JPWO2006011459A1 - パッチアンテナ及びパッチアンテナの製造方法 - Google Patents

パッチアンテナ及びパッチアンテナの製造方法 Download PDF

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康行 岡村
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Abstract

従来より小型及び低コストの構成であっても、第2導体(放射電極)の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することを可能とする。 パッチアンテナ1は、放射電極11と接地導体13とが対向配置され、放射電極11と接地導体13との間隙に誘電体12を備える。放射電極11及び接地導体13は、導電性に優れた材料からなり、放射電極11は、平面視が矩形状であり、放射電極11の対向する2辺(ここでは短辺)からの距離が略等しい位置に、給電部Sが設けられる。放射電極11の一端辺から放射電極11の長辺方向(ここでは−Y方向)に対して、距離aの位置を境界に、誘電体12の厚みが異なっている。

Description

本発明は、パッチアンテナ及びパッチアンテナの製造方法に関し、より具体的には、極めて簡単な構成であっても二つの周波数帯域の電磁波(以下、電波という)を送受信することができるパッチアンテナ及びパッチアンテナの製造方法に関する。
コンピュータを無線で結ぶ無線LANが家庭及びオフィスで急速に浸透している。無線LANのような通信に利用するアンテナには、かなりの小型化が要求されるために、パッチアンテナが広く利用されている。
一般的なパッチアンテナ100は、図14に示すように、矩形状の導体(放射電極101)、誘電体102及び接地導体103で構成される平面型のアンテナであり、放射電極101の中心Cからオフセット(距離b)された位置に給電部Sが設けられる。共振周波数は、放射電極101の形状、誘電体102の誘電率及び厚みによって決定される。放射電極101の形状が矩形状(2辺の長さ:L,W)、誘電体102の比誘電率がεr及び厚みがhである場合、フリンジング効果を考慮して、Leffを等価辺長、εを実効誘電率、cを光速とすれば、共振周波数fは、式(1)に示すように決定される。
Figure 2006011459
ところで、無線LANの周波数帯としては、現在2.4GHz帯が主流であるが、通信速度及び情報量に優れる高周波の帯域(5.2GHz帯)が普及しつつある。そこで、二つの周波数帯域の電波を送受信することができるパッチアンテナが考案されている。2周波送受信用のパッチアンテナは、上面に放射電極が設けられた第1誘電体と、上面に別の放射電極が設けられ、かつ裏面に接地導体が設けられた第2誘電体と、裏面に複数のマイクロストリップラインが設けられた第3の誘電体とが積層された構成を有する(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されているパッチアンテナは、それぞれの放射電極の形状が異なるため、各放射電極の形状(寸法)によって決定される2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
特開平7−249933号公報
しかしながら、上述したような2周波送受信用のパッチアンテナは、2つの放射電極と、2つの誘電体を設けることから、高コスト化が避けられないという問題があった。また、2つの放射電極を配設する構成のため、誘電体を含めた全体の厚さ寸法が大きくなってしまい、小型化が困難であるという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、矩形状の第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に給電部が設けられ、その2辺と略平行な線を境界に誘電体の厚みが異なる構成とすることにより、従来より小型及び低コストの構成であっても、第2導体の長さ方向及び幅方向(以下、長辺方向及び短辺方向という)で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができるパッチアンテナの提供を目的とする。
また本発明は、矩形状の第2導体の2つの対向する2辺と略平行な2つの線を境界に、誘電体の厚みが異なる構成とすることにより、給電部の配置位置を任意に取った場合であっても、第2導体の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができるパッチアンテナの提供を目的とする。
また本発明は、矩形状の第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に給電部が設けられ、その2辺のうちの一方の辺に対応する位置における誘電体の厚みが、他の位置における誘電体の厚みより薄くする構成とすることにより、従来より小型及び低コストの構成であっても、第2導体の長辺及び短辺方向で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができるパッチアンテナの提供を目的とする。
また本発明は、矩形状の第2導体の2つの対向する2辺のうちのそれぞれ一方の辺に対応する位置における誘電体の厚みが、他の位置における誘電体の厚みより薄くする構成とすることにより、給電部の配置位置を任意に取った場合であっても、第2導体の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができるパッチアンテナの提供を目的とする。
また本発明は、厚みが異なる複数の誘電性の平板を固着させて厚みが異なる誘電体を形成し、形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置することにより、製造バラツキが発生する虞がなく、所望する厚みとなる誘電体を大量に製造することが可能となり、周波数帯域のバラツキが少ないパッチアンテナを製造することができるパッチアンテナの製造方法の提供を目的とする。
さらに本発明は、誘電性の第1平板の厚み方向に貫通する開口部を形成し、開口部を形成した第1平板、及び該第1平板と厚みが異なる誘電性の第2平板を固着させて、窪みを有する誘電体を形成し、形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置することにより、たとえエッチング法及びサンドブラスト法のような切削方法で開口部を形成した場合であっても、製造バラツキに起因する周波数帯域のバラツキが生じることのないパッチアンテナの製造方法の提供を目的とする。
第1発明に係るパッチアンテナは、第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、前記給電部は、前記第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に設けられ、前記誘電体の厚みは、前記2辺と略平行な線を境界に異なっていることを特徴とする。
第1発明にあっては、境界にて誘電体の厚みが異なるため、第2導体の直交する長辺方向及び短辺方向で共振が可能となる。第2導体の長辺方向においては、第2導体の長辺の長さと、長辺方向の共振に起因する誘電体の厚みとによって決定される周波数帯域で共振し、第2導体の短辺方向においては、第2導体の短辺の長さと、短辺方向の共振に起因する誘電体の厚みとによって決定される周波数帯域で共振する。よって、境界にて誘電体の厚みを異なるように構成することにより、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。また、パッチアンテナは、1つの第2導体(放射電極)及び1種類の誘電体を設けるだけで、2つの周波数帯域の電波を送受信できることから、従来のように、複数の第2導体を設けたり、誘電率の異なる複数種類の誘電体を設けたりする必要はなく、従来と比較して構成部品数が少なくなり、低コスト化を実現することができる。
第2発明に係るパッチアンテナは、第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、前記誘電体の厚みは、前記第2導体の2つの対向する2辺と略平行な2つの線を境界に異なっていることを特徴とする。
第2発明にあっては、2つの境界にて誘電体の厚みが異なるため、給電部の配置位置によらず、第2導体の直交する長辺方向及び短辺方向で共振が可能となる。これにより、給電部の配置位置に自由度ができる。
第3発明に係るパッチアンテナは、第1発明又は第2発明において、前記境界は、前記第2導体と重畳する位置にあることを特徴とする。
第3発明にあっては、誘電体の厚みが変化する境界が第2導体と重畳する位置に設けられていることにより、第2導体の長辺又は短辺のうちの一方の辺に対応する誘電体の厚みが、それ以外の辺に対応する誘電体の厚みと異なっており、第2導体の直交する長辺方向及び短辺方向の共振を確実に発生させることができる。
第4発明に係るパッチアンテナは、第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、前記給電部は、前記第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に設けられ、前記2辺のうちの一方の辺に対応する位置における前記誘電体の厚みが、他の位置における厚みより薄いことを特徴とする。
第4発明にあっては、第2導体の長辺又は短辺に対応する位置における領域における誘電体の厚みが薄くなっているため、第2導体の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となる。第2導体の長辺方向においては、第2導体の長辺の長さと、長辺方向の共振に起因する誘電体の厚みとを有する単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振し、第2導体の短辺方向においては、第2導体の短辺の長さと、短辺方向の共振に起因する誘電体の厚みとを有する単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振する。よって、このようなパッチアンテナは、1つの第2導体及び1種類の誘電体を設けるだけで、2つの周波数帯域の電波を送受信できることから、従来のように、複数の第2導体を設けたり、誘電率の異なる複数種類の誘電体を設けたりする必要はなく、従来と比較して構成部品数が少なくなり、低コスト化を実現することができる。
第5発明に係るパッチアンテナは、第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、前記誘電体の厚みは、前記第2導体の2つの対向する2辺のうちのそれぞれ一方の辺に対応する位置における前記誘電体の厚みが、他の位置における厚みより薄いことを特徴とする。
第5発明にあっては、第2導体の一方の長辺及び短辺に対応する位置における領域における誘電体の厚みが薄くなっているため、給電部の配置位置によらず、第2導体の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となる。これにより、給電部の配置位置に自由度ができる。
第6発明に係るパッチアンテナは、第1発明乃至第5発明のいずれかにおいて、前記誘電体は、厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、該貫通穴を介して第1導体側から前記給電部に接続する第3導体を備えることを特徴とする。
第6発明にあっては、電波の受信時には、到来した電波によって第2導体が励振され、誘電体に設けた貫通穴を介して、第3導体を通じて第1導体側へ伝えられて信号として出力される。また、電波の送信時には、信号が、第3導体を通じて第2導体へ伝えられ、第2導体を共振させることによって電波として送信される。よって、第2導体側ではなく、第1導体側から電波に係る信号を与えたり、取り出したりすることができる。
第7発明に係るパッチアンテナの製造方法は、第1導体と第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に厚みが異なる誘電体を備えるパッチアンテナの製造方法において、厚みが異なる複数の誘電性の平板を固着させて、厚みが異なる誘電体を形成する工程と、形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置する工程とを有することを特徴とする。
第7発明にあっては、厚みが異なる複数の誘電性の平板を用意しておき、これら平板を固着させて厚みが異なる誘電体を形成する。形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置することによりパッチアンテナを製造する。平板を固着させて厚みが異なる誘電体を形成することから、誘電体の厚みに製造バラツキが発生する虞がなく、所望する厚みとなる誘電体を大量に製造することが可能となる。
第8発明に係るパッチアンテナの製造方法は、第1導体と第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に窪みを有する誘電体を備えるパッチアンテナの製造方法において、誘電性の第1平板の厚み方向に貫通する開口部を形成する工程と、開口部を形成した第1平板、及び該第1平板と厚みが異なる誘電性の第2平板を固着させて、窪みを有する誘電体を形成する工程と、形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置する工程とを有することを特徴とする。
第8発明にあっては、誘電性の第1平板の厚み方向に貫通する開口部を形成しておき、開口部を形成した第1平板と、第1平板と厚みが異なる誘電性の第2平板とを固着させて、窪みを有する誘電体を形成する。形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置することによりパッチアンテナを製造する。たとえエッチング法及びサンドブラスト法のような切削方法で開口部を形成した場合であっても、製造バラツキに起因する周波数帯域のバラツキが生じることはない。
本発明によれば、矩形状の第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に給電部が設けられ、その2辺と略平行な線を境界に誘電体の厚みが異なる構成としたので、従来より小型及び低コストの構成であっても、第2導体の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
また本発明によれば、矩形状の第2導体の2つの対向する2辺と略平行な2つの線を境界に、誘電体の厚みが異なる構成としたので、給電部の配置位置を任意に取った場合であっても、第2導体の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
また本発明によれば、矩形状の第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に給電部が設けられ、その2辺のうちの一方の辺に対応する位置における誘電体の厚みが、他の位置における誘電体の厚みより薄くする構成としたので、従来より小型及び低コストの構成であっても、第2導体の長辺及び短辺方向で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
また本発明によれば、矩形状の第2導体の2つの対向する2辺と略平行な2つの線を境界に、誘電体の厚みが異なる構成としたので、給電部の配置位置を任意に取った場合であっても、第2導体の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
よって、例えば、コンピュータを無線で結ぶ無線LANにおいては、現在2.4GHz帯が主流であるが、通信速度及び情報量に優れる5.2GHz帯が普及しつつあり、この2つの周波数帯に対応する小型かつ軽量のアンテナとして有用である。
また本発明によれば、厚みが異なる複数の誘電性の平板を固着させて厚みが異なる誘電体を形成し、形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置することによりパッチアンテナを製造することとしたので、製造バラツキが発生する虞がなく、所望する厚みとなる誘電体を大量に製造することが可能となり、周波数帯域のバラツキが少ないパッチアンテナを製造することができる。
さらに本発明によれば、誘電性の第1平板の厚み方向に貫通する開口部を形成し、開口部を形成した第1平板、及び該第1平板と厚みが異なる誘電性の第2平板を固着させて、窪みを有する誘電体を形成し、形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置することによりパッチアンテナを製造することとしたので、たとえエッチング法及びサンドブラスト法のような切削方法で開口部を形成した場合であっても、製造バラツキに起因する周波数帯域のバラツキが生じることはない等、優れた効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係るパッチアンテナの構造を示す斜視図である。 図1のII−II線における構造断面図である。 本発明の実施の形態1に係るパッチアンテナの製造方法の一例を示す説明図である。 実施例1のパッチアンテナの反射特性を示すグラフである。 実施例1のパッチアンテナの放射特性を示すグラフである。 実施例2のパッチアンテナの反射特性を示すグラフである。 実施例2のパッチアンテナの放射特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係るパッチアンテナの構造断面図である。 本発明の実施の形態2に係るパッチアンテナの製造方法の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係るパッチアンテナの製造方法の他の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態3に係るパッチアンテナの構造を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係るパッチアンテナの構造断面図である。 本発明に係るパッチアンテナの他の例を示す構造断面図である。 一般的なパッチアンテナの構造を示す斜視図である。
符号の説明
1,2,3 パッチアンテナ
11 放射電極
12,22,32 誘電体
12a 貫通穴
13,51,52 接地導体
14 接続ピン
15 同軸コネクタ
15a 内側導体
15b 外側導体
30a,30b,40,40a,40b,42 誘電性平板
31a,31b,41a,41b マスク
45 開口部
S,S´ 給電部
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るパッチアンテナの構造を示す斜視図であり、図2は図1のII−II線における構造断面図である。
本発明の実施の形態1に係るパッチアンテナ1は、第2導体である放射電極11と第1導体である接地導体13とが対向配置され、放射電極11と接地導体13との間隙に誘電体12を備える。
放射電極11及び接地導体13は、銅、銀又はアルミニウムなどの導電性に優れた材料からなる。放射電極11は平面視が矩形状であり、短辺長及び長辺長は、それぞれL及びWである。一方、接地導体13は放射電極11より平面視が大きな形状であればよく、その形状については特に限定されない。給電部Sは、放射電極11の対向する2辺(ここでは短辺)からの距離が略等しい位置に設けられる。換言すれば、放射電極11の中心Cから、放射電極11の短辺方向(ここではX方向)に適長離隔(距離b)した位置に、給電部Sが設けられている。
誘電体12は比誘電率εrである誘電体であり、その厚みは放射電極11の対向する2辺と略平行な線を境界に異なっている。本実施形態では、放射電極11の一端辺から放射電極11の長辺方向(ここでは−Y方向)に対して、距離aの位置を境界に、誘電体12の厚みが異なっている。なお、距離aは正であり(a>0)、平面視で放射電極11と重畳する位置に境界が設けられている。つまり、誘電体12の左側領域の厚みはhであり、右側領域の厚みはt(h>tとする)であり、放射電極11の対向する2辺(ここでは短辺)の中心線に対して、誘電体12の形状が非対称である。換言すれば、放射電極11は、2つの厚みが異なる誘電体を被覆するように配置されている。
また、誘電体12は、給電部Sに対応する位置に、厚み方向に貫通する貫通穴12aを有している。貫通穴12aには、第3導体である導電性の接続ピン14が挿入されている。なお、貫通穴12aの位置及び貫通穴12aの径は、インピーダンス特性が良好となるように調整されている。
接地導体13には、同軸コネクタ15が配設されており、同軸コネクタ15の内側導体15aは、誘電体12の貫通穴12aを介して給電部Sと接続され、同軸コネクタ15の外側導体15bは接地導体13に接続されている。このような構成のパッチアンテナ1は、図示しない通信機器を同軸コネクタ15に接続することで電波の送受信を行うことができる。つまり、パッチアンテナ1は、電波の受信時には、到来した電波によって放射電極11が励振され、貫通穴12aを介して同軸コネクタ15へ伝えられて信号として出力される。また、電波の送信時には、同軸コネクタ15に入力された信号が、貫通穴12aを介して放射電極11へ伝えられ、放射電極11を共振させることによって電波として送信される。もちろん、無線LANカードなどの機器に実装する場合には、同軸コネクタ15を用いる必要はなく、機器を構成する電子回路に直接実装するようにすることが好ましい。
パッチアンテナ1は、境界にて誘電体12の厚みが異なるため、直交する2方向(X方向及びY方向)で共振が可能となる。放射電極11のX方向においては、放射電極11の短辺の長さLによって決定される単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振する。一方、放射電極11のY方向においては、放射電極11の長辺の長さWによって決定される単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振する。このように、境界にて誘電体12の厚みを異なるように構成することにより、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
また、パッチアンテナ1は、1つの放射電極及び1種類の誘電体を設けるだけで、2つの周波数帯域の電波を送受信できることから、従来のように、複数の放射電極を設けたり、誘電率が異なる複数種類の誘電体を設けたりする必要はない。したがって、従来と比較して構成部品数が少なくなり、低コスト化を実現することが可能となる。
次に、このような構成のパッチアンテナ1の製造方法について説明する。
図3は本発明の実施の形態1に係るパッチアンテナの製造方法の一例を示す説明図である。
先ず、板厚がそれぞれt,(h−t)である同種類(同一材料)の誘電性平板30a,30bを用意し、誘電性平板30a,30bをそれぞれ板厚方向に重ねた状態で固着させる(図3(a))。例えば、誘電性平板30a,30bの固着面に接着剤を塗布し、誘電性平板30a,30bの固着面どうしを重ねた後に、接着剤の溶剤を蒸発させて誘電性平板30aと誘電性平板30bとを固着させる。
次に、誘電性平板30a,30bをエッチングするエッチング液に溶解しない材料からなるマスク31a,31bを、誘電性平板30a,30bの外側表面に貼付する(図3(b))。マスク31a,31bは、貫通穴を形成すべき位置に開口パターンが設けられている。そして、マスク31a,31bが貼付された誘電性平板30a,30bを、エッチング液に浸漬させることにより、マスクで被覆されていない領域をエッチングする(図3(c))。なお、エッチング液は、誘電性平板30a,30bの材料に応じて適宜選択すればよい。もちろん、ウエットエッチングのほかに、エッチングにより形成される側壁(サイドウォール)の形状の仕上がりがシャープになるドライエッチングにより加工してもよい。
そして、マスク31a,31bを誘電性平板30a,30bから剥離することにより、貫通穴12aを有する厚みが異なる誘電体12とすることができる(図3(d))。なお、上面及び下面から同時にエッチングする形態について説明したが、エッチング時間が問題にならない場合には、上面又は下面からエッチングするようにしてもよい。もちろん、エッチング法の他に、それ自体公知のレーザ加工法などにより、貫通穴を形成するようにしてもよい。
さらに、誘電体12の上面に、銅又はアルミニウムなどの導電性に優れた材料からなるフィルム状の放射電極11を貼付し、誘電体12の下面から貫通穴12aに接続ピン14を挿入し、放射電極11と接続する(図3(e))。もちろん、誘電体12の厚みが数mmである場合には、貫通穴12aに半田を流し込むことによって接続ピン14に代用してもよい。一方、誘電体12の下面に貫通穴12aの領域が開きパターンとした、銅又はアルミニウムなどの導電性に優れた材料からなるフィルム状の接地導体13を貼付し(図3(f))、同軸コネクタ15の内側導体15aを接続ピン14と接続し、外側導体15bを接地導体13と接続した状態となるように、同軸コネクタ15を配設する(図3(g))。
このようにして、2つの誘電体平板から厚み異なる誘電体を備えるパッチアンテナを製造することができる。誘電体の厚みは、パッチアンテナの周波数帯域を決定する要素の1つである。上述した製造方法によれば、誘電体の厚みは、それぞれ製造の際に用意した誘電性平板30a,30bの板厚t,(h−t)によって決定されることから、製造バラツキが発生する虞がなく、所望する厚みとなる誘電体を大量に製造することが可能となり、結果として周波数帯域のバラツキが少ないパッチアンテナを製造することができる。
なお、誘電性平板30a,30bを固着させる前に誘電性平板30a,30bのそれぞれに貫通穴を形成しておき、その後に、それぞれの貫通穴が連結されるように誘電性平板30a,30bを固着するようにしてもよい。
また、エッチング法及びサンドブラスト法などの切削方法を用いて、1つの誘電体平板から厚みが異なる誘電体に加工するようにしてもよい。エッチング法,サンドブラスト法などの切削方法を用いる場合、それぞれエッチング時間,研磨材射出時間を制御することによって切削する深さを調整することができる。ただし、エッチング法,サンドブラスト法では、製造バラツキが発生する虞があることは言うまでもない。
さらに、放射電極11及び接地導体13を、メッキ法により誘電体12に蒸着するようにしてもよく、放射電極11及び接地導体13の大きさ及び厚みに応じて、製造の方法を適宜変更するようにしてもよい。
次に、実施例1として、L=34mm,W=46mm,h=1.6mm,t=0.5mm,εr=2.53,a=5.5mmであるパッチアンテナ1を製造して、その特性について評価を行った。
図4は実施例1のパッチアンテナの反射特性を示すグラフであり、同図横軸は周波数、縦軸は反射損失である。
図4の実線に示すように、パッチアンテナ1は、1.78GHz及び2.66GHzの2つのピークを有しており、1.78GHz,2.66GHzにおける反射損失は、それぞれ−3dB,−17dBである。なお、従来のパッチアンテナ、すなわち誘電体の厚みが一定(ここでは1.6mm)のパッチアンテナは、図4の破線に示すように、2.6GHzにピークを有するのみである。つまり、本発明に係るパッチアンテナ1は、境界にて誘電体の厚みが異なるため、直交する2つの方向で共振が生じ、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
図5は実施例1のパッチアンテナの放射特性を示すグラフであり、同図(a)は1.78GHzにおける放射特性であり、同図(b)は2.66GHzにおける放射特性である。なお、横軸は放射角度、縦軸は相対利得である。放射角度は、Z軸方向の角度を0degと定義する。
1.78GHz帯域の電波が長辺方向(Y方向)の共振に起因することから、YZ面がE面であり、XZがH面である。図5(a)の実線はE面(YZ面)における放射特性であり、図5(a)の破線はH面(XZ面)における放射特性である。図から分かるように、パッチアンテナは、1.78GHz帯域に対して、E面及びH面において良好な放射パターンを有する。
一方、2.66GHz帯域の電波が短辺方向(X方向)の共振に起因することから、XZ面がE面であり、YZ面がH面である。図5(b)の実線はE面(XZ面)における放射特性であり、図5(b)の破線はH面(YZ面)における放射特性である。図から分かるように、パッチアンテナは、2.66GHz帯域に対しても、E面及びH面において良好な放射パターンを有する。
同様に、実施例2として、L=15.5mm,W=36mm,h=1.6mm,t=0.4mm,εr=2.53,a=3mmであるパッチアンテナ1を製造して、その特性について評価を行った。
図6は実施例2のパッチアンテナの反射特性を示すグラフであり、同図横軸は周波数、縦軸は反射損失である。
図6の実線に示すように、パッチアンテナ1は、2.29GHz及び5.62GHzの2つのピークを有しており、2.29GHz,5.62GHzにおける反射損失は、それぞれ−5.5dB,−19dBである。なお、従来のパッチアンテナ、すなわち誘電体の厚みが一定(ここでは1.6mm)のパッチアンテナは、図6の破線に示すように、5.5GHzにピークを有するのみである。
図7は実施例2のパッチアンテナの放射特性を示すグラフであり、同図(a)は2.29GHzにおける放射特性であり、同図(b)は5.62GHzにおける放射特性である。なお、横軸は放射角度、縦軸は相対利得である。放射角度は、Z軸方向の角度を0degと定義する。
2.29GHz帯域の電波が長辺方向(Y方向)の共振に起因することから、YZ面がE面であり、XZ面がH面である。図7(a)の実線はE面(YZ面)における放射特性であり、図7(a)の破線はH面(XZ面)における放射特性である。図から分かるように、パッチアンテナは、2.29GHz帯域に対して、E面及びH面において良好な放射パターンを有する。
一方、5.62GHz帯域の電波が短辺方向(X方向)の共振に起因することから、XZ面がE面であり、YZ面がH面である。図7(b)の実線はE面(XZ面)における放射特性であり、図7(b)の破線はH面(YZ面)における放射特性である。図から分かるように、パッチアンテナは、5.62GHz帯域に対しても、E面及びH面において良好な放射パターンを有する。
なお、実施例1では1.78GHz及び2.66GHzの2周波、実施例2では2.29GHz及び5.62GHzの2周波帯域の電波を送受信することが可能な2周波共用パッチアンテナの構成例を示したが、放射電極11の寸法、並びに、誘電体12の誘電率及び厚みを適宜調整することにより、所望する2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、左側領域の厚みがh、右側領域の厚みがtである誘電体12を備えるパッチアンテナ1について説明したが、放射電極の四辺のうちの一辺に対応する位置における厚みが、他の位置における厚みより薄くなっているような誘電体を備えるようなパッチアンテナであってもよく、このようにしたものが実施の形態2である。
図8は本発明の実施の形態2に係るパッチアンテナの構造断面図である。
本発明の実施の形態2に係るパッチアンテナ2は、実施の形態1と同様、放射電極11と接地導体13とが対向配置され、放射電極11と接地導体13との間隙に誘電体22を備える。
誘電体22は、放射電極11の一の端辺に対応する位置における厚みが、その他の位置における厚みより薄くなっている。前者の位置における誘電体の厚みはtであり、後者の位置における誘電体の厚みはh(h>tとする)である。その他の構成は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
パッチアンテナ2は、放射電極11の一の端辺に対応する位置の厚みが薄くなっているため、実施の形態1と同様に、直交する2方向(X方向及びY方向)で共振が可能となり、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。この場合、共振周波数は、放射電極11の短辺の長さL及び長辺の長さWによってそれぞれ決定される単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振する。
次に、このような構成のパッチアンテナ2の製造方法について説明する。
図9は本発明の実施の形態2に係るパッチアンテナの製造方法の一例を示す説明図である。
先ず、板厚が(h−t)である誘電性平板40を用意し、誘電性平板40をエッチングするエッチング液に溶解しない材料からなるマスク41a,41bを、誘電性平板40の両側表面に貼付する(図9(a))。マスク41a,41bが貼付された誘電性平板40を、エッチング液に浸漬させることにより、マスクで被覆されていない領域をエッチングする(図9(b))。そして、マスク41a,41bを誘電性平板40から剥離することにより、誘電性平板40に厚み方向に貫通した開口部45が形成される(図9(c))。
次に、誘電性平板40と同種類(同一材料)であり、板厚がtである誘電性平板42を用意し、誘電性平板40,42をそれぞれ板厚方向に重ねた状態で固着させる(図9(d))。これにより、窪み22aの領域の厚みがt、その他の領域の厚みがhである誘電体22を製造することができる。以降の工程は、図3(b)〜図3(g)と同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態では、エッチング法を用いて誘電性平板40に開口部45を形成するようにしたが、開口部45は誘電性平板40を貫通するようにエッチング時間を設定すればよく、例えば製造バラツキを考慮してエッチング時間を長めに設定すればよい。このように、平板を貫通する開口部を形成する場合には、エッチング法を用いても、製造バラツキに起因する問題が生じることはない。もちろん、他の切削方法(例えば、サンドブラスト法)を用いて、誘電性平板40に開口部45を形成するようにしてもよい。
また、図10に示すように、板厚がtである誘電性平板42と、板厚が(h−t)である誘電性平板40a,40bとを用意し、誘電性平板42に、誘電性平板40a,40bをそれぞれ板厚方向に重ねた状態で固着させて、窪みの領域の厚みがt、その他の領域の厚みがhである誘電体22を製造するようにしてもよい。より詳細には、誘電性平板40a,40bは平面視がそれぞれ矩形状,“コの字”状であり、誘電性平板40bの“コの字”状に開いた側面を、誘電性平板40aの側面に接するように配置する。
なお、上述の実施例1及び実施例2のようなパッチアンテナ2の特性の評価を行ったが、評価結果は同様であった。
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、放射電極11の対向する2辺(例えば短辺)からの距離が略等しい位置に給電部Sを設け、放射電極11の対向する2辺と略平行な線を境界に誘電体12の厚みを異ならせるようにしたが、放射電極11の2つの対向する2辺(短辺及び長辺)と略平行な2つの線を境界に誘電体の厚みを異ならせるようにしてもよく、このようにしたものが実施の形態3である。
図11は本発明の実施の形態3に係るパッチアンテナの構造を示す斜視図である。また、図12は本発明の実施の形態3に係るパッチアンテナの構造断面図であり、図12(a)は図11のA−A線、図12(b)は図11のB−B線における構造断面図である。
本発明の実施の形態3に係るパッチアンテナ3は、第2導体である放射電極11と第1導体である接地導体13とが対向配置され、放射電極11と接地導体13との間隙に誘電体32を備える。
誘電体32の厚みは放射電極11の2つの対向する2辺(すなわち長辺及び短辺)と略平行な2つの線を境界に異なっている。本実施形態では、放射電極11の長辺方向(ここでは−Y方向)に対して、端辺から距離a1の位置を境界に、誘電体32の厚みが異なっている。さらに、放射電極11の短辺方向(ここでは−X方向)に対して、端辺から距離a2の位置を境界に、誘電体32の厚みが異なっている。なお、距離a1及びa2はともに正であり(a1、a2>0)、平面視で放射電極11と重畳する位置に2つの境界が設けられている。つまり、誘電体32の左上側領域の厚みはhであり、それ以外の右側領域及び下側領域の厚みはt(h>t)であり、放射電極11の長辺及び短辺の各中心線に対して、誘電体32の形状が非対称である。
また、放射電極11の中心Cに、給電部S´が設けられている。その他の構成は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、誘電体32は、放射電極11の2つの対向する2辺のうちのそれぞれ一方の端辺に対応する位置における厚みが、その他の位置における厚みより薄くなっていればよい。また、給電部S´は放射電極11の短辺方向又は長辺方向の中点に配置されている必要はない。
パッチアンテナ3は、2つの境界にて誘電体32の厚みが異なるため、給電部S´がどのような位置に配置された場合であっても、直交する2方向(X方向及びY方向)で共振が可能となる。放射電極11のX方向においては、放射電極11の短辺の長さLによって決定される単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振する。一方、放射電極11のY方向においては、放射電極11の長辺の長さWによって決定される単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振する。このように、2つの境界にて誘電体32の厚みを異なるように構成することにより、給電部S´が放射電極11の中心Cに設けられていても、2つの周波数帯域の電波を送受信することができる。
なお、各実施の形態では、接地導体13がフィルム状のものとし、誘電体12(22,32)の表面形状に沿って配置するようにしたが(図2,8,12参照)、図13に示すように、平板状の接地導体51を用いてもよいし(同図(a))、誘電体12(22,32)の窪みと合致する形状の接地導体52を用いてもよい(同図(b))。
また、単素子のパッチアンテナについて説明したが、多数のパッチアンテナを配列させた形態のアンテナ(アレーアンテナと呼ばれる)を用いることで、利得の向上を図るようにしてもよい。この場合、垂直面内の指向性は1素子と同じだが、水平面内の指向性はパッチアンテナの配置数だけ狭くなるので、垂直偏波が放射される。
以上、本発明に係るパッチアンテナ及びパッチアンテナの製造方法について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明の特徴は、矩形状の放射電極11の対向する2辺の略中心線上に給電部Sが設けられ、放射電極11の対向する2辺の中心線に対して、誘電体12(22,32)の形状が非対称である構成とすることにあり、その他の構成において、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施の形態に係る発明の構成及び機能に様々な変更又は改良を加えることが可能である。
発明に係るパッチアンテナは、第1発明において、前記境界は、前記第2導体と重畳する位置にあることを特徴とする。
発明にあっては、誘電体の厚みが変化する境界が第2導体と重畳する位置に設けられていることにより、第2導体の長辺又は短辺のうちの一方の辺に対応する誘電体の厚みが、それ以外の辺に対応する誘電体の厚みと異なっており、第2導体の直交する長辺方向及び短辺方向の共振を確実に発生させることができる。
発明に係るパッチアンテナは、第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、前記給電部は、前記第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に設けられ、前記2辺のうちの一方の辺に対応する位置における前記誘電体の厚みが、他の位置における厚みより薄いことを特徴とする。
発明にあっては、第2導体の長辺又は短辺に対応する位置における領域における誘電体の厚みが薄くなっているため、第2導体の長辺方向及び短辺方向で共振が可能となる。第2導体の長辺方向においては、第2導体の長辺の長さと、長辺方向の共振に起因する誘電体の厚みとを有する単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振し、第2導体の短辺方向においては、第2導体の短辺の長さと、短辺方向の共振に起因する誘電体の厚みとを有する単素子アンテナに略相当する周波数帯域で共振する。よって、このようなパッチアンテナは、1つの第2導体及び1種類の誘電体を設けるだけで、2つの周波数帯域の電波を送受信できることから、従来のように、複数の第2導体を設けたり、誘電率の異なる複数種類の誘電体を設けたりする必要はなく、従来と比較して構成部品数が少なくなり、低コスト化を実現することができる。
発明に係るパッチアンテナは、第1発明乃至第発明のいずれかにおいて、前記誘電体は、厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、該貫通穴を介して第1導体側から前記給電部に接続する第3導体を備えることを特徴とする。
発明にあっては、電波の受信時には、到来した電波によって第2導体が励振され、誘電体に設けた貫通穴を介して、第3導体を通じて第1導体側へ伝えられて信号として出力される。また、電波の送信時には、信号が、第3導体を通じて第2導体へ伝えられ、第2導体を共振させることによって電波として送信される。よって、第2導体側ではなく、第1導体側から電波に係る信号を与えたり、取り出したりすることができる。
発明に係るパッチアンテナの製造方法は、第1導体と第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に厚みが異なる誘電体を備えるパッチアンテナの製造方法において、厚みが異なる複数の誘電性の平板を固着させて、厚みが異なる誘電体を形成する工程と、形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置する工程と、第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に給電部を配置する工程とを有することを特徴とする。
発明にあっては、厚みが異なる複数の誘電性の平板を用意しておき、これら平板を固着させて厚みが異なる誘電体を形成する。形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置することによりパッチアンテナを製造する。平板を固着させて厚みが異なる誘電体を形成することから、誘電体の厚みに製造バラツキが発生する虞がなく、所望する厚みとなる誘電体を大量に製造することが可能となる。
発明に係るパッチアンテナの製造方法は、第1導体と第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に窪みを有する誘電体を備えるパッチアンテナの製造方法において、誘電性の第1平板の厚み方向に貫通する開口部を形成する工程と、開口部を形成した第1平板、及び該第1平板と厚みが異なる誘電性の第2平板を固着させて、窪みを有する誘電体を形成する工程と、形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置する工程とを有することを特徴とする。
発明にあっては、誘電性の第1平板の厚み方向に貫通する開口部を形成しておき、開口部を形成した第1平板と、第1平板と厚みが異なる誘電性の第2平板とを固着させて、窪みを有する誘電体を形成する。形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置することによりパッチアンテナを製造する。たとえエッチング法及びサンドブラスト法のような切削方法で開口部を形成した場合であっても、製造バラツキに起因する周波数帯域のバラツキが生じることはない。

Claims (8)

  1. 第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、
    前記給電部は、前記第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に設けられ、
    前記誘電体の厚みは、前記2辺と略平行な線を境界に異なっていること
    を特徴とするパッチアンテナ。
  2. 第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、
    前記誘電体の厚みは、前記第2導体の2つの対向する2辺と略平行な2つの線を境界に異なっていること
    を特徴とするパッチアンテナ。
  3. 前記境界は、前記第2導体と重畳する位置にあること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパッチアンテナ。
  4. 第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、
    前記給電部は、前記第2導体の対向する2辺からの距離が略等しい位置に設けられ、
    前記2辺のうちの一方の辺に対応する位置における前記誘電体の厚みが、他の位置における厚みより薄いこと
    を特徴とするパッチアンテナ。
  5. 第1導体と、給電部を有する矩形状の第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に誘電体を備えるパッチアンテナにおいて、
    前記誘電体の厚みは、前記第2導体の2つの対向する2辺のうちのそれぞれ一方の辺に対応する位置における前記誘電体の厚みが、他の位置における厚みより薄いこと
    を特徴とするパッチアンテナ。
  6. 前記誘電体は、厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、
    該貫通穴を介して第1導体側から前記給電部に接続する第3導体を備えること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のパッチアンテナ。
  7. 第1導体と第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に厚みが異なる誘電体を備えるパッチアンテナの製造方法において、
    厚みが異なる複数の誘電性の平板を固着させて、厚みが異なる誘電体を形成する工程と、
    形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置する工程と
    を有することを特徴とするパッチアンテナの製造方法。
  8. 第1導体と第2導体とが対向配置され、第1導体と第2導体との間隙に窪みを有する誘電体を備えるパッチアンテナの製造方法において、
    誘電性の第1平板の厚み方向に貫通する開口部を形成する工程と、
    開口部を形成した第1平板、及び該第1平板と厚みが異なる誘電性の第2平板を固着させて、窪みを有する誘電体を形成する工程と、
    形成した誘電体に第1導体及び第2導体を配置する工程と
    を有することを特徴とするパッチアンテナの製造方法。
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