JPWO2006137190A1 - 光機能性核酸及びその製造方法、並びにメチル化判定方法 - Google Patents
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Abstract
グアニン連続配列が存在するDNA鎖についても、シトシンのメチル化の状態を明瞭に判定できる光機能性核酸を提供する。本発明の一実施形態に係る光機能性核酸は、メチル化状態の判定対象となるシトシン領域を含むp53遺伝子の塩基配列と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドの1塩基がナフトキノン化合物によって置換されたものとなっている。ここで、ナフトキノン化合物は、光機能性核酸とp53遺伝子の塩基配列を有するDNAとがハイブリダイゼーションした際に、判定対象のシトシンと対向する位置に設けられている。この光機能性核酸をp53遺伝子の塩基配列を有するDNAとハイブリダイゼーションさせ、さらに光照射することによって、ナフトキノン化合物と対向するシトシンがメチル化されている場合にのみDNAを切断する。よって、DNAの断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動で解析すれば、DNAに含まれるシトシンがメチル化されているかどうかを判定することができる。
Description
本発明は、ポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを含有する光機能性核酸及びその製造方法、並びに、DNA鎖に含まれるシトシンのメチル化の状態を判定するメチル化判定方法に関するものである。
遺伝子中のシトシンのメチル化はDNAとタンパク質との相互作用を変化させ、遺伝子発現を制御していることが知られている。このため、遺伝子中の5−メチルシトシン(以下、mCともいう)部位を検出することは遺伝子解析を行う上で非常に重要であり、現在までに様々な検出法が開発されてきた。
既存のメチルシトシン塩基の検出システムとしては、Maxam−Gilbert化学修飾法、重亜硫酸ナトリウム処理を伴うMethylation Specific PCR(MSP)法、PNA−DNA複合体と酵素処理を用いる方法などがこれまでに報告されている(文献1〜4)。
Maxam−Gilbert化学修飾法では、DNAをヒドラジンで処理することにより、DNAのシトシン塩基に選択的に損傷を与える。このとき、メチル化されていないシトシンはヒドラジン処理によって切断され、一方、メチル化されたシトシン(メチルシトシン)はヒドラジン処理によって切断されない。よって、ヒドラジン処理をしたDNAをポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で解析すると、シトシンのメチル化/非メチル化を、切断によって生じるバンドの有無によって検出することができる。
しかしながら、このMaxam−Gilbert化学修飾法の場合、メチルシトシンの存在は、PAGE上での切断バンドの欠損として検出される。このため、メチル化が部分的にでも非特異的に切断されるとバックグラウンドの切断バンドが表れてしまい、メチルシトシンの存在を判定できなくなるという問題が度々生じてしまう。
また、MSP法は、重亜硫酸ナトリウムに対するメチルシトシンと非メチルシトシンとの反応性の違いを利用したものである。この方法では、DNAを重亜硫酸ナトリウムで処理する。その結果、DNA中の非メチルシトシンは脱アミノ化されウラシルへと変換されるが、メチルシトシンは反応性が低いため脱アミノ化されずにそのまま残る。その後、適切なプライマーを用いてPCRを行うと、もともとシトシンであった部位はチミン(ウラシル)として増幅され、一方、メチルシトシンはシトシンとして増幅される。よって、増幅されたサンプルをシークエンシングすると、本来メチルシトシンであった部分はシトシンとして検出され、非メチルシトシンであった部分はチミンとして検出される。これにより、シトシンのメチル化/非メチル化を判定することができる。
しかしながら、この方法では、重亜硫酸ナトリウム処理に通常20〜40時間を要し、検出に時間がかかる点が問題となっている。
また、PNA−DNA複合体を用いる方法では、PNA−DNA複合体を制限酵素で処理することにより、DNA中のメチルシトシンを検出する。しかしながら、制限酵素による処理を用いるため、制限酵素が認識する配列のみにしか適用できないという問題があった。また、メチルシトシンの検出は蛍光の消失によって検出されるため、度々バックグラウンドの問題が生じてしまう。
これらのことから、簡便で一般的な他のメチルシトシン検出法の開発が大きな研究課題になっている。
ところで、ビタミンK3として知られる2−メチル−1,4−ナフトキノンは光酸化剤として機能し、各種核酸塩基を一電子酸化することが報告されている(文献5)。具体的には、ナフトキノン存在下では、紫外線照射により5−メチル−2’−デオキシシチジンが5−ホルミル−2’−デオキシシチジンや5−ヒドロキシメチル−2’−デオキシシチジンなどの酸化体に変換されることが報告されている。
ナフトキノンの有するこのような特性に着目し、本願発明者らは以前、ナフトキノンの光化学反応特性を応用し、メチルシトシンの検出を行うことを提唱した(文献6)。この方法によれば、上述の各検出方法が有している問題を解消することができる。
この方法では、メチルシトシンの検出対象となるDNAと相補的な配列を有するDNAオリゴマーの末端部分にナフトキノンを導入し、下記の化学式
で表される修飾DNAオリゴマーを合成し、この修飾DNAオリゴマーを対象DNAとハイブリダイゼーションさせる。そして、ハイブリダイゼーションした2本鎖DNAに光照射を行う。このとき、メチルシトシンはナフトキノンの光酸化によって切断され、一方、非メチルシトシンは切断されない。よって、光照射した後の2本鎖DNAをPAGEにより解析することによって、メチルシトシンの存在を、切断バンドとして検出することができる。
しかしながら、ナフトキノンを利用した従来の方法では、検出対象となるメチルシトシンの近傍にグアニン連続配列(グアニン−グアニン)が存在すると、メチルシトシン部位だけでなく、この連続配列の5’側でも切断が生じてしまうという問題が報告されている(文献6)。
一般に、遺伝子中のメチルシトシンは、C−Gペアが豊富に存在する配列で形成されやすいため、グアニン塩基が多数存在する遺伝子配列においても、メチルシトシンを明瞭に検出することが望まれる。
(文献1)
Church,G.M.,Gilbert,W.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1984,81,1991.
(文献2)
Frommer,M.,McDonald,L.E.,Millar,D.S.,Collis,C.M.,Watt,F.,Gigge,G.W.,Molloy,P.L.,Paul,C.L.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1992,89,1827.
(文献3)
Herman,H.G.,Graff,J.R.,Myohanen,S.,Nelkin,B.D.,Baylin,S.B.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1996,93,9821.
(文献4)
Okamoto,A.,Tanabe,K.,Satio,I.J.Am.Chem.Soc.2002,124,10262.
(文献5)
Douki,T.,Cadet,J.Int.J.Radiat.Biol.1999,75,571.
(文献6)
Yamada,H.,Tanabe,K.,Nishimoto,S.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2005,15,665.
(文献1)
Church,G.M.,Gilbert,W.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1984,81,1991.
(文献2)
Frommer,M.,McDonald,L.E.,Millar,D.S.,Collis,C.M.,Watt,F.,Gigge,G.W.,Molloy,P.L.,Paul,C.L.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1992,89,1827.
(文献3)
Herman,H.G.,Graff,J.R.,Myohanen,S.,Nelkin,B.D.,Baylin,S.B.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1996,93,9821.
(文献4)
Okamoto,A.,Tanabe,K.,Satio,I.J.Am.Chem.Soc.2002,124,10262.
(文献5)
Douki,T.,Cadet,J.Int.J.Radiat.Biol.1999,75,571.
(文献6)
Yamada,H.,Tanabe,K.,Nishimoto,S.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2005,15,665.
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、グアニン連続配列が存在する配列についても、シトシンのメチル化の状態を明瞭に判定できる光機能性核酸を提供することにある。
本発明に係る光機能性核酸は、上記課題を解決するために、ポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを有していることを特徴とする。
「光機能性核酸」とは、メチルシトシン検出用の核酸で、かつ、外部から光を照射することによりナフトキノンがメチルシトシンに対して酸化的切断を起こす機能を有している核酸のことを指す。
また、上記光機能性核酸は、次に示す一般式(1)
5’−A−Z−B−3’ …(1)
(ただし、式中、A及びBはそれぞれ1塩基以上の直鎖状のヌクレオチドを表し、Zはナフトキノンを含有する化合物を表す)
によって表されるものであることが好ましい。
5’−A−Z−B−3’ …(1)
(ただし、式中、A及びBはそれぞれ1塩基以上の直鎖状のヌクレオチドを表し、Zはナフトキノンを含有する化合物を表す)
によって表されるものであることが好ましい。
また、上記光機能性核酸は、上記一般式(1)中のZが、次の化学式(2)〜(6)
の何れか1つによって表されることが好ましく、化学式(2)によって表されることがより好ましい。
また、上記光機能性核酸は、DNA鎖に含まれるシトシンのメチル化状態を判定するために用いられるものであることが好ましい。
また、上記光機能性核酸は、上記ポリヌクレオチドの配列が、判定対象のDNA鎖の塩基配列と相補的な配列に対して、80%以上の相同性を有するものであることが好ましい。
また、上記光機能性核酸は、上記ナフトキノンが、上記ポリヌクレオチドの鎖内部において、上記ポリヌクレオチドが判定対象のDNA鎖とハイブリダイズした際に上記DNA鎖のシトシン塩基と対向する位置に挿入されていることが好ましい。
また、上記光機能性核酸は、上記ナフトキノンが、上記ポリヌクレオチドの鎖内部において、上記ポリヌクレオチドが判定対象のDNA鎖とハイブリダイズした際に上記DNA鎖のシトシン塩基と対向する塩基から5塩基以内の塩基と結合していることが好ましい。
本発明に係る光機能性核酸の製造方法は、上記課題を解決するために、1塩基以上の直鎖状の第1ヌクレオチド及び第2ヌクレオチドとそれらの連結部分とを含む修飾ポリヌクレオチド鎖の上記連結部分に対して、ナフトキノンを含有する化合物を縮合させることを特徴とする。
また、上記製造方法では、上記連結部分がホルミル基を有し、上記ナフトキノンを含有する化合物が、ナフトキノンのヒドラジン誘導体であってもよい。あるいは、上記連結部分がチオール基を有し、上記ナフトキノンを含有する化合物が、マレイミド基及びチオール基の少なくとも一方を有していてもよい。
また、上記製造方法では、上記修飾ポリヌクレオチド鎖を、ホスホロアミダイト法によって合成してもよい。
本発明に係るメチル化判定方法は、DNA鎖に含まれるシトシンのメチル化の状態を判定するメチル化判定方法であって、上記課題を解決するために、ポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを含む光機能性核酸を、判定対象のDNA鎖とハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション工程と、上記ハイブリダイゼーション工程によってハイブリダイゼーションした光機能性核酸及び判定対象のDNA鎖に対して光照射を行う光照射工程と、光照射工程において光照射を行った判定対象のDNA鎖の断片の長さを検出する断片長検出工程とを含んでいることを特徴とする。
また、上記光機能性核酸は、判定対象のシトシンを含む領域における上記DNA鎖の塩基配列と相補的な配列を有するポリヌクレオチドにおいて、上記判定対象のシトシンとハイブリダイゼーションの際に対向する塩基がナフトキノン化合物によって置換されたものであることが好ましい。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
本発明の一実施形態について図1〜3に基づいて説明すると以下の通りである。
〔光機能性核酸〕
本実施形態の光機能性核酸は、DNA鎖に含まれるシトシンのメチル化状態を判定するために用いることができるものである。光機能性核酸は、ポリヌクレオチド鎖と、このポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを有している。光機能性核酸は、ポリヌクレオチド鎖部分によって、シトシンのメチル化状態を判定したいDNA鎖とハイブリダイゼーションすることができる。また、ハイブリダイゼーションさせた光機能性核酸及びDNA鎖に対して光照射を行うと、DNA鎖における、光機能性核酸の近傍のシトシンがメチル化されている場合は、ナフトキノンによってメチルシトシン部分でDNA鎖が切断され、一方、シトシンがメチル化されていない場合は切断されない。
本実施形態の光機能性核酸は、DNA鎖に含まれるシトシンのメチル化状態を判定するために用いることができるものである。光機能性核酸は、ポリヌクレオチド鎖と、このポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを有している。光機能性核酸は、ポリヌクレオチド鎖部分によって、シトシンのメチル化状態を判定したいDNA鎖とハイブリダイゼーションすることができる。また、ハイブリダイゼーションさせた光機能性核酸及びDNA鎖に対して光照射を行うと、DNA鎖における、光機能性核酸の近傍のシトシンがメチル化されている場合は、ナフトキノンによってメチルシトシン部分でDNA鎖が切断され、一方、シトシンがメチル化されていない場合は切断されない。
本明細書において「光機能性」とは、上述したように、外部から光を照射することによって、ナフトキノンがメチルシトシンに対して酸化的切断を起こす機能を有していることを指す。従って、本明細書において「光機能性核酸」とは、メチルシトシン検出用の核酸で、かつ、外部から光を照射することによりナフトキノンがメチルシトシンに対して酸化的切断を起こす機能を有している核酸のことを指す。
また、本明細書において、「ポリヌクレオチド」とは、「遺伝子」、「核酸」、または「核酸分子」と同義であり、ヌクレオチドの重合体を指す。本明細書において、「塩基配列」は、「核酸配列」または「ヌクレオチド配列」と同義であり、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド(A、G、CおよびTと省略される)の配列として示される。
また、ポリヌクレオチドは、RNAの形態、DNAの形態の何れであってもよい。さらに、DNAの場合、二本鎖、一本鎖の何れであってもよい。また、ポリヌクレオチドにおいて、ヌクレオチドの結合数は2個以上であればいくつでもよい。ポリヌクレオチドは、化学合成したものであってもよいし、自然環境から抽出したものであってもよい。
また、「ポリヌクレオチド鎖内部」とは、ポリヌクレオチド鎖の5’末端及び3’末端のヌクレオチド以外のヌクレオチドを指す。
本明細書において、「ナフトキノン」とは、下記の化学式
本実施形態に係る光機能性核酸では、上述したように、ポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを有している。これにより、ナフトキノンをDNAオリゴマーの末端に導入した引用文献6の技術に比べて、ナフトキノンの可動範囲が限定され、非特異的なグアニン連続配列の酸化的切断を抑制することができる。
なお、光機能性核酸は、ポリヌクレオチド鎖の5’末端および3’末端以外のヌクレオチドにナフトキノンが付加された化合物であってもよいし、あるいは、ポリヌクレオチド鎖の5’末端および3’末端以外のヌクレオチドがナフトキノンによって置換されたものであってもよい。後者にかかる光機能性核酸は、下記の一般式(1)
5’−A−Z−B−3’ …(1)
(ただし、一般式(1)中、A及びBはそれぞれ1塩基以上の直鎖状のヌクレオチドを表し、Zはナフトキノンを含有する化合物を表す)
と表すことができる。
5’−A−Z−B−3’ …(1)
(ただし、一般式(1)中、A及びBはそれぞれ1塩基以上の直鎖状のヌクレオチドを表し、Zはナフトキノンを含有する化合物を表す)
と表すことができる。
上記の一般式(1)において、ナフトキノンを含有する化合物Zは、ヌクレオチドAの3’末端のリン酸基及びヌクレオチドBの5’末端のリン酸基と結合していることが好ましい。ポリヌクレオチドとナフトキノンとの結合方法は特に限定されるものではないが、例えば、上記の一般式(1)におけるZが下記の化学式(2)
ただし、上記の化学式(2)において、「5’」は上記一般式(1)中のヌクレオチドA側を表し、「3’」は上記一般式(1)中のヌクレオチドB側を表し、5’末端の酸素原子はヌクレオチドAの3’末端のリン酸基の酸素原子を表し、3’末端の酸素原子はヌクレオチドBの5’末端のリン酸基の酸素原子を表す。
上記の化学式(2)によって表されるZを含むポリヌクレオチド鎖の一例を図1に示す。また、これ以外の化合物Zの例として、次の化学式(3)〜(6)
なお、ポリヌクレオチドとナフトキノンとを結合するリンカー部分は、なるべく短いものが好ましい。これにより、リンカー部分の構造的自由度が限定され、ナフトキノンによる非特異的な酸化的切断をさらに抑制することができる。
また、上記のポリヌクレオチドA及びBは、DNA鎖における、判定対象のシトシンを含む塩基配列と相補的な塩基配列に近いことが好ましい。この場合、ポリヌクレオチドA及びBが、判定対象のDNA鎖と選択的にハイブリダイズできることが意図される。従って、ポリヌクレオチドA及びBは、判定対象となるDNA鎖と同一の長さを有している必要はなく、DNA鎖における、少なくとも判定対象のシトシンを含む部分領域の塩基配列とほぼ相補的な塩基配列であればよい。
具体的には、上記一般式(1)の5’−A−Z−B−3’を例にすると、Zを一つの塩基と仮定した場合、ポリヌクレオチドA−Z−Bが、DNA鎖の、判定対象のシトシンを含む部分領域に相補的な配列と80%以上の相同性を有していればよい。この場合、DNA鎖側の塩基配列において、Aの5’末端よりも5’側のミスマッチは相同性の算出には考慮せず、同様に、Bの3’末端よりも3’側のミスマッチも考慮しない。また相同性は、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが特に好ましく、Z以外の配列が100%一致することが最も好ましい。
また、上記一般式(1)において、Zの位置は、光機能性核酸と判定対象のDNA鎖とがハイブリダイゼーションした際に、判定対象のシトシンと近接できる位置であることが望まれる。よって、Zは、ポリヌクレオチドA−Z−Bと判定対象のDNA鎖とがハイブリダイゼーションするとき、判定対象のシトシンと対向するヌクレオチドから5’側又は3’側に5塩基以内に存在するヌクレオチドと結合していることが好ましく、3塩基、2塩基、1塩基の順にさらに好ましい。また、Zは、ポリヌクレオチドA−Z−Bと判定対象のDNA鎖とがハイブリダイゼーションするときに、判定対象のシトシンと対向する位置に挿入されていることが特に好ましい。
これにより、ハイブリダイゼーションの際に、ナフトキノンを判定対象のシトシンに近接させることができるため、判定対象のシトシン以外の塩基における酸化的切断を抑制することができる。
〔光機能性核酸の合成方法〕
光機能性核酸は、ナフトキノンを導入する位置のヌクレオチドを脱塩基したポリヌクレオチド鎖に対して、ナフトキノン誘導体を縮合させることによって合成することができる。具体的な縮合方法の一例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではなく、公知の他の様々な方法を用いてもよい。
光機能性核酸は、ナフトキノンを導入する位置のヌクレオチドを脱塩基したポリヌクレオチド鎖に対して、ナフトキノン誘導体を縮合させることによって合成することができる。具体的な縮合方法の一例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではなく、公知の他の様々な方法を用いてもよい。
まず、図2に示すように、2−メチル−1,4−ナフトキノンの3位にカルボン酸を導入し、その後、ヒドラジンを縮合することによってナフトキノンのヒドラジン誘導体を合成する。
一方で、ホスホロアミダイト法によって、下記の一般式(7)
5’−A−Y−B−3’ …(7)
で表される脱塩基前駆体修飾部を含む修飾ポリヌクレオチド鎖をDNAシンセサイザー上で合成する。なお、一般式(7)において、A及びBは上述した判定対象のDNA鎖とハイブリダイゼーションするヌクレオチド鎖である。また、Yは脱塩基前駆体修飾部であり、例えば下記の化学式(8)
5’−A−Y−B−3’ …(7)
で表される脱塩基前駆体修飾部を含む修飾ポリヌクレオチド鎖をDNAシンセサイザー上で合成する。なお、一般式(7)において、A及びBは上述した判定対象のDNA鎖とハイブリダイゼーションするヌクレオチド鎖である。また、Yは脱塩基前駆体修飾部であり、例えば下記の化学式(8)
なお、ホスホロアミダイト法とは、5つの反応ステップを繰り返すことによってオリゴマーの鎖長を伸長させる方法である(後藤俊夫、芝哲夫、松浦輝夫監修『有機化学実験の手引き4 −合成反応II−』化学同人)。その5つのステップとは、次の通りである。
(1)サポート上のジメトキシトリチル基(DMTr基)の除去によって5’末端水酸基を遊離させる。
(2)アミダイト化合物をテトラゾールの導入によって活性化させる。なお、脱塩基前駆体修飾部を付加する場合は、アミダイト化合物の代わりにアバシックホスホアミド(Glen Research社製)などを用いる。
(3)活性化させたアミダイト化合物をカラム上の5’末端水酸基と反応させる。
(4)未反応の5’末端水酸基をアセチル化(キャップ化)する。
(5)I2−H2Oによって酸化する。
(1)サポート上のジメトキシトリチル基(DMTr基)の除去によって5’末端水酸基を遊離させる。
(2)アミダイト化合物をテトラゾールの導入によって活性化させる。なお、脱塩基前駆体修飾部を付加する場合は、アミダイト化合物の代わりにアバシックホスホアミド(Glen Research社製)などを用いる。
(3)活性化させたアミダイト化合物をカラム上の5’末端水酸基と反応させる。
(4)未反応の5’末端水酸基をアセチル化(キャップ化)する。
(5)I2−H2Oによって酸化する。
この反応を所望の鎖長になるまで繰り返した後、酸性水溶液による保護基除去反応により、目的の修飾ポリヌクレオチド鎖(一般式(7)の化合物)を得ることができる。
そして、Yが上記の化学式で表される場合、修飾ポリヌクレオチド鎖に含まれるYのジオール部分を過ヨウ素酸ナトリウムなどでホルミル基に変換する。
そして、上述したナフトキノンのヒドラジン誘導体を修飾ポリヌクレオチド鎖のホルミル基と縮合させることによって、下記の一般式(9)
5’−A−Z−B−3’ …(9)
(ただし、Zは、
5’−A−Z−B−3’ …(9)
(ただし、Zは、
なお、ホルミル基とヒドラジンとの縮合反応は酸性条件下で行うことが好ましく、pH5以上7以下がより好ましく、pH6が特に好ましい。また、反応温度は、室温以下で行うことが好ましく、10℃以下がより好ましく、4℃が特に好ましい。これにより、修飾ポリヌクレオチド鎖にナフトキノンを導入することができる。
また、上述の例においては、修飾ポリヌクレオチド鎖とナフトキノンとを、ホルミル基とヒドラジンとの縮合によって結合させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、アルキルアミノ基を導入した修飾ポリヌクレオチド鎖とスクシンイミジル基を導入したナフトキノン誘導体とを縮合させてもよい。この反応式の一例を次の反応式(10)に示す。
また、別の例として、アミノ基を導入した修飾ポリヌクレオチド鎖とスクシンイミジル基を導入したナフトキノン誘導体とを縮合させた例を次の反応式(11)に示す。
また、さらに別の例として、アルキルチオール基を導入した修飾ポリヌクレオチド鎖とマレイミド基又はチオール基を導入したナフトキノンの誘導体とを縮合させてもよい。チオール基を導入した修飾ポリヌクレオチド鎖とマレイミド基を導入したナフトキノンとを縮合させる反応式の一例を次の反応式(12)に示す。
さらには、ナフトキノンを有する修飾核酸塩基(一塩基の修飾ヌクレオチド)を合成しておき、DNAシンセサイザーによって、任意の部分にこの修飾核酸塩基が挿入された修飾ポリヌクレオチド鎖を合成してもよい。例えば、下記の式(13)のように、修飾核酸塩基としてナフトキノン含有ウリジン誘導体を合成しておき、これを含んだポリヌクレオチド鎖をDNAシンセサイザーによって合成してもよい。
本発明に係る光機能性核酸は、ナフトキノンを含有するポリヌクレオチド鎖であれば、上記の方法や他の公知の方法によって得られる様々な産物が含まれる。
〔光機能性核酸の使用法(メチル化判定方法)〕
本実施形態の光機能性核酸は、DNA鎖中のシトシンのメチル化状態を判定することができる。具体的には、光機能性核酸と判定対象のDNAとをハイブリダイゼーションさせる。なお、ハイブリダイゼーションは、定法に従って行えばよい。
本実施形態の光機能性核酸は、DNA鎖中のシトシンのメチル化状態を判定することができる。具体的には、光機能性核酸と判定対象のDNAとをハイブリダイゼーションさせる。なお、ハイブリダイゼーションは、定法に従って行えばよい。
次に、ハイブリダイゼーションによって、2本鎖を形成している判定対象のDNA鎖(図3の上側の鎖)及び光機能核酸(図3の下側の鎖)に対して、光照射を行う。なお、光照射反応は、光機能性核酸と判定対照のDNA鎖の間の二重鎖解離温度(Tm値)以下で行わなければならない。また、照射する光は、400nm以下の波長であることが好ましく、350nm以下であることがより好ましく、330nm以下であることがさらに好ましい。これにより、ナフトキノンの酸化的切断を誘起することができる。
ここで、図3の上段に示すように、ナフトキノンの近傍のシトシンが非メチル化状態である場合、DNA鎖の酸化的切断は起こらない。一方、ナフトキノンの近傍のシトシンがメチル化状態である場合は、図3の下段に示すように、DNA鎖の酸化的切断が起こる。
そして、光照射を行った後のDNA鎖の断片長を検出することによって、DNA鎖が切断されているのかどうかを知ることができる。ここで、DNA鎖が切断されていれば、目的のシトシンがメチル化されていたことが分かる。一方、DNA鎖が切断されていなければ、目的のシトシンがメチル化されていなかったことが分かる。
なお、DNA鎖の断片長を検出する方法としては、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)等を用いることができる。この場合、判定対象のDNA鎖を予め放射性同位元素で標識しておくことが好ましい。これにより、オートラジオグラフィーによって、高感度で切断バンドを検出することができる。
なお、本実施形態のメチル化判定方法では、メチル化シトシンの存在を、切断バンドの出現によって検出することができる。従って、従来のMaxam−Gilbert法やPNA−DNA複合体における問題点であったバックグラウンドの問題を解決し、明確にメチル化の状態を判定することができる。
また、本実施形態のメチル化判定方法は、全工程を10時間程度で行うことができる。これは、3日程度を要するMSP法に比べて、充分短い時間である。このように、本実施形態のメチル化判定方法によれば、迅速にメチル化の状態を判定することができる。
また、本実施形態のメチル化判定方法では、判定対象のシトシンを、光機能性核酸に含まれるポリヌクレオチドの塩基配列によってターゲッティングし、シトシンの切断を、周辺の塩基配列に左右されることなく行うことができる。従って、PNA−DNA複合体のように、シトシン塩基の周辺配列によってはシトシンのメチル化を検出できないという問題が生じることがない。
[実施例]
本発明の一実施例について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の一実施例について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実験方法:全般〕
融点は、MICROMELTING POINT APPARATUS(YANAGIMOTO社)によって決定した。1H NMRスペクトル及び13C NMRスペクトルは、270MHzのJMN−GSX−270分光計(JOEL社)又は300MHzのJMN−AL−300分光計(JOEL社)を用いて周囲温度にて測定した。化学シフトは、残留クロロホルム(δ=7.24 in 1H NMR,δ=77.0 in 13C NMR)及び残留脱メチルスルホキシド(δ=2.49 in 1H NMR,δ=39.5 in 13C NMR)を内標準として、テトラメチルシランからのダウンフィールドppmによって表した。FAB質量スペクトルは、JMS−SX102A(JOEL社)において記録した。オリゴヌクレオチドに対するマトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF MASS分析)は、2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノンをマトリックスとして、JMS−ELITE MALDI−TOF MASS分析装置(JOEL社)によって行った。
融点は、MICROMELTING POINT APPARATUS(YANAGIMOTO社)によって決定した。1H NMRスペクトル及び13C NMRスペクトルは、270MHzのJMN−GSX−270分光計(JOEL社)又は300MHzのJMN−AL−300分光計(JOEL社)を用いて周囲温度にて測定した。化学シフトは、残留クロロホルム(δ=7.24 in 1H NMR,δ=77.0 in 13C NMR)及び残留脱メチルスルホキシド(δ=2.49 in 1H NMR,δ=39.5 in 13C NMR)を内標準として、テトラメチルシランからのダウンフィールドppmによって表した。FAB質量スペクトルは、JMS−SX102A(JOEL社)において記録した。オリゴヌクレオチドに対するマトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI−TOF MASS分析)は、2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノンをマトリックスとして、JMS−ELITE MALDI−TOF MASS分析装置(JOEL社)によって行った。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、Wakogel C−300(Wako社)を用いた。反応のモニタリングには、予めコーティングされたTLCプレートであるsilica gel 60 F254(Merck社)を用いた。オリゴヌクレオチドはInvitrogen社から購入した。A,T,G,CやAbasic Phosphoramidite等のDNA合成装置用試薬は、Glen Research社から購入した。仔牛腸アルカリホスファターゼ(AP)、ヌクレアーゼP1(P1)、ホスホジエステラーゼIは、それぞれPROMEGA社、YAMASA社、ICN社から購入した。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、6A HPLCシステム(島津社)又はD−700 HPLCシステム(日立社)を用いて行った。試料溶液は、逆相カラム(Inertsil ODS−3,GL Sciences Inc.,f 4.6mm×150mm、又はf 10mm×150mm)に注入した。移動相としては、0.1M酢酸トリエチルアミン(TEAA)pH7.0、及び100%アセトニトリルからなる溶媒混合物を25℃、流量0.6mL/分または3.0mL/分で送液した。
カラム溶離剤は、254nm又は260nmのUVの吸光度によってモニタリングした。λex=312nmでの光照射は、TFX−20M トランスイルミネータ(Lourmat社)を用いて行った。
ゲル電気泳動は、Model S2 装置(Gibco BRL社)によって行った。[γ−32P]ATP(6000Ci/mmol)、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(10単位/μL)は、それぞれAmersham BioSciences社、Nippon Gene社から入手した。全ての水溶液は、YAMATO社WR600Aによる精製水を用いて調製した。ナフトキノンのカルボン酸誘導体1(3−カルボキシ−2−メチル−1,4−ナフトキノン)は、下記の論文で報告された方法に従って合成した(Salmon−Chemin,L.;Buisine,E.;Yardley,V.;Kohler,S.;Debreu,M−A.;Landry,V.;Sergheraert,C.;Croft,S.L.;Krauth−Siegel,L.;Davioud−Charvet,E.J.Med.Chem.2001,44,548.)。
〔3−(ヒドラジノカルボニルエチル)−2−メチル−1,4−ナフトキノン(ナフトキノンのヒドラジン誘導体3)の合成〕
まず、2−メチル−1,4−ナフトキノン(和光純薬工業株式会社製)をコハク酸と反応させ、コハク酸の酸化的脱カルボキシル化を通じて、3−カルボキシ−2−メチル−1,4−ナフトキノン(ナフトキノンのカルボン酸誘導体1)を得た。次に、100mg(0.41mmol)の3−カルボキシ−2−メチル−1,4−ナフトキノンを1mLのDMFに溶解した溶液に対して、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド1塩酸塩(157mg,0.82mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(110mg,0.81mmol)を加え、0℃で30分間攪拌した。この反応混合物に、ヒドラジン1水和物(64mg,2mmolを0.2mLのDMFに溶解したもの)を加え、周囲温度で2時間攪拌した。この反応混合物を水で希釈した後、エチル酢酸によって反応混合物を抽出した。得られた有機層を鹹水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。
まず、2−メチル−1,4−ナフトキノン(和光純薬工業株式会社製)をコハク酸と反応させ、コハク酸の酸化的脱カルボキシル化を通じて、3−カルボキシ−2−メチル−1,4−ナフトキノン(ナフトキノンのカルボン酸誘導体1)を得た。次に、100mg(0.41mmol)の3−カルボキシ−2−メチル−1,4−ナフトキノンを1mLのDMFに溶解した溶液に対して、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド1塩酸塩(157mg,0.82mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(110mg,0.81mmol)を加え、0℃で30分間攪拌した。この反応混合物に、ヒドラジン1水和物(64mg,2mmolを0.2mLのDMFに溶解したもの)を加え、周囲温度で2時間攪拌した。この反応混合物を水で希釈した後、エチル酢酸によって反応混合物を抽出した。得られた有機層を鹹水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。
次に、得られた粗製産物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,50〜100% EtOAc/ヘキサン)によって精製し、3−(ヒドラジノカルボニルエチル)−2−メチル−1,4−ナフトキノン(ナフトキノンのヒドラジン誘導体3)の淡黄色固体を得た。この反応スキームを図4に示す。
なお、この固体の性質は以下の通りであった:融点182〜183℃,1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ 9.00(br,1H),δ 8.06〜7.96(m,2H),7.89〜7.81(m,2H),4.15(br,2H),2.79(t,J=7.5Hz,2H),2.19(t,J=7.8Hz,2H),2.11(s,3H);13C NMR(75MHz,DMSO−d6)δ 183.8,170.3,143.5,135.4,131.6,126.1,32.1,26.8,12.4;FABMS(NBA)m/z 259[(M+H)+];HRMS calcd.for[(M+H)+]259.1083,found 259.1082。
〔トリオール基を含むオリゴデオキシヌクレオチド(ODN7)の合成〕
Model 392 DNA/RNA 合成装置(Applied Biosystems社)上で、脱塩基部位前駆体として機能する修飾部位(脱塩基前駆体修飾部)を含むオリゴデオキシヌクレオチド(以下、「オリゴマー」という)を標準的なホスホロアミダイト法を用いて合成した。合成したオリゴマーの塩基配列については後述する。自動合成の後、得られたオリゴマーを逆相HPLC(0.1M TEAA,pH7.0の溶媒混合物による溶離、流量3.0mL/分での60分以上に亘る0%から30%へのアセトニトリルの一次勾配及び80分以上に亘る30%から100%へのアセトニトリルの一次勾配)によって精製した。
Model 392 DNA/RNA 合成装置(Applied Biosystems社)上で、脱塩基部位前駆体として機能する修飾部位(脱塩基前駆体修飾部)を含むオリゴデオキシヌクレオチド(以下、「オリゴマー」という)を標準的なホスホロアミダイト法を用いて合成した。合成したオリゴマーの塩基配列については後述する。自動合成の後、得られたオリゴマーを逆相HPLC(0.1M TEAA,pH7.0の溶媒混合物による溶離、流量3.0mL/分での60分以上に亘る0%から30%へのアセトニトリルの一次勾配及び80分以上に亘る30%から100%へのアセトニトリルの一次勾配)によって精製した。
次に、乾燥させたオリゴマーを200μLの80%酢酸に懸濁し、室温にて30分インキュベーションした。30分後、反応混合物に等量の脱イオン水を加え、DMT及びTBDMS基を取り除くためにさらに4時間室温にてインキュベーションした。
続いて、完全に脱保護されたオリゴマーを、逆相HPLC(0.1M TEAA,pH7.0の溶媒混合物による溶離、流量3.0mL/分での60分以上に亘る0%から30%へのアセトニトリルの一次勾配及び80分以上に亘る30%から100%へのアセトニトリルの一次勾配)によって精製した。
得られたオリゴマーの純度及び濃度を、37℃においてAP、P1、及びホスホジエステラーゼIで4時間消化することによって求めた。合成したオリゴマーであるかどうかは、MALDI−TOF MASS分析装置によって確かめた(ODN7:calcd.for 5331.43,found 5332.26)。
〔DNA鎖の内部に2−メチル−1,4−ナフトキノンを含有するオリゴデオキシヌクレオチド(NQ−ODN2)の合成〕
脱塩基部位前駆体として機能する修飾部位をもつODN(100μM)を、0.1MNaOAc(pH6.0,80μL)に溶かした0.5mM過ヨウ素酸ナトリウムとともに4℃の遮光条件下で1時間インキュベーションした。得られた反応混合物に対して、上述のナフトキノンのヒドラジン誘導体3をアセトニトリル(5mM,80μL)に溶解したものを加え、周囲温度で14時間インキュベーションした。そして、得られた反応混合物を逆相HPLC(0.1M TEAA,pH7.0の溶媒混合物による溶離、流量3.0mL/分での60分以上に亘る0%から30%へのアセトニトリルの一次勾配及び80分以上に亘る30%から100%へのアセトニトリルの一次勾配)で精製し、NQ−ODN2を得た。この反応スキームを図4に示す。
脱塩基部位前駆体として機能する修飾部位をもつODN(100μM)を、0.1MNaOAc(pH6.0,80μL)に溶かした0.5mM過ヨウ素酸ナトリウムとともに4℃の遮光条件下で1時間インキュベーションした。得られた反応混合物に対して、上述のナフトキノンのヒドラジン誘導体3をアセトニトリル(5mM,80μL)に溶解したものを加え、周囲温度で14時間インキュベーションした。そして、得られた反応混合物を逆相HPLC(0.1M TEAA,pH7.0の溶媒混合物による溶離、流量3.0mL/分での60分以上に亘る0%から30%へのアセトニトリルの一次勾配及び80分以上に亘る30%から100%へのアセトニトリルの一次勾配)で精製し、NQ−ODN2を得た。この反応スキームを図4に示す。
得られたNQ−ODN2の純度及び濃度は、AP1、P1、ホスホジエステラーゼIによって37℃で一晩完全に消化することによって求めた。合成したオリゴマーであるかどうかは、MALDI−TOF MASS分析装置によって確かめた(NQ−ODN2:calcd.for 5541.64,found 5542.59)。
〔5’−32P末端ラベルODNの調製〕
オリゴヌクレオチド(ODN,400pmol 鎖濃度)に対して、4μLの[γ−32P]ATP及びT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて定法にてリン酸化することによって、ラベルを導入した。5’末端ラベルしたオリゴヌクレオチドは、エタノール沈殿によって回収し、さらに15%の非変性ゲル電気泳動によって精製し、粉砕浸漬法(crush and soak method)によって単離した。
オリゴヌクレオチド(ODN,400pmol 鎖濃度)に対して、4μLの[γ−32P]ATP及びT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて定法にてリン酸化することによって、ラベルを導入した。5’末端ラベルしたオリゴヌクレオチドは、エタノール沈殿によって回収し、さらに15%の非変性ゲル電気泳動によって精製し、粉砕浸漬法(crush and soak method)によって単離した。
〔DNA鎖内部に2−メチル−1,4−ナフトキノンを含むオリゴヌクレオチド(NQ−ODN2)の光酸化実験及びPAGE解析〕
32Pにより5’末端ラベルしたODN(400nM未満の鎖濃度)を、2−メチル−1,4−ナフトキノンユニットを有する相補的なODNと、20mMのNaCl緩衝液(pH7.0)を含む2mMカコジル酸ナトリウム溶液中でハイブリダイゼーションさせた。なお、ハイブリダイゼーションは、試料溶液を90℃で5分間加熱した後、室温まで緩やかに冷却することによって行った。
32Pにより5’末端ラベルしたODN(400nM未満の鎖濃度)を、2−メチル−1,4−ナフトキノンユニットを有する相補的なODNと、20mMのNaCl緩衝液(pH7.0)を含む2mMカコジル酸ナトリウム溶液中でハイブリダイゼーションさせた。なお、ハイブリダイゼーションは、試料溶液を90℃で5分間加熱した後、室温まで緩やかに冷却することによって行った。
次に、32Pにより5’末端ラベルした2重鎖に対して、トランスイルミネータを用いて0℃条件下で312nmの光照射を行った。光照射の後、10μLの全反応混合物に、ニシン精子DNA又はサケ精子DNA(1mg/mL)、3M酢酸ナトリウム、及び800μLのエタノールを加え、全反応混合物を沈殿させた。次に、沈殿したDNAを100μLの冷却した80%エタノールによって洗浄し、真空下で乾燥させた。沈殿したDNAを50μLの10%ピペリジン(v/v)に溶解し、90℃で20分間加熱して濃縮した。
得られた試料について、アロカ 1000 溶液シンチレーションカウンター(アロカ社)を用いて放射能を測定し、乾燥させたDNA沈殿物を80%ホルムアミドローディングバッファー(80% ホルムアミド(v/v)、1mM EDTA、0.1% キシレンシアノール、及び0.1% ブロモフェノールブルーの溶液)に再懸濁した。そして、Maxam−Gilbert法によるG+Aシーケンス用反応物を含む全ての反応物を90℃で3分間加熱変性させ、氷中で急速に冷却した。試料(3〜5×103cpm)を15%ポリアクリルアミド/7M尿素シーケンス用ゲルにロードし、1900Vで60〜90分電気泳動し、電気泳動したゲルを富士フィルム製 X線フィルム(RX−U)とともにカセットに移し、−80℃で保管した。
電気泳動したゲルは、densitograph software library version 3.0(ATTO社)を用いたオートラジオグラフィーによって解析した。なお、ピペリジン処理によって生じたスポットの強度は、体積積分によって求めた。
〔実施例1:p−53がん抑制遺伝子配列内のmC部位の検出〕
本検出システムの有用性を検証するために、ナフトキノンを含有するオリゴデオキシヌクレオチドによるp53がん抑制遺伝子配列内のmC部位における光酸化反応を行った。
本検出システムの有用性を検証するために、ナフトキノンを含有するオリゴデオキシヌクレオチドによるp53がん抑制遺伝子配列内のmC部位における光酸化反応を行った。
p53がん抑制遺伝子配列には、メチル化された5’−CpG−3’が変異のhot spotとして存在することが報告されている(Tornaletti,S.,Pfeifer,G.P.Oncogene 1995,10,1493.;Baylin,S.B.,Herman,J.G.Trends Genet.2000,16,168.;Esteller,M.,Corn,P.G.,Baylin,S.B.,Herman,J.G.Cancer Res.2001,61,3225.)。本検証実験では、その一つであるcodon282(下記のODN5,6の配列におけるCGG)を含む塩基配列を持つDNAオリゴマーを検出対象に選んだ。なお、各実験手順の詳細は上述の通りである。
検出対象となるオリゴマーのうち、メチルシトシンを有さないオリゴマーをODN5(5’−AGAGACCGGCGCACAGAG−3’:配列番号1)、メチルシトシンを有するオリゴマーをODN6(5’−AGAGACmCGGCGCACAGAG−3’:配列番号2)とした。これらのオリゴマーは、インビトロジェン社から購入した。
また、ナフトキノンを導入する対象となるODN7の配列は、基本的にはODN5と相補的な配列とし、ODN5及びODN6のcodon282のメチル化されうるシトシン塩基の相補部位のみをトリオール基を有する化合物とした。具体的には、ODN7の配列を3’−TCTCTGYCCGCGTGTCTC−5’とし、Yを、
そして、このODN7を過ヨウ素酸ナトリウムで処理し、トリオール基をホルミル基に変換した後、3−(ヒドラジノカルボニルエチル)−2−メチル−1,4−ナフトキノン(ナフトキノンのヒドラジン誘導体3)と縮合させ、ナフトキノンを導入したDNAオリゴマー、NQ−ODN2を得た。このNQ−ODN2の配列は、3’−TCTCTGZCCGCGTGTCTC−5’であり、Zは、
そして、NQ−ODN2とメチルシトシンを有さないODN5とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものをNQ−C−duplex IIとした。
また、NQ−ODN2とメチルシトシンを有するODN6とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものをNQ−mC−duplex IIとした。
さらに参照実験として、ナフトキノンを導入していないODN7とメチルシトシンを有さないODN5とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものをC−duplex IIとした。
同様に参照実験として、ナフトキノンを導入していないODN7とメチルシトシンを有するODN6とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものをmC−duplex IIとした。
これらの各試料に対して上述した方法で光照射を行い、光酸化反応をPAGEにより追跡した。なお、NQ−C−duplex II及びNQ−mC−duplex IIについては、光照射時間を0,1,2時間の各条件で行い、その他の試料については、光照射時間を2時間とした。その結果を図5に示す。また、図5における各レーンの条件をまとめたものを表1に示す。
〔実施例2:p−53がん抑制遺伝子配列内のmCとチミンの識別〕
次に、本検出システムがメチルシトシンとチミンの識別をすることができるか否かを確かめた。チミンはメチルシトシンが脱アミノ化変異することによって生成されるが、光機能性核酸がメチルシトシン部位のみを選択的に切断することができれば、本検出システムがメチルシトシンとチミンの識別が可能であることになり、一層有効であると考えられる。
次に、本検出システムがメチルシトシンとチミンの識別をすることができるか否かを確かめた。チミンはメチルシトシンが脱アミノ化変異することによって生成されるが、光機能性核酸がメチルシトシン部位のみを選択的に切断することができれば、本検出システムがメチルシトシンとチミンの識別が可能であることになり、一層有効であると考えられる。
本実施例では、検出対象となるオリゴマーのうち、メチルシトシンを有するオリゴマーとして、実施例1のODN6を用い、ODN6のメチルシトシンの代わりにチミンを有するオリゴマーとして、ODN16(5’−AGAGACTGGCGCACAGAG−3’:配列番号3)を用いた。これらのオリゴマーは、インビトロジェン社から購入した。また、ナフトキノンを導入した光機能性核酸としては、実施例1のNQ−ODN2を用いた。
そして、NQ−ODN2とメチルシトシンを有するODN6とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものをNQ−mC−duplex IIIとした。
また、NQ−ODN2とチミンを有するODN16とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものをNQ−T−duplex IIIとした。
さらに参照実験として、ナフトキノンを導入していないODN7とチミンを有するODN16とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものをT−duplex IIIとした。
これらの各試料に対して上述した方法で光照射を行い、光酸化反応をPAGEにより追跡した。光酸化実験及びPAGE解析の詳細は、上述した実施例1と同様である。その結果を図6に示す。また、図6における各レーンの条件をまとめたものを表2に示す。
〔実施例3:p−53がん抑制遺伝子配列内の複数のmC部位に対する選択的な検出〕
続いて、検出対象となるポリヌクレオチド鎖内に複数のメチルシトシン部位がある場合に、本検出システムが選択的に1つのメチルシトシン部位のみを検出できるか否かを確かめた。
続いて、検出対象となるポリヌクレオチド鎖内に複数のメチルシトシン部位がある場合に、本検出システムが選択的に1つのメチルシトシン部位のみを検出できるか否かを確かめた。
本実施例では、複数のメチルシトシンを有するオリゴマーとして、ODN25(5’−AGAGACmC7GGmC10GCACAGAG−3’:配列番号4)を用いた。ODN25は、5’末端から数えて7番目及び10番目のシトシン塩基がメチル化されている。このオリゴマーは、インビトロジェン社から購入した。また、ナフトキノンを導入した光機能性核酸としては、実施例1のNQ−ODN2を用いた。
そして、NQ−ODN2とODN25とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものをNQ5−mC−duplex IVとした。
さらに参照実験として、ナフトキノンを導入していないODN7とODN25とをハイブリダイゼーションさせ、5’末端を32Pでラベル化したものを5−mC−duplex IVとした。
これらの各試料に対して上述した方法で光照射を行い、光酸化反応をPAGEにより追跡した。光酸化実験及びPAGE解析の詳細は、上述した実施例1と同様である。その結果を図7に示す。また、図7における各レーンの条件をまとめたものを表3に示す。
本発明に係る光機能性核酸は、上述したように、ポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを有した構成となっている。これにより、ナフトキノンの可動範囲を制限し、判定対象のシトシンに対してのみナフトキノンを接近させることができる。その結果、目的のメチルシトシンに対してのみ光酸化反応を誘起することができる。よって、グアニン連続配列が存在する配列についても、シトシンのメチル化の状態を明瞭に判定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る光機能性核酸の製造方法は、上述したように、1塩基以上の直鎖状の第1ヌクレオチド及び第2ヌクレオチドとそれらの連結部分とを含むヌクレオチド化合物の上記連結部分に対して、ナフトキノンを含有する化合物を縮合させる構成となっている。これにより、グアニン連続配列が存在する配列についても、シトシンのメチル化の状態を明瞭に判定できる光機能性核酸を合成できるという効果を奏する。
また、本発明に係るメチル化判定方法は、上述したように、ポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを含む光機能性核酸を、判定対象のDNA鎖とハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション工程と、上記ハイブリダイゼーション工程によってハイブリダイゼーションした光機能性核酸及び判定対象のDNA鎖に対して、光照射を行う光照射工程と、光照射工程において光照射を行った判定対象のDNA鎖の断片の長さを検出する断片長検出工程とを含んだ構成となっている。これにより、グアニン連続配列が存在する配列についても、シトシンのメチル化の状態を明瞭に判定できるという効果を奏する。
なお、本発明は上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本明細書で示した数値範囲以外であっても、本発明の趣旨に反しない合理的な範囲であれば、本発明に含まれることはいうまでもない。
本発明によれば、簡便なシトシンのメチル化判定方法を実現できる。本発明のメチル化判定方法は、任意の塩基配列を持つ遺伝子に適用可能であるため、遺伝子診断、遺伝子解析、さらには遺伝子が関与する成体分子の相互作用の解明等、医学・生物学上幅広い分野で利用することができる。
Claims (13)
- ポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを有していることを特徴とする光機能性核酸。
- 次に示す一般式(1)
5’−A−Z−B−3’ …(1)
(ただし、一般式(1)中、A及びBはそれぞれ1塩基以上の直鎖状のヌクレオチドを表し、Zはナフトキノンを含有する化合物を表す)
によって表されることを特徴とする請求項1に記載の光機能性核酸。 - 上記一般式(1)中のZが、上記化学式(2)によって表されることを特徴とする請求項3に記載の光機能核酸。
- DNA鎖に含まれるシトシンのメチル化状態を判定するために用いられることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の光機能性核酸。
- 上記ポリヌクレオチドの塩基配列が、判定対象のDNA鎖の塩基配列と相補的な塩基配列に対して、80%以上の相同性を有していることを特徴とする請求項5に記載の光機能性核酸。
- 上記ナフトキノンが、上記ポリヌクレオチド鎖内部において、上記ポリヌクレオチドが判定対象のDNA鎖とハイブリダイズした際に上記DNA鎖のシトシン塩基と対向する位置に挿入されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の光機能性核酸。
- 上記ナフトキノンが、上記ポリヌクレオチド鎖内部において、上記ポリヌクレオチドが判定対象のDNA鎖とハイブリダイズした際に上記DNA鎖のシトシン塩基と対向する塩基から5塩基以内の塩基と結合していることを特徴とする請求項5又は6に記載の光機能性核酸。
- 1塩基以上の直鎖状の第1ヌクレオチド及び第2ヌクレオチドとそれらの連結部分とを含む修飾ポリヌクレオチド鎖の上記連結部分に対して、ナフトキノンを含有する化合物を縮合させる工程を含む光機能性核酸の製造方法であって、
上記連結部分がホルミル基を有し、
上記ナフトキノンを含有する化合物が、ナフトキノンのヒドラジン誘導体であることを特徴とする光機能性核酸の製造方法。 - 1塩基以上の直鎖状の第1ヌクレオチド及び第2ヌクレオチドとそれらの連結部分とを含む修飾ポリヌクレオチド鎖の上記連結部分に対して、ナフトキノンを含有する化合物を縮合させる工程を含む光機能性核酸の製造方法であって、
上記連結部分がチオール基を有し、
上記ナフトキノンを含有する化合物が、マレイミド基及びチオール基の少なくとも一方を有することを特徴とする光機能性核酸の製造方法。 - 上記修飾ポリヌクレオチド鎖を、ホスホロアミダイト法によって合成することを特徴とする請求項9に記載の光機能性核酸の製造方法。
- DNA鎖に含まれるシトシンのメチル化の状態を判定するメチル化判定方法であって、
ポリヌクレオチド鎖内部にナフトキノンを含む光機能性核酸を、上記DNA鎖とハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション工程と、
上記ハイブリダイゼーション工程によってハイブリダイゼーションした光機能性核酸及びDNA鎖に対して、光照射を行う光照射工程と、
上記光照射工程において光照射を行ったDNA鎖の断片の長さを検出する断片長検出工程とを含んでいることを特徴とするメチル化判定方法。 - 上記光機能性核酸は、判定対象のシトシンを含む領域における上記DNA鎖の塩基配列と相補的な配列を有するポリヌクレオチドにおいて、上記判定対象のシトシンとハイブリダイゼーションの際に対向する塩基がナフトキノン化合物によって置換されたものであることを特徴とする請求項12に記載のメチル化判定方法。
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