JPWO2006025086A1 - ゴムブッシュ - Google Patents
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Abstract
本発明は、内筒1と外筒2との間にゴム状弾性体5を介在させ、その内筒1を薄肉の内筒に厚肉の内筒を内嵌圧入して構成する場合に、薄肉の内筒に厚肉の内筒を容易に圧入することができる構造のゴムブッシュを提供するものである。その手段として、薄肉の内筒を第1内筒9として、厚肉の内筒をその中心軸方向に二分割した第2内筒10a、10bとする。第1内筒9の両端側に第2内筒10a、10bを配置し、これを挟圧して、第1内筒9に第2内筒10a、10bを内嵌圧入する。第2内筒10a、10bの外周面にフランジ11を設けておき、これを第1内筒9の端面に当接させることにより、第2内筒10a、10bを中心軸方向に位置決めする。
Description
本発明は、例えば自動車のフロント側のロアリンクに設置されるゴムブッシュに関するものである。
一般に、この種のゴムブッシュは、自動車ボディ側のブラケットに連結される内筒と、その周囲に配置されたロアリンク側の外筒と、内筒と外筒との間に介在するゴム状弾性体とを備えている。このゴムブッシュには、通常、耐久性を向上させるため、外筒を縮径する方向に絞り加工を施し、内外筒間に介在されるゴム状弾性体に予備圧縮が与えられている。
さらに、特許文献1は、外筒101の絞り加工の代わりに、あるいはこれと併用して、内筒102を拡径することでゴム状弾性体103に予備圧縮を与えるようにしたゴムブッシュを開示している。図6に特許文献1のゴムブッシュの断面図を示す。このゴムブッシュは、拡径しやすい薄肉の内筒102を拡径した後、薄肉の内筒102を補強する意味で、薄肉の内筒102に、これとは別に厚肉の内筒104を内嵌している。
特開平11−201218号公報(段落番号0004、0005、図8)
ところが、特許文献1のゴムブッシュは、その薄肉の内筒に厚肉の内筒を圧入する際に、薄肉の内筒を受け、かつ、厚肉の内筒を薄肉の内筒に対して中心軸方向に位置決めするための設備を必要とする。
本発明は、薄肉の内筒に厚肉の内筒を容易に圧入することができる構造のゴムブッシュを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明が提供するゴムブッシュは、内筒と、この内筒の周囲に配置された外筒と、内筒と外筒との間に介在されたゴム状弾性体とを備えたものであり、その内筒を、ゴム状弾性体を予備圧縮するために拡径される第1内筒に、第1内筒よりも厚肉の第2内筒を内嵌圧入した構成とするものである。さらに、第2内筒をその中心軸方向に二分割した構造として、第1内筒の両端側から内嵌圧入するようにし、二分割された第2内筒のそれぞれの外周面に、第1内筒の端面に当接して第2内筒を中心軸方向に位置決めする位置決め部を設けるものである。
この構成によれば、第1内筒の両端に、二分割された第2内筒のそれぞれの内端を挿入し、この第2内筒の外端面同士を中心軸方向に挟圧することにより、第1内筒に第2内筒を内嵌圧入することができる。これにより、第2内筒を圧入する設備には、第2内筒の内嵌圧入に際して第1内筒を受ける受け部が不要になる。また、第2内筒自体に位置決め部を設けるので、圧入設備に第2内筒の位置決め用の部材が不要になり、圧入設備を簡単にすることができる。
二分割された第2内筒のそれぞれの内端面から位置決め部までの長さは、その合計が第1内筒の長さに等しくなるように設定する。そうすれば、第1内筒に内嵌圧入した状態で、第1内筒の全長に渡って第2内筒を内嵌することになり、薄肉の第1内筒の全体を厚肉
の第2内筒で補強することができる。また、第2内筒の内端面同士が当接するので、ボルト締結などによって内筒に作用する軸力を厚肉の第2内筒に受け持たせることができる。
の第2内筒で補強することができる。また、第2内筒の内端面同士が当接するので、ボルト締結などによって内筒に作用する軸力を厚肉の第2内筒に受け持たせることができる。
さらに、二分割された第2内筒のそれぞれの内端面から位置決め部までの長さは、両者共に第1内筒の長さの1/2に設定する。これにより、二分割された第2内筒を同じものとすることができ、部品の共通化を図ることができる。
なお、二分割された第2内筒は、その内端面から位置決め部までの長さを互いに異なる長さに設定してもよく、その長さの合計を第1内筒の長さよりも短く設定して、第2内筒の内端面同士の間に隙間ができるようにしてもよい。
位置決め部は、第2内筒の外端側が第1内筒よりも大径になるように形成した段差であってもよいが、第2内筒の中心軸に直交する方向に突出するフランジとすれば、第2内筒の外端側の肉厚を薄くしてゴムブッシュの軽量化を図ることができる。
第2内筒の外端面が第1内筒の内径よりも大径であるものに本発明を採用すれば、本発明の好適な態様を提供することができる。つまり、第2内筒を分割していない場合には、その外端面が第1内筒の内径よりも大径であるものを第1内筒に内嵌圧入することができず、内嵌圧入後に第2内筒の外端面を拡径する必要がある。これに対して、第2内筒を二分割にすることにより、その外端面が第1内筒の内径よりも大径である第2内筒を第1内筒に圧入することができる。
内筒と外筒との間に中間筒が介在し、内筒と中間筒との間、および外筒と中間筒との間のそれぞれにゴム状弾性体が介在する構成のゴムブッシュは、内筒の周囲のゴム状弾性体に予備圧縮を与えるのに内筒を拡径するのがよく、本発明の好適な態様を提供することができる。また、ゴム状弾性体に液体を封入する液封部を形成した構成のゴムブッシュに本発明を採用することもできる。
また、本発明は、内筒と、この内筒の周囲に配置された外筒と、内筒と外筒との間に介在されたゴム状弾性体とを備えたゴムブッシュを製造するゴムブッシュの製造方法を提供する。
具体的には、まず、第1内筒とその周囲に配置した外筒との間にゴム状弾性体を介在させる。次いで、拡径ピンを挿通して第1内筒を拡径することによりゴム状弾性体を予備圧縮する。その後、第1内筒よりも厚肉で中心軸方向に二分割された第2内筒の内端を第1内筒の両端に挿入する。二分割された第2内筒のそれぞれの外周面に形成した位置決め部が第1内筒の端面に当接するまで、第2内筒をその外端面同士を挟圧するようにして第1内筒に内嵌圧入する。この第2内筒の内嵌圧入により、第1内筒をさらに拡径しつつ、第1内筒に第2内筒を固定してなる内筒を構成する。
ゴム状弾性体に液体を封入する液封部を形成する場合には、第1内筒とその周囲に配置した外筒との間にゴム状弾性体を介在させる手順として、第1内筒の周囲にゴム状弾性体を加硫成形して液封部を形成し、その周囲に外筒を配置して液中で縮径する。これにより、第1内筒およびゴム状弾性体を備えたゴム成形品に外筒を固定すると共に、液封部に液を封入する。
以上のとおり、本発明によると、ゴムブッシュの内筒として、薄肉の第1内筒の両端側に二分割された厚肉の第2内筒を内嵌圧入した構造を採用し、その第2内筒自体に位置決め部を設けている。
この構造を採用することにより、第2内筒を中心軸方向に挟圧するだけで、第1内筒に対して中心軸方向の所定の位置まで容易に内嵌圧入することができる。これにより、その圧入設備における第1内筒の受け部、および第2内筒を第1内筒に対して中心軸方向に位置決めするための部位を不要にして、圧入設備を簡単にすることができる。
1 内筒
2 外筒
3 第1中間筒
4 第2中間筒
5 第1ゴム状弾性体
6、6a、6b
第2ゴム状弾性体
7 液封部
7a、7b
液室
8 ストッパ金具
8a ストッパ部
8b 棒状部
9 第1内筒
10、10a、10b
第2内筒
11 フランジ
12 内端面
13 開口
14 オリフィス
15 バルブ
16 予備通路
17 拡径治具
18 圧入治具
19 載置台
20 拡径ピン
21 受け部
22 貫通孔
23 挿入部
24 第1拡径部
25 中央部
26 第2拡径部
27 基端部
28 載置台
29 ガイド
30 押し筒
2 外筒
3 第1中間筒
4 第2中間筒
5 第1ゴム状弾性体
6、6a、6b
第2ゴム状弾性体
7 液封部
7a、7b
液室
8 ストッパ金具
8a ストッパ部
8b 棒状部
9 第1内筒
10、10a、10b
第2内筒
11 フランジ
12 内端面
13 開口
14 オリフィス
15 バルブ
16 予備通路
17 拡径治具
18 圧入治具
19 載置台
20 拡径ピン
21 受け部
22 貫通孔
23 挿入部
24 第1拡径部
25 中央部
26 第2拡径部
27 基端部
28 載置台
29 ガイド
30 押し筒
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るゴムブッシュを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図2は図1が示すゴムブッシュの断面図であり、(a)はA−A断面図、(b)はB−B断面図、(c)はC−C断面図である。
このゴムブッシュは、例えばその中心軸を上下方向に向けて自動車のフロント側のロアリンクに設置される液封入式のゴムブッシュであり、内筒1と、内筒1の周囲に配置された外筒2と、内筒1と外筒2との間に配置された第1中間筒3と、さらに第1中間筒3と外筒2との間に配置された第2中間筒4と、内筒1と第1中間筒3との間に介在された第1ゴム状弾性体5と、第1中間筒3と外筒2との間に介在された第2ゴム状弾性体6と、液体を封入する液封部7と、第1中間筒3と外筒2との相対的な大変位を規制するストッパ金具8とを備えている。
内筒1は、第1ゴム状弾性体5を予備圧縮するための拡径が容易なように薄肉に設定された第1内筒9に、第1内筒9よりも厚肉の第2内筒10を内嵌圧入した構成とされ、薄肉の第1内筒9を厚肉の第2内筒10が補強するようになっている。
第1内筒9は、例えば冷間継ぎ目無し構造用鋼管(STKM11A−SC)により円筒状に形成される。
第2内筒10は、その中心軸方向に二分割されて、二分割された第2内筒10a、10bが第1内筒9の両端側から内嵌圧入されている。第2内筒10の外端面は、第1内筒9の内径よりも大径に設定され、内筒1の締結面積を大きく設定している。
第2内筒10a、10bは、鋳造品又は鍛造品とされ、その外周面に第2内筒10a、10bの中心軸に直交する方向に突出するフランジ11が設けられている。フランジ11は、第1中間筒3の内周面に当接して内筒1と第1中間筒3との相対的な大変位を規制するストッパとしての機能と、第1内筒9の端面に当接して第2内筒10a、10bを中心軸方向に位置決めする位置決め部としての機能とを備えている。
第2内筒10a、10bのフランジ11から内端面12までの長さは、第1内筒9の長さの1/2の長さに設定されている。これにより、第2内筒10a、10bのフランジ11からフランジ11までの長さが第1内筒9の長さに等しくなり、第1内筒9の全体を補強する。また、第2内筒10a、10bの内端面12同士が当接することにより、内筒1に作用する軸力を厚肉の第2内筒10が受け持つようになっている。
外筒2は、円筒状に形成されたもので、その材質、径、厚みなどは適宜選択できるが、外筒2に絞り加工を施しやすい材質、例えば圧延鋼材(SPH、SPC)が使用可能である。また、外筒2の厚みも絞り加工を施しやすい厚みに設定するのがよい。この外筒2の径は使用箇所、第1、第2ゴム状弾性体5、6の減衰性能などにより適宜選択でき、筒状のものならば、本実施形態のような円筒状に限らず、角筒や楕円筒などであってもよい。
第1中間筒3は、円筒状に形成されたもので、こじり入力のほとんどを減衰する第1ゴム状弾性体5と、軸直角方向の入力を減衰する液封部7を有する第2ゴム状弾性体6とを仕切り、第1、第2ゴム状弾性体5、6の耐久性を向上させている。
第2中間筒4は、その中心軸方向における両端部が中央部よりも大径に形成され、その両端部を半径方向の内向きに締め付けるように外筒2が固定される。第2中間筒4の中心軸方向における中央部には、その左右部分に開口13が形成され、この開口13を通じて、第2中間筒4の内外の第2ゴム状弾性体6a、6bが連続している。
第1、第2ゴム状弾性体5、6は、要求される使用目的及び特性等により、天然ゴム、合成ゴム、あるいはこれらの混合した材料から適宜選択されるもので、第1内筒9、第1中間筒3および第2中間筒4に加硫接着されている。
第2ゴム状弾性体6には、エチレングリコール液などの液を封入して、その液の流動により振動を減衰する液封部7が形成されている。液封部7は、二つの液室7a、7bと、液室7a、7bを連通するオリフィス14と、バルブ15によって開閉される予備通路16とからなる。
液室7a、7bは、第2中間筒4の開口13に対応する部位の外周面を凹設したものであり、開口13を貫通する深さに形成される。この液室7a、7bは、開口13と開口13との間において、第2中間筒4の外周面側に位置する第2ゴム状弾性体6bによって互いに仕切られている。
液室7a、7bには、中心軸方向の中央部において、外筒2の内周面側から半径方向の内向きにストッパ金具8が突出している。ストッパ金具8は、第1中間筒3と外筒2とが相対的に大変位したときに、第1中間筒3の外周面を覆う第2ゴム状弾性体6からなる液室7a、7bの壁面に当接して、その変位を規制するストッパ部8aと、液室7a、7bを仕切る第2ゴム状弾性体6bに埋設される棒状部8bとからなり、全体として、二つ割りの略リング状を構成する。
オリフィス14は、ストッパ金具8に形成され、そのストッパ部8aに形成された出入口を介して液室7a、7bを連通する。
予備通路16は、液室7a、7bを仕切る第2ゴム状弾性体6bに形成された通路であり、通常は、バルブ15によって閉じられている。液室7a、7bのうちの一方における液圧が高まって、その液圧によりバルブ15が開いたときに液室7a、7bを連通することにより、液圧が過大になることを防止して、第2ゴム状弾性体6の耐久性を高めるようになっている。
次に、本発明のゴムブッシュを製造するゴムブッシュの製造方法を説明する。
まず、第1内筒9、第1中間筒3および第2中間筒4に化成処理や接着剤塗布などの金属処理を施し、第1内筒9の周囲に第1中間筒3を配置して、その周囲に第2中間灯4を配置する。
次いで、第1内筒9と第1中間筒3との間に第1ゴム状弾性体5を、第1中間筒3と第2中間筒との間に第2ゴム状弾性体6aを、第2中間筒の外周側に第2ゴム状弾性体6bを加硫成形する。これにより、第1内筒9、第1中間筒3、第2中間筒4および第1、第2ゴム状弾性体5、6からなるゴム成形品が構成される。
ゴム成形品の第2中間筒4の両端部に絞り加工を施して縮径しつつ、その両端縁の径が小さくなるように中心軸方向に対して傾斜させる。ゴム成形品の中心軸方向における中央部に、二つ割りのストッパ金具8を装着して、ゴム成形品の周囲を取り巻く略リング状のストッパ金具8を構成する。
ストッパ金具8を装着したゴム成形品を液中で治具にセットして、これに外筒2を被せ、外筒2に絞り加工を施して縮径する。これにより、外筒2で第2中間筒4の両端部およびストッパ金具8を締め付けて、ゴム成形品に外筒2を固定すると共に、液封部7に液を封入する。その後、外筒2の両端縁にカーリング加工を施して半径方向の内向きにカールさせる。
図3に示すように、拡径治具17を用いて、第1内筒9を拡径して第1ゴム状弾性体5を予備圧縮した後、圧入治具18を用いて、第1内筒9の両端側から第2内筒10a、10bを内嵌圧入し、防錆液を塗布してゴムブッシュの製造が完了する。
ここで、拡径用治具17の構成、および拡径用治具17を用いて第1内筒9を拡径する手順について説明する。図4は拡径用治具の側面図である。
この拡径用治具17は、第2内筒10a、10bを圧入する前のゴムブッシュを載置する載置台19と、第1内筒9に挿通して拡径する拡径ピン20とからなる。
載置台19の上面には、第1内筒9の一端を受ける受け部21が突設されている。受け部21は、拡径ピン20を貫通させる貫通孔22を有する断面円形の突起とされ、第1中間筒3に内嵌されてゴムブッシュを位置決めすると共に、その上面で第1内筒9の一端を受けるようになっている。受け部21の高さは、第1中間筒3の端面から第1内筒9の端面までの距離とほぼ等しくされる。
拡径ピン20を構成する部位は、先端側から順に、挿入部23、第1拡径部24、中央部25、第2拡径部26および基端部27とされる。挿入部23は拡径前の第1内筒9よりも小径とされ、第1拡径部24は拡径前の第1内筒9よりも大径とされる。中央部25は第1拡径部24よりも小径とされ、第2拡径部26は第1拡径部24よりも大径とされる。基端部27は第2拡径部26よりも小径とされる。第1拡径部24は、挿入部23および中央部25とテーパで連続し、第2拡径部26は、中央部25および基端部27とテーパで連続する。
載置台19にゴムブッシュを載置して、載置台19の受け部21にセットした第1内筒9に、拡径ピン20の挿入部23を挿入して押し込んでいくことにより、まず、第1拡径部24が第1内筒9を拡径する。次いで、第1拡径部24よりも小径の中央部25が通る際に、第1内筒9と拡径ピン20との接触面積が小さくなり、拡径ピン20の押し込みに要する力も小さくなる。第2拡径部26で第1内筒9をさらに拡径した後、基端部27が通るときには、第1内筒9と拡径ピン20との間に隙間ができ、拡径ピン20を容易に抜き出すことができる。
次に、圧入治具18の構成、および圧入治具18を用いて第1内筒9の両端側から第2内筒10a、10bを内嵌圧入する手順について説明する。図5は圧入治具の側面図である。
圧入治具18は、載置台28と、載置台28の上面に立設されて第2内筒10a、第1内筒9および第2内筒10bをその中心軸方向にスライド自在に案内するガイド29と、上側の第2内筒10aを下向きに押圧するための押し筒30とからなる。
ガイド29は、その外径が第2内筒10a、10bの内径よりもわずかに小さい円柱状とされる。このガイド29に、第2内筒10bをその内端面12を上向きにして装着し、その上にゴムブッシュの第1内筒9を装着し、その上に第2内筒10aをその内端面12
を下向きにして装着する。これにより、載置台28に、第2内筒10a、第1内筒9および第2内筒10bが、上からこの順番で載置される。
を下向きにして装着する。これにより、載置台28に、第2内筒10a、第1内筒9および第2内筒10bが、上からこの順番で載置される。
第1内筒9の両端の内周面側および第2内筒10a、10bの内端の外周面側には面取りが形成され、第1内筒9および第2内筒10a、10bをガイド29に装着した状態で、第1内筒9の両端に、第2内筒10a、10bの内端がわずかに挿入される。
押し筒30は、その外径が第2内筒10aの外端面よりも大径で、その内径が第2内筒10a、10bとほぼ同じ大きさの筒体とされる。この押し筒30は、第2内筒10aに積み重ねるようにガイド29に装着して、ガイド29に沿って第2内筒10aの外端面を押圧するものである。
押し筒30で第2内筒10aの外端面を押圧して、載置台28と押し筒30とで第2内筒10a、10bを挟圧することにより、第1内筒9を中心軸方向に保持することなく、その両側から第2内筒10a、10bが同時に圧入される。なお、予め、拡径治具17によって、第1内筒9にある程度の拡径を施しておくので、第2内筒10a、10bを圧入する際に、第1内筒9が潰れずにすむ。
第2内筒10a、10bのフランジ11が第1内筒9の端面に当接することにより、圧入治具18に位置決め部を設けることなく、第1内筒9に対して、第2内筒10a、10bが中心軸方向に位置決めされる。
第1内筒9に第2内筒10a、10bを圧入することにより、拡径治具17で拡径した第1内筒9がさらに拡径される。これにより、第1ゴム状弾性体5がさらに予備圧縮され、かつ、第1内筒9に第2内筒10a、10bが固定されて、第1内筒9と第2内筒10a、10bとからなる内筒1が構成される。
本発明のゴムブッシュは、自動車の懸架装置やエンジンの支持部などに装備する防振装置として使用することができる。特に、液封入式のゴムブッシュとすることにより、例えば自動車のフロント側のロアリンクにおけるリア側に設置して、フロントタイヤのアンバランスによりハンドルに伝わる振動を吸収するために使用することができる。
Claims (9)
- 内筒と、該内筒の周囲に配置された外筒と、前記内筒と前記外筒との間に介在されたゴム状弾性体とを備えたゴムブッシュであって、
前記内筒は、前記ゴム状弾性体を予備圧縮するために拡径される第1内筒に、該第1内筒よりも厚肉の第2内筒を内嵌圧入してなり、
第2内筒は、その中心軸方向に二分割されて第1内筒の両端側から内嵌圧入され、二分割された第2内筒のそれぞれの外周面に、第1内筒の端面に当接して第2内筒を中心軸方向に位置決めする位置決め部が設けられたことを特徴とするゴムブッシュ。 - 二分割された第2内筒のそれぞれの内端面から前記位置決め部までの長さの合計が第1内筒の長さに等しく設定されたことを特徴とする請求項1に記載のゴムブッシュ。
- 二分割された第2内筒のそれぞれの内端面から前記位置決め部までの長さが第1内筒の長さの1/2に設定されたことを特徴とする請求項2に記載のゴムブッシュ。
- 前記位置決め部は、第2内筒の中心軸に直交する方向に突出するフランジとされたことを特徴とする請求項1に記載のゴムブッシュ。
- 第2内筒は、その外端面を第1内筒の内径よりも大径に設定されたことを特徴とする請求項1に記載のゴムブッシュ。
- 前記内筒と前記外筒との間に中間筒が介在され、前記ゴム状弾性体は、内筒と中間筒との間、および外筒と中間筒との間のそれぞれに介在されたことを特徴とする請求項1に記載のゴムブッシュ。
- 前記ゴム状弾性体に液体を封入する液封部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のゴムブッシュ。
- 内筒と、該内筒の周囲に配置された外筒と、前記内筒と前記外筒との間に介在されたゴム状弾性体とを備えたゴムブッシュを製造するゴムブッシュの製造方法であって、
第1内筒とその周囲に配置した外筒との間にゴム状弾性体を介在させ、次いで、拡径ピンを挿通して第1内筒を拡径することにより前記ゴム状弾性体を予備圧縮し、その後、第1内筒よりも厚肉で中心軸方向に二分割された第2内筒の内端を第1内筒の両端に挿入し、二分割された第2内筒のそれぞれの外周面に形成した位置決め部が第1内筒の端面に当接するまで、第2内筒をその外端面同士を挟圧するようにして第1内筒に内嵌圧入することにより、第1内筒をさらに拡径しつつ、第1内筒に第2内筒を固定してなる内筒を構成することを特徴とするゴムブッシュの製造方法。 - 前記ゴム状弾性体に液体を封入する液封部が形成され、
第1内筒とその周囲に配置した外筒との間にゴム状弾性体を介在させる際、第1内筒の
周囲に前記ゴム状弾性体を加硫成形し、その周囲に前記外筒を配置して液中で縮径することにより、第1内筒およびゴム状弾性体を備えたゴム成形品に外筒を固定すると共に、前記液封部に液を封入することを特徴とする請求項8に記載のゴムブッシュの製造方法。
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