本発明は、記録された複数の曲データから選曲された楽曲を連続再生する音楽再生装置、方法、記録媒体、および集積回路に関する。
従来、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクやハードディスクに代表されるように、大容量の情報記録媒体が開発されている。例えば、CD(Compact Disk)では記録可能なデータ容量が650MBであったが、DVDでは片面で4.7GBのデータを記録することができるようになっており、青色レーザを用いたさらに高密度な光ディスクも開発されている。また、ハードディスクに関しては、1.8インチで40GBのデータ容量を有するものも開発されており、携帯音楽再生装置等に搭載される携帯型の情報記録媒体として利用されている。
一方、最近ではMP3(MPEG Audio Layer−3)に代表されるような各種の非可逆音声圧縮記録方式が開発され、それらの記録方式を用いて楽曲データを記録することがある。例えば、128kbpsのMP3を用いて5分間の楽曲データを記録した場合、そのデータ量は約5MBとなる。ここで、CD(44.1kHz/16bits/2ch)における5分間の楽曲データの場合、そのデータ量は約50MBとなり、MP3等の非可逆音声圧縮方式を用いれば約10分の1のデータ量となる。この結果、1枚の光ディスク等の情報記録媒体に大量の楽曲データを記録することができるようになり、ユーザは、大量に記録された楽曲データから選曲を行って再生することができるようになっている。
複数曲の中から選曲して連続再生を行う方法としては、ユーザが所望の曲を1曲ずつ選曲、アーティスト名やジャンル名等の書誌情報を用いた選曲、複数曲を記述したプレイリストをユーザが事前に編集して当該プレイリストに基づいた選曲、または再生装置がランダムに曲を選曲するランダム選曲等を行って、当該選曲された楽曲データを連続再生する方法がある。また、複数曲それぞれの特徴量や書誌情報を事前に抽出しておき、ユーザが再生する曲順に関する選曲条件を入力すると、当該選曲条件を満たす特徴量および書誌情報が付与された楽曲データが選曲される方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−73041号公報
しかしながら、上述した従来の選曲方法では、複数曲から選曲して音楽を再生する際に、ユーザは聴きたい曲のみを手間をかけずに再生することが困難であった。例えば、事前に作成するプレイリストに基づいた選曲やランダム選曲では、ユーザがその時点で聴きたい曲のみを再生することが困難である。また、ユーザが大量に記録された楽曲データから聴きたい曲を1曲ずつ選曲するのは非常に手間を必要とし、車載機器のようにユーザが複雑な操作が困難となる環境や、携帯型の音楽再生装置のように入力インターフェイスに制約がある場合等で現実的ではない。また、上記特許文献1で開示された選曲方法においても、曲順を示す選曲条件をユーザが入力する必要があるため、1曲ずつ選曲する場合と同様に大きな手間が必要となる。
それ故に、本発明の目的は、簡単な操作で複数曲からユーザ所望の曲を選曲する音楽再生装置、方法、記録媒体、および集積回路を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の局面は、複数の曲から選曲された曲データを再生する音楽再生装置である。音楽再生装置は、曲データ記録部、属性情報記録部、再生部、操作情報取得部、制御部を備える。曲データ記録部は、複数の曲データを記録する。属性情報記録部は、曲データに関する情報である属性情報を曲データ記録部に記録された複数の曲データそれぞれに対して記録する。再生部は、曲データ記録部に記録された曲データを再生する。操作情報取得部は、再生部の動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報を取得する。制御部は、再生部が再生する曲データを選曲する。制御部は、選曲条件算出部を含む。選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が取得する操作情報の内容に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて再生部が再生する曲データを選曲する条件を算出する。なお、再生部の動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報には、再生曲を飛ばして再生するスキップ操作、再生曲を繰り返して再生するリピート操作、再生曲を巻戻して再生する巻戻し操作、再生曲を早送りして再生する早送り操作、再生曲の再生を一時停止するポーズ操作等がある。
第2の局面は、上記第1の局面において、音楽再生装置は、クロック部を、さらに備える。クロック部は、再生部が曲データを再生する再生開始時点からの経過時間を計測する。選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が操作情報を取得した際、その操作情報の内容およびその操作情報を取得した経過時間とに応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させる。
第3の局面は、上記第2の局面において、選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が操作情報を取得した際、その曲データの再生における操作情報の取得時点の直前に変化した特徴量に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させる。
第4の局面は、上記第3の局面において、選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が操作情報を取得した際、その曲データの再生における操作情報の取得時点がその曲データの再生開始時点から所定の時間内であるとき、その操作情報の取得時点の直前に変化した特徴量に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させる。
第5の局面は、上記第1の局面において、選曲条件算出部は、重み係数設定部を含む。重み係数設定部は、属性情報の優劣を数値で表現した重み係数を設定してそれら属性情報の優劣を管理する。選曲条件算出部は、重み係数設定部が設定している重み係数が第1閾値以上となる属性情報が属性情報記録部に記録されている曲データを再生部が再生する選曲対象として条件を算出する。
第6の局面は、上記第5の局面において、選曲条件算出部は、重み係数設定部が設定している重み係数が第1閾値以上となる属性情報が属性情報記録部に記録されている曲データを再生部が再生する選曲対象とし、重み係数設定部が設定している重み係数が第1閾値より小さい第2閾値以下となる属性情報が属性情報記録部に記録されている曲データを再生部が再生しない非選曲対象として条件を算出する。
第7の局面は、上記第5の局面において、選曲条件算出部は、操作情報取得部が取得する操作情報が再生部の再生している曲データをスキップする指示であるとき、その曲データに関する属性情報それぞれに対して重み係数設定部が管理している重み係数を下げる。
第8の局面は、上記第5の局面において、選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が操作情報を取得しないとき、またはその曲データの再生における操作情報の取得時点がその曲データの再生開始時点から所定の時間を超えたとき、その曲データに関する属性情報それぞれに対して重み係数設定部が管理している重み係数を上げる。
第9の局面は、上記第1の局面において、制御部は、再設定判断部を、さらに含む。再設定判断部は、選曲条件算出部が算出した条件に基づいて選曲された曲データを再生部が順次再生している際、再生曲数に対して再生中に操作情報を取得した曲数の割合が所定の割合以上のとき、選曲条件算出部に対して条件を新たに算出する指示を行う。
第10の局面は、上記第1の局面において、属性情報は、音楽特徴量、物理特徴量、写像情報、および書誌情報を含む。音楽特徴量は、曲のテンポ、ビート、調性、楽曲構造、和音、音色、および音数からなる群から選ばれる少なくとも1つである。物理特徴量は、曲の周波数、音楽信号パワーレベル、およびボーカルの声質からなる群から選ばれる少なくとも1つである。写像情報は、音楽特徴量、物理特徴量、および写像関数を用いて導出される。書誌情報は、アーティスト名、曲名、ジャンル名、歌詞、製作時期、レーベル、編曲者、作曲者、および作詞者からなる群から選ばれる少なくとも1つである。
第11の局面は、上記第1の局面において、音楽再生装置は、表示制御部を、さらに備える。表示制御部は、表示画面に情報を表示する。表示制御部は、曲情報、選曲条件情報、およびプレイリスト情報を表示画面に表示する。曲情報は、再生部が再生中の曲データを示す。選曲条件情報は、選曲条件算出部が算出する選曲条件を示す。プレイリスト情報とを、選曲条件に基づいた選曲される予定の曲データを示す。プレイリスト情報は、選曲条件算出部が選曲条件を算出する毎に更新される。
第12の局面は、記録部に記録された複数の曲から選曲された曲データを再生する音楽再生方法である。音楽再生方法は、属性情報記録ステップ、再生ステップ、操作情報取得ステップ、および制御ステップを含む。属性情報記録ステップは、曲データに関する情報である属性情報を記録部に記録された複数の曲データそれぞれに対して記録する。再生ステップは、記録部に記録された曲データを再生する。操作情報取得ステップは、再生ステップの動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報を取得する。制御ステップは、再生ステップが再生する曲データを選曲する。制御ステップは、選曲条件算出ステップを含む。選曲条件算出ステップは、再生ステップが曲データを再生中に操作情報取得ステップで取得する操作情報の内容に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて再生ステップで再生する曲データを選曲する条件を算出する。
第13の局面は、記録部に記録された複数の曲から選曲された曲データを再生する装置のコンピュータで実行される音楽再生プログラムまたはそれを記録した記録媒体である。記録媒体に記録された音楽再生プログラムは、属性情報記録ステップ、再生ステップ、操作情報取得ステップ、および制御ステップとをコンピュータに実行させる。属性情報記録ステップは、曲データに関する情報である属性情報を記録部に記録された複数の曲データそれぞれに対して記録する。再生ステップは、記録部に記録された曲データを再生する。操作情報取得ステップは、再生ステップの動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報を取得する。制御ステップは、再生ステップが再生する曲データを選曲する。制御ステップは、選曲条件算出ステップを含む。選曲条件算出ステップは、再生ステップが曲データを再生中に操作情報取得ステップで取得する操作情報の内容に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて再生ステップで再生する曲データを選曲する条件を算出する。
第14の局面は、音楽再生装置に用いる集積回路である。音楽再生装置は、曲データ記録部および属性情報記録部を備えている。曲データ記録部は、複数の曲データを記録する。属性情報記録部は、曲データに関する情報である属性情報を曲データ記録部に記録された複数の曲データそれぞれに対して記録する。集積回路は、再生部、操作情報取得部、および制御部を備えている。再生部は、曲データ記録部に記録された曲データを再生する。操作情報取得部は、再生部の動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報を取得する。制御部は、再生部が再生する曲データを選曲する。制御部は、選曲条件算出部を含む。選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が取得する操作情報の内容に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて再生部が再生する曲データを選曲する条件を算出する。
上記第1の局面によれば、曲データに関する情報である属性情報の優劣を、ユーザの操作情報に基づいて変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて選曲が行われるため、ユーザの簡単な操作で聴きたい曲のみを再生することができる。
上記第2の局面によれば、再生曲に対してユーザが行った操作内容とそのタイミングとを用いて操作意図を推定し、ユーザがその曲を好んでいるか判断して属性情報の優劣を変化させる。例えば、再生曲の開始時点や前半部でユーザがスキップ操作した場合、その曲をユーザが好んでいないと判断できる。一方、同じスキップ操作でも再生曲の終盤で操作された場合は、その曲をユーザが好んでいるが最後の伴奏部分をスキップしたいだけであると想定することができ、正確なユーザの好みを選曲に反映できる。
上記第3の局面によれば、ボーカル音声が再生開始される変化やテンポが変化する等、再生途中で変化した特徴量があり、その変化直後にユーザが操作したとき、その変化した特徴量がユーザの気に入らなかった要因またはユーザが好む特徴量が終了したと判断することができる。したがって、再生曲における特徴量の変化に応じて属性情報の優劣を変化させることによって、さらに正確なユーザの好みを選曲に反映できる。
第4の局面によれば、再生開始時点から所定時間内の操作が属性情報の優劣の変化に反映されるため、再生曲の開始時点や前半部と終盤との操作意図の相違を適切に反映することができる。
第5の局面によれば、第1閾値以上となった重み係数が付与された属性情報を有する曲が選曲対象となるため、ユーザが好む要素を含む曲を優先して選曲することができる。
第6の局面によれば、第1閾値以上となった重み係数が付与された属性情報を有する曲から第2閾値以下となった重み係数が付与された属性情報を有する曲を除いた曲が選曲対象となるため、ユーザが好む要素を含む曲からユーザが嫌う要素を含む曲を除いて選曲することができる。
第7の局面によれば、ユーザによる再生曲に対するスキップ操作に応じて、当該スキップ操作された曲に含まれる属性情報を満たす曲をユーザが好まないとして、選曲対象を判断することができる。
第8の局面によれば、ユーザが再生曲を少なくとも所定時間以上再生した場合、その曲に含まれる属性情報を満たす曲をユーザが好んでいるとして、選曲対象を判断することができる。
第9の局面によれば、1回のみの操作では行わずに、操作を行った割合が所定の割合以上に到達したときに、選曲条件が再設定される。例えば、ユーザは、現在の選曲条件に基づいた選曲を好んでいても、ある曲に対してスキップ操作する場合があるが、このような単発的な操作に対しては現在の選曲条件が継続される。したがって、ユーザの意に反して選曲条件が頻繁に変更されることはなく、安定した選曲を行うことができる。
第10の局面によれば、選曲条件を算出する要素を、音楽特徴量、物理特徴量、写像情報、および書誌情報として、ユーザの簡単な操作で聴きたい曲のみを再生することができる。
第11の局面によれば、ユーザが現在算出されている選曲条件を確認することができる。また、プレイリスト情報が選曲条件の変化に伴って刻々と変化するため、ユーザが聴きたいと思う曲がプレイリスト情報に表示されたタイミングで所定の操作することにより、より早くユーザの意図する選曲条件を設定することが可能となる。
また、本発明の音楽再生方法、音楽再生プログラムまたはそれを記録した記録媒体、および音楽再生装置に用いる集積回路によれば、上述した音楽再生装置と同様の効果を得ることができる。
図1は、本発明の第1および第2の実施形態に係る音楽再生装置の構成を示すブロック図である。
図2は、図1の音楽再生装置1が連続再生を行う動作を示すフローチャートである。
図3は、図2のステップS15における本発明の第1の実施形態に係る選曲条件の導出動作の詳細を示すサブルーチンである。
図4は、属性情報に初期設定された重み係数の一例である。
図5は、図4の重み係数の一部が下げられた一例である。
図6は、図5の重み係数の一部が上げられた一例である。
図7は、選曲条件が設定された際の重み係数の一例である。
図8は、図1の音楽再生装置1が行う選曲条件変更処理の動作を示すフローチャートである。
図9は、選曲条件変更の開始する時期の具体例を説明するためのタイミング図である。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る表示部50の表示画面に表示される情報の一例を示す図である。
図11は、図2のステップS15における本発明の第2の実施形態に係る選曲条件の導出動作の詳細を示すサブルーチンである。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る表示部50の表示画面に表示される情報の一例を示す図である。
符号の説明
1…音楽再生装置
11…制御部
111…属性情報付与部
112…選曲条件算出部
113…選曲部
114…再設定判断部
12…クロック部
13…記録部
131…曲データ記録部
132…属性情報記録部
133…書誌情報記録部
14…曲情報取得部
15…操作情報取得部
16…デコード部
17…表示制御部
18…内部バス
50…表示部
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る音楽再生装置について説明する。当該音楽再生装置は、ユーザが所望する楽曲に付与される属性情報を特定し、その属性情報に基づいて複数の楽曲データから選曲して連続再生する。なお、図1は、当該音楽再生装置の構成を示すブロック図である。当該音楽再生装置は、車載機器や携帯型の装置のような移動可能な再生装置や据置型の再生装置であり、具体的には、ポータブル音楽プレーヤ、カーディオ、ミニコンポ、およびホームサーバ等で実現される。
図1において、音楽再生装置1は、制御部11、クロック部12、記録部13、曲情報取得部14、操作情報取得部15、デコード部16、表示制御部17、および内部バス18を備えている。クロック部12は、内部バス18へ時間情報を出力する。曲情報取得部14は、音楽再生装置1の外部から曲データや曲に関する書誌情報を取得して、内部バス18に出力する。操作情報取得部15は、ユーザが再生ボタンやスキップボタン等の操作部を操作(例えば、押下)することによって、当該操作部が生成する操作情報を取得して、内部バス18に出力する。本発明の再生部に対応するデコード部16は、内部バス18を介して記録部13に記録された曲データを再生して、音楽再生装置1に接続されたスピーカ(図示せず)等の音声出力装置へ出力する。表示制御部17は、音楽再生装置1に接続された表示部50(図10参照)にメニュー画面や選曲画面等を表示する。なお、上記音声出力装置や表示部50は、音楽再生装置1に含まれていてもよいし、音楽再生装置1の外部機器であってもかまわない。
制御部11は、属性情報付与部111、選曲条件算出部112、選曲部113、および再設定判断部114を備えている。属性情報付与部111は、記録部13に記録された複数の曲データに対して、それぞれに関する音楽特徴量、物理特徴量、および書誌情報等の属性情報を付与して、記録部13に記録する。選曲条件算出部112は、選曲対象とする曲データの属性情報を算出する。再設定判断部114は、設定された選曲条件を再設定するか否かを判断し、再設定する際に選曲条件算出部112に選曲条件を再設定する指示をする。
なお、図1に示す制御部11(属性情報付与部111、選曲条件算出部112、選曲部113、および再設定判断部114)、曲情報取得部14、操作情報取得部15、デコード部16、および表示制御部17の各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。これらは、個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されても良い。
また、集積回路化の手法は、LSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもかまわない。さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
記録部13は、曲データ記録部131、属性情報記録部132、および書誌情報記録部133を備えている。曲データ記録部131は、複数の曲データを記録する。属性情報記録部132は、属性情報付与部111が付与した曲データ記録部131に記録されている複数の曲データに関する属性情報をそれぞれ記録する。書誌情報記録部133は、曲データに関連するアーティスト名やジャンル名等の書誌情報を記録する。例えば、書誌情報記録部133には、CDDB(CD DataBase)等にアクセスして得られたデータベース情報が予め記録されている。なお、書誌情報記録部133の記録内容は、ネットワーク経由や記録媒体等を経由して、定期的に更新するのが望ましい。
次に、音楽再生装置1が曲データを記録部13に記録する動作について説明する。音楽再生装置1の曲情報取得部14は、音楽メディアをドライブしたり、通信媒体を介して他の音楽メディアサーバにアクセスしたりすることによって曲データを取得し、曲データ記録部131に記録する。曲情報取得部14が曲データを取得すると、属性情報付与部111は、取得した曲に関する属性情報を付与するように動作する。ここで、属性情報付与部111が付与する属性情報は、音楽特徴量、物理特徴量、および書誌情報等を含む。例えば、曲情報取得部14がCDをドライブして曲を取得すると、属性情報付与部111は、ドライブされたCDのTOC(Table of Contents)情報をキーとして書誌情報記録部133を参照し、記録する曲データに対する書誌情報を取得する。ここで、書誌情報は、アーティスト名、曲名、ジャンル名、歌詞、製作時期、レーベル、編曲者、作曲者、および作詞者等を含んでいる。さらに、属性情報付与部111は、曲データを解析して特徴量を抽出し、取得した書誌情報および特徴量を属性情報記録部132に記録する。ここで、特徴量は、曲のテンポ、ビート、調性、楽曲構造、和音、音色、および音数等の音楽特徴量と、周波数、音楽信号パワーレベル、およびボーカルの声質等の物理特徴量と、音楽特徴量や物理特徴量等の値と写像関数を用いて導出される写像情報とを含んでいる。例えば、写像情報は、明るい曲や暗い曲等といった曲の印象を示す感性情報がある。
なお、曲情報取得部14が電子音楽配信等で曲データと共に属性情報を取得する場合は、配信される属性情報を属性情報記録部132に記録してもよい。また、MP3ファイル等のID3タグに属性情報が記録されている場合は、ID3タグの属性情報を属性情報記録部132に記録してもよい。また、書誌情報記録部133に記録された書誌情報を用いずに、ネットワーク等を経由してサイト上に公開されているデータベースを用いて書誌情報を取得してもよい。
次に、図2および図3を参照して、音楽再生装置1が連続再生を行う動作について説明する。なお、図2は、音楽再生装置1が連続再生を行う動作を示すフローチャートである。図3は、図2のステップS15における選曲条件の導出動作の詳細を示すサブルーチンである。
図2において、音楽再生装置1は、ユーザが曲の再生を指示する操作情報を操作情報取得部15が取得する(ステップS11)。次に、制御部11は、選曲条件を設定済が否かを判断する(ステップS12)。そして、選曲条件が未設定の場合、制御部11は、処理を次のステップS13に進める。一方、選曲条件設定済の場合、制御部11は、処理を次のステップS16に進める。
ステップS13において、選曲部113は、曲データ記録部131に記録されている曲データからランダムに曲データを選曲する。次に、デコード部16は、選曲部113で選曲された曲データを再生する(ステップS14)。そして、制御部11は、選曲条件を導出し(ステップS15)、上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。以下、図3を参照して、上記ステップS15における選曲条件の導出動作について説明する。
図3において、制御部11は、操作情報取得部15が上記ステップS14で曲データの再生中にユーザが曲の再生スキップを指示する操作情報を取得したか否かを判断する(ステップS31)。スキップ操作が行われた場合、選曲部113は、クロック部12から時間情報を取得し、上記ステップS14で再生していた曲データの再生開始時点からスキップ操作時点までの再生経過時間を計測する。そして、計測された再生経過時間が時間T1秒(例えば、再生している曲における総再生時間の半分)未満であった場合、選曲条件算出部112は、上記ステップS14で再生した曲が現在のユーザの好みではない曲であると判断し、処理を次のステップS33に進める。一方、上記ステップS31でスキップ操作が行われていないと判断した場合、または計測された上記再生経過時間が時間T1秒以上であった場合、選曲条件算出部112は、処理を次のステップS37に進める。
ステップS33において、選曲条件算出部112は、上記スキップ操作時点から時間T2秒前以内に変化した特徴量を検出する。ここで、T2<T1であり、時間T2は1〜10秒で設定される。次に、選曲条件算出部112は、時間T2秒前以内に変化した特徴量があるか否かを判断する(ステップS34)。そして、選曲条件算出部112は、変化した特徴量がある場合、変化した特徴量がユーザの気に入らなかった大きな要因であるとして、その特徴量に設定されている重み係数(後述)を下げ(ステップS35)、処理を次のステップS36に進める。例えば、曲の途中で特徴量が変化する一例として、ボーカル音声が再生開始される変化やテンポが変化する等がある。典型的には、選曲条件算出部112が特徴量の変化として抽出するのは、属性情報が異なる分類へ変わるような大きな変化(例えば、曲のビートが「2ビート」分類から「4ビート」分類へ変化)である。一方、選曲条件算出部112は、変化した特徴量がない場合、そのまま処理を次のステップS36に進める。
ステップS36において、選曲条件算出部112は、スキップ操作された曲が含んでいる属性情報がユーザの聴きたくない要因が含まれているとし、その属性情報に設定されている重み係数を下げ、処理を次のステップS38に進める。なお、上記ステップS35およびステップS36において、1つの属性情報に設定されている重み係数が2度下げられることがあるため、この場合、上記ステップS36においてステップS35で重み係数が下げられた属性情報を除いて、スキップ操作された曲が含んでいる属性情報に設定されている重み係数を下げてもかまわない。また、上記ステップS35で行う時間T2秒前以内に変化した特徴量に設定されている重み係数の下げ幅と、上記ステップS36で行うスキップ操作された曲が含む属性情報に設定されている重み係数の下げ幅とは、異なっていてもよいし同じでもよい。例えば、時間T2秒前以内に変化した特徴量がある場合、その特徴量に設定されている重み係数の下げ幅を大きくし、上記ステップS36で行う重み係数の下げ幅を小さくしてもかまわない。また、上記ステップS35で行う重み係数の下げ幅および上記ステップS36で行う重み係数の下げ幅の一方を0にしてもかまわない。さらに、時間T2秒前以内に変化した特徴量があるか否かに応じて、上記ステップS36で行うスキップ操作された曲に含まれる属性情報に設定された重み係数の下げ幅を変えてもかまわない。
一方、上記ステップS31でスキップ操作が行われていないと判断した場合、または計測された上記再生経過時間が時間T1秒以上であった場合、選曲条件算出部112は、ユーザは再生している曲に満足しているとし、再生曲が含む属性情報に設定された重み係数を上げる(ステップS37)。そして、処理を次のステップS38に進める。このように、曲の再生中にスキップ操作がなかった場合、ユーザがその曲に満足しているとして、その曲に含まれる属性情報に設定された重み係数が加算される。また、スキップ操作がなされた時の再生経過時間が時間T1秒以降であった場合、ユーザが選曲された曲には満足しているがその曲が聴き飽きただけであるとして、その曲に含まれる属性情報に設定された重み係数が加算される。なお、これらの重み係数を上げる処理を行わなくてもかまわない。この場合、重み係数が増加することがなくなるため、後述する閾値を重み係数のデフォルト値以下に設定して選曲条件の設定が行われる。
ステップS38において、選曲条件算出部112は、選曲条件を設定するか否かを判断する。ここで、1曲だけの再生で属性情報に設定された重み係数を増減させただけでは重み係数に明確な差が現れないと考えられる。したがって、一例として選曲条件算出部112は、所定の複数曲(例えば、5曲)をランダムに再生(ステップS13、S14)して上記ステップS31〜S37の動作を繰り返した後、選曲条件の設定を行う。他の例として選曲条件算出部112は、属性情報に設定された重み係数の少なくとも1つが所定の閾値以上となるまで上記ステップS31〜S37の動作を繰り返した後、選曲条件の設定を行う。そして、選曲条件算出部112は、選曲条件を設定する場合に処理を次のステップS39に進め、選曲条件をまだ設定しない場合に当該サブルーチンによる処理を終了して上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。
ステップS39において、選曲条件算出部112は、重み係数が閾値以上となった属性情報を含む曲データをユーザが聴きたい曲の条件、つまり選曲対象として選曲条件を設定する。そして、選曲条件算出部112は、当該サブルーチンによる処理を終了して上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。このように、重み係数の増減処理をランダムに選曲された複数曲に対して繰り返した後、重み係数が閾値以上となった属性情報をユーザが聴きたい曲の条件、つまり選曲条件として導出される。なお、重み係数が上記閾値未満であっても、重み係数が相対的に大きい上位いくつかの属性情報を選曲条件として設定してもかまわない。また、上記閾値以上となった属性情報を順次選曲条件に加えて上記ステップS13における選曲に利用し、ある一定数の属性情報が選曲条件に加えられたとき、選曲条件が設定されるようにしてもかまわない。
図2に戻り、上記ステップS12で選曲条件が設定済の場合、選曲部113は、選曲条件算出部112で導出された選曲条件を満たす属性情報を属性情報記録部132から検索し、検索された属性情報を含む曲データを曲データ記録部131から選曲する(ステップS16)。次に、デコード部16は、選曲部113で選曲された曲データを再生し(ステップS17)、上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。
このように、既に選曲条件が設定されている場合、その選曲条件に基づいて選曲が行われて連続再生される。一方、選曲条件が設定されていない場合、ランダム選曲が行われて連続再生され、その選曲および再生に対して行われたユーザのスキップ操作に基づいて選曲条件が設定される。なお、選曲条件設定後の連続再生の際、ユーザが選曲条件に満足しているとして、さらに再生されている曲が含む属性情報に設定されている重み係数を上げてもかまわない。
上述したように、選曲条件算出部112は、全ての属性情報に対してそれぞれ選曲条件を導出するための重み係数を設定しており、この重み係数の数値によってそれぞれの属性情報の優劣を設定している。図4〜図7を参照して、属性情報に設定される重み係数の変化の一例を説明する。なお、図4は、属性情報に初期設定された重み係数の一例である。図5は、図4の重み係数の一部が下げられた一例である。図6は、図5の重み係数の一部が上げられた一例である。図7は、選曲条件が設定された際の重み係数の一例である。なお、図4〜図7において、説明を具体的にするために、属性情報を「テンポ遅い」、「テンポ普通」、「テンポ速い」、「2ビート」、「4ビート」、「8ビート」、「16ビート」、「ボーカル女性」、および「ボーカル男性」に着目し、上記重み係数の閾値を「15」とする。
図4において、選曲条件算出部112は、各属性情報に初期設定される重み係数を全てデフォルト値「10」にする。次に、選曲部113によってテンポが遅く、4ビートで男性ボーカルの曲が選曲され、デコード部16が再生したとする。そして、選曲された曲の前半再生中において、男性ボーカルの歌い始めでユーザがスキップ操作を行ったとする。この場合、男性ボーカルの再生時点でスキップ操作されたため、「ボーカル男性」がユーザの聴きたくない主要要因とする。そこで、選曲条件算出部112は、上記ステップS35において属性情報「ボーカル男性」に設定されている重み係数を「−2」して「8」とする。また、選曲条件算出部112は、上記ステップS36において再生されていた曲が含んでいる「ボーカル男性」以外の属性情報(「テンポ遅い」、「4ビート)に設定されている重み係数を「−1」して「9」とする(図5の状態)。
次に、選曲部113によってテンポが速く、16ビートで女性ボーカルの曲が選曲され、デコード部16が再生したとする。そして、ユーザが選曲された曲の再生中においてスキップ操作を行わず、最後まで再生したとする。この場合、再生された曲に含まれる属性情報はユーザが聴きたい要因を含んでいるとする。そこで、選曲条件算出部112は、上記ステップS37において再生されていた曲が含んでいる属性情報(「テンポ速い」、「16ビート」「ボーカル女性」)に設定されている重み係数を「+1」して「11」とする(図6の状態)。
このような重み係数の増減を繰り返して、属性情報「テンポ速い」および「ボーカル女性」に設定された重み係数が閾値「15」に到達したとする(図7の状態)。この場合、選曲条件算出部112は、属性情報「テンポ速い」および/または「ボーカル女性」を含んでいる曲を選曲対象とした選曲条件を設定する。
なお、上述では、ユーザが音楽再生装置1に対してスキップ操作した際に属性情報の重み係数を増減する制御について説明したが、他の操作に応じて重み係数を増減してもかまわない。例えば、ランダム選曲された曲の再生中にユーザが音量調節操作する際、属性情報の重み係数を増減してもかまわない。この場合、ユーザの音量を上げる操作に応じて、再生経過時間がどのような時間であっても、その操作時点より時間T2秒前以内に変化した特徴量の重み係数を上げる。一方、音量を下げる操作に応じて、その操作時点から時間T2前秒以内に変化した特徴量の重み係数を下げる。
また、ランダム選曲された曲の再生中にユーザが行った音量調節操作によって属性情報の重み係数を増減する場合、当該音量調節操作によって変化した音量の変化量に応じて重み係数の上げ幅または下げ幅を変化させてもかまわない。これは、ユーザが音量を上げる操作を行ったとき、その音量を上げる変化量が大きいときはその操作時点付近で変化した特徴量をユーザがより好んでいると判断する動作である。また、ユーザが音量を下げる操作を行ったとき、その音量を下げる変化量が大きいときはその操作時点付近で変化した特徴量をユーザがかなり嫌っていると判断する動作である。この場合、ユーザの音量を上げる操作に応じて、再生経過時間がどのような時間であっても、当該操作で大きくなった音量変化量に応じた上げ幅で、その操作時点より時間T2秒前以内に変化した特徴量の重み係数を上げる。一方、ユーザの音量を下げる操作に応じて、再生経過時間がどのような時間であっても、当該操作で小さくなった音量変化量に応じた下げ幅で、その操作時点より時間T2秒前以内に変化した特徴量の重み係数を下げる。
また、ランダム選曲された曲の再生中にユーザがリピート操作する際、属性情報の重み係数を増減してもかまわない。この場合、ユーザのリピート操作に応じて再度その曲の先頭から再生が開始されたことに応じて、リピート操作時点に対する再生経過時間がどのような時間であってもユーザがその曲が気に入っていると判断し、再生曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げる。なお、同じ曲に対してユーザが2回以上のリピート操作を行った場合、過度な重み係数の上昇を避けるため、2回目以降は再生曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げなくてもかまわない。また、ある曲が再生前にリピート再生の曲に設定された場合、ユーザがその曲を非常に好きであると判断し、その曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げてもかまわない。
また、ランダム選曲された曲の再生中にユーザが巻戻しまたは早送り操作する際、属性情報の重み係数を増減してもかまわない。この場合、ユーザの巻戻しまたは早送り操作に応じた時点まで再生曲が飛び越して再生されるため、その時点から変化する特徴量の重み係数を上げる。なお、巻戻しまたは早送り操作に応じた重み係数の上げ幅は、上記リピート操作に応じた上げ幅と同じでもいいし、いずれか一方が大きくてもかまわない。
また、ランダム選曲された曲の再生中にユーザがポーズ操作する際、属性情報の重み係数を増減してもかまわない。この場合、ユーザは何らかの理由によりランダム選曲された曲の再生を一時停止したが、この曲を気に入っていて再生を継続したいと判断し、再生経過時間がどのような時間であっても、この曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げる。
また、上述した説明では、選曲条件の設定前の選曲はランダム選曲を行っているが、予め曲データから選曲条件を効率的に導出するための複数のサンプル曲を設定しておき、それらサンプル曲を順次選曲して再生しても構わない。バリエーションに富んだ属性情報を含む曲を上記サンプル曲に設定することによって、重み係数が偏って増減することがなく、ユーザが望んでいる適切な選曲条件を効率的に導出することができる。または、スキップ操作された曲に含まれる属性情報を含まない曲を次曲に選曲して、効率的に選曲条件を導出するように制御してもかまわない。
また、ユーザがランダム選曲ではなく再生したい曲を直接検索して再生した場合、検索された曲に含まれる属性情報を含む曲をユーザが望んでいるとし、検索された曲が含んでいる属性情報に設定された重み係数を上げるように制御してもよい。
また、上述した説明では、選曲条件の設定前の選曲はランダム選曲を行っているが、設定された選曲条件を記録しておき、過去の選曲条件を仮に用いて選曲してもかまわない。例えば、前回設定された選曲条件を用いてもいいし、過去の履歴において高頻度で設定された選曲条件を仮に用いてもかまわない。または、選曲条件が設定された時間帯、曜日、季節等の時間的環境に応じて高頻度で設定された選曲条件を記憶しておき、選曲条件の設定前の選曲を現在の月日および時刻に応じた過去の選曲条件を仮に用いて行う。なお、時間的環境は、時間帯、曜日、季節以外のものであってもよく、例えば、祝日やユーザに取って特別な日等に応じて記憶していてもかまわない。
なお、上述した説明において、スキップ操作の時点、その直前に変化した特徴量、およびその曲に含まれる属性情報に基づいて、属性情報に設定された重み係数を増減したが、その増減幅や増減方向は一例であって、他の増減方法でもかまわない。
ここで、上述した方法で選曲条件を設定した後、長時間同じ選曲条件に基づいて連続再生を行っていれば、ユーザがその選曲条件に基づいた音楽に飽きてくるということが考えられる。つまり、ユーザが別の選曲条件に基づいた音楽を聴きたくなるため、選曲条件を変更する必要がある。以下、図8を参照して選曲条件変更処理について説明する。なお、図8は、音楽再生装置1が行う選曲条件変更処理の動作を示すフローチャートである。後述する動作は、ユーザが選曲条件設定後の連続再生中にスキップ操作を所定回数以上行った場合、別の選曲条件に基づいた音楽が聴きたいと判断する一例である。
図8において、選曲条件算出部112が選曲条件を設定した後の連続再生中(図2のステップS17の動作)に、上記再生経過時間が時間T1秒未満の時点でユーザが音楽再生装置1に対してスキップ操作した場合(ステップS51およびS52が共にYes)、再設定判断部114は、処理を次のステップS53に進める。一方、再設定判断部114は、ユーザが上記連続再生中にスキップ操作しない場合(ステップS51でNo)、または上記再生経過時間が時間T1秒以上の時点でユーザがスキップ操作した場合(ステップS52でNo)、現在の選曲条件で次の曲を選曲して(ステップS57)、連続再生を継続して当該フローチャートによる処理を終了する。
ステップS53において、再設定判断部114は、再生した現在曲を含む直前のN曲を対象として、再生経過時間が時間T1秒未満でスキップ操作された回数Cを算出する。次に、再設定判断部114は、上記N曲に対する回数Cの割合(C/N)を算出し、割合C/Nが所定の選曲条件変更閾値Thよりも大きいか否かを判断する(ステップS54)。そして、C/N>Thの場合、再設定判断部114は、ユーザが現在の選曲条件に基づく連続再生に飽きたとし、属性情報に設定されている全ての重み係数をデフォルト値にリセットし(ステップS55)、ランダムに選曲して新たな選曲条件を導出する指示を選曲条件算出部112に行って(ステップS56)、当該フローチャートによる処理を終了する。なお、上記ステップS56に応じて選曲条件算出部112が行う処理は、図2および図3に示したフローチャートに基づいて行われる。一方、C/N≦Thの場合、再設定判断部114は、上記ステップS57の処理を行って、当該フローチャートによる処理を終了する。
このように、再設定判断部114は、上記割合C/Nが所定の選曲条件変更閾値Thよりも大きいとき、ユーザが現在の選曲条件に基づく連続再生に飽きたとして選曲条件の再設定を行う。以下、図9を用いて、選曲条件を再設定するタイミングの具体例を説明する。なお、図9は、選曲条件変更の開始する時期の具体例を説明するためのタイミング図である。
図9において、音楽再生装置1は、設定されている選曲条件に基づいて、曲1〜曲7を選曲し順次再生している。ここで、説明を具体的にするために、再設定判断部114が上記N=4およびTh=0.7に設定しているとする。
このような曲1〜曲7を順次選曲する連続再生に対して、ユーザが曲1〜曲3に対してスキップ操作せずに、曲4の再生経過時間が時間T1秒未満の時点でスキップ操作した場合、N曲(つまり、曲1〜曲4の4曲)に対してスキップ操作された回数Cが1回(つまり、曲4のみ)であるため、C/N=1/4となる。つまり、C/N<Thであるため、再設定判断部114は選曲条件のリセットをせずに現在の選曲条件に基づいて曲5が選曲される。次に、ユーザが曲5の再生経過時間が時間T1秒未満の時点でスキップ操作した場合、N曲(つまり、曲2〜曲5の4曲)に対してスキップ操作された回数Cが2回(つまり、曲4および曲5)であるため、C/N=2/4となる。つまり、C/N<Thであるため、再設定判断部114は選曲条件のリセットをせずに現在の選曲条件に基づいて曲6が選曲される。さらに、ユーザが曲6に対してスキップ操作せずに、曲7の再生経過時間が時間T1秒未満の時点でスキップ操作した場合、N曲(つまり、曲4〜曲7の4曲)に対してスキップ操作された回数Cが3回(つまり、曲4、曲5、および曲7)であるため、C/N=3/4となる。つまり、C/N>Thであるため、再設定判断部114は選曲条件のリセットして、選曲条件を変更した再設定を指示する。なお、NおよびThの値は一例であり、他の値であってもよい。
このように、1回のみのスキップ操作では行わずに、スキップ操作を行った割合が所定の閾値以上に到達したときに、選曲条件が再設定される。例えば、ユーザは、現在の選曲条件に基づいた選曲を好んでいても、ある曲に対してスキップ操作する場合があるが、このような単発的な操作に対しては現在の選曲条件が継続される。したがって、ユーザの意に反して選曲条件が頻繁に変更されることはなく、安定した選曲および連続再生を行うことができる。
なお、再設定判断部114が選曲条件の再設定を指示した後に選曲条件算出部112が行う選曲条件の動作は、図2のフローチャートに基づけばステップS13においてランダム選曲されるが、他の選曲方法で選曲してもかまわない。例えば、図8で示されたフローチャートに動作の後であれば、ユーザは再設定前に設定されていた選曲条件に飽きていることが明らかである。つまり、ユーザにとっては再設定前の選曲条件では選曲されない曲を再生することを望んでいると考えられる。したがって、ユーザが少なくとも今までの選曲条件とは異なる条件で選曲するために、選曲条件に設定されている属性情報の除いた属性情報をランダムにいくつか選択してデフォルトの選曲条件とし、図2のステップS13の選曲処理を行ってもかまわない。または、上記ステップS55において属性情報に設定された重み係数をリセットされる前の各重み係数に関して、所定の閾値(例えば、選曲条件を設定する際の閾値)を設定し、当該閾値以下の属性情報を選曲条件とし、図2のステップS13の選曲処理を行ってもかまわない。
このように、本実施形態に係る音楽再生装置では、ユーザは、スキップ操作等の単純な操作を行うだけで選曲条件が設定されるため、1曲ずつ選曲するといった手間をかけることなく、現在ユーザが聴きたい曲が選曲されて音楽を楽しむことができる。
なお、上述した選曲条件等の処理情報を音楽再生装置1に内蔵あるいは接続された表示部50の表示画面に表示してもかまわない。以下、図10を参照して、表示部50の表示される情報について説明する。なお、図10は、表示部50の表示画面に表示される情報の一例を示す図である。ここで、表示部50は、音楽再生装置1に含まれていてもよいし、音楽再生装置1の外部機器であってもかまわない。表示部50が何れの形態であっても、表示制御部17(図1参照)が表示部50にメニューや選曲情報等を表示する出力を行う。
図10において、上記選曲条件の設定後の連続再生では、表示制御部17の制御によって表示部50の表示画面に再生曲表示情報Im1、選曲条件表示情報Im2、およびプレイリスト表示情報Im3が表示される。再生曲表示情報Im1は、現在、音楽再生装置1が再生中の曲に関する情報であり、例えば、再生曲の曲名(XXX)、再生曲が含まれるアルバム名(YYY)、および再生曲のアーティスト名(ZZZ)が示される。選曲条件表示情報Im2は、選曲条件算出部112が設定している選曲条件として設定されている属性情報であり、例えば、「テンポ速い」、「16ビート」、および/または「ボーカル女性」を属性情報として含む曲が選曲対象となっていることが示される。また、プレイリスト表示情報Im3は、現在の連続再生において次曲以降の選曲候補に関する情報であり、例えば、次曲名「AAA」とそれ以降順次再生される予定の曲名「BBB」および「CCC」とが示される。
ここで、選曲条件表示情報Im2は、選曲条件算出部112が設定した選曲条件を表示部50に表示しているが、選曲条件が設定される前は何も表示しなくてもかまわない。または、選曲条件表示情報Im2として、選曲条件が設定される前であることをユーザに通知する情報を表示部50に表示してもかまわない。
プレイリスト表示情報Im3は、選曲条件が設定される前においても次曲以降の選曲候補を示すため、スキップ操作されることによって選曲条件が変われば、その変化に応じてプレイリスト表示情報Im3も更新される。また、曲の再生中にスキップ操作されなくても、再生曲の再生時間が経過に伴ってその時点でスキップ操作されたと仮定した選曲条件を算出し、当該選曲条件に応じて更新した選曲候補をプレイリスト表示情報Im3として表示部50に表示してもかまわない。例えば、再生曲においてボーカル音が再生され始めたとき、選曲条件算出部112は、その時点でスキップ操作されたと仮定して選曲条件を仮に算出する。そして、表示部50には、仮に算出された選曲条件に基づいた選曲候補がプレイリスト表示情報Im3として表示される。さらに、上記再生曲の再生経過時間が時間T1秒以上経過した後は、スキップ操作されたとしても選曲条件に影響しないため、当該再生曲をユーザが気に入ったとした選曲条件が仮に算出され、当該選曲条件に基づいた選曲候補がプレイリスト表示情報Im3として表示部50に表示される。
なお、表示部50には選曲条件表示情報Im2に現在の選曲条件が表示されるため、ユーザが表示された選曲条件を確認することができる。したがって、ユーザが表示部50に表示された選曲条件を変更したい場合、直接選曲条件を変更してもかまわない。この場合、変更後の選曲条件に応じて、プレイリスト表示情報Im2の内容も変更されて表示部50に表示される。
また、再生曲表示情報Im1、選曲条件表示情報Im2、およびプレイリスト表示情報Im3は、表示部50の表示画面に同時に表示されていなくてもかまわない。例えば、ユーザ操作によって、上記3つ情報Im1〜Im3が順次切り替わって表示部50の表示画面に表示されてもかまわない。
このように、音楽再生装置1の表示部50に選曲条件等の処理情報を表示することによって、ユーザが現在設定されている選曲条件を確認することができ、必要に応じて選曲条件の一部を修正することができ、よりユーザが好む選曲条件の設定が可能となる。また、プレイリスト表示情報Im3で示される選曲候補は、曲の再生経過時間に応じて刻々と変化するため、ユーザが聴きたいと思う曲が選曲候補として表示されたタイミングでスキップ操作することにより、より早くユーザの意図する選曲条件を設定することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る音楽再生装置について説明する。上述した第1の実施形態では、ユーザ操作に応じてユーザが好むと推定される曲に含まれる属性情報を選曲条件として設定し、当該属性情報を含む曲を選曲対象としていた。しかしながら、選曲条件とした属性情報を含む曲であっても、ユーザが聴きたくない要因となる属性情報も一部に含んでいることがある。このような曲は、ユーザが好む属性情報と好まない属性情報とを併せ持っていることになるが、結果的にユーザが聴きたくない曲を選曲することになることも考えられる。したがって、第2の実施形態では、スキップ操作された曲に関する属性情報に基づいて、ユーザが聴きたくない要因となる属性情報を含む曲を非選曲対象として導出し、上記第1の実施形態で設定される選曲対象から、非選曲対象となる曲を排除することによって選曲条件を設定する。
第2の実施形態に係る音楽再生装置は、第1の実施形態に係る音楽再生装置1に対して、選曲条件の導出動作(図3参照)および表示部50に表示される情報(図10参照)のみが異なる。したがって、第2の実施形態に係る音楽再生装置の構成は、図1を用いて説明した第1の実施形態と同様であるため、同一の構成要素に同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。また、第2の実施形態に係る音楽再生装置が連続再生を行う動作は、図2を用いて説明した第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図11は、第2の実施形態で行われる図2のステップS15における選曲条件の導出動作の詳細を示すサブルーチンである。なお、図11に示すステップS71〜S77の動作は、図3を用いて説明した上記ステップS31〜S37の動作と同様であるため、詳細な説明を省略する。つまり、第2の実施形態においても、音楽再生装置1は、スキップ操作時点の時間T2秒前以内に変化した特徴量がある場合、変化した特徴量はユーザの聴きたくない大きな要因であるとし、その特徴量に設定された重み係数を下げる。また、スキップ操作された曲に含まれる他の属性情報については、ユーザが聴きたくない要因が含まれているとし、スキップ操作された曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を下げる。一方、曲の再生中にスキップ操作がなかった場合、またはスキップ操作時点の再生経過時間が時間T1秒以降であった場合、ユーザが選曲された曲には満足しているとして、その曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げる。
ステップS78において、選曲条件算出部112は、選曲条件を設定するか否かを判断する。ここでも、1曲だけの再生で属性情報に設定された重み係数を増減させただけでは重み係数に明確な差が現れないと考えられる。したがって、一例として選曲条件算出部112は、所定の複数曲をランダムに再生(ステップS13、S14)して上記ステップS71〜S77の動作を繰り返した後、選曲条件の設定を行う。他の例として選曲条件算出部112は、属性情報に設定された重み係数の少なくとも1つが後述する第1閾値以上となる、および/または重み係数の少なくとも1つが後述する第2閾値以下となるまで上記ステップS71〜S77の動作を繰り返した後、選曲条件の設定を行う。ここで、第1閾値>第2閾値である。そして、選曲条件算出部112は、選曲条件を設定する場合に処理を次のステップS79に進め、選曲条件をまだ設定しない場合に当該サブルーチンによる処理を終了して上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。
ステップS79において、選曲条件算出部112は、重み係数が第1閾値以上となった属性情報を含む曲データをユーザが聴きたい曲の条件、つまり選曲対象とする。また、選曲条件算出部112は、重み係数が第2閾値以下となった属性情報を含む曲データをユーザが聴きたくない曲の条件、つまり非選曲対象とする。そして、選曲条件算出部112は、選曲対象から非選曲対象を除いた曲が選曲されるように選曲条件を設定する。つまり、選曲条件算出部112は、重み係数が第1閾値以上となった属性情報を含み、かつ重み係数が第2閾値以下となった属性情報を含まないことを選曲条件として設定する。そして、選曲条件算出部112は、当該サブルーチンによる処理を終了して上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。このように、重み係数の増減処理をランダムに選曲された複数曲に対して繰り返した後、重み係数が第1閾値以上となった属性情報をユーザが聴きたい曲の条件とし、重み係数が第2閾値以下となった属性情報をユーザが聴きたくない曲の条件とした選曲条件として導出される。なお、重み係数が上記第1閾値未満であっても、重み係数が相対的に大きい上位いくつかの属性情報を選曲対象としてもかまわない。また、重み係数が上記第2閾値より大きくても、重み係数が相対的に小さい下位いくつかの属性情報を非選曲対象としてもかまわない。
例えば、上述した重み係数の増減を繰り返して図7に示したような属性情報に対する重み係数が設定されたとする。そして、上記第1閾値を「15」とし、上記第2閾値を「10」とする。この場合、重み係数が第2閾値「10」以下である属性情報、つまり「2ビート」または「4ビート」を含む曲が非選曲対象となる。また、重み係数が第1閾値「15」以上である属性情報、つまり「テンポ速い」および/または「ボーカル女性」を含む曲が選曲対象となる。そして、選曲対象であり、かつ非選曲対象でない曲が選曲されることになる。これによって、選曲対象となる「テンポ速い」および/または「ボーカル女性」を属性情報として含む曲のうち、非選曲対象となる「2ビート」または「4ビート」を属性情報として含む曲が除外されて選曲される。
このように、本実施形態に係る音楽再生装置は、ユーザのスキップ操作だけで聴きたくない曲の属性情報を特定することができ、それらの属性情報を含まない曲を非選曲対象して、ユーザの聴きたい曲のみを再生することができる。
なお、上述した非選曲対象を条件に含む選曲条件等の処理情報を音楽再生装置1に内蔵あるいは接続された表示部50の表示画面に表示してもかまわない。以下、図12を参照して、表示部50の表示される情報について説明する。なお、図12は、第2の実施形態における表示部50の表示画面に表示される情報の一例を示す図である。
図12において、上記選曲条件の設定後の連続再生では、表示制御部17の制御によって表示部50の表示画面に再生曲表示情報Im4、選曲条件表示情報Im5、およびプレイリスト表示情報Im6が表示される。再生曲表示情報Im4は、現在、音楽再生装置1が再生中の曲に関する情報であり、例えば、再生曲の曲名(UUU)、再生曲が含まれるアルバム名(VVV)、および再生曲のアーティスト名(WWW)が示される。選曲条件表示情報Im5は、選曲条件算出部112が設定している選曲条件として設定されている属性情報であり、例えば、「テンポ速い」、「16ビート」、および/または「ボーカル女性」を属性情報として含む曲が選曲対象となり、「2ビート」または「4ビート」を属性情報として含む曲が非選曲対象となっていることが示される。また、プレイリスト表示情報Im6は、現在の連続再生において次曲以降の選曲候補に関する情報であり、例えば、次曲名「DDD」とそれ以降順次再生される予定の曲名「EEE」および「FFF」とが示される。
ここで、選曲条件表示情報Im5は、選曲条件算出部112が設定した選曲条件を表示部50に表示しているが、選曲条件が設定される前は何も表示しなくてもかまわない。または、選曲条件表示情報Im2として、選曲条件が設定される前であることをユーザに通知する情報を表示部50に表示してもかまわない。
プレイリスト表示情報Im6は、選曲条件が設定される前においても次曲以降の選曲候補を示すため、スキップ操作されることによって非選曲対象および選曲対象によって定義される選曲条件が変われば、その変化に応じてプレイリスト表示情報Im6も更新される。また、曲の再生中にスキップ操作されなくても、再生曲の再生時間が経過に伴ってその時点でスキップ操作されたと仮定した非選曲対象を算出し、当該非選曲対象に応じて更新した選曲候補をプレイリスト表示情報Im6として表示部50に表示してもかまわない。例えば、再生曲においてボーカル音が再生され始めたとき、選曲条件算出部112は、その時点でスキップ操作されたと仮定して非選曲対象を仮に算出する。そして、表示部50には、仮に算出された選曲条件に基づいた選曲候補がプレイリスト表示情報Im6として表示される。さらに、上記再生曲の再生経過時間が時間T1秒以上経過した後は、スキップ操作されたとしても選曲条件に影響しないため、当該再生曲をユーザが気に入ったとした選曲条件が仮に算出され、当該選曲条件に基づいた選曲候補がプレイリスト表示情報Im6として表示部50に表示される。
なお、表示部50には選曲条件表示情報Im5に現在の選曲条件が表示されるため、ユーザが表示された選曲条件を確認することができる。したがって、ユーザが表示部50に表示された非選曲対象を含む選曲条件を変更したい場合、直接選曲条件を変更してもかまわない。この場合、変更後の選曲条件に応じて、プレイリスト表示情報Im6の内容も変更されて表示部50に表示される。
また、再生曲表示情報Im4、選曲条件表示情報Im5、およびプレイリスト表示情報Im6は、表示部50の表示画面に同時に表示されていなくてもかまわない。例えば、ユーザ操作によって、上記3つ情報Im4〜Im6が順次切り替わって表示部50の表示画面に表示されてもかまわない。
このように、音楽再生装置1の表示部50に非選曲対象を含めた選曲条件等の処理情報を表示することによって、ユーザが現在設定されている選曲条件を確認することができ、必要に応じて選曲条件の一部を修正することができ、よりユーザが好む選曲条件の設定が可能となる。また、プレイリスト表示情報Im6で示される選曲候補は、曲の再生経過時間に応じて刻々と変化するため、ユーザが聴きたいと思う曲が選曲候補として表示されたタイミングでスキップ操作することにより、より早くユーザの意図する選曲条件を設定することが可能となる。
なお、上述した第1および第2の実施形態では、図1に示す構成を有する音楽再生装置によって本発明が実現される一例を説明したが、本発明は他の形態でも実現可能である。例えば、上述した第1および第2の実施形態で説明した動作(ステップ)をコンピュータに実行させる音楽再生プログラムを格納した記録媒体であってもかまわない。この場合、上記記録媒体に記録された音楽再生プログラムを一般的なコンピュータシステムに実行させることによって、当該コンピュータシステムを上述した音楽再生装置として実現することができる。上記音楽再生プログラムは、コンピュータシステム内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。また、上記音楽再生プログラムを記録する情報記録媒体としては、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記録媒体や不揮発性半導体メモリ等の記憶媒体で実現可能である。さらに、上記音楽再生プログラムは、外部記憶媒体を通じてコンピュータシステムに供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてコンピュータシステムに供給されてもかまわない。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る音楽再生装置、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体、および集積回路は、ユーザの単純な操作に応じて選曲条件を設定することができ、記録された複数曲から選曲する装置等に有用である。
本発明は、記録された複数の曲データから選曲された楽曲を連続再生する音楽再生装置、方法、記録媒体、および集積回路に関する。
従来、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクやハードディスクに代表されるように、大容量の情報記録媒体が開発されている。例えば、CD(Compact Disk)では記録可能なデータ容量が650MBであったが、DVDでは片面で4.7GBのデータを記録することができるようになっており、青色レーザを用いたさらに高密度な光ディスクも開発されている。また、ハードディスクに関しては、1.8インチで40GBのデータ容量を有するものも開発されており、携帯音楽再生装置等に搭載される携帯型の情報記録媒体として利用されている。
一方、最近ではMP3(MPEG Audio Layer−3)に代表されるような各種の非可逆音声圧縮記録方式が開発され、それらの記録方式を用いて楽曲データを記録することがある。例えば、128kbpsのMP3を用いて5分間の楽曲データを記録した場合、そのデータ量は約5MBとなる。ここで、CD(44.1kHz/16bits/2ch)における5分間の楽曲データの場合、そのデータ量は約50MBとなり、MP3等の非可逆音声圧縮方式を用いれば約10分の1のデータ量となる。この結果、1枚の光ディスク等の情報記録媒体に大量の楽曲データを記録することができるようになり、ユーザは、大量に記録された楽曲データから選曲を行って再生することができるようになっている。
複数曲の中から選曲して連続再生を行う方法としては、ユーザが所望の曲を1曲ずつ選曲、アーティスト名やジャンル名等の書誌情報を用いた選曲、複数曲を記述したプレイリストをユーザが事前に編集して当該プレイリストに基づいた選曲、または再生装置がランダムに曲を選曲するランダム選曲等を行って、当該選曲された楽曲データを連続再生する方法がある。また、複数曲それぞれの特徴量や書誌情報を事前に抽出しておき、ユーザが再生する曲順に関する選曲条件を入力すると、当該選曲条件を満たす特徴量および書誌情報が付与された楽曲データが選曲される方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−73041号公報
しかしながら、上述した従来の選曲方法では、複数曲から選曲して音楽を再生する際に、ユーザは聴きたい曲のみを手間をかけずに再生することが困難であった。例えば、事前に作成するプレイリストに基づいた選曲やランダム選曲では、ユーザがその時点で聴きたい曲のみを再生することが困難である。また、ユーザが大量に記録された楽曲データから聴きたい曲を1曲ずつ選曲するのは非常に手間を必要とし、車載機器のようにユーザが複雑な操作が困難となる環境や、携帯型の音楽再生装置のように入力インターフェイスに制約がある場合等で現実的ではない。また、上記特許文献1で開示された選曲方法においても、曲順を示す選曲条件をユーザが入力する必要があるため、1曲ずつ選曲する場合と同様に大きな手間が必要となる。
それ故に、本発明の目的は、簡単な操作で複数曲からユーザ所望の曲を選曲する音楽再生装置、方法、記録媒体、および集積回路を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、複数の曲から選曲された曲データを再生する音楽再生装置である。音楽再生装置は、曲データ記録部、属性情報記録部、再生部、操作情報取得部、制御部を備える。曲データ記録部は、複数の曲データを記録する。属性情報記録部は、曲データに関する情報である属性情報を曲データ記録部に記録された複数の曲データそれぞれに対して記録する。再生部は、曲データ記録部に記録された曲データを再生する。操作情報取得部は、再生部の動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報を取得する。制御部は、再生部が再生する曲データを選曲する。制御部は、選曲条件算出部を含む。選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が取得する操作情報の内容に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて再生部が再生する曲データを選曲する条件を算出する。なお、再生部の動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報には、再生曲を飛ばして再生するスキップ操作、再生曲を繰り返して再生するリピート操作、再生曲を巻戻して再生する巻戻し操作、再生曲を早送りして再生する早送り操作、再生曲の再生を一時停止するポーズ操作等がある。
第2の発明は、上記第1の発明において、音楽再生装置は、クロック部を、さらに備える。クロック部は、再生部が曲データを再生する再生開始時点からの経過時間を計測する。選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が操作情報を取得した際、その操作情報の内容およびその操作情報を取得した経過時間とに応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させる。
第3の発明は、上記第2の発明において、選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が操作情報を取得した際、その曲データの再生における操作情報の取得時点の直前に変化した特徴量に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させる。
第4の発明は、上記第3の発明において、選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が操作情報を取得した際、その曲データの再生における操作情報の取得時点がその曲データの再生開始時点から所定の時間内であるとき、その操作情報の取得時点の直前に変化した特徴量に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させる。
第5の発明は、上記第1の発明において、選曲条件算出部は、重み係数設定部を含む。重み係数設定部は、属性情報の優劣を数値で表現した重み係数を設定してそれら属性情報の優劣を管理する。選曲条件算出部は、重み係数設定部が設定している重み係数が第1閾値以上となる属性情報が属性情報記録部に記録されている曲データを再生部が再生する選曲対象として条件を算出する。
第6の発明は、上記第5の発明において、選曲条件算出部は、重み係数設定部が設定している重み係数が第1閾値以上となる属性情報が属性情報記録部に記録されている曲データを再生部が再生する選曲対象とし、重み係数設定部が設定している重み係数が第1閾値より小さい第2閾値以下となる属性情報が属性情報記録部に記録されている曲データを再生部が再生しない非選曲対象として条件を算出する。
第7の発明は、上記第5の発明において、選曲条件算出部は、操作情報取得部が取得する操作情報が再生部の再生している曲データをスキップする指示であるとき、その曲データに関する属性情報それぞれに対して重み係数設定部が管理している重み係数を下げる。
第8の発明は、上記第5の発明において、選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が操作情報を取得しないとき、またはその曲データの再生における操作情報の取得時点がその曲データの再生開始時点から所定の時間を超えたとき、その曲データに関する属性情報それぞれに対して重み係数設定部が管理している重み係数を上げる。
第9の発明は、上記第1の発明において、制御部は、再設定判断部を、さらに含む。再設定判断部は、選曲条件算出部が算出した条件に基づいて選曲された曲データを再生部が順次再生している際、再生曲数に対して再生中に操作情報を取得した曲数の割合が所定の割合以上のとき、選曲条件算出部に対して条件を新たに算出する指示を行う。
第10の発明は、上記第1の発明において、属性情報は、音楽特徴量、物理特徴量、写像情報、および書誌情報を含む。音楽特徴量は、曲のテンポ、ビート、調性、楽曲構造、和音、音色、および音数からなる群から選ばれる少なくとも1つである。物理特徴量は、曲の周波数、音楽信号パワーレベル、およびボーカルの声質からなる群から選ばれる少なくとも1つである。写像情報は、音楽特徴量、物理特徴量、および写像関数を用いて導出される。書誌情報は、アーティスト名、曲名、ジャンル名、歌詞、製作時期、レーベル、編曲者、作曲者、および作詞者からなる群から選ばれる少なくとも1つである。
第11の発明は、上記第1の発明において、音楽再生装置は、表示制御部を、さらに備える。表示制御部は、表示画面に情報を表示する。表示制御部は、曲情報、選曲条件情報、およびプレイリスト情報を表示画面に表示する。曲情報は、再生部が再生中の曲データを示す。選曲条件情報は、選曲条件算出部が算出する選曲条件を示す。プレイリスト情報とを、選曲条件に基づいた選曲される予定の曲データを示す。プレイリスト情報は、選曲条件算出部が選曲条件を算出する毎に更新される。
第12の発明は、記録部に記録された複数の曲から選曲された曲データを再生する音楽再生方法である。音楽再生方法は、属性情報記録ステップ、再生ステップ、操作情報取得ステップ、および制御ステップを含む。属性情報記録ステップは、曲データに関する情報である属性情報を記録部に記録された複数の曲データそれぞれに対して記録する。再生ステップは、記録部に記録された曲データを再生する。操作情報取得ステップは、再生ステップの動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報を取得する。制御ステップは、再生ステップが再生する曲データを選曲する。制御ステップは、選曲条件算出ステップを含む。選曲条件算出ステップは、再生ステップが曲データを再生中に操作情報取得ステップで取得する操作情報の内容に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて再生ステップで再生する曲データを選曲する条件を算出する。
第13の発明は、記録部に記録された複数の曲から選曲された曲データを再生する装置のコンピュータで実行される音楽再生プログラムまたはそれを記録した記録媒体である。記録媒体に記録された音楽再生プログラムは、属性情報記録ステップ、再生ステップ、操作情報取得ステップ、および制御ステップとをコンピュータに実行させる。属性情報記録ステップは、曲データに関する情報である属性情報を記録部に記録された複数の曲データそれぞれに対して記録する。再生ステップは、記録部に記録された曲データを再生する。操作情報取得ステップは、再生ステップの動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報を取得する。制御ステップは、再生ステップが再生する曲データを選曲する。制御ステップは、選曲条件算出ステップを含む。選曲条件算出ステップは、再生ステップが曲データを再生中に操作情報取得ステップで取得する操作情報の内容に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて再生ステップで再生する曲データを選曲する条件を算出する。
第14の発明は、音楽再生装置に用いる集積回路である。音楽再生装置は、曲データ記録部および属性情報記録部を備えている。曲データ記録部は、複数の曲データを記録する。属性情報記録部は、曲データに関する情報である属性情報を曲データ記録部に記録された複数の曲データそれぞれに対して記録する。集積回路は、再生部、操作情報取得部、および制御部を備えている。再生部は、曲データ記録部に記録された曲データを再生する。操作情報取得部は、再生部の動作に対する指示を示すユーザ操作に応じた操作情報を取得する。制御部は、再生部が再生する曲データを選曲する。制御部は、選曲条件算出部を含む。選曲条件算出部は、再生部が曲データを再生中に操作情報取得部が取得する操作情報の内容に応じてその曲データに関する属性情報の優劣を変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて再生部が再生する曲データを選曲する条件を算出する。
上記第1の発明によれば、曲データに関する情報である属性情報の優劣を、ユーザの操作情報に基づいて変化させ、それら属性情報の優劣に基づいて選曲が行われるため、ユーザの簡単な操作で聴きたい曲のみを再生することができる。
上記第2の発明によれば、再生曲に対してユーザが行った操作内容とそのタイミングとを用いて操作意図を推定し、ユーザがその曲を好んでいるか判断して属性情報の優劣を変化させる。例えば、再生曲の開始時点や前半部でユーザがスキップ操作した場合、その曲をユーザが好んでいないと判断できる。一方、同じスキップ操作でも再生曲の終盤で操作された場合は、その曲をユーザが好んでいるが最後の伴奏部分をスキップしたいだけであると想定することができ、正確なユーザの好みを選曲に反映できる。
上記第3の発明によれば、ボーカル音声が再生開始される変化やテンポが変化する等、再生途中で変化した特徴量があり、その変化直後にユーザが操作したとき、その変化した特徴量がユーザの気に入らなかった要因またはユーザが好む特徴量が終了したと判断することができる。したがって、再生曲における特徴量の変化に応じて属性情報の優劣を変化させることによって、さらに正確なユーザの好みを選曲に反映できる。
第4の発明によれば、再生開始時点から所定時間内の操作が属性情報の優劣の変化に反映されるため、再生曲の開始時点や前半部と終盤との操作意図の相違を適切に反映することができる。
第5の発明によれば、第1閾値以上となった重み係数が付与された属性情報を有する曲が選曲対象となるため、ユーザが好む要素を含む曲を優先して選曲することができる。
第6の発明によれば、第1閾値以上となった重み係数が付与された属性情報を有する曲から第2閾値以下となった重み係数が付与された属性情報を有する曲を除いた曲が選曲対象となるため、ユーザが好む要素を含む曲からユーザが嫌う要素を含む曲を除いて選曲することができる。
第7の発明によれば、ユーザによる再生曲に対するスキップ操作に応じて、当該スキップ操作された曲に含まれる属性情報を満たす曲をユーザが好まないとして、選曲対象を判断することができる。
第8の発明によれば、ユーザが再生曲を少なくとも所定時間以上再生した場合、その曲に含まれる属性情報を満たす曲をユーザが好んでいるとして、選曲対象を判断することができる。
第9の発明によれば、1回のみの操作では行わずに、操作を行った割合が所定の割合以上に到達したときに、選曲条件が再設定される。例えば、ユーザは、現在の選曲条件に基づいた選曲を好んでいても、ある曲に対してスキップ操作する場合があるが、このような単発的な操作に対しては現在の選曲条件が継続される。したがって、ユーザの意に反して選曲条件が頻繁に変更されることはなく、安定した選曲を行うことができる。
第10の発明によれば、選曲条件を算出する要素を、音楽特徴量、物理特徴量、写像情報、および書誌情報として、ユーザの簡単な操作で聴きたい曲のみを再生することができる。
第11の発明によれば、ユーザが現在算出されている選曲条件を確認することができる。また、プレイリスト情報が選曲条件の変化に伴って刻々と変化するため、ユーザが聴きたいと思う曲がプレイリスト情報に表示されたタイミングで所定の操作することにより、より早くユーザの意図する選曲条件を設定することが可能となる。
また、本発明の音楽再生方法、音楽再生プログラムまたはそれを記録した記録媒体、および音楽再生装置に用いる集積回路によれば、上述した音楽再生装置と同様の効果を得ることができる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る音楽再生装置について説明する。当該音楽再生装置は、ユーザが所望する楽曲に付与される属性情報を特定し、その属性情報に基づいて複数の楽曲データから選曲して連続再生する。なお、図1は、当該音楽再生装置の構成を示すブロック図である。当該音楽再生装置は、車載機器や携帯型の装置のような移動可能な再生装置や据置型の再生装置であり、具体的には、ポータブル音楽プレーヤ、カーオーディオ、ミニコンポ、およびホームサーバ等で実現される。
図1において、音楽再生装置1は、制御部11、クロック部12、記録部13、曲情報取得部14、操作情報取得部15、デコード部16、表示制御部17、および内部バス18を備えている。クロック部12は、内部バス18へ時間情報を出力する。曲情報取得部14は、音楽再生装置1の外部から曲データや曲に関する書誌情報を取得して、内部バス18に出力する。操作情報取得部15は、ユーザが再生ボタンやスキップボタン等の操作部を操作(例えば、押下)することによって、当該操作部が生成する操作情報を取得して、内部バス18に出力する。本発明の再生部に対応するデコード部16は、内部バス18を介して記録部13に記録された曲データを再生して、音楽再生装置1に接続されたスピーカ(図示せず)等の音声出力装置へ出力する。表示制御部17は、音楽再生装置1に接続された表示部50(図10参照)にメニュー画面や選曲画面等を表示する。なお、上記音声出力装置や表示部50は、音楽再生装置1に含まれていてもよいし、音楽再生装置1の外部機器であってもかまわない。
制御部11は、属性情報付与部111、選曲条件算出部112、選曲部113、および再設定判断部114を備えている。属性情報付与部111は、記録部13に記録された複数の曲データに対して、それぞれに関する音楽特徴量、物理特徴量、および書誌情報等の属性情報を付与して、記録部13に記録する。選曲条件算出部112は、選曲対象とする曲データの属性情報を算出する。再設定判断部114は、設定された選曲条件を再設定するか否かを判断し、再設定する際に選曲条件算出部112に選曲条件を再設定する指示をする。
なお、図1に示す制御部11(属性情報付与部111、選曲条件算出部112、選曲部113、および再設定判断部114)、曲情報取得部14、操作情報取得部15、デコード部16、および表示制御部17の各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。これらは、個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されても良い。
また、集積回路化の手法は、LSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもかまわない。さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
記録部13は、曲データ記録部131、属性情報記録部132、および書誌情報記録部133を備えている。曲データ記録部131は、複数の曲データを記録する。属性情報記録部132は、属性情報付与部111が付与した曲データ記録部131に記録されている複数の曲データに関する属性情報をそれぞれ記録する。書誌情報記録部133は、曲データに関連するアーティスト名やジャンル名等の書誌情報を記録する。例えば、書誌情報記録部133には、CDDB(CD DataBase)等にアクセスして得られたデータベース情報が予め記録されている。なお、書誌情報記録部133の記録内容は、ネットワーク経由や記録媒体等を経由して、定期的に更新するのが望ましい。
次に、音楽再生装置1が曲データを記録部13に記録する動作について説明する。音楽再生装置1の曲情報取得部14は、音楽メディアをドライブしたり、通信媒体を介して他の音楽メディアサーバにアクセスしたりすることによって曲データを取得し、曲データ記録部131に記録する。曲情報取得部14が曲データを取得すると、属性情報付与部111は、取得した曲に関する属性情報を付与するように動作する。ここで、属性情報付与部111が付与する属性情報は、音楽特徴量、物理特徴量、および書誌情報等を含む。例えば、曲情報取得部14がCDをドライブして曲を取得すると、属性情報付与部111は、ドライブされたCDのTOC(Table of Contents)情報をキーとして書誌情報記録部133を参照し、記録する曲データに対する書誌情報を取得する。ここで、書誌情報は、アーティスト名、曲名、ジャンル名、歌詞、製作時期、レーベル、編曲者、作曲者、および作詞者等を含んでいる。さらに、属性情報付与部111は、曲データを解析して特徴量を抽出し、取得した書誌情報および特徴量を属性情報記録部132に記録する。ここで、特徴量は、曲のテンポ、ビート、調性、楽曲構造、和音、音色、および音数等の音楽特徴量と、周波数、音楽信号パワーレベル、およびボーカルの声質等の物理特徴量と、音楽特徴量や物理特徴量等の値と写像関数を用いて導出される写像情報とを含んでいる。例えば、写像情報は、明るい曲や暗い曲等といった曲の印象を示す感性情報がある。
なお、曲情報取得部14が電子音楽配信等で曲データと共に属性情報を取得する場合は、配信される属性情報を属性情報記録部132に記録してもよい。また、MP3ファイル等のID3タグに属性情報が記録されている場合は、ID3タグの属性情報を属性情報記録部132に記録してもよい。また、書誌情報記録部133に記録された書誌情報を用いずに、ネットワーク等を経由してサイト上に公開されているデータベースを用いて書誌情報を取得してもよい。
次に、図2および図3を参照して、音楽再生装置1が連続再生を行う動作について説明する。なお、図2は、音楽再生装置1が連続再生を行う動作を示すフローチャートである。図3は、図2のステップS15における選曲条件の導出動作の詳細を示すサブルーチンである。
図2において、音楽再生装置1は、ユーザが曲の再生を指示する操作情報を操作情報取得部15が取得する(ステップS11)。次に、制御部11は、選曲条件を設定済が否かを判断する(ステップS12)。そして、選曲条件が未設定の場合、制御部11は、処理を次のステップS13に進める。一方、選曲条件設定済の場合、制御部11は、処理を次のステップS16に進める。
ステップS13において、選曲部113は、曲データ記録部131に記録されている曲データからランダムに曲データを選曲する。次に、デコード部16は、選曲部113で選曲された曲データを再生する(ステップS14)。そして、制御部11は、選曲条件を導出し(ステップS15)、上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。以下、図3を参照して、上記ステップS15における選曲条件の導出動作について説明する。
図3において、制御部11は、操作情報取得部15が上記ステップS14で曲データの再生中にユーザが曲の再生スキップを指示する操作情報を取得したか否かを判断する(ステップS31)。スキップ操作が行われた場合、選曲部113は、クロック部12から時間情報を取得し、上記ステップS14で再生していた曲データの再生開始時点からスキップ操作時点までの再生経過時間を計測する。そして、計測された再生経過時間が時間T1秒(例えば、再生している曲における総再生時間の半分)未満であった場合、選曲条件算出部112は、上記ステップS14で再生した曲が現在のユーザの好みではない曲であると判断し、処理を次のステップS33に進める。一方、上記ステップS31でスキップ操作が行われていないと判断した場合、または計測された上記再生経過時間が時間T1秒以上であった場合、選曲条件算出部112は、処理を次のステップS37に進める。
ステップS33において、選曲条件算出部112は、上記スキップ操作時点から時間T2秒前以内に変化した特徴量を検出する。ここで、T2<T1であり、時間T2は1〜10秒で設定される。次に、選曲条件算出部112は、時間T2秒前以内に変化した特徴量があるか否かを判断する(ステップS34)。そして、選曲条件算出部112は、変化した特徴量がある場合、変化した特徴量がユーザの気に入らなかった大きな要因であるとして、その特徴量に設定されている重み係数(後述)を下げ(ステップS35)、処理を次のステップS36に進める。例えば、曲の途中で特徴量が変化する一例として、ボーカル音声が再生開始される変化やテンポが変化する等がある。典型的には、選曲条件算出部112が特徴量の変化として抽出するのは、属性情報が異なる分類へ変わるような大きな変化(例えば、曲のビートが「2ビート」分類から「4ビート」分類へ変化)である。一方、選曲条件算出部112は、変化した特徴量がない場合、そのまま処理を次のステップS36に進める。
ステップS36において、選曲条件算出部112は、スキップ操作された曲が含んでいる属性情報がユーザの聴きたくない要因が含まれているとし、その属性情報に設定されている重み係数を下げ、処理を次のステップS38に進める。なお、上記ステップS35およびステップS36において、1つの属性情報に設定されている重み係数が2度下げられることがあるため、この場合、上記ステップS36においてステップS35で重み係数が下げられた属性情報を除いて、スキップ操作された曲が含んでいる属性情報に設定されている重み係数を下げてもかまわない。また、上記ステップS35で行う時間T2秒前以内に変化した特徴量に設定されている重み係数の下げ幅と、上記ステップS36で行うスキップ操作された曲が含む属性情報に設定されている重み係数の下げ幅とは、異なっていてもよいし同じでもよい。例えば、時間T2秒前以内に変化した特徴量がある場合、その特徴量に設定されている重み係数の下げ幅を大きくし、上記ステップS36で行う重み係数の下げ幅を小さくしてもかまわない。また、上記ステップS35で行う重み係数の下げ幅および上記ステップS36で行う重み係数の下げ幅の一方を0にしてもかまわない。さらに、時間T2秒前以内に変化した特徴量があるか否かに応じて、上記ステップS36で行うスキップ操作された曲に含まれる属性情報に設定された重み係数の下げ幅を変えてもかまわない。
一方、上記ステップS31でスキップ操作が行われていないと判断した場合、または計測された上記再生経過時間が時間T1秒以上であった場合、選曲条件算出部112は、ユーザは再生している曲に満足しているとし、再生曲が含む属性情報に設定された重み係数を上げる(ステップS37)。そして、処理を次のステップS38に進める。このように、曲の再生中にスキップ操作がなかった場合、ユーザがその曲に満足しているとして、その曲に含まれる属性情報に設定された重み係数が加算される。また、スキップ操作がなされた時の再生経過時間が時間T1秒以降であった場合、ユーザが選曲された曲には満足しているがその曲が聴き飽きただけであるとして、その曲に含まれる属性情報に設定された重み係数が加算される。なお、これらの重み係数を上げる処理を行わなくてもかまわない。この場合、重み係数が増加することがなくなるため、後述する閾値を重み係数のデフォルト値以下に設定して選曲条件の設定が行われる。
ステップS38において、選曲条件算出部112は、選曲条件を設定するか否かを判断する。ここで、1曲だけの再生で属性情報に設定された重み係数を増減させただけでは重み係数に明確な差が現れないと考えられる。したがって、一例として選曲条件算出部112は、所定の複数曲(例えば、5曲)をランダムに再生(ステップS13、S14)して上記ステップS31〜S37の動作を繰り返した後、選曲条件の設定を行う。他の例として選曲条件算出部112は、属性情報に設定された重み係数の少なくとも1つが所定の閾値以上となるまで上記ステップS31〜S37の動作を繰り返した後、選曲条件の設定を行う。そして、選曲条件算出部112は、選曲条件を設定する場合に処理を次のステップS39に進め、選曲条件をまだ設定しない場合に当該サブルーチンによる処理を終了して上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。
ステップS39において、選曲条件算出部112は、重み係数が閾値以上となった属性情報を含む曲データをユーザが聴きたい曲の条件、つまり選曲対象として選曲条件を設定する。そして、選曲条件算出部112は、当該サブルーチンによる処理を終了して上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。このように、重み係数の増減処理をランダムに選曲された複数曲に対して繰り返した後、重み係数が閾値以上となった属性情報をユーザが聴きたい曲の条件、つまり選曲条件として導出される。なお、重み係数が上記閾値未満であっても、重み係数が相対的に大きい上位いくつかの属性情報を選曲条件として設定してもかまわない。また、上記閾値以上となった属性情報を順次選曲条件に加えて上記ステップS13における選曲に利用し、ある一定数の属性情報が選曲条件に加えられたとき、選曲条件が設定されるようにしてもかまわない。
図2に戻り、上記ステップS12で選曲条件が設定済の場合、選曲部113は、選曲条件算出部112で導出された選曲条件を満たす属性情報を属性情報記録部132から検索し、検索された属性情報を含む曲データを曲データ記録部131から選曲する(ステップS16)。次に、デコード部16は、選曲部113で選曲された曲データを再生し(ステップS17)、上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。
このように、既に選曲条件が設定されている場合、その選曲条件に基づいて選曲が行われて連続再生される。一方、選曲条件が設定されていない場合、ランダム選曲が行われて連続再生され、その選曲および再生に対して行われたユーザのスキップ操作に基づいて選曲条件が設定される。なお、選曲条件設定後の連続再生の際、ユーザが選曲条件に満足しているとして、さらに再生されている曲が含む属性情報に設定されている重み係数を上げてもかまわない。
上述したように、選曲条件算出部112は、全ての属性情報に対してそれぞれ選曲条件を導出するための重み係数を設定しており、この重み係数の数値によってそれぞれの属性情報の優劣を設定している。図4〜図7を参照して、属性情報に設定される重み係数の変化の一例を説明する。なお、図4は、属性情報に初期設定された重み係数の一例である。図5は、図4の重み係数の一部が下げられた一例である。図6は、図5の重み係数の一部が上げられた一例である。図7は、選曲条件が設定された際の重み係数の一例である。なお、図4〜図7において、説明を具体的にするために、属性情報を「テンポ遅い」、「テンポ普通」、「テンポ速い」、「2ビート」、「4ビート」、「8ビート」、「16ビート」、「ボーカル女性」、および「ボーカル男性」に着目し、上記重み係数の閾値を「15」とする。
図4において、選曲条件算出部112は、各属性情報に初期設定される重み係数を全てデフォルト値「10」にする。次に、選曲部113によってテンポが遅く、4ビートで男性ボーカルの曲が選曲され、デコード部16が再生したとする。そして、選曲された曲の前半再生中において、男性ボーカルの歌い始めでユーザがスキップ操作を行ったとする。この場合、男性ボーカルの再生時点でスキップ操作されたため、「ボーカル男性」がユーザの聴きたくない主要要因とする。そこで、選曲条件算出部112は、上記ステップS35において属性情報「ボーカル男性」に設定されている重み係数を「−2」して「8」とする。また、選曲条件算出部112は、上記ステップS36において再生されていた曲が含んでいる「ボーカル男性」以外の属性情報(「テンポ遅い」、「4ビート」)に設定されている重み係数を「−1」して「9」とする(図5の状態)。
次に、選曲部113によってテンポが速く、16ビートで女性ボーカルの曲が選曲され、デコード部16が再生したとする。そして、ユーザが選曲された曲の再生中においてスキップ操作を行わず、最後まで再生したとする。この場合、再生された曲に含まれる属性情報はユーザが聴きたい要因を含んでいるとする。そこで、選曲条件算出部112は、上記ステップS37において再生されていた曲が含んでいる属性情報(「テンポ速い」、「16ビート」「ボーカル女性」)に設定されている重み係数を「+1」して「11」とする(図6の状態)。
このような重み係数の増減を繰り返して、属性情報「テンポ速い」および「ボーカル女性」に設定された重み係数が閾値「15」に到達したとする(図7の状態)。この場合、選曲条件算出部112は、属性情報「テンポ速い」および/または「ボーカル女性」を含んでいる曲を選曲対象とした選曲条件を設定する。
なお、上述では、ユーザが音楽再生装置1に対してスキップ操作した際に属性情報の重み係数を増減する制御について説明したが、他の操作に応じて重み係数を増減してもかまわない。例えば、ランダム選曲された曲の再生中にユーザが音量調節操作する際、属性情報の重み係数を増減してもかまわない。この場合、ユーザの音量を上げる操作に応じて、再生経過時間がどのような時間であっても、その操作時点より時間T2秒前以内に変化した特徴量の重み係数を上げる。一方、音量を下げる操作に応じて、その操作時点から時間T2前秒以内に変化した特徴量の重み係数を下げる。
また、ランダム選曲された曲の再生中にユーザが行った音量調節操作によって属性情報の重み係数を増減する場合、当該音量調節操作によって変化した音量の変化量に応じて重み係数の上げ幅または下げ幅を変化させてもかまわない。これは、ユーザが音量を上げる操作を行ったとき、その音量を上げる変化量が大きいときはその操作時点付近で変化した特徴量をユーザがより好んでいると判断する動作である。また、ユーザが音量を下げる操作を行ったとき、その音量を下げる変化量が大きいときはその操作時点付近で変化した特徴量をユーザがかなり嫌っていると判断する動作である。この場合、ユーザの音量を上げる操作に応じて、再生経過時間がどのような時間であっても、当該操作で大きくなった音量変化量に応じた上げ幅で、その操作時点より時間T2秒前以内に変化した特徴量の重み係数を上げる。一方、ユーザの音量を下げる操作に応じて、再生経過時間がどのような時間であっても、当該操作で小さくなった音量変化量に応じた下げ幅で、その操作時点より時間T2秒前以内に変化した特徴量の重み係数を下げる。
また、ランダム選曲された曲の再生中にユーザがリピート操作する際、属性情報の重み係数を増減してもかまわない。この場合、ユーザのリピート操作に応じて再度その曲の先頭から再生が開始されたことに応じて、リピート操作時点に対する再生経過時間がどのような時間であってもユーザがその曲が気に入っていると判断し、再生曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げる。なお、同じ曲に対してユーザが2回以上のリピート操作を行った場合、過度な重み係数の上昇を避けるため、2回目以降は再生曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げなくてもかまわない。また、ある曲が再生前にリピート再生の曲に設定された場合、ユーザがその曲を非常に好きであると判断し、その曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げてもかまわない。
また、ランダム選曲された曲の再生中にユーザが巻戻しまたは早送り操作する際、属性情報の重み係数を増減してもかまわない。この場合、ユーザの巻戻しまたは早送り操作に応じた時点まで再生曲が飛び越して再生されるため、その時点から変化する特徴量の重み係数を上げる。なお、巻戻しまたは早送り操作に応じた重み係数の上げ幅は、上記リピート操作に応じた上げ幅と同じでもいいし、いずれか一方が大きくてもかまわない。
また、ランダム選曲された曲の再生中にユーザがポーズ操作する際、属性情報の重み係数を増減してもかまわない。この場合、ユーザは何らかの理由によりランダム選曲された曲の再生を一時停止したが、この曲を気に入っていて再生を継続したいと判断し、再生経過時間がどのような時間であっても、この曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げる。
また、上述した説明では、選曲条件の設定前の選曲はランダム選曲を行っているが、予め曲データから選曲条件を効率的に導出するための複数のサンプル曲を設定しておき、それらサンプル曲を順次選曲して再生しても構わない。バリエーションに富んだ属性情報を含む曲を上記サンプル曲に設定することによって、重み係数が偏って増減することがなく、ユーザが望んでいる適切な選曲条件を効率的に導出することができる。または、スキップ操作された曲に含まれる属性情報を含まない曲を次曲に選曲して、効率的に選曲条件を導出するように制御してもかまわない。
また、ユーザがランダム選曲ではなく再生したい曲を直接検索して再生した場合、検索された曲に含まれる属性情報を含む曲をユーザが望んでいるとし、検索された曲が含んでいる属性情報に設定された重み係数を上げるように制御してもよい。
また、上述した説明では、選曲条件の設定前の選曲はランダム選曲を行っているが、設定された選曲条件を記録しておき、過去の選曲条件を仮に用いて選曲してもかまわない。例えば、前回設定された選曲条件を用いてもいいし、過去の履歴において高頻度で設定された選曲条件を仮に用いてもかまわない。または、選曲条件が設定された時間帯、曜日、季節等の時間的環境に応じて高頻度で設定された選曲条件を記憶しておき、選曲条件の設定前の選曲を現在の月日および時刻に応じた過去の選曲条件を仮に用いて行う。なお、時間的環境は、時間帯、曜日、季節以外のものであってもよく、例えば、祝日やユーザに取って特別な日等に応じて記憶していてもかまわない。
なお、上述した説明において、スキップ操作の時点、その直前に変化した特徴量、およびその曲に含まれる属性情報に基づいて、属性情報に設定された重み係数を増減したが、その増減幅や増減方向は一例であって、他の増減方法でもかまわない。
ここで、上述した方法で選曲条件を設定した後、長時間同じ選曲条件に基づいて連続再生を行っていれば、ユーザがその選曲条件に基づいた音楽に飽きてくるということが考えられる。つまり、ユーザが別の選曲条件に基づいた音楽を聴きたくなるため、選曲条件を変更する必要がある。以下、図8を参照して選曲条件変更処理について説明する。なお、図8は、音楽再生装置1が行う選曲条件変更処理の動作を示すフローチャートである。後述する動作は、ユーザが選曲条件設定後の連続再生中にスキップ操作を所定回数以上行った場合、別の選曲条件に基づいた音楽が聴きたいと判断する一例である。
図8において、選曲条件算出部112が選曲条件を設定した後の連続再生中(図2のステップS17の動作)に、上記再生経過時間が時間T1秒未満の時点でユーザが音楽再生装置1に対してスキップ操作した場合(ステップS51およびS52が共にYes)、再設定判断部114は、処理を次のステップS53に進める。一方、再設定判断部114は、ユーザが上記連続再生中にスキップ操作しない場合(ステップS51でNo)、または上記再生経過時間が時間T1秒以上の時点でユーザがスキップ操作した場合(ステップS52でNo)、現在の選曲条件で次の曲を選曲して(ステップS57)、連続再生を継続して当該フローチャートによる処理を終了する。
ステップS53において、再設定判断部114は、再生した現在曲を含む直前のN曲を対象として、再生経過時間が時間T1秒未満でスキップ操作された回数Cを算出する。次に、再設定判断部114は、上記N曲に対する回数Cの割合(C/N)を算出し、割合C/Nが所定の選曲条件変更閾値Thよりも大きいか否かを判断する(ステップS54)。そして、C/N>Thの場合、再設定判断部114は、ユーザが現在の選曲条件に基づく連続再生に飽きたとし、属性情報に設定されている全ての重み係数をデフォルト値にリセットし(ステップS55)、ランダムに選曲して新たな選曲条件を導出する指示を選曲条件算出部112に行って(ステップS56)、当該フローチャートによる処理を終了する。なお、上記ステップS56に応じて選曲条件算出部112が行う処理は、図2および図3に示したフローチャートに基づいて行われる。一方、C/N≦Thの場合、再設定判断部114は、上記ステップS57の処理を行って、当該フローチャートによる処理を終了する。
このように、再設定判断部114は、上記割合C/Nが所定の選曲条件変更閾値Thよりも大きいとき、ユーザが現在の選曲条件に基づく連続再生に飽きたとして選曲条件の再設定を行う。以下、図9を用いて、選曲条件を再設定するタイミングの具体例を説明する。なお、図9は、選曲条件変更の開始する時期の具体例を説明するためのタイミング図である。
図9において、音楽再生装置1は、設定されている選曲条件に基づいて、曲1〜曲7を選曲し順次再生している。ここで、説明を具体的にするために、再設定判断部114が上記N=4およびTh=0.7に設定しているとする。
このような曲1〜曲7を順次選曲する連続再生に対して、ユーザが曲1〜曲3に対してスキップ操作せずに、曲4の再生経過時間が時間T1秒未満の時点でスキップ操作した場合、N曲(つまり、曲1〜曲4の4曲)に対してスキップ操作された回数Cが1回(つまり、曲4のみ)であるため、C/N=1/4となる。つまり、C/N<Thであるため、再設定判断部114は選曲条件のリセットをせずに現在の選曲条件に基づいて曲5が選曲される。次に、ユーザが曲5の再生経過時間が時間T1秒未満の時点でスキップ操作した場合、N曲(つまり、曲2〜曲5の4曲)に対してスキップ操作された回数Cが2回(つまり、曲4および曲5)であるため、C/N=2/4となる。つまり、C/N<Thであるため、再設定判断部114は選曲条件のリセットをせずに現在の選曲条件に基づいて曲6が選曲される。さらに、ユーザが曲6に対してスキップ操作せずに、曲7の再生経過時間が時間T1秒未満の時点でスキップ操作した場合、N曲(つまり、曲4〜曲7の4曲)に対してスキップ操作された回数Cが3回(つまり、曲4、曲5、および曲7)であるため、C/N=3/4となる。つまり、C/N>Thであるため、再設定判断部114は選曲条件のリセットして、選曲条件を変更した再設定を指示する。なお、NおよびThの値は一例であり、他の値であってもよい。
このように、1回のみのスキップ操作では行わずに、スキップ操作を行った割合が所定の閾値以上に到達したときに、選曲条件が再設定される。例えば、ユーザは、現在の選曲条件に基づいた選曲を好んでいても、ある曲に対してスキップ操作する場合があるが、このような単発的な操作に対しては現在の選曲条件が継続される。したがって、ユーザの意に反して選曲条件が頻繁に変更されることはなく、安定した選曲および連続再生を行うことができる。
なお、再設定判断部114が選曲条件の再設定を指示した後に選曲部113が行う選曲動作は、図2のフローチャートに基づけばステップS13においてランダム選曲されるが、他の選曲方法で選曲してもかまわない。例えば、図8で示されたフローチャートのステップS55における動作の後であれば、ユーザは再設定前に設定されていた選曲条件に飽きていることが明らかである。つまり、ユーザにとっては再設定前の選曲条件では選曲されない曲を再生することを望んでいると考えられる。したがって、ユーザが少なくとも今までの選曲条件とは異なる条件で選曲するために、選曲条件に設定されている属性情報の除いた属性情報をランダムにいくつか選択してデフォルトの選曲条件とし、図2のステップS13の選曲処理を行ってもかまわない。または、上記ステップS55において属性情報に設定された重み係数をリセットされる前の各重み係数に関して、所定の閾値(例えば、選曲条件を設定する際の閾値)を設定し、当該閾値以下の属性情報を選曲条件とし、図2のステップS13の選曲処理を行ってもかまわない。
このように、本実施形態に係る音楽再生装置では、ユーザは、スキップ操作等の単純な操作を行うだけで選曲条件が設定されるため、1曲ずつ選曲するといった手間をかけることなく、現在ユーザが聴きたい曲が選曲されて音楽を楽しむことができる。
なお、上述した選曲条件等の処理情報を音楽再生装置1に内蔵あるいは接続された表示部50の表示画面に表示してもかまわない。以下、図10を参照して、表示部50の表示される情報について説明する。なお、図10は、表示部50の表示画面に表示される情報の一例を示す図である。ここで、表示部50は、音楽再生装置1に含まれていてもよいし、音楽再生装置1の外部機器であってもかまわない。表示部50が何れの形態であっても、表示制御部17(図1参照)が表示部50にメニューや選曲情報等を表示する出力を行う。
図10において、上記選曲条件の設定後の連続再生では、表示制御部17の制御によって表示部50の表示画面に再生曲表示情報Im1、選曲条件表示情報Im2、およびプレイリスト表示情報Im3が表示される。再生曲表示情報Im1は、現在、音楽再生装置1が再生中の曲に関する情報であり、例えば、再生曲の曲名(XXX)、再生曲が含まれるアルバム名(YYY)、および再生曲のアーティスト名(ZZZ)が示される。選曲条件表示情報Im2は、選曲条件算出部112が設定している選曲条件として設定されている属性情報であり、例えば、「テンポ速い」、「16ビート」、および/または「ボーカル女性」を属性情報として含む曲が選曲対象となっていることが示される。また、プレイリスト表示情報Im3は、現在の連続再生において次曲以降の選曲候補に関する情報であり、例えば、次曲名「AAA」とそれ以降順次再生される予定の曲名「BBB」および「CCC」とが示される。
ここで、選曲条件表示情報Im2は、選曲条件算出部112が設定した選曲条件を表示部50に表示しているが、選曲条件が設定される前は何も表示しなくてもかまわない。または、選曲条件表示情報Im2として、選曲条件が設定される前であることをユーザに通知する情報を表示部50に表示してもかまわない。
プレイリスト表示情報Im3は、選曲条件が設定される前においても次曲以降の選曲候補を示すため、スキップ操作されることによって選曲条件が変われば、その変化に応じてプレイリスト表示情報Im3も更新される。また、曲の再生中にスキップ操作されなくても、再生曲の再生時間が経過に伴ってその時点でスキップ操作されたと仮定した選曲条件を算出し、当該選曲条件に応じて更新した選曲候補をプレイリスト表示情報Im3として表示部50に表示してもかまわない。例えば、再生曲においてボーカル音が再生され始めたとき、選曲条件算出部112は、その時点でスキップ操作されたと仮定して選曲条件を仮に算出する。そして、表示部50には、仮に算出された選曲条件に基づいた選曲候補がプレイリスト表示情報Im3として表示される。さらに、上記再生曲の再生経過時間が時間T1秒以上経過した後は、スキップ操作されたとしても選曲条件に影響しないため、当該再生曲をユーザが気に入ったとした選曲条件が仮に算出され、当該選曲条件に基づいた選曲候補がプレイリスト表示情報Im3として表示部50に表示される。
なお、表示部50には選曲条件表示情報Im2に現在の選曲条件が表示されるため、ユーザが表示された選曲条件を確認することができる。したがって、ユーザが表示部50に表示された選曲条件を変更したい場合、直接選曲条件を変更してもかまわない。この場合、変更後の選曲条件に応じて、プレイリスト表示情報Im2の内容も変更されて表示部50に表示される。
また、再生曲表示情報Im1、選曲条件表示情報Im2、およびプレイリスト表示情報Im3は、表示部50の表示画面に同時に表示されていなくてもかまわない。例えば、ユーザ操作によって、上記3つ情報Im1〜Im3が順次切り替わって表示部50の表示画面に表示されてもかまわない。
このように、音楽再生装置1の表示部50に選曲条件等の処理情報を表示することによって、ユーザが現在設定されている選曲条件を確認することができ、必要に応じて選曲条件の一部を修正することができ、よりユーザが好む選曲条件の設定が可能となる。また、プレイリスト表示情報Im3で示される選曲候補は、曲の再生経過時間に応じて刻々と変化するため、ユーザが聴きたいと思う曲が選曲候補として表示されたタイミングでスキップ操作することにより、より早くユーザの意図する選曲条件を設定することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る音楽再生装置について説明する。上述した第1の実施形態では、ユーザ操作に応じてユーザが好むと推定される曲に含まれる属性情報を選曲条件として設定し、当該属性情報を含む曲を選曲対象としていた。しかしながら、選曲条件とした属性情報を含む曲であっても、ユーザが聴きたくない要因となる属性情報も一部に含んでいることがある。このような曲は、ユーザが好む属性情報と好まない属性情報とを併せ持っていることになるが、結果的にユーザが聴きたくない曲を選曲することになることも考えられる。したがって、第2の実施形態では、スキップ操作された曲に関する属性情報に基づいて、ユーザが聴きたくない要因となる属性情報を含む曲を非選曲対象として導出し、上記第1の実施形態で設定される選曲対象から、非選曲対象となる曲を排除することによって選曲条件を設定する。
第2の実施形態に係る音楽再生装置は、第1の実施形態に係る音楽再生装置1に対して、選曲条件の導出動作(図3参照)および表示部50に表示される情報(図10参照)のみが異なる。したがって、第2の実施形態に係る音楽再生装置の構成は、図1を用いて説明した第1の実施形態と同様であるため、同一の構成要素に同一の参照符号を付して、詳細な説明を省略する。また、第2の実施形態に係る音楽再生装置が連続再生を行う動作は、図2を用いて説明した第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図11は、第2の実施形態で行われる図2のステップS15における選曲条件の導出動作の詳細を示すサブルーチンである。なお、図11に示すステップS71〜S77の動作は、図3を用いて説明した上記ステップS31〜S37の動作と同様であるため、詳細な説明を省略する。つまり、第2の実施形態においても、音楽再生装置1は、スキップ操作時点の時間T2秒前以内に変化した特徴量がある場合、変化した特徴量はユーザの聴きたくない大きな要因であるとし、その特徴量に設定された重み係数を下げる。また、スキップ操作された曲に含まれる他の属性情報については、ユーザが聴きたくない要因が含まれているとし、スキップ操作された曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を下げる。一方、曲の再生中にスキップ操作がなかった場合、またはスキップ操作時点の再生経過時間が時間T1秒以降であった場合、ユーザが選曲された曲には満足しているとして、その曲に含まれる属性情報に設定された重み係数を上げる。
ステップS78において、選曲条件算出部112は、選曲条件を設定するか否かを判断する。ここでも、1曲だけの再生で属性情報に設定された重み係数を増減させただけでは重み係数に明確な差が現れないと考えられる。したがって、一例として選曲条件算出部112は、所定の複数曲をランダムに再生(ステップS13、S14)して上記ステップS71〜S77の動作を繰り返した後、選曲条件の設定を行う。他の例として選曲条件算出部112は、属性情報に設定された重み係数の少なくとも1つが後述する第1閾値以上となる、および/または重み係数の少なくとも1つが後述する第2閾値以下となるまで上記ステップS71〜S77の動作を繰り返した後、選曲条件の設定を行う。ここで、第1閾値>第2閾値である。そして、選曲条件算出部112は、選曲条件を設定する場合に処理を次のステップS79に進め、選曲条件をまだ設定しない場合に当該サブルーチンによる処理を終了して上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。
ステップS79において、選曲条件算出部112は、重み係数が第1閾値以上となった属性情報を含む曲データをユーザが聴きたい曲の条件、つまり選曲対象とする。また、選曲条件算出部112は、重み係数が第2閾値以下となった属性情報を含む曲データをユーザが聴きたくない曲の条件、つまり非選曲対象とする。そして、選曲条件算出部112は、選曲対象から非選曲対象を除いた曲が選曲されるように選曲条件を設定する。つまり、選曲条件算出部112は、重み係数が第1閾値以上となった属性情報を含み、かつ重み係数が第2閾値以下となった属性情報を含まないことを選曲条件として設定する。そして、選曲条件算出部112は、当該サブルーチンによる処理を終了して上記ステップS12に戻って処理を繰り返す。このように、重み係数の増減処理をランダムに選曲された複数曲に対して繰り返した後、重み係数が第1閾値以上となった属性情報をユーザが聴きたい曲の条件とし、重み係数が第2閾値以下となった属性情報をユーザが聴きたくない曲の条件とした選曲条件として導出される。なお、重み係数が上記第1閾値未満であっても、重み係数が相対的に大きい上位いくつかの属性情報を選曲対象としてもかまわない。また、重み係数が上記第2閾値より大きくても、重み係数が相対的に小さい下位いくつかの属性情報を非選曲対象としてもかまわない。
例えば、上述した重み係数の増減を繰り返して図7に示したような属性情報に対する重み係数が設定されたとする。そして、上記第1閾値を「15」とし、上記第2閾値を「10」とする。この場合、重み係数が第2閾値「10」以下である属性情報、つまり「2ビート」または「4ビート」を含む曲が非選曲対象となる。また、重み係数が第1閾値「15」以上である属性情報、つまり「テンポ速い」および/または「ボーカル女性」を含む曲が選曲対象となる。そして、選曲対象であり、かつ非選曲対象でない曲が選曲されることになる。これによって、選曲対象となる「テンポ速い」および/または「ボーカル女性」を属性情報として含む曲のうち、非選曲対象となる「2ビート」または「4ビート」を属性情報として含む曲が除外されて選曲される。
このように、本実施形態に係る音楽再生装置は、ユーザのスキップ操作だけで聴きたくない曲の属性情報を特定することができ、それらの属性情報を含む曲を非選曲対象して、ユーザの聴きたい曲のみを再生することができる。
なお、上述した非選曲対象を条件に含む選曲条件等の処理情報を音楽再生装置1に内蔵あるいは接続された表示部50の表示画面に表示してもかまわない。以下、図12を参照して、表示部50の表示される情報について説明する。なお、図12は、第2の実施形態における表示部50の表示画面に表示される情報の一例を示す図である。
図12において、上記選曲条件の設定後の連続再生では、表示制御部17の制御によって表示部50の表示画面に再生曲表示情報Im4、選曲条件表示情報Im5、およびプレイリスト表示情報Im6が表示される。再生曲表示情報Im4は、現在、音楽再生装置1が再生中の曲に関する情報であり、例えば、再生曲の曲名(UUU)、再生曲が含まれるアルバム名(VVV)、および再生曲のアーティスト名(WWW)が示される。選曲条件表示情報Im5は、選曲条件算出部112が設定している選曲条件として設定されている属性情報であり、例えば、「テンポ速い」、「16ビート」、および/または「ボーカル女性」を属性情報として含む曲が選曲対象となり、「2ビート」または「4ビート」を属性情報として含む曲が非選曲対象となっていることが示される。また、プレイリスト表示情報Im6は、現在の連続再生において次曲以降の選曲候補に関する情報であり、例えば、次曲名「DDD」とそれ以降順次再生される予定の曲名「EEE」および「FFF」とが示される。
ここで、選曲条件表示情報Im5は、選曲条件算出部112が設定した選曲条件を表示部50に表示しているが、選曲条件が設定される前は何も表示しなくてもかまわない。または、選曲条件表示情報Im2として、選曲条件が設定される前であることをユーザに通知する情報を表示部50に表示してもかまわない。
プレイリスト表示情報Im6は、選曲条件が設定される前においても次曲以降の選曲候補を示すため、スキップ操作されることによって非選曲対象および選曲対象によって定義される選曲条件が変われば、その変化に応じてプレイリスト表示情報Im6も更新される。また、曲の再生中にスキップ操作されなくても、再生曲の再生時間が経過に伴ってその時点でスキップ操作されたと仮定した非選曲対象を算出し、当該非選曲対象に応じて更新した選曲候補をプレイリスト表示情報Im6として表示部50に表示してもかまわない。例えば、再生曲においてボーカル音が再生され始めたとき、選曲条件算出部112は、その時点でスキップ操作されたと仮定して非選曲対象を仮に算出する。そして、表示部50には、仮に算出された選曲条件に基づいた選曲候補がプレイリスト表示情報Im6として表示される。さらに、上記再生曲の再生経過時間が時間T1秒以上経過した後は、スキップ操作されたとしても選曲条件に影響しないため、当該再生曲をユーザが気に入ったとした選曲条件が仮に算出され、当該選曲条件に基づいた選曲候補がプレイリスト表示情報Im6として表示部50に表示される。
なお、表示部50には選曲条件表示情報Im5に現在の選曲条件が表示されるため、ユーザが表示された選曲条件を確認することができる。したがって、ユーザが表示部50に表示された非選曲対象を含む選曲条件を変更したい場合、直接選曲条件を変更してもかまわない。この場合、変更後の選曲条件に応じて、プレイリスト表示情報Im6の内容も変更されて表示部50に表示される。
また、再生曲表示情報Im4、選曲条件表示情報Im5、およびプレイリスト表示情報Im6は、表示部50の表示画面に同時に表示されていなくてもかまわない。例えば、ユーザ操作によって、上記3つ情報Im4〜Im6が順次切り替わって表示部50の表示画面に表示されてもかまわない。
このように、音楽再生装置1の表示部50に非選曲対象を含めた選曲条件等の処理情報を表示することによって、ユーザが現在設定されている選曲条件を確認することができ、必要に応じて選曲条件の一部を修正することができ、よりユーザが好む選曲条件の設定が可能となる。また、プレイリスト表示情報Im6で示される選曲候補は、曲の再生経過時間に応じて刻々と変化するため、ユーザが聴きたいと思う曲が選曲候補として表示されたタイミングでスキップ操作することにより、より早くユーザの意図する選曲条件を設定することが可能となる。
なお、上述した第1および第2の実施形態では、図1に示す構成を有する音楽再生装置によって本発明が実現される一例を説明したが、本発明は他の形態でも実現可能である。例えば、上述した第1および第2の実施形態で説明した動作(ステップ)をコンピュータに実行させる音楽再生プログラムを格納した記録媒体であってもかまわない。この場合、上記記録媒体に記録された音楽再生プログラムを一般的なコンピュータシステムに実行させることによって、当該コンピュータシステムを上述した音楽再生装置として実現することができる。上記音楽再生プログラムは、コンピュータシステム内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。また、上記音楽再生プログラムを記録する情報記録媒体としては、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記録媒体や不揮発性半導体メモリ等の記憶媒体で実現可能である。さらに、上記音楽再生プログラムは、外部記憶媒体を通じてコンピュータシステムに供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてコンピュータシステムに供給されてもかまわない。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る音楽再生装置、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体、および集積回路は、ユーザの単純な操作に応じて選曲条件を設定することができ、記録された複数曲から選曲する装置等に有用である。
本発明の第1および第2の実施形態に係る音楽再生装置の構成を示すブロック図
図1の音楽再生装置1が連続再生を行う動作を示すフローチャート
図2のステップS15における本発明の第1の実施形態に係る選曲条件の導出動作の詳細を示すサブルーチン
属性情報に初期設定された重み係数の一例
図4の重み係数の一部が下げられた一例
図5の重み係数の一部が上げられた一例
選曲条件が設定された際の重み係数の一例
図1の音楽再生装置1が行う選曲条件変更処理の動作を示すフローチャート
選曲条件変更の開始する時期の具体例を説明するためのタイミング図
本発明の第1の実施形態に係る表示部50の表示画面に表示される情報の一例を示す図
図2のステップS15における本発明の第2の実施形態に係る選曲条件の導出動作の詳細を示すサブルーチン
本発明の第2の実施形態に係る表示部50の表示画面に表示される情報の一例を示す図
符号の説明
1…音楽再生装置
11…制御部
111…属性情報付与部
112…選曲条件算出部
113…選曲部
114…再設定判断部
12…クロック部
13…記録部
131…曲データ記録部
132…属性情報記録部
133…書誌情報記録部
14…曲情報取得部
15…操作情報取得部
16…デコード部
17…表示制御部
18…内部バス
50…表示部