JPWO2006048941A1 - 移動体通信端末装置、その制御方法、通信システム及びそのローミング方法 - Google Patents
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Abstract
複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングするときに、迅速で絶え間のない滑らかなハンドオフを実現できる移動体通信端末装置及びその制御方法を開示する。移動体通信端末装置(100)は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるネットワークアクセスユニット(NAU)(101)と、1セットのインターフェイスを用いてNAU(101)と情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応するNAU(101)を制御するMADU(Multiple Access Decision Unit)(103)と、を具備し、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする。
Description
本発明は、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークにおいて使用可能で、前記ネットワークに参加するための接続ポイントを常時変更する即ちローミングする移動体通信端末装置に関する。特に、複数の前記ネットワークに参加するための複数のネットワークアクセスメカニズムを備え、これらのネットワークアクセスメカニズムが前記ネットワークのプロトコルに適合するように統合制御される移動体通信端末装置に関する。
また、本発明は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子技術者協会)802.11及びW−CDMA(広帯域符号分割多元接続)のような二重の無線アクセス技術に適用することができる。
また、本発明は、前記ネットワークのプロトコルに適合するようにネットワークアクセスメカニズムを統合制御する移動体通信端末装置及びその制御方法を提供することによって、移動体通信端末装置の利用可能範囲を拡張するものである。
無線技術の出現と発展により、今日インターネット等のグローバルネットワークに参加できる移動体通信端末装置が増加している。
これらの移動体通信端末装置は、異なるドメイン間をローミングして、異なるパケット交換方式のデータ通信ネットワークの基地局と順次チャネルを形成する。このようなローミングの供給は、GSM(Global Systems for Mobile communications)システムのような回線交換される通信ネットワークにおいてかなり成熟している。
しかしながら、パケット交換方式のデータ通信ネットワークにおいて、このようなローミング機能を採用することは難しい。なぜなら、パケット交換方式のデータ通信ネットワークにおける通信端末装置では、前記ネットワークそれぞれがユニークなアドレスを使用するからである。なお、このユニークなアドレスには、空間のトポロジーに有効な部分(通常は先頭)が含まれる。
特許文献1において、バレンタインらは、回線交換方式の電気通信ネットワークにパケット交換方式のデータ通信を取り込もうと試みた。しかしながら、特許文献1には、データ通信端末装置にアドレスがどのように割り当てられるかについての問題は記載されていない。
そこで、このアドレスの割り当ての問題を解決するため、特許文献2には、セットアップ時において移動体端末装置に動的にアドレスを割り当てる技術が記載されている。特許文献2に記載の技術によれば、前記アドレスを割り当てる問題は解決されるようにも思われる。しかし、特許文献2には、移動体端末装置が移動することによってそれまでと異なる他の接続ポイントから前記電気通信ネットワークに参加するときに、旧アドレスと新アドレスとがどのようにして関連付けられるかについて、具体的な言及がない。なお、移動体端末装置がパケット交換方式のデータ通信ネットワークに参加する接続ポイントを変更した後でも、同じアドレスで継続的にパケットを受信できるようにすることは、移動体端末装置にとって望ましいことである。これにより、パケット交換方式のデータ通信ネットワークおいて、移動体端末装置が接続ポイントを変更するときでも、通信セッションのスムーズな継続が可能となる。
このようなローミング機能をサポートするために、非特許文献1にはモバイルIPv4についての関連技術が、また非特許文献2にはモバイルIPv6についての関連技術が記載されている。モバイルIPでは、モバイルノードと呼ばれるデータ通信端末装置それぞれが恒久的なホームドメインを持っている。このホームドメインを構成するホームネットワークにモバイルノードが参加する場合には、ホームアドレスと呼ばれる恒久的なグローバルアドレスがモバイルノードに割り当てられる。モバイルノードがホームネットワークから離れているとき即ち他のネットワークに所属しているときには、通常「気付アドレス」と呼ばれる一時的なグローバルアドレスが前記モバイルノードに割り当てられる。この気付アドレスを用いれば、モバイルノードは、他のネットワークに所属していても、ホームアドレス宛てに送信されてくるパケットを受信することができる。なお、この気付アドレスを使用するには、ホームネットワーク上にホームエージェントと呼ばれるルータが必要となる。モバイルノードは、気付アドレスを「バインディングアップデートと呼ばれるメッセージを使ってホームエージェントに登録する。ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレス宛てに送信されてきたメッセージを途中で捕えて、そしてモバイルノードの気付アドレス宛てに転送する。モバイルノードがホームネットワーク以外のどのような方式の他のネットワークに所属していても、モバイルノードからホームエージェントにホームアドレスと気付アドレスとを関連付ける情報が提供されていれば、モバイルノードはホームアドレス宛てに送信されてくるパケットをいつでも受信することができるようになる。
しかしながら、非特許文献1及び非特許文献2に記載された技術では、モバイルノードが前の接続ポイントから離れた後にホームアドレスと新しい気付アドレスとの間に新しい関連付けを準備する(新しい気付アドレスを取得する時間を含む)ための時間が必要である。従って、この準備時間においては、モバイルノードはパケットを受信することができない。
そこで、移動体通信端末装置が前にチャネルを形成した基地局から新しくチャネルを形成する基地局へハンドオフを迅速に行う技術が開発され、その技術が特許文献3に記載されている。また、特許文献4には、複数の基地局が移動体通信端末装置の移動速度を測定し、測定された移動速度に基づいてハンドオフが必要か決定する技術が記載されている。これらの技術は、ハンドオフについてのオーバーヘッドを削減する可能性があるものの、旧気付アドレスから新気付アドレスに切り替えるために若干の時間を要する。そのため、これらの技術を用いてもまだ、完全に滑らかなハンドオフを実現することはできない。さらに、これらの技術では、移動体通信端末装置のホームアドレスと気付アドレスとの関連付けを基地局に動的に提供しなければならないことから、基地局での信号処理の負荷が高まる。さらに、これらの技術は、ハンドオフの各処理を実際に実行する基地局の能力及び機能に依存するため、基地局の構成を一層複雑にし、また基地局をより高価なものにする。
このような迅速なハンドオフを実現する1つの手段として、複数のネットワークアクセスメカニズムを使用することが考えられる。複数のネットワークアクセスメカニズムを備える移動体通信端末装置であれば、ハンドオフを実行する際に、前にチャネルを形成した基地局と新しくチャネルを形成する基地局とにそれぞれ別個のネットアークネットワークアクセスメカニズムを割り当てることによって、ハンドオフを迅速、かつ、滑らかなに実現することができる。
しかしながら、このような複数のネットワークアクセスメカニズムを使用するには、移動体通信端末装置に具備されるネットワークインターフェイスが、移動体通信端末装置を支配的に制御するソフトウェアに対してトリガを供給する必要がある。
米国特許第6504839号明細書 米国特許第6469998号明細書 米国特許第6473413号明細書 米国特許第5913168号明細書 パーキンスら(Perkins,C.E.et.al),「IP可動性サポート(IP Mobility Support)」,IETF RCF 3344,2002年8月 ジョンソンら(Johnson,D.B.,Perkins,C.E.,and Arkko,J.),「IPv6での可動性サポート(Mobility Support in IPv6)」,Internet Draft:draft−ietf−mobileip−ipv6−21.txt,Work In Progress,2003年2月 ハイキン(Haykin,S.),「アダプティブフィルタ理論(Adaptive Filter Theory)」,Prentice−Hall,Upper Saddle River,New Jersey,1996年,第3版 カルマン(Kalman,R.E),「線形フィルタリングと予測問題とについての新しいアプローチ(A New Approach to Linear Filtering and Prediction Problems)」,Trans ASME,1960年3月,第82巻,シリーズD,p.35−45 ハイキン(Haykin,S.),「ニューラルネットワーク:包括的な基礎(Neural Network:A Comprehensive Foundation)」,Prentice Hall,Upper Saddle River,1994年,ニュージャージー・インターナショナル版
前述したように、移動体通信端末装置がパケット交換方式のデータ通信ネットワークをローミングするときに、通信セッションに絶え間のない滑らかなハンドオフを既存の解決手段によって実現することは困難である。より具体的には、移動体通信端末装置が異なるドメインに新たに所属するとき即ち前の基地局とは異なる他の基地局との間に新たにチャネルを形成し直すとき、新しい気付アドレスが利用できるようになるまでの準備時間が必要であり、この準備時間の間は移動体通信端末装置にパケットが届かなくなるおそれがある。
無線技術の発展により、多くの移動体通信端末装置は今、IEEE802.11bとGPRS(General Packet Radio Service)とのような複数の異なるアクセス技術を利用することができるようになっている。そこで、移動体通信端末装置においてこれらの異なるアクセス技術を交互に利用すれば、迅速なハンドオフを実現することできる。
しかしながら、この迅速なハンドオフを実現するには、移動体通信端末装置に具備されるネットワークアクセスメカニズムからそれを支配的に制御するレイヤに対して、幾つかのトリガが供給される必要がある。加えて、このトリガは、支配的なレイヤの構成の複雑さを解消し、またそこで生じる信号処理の負荷を軽減するために、一様なフォーマットを持つべきである。
本発明の目的は、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングするときに、迅速で絶え間のない滑らかなハンドオフを実現できる移動体通信端末装置及びその制御方法等を提供することである。
本発明に係る移動体通信端末装置は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるネットワークアクセスユニット(NAU)と、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADU(Multiple Access Decision Unit)と、を具備し、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUによって使用される1セットのインターフェイスは、問合せ(Query)インターフェイス、設定(Configure)インターフェイス及びトリガ(Trigger)インターフェイスを含んで構成されるものであって、前記問合せインターフェイスは、問合せのタイプ(問合せコード:Query−Code)を識別する部分と問合せの結果(問合せ結果:Query−Result)を格納するバッファを含むもう一つの部分から成り、かつ、前記MADUが前記NAUに送信する前記NAUについての情報が得られる信号であり、前記設定インターフェイスは、設定されるパラメータ(パラメータコード:Parameter−Code)を示す部分と設定される前記パラメータの新しい値(パラメータ値:Parameter−Value)を格納するもう一つの部分とから成り、かつ、前記NAUに対応付けされた前記パラメータを設定する前記MADUが前記NAUに送信する信号であり、前記トリガインターフェイスは、前記NAUを個別に識別する部分(NAU−識別子:NAU−Identifier)と発生した又は今後発生するイベント(トリガイベント:Trigger−Event)を完全に記述するもう1つの部分とから成り、かつ、前記NAUが前記MADUに送信して前記イベントの発生又は今後発生することを知らせる信号である構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUは、前記NAUの設定及び状況についての情報を記録して蓄積する不揮発性のメモリデバイスを具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記問合せインターフェイスと、前記設定インターフェイスと、前記トリガインターフェイスと、のフォーマットを変換することにより、前記NAUと前記MADUとの情報交換を可能にするNIT(NAU−specific Interface Translator)を具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記NAUは、同時並列操作が可能な複数のNAU通信チャネルと、前記NAU通信チャネルを制御し、前記インターフェイスを用いて前記MADUと情報交換するsub−MADUと、を具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記sub−MADUと前記MADUとの間に、前記問合せインターフェイスと、前記設定インターフェイスと、前記トリガインターフェイスと、のフォーマットを変換することにより、前記sub−MADUと前記MADUとの情報交換を可能にするNITを具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、前記問合せインターフェイスは、前記NAUの動作モードと、前記NAUによって提供されるチャネルの使用コストと、前記NAUによって提供されるチャネルのバンド幅と、前記NAUによって提供されるチャネルの品質と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるサービス品質(QoS)レベルと、前記NAUによって提供されるチャネルについての電力消費量情報と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるセキュリティ方式と、についての情報を伝える信号である構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、前記設定インターフェイスは、前記NAUの動作モードと、前記NAUから前記MADUに情報信号を送信することと、前記NAUから前記MADUに前記情報信号を送信することを省略することと、前記MADUに送信する前記情報信号の生成に関する前記NAUについての基準と、前記NAUがハンドオフ動作を開始する基準と、前記NAUによって使用されるチャネルの特定と、についての情報を伝える信号であって、前記NAUに送信される構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、前記トリガインターフェイスは、基地局に対応付けられた前記NAUの状況変更と、ある値を変更された前記NAUによって提供されるチャネルの使用コストと、ある値を変更された前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるQoSレベルと、あるタイプに変更された前記NAUによって提供されるチャネルにおいて利用されるセキュリティ方式と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいて利用される変調方式と、についての情報を前記NAUが前記MADUに伝える信号である構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置の制御方法は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備し、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする移動体通信端末装置を制御する方法であって、前記NAUについての情報が得られる問合せインターフェイスを、前記MADUが前記NAUに送信するステップと、前記NAUに対応付けされた前記パラメータを設定する設定インターフェイスを、前記MADUが前記NAUに送信するステップと、前記イベントの発生又は今後発生することを知らせる前記トリガインターフェイスを、前記NAUが前記MADUに送信するステップと、を具備するようにした。
本発明に係る移動体通信端末装置の制御方法は、前記発明において、前記MADUが前記NAUを制御するステップと、同時並列操作が可能な複数のNAU通信チャネルを制御し、かつ、前記インターフェイスを用いて前記MADUと情報交換する前記sub−MADUを前記MADUが制御するステップと、前記MADUが前記インターフェイスを用いて前記NAU又は前記sub−MADUと通信を行うステップと、を具備するようにした。
本発明に係る移動体通信端末装置の制御方法は、前記発明において、前記MADUと通信するときに、前記sub−MADUがそれ自身を表す特別な識別子を使用するステップと、前記特別な識別子が前記トリガインターフェイスに使用される場合には、前記MADUと通信を行うUPLに対して前記トリガインターフェイスに基づいて前記sub−MADUの行った決定を前記MADUが送信するステップと、を具備するようにした。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークを介して受信された入力信号に基づいて、前記データ通信ネットワークとのチャネルの中断を予測する複数のTDFと、複数の前記TDFからの入力信号を時系列に比較することにより、トリガインターフェイスを前記MADUに送信するか決定する比較器と、を具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記TDFは、前記入力信号をその受信された世代毎に記録し一定期間保持する複数の遅延レジスタと、前記遅延レジスタからの出力に対して前記遅延レジスタ毎に用意された重みをそれぞれ乗算する複数の乗算器と、複数の前記乗算器から入力されてくる複数の乗算値に予め設定された値を加えつつ合算する加算器と、を具備する構成を採る。
本発明に係る通信システムは、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークと、前記データ通信ネットワークの間をローミングする移動体通信端末装置と、を含んで構成される通信システムであって、前記移動体通信端末装置は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備する構成を採る。
本発明に係る通信システムは、前記発明において、前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークは、前記移動体通信端末装置とのチャネルを形成するときに、重みのセットを動的に設定し、設定された前記重みのセットを前記移動体通信端末装置に提供する基地局を具備し、前記移動体通信端末装置は、前記基地局から提供される前記重みのセットを用いて、前記基地局との間で形成された前記チャネルの中断を予測する構成を採る。
本発明に係る通信システムは、前記発明において、前記移動体通信端末装置は、前記NAUが前記MADUによって設定されたトリガインターフェイスを送信するタイミングを含む制御メッセージを前記基地局に送信し、前記基地局は、前記制御メッセージを受信したときに、前記制御メッセージに対応する前記重みのセットを前記移動体通信端末装置に送信する構成を採る。
本発明に係る通信システムは、前記発明において、前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークは、前記移動体通信端末装置との間でチャネルを形成する基地局を具備し、前記基地局は、前記移動体通信端末装置からトリガメッセージの送信を要求されたときには、或いは前記移動体通信端末装置の位置を監視してその動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生を検出したときには、前記移動体通信端末装置との間で現在のチャネルを形成している基地局を特定する独特の識別子と、前記移動体通信端末装置との間で新たにチャネルを形成する他の基地局を特定する独特の識別子と、前記イベントが発生する推定時刻と、を含むトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信し、前記移動体通信端末装置は、現在のチャネルを形成している前記基地局に制御メッセージ、即ち前記移動体通信端末装置を特定する独特の識別子と、前記トリガメッセージを特定する独特の識別子と、前記イベントの発生推定時刻の前に前記トリガメッセージの送信に必要な時間枠と、を含む制御メッセージを送信し、並びに前記イベントの発生を検出したときには、前記トリガメッセージの送信を前記基地局に要求する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置のローミング方法は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備する移動体通信端末装置、並びに前記移動体通信端末装置との間でチャネルを形成する基地局を具備する複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークを含んで構成される通信システムにおいて、前記移動体通信端末装置が複数の前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする方法であって、前記移動体通信端末装置が、現在のチャネルを形成している前記基地局に制御メッセージ、即ち前記移動体通信端末装置を特定する独特の識別子と、前記トリガメッセージを特定する独特の識別子と、前記基地局の動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生推定時刻の前に前記トリガメッセージの送信に必要な時間枠と、を含む制御メッセージを送信するステップと、前記移動体通信端末装置が、前記イベントの発生を検出したときには、前記トリガメッセージの送信を前記基地局に要求するステップと、前記基地局が、前記移動体通信端末装置からトリガメッセージの送信を要求されたときには、或いは前記移動体通信端末装置の位置を監視してその動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生を検出したときには、前記移動体通信端末装置との間で現在のチャネルを形成している前記基地局を特定する独特の識別子と、前記移動体通信端末装置との間で新たにチャネルを形成する他の基地局を特定する独特の識別子と、前記イベントが発生する推定時刻と、を含むトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信するステップと、を具備するようにした。
本発明に係る移動体通信端末装置によれば、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備するため、ハンドオフが実行される前に上位層のプロトコルに予めトリガが送信されることから、上位層のプロトコル例えばUPLによる支配的な制御によって絶え間のないスムーズなハンドオフが実現される。
また、本発明に係る移動体通信端末装置によれば、移動体通信端末装置における現在形成されているチャネルが今後中断されるか否かを予測できるため、使用中のNAUを変更するために必要な準備時間を十分に確保することができる。
そして、本発明に係る移動体通信端末装置によれば、現在使用中のチャネルが今後中断されるときには、現在のネットワークアクセスメカニズムと独立して代わりのネットワークアクセスメカニズムを並列に作動させることができるため、移動体通信端末装置が様々な基地局の動作範囲を出入りするときに、通信セッションの中断時間を最小限に抑えることができる。
加えて、本発明に係る移動体通信端末装置によれば、トリガインターフェイスについて一様なフォーマットを指定することから、移動体通信端末装置において異なるベンダーや異なる製造業者から供給されるネットワークインターフェイスカードを併用しても、UPLの構成や信号処理の複雑さを軽減することができる。
また、本発明に係る移動体通信端末装置を含んで構成される通信システムによれば、この通信システムが制御メッセージ及びトリガメッセージの送受信をサポートするため、複数のNAUが一つのアクセスメカニズムを備える移動体通信端末装置であっても、前記各効果が有効に奏される。
本発明の骨子は、ユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、前記インターフェイスを用いて複数の前記NAU及び前記MADUと情報交換を行い、これらを支配的に制御するUPLと、を具備する移動体通信端末装置を用いることによって、パケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングするときに、前記NAU又は前記NAUに具備されるNAU通信チャネルを前記データ通信ネットワーク毎に割り当ててチャネルを形成し、ハンドオフの前後に係る個々のチャネルに対応する前記NAU又は前記NAU通信チャネルを同時並行で作動させることによって、それまで使用していた旧アドレスとその後使用する新アドレスとを関連付け通信セッションの中断を生じさせずにハンドオフを滑らかに実行することである。
本発明では、移動体通信端末装置における上位層のプロトコルがNAUからトリガを受け取ることが可能であることを開示した。このトリガは、移動体通信端末装置がローミングするときに、その各構成要素がハンドオフについての信号を処理するタイミングを提供することができる。従って、このトリガは、現在使用中のチャネルの中断又はハンドオフの発生を警告する信号として機能しうる。そのため、このトリガを用いれば、上位層のプロトコルが通信セッションをあるNAUから他のNAUに引き継がせるために必要な準備時間を十分に確保できることから、通信セッションに切れ間がない滑らかなハンドオフを実現することができる。
加えて本発明では、上位層のプロトコルの構成及び信号処理の複雑さが解消されるように、一様なインターフェイスを指定する。このことにより、異なるベンダー又は異なる製造業者から供給されるネットワークインターフェイスカードが併用される場合でも、これらカード間の互換性を保つことができる。また、本発明では、このようなネットワークインターフェイスカードが移動体通信端末装置にスムーズに統合されるように、インターフェイスの翻訳ルーチンを規定する。
本発明では、ネットワークサービスの中断時間を短縮することを目的として、上位層での通信セッションの引き渡しを実現するために、トリガメッセージを上位層のプロトコルで処理することから、複数のアクセスメカニズムを備える移動体通信端末装置が必要となる。本発明では、上位層のプロトコルが現在使用中のチャネルの中断を警告するトリガメッセージを前記チャネルの中断に先立って受け取るとき、現在使用中のネットワークアクセスメカニズムとは異なる代わりのネットワークアクセスメカニズムが前記チャネルの中断に先立って作動開始される。従って、本発明では、通信セッションの引継ぎの準備が前記チャネルの中断が実際に起こる前に開始されることになる。
また、本発明に係る移動体通信端末装置を含んで構成される通信システムにおいて、その移動体通信端末装置へのトリガメッセージの送受信がサポートされていれば、その移動体通信端末装置は、一つのネットワークアクセスメカニズムを備えるだけで、前述のように現在使用中のチャネルの中断を回避して滑らかなハンドオフを実現することができる。
また、本発明に係る通信システムには、指定されたタイミングでハンドオフ警告のようなトリガメッセージの送信を要求する移動体通信端末装置と、その送信要求に応えて所定のフォーマットからなるトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信する基地局が含まれる。この移動体通信端末装置は、通信システムからこのようなトリガメッセージを受け取ると直ぐに、上位層のプロトコルに通信セッションを引き継ぐための準備を開始させる。
なお、本明細書の記載をより理解し易くするために、次の用語について簡単に説明する。しかしながら、これら用語の意義は、前記説明がなくても当業者にとって自明であろう。
(a)「パケット」とは、データ通信ネットワークを介して送受信可能であって、所定のフォーマットに加工されて独立したデータのユニットを指す。パケットは、通常2つの部分即ち「ヘッダー部」と「ペイロード部」とから成る。「ペイロード部」は、伝達すべき情報データを格納する部分であり、一方「ヘッダー部」は、パケットの送受信先を特定するための情報を格納する部分である。従って、「ヘッダー部」には、パケットの送り主と受取人とをそれぞれ識別するために、情報源アドレスと目的地アドレスとが格納される。
(b)「モバイルノード」とは、パケット交換方式のデータ通信ネットワークにおいて接続ポイントを変更する前記ネットワークの構成要素を指す。なお、特に言及しない限り、モバイルノードは、エンドユーザが使用する移動体通信端末装置を意味する。
(c)「基地局」とは、アクセス技術の種類を問わず、モバイルノードにデータ通信ネットワークに参加するためのチャネルを提供する前記ネットワークの構成要素を指す。これらのアクセス技術の例としては、無線通信、有線通信又は光通信が例示される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。次の説明によって、特定の数、時、構成とパラメータの意義が一層明確にされる。
(実施の形態1)
図1は、移動体通信端末装置100の構成を示すブロック図である。
図1は、移動体通信端末装置100の構成を示すブロック図である。
移動体通信端末装置100は、ネットワークアクセスユニット(NAU:Network Access Unit)101をm個(mは2以上の整数)と、UPL(Upper Protocol Layer)102と、MADU(Multiple Access Decision Unit)103と、を具備する。なお、NAU101aから101mについて、これらを個々に区別することなく包括的に言及する場合には、単にNAU101と表記する。
NAU101は、物理的なネットワークインターフェイス即ちハードウェアと、このようなハードウェアを制御するソフトウェアと、このようなハードウェアを用いて通信を管理するプロトコルと、を構成要素とするネットワークアクセスメカニズムを具備する。例えば、国際標準化機構(ISO)のOSI(Open System Interconnection)モデルにおいて、NAU101は物理層及びデータリンク層に関連する全てのプロトコルを含む。
本発明は、複数のネットワークアクセスメカニズムを備える移動体通信端末装置の提供を目的とするので、移動体通信端末装置100は、複数のNAU101即ちNAU101aから101mを具備する。なお、物理的に1つのハードウェアは、2以上の異なるネットワークアクセスメカニズムを構成できる。このような構成は、それぞれのNAU101がそれぞれのネットワークアクセスメカニズムを構成するために必要な機能を包含するように形成される。
ここで、あるネットワークアクセスメカニズムが基地局と間にアクティブなチャネルを形成している場合は、そのネットワークアクセスメカニズムを備えるNAU101がアクティブである、ということになる。また、物理的に一つのNAU101は、同種のネットワークアクセスメカニズムを複数使用することによって複数の接続を同時に形成することができる。例えば、複数のアンテナを使うことによって、複数のアクティブなチャネルを同時に形成することが可能である。このように同種のネットワークアクセスメカニズムが使用される場合は、移動体通信端末装置100が複数のNAU101即ちNAU101aから101mを備える場合に等しい。この場合、どのチャネルを使用するか決定するために、MADU103とNAU101とを統合して、MADU103を階層的に配列してもよい。この階層的な配列については、実施の形態3で言及する。
UPL102は、NAU101のいずれかを経由して伝達されるパケットを受信できる全ての上位層のプロトコルとアプリケーションとを含んで観念される抽象概念である。ISOのOSIモデルを例として、UPL102は、アプリケーション層、プレゼンテーション層、セッション層、トランスポート層及びネットワーク層を含む。
パス110は、UPL102がパケットをNAU101に送信するとき、或いはUPL102がNAU101の受信したパケットを取得するときにパケットが通過する標準的なデータパスである。
MADU103は、動的に作動して、どのNAU101を用いてデータ通信ネットワークに参加するか決定する。MADU103の主な機能は、アクティブなNAU101のアクセスリンクが落ちようとしているとき即ち使用中のチャネルが中断されようとしているときに、代わりの他のNAU101を使用するために、その準備を行い、さらにその準備の完了を保証することである。
このMADU103の動作について、図2を用いて説明する。図2において、T1000とマークされた区間では、NAU101aがアクティブとなっている。
次に、T2000とマークされた時点では、NAU101aの提供する使用中のチャネルが近い将来に中断されるおそれがあることを明示するトリガインターフェイスがNAU101aから送信される。このトリガインターフェイスを受信したMADU103は、NAU101bをアクティブにする。
次いで、T3000とマークされた区間では、NAU101aの代わりにNAU101bを使うため、MADU103がNAU101bの作動準備を行い、UPL102に近い将来に通信セッションが現在とは異なる他のNAUを介して行われるようになることを通知する。これは、図1に示すパス112を介してMADU103からUPL102に送信される制御信号によってなされる。NAU101bの作動準備が完了し次第、NAU101bからUPL102にパケットが転送されるようになる。
従って、T4000とマークされる時点即ちNAU101aによって提供されるチャネルが実際に中断される時点においては既に、NAU101bからもUPL102にパケットが転送されている。これは理想的な例であって、T5000とマークされる区間(T4000の経過後の区間)が始まる前即ちNAU101aによって提供されるチャネルが実際に中断される前に、このようなハンドオフの一連の手順は全て完了していることが望ましい。
MADU103のもう一つの機能は、NAU101の幾つかがアクティブなときに、NAU101aから101mの間の調整を行うことである。どのような時点でも、UPL102に通信セッションを提供するアクティブなNAU101が複数存在しうる。MADU103は、NAU101それぞれの状況情報に基づいて、直近の通信セッションで使用するNAU101を決定する。使用するNAU101を変更する必要があるときはいつでも、MADU103は、動的にもう1つのNAU101を指名して、そしてパス112を介してUPL102にその旨通知する。
複数のNAU101の中から使用するNAU101を選択するに際して、MADU103は、次の基準を使うことができる。
(i)ネットワークアクセスメカニズム(あるネットワークアクセスメカニズムは、人工衛星リンクのような高価なネットワークを使用するため、IEEE802.11と比べて著しく高コストである)のコストが最も安いアクセスを提供するNAU101を選択する。
(ii)ネットワークアクセスメカニズムの電力消費量(あるネットワークアクセスメカニズムは、人工衛星リンクのようなIEEE802.11に比べて著しく多くの電力を消費する)が最も小さいNAU101を選択する。
(iii)ネットワークアクセスメカニズムのバンド幅等に基づいて提供されるチャネルのビットレートが最も高いNAU101を選択する。
(iv)ネットワークアクセスメカニズムの有効性即ち移動体通信端末装置100の移動状況を勘案して最も接続時間を長く維持できる即ち最も長い時間アクティブなままでいられるNAU101を選択する。
(v)ネットワークアクセスメカニズム(あるネットワークアクセスメカニズムがより良いQoS(Quality of Service)サポート、例えばゆらぎがより低く、遅れがより短い)がより良いQoSサポートを提供するNAU101を選択する。
(vi)ネットワークアクセスメカニズム(あるネットワークアクセスメカニズムは他より良いトラフィックの保護を提供する)のセキュリティサポート即ち最良のセキュリティを提供するNAU101を選択する。
(vii)ネットワークアクセスメカニズム(あるネットワークアクセスメカニズムは他より高い温度に耐えることができる)の物理的な特性即ち環境への適応性が高いNAU101を選択する。
(viii)場所と規制情報(あるネットワークアクセスメカニズムは法的規制等によりあるエリアでは使用できない)即ち移動体通信端末装置の利用場所に適しているNAU101を選択する。
(ix)ネットワークアクセスメカニズムのトラフィック負荷即ち最も信号処理負荷の小さいNAU101を選択する。
(x)上記基準に重み付けを行い、かつ、重み付けされた各基準を合計して(重み付けはゼロでも、肯定的でも、否定的であってもよい)、その合計が最も大きいNAU101を選択する。
これらのことから、MADU103がNAU101においてトリガインターフェイスを設定できる必要があると考えられる。特に、トリガインターフェイスが送信されるタイミングは、滑らかなハンドオフの実現と、それを保証することにおいて重要である。
さらに、MADU103は、NAU101を動的にアクティブにまた非アクティブにできる必要がある。加えて、MADU103は、アクティブなNAU101を交替させる決定をする。MADU103がこのような決定を行うには、NAU101から情報を集める必要がある。このような情報を供給するために、1セットのインターフェイスのフォーマットが定義される。これは、MADU103とNAU101の間、図1においてパス111を介して送受信される制御信号のフォーマットである。この1セットのインターフェイスについて、以下詳細に説明する。
最初のインターフェイスは、MADU103から個々のNAU101に送信される問合せ(Query)インターフェイスであって、目標とするNAU101についての情報を照会するために使用され、そして次のように定義される。
Query(IN Query_Code;OUT Query_Result)
ここで、問合せコード(Query_Code)は、問合せの内容を識別するためのユニークな識別子であって、一方問合せ結果(Query_Result)は、問合せに対する回答であり、目標とするNAU101についての情報を格納するためのバッファである。
2番目のインターフェイスは、MADU103から個々のNAU101に送信される設定(Configure)インターフェイスである。このインターフェイスは、目標とするNAU101の特定の設定パラメータを設定するために使用され、そして次のように定義される。
Configure(IN Parameter_Code;IN Parameter_Value;)
ここで、パラメータコード(Parameter_Code)は、調整される設定パラメータを識別するためのユニークな識別子である。またパラメータ値(Parameter_Value)は、設定されるべき明示されたパラメータ値である。Parameter_Valueは、必要であれば複合的なフィールドを具備することができ、そして異なる設定目的のために複数のパラメータ値を格納することができる。
3番目のインターフェイスは、NAU101からMADU103に送信されるトリガ(Trigger)インターフェイスである。このインターフェイスは、NAU101のために特定のイベントのトリガ又は通知をMADU103に送信するものであって、次のように定義される。
Trigger(IN NAU_Identifier;IN Trigger_Event;)
ここでNAU識別子(NAU_Identifier)は、トリガインターフェイスを送信したNAU101を識別するためのユニークな識別子であり、トリガイベント(Trigger_Event)は、発生したイベント又は今後発生するイベントを全て記述する記述子である。例えば、コスト変更のトリガインターフェイスであれば、Trigger_Eventは、″Cost−Rise″等のイベントタイプを特定するイベントコードを含み、そして実際のコストを「1分毎に10セント」と記述する場合には、その対応するデータ構造のイベントタイプを指定するイベントコードが含まれる。また、1つのトリガインターフェイスの中には、複数のTrigger_Eventが集合して存在し得る。また、トリガインターフェイスは、現在使用中のチャネルが中断されることについての警告を含むことができる。
MADU103は、前記インターフェイスを個々のNAU101に直接送信することができるので、問合せインターフェイス及び設定インターフェイスについては、NAU_Identifierを指定する必要がない。ところが、NAU101からトリガインターフェイスが送信される場合には、NAU101は、MADU103にNAU101自身を識別させる必要がある。これにより、MADU103は、どのNAU101がイベントを発生させたかについて確認することができる。
問合せインターフェイスについて、MADU103がNAU101の任意の状況情報を照会するために使用できる問合せの例としては、以下のものが挙げられる。
(1)状況の問合せ:MADU103はネットワークアクセスメカニズムがアクティブであるか、或いは電力節約モードであるかのようなNAU101の状況を問い合わせる。
(2)コストの問合せ:MADU103は、サービスプロバイダの請求金額のような接続コストを問い合わせる。
(3)能力の問合せ:MADU103は、ネットワークアクセスメカニズムによって許可された最大スループットやバンド幅のような接続のスピードを問い合わせる。
(4)接続の問合せ:MADU103は、SNR(Signal−to−Noise Ratio)や信号強度等のような接続の品質状況を問い合わせる。
(5)QoSの問合せ:MADU103は、2点間でのデータストリームのQoSを保証するパラメータのようなQoSサポートを問い合わせる。
(6)電力の問合せ:MADU103は、現在のバッテリー状況での持続時間のような電力消費量を問い合わせる。
(7)保全の問合せ:MADU103は、NAU101によってサポートされるセキュリティメカニズムを問い合わせる。
(2)コストの問合せ:MADU103は、サービスプロバイダの請求金額のような接続コストを問い合わせる。
(3)能力の問合せ:MADU103は、ネットワークアクセスメカニズムによって許可された最大スループットやバンド幅のような接続のスピードを問い合わせる。
(4)接続の問合せ:MADU103は、SNR(Signal−to−Noise Ratio)や信号強度等のような接続の品質状況を問い合わせる。
(5)QoSの問合せ:MADU103は、2点間でのデータストリームのQoSを保証するパラメータのようなQoSサポートを問い合わせる。
(6)電力の問合せ:MADU103は、現在のバッテリー状況での持続時間のような電力消費量を問い合わせる。
(7)保全の問合せ:MADU103は、NAU101によってサポートされるセキュリティメカニズムを問い合わせる。
1つの問合せが複数の問合せを兼ねるように、これら全ての問合せタイプは、問合せコードにおけるフラグとして設定されることができる。特別のパラメータや若干の固定されている構造を必要とする例えばTSPECのような問合せについては、もしそれにフラグが存在するなら、問合せと共に運ばれる。
MADU103は、異なるNAU101に複数の問合せインターフェイスを同時に送信することができる。これは、ハンドオフの際におけるMADU103の迅速な決定を可能にする。
Query_Resultは、あるチャネルが中断されるときに、新たにアクティブにする代わりのNAU101をMADU103が選択することを可能にする。加えて、MADU103は、周期的にNAU101の状況をモニターして、そしてそれぞれのNAU101を使用する場合のコストを計算する。現在のNAU101の使用コストが代わりのNAU101のそれを超えることが明らかとなったときには、MADU103は、より安価なチャネルを使用するためにハンドオフを強行する。
Query_Resultは、問合せインターフェイスのQuery_Codeに由来するNAU101からの異なるリターン値を含む。Query_Codeに存在する問合せに対する回答がQuery_Resultに格納される。そのためには、問合せとその回答(結果)とを関連付ける方法が実行されなければならない。例えば、全ての問合せ結果のデータ構造を統一して、Query_Codeの問い合わせの順に再配置することが可能である。Query_Codeの順に並べられた問い合わせに対応するQuery_Resultに含められる結果の例は、次の通りである。
(1)Status Query Result::=
<Not_in_use::=0x00|Power_Save_Mode::=0x01|Active::=0x02>;
(2)Cost Query Result::=<Charging Rate><Charging Interval>;
(3)Capability Query Result::=<Supported Bandwidth>;
(4)Connection Query Result::=<Connection Status(compound filed)>;
(5)QoS Query Result::=<TSPEC><Priority><DSCP code>;
(6)Power Query Result::=<How many seconds could it last with current battery>;
(7)Security Query Result::=<Security_mechanism_supported>.
<Not_in_use::=0x00|Power_Save_Mode::=0x01|Active::=0x02>;
(2)Cost Query Result::=<Charging Rate><Charging Interval>;
(3)Capability Query Result::=<Supported Bandwidth>;
(4)Connection Query Result::=<Connection Status(compound filed)>;
(5)QoS Query Result::=<TSPEC><Priority><DSCP code>;
(6)Power Query Result::=<How many seconds could it last with current battery>;
(7)Security Query Result::=<Security_mechanism_supported>.
MADU103は、NAU101のあるパラメータを設定するため、設定インターフェイスを使用する。その際に使用可能な設定の例は、次の通りである。
(1)activating or de−activating an NAU 101::=
<Active::=0x01|Deactive::=0x00|Power Save::=0x02>
(2)requesting the sending of specific trigger interfaces,e.g.when cost from using the connection changes,send a trigger to MADU 103::=
<Request_Trigger::=0x02><Trigger_Request::=*<Trigger_Type>*<Trigger Condition>>;
(3)requesting the cancellation of sending of specific trigger interfaces,e.g.do not sent a trigger when the modulation scheme changes::=
<Request_No_Trigger::=0x03><Trigger_Request::=*<Trigger_Type>*<Trigger Condition>>;
(4)setting the timing requirements associated to the sending of specific trigger interfaces,e.g.how many seconds before the signal strength drop to certain level,a trigger must be sent::=
<Set Time for trigger::=0x04><Trigger_Time_Request::=*<Trigger_Type>*<Time requirement>>;
(5)setting thresholds for sending certain trigger interfaces,e.g.if the::=<Set Threshold::=0x05><Trigger_Threshold::=*<Trigger_Type>*<Threshold>>;
(6)setting the pattern of sending certain trigger interfaces::=<Set Trigger Pattern::=0x06><Trigger_patterns::=*<Trigger_Type>*<Pattern>>;
(7)requesting NAU 101 to connect through another base station,::=<
Redirect_NAU::=0x07><Base station identifier>;and
(8)setting the criteria for having a handoff by NAU 101::=<Handoff_Criteria::=
0x08><Criteria>.
<Active::=0x01|Deactive::=0x00|Power Save::=0x02>
(2)requesting the sending of specific trigger interfaces,e.g.when cost from using the connection changes,send a trigger to MADU 103::=
<Request_Trigger::=0x02><Trigger_Request::=*<Trigger_Type>*<Trigger Condition>>;
(3)requesting the cancellation of sending of specific trigger interfaces,e.g.do not sent a trigger when the modulation scheme changes::=
<Request_No_Trigger::=0x03><Trigger_Request::=*<Trigger_Type>*<Trigger Condition>>;
(4)setting the timing requirements associated to the sending of specific trigger interfaces,e.g.how many seconds before the signal strength drop to certain level,a trigger must be sent::=
<Set Time for trigger::=0x04><Trigger_Time_Request::=*<Trigger_Type>*<Time requirement>>;
(5)setting thresholds for sending certain trigger interfaces,e.g.if the::=<Set Threshold::=0x05><Trigger_Threshold::=*<Trigger_Type>*<Threshold>>;
(6)setting the pattern of sending certain trigger interfaces::=<Set Trigger Pattern::=0x06><Trigger_patterns::=*<Trigger_Type>*<Pattern>>;
(7)requesting NAU 101 to connect through another base station,::=<
Redirect_NAU::=0x07><Base station identifier>;and
(8)setting the criteria for having a handoff by NAU 101::=<Handoff_Criteria::=
0x08><Criteria>.
NAU101は、MADU103に情報を送信するために、また次に行うべき行動についての指示をうるために、トリガインターフェイスを使用する。
トリガインターフェイスの例は、次の通りである。
<NAU_Trigger>::=<NAU_Identifier><Trigger_Event::=*<Trigger_Type>*<Trigger_Info>>
トリガインターフェイスによってNAU101からMADU103に提供される情報は、MADU103においてハンドオフ又は決定の均衡を保つ負荷を実行するために使用される。例えば、もしNAU101が現在使用中のチャネルの使用コストが事前に指定された閾値を超えて増加している状態においてMADU103にトリガインターフェイスを送信するときには、MADU103は、通信のコストを減らすために、もう1つのNAU101にUPL102のトラフィックを幾分転送する。
トリガインターフェイスを通してNAU101からMADU103に提供される情報の例は、次の通りである。
(1)基地局エラー
例えば、基地局がアップストリームリンクの中断等のエラーに遭遇したとき、或いは若干のハードウェアの問題に遭遇したとき、或いはあるデータ通信ネットワーク等へのチャネルを中断されたときには、基地局は、IEEE802.11のネットワークにおけるビーコン信号を複数のNAU101にブロードキャストするか、又は個々にNAU101に対して通知を送信する。NAU101は、順番にMADU103に基地局とのチャネル状況についての情報を提供する。MADU103は、もう1つの基地局へのハンドオフ又はもう1つのNAU101を使用する際における決定のためにその情報を使用する。
例えば、基地局がアップストリームリンクの中断等のエラーに遭遇したとき、或いは若干のハードウェアの問題に遭遇したとき、或いはあるデータ通信ネットワーク等へのチャネルを中断されたときには、基地局は、IEEE802.11のネットワークにおけるビーコン信号を複数のNAU101にブロードキャストするか、又は個々にNAU101に対して通知を送信する。NAU101は、順番にMADU103に基地局とのチャネル状況についての情報を提供する。MADU103は、もう1つの基地局へのハンドオフ又はもう1つのNAU101を使用する際における決定のためにその情報を使用する。
(2)チャネルコストの変化
例えば、もう1つの管理上のドメインに付属するモバイルルーター等のデータ通信ネットワークにおける変化があるとき、そのチャネルを使用するためのコストも変化する。NAU101は、例えばIEEE802.1xベースの管理を使用するときに、EAPがメッセージを通知するような具体的な方法でのネットワークアクセスメカニズムを経由して基地局によって通知される。この情報は、トリガインターフェイスを使用するNAU101によってMADU103に渡される。
例えば、もう1つの管理上のドメインに付属するモバイルルーター等のデータ通信ネットワークにおける変化があるとき、そのチャネルを使用するためのコストも変化する。NAU101は、例えばIEEE802.1xベースの管理を使用するときに、EAPがメッセージを通知するような具体的な方法でのネットワークアクセスメカニズムを経由して基地局によって通知される。この情報は、トリガインターフェイスを使用するNAU101によってMADU103に渡される。
(3)QoSサポートの変更
データ通信ネットワーク例えばIEEE802.11eネットワークのQoSサポートに変化があるとき、NAU101によって要求されたTSPECはデータ通信ネットワークによってサポートされず、NAU101はトリガインターフェイスをMADU103に送信することができる。NAU101がQoSネゴシエーションをサポートするならば、NAU101は同様にMADU103に新しくネゴシエートされたQoSサポートを提供することができる。そして、MADU103は、NAU101を使用するかハンドオフを実行するか等を決定することができる。
データ通信ネットワーク例えばIEEE802.11eネットワークのQoSサポートに変化があるとき、NAU101によって要求されたTSPECはデータ通信ネットワークによってサポートされず、NAU101はトリガインターフェイスをMADU103に送信することができる。NAU101がQoSネゴシエーションをサポートするならば、NAU101は同様にMADU103に新しくネゴシエートされたQoSサポートを提供することができる。そして、MADU103は、NAU101を使用するかハンドオフを実行するか等を決定することができる。
(4)セキュリティ方式の変更
MADU103は、NAU101を望ましいセキュリティレベルに調整するために、設定インターフェイスを使用することができる。NAU101が基地局とセキュリティ方式について交渉するとき、もう1つのセキュリティ方式がもたらされるかもしれない。この場合、NAU101は、MADU103に通知するために、トリガインターフェイスを使用することができ、またMADU103は、新しいセキュリティ方式が受容できるか、もう1つのNAU101が使われるべきであるか、を決定することができる。
MADU103は、NAU101を望ましいセキュリティレベルに調整するために、設定インターフェイスを使用することができる。NAU101が基地局とセキュリティ方式について交渉するとき、もう1つのセキュリティ方式がもたらされるかもしれない。この場合、NAU101は、MADU103に通知するために、トリガインターフェイスを使用することができ、またMADU103は、新しいセキュリティ方式が受容できるか、もう1つのNAU101が使われるべきであるか、を決定することができる。
(5)変調方式の変更
幾つかの理由のために、データ通信ネットワークは、あるNAU101がアクティブである通信セッションの間に、変調方式の変更を決定するかもしれない。複数のアンテナを備えるNAU101は、異なる変調方式によって異なる基地局との間にチャネルを形成することができる。NAU101は、これらの変更が例えば電力消費量や遅延に影響を与えるため、トリガインターフェイスを用いてこれらの変更をMADU103に通知するべきである。
幾つかの理由のために、データ通信ネットワークは、あるNAU101がアクティブである通信セッションの間に、変調方式の変更を決定するかもしれない。複数のアンテナを備えるNAU101は、異なる変調方式によって異なる基地局との間にチャネルを形成することができる。NAU101は、これらの変更が例えば電力消費量や遅延に影響を与えるため、トリガインターフェイスを用いてこれらの変更をMADU103に通知するべきである。
信号電力が設定された閾値を下回るといったMADU103への通知を引き起こす他の理由が存在すれば、NAU101は、他の基地局にハンドオフを実行する。即ち、誤り率がある閾値を越える場合には、NAU101は他の基地局と結び付いてチャネルを確立させる。
MADU103は、NAU101についての全ての設定及び状況についての情報を記録して蓄積する必要がある。これは、MADU103の内部又は外部の記憶装置にテーブルを作成することによって達成される。NAU101からのトリガインターフェイスが到着したとき、MADU103は、状況についての情報の記録を更新して、そして提供された情報例えばハンドオフの決定に基づいて決定された手続きを実行する。例えば、チャネルコストが毎分20セントに増加した状況についてのトリガインターフェイスをNAU101aが送信すれば、MADU103は、テーブルをスキャンして、NAU101aから101mのいずれがより低いチャネルコストを達成できるかを見極める。そして、可能であるならば、MADU103は、トラフィックの幾らかをより安価なNAU101に振り分ける。
また、MADU103は、NAU101の状況についての情報を得るために問合せインターフェイスを周期的に使用してテーブルを更新する。
再起動又は停電の後にシステムの再設定が必要なくなるように、NAU101の設定及び状況についての情報は、MADU103に具備される不揮発性のメモリデバイスに記録される。MADU103はまた、ログ記録を蓄積するスペースを提供して、そして例えば何時どのNAU101に切り替えたか等について、ある時間枠における全ての決定を記録する。このような情報は、後から問題を追跡する場合に有用である。そして、このような情報は、新しいアプリケーションを開発するためにUPL102に供給される。
なお、本実施の形態に係る移動体通信端末装置を、以下のように変形したり、応用したりしてもよい。
MADU103は、問合せコードとパラメータコードとの中で特別な識別子を備える信号を全て示し、そして問合せ結果、パラメータ値及びトリガイベントにおける信号の特別なデータを集めることによって、それら複数の信号を複数のNAU101に同時に送信するようにしてもよい。
また、MADU103は、(1)NAU101の状況についての情報を記録して蓄積する不揮発性のメモリデバイスと、(2)前記不揮発性のメモリデバイスにアクセスするデバイスと、(3)NAU101から信号を受信したときに、その信号に対応する記録を更新するデバイスと、(4)NAU101から新しい状況についての情報を取得したときに、その記録を更新するデバイスと、(5)NAU101を新しいパラメータのセットで設定したときに、その記録を更新するデバイスと、を具備するようにしてもよい。
また、MADU103は、NAU101についての全ての情報を記録して保持できるように、(1)MADU103の内部又は外部に設けられたメモリデバイスにアクセスして、NAU101の状況についての情報を生成するステップと、(2)NAU101から信号を受信したときに、前記メモリデバイスにアクセスして、NAU101の状況についての情報の記録を更新するステップと、(3)NAU101から新しい状況についての情報を取得したときに、前記メモリデバイスにアクセスして、NAU101の状況についての情報の記録を更新するステップと、(4)新しいパラメータを用いてNAU101を設定したときに、前記メモリデバイスにアクセスして、NAU101の設定についての情報の記録を更新するステップと、を実行できるようにしてもよい。
また、NAU101は、(1)基地局との間にチャネルを形成されたNAU101の状況についての変更を、MADU103に通知するデバイスと、(2)NAU101によって提供されるチャネルについて、そのNAU101がチャネルコストをMADU103に通知するデバイスと、(3)NAU101によって提供されるチャネルについて、NAU101がそのチャネルにおいてサポートされるQoSレベルをMADU103に通知するデバイスと、(4)NAU101によって提供されるチャネルについて、NAU101がそのチャネルにおいて利用されるセキュリティ方式をMADU103に通知するデバイスと、(5)NAU101によって提供されるチャネルについて、NAU101がそのチャネルにおいて利用される変調方式をMADU103に通知するデバイスと、を少なくとも一つ具備してもよい。
また、NAU101は、(1)提供するチャネルの品質についての状況変化をMADU103に提供し、(2)パケット交換方式のデータ通信ネットワークとの間にチャネルを形成する準備を行い、(3)基地局によって送信された前記ネットワークについての決定をMADU103に通知し、(4)ハンドオフ動作についての状況をMADU103に通知する、これらの機能を発揮するように構成されてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1における各構成要素の仕様は、全てのNAU101に、定義された3つのインターフェイスの内容を理解して従うように要求する。NAU101は、通常異なるベンダーや製造業者から供給されるため、全てのNAU101が前記インターフェイスを理解できるとは限らない。そこで、本発明に係る実施の形態2では、移動体通信端末装置100において、NAU101に専用の翻訳機であるNIT305を付加する。
実施の形態1における各構成要素の仕様は、全てのNAU101に、定義された3つのインターフェイスの内容を理解して従うように要求する。NAU101は、通常異なるベンダーや製造業者から供給されるため、全てのNAU101が前記インターフェイスを理解できるとは限らない。そこで、本発明に係る実施の形態2では、移動体通信端末装置100において、NAU101に専用の翻訳機であるNIT305を付加する。
図3は、移動体通信端末装置300の構成を示すブロック図である。移動体通信端末装置300の構成要素の多くは、実施の形態1における移動体通信端末装置100のそれと同様の機能を発揮する。そこで、移動体通信端末装置100の構成要素と同様の機能を発揮する移動体通信端末装置300の構成要素については、移動体通信端末装置100の構成要素に付けられた参照符号と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
移動体通信端末装置300において、NAUインターフェイス翻訳機(NIT)305aから305mがNAU301aからNAU301mとMADU103との間にそれぞれ挿入される。NIT305は、3つの前記インターフェイスをNAU301が理解できるようにそのフォーマットをトランスペアレントに翻訳するNAU301aからNAU301m専用の翻訳機である。MADU103とNIT305との間のパス111では、実施の形態1におけるインターフェイスが送受信される。そして、NIT305とNAU301との間のパス313では、NAU301のために翻訳された前記インターフェイスが送受信される。なお、NAU301は、NIT305を必要とする以外は、実施の形態1におけるNAU101と同様の機能を発揮する。また、NIT305には公知の市販品を利用することができるため、その具体的な構成及び動作については説明を省略する。
このようにNIT305を使用することにより、複数のNAU301が複数のベンダーや製造業者から提供される場合でも、一つのMADU103を用いて複数のNAU301のスムーズな相互運用が可能となる。
また、移動体通信端末装置300は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802で規定されたインターフェイス間で、IEEE802で規定されたインターフェイスとそれ以外の規格で規定されたインターフェイスとの間で、或いはUPL102の上位レイヤ間で、情報の交換が可能になるように、MADU103においてMIH(Media Independent Handover)サービスが行われるように構成されてもよい。図4に、このような構成を有する移動体通信端末装置1300を示す。図4に示す構成の場合、NAU101は、SAP(Service Access Points)を登録するために、各インターフェイスの個々のメディアそれぞれに対応した動作やPHY(PHYsical)メディアが定義され、またMADU103との通信及びMIHサービスを容易にするNIT305として記載されているSAP Modules(SAPM)を利用するように構成される。また、このような構成の場合、MADU103は、インタフェース又はPHYメディアによって通信を行っているNIT305が存在するか確認するために残りのSAPをそれぞれ探査し、それが見つかったときには、利用可能なトリガインターフェイスに基づく問い合わせを行い、そして取得した情報をストアする。また、新たに差し込まれたインターフェイスは、NAU101をMADU103に登録するために、NIT305を経由してLL−REGISTER.requestを送信する。さらに、上位レイヤであるUPL102は、登録なしでMADU103からトリガインターフェイスの有効性について問い合わせを行ってもよい。しかしながら、トリガと他の情報を要求し、そして受信するために、UPL102は最初にそれ自身とMADU103用のSAPM即ち図4に示すULT(Upper Layer Translator)1305を登録しなくてはならない。なお、UPL102は、複数の上位レイヤプロトコルであり、この複数の上位レイヤプロトコルは各々個別のSAPM即ちULT1305を要する。また、移動体通信端末装置1300において、下位レイヤのインターフェイスと上位レイヤのプロトコルとの間のMIHサービス情報の通信は、インターフェースやプロトコル別のSAPM即ちNIT305やULT1305を用いて行われる。NIT305は、MIHサービス(MADU103)の適切な距離に対して、インターフェイスやPHYメディアの特定の値をマッピングし、またULT1305は同様に、プロトコルの特定の値をマッピングする。これは、ULT1305を介してUPL102に送られる情報や距離のために逆に行われる。これは、MADU103やMIHが将来生じるインタフェイスやプロトコルに対しても一般的なままでいることを許す。旧式なインタフェースとプロトコルとは、標準仕様のMIH SPAMを利用することができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る移動体通信端末装置400の構成を示すブロック図である。移動体通信端末装置400では、MADUを階層的に制御する方式を採用する。なお、移動体通信端末装置400の構成要素の多くは、実施の形態1における移動体通信端末装置100のそれと同様の機能を発揮する。そこで、移動体通信端末装置100の構成要素と同様の機能を発揮する移動体通信端末装置400の構成要素については、移動体通信端末装置100の構成要素に付けられた参照符号と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図5は、本発明の実施の形態3に係る移動体通信端末装置400の構成を示すブロック図である。移動体通信端末装置400では、MADUを階層的に制御する方式を採用する。なお、移動体通信端末装置400の構成要素の多くは、実施の形態1における移動体通信端末装置100のそれと同様の機能を発揮する。そこで、移動体通信端末装置100の構成要素と同様の機能を発揮する移動体通信端末装置400の構成要素については、移動体通信端末装置100の構成要素に付けられた参照符号と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
移動体通信端末装置400は、移動体通信端末装置100において、通常のNAU101と共に複数の入力チャネル及び出力チャネルを備えるNAU401をも具備する。このようなNAU401の例としては、複数のアンテナを具備するWLANカードが挙げられる。NAU401は、複数のNAU通信チャネル407aから407mを備えるため、複数の基地局との間で複数のチャネルを形成することができる。従って、NAU401はNAU通信チャネル407のいずれを使うか決定を行わなければならず、この決定を行う構成要素としてsub−MADU406がNAU401内に設置される。
このNAU401が通常のNAU101と併用される場合、MADU103は、移動体通信端末装置400におけるシステムレベル制御のために使用される。図5に示されるように、sub−MADU406はUPL102と直接には通信を行わない。その代わりに、sub−MADU406はパス111及びMADU103を介してUPL102に必要なメッセージを送信する。従って、sub−MADU406は、移動体通信端末装置400において、トランスペアレントにその機能を発揮する。
また、sub−MADU406は、通信セッションにおいて使用されるNAU通信チャネル407を決定する構成要素であることから、自身を表示する特別な識別子をトリガインターフェイスに使用することができる。MADU103は、その特別な識別子を備えるトリガインターフェイスを受け取ると直ぐに、トリガイベントに基づいて決定を行い、それに応じて行動して、必要である場合はUPL102にその旨の通知を送信する。
パス413を介して送受信されるインターフェイスのフォーマットは、パス413における独特なものとしてもよいが、パス111を介して送受信されるインターフェイスのフォーマットと同一であることが望ましい。なお、パス413を介して送受信されるインターフェイスが独特のフォーマットで構成される場合は、sub−MADU406が実施の形態2におけるNIT305と同様の機能を具備してトランスペアレントに機能するようにすることが好ましい。これにより、MADU103がNAU通信チャネル407と見かけ上直接通信できるようになる。
また、sub−MADU406とMADU103とは、異なるベンダーから提供されるものでもよい。この場合は、sub−MADU406とMADU103との間にNIT305を配置して、sub−MADU406とMADU103との間で送受信されるインターフェイスが適宜翻訳されるように構成することが好ましい。また、NAU通信チャネル407は、通常のNAU101と同様の機能を奏するものであれば、その構成等を特に限定されるものではない。
本実施の形態に係る移動体通信端末装置400によれば、MADU103と複数のNAU通信チャネル407との間にsub−MADU406を配置できるため、MADU103がNAU401を階層的に制御できるようになり、その結果MADU103にかかる制御に伴う負荷を軽減することができる。
また、本実施の形態に係る移動体通信端末装置400によれば、MADU103とsub−MADU406との間にNITを配置することができるため、MADU103とsub−MADU406とを異なるベンダーから入手することが可能となる。
(実施の形態4)
図2から滑らかなハンドオフを実現するためには、現在使用中のチャネルが実際に中断される前に、MADU103からNAU101aにトリガインターフェイスの送信を要求しなければならないことが判る。NAU101bの作動準備を行ってNAU101aからNAU101bに実際に通信セッションを移転するために要する時間と、トリガが送信されるタイミングとは、関連している。これは、NAU101がハンドオフを予測する必要があることを意味する。加えて、前記通信セッションを移転するために要する時間は、その通信セッションで使用されるネットワークアクセスメカニズムのタイプによって異なるため、前記トリガインターフェイスが送信されるタイミングもこれに合わせて調整される必要がある。MADU103は、設定インターフェイスによって、チャネルが中断される前にNAU101からトリガインターフェイスが送信されてくるタイミングについて、その最短時間を設定する。
図2から滑らかなハンドオフを実現するためには、現在使用中のチャネルが実際に中断される前に、MADU103からNAU101aにトリガインターフェイスの送信を要求しなければならないことが判る。NAU101bの作動準備を行ってNAU101aからNAU101bに実際に通信セッションを移転するために要する時間と、トリガが送信されるタイミングとは、関連している。これは、NAU101がハンドオフを予測する必要があることを意味する。加えて、前記通信セッションを移転するために要する時間は、その通信セッションで使用されるネットワークアクセスメカニズムのタイプによって異なるため、前記トリガインターフェイスが送信されるタイミングもこれに合わせて調整される必要がある。MADU103は、設定インターフェイスによって、チャネルが中断される前にNAU101からトリガインターフェイスが送信されてくるタイミングについて、その最短時間を設定する。
本発明に係る実施の形態4では、実施の形態1で説明した移動体通信端末装置100において、NAU101がハンドオフを予測するために備える構成及び手段について具体的に説明する。
図6は、ハンドオフ推定器500として知られている装置の構成を示すブロック図である。ハンドオフ推定器500は、NAU101に内蔵されてもよいし、NAU101と直接通信できるようにしてその外部に設置されてもよい。NAU101は、最短時間で設定された前記タイミングに基づいてハンドオフの早期警報としてトリガインターフェイスを送信するために、ハンドオフ推定器500を使用する。ハンドオフ推定器500は、複数のTDF(Tapped−Delay Filters)502aから502m(mは2以上の整数)と比較器503とを含んで構成される。
TDF502は、パス511を介して入力される信号に基づいて、通信セッションのチャネルが中断されることを予測する。なお、TDF502それぞれに入力される信号は、互いに独立した信号である。このような入力信号としては、その種類を特に限定されるものではないが、例えば基地局からの受信信号についてのSNRが挙げられる。また、TDF502には、パス510を介してトリガインターフェイスを送信するためのタイミングを知らせる信号がTDF502をコントロールするために入力される。
TDF502からの出力は、入力信号に基づいて算出された通信セッションのチャネルが中断される確率を表示するものであって、パス512を介して比較器503に入力される。
比較器503は、同一のTDF502からの入力信号の値を時系列に比較して、パス513から入力されてくるタイミングを知らせる信号に基づいて、トリガインターフェイスをMADU103に送信するべきか決定する。
図7に、TDF502の具体的な構成を示す。TDF502では、入力信号が一連の遅延レジスタ621に順次入力される。各遅延レジスタ621は、1世代前の入力信号を保持する近隣の遅延レジスタ621からその1世代前の入力信号が出力されるまでの間、入力信号を一時保持する。このように、入力信号のサンプル数をmとすれば、m−1個の遅延レジスタ621を備えるTDF502は、m個のサンプルを「記憶する」ことができる。これらの「記憶された」サンプルは、乗算器622に入力され、ここで係数w[1]からw[m]によってそれぞれ重み付けされる。重み付けされたサンプルは、加算器623に入力され、ここで臨時定数バイアスw[0]と一緒に合算される。その合計値は、TDF502からの出力として比較器503に入力される。
ある瞬間nにおける入力信号をx(n)と表せば、その瞬間の比較器503からの出力信号y(n)は、数学的に次のように表される。
y(n)=w[0]+sum of all i from 1 to m{x[n−i+1].w[i]}.・・・(式1)
図6に戻り、TDF502に臨時で入力される信号は、パス510を介して入力されてくる前記タイミングを知らせる信号である。TDF502は、入力されるタイミング信号に応じて、重みw[0]からw[m]の異なるセットを使用することができる。このことにより、TDF502は、入力されるタイミング信号に応じて、その出力タイミングを適宜調整することができる。加えて、そのタイミング信号は、比較器503にも供給される。このことは、入力されるタイミング信号に応じて、比較器503がTDF502からの異なる出力値を比較することを可能にする。また、重みw[0]からw[m]の異なるセットは、ベンダーや製造業者によって前もって指定されてもよい。
重みを決定するために、製造業者は、最小平均二乗誤差法(例えば、非特許文献3を参照)のような線形フィルタにとって標準的なトレーニング手法を使うことができる。また、NAU101が基地局との間にチャネルを形成するとき、重みw[0]からw[m]のセットは、基地局から動的に提供されてもよい。このようにして、全ての移動体通信端末装置100が重みの同じセットを使用するように、基地局は標準化された重みのセットを指定することができる。この場合、基地局は、異なるタイミングにおいては異なる重みのセットを指定することができる。
もう1つの可能性は、重みが前もって決定されていて、それぞれの移動体通信端末装置100において、その重みが使用されるということである。使用される重みの数と重みに対応する値とは、標準化団体によって決定されるものでもよい。その標準化団体に従う全てのベンダーや製造業者は、移動体通信端末装置100を供給するその団体によって勧告される。このことから、前記ベンダーや製造業者は、サービスオペレーターによって予め決定された重みを使用するものと予想される。
TDF502の使用は、ハンドオフ推定器500の具体化の一例である。TDF502以外では、高い予測能力で有名なカルマンフィルタ(例えば、非特許文献4を参照)、多層パーセプトロンニューラルネットワーク又は再発性のニューラルネットワーク(例えば、非特許文献5を参照)を使用しても、ハンドオフ推定器500を構成することができる。これらのフィルタ等に応じて、重みのセットが適宜指定される必要がある。また、異なる重みのセットは、MADU103によってトリガインターフェイスが要求されるタイミングに応じて、適宜負荷される。
これら重みのセットは、ベンダーや製造業者によって前もって決定されるか、標準化団体によって前もって指定されるか、或いはNAU101が基地局との間にチャネルを形成するときに基地局によって負荷されてもよい。
実際、基地局から重みを取得することは、基地局が自身の動作範囲と特徴を知るためにより良い位置にあるので、道理にかなう手法である。そこで我々は、以下に2つの具体化のシナリオを記述する。
第1のシナリオでは、NAU101が基地局との間にチャネルを確立するとき、基地局は、NAU101に異なる重みのセットを送る。この場合、ハンドオフ推定器500の構造と重みの数は知られている。それぞれの重みのセットのために、基地局は、対応する推定時間枠を指定する。例えば、重みのセットが0から500msecであると記録される場合、この重みのセットを使うことは、ハンドオフ推定器500がハンドオフの起きる0から500msec前に、ハンドオフについてのトリガインターフェイスを送信可能にすることを意味する。また、同様に重みのセットが500から1000msecと記録される場合は、ハンドオフ推定器500がハンドオフの起きる500から1000msec前にハンドオフについてのトリガインターフェイスを送信可能にすることを意味する。このようにNAU101は、異なる重みのセットを記録し、そしてトリガインターフェイスを送信するタイミングがMADU103によって設定されることに起因して、そのタイミングに対応する重みのセットを使用する。
第2のシナリオは、NAU101がMADU103によって設定されたタイミングの要求を含む制御メッセージを基地局に送信することである。この制御メッセージを受信した基地局は、その後移動体通信端末装置100に対応する重みのセットを送信する。このようにすれば、NAU101は、ただ一つの重みのセットを保持すればよくなる。そしてMADU103は、トリガインターフェイスのための異なるタイミングの要求を設定し、NAU101は前記タイミングの要求を提示している基地局へ問合せメッセージを送信する。その後、この基地局は、対応する重みのセットを用いて応答する。
(実施の形態5)
本発明に係る実施の形態5では、基地局を中心として形成される複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークと移動体通信端末装置とを構成要素とする通信システムにおいて、移動体通信端末装置がローミングする場合の手順及びその態様について説明する。
本発明に係る実施の形態5では、基地局を中心として形成される複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークと移動体通信端末装置とを構成要素とする通信システムにおいて、移動体通信端末装置がローミングする場合の手順及びその態様について説明する。
複数のデータ通信ネットワークを含んで構成される通信システムにおいては、移動体通信端末装置のローミング即ちハンドオフが、データ通信ネットワークによって引き起こされる状況が生じうる。このような状況は、通信システムを構成する複数の基地局が密集して形成されている場合に生じ易い。複数の基地局は、移動体通信端末装置の位置を監視するために、相互に協力することができる。そして、これらの基地局は、移動体通信端末装置が現在チャネルを形成している基地局から他の基地局に向かって移動しているときには、顕著なハンドオフについてのイベントを検出することができる。
図8に、本実施の形態における通信システムの構成を簡略化して示す。この通信システムは、3つの基地局701、702及び703を中心として形成される3つのパケット交換方式のデータ通信ネットワークと移動体通信端末装置704とで構成される。基地局701、702及び703は、移動体通信端末装置704の位置を三角測量技法を使ってそれぞれが別個に監視する。そのため、基地局701、702及び703は、例えば移動体通信端末装置704が基地局701の動作範囲内から基地局703の動作範囲に向かって移動中であることをリアルタイムに検出することができる。
ある基地局の動作範囲内に存在する移動体通信端末装置704が他の基地局の動作範囲内に移動するときには、ハンドオフが実際に起こる前の指定されたタイミングで、移動体通信端末装置704から基地局に制御メッセージが送信される。この制御メッセージは、次のフィールドを含む。
(1)移動体通信端末装置の識別子と、
(2)求められたトリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(3)ハンドオフイベントが推定される時刻の前にトリガメッセージを送信するために必要なタイミング。
(2)求められたトリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(3)ハンドオフイベントが推定される時刻の前にトリガメッセージを送信するために必要なタイミング。
また、ハンドオフイベントが移動体通信端末装置704にとって顕著であるといずれかの基地局に検出されたときには、その検出を行った基地局は、次のフィールドを含むトリガメッセージを移動体通信端末装置704に送信する。
(1)トリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(2)現在の基地局の識別子と、
(3)新しい基地局の識別子と、
(4)予測されるハンドオフの時刻。
(2)現在の基地局の識別子と、
(3)新しい基地局の識別子と、
(4)予測されるハンドオフの時刻。
また、この通信システムにおいて、移動体通信端末装置704が一つのネットワークアクセスメカニズム又はNAU101と、MADU103と、UPL102とを具備する場合は、移動体通信端末装置704は滑らかなハンドオフを実現するためにトリガ警告を利用することができる。MADU103は、UPL102において通信セッションのハンドオフを行うために必要とされる時間即ちt_handoffを計算する。そして、MADU103はハンドオフイベント前の算出されたt_handoffの間に、ハンドオフ警告メッセージを送信するため、基地局にトリガメッセージを要求する制御メッセージを送信する。
NAU101がこのような警告メッセージを受け取ったとき、NAU101はトリガインターフェイスを使用するMADU103にトリガを送信する。その後MADU103は、UPL102にハンドオフイベントを推定して通信セッションのハンドオフを準備するよう指示する。これはUPL102に滑らかなハンドオフをもたらす。
実施の形態4において説明したように、移動体通信端末装置704が基地局701、702及び703のサポートによってそれ自身の動きを追跡することは可能である。そこで、TDF502の目的がハンドオフイベントの発生時刻の推定であることから、基地局701、702及び703は、移動体通信端末装置704がフィルタを使用できるように、移動体通信端末装置704に重みのセットを提供する。この種類の通信システムのために、移動体通信端末装置704は、次のフィールドを含む制御メッセージを基地局701、702及び703の少なくとも1つに送信する。
(1)移動体通信端末装置の識別子と、
(2)求められたトリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(3)ハンドオフイベントの推定された時刻の前に、トリガメッセージを送信するために必要なタイミング。
(2)求められたトリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(3)ハンドオフイベントの推定された時刻の前に、トリガメッセージを送信するために必要なタイミング。
また、基地局701、702及び703は、移動体通信端末装置704のために、使用される重みのセットの提供と伴に、もう1つのタイプの制御メッセージを回答する。基地局701、702及び703によって送信される回答には、次のフィールドが含まれる。
(1)回答タイプ(重みのセットがメッセージに含まれることを示すため)と、
(2)現在の基地局の識別子と、
(3)ハンドオフイベントを予測するための時間枠と、
(4)ハンドオフイベントを予測するために、移動体通信端末装置704にインストールされたフィルタを用いて使用すべき重みのセット。
(2)現在の基地局の識別子と、
(3)ハンドオフイベントを予測するための時間枠と、
(4)ハンドオフイベントを予測するために、移動体通信端末装置704にインストールされたフィルタを用いて使用すべき重みのセット。
本明細書は、2003年7月31日出願の特願2003−284517に基づくものである。この内容を全てここに含めておく。
本発明は、ハンドオフが実行される前に上位層のプロトコルに予めトリガインターフェイスが送信されることから、上位層のプロトコル例えばUPLによる支配的な制御によって絶え間のないスムーズなハンドオフが実現され、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークに接続可能で、これらネットワークに参加するための接続ポイントを常時変更する即ちローミングする移動体通信端末装置等に有用である。
本発明は、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークにおいて使用可能で、前記ネットワークに参加するための接続ポイントを常時変更する即ちローミングする移動体通信端末装置に関する。特に、複数の前記ネットワークに参加するための複数のネットワークアクセスメカニズムを備え、これらのネットワークアクセスメカニズムが前記ネットワークのプロトコルに適合するように統合制御される移動体通信端末装置に関する。
また、本発明は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子技術者協会)802.11及びW−CDMA(広帯域符号分割多元接続)のような二重の無線アクセス技術に適用することができる。
また、本発明は、前記ネットワークのプロトコルに適合するようにネットワークアクセスメカニズムを統合制御する移動体通信端末装置及びその制御方法を提供することによって、移動体通信端末装置の利用可能範囲を拡張するものである。
無線技術の出現と発展により、今日インターネット等のグローバルネットワークに参加できる移動体通信端末装置が増加している。
これらの移動体通信端末装置は、異なるドメイン間をローミングして、異なるパケット交換方式のデータ通信ネットワークの基地局と順次チャネルを形成する。このようなローミングの供給は、GSM(Global Systems for Mobile communications)システムのような回線交換される通信ネットワークにおいてかなり成熟している。
しかしながら、パケット交換方式のデータ通信ネットワークにおいて、このようなローミング機能を採用することは難しい。なぜなら、パケット交換方式のデータ通信ネットワークにおける通信端末装置では、前記ネットワークそれぞれがユニークなアドレスを使用するからである。なお、このユニークなアドレスには、空間のトポロジーに有効な部分(通常は先頭)が含まれる。
特許文献1において、バレンタインらは、回線交換方式の電気通信ネットワークにパケット交換方式のデータ通信を取り込もうと試みた。しかしながら、特許文献1には、データ通信端末装置にアドレスがどのように割り当てられるかについての問題は記載されていない。
そこで、このアドレスの割り当ての問題を解決するため、特許文献2には、セットアップ時において移動体端末装置に動的にアドレスを割り当てる技術が記載されている。特許文献2に記載の技術によれば、前記アドレスを割り当てる問題は解決されるようにも思われる。しかし、特許文献2には、移動体端末装置が移動することによってそれまでと異なる他の接続ポイントから前記電気通信ネットワークに参加するときに、旧アドレスと新アドレスとがどのようにして関連付けられるかについて、具体的な言及がない。なお、移動体端末装置がパケット交換方式のデータ通信ネットワークに参加する接続ポイントを変更した後でも、同じアドレスで継続的にパケットを受信できるようにすることは、移動体端末装置にとって望ましいことである。これにより、パケット交換方式のデータ通信ネットワークおいて、移動体端末装置が接続ポイントを変更するときでも、通信セッションのスムーズな継続が可能となる。
このようなローミング機能をサポートするために、非特許文献1にはモバイルIPv4についての関連技術が、また非特許文献2にはモバイルIPv6についての関連技術が記載されている。モバイルIPでは、モバイルノードと呼ばれるデータ通信端末装置それぞれが恒久的なホームドメインを持っている。このホームドメインを構成するホームネットワークにモバイルノードが参加する場合には、ホームアドレスと呼ばれる恒久的なグローバルアドレスがモバイルノードに割り当てられる。モバイルノードがホームネットワークから離れているとき即ち他のネットワークに所属しているときには、通常「気付アドレス」と呼ばれる一時的なグローバルアドレスが前記モバイルノードに割り当てられる。この気付アドレスを用いれば、モバイルノードは、他のネットワークに所属していても、ホームアドレス宛てに送信されてくるパケットを受信することができる。なお、この気付アドレスを使用するには、ホームネットワーク上にホームエージェントと呼ばれるルータが必要となる。モバイルノードは、気付アドレスを「バインディングアップデート」と呼ばれるメッセージを使ってホームエージェントに登録する。ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレス宛てに送信されてきたメッセージを途中で捕えて、そしてモバイルノードの気付アドレス宛てに転送する。モバイルノードがホームネットワーク以外のどのような方式の他のネットワークに所属していても、モバイルノードからホームエージェントにホームアドレスと気付アドレスとを関連付ける情報が提供されていれば、モバイルノードはホームアドレス宛てに送信されてくるパケットをいつでも受信することができるようになる。
しかしながら、非特許文献1及び非特許文献2に記載された技術では、モバイルノードが前の接続ポイントから離れた後にホームアドレスと新しい気付アドレスとの間に新しい関連付けを準備する(新しい気付アドレスを取得する時間を含む)ための時間が必要である。従って、この準備時間においては、モバイルノードはパケットを受信することができない。
そこで、移動体通信端末装置が前にチャネルを形成した基地局から新しくチャネルを形成する基地局へハンドオフを迅速に行う技術が開発され、その技術が特許文献3に記載されている。また、特許文献4には、複数の基地局が移動体通信端末装置の移動速度を測定し、測定された移動速度に基づいてハンドオフが必要か決定する技術が記載されている。これらの技術は、ハンドオフについてのオーバーヘッドを削減する可能性があるものの、旧気付アドレスから新気付アドレスに切り替えるために若干の時間を要する。そのため、これらの技術を用いてもまだ、完全に滑らかなハンドオフを実現することはできない。さらに、これらの技術では、移動体通信端末装置のホームアドレスと気付アドレスとの関連付けを基地局に動的に提供しなければならないことから、基地局での信号処理の負荷が高まる。さらに、これらの技術は、ハンドオフの各処理を実際に実行する基地局の能力及び機能に依存するため、基地局の構成を一層複雑にし、また基地局をより高価なものにする。
このような迅速なハンドオフを実現する1つの手段として、複数のネットワークアクセスメカニズムを使用することが考えられる。複数のネットワークアクセスメカニズムを備える移動体通信端末装置であれば、ハンドオフを実行する際に、前にチャネルを形成した基地局と新しくチャネルを形成する基地局とにそれぞれ別個のネットアークネットワークアクセスメカニズムを割り当てることによって、ハンドオフを迅速、かつ、滑らかなに実現することができる。
しかしながら、このような複数のネットワークアクセスメカニズムを使用するには、移動体通信端末装置に具備されるネットワークインターフェイスが、移動体通信端末装置を支配的に制御するソフトウェアに対してトリガを供給する必要がある。
米国特許第6504839号明細書
米国特許第6469998号明細書
米国特許第6473413号明細書
米国特許第5913168号明細書
パーキンスら(Perkins, C. E. et. al),「IP可動性サポート(IP Mobility Support)」,IETF RCF 3344,2002年8月
ジョンソンら(Johnson, D. B., Perkins, C. E., and Arkko, J.),「IPv6での可動性サポート(Mobility Support in IPv6)」,Internet Draft: draft-ietf-mobileip-ipv6-21.txt,Work In Progress,2003年2月
ハイキン(Haykin, S.),「アダプティブフィルタ理論(Adaptive Filter Theory)」,Prentice-Hall,Upper Saddle River,New Jersey,1996年,第3版
カルマン(Kalman, R.E),「線形フィルタリングと予測問題とについての新しいアプローチ(A New Approach to Linear Filtering and Prediction Problems)」,Trans ASME,1960年3月,第82巻,シリーズD,p.35−45
ハイキン(Haykin, S.),「ニューラルネットワーク:包括的な基礎(Neural Network: A Comprehensive Foundation)」,Prentice Hall,Upper Saddle River,1994年,ニュージャージー・インターナショナル版
前述したように、移動体通信端末装置がパケット交換方式のデータ通信ネットワークをローミングするときに、通信セッションに絶え間のない滑らかなハンドオフを既存の解決手段によって実現することは困難である。より具体的には、移動体通信端末装置が異なるドメインに新たに所属するとき即ち前の基地局とは異なる他の基地局との間に新たにチャネルを形成し直すとき、新しい気付アドレスが利用できるようになるまでの準備時間が必要であり、この準備時間の間は移動体通信端末装置にパケットが届かなくなるおそれがある。
無線技術の発展により、多くの移動体通信端末装置は今、IEEE802.11bとGPRS(General Packet Radio Service)とのような複数の異なるアクセス技術を利用することができるようになっている。そこで、移動体通信端末装置においてこれらの異なるアクセス技術を交互に利用すれば、迅速なハンドオフを実現することできる。
しかしながら、この迅速なハンドオフを実現するには、移動体通信端末装置に具備されるネットワークアクセスメカニズムからそれを支配的に制御するレイヤに対して、幾つかのトリガが供給される必要がある。加えて、このトリガは、支配的なレイヤの構成の複雑さを解消し、またそこで生じる信号処理の負荷を軽減するために、一様なフォーマットを持つべきである。
本発明の目的は、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングするときに、迅速で絶え間のない滑らかなハンドオフを実現できる移動体通信端末装置及びその制御方法等を提供することである。
本発明に係る移動体通信端末装置は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるネットワークアクセスユニット(NAU)と、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADU(Multiple Access
Decision Unit)と、を具備し、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする構成を採る。
Decision Unit)と、を具備し、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUによって使用される1セットのインターフェイスは、問合せ(Query)インターフェイス、設定(Configure)インターフェイス及びトリガ(Trigger)インターフェイスを含んで構成されるものであって、前記問合せインターフェイスは、問合せのタイプ(問合せコード:Query-Code)を識別する部分と問合せの結果(問合せ結果:Query-Result)を格納するバッファを含むもう一つの部分から成り、かつ、前記MADUが前記NAUに送信する前記NAUについての情報が得られる信号であり、前記設定インターフェイスは、設定されるパラメータ(パラメータコード:Parameter-Code)を示す部分と設定される前記パラメータの新しい値(パラメータ値:Parameter-Value)を格納するもう一つの部分とから成り、かつ、前記NAUに対応付けされた前記パラメータを設定する前記MADUが前記NAUに送信する信号であり、前記トリガインターフェイスは、前記NAUを個別に識別する部分(NAU-識別子:NAU-Identifier)と発生した又は今後発生するイベント(トリガイベント:Trigger-Event)を完全に記述するもう1つの部分とから成り、かつ、前記NAUが前記MADUに送信して前記イベントの発生又は今後発生することを知らせる信号である構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUは、前記NAUの設定及び状況についての情報を記録して蓄積する不揮発性のメモリデバイスを具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記問合せインターフェイスと、前記設定インターフェイスと、前記トリガインターフェイスと、のフォーマットを変換することにより、前記NAUと前記MADUとの情報交換を可能にするNIT(NAU-specific Interface Translator)を具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記NAUは、同時並列操作が可能な複数のNAU通信チャネルと、前記NAU通信チャネルを制御し、前記インターフェイスを用いて前記MADUと情報交換するsub-MADUと、を具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記sub-MADUと前記MADUとの間に、前記問合せインターフェイスと、前記設定インターフェイスと、前記トリガインターフェイスと、のフォーマットを変換することにより、前記sub-MADUと前記MADUとの情報交換を可能にするNITを具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、前記問合せインターフェイスは、前記NAUの動作モードと、前記NAUによって提供されるチャネルの使用コストと、前記NAUによって提供されるチャネルのバンド幅と、前記NAUによって提供されるチャネルの品質と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるサービス品質(QoS)レベルと、前記NAUによって提供されるチャネルについての電力消費量情報と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるセキュリティ方式と、についての情報を伝える信号である構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、前記設定インターフェ
イスは、前記NAUの動作モードと、前記NAUから前記MADUに情報信号を送信することと、前記NAUから前記MADUに前記情報信号を送信することを省略することと、前記MADUに送信する前記情報信号の生成に関する前記NAUについての基準と、前記NAUがハンドオフ動作を開始する基準と、前記NAUによって使用されるチャネルの特定と、についての情報を伝える信号であって、前記NAUに送信される構成を採る。
イスは、前記NAUの動作モードと、前記NAUから前記MADUに情報信号を送信することと、前記NAUから前記MADUに前記情報信号を送信することを省略することと、前記MADUに送信する前記情報信号の生成に関する前記NAUについての基準と、前記NAUがハンドオフ動作を開始する基準と、前記NAUによって使用されるチャネルの特定と、についての情報を伝える信号であって、前記NAUに送信される構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、前記トリガインターフェイスは、基地局に対応付けられた前記NAUの状況変更と、ある値を変更された前記NAUによって提供されるチャネルの使用コストと、ある値を変更された前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるQoSレベルと、あるタイプに変更された前記NAUによって提供されるチャネルにおいて利用されるセキュリティ方式と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいて利用される変調方式と、についての情報を前記NAUが前記MADUに伝える信号である構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置の制御方法は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備し、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする移動体通信端末装置を制御する方法であって、前記NAUについての情報が得られる問合せインターフェイスを、前記MADUが前記NAUに送信するステップと、前記NAUに対応付けされた前記パラメータを設定する設定インターフェイスを、前記MADUが前記NAUに送信するステップと、前記イベントの発生又は今後発生することを知らせる前記トリガインターフェイスを、前記NAUが前記MADUに送信するステップと、を具備するようにした。
本発明に係る移動体通信端末装置の制御方法は、前記発明において、前記MADUが前記NAUを制御するステップと、同時並列操作が可能な複数のNAU通信チャネルを制御し、かつ、前記インターフェイスを用いて前記MADUと情報交換する前記sub-MADUを前記MADUが制御するステップと、前記MADUが前記インターフェイスを用いて前記NAU又は前記sub-MADUと通信を行うステップと、を具備するようにした。
本発明に係る移動体通信端末装置の制御方法は、前記発明において、前記MADUと通信するときに、前記sub-MADUがそれ自身を表す特別な識別子を使用するステップと、前記特別な識別子が前記トリガインターフェイスに使用される場合には、前記MADUと通信を行うUPLに対して前記トリガインターフェイスに基づいて前記sub-MADUの行った決定を前記MADUが送信するステップと、を具備するようにした。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークを介して受信された入力信号に基づいて、前記データ通信ネットワークとのチャネルの中断を予測する複数のTDFと、複数の前記TDFからの入力信号を時系列に比較することにより、トリガインターフェイスを前記MADUに送信するか決定する比較器と、を具備する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置は、前記発明において、前記TDFは、前記入力信号をその受信された世代毎に記録し一定期間保持する複数の遅延レジスタと、前記遅延レジスタからの出力に対して前記遅延レジスタ毎に用意された重みをそれぞれ乗算する複数の乗算器と、複数の前記乗算器から入力されてくる複数の乗算値に予め設定された値を加え
つつ合算する加算器と、を具備する構成を採る。
つつ合算する加算器と、を具備する構成を採る。
本発明に係る通信システムは、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークと、前記データ通信ネットワークの間をローミングする移動体通信端末装置と、を含んで構成される通信システムであって、前記移動体通信端末装置は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備する構成を採る。
本発明に係る通信システムは、前記発明において、前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークは、前記移動体通信端末装置とのチャネルを形成するときに、重みのセットを動的に設定し、設定された前記重みのセットを前記移動体通信端末装置に提供する基地局を具備し、前記移動体通信端末装置は、前記基地局から提供される前記重みのセットを用いて、前記基地局との間で形成された前記チャネルの中断を予測する構成を採る。
本発明に係る通信システムは、前記発明において、前記移動体通信端末装置は、前記NAUが前記MADUによって設定されたトリガインターフェイスを送信するタイミングを含む制御メッセージを前記基地局に送信し、前記基地局は、前記制御メッセージを受信したときに、前記制御メッセージに対応する前記重みのセットを前記移動体通信端末装置に送信する構成を採る。
本発明に係る通信システムは、前記発明において、前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークは、前記移動体通信端末装置との間でチャネルを形成する基地局を具備し、前記基地局は、前記移動体通信端末装置からトリガメッセージの送信を要求されたときには、或いは前記移動体通信端末装置の位置を監視してその動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生を検出したときには、前記移動体通信端末装置との間で現在のチャネルを形成している基地局を特定する独特の識別子と、前記移動体通信端末装置との間で新たにチャネルを形成する他の基地局を特定する独特の識別子と、前記イベントが発生する推定時刻と、を含むトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信し、前記移動体通信端末装置は、現在のチャネルを形成している前記基地局に制御メッセージ、即ち前記移動体通信端末装置を特定する独特の識別子と、前記トリガメッセージを特定する独特の識別子と、前記イベントの発生推定時刻の前に前記トリガメッセージの送信に必要な時間枠と、を含む制御メッセージを送信し、並びに前記イベントの発生を検出したときには、前記トリガメッセージの送信を前記基地局に要求する構成を採る。
本発明に係る移動体通信端末装置のローミング方法は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備する移動体通信端末装置、並びに前記移動体通信端末装置との間でチャネルを形成する基地局を具備する複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークを含んで構成される通信システムにおいて、前記移動体通信端末装置が複数の前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする方法であって、前記移動体通信端末装置が、現在のチャネルを形成している前記基地局に制御メッセージ、即ち前記移動体通信端末装置を特定する独特の識別子と、前記トリガメッセージを特定する独特の識別子と、前記基地局の動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生推定時刻の前に前記トリガメッセージの送信に必要な時間枠と、を含む制御メッセージを送信するステップと、前記移動体通信端末装置が、前記イベントの発生を検出したときには、前記トリガメッセージの送信を前記基地局に
要求するステップと、前記基地局が、前記移動体通信端末装置からトリガメッセージの送信を要求されたときには、或いは前記移動体通信端末装置の位置を監視してその動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生を検出したときには、前記移動体通信端末装置との間で現在のチャネルを形成している前記基地局を特定する独特の識別子と、前記移動体通信端末装置との間で新たにチャネルを形成する他の基地局を特定する独特の識別子と、前記イベントが発生する推定時刻と、を含むトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信するステップと、を具備するようにした。
要求するステップと、前記基地局が、前記移動体通信端末装置からトリガメッセージの送信を要求されたときには、或いは前記移動体通信端末装置の位置を監視してその動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生を検出したときには、前記移動体通信端末装置との間で現在のチャネルを形成している前記基地局を特定する独特の識別子と、前記移動体通信端末装置との間で新たにチャネルを形成する他の基地局を特定する独特の識別子と、前記イベントが発生する推定時刻と、を含むトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信するステップと、を具備するようにした。
本発明に係る移動体通信端末装置によれば、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備するため、ハンドオフが実行される前に上位層のプロトコルに予めトリガが送信されることから、上位層のプロトコル例えばUPLによる支配的な制御によって絶え間のないスムーズなハンドオフが実現される。
また、本発明に係る移動体通信端末装置によれば、移動体通信端末装置における現在形成されているチャネルが今後中断されるか否かを予測できるため、使用中のNAUを変更するために必要な準備時間を十分に確保することができる。
そして、本発明に係る移動体通信端末装置によれば、現在使用中のチャネルが今後中断されるときには、現在のネットワークアクセスメカニズムと独立して代わりのネットワークアクセスメカニズムを並列に作動させることができるため、移動体通信端末装置が様々な基地局の動作範囲を出入りするときに、通信セッションの中断時間を最小限に抑えることができる。
加えて、本発明に係る移動体通信端末装置によれば、トリガインターフェイスについて一様なフォーマットを指定することから、移動体通信端末装置において異なるベンダーや異なる製造業者から供給されるネットワークインターフェイスカードを併用しても、UPLの構成や信号処理の複雑さを軽減することができる。
また、本発明に係る移動体通信端末装置を含んで構成される通信システムによれば、この通信システムが制御メッセージ及びトリガメッセージの送受信をサポートするため、複数のNAUが一つのアクセスメカニズムを備える移動体通信端末装置であっても、前記各効果が有効に奏される。
本発明の骨子は、ユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、前記インターフェイスを用いて複数の前記NAU及び前記MADUと情報交換を行い、これらを支配的に制御するUPLと、を具備する移動体通信端末装置を用いることによって、パケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングするときに、前記NAU又は前記NAUに具備されるNAU通信チャネルを前記データ通信ネットワーク毎に割り当ててチャネルを形成し、ハンドオフの前後に係る個々のチャネルに対応する前記NAU又は前記NAU通信チャネルを同時並行で作動させることによって、それまで使用していた旧アドレスとその後使用する新アドレスとを関連付け通信セッションの中断を生じさせずにハンドオフを滑らかに実行することである。
本発明では、移動体通信端末装置における上位層のプロトコルがNAUからトリガを受け取ることが可能であることを開示した。このトリガは、移動体通信端末装置がローミングするときに、その各構成要素がハンドオフについての信号を処理するタイミングを提供することができる。従って、このトリガは、現在使用中のチャネルの中断又はハンドオフの発生を警告する信号として機能しうる。そのため、このトリガを用いれば、上位層のプロトコルが通信セッションをあるNAUから他のNAUに引き継がせるために必要な準備時間を十分に確保できることから、通信セッションに切れ間がない滑らかなハンドオフを実現することができる。
加えて本発明では、上位層のプロトコルの構成及び信号処理の複雑さが解消されるように、一様なインターフェイスを指定する。このことにより、異なるベンダー又は異なる製造業者から供給されるネットワークインターフェイスカードが併用される場合でも、これらカード間の互換性を保つことができる。また、本発明では、このようなネットワークインターフェイスカードが移動体通信端末装置にスムーズに統合されるように、インターフェイスの翻訳ルーチンを規定する。
本発明では、ネットワークサービスの中断時間を短縮することを目的として、上位層での通信セッションの引き渡しを実現するために、トリガメッセージを上位層のプロトコルで処理することから、複数のアクセスメカニズムを備える移動体通信端末装置が必要となる。本発明では、上位層のプロトコルが現在使用中のチャネルの中断を警告するトリガメッセージを前記チャネルの中断に先立って受け取るとき、現在使用中のネットワークアクセスメカニズムとは異なる代わりのネットワークアクセスメカニズムが前記チャネルの中断に先立って作動開始される。従って、本発明では、通信セッションの引継ぎの準備が前記チャネルの中断が実際に起こる前に開始されることになる。
また、本発明に係る移動体通信端末装置を含んで構成される通信システムにおいて、その移動体通信端末装置へのトリガメッセージの送受信がサポートされていれば、その移動体通信端末装置は、一つのネットワークアクセスメカニズムを備えるだけで、前述のように現在使用中のチャネルの中断を回避して滑らかなハンドオフを実現することができる。
また、本発明に係る通信システムには、指定されたタイミングでハンドオフ警告のようなトリガメッセージの送信を要求する移動体通信端末装置と、その送信要求に応えて所定のフォーマットからなるトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信する基地局が含まれる。この移動体通信端末装置は、通信システムからこのようなトリガメッセージを受け取ると直ぐに、上位層のプロトコルに通信セッションを引き継ぐための準備を開始させる。
なお、本明細書の記載をより理解し易くするために、次の用語について簡単に説明する
。しかしながら、これら用語の意義は、前記説明がなくても当業者にとって自明であろう。
。しかしながら、これら用語の意義は、前記説明がなくても当業者にとって自明であろう。
(a)「パケット」とは、データ通信ネットワークを介して送受信可能であって、所定のフォーマットに加工されて独立したデータのユニットを指す。パケットは、通常2つの部分即ち「ヘッダー部」と「ペイロード部」とから成る。「ペイロード部」は、伝達すべき情報データを格納する部分であり、一方「ヘッダー部」は、パケットの送受信先を特定するための情報を格納する部分である。従って、「ヘッダー部」には、パケットの送り主と受取人とをそれぞれ識別するために、情報源アドレスと目的地アドレスとが格納される。
(b)「モバイルノード」とは、パケット交換方式のデータ通信ネットワークにおいて接続ポイントを変更する前記ネットワークの構成要素を指す。なお、特に言及しない限り、モバイルノードは、エンドユーザが使用する移動体通信端末装置を意味する。
(c)「基地局」とは、アクセス技術の種類を問わず、モバイルノードにデータ通信ネットワークに参加するためのチャネルを提供する前記ネットワークの構成要素を指す。これらのアクセス技術の例としては、無線通信、有線通信又は光通信が例示される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。次の説明によって、特定の数、時、構成とパラメータの意義が一層明確にされる。
(実施の形態1)
図1は、移動体通信端末装置100の構成を示すブロック図である。
図1は、移動体通信端末装置100の構成を示すブロック図である。
移動体通信端末装置100は、ネットワークアクセスユニット(NAU:Network Access Unit)101をm個(mは2以上の整数)と、UPL(Upper Protocol Layer)102と、MADU(Multiple Access Decision Unit)103と、を具備する。なお、NAU101aから101mについて、これらを個々に区別することなく包括的に言及する場合には、単にNAU101と表記する。
NAU101は、物理的なネットワークインターフェイス即ちハードウェアと、このようなハードウェアを制御するソフトウェアと、このようなハードウェアを用いて通信を管理するプロトコルと、を構成要素とするネットワークアクセスメカニズムを具備する。例えば、国際標準化機構(ISO)のOSI(Open System Interconnection)モデルにおいて、NAU101は物理層及びデータリンク層に関連する全てのプロトコルを含む。
本発明は、複数のネットワークアクセスメカニズムを備える移動体通信端末装置の提供を目的とするので、移動体通信端末装置100は、複数のNAU101即ちNAU101aから101mを具備する。なお、物理的に1つのハードウェアは、2以上の異なるネットワークアクセスメカニズムを構成できる。このような構成は、それぞれのNAU101がそれぞれのネットワークアクセスメカニズムを構成するために必要な機能を包含するように形成される。
ここで、あるネットワークアクセスメカニズムが基地局と間にアクティブなチャネルを形成している場合は、そのネットワークアクセスメカニズムを備えるNAU101がアクティブである、ということになる。また、物理的に一つのNAU101は、同種のネットワークアクセスメカニズムを複数使用することによって複数の接続を同時に形成することができる。例えば、複数のアンテナを使うことによって、複数のアクティブなチャネルを同時に形成することが可能である。このように同種のネットワークアクセスメカニズムが
使用される場合は、移動体通信端末装置100が複数のNAU101即ちNAU101aから101mを備える場合に等しい。この場合、どのチャネルを使用するか決定するために、MADU103とNAU101とを統合して、MADU103を階層的に配列してもよい。この階層的な配列については、実施の形態3で言及する。
使用される場合は、移動体通信端末装置100が複数のNAU101即ちNAU101aから101mを備える場合に等しい。この場合、どのチャネルを使用するか決定するために、MADU103とNAU101とを統合して、MADU103を階層的に配列してもよい。この階層的な配列については、実施の形態3で言及する。
UPL102は、NAU101のいずれかを経由して伝達されるパケットを受信できる全ての上位層のプロトコルとアプリケーションとを含んで観念される抽象概念である。ISOのOSIモデルを例として、UPL102は、アプリケーション層、プレゼンテーション層、セッション層、トランスポート層及びネットワーク層を含む。
パス110は、UPL102がパケットをNAU101に送信するとき、或いはUPL102がNAU101の受信したパケットを取得するときにパケットが通過する標準的なデータパスである。
MADU103は、動的に作動して、どのNAU101を用いてデータ通信ネットワークに参加するか決定する。MADU103の主な機能は、アクティブなNAU101のアクセスリンクが落ちようとしているとき即ち使用中のチャネルが中断されようとしているときに、代わりの他のNAU101を使用するために、その準備を行い、さらにその準備の完了を保証することである。
このMADU103の動作について、図2を用いて説明する。図2において、T1000とマークされた区間では、NAU101aがアクティブとなっている。
次に、T2000とマークされた時点では、NAU101aの提供する使用中のチャネルが近い将来に中断されるおそれがあることを明示するトリガインターフェイスがNAU101aから送信される。このトリガインターフェイスを受信したMADU103は、NAU101bをアクティブにする。
次いで、T3000とマークされた区間では、NAU101aの代わりにNAU101bを使うため、MADU103がNAU101bの作動準備を行い、UPL102に近い将来に通信セッションが現在とは異なる他のNAUを介して行われるようになることを通知する。これは、図1に示すパス112を介してMADU103からUPL102に送信される制御信号によってなされる。NAU101bの作動準備が完了し次第、NAU101bからUPL102にパケットが転送されるようになる。
従って、T4000とマークされる時点即ちNAU101aによって提供されるチャネルが実際に中断される時点においては既に、NAU101bからもUPL102にパケットが転送されている。これは理想的な例であって、T5000とマークされる区間(T4000の経過後の区間)が始まる前即ちNAU101aによって提供されるチャネルが実際に中断される前に、このようなハンドオフの一連の手順は全て完了していることが望ましい。
MADU103のもう一つの機能は、NAU101の幾つかがアクティブなときに、NAU101aから101mの間の調整を行うことである。どのような時点でも、UPL102に通信セッションを提供するアクティブなNAU101が複数存在しうる。MADU103は、NAU101それぞれの状況情報に基づいて、直近の通信セッションで使用するNAU101を決定する。使用するNAU101を変更する必要があるときはいつでも、MADU103は、動的にもう1つのNAU101を指名して、そしてパス112を介してUPL102にその旨通知する。
複数のNAU101の中から使用するNAU101を選択するに際して、MADU103は、次の基準を使うことができる。
(i)ネットワークアクセスメカニズム(あるネットワークアクセスメカニズムは、人工衛星リンクのような高価なネットワークを使用するため、IEEE802.11と比べて著しく高コストである)のコストが最も安いアクセスを提供するNAU101を選択する。
(ii)ネットワークアクセスメカニズムの電力消費量(あるネットワークアクセスメカニズムは、人工衛星リンクのようなIEEE802.11に比べて著しく多くの電力を消費する)が最も小さいNAU101を選択する。
(iii)ネットワークアクセスメカニズムのバンド幅等に基づいて提供されるチャネルのビットレートが最も高いNAU101を選択する。
(iv)ネットワークアクセスメカニズムの有効性即ち移動体通信端末装置100の移動状況を勘案して最も接続時間を長く維持できる即ち最も長い時間アクティブなままでいられるNAU101を選択する。
(v)ネットワークアクセスメカニズム(あるネットワークアクセスメカニズムがより良いQoS(Quality of Service)サポート、例えばゆらぎがより低く、遅れがより短い)がより良いQoSサポートを提供するNAU101を選択する。
(vi)ネットワークアクセスメカニズム(あるネットワークアクセスメカニズムは他より良いトラフィックの保護を提供する)のセキュリティサポート即ち最良のセキュリティを提供するNAU101を選択する。
(vii)ネットワークアクセスメカニズム(あるネットワークアクセスメカニズムは他より高い温度に耐えることができる)の物理的な特性即ち環境への適応性が高いNAU101を選択する。
(viii)場所と規制情報(あるネットワークアクセスメカニズムは法的規制等によりあるエリアでは使用できない)即ち移動体通信端末装置の利用場所に適しているNAU101を選択する。
(ix)ネットワークアクセスメカニズムのトラフィック負荷即ち最も信号処理負荷の小さいNAU101を選択する。
(x)上記基準に重み付けを行い、かつ、重み付けされた各基準を合計して(重み付けはゼロでも、肯定的でも、否定的であってもよい)、その合計が最も大きいNAU101を選択する。
これらのことから、MADU103がNAU101においてトリガインターフェイスを設定できる必要があると考えられる。特に、トリガインターフェイスが送信されるタイミングは、滑らかなハンドオフの実現と、それを保証することにおいて重要である。
さらに、MADU103は、NAU101を動的にアクティブにまた非アクティブにできる必要がある。加えて、MADU103は、アクティブなNAU101を交替させる決定をする。MADU103がこのような決定を行うには、NAU101から情報を集める必要がある。このような情報を供給するために、1セットのインターフェイスのフォーマ
ットが定義される。これは、MADU103とNAU101の間、図1においてパス111を介して送受信される制御信号のフォーマットである。この1セットのインターフェイスについて、以下詳細に説明する。
ットが定義される。これは、MADU103とNAU101の間、図1においてパス111を介して送受信される制御信号のフォーマットである。この1セットのインターフェイスについて、以下詳細に説明する。
最初のインターフェイスは、MADU103から個々のNAU101に送信される問合せ(Query)インターフェイスであって、目標とするNAU101についての情報を照会するために使用され、そして次のように定義される。
Query(IN Query_Code; OUT Query_Result)
ここで、問合せコード(Query_Code)は、問合せの内容を識別するためのユニークな識別子であって、一方問合せ結果(Query_Result)は、問合せに対する回答であり、目標とするNAU101についての情報を格納するためのバッファである。
2番目のインターフェイスは、MADU103から個々のNAU101に送信される設定(Configure)インターフェイスである。このインターフェイスは、目標とするNAU101の特定の設定パラメータを設定するために使用され、そして次のように定義される。
Configure(IN Parameter_Code; IN Parameter_Value; )
ここで、パラメータコード(Parameter_Code)は、調整される設定パラメータを識別するためのユニークな識別子である。またパラメータ値(Parameter_Value)は、設定されるべき明示されたパラメータ値である。Parameter_Valueは、必要であれば複合的なフィールドを具備することができ、そして異なる設定目的のために複数のパラメータ値を格納することができる。
3番目のインターフェイスは、NAU101からMADU103に送信されるトリガ(Trigger)インターフェイスである。このインターフェイスは、NAU101のために特定のイベントのトリガ又は通知をMADU103に送信するものであって、次のように定義される。
Trigger(IN NAU_Identifier; IN Trigger_Event; )
ここでNAU識別子(NAU_Identifier)は、トリガインターフェイスを送信したNAU101を識別するためのユニークな識別子であり、トリガイベント(Trigger_Event)は、発生したイベント又は今後発生するイベントを全て記述する記述子である。例えば、コスト変更のトリガインターフェイスであれば、Trigger_Eventは、"Cost-Rise"等のイベントタイプを特定するイベントコードを含み、そして実際のコストを「1分毎に10セント」と記述する場合には、その対応するデータ構造のイベントタイプを指定するイベントコードが含まれる。また、1つのトリガインターフェイスの中には、複数のTrigger_Eventが集合して存在し得る。また、トリガインターフェイスは、現在使用中のチャネルが中断されることについての警告を含むことができる。
MADU103は、前記インターフェイスを個々のNAU101に直接送信することができるので、問合せインターフェイス及び設定インターフェイスについては、NAU_Identifierを指定する必要がない。ところが、NAU101からトリガインターフェイスが送信される場合には、NAU101は、MADU103にNAU101自身を識別させる必要がある。これにより、MADU103は、どのNAU101がイベントを発生させたかについて確認することができる。
問合せインターフェイスについて、MADU103がNAU101の任意の状況情報を照会するために使用できる問合せの例としては、以下のものが挙げられる。
(1)状況の問合せ:MADU103はネットワークアクセスメカニズムがアクティブであるか、或いは電力節約モードであるかのようなNAU101の状況を問い合わせる。
(2)コストの問合せ:MADU103は、サービスプロバイダの請求金額のような接続コストを問い合わせる。
(3)能力の問合せ:MADU103は、ネットワークアクセスメカニズムによって許可された最大スループットやバンド幅のような接続のスピードを問い合わせる。
(4)接続の問合せ:MADU103は、SNR(Signal-to-Noise Ratio)や信号強度等のような接続の品質状況を問い合わせる。
(5)QoSの問合せ:MADU103は、2点間でのデータストリームのQoSを保証するパラメータのようなQoSサポートを問い合わせる。
(6)電力の問合せ:MADU103は、現在のバッテリー状況での持続時間のような電力消費量を問い合わせる。
(7)保全の問合せ:MADU103は、NAU101によってサポートされるセキュリティメカニズムを問い合わせる。
(2)コストの問合せ:MADU103は、サービスプロバイダの請求金額のような接続コストを問い合わせる。
(3)能力の問合せ:MADU103は、ネットワークアクセスメカニズムによって許可された最大スループットやバンド幅のような接続のスピードを問い合わせる。
(4)接続の問合せ:MADU103は、SNR(Signal-to-Noise Ratio)や信号強度等のような接続の品質状況を問い合わせる。
(5)QoSの問合せ:MADU103は、2点間でのデータストリームのQoSを保証するパラメータのようなQoSサポートを問い合わせる。
(6)電力の問合せ:MADU103は、現在のバッテリー状況での持続時間のような電力消費量を問い合わせる。
(7)保全の問合せ:MADU103は、NAU101によってサポートされるセキュリティメカニズムを問い合わせる。
1つの問合せが複数の問合せを兼ねるように、これら全ての問合せタイプは、問合せコードにおけるフラグとして設定されることができる。特別のパラメータや若干の固定されている構造を必要とする例えばTSPECのような問合せについては、もしそれにフラグが存在するなら、問合せと共に運ばれる。
MADU103は、異なるNAU101に複数の問合せインターフェイスを同時に送信することができる。これは、ハンドオフの際におけるMADU103の迅速な決定を可能にする。
Query_Resultは、あるチャネルが中断されるときに、新たにアクティブにする代わりのNAU101をMADU103が選択することを可能にする。加えて、MADU103は、周期的にNAU101の状況をモニターして、そしてそれぞれのNAU101を使用する場合のコストを計算する。現在のNAU101の使用コストが代わりのNAU101のそれを超えることが明らかとなったときには、MADU103は、より安価なチャネルを使用するためにハンドオフを強行する。
Query_Resultは、問合せインターフェイスのQuery_Codeに由来するNAU101からの異なるリターン値を含む。Query_Codeに存在する問合せに対する回答がQuery_Resultに格納される。そのためには、問合せとその回答(結果)とを関連付ける方法が実行されなければならない。例えば、全ての問合せ結果のデータ構造を統一して、Query_Codeの問い合わせの順に再配置することが可能である。Query_Codeの順に並べられた問い合わせに対応するQuery_Resultに含められる結果の例は、次の通りである。
(1) Status Query Result::=
<Not_in_use::=0x00 | Power_Save_Mode::= 0x01 | Active::=0x02 >;
(2) Cost Query Result::= < Charging Rate> <Charging Interval>;
(3) Capability Query Result::= <Supported Bandwidth>;
(4) Connection Query Result::= <Connection Status (compound filed)>;
(5) QoS Query Result::= <TSPEC> <Priority> <DSCP code>;
(6) Power Query Result::= <How many seconds could it last with current battery>;
(7) Security Query Result::= <Security_mechanism_supported>.
<Not_in_use::=0x00 | Power_Save_Mode::= 0x01 | Active::=0x02 >;
(2) Cost Query Result::= < Charging Rate> <Charging Interval>;
(3) Capability Query Result::= <Supported Bandwidth>;
(4) Connection Query Result::= <Connection Status (compound filed)>;
(5) QoS Query Result::= <TSPEC> <Priority> <DSCP code>;
(6) Power Query Result::= <How many seconds could it last with current battery>;
(7) Security Query Result::= <Security_mechanism_supported>.
MADU103は、NAU101のあるパラメータを設定するため、設定インターフェイスを使用する。その際に使用可能な設定の例は、次の通りである。
(1) activating or de-activating an NAU 101::=
<Active::=0x01| Deactive::=0x00 | Power Save ::= 0x02>
(2) requesting the sending of specific trigger interfaces, e.g. when cost from
using the connection changes, send a trigger to MADU 103::=
<Request_Trigger::=0x02> <Trigger_Request ::=*<Trigger_Type> *<Trigger Condition>>;
(3) requesting the cancellation of sending of specific trigger interfaces, e.g. do not sent a trigger when the modulation scheme changes::=
<Request_No_Trigger ::=0x03> <Trigger_Request ::= *<Trigger_Type> *<Trigger Condition>>;
(4) setting the timing requirements associated to the sending of specific trigger interfaces, e.g. how many seconds before the signal strength drop to certain
level, a trigger must be sent ::=
<Set Time for trigger ::=0x04 > <Trigger_Time_Request::= *<Trigger_Type> *<Time requirement>>;
(5) setting thresholds for sending certain trigger interfaces, e.g. if the ::=
<Set Threshold ::= 0x05> <Trigger_Threshold::= *<Trigger_Type> *<Threshold>>;
(6) setting the pattern of sending certain trigger interfaces ::= <Set Trigger
Pattern::=0x06> <Trigger_patterns::= *<Trigger_Type> *<Pattern>>;
(7) requesting NAU 101 to connect through another base station, ::= <Redirect_NAU::=0x07> <Base station identifier>; and
(8) setting the criteria for having a handoff by NAU 101 ::= <Handoff_Criteria
::= 0x08> <Criteria>.
<Active::=0x01| Deactive::=0x00 | Power Save ::= 0x02>
(2) requesting the sending of specific trigger interfaces, e.g. when cost from
using the connection changes, send a trigger to MADU 103::=
<Request_Trigger::=0x02> <Trigger_Request ::=*<Trigger_Type> *<Trigger Condition>>;
(3) requesting the cancellation of sending of specific trigger interfaces, e.g. do not sent a trigger when the modulation scheme changes::=
<Request_No_Trigger ::=0x03> <Trigger_Request ::= *<Trigger_Type> *<Trigger Condition>>;
(4) setting the timing requirements associated to the sending of specific trigger interfaces, e.g. how many seconds before the signal strength drop to certain
level, a trigger must be sent ::=
<Set Time for trigger ::=0x04 > <Trigger_Time_Request::= *<Trigger_Type> *<Time requirement>>;
(5) setting thresholds for sending certain trigger interfaces, e.g. if the ::=
<Set Threshold ::= 0x05> <Trigger_Threshold::= *<Trigger_Type> *<Threshold>>;
(6) setting the pattern of sending certain trigger interfaces ::= <Set Trigger
Pattern::=0x06> <Trigger_patterns::= *<Trigger_Type> *<Pattern>>;
(7) requesting NAU 101 to connect through another base station, ::= <Redirect_NAU::=0x07> <Base station identifier>; and
(8) setting the criteria for having a handoff by NAU 101 ::= <Handoff_Criteria
::= 0x08> <Criteria>.
NAU101は、MADU103に情報を送信するために、また次に行うべき行動についての指示をうるために、トリガインターフェイスを使用する。
トリガインターフェイスの例は、次の通りである。
<NAU_Trigger> ::= <NAU_Identifier> <Trigger_Event::= *<Trigger_Type>*<Trigger_Info>>
トリガインターフェイスによってNAU101からMADU103に提供される情報は、MADU103においてハンドオフ又は決定の均衡を保つ負荷を実行するために使用される。例えば、もしNAU101が現在使用中のチャネルの使用コストが事前に指定された閾値を超えて増加している状態においてMADU103にトリガインターフェイスを送信するときには、MADU103は、通信のコストを減らすために、もう1つのNAU101にUPL102のトラフィックを幾分転送する。
トリガインターフェイスを通してNAU101からMADU103に提供される情報の例は、次の通りである。
(1)基地局エラー
例えば、基地局がアップストリームリンクの中断等のエラーに遭遇したとき、或いは若干のハードウェアの問題に遭遇したとき、或いはあるデータ通信ネットワーク等へのチャ
ネルを中断されたときには、基地局は、IEEE802.11のネットワークにおけるビーコン信号を複数のNAU101にブロードキャストするか、又は個々にNAU101に対して通知を送信する。NAU101は、順番にMADU103に基地局とのチャネル状況についての情報を提供する。MADU103は、もう1つの基地局へのハンドオフ又はもう1つのNAU101を使用する際における決定のためにその情報を使用する。
例えば、基地局がアップストリームリンクの中断等のエラーに遭遇したとき、或いは若干のハードウェアの問題に遭遇したとき、或いはあるデータ通信ネットワーク等へのチャ
ネルを中断されたときには、基地局は、IEEE802.11のネットワークにおけるビーコン信号を複数のNAU101にブロードキャストするか、又は個々にNAU101に対して通知を送信する。NAU101は、順番にMADU103に基地局とのチャネル状況についての情報を提供する。MADU103は、もう1つの基地局へのハンドオフ又はもう1つのNAU101を使用する際における決定のためにその情報を使用する。
(2)チャネルコストの変化
例えば、もう1つの管理上のドメインに付属するモバイルルーター等のデータ通信ネットワークにおける変化があるとき、そのチャネルを使用するためのコストも変化する。NAU101は、例えばIEEE802.1xベースの管理を使用するときに、EAPがメッセージを通知するような具体的な方法でのネットワークアクセスメカニズムを経由して基地局によって通知される。この情報は、トリガインターフェイスを使用するNAU101によってMADU103に渡される。
例えば、もう1つの管理上のドメインに付属するモバイルルーター等のデータ通信ネットワークにおける変化があるとき、そのチャネルを使用するためのコストも変化する。NAU101は、例えばIEEE802.1xベースの管理を使用するときに、EAPがメッセージを通知するような具体的な方法でのネットワークアクセスメカニズムを経由して基地局によって通知される。この情報は、トリガインターフェイスを使用するNAU101によってMADU103に渡される。
(3)QoSサポートの変更
データ通信ネットワーク例えばIEEE802.11eネットワークのQoSサポートに変化があるとき、NAU101によって要求されたTSPECはデータ通信ネットワークによってサポートされず、NAU101はトリガインターフェイスをMADU103に送信することができる。NAU101がQoSネゴシエーションをサポートするならば、NAU101は同様にMADU103に新しくネゴシエートされたQoSサポートを提供することができる。そして、MADU103は、NAU101を使用するかハンドオフを実行するか等を決定することができる。
データ通信ネットワーク例えばIEEE802.11eネットワークのQoSサポートに変化があるとき、NAU101によって要求されたTSPECはデータ通信ネットワークによってサポートされず、NAU101はトリガインターフェイスをMADU103に送信することができる。NAU101がQoSネゴシエーションをサポートするならば、NAU101は同様にMADU103に新しくネゴシエートされたQoSサポートを提供することができる。そして、MADU103は、NAU101を使用するかハンドオフを実行するか等を決定することができる。
(4)セキュリティ方式の変更
MADU103は、NAU101を望ましいセキュリティレベルに調整するために、設定インターフェイスを使用することができる。NAU101が基地局とセキュリティ方式について交渉するとき、もう1つのセキュリティ方式がもたらされるかもしれない。この場合、NAU101は、MADU103に通知するために、トリガインターフェイスを使用することができ、またMADU103は、新しいセキュリティ方式が受容できるか、もう1つのNAU101が使われるべきであるか、を決定することができる。
MADU103は、NAU101を望ましいセキュリティレベルに調整するために、設定インターフェイスを使用することができる。NAU101が基地局とセキュリティ方式について交渉するとき、もう1つのセキュリティ方式がもたらされるかもしれない。この場合、NAU101は、MADU103に通知するために、トリガインターフェイスを使用することができ、またMADU103は、新しいセキュリティ方式が受容できるか、もう1つのNAU101が使われるべきであるか、を決定することができる。
(5)変調方式の変更
幾つかの理由のために、データ通信ネットワークは、あるNAU101がアクティブである通信セッションの間に、変調方式の変更を決定するかもしれない。複数のアンテナを備えるNAU101は、異なる変調方式によって異なる基地局との間にチャネルを形成することができる。NAU101は、これらの変更が例えば電力消費量や遅延に影響を与えるため、トリガインターフェイスを用いてこれらの変更をMADU103に通知するべきである。
幾つかの理由のために、データ通信ネットワークは、あるNAU101がアクティブである通信セッションの間に、変調方式の変更を決定するかもしれない。複数のアンテナを備えるNAU101は、異なる変調方式によって異なる基地局との間にチャネルを形成することができる。NAU101は、これらの変更が例えば電力消費量や遅延に影響を与えるため、トリガインターフェイスを用いてこれらの変更をMADU103に通知するべきである。
信号電力が設定された閾値を下回るといったMADU103への通知を引き起こす他の理由が存在すれば、NAU101は、他の基地局にハンドオフを実行する。即ち、誤り率がある閾値を越える場合には、NAU101は他の基地局と結び付いてチャネルを確立させる。
MADU103は、NAU101についての全ての設定及び状況についての情報を記録して蓄積する必要がある。これは、MADU103の内部又は外部の記憶装置にテーブルを作成することによって達成される。NAU101からのトリガインターフェイスが到着したとき、MADU103は、状況についての情報の記録を更新して、そして提供された情報例えばハンドオフの決定に基づいて決定された手続きを実行する。例えば、チャネルコストが毎分20セントに増加した状況についてのトリガインターフェイスをNAU10
1aが送信すれば、MADU103は、テーブルをスキャンして、NAU101aから101mのいずれがより低いチャネルコストを達成できるかを見極める。そして、可能であるならば、MADU103は、トラフィックの幾らかをより安価なNAU101に振り分ける。
1aが送信すれば、MADU103は、テーブルをスキャンして、NAU101aから101mのいずれがより低いチャネルコストを達成できるかを見極める。そして、可能であるならば、MADU103は、トラフィックの幾らかをより安価なNAU101に振り分ける。
また、MADU103は、NAU101の状況についての情報を得るために問合せインターフェイスを周期的に使用してテーブルを更新する。
再起動又は停電の後にシステムの再設定が必要なくなるように、NAU101の設定及び状況についての情報は、MADU103に具備される不揮発性のメモリデバイスに記録される。MADU103はまた、ログ記録を蓄積するスペースを提供して、そして例えば何時どのNAU101に切り替えたか等について、ある時間枠における全ての決定を記録する。このような情報は、後から問題を追跡する場合に有用である。そして、このような情報は、新しいアプリケーションを開発するためにUPL102に供給される。
なお、本実施の形態に係る移動体通信端末装置を、以下のように変形したり、応用したりしてもよい。
MADU103は、問合せコードとパラメータコードとの中で特別な識別子を備える信号を全て示し、そして問合せ結果、パラメータ値及びトリガイベントにおける信号の特別なデータを集めることによって、それら複数の信号を複数のNAU101に同時に送信するようにしてもよい。
また、MADU103は、(1)NAU101の状況についての情報を記録して蓄積する不揮発性のメモリデバイスと、(2)前記不揮発性のメモリデバイスにアクセスするデバイスと、(3)NAU101から信号を受信したときに、その信号に対応する記録を更新するデバイスと、(4)NAU101から新しい状況についての情報を取得したときに、その記録を更新するデバイスと、(5)NAU101を新しいパラメータのセットで設定したときに、その記録を更新するデバイスと、を具備するようにしてもよい。
また、MADU103は、NAU101についての全ての情報を記録して保持できるように、(1)MADU103の内部又は外部に設けられたメモリデバイスにアクセスして、NAU101の状況についての情報を生成するステップと、(2)NAU101から信号を受信したときに、前記メモリデバイスにアクセスして、NAU101の状況についての情報の記録を更新するステップと、(3)NAU101から新しい状況についての情報を取得したときに、前記メモリデバイスにアクセスして、NAU101の状況についての情報の記録を更新するステップと、(4)新しいパラメータを用いてNAU101を設定したときに、前記メモリデバイスにアクセスして、NAU101の設定についての情報の記録を更新するステップと、を実行できるようにしてもよい。
また、NAU101は、(1)基地局との間にチャネルを形成されたNAU101の状況についての変更を、MADU103に通知するデバイスと、(2)NAU101によって提供されるチャネルについて、そのNAU101がチャネルコストをMADU103に通知するデバイスと、(3)NAU101によって提供されるチャネルについて、NAU101がそのチャネルにおいてサポートされるQoSレベルをMADU103に通知するデバイスと、(4)NAU101によって提供されるチャネルについて、NAU101がそのチャネルにおいて利用されるセキュリティ方式をMADU103に通知するデバイスと、(5)NAU101によって提供されるチャネルについて、NAU101がそのチャネルにおいて利用される変調方式をMADU103に通知するデバイスと、を少なくとも一つ具備してもよい。
また、NAU101は、(1)提供するチャネルの品質についての状況変化をMADU103に提供し、(2)パケット交換方式のデータ通信ネットワークとの間にチャネルを形成する準備を行い、(3)基地局によって送信された前記ネットワークについての決定をMADU103に通知し、(4)ハンドオフ動作についての状況をMADU103に通知する、これらの機能を発揮するように構成されてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1における各構成要素の仕様は、全てのNAU101に、定義された3つのインターフェイスの内容を理解して従うように要求する。NAU101は、通常異なるベンダーや製造業者から供給されるため、全てのNAU101が前記インターフェイスを理解できるとは限らない。そこで、本発明に係る実施の形態2では、移動体通信端末装置100において、NAU101に専用の翻訳機であるNIT305を付加する。
実施の形態1における各構成要素の仕様は、全てのNAU101に、定義された3つのインターフェイスの内容を理解して従うように要求する。NAU101は、通常異なるベンダーや製造業者から供給されるため、全てのNAU101が前記インターフェイスを理解できるとは限らない。そこで、本発明に係る実施の形態2では、移動体通信端末装置100において、NAU101に専用の翻訳機であるNIT305を付加する。
図3は、移動体通信端末装置300の構成を示すブロック図である。移動体通信端末装置300の構成要素の多くは、実施の形態1における移動体通信端末装置100のそれと同様の機能を発揮する。そこで、移動体通信端末装置100の構成要素と同様の機能を発揮する移動体通信端末装置300の構成要素については、移動体通信端末装置100の構成要素に付けられた参照符号と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
移動体通信端末装置300において、NAUインターフェイス翻訳機(NIT)305aから305mがNAU301aからNAU301mとMADU103との間にそれぞれ挿入される。NIT305は、3つの前記インターフェイスをNAU301が理解できるようにそのフォーマットをトランスペアレントに翻訳するNAU301aからNAU301m専用の翻訳機である。MADU103とNIT305との間のパス111では、実施の形態1におけるインターフェイスが送受信される。そして、NIT305とNAU301との間のパス313では、NAU301のために翻訳された前記インターフェイスが送受信される。なお、NAU301は、NIT305を必要とする以外は、実施の形態1におけるNAU101と同様の機能を発揮する。また、NIT305には公知の市販品を利用することができるため、その具体的な構成及び動作については説明を省略する。
このようにNIT305を使用することにより、複数のNAU301が複数のベンダーや製造業者から提供される場合でも、一つのMADU103を用いて複数のNAU301のスムーズな相互運用が可能となる。
また、移動体通信端末装置300は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802で規定されたインターフェイス間で、IEEE802で規定されたインターフェイスとそれ以外の規格で規定されたインターフェイスとの間で、或いはUPL102の上位レイヤ間で、情報の交換が可能になるように、MADU103においてMIH(Media Independent Handover)サービスが行われるように構成されてもよい。図4に、このような構成を有する移動体通信端末装置1300を示す。図4に示す構成の場合、NAU101は、SAP(Service Access Points)を登録するために、各インターフェイスの個々のメディアそれぞれに対応した動作やPHY(PHYsical)メディアが定義され、またMADU103との通信及びMIHサービスを容易にするNIT305として記載されているSAP Modules(SAPM)を利用するように構成される。また、このような構成の場合、MADU103は、インタフェース又はPHYメディアによって通信を行っているNIT305が存在するか確認するために残りのSAPをそれぞれ探査し、それが見つかったときには、利用可能なトリガインターフェイスに基づく問い合わせを行い、そして取得した情報をストアする。また、新たに差し込まれたインターフェイスは、NAU101をMADU103に登録するために、NIT305を経由してLL-REGISTER.
requestを送信する。さらに、上位レイヤであるUPL102は、登録なしでMADU103からトリガインターフェイスの有効性について問い合わせを行ってもよい。しかしながら、トリガと他の情報を要求し、そして受信するために、UPL102は最初にそれ自身とMADU103用のSAPM即ち図4に示すULT(Upper Layer Translator)1305を登録しなくてはならない。なお、UPL102は、複数の上位レイヤプロトコルであり、この複数の上位レイヤプロトコルは各々個別のSAPM即ちULT1305を要する。また、移動体通信端末装置1300において、下位レイヤのインターフェイスと上位レイヤのプロトコルとの間のMIHサービス情報の通信は、インターフェースやプロトコル別のSAPM即ちNIT305やULT1305を用いて行われる。NIT305は、MIHサービス(MADU103)の適切な距離に対して、インターフェイスやPHYメディアの特定の値をマッピングし、またULT1305は同様に、プロトコルの特定の値をマッピングする。これは、ULT1305を介してUPL102に送られる情報や距離のために逆に行われる。これは、MADU103やMIHが将来生じるインタフェイスやプロトコルに対しても一般的なままでいることを許す。旧式なインタフェースとプロトコルとは、標準仕様のMIH SPAMを利用することができる。
requestを送信する。さらに、上位レイヤであるUPL102は、登録なしでMADU103からトリガインターフェイスの有効性について問い合わせを行ってもよい。しかしながら、トリガと他の情報を要求し、そして受信するために、UPL102は最初にそれ自身とMADU103用のSAPM即ち図4に示すULT(Upper Layer Translator)1305を登録しなくてはならない。なお、UPL102は、複数の上位レイヤプロトコルであり、この複数の上位レイヤプロトコルは各々個別のSAPM即ちULT1305を要する。また、移動体通信端末装置1300において、下位レイヤのインターフェイスと上位レイヤのプロトコルとの間のMIHサービス情報の通信は、インターフェースやプロトコル別のSAPM即ちNIT305やULT1305を用いて行われる。NIT305は、MIHサービス(MADU103)の適切な距離に対して、インターフェイスやPHYメディアの特定の値をマッピングし、またULT1305は同様に、プロトコルの特定の値をマッピングする。これは、ULT1305を介してUPL102に送られる情報や距離のために逆に行われる。これは、MADU103やMIHが将来生じるインタフェイスやプロトコルに対しても一般的なままでいることを許す。旧式なインタフェースとプロトコルとは、標準仕様のMIH SPAMを利用することができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る移動体通信端末装置400の構成を示すブロック図である。移動体通信端末装置400では、MADUを階層的に制御する方式を採用する。なお、移動体通信端末装置400の構成要素の多くは、実施の形態1における移動体通信端末装置100のそれと同様の機能を発揮する。そこで、移動体通信端末装置100の構成要素と同様の機能を発揮する移動体通信端末装置400の構成要素については、移動体通信端末装置100の構成要素に付けられた参照符号と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図5は、本発明の実施の形態3に係る移動体通信端末装置400の構成を示すブロック図である。移動体通信端末装置400では、MADUを階層的に制御する方式を採用する。なお、移動体通信端末装置400の構成要素の多くは、実施の形態1における移動体通信端末装置100のそれと同様の機能を発揮する。そこで、移動体通信端末装置100の構成要素と同様の機能を発揮する移動体通信端末装置400の構成要素については、移動体通信端末装置100の構成要素に付けられた参照符号と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
移動体通信端末装置400は、移動体通信端末装置100において、通常のNAU101と共に複数の入力チャネル及び出力チャネルを備えるNAU401をも具備する。このようなNAU401の例としては、複数のアンテナを具備するWLANカードが挙げられる。NAU401は、複数のNAU通信チャネル407aから407mを備えるため、複数の基地局との間で複数のチャネルを形成することができる。従って、NAU401はNAU通信チャネル407のいずれを使うか決定を行わなければならず、この決定を行う構成要素としてsub-MADU406がNAU401内に設置される。
このNAU401が通常のNAU101と併用される場合、MADU103は、移動体通信端末装置400におけるシステムレベル制御のために使用される。図5に示されるように、sub-MADU406はUPL102と直接には通信を行わない。その代わりに、sub-MADU406はパス111及びMADU103を介してUPL102に必要なメッセージを送信する。従って、sub-MADU406は、移動体通信端末装置400において、トランスペアレントにその機能を発揮する。
また、sub-MADU406は、通信セッションにおいて使用されるNAU通信チャネル407を決定する構成要素であることから、自身を表示する特別な識別子をトリガインターフェイスに使用することができる。MADU103は、その特別な識別子を備えるトリガインターフェイスを受け取ると直ぐに、トリガイベントに基づいて決定を行い、それに応じて行動して、必要である場合はUPL102にその旨の通知を送信する。
パス413を介して送受信されるインターフェイスのフォーマットは、パス413における独特なものとしてもよいが、パス111を介して送受信されるインターフェイスのフォーマットと同一であることが望ましい。なお、パス413を介して送受信されるインターフェイスが独特のフォーマットで構成される場合は、sub-MADU406が実施の形態
2におけるNIT305と同様の機能を具備してトランスペアレントに機能するようにすることが好ましい。これにより、MADU103がNAU通信チャネル407と見かけ上直接通信できるようになる。
2におけるNIT305と同様の機能を具備してトランスペアレントに機能するようにすることが好ましい。これにより、MADU103がNAU通信チャネル407と見かけ上直接通信できるようになる。
また、sub-MADU406とMADU103とは、異なるベンダーから提供されるものでもよい。この場合は、sub-MADU406とMADU103との間にNIT305を配置して、sub-MADU406とMADU103との間で送受信されるインターフェイスが適宜翻訳されるように構成することが好ましい。また、NAU通信チャネル407は、通常のNAU101と同様の機能を奏するものであれば、その構成等を特に限定されるものではない。
本実施の形態に係る移動体通信端末装置400によれば、MADU103と複数のNAU通信チャネル407との間にsub-MADU406を配置できるため、MADU103がNAU401を階層的に制御できるようになり、その結果MADU103にかかる制御に伴う負荷を軽減することができる。
また、本実施の形態に係る移動体通信端末装置400によれば、MADU103とsub-MADU406との間にNITを配置することができるため、MADU103とsub-MADU406とを異なるベンダーから入手することが可能となる。
(実施の形態4)
図2から滑らかなハンドオフを実現するためには、現在使用中のチャネルが実際に中断される前に、MADU103からNAU101aにトリガインターフェイスの送信を要求しなければならないことが判る。NAU101bの作動準備を行ってNAU101aからNAU101bに実際に通信セッションを移転するために要する時間と、トリガが送信されるタイミングとは、関連している。これは、NAU101がハンドオフを予測する必要があることを意味する。加えて、前記通信セッションを移転するために要する時間は、その通信セッションで使用されるネットワークアクセスメカニズムのタイプによって異なるため、前記トリガインターフェイスが送信されるタイミングもこれに合わせて調整される必要がある。MADU103は、設定インターフェイスによって、チャネルが中断される前にNAU101からトリガインターフェイスが送信されてくるタイミングについて、その最短時間を設定する。
図2から滑らかなハンドオフを実現するためには、現在使用中のチャネルが実際に中断される前に、MADU103からNAU101aにトリガインターフェイスの送信を要求しなければならないことが判る。NAU101bの作動準備を行ってNAU101aからNAU101bに実際に通信セッションを移転するために要する時間と、トリガが送信されるタイミングとは、関連している。これは、NAU101がハンドオフを予測する必要があることを意味する。加えて、前記通信セッションを移転するために要する時間は、その通信セッションで使用されるネットワークアクセスメカニズムのタイプによって異なるため、前記トリガインターフェイスが送信されるタイミングもこれに合わせて調整される必要がある。MADU103は、設定インターフェイスによって、チャネルが中断される前にNAU101からトリガインターフェイスが送信されてくるタイミングについて、その最短時間を設定する。
本発明に係る実施の形態4では、実施の形態1で説明した移動体通信端末装置100において、NAU101がハンドオフを予測するために備える構成及び手段について具体的に説明する。
図6は、ハンドオフ推定器500として知られている装置の構成を示すブロック図である。ハンドオフ推定器500は、NAU101に内蔵されてもよいし、NAU101と直接通信できるようにしてその外部に設置されてもよい。NAU101は、最短時間で設定された前記タイミングに基づいてハンドオフの早期警報としてトリガインターフェイスを送信するために、ハンドオフ推定器500を使用する。ハンドオフ推定器500は、複数のTDF(Tapped-Delay Filters)502aから502m(mは2以上の整数)と比較器503とを含んで構成される。
TDF502は、パス511を介して入力される信号に基づいて、通信セッションのチャネルが中断されることを予測する。なお、TDF502それぞれに入力される信号は、互いに独立した信号である。このような入力信号としては、その種類を特に限定されるものではないが、例えば基地局からの受信信号についてのSNRが挙げられる。また、TDF502には、パス510を介してトリガインターフェイスを送信するためのタイミング
を知らせる信号がTDF502をコントロールするために入力される。
を知らせる信号がTDF502をコントロールするために入力される。
TDF502からの出力は、入力信号に基づいて算出された通信セッションのチャネルが中断される確率を表示するものであって、パス512を介して比較器503に入力される。
比較器503は、同一のTDF502からの入力信号の値を時系列に比較して、パス513から入力されてくるタイミングを知らせる信号に基づいて、トリガインターフェイスをMADU103に送信するべきか決定する。
図7に、TDF502の具体的な構成を示す。TDF502では、入力信号が一連の遅延レジスタ621に順次入力される。各遅延レジスタ621は、1世代前の入力信号を保持する近隣の遅延レジスタ621からその1世代前の入力信号が出力されるまでの間、入力信号を一時保持する。このように、入力信号のサンプル数をmとすれば、m−1個の遅延レジスタ621を備えるTDF502は、m個のサンプルを「記憶する」ことができる。これらの「記憶された」サンプルは、乗算器622に入力され、ここで係数w[1]からw[m]によってそれぞれ重み付けされる。重み付けされたサンプルは、加算器623に入力され、ここで臨時定数バイアスw[0]と一緒に合算される。その合計値は、TDF502からの出力として比較器503に入力される。
ある瞬間nにおける入力信号をx(n)と表せば、その瞬間の比較器503からの出力信号y(n)は、数学的に次のように表される。
y(n) = w[0] + sum of all i from 1 to m { x[n-i+1] . w[i] }. ・・・(式1)
図6に戻り、TDF502に臨時で入力される信号は、パス510を介して入力されてくる前記タイミングを知らせる信号である。TDF502は、入力されるタイミング信号に応じて、重みw[0]からw[m]の異なるセットを使用することができる。このことにより、TDF502は、入力されるタイミング信号に応じて、その出力タイミングを適宜調整することができる。加えて、そのタイミング信号は、比較器503にも供給される。このことは、入力されるタイミング信号に応じて、比較器503がTDF502からの異なる出力値を比較することを可能にする。また、重みw[0]からw[m]の異なるセットは、ベンダーや製造業者によって前もって指定されてもよい。
重みを決定するために、製造業者は、最小平均二乗誤差法(例えば、非特許文献3を参照)のような線形フィルタにとって標準的なトレーニング手法を使うことができる。また、NAU101が基地局との間にチャネルを形成するとき、重みw[0]からw[m]のセットは、基地局から動的に提供されてもよい。このようにして、全ての移動体通信端末装置100が重みの同じセットを使用するように、基地局は標準化された重みのセットを指定することができる。この場合、基地局は、異なるタイミングにおいては異なる重みのセットを指定することができる。
もう1つの可能性は、重みが前もって決定されていて、それぞれの移動体通信端末装置100において、その重みが使用されるということである。使用される重みの数と重みに対応する値とは、標準化団体によって決定されるものでもよい。その標準化団体に従う全てのベンダーや製造業者は、移動体通信端末装置100を供給するその団体によって勧告される。このことから、前記ベンダーや製造業者は、サービスオペレーターによって予め決定された重みを使用するものと予想される。
TDF502の使用は、ハンドオフ推定器500の具体化の一例である。TDF502
以外では、高い予測能力で有名なカルマンフィルタ(例えば、非特許文献4を参照)、多層パーセプトロンニューラルネットワーク又は再発性のニューラルネットワーク(例えば、非特許文献5を参照)を使用しても、ハンドオフ推定器500を構成することができる。これらのフィルタ等に応じて、重みのセットが適宜指定される必要がある。また、異なる重みのセットは、MADU103によってトリガインターフェイスが要求されるタイミングに応じて、適宜負荷される。
以外では、高い予測能力で有名なカルマンフィルタ(例えば、非特許文献4を参照)、多層パーセプトロンニューラルネットワーク又は再発性のニューラルネットワーク(例えば、非特許文献5を参照)を使用しても、ハンドオフ推定器500を構成することができる。これらのフィルタ等に応じて、重みのセットが適宜指定される必要がある。また、異なる重みのセットは、MADU103によってトリガインターフェイスが要求されるタイミングに応じて、適宜負荷される。
これら重みのセットは、ベンダーや製造業者によって前もって決定されるか、標準化団体によって前もって指定されるか、或いはNAU101が基地局との間にチャネルを形成するときに基地局によって負荷されてもよい。
実際、基地局から重みを取得することは、基地局が自身の動作範囲と特徴を知るためにより良い位置にあるので、道理にかなう手法である。そこで我々は、以下に2つの具体化のシナリオを記述する。
第1のシナリオでは、NAU101が基地局との間にチャネルを確立するとき、基地局は、NAU101に異なる重みのセットを送る。この場合、ハンドオフ推定器500の構造と重みの数は知られている。それぞれの重みのセットのために、基地局は、対応する推定時間枠を指定する。例えば、重みのセットが0から500msecであると記録される場合、この重みのセットを使うことは、ハンドオフ推定器500がハンドオフの起きる0から500msec前に、ハンドオフについてのトリガインターフェイスを送信可能にすることを意味する。また、同様に重みのセットが500から1000msecと記録される場合は、ハンドオフ推定器500がハンドオフの起きる500から1000msec前にハンドオフについてのトリガインターフェイスを送信可能にすることを意味する。このようにNAU101は、異なる重みのセットを記録し、そしてトリガインターフェイスを送信するタイミングがMADU103によって設定されることに起因して、そのタイミングに対応する重みのセットを使用する。
第2のシナリオは、NAU101がMADU103によって設定されたタイミングの要求を含む制御メッセージを基地局に送信することである。この制御メッセージを受信した基地局は、その後移動体通信端末装置100に対応する重みのセットを送信する。このようにすれば、NAU101は、ただ一つの重みのセットを保持すればよくなる。そしてMADU103は、トリガインターフェイスのための異なるタイミングの要求を設定し、NAU101は前記タイミングの要求を提示している基地局へ問合せメッセージを送信する。その後、この基地局は、対応する重みのセットを用いて応答する。
(実施の形態5)
本発明に係る実施の形態5では、基地局を中心として形成される複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークと移動体通信端末装置とを構成要素とする通信システムにおいて、移動体通信端末装置がローミングする場合の手順及びその態様について説明する。
本発明に係る実施の形態5では、基地局を中心として形成される複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークと移動体通信端末装置とを構成要素とする通信システムにおいて、移動体通信端末装置がローミングする場合の手順及びその態様について説明する。
複数のデータ通信ネットワークを含んで構成される通信システムにおいては、移動体通信端末装置のローミング即ちハンドオフが、データ通信ネットワークによって引き起こされる状況が生じうる。このような状況は、通信システムを構成する複数の基地局が密集して形成されている場合に生じ易い。複数の基地局は、移動体通信端末装置の位置を監視するために、相互に協力することができる。そして、これらの基地局は、移動体通信端末装置が現在チャネルを形成している基地局から他の基地局に向かって移動しているときには、顕著なハンドオフについてのイベントを検出することができる。
図8に、本実施の形態における通信システムの構成を簡略化して示す。この通信システ
ムは、3つの基地局701、702及び703を中心として形成される3つのパケット交換方式のデータ通信ネットワークと移動体通信端末装置704とで構成される。基地局701、702及び703は、移動体通信端末装置704の位置を三角測量技法を使ってそれぞれが別個に監視する。そのため、基地局701、702及び703は、例えば移動体通信端末装置704が基地局701の動作範囲内から基地局703の動作範囲に向かって移動中であることをリアルタイムに検出することができる。
ムは、3つの基地局701、702及び703を中心として形成される3つのパケット交換方式のデータ通信ネットワークと移動体通信端末装置704とで構成される。基地局701、702及び703は、移動体通信端末装置704の位置を三角測量技法を使ってそれぞれが別個に監視する。そのため、基地局701、702及び703は、例えば移動体通信端末装置704が基地局701の動作範囲内から基地局703の動作範囲に向かって移動中であることをリアルタイムに検出することができる。
ある基地局の動作範囲内に存在する移動体通信端末装置704が他の基地局の動作範囲内に移動するときには、ハンドオフが実際に起こる前の指定されたタイミングで、移動体通信端末装置704から基地局に制御メッセージが送信される。この制御メッセージは、次のフィールドを含む。
(1)移動体通信端末装置の識別子と、
(2)求められたトリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(3)ハンドオフイベントが推定される時刻の前にトリガメッセージを送信するために必要なタイミング。
(2)求められたトリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(3)ハンドオフイベントが推定される時刻の前にトリガメッセージを送信するために必要なタイミング。
また、ハンドオフイベントが移動体通信端末装置704にとって顕著であるといずれかの基地局に検出されたときには、その検出を行った基地局は、次のフィールドを含むトリガメッセージを移動体通信端末装置704に送信する。
(1)トリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(2)現在の基地局の識別子と、
(3)新しい基地局の識別子と、
(4)予測されるハンドオフの時刻。
(2)現在の基地局の識別子と、
(3)新しい基地局の識別子と、
(4)予測されるハンドオフの時刻。
また、この通信システムにおいて、移動体通信端末装置704が一つのネットワークアクセスメカニズム又はNAU101と、MADU103と、UPL102とを具備する場合は、移動体通信端末装置704は滑らかなハンドオフを実現するためにトリガ警告を利用することができる。MADU103は、UPL102において通信セッションのハンドオフを行うために必要とされる時間即ちt_handoffを計算する。そして、MADU103はハンドオフイベント前の算出されたt_handoffの間に、ハンドオフ警告メッセージを送信するため、基地局にトリガメッセージを要求する制御メッセージを送信する。
NAU101がこのような警告メッセージを受け取ったとき、NAU101はトリガインターフェイスを使用するMADU103にトリガを送信する。その後MADU103は、UPL102にハンドオフイベントを推定して通信セッションのハンドオフを準備するよう指示する。これはUPL102に滑らかなハンドオフをもたらす。
実施の形態4において説明したように、移動体通信端末装置704が基地局701、702及び703のサポートによってそれ自身の動きを追跡することは可能である。そこで、TDF502の目的がハンドオフイベントの発生時刻の推定であることから、基地局701、702及び703は、移動体通信端末装置704がフィルタを使用できるように、移動体通信端末装置704に重みのセットを提供する。この種類の通信システムのために、移動体通信端末装置704は、次のフィールドを含む制御メッセージを基地局701、702及び703の少なくとも1つに送信する。
(1)移動体通信端末装置の識別子と、
(2)求められたトリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(3)ハンドオフイベントの推定された時刻の前に、トリガメッセージを送信するため
に必要なタイミング。
(2)求められたトリガタイプ即ちハンドオフ警告と、
(3)ハンドオフイベントの推定された時刻の前に、トリガメッセージを送信するため
に必要なタイミング。
また、基地局701、702及び703は、移動体通信端末装置704のために、使用される重みのセットの提供と伴に、もう1つのタイプの制御メッセージを回答する。基地局701、702及び703によって送信される回答には、次のフィールドが含まれる。
(1)回答タイプ(重みのセットがメッセージに含まれることを示すため)と、
(2)現在の基地局の識別子と、
(3)ハンドオフイベントを予測するための時間枠と、
(4)ハンドオフイベントを予測するために、移動体通信端末装置704にインストールされたフィルタを用いて使用すべき重みのセット。
(2)現在の基地局の識別子と、
(3)ハンドオフイベントを予測するための時間枠と、
(4)ハンドオフイベントを予測するために、移動体通信端末装置704にインストールされたフィルタを用いて使用すべき重みのセット。
本明細書は、2003年7月31日出願の特願2003−284517に基づくものである。この内容を全てここに含めておく。
本発明は、ハンドオフが実行される前に上位層のプロトコルに予めトリガインターフェイスが送信されることから、上位層のプロトコル例えばUPLによる支配的な制御によって絶え間のないスムーズなハンドオフが実現され、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークに接続可能で、これらネットワークに参加するための接続ポイントを常時変更する即ちローミングする移動体通信端末装置等に有用である。
Claims (19)
- ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるネットワークアクセスユニット(NAU)と、
1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADU(Multiple Access Decision Unit)と、を具備し、
複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする移動体通信端末装置。 - 前記MADUによって使用される1セットのインターフェイスは、問合せ(Query)インターフェイス、設定(Configure)インターフェイス及びトリガ(Trigger)インターフェイスを含んで構成されるものであって、
前記問合せインターフェイスは、問合せのタイプ(問合せコード:Query−Code)を識別する部分と問合せの結果(問合せ結果:Query−Result)を格納するバッファを含むもう一つの部分から成り、かつ、前記MADUが前記NAUに送信する前記NAUについての情報が得られる信号であり、
前記設定インターフェイスは、設定されるパラメータ(パラメータコード:Parameter−Code)を示す部分と設定される前記パラメータの新しい値(パラメータ値:Parameter−Value)を格納するもう一つの部分とから成り、かつ、前記NAUに対応付けされた前記パラメータを設定する前記MADUが前記NAUに送信する信号であり、
前記トリガインターフェイスは、前記NAUを個別に識別する部分(NAU−識別子:NAU−Identifier)と発生した又は今後発生するイベント(トリガイベント:Trigger−Event)を完全に記述するもう1つの部分とから成り、かつ、前記NAUが前記MADUに送信して前記イベントの発生又は今後発生することを知らせる信号である、請求項1記載の移動体通信端末装置。 - 前記MADUは、前記NAUの設定及び状況についての情報を記録して蓄積する不揮発性のメモリデバイスを具備する、請求項1記載の移動体通信端末装置。
- 前記問合せインターフェイスと、前記設定インターフェイスと、前記トリガインターフェイスと、のフォーマットを変換することにより、前記NAUと前記MADUとの情報交換を可能にするNIT(NAU−specific Interface Translator)を具備する、請求項1記載の移動体通信端末装置。
- 前記NAUは、
同時並列操作が可能な複数のNAU通信チャネルと、
前記NAU通信チャネルを制御し、前記インターフェイスを用いて前記MADUと情報交換するsub−MADUと、を具備する請求項1記載の移動体通信端末装置。 - 前記sub−MADUと前記MADUとの間に、前記問合せインターフェイスと、前記設定インターフェイスと、前記トリガインターフェイスと、のフォーマットを変換することにより、前記sub−MADUと前記MADUとの情報交換を可能にするNITを具備する、請求項5記載の移動体通信端末装置。
- 前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、
前記問合せインターフェイスは、前記NAUの動作モードと、前記NAUによって提供されるチャネルの使用コストと、前記NAUによって提供されるチャネルのバンド幅と、前記NAUによって提供されるチャネルの品質と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるサービス品質(QoS)レベルと、前記NAUによって提供されるチャネルについての電力消費量情報と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるセキュリティ方式と、についての情報を伝える信号である、請求項1記載の移動体通信端末装置。 - 前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、
前記設定インターフェイスは、前記NAUの動作モードと、前記NAUから前記MADUに情報信号を送信することと、前記NAUから前記MADUに前記情報信号を送信することを省略することと、前記MADUに送信する前記情報信号の生成に関する前記NAUについての基準と、前記NAUがハンドオフ動作を開始する基準と、前記NAUによって使用されるチャネルの特定と、についての情報を伝える信号であって、前記NAUに送信される、請求項1記載の移動体通信端末装置。 - 前記MADUによって使用される1セットの前記インターフェイスは、問合せインターフェイス、設定インターフェイス及びトリガインターフェイスを含んで構成されるものであって、
前記トリガインターフェイスは、基地局に対応付けられた前記NAUの状況変更と、ある値を変更された前記NAUによって提供されるチャネルの使用コストと、ある値を変更された前記NAUによって提供されるチャネルにおいてサポートされるQoSレベルと、あるタイプに変更された前記NAUによって提供されるチャネルにおいて利用されるセキュリティ方式と、前記NAUによって提供されるチャネルにおいて利用される変調方式と、についての情報を前記NAUが前記MADUに伝える信号である、請求項1記載の移動体通信端末装置。 - ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備し、複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする移動体通信端末装置を制御する方法であって、
前記NAUについての情報が得られる問合せインターフェイスを、前記MADUが前記NAUに送信するステップと、
前記NAUに対応付けされた前記パラメータを設定する設定インターフェイスを、前記MADUが前記NAUに送信するステップと、
前記イベントの発生又は今後発生することを知らせる前記トリガインターフェイスを、前記NAUが前記MADUに送信するステップと、を具備する移動体通信端末装置の制御方法。 - 前記MADUが前記NAUを制御するステップと、
同時並列操作が可能な複数のNAU通信チャネルを制御し、かつ、前記インターフェイスを用いて前記MADUと情報交換する前記sub−MADUを前記MADUが制御するステップと、
前記MADUが前記インターフェイスを用いて前記NAU又は前記sub−MADUと通信を行うステップと、を具備する請求項10記載の移動体通信端末装置の制御方法。 - 前記MADUと通信するときに、前記sub−MADUがそれ自身を表す特別な識別子を使用するステップと、
前記特別な識別子が前記トリガインターフェイスに使用される場合には、前記MADUと通信を行うUPL(Upper Protocol Layer)に対して前記トリガインターフェイスに基づいて前記sub−MADUの行った決定を前記MADUが送信するステップと、を具備する請求項11記載の移動体通信端末装置の制御方法。 - 前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークを介して受信された入力信号に基づいて、前記データ通信ネットワークとのチャネルの中断を予測する複数のTDF(Tapped Delay Filters)と、
複数の前記TDFからの入力信号を時系列に比較することにより、トリガインターフェイスを前記MADUに送信するか決定する比較器と、を具備する請求項1記載の移動体通信端末装置。 - 前記TDFは、前記入力信号をその受信された世代毎に記録し一定期間保持する複数の遅延レジスタと、前記遅延レジスタからの出力に対して前記遅延レジスタ毎に用意された重みをそれぞれ乗算する複数の乗算器と、複数の前記乗算器から入力されてくる複数の乗算値に予め設定された値を加えつつ合算する加算器と、を具備する請求項13記載の移動体通信端末装置。
- 複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークと、前記データ通信ネットワークの間をローミングする移動体通信端末装置と、を含んで構成される通信システムであって、
前記移動体通信端末装置は、ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備するものである、通信システム。 - 前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークは、前記移動体通信端末装置とのチャネルを形成するときに、重みのセットを動的に設定し、設定された前記重みのセットを前記移動体通信端末装置に提供する基地局を具備し、
前記移動体通信端末装置は、前記基地局から提供される前記重みのセットを用いて、前記基地局との間で形成された前記チャネルの中断を予測する、請求項15記載の通信システム。 - 前記移動体通信端末装置は、前記NAUが前記MADUによって設定されたトリガインターフェイスを送信するタイミングを含む制御メッセージを前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記制御メッセージを受信したときに、前記制御メッセージに対応する前記重みのセットを前記移動体通信端末装置に送信する、請求項16記載の通信システム。 - 前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークは、前記移動体通信端末装置との間でチャネルを形成する基地局を具備し、
前記基地局は、前記移動体通信端末装置からトリガメッセージの送信を要求されたときには、或いは前記移動体通信端末装置の位置を監視してその動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生を検出したときには、前記移動体通信端末装置との間で現在のチャネルを形成している基地局を特定する独特の識別子と、前記移動体通信端末装置との間で新たにチャネルを形成する他の基地局を特定する独特の識別子と、前記イベントが発生する推定時刻と、を含むトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信し、
前記移動体通信端末装置は、現在のチャネルを形成している前記基地局に制御メッセージ、即ち前記移動体通信端末装置を特定する独特の識別子と、前記トリガメッセージを特定する独特の識別子と、前記イベントの発生推定時刻の前に前記トリガメッセージの送信に必要な時間枠と、を含む制御メッセージを送信し、並びに前記イベントの発生を検出したときには、前記トリガメッセージの送信を前記基地局に要求する、請求項15記載の通信システム。 - ハードウェア、ソフトウェア及びプロトコルそれぞれの仕様が調整されることによってユニークに設定されたネットワークアクセスメカニズムを備えるNAUと、1セットのインターフェイスを用いて前記NAUと情報交換することによって通信セッションで使用するチャネルを決定し、決定されたチャネルに対応する前記NAUを制御するMADUと、を具備する移動体通信端末装置、並びに前記移動体通信端末装置との間でチャネルを形成する基地局を具備する複数のパケット交換方式のデータ通信ネットワークを含んで構成される通信システムにおいて、前記移動体通信端末装置が複数の前記パケット交換方式のデータ通信ネットワークの間をローミングする方法であって、
前記移動体通信端末装置が、現在のチャネルを形成している前記基地局に制御メッセージ、即ち前記移動体通信端末装置を特定する独特の識別子と、前記トリガメッセージを特定する独特の識別子と、前記基地局の動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生推定時刻の前に前記トリガメッセージの送信に必要な時間枠と、を含む制御メッセージを送信するステップと、
前記移動体通信端末装置が、前記イベントの発生を検出したときには、前記トリガメッセージの送信を前記基地局に要求するステップと、
前記基地局が、前記移動体通信端末装置からトリガメッセージの送信を要求されたときには、或いは前記移動体通信端末装置の位置を監視してその動作範囲の外に前記移動体通信端末装置が移動するイベントの発生を検出したときには、前記移動体通信端末装置との間で現在のチャネルを形成している前記基地局を特定する独特の識別子と、前記移動体通信端末装置との間で新たにチャネルを形成する他の基地局を特定する独特の識別子と、前記イベントが発生する推定時刻と、を含むトリガメッセージを前記移動体通信端末装置に送信するステップと、を具備する移動体通信端末装置のローミング方法。
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