JPWO2006025304A1 - 動脈硬化検知用mri造影剤 - Google Patents
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Abstract
不対電子を有する原子および/または分子を含みMRI信号を上昇または低下させる造影ユニットに、動脈硬化部位を選択的に認識し該部位に結合する検知ユニットが結合されているMRI造影剤。検知ユニットに含まれる化学構造式として下記の式(I)で表わされるものが例示される。式(I)中、R1〜R11の少なくとも1つは、例えばスルホン酸基であり、Xは、例えばフェニル基または置換フェニル基である。【化1】
Description
本発明は、生体内試験のための製剤の技術分野に属し、特に、MRIを用いて動脈硬化部位を検知するのに有用な造影剤に関する。
動脈硬化(症)は、生命維持活動に欠くことができない脳、心臓、腎臓に大きな影響を与えるので、その診断はきわめて重要である。
動脈硬化は、(1)動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなる粥状物質が蓄積してアテロームプラーク(粥状硬化斑)ができ、動脈の内腔を狭めるアテローム(粥状)硬化、(2)高血圧による変化で、細動脈の肥厚や内腔の狭窄をきたす細動脈硬化、および(3)動脈の中膜にカルシウムがたまって輪状の石灰化が生じるメンケルベルグ型(中膜)硬化の3種類に分類され、その中で臨床病理学的に最も重要なものは、脳梗塞、大動脈瘤、虚血性心疾患、下肢の壊疽などの重篤な疾患の基になるアテローム硬化である。
動脈硬化は、(1)動脈の内膜にコレステロールなどの脂肪からなる粥状物質が蓄積してアテロームプラーク(粥状硬化斑)ができ、動脈の内腔を狭めるアテローム(粥状)硬化、(2)高血圧による変化で、細動脈の肥厚や内腔の狭窄をきたす細動脈硬化、および(3)動脈の中膜にカルシウムがたまって輪状の石灰化が生じるメンケルベルグ型(中膜)硬化の3種類に分類され、その中で臨床病理学的に最も重要なものは、脳梗塞、大動脈瘤、虚血性心疾患、下肢の壊疽などの重篤な疾患の基になるアテローム硬化である。
動脈硬化(症)の診断では、心電図、眼底、上腕動脈と足関節上部の血圧の比などを測定、検査する予備的診断を行なった後、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴法)の他、超音波検査、CT検査、アイソトープを注入する血流シンチグラム、カテーテルを挿入する内視鏡観察などの手段を用いる精密検査が実施される。このうち、MRIを利用する診断は、患者の苦痛を伴わない非侵襲的検査法として有用であるが、従来より行なわれているMRIによる検査は、動脈の狭窄、閉塞または拡張の全体的な程度を調べるものであり、動脈硬化部位(動脈硬化症病変部位)を直接的に検知するためのものではない。動脈硬化部位、特に、アテローム硬化を起こしている部位そのものを検知することができれば、動脈硬化に由来する各種の疾病の早期診断や早期治療に資することができると考えられるが、そのような手段は殆ど見当たらない。
Misselwitsらは、よく知られたMRI造影剤であるGd−DTPAにリンカーを介してフルオロアルカンが結合された化合物から成るMRI造影剤を案出している〔Circulation. June 15, 2004:2890-2896(非特許文献1);WO97/26017:PCT/EP97/00209(特許文献1)〕この化合物は、フルオロアルカンがアテロームプラークの脂質に溶け込むことを利用して動脈硬化部位を造影することを目的としているが、該化合物を用いるMRIは磁気緩和能が大きすぎるので通常の条件ではコントラストが得られず特殊な撮像処理を必要とする。さらに、この化合物は体内に残留してしまうという問題も有している。
Circulation. June 15, 2004:2890-2896 WO97/26017:PCT/EP97/00209
Circulation. June 15, 2004:2890-2896
本発明の目的は、動脈硬化部位を直接的に検知して造影することができる動脈硬化検知用MRI造影剤を提供することにある。
本発明者は、検討を重ねた結果、動脈硬化部位を選択的に認識してこれに結合する物質が存在することに注目し、その構造ユニットと造影作用のあるユニットとを組み合わせることにより本発明を導き出したものである。
かくして、本発明に従えば、不対電子を有する原子および/または分子を含みMRI信号を上昇または低下させる造影ユニットに、動脈硬化部位を選択的に認識し該部位に結合する検知ユニットが結合されていることを特徴とする動脈硬化検知用MRI造影剤が提供される。
本発明のMRI造影剤の検知ユニットの好ましい例として下記の一般式(I)で表わされるような化学構造を含むものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
式(I)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11の少なくとも1つは、それぞれ独立して、スルホン酸基、ヒドロキシル基、またはアミノ基であってもよく、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基であってもよく、上記官能基のいずれでもないR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11は水素原子を表わし、Xは、存在する場合には、フェニル基、または少なくとも1個所が炭素数1〜3のアルキル基もしくはアルコキシ基で置換されたフェニル基を表わす。
なお、本明細書および図面に示す化学構造式においては、慣用的な表示法に従い、炭素原子や水素原子を省略していることもある。
なお、本明細書および図面に示す化学構造式においては、慣用的な表示法に従い、炭素原子や水素原子を省略していることもある。
本発明に従えば、アテロームプラークのできているアテローム硬化をはじめとする動脈硬化部位そのものを直接的に検知し且つこれを造影することができる。本発明のMRI造影剤は、通常のMRI条件下でMRI測定を行なうことができ、特殊な撮像処理を必要としない。本発明のMRI造影剤は、既知の合成反応を利用して簡単に調製することができ、比較的少量で造影剤として使用されるのでそのコストも低廉である。
本発明のMRI造影剤の検知ユニットの好ましい例に含まれる化学構造を表わす式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびR11(以下、R1〜R11と記す)の少なくとも1つは、既述のように、それぞれ独立して、スルホン酸基(−SO3H)、ヒドロキシル基(−OH)またはアミノ基(−NH2)であってもよい。すなわち、R1〜R11は、全てが水素原子である(無置換である)か、または、少なくとも1つは、スルホン酸基、ヒドロキシル基またはアミノ基であり、そして、R1〜R11の2つ以上がスルホン酸基、ヒドロキシル基またはアミノ基である場合、それらの2つ以上の官能基は互いに同一のものであってもよく別異のものであってもよい。一般的には、本発明のMRI造影剤の水溶性を高めるために(特に、造影ユニットの親水性が低い場合)、R1〜R11の少なくとも1つはスルホン酸基であることが好ましい。
また、式(I)において、R1〜R11のうち、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシ基であってもよく、特に好ましいのはメチル基である。上述したようないずれの官能基でもないR1〜R11は水素原子を表わす。
さらに、式(I)においてXは存在しない場合もあり、この場合は式(I)に示すベンゼン環に直接−NHが結合している。Xは、存在する場合には、フェニル基、または少なくとも1個所が炭素数1〜3のアルキル基もしくはアルコキシ基(好ましくはメチル基)で置換されたフェニル基を表わす。
かくして、本発明のMRI造影剤を構成する検知ユニットに含まれる化学構造の好ましい例として、下記の(II)、(III)、(IV)、(V)または(VI)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一方、本発明のMRI造影剤の造影ユニットは、不対電子を有する原子および/または分子を含みMRI信号を上昇または低下させるものであればよく、特に制限はない。すなわち、MRIにおいてプロトンの緩和時間(T1、T2)を短縮する等の作用に基づき造影作用のあるものとして知られている各種の物質が、本発明のMRI造影剤の造影ユニットとして用いることができる。例えば、常磁性を示す金属イオン(Gd3+、Dy3+、Eu3+、Fe3+、Mn2+など)のキレート錯体;ピペリジン誘導体やピロリジン誘導体などのニトロキシドラジカル分子;マグネタイト(Fe3O4)のような強磁性体などが使用可能であるが、特に好ましいのは、DTPA、DOTA、EDTAなどをリガンド(配位子)とするガドリニウム(Gd(III))のキレート錯体である。
かくして、本発明に従うMRI造影剤の好ましい具体例として、その造影ユニットがGd(III)のDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)錯体から成り、検知ユニットが上記の式(II)の化学構造式から成る下記の式(VII)で表わされるものが挙げられるが、勿論、これに限定されるものではない。
本発明のMRI造影剤は、既知の反応を工夫することによって容易に合成することができる。例えば、造影ユニットとしてガドリニウムのキレート錯体のような金属錯体を用いる場合には、一般に、式(I)で表わされる検知ユニットの一部分に相当するアミノ化合物をBoc化(t−ブトキシカルボニル化)して、金属錯体のリガンド部分と反応させた後、Boc基を除去し、式(I)で表わされる検知ユニットの残りの部分をジアゾカップリング反応により結合させ、次いで、金属と錯形成することによって、目的のMRI造影剤が得られる(後述の実施例1参照)。
以上のようにして得られる本発明のMRI造影剤は、その検知ユニットが動脈硬化部位を選択的に認識して該部位に結合するとともに、その造影ユニットがこれをMRI信号(シグナル)として造影することができる。
以下に、本発明の特徴をさらに具体的に示すため実施例を記すが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
以下に、本発明の特徴をさらに具体的に示すため実施例を記すが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
造影剤の合成
図1に示す反応スキームに従って、既述の式(VII)で表わされる本発明のMRI造影剤を合成した。
(1)Boc DMBの合成(工程A):
ジメチルベンジジン(DMB)1.0g(4.71mmol)、ジブトキシカルボニルケトン(Boc2O)1.284g(5.88mmol)、トリエチルアミン0.714gをジクロロメタン20ml中で混合し、室温で48時間攪拌した。反応液は濾過後、クロロホルムを加え、L−酒石酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄することで未反応のDMBを除去した。クロロホルム相を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後、減圧乾燥し目的物を得た(0.60g)。
(2)DMB−DTPAの合成(工程B):
Boc DMB0.30g(0.96mmol)を溶解したピリジン20ml中に無水DTPA0.343g(0.96mmol)を懸濁し、窒素置換後、容器(ナスフラスコ)を密閉し、50℃で一晩攪拌した。未反応の無水DTPAを吸引濾別し濾液を減圧乾燥後、0.1M NaOHを6ml(0.6mmol)加え、1時間放置後、これを凍結乾燥した。これを水に再溶解し、ODSシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより目的物中間体を分取した。これにTFAを4ml加え溶解後、30分放置し、その後、エーテル40mlを加えた後に、析出物を回収することでBoc基の除去を行い目的物を得た。収量0.85g。
(3)ジアゾカップリング(工程C):
DMB−DTPA:65mg(62.3μmol)、35%HCl:16.5μl(187μmol)を水1ml中で混合し、これにNaNO2:4.5mg(65.2μmol)を加え、30分攪拌することでジアゾニウム塩化を行なった。これを1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸のモノナトリウム塩21.2mg(62.2μmol)、Na2CO3 26.4mg(249μmol)を含む水溶液1mlに氷浴上で滴下し、ジアゾカップリングを行なった。反応終了後、反応液に35%HClを滴下することで析出させ、これを回収することで目的物を得た。収量:42.5mg。
(4)ガドリニウムとの錯形成:
ジアゾカップリング後のサンプル19.8mgを水2.2mlに溶解し、等モルの1M GdCl3水溶液を加えた後に、1M NaOH水溶液にてpHを7に調製することで目的物(VI)を10mMで含む水溶液を得た。
図1に示す反応スキームに従って、既述の式(VII)で表わされる本発明のMRI造影剤を合成した。
(1)Boc DMBの合成(工程A):
ジメチルベンジジン(DMB)1.0g(4.71mmol)、ジブトキシカルボニルケトン(Boc2O)1.284g(5.88mmol)、トリエチルアミン0.714gをジクロロメタン20ml中で混合し、室温で48時間攪拌した。反応液は濾過後、クロロホルムを加え、L−酒石酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄することで未反応のDMBを除去した。クロロホルム相を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後、減圧乾燥し目的物を得た(0.60g)。
(2)DMB−DTPAの合成(工程B):
Boc DMB0.30g(0.96mmol)を溶解したピリジン20ml中に無水DTPA0.343g(0.96mmol)を懸濁し、窒素置換後、容器(ナスフラスコ)を密閉し、50℃で一晩攪拌した。未反応の無水DTPAを吸引濾別し濾液を減圧乾燥後、0.1M NaOHを6ml(0.6mmol)加え、1時間放置後、これを凍結乾燥した。これを水に再溶解し、ODSシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより目的物中間体を分取した。これにTFAを4ml加え溶解後、30分放置し、その後、エーテル40mlを加えた後に、析出物を回収することでBoc基の除去を行い目的物を得た。収量0.85g。
(3)ジアゾカップリング(工程C):
DMB−DTPA:65mg(62.3μmol)、35%HCl:16.5μl(187μmol)を水1ml中で混合し、これにNaNO2:4.5mg(65.2μmol)を加え、30分攪拌することでジアゾニウム塩化を行なった。これを1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸のモノナトリウム塩21.2mg(62.2μmol)、Na2CO3 26.4mg(249μmol)を含む水溶液1mlに氷浴上で滴下し、ジアゾカップリングを行なった。反応終了後、反応液に35%HClを滴下することで析出させ、これを回収することで目的物を得た。収量:42.5mg。
(4)ガドリニウムとの錯形成:
ジアゾカップリング後のサンプル19.8mgを水2.2mlに溶解し、等モルの1M GdCl3水溶液を加えた後に、1M NaOH水溶液にてpHを7に調製することで目的物(VI)を10mMで含む水溶液を得た。
MRIによる造影評価
実施例1で合成した造影剤(EB−DTPA−Gd)について、ApoEノックアウトマウスを用いて造影評価を行なった。コントロールとして従来からよく知られた造影剤であるGd−DTPAについても同様の評価実験を行なった。ApoEノックアウトマウス(九動株式会社より市販)は、動脈硬化症のモデルマウスであり、加齢に伴い動脈硬化が進行し循環器疾患を引き起こす。
ApoEノックアウトマウス(生後6ヶ月あるいは12ヶ月、体重32g〜36g)をインビトロMRI用のプローブに固定し、投与前のMRI像を撮像した。その後、EB−DTPA−GdあるいはGd−DTPAの生理食塩水溶液を尾静脈投与し、直後から撮像を開始した。造影剤の投与量は、160μmol/kgとした(EB−DTPA−Gdの場合は、20mM溶液として260〜290μL、Gd−DTPAの場合は、50mM溶液として100uL)。撮像条件は次のとおりである:撮像時間(9m36s)、TR(500msec)、Te(25msec)、スピンエコー法によるT1強調を撮像。
投与直後からMRI撮像を行なうと、動脈硬化による不安定プラークを発症している上行大動脈のシグナルの増大が観察された。特に、動脈硬化が重症になり、動脈全体が炎症を起こしている生後12ヶ月のマウスでは、上行大動脈全般にわたってシグナルの増大が見られた(図2参照)。図2は、マウスの身体縦方向の断面の撮像写真であり、理解を容易にするため、投与前の横隔膜の位置および投与後に見られる上行大動脈のシグナルの位置を手書きにより示している。生後6ヶ月のマウスでは、シグナルの上昇の見られる箇所が点在した。この箇所は、不安定プラークの位置と一致していた。一方、一般の造影剤であるGd−DTPAでは、同様の投与により、当該血管のシグナル上昇は全く見られなかった(図3参照)。なお、正常なマウスに本発明に従う造影剤EB−DTPA−Gdを投与して同様の条件下に造影評価を試みた場合には造影の変化は認められなかった。
以上の結果は、本発明の造影剤が、動脈硬化病変部位にある不安定プラークを検出する能力を有していることを示すものである。
実施例1で合成した造影剤(EB−DTPA−Gd)について、ApoEノックアウトマウスを用いて造影評価を行なった。コントロールとして従来からよく知られた造影剤であるGd−DTPAについても同様の評価実験を行なった。ApoEノックアウトマウス(九動株式会社より市販)は、動脈硬化症のモデルマウスであり、加齢に伴い動脈硬化が進行し循環器疾患を引き起こす。
ApoEノックアウトマウス(生後6ヶ月あるいは12ヶ月、体重32g〜36g)をインビトロMRI用のプローブに固定し、投与前のMRI像を撮像した。その後、EB−DTPA−GdあるいはGd−DTPAの生理食塩水溶液を尾静脈投与し、直後から撮像を開始した。造影剤の投与量は、160μmol/kgとした(EB−DTPA−Gdの場合は、20mM溶液として260〜290μL、Gd−DTPAの場合は、50mM溶液として100uL)。撮像条件は次のとおりである:撮像時間(9m36s)、TR(500msec)、Te(25msec)、スピンエコー法によるT1強調を撮像。
投与直後からMRI撮像を行なうと、動脈硬化による不安定プラークを発症している上行大動脈のシグナルの増大が観察された。特に、動脈硬化が重症になり、動脈全体が炎症を起こしている生後12ヶ月のマウスでは、上行大動脈全般にわたってシグナルの増大が見られた(図2参照)。図2は、マウスの身体縦方向の断面の撮像写真であり、理解を容易にするため、投与前の横隔膜の位置および投与後に見られる上行大動脈のシグナルの位置を手書きにより示している。生後6ヶ月のマウスでは、シグナルの上昇の見られる箇所が点在した。この箇所は、不安定プラークの位置と一致していた。一方、一般の造影剤であるGd−DTPAでは、同様の投与により、当該血管のシグナル上昇は全く見られなかった(図3参照)。なお、正常なマウスに本発明に従う造影剤EB−DTPA−Gdを投与して同様の条件下に造影評価を試みた場合には造影の変化は認められなかった。
以上の結果は、本発明の造影剤が、動脈硬化病変部位にある不安定プラークを検出する能力を有していることを示すものである。
本発明のMRI造影剤は、アテローム硬化に代表される動脈硬化の存在部位を直接的に検知することができるので、動脈硬化に起因する各種の疾病の早期診断や早期治療にきわめて有用である。
Claims (5)
- 不対電子を有する原子および/または分子を含みMRI信号を上昇または低下させる造影ユニットに、動脈硬化部位を選択的に認識し該部位に結合する検知ユニットが結合されていることを特徴とする動脈硬化検知用MRI造影剤。
- 検知ユニットが下記の一般式(I)で表わされる化学構造を含むことを特徴とする請求項1に記載のMRI造影剤。
- 検知ユニットが、下記の式(II)、(III)、(IV)または(V)で表わされる化学構造を含むものであることを特徴とする請求項2に記載のMRI造影剤。
- 造影ユニットが、ガドリニウムのキレート錯体から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のMRI造影剤。
- 下記の式(VII)で表わされる化学構造から成ることを特徴とする請求項4に記載のMRI造影剤。
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2005
- 2005-08-29 WO PCT/JP2005/015631 patent/WO2006025304A1/ja active Application Filing
- 2005-08-29 JP JP2006532657A patent/JPWO2006025304A1/ja active Pending
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Also Published As
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WO2006025304A1 (ja) | 2006-03-09 |
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