JPWO2006070595A1 - 圧電セラミックアクチュエータ及び携帯機器 - Google Patents

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Abstract

電圧の印加により振動する圧電セラミック素子の全面に補強板を重ね、圧電セラミック素子と補強板とを1又は複数個の局部的な部位で接合する。補強板における接合部位に整合する位置には、固定子が接合され、圧電セラミック素子の振動を外部に伝達する。これにより、落下衝撃力を受けても、圧電セラミック素子の割れ及び欠け等の構造的欠陥が発生せず、しかも、圧電セラミック素子の振動量として、大きな振動量を確保することができる。

Description

本発明は、携帯機器に用いられる薄型・高信頼性を有する機械的振動源として好適の圧電セラミックアクチュエータ及びそれを搭載した携帯機器に関する。
昨今、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、及びPDA(Personal Data Assistance携帯情報端末)等の小型携帯電子機器が盛んに利用されるようになった。これらの装置は、ネットワークシステム及びソフトウエアの進展とともに、その応用に広がりを見せ、利用者の利便性が高まっている。これにともない搭載される機能部品の数量は増大傾向にある。例えば、スピーカ、マイクロホン、レシーバ、バイブレータ、カメラ、液晶ディスプレイ、電池、カードメモリー、LSI、赤外通信モジュールなどがその一例である。
携帯性及び利便性を高めるため、装置の小型・薄型が求められる一方で、搭載される機能部品の増加により、装置の小型化に対して障害が生じている。また、装置落下時における部品と他の部品又は筐体との接触による部品破壊防止を考慮した実装配置、空間設計の重要性が高まっている。更に一層の携帯機器の普及のために、安価に部品を製作・実装する技術の開発も、欠かすことができない状況にある。
携帯機器には様々な可動部品が用いられる。音響素子、バイブレータ、カメラズーム機構、液冷ポンプ等が挙げられる。携帯機器には、そのエネルギー供給源として電池が使用されており、3〜5V程度の低電圧駆動が可能で安価であることから機械的駆動源として、電磁型と呼ばれるDCモータ及び磁力・機械変換機構が用いられている.電磁コイル及び永久磁石などが使用されているため、駆動性能を維持し、小型化を図るために技術的な障壁は高い。電磁型駆動源から発する電磁ノイズも機器の誤動作を生じる。そこで、電磁作用を利用せず、高い電気・機械エネルギー変換効率を有し、薄型及び小型化に有利な圧電セラミックを利用した駆動源が注目されている。
これは、小型ながら、直流電圧を印加すると、圧電セラミック素子が変位し、対象物を可動する力が強いためである。また、所望の周波数の交流電圧を印加すると、その周波数で振動し、対象物を振動させることが可能な素子である。
このように機械的駆動源として、薄型化が可能な圧電セラミック素子には、数々の形態が提案され実用化がなされている。例えば、非特許文献1及び非特許文献2に圧電横効果を利用した屈曲素子及びその動作の詳細が記載されている。
また、携帯機器には、エネルギー供給源として3〜5V出力の電池が用いられる。一般的に圧電セラミック素子は、電磁型と比較してその動作電圧が高いことが知られている。これを解決する手段として圧電セラミック薄板と電極を交互に積層して、セラミック板に印加する電界強度を高めることで低電圧駆動を可能にした積層圧電セラミック振動子が提案されている。この積層圧電セラミック振動子は、例えば、非特許文献3にその構造が示されている。
図21、図22及び図24を使用して、従来の圧電セラミックアクチュエータについて説明する。図21は従来の圧電セラミック素子110(圧電振動子)を示す。この従来の圧電セラミック素子110は、分極処理が施された1対の圧電セラミック板111,112が、その間に恒弾性体113を配置して接合されており、この圧電セラミック板111,112には電極が形成されている。恒弾性体113の上下に配置された電気端子に対し所定の結線を施すと、圧電セラミック板111,112に電圧を印加したときに、上に配置された圧電セラミック板111は長さ方向に縮み、下に配置された圧電セラミック板112は長さ方向に伸び、結果として、図22に示すように圧電セラミック板111,112の厚さ方向(圧電セラミック素子110の厚さ方向)に屈曲運動をする。電圧の印加方向を変えると、逆向きに屈曲運動をする。従って、正弦波交流電圧を印加すれば、圧電セラミック素子110は、厚さ方向に屈曲振動を起こす。
この圧電セラミック素子110の振動を、弾性体115に伝えるためには、図23に示すように、圧電セラミック素子110と弾性体115との間に固定子114を設け、この固定子114を介して、圧電セラミック素子110と、弾性体115とを機械的に接合すれば良い。
「超音波エレクトロニクス振動論」、pp.104、富川義朗 編著、朝倉書店、1998年 「電気回路素子としての電気機械振動子とその応用」、pp.192、pp.212、永井健三、近野正 共著、コロナ社、1974年 "Mechanical quality factor of multilayer piezoelectric ceramic transducers"(Jpn. J. Appl. Phys.,Vol.40, Part 1, No.5B, pp.3549-3551, May2001) 特開2004−254417 特開2000−333480
しかしながら、屈曲変位動作をする圧電横効果を利用した圧電セラミック素子を、携帯機器に利用する際、以下に示す実用上の課題がある。
昨今の携帯機器は運搬性を考慮し、運搬時の人的な失敗により発生する機器落下時の破壊防止のための対策をおこなわなければならない。小型である圧電セラミック素子は、携帯機器の小型振動源として、バイブレータ及び音響素子など、その応用性は広いが、セラミックの脆性のため、落下時の衝撃力による破壊が起こりやすいという欠点があった。図23の構成において、携帯機器落下時に発生する衝撃応力は固定子114の近傍に集中し、セラミックの割れ及び欠けなどの構造的欠陥が発生し、圧電セラミック素子の振動量は大幅に低下し、振動源として機能しなくなるという問題点があった。
この問題点の解決のために、図24に示すように、金属板等の剛性が高く、衝撃力に強い補強板116を圧電セラミック素子110の表面全面に接合することが考えられる。
しかしながら、補強板116の接合により、圧電セラミック素子110が機械的に拘束されて、その伸縮運動が抑制されるため、振動量が小さなものになってしまい、実用に供し得ないという問題点がある。
同様に、特許文献1及び2には、圧電素子に補強板を積層させた圧電アクチュエータが開示されているが、圧電素子の衝撃破損防止及び大きな振動量の確保という相反する要求を満足できるものではない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、落下衝撃力を受けても、圧電セラミック素子の割れ及び欠け等の構造的欠陥が発生せず、しかも、圧電セラミック素子の振動量として、大きな振動量を確保することができる圧電セラミックアクチュエータ及びそれを組み込んだ携帯機器を提供することを目的とする。
本発明に係る圧電セラミックアクチュエータは、電圧の印加により振動する圧電セラミック素子と、この圧電セラミック素子の全面に重ねられる補強材と、前記補強材に固定され前記圧電セラミック素子の振動を外部に伝達する固定子と、を有し、前記圧電セラミック素子と前記補強材とは1又は複数個の局部的な部位で接合されていることを特徴とする。
この圧電セラミックアクチュエータにおいて、前記圧電セラミック素子は、例えば、1対の圧電セラミック板と、この圧電セラミック板に挟まれた恒弾性体とを有するものである。この場合に、前記補強材は、例えば、一方の圧電セラミック板の全面に重ねられ、この圧電セラミック板と同一又はそれより大きな形状を有する。
また、前記固定子は、前記圧電セラミック素子と前記補強材との接合部位に配置されていることが好ましい。更に、前記圧電セラミック素子と前記補強材とは接着剤により接合されていることが好ましい。更にまた、前記圧電セラミック素子と前記補強材との間に、接合材が塗布された有機樹脂基材を設けることにより、前記圧電セラミック素子と前記補強材とを接合することができる。
本発明に係る他の圧電セラミックアクチュエータは、電圧の印加により振動する1対の圧電セラミック素子と、これらの1対の圧電セラミック素子間に配置されその全面に重ねられる補強材と、一方の前記圧電セラミック素子に固定され前記圧電セラミック素子の信号を外部に伝達する固定子と、を有し、前記各圧電セラミック素子と前記補強材とは夫々1又は複数個の局部的な部位で接合されていることを特徴とする。
この圧電セラミックアクチュエータにおいて、前記各圧電セラミック素子は、例えば、1対の圧電セラミック板と、この圧電セラミック板に挟まれた恒弾性体とを有するものである。この場合に、前記補強材は、例えば、両圧電セラミック素子の各一方の圧電セラミック板の全面に重ねられ、この圧電セラミック板と同一又はそれより大きな形状を有する。
また、前記固定子は、それが固定された圧電セラミック素子と前記補強材との接合部位に配置されていることが好ましい。更に、前記圧電セラミック素子と前記補強材とは接着剤により接合されていることが好ましい。更にまた、前記圧電セラミック素子と前記補強材との間に、接合材が塗布された有機樹脂基材を設けることにより、前記圧電セラミック素子と前記補強材とを接合することができる。
本発明に係る携帯機器は、上述の圧電セラミックアクチュエータを振動源にしたことを特徴とする。この場合に、上述の圧電セラミックアクチュエータを振動源にして、筐体の一部を振動させることにより発音させるように構成することもできる。
本発明によれば、圧電セラミック素子を、1又は複数箇所の局部的な部位で補強材に接合したので、この圧電セラミック素子を振動源として携帯機器に組み込んだ場合に、携帯機器を落下させたときに衝撃応力が作用しても、圧電セラミック素子が破壊することが防止される。この場合に、圧電セラミック素子と補強材とは、局部的な部位で接合されているので、補強材を設けても十分に大きな振動量を得ることができ、振動量が大きな機械的振動源を得ることができる。また、補強材は、圧電セラミック素子の全面に重ねられるものであるから、圧電セラミック素子に対する衝撃力を確実に抑制することができ、その衝撃応力による破壊を防止し、高信頼性を得ることができる。特に、補強材を圧電セラミック素子と同一の大きさにすれば、圧電セラミック素子の一つの面を補強板で覆うことによる破損防止効果に加えて、圧電セラミック素子からはみ出た無駄な突起等がなく、装置の小型化が可能である。
本発明の第1実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 本発明の第7実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 本発明の圧電セラミック素子の変形例を示す斜視図である。 本発明の第8実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 本発明の第9実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 (a)、(b)は、本発明の実施形態のアクチュエータを携帯機器に組み込んだ状態を示す図である。 本発明の実施例1の圧電セラミック素子を示す斜視図である。 (a)乃至(d)は、本発明の実施例1の補強板及び補強板接合用基材を示す図である。 本発明の実施例1の圧電セラミックアクチュエータの組立方法を示す斜視図である。 (a)、(b)は、実施例1のアクチュエータを筐体に取り付ける方法を示す図である。 本発明の実施例2の圧電セラミックアクチュエータを示す斜視図である。 (a)、(b)は、実施例2のアクチュエータを筐体に取り付ける方法を示す図である。 本発明の実施例3の圧電セラミックアクチュエータを示す斜視図である。 同じく本発明の実施例3の圧電セラミックアクチュエータを示す斜視図である。 (a)、(b)は、本発明の実施例4の圧電セラミックアクチュエータを携帯機器内に収納した状態を示す図である。 従来の圧電セラミック素子を示す斜視図である。 その動作を示す図である。 従来の圧電セラミックアクチュエータを示す斜視図である。 従来の圧電セラミックアクチュエータを示す斜視図である。
符号の説明
1、11、21、31、41a、41b、61、81:圧電セラミック素子
2、4、82,83:圧電セラミック板
3、84:恒弾性体
5、15、25、35a、35b、45、62、86:補強板
6、49、64、74、88:固定子
7a、7b、7c:接合部位
17a、17b、17c、27a、27b、27c、37a、37b、37c、38a、38b、38c、47a、47b、47c、48a、48b、48c、63a、63b、63c、87b、87c、87d:補強板接合用基材
51:上部絶縁層
52、54:圧電活性層
53:中間絶縁層
55:下部絶縁層
70:疑似筐体
101:携帯電話上部筐体
102:アンテナ
103:携帯電話下部筐体
104:電池パック
105:折りたたみヒンジ
106、107:回路基板
108:液晶ディスプレイ
109:圧電セラミック素子
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る圧電セラミックアクチュエータの組み立て方法を示す斜視図である。圧電セラミック素子1は、1対の圧電セラミック板2、4の間に、恒弾性体3を挟むようにして構成されており、圧電セラミック板2,4に形成した電極(図示せず)に電圧を印加することにより、その電圧の向きにより圧電セラミック板2側又は圧電セラミック板4側のいずれかが内側になるように、圧電セラミック板2,4が変形する。従って、交流電圧を印加することにより、圧電セラミック板2,4が交互に内側になるように変形し(屈曲運動)、圧電セラミック素子1が振動する。
補強板5は、金属板又は樹脂板等、種々の素材を使用することができる。そして、この補強板5は、圧電セラミック素子1の圧電セラミック板4の全面に重ねられ、圧電セラミック板4と同一か、又はそれ以上の大きさを有する。この補強板5と圧電セラミック板4とは、補強板5における局部的な3箇所の部位7a,7b、7cに有機接着剤等の接着剤を塗布して両者を密着させることにより、この部位7a〜7cにて、接合される。つまり、本実施形態は、圧電セラミック板4の全面で補強板5を固定せず、1又は複数個の局部的な且つ相互に独立した部位で補強板5と圧電セラミック板4とを固定する。この接合部位の大きさ及び数は任意である。
そして、補強板5における圧電セラミック板4が接合されていない側の面(裏面)に、固定子6が接合されている。この固定子6の接合部位は、補強板5の裏面におけるいずれかの接合部位7a〜7cに整合する位置である。つまり、補強板5における固定子6の取り付け位置は、補強板5を圧電セラミック板4に接合する部位(図示例は、部位7b)に対応する位置である。この固定子6は圧電セラミック素子1の振動を外部に伝達するためのものであり、例えば、この固定子6が携帯機器の筐体に接触するように圧電セラミック素子1が配置される。
次に、上述の如く構成された圧電セラミックアクチュエータの動作について説明する。本実施形態においては、補強板5が圧電セラミック素子1の全面に重なっているので、携帯機器を落下させても、この補強板5が圧電セラミック素子1を保護し、衝撃荷重が圧電セラミック素子1に印加することを防止することができ、圧電セラミック素子1の破壊を防止することができる。そして、補強板5は、圧電セラミック素子1(圧電セラミック板4)に局部的な3箇所の部位7a〜7cで接着により接合されており、補強板が圧電セラミック素子の全面で接合されて一体的になっているものではないので、圧電セラミック素子1は、補強板5が接合されていない部位は、自由に変形することができる。よって、圧電セラミック素子1は大きな振動をすることができ、振動量が大きな振動源となる。
この場合に、圧電セラミック素子1と補強板5との接合に接着材を使用することにより、接合部位に柔軟性を持たせることができるため、圧電セラミック素子1の振動時に圧電セラミック素子1は容易に変形することができる。また、局部的に設けられた接合部位間には非接合の部位があり、この非接合部位において圧電セラミック素子1と補強板5との間には間隙が存在するので、圧電セラミック素子1と補強板5との間の摩擦又は拘束力を低減できるため、これによっても、圧電セラミック素子1の振動時における圧電セラミック素子1の変形を容易にすることができる。これらの理由により、本実施形態は、圧電セラミックアクチュエータとして、大きな屈曲振動を得ることができる。
固定子6が固定される圧電セラミック素子1の位置に、圧電セラミック素子1と補強板5との接合部位7bがあるので、圧電セラミック素子1の振動を、固定子6を介して、外部の弾性体に高効率で伝播させることができる。これに対し、圧電セラミック素子1と補強板5との接合部位がない部分に固定子6を設けると、補強板5にて機械的な結合経路が遮断され、振動エネルギーの伝播損失が生じる。携帯機器の落下時に発生する衝撃振動は、固定子6を介して圧電セラミック素子1に伝播し、未接合部における補強板5と圧電セラミック素子1との衝突により、圧電セラミック素子1の破壊が生じやすい。圧電セラミック素子1と補強板5との接合がある部分に固定子6を設けると、衝撃時の上述の問題点を防止することができる。
なお、図1においては、圧電セラミック素子1と補強板5との接合部位は3箇所(部位7a〜7c)設けられているが、接合部位は1箇所又は2箇所以上の多数箇所としてもよい。これは、前述の如く、電子機器落下時の圧電セラミック素子1の衝撃破壊が、固定子6の接合部の近傍で発生するためであり、この固定子6の接合部分が、補強板5により補強されていれば、圧電セラミック素子1と補強板5との接合部位の数によらず、同様の効果が得られる。
次に、図2を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。但し、図2において、固定子は図示を省略する。本実施形態においては、圧電セラミック素子11と補強板17との間に、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリイミド、又はシリコンゴム等の有機樹脂製の3個の基材17a、17b、17cが相互間に間隔をおいて配置されている。この基材17a〜17cは薄板状であり、その表面及び裏面には接着剤又は粘着剤が塗布されていて、この接着剤又は粘着剤により基材17a〜17cが夫々圧電セラミック素子11と補強板17とに接合されている。これにより、圧電セラミック素子11と補強板15とが3個の基材17a〜17cを介して接合されている。
本実施形態においては、有機樹脂製の基材17a〜17cが柔軟性を有しているため、圧電セラミック素子11の屈曲振動に応じて基材17a〜17cが容易に変形する。これにより、圧電セラミック素子11と補強板15との間の機械的拘束力が大幅に緩和され、圧電セラミックアクチュエータは大きな屈曲振動をすることができる。また、有機樹脂製基材17a〜17cにより圧電セラミック素子11と補強板15とを接合することにより、圧電セラミックアクチュエータを工業的に製造しやすくなる。
図3は、本発明の第3実施形態を示す斜視図である。但し、図3において、固定子は図示を省略する。本実施形態は、圧電セラミック素子21と補強板25との間に、5個の補強板接合用樹脂製基材27a、27b、27c、27d、27eが相互間に間隔をおいて配置されており、接着剤又は粘着剤により、基材27a〜27eと、圧電セラミック素子21及び補強板25とが接合されている。
本実施形態においては、第2実施形態よりも、多数の幅が細い基材27a〜27eを設けているので、圧電セラミック素子21の屈曲振動に補強板25がより柔軟に追従することができ、補強板25の接合による圧電セラミック素子21の振動抑制が生じにくい。また、基材27a〜27eの接合部の経年変化により、一部の基材27a〜27eに接合剥離が起きても、他の基材27a〜27eの接合部により、接合力が保持されるため、本実施形態は、第2実施形態と同様に実用的な形態を有する。
図4は、本発明の第4実施形態を示す斜視図である。但し、図4において、固定子は図示を省略する。本実施形態においては、圧電セラミック素子31の表面及び裏面に、夫々補強板35a及び35bが、夫々補強板接合用樹脂基材37a〜37c及び38a〜38cを介して接合されている。
本発明においては、圧電セラミック素子と補強板とを局部的な部位で接合しているので、圧電セラミック素子の補強板による振動拘束が小さいため、本実施形態のように、補強板35a、35bを、圧電セラミック素子31の表裏両面に設けても、圧電セラミック素子31の振動に与える影響は少ない。
携帯機器において、落下衝撃時に発生する振動は、筐体などの弾性体から固定子を介して圧電セラミック素子に伝播するが、携帯機器の筐体内の空間は狭いため、筐体などの弾性体と他方の側に電子回路基板などの部品が配置されていることがあり、これらの部品と圧電セラミック素子との間の間隙が小さいと、これらの部品と圧電セラミック素子とが直接衝突し、圧電セラミック素子の破壊を引き起こしてしまう。このような場合に、本実施形態のように、圧電セラミック素子31の上下両面に、補強板35a、35bを設けることにより、この問題点を解消することができる。
図5及び図6は本発明の第5実施形態を示す斜視図である。本実施形態においては、2個の圧電セラミック素子41a、41b間に、1枚の補強板45が接合されている。補強板45にはその表裏両面に夫々3個の補強板接合用基材47a、47b、47c及び48a、48b、48cが配置され、この基材47a等の表裏両面に塗布された接着剤により圧電セラミック素子41a、41bが基材47a等を介して補強板45に接合されている。そして、図6に示すように、この圧電セラミック素子41bの裏面の中央に、即ち、中央の基材47b、48bに整合する位置に、固定子49が固定されている。
本実施形態においては、2個の圧電セラミック素子41a、41bを有するので、圧電セラミック素子の加振力は2倍になる。このため、固定子49を介して振動伝播させる弾性体の振動量を2倍にすることができる。この際、各圧電セラミック素子の電気結線を考慮し、同一方向に屈曲振動するようにすること、即ち同一位相で振動させることが必要である。圧電セラミック素子41a、41bの屈曲振動方向が相互に異なると、固定子49において各圧電セラミック素子41a、41bの振動は、打ち消しあい、電子機器筐体などの弾性体に振動を伝播させることができない。また、圧電セラミック素子41a、41bと補強板45との接合部には、振動時に過大なせん断力が発生し、接合部剥離等の欠陥が生じ、信頼性の低下が起こる。
なお、固定子49の接合位置は、圧電セラミック素子の中央に限らず、図7に示すように、端部の基材47a、48aに整合する位置に固定子49を接合してもよい。この場合も、図6と同様の効果を奏する。
本発明においては、屈曲振動をする圧電セラミック素子を構成する部材は、特定のものに限定されるものではない。例えば、図1において、圧電セラミック素子は、圧電セラミック板2,4及び恒弾性体3により構成されている。しかし、図8に示すように、湿度によるセラミックの経年変化を防止するため、上部絶縁保護層51と下部絶縁保護層55との間に、圧電活性層52,54を配置し、更に、圧電活性層52,54間に、中間絶縁層53を配置した構造の圧電セラミック素子を使用することもできる。この場合に、圧電活性層52,54は、分極処理を施されたものであり、電圧印加により伸縮して、素子屈曲振動の駆動部となるものである。また、中間絶縁層53は、その上下に配置された圧電活性層52,54を電気的に分離するものである。この圧電セラミック素子は、全体を焼成して一体構造としたものである。この圧電セラミック素子も、上述のようにして、補強板を接合することにより、同様の効果を奏する。
また、図9に示すように、圧電セラミック素子61と補強板64とを接合するために、複数の部位で接着剤又は接合用基材63a、63b、63cを使用して接合する場合に、その接合部位の大きさ又は接合用基材63a、63b、63cの大きさ(特に、屈曲方向の幅)は、相互に異なるものとしてもよい。特に、固定子64を圧電セラミック素子61の中央に接合する場合には、この固定子64の接合位置においては、圧電セラミック素子61の屈曲振動量は小さいため、接合部位の幅又は接合用機材63bの幅は、屈曲振動に与える影響が少ない。
また、図10に示すように、圧電セラミック素子71と補強板72とを接合するために、固定子74の近傍の1箇所にのみ、補強板接合用基材73を設けることとしてもよい。この場合においても、機器落下時の衝撃応力は固定子74の近傍に集中するため、補強板72による圧電セラミック素子71の破壊防止機能は、複数箇所による接合と同様の補強効果がある。
図11(a)は携帯機器筐体70の外観を示す斜視図、図11(b)は図11(a)のA−A線による断面図である。この携帯機器筐体70内に、圧電セラミック素子71と補強板72とを補強板接合用基材73a、73b、73cにより接合して一体化した圧電セラミックアクチュエータが収納されており、この圧電セラミックアクチュエータの固定子74が筐体70の内面に接触するように設けられている。なお、筐体70とは、携帯機器を構成する電子回路基板及び液晶ディスプレイ等の電子部品を保持するために設けられたものであり、液晶ディスプレイの保護のために設けられた透明プラスチック等のように、機器外観に現れる箱状構造物に対して機械的に接合された内部構成物も含む。
このように、本発明の圧電セラミックアクチュエータを振動源として具備する場合は、この圧電アクチュエータに交流電界を印加すると、圧電アクチュエータは屈曲振動をおこして、固定子74を介して筐体70に振動が伝播する。筐体70の全体に、機械振動が励振され、筐体70に接する空気を揺動させることにより、音響放射され、発音体として利用することができる。
次に、本発明の効果を実証するために行った試験結果について説明する。本発明の圧電セラミックアクチュエータの効果を説明するために、図12に示す圧電セラミック素子81を作製した。圧電セラミック板82,83用の材料として、ジルコン酸チタン酸鉛系ペロブスカイト化合物を用いた。圧電セラミック板82,83の作製にはセラミックコンデンサーなどの作製に用いられるグリーンシート法を適用した。
圧電セラミック板82,83は、長さ30mm、幅5mm、厚さ0.2mmの寸法であり、1100℃で、2時間、大気中で焼成をおこなった。圧電セラミック板の両主面にAg電極を形成し、その後、分極処理を施した。恒弾性体84として、長さ30mm、幅5mm、厚さ0.12mmの寸法のリン青銅板を用意し、圧電セラミック板82,83にエポキシ系接着剤で接合した。この恒弾性体84は、電極として使用され、振動に影響を及ぼさないため、電気結線を工夫すれば必ずしも必要ではない。更に、圧電セラミック板82,83及びリン青銅板からなる恒弾性体84に、3本の電気リード端子85a、85b、85cを接続した。
次に、図13(a)に示すように、従来例として、補強板86の全面87aに接着剤を塗布したものを用意した。また、本発明の実施例として、図13(b)に示すように、補強板86上の3箇所の独立した幅6mmの部位87bに、エポキシ接着剤を塗布したものと、図13(c)に示すように、幅6mm、厚さ0.1mmの補強板接合用基材87cを、その両面にエポキシ接着剤を塗布して、補強板86上の3箇所の部位に接合したものと、図13(d)に示すように、幅4mm、厚さ0.1mmの補強板接合用基材87dを、その両面にエポキシ接着剤を塗布して、補強板86上の5箇所の部位に接合したものとを用意した。この際、固定子の接合位置には、接合用基材を1個配置している。本実施例では、使用した接合用基材の厚さを0.1mmとしたが、本発明は基材の厚さを限定するものでなく、携帯機器に搭載する際、圧電セラミックアクチュエータの所望の振動特性をもつ厚さ寸法に合わせ、適宜選択すれば良い。
次に、図14に示すように、ABS樹脂を用いて、長さ5mm、幅5mm、厚さ1mmの固定子88を作製して、補強板86の中央に配置し、圧電セラミック素子81と、接合用基材87c等と、補強板86と、固定子88とを接合した。固定子88の役割は圧電セラミック素子の振動を弾性体に伝播させるものである。本実施例では、固定子材料としてABS樹脂を用いたが、固定子としては、その材料が限定されるものではない。
次に、図15(a)、(b)に示すように、電子機器の筐体をシミュレートする長さ90mm、幅45mm、厚さ20mmの擬似筐体90を、肉厚2mmのアクリル材料で作製した。その後、図13(a)〜(d)に示す4種類の補強板と、圧電セラミック素子及び固定子を設けた圧電セラミックアクチュエータを、固定子の底面中心位置を、擬似筐体90の内面における長手方向一方の端部から20mm、幅方向左端から22mmの位置に接合した。図15(a)において、破線は圧電セラミックアクチュエータの配置位置を示す。
そして、各圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、セラミック素子を振動させ、伝達される擬似筐体90の表面中心部の実効的振動速度量を、レーザ振動系を用いて計測した。従来の圧電セラミック素子(図13(a))を用いた際の擬似筐体の振動量を基準1として、その測定値の比を規格化振動速度とした。また、擬似筐体90を200cmの高さから床面コンクリート上に落下させて、擬似筐体90内の圧電セラミック素子の接合側外面に、衝撃力を与える落下試験を行った。その後、圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、各圧電セラミック素子を振動させ、伝達されるアクリル板の中心部の実効的振動速度量を、レーザ振動系を用いて計測し、落下前の従来素子を用いた際の振動量を基準1として、その測定値比を規格化振動速度として、本発明の効果を評価した。その結果を下記表1に示す。
Figure 2006070595
この表1に示すように、従来例である図13(a)の場合と比較して、本発明の実施形態の圧電セラミックアクチュエータは、振動量が2.5倍以上に向上している。また、本実施形態の圧電セラミックアクチュエータは落下試験の前後での特性変化はない。落下試験後の外観検査においても、圧電セラミック素子の欠け、割れ及び接合部剥離等は観察されなかった。よって、本実施例により、本発明は、衝撃破壊を防止でき、振動量を大幅に向上できることが実証された。
本実施例では、補強板としてステンレス板を使用し、固定子をこの補強板の端部に固定したこと以外は、実施例1記載の圧電セラミック素子と同様の圧電セラミック素子を用いた。即ち、図13の補強板86として、長さ30mm、幅5mm、厚さ0.2mmのステンレス板を用意した。従来例として、エポキシ接着剤を補強板全面に塗布したもの(図13(a))と、幅6mm、厚さ0.1mmの基材の両面にエポキシ接着剤を塗布して、基材を補強板上面の3箇所に接合したもの(図13(c))との2種類の圧電セラミック素子を作製した。
次に、ABS樹脂材料を用いて長さ5mm、幅5mm、厚さ1mmの固定子を作製して、圧電セラミック素子の端部に配置し、図16に示すように各部品を接合した。
次に、図17に示すように、長さ90mm、幅45mm、厚さ20mmの電子機器の擬似筐体90を、肉厚2mmのアクリル材料で作製した。その後、2種類の圧電セラミック素子を、固定子を介して、擬似筐体90の内面における長手方向(屈曲方向)の一端部から20mm、幅方向の左端から10mmの位置に接合した。
本発明の効果を定量化するため、各圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、セラミック素子を振動させ、伝達されるアクリル板の中心部の実効的振動速度量を、レーザ振動系を用いて計測した。従来の図13(a)の圧電素子を用いた際の振動量を基準として1として、その測定値比を規格振動速度とした。また、擬似筐体90を200cmの高さから床面コンクリート上に落下させ、擬似筐体内面の圧電セラミック素子を接合した筐体外面に、衝撃力を与えた。その後、圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、セラミック素子を振動させ、伝達されるアクリル板の中心部の実効的振動速度量を、レーザ振動系を用いて再度計測し、落下前の図13(a)の圧電素子を用いた際の振動量を基準1として、その測定値比を規格化振動速度として、本発明の圧電セラミック素子の評価を行った。その結果を下記表2に示す。
Figure 2006070595
その結果、従来例である図13(a)のアクチュエータと比較し、本発明の圧電セラミックアクチュエータは、3.3倍に振動量が向上している。また、本発明のアクチュエータは落下試験前後での特性変化はない。落下試験後の外観検査をおこなったが、圧電セラミックの欠け、割れ、及び接合部剥離等は観察されなかった。本実施例により、本発明により、衝撃破壊を防止でき、振動量を大幅に向上できることが実証された。
次に、図18及び図19を参照して本発明の実施例3について説明する。本実施例では、図12に示す実施例1の圧電セラミック素子を使用した。次に、補強板86として、長さ30mm、幅5mm、厚さ0.2mmのステンレス板を用意した。図18の場合(従来例)は、この補強板86の表裏両面の全面87aにエポキシ樹脂を塗布して、1対の圧電セラミック素子81を補強板86の表裏両面に接合した。また、固定子88を下方の圧電セラミック素子81の下面に接合した。図19の場合(本発明の実施例)は、補強板86の表裏両面に夫々3個の接合用基材87c、87cを接合した。この基材87cの幅は6mm、厚さは0.1mmである。この基材87cの両面にエポキシ接着剤を塗布して、補強板86に接合した。なお、図14に示す圧電セラミック素子が1個のものも用意した。
固定子88は、ABS樹脂材料を用いて長さ5mm、幅5mm、厚さ1mmになるように作製した。この固定子88を、圧電セラミック素子81の下面中央に配置し、各部品を接合した。
次に、図15に示すように、電子機器の擬似筐体90(長さ90mm、幅45mm、厚さ20mm、肉厚2mmのアクリル材料製)の内部に、上記3種類の圧電セラミック素子を、固定子86を介して固定した。擬似筐体90の内面における固定子86の接合位置は、擬似筐体90の一方の端部から20mm、幅方向の左端から22mmの位置である。
そして、各圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、セラミック素子を振動させ、伝達されるアクリル板の中心部の実効的振動速度量を、レーザ振動系を用いて計測した。この際、図18及び図19の2個の圧電セラミック素子が設けられているアクチュエータにおいては、各圧電セラミック素子に対し、互いに振動が同方向(同相)になるように電圧を印加した。そして、図14の圧電セラミックアクチュエータを使用した場合の振動量を基準として1とし、その変化量を規格振動速度とした。また、擬似筐体を200cmの高さから床面コンクリート上に落下させ、擬似筐体の圧電セラミック素子を接合した接合面に、衝撃力を与えた。その後、圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、セラミック素子を振動させ、伝達されるアクリル板の中心部の実効的振動速度量を、レーザ振動系を用いて計測し、落下前の図14の圧電セラミック素子を使用した場合の振動量を基準1として、その測定値比を規格化振動速度として、本発明の圧電素子を評価した。その結果を下記表3に示す。
Figure 2006070595
この表3に示すように、図19のように2個の圧電セラミック素子を使用した場合は、図14に示す1個の圧電セラミック素子を使用した場合に比して、2.2倍の振動量が得られる。これは、圧電セラミック素子を2個使用したため、加振力が2倍になったためである。しかし、圧電セラミック素子を2個使用しても、図18のように、その全面に補強板を接合した場合は、図14の場合に比して振動量が0.1に低下している。このことは、本発明の構成により、使用する圧電セラミック素子の数量に応じて、加振動力を十分発揮できることを示している。また、落下試験の前後での特性変化はない。落下試験後の外観検査をおこなったが、圧電セラミックの欠け、割れ、接合部剥離などは観察されなかった。よって、本実施例により、本発明は、衝撃破壊を防止でき、かつ、振動量を大幅に向上できることが実証された。
実施例1乃至実施例3においては、電子機器を模した擬似筐体により、本発明の効果を試験している。これに対し、本実施例では、携帯電子機器として携帯電話の実機を作製し、本発明の効果を試験した。
図20は本発明の電子機器の例としての携帯電話の構造を示す。携帯電話の上部筐体101が長さ90mm、幅45mm、厚さ15mm、下部筐体103が長さ90mm、幅45mm、厚さ15mmであり、上部筐体101と下部筐体103とを、肉厚2mmのアクリル材料で作製した。上部筐体101と下部筐体103とは、ヒンジ機構105により折り畳み可能に連結されている。また、上部筐体101にはアンテナ102が取り付けられている。上部筐体101内には、液晶ディスプレイ108と、回路基板106と、圧電セラミック素子109とが収納されている。一方、下部筐体103内には、回路基板107と電池パック104とが収納されている。
この電子機器筐体に対し、実施例1に記載の図13(a)〜(d)の補強板を備えた圧電セラミック素子を使用し、ABS樹脂による長さ5mm、幅5mm、厚さ1mmの固定子を圧電セラミック素子の中央に配置し、図14に示すように、各部品を接合した。
次に、固定子の中心位置を筐体の長さ方向の下側端面から20mmの位置に合わせ、圧電セラミック素子の長手方向が、筐体の幅方向と平行になるように、エポキシ接着剤で、筐体に接合した。なお、本発明の圧電セラミック素子の接続箇所は、電子機器筐体の特定の位置に限定されるものではなく、例えば、液晶ディスプレイ上又はディスプレイ保護材上等に設けても良い。
次に、本発明の効果を定量化するため、各圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、セラミック素子を振動させ、伝達されるアクリル板の中心部の実効的振動速度量を、レーザ振動系を用いて計測した。図13(a)の従来の圧電セラミック素子を使用した場合の振動量を基準として1とし、各圧電セラミック素子による弾性体の振動速度比を規格振動速度とした。
また、筐体を200cmの高さから床面コンクリート上に落下させ、筐体の圧電セラミック素子を接合した接合面に、衝撃力を与えた。その後、圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、セラミック素子を振動させ、伝達されるアクリル板の中心部の実効的振動速度量を、レーザ振動系を用いて計測し、落下前の図13(a)の従来の圧電セラミック素子を使用した場合の振動量を基準1とし、測定値比を規格化振動速度として、本発明の圧電セラミック素子を評価した。更に、落下試験後に、圧電素子の配置面筐体外側から10cmの距離にマイクロホンを配置し、上記の振動速度計測と同様に各圧電セラミック素子に1Vrms、500Hzの交流正弦波電圧を印加して、音圧測定をおこなった。そして、図13(a)の従来の圧電セラミック素子を使用した場合の音圧を1として、その測定値比を規格化音圧として表した。その結果を下記表4に示す。
Figure 2006070595
表4に示すように、図13(a)の従来例の場合と比較し、本発明の圧電セラミック素子は、2.3倍以上に振動量が向上している。また、落下試験の前後での特性変化はない。落下試験後の外観検査においては、圧電セラミックの欠け、割れ、接合部剥離等は観察されなかった。本実施例により、本発明は、衝撃破壊を防止でき、かつ、振動量を大幅に向上できることが実証された。また、振動量と同様の効果が音圧にも認められ、本発明の効果は振動源のみならず発音素子としても有効であり、本発明はその利用方法が格段に拡大する。従って、その工業的価値は多大である。
本発明は、携帯機器用の薄型及び高信頼性を有する機械的振動源として有益である。

Claims (14)

  1. 電圧の印加により振動する圧電セラミック素子と、この圧電セラミック素子の全面に重ねられる補強材と、前記補強材に固定され前記圧電セラミック素子の振動を外部に伝達する固定子と、を有し、前記圧電セラミック素子と前記補強材とは1又は複数個の局部的な部位で接合されていることを特徴とする圧電セラミックアクチュエータ。
  2. 前記圧電セラミック素子は、1対の圧電セラミック板と、この圧電セラミック板に挟まれた恒弾性体とを有することを特徴とする請求項1に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  3. 前記補強材は、一方の圧電セラミック板の全面に重ねられ、この圧電セラミック板と同一又はそれより大きな形状を有することを特徴とする請求項2に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  4. 前記固定子は、前記圧電セラミック素子と前記補強材との接合部位に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  5. 前記圧電セラミック素子と前記補強材とは接着剤により接合されていることを特徴する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  6. 前記圧電セラミック素子と前記補強材との間に、接合材が塗布された有機樹脂基材を設けることにより、前記圧電セラミック素子と前記補強材とを接合することを特徴する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  7. 電圧の印加により振動する1対の圧電セラミック素子と、これらの1対の圧電セラミック素子間に配置されその全面に重ねられる補強材と、一方の前記圧電セラミック素子に固定され前記圧電セラミック素子の信号を外部に伝達する固定子と、を有し、前記各圧電セラミック素子と前記補強材とは夫々1又は複数個の局部的な部位で接合されていることを特徴とする圧電セラミックアクチュエータ。
  8. 前記各圧電セラミック素子は、1対の圧電セラミック板と、この圧電セラミック板に挟まれた恒弾性体とを有することを特徴とする請求項7に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  9. 前記補強材は、両圧電セラミック素子の各一方の圧電セラミック板の全面に重ねられ、この圧電セラミック板と同一又はそれより大きな形状を有することを特徴とする請求項8に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  10. 前記固定子は、それが固定された圧電セラミック素子と前記補強材との接合部位に配置されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  11. 前記圧電セラミック素子と前記補強材とは接着剤により接合されていることを特徴する請求項7乃至10のいずれか1項に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  12. 前記圧電セラミック素子と前記補強材との間に、接合材が塗布された有機樹脂基材を設けることにより、前記圧電セラミック素子と前記補強材とを接合することを特徴する請求項7乃至11のいずれか1項に記載の圧電セラミックアクチュエータ。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の圧電セラミックアクチュエータを振動源にしたことを特徴とする携帯機器。
  14. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の圧電セラミックアクチュエータを振動源にして、筐体の一部を振動させることにより発音させることを特徴とする携帯機器
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