JPWO2006004099A1 - 残響調整装置、残響補正方法、および、音響再生システム - Google Patents

残響調整装置、残響補正方法、および、音響再生システム Download PDF

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Abstract

残響成分の到来方向を含めた拡声音の残響特性を的確に解析することができるとともに、より自然で、かつ、より臨場感のある音響再生システムを提供すること。サラウンドシステム100は、スピーカシステム130と、リスニングルーム10の残響特性を認識し、当該認識された残響特性に基づいて拡声される音源の残響成分を調整する信号処理装置120と、リスニングルーム10に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンMから構成され、当該各マイクロホンM間の配列距離が予め定められるマイクロホンアレイ140と、を備え、マイクロホンアレイ140が、音源がスピーカシステム130からリスニングルーム10に拡声された場合に、当該拡声されたリスニングルーム10の特定の聴取位置にて拡声音を集音するようになっている。

Description

本発明は、残響補正可能な残響調整装置および音響再生システムの技術分野に属する。
近年、音楽などの音源を再生する際に、当該音源が再生される音場空間の音場補正を行うAVアンプなどの再生装置が実用に供されており、また、最近では、音源が再生される音場空間の特性に基づいて当該音源の残響特性を補正し、音場空間の残響制御を行う技術が注目されている。この場合に、当該音源が再生される音場空間の残響特性、すなわち、拡声音の聴取位置における音の強度に関する残響特性を的確に解析することが重要になっている。特に、このような残響特性を解析する技術としては、音場空間に当該音場空間にて拡声されたテスト信号を集音することによって、当該音場空間の残響特性を解析する方法が知られている。
従来、このような音場空間の解析を行う音響再生システムは、音場空間に配置された複数のスピーカと、当該音場空間の聴取位置に配置され、所定のテスト信号が拡声された際に当該テスト信号の拡声音を集音するためのマイクロホンと、を有し、当該マイクロホンによって集音されたテスト信号に基づいて、聴取位置における拡声音の特性を解析し、当該解析結果に基づいて再生すべき音源の信号処理を行うようになっている(例えば、特許文献1)。
特開3−255955号公報
しかしながら、従来の音響再生システムにあっては、単一のマイクロホンによって、複数のスピーカまたは選択された一のスピーカから拡声されたテスト信号を集音するようになっているので、聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における残響特性を推定することができず、音場空間の残響特性を的確に解析すること、すなわち、音場空間の残響特性を的確に把握することができない。この結果、この音響再生システムにあっては、当該解析結果に基づいて再生すべき音源の信号処理を行ったとしても、当該音源が音場空間に再生される際に、聴感上の違和感、または、再生される音源に対する臨場感が的確に表現できない場合もある。
本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例としては、残響特性を解析する上で、聴取位置における拡声音の残響成分の方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における残響特性を的確に解析することができるとともに、当該解析された残響特性に基づいてより自然で、かつ、より臨場感のある音響再生システムおよび残響調整装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、音場空間に配置される複数のスピーカから構成されるスピーカシステムと、音源を前記スピーカシステムによって拡声させることによって前記音場空間の残響特性を認識し、当該認識された残響特性に基づいて当該スピーカシステムから出力される音源の残響成分を調整する残響調整装置と、前記音場空間に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンから構成され、当該各マイクロホン間の配列距離が予め定められるマイクロホンアレイであって、前記音源が前記スピーカシステムから前記音場空間に拡声された場合に、当該拡声された音場空間の特定の聴取位置にて拡声音を集音するマイクロホンアレイと、を備え、前記残響調整装置が、前記音源として音信号を取得する第1取得手段と、前記音源として前記音場空間の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させる発生手段と、前記音信号または前記テスト信号の少なくとも何れか一方の信号を前記スピーカシステムから拡声させる出力制御手段と、前記マイクロホンアレイによって集音された拡声音を拡声音信号として取得する第2取得手段と、前記取得された拡声音信号に基づいて、前記聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を認識する認識手段と、前記認識された残響特性に基づいて、前記取得されたスピーカに拡声すべき音源の残響特性を調整する調整手段と、を有する構成をしている。
また、請求項7に記載の発明は、複数のスピーカから構成されるスピーカシステムによって拡声される音場空間の残響特性に基づいて当該スピーカシステムから出力される音源の残響成分を調整する残響調整方法であって、前記音源として前記音場空間の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させ、当該発生させたテスト信号を前記スピーカシステムによって拡声させるテスト信号拡声工程と、前記スピーカシステムから前記音場空間に拡声された前記テスト信号を、前記音場空間に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンから構成されるマイクロホンアレイによって拡声音信号として集音させる集音工程と、前記取得された拡声音信号に基づいて、前記聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を認識する認識工程と、スピーカシステムよって拡声すべき音源を取得して拡声する際に、認識された残響特性に基づいて、当該取得された音信号の残響特性を調整する調整工程と、を含む構成を有している。
また、請求項8に記載の発明は、複数のスピーカから構成されるスピーカシステムによって拡声される音場空間の残響特性に基づいて当該スピーカシステムから出力される音源の残響成分を調整する残響調整装置であって、前記音場空間に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンから構成されるマイクロホンアレイによって、前記音源が前記スピーカシステムから前記音場空間に拡声された拡声音を音場空間の特定の聴取位置にて集音する場合に、前記音源として音信号を取得する第1取得手段と、前記音源として前記音場空間の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させる発生手段と、前記音信号またはテスト信号の少なくとも何れか一方の信号を前記スピーカシステムから拡声させる出力制御手段と、前記マイクロホンアレイによって集音された拡声音信号を取得する第2取得手段と、前記取得された拡声音信号に基づいて、前記聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を認識する認識手段と、前記認識された残響特性に基づいて、前記取得されたスピーカシステムに拡声すべき音源の残響特性を調整する調整手段と、を有する構成をしている。
また、請求項9に記載の発明は、音場空間に配置される複数のスピーカから構成されるスピーカシステムと、音源を前記スピーカシステムによって拡声させることによって前記音場空間の残響特性を認識し、当該認識された残響特性に基づいて当該スピーカシステムから出力される音源の残響成分を調整する残響調整装置と、前記音場空間に配設されるとともに所定の方向に指向特性を有するマイクロホンであって、前記音源が前記スピーカシステムから前記音場空間に拡声された場合に、当該拡声された音場空間の特定の聴取位置にて拡声音を集音するマイクロホンと、を備え、前記残響調整装置が、前記音源として音信号を取得する第1取得手段と、前記音源として前記音場空間の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させる発生手段と、前記音信号または前記テスト信号の少なくとも何れか一方の信号を前記スピーカシステムから拡声させる出力制御手段と、前記マイクロホンアレイによって集音された拡声音を拡声音信号として取得する第2取得手段と、前記取得された拡声音信号に基づいて、前記聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を認識する認識手段と、前記認識された残響特性に基づいて、前記取得されたスピーカに拡声すべき音源の残響特性を調整する調整手段と、を有する構成をしている。
本願に係る一実施形態のサラウンドシステムの構成を示すブロック図である。 一実施形態におけるマイクロホンアレイの構成例を示す図であり、直線アレイによって構成されるマイクロホンアレイの構成例である。 一実施形態におけるマイクロホンアレイの構成例を示す図であり、十字アレイによって構成されるマイクロホンアレイの構成例である。 一実施形態におけるマイクロホンアレイの構成例を示す図であり、四角形アレイによって構成されるマイクロホンアレイの構成例である。 一実施形態におけるマイクロホンアレイの構成例を示す図であり、円形アレイによって構成されるマイクロホンアレイの構成例である。 一実施形態におけるマイクロホンアレイの構成例を示す図であり、放射状アレイ(I)によって構成されるマイクロホンアレイの構成例である。 一実施形態におけるマイクロホンアレイの構成例を示す図であり、放射状アレイ(II)によって構成されるマイクロホンアレイの構成例である。 一実施形態における信号処理部の構成を示すブロック図である。 一実施形態における空間特性解析部の構成を示すブロック図である。 一実施形態の残響特性解析部における残響成分の到来方向推定を説明するための図である。 一実施形態における信号処理部の残響制御回路の構成を示すブロック図である。 一実施形態のシステム制御部における残響制御係数を設定するための処理の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
100 … サラウンドシステム
120 … 信号処理装置
130 … スピーカシステム
140 … マイクロホンアレイ
127 … 空間特性解析部
127C … 残響特性解析部
129 … システム制御部
200 … 信号処理部
250 … 残響制御回路
251 … 信号分割部
252 … 信号成分生成部
253 … 信号成分合成部
次に、本願に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、5.1chのサラウンドシステム(以下、単に、サラウンドシステムという。)に対して本願の残響調整装置または音場再生システムを適用した場合の実施形態である。
まず、図1を用いて本実施形態におけるサラウンドシステムの構成について説明する。なお、図1は、本実施形態のサラウンドシステムの構成を示すブロック図であり、図2〜図7は、本実施形態のマイクロホンアレイの構成例を示す図である。
本実施形態のサラウンドシステム100は、図1に示すように、リスニングルーム10、すなわち、聴取者に対して再生される音を提供する音場空間に設置されるようになっており、音源の再生または取得を行うとともに、当該再生された音または取得された音に対して所定の信号処理を行うようになっている。そして、このサラウンドシステム100は、5.1chのスピーカシステム130によって、信号処理された音を各スピーカ毎に拡声し、聴取者に対して臨場感(サラウンド感)のある音場空間を提供するようになっている。
このサラウンドシステム100は、記録メディアなどの音源を再生することにより、または、テレビジョン信号などの外部から音源を取得することにより、各スピーカに対応するチャンネル(チャネルとも言う。)成分を有する一定の形式のビットストリームデータを出力する音源出力装置110と、当該音源出力装置110から出力されたビットストリームを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードし、各チャンネルのオーディオ信号毎に信号処理を行うとともに、リスニングルーム10の残響特性その他の空間特性を解析する信号処理装置120と、各チャンネルに対応する各種のスピーカからなるスピーカシステム130と、リスニングルーム10の空間特性を解析する際に用いられるマイクロホンアレイ140と、から構成される。
なお、チャンネルとは、各スピーカに出力されるオーディオ信号の信号伝送路をいい、各チャンネルは、他のチャンネルと基本的には異なるオーディオ信号を伝送するようになっている。
また、例えば、本実施形態の信号処理装置120は、本発明の残響調整装置を構成するとともに、スピーカシステム130は、本発明のスピーカシステム130を構成し、マイクロホンアレイ140は、本発明のマイクロホンアレイ140を構成する。
音源出力装置110は、例えば、CD(Compact disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などのメディア再生装置またはデジタルテレビジョン放送を受信する受信装置から構成される。この音源出力装置110は、CDなどの音源を再生することにより、または、放送された音源を取得し、5.1chに対応する各チャンネル成分を有するビットストリームデータを信号処理装置120に出力するようになっている。
信号処理装置120には、音源出力装置110から出力された各チャンネル成分を有するビットストリームデータが入力されるようになっており、この信号処理装置120は、入力されたビットストリームデータを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするようになっている。
また、この信号処理装置120は、
(1)デコードされた各オーディオ信号に対して周波数特性の調整、
(2)デコードされた各オーディオ信号に対して予め設定された残響成分の付加、
(3)デコードされた各オーディオ信号における信号レベルおよび遅延量の調整、
(4)リスニングルーム10の聴取位置における周波数特性および残響特性などの空間特性の解析を行うようになっており、当該信号処理された各オーディオ信号をアナログ信号に変換して音量レベルを調整するようになっている。そして、この信号処理装置120は、音量レベルが調整された各オーディオ信号をスピーカシステム130の各スピーカに出力するようになっている。
なお、本実施形態における信号処理装置120の構成およびその動作の詳細については、後述する。
スピーカシステム130は、聴取者の前方正面に配置されるセンタースピーカ131と、聴取者の前方に配置されるとともにセンタースピーカ131の右側または左側に配置されるフロント左スピーカ(以下、FLスピーカという。)132FLおよびフロント右スピーカ(以下、FRスピーカという。)132FRと、聴取者の後方に配置されるとともに、FLスピーカ132FLおよびFRスピーカ132FRのそれぞれの右側または左側に配置されるサラウンド左スピーカ(以下、SLスピーカという。)133SLおよびサラウンド右スピーカ(以下、SRスピーカという。)133SRと、任意の位置に配置される低域再生用スピーカ(以下、サブウーハという。)134と、を有している。
具体的には、センタースピーカ131、FLスピーカ132FLおよびFRスピーカ132FR、SLスピーカ133SLおよびSRスピーカ133SRは、オーディオ信号を拡声する際の周波数帯域のほぼ全域にわたって再生可能な周波数特性を有する全帯域型のスピーカにより構成されるとともに、その放射軸を聴取位置に向けて各信号を拡声するようになっている。また、サブウーハ134は、所定の低域の周波数帯域を拡声する際に用いられるようになっている。
マイクロホンアレイ140は、リスニングルーム10に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンMから構成され、オーディオ信号がスピーカシステム130からリスニングルーム10に拡声された場合に、当該拡声されたリスニングルーム10の特定の聴取位置にて拡声音を集音するようになっている。特に、本実施形態のマイクロホンアレイ140は、スピーカシステム130から出力されたテスト信号に基づく拡声音を各マイクロホンM毎に集音するようになっており、当該集音された各拡声音を電気信号に変換して各集音信号(以下、拡声音信号ともいう。)として信号処理装置120に出力するようになっている。
具体的には、マイクロホンアレイ140は、リスニングルーム10の床面と平行な面上に複数のマイクロホンMが配列される構成を有している。
例えば、マイクロホンアレイ140は、図2に示すように、マイクロホンアレイ140は、スピーカシステム130によって拡声音が拡声されることより認識される当該拡声音の拡声方向(以下、単に拡声方向という。)に対して直交する軸上にマイクロホンMが配列される直線アレイ、図3に示すように、拡声方向と同一軸方向に複数のマイクロホンMが配列された第1アレイと当該第1アレイと直交する軸上に複数のマイクロホンMが並列に配列されている第2アレイとから構成される十字アレイ、および、図4に示すように、聴取位置の中心を基準として床面と平行な面上に複数のマイクロホンMが配列されることによって形成する四角形アレイから構成される。
また、マイクロホンアレイ140は、図5に示すように、聴取位置の中心を基準として床面と平行な面上に複数のマイクロホンMが配列されることによって円形を形成する円形アレイ、および、図6および図7に示すように、拡声方向を基準に均等に6方向または5方向に床面と平行な面上に複数のマイクロホンMが並列に配列される放射状アレイから構成されるようになっている。
なお、マイクロホンアレイ140において、マイクロホンMの数の増減、および、その配列形状によって、後述するリスニングルーム10における拡声音の指向性の検出結果に差異が生ずる。一般的には、マイクロホンMが多ければ多いほど、拡声音の指向性を厳密に検出することができるようになっており、また、聴取位置に対して全方向からの拡声音の指向性を検出するためには、聴取位置の中心を基準として複数のマイクロホンMを配列させることが望ましい。
次に、本実施形態の信号処理装置120の構成およびその動作について説明する。
本実施形態の信号処理装置120は、図1に示すように、各チャンネル成分を有する所定の形式のビットストリームデータが入力され、各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードする際に用いる信号形式のオーディオデータに変換する入力処理部121と、変換されたオーディオデータを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするとともに、各チャンネル毎に拡声音に対する残響特性を含む再生特性の調整、すなわち、信号処理を行う信号処理部200と、各チャンネルのオーディオ信号に対してデジタル/アナログ(以下、D/Aという。)変換を行うD/A変換器122と、各チャンネル毎に各チャンネルの信号の再生レベルを増幅する電力増幅器123と、を有している。
また、この信号処理装置120は、リスニングルーム10の空間特性、特に、本実施形態では残響特性を解析する際に用いるテスト信号を発生させるテスト信号発生部124と、マイクロホンアレイ140によって集音された信号を予め設定された信号レベルまで増幅するマイク増幅器125と、増幅された集音信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル(以下、A/Dという。)変換を行うA/D変換器126と、デジタル信号に変換された集音信号に基づいてリスニングルーム10の空間特性を解析する空間特性解析部127と、各部を操作するための操作部128と、操作部128の操作に基づいて各部を制御するシステム制御部129と、を有している。
なお、例えば、本実施形態の入力処理部121は、本発明の第1取得手段を構成し、信号処理部200は、本発明の調整手段を構成する。また、例えば、本実施形態の電力増幅器123は、本発明の出力制御手段を構成し、テスト信号発生部124は、本発明の発生手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態の空間特性解析部127は、本発明の第2取得手段および認識手段を構成する。
入力処理部121には、各チャンネル成分を有する所定の形式のビットストリームデータが入力されるようになっており、この入力処理部121は、入力されたビットストリームデータを所定形式のオーディオデータに変換し、当該変換されたオーディオデータを信号処理部200に出力するようになっている。
信号処理部200には、入力処理部121から出力されたオーディオデータおよびテスト信号発生部124において発生されたテスト信号が入力されるようになっており、この信号処理部200は、入力されたオーディオデータを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするとともに、各チャンネル毎に所定の信号処理を行うことによって再生特性を調整し、各チャンネル毎にオーディオ信号をそれぞれ各D/A変換器122に出力するようになっている。また、この信号処理部200は、システム制御部129の制御の下、入力されたテスト信号を各スピーカ毎に拡声させるための所定の処理を行い、テスト信号をオーディオ信号として各チャンネル毎に各D/A変換器122に出力するようになっている。
具体的には、信号処理部200は、後述するように、空間特性解析部127から出力された各パラメータのデータに基づいて、入力された信号に対して、周波数特性の調整、遅延時間制御、信号レベル制御および残響制御などの各信号処理を行う際に必要となる係数を決定し、当該決定された各係数に基づいて各信号処理を行い、各D/A変換器122に出力するようになっている。
なお、本実施形態における信号処理部200の構成およびその動作の詳細については、後述する。
D/A変換器122には、各チャンネル毎にそれぞれ信号処理が行われた各オーディオ信号が入力されるようになっており、このD/A変換器122は、入力されたデジタル信号である各オーディオ信号およびテスト信号をアナログ信号に変換して各電力増幅器123にそれぞれ出力するようになっている。
電力増幅器123には、各チャンネル毎に信号処理されたオーディオ信号が入力されるようになっており、この電力増幅器123は、システムシステム制御部129の制御の下、操作部128よって指定された音量の指示に基づいて各チャンネル毎のオーディオ信号の信号レベルを増幅し、増幅された各オーディオ信号を各チャンネルに対応する各スピーカに出力するようになっている。
テスト信号発生部124は、リスニングルーム10の周波数特性、再生レベルのレベル特性、遅延時間解析および残響特性などの空間特性を解析する際に用いるテスト信号を発生させ、当該発生させたテスト信号を信号処理部200に出力するようになっている。具体的には、テスト信号発生部124は、システム制御部129の下、例えば、ホワイトノイズ、ピンクノイズまたは一定の周波数範囲において周波数をスイープさせるスイープ信号などテスト信号を発生させ、当該発生させたテスト信号を信号処理部200に出力するようになっている。
なお、本実施形態のテスト信号発生部124は、システム制御部129の下、信号処理部200および空間特性解析部127と連動してテスト信号を発生するようになっており、後述する残響成分の付加およびその生成を行うための処理を実行する際に用いられるようになっている。
マイク増幅器125には、マイクロホンアレイ140からマイクロホンM毎に出力された各集音信号が入力されるようになっており、このマイク増幅器125は、入力された各集音信号を予め設定された信号レベルまで増幅し、当該増幅された各集音信号をA/D変換器126に出力するようになっている。
A/D変換器126には、マイク増幅器125から出力されたマイクロホンM毎の各集音信号が入力されるようになっており、このA/D変換器126は、入力された各集音信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、当該デジタル信号に変換された各集音信号を空間特性解析部127に出力するようになっている。
空間特性解析部127には、デジタル信号に変換された集音信号が入力されるようになっており、この空間特性解析部127は、入力された集音信号に基づいて、各チャンネル毎に出力された拡声音の周波数特性の解析、その再生レベルの解析、その遅延時間の解析および、その残響特性の解析を行うようになっている。また、この空間特性解析部127は、信号処理部200において各信号処理を行う際に必要となる係数を決定するため所定のパラメータを、各解析結果に基づいて算出し、当該算出された各パラメータのデータを信号処理部200に出力するようになっている。特に、本実施形態の空間特性解析部127は、スピーカシステム130から出力されたテスト信号に基づく集音信号に基づいて各解析を行い、各パラメータを算出するようになっている。
なお、本実施形態における空間特性解析部127の構成およびその動作の詳細については、後述する。
操作部128は、各種確認ボタン、選択ボタン及び数字キー等の多数のキーを含むリモートコントロール装置または各種キーボタンにより構成されており、リスニングルーム10の空間特性を解析する際の指示を入力するために用いられるようになっている。特に、本実施形態では、操作部128は、拡声するためのオーディオ信号に対して残響成分の生成およびその付加行う処理に関する操作を行うために用いられるようになっている。
システム制御部129は、各スピーカよりオーディオ信号を拡声してオーディオ信号の拡声を行うための全般的な機能を総括的に制御するようになっている。特に、このシステム制御部129は、各マイクロホンMによって集音された集音信号に対して所定の処理を行わせ、聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を解析させる解析処理(以下、残響特性解析処理という。)の制御、当該解析されたリスニングルーム10の残響特性に基づいて信号処理部200において残響制御を行う際に必要なる係数(以下、残響制御係数という。)の算出処理およびその設定処理(以下、当該算出処理および設定処理をまとめて残響制御係数設定処理という。)の制御を行うようになっている。
なお、この残響特性とは、リスニングルーム10における任意の聴取位置において聴取する拡声音の振幅レベル(強度)の時間的な減衰を示す特性をいい、具体的には、入力されたテスト信号における集音信号に基づいて、各周波数帯域毎に、任意のスピーカから聴取位置において最初に到達した拡声音(直接音)を基準としてその振幅レベルの減衰比とその際の時間を示す残響時間の特性をいう。
また、本実施形態におけるシステム制御部129の残響特性解析処理および残響制御係数設定処理の動作の詳細については、後述する。
次に、図8を用いて本実施形態の信号処理部200の構成およびその動作について説明する。なお、図8は、本実施形態における信号処理部200の構成を示すブロック図である。
信号処理部200は、上述のように、入力されたオーディオデータを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするとともに、デコードされた各チャンネル毎のオーディオ信号とテスト信号発生部124から出力されたテスト信号との入力を切り替えるようになっている。そして、この信号処理部200は、入力された信号に対して各チャンネル毎に所定の信号処理を行うことによって再生特性の調整を行うとともに、システム制御部129の制御の下、入力されたテスト信号を各スピーカ毎に拡声させるための所定の処理を行うようになっている。
具体的には、この信号処理部200は、入力されたオーディオデータに基づいて各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするデコーダ210と、データから出力された各チャンネルのオーディオ信号と入力されたテスト信号を切り換える入力切換部220と、各チャンネル毎のオーディオ信号またはテスト信号の周波数特性を調整する周波数特性調整回路230と、他のチャンネルとのチャンネル間における信号レベルを調整するとともに、各チャンネル毎に入力された信号を遅延させる信号レベル/遅延調整部240と、後述するように設定された残響制御係数に基づいて各チャンネル毎のオーディオ信号またはテスト信号の残響成分を生成し、当該オーディオ信号またはテスト信号に加算する残響制御回路250と、システム制御部129の制御の下、信号処理部200内の各部を制御する信号処理制御部260と、を有している。
なお、この信号処理部200は、各チャンネル毎に、周波数特性調整回路230、信号レベル/遅延調整部240および残響制御回路250を有しており、信号処理制御部260と各部は、バスBにより接続されている。
デコーダ210には、入力されたオーディオデータが入力されるようになっており、このデコーダ210は、入力されたオーディオデータを、各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードし、各チャンネル毎に入力切換部220に出力するようになっている。
入力切換部220には、各チャンネル毎にデコードされたオーディオ信号およびテスト信号発生部124から出力されたテスト信号が入力されるようになっており、この入力切換部220は、信号処理制御部260の制御の下、デコーダ210から出力されたオーディオ信号とテスト信号発生部124にて発生されたテスト信号の入力を切り換えて各周波数特性調整回路230に出力するようになっている。また、入力切換部220は、テスト信号を出力する際に、各チャンネルに、または、信号処理制御部260にて選択された一のチャンネルに当該テスト信号を出力するようになっている。
各周波数特性調整回路230には、信号処理制御部260の制御の下、各周波数帯域毎に、信号成分の利得(ゲイン)を調整するためのフィルタ係数が設定されるようになっている。また、この各周波数特性調整回路230には、入力された各チャンネル毎のオーディオ信号またはテスト信号が入力されるようになっており、設定された各フィルタ係数に基づいて入力された信号に対して周波数特性の調整を行い、各信号レベル/遅延調整部240に出力するようになっている。
各信号レベル/遅延調整部240には、信号処理制御部260の制御の下、各チャンネル毎に、チャンネル間における減衰率を調整するための係数(以下、減衰係数という。)と、各チャンネルに該当するオーディオ信号またはテスト信号における遅延量(遅延時間)を調整するための係数(以下、遅延制御係数という。)と、が設定されるようになっている。また、この各信号レベル/遅延調整部240には、各周波数帯域毎に周波数特性が調整されたオーディオ信号またはテスト信号が入力されるようになっており、この各信号レベル/遅延調整部240は、設定された減衰係数および遅延制御係数に基づいて、入力された信号に対してチャンネル間における減衰率および遅延量を調整し、当該減衰率および遅延量が調整されたオーディオ信号またはテスト信号を残響制御回路250に出力するようになっている。
残響制御回路250には、信号処理制御部260によって後述するように決定された残響制御係数がそれぞれ設定されるようになっており、当該残響制御回路250は、信号レベルが調整されたオーディオ信号またはテスト信号に対して残響制御を実行して各D/A変換器122に出力するようになっている。
具体的には、残響制御回路250には、信号レベルおよび遅延量が調整されたオーディオ信号またはテスト信号が入力されるようになっており、この残響制御回路250は、各チャンネル毎に入力されたオーディオ信号またはテスト信号を複数の周波数帯域毎に分割するようになっている。そして、この残響制御回路250は、後述する残響制御係数に基づいて入力されたオーディオ信号またはテスト信号に各周波数帯域毎の残響成分を生成し、当該生成された残響成分を入力されたオーディオ信号またはテスト信号に加算することによって残響制御を行い、当該残響制御された信号を各D/A変換器122に出力するようになっている。
また、残響制御回路250は、入力された信号に対して残響成分の生成およびその付加を行うことによって残響制御を行う際に、当該残響成分の方向特性も含めて残響制御を行うため、生成すべき残響成分の各チャンネル間の調整を行うようになっている。すなわち、本実施形態の残響制御回路250は、残響成分が拡声される際に方向特性を有するように、チャンネル毎の入力信号に対してそれぞれのスピーカ毎に(以下、スピーカ系統ともいう。)残響制御を行うようになっている。
また、本実施形態における残響制御回路250の構成およびその動作の詳細は、後述する。また、例えば、本実施形態の残響制御回路250は、本発明の調整手段を構成する。
信号処理制御部260は、システム制御部129の指示の下、各周波数特性調整回路230、各信号レベル/遅延調整部240および残響制御回路250の各係数の決定およびその設定を行うようになっている。
具体的には、この信号処理制御部260は、空間特性解析部127によって解析された各パラメータのデータに基づいて、フィルタ係数、減衰係数、および、遅延制御係数を算出して各部に設定する他に、残響パラメータに基づいて残響制御回路250における各残響成分の生成制御を行うための残響制御係数を算出し、当該算出された残響制御係数を、それぞれ、残響制御回路250に設定するようになっている。
特に、本実施形態における信号処理制御部260は、入力された残響パラメータに基づいて残響制御回路250における各残響制御係数を算出するためのテーブルを有し、残響パラメータが入力されると、当該テーブルに基づいて一定の残響制御係数を算出するようになっている。
例えば、信号処理制御部260には、後述のように、方向特性を有する残響成分を制御する際に用いる係数を算出するための残響パラメータが入力されるようになっている。また、この信号処理制御部260は、後述するように解析された残響成分の特性を示す残響パラメータに基づいて、各チャンネルのオーディオ信号またはテスト信号に対して、残響成分のレベルおよびその遅延時間を付加するとともに、当該付加される残響成分が解析された到来方向から聴取することができるように、付加する残響成分のチャンネル間の調整を行うための当該残響制御係数を算出するようになっている。そして、信号処理制御部260には、算出された残響制御係数を残響制御回路250に設定するようになっている。
なお、本実施形態では、信号処理制御部260は、チャンネル毎に、予め設定されている周波数帯域毎に、かつ、後述するように各スピーカの系統毎に、残響制御係数を算出するようになっている。
次に、図9および図10を用いて本実施形態における空間特性解析部127の構成およびその動作について説明する。なお、図9は、本実施形態における空間特性解析部127の構成を示すブロック図であり、図10は、本実施形態における残響特性解析を説明するための図である。
空間特性解析部127には、テスト信号に基づき拡声された拡声音を集音することによって生成された集音信号が入力されるようになっており、この空間特性解析部127は、上述のように、入力された集音信号に基づいて、各チャンネル毎に出力された拡声音の周波数特性の解析、その音圧レベルの解析、遅延時間解析、および、その残響成分の解析を行い、各解析結果に基づいてシステム制御部129を介して信号処理部200に各データを出力するようになっている。
この空間特性解析部127は、リスニングルーム10の周波数特性を解析する周波数特性解析部127Aと、当該リスニングルーム10における各スピーカから拡声された音圧レベルおよび遅延時間を解析する音圧レベル/遅延時間解析部127Bと、残響制御係数設定処理が実行される際に、当該リスニングルーム10の残響特性を解析し、残響パラメータを算出する残響特性解析部127Cと、から構成される。
周波数特性解析部127Aは、入力されたテスト信号における集音信号に基づいて、当該リスニングルーム10のマイクロホンアレイ140の設置位置(聴取位置)における周波数特性を解析するようになっており、システム制御部129を介して、解析結果を所定のパラメータのデータとして信号処理制御部260に出力するようになっている。また、音圧レベル/遅延時間解析部127Bは、入力されたテスト信号における集音信号に基づいて、当該リスニングルーム10のマイクロホンアレイ140の設置位置における各スピーカから拡声された音圧レベルおよび遅延時間を解析するようになっており、システム制御部129を介して、解析結果を所定のパラメータのデータとして信号処理制御部260に出力するようになっている。
残響特性解析部127Cは、リスニングルーム10の残響特性解析を行う際に、集音されたテスト信号の残響成分の時間的に変化に基づいて、リスニングルーム10の聴取位置における拡声音の残響成分の方向特性を有する残響特性を解析するようになっており、システム制御部129を介して、解析結果を所定の残響パラメータのデータとして信号処理制御部260に出力するようになっている。
より具体的には、本実施形態の残響特性解析部127Cは、マイクロホンアレイ140の各マイクロホンMによって集音された集音信号に対して、聴取位置に直接到達する直接成分に対する残響成分の時間的に減衰する振幅レベルの比の割合を算出するとともに、当該残響成分の振幅レベル比を割合を算出する際に、予め設定されたマイクロホンアレイ140における各マイクロホンMと他のマイクロホンMにおける距離、すなわち、マイクロホンアレイ140におけるマイクロホンM間の距離に基づいて聴取位置において、所定の角度毎に残響特性を算出するようになっている。
通常、聴取位置において、マイクロホンアレイ140の各マイクロホンMを、リスニングルーム10の床面と平行な面上に配列させるとともに、リスニングルーム10の正面、すなわち、センタースピーカ131の放射軸に対して垂直方向に配列させてある直線アレイを用いる場合に、拡声音がリスニングルームの壁面などにて反射して所定の方向から当該拡声音が聴取位置に到達すると、各マイクロホンMには、スピーカシステム130から直接聴取位置に到達された拡声音(以下、直接成分(直接音)という。)に対して所定の遅延が生じ、各残響成分が正面に対して所定の角度(θ)を有する拡声音(以下、残響成分という。)が集音される。したがって、当該各マイクロホンMにおいて認識されるリスニングルーム10の壁面にて反射された当該拡声音は、残響成分として当該マイクロホンMにおける到来方向に基づいて、到達時間および音圧レベルの振幅差が生ずることとなる。
例えば、図10に示すように、センタースピーカ131の放射軸に対して所定の角度(θ)を有するAの方向から壁面にて反射された拡声音が残響成分としてマイクロホンアレイ140に到達すると、直接成分に対して到達時間差(dt)が生ずるとともに、この到達時間差に基づいて当該拡声音音に含まれる各周波数には所定の位相差が生ずることになる。
そこで、本実施形態では、残響特性解析部127Cは、各マイクロホンMにおける複数の集音信号に対して所定の遅延処理を行うとともに、当該遅延処理された各集音信号を加算することによって、聴取位置における拡声音の方向特性を有する残響特性を解析することができるようになっている。
すなわち、本実施形態では、拡声音に含まれる残響成分が聴取位置に対してセンタースピーカ131の放射軸を基準として所定の角度を有すると、当該残響成分には、センタースピーカ131から直接到達する直接成分の到達時からの到達時間差(dt)およびそれに基づく位相差が生じることとなる。したがって、本実施形態の残響特性解析部127Cは、各集音信号を解析すべき到来方向に基づいて想定される遅延量により遅延処理を行うとともに、当該遅延処理された各集音信号を加算することによって得られた結果に基づいて各解析すべき到来方向毎に残響特性を認識するようになっており、この結果、当該処理を解析すべき到来方向すべてにおいて当該処理を行うことによって、残響成分を含む拡声音の方向特性を有する残響特性を解析することができるようになっている。
具体的には、本実施形態では、スピーカシステム130から聴取位置までの距離、例えば、センタースピーカ131からマイクロホンアレイ140の中心までの距離が予め設定されるようになっており、残響特性解析部127Cは、予め設定された到来方向の角度毎に、聴取位置の中心を基準として、すなわち、中心のマイクロホンMを基準として、各マイクロホンMの配列位置に基づいて各集音信号に対してそれぞれ遅延時間を算出し、予め設定された到来方向の角度毎に、各集音信号を遅延させて当該遅延させた各集音信号を加算することによって、聴取位置に対する各到来方向の残響特性を解析するようになっている。
例えば、本実施形態では、センタースピーカ131の放射軸を基準として、30度毎に解析すべき到来方向を予め設定し、残響特性解析部127Cは、マイクロホンアレイ140における各マイクロホンMの配列位置に基づいて、各解析すべき到来方向毎に遅延量を算出して内部に格納しておくようになっている。また、この残響特性解析部127Cは、各マイクロホンMによって集音された各集音信号を、所定の到来方向毎に、予め算出された遅延を課し、各集音信号を加算することによって、所定の到来方向毎に一のデータ(以下、測定データという。)を算出するようになっている。そして、この残響特性解析部127Cは、当該所定の到来方向毎の測定データに基づいて、当該所定の到来方向毎に残響特性、例えば、直接成分を基準として振幅レベルが−60dBまで低下する際の時間を示す残響時間、各残響成分のエネルギ分布、または、各残響成分のエネルギの時間特性などの残響特性を算出するようになっている。
なお、本実施形態の空間特性解析部127は、各マイクロホンMの配列に対応して所定の重み付け予め設定するとともに、各マイクロホンMによって集音された各集音信号に基づいて、当該マイクロホンアレイ140によって集音された各集音信号を加算する際に、設定された重み付けに基づいて加算するようになっている。例えば、聴取位置の中心から離れるにしたがって配置されたマイクロホンMによって集音された集音信号に対する重みを小さくすることによって、さらに、的確に、残響成分の到来方向を認識することができるので、残響特性を解析する上で、残響成分の到来方向を含めて的確に解析することができるようになっている。
また、この残響特性解析部127Cは、残響成分の到来方向を含めた残響特性と、所望する残響特性、例えば、操作部128を介して設定された残響特性と、を比較するようになっており、当該比較した結果、各信号処理制御260おいて、残響制御経路250にて残響成分を付加すべき際に用いる係数を算出するための残響パラメータを算出するようになっている。
具体的には、この残響特性解析部127Cは、信号処理制御部260において、残響制御回路250にて残響成分を制御する際に必要となる残響制御係数を算出するための残響パラメータを算出するようになっており、方向特性を示す残響成分を生成するためのパラメータが包含されている残響パラメータを算出するようになっている。
次に、図11を用いて本実施形態における残響制御回路250の構成およびその動作について説明する。なお、図11は、本実施形態における信号処理部200の残響制御回路250の構成を示すブロック図である。
残響制御回路250には、信号レベルが調整された各チャンネルのオーディオ信号またはテスト信号が入力されるようになっており、この残響制御回路250は、オーディオ信号またはテスト信号が入力されると、当該入力されたオーディオ信号またはテスト信号をスピーカシステム130のスピーカ数と同数に分割するようになっている。また、この残響制御回路250は、信号処理制御部260によって設定された残響制御係数に基づいて、各分割されたオーディオ信号またはテスト信号(以下、分割信号という。)に対して、各分割信号毎に、残響成分の生成およびその付加を行う残響成分調整を行うようになっており、当該残響成分の生成およびその付加がなされた信号を各チャンネル毎に加算、すなわち、各スピーカの出力チャンネル毎に加算し、当該加算された各チャンネルの信号を該当するD/A変換器122に出力するようになっている。
具体的には、この残響制御回路250は、図11に示すように、入力されたオーディ信号またはテスト信号をスピーカシステム130のスピーカと同数に分割する信号分割部251と、信号処理制御部260によって残響制御係数が設定され、オーディ信号またはテスト信号が入力された場合に当該設定された残響制御係数に基づいて分割された分割信号毎に残響成分を生成し、生成された残響成分を入力された元の分割信号に付加する信号成分生成部252と、各残響成分が付加された分割信号をスピーカ系統毎に合成する信号成分合成部253と、を有している。
なお、この信号成分生成部252は、予め設定された周波数帯域毎に、残響成分を付加するようになっており、信号成分生成部252に設定される残響制御係数は、上述のように、各チャンネル毎に、周波数帯域毎に、かつ、スピーカ系統毎に、それぞれ設定されるようになっている。
信号分割部251は、各チャンネル毎に設けられており、当該信号分割部252には、各チャンネル毎に信号レベル調整部240から出力されたオーディオ信号またはテスト信号が入力されるようになっている。また、この信号分割部251は、オーディオ信号またはテスト信号が入力されると、各チャンネル毎に、入力された各チャンネルのオーディオ信号またはテスト信号をスピーカ数と同数の同一成分を有する複数の信号に分割し、当該分割された各信号をそれぞれ各信号成分生成部252に出力するようになっている。
例えば、本実施形態では、この信号分割部251は、入力された各チャンネルのオーディオ信号またはテスト信号をスピーカ系統数「6」に分割し、各分割信号をそれぞれ信号成分生成部252に出力するようになっている。すなわち、本実施形態の信号分割部251は、各チャンネル毎に、かつ、各スピーカ系統毎に、分割信号を信号成分生成部252に出力するようになっている。
信号成分生成部252は、各チャンネル毎に、各スピーカ系統毎に設けられており、各信号成分生成部252は、信号処理制御部260によって各チャンネル毎に、かつ、各スピーカ系統毎に、上述のように算出された残響制御係数が設定されるようになっている。また、この各信号成分生成部252には、各チャンネル毎に、複数に分割された分割信号が入力されるようになっており、この各信号成分生成部252は、該当する分割信号が入力されると、入力された分割信号に対して残響成分の生成およびその付加を行い、該当するスピーカ系統に、信号成分合成部253に出力するようになっている。
具体的には、信号成分生成部252は、予め信号処理制御部260によって各チャンネル毎に、周波数帯域毎に、かつ、スピーカ系統毎に残響制御係数が設定され、入力された分割信号を当該残響制御係数に基づいて遅延処理を行うようになっている。
例えば、本実施形態では、各信号成分生成部252は、周波数帯域毎に、かつ、スピーカ系統毎に、FIR(Finite Impulse Response)フィルタにおけるフィルタ処理を行うようになっており、信号処理制御部260によって設定された残響制御係数、すなわち、フィルタ係数に基づいて、入力された各分割信号を各スピーカに対して拡声する際に、リスニングルーム10において所望する残響時間となるように残響成分の生成およびその付加を行うようになっている。
各信号成分合成部253は、スピーカ系統毎に設けられており、この各信号成分合成部253は、該当する信号成分生成部252から出力された残響成分が付加された複数の分割信号が入力されるようになっている。また、この各信号成分合成部253は、入力された該当するスピーカ系統毎の分割信号を加算して、各スピーカ系統毎の信号(以下、スピーカ信号という。)を生成するようになっている。そして、この信号成分合成部253は、生成されたスピーカ信号を該当するD/A変換器122に出力するようになっている。
次に、図12を用いて本実施形態の残響特性解析処理およびそれに基づく残響制御係数設定処理の動作について説明する。なお、図12は、本実施形態の残響特性解析処理およびそれに基づく残響制御係数設定処理の動作を示すフローチャートである。
まず、システム制御部129は、操作部128を介してユーザからの残響特性解析処理および残響制御係数設定処理を開始する旨の指示を検出すると(ステップS11)、未だ残響特性の解析および残響制御係数の設定を行っていない一のスピーカを選択する(ステップS12)。
次いで、システム制御部129は、テスト信号発生部124に当該選択されたスピーカから所定のテスト信号を発生させて選択させたスピーカからテスト信号を拡声させる(ステップS13)。具体的には、システム制御部129は、信号処理制御を制御して電力増幅器123における信号レベルの出力の停止または信号処理部200における入力の禁止など選択されていない他のスピーカの出力を停止させ、選択されたスピーカからテスト信号の拡声を開始させる。
次いで、システム制御部129がテスト信号を選択されたスピーカから拡声させると、マイクロホンアレイ140によってスピーカから拡声された拡声音が集音されるとともに、システム制御部129は、空間特性解析部127に当該集音された拡声音が集音信号してマイク増幅部およびA/D変換器126を介して入力され各信号を取得させる(ステップS14)。
なお、空間特性解析部127は、取得された各集音信号を内部に一時的に格納するようになっている。また、システム制御部129は、空間特性解析部127に、各集音信号を一度取得させればよいが、SN比を向上させるために、複数回当該動作を繰り返し、複数の各集音信号を取得させてもよい。この場合、空間特性解析部127は、後述する残響特性解析を行う前に、取得された各集音信号をマイクロホンM毎に平均化して解析の基になる集音信号を算出する。
次いで、システム制御部129は、未だ選択されていない予め設定された一の到来方向角度を選択し、以下の処理を実行する(ステップS15)。なお、本実施形態では、システム制御部129は、上述のように、センタースピーカ131の放射軸を基準として、30度毎に、以下の処理を実行する。
まず、システム制御部129は、空間特性解析部127にマイクロホンアレイ140の各マイクロホンMによって集音された各集音信号に対して、選択された到来方向角度における遅延量に基づいて遅延させる遅延処理を行うとともに、当該遅延処理された各集音信号を加算して一の測定データを算出する。(ステップS16)。
具体的には、空間特性解析部127は、上述のように、内部に予め算出されている各マイクロホンMに対応する遅延量を読み出し、当該読み出した各遅延量に基づいて集音信号に対して遅延処理を行い、遅延処理された各集音信号を加算する。
次いで、システム制御部129は、空間特性解析部127に算出された測定データに基づいて当該到来方向の残響特性を算出し(ステップS17)、当該算出された残響特性に基づいて残響パラメータを算出する(ステップS18)。
具体的には、本実施形態の空間特性解析部127は、算出された測定データに基づいて、残響成分におけるエネルギの時間特性を算出し、この算出されたエネルギの時間特性を当該到来方向による残響パラメータとして算出する。
次いで、システム制御部129は、未だ残響パラメータの算出の対象となっていない一の到来方向角度の有無を判断し(ステップS19)、未だ残響パラメータの算出の対象となっていない到来方向角度がある場合にはステップS15の処理に移行し、未だ残響パラメータの算出の対象となっていない到来方向がない場合には、システム制御部129は、未だ残響特性の解析および残響パラメータの設定を行っていないスピーカの有無を判断する(ステップS20)。
このとき、システム制御部129が、未だ残響特性の解析および残響パラメータの設定を行っていないスピーカがあると判断した場合には、当該システム制御部129は、ステップS12の処理に移行する。
一方、全てのスピーカの残響特性の解析および残響制御パラメータが算出されたと判断された場合には、システム制御部129は、空間特性解析部127に算出された各残響パラメータを信号処理制御部260に出力させるとともに、信号処理制御部260に当該残響パラメータに基づいて各残響制御係数を算出させる(ステップS21)。
最後に、システム制御部129は、信号処理制御部260に算出させた各残響制御係数を残響制御回路250に設定させ(ステップS22)、本動作を終了する。
なお、この後に、音源出力装置110から音源再生され、オーディオ信号が信号処理装置120に入力されると、残響付加成分生成部において、上述のように設定された残響制御係数に基づいて当該オーディオ信号の信号処理が行われ、すなわち、当該オーディオ信号の残響特性が調整され、スピーカシステム130から信号処理されたオーディオ信号が拡声されるようになっている。
以上、本実施形態によれば、本実施形態のサラウンドシステム100は、リスニングルーム10に配置される複数のスピーカから構成されるスピーカシステム130と、オーディオ信号をスピーカシステム130によって拡声させることによってリスニングルーム10の残響特性を認識し、当該認識された残響特性に基づいて当該スピーカシステム130から出力されるオーディオ信号の残響成分を調整する信号処理装置120と、リスニングルーム10に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンMから構成され、当該各マイクロホンM間の配列距離が予め定められるマイクロホンアレイ140であって、オーディオ信号がスピーカシステム130からリスニングルーム10に拡声された場合に、当該拡声されたリスニングルーム10の特定の聴取位置にて拡声音を集音するマイクロホンアレイ140と、を備え、信号処理装置120が、オーディオ信号として音信号を取得する入力処理部121と、オーディオ信号としてリスニングルーム10の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させるテスト信号発生部124と、音信号または前記テスト信号の少なくとも何れか一方の信号をスピーカシステム130から拡声させる電力増幅器123と、マイクロホンアレイ140によって集音された拡声音を拡声音信号として取得するとともに、取得された拡声音信号に基づいて、聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関するリスニングルーム10の時間的な減衰を示す残響特性を認識する空間特性解析部127と、前記認識された残響特性に基づいて、取得されたスピーカに拡声すべきオーディオ信号の残響特性を調整する残響制御回路250と、を有する構成を有している。
この構成より、本実施形態のサラウンドシステム100は、同一の特性を有する複数のマイクロホンMから構成され、当該各マイクロホンM間の配列距離が予め定められるマイクロホンアレイ140によって集音された拡声音を拡声音信号として取得するとともに、取得された拡声音信号に基づいて、リスニングルーム10の聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関するリスニングルーム10の時間的な減衰を示す残響特性を認識する。そして、本実施形態のサラウンドシステム100は、認識された残響特性に基づいて、取得されたスピーカに拡声すべき音源の残響特性を調整する。
したがって、本実施形態のサラウンドシステム100は、各拡声音の残響特性を認識する際に、残響成分の到来方向をも認識することができるので、CDやDVDなどの音源をスピーカシステム130から拡声させる際の残響特性を、残響成分の到来方向を含めたリスニングルーム10における残響特性に基づいて調整することができる。この結果、このサラウンドシステム100は、当該解析された残響特性に基づいて、より自然で、かつ、より臨場感のある音場を提供することができる。
また、本実施形態のサラウンドシステム100は、空間特性解析部127が、各マイクロホンMによって集音された各集音信号に基づいて、当該マイクロホンアレイ140によって集音された集音信号における位相差に基づいて残響成分の方向特性を有する残響特性を認識する構成を有している。
したがって、本実施形態のサラウンドシステム100は、的確に残響成分の到来方向を推定することができるので、このサラウンドシステム100は、音源を再生する際に、残響特性を解析する上で、残響成分の到来方向を含めて的確に解析することができるとともに、当該解析された残響特性に基づいて、より自然で、かつ、より臨場感のある音場を提供することができる。
また、本実施形態のサラウンドシステム100は、空間特性解析部127が、各マイクロホンMの配列に対応して所定の重み付け予め設定するとともに、各マイクロホンMによって集音された各集音信号における位相差と設定された重み付けとに基づいて残響成分の方向特性を有する残響特性を認識する構成を有している。
この構成より、本実施形態のサラウンドシステム100は、聴取位置の中心から離れるにしたがって配置されたマイクロホンMによって集音された集音信号に対する重みを小さくすることによって、さらに、的確に、残響成分の到来方向を認識することができるので、残響特性を解析する上で、残響成分の到来方向を含めて的確に解析することができる。
なお、本実施形態のサラウンドシステム100は、マイクロホンアレイ140が、リスニングルーム10の床面と平行な面上に複数のマイクロホンMを配列することによって構成される。本実施形態のサラウンドシステム100は、リスニングルーム10に複数のスピーカによって拡声音が拡声されることより認識される当該拡声音の拡声方向と同一方向面に複数のマイクロホンMが配列された第1アレイと、第1アレイが配列された面と直交する面上に複数のマイクロホンMが並列に配列されている第2アレイと、から構成される。本実施形態のサラウンドシステム100は、マイクロホンアレイ140が、聴取位置の中心を基準としてリスニングルーム10の床面と平行な面上に前記複数のマイクロホンが配列されることによって多角形を構成する。このように、本実施形態では、マイクロホンアレイ140が構成されるので、的確に残響成分の到来方向を推定することができる。
なお、本実施形態では、5.1chのサラウンドシステム100を用いて残響時間の設定処理について説明しているが、勿論、7.1chやそれ以上のチャンネルを持つマルチチャンネルシステム、AVアンプなどのステレオ用音響再生装置などの他の音響再生装置についても適用することができる。
また、本実施形態では、信号処理装置120において、音源出力装置110において出力されたデジタル信号に基づいて残響制御その他の信号処理を行うようになっているが、勿論、当該信号処理装置120において、音源出力装置110から出力されたアナログ信号またはその他の外部から入力されたアナログ信号に基づいて信号処理を行うようにしてもよい。
また、本実施形態は、同一の特性を有するマイクロホンMによってマイクロホンアレイ140を構成するようになっているが、当該マイクロホンに対して所定の方向に対して指向性を有する指向性マイクロホンによって当該マイクロホンアレイを構成するようにしてもよいし、一の指向性マイクロホンの向きを変えることによって所定の角度毎に集音信号を集音するようにしてもよい。
この場合は、残響特性解析部127Cは、各集音信号に対して、遅延処理および加算処理を行うことなく、そのままの信号を測定データとして残響パラメータを算出するようになっている。したがって、この場合であっても、上述と同様に、各拡声音の残響特性を認識する際に、残響成分の到来方向をも認識することができるので、解析された残響特性に基づいて、より自然で、かつ、より臨場感のある音場を提供することができる。
また、本実施形態のマイクロホンアレイ140は、リスニングルーム10の床面と平行な面上に複数のマイクロホンMを配列させるようになっているが、勿論、当該平行面に複数のマイクロホンMを配列させるとともに、当該リスニングルーム10の床面と直交する面にも複数のマイクロホンを配列させることにより、リスニングルーム10の残響成分を含めた拡声音の残響特性を3次元に解析するようにしてもよい。
また、本実施形態では、空間特性解析部1270は、リスニングルーム10に置ける2次元平面の残響特性、すなわち、リスニングルーム10の床面の同一平面内の2次元の残響成分の特性を解析するようになっているが、勿論、マイクロホンアレイ140を3次元的に配列させることによって、例えば、四角形アレイを直方体アレイに構成することによって、リスニングルーム10の残響特性を3次元的に解析するようにしてもよい。
この場合には、信号処理制御部260は、3次元的に残響成分を発生させるための残響制御係数を算出し、当該算出された各残響制御係数を各残響制御回路250に設定するようになる。

Claims (9)

  1. 音場空間に配置される複数のスピーカから構成されるスピーカシステムと、
    音源を前記スピーカシステムによって拡声させることによって前記音場空間の残響特性を認識し、当該認識された残響特性に基づいて当該スピーカシステムから出力される音源の残響成分を調整する残響調整装置と、
    前記音場空間に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンから構成され、当該各マイクロホン間の配列距離が予め定められるマイクロホンアレイであって、前記音源が前記スピーカシステムから前記音場空間に拡声された場合に、当該拡声された音場空間の特定の聴取位置にて拡声音を集音するマイクロホンアレイと、
    を備え、
    前記残響調整装置が、
    前記音源として音信号を取得する第1取得手段と、
    前記音源として前記音場空間の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させる発生手段と、
    前記音信号または前記テスト信号の少なくとも何れか一方の信号を前記スピーカシステムから拡声させる出力制御手段と、
    前記マイクロホンアレイによって集音された拡声音を拡声音信号として取得する第2取得手段と、
    前記取得された拡声音信号に基づいて、前記聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を認識する認識手段と、
    前記認識された残響特性に基づいて、前記取得されたスピーカに拡声すべき音源の残響特性を調整する調整手段と、
    を有することを特徴とする音響再生システム。
  2. 請求項1に記載の音響再生システムにおいて、
    前記マイクロホンアレイが、前記音場空間の床面と平行な面上に前記複数のマイクロホンを配列することによって構成されていることを特徴とする音響再生システム。
  3. 請求項2に記載の音響再生システムにおいて、
    前記マイクロホンアレイが、
    前記音場空間に前記複数のスピーカによって拡声音が拡声されることより認識される当該拡声音の拡声方向と同一方向面に前記複数のマイクロホンが配列された第1アレイと、
    前記第1アレイが配列された面と直交する軸方向に前記複数のマイクロホンが並列に配列されている第2アレイと、
    から構成されることを特徴とする音響再生システム。
  4. 請求項2に記載の音響再生システムにおいて、
    前記マイクロホンアレイが、
    前記聴取位置の中心を基準として前記音場空間の床面と平行な面上に前記複数のマイクロホンが配列されることによって多角形を構成することを特徴とする音響再生システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の音響再生システムにおいて、
    前記認識手段が、
    前記各マイクロホンによって集音された各集音信号に基づいて、当該マイクロホンアレイによって集音された集音信号における位相差に基づいて前記残響成分の方向特性を有する残響特性を認識することを特徴とする音響再生システム。
  6. 請求項4に記載の音響再生システムにおいて、
    前記認識手段が、各マイクロホンの配列に対応して所定の重み付け予め設定するとともに、前記マイクロホンアレイによって集音された集音信号における位相差と前記設定された重み付けとに基づいて前記残響成分の方向特性を有する残響特性を認識することを特徴とする音響再生システム。
  7. 複数のスピーカから構成されるスピーカシステムによって拡声される音場空間の残響特性に基づいて当該スピーカシステムから出力される音源の残響成分を調整する残響調整方法であって、
    前記音源として前記音場空間の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させ、当該発生させたテスト信号を前記スピーカシステムによって拡声させるテスト信号拡声工程と、
    前記スピーカシステムから前記音場空間に拡声された前記テスト信号を、前記音場空間に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンから構成されるマイクロホンアレイによって拡声音信号として集音させる集音工程と、
    前記取得された拡声音信号に基づいて、前記聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を認識する認識工程と、
    スピーカシステムよって拡声すべき音源を取得して拡声する際に、認識された残響特性に基づいて、当該取得された音信号の残響特性を調整する調整工程と、
    を含むことを特徴とする残響調整方法。
  8. 複数のスピーカから構成されるスピーカシステムによって拡声される音場空間の残響特性に基づいて当該スピーカシステムから出力される音源の残響成分を調整する残響調整装置であって、
    前記音場空間に配設されるとともに同一の特性を有する複数のマイクロホンから構成されるマイクロホンアレイによって、前記音源が前記スピーカシステムから前記音場空間に拡声された拡声音を音場空間の特定の聴取位置にて集音する場合に、
    前記音源として音信号を取得する第1取得手段と、
    前記音源として前記音場空間の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させる発生手段と、
    前記音信号またはテスト信号の少なくとも何れか一方の信号を前記スピーカシステムから拡声させる出力制御手段と、
    前記マイクロホンアレイによって集音された拡声音信号を取得する第2取得手段と、
    前記取得された拡声音信号に基づいて、前記聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を認識する認識手段と、
    前記認識された残響特性に基づいて、前記取得されたスピーカシステムに拡声すべき音源の残響特性を調整する調整手段と、
    を有することを特徴とする残響調整装置。
  9. 音場空間に配置される複数のスピーカから構成されるスピーカシステムと、
    音源を前記スピーカシステムによって拡声させることによって前記音場空間の残響特性を認識し、当該認識された残響特性に基づいて当該スピーカシステムから出力される音源の残響成分を調整する残響調整装置と、
    前記音場空間に配設されるとともに所定の方向に指向特性を有するマイクロホンであって、前記音源が前記スピーカシステムから前記音場空間に拡声された場合に、当該拡声された音場空間の特定の聴取位置にて拡声音を集音するマイクロホンと、
    を備え、
    前記残響調整装置が、
    前記音源として音信号を取得する第1取得手段と、
    前記音源として前記音場空間の残響特性を解析するためのテスト信号を発生させる発生手段と、
    前記音信号または前記テスト信号の少なくとも何れか一方の信号を前記スピーカシステムから拡声させる出力制御手段と、
    前記マイクロホンアレイによって集音された拡声音を拡声音信号として取得する第2取得手段と、
    前記取得された拡声音信号に基づいて、前記聴取位置における拡声音の残響成分の到来方向を示す方向特性を有し、当該拡声音の当該聴取位置における音の強度に関する前記音場空間の時間的な減衰を示す残響特性を認識する認識手段と、
    前記認識された残響特性に基づいて、前記取得されたスピーカに拡声すべき音源の残響特性を調整する調整手段と、
    を有することを特徴とする音響再生システム。
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