以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(ネットワーク接続権設定制御:近距離に存在する複数の無線端末装置間においてネットワーク接続権を共有する例)
2.第2の実施の形態(ネットワーク接続権設定制御:遠距離に存在する複数の無線端末装置間においてネットワーク接続権を共有する例)
3.第3の実施の形態(ネットワーク接続権設定制御:複数の無線端末装置間において、複数の無線事業者に係るネットワーク接続権を共有する例)
4.第4の実施の形態(ネットワーク接続権設定制御:ネットワーク制御装置以外の装置がネットワーク接続権の設定を行う例)
5.第5の実施の形態(ネットワーク接続権設定制御:異なる2つのネットワーク接続権を複数の無線端末装置間において共有する例)
<1.第1の実施の形態>
[無線端末装置の使用例]
図1は、本発明の第1の実施の形態における複数の無線端末装置の使用例を簡略化して示す図である。
図1(a)には、複数の無線端末装置(第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置800)を1人のユーザ10が使用する状態を示す。図1(b)には、1つの無線端末装置(第1の無線端末装置300)を1人のユーザ10が手に持って使用している状態を示す。また、比較的離れている場所(矢印30で示す距離だけ離れている)に他の無線端末装置(第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置800)が置かれている状態を示す。例えば、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置800を家20に忘れたユーザ10が、職場で第1の無線端末装置300を使用している場合が想定される。
第1の無線端末装置300は、例えば、携帯電話装置(例えば、通話機能およびデータ通信機能を備える携帯電話装置)であり、第2の無線端末装置400は、例えば、携帯電話装置(例えば、スマートフォン)である。また、第3の無線端末装置800は、例えば、無線通信機能を備える電子書籍表示装置である。
[通信システムの構成例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における通信システム100のシステム構成例を示すブロック図である。
通信システム100は、公衆回線網110と、ネットワーク制御装置200と、基地局230、240と、第1の無線端末装置300と、第2の無線端末装置400と、第3の無線端末装置800とを備える。
公衆回線網110は、電話網、インターネット等の公衆回線網である。
また、公衆回線網110とネットワーク制御装置200とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
基地局230、240は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400、第3の無線端末装置800と、ネットワーク制御装置200とを無線回線251乃至253を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
例えば、通信システム100において、第1の無線端末装置300は、無線回線251を介して基地局230と接続され、基地局230を介してネットワーク制御装置200と接続される。同様に、第2の無線端末装置400は、無線回線252を介して基地局240と接続され、基地局240を介してネットワーク制御装置200と接続される。同様に、第3の無線端末装置800は、無線回線253を介して基地局240と接続され、基地局240を介してネットワーク制御装置200と接続される。なお、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置800のそれぞれは、使用されている位置に応じて、基地局230、240の何れについても接続が可能である。
ネットワーク制御装置200は、無線接続サービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置であり、認証制御部210および無線端末装置管理データベース220を備える。なお、ネットワーク制御装置200は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例である。
認証制御部210は、基地局230、240を介して接続される無線端末装置の認証制御を行うものである。ここで、認証制御部210は、基地局230、240を介して接続される無線端末装置のうち、特定の場合を除き、有効なUSIM情報(契約認証情報)を保持する無線端末装置のみを認証する。ここで、USIM情報は、契約認証情報の一例であり、契約認証情報は、電話の加入者(Subscriber)情報と、認証鍵(Authentication)の情報とを含む情報である。なお、特定の場合については、図3を参照して詳細に説明する。また、ネットワーク制御装置200は、認証された無線端末装置をゲートウェイ(図示せず)を介して公衆回線網110に接続する。なお、認証制御部210は、特許請求の範囲に記載の制御部の一例である。
無線端末装置管理データベース220は、無線接続サービスを提供する無線事業者が1または複数の無線端末装置を管理するためのデータベースである。なお、無線端末装置管理データベース220については、図4等を参照して詳細に説明する。また、無線端末装置管理データベース220は、特許請求の範囲に記載のデータベースの一例である。
[USIM情報移転要求時における接続例]
ここで、有効なUSIM情報を保持していない無線端末装置が公衆回線網110に接続するための接続方法について説明する。なお、有効なUSIM情報を保持していない場合は、例えば、USIM情報自体を保持していない場合、または、USIM情報の無効化処理により無効とされたUSIM情報のみを保持している場合を意味する。
現在、一般の携帯電話装置では、USIM情報が保持されていない場合(すなわち、UICCカードが取り付けられていない場合)でも、緊急用途(Emergency Call)での接続が可能である。この緊急用途は、例えば、警察や消防署等に発呼する場合である。
例えば、USIM情報が保持されていない状態で、かつ、通話も行っていない状態の携帯電話装置を想定する。この携帯電話装置は、無線事業者を特定せずに受け入れ可能な任意の基地局(例えば、電波強度の高い基地局)を選択した状態(Idle modeの中のCamped on Any Cell Mode)となっている。この状態では、予め登録されている緊急呼の電話番号(緊急呼番号)がユーザにより入力された場合にのみ、携帯電話装置が、緊急呼の発信としてEMERGENCY SETUP信号を、移動体通信基地局およびRNCを介してMSCに送信する。ここで、RNC(Radio Network Controller)は、例えば、ネットワーク制御装置200に対応する。また、MSC(Mobile-services Switching Center)は、固定網(公衆回線網110)と、移動通信網とのインターフェースである。これにより、携帯電話装置は、アイドルモード(Idle Mode)を抜けて、接続モード(Connected Mode)となり、通話が可能な状態となる。
本発明の第1の実施の形態では、上述した接続方法を拡張することにより、USIM情報(USIM情報の使用権)の移転要求を行うための一時的なネットワーク(公衆回線網110)へのアクセスを可能とする。
例えば、USIM情報の移転要求を行うための専用の電話番号をユーザがかけることによって一時的なネットワークへのアクセスを行うことができる。また、メニュー画面(例えば、図6(a)に示す表示画面500)や装置の側面に設けられている操作部材(ボタン等)を用いたユーザ操作が行われた場合にその専用の電話番号が発信されて一時的なネットワークへのアクセスが行われるようにすることができる。
このネットワークへのアクセスには、移動体通信システムの標準化規格3GPPに規定されるランダムアクセス処理が利用される。例えば、ランダムアクセスには優先度(Access Category)を設定することが可能であり、USIM情報の移転要求用に優先度(Access Category)を設定することができる。これにより、緊急用途(Emergency Call)とは異なる優先度(Access Category)を設定することができる。
例えば、無線端末装置(要求元の無線端末装置)が、USIM情報の移転要求用の優先度(Access Category)でのアクセスを行った場合には、要求元の無線端末装置に対して限定的なネットワーク接続が提供される。そして、要求元の無線端末装置に対する限定接続の許可後には、USIM情報の移転要求先の無線端末装置(要求先の無線端末装置)からの情報(USIM情報の移転要求に係る情報)が、要求元の無線端末装置に通知される。
このように、有効なUSIM情報を保持しない要求元の無線端末装置が、限定接続によりネットワークと接続した場合には、ネットワークは、要求元の無線端末装置との限定接続を維持する。この限定接続の維持とともに、ネットワークは、要求先の無線端末装置への通常接続を確保し、USIM情報の移転要求に係る情報の通信が可能となる。
図3は、本発明の第1の実施の形態における無線端末装置による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この例では、有効なUSIM情報を保持していない無線端末装置において発呼操作により限定接続を行う場合を例にして説明する。また、その限定接続を行うために、無線端末装置にUSIM情報要求呼番号を登録しておき、その限定接続を行う際にはそのUSIM情報要求呼番号を用いる例を示す。
最初に、発呼操作が行われたか否かが判断され(ステップS901)、発呼操作が行われていない場合には、監視を継続して行う。
発呼操作が行われた場合には(ステップS901)、その発呼操作により入力された番号が、無線端末装置に登録されている緊急呼番号と一致するか否かが判断される(ステップS902)。その発呼操作により入力された番号が、緊急呼番号と一致する場合には(ステップS902)、EMERGENCY SETUP信号を含む発呼が行われる(ステップS903)。これにより、無線端末装置は、アイドルモード(Idle Mode)を抜けて、接続モード(Connected Mode)となり、通話が可能な状態となる。
一方、その発呼操作により入力された番号が、緊急呼番号と一致しない場合には(ステップS902)、その発呼操作により入力された番号が、無線端末装置に登録されているUSIM情報要求呼番号と一致するか否かが判断される(ステップS904)。その発呼操作により入力された番号が、USIM情報要求呼番号と一致する場合には(ステップS904)、USIM情報の移転要求に限定した接続リクエストを含む発呼が行われる(ステップS905)。これにより、無線端末装置は、アイドルモード(Idle Mode)を抜けて、接続モード(Connected Mode)となり、通話が可能な状態となる。
なお、その発呼操作により入力された番号が、USIM情報要求呼番号と一致しない場合には(ステップS904)、有効なUSIM情報が保持されていないため、発信することができない旨が表示される(ステップS906)。
[無線端末装置管理データベースの構成例]
図4は、本発明の第1の実施の形態における無線端末装置管理データベース220を模式的に示す図である。
無線端末装置管理データベース220は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置800のそれぞれに保持されるUSIM情報を管理するデータベースである。具体的には、無線端末装置管理データベース220には、電話番号221と、電子メールアドレス222と、端末識別情報223と、有効無効情報224とが関連付けられて記録されている。これらの情報は、例えば、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400または第3の無線端末装置800を用いたユーザ10による操作入力に基づいて無線端末装置管理データベース220に記録される。また、無線接続サービスを提供する無線事業者が、ユーザ10との契約内容に基づいて無線端末装置管理データベース220に記録するようにしてもよい。
電話番号221には、無線端末装置の電話番号が格納される。電子メールアドレス222には、無線端末装置の電子メールアドレスが格納される。なお、無線端末装置の電話番号および電子メールアドレスは、無線端末装置を識別するための識別情報であり、USIM情報(USIM情報の使用権)の移転要求を行う場合に用いられる。
端末識別情報223には、無線端末装置の端末識別番号が格納される。この端末識別情報は、無線端末装置を識別するための識別情報であり、例えば、IMEI(International Mobile Equipment Identity)が格納される。また、図4では、端末識別情報223の「IMEI#1」が第1の無線端末装置300に対応するものとする。同様に、端末識別情報223の「IMEI#2」が第2の無線端末装置400に対応し、端末識別情報223の「IMEI#3」が第3の無線端末装置800に対応するものとする。
有効無効情報224には、無線端末装置に保持されているUSIM情報が有効であるか、無効であるかを示す情報が格納される。なお、図4では、説明の容易のため、USIM情報が有効である無線端末装置には「有効」を示し、USIM情報が無効である無線端末装置には「無効」を示す。また、USIM情報が有効である無線端末装置に関する各情報を太線の矩形225で囲んで示す。
[無線端末装置の構成例]
図5は、本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300の内部構成例を示すブロック図である。なお、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置800の内部構成については、第1の無線端末装置300と同様であるため、ここでの説明を省略する。
第1の無線端末装置300は、アンテナ311と、アンテナ共用部312と、変調部321と、復調部322と、制御部330と、メモリ340と、USIM情報記憶部350とを備える。また、第1の無線端末装置300は、操作部360と、表示部370と、位置情報取得部380と、マイクロフォン391と、スピーカ392とを備える。第1の無線端末装置300は、例えば、通話およびデータ通信が可能な携帯電話装置により実現される。
例えば、受信処理が行われる場合には、アンテナ311により受信された電波が、アンテナ共用部312を経由して復調部322により復調され、この復調された受信データが制御部330に供給される。その受信処理が受話処理である場合には、その復調された受信データ(音声データ)が制御部330を経由してスピーカ392から音声として出力される。なお、アンテナ311、アンテナ共用部312、復調部322は、特許請求の範囲に記載の受信部の一例である。
また、例えば、送信処理が行われる場合には、制御部330により出力された送信データが変調部321により変調され、変調された送信データがアンテナ共用部312を経由してアンテナ311から送信される。その送信処理が送話処理である場合には、マイクロフォン391から入力された音声データが制御部330を経由して変調部321により変調され、変調された送信データ(音声データ)がアンテナ共用部312を経由してアンテナ311から送信される。
制御部330は、メモリ340に格納されている制御プログラムに基づいて各種の制御を行うものである。制御部330は、例えば、マイクロプロセッサにより構成される。例えば、制御部330は、変調部321および復調部322と接続され、基地局230、240を介して接続されるネットワーク制御装置200との間で行われる各種データの送受信を行う。
メモリ340は、制御部330が各種制御を行うための制御プログラム、送信データ、受信データ等を格納するメモリである。メモリ340は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成される。
USIM情報記憶部350は、USIM情報(契約認証情報)を保持するメモリである。USIM情報記憶部350として、例えば、UICC(Universal Integrated Circuit)カードを用いるようにしてもよく、USIM情報をセキュアに保つための専用メモリを用いるようにしてもよい。なお、USIM情報記憶部350としてUICCカードを用いる場合には、USIM情報が固定的に書き込まれているものではなく、USIM情報の有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。すなわち、アンテナ311から受信して復調された移転情報に基づいて制御部330がUSIM情報の有効化処理および無効化処理が可能なものを用いる。また、USIM情報の書換処理が可能なものを用いる。なお、USIM情報の有効化処理および無効化処理については、3GPP(Third Generation Partnership Project)に規定されている有効化処理および無効化処理により行うことができる。これらの各処理は、例えば、携帯電話装置の販売ショップで行われている。
ここで、制御部330は、無線接続サービスを提供する無線事業者に係るUSIM情報の使用権の移転を要求する移転要求を指示するユーザによる指示操作(所定操作)が操作部360により受け付けられた場合には、移転要求を無線回線を介して送信させる。この移転要求は、他の無線端末装置のUSIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報の使用権の移転を要求する移転要求である。また、制御部330は、例えば、USIM情報を用いずに限定的な接続のみを行うための限定接続によりその移転要求を無線回線を介して送信させる。ここで、USIM情報の使用権は、USIM情報を使用する権利である。例えば、USIM情報の有効化処理および無効化処理により、USIM情報の使用権の移転を行うことができる。また、USIM情報自体の転送処理により、USIM情報の使用権の移転を行うことができる。また、USIM情報の使用権は、ネットワーク接続権としても把握することができる。例えば、ネットワーク接続権の有無は、USIM情報の使用権の有無により決定することができる。
また、制御部330は、その移転要求に応じて無線回線を介して送信される移転情報(USIM情報の使用権を移転させるための情報)を受信すると、この受信された移転情報に基づいて有効なUSIM情報を設定する。この移転情報は、例えば、無線端末装置管理データベース220の管理内容に基づいて認証制御部210が送信する。
また、例えば、USIM情報の有効化処理および無効化処理により、USIM情報の使用権の移転を行う場合には、USIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報を有効とするための有効化情報が移転情報に含まれる。そして、制御部330は、その受信された移転情報に含まれる有効化情報に基づいてUSIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報を有効とすることにより、有効なUSIM情報を設定する。
また、ネットワーク制御装置200は、移転要求に応じて移転情報を第1の無線端末装置300に送信することによりUSIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報を有効とする制御を行う。また、ネットワーク制御装置200は、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報を無効とする制御を行う。
また、例えば、USIM情報の転送処理により、USIM情報の使用権の移転を行う場合には、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部350に保持されていたUSIM情報が移転情報に含まれる。この移転を行う場合には、制御部330は、移転要求を第2の無線端末装置400に送信する。この移転要求の送信後に、第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報が無効とされ、第2の無線端末装置400またはネットワーク制御装置200から移転情報が送信される。そして、制御部330は、その受信された移転情報に含まれるUSIM情報をUSIM情報記憶部350に記録させることにより、有効なUSIM情報を設定する。
また、第1の無線端末装置300が移転要求先である場合には、制御部330は、移転要求が受信された場合に移転情報を無線回線を介して移転要求元に送信させる。この場合に、制御部330は、その移転要求が受信された場合には、USIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報の使用権の移転をユーザに確認させるための確認画面(例えば、図7に示す表示画面520、530)を表示部370に表示させる。また、制御部330は、その確認画面が表示された後に、USIM情報記憶部350に保持されているUSIM情報の使用権の移転を許可する操作入力が操作部360により受け付けられた場合には、移転情報を無線回線を介して送信させる。
操作部360は、ユーザにより操作された操作入力を受け付ける操作受付部であり、受け付けられた操作入力に応じた信号を制御部330に出力する。操作部360は、例えば、数字キーやアルファベットキー等の各種キーを備え、無線接続サービスを提供する無線事業者に係るUSIM情報の使用権の移転を要求する移転要求を指示するユーザによる指示操作(所定操作)を受け付ける。
表示部370は、制御部330の制御に基づいて、各種情報(文字情報や時刻情報等)を表示する表示部である。表示部370は、例えば、USIM情報の使用権の移転処理に関する各情報(例えば、図6および図7に示す表示画面)を表示する。なお、表示部370として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の表示パネルを用いることができる。なお、操作部360および表示部370については、使用者がその指を表示面に接触または近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルを用いて一体で構成することができる。
位置情報取得部380は、第1の無線端末装置300が存在する位置を示す位置情報を取得するものであり、この取得された位置情報を制御部330に出力する。位置情報取得部380は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号受信アンテナ(図示せず)により受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出するGPSユニットにより実現することができる。この算出された位置情報には、GPS信号の受信時における緯度、経度、高度等の位置に関する各データが含まれる。また、他の位置情報の取得方法により位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LAN(Local Area Network)によるアクセスポイント情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を取得する位置情報取得装置を用いるようにしてもよい。
[各装置間における通信例]
図6および図7は、本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に表示される表示画面例を示す図である。これらの表示画面については、図8に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図8は、本発明の第1の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。なお、図6乃至図8では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400間における通信処理例のみを示すが、他の無線端末装置間における通信処理についても同様に適用することができる。
図8では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の何れもがUSIM情報を保持して、ネットワーク制御装置200の認証制御部210による有効無効制御により、USIM情報の使用権を移転する例を示す。また、図8では、第2の無線端末装置400が有効なUSIM情報を保持している場合において、第1の無線端末装置300が第2の無線端末装置400に移転要求を行う場合における通信処理を例にして説明する。
最初に、USIM情報移転操作(USIM情報の使用権の移転要求操作)を行うための表示画面が第1の無線端末装置300の表示部370に表示される。
図6(a)には、USIM情報移転操作を行うための表示画面の一例(表示画面500)を示す。表示画面500は、第1の無線端末装置300に実行させる機能を選択するための表示画面である。具体的には、表示画面500には、電話ボタン501と、カメラボタン502と、電子メールボタン503と、USIM情報の移転ボタン504と、確定ボタン505と、戻るボタン506とが設けられている。
電話ボタン501は、通話機能を使用する際に押下されるボタンであり、カメラボタン502は、カメラ機能を使用する際に押下されるボタンであり、電子メールボタン503は、電子メール機能を使用する際に押下されるボタンである。
USIM情報の移転ボタン504は、他の無線端末装置に保持されている有効なUSIM情報の使用権を移転させる際に押下されるボタンである。なお、USIM情報の移転ボタン504は、USIM情報記憶部350に有効なUSIM情報が保持されている場合には、表示されないものとする。
確定ボタン505は、電話ボタン501、カメラボタン502、電子メールボタン503およびUSIM情報の移転ボタン504の何れかを選択する押下操作がされた後に、その選択を確定する際に押下されるボタンである。
戻るボタン506は、例えば、直前に表示されていた表示画面に戻る場合に押下されるボタンである。なお、図6(b)および図7(b)に示す戻るボタン514および533についても同様である。
ここで、図6(a)に示す表示画面500において、USIM情報の移転ボタン504が押下された後に、確定ボタン505が押下されたものとする(401)。このようにUSIM情報移転操作が受け付けられた場合には(401)、端末識別情報を入力するための表示画面が第1の無線端末装置300の表示部370に表示される。
図6(b)には、端末識別情報を入力するための表示画面(表示画面510)の一例を示す。表示画面510は、USIM情報の使用権を移転させる移転元の無線端末装置を特定するための端末識別情報を入力するための表示画面である。具体的には、表示画面510には、電話番号入力欄511と、電子メールアドレス入力欄512と、確定ボタン513と、戻るボタン514とが設けられている。
電話番号入力欄511は、USIM情報の使用権を移転させる移転元の無線端末装置の端末識別情報として、移転元の無線端末装置の電話番号を入力するための領域である。
電子メールアドレス入力欄512は、USIM情報の使用権を移転させる移転元の無線端末装置の端末識別情報として、移転元の無線端末装置の電子メールアドレスを入力するための領域である。この例では、移転元の無線端末装置の電話番号および電子メールアドレスの何れかを入力して、その移転元の無線端末装置を特定する例を示す。また、電話番号入力欄511および電子メールアドレス入力欄512への入力は、操作部360における操作入力により行われる。
確定ボタン513は、電話番号入力欄511または電子メールアドレス入力欄512への入力操作が行われた後に、その入力を確定する際に押下されるボタンである。
ここで、図6(b)に示す表示画面510において、電話番号入力欄511への入力操作(090−2222−○○○○)が行われた後に、確定ボタン513が押下されたものとする(402)。このようにUSIM情報の使用権を移転させる移転元(移転要求先)の無線端末装置の端末識別情報が入力される(402)。この場合には、この入力された端末識別情報を含むUSIM情報移転要求が第1の無線端末装置300からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される(403、404)。なお、このUSIM情報移転要求には、移転要求先(移転元)の端末識別情報とともに移転要求元(移転先)の端末識別情報が含まれる。また、このUSIM情報移転要求は、上述した限定接続により、第1の無線端末装置300からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される。
USIM情報移転要求を認証制御部210が受信すると(404)、無線端末装置管理データベース220の内容を確認した後に、受信したUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報により特定される無線端末装置にUSIM情報移転要求を送信する(405)。この例では、端末識別情報(090−2222−○○○○)に対応する第2の無線端末装置400にUSIM情報移転要求が送信される(405)。ここで、USIM情報移転要求が受信された場合には、認証制御部210は、例えば、そのUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報により特定される無線端末装置が有効なUSIM情報を保持しているかを無線端末装置管理データベース220を用いて確認する。また、認証制御部210は、移転元(第2の無線端末装置400)に表示させる移転先(第1の無線端末装置300)に関する各情報(電話番号、電子メールアドレス等)を無線端末装置管理データベース220から取得する。そして、認証制御部210は、その取得された移転先(第1の無線端末装置300)に関する各情報を含めたUSIM情報移転要求を送信する(405)。
第2の無線端末装置400がUSIM情報移転要求を送信すると(406)、USIM情報の使用権の移転をユーザに確認させるための表示画面が第2の無線端末装置400の表示部370に表示される(407)。
図7(a)には、USIM情報の使用権の移転をユーザに確認させるための表示画面(表示画面520)の一例を示す。表示画面520は、USIM情報の使用権を移転させる移転先の無線端末装置を特定するための情報を表示してUSIM情報移転をユーザが確認するための表示画面である。具体的には、表示画面520には、電話番号表示欄521と、電子メールアドレス表示欄522と、OKボタン523と、NGボタン524とが設けられている。
電話番号表示欄521は、USIM情報の使用権を移転させる移転先の無線端末装置の端末識別情報として、移転先の無線端末装置の電話番号を表示する領域である。
電子メールアドレス表示欄522は、USIM情報の使用権を移転させる移転先の無線端末装置の端末識別情報として、移転先の無線端末装置の電子メールアドレスを表示する領域である。
この例では、移転先の無線端末装置の電話番号および電子メールアドレスを同時に表示して、その移転先の無線端末装置をユーザに通知する例を示す。なお、認証制御部210から送信されるUSIM情報移転要求に含まれる他の情報(例えば、所有者の氏名)を表示画面520に表示させるようにしてもよい。また、例えば、第2の無線端末装置400に保持されている登録情報(例えば、電話帳)に基づいて、その移転先の無線端末装置に関する他の情報(例えば、所有者の氏名)を、電話番号および電子メールアドレスとともに表示させるようにしてもよい。
OKボタン523は、電話番号表示欄521および電子メールアドレス表示欄522に端末識別情報が表示されている無線端末装置にUSIM情報の使用権を移転させることをユーザが確認した後に押下されるボタンである。
NGボタン524は、電話番号表示欄521および電子メールアドレス表示欄522に端末識別情報が表示されている無線端末装置にUSIM情報の使用権を移転させることをユーザが了承しない場合に押下されるボタンである。
ここで、図7(a)に示す表示画面520において、OKボタン523が押下されたものとする(407)。このようにUSIM情報の使用権の移転確認後にOKボタン523が押下された場合には(407)、USIM情報の使用権を移転する際に用いられるパスワードを入力するための表示画面が第2の無線端末装置400の表示部370に表示される(408)。
図7(b)には、パスワードを入力するための表示画面(表示画面530)の一例を示す。表示画面530は、USIM情報の使用権を移転する際に用いられるパスワードを入力するための表示画面である。具体的には、表示画面530には、パスワード入力欄531と、確定ボタン532と、戻るボタン533とが設けられている。
パスワード入力欄531は、USIM情報の使用権を移転する際に用いられるパスワードを入力するための領域である。
確定ボタン532は、パスワード入力欄531への入力操作が行われた後に、その入力を確定する際に押下されるボタンである。
ここで、図7(b)に示す表示画面530において、例えば、パスワード「123abc(実際の画面ではセキュリティの観点から非表示となるため、図7(b)では「******」と示す)」が入力されたものとする(408)。このようにパスワードが入力された場合には(408)、第2の無線端末装置400の制御部330が、入力されたパスワードの認証処理を行う(409)。そして、入力されたパスワードが認証された場合には(409)、USIM情報の使用権の移転を許可するUSIM情報移転許可(移転情報)が、第2の無線端末装置400からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される(410、411)。なお、入力されたパスワードが認証されない場合には(409)、正しいパスワードの入力を促す表示画面が表示される。
続いて、USIM情報移転許可を認証制御部210が受信すると(411)、USIM情報移転許可を送信した無線端末装置のUSIM情報を無効化するためのUSIM情報無効化情報を第2の無線端末装置400に送信する(412、413)。USIM情報無効化情報を第2の無線端末装置400が受信すると(413)、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の無効化処理が行われる(414)。これにより、第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報が無効化され、第2の無線端末装置400ではUSIM情報を使用することができなくなる。
USIM情報の無効化処理が終了した後に(414)、USIM情報の無効化処理が終了した旨を示すUSIM情報無効化確認情報が、第2の無線端末装置400からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される(415、416)。
認証制御部210が、USIM情報無効化確認情報を受信すると(416)、USIM情報移転要求を送信した無線端末装置のUSIM情報を有効とするためのUSIM情報有効化情報を第1の無線端末装置300に送信する(417、418)。USIM情報有効化情報(移転情報)を第1の無線端末装置300が受信すると(418)、第1の無線端末装置300のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の有効化処理が行われる(419)。これにより、第1の無線端末装置300に保持されているUSIM情報が有効とされ、第1の無線端末装置300ではUSIM情報を使用することができるようになる。
USIM情報の有効化処理が終了した後に(419)、USIM情報の有効化処理が終了した旨を示すUSIM情報有効化確認情報が、第1の無線端末装置300からネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信される(420、421)。USIM情報有効化確認情報を認証制御部210が受信すると(421)、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。すなわち、第1の無線端末装置300を有効とし、第2の無線端末装置400を無効とするように、無線端末装置管理データベース220の内容が書き換えられる。
続いて、USIM情報の移転処理が終了した旨を示すUSIM情報移転終了情報が、ネットワーク制御装置200の認証制御部210から第2の無線端末装置400に送信される(422、423)。同様に、USIM情報移転終了情報が、ネットワーク制御装置200の認証制御部210から第1の無線端末装置300に送信される(424、425)。
なお、この例では、有効化/無効化を行うことにより、USIM情報の使用権を移転する例を示したが、USIM情報そのものを転送することにより、USIM情報の使用権を移転するようにしてもよい。この場合には、USIM情報移転要求が第2の無線端末装置400に送信されると、第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報が無効(消去)とされ、第2の無線端末装置400またはネットワーク制御装置200から移転情報が送信される。この移転情報に含まれるUSIM情報をUSIM情報記憶部350に記録させることにより、有効なUSIM情報が設定される。
また、この例では、1つの無線端末装置が1つのUSIM情報を保持して、そのUSIM情報の有効化/無効化を行うことにより、USIM情報の使用権を移転する例を示した。ただし、USIM情報の使用権の移転処理に係る接続にのみ使用するUSIM情報を各無線端末装置に保持させ、上述した限定接続を行う代わりに、そのUSIM情報を用いて移転処理に係る接続を行うようにしてもよい。例えば、USIM情報の使用権の移転処理に係る接続のみを行うための第1のUSIM情報(例えば、接続制御用の固有USIM情報)を各無線端末装置に保持させる。この場合には、ユーザが所望するサービス(例えば、動画サービス)の提供を受けることができる接続を行うための第2のUSIM情報(例えば、所望サービスを受けるためのUSIM情報)の使用権のみを移転する。すなわち、第2のUSIM情報の使用権の移転処理を行う場合には、第1のUSIM情報を用いて、第2のUSIM情報の使用権の移転処理に係る接続を行う。例えば、図8に示す例では、第1のUSIM情報については、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の何れもが保持する。また、第2のUSIM情報については、ネットワーク制御装置200の認証制御部210による有効無効制御により、その使用権を移転する。
また、この例では、USIM情報の使用権を有しない無線端末装置からUSIM情報移転要求を行う例を示したが、USIM情報の使用権を有する無線端末装置からUSIM情報移転要求を行うようにしてもよい。この場合におけるUSIM情報移転要求は、相手方の無線端末装置にUSIM情報を移転するための要求である。また、この場合には、USIM情報の使用権を有しない相手方の無線端末装置には、限定的な接続により移転処理に係る各種情報を送信することができる。
[通信システムの動作例]
次に、本発明の第1の実施の形態における通信システム100の動作について図面を参照して説明する。なお、図9および図10では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400間における動作例のみを示すが、他の無線端末装置間における動作についても同様に適用することができる。
[無線端末装置(USIM情報の使用権の移転先)の動作例]
図9は、本発明の第1の実施の形態における第1の無線端末装置300による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図9では、第1の無線端末装置300が、USIM情報の使用権の移転先である場合を例にして説明する。また、図9では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の何れもがUSIM情報を保持して、ネットワーク制御装置200の認証制御部210による有効無効制御により、USIM情報の使用権を移転する例を示す。
最初に、制御部330が、USIM情報移転操作が行われたか否かを判断し(ステップS911)、USIM情報移転操作が行われていない場合には、監視を継続して行う。
USIM情報移転操作が行われた場合には(ステップS911)、制御部330が、USIM情報の使用権を移転させる移転元(移転要求先)の無線端末装置の端末識別情報を入力するための表示画面を表示部370に表示させる(ステップS912)。続いて、制御部330が、その表示画面において、移転要求先の無線端末装置の端末識別情報が入力されたか否かを判断し(ステップS913)、その入力操作が行われていない場合には、監視を継続して行う。
移転要求先の無線端末装置の端末識別情報が入力された場合には(ステップS913)、制御部330が、その入力された端末識別情報を含むUSIM情報移転要求をネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信する(ステップS914)。このUSIM情報移転要求は、上述した限定接続により行われる。
続いて、制御部330が、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報を有効とするためのUSIM情報有効化情報を受信したか否かを判断する(ステップS915)。USIM情報有効化情報を受信していない場合には(ステップS915)、制御部330が、USIM情報移転要求を送信してから一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS916)。USIM情報移転要求を送信してから一定時間が経過していない場合には(ステップS916)、ステップS915に戻る。一方、USIM情報移転要求を送信してから一定時間が経過した場合には(ステップS916)、制御部330が、USIM情報の使用権の移転ができない旨を通知するための移転不可情報を表示部370に表示させ(ステップS917)、通信処理の動作を終了する。なお、ステップS915は、特許請求の範囲に記載の受信手順の一例である。
また、USIM情報有効化情報を受信した場合には(ステップS915)、制御部330が、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の有効化処理を行う(ステップS918)。これにより、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報が有効とされ、第1の無線端末装置300ではUSIM情報を使用することができるようになる。なお、ステップS918は、特許請求の範囲に記載の制御手順の一例である。
続いて、制御部330が、USIM情報の有効化処理が終了した旨を示すUSIM情報有効化確認情報をネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信する(ステップS919)。続いて、制御部330が、USIM情報の移転処理が終了した旨を示すUSIM情報移転終了情報を受信したか否かを判断し(ステップS920)、USIM情報移転終了情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。USIM情報移転終了情報を受信した場合には(ステップS920)、通信処理の動作を終了する。
[無線端末装置(USIM情報の使用権の移転元)の動作例]
図10は、本発明の第1の実施の形態における第2の無線端末装置400による通信処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図10では、第2の無線端末装置400が、USIM情報の使用権の移転元である場合を例にして説明する。また、図10では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の何れもがUSIM情報を保持して、ネットワーク制御装置200の認証制御部210による有効無効制御により、USIM情報の使用権を移転する例を示す。
最初に、制御部330が、USIM情報移転要求を受信したか否かを判断し(ステップS931)、USIM情報移転要求を受信していない場合には、監視を継続して行う。
USIM情報移転要求を受信した場合には(ステップS931)、制御部330が、USIM情報の使用権の移転をユーザに確認させるための表示画面を表示部370に表示させる(ステップS932)。また、この表示画面による移転確認後に、制御部330が、USIM情報の使用権を移転する際に用いられるパスワードを入力するための表示画面(パスワード入力画面)を表示部370に表示させる(ステップS932)。
続いて、制御部330が、パスワード入力画面において、パスワードの入力操作が行われたか否かを判断する(ステップS933)。パスワードの入力操作が行われていない場合には(ステップS933)、制御部330が、パスワード入力画面が表示されてから一定時間が経過したか否かを判断する(ステップS934)。パスワード入力画面が表示されてから一定時間が経過していない場合には(ステップS934)、ステップS933に戻る。一方、パスワード入力画面の表示から一定時間が経過した場合には(ステップS934)、制御部330が、USIM情報の使用権の移転ができない旨を通知するための移転不許可情報を認証制御部210に送信し(ステップS935)、通信処理の動作を終了する。
また、パスワードの入力操作が行われた場合には(ステップS933)、制御部330が、入力されたパスワードが、登録されているパスワードと一致するか否かを判断する(ステップS936)。すなわち、パスワードの認証処理が行われる。入力されたパスワードが、登録されているパスワードと一致しない場合には(ステップS936)、ステップS932に戻り、制御部330が、正しいパスワードの入力を促す表示画面を表示部370に表示させる。
また、入力されたパスワードが、登録されているパスワードと一致する場合には(ステップS936)、制御部330が、USIM情報の使用権の移転を許可するUSIM情報移転許可を認証制御部210に送信する(ステップS937)。
続いて、制御部330が、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報を無効とするためのUSIM情報無効化情報を受信したか否かを判断し(ステップS938)、USIM情報無効化情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。一方、USIM情報無効化情報を受信した場合には(ステップS938)、制御部330が、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の無効化処理を行う(ステップS939)。これにより、USIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報が無効とされ、第2の無線端末装置400ではUSIM情報を使用することができなくなる。
続いて、制御部330が、USIM情報の無効化処理が終了した旨を示すUSIM情報無効化確認情報をネットワーク制御装置200の認証制御部210に送信する(ステップS940)。続いて、制御部330が、USIM情報の移転処理が終了した旨を示すUSIM情報移転終了情報を受信したか否かを判断し(ステップS941)、USIM情報移転終了情報を受信していない場合には、監視を継続して行う。USIM情報移転終了情報を受信した場合には(ステップS941)、通信処理の動作を終了する。
[無線端末装置管理データベースの構成例]
以上では、3つの無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転を行う例を示した。ただし、2または4以上の無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転を行う場合についても、本発明の第1の実施の形態を適用することができる。また、4以上の無線端末装置間においてUSIM情報の使用権の移転を行う場合における無線端末装置管理データベース220の内容例を図11に示す。
図11は、本発明の第1の実施の形態の変形例における無線端末装置管理データベース220を模式的に示す図である。
なお、図11に示す無線端末装置管理データベース220は、管理対象となる無線端末装置の数が4以上である点が異なるが、それ以外は、図4と略同様である。
例えば、1人のユーザがM個(M≧4)の無線端末装置を所有している場合において、このM個の無線端末装置のうちの1個の無線端末装置のUSIM情報のみを有効として、他の無線端末装置のUSIM情報を無効とすることができる。この場合には、図11に示す無線端末装置管理データベース220の有効無効情報224のうち、1つの欄に「有効」が格納され、他の欄には「無効」が格納される。
また、例えば、1人のユーザがM個(M≧3)の無線端末装置を所有している場合において、このM個の無線端末装置のうちのN個(1<N<M)の無線端末装置のUSIM情報を有効として、他の無線端末装置のUSIM情報を無効とすることができる。この場合には、図11に示す無線端末装置管理データベース220の有効無効情報224のうち、N個の欄に「有効」が格納され、他の欄には「無効」が格納される。
また、本発明の第1の実施の形態では、1人のユーザが複数の無線端末装置を所有している場合において、これらの無線端末装置間においてUSIM情報の使用権を移転する例を示した。ただし、複数のユーザのそれぞれが所有する無線端末装置(複数の無線端末装置)について、これらの無線端末装置間においてUSIM情報の使用権を移転する場合についても、本発明の第1の実施の形態を適用することができる。例えば、1人のユーザが1個の無線端末装置を所有しているグループ(例えば、5人グループ)を想定する。この場合に、グループを構成する5人のうちの2人の無線端末装置のUSIM情報のみを有効として、他の3人の無線端末装置のUSIM情報を無効とすることができる。この場合には、図11に示す無線端末装置管理データベース220において、グループ登録をしておき、グループ登録がされているメンバー間において移転処理を行うことができる。このようにメンバー間において移転処理を行う場合には、そのメンバー間において移転が可能なUSIM情報の数だけ、無線事業者との契約を行う必要がある。
このように、本発明の第1の実施の形態では、受信部(例えば、アンテナ311、アンテナ共用部312、復調部322)が、設定情報(例えば、USIM情報有効化情報)を受信する。また、制御部330は、その受信した設定情報に基づいて、無線回線を介して所定のネットワークに接続するためのネットワーク接続権(USIM情報の使用権)を設定する。すなわち、複数の無線端末装置のそれぞれは、ネットワーク制御装置200の制御に基づいてネットワーク接続権を設定する。
また、通信システム100は、無線回線を介して所定のネットワークに接続するためのネットワーク接続権を、複数の無線端末装置により共有する通信システムである。
ここで、ネットワーク接続権は、ネットワーク(例えば、公衆回線網110)への接続後にそのネットワークを介して提供されるサービス内容が互いに異なる複数のネットワーク接続状態とするための権利である。例えば、第1のネットワーク接続状態は、ネットワーク接続権を変更するための接続状態(例えば、限定接続状態)である。また、第2のネットワーク接続状態は、ネットワークへの接続後にそのネットワークを介して所望のサービスの提供を受けることができる接続状態(例えば、有効なUSIM情報に基づく接続状態)である。そして、制御部330は、設定情報に基づいてネットワーク接続権を設定して、各無線端末装置を複数のネットワーク接続状態のうちの少なくとも1つのネットワーク接続状態とする。例えば、複数の無線端末装置を構成する1つの無線端末装置は、第1のネットワーク接続状態または第2のネットワーク接続状態とされ、他の無線端末装置は、第1のネットワーク接続状態のみとされる。なお、3以上のネットワーク接続状態とする場合についても、本発明の第1の実施の形態を適用することができる。
また、ネットワーク接続権は、ネットワーク(例えば、公衆回線網110)への接続後にそのネットワークを介して提供されるサービス内容が互いに異なる複数のネットワーク接続権により構成される。例えば、第1のネットワーク接続権は、ネットワーク接続権を変更するための接続権(例えば、限定接続を行うための権利)である。また、第2のネットワーク接続権は、ネットワークへの接続後にそのネットワークを介して所望のサービスの提供を受けることができる接続権(例えば、有効なUSIM情報の使用権)である。そして、制御部330は、設定情報に基づいて複数のネットワーク接続権のうちの少なくとも1つのネットワーク接続権を設定する。例えば、複数の無線端末装置を構成する1つの無線端末装置は、第1のネットワーク接続権および第2のネットワーク接続権が設定され、他の無線端末装置は、第1のネットワーク接続権のみが設定される。なお、3以上のネットワーク接続権を設定する場合についても、本発明の第1の実施の形態を適用することができる。
また、無線端末装置管理データベース220は、ネットワーク接続権を管理するとともに、複数の無線端末装置とこれらの各無線端末装置のネットワーク接続状態の種類(例えば、有効無効)とを関連付けて保持するデータベースである。また、認証制御部210は、ユーザ操作に基づく書換情報(例えば、USIM情報移転要求)を受信した場合には、その書換情報に基づいて無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。そして、認証制御部210は、その書換後の内容となるように複数の無線端末装置のうちの少なくとも1つについてネットワーク接続権を設定するための制御を行う。
また、認証制御部210は、無線端末装置管理データベース220の内容に基づいて、複数の無線端末装置のそれぞれについて無線接続サービスを行うか否かを設定する制御を行うことができる。例えば、有効無効情報224に基づいて、ユーザが所望する無線接続サービスを行うか否かを設定することができる。例えば、有効無効情報224が「有効」である場合には、ユーザが所望する無線接続サービス(例えば、動画サービス)を行う設定とし、有効無効情報224が「無効」である場合には、ユーザが所望する無線接続サービスを行わない設定とする。
ここで、近年では、個人で複数の無線端末装置を所有するユーザが増えつつある。このように個人で複数の無線端末装置を所有するユーザが各無線端末装置を使用する場合には、例えば、使用対象となる無線端末装置のそれぞれにUICCカードを取り付けることが考えられる。または、1つのUICCカードを複数の無線端末装置で共有することが考えられる。
しかしながら、使用対象となる無線端末装置のそれぞれにUICCカードを取り付ける場合には、UICCカードの増加分だけ無線接続サービスに係る費用負担が増加する。また、1つのUICCカードを複数の無線端末装置で共有する場合には、使用対象となる無線端末装置を変更する度に、無線端末装置間においてUICCカードを付け替える必要がある。この場合には、その付け替え作業が煩雑となる。また、1つのUICCカードを複数の無線端末装置で共有する場合において、UICCカードが取り付けられている無線端末装置がユーザの傍らに存在しないことも想定される。この場合には、使用対象となる無線端末装置を変更することができず、所望の機能を使用することができないおそれがある。
そこで、本発明の第1の実施の形態では、簡単なユーザ操作のみで複数の無線端末装置間における有効なUSIM情報(契約認証情報)の移転処理を容易に行うことができる。このため、例えば、個人で複数の無線端末装置を所有する場合でも、複数の無線接続サービスを契約しなくても、複数の無線端末装置を容易に利用することができる。また、複数の無線端末装置を利用する場合でも、無線端末装置間においてUICCカードを付け替える必要がない。これらにより、複数の無線端末装置間においてUSIM情報(契約認証情報)を容易に共有することができる。すなわち、複数の無線端末装置間においてネットワークに接続するための権利(ネットワーク接続権)を容易に共有することができる。
<2.第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態では、ユーザが操作可能な状態である複数の無線端末装置間においてUSIM情報の使用権を移転する例を示した。ただし、図1(b)に示すように、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置(第2の無線端末装置400、第3の無線端末装置800)をユーザが操作できない場合も想定される。そこで、本発明の第2の実施の形態では、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置をユーザが操作できない場合においてUSIM情報の使用権を移転する例を示す。なお、本発明の第2の実施の形態における通信システムの構成については、図1等に示す例と略同様である。このため、本発明の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[各装置間における通信例]
図12は、本発明の第2の実施の形態における通信システム100を構成する各装置間における通信処理を示すシーケンスチャートである。なお、図12に示すシーケンスチャートは、図8の変形例であるため、図8と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
USIM情報移転要求を受信すると(404)、認証制御部210は、無線端末装置管理データベース220の内容に基づいて、移転要求先(移転元)および移転要求元(移転先)の無線端末装置を確認する(430)。すなわち、認証制御部210は、受信したUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報により特定される移転要求先(移転元)および移転要求元(移転先)の無線端末装置を確認する。
続いて、その確認後に、認証制御部210は、移転要求先(移転元)のUSIM情報を無効化するためのUSIM情報無効化情報を移転要求先(移転元)(第2の無線端末装置400)に送信する(412、413)。
なお、この例では、第2の無線端末装置400からUSIM情報無効化確認情報を受信した場合に(416)、認証制御部210が、USIM情報有効化情報を第1の無線端末装置300に送信する(417)例を示す。しかしながら、移転要求先(移転元)の無線端末装置の電源がオフとなっている場合や移転要求先(移転元)の無線端末装置が圏外となっていることも想定される。そこで、例えば、移転要求先(移転元)の無線端末装置からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合であっても、一定条件を満たす場合には、USIM情報有効化情報を移転要求元(移転先)の無線端末装置に送信するようにしてもよい。一定条件としては、例えば、移転要求先(移転元)のユーザによりその旨の設定が予め行われている場合、かつ、一定時間経過しても移転要求先(移転元)からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合とすることができる。
ただし、移転要求先(移転元)からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合に、USIM情報有効化情報を移転要求元(移転先)に送信すると、移転要求元(移転先)および移転要求先(移転元)の何れのUSIM情報も有効となる。この場合において、移転要求先(移転元)の無線通信端末の電源がオンとなったり、圏内となったりした場合には、移転要求先(移転元)の無線通信端末から基地局へのアクセスが許可されることになる。そこで、移転要求先(移転元)からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合であって一定条件を満たす場合には、認証制御部210が、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。すなわち、認証制御部210が、移転要求元(移転先)を有効とし、移転要求先(移転元)を無効とするように無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。また、認証制御部210が、各基地局に移転要求先(移転元)が無効である旨の情報(無効情報)を保持させる。この無効情報を各基地局に保持させておき、移転要求先(移転元)の無線通信端末から基地局にアクセスがあった場合には、USIM情報無効化情報をその基地局から移転要求先(移転元)の無線通信端末に送信させるようにする。このように、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換え、各基地局に無効情報を保持させた後に、認証制御部210が、USIM情報有効化情報を移転要求元(移転先)に送信するようにする。
例えば、図12に示す例において、第2の無線端末装置400からUSIM情報無効化確認情報を受信しない場合であって一定条件を満たす場合には、認証制御部210が、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。すなわち、認証制御部210が、第1の無線端末装置300を有効とし、第2の無線端末装置400を無効とするように無線端末装置管理データベース220の内容を書き換える。また、認証制御部210が、基地局230、240に第2の無線端末装置400が無効である旨の情報(無効情報)を保持させる。この無効情報を基地局230、240に保持させておき、第2の無線端末装置400から基地局230、240の何れかにアクセスがあった場合には、USIM情報無効化情報をその基地局から第2の無線端末装置400に送信させるようにする。このように、無線端末装置管理データベース220の内容を書き換え、基地局230、240に無効情報を保持させた後に、認証制御部210が、USIM情報有効化情報を第1の無線端末装置300に送信するようにする。
以上で示したように、本発明の第2の実施の形態では、複数の無線端末装置間においてUSIM情報(契約認証情報)を共有する場合に、USIM情報(契約認証情報)を保持する無線端末装置を持ち歩かなくてもよい。例えば、無線携帯端末(例えば、携帯電話装置)を家に忘れたユーザでも、出先で無線携帯端末を借りて自分の無線携帯端末として使用することができる。これにより、複数の無線端末装置間においてUSIM情報(契約認証情報)をさらに容易に共有することができる。
<3.第3の実施の形態>
本発明の第1および第2の実施の形態では、1つの無線事業者に係るUSIM情報(またはその使用権)を移転する例を示した。ただし、複数の無線端末装置間において、複数の無線事業者に係るUSIM情報を共有することも想定される。そこで、本発明の第3の実施の形態では、複数の無線端末装置間において、複数の無線事業者に係るUSIM情報を共有する例を示す。なお、本発明の第3の実施の形態における通信システムの構成等については、図2等に示す例と共通する部分があるため、本発明の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[通信システムの構成例]
図13は、本発明の第3の実施の形態における通信システム600のシステム構成例を示すブロック図である。
通信システム600は、公衆回線網110と、加入者情報保持サーバ601と、第1のネットワーク制御装置610と、基地局230、240と、第1の無線端末装置300と、第2の無線端末装置400とを備える。なお、公衆回線網110と、第1のネットワーク制御装置610、第2のネットワーク制御装置615とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
基地局602、603は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400と、第1のネットワーク制御装置610、第2のネットワーク制御装置615とを無線回線604、605を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
第1のネットワーク制御装置610は、無線接続サービスを提供する第1の無線事業者により管理される通信制御装置であり、認証制御部611および無線端末装置管理データベース612を備える。また、第2のネットワーク制御装置615は、無線接続サービスを提供する第2の無線事業者(第1の無線事業者とは異なる)により管理される通信制御装置であり、認証制御部616および無線端末装置管理データベース617を備える。
第1のネットワーク制御装置610、第2のネットワーク制御装置615は、図2に示すネットワーク制御装置200に対応する。また、認証制御部611、616は、図2に示す認証制御部210に対応し、無線端末装置管理データベース612、617は、図2に示す無線端末装置管理データベース220に対応する。
加入者情報保持サーバ601は、加入者情報を保持するサーバであり、無線端末装置管理データベース620を備える。無線端末装置管理データベース620は、無線端末装置を所有する加入者に関する情報を管理するためのデータベースである。なお、無線端末装置管理データベース620については、図14等を参照して詳細に説明する。
[無線端末装置管理データベースの構成例]
図14は、本発明の第3の実施の形態における各無線端末装置管理データベースを模式的に示す図である。
図14(a)には、加入者情報保持サーバ601が備える無線端末装置管理データベース620を示す。また、図14(b)には、第1のネットワーク制御装置610が備える無線端末装置管理データベース612を示し、図14(c)には、第2のネットワーク制御装置615が備える無線端末装置管理データベース617を示す。なお、各無線端末装置管理データベースにおける端末識別情報223および有効無効情報224は、図4に示す端末識別情報223および有効無効情報224に対応する。
無線端末装置管理データベース620は、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400のそれぞれに保持されるUSIM情報を管理するデータベースである。具体的には、無線端末装置管理データベース620には、端末識別情報223と、有効無効情報224と、接続無線事業者情報621とが関連付けられて記録されている。
接続無線事業者情報621には、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置が接続可能な無線事業者に関する情報(接続無線事業者情報)が格納される。なお、図14では、説明の容易のため、接続無線事業者情報として無線事業者の名称(第2の無線事業者)を示す。また、USIM情報が有効である無線端末装置に関する各情報を太線の矩形で囲んで示す。
[各装置間における通信例]
図15は、本発明の第3の実施の形態における第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400に表示される表示画面例を示す図である。これらの表示画面については、図16に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図16は、本発明の第3の実施の形態における通信システム600を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図16では、第1の無線端末装置300および第2の無線端末装置400の何れもがUSIM情報(第1および第2の無線事業者)を保持して、無線端末装置管理データベース620の内容に基づいてUSIM情報の使用権を移転する例を示す。また、図16では、第2の無線端末装置400が有効なUSIM情報を保持している場合において、第1の無線端末装置300が第2の無線端末装置400に移転要求を行う場合における通信処理を例にして説明する。
最初に、USIM情報の有効情報を要求するための操作入力が行われる。この場合には、USIM情報の有効情報を要求するためのUSIM情報の有効情報要求が第1の無線端末装置300から第1のネットワーク制御装置610に送信される(641)。なお、このUSIM情報の有効情報要求は、上述した限定接続により、第1の無線端末装置300から第1のネットワーク制御装置610に送信される。
USIM情報の有効情報要求を第1のネットワーク制御装置610が受信すると(642)、加入者情報保持サーバ601の無線端末装置管理データベース620の内容(USIM情報の有効情報)を取得し、これを第1の無線端末装置300に送信する(643)。USIM情報の有効情報を第1の無線端末装置300が受信すると(644)、USIM情報の有効情報を含む表示画面が第1の無線端末装置300の表示部370に表示される(645)。
図15には、USIM情報の有効情報を含む表示画面の一例(表示画面630)を示す。表示画面630は、第1の無線端末装置300が有効なUSIM情報を取得するための表示画面である。具体的には、表示画面630には、無線事業者一覧表示領域631と、USIM情報の有効情報表示領域632と、確定ボタン633と、戻るボタン634とが設けられている。
無線事業者一覧表示領域631には、第1の無線端末装置300が存在する位置において接続が可能な無線事業者が一覧表示される。すなわち、新たな無線事業者のUSIM情報を取得する際には、無線事業者一覧表示領域631におけるチェック欄(白抜きの矩形で示す)にチェック印を付す。
USIM情報の有効情報表示領域632には、加入者情報保持サーバ601の無線端末装置管理データベース620の内容に対応するUSIM情報の有効情報が表示される。すなわち、有効なUSIM情報を移転させる際には、移転先(すなわち、第1の無線端末装置300)となるチェック欄(白抜きの矩形で示す)にチェック印を付す。
確定ボタン633は、無線事業者一覧表示領域631またはUSIM情報の有効情報表示領域632の何れかのチェック欄にチェック印が付された後に、その操作を確定する際に押下されるボタンである。
戻るボタン634は、例えば、直前に表示されていた表示画面に戻る場合に押下されるボタンである。
ここで、図15に示す表示画面630において、USIM情報の有効情報表示領域632における第1の無線端末装置300のチェック欄にチェックが付された後に、確定ボタン633が押下されたものとする(646)。このようにUSIM情報移転操作が受け付けられた場合には(646)、そのチェックが付された移転要求先(移転元)の端末識別情報を含むUSIM情報移転要求が第1の無線端末装置300から第1のネットワーク制御装置610に送信される(646、647)。なお、このUSIM情報移転要求には、移転要求先(移転元)の端末識別情報とともに移転要求元(移転先)の端末識別情報が含まれる。また、このUSIM情報移転要求は、上述した限定接続により、第1の無線端末装置300から第1のネットワーク制御装置610に送信される。
USIM情報移転要求を第1のネットワーク制御装置610が受信すると(647)、移転要求先(移転元)の無線端末装置(第2の無線端末装置400)を無線端末装置管理データベース620から抽出する(648)。この場合には、受信したUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報に基づいて移転要求先(移転元)が抽出される。また、抽出された移転要求先(移転元)の無線端末装置(第2の無線端末装置400)が接続されている無線事業者(すなわち、第2の無線事業者)が特定される(648)。
続いて、第1のネットワーク制御装置610が、抽出された移転要求先(移転元)が接続されている無線事業者(第2の無線事業者)のネットワーク制御装置(第2のネットワーク制御装置615)にUSIM情報移転要求を送信する(649)。
続いて、第2のネットワーク制御装置615がUSIM情報移転要求を受信する(650)。この受信後に、第2のネットワーク制御装置615は、そのUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報により特定される無線端末装置が有効なUSIM情報を保持しているか否かを無線端末装置管理データベース617を用いて確認する。そして、第2のネットワーク制御装置615は、USIM情報移転要求を送信する(651)。
第2の無線端末装置400がUSIM情報移転要求を受信すると(652)、第2の無線端末装置400の制御部330が認証処理を行う(653)。続いて、第2の無線端末装置400の制御部330が、第2の無線端末装置400のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の無効化処理を行う(654)。これにより、第2の無線端末装置400に保持されているUSIM情報が無効化され、第2の無線端末装置400ではUSIM情報を使用することができなくなる。
USIM情報の無効化処理が終了した後に(654)、USIM情報の無効化処理が終了した旨を示すUSIM情報無効化確認情報が、第2の無線端末装置400から第2のネットワーク制御装置615に送信される(655、656)。
第2のネットワーク制御装置615が、USIM情報無効化確認情報を受信すると(656)、無線端末装置管理データベース617の内容を書き換える(657)。すなわち、第2の無線端末装置400を無効とするように、無線端末装置管理データベース617の内容が書き換えられる。
続いて、第2のネットワーク制御装置615が、USIM情報移転要求を送信した無線端末装置のUSIM情報(第1の無線事業者)を有効とするためのUSIM情報有効化情報を第1のネットワーク制御装置610に送信する(658、659)。
続いて、第1のネットワーク制御装置610が、USIM情報有効化情報を受信すると(659)、無線端末装置管理データベース620、612の内容を書き換える(660)。すなわち、第1の無線端末装置300を有効とするように、無線端末装置管理データベース612の内容が書き換えられる。また、第1の無線端末装置300を有効とし、第2の無線端末装置400を無効とするように、無線端末装置管理データベース620の内容が書き換えられる。
続いて、第1のネットワーク制御装置610が、第1の無線事業者のUSIM情報を有効とするためのUSIM情報有効化情報を第1の無線端末装置300に送信する(661、662)。USIM情報有効化情報(移転情報)を第1の無線端末装置300が受信すると(662)、第1の無線端末装置300のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報(第1の無線事業者)の有効化処理が行われる(663)。これにより、第1の無線端末装置300に保持されているUSIM情報(第1の無線事業者)が有効とされ、第1の無線端末装置300ではUSIM情報(第1の無線事業者)を使用することができるようになる。
このように、本発明の第3の実施の形態では、複数の無線端末装置間において、複数の無線事業者に係るUSIM情報を共有することができる。すなわち、第2のネットワーク制御装置(第2の事業者)615に接続している第2の無線端末装置400が有効なUSIM情報を保持している場合において、有効なUSIM情報を第1の無線端末装置300に移転させることができる。この場合には、第2のネットワーク制御装置(第2の事業者)615に接続している第2の無線端末装置400は、第2の事業者の有効なUSIM情報を保持しているが、第1の無線端末装置300には、第1の事業者の有効なUSIM情報が移転される。
なお、本発明の第3の実施の形態では、無線端末装置管理データベース620を加入者情報保持サーバ601に備える例を示すが、何れかの無線事業者が備えるようにしてもよい。例えば、第1のネットワーク制御装置610および第2のネットワーク制御装置615の何れかに備えるようにしてもよい。
<4.第4の実施の形態>
本発明の第1乃至第3の実施の形態では、無線事業者毎の無線端末装置管理データベースをネットワーク制御装置が用いてネットワーク接続権の移転処理(USIM情報の使用権の移転処理)を行う例を示した。ただし、ネットワーク制御装置以外の装置(例えば、加入者情報保持サーバ)がネットワーク接続権の移転処理を行うことも想定される。そこで、本発明の第4の実施の形態では、ネットワーク制御装置以外の装置がネットワーク接続権の移転処理を行う例を示す。なお、本発明の第4の実施の形態における通信システムの構成等については、図2等に示す例と共通する部分があるため、本発明の第1乃至第3の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
[通信システムの構成例]
図17は、本発明の第4の実施の形態における通信システム670のシステム構成例を示すブロック図である。
通信システム670は、ネットワーク制御装置671と、基地局672、673と、情報処理端末677と、インターネット678と、加入者情報サーバ681と、加入者情報保持サーバ682とを備える。なお、インターネット678と、ネットワーク制御装置671とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
基地局672、673は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400、第3の無線端末装置800と、ネットワーク制御装置671とを無線回線674乃至676を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
ネットワーク制御装置671は、無線接続サービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置であり、認証制御部(図示せず)および無線端末装置管理データベース(図示せず)を備える。なお、ネットワーク制御装置671は、図2に示すネットワーク制御装置200に対応する。また、認証制御部は、図2に示す認証制御部210に対応し、無線端末装置管理データベースは、図2に示す無線端末装置管理データベース220に対応する。
加入者情報サーバ681は、各無線端末装置の携帯電話番号や端末識別情報等のユーザ情報を管理するデータベース(HLR(home location register))を備えるサーバである。
加入者情報保持サーバ682は、無線端末装置管理データベース690(図18に示す)を備える。加入者情報保持サーバ682は、例えば、図13に示す加入者情報保持サーバ601に対応する。すなわち、本発明の第4の実施の形態では、USIM情報を共有する複数の無線端末装置に関する情報(無線端末装置情報)をネットワーク制御装置671に接続される加入者情報保持サーバ682に保持する。そして、共有対象となる無線端末装置の中から、実際にサービス利用する無線端末装置と、ネットワーク接続体系や利用サービスが限定される無線端末装置とを動的に区別するため、加入者情報保持サーバ682に保持されている無線端末装置情報を変更する。また、共有対象となる無線端末装置のUSIM情報を、加入者情報保持サーバ682に保持されている無線端末装置情報に基づいて、無線回線を介して変更する。これにより、一つのUSIM情報(すなわち、1つの契約)を、複数の無線端末装置により共有することができる。なお、加入者情報保持サーバ682は、特許請求の範囲に記載の情報処理装置の一例である。
情報処理端末677は、有線回線または無線回線を介してインターネット678に接続することができる情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)である。
[無線端末装置管理データベースの構成例]
図18は、本発明の第4の実施の形態における無線端末装置管理データベース690を模式的に示す図である。なお、無線端末装置管理データベース690は、図17に示す加入者情報保持サーバ682が備える。
無線端末装置管理データベース690は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置800のそれぞれに保持されるUSIM情報を管理するデータベースである。具体的には、無線端末装置管理データベース690には、端末識別情報691と、サービスタイプ692と、デバイスタイプ693と、名称694とが関連付けられて記録されている。なお、端末識別情報691は、図4に示す端末識別情報223に対応する。
サービスタイプ692には、USIM情報を共有する各無線端末装置が利用可能なサービス状態が格納される。すなわち、サービスタイプ692に基づいて、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置を特定することができる。なお、図18では、説明の容易のため、有効なUSIM情報を保持していない無線端末装置については「限定接続」として示す。また、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置に関する各情報を太線の矩形で囲んで示す。すなわち、図18(a)では、IMSI#1、IMSI#2の無線端末装置が限定接続状態であり、IMSI#3の無線端末装置がデータ通信サービスの一般的な公衆網サービスが使える状態である例を示す。また、図18(b)には、IMSI#2、IMSI#3の無線端末装置が限定接続状態であり、IMSI#1の無線端末装置が通話サービスおよびデータ通信サービスの一般的な公衆網サービスが使える状態である例を示す。
デバイスタイプ693には、USIM情報を共有する各無線端末装置に関するデバイス種別が格納される。例えば、本発明の第1の実施の形態と同様に、第1の無線端末装置300を携帯電話装置(例えば、通話機能およびデータ通信機能を備える携帯電話装置)とし、第2の無線端末装置400を携帯電話装置(例えば、スマートフォン)とする。また、第3の無線端末装置800を電子書籍表示装置とする。例えば、デバイスタイプ693に格納されているデバイス種別に基づいて、サービスタイプ692に格納されるサービス状態を特定することができる。例えば、IMSI#3の無線端末装置のサービス状態が「限定状態」から書き換えられる場合には、デバイスタイプ693の「電子書籍表示装置」に基づいて、サービスタイプ692には「データ通信」が格納される。また、例えば、IMSI#1の無線端末装置のサービス状態が「限定状態」から書き換えられる場合には、デバイスタイプ693の「携帯電話」に基づいて、サービスタイプ692には「音声・データ通信」が格納される。そして、例えば、加入者情報保持サーバ682は、サービスタイプ692の内容に基づいて、各無線端末装置のサービス状態を変更する制御を行うことができる。
名称694には、USIM情報を共有する各無線端末装置に関する名称(例えば、ユーザが親しみ易い名称)が格納される。すなわち、名称694には、ユーザがUSIM情報の移転に関する各設定を行う際に、各無線端末装置を識別することができる名称が格納される。例えば、ユーザ操作により各無線端末装置に関する名称を名称694に格納するようにしてもよく、予め設定されている名称を格納するようにしてもよい。
このように、図17に示す加入者情報保持サーバ682は、各無線端末装置を識別するために無線事業者が管理するIMSI(International Mobile Subscription Identify)を用いる。そして、加入者情報保持サーバ682は、それぞれに対応する無線端末装置が利用可能なサービス状態を保持する。
なお、無線端末装置管理データベース690については、HLR(TS23.002を参照)に備えるようにしてもよい。
[各装置間における通信例(限定接続状態の装置によるサービス接続状態の変更例)]
図19および図20は、本発明の第4の実施の形態における第1の無線端末装置300および第3の無線端末装置800に表示される表示画面例を示す図である。これらの表示画面については、図21に示すシーケンスチャートを参照して詳細に説明する。
図21は、本発明の第4の実施の形態における通信システム670を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図21では、第1の無線端末装置300および第3の無線端末装置800の何れもがUSIM情報を保持して、無線端末装置管理データベース690の内容に基づいてUSIM情報の使用権を移転する例を示す。また、図21では、第3の無線端末装置800が有効なUSIM情報を保持している場合において、第1の無線端末装置300が第3の無線端末装置800に移転要求を行う場合における通信処理を例にして説明する。すなわち、図21では、限定接続状態の無線端末装置(第1の無線端末装置300)を用いて、その無線端末装置(第1の無線端末装置300)をサービス接続状態に変更する場合における通信処理例を示す。
最初に、USIM情報の有効情報(現在のネットワーク接続権の状態)を要求するための操作入力が行われる。この場合には、USIM情報の有効情報を要求するためのUSIM情報の有効情報要求が第1の無線端末装置300から加入者情報保持サーバ682にネットワーク制御装置671を介して送信される(711、712)。なお、このUSIM情報の有効情報要求は、上述した限定接続により、第1の無線端末装置300からネットワーク制御装置671に送信される。
USIM情報の有効情報要求を加入者情報保持サーバ682が受信すると(712)、無線端末装置管理データベース690の内容(USIM情報の有効情報)を取得する。そして、加入者情報保持サーバ682がその内容を第1の無線端末装置300にネットワーク制御装置671を介して送信する(713)。USIM情報の有効情報を第1の無線端末装置300が受信すると(714)、USIM情報の有効情報を含む表示画面が第1の無線端末装置300の表示部370に表示される(715)。
図19(a)には、USIM情報の有効情報を含む表示画面の一例(表示画面700)を示す。表示画面700は、第1の無線端末装置300が有効なUSIM情報を取得するための表示画面である。具体的には、表示画面700には、USIM情報の有効情報表示領域701と、デバイスアイコン表示領域702と、デバイス名称表示領域703と、確定ボタン705と、戻るボタン706とが設けられている。
USIM情報の有効情報表示領域701には、加入者情報保持サーバ682の無線端末装置管理データベース690の内容(図18に示すサービスタイプ692)に対応するUSIM情報の有効情報が表示される。USIM情報の有効情報表示領域701において、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置に対応する白抜き丸内には黒丸が付される(すなわち、図18に示すサービスタイプ692が「限定接続」以外の場合)。一方、有効なUSIM情報を保持していない無線端末装置に対応する白抜き丸内には何も付されない(すなわち、図18に示すサービスタイプ692が「限定接続」の場合)。また、USIM情報を移転させる場合には、USIM情報の有効情報表示領域701における移転先の白抜き丸内に黒丸を付す。
デバイスアイコン表示領域702には、加入者情報保持サーバ682の無線端末装置管理データベース690の内容(図18に示すデバイスタイプ693)に対応する無線端末装置の種類を示すアイコンが表示される。
デバイス名称表示領域703には、加入者情報保持サーバ682の無線端末装置管理データベース690の内容(図18に示す名称694)に対応する名称が表示される。また、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置については、その旨が表示される。
また、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置を容易に把握することができるように、有効なUSIM情報を保持する無線端末装置に関する各情報は点線の矩形704で囲まれる。
確定ボタン705は、表示画面700において、USIM情報を移転させる操作が行われた後に、その操作を確定する際に押下されるボタンである。
戻るボタン706は、例えば、直前に表示されていた表示画面に戻る場合に押下されるボタンである。
図19(b)には、図19(a)に示す表示画面700において、USIM情報を移転させる操作が行われた場合における表示画面の一例(表示画面700)を示す。表示画面700において、USIM情報を移転させる操作が行われた場合には、USIM情報の有効情報表示領域701における移転先の白抜き丸内に黒丸が付される。また、その操作を容易に把握することができるように、移転先の無線端末装置に関する各情報が点線の矩形707で囲まれる。
ここで、図19(a)に示す表示画面700において、USIM情報の有効情報表示領域701における移転先(第1の無線端末装置300)の白抜き丸内に黒丸が付された後に、確定ボタン705が押下されたものとする(716)。このようにUSIM情報移転操作が受け付けられた場合には(716)、USIM情報移転要求が送信される(716、717)。すなわち、その黒丸が付された移転要求先(移転元)の端末識別情報を含むUSIM情報移転要求が第1の無線端末装置300から加入者情報保持サーバ682にネットワーク制御装置671を介して送信される(716、717)。なお、このUSIM情報移転要求には、移転要求先(移転元)の端末識別情報とともに移転要求元(移転先)の端末識別情報が含まれる。また、このUSIM情報移転要求は、上述した限定接続により、第1の無線端末装置300からネットワーク制御装置671に送信される。
USIM情報移転要求を加入者情報保持サーバ682が受信すると(717)、移転要求先(移転元)の無線端末装置(第3の無線端末装置800)を無線端末装置管理データベース690から抽出する(718)。この場合には、受信したUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報に基づいて移転要求先(移転元)が抽出される。
続いて、加入者情報保持サーバ682が、抽出された移転要求先(移転元)にUSIM情報移転要求をネットワーク制御装置671を介して送信する(719)。
第3の無線端末装置800がUSIM情報移転要求を送信すると(720)、第3の無線端末装置800の制御部330が認証処理を行う(721)。すなわち、USIM情報の移転を確認するための表示画面が第3の無線端末装置800の表示部370に表示される(721)。
図20には、USIM情報の移転を確認するための表示画面の一例(表示画面708)を示す。表示画面708は、第3の無線端末装置300に保持されている有効なUSIM情報の移転をユーザに確認させるための表示画面である。具体的には、表示画面708には、OKボタン709と、NG710とが設けられている。
OKボタン709は、表示画面708に表示されている有効なUSIM情報の移転を許可する際に押下されるボタンである。NGボタン710は、表示画面708に表示されている有効なUSIM情報の移転を拒否する際に押下されるボタンである。
ここで、図20に示す表示画面708において、OKボタン709が押下されたものとする(721)。このようにUSIM情報移転許可操作が受け付けられた場合には(721)、USIM情報の移転情報が第3の無線端末装置800から加入者情報保持サーバ682にネットワーク制御装置671を介して送信される(722、723)。
加入者情報保持サーバ682が、USIM情報の移転情報を受信すると(723)、無線端末装置管理データベース690の内容を書き換える(724)。例えば、図18(b)に示すように、第1の無線端末装置300を有効とし、第3の無線端末装置800を無効とするように、無線端末装置管理データベース690の内容が書き換えられる。
続いて、加入者情報保持サーバ682が、USIM情報の移転情報を送信した無線端末装置のUSIM情報を無効とするためのUSIM情報無効化情報を第3の無線端末装置800にネットワーク制御装置671を介して送信する(725、726)。第3の無線端末装置800が、USIM情報無効化情報を受信すると(726)、第3の無線端末装置800の制御部330が、第3の無線端末装置800のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の無効化処理を行う(727)。これにより、第3の無線端末装置800に保持されているUSIM情報が無効とされ、第3の無線端末装置800ではUSIM情報を使用することができなくなる。
また、加入者情報保持サーバ682が、USIM情報移転要求を送信した無線端末装置のUSIM情報を有効とするためのUSIM情報有効化情報を第1の無線端末装置300にネットワーク制御装置671を介して送信する(728、729)。第1の無線端末装置300が、USIM情報有効化情報を受信すると(729)、第1の無線端末装置300の制御部330が、第1の無線端末装置300のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の有効化処理を行う(730)。これにより、第1の無線端末装置300に保持されているUSIM情報が有効とされ、第1の無線端末装置300ではUSIM情報を使用することができるようになる。
[各装置間における通信例(サービス接続状態の装置によるサービス接続状態の変更例)]
図21では、限定接続状態の無線端末装置を用いて、その無線端末装置をサービス接続状態に変更する例を示した。ただし、上述したように、サービス接続状態の無線端末装置を用いて、他の無線端末装置をサービス接続状態に変更することも可能である。そこで、図22では、サービス接続状態の無線端末装置を用いて、他の無線端末装置をサービス接続状態に変更する例を示す。
図22は、本発明の第4の実施の形態における通信システム670を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図22では、第1の無線端末装置300および第3の無線端末装置800の何れもがUSIM情報を保持して、無線端末装置管理データベース690の内容に基づいてUSIM情報の使用権を移転する例を示す。また、図22では、第3の無線端末装置800が有効なUSIM情報を保持している場合において、第3の無線端末装置800が第1の無線端末装置300への移転要求を行う場合における通信処理を例にして説明する。すなわち、図22では、サービス接続状態の無線端末装置(第3の無線端末装置800)を用いて、他の無線端末装置(第1の無線端末装置300)をサービス接続状態に変更する場合における通信処理例を示す。なお、図22に示す通信処理例は、図21の変形例であるため、図21と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
USIM情報の有効情報を第3の無線端末装置800が受信すると(714)、USIM情報の有効情報を含む表示画面が第3の無線端末装置800の表示部370に表示される(715)。
ここで、図19(a)に示す表示画面700において、USIM情報の有効情報表示領域701における移転先(第1の無線端末装置300)の白抜き丸内に黒丸が付された後に、確定ボタン705が押下されたものとする(741)。このようにUSIM情報移転操作が受け付けられた場合には(741)、USIM情報移転要求が送信される(741、742)。すなわち、その黒丸が付された移転要求先(移転元)の端末識別情報を含むUSIM情報移転要求が第3の無線端末装置800から加入者情報保持サーバ682にネットワーク制御装置671を介して送信される(741、742)。なお、このUSIM情報移転要求には、移転要求先(移転元)の端末識別情報とともに移転要求元(移転先)の端末識別情報が含まれる。
USIM情報移転要求を加入者情報保持サーバ682が受信すると(742)、移転先の無線端末装置(第1の無線端末装置300)を無線端末装置管理データベース690から抽出するとともに、その位置を検出する(743)。この場合には、受信したUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報に基づいて移転先が抽出される。また、移転先の無線端末装置が接続されている基地局の位置情報、移転先の無線端末装置から送信される位置情報(例えば、位置情報取得部380により取得された位置情報)等を取得して移転先の無線端末装置の位置(現在位置)が検出される。
続いて、加入者情報保持サーバ682が無線端末装置管理データベース690の内容を書き換える(644)。例えば、図18(b)に示すように、第1の無線端末装置300を有効とし、第3の無線端末装置800を無効とするように、無線端末装置管理データベース690の内容が書き換えられる。
[各装置間における通信例(情報処理端末によるサービス接続状態の変更例)]
図21および図22では、ネットワーク接続権(USIM情報の使用権)を共有する無線端末装置を用いてサービス接続状態を変更する例を示した。ただし、無線端末装置以外の他の装置(例えば、情報処理端末)を用いてサービス接続状態を変更することも可能である。そこで、図23では、無線端末装置以外の他の装置を用いてサービス接続状態を変更する例を示す。
図23は、本発明の第4の実施の形態における通信システム670を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図23では、第1の無線端末装置300および第3の無線端末装置800の何れもがUSIM情報を保持して、無線端末装置管理データベース690の内容に基づいてUSIM情報の使用権を移転する例を示す。また、図23では、第3の無線端末装置800が有効なUSIM情報を保持している場合において、情報処理端末677がネットワーク接続権の移転要求を行う場合における通信処理を例にして説明する。すなわち、図23では、無線端末装置以外の情報処理端末677を用いてサービス接続状態を変更する場合における通信処理例を示す。なお、図23に示す通信処理例は、図21、図22の変形例であるため、図21、図22と共通する部分については、同一の符号を付して、これらの説明の一部を省略する。
ここで、図23に示す各処理(751乃至757)については、ユーザ操作に係る装置が異なる以外は、図21、図22に示す各処理(711乃至717、741、742)と略同様である。
USIM情報移転要求を加入者情報保持サーバ682が受信すると(757)、移転元および移転先の無線端末装置(第1の無線端末装置300、第3の無線端末装置800)を無線端末装置管理データベース690から抽出する(758)。また、加入者情報保持サーバ682が、移転元および移転先の位置を検出する(758)。この場合には、受信したUSIM情報移転要求に含まれる端末識別情報に基づいて移転元および移転先が抽出される。
続いて、加入者情報保持サーバ682が無線端末装置管理データベース690の内容を書き換える(759)。
また、第1の無線端末装置300のUSIM情報の有効化処理と、第3の無線端末装置800のUSIM情報の無効化処理とが終了した場合には、加入者情報保持サーバ682が情報処理端末677にUSIM情報移転完了情報を送信する(760、761)。
このように、本発明の第4の実施の形態によれば、ネットワーク制御装置以外の装置(例えば、加入者情報保持サーバ)がネットワーク接続権の移転処理を行うことができる。すなわち、複数の無線端末装置間においてネットワーク接続権を共有する各種通信システムに、本発明の第4の実施の形態を適用することができる。
<5.第5の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態では、1つのネットワーク接続権を複数の無線端末装置で共有する例を示した。ここで、ネットワーク接続権を管理するための無線事業者に係るネットワーク接続権を各無線端末装置が保持して、所望のサービスを受けるための無線事業者に係るネットワーク接続権を複数の無線端末装置が共有することも想定される。そこで、本発明の第5の実施の形態では、ネットワーク接続権を管理するための無線事業者に係るネットワーク接続権を各無線端末装置が保持して、所望のサービスを受けるための無線事業者に係るネットワーク接続権を複数の無線端末装置が共有する例を示す。なお、本発明の第5の実施の形態における通信システムの構成等については、図17等に示す例と共通する部分があるため、本発明の第4の実施の形態と共通する部分についての説明の一部を省略する。
[通信システムの構成例]
図24は、本発明の第5の実施の形態における通信システム780のシステム構成例を示すブロック図である。
通信システム780は、第1のネットワーク制御装置781と、第2のネットワーク制御装置784と、基地局782、783、785と、インターネット789と、情報処理端末790とを備える。また、通信システム780は、加入者情報保持サーバ791と、加入者情報サーバ792、793とを備える。なお、インターネット789と、第1のネットワーク制御装置781、第2のネットワーク制御装置784とは、ゲートウェイ(図示せず)を介して接続される。
基地局782、783は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400と、第1のネットワーク制御装置781とを無線回線786、787を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。また、基地局785は、第3の無線端末装置800と、第2のネットワーク制御装置784とを無線回線788を介して接続する移動体通信基地局(NodeB)である。
第1のネットワーク制御装置781、第2のネットワーク制御装置784は、無線接続サービスを提供する無線事業者により管理される通信制御装置であり、認証制御部(図示せず)および無線端末装置管理データベース(図示せず)を備える。なお、第1のネットワーク制御装置781、第2のネットワーク制御装置784は、図2に示すネットワーク制御装置200に対応する。また、認証制御部は、図2に示す認証制御部210に対応し、無線端末装置管理データベースは、図2に示す無線端末装置管理データベース220に対応する。
また、第1のネットワーク制御装置781は、ネットワーク接続権を管理するための無線事業者(第1の無線事業者)に係るネットワーク制御装置である。また、第2のネットワーク制御装置784は、所望のサービスを受けるための無線事業者(第2の無線事業者)に係るネットワーク制御装置である。
加入者情報サーバ792、793は、各無線端末装置の携帯電話番号や端末識別情報等のユーザ情報を管理するデータベース(HLR(home location register))を備えるサーバである。
加入者情報保持サーバ791は、無線端末装置管理データベース810(図25に示す)を備える。なお、加入者情報保持サーバ791は、例えば、図13に示す加入者情報保持サーバ601に対応する。すなわち、本発明の第5の実施の形態では、ネットワーク接続権の管理のみを行う第1のネットワーク制御装置781に各無線端末装置が接続することができる。また、所望のサービスの提供を受けることができる第2のネットワーク制御装置784に係るネットワーク接続権については、各無線端末装置間において共有する。
情報処理端末790は、有線回線または無線回線を介してインターネット789に接続することができる情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)である。
[無線端末装置管理データベースの構成例]
図25は、本発明の第5の実施の形態における無線端末装置管理データベース810を模式的に示す図である。なお、無線端末装置管理データベース810は、図24に示す加入者情報保持サーバ791が備える。
無線端末装置管理データベース810は、第1の無線端末装置300、第2の無線端末装置400および第3の無線端末装置800のそれぞれに保持されるUSIM情報を管理するデータベースである。具体的には、無線端末装置管理データベース810には、端末識別情報811と、第1事業者契約識別情報812と、第2事業者契約識別情報813と、サービスタイプ814と、デバイスタイプ815と、名称816とが関連付けられて記録されている。なお、サービスタイプ814、デバイスタイプ815、名称816は、図18に示すサービスタイプ692、デバイスタイプ693、名称694に対応する。
端末識別情報811には、各無線端末装置固有のIMEIが格納される。
第1事業者契約識別情報812には、第1の無線事業者から無線端末装置毎に配布されるIMSIが格納される。
第2事業者契約識別情報813には、第2の無線事業者から無線端末装置毎に配布されるIMSIが格納される。
このように、本発明の第5の実施の形態では、各無線端末装置を識別するための識別情報としてIMEIを用いて、各無線端末装置の契約を識別するための識別情報として、各事業者から無線端末装置毎に配布されるIMSIを用いる。
また、各無線端末装置は、第1の無線事業者から無線端末装置毎に配布されているIMSIを用いて、ネットワーク接続権の管理のみを行う第1の無線事業者(第1のネットワーク制御装置781)に接続することができる。また、各無線端末装置は、実際にサービスの提供を受けることができる第2の無線事業者(第2のネットワーク制御装置784)に係るネットワーク接続権を共有する。これにより、複数の無線端末装置間においてUSIM情報(契約認証情報)の共有を実現することができる。
なお、図25では、説明の容易のため、有効なUSIM情報(第2の無線事業者)を保持していない無線端末装置については「限定接続」として示す。また、USIM情報(第2の無線事業者)が有効である無線端末装置に関する各情報を太線の矩形で囲んで示す。すなわち、図25(a)では、全ての無線端末装置が限定接続状態である例を示す。また、図25(b)では、IMSI#1、IMSI#2の無線端末装置が限定接続状態であり、IMSI#3の無線端末装置がデータ通信サービスの一般的な公衆網サービスが使える状態である例を示す。
なお、無線端末装置管理データベース810については、本発明の第4の実施の形態と同様に、HLR(TS23.002を参照)に備えるようにしてもよい。
[各装置間における通信例(初期サービス接続例)]
図26は、本発明の第5の実施の形態における通信システム780を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図26では、第3の無線端末装置800がUSIM情報(第1の無線事業者)を用いて、USIM情報(第2の無線事業者)の使用権(ネットワーク接続権)を取得する例を示す。
最初に、第1の無線端末装置300および第3の無線端末装置800が、第1の無線事業者(第1のネットワーク制御装置781)と接続状態であるものとする(821、822)。
ここで、第3の無線端末装置800において、ユーザが所望するサービスの接続権を要求するための操作入力が行われたものとする。この場合には、そのサービスの接続権を要求するための接続権取得要求が第3の無線端末装置800から加入者情報保持サーバ791に第1のネットワーク制御装置781を介して送信される(823、824)。なお、このUSIM情報取得要求は、USIM情報(第1の無線事業者)を用いて、第1の無線端末装置300から第1のネットワーク制御装置781に送信される。
接続権取得要求を加入者情報保持サーバ791が受信すると(824)、加入者情報保持サーバ682が、その接続権取得要求に係るサービスが存在する無線事業者を検出する(825)。この例では、その接続権取得要求に係るサービスが第2の無線事業者に存在するものとする。
続いて、加入者情報保持サーバ791が、その接続権取得要求に係るサービスを受けるための要求(USIM情報取得要求)を第2のネットワーク制御装置784に送信する(826)。USIM情報取得要求を第2のネットワーク制御装置784が受信すると(827)、第2のネットワーク制御装置784が、有効なUSIM情報を設定するための設定情報を加入者情報保持サーバ791に送信する(828)。その設定情報を加入者情報保持サーバ791が受信すると(829)、加入者情報保持サーバ791が無線端末装置管理データベース810の内容を書き換える(830)。例えば、図25(b)に示すように、第3の無線端末装置800を有効とするように、無線端末装置管理データベース810の内容が書き換えられる。
続いて、加入者情報保持サーバ791が、接続権取得要求を送信した無線端末装置に有効なUSIM情報を設定するための設定情報を第3の無線端末装置800に第1のネットワーク制御装置781を介して送信する(831)。第3の無線端末装置800が、その設定情報を受信すると(832)、第3の無線端末装置800の制御部330が、第3の無線端末装置800のUSIM情報記憶部350に記憶されているUSIM情報の設定処理を行う(833)。これにより、第3の無線端末装置800に有効なUSIM情報(第2の無線事業者)が設定され、第3の無線端末装置800では第2の無線事業者(第2のネットワーク制御装置784)と接続することができるようになる。
続いて、有効なUSIM情報(第2の無線事業者)が設定された第3の無線端末装置800は、現在接続されている無線事業者(第1の無線事業者)との接続を切断する(834)。続いて、第3の無線端末装置800は、新たに設定されたUSIM情報(第2の無線事業者)を用いて、第2の無線事業者(第2のネットワーク制御装置784)との接続処理を行う(835)。そして、第3の無線端末装置800は、第2の無線事業者(第2のネットワーク制御装置784)との接続状態を確保し、所望のサービスを受けることができる接続状態に遷移する(836)。
[各装置間における通信例(限定接続状態の装置によるサービス接続状態の変更例)]
図27および図28は、本発明の第5の実施の形態における通信システム780を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図27および図28では、第3の無線端末装置800が所望のサービスを受けることができる接続状態である場合に、第1の無線端末装置300を用いてその接続状態を変更する例を示す。
最初に、第1の無線端末装置300が第1の無線事業者(第1のネットワーク制御装置781)と接続状態であり、第3の無線端末装置800が第2の無線事業者(第2のネットワーク制御装置784)と接続状態であるものとする(841、842)。この接続状態は、図26に示す接続状態(821、836)に対応する。
最初に、所望のサービスを受けることができる接続状態を変更するための接続権変更情報を要求するための操作入力が行われる。この場合には、接続権変更情報を要求するための接続権変更情報要求が第1の無線端末装置300から加入者情報保持サーバ791に第1のネットワーク制御装置781を介して送信される(843、844)。
接続権変更情報要求を受信すると(844)、加入者情報保持サーバ791は、無線端末装置管理データベース810の内容を取得し、その内容を第1の無線端末装置300に第1のネットワーク制御装置781を介して送信する(845)。接続権変更情報を第1の無線端末装置300が受信すると(846)、接続権変更情報を含む表示画面が第1の無線端末装置300の表示部370に表示される(847)。
続いて、接続権変更情報を含む表示画面において、所望のサービスを受けることができる接続状態を変更するための操作(第3の無線端末装置800から第1の無線端末装置300への変更操作)が行われたものとする(848)。このように変更操作が受け付けられた場合には、その変更に係る移転要求先(移転元)の端末識別情報を含む接続権変更要求が第1の無線端末装置300から加入者情報保持サーバ791に第1のネットワーク制御装置781を介して送信される(848、849)。なお、この接続権変更要求には、移転要求先(移転元)の端末識別情報とともに移転要求元(移転先)の端末識別情報が含まれる。
接続権変更要求を加入者情報保持サーバ791が受信すると(849)、移転要求先(移転元)の無線端末装置(第3の無線端末装置800)を無線端末装置管理データベース810から抽出する(850)。この場合には、受信した接続権変更要求に含まれる端末識別情報に基づいて移転要求先(移転元)が抽出される。
続いて、加入者情報保持サーバ791が、抽出された移転要求先(移転元)の接続権(USIM情報の使用権)を無効とするための接続権無効化情報を第2のネットワーク制御装置784に送信する(850)。
接続権無効化情報を第2のネットワーク制御装置784が受信すると(851)、移転要求先(移転元)の無線端末装置(第3の無線端末装置800)の接続権の無効化処理が行われる(852)。すなわち、第2のネットワーク制御装置784が、加入者情報サーバ793の無線端末装置管理データベースの内容を書き換える(852)。続いて、第2のネットワーク制御装置784が、接続権の無効化処理が終了した旨を示す無効化終了情報を加入者情報保持サーバ791に送信する(853、854)。これにより、第3の無線端末装置800と、第2の無線事業者との接続が切断され(855)、第3の無線端末装置800が第1の無線事業者(第1のネットワーク制御装置781)と接続状態となる(856)。
続いて、加入者情報保持サーバ791が、移転要求元(移転先)の接続権を有効とするための接続権有効化情報を第2のネットワーク制御装置784に送信する(857)。接続権有効化情報を第2のネットワーク制御装置784が受信すると(858)、移転要求元(移転先)の無線端末装置(第1の無線端末装置300)の接続権の有効化処理が行われる(859)。すなわち、第2のネットワーク制御装置784が、加入者情報サーバ793の無線端末装置管理データベースの内容を書き換える(859)。続いて、第2のネットワーク制御装置784が、接続権の有効化処理が終了した旨を示す有効化終了情報を加入者情報保持サーバ791に送信する(860、861)。
また、加入者情報保持サーバ791が、移転要求先(移転元)の接続権を無効とするための接続権無効化情報を第3の無線端末装置800に第1のネットワーク制御装置781を介して送信する(862)。接続権無効化情報を第3の無線端末装置800が受信すると(863)、第3の無線端末装置800において、第2の無線事業者の接続権無効化処理が行われる(864)。
また、有効化終了情報を加入者情報保持サーバ791が受信すると(861)、無線端末装置管理データベース810の内容を書き換える(865)。
また、加入者情報保持サーバ791が、移転要求元(移転先)の接続権を有効とするための接続権有効化情報を第1の無線端末装置300に第1のネットワーク制御装置781を介して送信する(866)。接続権有効化情報を第1の無線端末装置300が受信すると(867)、第1の無線端末装置300において、第2の無線事業者の接続権有効化処理が行われる(868)。
続いて、有効なUSIM情報(第2の無線事業者)が設定された第1の無線端末装置300は、現在接続されている無線事業者(第1の無線事業者)との接続を切断する(869)。続いて、第1の無線端末装置300は、新たに設定されたUSIM情報(第2の無線事業者)を用いて、第2の無線事業者(第2のネットワーク制御装置784)との接続処理を行う(870)。そして、第1の無線端末装置300は、第2の無線事業者(第2のネットワーク制御装置784)との接続状態を確保し、所望のサービスを受けることができる接続状態に遷移する(871)。
[各装置間における通信例(サービス接続状態の装置によるサービス接続状態の変更例)]
図29および図30は、本発明の第5の実施の形態における通信システム780を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図29および図30では、第3の無線端末装置800が所望のサービスを受けることができる接続状態である場合に、第3の無線端末装置800を用いてその接続状態を変更する例を示す。なお、図29および図30に示す例は、図27および図28の変形例であるため、図27および図28と共通する部分(図27および図28と対応する部分)についての説明の一部を省略する。
ここで、第1の無線端末装置300が第1の無線事業者(第1のネットワーク制御装置781)と接続状態であり、第3の無線端末装置800が第2の無線事業者(第2のネットワーク制御装置784)と接続状態であるものとする(875、876)。この接続状態は、図27に示す接続状態(841、842)に対応する。
最初に、所望のサービスを受けることができる接続状態を変更するための接続権変更情報を要求するための操作入力が行われる。これにより、第3の無線端末装置800と、第2の無線事業者との接続が切断され(878)、第3の無線端末装置800が第1の無線事業者(第1のネットワーク制御装置781)と接続状態となる(879)。
また、図29および図30に示す各処理(880乃至886)は、図27および図28に示す各処理(843乃至849)に対応する。
接続権変更要求を加入者情報保持サーバ791が受信すると(886)、移転元および移転先を無線端末装置管理データベース810から抽出する(887)。続いて、加入者情報保持サーバ791が、接続権を変更するための接続権有効化情報を第2のネットワーク制御装置784に送信する(887)。
接続権有効化情報を第2のネットワーク制御装置784が受信すると(888)、接続権の変更処理が行われる(889)。すなわち、移転元の無線端末装置(第3の無線端末装置800)の接続権の無効化処理が行われ、移転先の無線端末装置(第1の無線端末装置300)の接続権の有効化処理が行われる(889)。続いて、第2のネットワーク制御装置784が、接続権の変更処理が終了した旨を示す変更処理終了情報を加入者情報保持サーバ791に送信する(890、891)。
また、図29および図30に示す各処理(892乃至894)は、図27および図28に示す各処理(862乃至864)に対応する。また、図29および図30に示す各処理(895乃至899、951、952)は、図27および図28に示す各処理(865乃至871)に対応する。
[各装置間における通信例(情報処理端末によるサービス接続状態の変更例)]
図27乃至図30では、ネットワーク接続権を共有する無線端末装置を用いてサービス接続状態を変更する例を示した。ただし、無線端末装置以外の他の装置(例えば、情報処理端末)を用いてサービス接続状態を変更することも可能である。そこで、図31および図32では、無線端末装置以外の他の装置を用いてサービス接続状態を変更する例を示す。
図31および図32は、本発明の第5の実施の形態における通信システム780を構成する各装置間における通信処理例を示すシーケンスチャートである。
図31および図32では、第3の無線端末装置800が所望のサービスを受けることができる接続状態である場合に、情報処理端末790を用いてその接続状態を変更する例を示す。なお、図31および図32に示す例は、図27および図28の変形例であるため、図27および図28と共通する部分(図27および図28と対応する部分)についての説明の一部を省略する。
最初に、情報処理端末790において、第3の無線端末装置800が所望のサービスを受けることができる接続状態を変更するための接続権変更操作が行われる(957)。これにより、接続権変更情報要求が、情報処理端末790から加入者情報保持サーバ791に、インターネット789、第2のネットワーク制御装置784を介して送信される(958、959)。なお、これ以降の各処理(958乃至986)については、ユーザ操作に係る装置が異なる以外は、図27および図28の各処理(843乃至871)と略同様である。
また、第3の無線端末装置800から第1の無線端末装置300への接続権変更処理が終了した場合には、接続権変更処理完了情報が、加入者情報保持サーバ791から情報処理端末790に送信される(987、988)。
このように、本発明の第5の実施の形態では、ネットワーク接続権を管理するための無線事業者に係るネットワーク接続権を各無線端末装置が保持する。また、所望のサービスを受けるための無線事業者に係るネットワーク接続権を複数の無線端末装置が共有する。また、複数の無線端末装置間においてネットワーク接続権を共有する各種通信システムに、本発明の第5の実施の形態を適用することができる。
また、本発明の実施の形態では、第1のネットワーク(例えば、第1の無線事業者)に接続するための第1のネットワーク接続権と、他のネットワーク(例えば、第2の無線事業者)に接続するための第2のネットワーク接続権とを設定することができる。
また、各無線端末装置の制御部330は、加入者情報保持サーバに書換情報(例えば、接続権変更要求)を送信する場合において、第2のネットワーク接続権に基づく接続が行われている場合には、第1のネットワーク接続権に基づく再接続を行う。そして、その制御部330は、その再接続を行った後にその書換情報を送信する制御を行う。
また、各無線端末装置の受信部は、無線端末装置管理データベース(690、810等)の内容を含むデータベース情報を加入者情報保持サーバから受信する。また、各無線端末装置の制御部330は、受信したデータベース情報に基づいてその内容を表示部370に表示させる。そして、各無線端末装置の制御部330は、表示部370に表示されている内容を書き換えるためのユーザ操作に基づく書換情報(例えば、接続権変更要求)を加入者情報保持サーバに送信する制御を行う。
また、無線端末装置管理データベース(690、810等)は、複数の無線端末装置を識別するための識別情報を各無線端末装置と関連付けて保持する。そして、加入者情報保持サーバの制御部は、ユーザ操作に基づくその識別情報の取得要求を受信した場合には、その取得要求に基づいてその識別情報を、その取得要求に係る無線端末装置に送信する制御を行う。
また、無線端末装置管理データベース(690、810等)は、複数の無線端末装置のそれぞれが接続されているネットワーク制御装置に関する情報(812、813等)を各無線端末装置と関連付けて保持する。
また、無線端末装置管理データベース(690、810等)は、IMEI、IMSI、各識別情報等を含む。なお、IMSIは、例えば、ネットワーク接続権に係るUSIM情報(契約認証情報)を識別するための識別情報であり、IMEIは、例えば、複数の無線端末装置を識別するための識別情報である。また、識別情報は、例えば、複数の無線端末装置を識別するための識別情報(ユーザ操作により設定される名称694、816等)である。また、識別情報は、例えば、複数の無線端末装置のうちからネットワークを介して所望のサービスの提供を受けることができる特定状態となっている無線端末装置を識別するための識別情報(692、812、813等)である。また、識別情報は、例えば、複数の無線端末装置のうちからネットワークを介して所望のサービスの提供を受けることができる特定のネットワーク接続権が設定されている無線端末装置を識別するための識別情報(692、812、813等)である。
なお、携帯電話装置以外の携帯型または固定型の無線端末装置(例えば、データ通信専用端末装置)や、固定型の無線端末装置(例えば、自動販売機のデータ収集を目的とする無線端末装置)に本発明の実施の形態を適用することができる。
また、本発明の実施の形態では、ネットワーク接続権として、USIM情報の使用権を例にして説明した。ただし、他の情報に基づいて、所定のネットワークと接続するための他のネットワーク接続権についても、本発明の実施の形態を適用することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。