JPWO2006073119A1 - ポリペプチドおよびその用途 - Google Patents

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Abstract

血栓溶解剤として有効な物質を提供する。配列番号:1で表されるアミノ酸配列からなる合成ポリペプチドは、低濃度でプラスミノゲンアクチベータ活性を示すので、血栓溶解剤として有用である。

Description

本発明は、特定のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、そのアミド、そのエステル又はその塩およびその用途に関するものである。
通常、正常血管の内膜とは異なる表面(例えば、血管の破綻により露出する異物面)と血液とが接触した場合、血液凝固反応が引き起こされる。生体内では、接触因子の活性化が起こるか、あるいは微量の組織因子の存在下で、障害血管に粘着・凝集した血小板の表面で血液凝固過程が進行し、最終的にフィブリン(線維素)を生じて血栓を形成し血液凝固が起こる。
止血のためにあるべき血液凝固機能によって血管内に血栓が生ずることは、血液循環を障害することとなり、好ましいことではない。しかし、生体内には不要となったフィブリン(血栓)を溶解する作用(いわゆる、線維素溶解現象(線溶現象))が存在する。この線溶現象について簡単に説明すると、生体内にフィブリンが生じると、血流中のプラスミノゲンはフィブリンに吸着される。一方、血管壁の細胞中では、組織プラスミノゲンアクチベータ(以下、t−PAという)が作られていて、血管の障害、拡張、収縮などに伴いこれが放出され、同様にフィブリンに吸着される。こうして、t−PA、プラスミノゲン、フィブリンの三量体を形成した後、プラスミノゲンはフィブリン上でt−PAによってプラスミンに活性化される。そして、このプラスミンがフィブリンを分解して可溶性のFDP(fibrin degradation products)とすることにより、血栓が溶解されるのである。
このように、生体内では、血液凝固機能と線溶現象のバランスをとることによって、血栓の形成と溶解とが制御されている。そして、線溶現象を制御する医薬品は、血栓の溶解を促進する血栓溶解薬、血栓の溶解を抑制する抗線溶薬(抗プラスミン薬)として使用されている。
血栓溶解薬の代表的なものとしては、ウロキナーゼ、t−PAおよびストレプトキナーゼ(以下、SKという)が知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。ウロキナーゼやt−PAの薬物の作用機序は、不活性のプラスミノゲンを活性のプラスミンとする反応を促進してプラスミンをより多く生成させ、フィブリンに対する溶解率を向上させるものであり、プラスミノゲンアクチベータと言える。すなわち、生成されるプラスミン量の増加により、線溶現象を亢進して、血栓の溶解が促進されるものである。また、SKはプラスミノゲンまたはプラスミンと複合体を形成し、この複合体がプラスミノゲンアクチベータ作用を発揮する。
血栓に由来する疾患としては、急性心筋梗塞、冠動脈血栓症、心臓内血栓症等の虚血性心疾患、大動脈血栓症、末梢動脈血栓症、大静脈血栓症、門脈血栓症などの血管系疾患や脳梗塞、頭蓋内静脈性非化膿性血栓症などの脳血管系疾患、および肺血栓塞栓症、腎静脈血栓症等を挙げることができる。これらの疾患は悪性新生物と並んで死因の上位を占めている。従ってこれらの疾患に有効な血栓溶解剤は非常に需要が大きいものである。
特開2004−41142号公報 松田道生、鈴木宏治 編集、「止血・血栓・線溶」中外医学社、1994,p258−266 福武勝博、山中學 編集、「血液凝固−止血と血栓・上」 宇宙堂八木書店、1982、p166−171
しかしながら、ウロキナーゼは副作用が少ないけれどもフィブリン親和性が低いために血栓を特異的に攻撃する能力がなく、体内寿命も短いことから短時間のうちに尿中に排泄されるため、持続的に血中濃度を維持しにくい欠点がある。t−PAはフィブリン親和性を有し血栓を特異的に攻撃する点では優れているが、副作用が強く出血を生じやすいことから限られた疾患にしか適用できない。そして、SKは使用中に薬効が低下してくる欠点があり、日本ではあまり使用されていない。
また、ウロキナーゼやt−PAはいずれも生体由来のものであり、これらを製造するためには高精度の技術および人員を必要としている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、血栓溶解剤として有効な物質を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願発明者らは鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(2)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(2a)血栓溶解剤である上記(2)記載の医薬、
(3)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(3a)上記(3)に記載の抗体を用いることを特徴する、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の検出方法、
(4)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(4a)上記(4)に記載のポリヌクレオチドを含有する組み替えベクター、
(5)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(6)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(6a)血栓溶解剤である上記(6)の医薬、
(7)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(7a)上記(7)に記載の抗体を用いることを特徴する、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の検出方法、
(8)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(8a)上記(8)に記載のポリヌクレオチドを含有する組み替えベクター、に関する。
また、
(9)ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(10)ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(10a)血栓溶解剤である上記(10)記載の医薬、
(11)ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(11a)上記(11)に記載の抗体を用いることを特徴とする、ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の検出方法、
(12)ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(12a)上記(12)に記載のポリヌクレオチドを含有する組み替えベクター、
(13)ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(14)ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(14a)血栓溶解剤である上記(14)記載の医薬、
(15)ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(15a)上記(15)に記載の抗体を用いることを特徴とする、ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の検出方法、
(16)ヒトのヘモグロビンをプラスミンで分解した分解生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(16a)上記(16)に記載のポリヌクレオチドを含有する組み替えベクター、
(17)ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(18)ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(18a)血栓溶解剤である上記(18)記載の医薬、
(19)ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(19a)上記(19)に記載の抗体を用いることを特徴とする、ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の検出方法、
(20)ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(20a)上記(20)に記載のポリヌクレオチドを含有する組み替えベクター、に関しても本発明に含まれる。
なお、ヒトのヘモグロビンβ鎖そのものは本発明から除外される。
本発明のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩は、フィブリンを効率的に溶解させる機能を有している。
図1は、フィブリン平板法によりプラスミン活性を測定した結果を示すグラフである。 図2は、合成発色基質(S−2444)法によりプラスミノゲンアクチベータ活性を測定した結果を示すグラフである。 図3は、合成発色基質(S−2288)法によりプラスミノゲンアクチベータ活性を測定した結果を示すグラフである。 図4は、合成発色基質(S−2251)法によりプラスミノゲンアクチベータ活性を測定した結果を示すグラフである。 図5は、ウサギ血塊の溶解試験の結果を示すグラフである。 図6は、ウサギ血塊の溶解試験の結果を示す別のグラフである。
<本発明の経緯>
本発明の実施形態について説明する前に、本発明に至った経緯について説明をする。
本願発明者らは、血栓の溶解過程において、ある程度時間が経過すると血栓溶解が急に進行することに注目をした。そして、このように急激な血栓溶解が生じるのは、血栓の溶解過程において未だ知られていないプラスミン活性を促進する物質が生成されているからであると考え、このような血栓溶解剤あるいは物質は赤血球の分解物ではないかと推定した。このような推定の下、哺乳動物の赤血球に関してこれまで検討を行い、哺乳動物の赤血球には線溶(血栓溶解)因子の活性を増強する作用とプラスミンインヒビターとが存在することを発見した(特許文献1)。
次に、赤血球中の線溶増強作用をもたらす物質が何であるのかを検討し、ヘモグロビンがこの作用を有していることをつきとめた。さらに、線溶の亢進は最終的には血栓溶解酵素であるプラスミンによって引き起こされるため、ヘモグロビンにプラスミンが作用して線溶増強作用をもたらす物質が生成するであろうと考えた。プラスミンはセリンプロテアーゼであってフィブリン以外のタンパク質の分解も可能であり、この分解ではLysineのC末端側と、該C末端側に結合している隣接するアミノ酸のN末端側との間の結合が切断されることが知られている。このような推定の下、ウシのヘモグロビンをプラスミンで分解し、分解物をゲルクロマトグラフィーで分画し、各画分のプラスミンに対する線溶増強作用を測定したところ、ヘモグロビンのβ鎖の分解産物にプラスミンを亢進する作用を有するものがあることを発見した。
上記の結果を受けて、ヒトのヘモグロビンに関して鋭意検討した結果本願発明に至った。
<実施形態>
(1)本発明のポリペプチド、そのアミド、そのエステルまたはその塩
本発明のポリペプチド、そのアミド、そのエステルまたはその塩(以下、本発明のポリペプチド類という)について以下に説明をする。
本発明のポリペプチド類は、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するもの、またはこれらのアミノ酸配列からなるものであり、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、赤血球、白血球、血小板など)に由来するポリペプチド類であってもよく、合成ポリペプチド類であってもよい。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。例えば、ヒトと類似のヘモグロビン構造を有している他の動物(サル、ウサギ、ブタ、ウシ、ウマ等)のヘモグロビンβ鎖の中で、ヒトヘモグロビン中の配列番号:1で表される構造部分に対応する部分のアミノ酸配列を挙げることができる。
アミノ酸配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Allignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;マトリクス=BLOSUM62;フィルタリング=OFF)にて計算することができる。
特に、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、上記のアミノ酸配列の他、(α)配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(β)配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列、(γ)配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(δ)配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、(ε)上記(α)〜(δ)を組み合わせたアミノ酸配列などが挙げられる。このようにアミノ酸配列中のアミノ酸が欠失、挿入又は置換されている場合、その欠失、挿入又は置換の位置は特に限定されない。
本発明の配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド類としては、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチド類の中のアミノ酸の側鎖上の置換基(−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジン基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、糖鎖が結合したもの、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチド類に他のポリペプチド類が付加したものなどが挙げられる。
また、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなる、またはこれらのアミノ酸配列を含有するポリペプチド類としては、例えば配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド類と実質的に同質の活性を有するポリペプチド類が好ましい。実質的に同質とは、これらの性質が性質的に(例、生理学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。従ってこれらのポリペプチド類の活性が同等(例、0.01〜100倍、好ましくは0.1〜10倍、より好ましくは0.2〜5倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度、ポリペプチド類の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。なお、これらの性質および活性については後述する。
さらにまた、本発明のポリペプチド類は、ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物と同一のアミノ酸配列もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するもの、またはこれらのアミノ酸配列からなるものであり、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、赤血球、白血球、血小板など)に由来するポリペプチド類であってもよく、合成ポリペプチド類であってもよい。
ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列と例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
アミノ酸配列の相同性は、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Allignment Search Tool)を用い、以下の条件(期待値=10;ギャップを許す;マトリクス=BLOSUM62;フィルタリング=OFF)にて計算することができる。
特に、ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、上記のアミノ酸配列の他、(α)配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(β)配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列、(γ)配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(δ)配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個、さらに好ましくは1個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、(ε)上記(α)〜(δ)を組み合わせたアミノ酸配列などが挙げられる。このようにアミノ酸配列中のアミノ酸が欠失、挿入又は置換されている場合、その欠失、挿入又は置換の位置は特に限定されない。
本発明のヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド類としては、ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチド類の中のアミノ酸の側鎖上の置換基(−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジン基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、糖鎖が結合したもの、ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチド類に他のポリペプチド類が付加したものなどが挙げられる。
また、ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなる、またはこれらのアミノ酸配列を含有するポリペプチド類としては、例えばヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、ヒトのヘモグロビン中のLysineと、該Lysineと隣接し該LysineのC末端側と結合しているアミノ酸との結合を切断して得られる切断生成物のアミノ酸配列からなるポリペプチド類と実質的に同質の活性を有するポリペプチド類が好ましい。実質的に同質とは、これらの性質が性質的に(例、生理学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。従ってこれらのポリペプチド類の活性が同等(例、0.01〜100倍、好ましくは0.1〜10倍、より好ましくは0.2〜5倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度、ポリペプチド類の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。なお、これらの性質および活性については後述する。
本発明のポリペプチド類はペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。このポリペプチド類のC末端側は、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO-)、アミド(−CONH2)又はエステル(−COCR)、塩(−COOM)のいずれであってもよい。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。ここで塩におけるMとしてはNaなどの金属などを挙げることができる。また、このポリペプチド類のN末端のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されているものや生理学的に許容される酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸などの無機酸、例えば、酢酸、クエン酸、安息香酸、コハク酸などの有機酸)と反応した塩も本発明のポリペプチド類に含まれる。
本発明のポリペプチド類は、(1)化学合成する方法(いわゆるペプチド合成)、(2)生体または培養細胞から精製単離する方法、または(3)遺伝子組み換え技術を用いて生産する方法、などによって取得することができる。
なお、配列番号:1に示されるような、25アミノ酸程度の比較的短鎖のアミノ酸からなるポリペプチドであれば、公知のペプチド合成法(固相合成法、液相合成法など)により容易かつ簡便に取得することができる。また、ペプチド合成としては、ある担体に、アミノ基が保護されたアミノ酸を順次導入してペプチドを形成させる固相法を好適に用いることができる。
また、多数のアミノ酸からなる長鎖のポリペプチドであれば、遺伝子組換え技術を用いて取得することが、工業的には好ましい。遺伝子組み換え技術を用いてポリペプチドを生産するための発現系(宿主−ベクター系)としては、例えば、細菌、酵母、昆虫細胞および哺乳動物細胞の発現系が挙げられる。
(2)本発明にかかる抗体
次に、本発明にかかる抗体について説明する。
本発明にかかる抗体は、上記の本発明に係るポリペプチド類を特異的に認識する抗体である。換言すれば、本発明にかかる抗体は、上記の本発明に係るポリペプチド類を抗原とする抗体である。なお、当該抗体は、上記の本発明に係るポリペプチド類あるいはその断片を特異的に認識すればよい。
ここで、上記「抗体」は、モノクローナル抗体であってもよいし、ポリクローナル抗体であってもよい。なお、モノクローナル抗体は、抗原として上記の本発明に係るポリペプチド類、あるいはそのフラグメントを用いて、常法のハイブリドーマ技術によって製造することができる。また、ポリクローナル抗体は、宿主動物、例えばラットまたはウサギに、上記の本発明に係るポリペプチド類、あるいは、そのフラグメントを接種し、感作された血清を回収することからなる常法によって製造することができる。
この抗体は、上記の本発明に係るポリペプチド類を特異的に認識することができる。したがって、上記の抗体を用いて上記の本発明に係るポリペプチド類を定量することができる。また、後述のように、本発明にかかる血栓の溶解を亢進するポリペプチド類の検出方法に使用する検出試薬として利用することができる。
また、上記抗体は、上記の本発明に係るポリペプチド類の関係するヒトや動物の疾患を治療する抗体医薬品、診断薬(すなわち検出試薬)として利用できる可能性がある。なお、診断薬として用いる場合の診断方法は、上記ポリペプチド類の関係する疾患を発症していると思われるヒトや動物の血液などの試料と上記抗体とを免疫反応することにより、容易に上記ポリペプチド類を検出することができ、当該疾患を発症しているか否かを判定することができる。すなわち、試料と抗体とが免疫反応をしていれば、試料中に上記ポリペプチド類が存在することを意味するので上記ポリペプチド類の関係する疾患を発症していると判定できる。一方、免疫反応をしていなければ、試料中に上記ポリペプチド類が存在しないことを意味するので上記ポリペプチド類の関係する疾患を発症していないと判定できる。
なお、上記免疫反応を判定する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、蛍光抗体法、免疫沈降法、ウェスタンブロット法、アフィニティークロマトグラフィー法、コロニーブロット法などを用いることができる。これら方法を用いることで、本発明にかかる検出方法の精度や信頼性をより一層向上させることができる。
さらに、上記抗体は、後述のように、機能が不明である多くのタンパク質(ポリペプチド)を含む試料から、本発明にかかるポリペプチドと同様の性質を有する可能性のあるポリペプチドを検出するための試薬(検出試薬)として利用することができる。すなわち、本発明には、上記の本発明に係るポリペプチド類およびそれらと同様の性質を有する可能性のあるポリペプチド類を検出するために、上記抗体を含んでいることを特徴とする検出試薬も含まれる。
(3)本発明にかかる検出方法
次に、本発明にかかる検出方法について説明する。
本発明にかかる検出方法は、試料と上記の本発明に係るポリペプチド類を特異的に認識する抗体とを免疫反応させることにより、試料中から血栓の溶解を亢進するポリペプチド類を検出する方法である。すなわち、試料と上記(2)で説明した抗体とを免疫反応させるものである。したがって、上記検出方法は、上記(2)で説明した抗体を用いることを特徴としている。
前述のように、上記の抗体は、上記の本発明に係るポリペプチド類を特異的に認識する。したがって、例えば、この抗体と、多数のポリペプチドおよびタンパク質試料とを反応させれば、上記(1)のポリペプチド類即ち血栓の溶解を亢進するポリペプチド類を、容易に検出することができる。すなわち、試料と、検出試薬としての上記抗体との免疫反応有無を調べることにより、試料中に上記の本発明に係るポリペプチド類が含まれているか否かを検出することができる。なお、免疫反応の判定は、上記(2)で説明した方法によって行うことができる。
上記の検出方法によれば、上記の本発明に係るポリペプチド類の関係するヒトや動物の疾患の診断に利用することができる。上記抗体が診断薬として利用される場合、上記の抗体が担体に固定されて、キット化されていることが好ましい。これにより、血液などの試料から、容易に上記の本発明に係るポリペプチド類を検出することができる。したがって、本発明には検出試薬として上記抗体を含むことを特徴とする検出キットが含まれる。
なお、上記検出キットは、試料と検出試薬としての上記抗体との反応の精度を挙げるための試薬、検出用試薬の利便性や保存性等を向上させるための試薬が、さらに添加されていてもよい。また、例えば、試料の保存のために、防腐剤が添加されていてもよい。
(4)本発明にかかる医薬、特に血栓溶解薬
上記(1)で説明したポリペプチド類は、いずれも血栓の溶解を亢進するポリペプチド類である。それゆえ、医薬、特に血栓溶解剤として利用することができる。
上記血栓溶解剤は、上記(1)の本発明に係るポリペプチド類が含まれていればよい。
本発明の血栓溶解剤の作用機序は明確にされていないが、従来の血栓溶解剤であるウロキナーゼ、t−PA、SKとは違っている可能性があり、新しいタイプの血栓溶解剤を提供することができる可能性がある。
なお、本発明の血栓溶解剤は、体内でその効果を発揮すればよいので、例えば、配列番号:1に示されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド類を投与してもよいし、プロドラッグ化して体内で代謝されて当該ポリペプチド類が発現されてもよい。すなわち、本発明の血栓溶解剤は、上記本発明に係るポリペプチド類がプロドラッグ化されていてもよい。
また、本発明の血栓溶解剤には、結晶性セルロースなどの1種類以上の賦形剤、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムなどの1種類以上の結合剤、1種類以上の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの1種類以上の滑沢剤、1種類以上の緩衝剤、ショ糖、乳糖などの1種類以上の甘味剤などのように、医薬品として許容される添加物が含まれていてもよい。
(5)本発明にかかるヌクレオチド
本発明にかかるヌクレオチドは、上記(1)で説明した本発明に係るポリペプチド、上記(4)で説明した血栓溶解剤をコードするポリヌクレオチドである。
上記のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードしているので、このポリヌクレオチドを含有する遺伝子を適当な宿主(例えば細菌、酵母)に導入して、本発明のポリペプチドを発現させることができる。ここでポリヌクレオチドとは、ヌクレオチドの線状高分子重合体であって、DNAやRNAなどの一部などを包含する。
なお、上記「遺伝子」とは、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖およびアンチセンス鎖といった各1本鎖DNAやRNAを包含する。さらに、上記「遺伝子」は、上記本発明のポリペプチドをコードする配列以外に、非翻訳領域(UTR)の配列やベクター配列(発現ベクター配列を含む)などの配列を含むものであってもよい。例えば、上記(a)または(b)のポリペプチドをコードする配列をベクター配列につないで本発明の遺伝子を構成し、これを適当な宿主で増幅させることにより、本発明の遺伝子を所望に増幅させることができる。また、本発明の遺伝子の一部配列をプローブに用いてもよい。
<実施例>
以下に、本願発明の実施例を説明するが、これらはあくまでも例であり、本願発明は実施例に限定されない。
(1)ポリペプチドの選定
上記の本発明に至った経緯で述べたように、本願発明者らはヘモグロビンのβ鎖の分解産物にプラスミンを亢進する作用を有するものがあることを見出し、この知見を基にしてヒトのヘモグロビンのβ鎖を切断し、その切断生成物と同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを合成して検討を行った。
ヒトのヘモグロビンのβ鎖のアミノ酸構成に関する情報は Protein Data Bank から得た。ヒトのヘモグロビンβ鎖アミノ酸構造(146残基)のうち、プラスミンにより切断される可能性がある部位をタンパク質アミノ酸データベースGenomeNetを用いて検索した。配列番号:2は、ヒトのヘモグロビンのβ鎖のアミノ酸配列である。このアミノ酸配列からわかるように、β鎖にはLysine(記号Lys)が11個存在するので、11箇所の切断部位とその切断によって生じる11個のポリペプチドと1個のアミノ酸(Lysine)とを確認した。
以上のように11個のポリペプチドとそのアミノ酸構成が判明したので、これらのアミノ酸構成に従いFmoc固相合成法によって11個の合成ポリペプチドを合成した。そして、これらの合成ポリペプチドの線溶(線維素溶解)因子活性に対する効果を、フィブリン平板法および合成発色基質法(合成発色基質=S−2251,S−2288,S−2444)を用いて調査した(スクリーニング)。その結果、配列番号:1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド(以下、ポリペプチドAという)が線溶因子活性に対して顕著な効果を示すことを見出したので、以下に説明する。
(2)スクリーニング試験
スクリーニング試験であるフィブリン平板法および合成発色基質法においてポリペプチドAは、顕著な線溶因子活性効果を示した。それぞれの試験の方法および結果について詳述する。
A)フィブリン平板法
ウシ・フィブリノ−ゲン(Fibrinogen from bovine plasma, lot.309−03663, Ito Ham Foods, 大阪)を凝固タンパクとして0.4%となるよう1%NaCl添加1/15Mリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解した。このフィブリノーゲン液8mLを9cm径のプラスチック製シャ−レに取り、200IU/mLのヒト・トロンビン(トロンビン−ヨシトミ 500単位、吉富製薬、大阪)0.1M CaCl2溶液100μLを加えて、水平面上に室温下で60分放置して凝固させ、フィブリン平板を作製した。
1IU/mLのヒト・プラスミノゲン(SIGMA-ALDRICH FINE CHEMICALS,St.Louis,MO,USA.Plasminogen from human plasma,P5661)0.85%生理食塩水溶液に所定量のポリペプチドAを混合し、直ちにこの混合液20μLをフィブリン平板上に静置、水平を保った37℃の恒温室内でインキュベ−ト(恒温保管)した。このとき、生理食塩水溶液に加えるポリペプチドAの量を種々調節して、ポリペプチドAの濃度を変更し、10-4〜10-13(g/L)の範囲における混合液を作成して用いた。
18時間後にフィブリン膜の溶解部の長径と短径を測定し、長径×短径を溶解面積(mm2)とした。測定は2回行い、両者の平均値を当該検体の活性値とした。また対照(control)にはポリペプチドAの代わりに0.85%生理食塩水を用い、サンプルに対して行ったのと同様の処理を施し測定した。
図1は測定結果を示すグラフである。縦軸に溶解面積を、横軸にポリペプチドAの濃度をとっている。ポリペプチドAの濃度が10-11(g/L)のときに最も溶解面積が大きくなっている。また、ポリペプチドAを加えていないcontrolでは溶解は全く現れなかった。フィブリン平板法においてスクリーニングを行うときは、controlに対して有意な効果を示すものを選別すればよいので、このスクリーニングではポリペプチドAがプラスミノゲンアクチベータとしての効果有りとして選別される。
このようにポリペプチドAは、極微量(極低濃度)でプラスミノゲンを活性化してより多くのプラスミンを発生させ、フィブリンを分解させることがわかる。即ち、ウロキナーゼやt−PAなどのように血栓溶解剤としての機能を有していることがわかる。
B)合成発色基質法(S−2444)
合成発色基質S−2444はウロキナーゼによって濃度依存的に分解されるので、このS−2444を用いてポリペプチドAの評価を行った。
種々の濃度のポリペプチドA水溶液42μLに、濃度2mMのS−2444を6μL加え、さらに濃度3mMのTris/HCl緩衝液(pH8.8)162μLを加えて、37℃に保温したマイクロプレートリーダー(Benchmark,BIO−RAD、France)内で攪拌し、405nmにおける吸光度の変化を5分ごとに30分間測定した。controlにはポリペプチドAの代わりに0.85%生理食塩水を加えた。
図2に測定結果を示す。この図からわかるように、100pg/L(10-10g/L)という非常に低濃度において最もS−2444を強く分解している。従って、ポリペプチドAは低濃度でウロキナーゼと同様のS−2444の分解特性を有しているということができる。合成発色基質法においてスクリーニングを行うときは、controlに対して有意な効果を示すものを選別すればよいので、このスクリーニングではポリペプチドAがプラスミノゲンアクチベータとしての効果有りとして選別される。なお、S−2444がウロキナーゼによって分解されるときには、ウロキナーゼが高濃度になるほど強く分解される。
C)合成発色基質法(S−2288)
合成発色基質S−2288はt−PAによって濃度依存的に分解されるので、このS−2288を用いてポリペプチドAの評価を行った。
種々の濃度のポリペプチドA水溶液35μLに、濃度1mMのS−2288を50μL加え、さらに濃度50mMのTris/HCl緩衝液(pH8.4)150μLを加えて、37℃に保温したマイクロプレートリーダー(Benchmark,BIO−RAD、France)内で攪拌し、405nmにおける吸光度の変化を5分ごとに30分間測定した。controlにはポリペプチドAの代わりに0.85%生理食塩水を加えた。
図3に測定結果を示す。図3よりわかるように、ポリペプチドAは合成発色基質S−2288をほとんど分解しない。従って、ポリペプチドAはt−PAとは異なる作用機序を有していると考えられる。なお、S−2288がt−PAによって分解されるときには、t−PAが高濃度になるほど強く分解される。
D)合成発色基質法(S−2251)
合成発色基質S−2251はヒトのプラスミンによって濃度依存的に分解されるので、このS−2251を用いてポリペプチドAの評価を行った。
種々の濃度のポリペプチドA水溶液5μLに、濃度1IU/mLのヒト・プラスミノゲンを2.5μl加え、それから濃度1mMのS−2251を50μL加え、さらに濃度50mMのTris/HCl緩衝液(pH7.4)200μLを加えて、37℃に保温したマイクロプレートリーダー(Benchmark,BIO−RAD、France)内で攪拌し、405nmにおける吸光度の変化を5分ごとに30分間測定した。controlにはポリペプチドAの代わりに0.85%生理食塩水を加えた。
図4に測定結果を示す。この図からわかるように、100pg/L(10-10g/L)という非常に低濃度において最もS−2251を強く分解している。従って、ポリペプチドAは低濃度でプラスミノゲンを活性化してプラスミンを生成させ、このプラスミンによってS−2251が分解されるということができる。即ち、ポリペプチドAは低濃度でプラスミノゲンアクチベータとして作用することが判明した。合成発色基質法においてスクリーニングを行うときは、controlに対して有意な効果を示すものを選別すればよいので、このスクリーニングではポリペプチドAがプラスミノゲンアクチベータとしての効果有りとして選別される。なお、S−2251がプラスミンによって分解されるときには、プラスミンが0.5IU/mLの濃度のときに最も強く分解される。
(3)試験管内におけるウサギ血塊溶解測定法
血栓溶解についてのより直接的な試験として、予めウサギの血塊を作成してそれを溶解させる実験を行った。
まず、27cm(内径1mm)のシリコンチューブ両端に27Gx3/4の留置針を接続させ、両端部の注射針をウサギ(日本白色種)の耳介静脈に刺して人工的な側副循環を形成した。チューブ内に血液が充満したところで最下流部を縫合糸で結紮し、このまま1時間放置してチューブ内の血液を凝固させた。それから血塊の充満したチューブを5cmずつ切断し、チューブ内に形成された血栓を取り出してそれぞれ秤量した。
秤量した血栓は、直ちに30μLのt−PA(800IU/mL)と同容量のポリペプチドA(500mg/L)溶液とを加えた混合液の入ったプラスチック製マイクロチューブに移してこのマイクロチューブを密栓し、37℃の恒温槽で4時間加温した後、再び血栓を秤量した。
比較のために上記と同様の手順でt−PAとポリペプチドAとの混合液の代わりに、以下の3種類の液、即ち、生理食塩水60μL(control)、ポリペプチドA(500mg/L)溶液30μL+生理食塩水30μL、またはt−PA(800IU/mL)30μL+生理食塩水30μLをそれぞれ別々の秤量した血栓に加えて、4時間加温後に再び血栓を秤量した。
図5に測定結果を示す。controlの4時間加温後の血栓重量を100%としたとき、t−PA+生理食塩水を加えた血栓重量は35.6%±5.8%であり、ポリペプチドA+生理食塩水を加えたときは45.0%±5.8%であった。これら両者は、controlに対しては有意差が有ることが認められた。一方2者の間では有意差は認められなかった。従って、ポリペプチドA単独でも終濃度400IU/mLのt−PAと同程度の線溶効果を発揮することが判明した。
次に、ウサギ血栓の線溶に関してポリペプチドAの濃度がどのように影響するかを調べた。
濃度500〜62.5mg/Lの範囲で倍数希釈したポリペプチドA溶液(t−PAは添加せず)を用意し、上記のテスト条件でウサギ血栓の溶解試験を行って血栓重量の減少率を測定した。
図6に測定結果を示す。各濃度における血栓の重量は、15%程度の変動域の中でいずれの濃度においてもcontrolに対して45〜60%に減少しており、controlに対し明らかな有意差があることが示された。また、62.5mg/Lよりもさらに低濃度でも線溶効果が有ることが示唆されている。
以上の実験結果より、ポリペプチドAは非常に低濃度(62.5mg/L以下)で血栓溶解作用を発揮することが判明した。そして、このような血栓溶解作用を呈するポリペプチドは、フィブリン平板法及び合成発色基質法によってスクリーニングを行うことができる。本実施例におけるポリペプチドAは、ヒトのプラスミノゲンを活性化し、フィブリンを溶解させることができる。当該ペプチドを既知のプラスミノゲンアクチベーターと比較すると、ウロキナーゼの分子量は約5.4万であり現在知られている他の血栓溶解剤も数万以上の分子量を有しているのに対し、ポリペプチドAは分子量が約3千であって非常に小さな分子である。従って、作用機序も全く新規である可能性もあり、また、薬剤としてもウロキナーゼ等に比べて非常に扱いやすいものである。また、合成も容易に行えるので、安価に量産することが可能である。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはアミドもしくはそのエステルまたはその塩は、生体内でプラスミンによって分解されるとともに他の酵素によっても分解されてて配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリぺプチド類を生成するため、ポリペプチドAと同様の線溶効果を発揮する。
以上説明したように、本発明に係るポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルもしくはその塩は、線溶効果を有し、血栓溶解剤等として有用である。

Claims (14)

  1. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩。
  2. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬。
  3. 血栓溶解剤である請求項2に記載の医薬。
  4. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体。
  5. 請求項4に記載の抗体を用いることを特徴する、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の検出方法。
  6. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  7. 請求項6に記載のポリヌクレオチドを含有するする組み替えベクター。
  8. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩。
  9. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬。
  10. 血栓溶解剤である請求項9に記載の医薬。
  11. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体。
  12. 請求項11に記載の抗体を用いることを特徴する、配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の検出方法。
  13. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  14. 請求項13に記載のポリヌクレオチドを含有するする組み替えベクター。
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