断した。
臨床病理学的所見[性別、年齢、診断、腫瘍の大きさ、腫瘍の数、CEA、SCC、CYFRA、proGRP、NSE(Neuron specific enolase)、TPA(tissue polypeptide antigen)及びSLXといった腫瘍マーカー検査、肝炎ウイルスの有無(presence of active hepatitis virus)、喫煙暦(smoke history(estimated by Pack−Year index)、転移や再発の有無(presence of metastasis or recurrence)及び臨床病期(IA〜IV)(clinical stage(IA〜IV))]を評価した。
また、対照群(比較例)として、12人の女性を含む27人の健常人(22歳〜78歳:平均年齢53歳)を用いた。
更に、同じ患者に関して、外科的処置の前と後(手術後3週間後)の血清中の興味のある遺伝子を調べるため、また、腫瘍マーカーとしての能力を決定するため、我々は、肺癌患者のヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERTと略)mRNAと、EGFR(epidermal growth factor receptor)mRNAとの発現を計量的に分析した。
この試験を行うに際し、患者からインフォームドコンセントを得て、且つ、研究プロトコール(計画案)は、1975年のヘルシンキ宣言の倫理的ガイドラインに従ったものとした。
且つ、鳥取大学の倫理委員会(the human research committee of Tottori University)の承認を得た(承認番号第138、No.138−1,2001年(approval No.138,No.138−1,2001))。
本発明に係る癌診断方法では、まず、被験者(患者)の血液を採取した。
次に、血液中からRNAを含む試料を得た。
より具体的に説明すると、患者から採取した体液(この例では、血液)(約1〜2ml)について、10℃で10分間、3段階(800xg、1000xg、1500xg)の遠心分離操作を行うことにより、リンパ球(lymphocyte)の存在を無視できる量になるまで減少させた血清(上澄み)(serum samples)を得た。
この血清(上澄み)(serum samples)中のhTERT mRNAとEGFR mRNAが、肺の悪性腫瘍(pulmonary malignancies)に起源を発しそこから放出されたものであるかを調べるため、23名の肺癌患者の外科的切除肺組織と漿液(sera)とを採取した。
2.RNAの抽出とReal−time quantitative RT−PCR.
次に、RNAを、従来公知の方法で、血清(上澄み)(serum samples)から、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase;deoxyribonuclease)処理(treatment)を用いて抽出した。
血清(上澄み)(serum samples)200μl中から抽出したRNAをヌクレアーゼフリーの水(HO)に溶解した。
次に、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(quantitative RT−PCR(real time polymerase chain reaction)を、ワンステップRT−PCRキット(One Step RT−PCR kit)(Qiagen社製)の中に、1μlのRNA抽出物と2μlのSYBR Green I(Roche,Basel,Switzerland)とを使用して、行った。
RNAは、同じ容量の血清を使用しHCC組織を用いて抽出し、その後、20倍の濃度になるまで乾燥させた。
HCC組織からのRNAの抽出は、TRIzol(登録商標)試薬(Reagent)を使用し、この試薬の製造販売会社(Invitrogen Corp.,Carlsbad,CA,USA)の使用説明書に従って行った。
この実験に使用したプライマー及び標的塩基配列を、図2に示す。
即ち、EGFRを検出するためのプライマーセットとして、上流側プライマー(EGFR−F)を、AACTGTGAGGTGGTCCTTGGとし、下流側プライマー(EGFR−R)を、GTTGAGGGCAATGAGGACATとした。
尚、上流側プライマーは、標的塩基配列の順方向(5’→3’)に設定し、下流側プライマーは、標的塩基配列の上流側プライマーの順方向に相当する鎖に対し、相補的配列で且つ逆方向に設定したものである。
図3〜図5に、EGFRの全長塩基配列を示す。
この増幅ターゲットは、EGFRのチロシンキナーゼ加リン酸サイト(a tyrosine kinase phosphorylation site of EGFR)であり、また、このプライマーは、その塩基配列中に変異を含んでいないものとした。
また、比較のため、hTERTを検出するプライマーセットとして、上流側プライマー(hTERT−F)を、CGGAAGAGTGTCTGGAGCAAとし、下流側プライマー(hTERT−R)を、GGATGAAGCGGAGTCTGGAとした。
また、2−microglobinでは、上流側プライマー(2−microglobin−F)を、TGAGTGCTGTCTCCATGTTTGAとし、下流側プライマー(2−microglobin−R)を、TCTGCTCCCCACCTCTAAGTTGとした。
リアルタイムPCR(RT−PCR)の条件は、最初の逆転写反応を、50℃で30分間行い、その後、反応活性化段階として、95℃に、12分間保ち、その後、PCR反応を50サイクル(95℃(0秒)、55℃(10秒)次いで72℃(15秒)行い、そして、40℃で20秒間、熱変性した。
hTERT mRNAとEGFR mRNAに対するリアルタイムPCR(RT−PCR)分析の射程範囲は、この分析では、約5コピーであり、そして、我々は、患者と比較例からの血清試料中、誤って陰性とする可能性を排除することができた。
このPCRは、hTERTに対し、131bpの産出物を、EGFRに対し、114bpの産出物を、また、β2−microglobin RNAに対し、88bpの産出物を、各々、産生した。
このRT−PCR分析は、2回、繰り返し、この定量化については、ライトサイクラー(LightCycler(登録商標)(ロッシュ社(Roche,Basel,Switzerland))を用いることで、繰り返し再現性があることを確かめた。
3.免疫組織学的検討(Immunohistochemistry)
切除組織をパラフィン中に包埋する(paraffin embedding)ための処理をした。免疫組織研究のため、血清中に腫瘍マーカーの強い蛋白質発現を有する、患者を3人ずつ(全員で12名の患者)選び出し、hTERT,EGFR,SCC(シグマ(Sigma)社製)及びCYFRA(シグマ(Sigma)社製)の各々を識別する抗体を用いて、肺癌横断研究を行った。
免疫組織研究において、4%パラホルムアルデヒド中に固定した肝臓組織(liver tissues)をパラフィンに包埋(embedded)した。免疫組織分析のため、次に示す抗体を連続したセクション(sections)に培養した;肺の切除標本のa mouse monoclonal antibody 5−micron−thick sectionsが、一連のキシレン浴脱パラフィン化(a series of xylene baths)され、また、これらの試料は、等級に分けられたアルコール(graded alcohols)中で再水和化(rehydrated)された。
染色された全てのセクション(sections)は、電子レンジを用い、600Wで、15分間、10mmol/litterのクエン酸ナトリウム緩衝液中で加熱処理された。
PBS(phosphate buffered saline リン酸〔塩〕)緩衝生理的食塩水の略)中で洗浄後、これらの切断面は、avidin−biotin−peroxidase complex(Vector Laboratories,Burlingame,CA)によって染色された。
エピトープ(epitope、抗原決定基)エキスポージャー(exposure)を高める(enhance)するために、スライドを、98℃で、10−mmol/litterのクエン酸緩衝液(citrate buffer)用い、pH6で、90分間、前処理した。
セクション(sections)は、その際に、非特異性の結合を減じるために2.5%の遮断血清(blocking serum)中で培養された。これに引き続き、試料を、37℃で、プライマリーモノクロールマウスhTERT(H−231)sc−7212抗体(primary monoclonal mouse hTERT(H−231)sc−7212 antibody(Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA,USA))human EGFR(1005)、sc−03抗体(sc−03 antibody(Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA,USA))を使用して、90分間、パラフィンセクションの上で、1:50の希釈で、培養した。これらのセクシション(sections)は、企業(Vector Laboratories,Burlingame,CA,USA)の推奨に従って、標準アビジン−ビオチン免疫化学(standard avidin−biotinimmunochemistry)で処理された。
最後に、色素原として、ジアミノベンゼンを用い、そして、核対比染色として、ヘマトキシリンを用いた。陰性対象として、一時抗体を省略して染色処理を行った。結果をパーセンテージで表した。
核小体(nucleolar)hTERTは、テロメア機能と関係している。核小体染色された細胞だけが分子計算器(numerator)に含められた。免疫反応性は、蛍光色素接合2次抗体を用いて視覚化した。
hTERT染色は、陰性(<50% of tumor cells positive at the nucleolar level)と陽性(>50% of them)とに分類した。
4.統計解析
SPSS II(SPSS Corp.,Tokyo,Japan)を使用して、hTERT、EGFR及びその他のマーカーに影響する重要な臨床病理学的知見を行った。
各々の臨床因子(パラメーター)における層別分類は、論理学的回帰分析モデルを使用して、多変量解析法によって評価した。
各々の腫瘍マーカーについて、多変量解析法によって、肺疾患の間に見られる重要な相違を調べた。
hTERT mRNA,EGFR mRNA,従来の腫瘍マーカー及び臨床的因子(パラメーター)間の相関を調べるために、ピアソンの相関係数(Pearson’s relative index)を計算した。
この結果、0.05以下の確立で、統計上の差異があることが、判った。
診断試験(diagnostic tests)の正確さを査定(assess)するため、SPSS II(SPSS Corp.,Tokyo,Japan)を使用して、CEA,SCC,CYFRA,EGFR mRNA及びhTERT mRNAの各々に関する、マッチ試験(the matched data sets(肺癌患者と肺癌ではない患者間(patients with and without malignancies in lung))を、ROC(receiver operator characteristic)カーブ(curve)分析(analysis)を行った。
この評価分析は、コピー数(copy number)とRNAコントロール(RNA controls)(r>0.99)を用いたPCRサイクル(PCR cycles)との間に強い直線関係があることを示していた。肺組織と血清との間のhTERT mRNAとEGFR mRNAとの相関関係は、2点 試験法(Paired ttest)及びスペアマン試験(Spearman‘s test)の両方を使用して解析した。
各々の定量分析において、コピー数とRNAコントロール(RNA controls)を用いたPCRサイクル(PCR cycles)との間には、強い直線関係が示された(r>0.99)。
hTERT mRNA及びEGFR mRNAの発現は、疾病の進行に伴って、徐々に、増加作用を示し、また、その定量値は、健常人に比べ、肺癌において、有意に高くなっていた(P<0.01)。
また、ピアソンの相関係数(Pearsons’relative index)によれば、hTERT mRNAレベルは、EGFR mRNAレベル(level)、肺疾患、TPA(tissue polypeptide antigen)、SCC、及び、腫瘍数と有意差を持って関係がないことが判った(各々、P=0.015、P=0.017、P<0.001及びP=0.042)。
また、ピアソンの相関係数(Pearson’s relative index)によれば、EGFR mRNAは、(癌に)占拠された肺葉i(occupied lobular segment)の数,転移、再発及び臨床病期と有意差を持って相関関係があった(各々、P=0.033、P=0.043、P=0.002及びP<0.001)。
スペアマン試験(Spearman’s test)は、肺癌組織におけるhTERT mRNAとEGFR mRNAと、血清中のhTERT mRNAとEGFR mRNAとが強い関係があることを示していた(各々、P=0.021及びP=0.002)。
図6は、hTERT mRNA及びEGFR mRNAの各々の組織と血清との間の相関関係を表すグラフであり、図6(a)は、hTERT mRNAの組織と血清との間の相関関孫を表すグラフであり、また、図6(b)は、EGFR mRNAの組織と血清との間の相関関係を表すグラフである。
この組織と血清との間の相関は、血清中のhTERT mRNAとEGFR mRNAとが肺癌組織から由来していることを示している。
多変量解析によって、臨床病理学的知見として、血清中のhTERTおよびEGFRの発現には強い関係があることが判った(図7を参照)。
喫煙、腫瘍の大きさ、腫瘍数、転移や再発の有無は、hTERT mRNA発現と強い関係があることが判った(各々、P=0.029、p=0.002.P=0.003、P=0.004及びP=0.013)。
腫瘍数、腫瘍の大きさ、再発及び臨床ステージは、EGFR mRNA発現と強い関係があることが判った(各々、P=0.047、P=0.043、P=0.037及びP=0.032)。
肺癌において、全ての腫瘍マーカーは、病因との関係を示さない。従来の腫瘍マーカーはどうかといえば、CEAレベルは、喫煙や肺癌に占拠された肺葉の数と強い関係が有り(各々、P=0.031)、SCCレベルは、腫瘍数、腫瘍の大きさ及び転移と強い関係が有り(各々、P=0.016、P=0.015及びP=0.044)、また、CYFRAレベルは、腫瘍数、腫瘍の大きさ、転移及び再発と強い関係がある(各々、P=0.017、P=0.019、P=0.045及びP=0.011)(図7を参照)。
図8は、ロックカーブ解析(ROC curve analyses)の結果を示すグラフである。
図8から、肺癌に対するhTERT mRNAとEGFR mRNAの感受性/特異性は、各々、71.8%/72.5%及び60.8%/62.5%,であることが判った(図9を参照)。
hTERT mRNAとEGFR mRNAの発現のオプティマルカットオフ値(Optimal cut−offvalues)は、統計学的に、各々、103.76copies/0.2ml、101.21 copies/0.2mlであるとして計算された。
また、癌形成時の陽性予見値(PPV)/陰性予見値(NPV)は、各々、hTERT mRNAにおいて、0.775/0.667であり、また、EGFR mRNAにおいて、0.667/0.407であった。
CYFRA、SCC及びCEAの癌形成時の陽性予見値(PPV)/陰性予見値(NPV)は、各々、0.650/0.500、0.207/0.875、及び、0.650/0.391であった。
癌形成時の陽性予見値(PPV)/陰性予見値(NPV)についての感受性/特異性の比較によって、多くの患者の定量化を用いた正確なカットオフ値(cut−off value)の設定(set−up)により、hTERT mRNAとEGFR mRNAの統計的な評価を更に改善できた。
次に、外科的処置の前と後(術後3週間)のhTERT mRNAとEGFR mRNAの定量値について説明する。
切除前と外科的処置後3週間後との比較によれば、hTERT mRNAとEGFR mRNAの術後の定量値は、術前の定量値に比べ低くなっていた。
免疫組織学的試験において、hTERT mRNA、EGFR mRNA、SCC及びCYFRAの高い発現は、hTERT、EGFR、SCC、CYFRA蛋白質の高い発現を示しており、結果として、血清中における測定値は、組織中における測定値と完全に互換できるものであった。
また、血清中と腫瘍組織との間にあるhTERT mRNAとEGFR mRNAとの相関は、血清中において見出されたhTERT mRNA腫瘍細胞由来であることを強く示していた。
また、RNAは、採血後24時間以内においては安定である。
ここで、hTERT発現は、健常人の血清中において非常に、微弱である。
また、肝細胞癌(HCC)患者の血清中のhTERT mRNAの発現の感受性/特異性が、他の従来の腫瘍マーカーよりも優れている。
一方、EGFRは、細胞増殖、アポトーシス、血管新生、細胞死や、転移のような、発癌過程に関係する。
即ち、EGFR発現と増殖潜在能力とは、非小細胞癌患者には、独立の予後因子(パラメータ)である。
EGFRは、グリア芽細胞腫(33%)、結腸直腸癌(70%)、頚部新生物(cervical neoplasia),頭部と頚部SCC(head and neck SCC)(41%)、メラノーマに発現する。
SCC、CYFRA、CEA、NSE、proGRP、TPAおよびSLXは、腺腫、うろこ細胞癌腫、小細胞肺癌、その他の病理的な種類を含む肺癌に、広く使われている信頼できるマーカーである。
しかしながら、この試験により、hTERT mRNAとEGFR mRNAは、ロックカーブ解析(ROC curve analysis(感受性/特異性(sensitivity/specificity))、PPV/NPV及び計算したカットオフ値(calculated cut−off point)に基づけば、総合的に他のものより優れている、ということが判った(図8及び図9を参照)。
hTERT mRNAは、癌細胞の発達においての、癌細胞それ自体の発現と、EGFR mRNAに関連することが提案されているので、肺癌患者のhTERT mRNAの発現は、特に、TPA,SCC、腫瘍の数、活動的な肝臓の炎症の発現(各々、P=0.017、P<0.001、P=0.042及びp=0.015)と関係が有り、そして、EGFR mRNAの発現は、ピアソンの相関係数(Pearsons’ relative index)を用いれば、転移、再発の発現や、有意差のある、医学的な段階相関性がある(各々、P=0.043、P=0.002及びP<0.001)。
さらに、多変量解析によれば、hTERT mRNAは、特に、腫瘍の大きさ、喫煙、転移の存在、再発の存在と、腫瘍の数に(各々、P=0.002、P=0.029、P=0.004、P=0.013及びP=0.003)、EGFR mRNA、多かれ少なかれ、腫瘍の大きさ、再発、臨床ステージ、腫瘍の数と、関係がある(各々、P=0.043、P=0.037、P=0.032及びP=0.047)。
喫煙は、持続する炎症を引き起こす急激な細胞周期による発癌の危険性を増すことが示され、CEAは、喫煙(P=0.031)と相関関係があり、hTERT mRNAは、CEAよりは、喫煙とより強い相関関係がある。
血清中と、腫瘍組織との間のhTERT mRNAとEGFR mRNAとの相関関係は、血清中で検出されるhTERT mRNAが特に腫瘍細胞に由来することを示している(図6を参照。)。
一方、EGFR mRNAは、hTERT mRNAほど分散しない(各々、P=0.002及びP=0.021)。
これは、比較試料が十分でなく、且つ、炎症レベルがこのものの発現には介在しない、という理由で、血清中のEGFR mRNAの発現、即ち、EGFR mRNAのon/offが明らかである肺癌組織にだけ検出できるからである。
EGFR陰性患者(19/89患者;陽性割合は、78.7%)中に、我々は、共通する因子(パラメータ)を見出ことは出来なかった。17名(17/19)の患者に、いかなる発現も見ることが出来ず、
そして、一般に、EGFR mRNAが不存在か存在するのかを区別するのは難しいと言われているように、2名の患者のEGFR mRNAは、cut−off value以下で発現した。
しかしながら、本発明に係る癌診断方法は、血清中に何らかの処理をする前にこの発現を検出することによって、このことを可能とし、この点に光を当てるものである。
これと同時に、EGFR発現をターゲットする抗癌剤が有効か有効でないかについての適用と見積もりの双方に決断することができる。
また、この試験により、hTERT mRNAの発現が高い肺癌組織において、11.5%(3/26患者)が、血清中において、カットオフ値(cut−off)以下の低い発現を示していることを認識した。
また、今回の試験では、89人の肺癌患者のうち15人の患者は、陰性であった。血清中のhTERT mRNAの計算された、陽性のものは、81.3%であり、間違って陰性としているものをカバーするための他の生体マーカーが必要である。
また、肺癌を持った患者の中で他のマーカーと比較して、hTERT mRNAは、より高い感度および特異性を示した。
hTERTとEGFRは肺癌に対し必ずしも特異的ではないが、そのようなバイオマーカーの臨床への適用は、臨床相におけるより簡単な診断および評価に役立つ。
また、肺癌の診断に、hTERT mRNAとEGFR mRNAとの2つのバイオマーカーを適応させた場合には、その検知割合は、87.8%(78/89患者)(P<0.0001)になる、ことが判った。
また、hTERT mRNAは、感度と特異性の両方を改善するだけでなく、腫物サイズや腫瘍の数と密接な相関性があることが、判った。
生物学の特性として、肺癌は、処置後、繰り返し、再発するので、hTERT mRNA及びEGFR mRNAの血清の測定は、1ポイント分析(one−point diagnosis)と同様、詳細に、再発や治療効果を把握することを可能にするものである。
また、外科的処置前と外科的処理後3週間後を比較すると、外科手術後において、両方のバイオマーカーの定量値は、手術前の両方のバイオマーカーの定量値に比べ低くなっており、このことは、両方のバイオマーカー正確な腫瘍マーカーでありえることを示唆していた。
今回の研究結果、次のことが明らかになった。
hTERT mRNA及びEGFR mRNAは、肺癌を患者に対し、EGFR mRNAと比較して、より高い感受性と特異性を示した。
血清中のhTERT mRNAおよびEGFR mRNAの定量化することは、肺癌診断によって重要な意味合いを持つ。
即ち、本発明に係る癌診断方法は、癌の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出できるので、早期医療行為によって癌細胞を根絶することが可能になる。
また、体液中からmRNAを含む試料を得るようにしたので、癌組織腫瘍形成、転移後の切除組織中からEGFRを検出するような場合に比べ、癌細胞の有無を正確に検出することができる。
また、PCRを行う際に使用するプライマーを工夫することにより、癌の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出できるようになった。
また、本発明に係る癌診断方法を用いれば、医師が、患者に対し、ゲフィチニブ(Gefitinib)のようなEGFRチロシンキナーゼ阻害作用剤を処方するか否かの判断するのが容易となり、また、患者に対し、ゲフィチニブ(Gefitinib)のようなEGFRチロシンキナーゼ阻害作用剤を処方後においても、ゲフィチニブ(Gefitinib)のようなEGFRチロシンキナーゼ阻害作用剤が腫瘍に有効であるか否かの追跡調査が容易に行える。
更に、本発明に係る癌診断方法及び肺癌診断方法では、ある患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、EGFR mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、PCRにより増幅されたPCR産物を前記PCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、第一の癌診断方法と、前記ある患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、hTERT mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、前記PCRにより増幅されたPCR産物を前記PCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、第二の癌診断方法とを行い、第一の癌診断方法と第二の癌診断方法の双方の結果が、陽性と判定された場合、癌と判断するようにしているので、肺癌患者であるにもかかわらず、陰性と判断してしまったり、また、肺癌患者でないにもかかわらず、陽性と判断する場合を著しく低減する。
尚、本明細書の、発明を実施するための最良の形態では、本発明に係る癌診断方法として、血液中からRNAを抽出した例を示したが、本発明に係る癌診断方法では、血液からRNAを抽出する場合に限られず、血液以外の体液からRNAを抽出するようにしてもよい。
本発明に係る癌診断方法及び肺癌診断方法は、癌の初期において癌細胞の存在証拠を血液中から検出できるので、早期医療行為によって癌細胞を根絶することが可能になり、また、患者に処方する前に、本発明に係る癌診断方法及び肺癌診断方法を行えば、その結果に基づいて、抗癌剤が有効か否かの判断や、患者に抗癌剤を処方後に、その患者を治療する際に、本発明に係る癌診断方法及び肺癌診断方法を行うことで、その患者に処方されている抗癌剤が有効か否かを判断できるので、癌治療の効果を高めることが可能になるので、産業上の利用可能性が高い。
[配列表]
Figure 2006137550
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Claims (5)

  1. ある患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、前記RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、EGFR mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、前記PCRにより増幅されたPCR産物を前記PCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、第一の癌診断方法と、
    前記ある患者の体液中から、体細胞・癌細胞成分として、RNAのみを含む試料を得る工程と、前記RNAのみを含む試料から逆転写酵素でcDNAを生成する逆転写酵素反応と蛍光色素を用いたPCRを、hTERT mRNAの存在を検出する、プライマーセットを用いて行い、前記PCRにより増幅されたPCR産物を前記PCR産物と結合した蛍光色素を用い、定量的に計測する工程とを備える、第二の癌診断方法とを行い、
    前記第一の癌診断方法の結果が、陽性と判定され、且つ、前記第二の癌診断方法の結果が、陽性と判定された場合、癌と判断する、癌診断方法。
  2. 前記EGFR mRNAの存在を検出する、プライマーセットが、上流側プライマーが、AACTGTGAGGTGGTCCTTGGであり、下流側プライマーが、GTTGAGGGCAATGAGGACATである、請求の範囲第1項記載の癌診断方法。
  3. 前記hTERT mRNAの存在を検出する、プライマーセットが、上流側プライマーが、CGGAAGAGTGTCTGGAGCAAであり、下流側プライマーが、GGATGAAGCGGAGTCTGGAである、請求の範囲第1項又は請求の範囲第2項記載の癌診断方法。
  4. 前記体液が、血液である、請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の癌診断方法。
  5. 請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の癌診断方法を用いた、肺癌診断方法。
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