JPWO2005121048A1 - 二次元コード付きタイルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本願の1つの発明に係る二次元コード付きタイルは、陶磁器材料で形成される略板状の基材2,42と、基材2,42を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、基材2,42とは異なる色に形成される釉薬層3,43,44,45,46と、釉薬層3,43,44,45,46を貫通して形成され、二次元コードパターン部5,48を形成する複数の微小凹部4,47と、を有する。
Description
本発明は、二次元コード付きタイルおよびその製造方法に関する。
特開平9−315053号公報(以下、特許文献1とよぶ。)には、積層体が開示されている。この積層体は、明度の異なる二層のセラミック層を積層したものであり、一方のセラミック層に、該セラミック層の表面から他方のセラミック層へ至る開口部が形成されている。一方のセラミック層の側から見える二層のセラミック層の明度の差によって、識別マークが形成される。
この特許文献1は、識別マークとして、バーコードの例を開示する。特許文献1には、この積層体の構造によって、バーコード以外の二次元コードも形成できると記載されている。なお、特許文献1は、明度の異なる二層のセラミック層の色の組み合わせの例として、白と黒との組み合わせを開示する。
また、特許文献1は、このような積層体において、開口部が形成されるセラミック層は、0.5〜5.0mmに形成するとよいことを開示する。特許文献1は、開口部は、サンドブラスト加工およびレーザ加工のいずれの方法でも形成することができることを開示する。特許文献1は、2つのセラミック層の接合は、積層体を成形するときの焼成だけでなく、乾燥による自己接着、透明あるいは半透明の無機質接着剤による接着などの各種の方法で行えることを開示する。
しかしながら、この特許文献1が開示する積層体に開口部を形成することにより、二次元コードを形成しようとする場合、以下の問題点が考えられる。
二次元コードは、バーコードに比べて、コードを形成する図形が微細で且つ複雑である。そのため、二次元コードを積層体に形成する場合、バーコードを形成する場合に比べて、格段に高い加工精度が要求される。たとえば、一辺が約5cmのタイルに二次元コードの一種であるQRコードを形成する場合、数十から数百マイクロメートルの幅で溝を形成したり、一辺の長さが数十から数百マイクロメートルの四角形の穴や突起を形成したりしなければならない。
このような高い精度の加工には、レーザ加工を採用する必要がある。サンドブラスト加工において、このような高い精度の加工を実現することは、難しい。
また、特許文献1の積層体に形成する開口部は、厚さ0.5〜5.0mmに形成されている一方のセラミック層を貫通するように形成する必要がある。セラミックは、硬く且つ脆い材料である。
そのような硬く且つ脆い性質を有する材料に、数十から数百マイクロメートルの幅に、且つ、0.5mm以上の深さの開口部を開設し、これにより二次元コードに要求される精度の図形の輪郭を得ることは、たとえレーザ加工によって加工をするにしても至難の業である。
これらの加工上の問題点をクリアできたとしても、この特許文献1が開示する積層体に開口部を形成することにより、二次元コードを形成しようとする場合、さらに以下の問題点が考えられる。
特許文献1では、積層体に形成された二次元コードは、それを読み取り可能に形成されたレーザー式スキャナーなどの光学的読取装置で読み取る。特許文献1では、積層体に形成された二次元コードを、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で読み取ってデコードすることは考慮されていない。積層体に形成された二次元コードを、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像し、その撮像した画像に基づいて二次元コードをデコードする場合、積層体に形成された二次元コードの読み取り専用に開発された読取装置で読み取ってデコードする場合に比べて、積層体に形成される二次元コードとしての図形の輪郭には、絶対的に高い精度が要求される。
したがって、たとえ特許文献1が開示する積層体に二次元コードを形成することができたとしても、その二次元コードをカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることは、極めて難しい。
また、たとえカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置によって、特許文献1が開示する積層体に形成された二次元コードをデコードできる場合があるとしても、溝が深いため、溝の中の影、その他の要因によって、斜め方向から二次元コードを見たときのその形状は、真上方向から二次元コードを見たときのその形状とは異なるものになる。その結果、二次元コードの真上からずれた方向から、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることは、より一層難しいことになる。
本発明者は、上述した問題点を解消するために鋭意研究を重ねた。その結果、本発明者は、本発明を完成するに至った。
本発明は、二次元コードを高い精度で形成することができる二次元コード付きタイルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
この特許文献1は、識別マークとして、バーコードの例を開示する。特許文献1には、この積層体の構造によって、バーコード以外の二次元コードも形成できると記載されている。なお、特許文献1は、明度の異なる二層のセラミック層の色の組み合わせの例として、白と黒との組み合わせを開示する。
また、特許文献1は、このような積層体において、開口部が形成されるセラミック層は、0.5〜5.0mmに形成するとよいことを開示する。特許文献1は、開口部は、サンドブラスト加工およびレーザ加工のいずれの方法でも形成することができることを開示する。特許文献1は、2つのセラミック層の接合は、積層体を成形するときの焼成だけでなく、乾燥による自己接着、透明あるいは半透明の無機質接着剤による接着などの各種の方法で行えることを開示する。
しかしながら、この特許文献1が開示する積層体に開口部を形成することにより、二次元コードを形成しようとする場合、以下の問題点が考えられる。
二次元コードは、バーコードに比べて、コードを形成する図形が微細で且つ複雑である。そのため、二次元コードを積層体に形成する場合、バーコードを形成する場合に比べて、格段に高い加工精度が要求される。たとえば、一辺が約5cmのタイルに二次元コードの一種であるQRコードを形成する場合、数十から数百マイクロメートルの幅で溝を形成したり、一辺の長さが数十から数百マイクロメートルの四角形の穴や突起を形成したりしなければならない。
このような高い精度の加工には、レーザ加工を採用する必要がある。サンドブラスト加工において、このような高い精度の加工を実現することは、難しい。
また、特許文献1の積層体に形成する開口部は、厚さ0.5〜5.0mmに形成されている一方のセラミック層を貫通するように形成する必要がある。セラミックは、硬く且つ脆い材料である。
そのような硬く且つ脆い性質を有する材料に、数十から数百マイクロメートルの幅に、且つ、0.5mm以上の深さの開口部を開設し、これにより二次元コードに要求される精度の図形の輪郭を得ることは、たとえレーザ加工によって加工をするにしても至難の業である。
これらの加工上の問題点をクリアできたとしても、この特許文献1が開示する積層体に開口部を形成することにより、二次元コードを形成しようとする場合、さらに以下の問題点が考えられる。
特許文献1では、積層体に形成された二次元コードは、それを読み取り可能に形成されたレーザー式スキャナーなどの光学的読取装置で読み取る。特許文献1では、積層体に形成された二次元コードを、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で読み取ってデコードすることは考慮されていない。積層体に形成された二次元コードを、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像し、その撮像した画像に基づいて二次元コードをデコードする場合、積層体に形成された二次元コードの読み取り専用に開発された読取装置で読み取ってデコードする場合に比べて、積層体に形成される二次元コードとしての図形の輪郭には、絶対的に高い精度が要求される。
したがって、たとえ特許文献1が開示する積層体に二次元コードを形成することができたとしても、その二次元コードをカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることは、極めて難しい。
また、たとえカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置によって、特許文献1が開示する積層体に形成された二次元コードをデコードできる場合があるとしても、溝が深いため、溝の中の影、その他の要因によって、斜め方向から二次元コードを見たときのその形状は、真上方向から二次元コードを見たときのその形状とは異なるものになる。その結果、二次元コードの真上からずれた方向から、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることは、より一層難しいことになる。
本発明者は、上述した問題点を解消するために鋭意研究を重ねた。その結果、本発明者は、本発明を完成するに至った。
本発明は、二次元コードを高い精度で形成することができる二次元コード付きタイルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、陶磁器材料で形成される略板状の基材と、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、基材とは異なる色に形成される釉薬層と、釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、を有するものである。
この構成を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、釉薬層を貫通して形成される。しかも、この釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成される。したがって、釉薬層の厚さは、薄く、その釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードは、高い精度で形成することができる。
本発明に係る他の二次元コード付きタイルは、陶磁器材料で形成される略板状の基材と、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成され、基材とは異なる色に形成される釉薬層と、釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、を有するものである。
この構成を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、釉薬層を貫通して形成される。しかも、この釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成される。したがって、釉薬層の厚さは、薄く、その釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードは、高い精度で形成することができる。また、微小凹部によって露出する基材から、釉薬層の表面までの高さは、略100マイクロメートル以下となり、これらの表面は、単一の平面を形成しているとみなすことができる。
本発明に係る第三の二次元コード付きタイルは、陶磁器材料で形成される略板状の基材と、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、基材とは異なる色であって、且つ、互いに異なる色である複数の釉薬層と、複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、を有するものである。
この構成を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成される。しかも、この複数の釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成される。したがって、複数の釉薬層の厚さは、薄く、その釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードは、高い精度で形成することができる。
本発明に係る第四の二次元コード付きタイルは、陶磁器材料で形成される略板状の基材と、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成され、基材とは異なる色であって、且つ、互いに異なる色である複数の釉薬層と、複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、を有するものである。
この構成を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成される。しかも、この複数の釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成される。したがって、複数の釉薬層の厚さは、薄く、その複数の釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードは、高い精度で形成することができる。また、微小凹部によって露出する基材から、複数の釉薬層の表面までの高さは、略100マイクロメートル以下となり、これらの表面は、単一の平面を形成しているとみなすことができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、基材が、一辺が2cm以上、12cm以下の四角形形状を有し、微小凹部が、レーザ加工によって、釉薬層あるいは複数の釉薬層を焼成により形成した後の基材の表面に形成されるものである。
この構成を採用すれば、一辺が2cm以上、12cm以下のタイルに、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる精度の二次元コード部を形成することができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、最表面に、透明な釉薬を付着して焼成することで形成される他の釉薬層を有するものである。
この構成を採用すれば、最表面に、透明な釉薬層を形成することができる。しかも、この釉薬層の釉薬は、複数の微小凹部の中にも入り込む。したがって、二次元コード付きタイルの表面が平らになる。その結果、釉薬層が欠けたりはがれたりし難くなり、長期にわたって二次元コード部の形状を読み取り可能な形状に維持することができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、二次元コードパターン部に形成される二次元コードが、QRコード、マイクロQRコード、PDF417のコードあるいはDataMatrixのコードであるものである。
この構成を採用すれば、直線状の微小凹部および四角形の微小凹部を組み合わせて形成することにより、二次元コードパターン部を形成することができる。直線状の微小凹部および四角形の微小凹部は、たとえば円形の微小凹部を形成する場合に比べて、レーザ加工によって微小凹部の輪郭を精度良く形成し易い。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、基材が、焼成後に黒色となる陶磁器材料で形成され、釉薬層あるいは複数の釉薬層の中の少なくとも1つが、焼成後に白色となる材料で形成されるものである。
この構成を採用すれば、白地に黒の二次元コードパターン部を形成することができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、二次元コードパターン部の周囲には、少なくとも二次元コードパターン部の外周の対向する2辺に沿って、文字あるいは図形が形成されているものである。
この構成を採用すれば、たとえばカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で二次元コードパターン部を撮像する際に、その装置の利用者は、二次元コードパターン部の周囲に、その外周の対向する2辺に沿って形成された文字あるいは図形が読めるように、二次元コードパターン部に対してその装置を位置決めする。その結果、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置は、その装置の利用者が明確に意識していなくても、二次元コードパターン部の略真上方向に位置決めされることになる。
本発明に係る二次元コード付きタイルの製造方法は、陶磁器材料で形成される略板状の基材の上にその基材とは異なる色の釉薬を付着する工程と、その付着工程後に焼成する工程と、二次元コードパターン部を形成するようにレーザ光を照射し、その釉薬による層を貫通する複数の微小凹部を形成する工程と、を有するものである。
この方法を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、釉薬層を貫通して形成される。しかも、この釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成されている。したがって、釉薬層の厚さは、薄く、その釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードパターン部は、高い精度で形成することができる。その二次元コードパターン部をカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる。
本発明に係る他の二次元コード付きタイルの製造方法は、陶磁器材料で形成される略板状の基材の上にその基材とは異なる色で且つ互いに異なる色の複数の釉薬を付着する工程と、その付着工程後に焼成する工程と、二次元コードパターン部を形成するようにレーザ光を照射することにより、上記複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通する複数の微小凹部を形成する工程と、を有するものである。
この方法を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、複数の釉薬層中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成される。しかも、この複数の釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成されている。したがって、複数の釉薬層の厚さは、薄く、その複数の釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードパターン部は、高い精度で形成することができる。その二次元コードパターン部をカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルの製造方法は、上述した各発明の構成に加えて、複数の微小凹部を形成する工程の後に、釉薬層の上から、透明な釉薬を付着する工程と、透明な釉薬を付着する工程の後に焼成する工程と、を有するものである。
この方法を採用すれば、基材および釉薬層もしくは複数の釉薬層の上に、透明な釉薬層を形成することができる。しかも、この釉薬層の釉薬は、複数の微小凹部の中にも入り込む。したがって、二次元コード付きタイルの表面が平らになる。その結果、釉薬層が欠けたりはがれたりし難くなり、長期にわたって二次元コード部の形状を読み取り可能な形状に維持することができる。
この構成を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、釉薬層を貫通して形成される。しかも、この釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成される。したがって、釉薬層の厚さは、薄く、その釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードは、高い精度で形成することができる。
本発明に係る他の二次元コード付きタイルは、陶磁器材料で形成される略板状の基材と、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成され、基材とは異なる色に形成される釉薬層と、釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、を有するものである。
この構成を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、釉薬層を貫通して形成される。しかも、この釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成される。したがって、釉薬層の厚さは、薄く、その釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードは、高い精度で形成することができる。また、微小凹部によって露出する基材から、釉薬層の表面までの高さは、略100マイクロメートル以下となり、これらの表面は、単一の平面を形成しているとみなすことができる。
本発明に係る第三の二次元コード付きタイルは、陶磁器材料で形成される略板状の基材と、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、基材とは異なる色であって、且つ、互いに異なる色である複数の釉薬層と、複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、を有するものである。
この構成を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成される。しかも、この複数の釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成される。したがって、複数の釉薬層の厚さは、薄く、その釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードは、高い精度で形成することができる。
本発明に係る第四の二次元コード付きタイルは、陶磁器材料で形成される略板状の基材と、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成され、基材とは異なる色であって、且つ、互いに異なる色である複数の釉薬層と、複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、を有するものである。
この構成を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成される。しかも、この複数の釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成される。したがって、複数の釉薬層の厚さは、薄く、その複数の釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードは、高い精度で形成することができる。また、微小凹部によって露出する基材から、複数の釉薬層の表面までの高さは、略100マイクロメートル以下となり、これらの表面は、単一の平面を形成しているとみなすことができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、基材が、一辺が2cm以上、12cm以下の四角形形状を有し、微小凹部が、レーザ加工によって、釉薬層あるいは複数の釉薬層を焼成により形成した後の基材の表面に形成されるものである。
この構成を採用すれば、一辺が2cm以上、12cm以下のタイルに、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる精度の二次元コード部を形成することができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、最表面に、透明な釉薬を付着して焼成することで形成される他の釉薬層を有するものである。
この構成を採用すれば、最表面に、透明な釉薬層を形成することができる。しかも、この釉薬層の釉薬は、複数の微小凹部の中にも入り込む。したがって、二次元コード付きタイルの表面が平らになる。その結果、釉薬層が欠けたりはがれたりし難くなり、長期にわたって二次元コード部の形状を読み取り可能な形状に維持することができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、二次元コードパターン部に形成される二次元コードが、QRコード、マイクロQRコード、PDF417のコードあるいはDataMatrixのコードであるものである。
この構成を採用すれば、直線状の微小凹部および四角形の微小凹部を組み合わせて形成することにより、二次元コードパターン部を形成することができる。直線状の微小凹部および四角形の微小凹部は、たとえば円形の微小凹部を形成する場合に比べて、レーザ加工によって微小凹部の輪郭を精度良く形成し易い。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、基材が、焼成後に黒色となる陶磁器材料で形成され、釉薬層あるいは複数の釉薬層の中の少なくとも1つが、焼成後に白色となる材料で形成されるものである。
この構成を採用すれば、白地に黒の二次元コードパターン部を形成することができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、上述した各発明の構成に加えて、二次元コードパターン部の周囲には、少なくとも二次元コードパターン部の外周の対向する2辺に沿って、文字あるいは図形が形成されているものである。
この構成を採用すれば、たとえばカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で二次元コードパターン部を撮像する際に、その装置の利用者は、二次元コードパターン部の周囲に、その外周の対向する2辺に沿って形成された文字あるいは図形が読めるように、二次元コードパターン部に対してその装置を位置決めする。その結果、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置は、その装置の利用者が明確に意識していなくても、二次元コードパターン部の略真上方向に位置決めされることになる。
本発明に係る二次元コード付きタイルの製造方法は、陶磁器材料で形成される略板状の基材の上にその基材とは異なる色の釉薬を付着する工程と、その付着工程後に焼成する工程と、二次元コードパターン部を形成するようにレーザ光を照射し、その釉薬による層を貫通する複数の微小凹部を形成する工程と、を有するものである。
この方法を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、釉薬層を貫通して形成される。しかも、この釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成されている。したがって、釉薬層の厚さは、薄く、その釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードパターン部は、高い精度で形成することができる。その二次元コードパターン部をカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる。
本発明に係る他の二次元コード付きタイルの製造方法は、陶磁器材料で形成される略板状の基材の上にその基材とは異なる色で且つ互いに異なる色の複数の釉薬を付着する工程と、その付着工程後に焼成する工程と、二次元コードパターン部を形成するようにレーザ光を照射することにより、上記複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通する複数の微小凹部を形成する工程と、を有するものである。
この方法を採用すれば、二次元コードパターン部を形成するための複数の微小凹部は、複数の釉薬層中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成される。しかも、この複数の釉薬層は、基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成されている。したがって、複数の釉薬層の厚さは、薄く、その複数の釉薬層に形成する微小凹部の深さは、浅い。その結果、この構成を採用する二次元コード付きタイルの二次元コードパターン部は、高い精度で形成することができる。その二次元コードパターン部をカメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルの製造方法は、上述した各発明の構成に加えて、複数の微小凹部を形成する工程の後に、釉薬層の上から、透明な釉薬を付着する工程と、透明な釉薬を付着する工程の後に焼成する工程と、を有するものである。
この方法を採用すれば、基材および釉薬層もしくは複数の釉薬層の上に、透明な釉薬層を形成することができる。しかも、この釉薬層の釉薬は、複数の微小凹部の中にも入り込む。したがって、二次元コード付きタイルの表面が平らになる。その結果、釉薬層が欠けたりはがれたりし難くなり、長期にわたって二次元コード部の形状を読み取り可能な形状に維持することができる。
第1図は、本発明の実施の形態1に係る二次元コード付きタイルを示す図である。
第2図は、第1図の二次元コード付きタイルおよびその二次元コード付きタイルを収容するプロテクターを示す図である。
第3図は、第2図に示す二次元コード付きタイルおよびプロテクターの設置状態の例を示す図である。
第4図は、カメラ付き携帯電話端末の回路構成を示すブロック図である。
第5図は、カメラ付き携帯電話端末を示す斜視図である。
第6図は、第4図および第5図に示すカメラ付き携帯電話端末により、地面に埋設された二次元コード付きタイルの二次元コードパターン部を撮像している状態を示す図である。
第7図は、第1図に示す二次元コード付きタイルの製造工程を示すフローチャートである。
第8図は、本発明の実施の形態2に係る二次元コード付きタイルを示す図である。
第2図は、第1図の二次元コード付きタイルおよびその二次元コード付きタイルを収容するプロテクターを示す図である。
第3図は、第2図に示す二次元コード付きタイルおよびプロテクターの設置状態の例を示す図である。
第4図は、カメラ付き携帯電話端末の回路構成を示すブロック図である。
第5図は、カメラ付き携帯電話端末を示す斜視図である。
第6図は、第4図および第5図に示すカメラ付き携帯電話端末により、地面に埋設された二次元コード付きタイルの二次元コードパターン部を撮像している状態を示す図である。
第7図は、第1図に示す二次元コード付きタイルの製造工程を示すフローチャートである。
第8図は、本発明の実施の形態2に係る二次元コード付きタイルを示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る二次元コード付きタイルおよびその製造方法を、図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
第1図は、本発明の実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1を示す図である。第1図(A)は、二次元コード付きタイル1の正面図である。第1図(B)は、二次元コード付きタイル1の側面図である。第1図(C)は、第1図(A)の二次元コード付きタイル1のA−A線断面図である。第1図(D)は、二次元コード付きタイル1の部分拡大断面図である。
二次元コード付きタイル1は、基材2を有する。基材2は、たとえば、セラミックスなどの陶磁器に使用される材料で形成される。セラミックスは、主成分が陶土(SiO2)などの無機・非金属質の固体材料であり、それを所定の形状に成形した上で高温(たとえば1200〜1300℃)で加熱することにより、任意の形状に形成することができる。この実施の形態1では、焼成後にその全体が黒色の単一色となる材料を使用している。基材2は、略正方形の板形状を有する。正方形の一辺は、約5cmである。基材2の板厚は、約8mmである。
基材2の表面には、第一の釉薬層3が形成される。第一の釉薬層3は、陶磁器の色つけに使用される釉薬による層である。釉薬は、たとえばガラス、その他の材料を混合した材料であり、それに使用する材料の色の組み合わせに応じて異なる色を発色する。この実施の形態1では、焼成後にその全体が白色の単一色となる材料を使用している。第一の釉薬層3は、基材2の表面の全面に形成される。第一の釉薬層3の厚さは、約10〜20マイクロメートルである。
第一の釉薬層3および基材2は、第1図(C)および(D)に示すように、その表面側に、複数の微小凹部4を有する。微小凹部4は、第一の釉薬層3を貫通した状態に形成される。微小凹部4の深さは、第一の釉薬層3の厚さ以上の深さ(たとえば、数十〜数百マイクロメートル)である。このような微小凹部4が形成されることにより、基材2が二次元コード付きタイル1の表面に露出する。
複数の微小凹部4と第一の釉薬層3とによって、二次元コード付きタイル1の略正方形の表面の中央部には、二次元コードパターン部5が形成される。二次元コードパターン部5は、第一の釉薬層3による白色部と、微小凹部4によって露出した基材2による黒色部とで構成される。
二次元コードは、デジタルデータをコード化した図である。デジタルデータをコード化した図としては、他にもたとえばバーコードがある。バーコードは、コード化できる情報量が少ないため、数桁の数字データをコード化した図として利用される。二次元コードには、QRコード(ISO/IEC18004)、マイクロQRコード、PDF417方式のコード、DataMatrix方式のコード、MaxiCodeなどがある。
QRコード、DataMatrix方式のコード、MaxiCodeは、それぞれマトリックスコードの一種である。PDF417は、スタックドバーコードの一種である。バーコードが、ごく少ない桁数の数字データのコード化しかできないのに対して、これらの二次元コードは、数字データで言えば数百から数千の桁数のデータをコード化することができる。特に、QRコード、PDF417方式のコードは、数千の桁数の数字データをコード化することができる。また、QRコード、マイクロQRコード、DataMatrix方式のコードは、コード化した図のサイズが小さく、省スペースであるとの特徴がある。
QRコード、マイクロQRコード、PDF417方式のコード、DataMatrix方式のコードは、四角形のみを組み合わせることで形成することができる図である。これに対して、MaxiCodeは、円を使用している。
この実施の形態1の二次元コード付きタイル1では、二次元コードパターン部5に、QRコードのパターンを形成する。QRコードは、上述したように省スペース且つ大容量の特徴を有する。QRコードは、デジタルデータの読み取りの際に、その誤りを訂正する機能を有する。したがって、QRコードは、二次元コード付きタイル1の一部が欠けたり割れたりしたとしても、そのデコードが可能な状態に維持される可能性が高い。
なお、このQRコードにコード化するデジタルデータとしては、バーコードと同じ数字だけのデータであってもよいが、その大容量である特徴を生かして、たとえば、文字データ、画像データ、音声データなどであってもよい。
QRコードにコード化する文字データとしては、たとえば、二次元コード付きタイル1が設置される地点の緯度経度もしくは住所の文字データ、二次元コード付きタイル1が設置される土地の区画の地形もしくはボーリングや測量の調査結果の文字データ、二次元コード付きタイル1が設置される地点の周辺施設の管理や案内の文字データなどがある。
QRコードにコード化する画像データとしては、たとえば、二次元コード付きタイル1が設置される地点の周辺施設や道路などに関する画像データ、二次元コード付きタイル1が設置される地点から周辺施設までの案内図としての地図データ、二次元コード付きタイル1が設置される土地区画の地形もしくはボーリングや測量の調査結果の画像データ、二次元コード付きタイル1が設置される土地の施設の施工前の写真データなどがある。
QRコードにコード化する音声データとしては、たとえば、二次元コード付きタイル1が設置される地点の緯度経度もしくは住所を読み上げた音声データ、二次元コード付きタイル1が設置される地点から周辺施設までの道案内の音声データ、二次元コード付きタイル1が設置される土地の区画の地形もしくはボーリングや測量の調査結果を読み上げた音声データ、二次元コード付きタイル1が設置される地点の周辺施設の管理や案内の音声データなどがある。
二次元コードパターン部5の周囲には、二次元コードパターン部5の4つの辺に沿って、囲み文字部6が形成される。囲み文字部6は、複数の微小凹部4と第一の釉薬層3とによって形成されている。囲み文字部6には、白地に黒の文字が形成される。囲み文字部6の文字を白地に黒の文字とすることにより、紙にペンで書いた文字と同様の配色となり、たとえば後述するカメラ付き携帯電話端末などの液晶ディスプレイ34において、文字を認識しやすくなる。
この実施の形態1の二次元コード付きタイル1の囲み文字部6には、二次元コードパターン部5の4つの辺に沿って、「http://www.」と、「ace**.com」と、「位置情報サービス」と、「エース**(株)」との4つの文字列が形成されている。「位置情報サービス」は、二次元コード付きタイル1が位置情報サービスのために設置されていることを示している。「エース**(株)」は、二次元コード付きタイル1を設置した事業者の名称である。「http://www.」と「ace**.com」とは、その事業者が開設するウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)である。
この二次元コードパターン部5の周囲の囲み文字部6には、上述した文字列以外の文字列を形成してもよい。たとえば、二次元コード付きタイル1の設置場所の住所、二次元コード付きタイル1の管理者の名称、住所、電話番号、二次元コードにコード化したデータを利用することができるウェブサイトのURLなどを形成してもよい。また、囲み文字部6に、文字以外のもの、たとえばキャラクターや各種の図形を並べて形成するようにしてもよい。
第一の釉薬層3および基材2の上には、第1図(C)および(D)に示すように、第二の釉薬層7が形成される。第二の釉薬層7は、陶磁器のつやだしに使用される透明な材料で形成される。なお、二次元コードパターン部5の視認性を妨げない程度に半透明な材料により、第二の釉薬層7を形成してもよい。第二の釉薬層7は、基材2の表面の全面に形成される。第二の釉薬層7は、複数の微小凹部4の中にも入り込んでいる。第二の釉薬層7が形成されることにより、二次元コード付きタイル1の表面は、複数の微小凹部4を形成しているにもかかわらず、略平らになる。
次に、本発明の実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1の設置例について説明する。
第2図は、第1図の二次元コード付きタイル1およびその二次元コード付きタイル1を収容するプロテクター11を示す図である。第2図(A)は、二次元コード付きタイル1およびそのプロテクター11の正面図である。第2図(B)は、第2図(A)の二次元コード付きタイル1およびそのプロテクター11のB−B線断面図である。第2図(C)は、第2図(A)の二次元コード付きタイル1およびそのプロテクター11の斜視図である。
プロテクター11は、プロテクター本体12と、リブ部13と、傾斜部14と、境界点指示部15と、アンカーボルト16と、を有する。プロテクター11は、金属製である。プロテクター11は、鋳造、削り出しなどの方法で成形される。
プロテクター本体12は、二次元コード付きタイル1より大きい略正方形の板形状を有する。プロテクター本体12の中央部には、貫通孔17が形成される。貫通孔17は、二次元コード付きタイル1より一回り大きい略四角柱形状を有する。リブ部13は、貫通孔17のプロテクター本体12の上面寄りの端部において、貫通孔17内に突出する状態に、貫通孔17の内周に沿って形成される。境界点指示部15は、プロテクター本体12の1つの角部に形成される。傾斜部14は、プロテクター本体12の上面から下面にかけて、プロテクター本体12の外周部が末広がりの形状となるように形成される。アンカーボルト16は、プロテクター本体12の裏面に、ねじ止めにより取り付けられる。
二次元コード付きタイル1は、プロテクター本体12の貫通孔17に収容される。プロテクター本体12に収容されている状態において、二次元コードパターンが形成される二次元コード付きタイル1の上面は、プロテクター本体12の上面側になる。
プロテクター11は、貫通孔17の上面寄りの端部に、リブ部13を有する。二次元コード付きタイル1は、プロテクター本体12に収容されている状態では、リブ部13の裏面に当接する。二次元コード付きタイル1は、プロテクター本体12の上面側から、貫通孔17の外へ出てしまうことはない。
なお、二次元コード付きタイル1は、接着剤などによって、プロテクター本体12内に固定してもよい。また、プロテクター本体12の下側に、プロテクター本体12と略同じ大きさの板を配設し、この板を接着剤などでプロテクター本体12に固定することにより、貫通孔17を塞ぎ、二次元コード付きタイル1が貫通孔17の外へ出ないようにしてもよい。
第3図は、第2図に示す二次元コード付きタイル1およびプロテクター11の設置状態の例を示す図である。第3図(A)は、二次元コード付きタイル1が収容されているプロテクター11を地面に直接埋設した場合における、二次元コード付きタイル1およびプロテクター11の設置状態を示す図である。プロテクター11を地面に直接埋設する場合、プロテクター11の傾斜部14の途中まで地面に埋設するとよい。プロテクター11の傾斜部14の途中まで地面に埋設することにより、プロテクター11の側面に人や物がぶつかりにくくなる。また、たとえ人や車がぶつかったとしても、プロテクター11に加えられる力を斜面部の斜面に沿って逃がすことができる。その結果、プロテクター11は、路面を移動する人や車などによる力が作用しにくくなり、長期にわたって埋設した位置に埋設されつづける。
第3図(B)は、二次元コード付きタイル1を収容したプロテクター11を、コンクリートブロック21の一面に取り付け、このコンクリートブロック21とともに地面に直接埋設した場合における、二次元コード付きタイル1およびプロテクター11の設置状態を示す図である。このようにプロテクター11をコンクリートブロック21に一体化させた上で、このコンクリートブロック21とともに埋設することにより、プロテクター11は、第3図(A)の場合より位置がずれにくくなり、地面からはがれにくくなる。したがって、このような埋設は、プロテクター11の境界点指示部15が指し示す地点がたとえば所有地の境界を示すような場合において、好適な方法である。
このように二次元コード付きタイル1は、プロテクター11とともに、たとえば舗装道路や歩道などの路面、駐車場、公園、地下道などの地面に埋設することができる。この他にもたとえば、二次元コード付きタイル1を収容するプロテクター11は、ビルディング、橋、建物などの構造物や、乗り物などに設置してもよい。このような構造物や乗り物にプロテクター11を設置する場合、プロテクター11は、床面以外に、壁面、階段、天井その他の場所に設置してもよい。また、プロテクター11を使用せずに、二次元コード付きタイル1を直接、床面、壁面、階段、天井などに設置するようにしてもよい。
次に、第3図に例示するように地面などに埋設された二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5の利用方法について、カメラ付き携帯電話端末で利用する場合を例として説明する。
第4図は、カメラ付き携帯電話端末31の回路構成を示すブロック図である。第5図は、カメラ付き携帯電話端末31を示す斜視図である。
カメラ付き携帯電話端末31は、第4図に示すように、カラーCCD(Charge−Coupled Device)カメラ32と、テンキーその他の入力キー33と、液晶ディスプレイ34と、情報処理部35と、通信部36と、を有する。情報処理部35は、CPUがプログラムを実行することにより実現される。
また、カメラ付き携帯電話端末31は、第5図に示すように、上部フレーム37と、下部フレーム38と、を有する。上部フレーム37および下部フレーム38は、ともに、長尺な長方体形状を有する。上部フレーム37の長尺方向一端部は、下部フレーム38の長尺方向一端部と回転可能に連結される。上部フレーム37および下部フレーム38は、この連結部の周囲で回転する。カメラ付き携帯電話端末31は、上部フレーム37と下部フレーム38とが重なるように、折り畳むことができる。
カメラ付き携帯電話端末31において、カラーCCDカメラ32は、小型で低消費電力であるC−MOS型のものが好んで採用される。カラーCCDカメラ32は、カメラ付き携帯電話端末31を折り畳んだ状態において、上部フレーム37の外側面となる位置に配設される。入力キー33は、下部フレーム38の内側面となる位置に配設される。液晶ディスプレイ34は、上部フレーム37の内側面となる位置に配設される。
第6図は、第4図および第5図に示すカメラ付き携帯電話端末31により、地面に埋設された二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5を撮像している状態を示す図である。カメラ付き携帯電話端末31の使用者は、上部フレーム37と下部フレーム38とを開いた状態において、カメラ付き携帯電話端末31の下部フレーム38を持つ。使用者は、上部フレーム37の外側面に配設されたカラーCCDカメラ32を、二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5に対向させる。情報処理部35は、カラーCCDカメラ32が撮像している撮像画像を、液晶ディスプレイ34に表示する。
液晶ディスプレイ34に二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5の全体が写っている状態において、使用者は、入力キー33を操作する。情報処理部35は、この入力キー33が操作されたタイミングで液晶ディスプレイ34に表示されている撮像データから、二次元コードを抽出する。
撮像画像から二次元コードが抽出できたときには、情報処理部35は、その抽出した二次元コードをデコードする。デコードにより得られたデジタルデータが文字データである場合、情報処理部35は、その文字データによる文字列を液晶ディスプレイ34に表示する。デコードにより得られたデジタルデータが画像データである場合、情報処理部35は、その画像データによる画像を液晶ディスプレイ34に表示する。デコードにより得られたデジタルデータが音声データである場合、情報処理部35は、その音声データによる音声を図示外のスピーカから出力する。カメラ付き携帯電話端末31の使用者は、液晶ディスプレイ34に表示された文字列を読んだり、液晶ディスプレイ34に表示された画像を見たりすることにより、二次元コード付きタイル1にデコードされたデータを利用することができる。
撮像画像から二次元コードのパターンが抽出できない場合、情報処理部35は、その旨を液晶ディスプレイ34に表示した後、カラーCCDカメラ32が撮像する画像を液晶ディスプレイ34に表示する状態に戻る。
なお、情報処理部35は、カラーCCDカメラ32が撮像している撮像画像に基づく画像を液晶ディスプレイ34に表示するとともに、その裏処理として、カラーCCDカメラ32が撮像している撮像画像から二次元コードを抽出する処理を繰り返し実行するようにしてもよい。この変形例の場合、情報処理部35は、撮像画像から二次元コードが抽出できたときには、その旨を液晶ディスプレイ34に表示し、それを承認する入力操作が入力キー33に対してなされたら、その承認された二次元コードのデコード処理およびそれ以降の処理を実行すればよい。
次に、本発明の実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1の製造方法について説明する。第7図は、第1図に示す二次元コード付きタイル1の製造工程を示すフローチャートである。
第1図に示す二次元コード付きタイル1の製造工程では、まず、セラミックスなどの陶磁器に使用される材料の粉末と水とを混ぜた陶土を、略正方形の板形状に成形する(ステップST1)。この成形するサイズは、第1図に示す二次元コード付きタイル1の基材2のサイズより大きなサイズ(たとえば1.2〜1.5倍程度のサイズ)である。
次に、略正方形の板形状に成形した素地を、天日干し、陰干しなどで乾燥させた後、本焼成の温度(たとえば1200〜1300度)まで加熱する(ステップST2)。これにより、第1図に示す二次元コード付きタイル1と略同サイズの基材2が形成される。
次に、この本焼成をした素地の表面に、釉薬を塗布する(ステップST3)。この工程で塗布する釉薬は、第1図に示す二次元コード付きタイル1の第一の釉薬層3となる。そのため、焼成後に白色となる材料を釉薬として使用する。
次に、釉薬を付着した生地を、本焼成の温度よりも低い温度(たとえば約800〜900度)にて焼成する(ステップST4)。この釉薬層を基材2に焼成する温度を、基材2の本焼成の温度より低くすることにより、釉薬層と基材2との境界部分ににじみなどが発生し難くなる。
なお、釉薬を付着するためには、その釉薬が付着した転写紙を使用してもよい。転写紙を生地の表面に重ねて焼成することにより、生地の表面に、転写紙に付着していた釉薬による層を形成することができる。
以上の工程が完了した時点において、第1図に示す二次元コード付きタイル1と略同サイズであって、基材2と第一の釉薬層3とからなる二次元コード付きタイル1が形成される。
次に、基材2と第一の釉薬層3とからなる二次元コード付きタイル1の表面に、レーザ加工により複数の微小凹部4を形成する(ステップST5)。第1図に示す二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5および囲い文字部が形成されるように、二次元コード付きタイル1の表面には、複数の微小凹部4が形成される。微小凹部4は、第一の釉薬層3を貫通する深さに形成される。
タイルに二次元コードパターン部5を形成するためのレーザ加工には、たとえば小型のレーザ加工機である、ユニバーサル−レーザシステム社製の型番「ULS−25E」のレーザ加工機を使用することができる。このレーザ加工機は、CO2レーザ光を最大30Wで出力することができ、スポット径を数十から数百マイクロメートルに設定することができる。また、このレーザ加工機は、レーザ光の出力を0〜100%に制御し、レーザ光の走査速度を連続的に可変することができる。
次に、複数の微小凹部4を形成した二次元コード付きタイル1の表面に、別の釉薬を付着する(ステップST6)。この工程で付着する別の釉薬は、第1図に示す二次元コード付きタイル1の第二の釉薬層7となる。そのため、別の釉薬には、焼成後に透明になるつやだし用の材料を使用する。この別の釉薬は、複数の微小凹部4の中に入り込む。
次に、この別の釉薬を付着した二次元コード付きタイル1を、本焼成の温度よりも低い温度(たとえば約800〜900度)にて焼成する(ステップST7)。好ましくは、このときの焼成温度は、第一の釉薬層3を焼成したときの温度以下であるのが望ましい。
以上のすべての工程が完了すると、第1図に示す二次元コード付きタイル1が形成される。この二次元コード付きタイル1の表面は、透明な釉薬層7によって略平らになる。
以上のように、この実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1は、その二次元コードパターン部5が露出する状態において、地面などに設置される。そして、この実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1は、露出する二次元コードパターン部5がカメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像されることにより、二次元コードパターン部5にコード化されているデジタルデータを提供することができる。
この実施の形態1のように、第一の釉薬層3が形成された基材2において、第一の釉薬層3を貫通する微小凹部4をレーザ加工によって形成することにより、たとえば、基材2に、レーザ加工によって凹部を形成する場合に比べて、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で識別しやすい色の差を容易に形成することができる。基材2にレーザ加工によって凹部を形成する場合には、単に明度のみの差によって二次元コードパターン部5を形成することとなるので、凹部を深く形成する必要がある。しかも、このように深い凹部を形成したとしても、二次元コードパターン部5の真上から光があたっているようなときには、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で識別することができる程度の色差を確保することがむずかしい。
この実施の形態1では、陶磁器に使用される材料からなる基材2を用いて二次元コードパターン部5を形成している。この場合、たとえば基材2を耐熱プラスチックなどで形成する場合にくらべて、耐久性に優れる。その結果、実施の形態1の二次元コード付きタイル1は、舗装路や建物などの半永久的な構造物などに対して風雨にされされる状態で設置されたとしても、長期に渡って、その二次元コードパターン部5の二次元コードを抽出し、デコードすることができる。
この実施の形態1では、陶磁器に使用される材料からなる基材2および第一の釉薬層3に対して、レーザ加工によって、二次元コードパターン部5を形成している。その結果、サンドブラスト加工では、たとえば四角形形状のタイルで言えば、一辺が2cm以上、12cm以下のタイルに、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる精度の二次元コードパターン部5を形成することはできない。これに対して、この実施の形態1では、そのような小さいサイズのタイルに、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる精度の二次元コードパターン部5を形成することができる。
なお、この実施の形態1では、二次元コードパターン部5は、白色と黒色との組み合わせとして実現されている。これ以外にもたとえば、二次元コードパターン部5は、赤色と黒色との組み合わせであっても、赤色と白色との組み合わせであっても、青色と白色との組み合わせであっても、あるいは、明度あるいは彩度の異なる同色相の色同士の組み合わせであってもよい。
実施の形態2.
第8図は、本発明の実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41を示す図である。第8図(A)は、二次元コード付きタイル41の正面図である。第8図(B)は、二次元コード付きタイル41の側面図である。第8図(C)は、二次元コード付きタイル41のA−A線断面図である。本発明の実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41は、釉薬層が4層になっている点において、実施の形態1に係る二次元コード付きタイル41で異なる。
二次元コード付きタイル41は、基材42を有する。基材42に使用される材料は、実施の形態1の基材2と同様のものである。
基材42の表面には、第一の釉薬層43が形成される。第一の釉薬層43は、白色に、10マイクロメートルの厚さに形成される。第一の釉薬層43の上には、第二の釉薬層44が形成される。第二の釉薬層44は、青色に、10マイクロメートルの厚さに形成される。第二の釉薬層44の上には、第三の釉薬層45が形成される。第三の釉薬層45は、黒色に、10マイクロメートルの厚さに形成される。第三の釉薬層45の上には、第四の釉薬層46が形成される。第四の釉薬層46は、藍色に、10マイクロメートルの厚さに形成される。第一の釉薬層43、第二の釉薬層44、第三の釉薬層45および第四の釉薬層46に使用される材料は、基本的に、実施の形態1の第一の釉薬層43と同様のものである。
この4つの釉薬層43,44,45,46は、たとえば基材42に4枚の転写紙を重ね、それらをまとめて焼成することで形成することができる。このように釉薬が付着する転写紙を重ね、それらをまとめて焼成することにより、1回の焼成工程で複数の釉薬層を基材42に焼成することができ、焼成回数を減らすことができる。
なお、転写紙を用いて1回の焼成工程で複数の釉薬層を焼成する場合、同時に焼成することができる転写紙の枚数は4枚以下にするとよい。転写紙の枚数が5枚以上になると、その焼成中において、転写紙の釉薬同士がまざりやすくなり、釉薬層同士の境界部分がはっきりとしなくなる。釉薬層同士の境界部分がはっきりとしなくなると、その分だけ、その後に微小凹部47を形成する際に、その微小凹部47の深さのマージンが少なくなってしまう。
これら基材42、第一の釉薬層43、第二の釉薬層44、第三の釉薬層45および第四の釉薬層46の表面側には、複数の微小凹部47が形成される。微小凹部47は、少なくとも第四の釉薬層46を貫通する深さに形成される。第四の釉薬層46は、二次元コード付きタイル41の最も表面側にある釉薬層である。つまり、ある微小凹部47は、藍色の第四の釉薬層46を貫通して、黒色の第三の釉薬層45を露出させる。ある微小凹部47は、第四の釉薬層46および第三の釉薬層45を貫通して、青色の第二の釉薬層44を露出させる。ある微小凹部47は、第四の釉薬層46、第三の釉薬層45および第二の釉薬層44を貫通して、白色の第一の釉薬層43を露出させる。残りの微小凹部47は、第四の釉薬層46、第三の釉薬層45、第二の釉薬層44および第一の釉薬層43を貫通して、黒色の基材42を露出させる。
なお、このような複数種類の深さの微小凹部47は、上述したレーザ加工機において、レーザ光の出力、レーザ光の走査速度などの設定を変えることにより、形成することができる。たとえば、上述したレーザ加工機において、レーザ光の出力パワーを100%、レーザ光の走査速度を20ミリメートル毎秒、1インチ長さあたりのパルス数を800パルスに設定すると、白色の第一の釉薬層43が露出する。また、レーザ光の出力パワーを100%、レーザ光の走査速度を30ミリメートル毎秒、1インチ長さあたりのパルス数を800パルスに設定すると、青色の第二の釉薬層44が露出する。また、レーザ光の出力パワーを25%、レーザ光の走査速度を80ミリメートル毎秒、1インチ長さあたりのパルス数を800パルスに設定すると、黒色の第三の釉薬層45が露出する。
そして、このように複数の深さを有する複数の微小凹部47を形成することにより、二次元コード付きタイル41の表面の中央部に、二次元コードパターン部48が実現される。また、二次元コードパターン部48の周囲には、4つの辺に沿って囲み文字部49が形成される。この二次元コードパターン部48を、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像し、その撮像画像から抽出される二次元コードをデコードすることにより、二次元コードパターン部48にコード化されていたデータを利用することができる。
なお、この実施の形態2では、4層の釉薬層は、白、青、黒および藍色の組み合わせであるが、これ以外にもたとえば、4層の釉薬層は、緑、青、赤および白の組み合わせであってもよい。
また、このように釉薬層を2層以上にすることにより、1つの二次元コードパターン部48に、2つ以上の二次元コードを互いに独立してデコード可能にコード化することができる。たとえば、二次元コードパターン部48を黒、白、青の3色で形成し、あるカメラ付き携帯電話端末31は、黒と青とを同一色として扱って二次元コードを抽出し、別のあるカメラ付き携帯電話端末31は、白と青とを同一色として扱って二次元コードを抽出するようにすれば、これら2種類のカメラ付き携帯電話端末31は、同じ二次元コード付きタイルから、異なる二次元コードをデコードすることができる。また、1つのカメラ付き携帯電話端末31において、プログラムなどにおいてこれらの色の取り扱い方のパターンを複数準備しておき、これらの中から1つの取り扱い方を選択してデコードするようにしてもよい。
以上のように、上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1は、陶磁器材料で形成される略板状の基材2と、基材2を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、基材2とは異なる色に形成される第一の釉薬層3と、第一の釉薬層3を貫通して形成され、二次元コードパターン部5を形成する複数の微小凹部4と、を有する。また、上述した実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41は、陶磁器材料で形成される略板状の基材42と、基材42を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、基材42とは異なる色に形成され、且つ、互いに異なる色を有する4つの釉薬層43,44,45,46と、4つの釉薬層43,44,45,46の中の少なくとも1つの釉薬層(第四の釉薬層46)を貫通して形成され、二次元コードパターン部48を形成する複数の微小凹部47と、を有する。
したがって、これら各実施の形態に係る二次元コード付きタイル1,41は、基材2,42に積層される釉薬層3,43,44,45,46の厚さが薄く、その釉薬層3,43,44,45,46に形成する微小凹部4,47の深さは、浅い。実施の形態1の微小凹部4の深さは、約20マイクロメートル、実施の形態2の微小凹部47の深さは、約40マイクロメートルである。その結果、各実施の形態に係る二次元コード付きタイル1,41の二次元コードパターン部5,48は、高い精度で形成される。また、微小凹部47によって露出する基材2,42から、釉薬層3,46の表面までの高さは、実施の形態1では、約20マイクロメートル、実施の形態2では、約40マイクロメートルである。したがって、二次元コード付きタイル1,41の表面は、単一の平面になっているとみなすことができる。
その結果、その二次元コードパターン部48をカメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる。なお、二次元コードパターン部48の凹凸が数百マイクロメートルになってしまうと、その面が平面的でなくなってしまう。したがって、釉薬層は、その全体が百マイクロメートル以下となる厚さに形成するとよい。
上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1では、第一の釉薬層3の上に、透明な第二の釉薬層7を形成している。この透明な第二の釉薬層7は、第一の釉薬層3を基材2に焼成した後に塗布して焼成することにより形成されている。そのため、第二の釉薬層7の釉薬は、複数の微小凹部4の中にも入り込み、二次元コード付きタイル1の表面は、平らになる。
したがって、上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1では、第一の釉薬層3がそのまま露出している場合にくらべて、その第一の釉薬層3が欠けたりはがれたりし難くなり、二次元コードパターン部5を長期にわたって読み取り可能な形状に維持することができる。なお、上述した実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41において、第四の釉薬層46の上に、透明な釉薬層を形成するようにしても、同様の効果を期待することができる。
上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1では、二次元コードパターン部5には、QRコードが形成される。上述した実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41では、二次元コードパターン部48には、QRコードが形成される。QRコードは、直線的な線の組み合わせで構成される。したがって、二次元コードパターン部5,48は、直線状の微小凹部4,47および四角形の微小凹部4,47を組み合わせることで形成することができる。直線状の微小凹部4,47および四角形の微小凹部4,47は、たとえば円形の微小凹部を形成する場合に比べて、レーザ加工によって微小凹部の輪郭を精度良く形成し易い。なお、QRコード以外にも、マイクロQRコード、PDF417のコードあるいはDataMatrixのコードであれば、直線状の微小凹部4,47および四角形の微小凹部4,47を組み合わせることにより、二次元コードパターン部5,48を形成することができる。
上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1では、二次元コードパターン部5の周囲に、4つの辺に沿って、文字が形成されている。上述した実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41では、二次元コードパターン部48の周囲に、4つの辺に沿って、文字が形成されている。
このように二次元コードパターン部5,48の周囲に、4つの辺に沿って文字が形成されていると、たとえばカメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で二次元コードパターン部5,48を撮像する際に、その装置の利用者は、二次元コードパターン部5,48の外周に沿って形成された文字あるいは図形が読めるように、二次元コードパターン部5,48に対してその装置を位置決めする。利用者は、明確に意識していなくても、二次元コードパターン部48の周囲の文字が同じ大きさで違和感無く見えるように、汎用的な装置を位置決めする。
その結果、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置は、その装置の利用者が明確に意識していなくても、二次元コードパターン部5,48の略真上方向に位置決めされることになる。カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置が二次元コードパターン部5,48の略真上方向に位置決めされれば、二次元コードパターン部5,48の撮像画像は、二次元コードの正しい外形となる。正しい外形の二次元コードは、たとえば撮像画像において台形などの外形を有する二次元コードにくらべて、撮像画像から容易に抽出し、デコードすることができる。したがって、不慣れな利用者であったとしても、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置を用いて、二次元コードパターン部5,48に形成されている二次元コードを簡単にデコードすることができる。
なお、二次元コードパターン部48の少なくとも対向する2辺に沿って文字が形成されていれば、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置は、その装置の利用者が明確に意識していなくても、二次元コードパターン部5,48の略真上方向に位置決めされることを期待することができる。また、二次元コードパターン部5,48の周囲に、文字の替わりに図形などを形成するようにしても、同様の効果を期待することができる。
実施の形態1.
第1図は、本発明の実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1を示す図である。第1図(A)は、二次元コード付きタイル1の正面図である。第1図(B)は、二次元コード付きタイル1の側面図である。第1図(C)は、第1図(A)の二次元コード付きタイル1のA−A線断面図である。第1図(D)は、二次元コード付きタイル1の部分拡大断面図である。
二次元コード付きタイル1は、基材2を有する。基材2は、たとえば、セラミックスなどの陶磁器に使用される材料で形成される。セラミックスは、主成分が陶土(SiO2)などの無機・非金属質の固体材料であり、それを所定の形状に成形した上で高温(たとえば1200〜1300℃)で加熱することにより、任意の形状に形成することができる。この実施の形態1では、焼成後にその全体が黒色の単一色となる材料を使用している。基材2は、略正方形の板形状を有する。正方形の一辺は、約5cmである。基材2の板厚は、約8mmである。
基材2の表面には、第一の釉薬層3が形成される。第一の釉薬層3は、陶磁器の色つけに使用される釉薬による層である。釉薬は、たとえばガラス、その他の材料を混合した材料であり、それに使用する材料の色の組み合わせに応じて異なる色を発色する。この実施の形態1では、焼成後にその全体が白色の単一色となる材料を使用している。第一の釉薬層3は、基材2の表面の全面に形成される。第一の釉薬層3の厚さは、約10〜20マイクロメートルである。
第一の釉薬層3および基材2は、第1図(C)および(D)に示すように、その表面側に、複数の微小凹部4を有する。微小凹部4は、第一の釉薬層3を貫通した状態に形成される。微小凹部4の深さは、第一の釉薬層3の厚さ以上の深さ(たとえば、数十〜数百マイクロメートル)である。このような微小凹部4が形成されることにより、基材2が二次元コード付きタイル1の表面に露出する。
複数の微小凹部4と第一の釉薬層3とによって、二次元コード付きタイル1の略正方形の表面の中央部には、二次元コードパターン部5が形成される。二次元コードパターン部5は、第一の釉薬層3による白色部と、微小凹部4によって露出した基材2による黒色部とで構成される。
二次元コードは、デジタルデータをコード化した図である。デジタルデータをコード化した図としては、他にもたとえばバーコードがある。バーコードは、コード化できる情報量が少ないため、数桁の数字データをコード化した図として利用される。二次元コードには、QRコード(ISO/IEC18004)、マイクロQRコード、PDF417方式のコード、DataMatrix方式のコード、MaxiCodeなどがある。
QRコード、DataMatrix方式のコード、MaxiCodeは、それぞれマトリックスコードの一種である。PDF417は、スタックドバーコードの一種である。バーコードが、ごく少ない桁数の数字データのコード化しかできないのに対して、これらの二次元コードは、数字データで言えば数百から数千の桁数のデータをコード化することができる。特に、QRコード、PDF417方式のコードは、数千の桁数の数字データをコード化することができる。また、QRコード、マイクロQRコード、DataMatrix方式のコードは、コード化した図のサイズが小さく、省スペースであるとの特徴がある。
QRコード、マイクロQRコード、PDF417方式のコード、DataMatrix方式のコードは、四角形のみを組み合わせることで形成することができる図である。これに対して、MaxiCodeは、円を使用している。
この実施の形態1の二次元コード付きタイル1では、二次元コードパターン部5に、QRコードのパターンを形成する。QRコードは、上述したように省スペース且つ大容量の特徴を有する。QRコードは、デジタルデータの読み取りの際に、その誤りを訂正する機能を有する。したがって、QRコードは、二次元コード付きタイル1の一部が欠けたり割れたりしたとしても、そのデコードが可能な状態に維持される可能性が高い。
なお、このQRコードにコード化するデジタルデータとしては、バーコードと同じ数字だけのデータであってもよいが、その大容量である特徴を生かして、たとえば、文字データ、画像データ、音声データなどであってもよい。
QRコードにコード化する文字データとしては、たとえば、二次元コード付きタイル1が設置される地点の緯度経度もしくは住所の文字データ、二次元コード付きタイル1が設置される土地の区画の地形もしくはボーリングや測量の調査結果の文字データ、二次元コード付きタイル1が設置される地点の周辺施設の管理や案内の文字データなどがある。
QRコードにコード化する画像データとしては、たとえば、二次元コード付きタイル1が設置される地点の周辺施設や道路などに関する画像データ、二次元コード付きタイル1が設置される地点から周辺施設までの案内図としての地図データ、二次元コード付きタイル1が設置される土地区画の地形もしくはボーリングや測量の調査結果の画像データ、二次元コード付きタイル1が設置される土地の施設の施工前の写真データなどがある。
QRコードにコード化する音声データとしては、たとえば、二次元コード付きタイル1が設置される地点の緯度経度もしくは住所を読み上げた音声データ、二次元コード付きタイル1が設置される地点から周辺施設までの道案内の音声データ、二次元コード付きタイル1が設置される土地の区画の地形もしくはボーリングや測量の調査結果を読み上げた音声データ、二次元コード付きタイル1が設置される地点の周辺施設の管理や案内の音声データなどがある。
二次元コードパターン部5の周囲には、二次元コードパターン部5の4つの辺に沿って、囲み文字部6が形成される。囲み文字部6は、複数の微小凹部4と第一の釉薬層3とによって形成されている。囲み文字部6には、白地に黒の文字が形成される。囲み文字部6の文字を白地に黒の文字とすることにより、紙にペンで書いた文字と同様の配色となり、たとえば後述するカメラ付き携帯電話端末などの液晶ディスプレイ34において、文字を認識しやすくなる。
この実施の形態1の二次元コード付きタイル1の囲み文字部6には、二次元コードパターン部5の4つの辺に沿って、「http://www.」と、「ace**.com」と、「位置情報サービス」と、「エース**(株)」との4つの文字列が形成されている。「位置情報サービス」は、二次元コード付きタイル1が位置情報サービスのために設置されていることを示している。「エース**(株)」は、二次元コード付きタイル1を設置した事業者の名称である。「http://www.」と「ace**.com」とは、その事業者が開設するウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)である。
この二次元コードパターン部5の周囲の囲み文字部6には、上述した文字列以外の文字列を形成してもよい。たとえば、二次元コード付きタイル1の設置場所の住所、二次元コード付きタイル1の管理者の名称、住所、電話番号、二次元コードにコード化したデータを利用することができるウェブサイトのURLなどを形成してもよい。また、囲み文字部6に、文字以外のもの、たとえばキャラクターや各種の図形を並べて形成するようにしてもよい。
第一の釉薬層3および基材2の上には、第1図(C)および(D)に示すように、第二の釉薬層7が形成される。第二の釉薬層7は、陶磁器のつやだしに使用される透明な材料で形成される。なお、二次元コードパターン部5の視認性を妨げない程度に半透明な材料により、第二の釉薬層7を形成してもよい。第二の釉薬層7は、基材2の表面の全面に形成される。第二の釉薬層7は、複数の微小凹部4の中にも入り込んでいる。第二の釉薬層7が形成されることにより、二次元コード付きタイル1の表面は、複数の微小凹部4を形成しているにもかかわらず、略平らになる。
次に、本発明の実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1の設置例について説明する。
第2図は、第1図の二次元コード付きタイル1およびその二次元コード付きタイル1を収容するプロテクター11を示す図である。第2図(A)は、二次元コード付きタイル1およびそのプロテクター11の正面図である。第2図(B)は、第2図(A)の二次元コード付きタイル1およびそのプロテクター11のB−B線断面図である。第2図(C)は、第2図(A)の二次元コード付きタイル1およびそのプロテクター11の斜視図である。
プロテクター11は、プロテクター本体12と、リブ部13と、傾斜部14と、境界点指示部15と、アンカーボルト16と、を有する。プロテクター11は、金属製である。プロテクター11は、鋳造、削り出しなどの方法で成形される。
プロテクター本体12は、二次元コード付きタイル1より大きい略正方形の板形状を有する。プロテクター本体12の中央部には、貫通孔17が形成される。貫通孔17は、二次元コード付きタイル1より一回り大きい略四角柱形状を有する。リブ部13は、貫通孔17のプロテクター本体12の上面寄りの端部において、貫通孔17内に突出する状態に、貫通孔17の内周に沿って形成される。境界点指示部15は、プロテクター本体12の1つの角部に形成される。傾斜部14は、プロテクター本体12の上面から下面にかけて、プロテクター本体12の外周部が末広がりの形状となるように形成される。アンカーボルト16は、プロテクター本体12の裏面に、ねじ止めにより取り付けられる。
二次元コード付きタイル1は、プロテクター本体12の貫通孔17に収容される。プロテクター本体12に収容されている状態において、二次元コードパターンが形成される二次元コード付きタイル1の上面は、プロテクター本体12の上面側になる。
プロテクター11は、貫通孔17の上面寄りの端部に、リブ部13を有する。二次元コード付きタイル1は、プロテクター本体12に収容されている状態では、リブ部13の裏面に当接する。二次元コード付きタイル1は、プロテクター本体12の上面側から、貫通孔17の外へ出てしまうことはない。
なお、二次元コード付きタイル1は、接着剤などによって、プロテクター本体12内に固定してもよい。また、プロテクター本体12の下側に、プロテクター本体12と略同じ大きさの板を配設し、この板を接着剤などでプロテクター本体12に固定することにより、貫通孔17を塞ぎ、二次元コード付きタイル1が貫通孔17の外へ出ないようにしてもよい。
第3図は、第2図に示す二次元コード付きタイル1およびプロテクター11の設置状態の例を示す図である。第3図(A)は、二次元コード付きタイル1が収容されているプロテクター11を地面に直接埋設した場合における、二次元コード付きタイル1およびプロテクター11の設置状態を示す図である。プロテクター11を地面に直接埋設する場合、プロテクター11の傾斜部14の途中まで地面に埋設するとよい。プロテクター11の傾斜部14の途中まで地面に埋設することにより、プロテクター11の側面に人や物がぶつかりにくくなる。また、たとえ人や車がぶつかったとしても、プロテクター11に加えられる力を斜面部の斜面に沿って逃がすことができる。その結果、プロテクター11は、路面を移動する人や車などによる力が作用しにくくなり、長期にわたって埋設した位置に埋設されつづける。
第3図(B)は、二次元コード付きタイル1を収容したプロテクター11を、コンクリートブロック21の一面に取り付け、このコンクリートブロック21とともに地面に直接埋設した場合における、二次元コード付きタイル1およびプロテクター11の設置状態を示す図である。このようにプロテクター11をコンクリートブロック21に一体化させた上で、このコンクリートブロック21とともに埋設することにより、プロテクター11は、第3図(A)の場合より位置がずれにくくなり、地面からはがれにくくなる。したがって、このような埋設は、プロテクター11の境界点指示部15が指し示す地点がたとえば所有地の境界を示すような場合において、好適な方法である。
このように二次元コード付きタイル1は、プロテクター11とともに、たとえば舗装道路や歩道などの路面、駐車場、公園、地下道などの地面に埋設することができる。この他にもたとえば、二次元コード付きタイル1を収容するプロテクター11は、ビルディング、橋、建物などの構造物や、乗り物などに設置してもよい。このような構造物や乗り物にプロテクター11を設置する場合、プロテクター11は、床面以外に、壁面、階段、天井その他の場所に設置してもよい。また、プロテクター11を使用せずに、二次元コード付きタイル1を直接、床面、壁面、階段、天井などに設置するようにしてもよい。
次に、第3図に例示するように地面などに埋設された二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5の利用方法について、カメラ付き携帯電話端末で利用する場合を例として説明する。
第4図は、カメラ付き携帯電話端末31の回路構成を示すブロック図である。第5図は、カメラ付き携帯電話端末31を示す斜視図である。
カメラ付き携帯電話端末31は、第4図に示すように、カラーCCD(Charge−Coupled Device)カメラ32と、テンキーその他の入力キー33と、液晶ディスプレイ34と、情報処理部35と、通信部36と、を有する。情報処理部35は、CPUがプログラムを実行することにより実現される。
また、カメラ付き携帯電話端末31は、第5図に示すように、上部フレーム37と、下部フレーム38と、を有する。上部フレーム37および下部フレーム38は、ともに、長尺な長方体形状を有する。上部フレーム37の長尺方向一端部は、下部フレーム38の長尺方向一端部と回転可能に連結される。上部フレーム37および下部フレーム38は、この連結部の周囲で回転する。カメラ付き携帯電話端末31は、上部フレーム37と下部フレーム38とが重なるように、折り畳むことができる。
カメラ付き携帯電話端末31において、カラーCCDカメラ32は、小型で低消費電力であるC−MOS型のものが好んで採用される。カラーCCDカメラ32は、カメラ付き携帯電話端末31を折り畳んだ状態において、上部フレーム37の外側面となる位置に配設される。入力キー33は、下部フレーム38の内側面となる位置に配設される。液晶ディスプレイ34は、上部フレーム37の内側面となる位置に配設される。
第6図は、第4図および第5図に示すカメラ付き携帯電話端末31により、地面に埋設された二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5を撮像している状態を示す図である。カメラ付き携帯電話端末31の使用者は、上部フレーム37と下部フレーム38とを開いた状態において、カメラ付き携帯電話端末31の下部フレーム38を持つ。使用者は、上部フレーム37の外側面に配設されたカラーCCDカメラ32を、二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5に対向させる。情報処理部35は、カラーCCDカメラ32が撮像している撮像画像を、液晶ディスプレイ34に表示する。
液晶ディスプレイ34に二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5の全体が写っている状態において、使用者は、入力キー33を操作する。情報処理部35は、この入力キー33が操作されたタイミングで液晶ディスプレイ34に表示されている撮像データから、二次元コードを抽出する。
撮像画像から二次元コードが抽出できたときには、情報処理部35は、その抽出した二次元コードをデコードする。デコードにより得られたデジタルデータが文字データである場合、情報処理部35は、その文字データによる文字列を液晶ディスプレイ34に表示する。デコードにより得られたデジタルデータが画像データである場合、情報処理部35は、その画像データによる画像を液晶ディスプレイ34に表示する。デコードにより得られたデジタルデータが音声データである場合、情報処理部35は、その音声データによる音声を図示外のスピーカから出力する。カメラ付き携帯電話端末31の使用者は、液晶ディスプレイ34に表示された文字列を読んだり、液晶ディスプレイ34に表示された画像を見たりすることにより、二次元コード付きタイル1にデコードされたデータを利用することができる。
撮像画像から二次元コードのパターンが抽出できない場合、情報処理部35は、その旨を液晶ディスプレイ34に表示した後、カラーCCDカメラ32が撮像する画像を液晶ディスプレイ34に表示する状態に戻る。
なお、情報処理部35は、カラーCCDカメラ32が撮像している撮像画像に基づく画像を液晶ディスプレイ34に表示するとともに、その裏処理として、カラーCCDカメラ32が撮像している撮像画像から二次元コードを抽出する処理を繰り返し実行するようにしてもよい。この変形例の場合、情報処理部35は、撮像画像から二次元コードが抽出できたときには、その旨を液晶ディスプレイ34に表示し、それを承認する入力操作が入力キー33に対してなされたら、その承認された二次元コードのデコード処理およびそれ以降の処理を実行すればよい。
次に、本発明の実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1の製造方法について説明する。第7図は、第1図に示す二次元コード付きタイル1の製造工程を示すフローチャートである。
第1図に示す二次元コード付きタイル1の製造工程では、まず、セラミックスなどの陶磁器に使用される材料の粉末と水とを混ぜた陶土を、略正方形の板形状に成形する(ステップST1)。この成形するサイズは、第1図に示す二次元コード付きタイル1の基材2のサイズより大きなサイズ(たとえば1.2〜1.5倍程度のサイズ)である。
次に、略正方形の板形状に成形した素地を、天日干し、陰干しなどで乾燥させた後、本焼成の温度(たとえば1200〜1300度)まで加熱する(ステップST2)。これにより、第1図に示す二次元コード付きタイル1と略同サイズの基材2が形成される。
次に、この本焼成をした素地の表面に、釉薬を塗布する(ステップST3)。この工程で塗布する釉薬は、第1図に示す二次元コード付きタイル1の第一の釉薬層3となる。そのため、焼成後に白色となる材料を釉薬として使用する。
次に、釉薬を付着した生地を、本焼成の温度よりも低い温度(たとえば約800〜900度)にて焼成する(ステップST4)。この釉薬層を基材2に焼成する温度を、基材2の本焼成の温度より低くすることにより、釉薬層と基材2との境界部分ににじみなどが発生し難くなる。
なお、釉薬を付着するためには、その釉薬が付着した転写紙を使用してもよい。転写紙を生地の表面に重ねて焼成することにより、生地の表面に、転写紙に付着していた釉薬による層を形成することができる。
以上の工程が完了した時点において、第1図に示す二次元コード付きタイル1と略同サイズであって、基材2と第一の釉薬層3とからなる二次元コード付きタイル1が形成される。
次に、基材2と第一の釉薬層3とからなる二次元コード付きタイル1の表面に、レーザ加工により複数の微小凹部4を形成する(ステップST5)。第1図に示す二次元コード付きタイル1の二次元コードパターン部5および囲い文字部が形成されるように、二次元コード付きタイル1の表面には、複数の微小凹部4が形成される。微小凹部4は、第一の釉薬層3を貫通する深さに形成される。
タイルに二次元コードパターン部5を形成するためのレーザ加工には、たとえば小型のレーザ加工機である、ユニバーサル−レーザシステム社製の型番「ULS−25E」のレーザ加工機を使用することができる。このレーザ加工機は、CO2レーザ光を最大30Wで出力することができ、スポット径を数十から数百マイクロメートルに設定することができる。また、このレーザ加工機は、レーザ光の出力を0〜100%に制御し、レーザ光の走査速度を連続的に可変することができる。
次に、複数の微小凹部4を形成した二次元コード付きタイル1の表面に、別の釉薬を付着する(ステップST6)。この工程で付着する別の釉薬は、第1図に示す二次元コード付きタイル1の第二の釉薬層7となる。そのため、別の釉薬には、焼成後に透明になるつやだし用の材料を使用する。この別の釉薬は、複数の微小凹部4の中に入り込む。
次に、この別の釉薬を付着した二次元コード付きタイル1を、本焼成の温度よりも低い温度(たとえば約800〜900度)にて焼成する(ステップST7)。好ましくは、このときの焼成温度は、第一の釉薬層3を焼成したときの温度以下であるのが望ましい。
以上のすべての工程が完了すると、第1図に示す二次元コード付きタイル1が形成される。この二次元コード付きタイル1の表面は、透明な釉薬層7によって略平らになる。
以上のように、この実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1は、その二次元コードパターン部5が露出する状態において、地面などに設置される。そして、この実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1は、露出する二次元コードパターン部5がカメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像されることにより、二次元コードパターン部5にコード化されているデジタルデータを提供することができる。
この実施の形態1のように、第一の釉薬層3が形成された基材2において、第一の釉薬層3を貫通する微小凹部4をレーザ加工によって形成することにより、たとえば、基材2に、レーザ加工によって凹部を形成する場合に比べて、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で識別しやすい色の差を容易に形成することができる。基材2にレーザ加工によって凹部を形成する場合には、単に明度のみの差によって二次元コードパターン部5を形成することとなるので、凹部を深く形成する必要がある。しかも、このように深い凹部を形成したとしても、二次元コードパターン部5の真上から光があたっているようなときには、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で識別することができる程度の色差を確保することがむずかしい。
この実施の形態1では、陶磁器に使用される材料からなる基材2を用いて二次元コードパターン部5を形成している。この場合、たとえば基材2を耐熱プラスチックなどで形成する場合にくらべて、耐久性に優れる。その結果、実施の形態1の二次元コード付きタイル1は、舗装路や建物などの半永久的な構造物などに対して風雨にされされる状態で設置されたとしても、長期に渡って、その二次元コードパターン部5の二次元コードを抽出し、デコードすることができる。
この実施の形態1では、陶磁器に使用される材料からなる基材2および第一の釉薬層3に対して、レーザ加工によって、二次元コードパターン部5を形成している。その結果、サンドブラスト加工では、たとえば四角形形状のタイルで言えば、一辺が2cm以上、12cm以下のタイルに、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる精度の二次元コードパターン部5を形成することはできない。これに対して、この実施の形態1では、そのような小さいサイズのタイルに、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる精度の二次元コードパターン部5を形成することができる。
なお、この実施の形態1では、二次元コードパターン部5は、白色と黒色との組み合わせとして実現されている。これ以外にもたとえば、二次元コードパターン部5は、赤色と黒色との組み合わせであっても、赤色と白色との組み合わせであっても、青色と白色との組み合わせであっても、あるいは、明度あるいは彩度の異なる同色相の色同士の組み合わせであってもよい。
実施の形態2.
第8図は、本発明の実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41を示す図である。第8図(A)は、二次元コード付きタイル41の正面図である。第8図(B)は、二次元コード付きタイル41の側面図である。第8図(C)は、二次元コード付きタイル41のA−A線断面図である。本発明の実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41は、釉薬層が4層になっている点において、実施の形態1に係る二次元コード付きタイル41で異なる。
二次元コード付きタイル41は、基材42を有する。基材42に使用される材料は、実施の形態1の基材2と同様のものである。
基材42の表面には、第一の釉薬層43が形成される。第一の釉薬層43は、白色に、10マイクロメートルの厚さに形成される。第一の釉薬層43の上には、第二の釉薬層44が形成される。第二の釉薬層44は、青色に、10マイクロメートルの厚さに形成される。第二の釉薬層44の上には、第三の釉薬層45が形成される。第三の釉薬層45は、黒色に、10マイクロメートルの厚さに形成される。第三の釉薬層45の上には、第四の釉薬層46が形成される。第四の釉薬層46は、藍色に、10マイクロメートルの厚さに形成される。第一の釉薬層43、第二の釉薬層44、第三の釉薬層45および第四の釉薬層46に使用される材料は、基本的に、実施の形態1の第一の釉薬層43と同様のものである。
この4つの釉薬層43,44,45,46は、たとえば基材42に4枚の転写紙を重ね、それらをまとめて焼成することで形成することができる。このように釉薬が付着する転写紙を重ね、それらをまとめて焼成することにより、1回の焼成工程で複数の釉薬層を基材42に焼成することができ、焼成回数を減らすことができる。
なお、転写紙を用いて1回の焼成工程で複数の釉薬層を焼成する場合、同時に焼成することができる転写紙の枚数は4枚以下にするとよい。転写紙の枚数が5枚以上になると、その焼成中において、転写紙の釉薬同士がまざりやすくなり、釉薬層同士の境界部分がはっきりとしなくなる。釉薬層同士の境界部分がはっきりとしなくなると、その分だけ、その後に微小凹部47を形成する際に、その微小凹部47の深さのマージンが少なくなってしまう。
これら基材42、第一の釉薬層43、第二の釉薬層44、第三の釉薬層45および第四の釉薬層46の表面側には、複数の微小凹部47が形成される。微小凹部47は、少なくとも第四の釉薬層46を貫通する深さに形成される。第四の釉薬層46は、二次元コード付きタイル41の最も表面側にある釉薬層である。つまり、ある微小凹部47は、藍色の第四の釉薬層46を貫通して、黒色の第三の釉薬層45を露出させる。ある微小凹部47は、第四の釉薬層46および第三の釉薬層45を貫通して、青色の第二の釉薬層44を露出させる。ある微小凹部47は、第四の釉薬層46、第三の釉薬層45および第二の釉薬層44を貫通して、白色の第一の釉薬層43を露出させる。残りの微小凹部47は、第四の釉薬層46、第三の釉薬層45、第二の釉薬層44および第一の釉薬層43を貫通して、黒色の基材42を露出させる。
なお、このような複数種類の深さの微小凹部47は、上述したレーザ加工機において、レーザ光の出力、レーザ光の走査速度などの設定を変えることにより、形成することができる。たとえば、上述したレーザ加工機において、レーザ光の出力パワーを100%、レーザ光の走査速度を20ミリメートル毎秒、1インチ長さあたりのパルス数を800パルスに設定すると、白色の第一の釉薬層43が露出する。また、レーザ光の出力パワーを100%、レーザ光の走査速度を30ミリメートル毎秒、1インチ長さあたりのパルス数を800パルスに設定すると、青色の第二の釉薬層44が露出する。また、レーザ光の出力パワーを25%、レーザ光の走査速度を80ミリメートル毎秒、1インチ長さあたりのパルス数を800パルスに設定すると、黒色の第三の釉薬層45が露出する。
そして、このように複数の深さを有する複数の微小凹部47を形成することにより、二次元コード付きタイル41の表面の中央部に、二次元コードパターン部48が実現される。また、二次元コードパターン部48の周囲には、4つの辺に沿って囲み文字部49が形成される。この二次元コードパターン部48を、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像し、その撮像画像から抽出される二次元コードをデコードすることにより、二次元コードパターン部48にコード化されていたデータを利用することができる。
なお、この実施の形態2では、4層の釉薬層は、白、青、黒および藍色の組み合わせであるが、これ以外にもたとえば、4層の釉薬層は、緑、青、赤および白の組み合わせであってもよい。
また、このように釉薬層を2層以上にすることにより、1つの二次元コードパターン部48に、2つ以上の二次元コードを互いに独立してデコード可能にコード化することができる。たとえば、二次元コードパターン部48を黒、白、青の3色で形成し、あるカメラ付き携帯電話端末31は、黒と青とを同一色として扱って二次元コードを抽出し、別のあるカメラ付き携帯電話端末31は、白と青とを同一色として扱って二次元コードを抽出するようにすれば、これら2種類のカメラ付き携帯電話端末31は、同じ二次元コード付きタイルから、異なる二次元コードをデコードすることができる。また、1つのカメラ付き携帯電話端末31において、プログラムなどにおいてこれらの色の取り扱い方のパターンを複数準備しておき、これらの中から1つの取り扱い方を選択してデコードするようにしてもよい。
以上のように、上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1は、陶磁器材料で形成される略板状の基材2と、基材2を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、基材2とは異なる色に形成される第一の釉薬層3と、第一の釉薬層3を貫通して形成され、二次元コードパターン部5を形成する複数の微小凹部4と、を有する。また、上述した実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41は、陶磁器材料で形成される略板状の基材42と、基材42を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、基材42とは異なる色に形成され、且つ、互いに異なる色を有する4つの釉薬層43,44,45,46と、4つの釉薬層43,44,45,46の中の少なくとも1つの釉薬層(第四の釉薬層46)を貫通して形成され、二次元コードパターン部48を形成する複数の微小凹部47と、を有する。
したがって、これら各実施の形態に係る二次元コード付きタイル1,41は、基材2,42に積層される釉薬層3,43,44,45,46の厚さが薄く、その釉薬層3,43,44,45,46に形成する微小凹部4,47の深さは、浅い。実施の形態1の微小凹部4の深さは、約20マイクロメートル、実施の形態2の微小凹部47の深さは、約40マイクロメートルである。その結果、各実施の形態に係る二次元コード付きタイル1,41の二次元コードパターン部5,48は、高い精度で形成される。また、微小凹部47によって露出する基材2,42から、釉薬層3,46の表面までの高さは、実施の形態1では、約20マイクロメートル、実施の形態2では、約40マイクロメートルである。したがって、二次元コード付きタイル1,41の表面は、単一の平面になっているとみなすことができる。
その結果、その二次元コードパターン部48をカメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で撮像してデコードすることができる。なお、二次元コードパターン部48の凹凸が数百マイクロメートルになってしまうと、その面が平面的でなくなってしまう。したがって、釉薬層は、その全体が百マイクロメートル以下となる厚さに形成するとよい。
上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1では、第一の釉薬層3の上に、透明な第二の釉薬層7を形成している。この透明な第二の釉薬層7は、第一の釉薬層3を基材2に焼成した後に塗布して焼成することにより形成されている。そのため、第二の釉薬層7の釉薬は、複数の微小凹部4の中にも入り込み、二次元コード付きタイル1の表面は、平らになる。
したがって、上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1では、第一の釉薬層3がそのまま露出している場合にくらべて、その第一の釉薬層3が欠けたりはがれたりし難くなり、二次元コードパターン部5を長期にわたって読み取り可能な形状に維持することができる。なお、上述した実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41において、第四の釉薬層46の上に、透明な釉薬層を形成するようにしても、同様の効果を期待することができる。
上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1では、二次元コードパターン部5には、QRコードが形成される。上述した実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41では、二次元コードパターン部48には、QRコードが形成される。QRコードは、直線的な線の組み合わせで構成される。したがって、二次元コードパターン部5,48は、直線状の微小凹部4,47および四角形の微小凹部4,47を組み合わせることで形成することができる。直線状の微小凹部4,47および四角形の微小凹部4,47は、たとえば円形の微小凹部を形成する場合に比べて、レーザ加工によって微小凹部の輪郭を精度良く形成し易い。なお、QRコード以外にも、マイクロQRコード、PDF417のコードあるいはDataMatrixのコードであれば、直線状の微小凹部4,47および四角形の微小凹部4,47を組み合わせることにより、二次元コードパターン部5,48を形成することができる。
上述した実施の形態1に係る二次元コード付きタイル1では、二次元コードパターン部5の周囲に、4つの辺に沿って、文字が形成されている。上述した実施の形態2に係る二次元コード付きタイル41では、二次元コードパターン部48の周囲に、4つの辺に沿って、文字が形成されている。
このように二次元コードパターン部5,48の周囲に、4つの辺に沿って文字が形成されていると、たとえばカメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置で二次元コードパターン部5,48を撮像する際に、その装置の利用者は、二次元コードパターン部5,48の外周に沿って形成された文字あるいは図形が読めるように、二次元コードパターン部5,48に対してその装置を位置決めする。利用者は、明確に意識していなくても、二次元コードパターン部48の周囲の文字が同じ大きさで違和感無く見えるように、汎用的な装置を位置決めする。
その結果、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置は、その装置の利用者が明確に意識していなくても、二次元コードパターン部5,48の略真上方向に位置決めされることになる。カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置が二次元コードパターン部5,48の略真上方向に位置決めされれば、二次元コードパターン部5,48の撮像画像は、二次元コードの正しい外形となる。正しい外形の二次元コードは、たとえば撮像画像において台形などの外形を有する二次元コードにくらべて、撮像画像から容易に抽出し、デコードすることができる。したがって、不慣れな利用者であったとしても、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置を用いて、二次元コードパターン部5,48に形成されている二次元コードを簡単にデコードすることができる。
なお、二次元コードパターン部48の少なくとも対向する2辺に沿って文字が形成されていれば、カメラ付き携帯電話端末31などの汎用的な装置は、その装置の利用者が明確に意識していなくても、二次元コードパターン部5,48の略真上方向に位置決めされることを期待することができる。また、二次元コードパターン部5,48の周囲に、文字の替わりに図形などを形成するようにしても、同様の効果を期待することができる。
本発明に係る二次元コード付きタイルは、たとえば、道路などに設置され、カメラ付き携帯電話端末などの汎用的な装置などにより、その二次元コードをデコードすることができる。
Claims (12)
- 陶磁器材料で形成される略板状の基材と、
上記基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、上記基材とは異なる色に形成される釉薬層と、
上記釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、
を有することを特徴とする二次元コード付きタイル。 - 陶磁器材料で形成される略板状の基材と、
上記基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成され、上記基材とは異なる色に形成される釉薬層と、
上記釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、
を有することを特徴とする二次元コード付きタイル。 - 陶磁器材料で形成される略板状の基材と、
上記基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することで形成され、上記基材とは異なる色であって、且つ、互いに異なる色である複数の釉薬層と、
上記複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、
を有することを特徴とする二次元コード付きタイル。 - 陶磁器材料で形成される略板状の基材と、
上記基材を焼成した後の表面に釉薬を付着して焼成することにより、10マイクロメートル以上、100マイクロメートル以下の厚さに形成され、上記基材とは異なる色であって、且つ、互いに異なる色である複数の釉薬層と、
上記複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通して形成され、二次元コードパターン部を形成する複数の微小凹部と、
を有することを特徴とする二次元コード付きタイル。 - 前記基材は、一辺が2cm以上、12cm以下の四角形形状を有し、
前記微小凹部は、レーザ加工によって、前記釉薬層あるいは前記複数の釉薬層を焼成により形成した後の基材の表面に形成される、
ことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項記載の二次元コード付きタイル。 - 最表面に、透明な釉薬を付着して焼成することで形成される他の釉薬層を有する、
ことを特徴とする請求の範囲第5項記載の二次元コード付きタイル。 - 前記二次元コードパターン部に形成される二次元コードは、QRコード、マイクロQRコード、PDF417のコードあるいはDataMatrixのコードである、
ことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項記載の二次元コード付きタイル。 - 前記基材は、焼成後に黒色となる陶磁器材料で形成され、
前記釉薬層は、焼成後に白色となる材料で形成される、
ことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項記載の二次元コード付きタイル。 - 前記二次元コードパターン部の周囲には、少なくとも二次元コードパターン部の外周の対向する2辺に沿って、文字あるいは図形が形成されている、
ことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項記載の二次元コード付きタイル。 - 陶磁器材料で形成される略板状の基材の上にその基材とは異なる色の釉薬を付着する工程と、
その付着工程後に焼成する工程と、
二次元コードパターン部を形成するようにレーザ光を照射し、その釉薬による層を貫通する複数の微小凹部を形成する工程と、
を有することを特徴とする二次元コード付きタイルの製造方法。 - 陶磁器材料で形成される略板状の基材の上にその基材とは異なる色で且つ互いに異なる色の複数の釉薬を付着する工程と、
その付着工程後に焼成する工程と、
二次元コードパターン部を形成するようにレーザ光を照射し、上記複数の釉薬層の中の少なくとも1つの釉薬層を貫通する複数の微小凹部を形成する工程と、
を有することを特徴とする二次元コード付きタイルの製造方法。 - 前記複数の微小凹部を形成する工程の後に、前記釉薬層の上から、透明な釉薬を付着する工程と、
上記透明な釉薬を付着する工程の後に焼成する工程と、
を有することを特徴とする請求の範囲第10項または第11項記載の二次元コード付きタイルの製造方法。
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