JPWO2006088110A1 - 新規な炭酸固定促進タンパク質、及び該タンパク質を用いた炭酸固定方法 - Google Patents

新規な炭酸固定促進タンパク質、及び該タンパク質を用いた炭酸固定方法 Download PDF

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Abstract

イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる還元的炭酸固定反応を効率よく進行させる新規なタンパク質、及び該タンパク質を効率よく製造する方法を提供するとともに、該タンパク質を用いて効率よく炭酸固定反応を進行させる方法を提供する。Hydrogenobacter thermophilus TK-6株からイソクエン酸デヒドロゲナーゼによる還元的炭酸固定反応を効率よく進行させる新規なタンパク質を見出し、該タンパク質をコードする遺伝子の構造を明らかにし、該タンパク質のアミノ酸配列を明らかにした。さらに、該タンパク質をコードする遺伝子を大腸菌内で大量発現させることにより、該タンパク質を組換え体として効率的に得る方法を明らかにした。さらに、該タンパク質を用いることにより、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に効率的に進行させることができることを明らかにした。

Description

本発明は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる還元的炭酸固定反応の進行を促進させる新規なタンパク質、該タンパク質の製造方法、若しくは該タンパク質を利用した炭酸固定方法に関する。さらに本発明は、該タンパク質のアミノ酸配列の全部又は一部を有するペプチド又はポリペプチド、該ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、該組換えベクターで形質転換された形質転換体、該形質転換体を使ったペプチド又はポリペプチドの製造方法に関する。
イソクエン酸デヒドロゲナーゼは、イソクエン酸から2-オキソグルタル酸への酸化的脱炭酸反応を触媒する酵素であり、生物界に広く分布する。本酵素の反応産物の一つである二酸化炭素は、反応後すぐに反応系外に放出されるため、逆反応(還元的炭酸固定反応)はほとんど進行しない。2-オキソグルタル酸からイソクエン酸への還元的炭酸固定反応は、エネルギー的にも非常に不利である。本酵素が逆反応(還元的炭酸固定反応)を触媒したという報告例はあるが、いずれの場合も非常に効率が悪い(非特許文献1-3)。
このように、本酵素の可逆性を利用して炭酸固定反応を進行させることは困難であり、効率が悪い。
Hathaway, J. A., and Atkinson, D.E. (1963) The effect of adenylic acid on yeast nicotinamide adenine dinucleotide isocitrate dehydrogenase, a possible metabolic control mechanism. J. Biol. Chem. 238, 2875-2881. Sanwal, B. D., Zink, M. W., and Stachow, C. S. (1964) Nicotinamide adenine dinucleotide-specific isocitric dehydrogenase. J. Biol. Chem. 239, 1597-1603. Kanao, T., Kawamura, M., Fukui, T., Atomi, H., and Imanaka, T (2002) Characterization of isocitrate dehydrogenase from the green sulfur bacterium Chlorobium limicola. Eur. J. Biochem. 269, 1926-1931.
イソクエン酸デヒドロゲナーゼの還元的炭酸固定反応の進行を促進させるタンパク質は、これまでに報告がない。本発明の課題は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる還元的炭酸固定反応を効率よく進行させる新規なタンパク質、及び該タンパク質を効率よく製造する方法を提供するとともに、該タンパク質を用いて効率よく炭酸固定反応を進行させる方法を提供することにある。さらに本発明の課題は、該タンパク質のアミノ酸配列の全部又は一部を有するペプチド又はポリペプチド、該ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、該組換えベクターで形質転換された形質転換体、該形質転換体を使ったペプチド又はポリペプチドの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、Hydrogenobacter thermophilus TK-6株からイソクエン酸デヒドロゲナーゼによる還元的炭酸固定反応の進行を促進させる新規なタンパク質を見出し、本タンパク質をコードする遺伝子の構造を明らかにした。そして、得られた遺伝子を異種宿主内で大量発現させることにより、本タンパク質を効率よく製造する方法を見出した。さらに、本タンパク質を用いることにより、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる還元的炭酸固定反応を効率よく進行させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記を要旨とする。
1.イソクエン酸デヒドロゲナーゼの2−オキソグルタル酸からイソクエン酸への還元的炭酸固定反応を促進させる作用を有し、分子量約72kDaと分子量約49kDaの2つのサブユニットを含む、炭酸固定促進タンパク質。
2.下記の(1)から(4)のいずれかに記載の配列からなる炭酸固定促進活性を有するタンパク質の約72kDaサブユニット。
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(2)前記(1)のポリペプチドを含有するポリペプチド
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列からなるポリペプチド
(4)配列番号1に記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド
3.下記の(1)から(3)のいずれかに記載の配列からなるDNA。
(1)前項2に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又はその相補鎖
(2)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA又はその相補鎖
(3)上記(1)又は(2)に記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
4.下記の(1)から(4)のいずれかに記載の配列からなる炭酸固定促進活性を有するタンパク質の約49kDaサブユニット。
(1)配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
(2)前記(1)のポリペプチドを含有するポリペプチド
(3)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列からなるポリペプチド
(4)配列番号3に記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド
5.下記の(1)から(3)のいずれかに記載の配列からなるDNA。
(1)前項4に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又はその相補鎖
(2)配列番号4に記載の塩基配列からなるDNA又はその相補鎖
(3)上記(1)又は(2)に記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
6.前項3に記載のDNA、前項5に記載のDNA、又は、前項3に記載のDNAと前項5に記載のDNAの両者、を担持するベクター。
7.前項3に記載のDNA、前項5に記載のDNA、前項3に記載のDNAと前項5に記載のDNAの両者、又は前項6に記載のベクターを担持する形質転換細胞。
8.前項7に記載の形質転換細胞を培養し、発現させたタンパク質を回収する工程を含む炭酸固定促進タンパク質の製造方法。
9.前項2に記載の炭酸固定促進タンパク質のサブユニットと前項4に記載の炭酸固定促進タンパク質のサブユニットを含む炭酸固定促進タンパク質。
10.前項1又は前項9に記載の炭酸固定促進タンパク質を用いてイソクエン酸デヒドロゲナーゼの還元的炭酸固定反応を促進させることを特徴とする炭酸固定方法。
本発明によって、イソクエン酸デヒドロゲナーゼの還元的炭酸固定反応の進行を促進させる新規タンパク質が提供され、そして、この新規タンパク質は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させることができる。
Hydrogenobacter thermophilus TK-6由来炭酸固定反応促進タンパク質遺伝子(cfiAB)周辺の制限酵素地図を示す。遺伝子上流には別にもう1つのオープンリーディング(orf1)が存在する。(実施例2) 大腸菌から精製した組換え炭酸固定反応促進タンパク質1.5μg(レーン1)を10%SDS-PAGEに供し、クマシー染色した図を示す。レーンMはサイズマーカーである。(実施例4) 精製した組換え炭酸固定反応促進タンパク質2.3μgを200μlの反応液に加え、2、4、6、10、20分間反応を進行させた後の、反応液中のイソクエン酸濃度を示す。(実施例5) (a)精製した組換え炭酸固定反応促進タンパク質2.3μgを200μlの反応液に加え、反応を6分間進行させた後、反応液の低分子量画分を3倍希釈し、クロマトグラフィーに供して得られたクロマトグラムを示す。矢印1は重炭酸イオン、矢印2は2-オキソグルタル酸、矢印3はリン酸、矢印4はNADH、矢印5はイソクエン酸、矢印6はADP、矢印7はATPの溶出位置を示す。(b)0.1mMイソクエン酸と0.1mMADPを含む標準溶液のクロマトグラムを示す。(実施例5) サイズマーカー(レーンM)、組み換え炭酸固定反応促進蛋白質1.5μg(レーン1)、組み換え炭酸固定反応促進蛋白質0.3μg(レーン2)を10%SDS−PAGEに供した。泳動後のゲルのレーンMとレーン1の部分はクマシー染色を行った。泳動後のゲルのレーン2の部分は、PVDF膜にブロットし、ストレプトアビジン−HRPコンジュゲートを用いてビオチン化ポリペプチドを発色させた。クマシー染色を行った領域(レーンMとレーン1)とウェスタンブロットを行った領域(レーン2)の泳動位置を合わせた図を示す。(実施例6) Superose6カラムを用いた分子量測定の結果を示す。図中の黒丸は、Bio-Rad社製ゲル濾過スタンダード中に含まれる5種類の蛋白質の溶出位置を示す。図中の矢印は、炭酸固定反応促進蛋白質の溶出位置を示す。(実施例7) 大腸菌から精製した組み換え炭酸固定反応促進蛋白質4.5μg(レーン1)とHydrogenobacter thermophilus TK-6株から精製した炭酸固定反応促進蛋白質4.5μg(レーン2)を等電点電気泳動に供して得られた泳動図を示す。レーンMは等電点マーカーである。(実施例8) 炭酸固定反応促進蛋白質を用いた炭酸固定反応のpH依存性を示す。室温条件下でpH6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5に調整した1MBicine-KOH緩衝液ストックを用いて反応液を調製し、炭酸固定活性を測定した。すべての基質を加えた反応液を70℃に加温した状態でpHを測定し、補正を行った。(実施例9) 炭酸固定反応促進蛋白質を用いた炭酸固定反応の温度依存性を示す。反応温度を40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃と変化させて炭酸固定反応速度を測定した。(実施例10) 炭酸固定反応促進蛋白質の耐熱性を示す。炭酸固定反応促進蛋白質を50℃、60℃、70℃、72℃、76℃、78℃、80℃、90℃、95℃で10分間熱処理した後の残存活性を70℃で測定した。(実施例11) 2−オキソグルタル酸濃度を0.2mMから5mMまでさまざまに変化させて得られたS−V曲線を示す。(実施例12) MgATP濃度を0.2mMから5mMまでさまざまに変化させて得られたS−V曲線を示す。(実施例12) NaATP濃度を10mMに固定し、硫酸マグネシウム濃度を2mMから100mMまでさまざまに変化させて得られたS−V曲線を示す。(実施例12) 硫酸マグネシウム濃度を10mMに固定し、NaATP濃度を0.2mMから20mMまでさまざまに変化させて得られたS−V曲線を示す。(実施例12)
(新規タンパク質)
本発明の新規タンパク質は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させる活性を有する(以下、炭酸固定促進タンパク質とも呼ぶ)。つまりイソクエン酸デヒドロゲナーゼの2-オキソグルタル酸からイソクエン酸への還元的炭酸固定反応を促進させる活性を有する。本炭酸固定促進タンパク質はHydrogenobacter thermophilus TK-6株から精製することができる。しかし、該活性を有するタンパク質であれば、由来は特に制限されるものではない。本炭酸固定促進タンパク質は、SDS-PAGE分析で約72kDa及び約49kDaのサブユニット構造からなるタンパク質であり、これらサブユニットを1対1の比で含むタンパク質である。
(ポリペプチド)
本発明のHydrogenobacter thermophilus TK-6株由来の炭酸固定促進タンパク質は配列番号1及び配列番号3に示すアミノ酸配列からなるものであるが、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させる活性を有するタンパク質であれば、このアミノ酸配列に限定されるものではない。
本発明の炭酸固定促進タンパク質のアミノ酸配列は、配列表の配列番号1に記載の炭酸固定促進活性を有するタンパク質の約72kDaサブユニット及び配列番号3に記載の炭酸固定促進活性を有するタンパク質の約49kDaサブユニットからなるポリペプチドである。さらに本発明のポリペプチドは、該配列表の配列番号1又は配列番号3に記載のポリペプチドの少なくとも一部分を含有するポリペプチドから選択される。その選択されるポリペプチドは、配列表の配列番号1又は配列番号3に記載のポリペプチドと、アミノ酸配列上で約40%以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、特に好ましくは約95%以上の相同性を有する。この相同性をもつポリペプチドの選択は、炭酸固定促進活性を有するタンパク質の各サブユニットでありうるかどうかを指標にして選択可能である。この活性は実施例5に記載の方法で測定できる。
アミノ酸配列の相同性を決定する技術は、自体公知であり、例えばアミノ酸配列を直接決定する方法、cDNAの塩基配列を決定後これにコードされるアミノ酸配列を推定する方法等が挙げられる。
本発明のポリペプチドは、配列表の配列番号1又は配列番号3に記載のポリペプチドの部分配列を有するポリペプチドを包含し、これらは例えば試薬、標準物質、又は免疫原として利用できる。その最小単位としては8個以上のアミノ酸、好ましくは10個以上のアミノ酸、より好ましくは12個以上、さらに好ましくは15個以上の連続するアミノ酸で構成されるアミノ酸配列からなり、好ましくは免疫学的に同定し得るポリペプチドを本発明の対象とする。これらのペプチドは、試薬もしくは標準物質、又は本発明の炭酸固定促進タンパク質に特異的な抗体を作製するための抗原として単独又はキャリア(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン又は卵白アルブミン等)と結合して使用できるが、これらのように別種のタンパク質又は物質を結合したものも本発明の範囲に包含される。
さらに、このように特定されたポリペプチドを基にして、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させる活性の存在を指標とすることにより、1以上、例えば1〜100個、好ましくは1〜30個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜10個、特に好ましくは1ないし数個のアミノ酸の欠失、置換、付加あるいは挿入といった変異を有するアミノ酸配列からなるポリペプチドも提供される。欠失、置換、付加あるいは挿入の手段は自体公知であり、例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法又はポリメラーゼ連鎖増幅法(PCR)を単独又は適宜組み合わせて、例えばサムブルック等編[モレキュラークローニング,ア ラボラトリーマニュアル 第2版]コールドスプリングハーバーラボラトリー,1989、村松正實編[ラボマニュアル遺伝子工学]丸善株式会社,1988、エールリッヒ,HE.編[PCRテクノロジー,DNA増幅の原理と応用]ストックトンプレス,1989等の成書に記載の方法に準じて、あるいはそれらの方法を改変して実施することができ、例えばUlmerの技術(Science,219,666,1983)を利用することができる。
上記のような変異の導入において、当該タンパク質の基本的な性質(物性、活性、又は免疫学的活性等)を変化させないという観点からは、例えば、同族アミノ酸(極性アミノ酸、非極性アミノ酸、疎水性アミノ酸、親水性アミノ酸、陽性荷電アミノ酸、陰性荷電アミノ酸、芳香族アミノ酸等)の間での相互置換は容易に想定される。
本発明においては、配列表の配列番号1及び配列番号3のアミノ酸配列で示されるポリペプチドで構成されるタンパク質と同様のイソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させる活性を有するポリペプチド又はその最小活性単位(領域もしくはドメイン)も提供されるが、それら以外にも、活性の強度を変更したポリペプチドが提供される。これらは、例えばイソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させる活性を有する物質のスクリーニング等において有用である。
さらに、本発明のポリペプチド等の検出もしくは精製を容易にするために、又は別の機能を付加するために、N末端側やC末端側に別のタンパク質、例えばアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、IgG等の免疫グロブリンFc断片又はFLAG−tag等のペプチドを直接又はリンカーペプチド等を介して間接的に遺伝子工学的手法等を用いて付加することは当業者には容易であり、これらの別の物質を結合したポリペプチド等も本発明の範囲に包含される。
(ポリヌクレオチド)
一つの態様において、本発明のポリヌクレオチドおよびその相補鎖は、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列、例えば配列表の配列番号1又は配列番号3に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドおよび該ポリヌクレオチドに対する相補鎖を意味する。これらは例えば上記炭酸固定促進タンパク質の製造に有用な遺伝子情報を提供するものであり、あるいは核酸に関する試薬または標準品としても利用できる。好ましいポリヌクレオチドを示す配列は配列番号2若しくは配列番号4又はこれらポリヌクレオチドに対する相補鎖を意味する。
別の態様において本発明は、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列、例えば配列表の配列番号1又は配列番号3のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド、好ましくは配列表の配列番号2又は配列番号4の塩基配列で示されるポリヌクレオチドまたはその相補鎖の対応する領域にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する。ハイブリダイゼーションの条件は、例えばサムブルック等編[モレキュラークローニング,ア ラボラトリーマニュアル 第2版]コールドスプリングハーバーラボラトリー,(1989)等に従うことができる。これらのポリヌクレオチドは目的のポリヌクレオチド、特に配列表の配列番号2若しくは配列番号4の塩基配列で示されるポリヌクレオチド又はそれらの相補鎖にハイブリダイズするものであれば必ずしも相補的配列でなくともよい。例えば、配列表の配列番号2若しくは配列番号4の塩基配列で示されるポリヌクレオチド又はそれらの相補配列に対する相同性において、少なくとも約40%、例えば、約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上である。また本発明のポリヌクレオチドは、指定された塩基配列の領域に対応する連続する10個以上のヌクレオチド、好ましくは15個以上、より好ましくは20個以上、最も好ましくは30個以上の配列からなるポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよびそれらの相補鎖を包含する。
これらのポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチド等の製造において、炭酸固定促進タンパク質をコードする核酸、例えば、その遺伝子、もしくはmRNA検出のためのプローブもしくはプライマーとして、または遺伝子発現を調節するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド等として有用である。ここで、炭酸固定促進タンパク質または同様の活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列の決定は、例えば公知のタンパク質発現系を利用して発現タンパク質の確認を行い、その生理活性特にイソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させる活性を指標にして選別することにより行うことができる。
なお、炭酸固定促進タンパク質は、2つのサブユニットをコードするポリヌクレオチド配列から別々に発現させて構築してもよいが、より好ましくは2つのサブユニットをコードするポリヌクレオチド配列を結合させて共発現させて構築してもよい。
(形質転換体)
本発明は、大腸菌・枯草菌などの原核生物細胞、出芽酵母・分裂酵母・糸状菌などの真核生物細胞、昆虫細胞・動物細胞・植物細胞あるいは昆虫・動物・植物などの自体公知の宿主を利用した遺伝子組換え技術によって、本発明からなる炭酸固定促進タンパク質およびその由来物からなるポリペプチドは提供可能である。本発明の具体例においては、大腸菌系を利用したが、無論これに限定されるものではない。形質転換は、自体公知の手段が応用され、例えばレプリコンとして、プラスミド、染色体、ウイルス等を利用して宿主の形質転換が行われる。より好ましい系としては、遺伝子の安定性を考慮するならば、染色体内へのインテグレート法であるが、簡便には核外遺伝子を利用した自律複製系の利用である。ベクターは、選択した宿主の種類により選別され、発現目的の遺伝子配列と複製そして制御に関する情報を担持した遺伝子配列とを構成要素とする。組合せは原核細胞、真核細胞によって分別され、プロモーター、リボソーム結合部位、ターミネーター、シグナル配列、エンハンサー等を自体公知の方法によって組合せて利用できる。
形質転換体は、自体公知の各宿主の培養条件に最適な条件を選択して培養される。培養は、発現産生される炭酸固定促進タンパク質およびその由来物からなるポリペプチドのイソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させる活性を指標にして行ってもよいが、培地中の形質転換体量を指標にして継代培養またはバッチにより生産してもよい。
(精製)
本発明の炭酸固定促進タンパク質は、該タンパク質を生産する種の細胞から直接精製することもできるが、該タンパク質をコードする遺伝子を異種宿主中で発現させて組換え体として得ることもできる。例えば配列番号1及び配列番号3に示すHydrogenobacter thermophilus TK-6株由来の炭酸固定促進タンパク質のアミノ酸配列をコードする遺伝子や、配列番号1及び配列番号3に示されるアミノ酸配列の一部が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする遺伝子を異種宿主中で発現させ、炭酸固定促進タンパク質を組換え体から回収してもよい。
本発明の炭酸固定促進タンパク質は、本タンパク質を生産する細胞を培養し、あるいは本タンパク質をコードする遺伝子を発現させた宿主細胞を培養し、その培養物から精製することができる。Hydrogenobacter thermophilus TK-6株由来の炭酸固定促進タンパク質は、本菌の細胞抽出液を疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲル濾過カラムクロマトグラフィーにかけることにより、精製することができる。大腸菌を宿主として本タンパク質を発現させた場合は、細胞抽出液を熱処理した後、疎水クロマトグラフィーと陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにかけることにより、精製することができる。しかし、本タンパク質の精製法は、これに限定されるものではなく、どのような方法を用いてもよい。他に硫酸アンモニウム沈殿、エタノール沈殿、陽イオン交換クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーなどの方法を挙げることができる。
本発明の炭酸固定法は、2-オキソグルタル酸、重炭酸ナトリウム、NADH、MgATP、イソクエン酸デヒドロゲナーゼを含む反応溶液に上記記載の方法により得られた炭酸固定促進タンパク質を加えてインキュベートし、炭酸固定反応を進行させることにより行う。
本発明の新規炭酸固定促進タンパク質のスクリーニング法は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼの2−オキソグルタル酸からイソクエン酸への還元的炭酸固定反応をマーカーにして行うことができる。
具体的には、以下の工程を含む。
(1)候補タンパク質、2−オキソグルタル酸、重炭素ナトリウム、NADH、MgATP、イソクエン酸デヒドロゲナーゼを含む反応溶液をインキュベートする。
(2)イソクエン酸デヒドロゲナーゼの2−オキソグルタル酸からイソクエン酸への還元的炭酸固定反応を測定する。
以下に記載する実施例は、本発明をさらに詳細に説明するのであるが、本発明の技術的範囲はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:炭酸固定反応促進タンパク質の精製)
Hydrogenobacter thermophilus TK-6株の湿菌体8グラムを30mlの20mMTris-HCl(pH8.0)溶液に懸濁し、超音波破砕した。遠心分離(15,000g、20分間)により不溶物を除去して得た上清を、20mMTris-HCl(pH8.0)溶液に対して透析して脱塩した後、DE52(Whatman)カラムにかけた。カラムを20mMTris-HCl(pH8.0)溶液で洗浄した後、1M NaClを含む20mMTris-HCl(pH8.0)溶液で溶出した。溶出分画を20mMTris-HCl(pH8.0)溶液に対して透析した後、硫酸アンモニウムを30%飽和となるように加え、ブチルトヨパール(東ソー)カラムにかけた。カラムを30%飽和硫酸アンモニウムを含む20mMTris-HCl(pH8.0)溶液で充分洗浄した後、30%から0%飽和までの硫酸アンモニウムグラジエントで溶出した。得られた活性画分を、20mMTris-HCl(pH8.0)溶液に対して透析した後、AFブルートヨパール(東ソー)カラムにかけ、その素通り画分をMonoQ(Pharmacia)カラムにかけた。カラムを20mMTris-HCl(pH8.0)溶液で充分洗浄した後、0Mから0.5MまでのNaClグラジエントで溶出した。得られた活性画分を、200mMNaClを含む20mMTris-HCl(pH8.0)溶液で平衡化したSuperose6(Pharmacia)カラムにかけた。得られた活性画分を、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)に対して透析し、精製タンパク質3mgを得た。精製したタンパク質をSDS-PAGEに供したところ、約72kDaと約49kDaの2本のバンドが検出され、そのモル比は1:1であった。したがって、本タンパク質は2種類のサブユニットから成ることが明らかになった。SDS-PAGEにより分離したサブユニットをPVDF膜(Bio-Rad, Sequi-Blot)にブロットし、アミノ酸シーケンサー(Applied Biosystems model 491)にかけたところ、大サブユニットからはMQAVEIMEEIREKFKEFEKGGFRKKILITD(配列表の配列番号5)という配列が、小サブユニットからはMFKKVLVANRGEIA(C)RVIRA(C)KELGIQTVA(配列表の配列番号6)という配列が得られた。
(実施例2:炭酸固定反応促進タンパク質をコードする遺伝子の単離と構造決定)
炭酸固定反応促進タンパク質小サブユニットのN末アミノ酸配列に基づき、5'-ATGTTYAARAARGTNYTNGTNGCNA(配列表の配列番号7)-3'という配列をもつホワードプライマーを合成し、炭酸固定反応促進タンパク質大サブユニットのN末アミノ酸配列に基づき、5'-CYTTYTCRAAYTCYTTRAAYTTYTC(配列表の配列番号8)-3'という配列をもつリバースプライマーを合成した。これら2種類の合成プライマーを用いて、Hydrogenobacter thermophilus TK-6株由来のゲノムDNAを鋳型としたPCRを行った。得られたPCR断片の塩基配列を確認したところ、炭酸固定反応促進タンパク質小サブユニット遺伝子を含むことが明らかになった。そこで、このPCR断片をプローブとして、Hydrogenobacter thermophilus TK-6株ゲノムライブラリをスクリーニングしたところ、プローブとハイブリダイズするフォスミドクローンが得られた。得られたフォスミドクローンのインサート配列(おおよそ30kbp)のうち、炭酸固定反応促進タンパク質の両サブユニット遺伝子を含む4184bpの領域について、塩基配列を両方向から決定した。塩基配列を決定した領域の制限酵素地図を図1に示す。炭酸固定反応促進タンパク質の両サブユニットの遺伝子配列を配列番号2、配列番号4に、それを翻訳して得たアミノ酸配列を配列番号1、配列番号3に示す。
(実施例3:発現用プラスミドの構築)
Hydrogenobacter thermophilus TK-6株由来炭酸固定反応促進タンパク質を大腸菌を宿主として発現させるため、T7プロモーターを利用した発現ベクターを構築した。まず、炭酸固定反応促進タンパク質の両サブユニット遺伝子を含むフォスミドクローンを鋳型として、炭酸固定反応促進タンパク質小サブユニット遺伝子をPCR増幅した。PCRには、5'-TTTGGAGGCACATATGTTTAAGAAGG(配列表の配列番号9)-3'という配列をもつホワードプラーマーと、5'-ATGTACTACACCTCTAGAGTTTTTATCAA(配列表の配列番号10)-3'という配列をもつリバースプライマーを用い、遺伝子の開始コドンにNdeIサイトを導入し、遺伝子の終止コドンの下流にはXbaIサイトを導入した。また、炭酸固定反応促進タンパク質の両サブユニット遺伝子を含むフォスミドクローンを鋳型として、炭酸固定反応促進タンパク質大サブユニット遺伝子をPCR増幅した。PCRには、5'-TTGATAAAAACTCTAGAGGTGTAGTACAT(配列表の配列番号11)-3'という配列をもつホワードプラーマーと、5'-GGTAAGGCTTCTCGAGATGGTTCAG(配列表の配列番号12)-3'という配列をもつリバースプライマーを用い、遺伝子の開始コドンの上流にXbaIサイトを導入し、遺伝子の終止コドンの下流にはXhoIサイトを導入した。増幅させたPCR断片をプラスミドベクター(pBluescript、Stratagene)に連結して塩基配列の確認を行い、PCRエラーのないクローンを1つずつ(炭酸固定反応促進タンパク質小サブユニット遺伝子を含むプラスミドクローンを1つと、炭酸固定反応促進タンパク質大サブユニット遺伝子を含むプラスミドクローンを1つ)選択した。得られたプラスミドクローンから、炭酸固定反応促進タンパク質の小サブユニット遺伝子をNdeI-XbaI断片として、炭酸固定反応促進タンパク質の大サブユニット遺伝子をXbaI-XhoI断片として単離し、発現ベクターpET21c(Novagen)のNdeIーXhoIサイト間に連結した。得られた発現ベクターをpET21-CFIと命名した。
(実施例4:組換え炭酸固定反応促進タンパク質の精製)
pET21-CFIを大腸菌BL21(DE3)に導入し、得られた形質転換体をアンピシリンを含む2×YT培地50mlに植菌した。37℃で一晩振とう培養し、これを前培養液とした。アンピシリンを含む1.5リットルの2×YT培地に前培養液50mlを加えて37℃で3時間振とう培養した後、IPTGを終濃度0.5mMとなるように加え、さらに3時間37℃で振とう培養を行った。得られた菌体を1mM塩化マグネシウムを含む20mMTris-HCl(pH8.0)溶液(以後「塩化マグネシウム含有緩衝液」と呼ぶ)30mlに懸濁し、超音波破砕を行った。得られた懸濁液にATPを終濃度1mMとなるように加え、75℃で20分間熱処理を行った。遠心分離(15,000g、20分間)により不溶物を除去して得た上清を、塩化マグネシウム含有緩衝液で6倍に希釈した後、DE52(Whatman)カラムにかけた。カラムを塩化マグネシウム含有緩衝液で洗浄した後、1M NaClを含む塩化マグネシウム含有緩衝液で溶出した。溶出分画に硫酸アンモニウムを30%飽和となるように加え、ブチルトヨパール(東ソー)カラムにかけた。カラムを30%飽和硫酸アンモニウムを含む塩化マグネシウム含有緩衝液で充分洗浄した後、30%から0%飽和までの硫酸アンモニウムグラジエントで溶出した。得られた活性画分を、塩化マグネシウム含有緩衝液に対して透析した後、DEAEトヨパール(東ソー)カラムにかけた。カラムを塩化マグネシウム含有緩衝液で充分洗浄した後、0Mから0.5MまでのNaClグラジエントで溶出した。得られた活性画分を、塩化マグネシウム含有緩衝液に対して透析した後、MonoQ(Pharmacia)カラムにかけた。カラムを塩化マグネシウム含有緩衝液で充分洗浄した後、0Mから0.5MまでのNaClグラジエントで溶出した。得られた活性画分を10mMTris-HCl(pH8.0)溶液に対して透析し、精製タンパク質1.7mgを得た。精製した組換え炭酸固定反応促進タンパク質をSDS-PAGEに供したところ、約72kDaと約49kDaの2本のバンドが検出され、そのモル比は1:1であった(図2)。
(実施例5:炭酸固定反応促進タンパク質による炭酸固定反応の進行)
炭酸固定反応促進タンパク質の活性は、100mMBicine-KOH(pH8.5)緩衝液、50mM重炭酸ナトリウム、5mM2-オキソグルタル酸、5mMMgATP、4mMNADH、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(Hydrogenobacter thermophilus TK-6株由来、大腸菌から精製した組換え酵素を使用)14μgを含む反応液200μl中70℃で測定した。MgATPを除く反応液をガラス製小試験管に入れ、70℃で2分間プレインキュベートした後、MgATPを加えて反応を開始した。一定時間ごとに小試験管を氷冷して反応を停止させた後、反応液を分子量5000カットカートリッジ(ウルトラフリーMC、ミリポア)に供し、得られた低分子量画分を適宜MilliQ水(ミリポア)で希釈してイオンクロマトクロマトグラフィー(ダイオネックスDX500、カラムIonpacAS11、サプレッサーASRS Ultra II、流速2ml/min)にかけた。カラムを0.5mMNaOHで平衡化した後、0分から2分までは0.5mMNaOHのイソクラティック溶出、2分から5分までは0.5mMから5mMNaOHへのグラジエント溶出、5分から15分までは5mMから38.25mMNaOHへのグラジエント溶出、15分から16分までは38.25mMから100mMNaOHへのグラジエント溶出を行った。炭酸固定物(イソクエン酸)量は、既知濃度のイソクエン酸のクロマトグラムのピーク面積から計算した。精製した組換え炭酸固定反応促進タンパク質2.3μgを反応液に加え、2、4、6、10、20分間反応を進行させた後、反応液に含まれるイソクエン酸濃度を定量した結果を図3に示す。反応を6分間進行させた後、反応液の低分子量画分を3倍希釈し、クロマトグラフィーに供して得られたクロマトグラムを図4に示す。イソクエン酸の生成は反応時間依存的であり、添加した炭酸固定反応促進タンパク質の量に依存的であった。反応の進行に伴い、ATPの加水分解が観察された。炭酸固定反応促進タンパク質を加えないと、イソクエン酸の生成は見られなかった。炭酸固定反応促進タンパク質の他、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ、NADH、MgATPのいずれもが炭酸固定反応の進行に必須であった。しがたって、本タンパク質は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる還元的炭酸固定反応をMgATP依存的に進行させる活性をもつことが明らかになった。
(実施例6:ビオチン化サブユニットの検出)
炭酸固定反応促進蛋白質による炭酸固定反応の進行促進作用は、1Uのアビジン(Sigma)添加により完全に阻害された。したがって、本炭酸固定反応促進蛋白質は、ビオチン蛋白であることが示唆された。そこで、精製した組み換え炭酸固定反応促進蛋白質0.3μgを10%SDS−PAGEに供した後、PVDF膜(Bio-Rad, Sequi-Blot)にブロットし、ストレプトアビジン−HRPコンジュゲート(Pharmacia)を用いてビオチン化ポリペプチドの検出を試みたところ、1本のバンドが検出された(図5、レーン2)。同一のゲルに分子量マーカー(レーンM)と精製した組み換え炭酸固定反応促進蛋白質1.5μg(レーン1)を泳動してCBB染色したものと泳動位置の比較を行ったところ、このバンドは大サブユニットに相当することがわかった。つまり、本蛋白質を構成する2つのサブユニットのうち、大サブユニットだけがビオチン化されていることが明らかになった。同様な実験により、Hydrogenobacter thermophilus TK-6株から精製した炭酸固定反応促進蛋白質についても、大サブユニットがビオチン化されていることが明らかになった。
(実施例7:ゲル濾過法による分子量測定)
炭酸固定反応促進蛋白質の分子量を見積るため、ゲル濾過を行った。カラムはSuperose6(Pharmacia)を用い、溶出液は200mMNaClを含む20mMTris-HCl(pH8.0)緩衝液を用いた。溶出液でカラムを平衡化した後、100μlのサンプルをインジェクトし、280nmの吸収をモニターすることにより蛋白質の溶出位置(Ve)を測定した。分子量マーカーには、Bio-Rad社製ゲル濾過スタンダードを用いた。その結果、炭酸固定反応促進蛋白質は、ゲル濾過スタンダード中で最も分子量の大きいThyloglobulin(670kDa)よりも早く溶出することがわかった。炭酸固定反応促進蛋白質の溶出位置を、図6の矢印に示す。Hydrogenobacter thermophilus TK-6株から精製した炭酸固定反応促進蛋白質も、大腸菌から精製した組み換え炭酸固定反応促進蛋白質も、溶出位置は同一であり、この溶出位置から算出される分子量は900〜1000kDaであった。この値は、ゲル濾過スタンダードによる検量線の範囲を越えているため、正確なものではない。しかし、本炭酸固定反応促進蛋白質は、巨大な複合体構造をとっていることが示唆された。
(実施例8:等電点の測定)
炭酸固定反応促進蛋白質の等電点を見積もるため、等電点電気泳動を行った。泳動に用いたゲルは、4.85%アクリルアミド、0.15%N,N’-メチレンビスアクリルアミド、16.9%グリセリン、2.67%Ampholine(Pharmacia、pH4.0−6.5ブレンド済)から成る液を重合させて作成した。泳動装置は、レゾルマックスIEF(アトー、AE−3230)を用いた。陽極用電極液には0.1Mグルタミン酸を含む0.5Mリン酸溶液を、陰極用電極液には0.1Mβ−アラニン溶液を用いた。1000Vで1時間泳動を行った後、1500Vでさらに1時間、続いて2000Vでさらに1時間半泳動を行った。泳動は、4℃の冷却水を循環させながら行った。泳動後のゲルのpHを実測し、直線的なグラジエントとなっていることを確認した。泳動後のゲルを5%スルホサリチル酸を含む10%トリクロロ酢酸で固定した後、CBB染色を行った。得られた泳動像を図7に示す。大腸菌から精製した組み換え炭酸固定反応促進蛋白質(レーン1)も、Hydrogenobacter thermophilus TK-6株から精製した炭酸固定反応促進蛋白質(レーン2)も、泳動位置は同一であった。ゲルの実測pHと等電点マーカー(Bio-Rad)により等電点を見積もったところ、4.9という値を得た。
(実施例9:至適pH)
炭酸固定反応促進蛋白質の至適pHを見積もるため、さまざまなpH条件下で炭酸固定反応を進行させた。室温下でpH6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5に調整した1MBicine-KOH緩衝液ストックを作製し、これらを1/10量加え、反応液を調製した。反応は、100mMBicine-KOH緩衝液、50mM重炭酸ナトリウム、5mM2−オキソグルタル酸、5mMMgATP、4mMNADH、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(Hydrogenobacter thermophilus TK-6株由来、大腸菌から精製した組み換え酵素を使用)14μg、炭酸固定反応促進蛋白質2.3μgを含む反応液200μl中70℃で行った。反応液をガラス製小試験管に入れて、70℃で4分間インキュベートした後、小試験管を氷冷し、反応を停止させた。反応液中に生成したイソクエン酸量をイオンクロマトクロマトグラフィーにより定量し、炭酸固定活性を測定した。すべての基質を加えた後の反応液を70℃に加温してpHを実測したところ、pH6.5のストックから反応液を調製した場合はpH7.25、pH7.0のストックから反応液を調製した場合はpH7.38、pH7.5のストックから反応液を調製した場合はpH7.45、pH8.0のストックから反応液を調製した場合はpH7.67、pH8.5のストックから反応液を調製した場合はpH8.07、pH9.0のストックから反応液を調製した場合はpH8.42、pH9.5のストックから反応液を調製した場合はpH8.85となっていた。これらの反応液中で炭酸固定活性を測定し、その相対値(最大活性100%)をプロットした結果を図8に示す。本反応の至適pHは8付近にあり、pH8.5のBicine-KOH緩衝液ストックストックから反応液を調製した場合に最大の活性が得られることが明らかになった。
(実施例10:至適温度)
炭酸固定反応促進蛋白質が促進する炭酸固定反応の至適反応温度を見積もるため、さまざまな反応温度で炭酸固定反応を進行させた。反応は、100mMBicine-KOH(pH8.5)緩衝液、50mM重炭酸ナトリウム、10mM2−オキソグルタル酸、10mMMgATP、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(Hydrogenobacter thermophilus TK-6株由来、大腸菌から精製した組み換え酵素を使用)18μg、0.2mMNADH、組み換え炭酸固定反応促進蛋白質(2.3〜5.7μg)を含む反応液250μl中で行った。NADHと炭酸固定反応促進蛋白質を除く溶液を5分間プレインキュベートした後、NADHと炭酸固定反応促進蛋白質を加えて反応を開始させ、340nmにおける吸収減少(最初の1分間)を測定した。反応温度40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃における炭酸固定反応速度を測定した結果を図9に示す。90℃で反応を行うと、30秒間以内で反応の進行が停止した。炭酸固定反応促進蛋白質が促進する炭酸固定反応の至適温度は70〜80℃付近にあることが明らかになった。
(実施例11:耐熱性)
炭酸固定反応促進蛋白質の耐熱性を見積もるため、炭酸固定反応促進蛋白質をさまざまな温度で10分間熱処理した後、炭酸固定反応を進行させた。250μg/mlの組み換え炭酸固定反応促進蛋白質を含む50mMHEPES−KOH緩衝液(pH7.5)を調製し、これを50μlずつ1.5mlチューブ(トレフ製)に分注した。これらのチューブを、50℃、60℃、70℃、72℃、76℃、78℃、80℃、90℃、95℃で10分間インキュベートした後、氷水に移し、急冷した。不溶物を遠心除去した後、上清10μl(炭酸固定反応促進蛋白質2.5μgに相当)について、炭酸固定反応速度を測定した。炭酸固定反応は、100mMBicine-KOH(pH8.5)緩衝液、50mM重炭酸ナトリウム、10mM2−オキソグルタル酸、10mMMgATP、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(Hydrogenobacter thermophilus TK-6株由来、大腸菌から精製した組み換え酵素を使用)18μgを含む反応液250μl中70℃で行った。反応液を5分間プレインキュベートした後、0.2mMNADHと熱処理後の炭酸固定反応促進蛋白質溶液を加えて反応を開始させ、340nmにおける吸収減少(最初の1分間)を測定した。熱処理前の活性を100%とし、熱処理温度と残存活性の関係をプロットした結果を図10に示す。本蛋白質は、70℃で10分間の熱処理を行っても、90%程度の活性が残存した。したがって、本蛋白質の熱安定性が示された。また、得られたプロファイルから本蛋白質50%が失活する温度を見積もったところ、おおよそ78.3℃という値を得た。
(実施例12:速度論パラメータの測定)
炭酸固定反応促進蛋白質の速度論パラメータを測定するため、2−オキソグルタル酸とMgATPの濃度をさまざまに変えて、炭酸固定反応を進行させた。反応は、100mMBicine-KOH(pH8.5)緩衝液、50mM重炭酸ナトリウム、2−オキソグルタル酸、MgATP、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(Hydrogenobacter thermophilus TK-6株由来、大腸菌から精製した組み換え酵素を使用)18μg、0.2mMNADH、炭酸固定反応促進蛋白質3.7μgを含む反応液250μl中70℃で行った。NADHと炭酸固定反応促進蛋白質を除く反応液を5分間プレインキュベートした後、NADHと炭酸固定反応促進蛋白質を加えて反応を開始させ、340nmにおける吸収減少(最初の1分間)を測定した。1分間に1μmolのNADHを酸化させる活性を、1ユニットと定義した。
MgATP濃度を10mMに固定し、2−オキソグルタル酸濃度を0.2mMから5mMまでさまざまに変化させて活性を測定したところ、図11に示すミカエリスメンテン型の曲線を得た。得られた曲線から速度論パラメータを算出したところ、Km値1.03mM、Vmax値5.92U/mgという値を得た。
2−オキソグルタル酸濃度を10mMに固定し、MgATP濃度を0.2mMから5mMまでさまざまに変化させて活性を測定したところ、図12に示すミカエリスメンテン型の曲線を得た。得られた曲線から速度論パラメータを算出したところ、Km値0.789mM、Vmax値6.13U/mgという値を得た。
MgイオンとATPをMgATPとして同時に加えるのではなく、硫酸マグネシウムとNaATPという形で別々に反応に加えた場合の測定も行った。NaATP濃度を10mMに固定し、硫酸マグネシウム濃度を2mMから100mMまでさまざまに変化させて活性を測定したところ、図13に示す曲線を得た。得られた曲線はミカエリスメンテン型ではなかった。至適Mgイオン濃度は10mMであった。高い活性を示すMgイオン濃度の範囲は狭く、10mMより低濃度でも高濃度でも活性が著しく低下した。また、硫酸マグネシウム濃度を10mMに固定し、NaATP濃度を0.2mMから20mMまでさまざまに変化させて活性を測定したところ、図14に示す曲線を得た。得られた曲線はミカエリスメンテン型ではなかった。至適NaATP濃度は10mMであり、10mMより低濃度でも高濃度でも活性が低下した。
大腸菌から精製した組み換え炭酸固定反応促進蛋白質を用いても、Hydrogenobacter thermophilus TK-6株から精製した炭酸固定反応促進蛋白質を用いても、同一の速度論パラメータが得られ、同一プロファイルのMg、ATP依存性を示した。
近年の二酸化炭素排出量の増大による地球温暖化は、深刻な地球環境問題を引き起こしている。このような状況の中、二酸化炭素を物質生産の出発材料に利用しようという試みは、資源エネルギー問題や環境問題との関連においても重要である。
イソクエン酸デヒドロゲナーゼは広く生物界に分布する脱炭酸酵素である。本酵素は、その由来によっては多少の可逆性を示すことが報告されているが、逆反応(炭酸固定反応)はエネルギー的に不利で、ほとんど進行しない。本発明は、本酵素による触媒反応を炭酸固定方向に進行させるためのタンパク質を初めて見出したものである。本発明により、イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる酵素反応を炭酸固定方向に進行させることができるようになれば、二酸化炭素を利用したバイオマス生産技術に応用でき、二酸化炭素問題の解決に役立つ。

なお、2005年2月18日に出願された日本特許出願2005−042671号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (10)

  1. イソクエン酸デヒドロゲナーゼの2−オキソグルタル酸からイソクエン酸への還元的炭酸固定反応を促進させる作用を有し、分子量約72kDaと分子量約49kDaの2つのサブユニットを含む、炭酸固定促進タンパク質。
  2. 下記の(1)から(4)のいずれか1に記載の配列からなる炭酸固定促進活性を有するタンパク質の約72kDaサブユニット。
    (1)配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (2)前記(1)のポリペプチドを含有するポリペプチド
    (3)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (4)配列番号1に記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド
  3. 下記の(1)から(3)のいずれか1に記載の配列からなるDNA。
    (1)請求項2に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又はその相補鎖
    (2)配列番号2に記載の塩基配列からなるDNA又はその相補鎖
    (3)上記(1)又は(2)に記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
  4. 下記の(1)から(4)のいずれか1に記載の配列からなる炭酸固定促進活性を有するタンパク質の約49kDaサブユニット。
    (1)配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (2)前記(1)のポリペプチドを含有するポリペプチド
    (3)配列番号3に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列からなるポリペプチド
    (4)配列番号3に記載のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなるポリペプチド
  5. 下記の(1)から(3)のいずれか1に記載の配列からなるDNA。
    (1)請求項4に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド又はその相補鎖
    (2)配列番号4に記載の塩基配列からなるDNA又はその相補鎖
    (3)上記(1)又は(2)に記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
  6. 請求項3に記載のDNA、請求項5に記載のDNA、又は、請求項3に記載のDNAと請求項5に記載のDNAの両者、を担持するベクター。
  7. 請求項3に記載のDNA、請求項5に記載のDNA、請求項3に記載のDNAと請求項5に記載のDNAの両者、又は請求項6に記載のベクターを担持する形質転換細胞。
  8. 請求項7に記載の形質転換細胞を培養し、発現させたタンパク質を回収する工程を含む炭酸固定促進タンパク質の製造方法。
  9. 請求項2に記載の炭酸固定促進タンパク質のサブユニットと請求項4に記載の炭酸固定促進タンパク質のサブユニットを含む炭酸固定促進タンパク質。
  10. 請求項1又は請求項9に記載の炭酸固定促進タンパク質を用いてイソクエン酸デヒドロゲナーゼの還元的炭酸固定反応を促進させることを特徴とする炭酸固定方法。
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