JPWO2005091343A1 - ミラー、位置合わせ方法、光学ユニットの製造方法及び光学ユニット、並びに露光装置 - Google Patents
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Abstract
ミラー(M1)は、その一面に反射面が形成され、その側面の一部に、前記反射面の基準となる光学基準軸(BX)に平行な基準平面(65x,65y)が形成されている。このミラー(M1)の光学基準軸を非球面測定装置を用いて検出し、同時にレーザ干渉計などで基準平面を検出することで、光学基準軸と基準平面の位置関係を、予め求めておく。これにより、その後は、基準平面の位置、姿勢(チルト等)を、三次元測定器などで計測し、その計測結果と上記の位置関係とに基づいて、間接的にミラーの光学基準軸の位置、傾きを精度良く計測することが可能となる。従って、ミラー(M1)を用いることにより、三次元測定器などの簡易な測定装置を用いて、高精度な光学特性を有する光学ユニットを容易に製造することが可能になる。
Description
本発明は、ミラー、位置合わせ方法、光学ユニットの製造方法及び光学ユニット、並びに露光装置に係り、更に詳しくは、例えば極端紫外光(Extreme Ultraviolet光:EUV光)を露光光として用いるEUV露光装置等に用いられる所定形状の反射面を有するミラー、その位置合わせ方法、前記ミラーを備える光学ユニットの製造方法及び該製造方法により製造された光学ユニット、並びに前記光学ユニットを光学系として備える露光装置に関する。
従来より、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「ウエハ」ともいう)上に転写する露光装置が用いられている。この種の装置としては、近年では、スループットを重視する観点から、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆる「ステッパ」)や、このステッパを改良したステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置などの逐次移動型の投影露光装置が主として用いられている。
かかる露光装置では、従来、露光用の照明光(露光ビーム)として超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線、例えばi線(波長365nm)や、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などが使用されていた。近年ではより高い解像度(解像力)を得るために、露光ビームとしてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を露光ビームとする露光装置も実用化されている。これらの露光装置の投影光学系としては、屈折光学素子(レンズ)のみから成る屈折系が主として使用されていた。
これに対して、より微細な半導体素子等を製造するために、最近では、露光光として波長が100nm程度以下の軟X線領域の光、すなわちEUV光を使用するEUV露光装置の開発も行われている。このEUV露光装置では、EUV光が透過する光学材料が現時点では存在しないため、照明光学系及び投影光学系は全て反射光学素子(ミラー)によって構成され、レチクルもまた反射型レチクルが使用される。
ところで、従来の紫外線露光装置に搭載される投影光学系は、レンズの光学面のほとんどが球面で、その外形形状は光学基準軸を回転対称軸とする回転対称な形状(回転対称軸の回りに任意の角度で回転させた場合に常に同一状態となる形状、平面視円形)であったため、玉押し技術によって投影光学系を組み立てることができた。
しかしながら、EUV露光装置の投影光学系は、全て反射光学素子(ミラー)によって構成され、更に、ミラーの反射面が軸対称の高次非球面又は球面になる場合があり、投影光学系の組み立て時には、投影光学系の光軸方向及びそれに直交する面内の直交2軸方向の3自由度方向に関する各ミラーのシフトと、前記面に対する傾斜(チルト)とを同時に管理する必要がある。また、各ミラーの外形形状が上述した回転対称な形状ではないため、従来の玉押し技術を適用することができない。
また、上記のミラーの中には、その反射面である球面又は非球面等の光学基準軸(回転対称軸)が、その内部に存在しないミラー(光学部材)も含まれるが、従来の投影光学系の組み立て方法では、このような光学部材の組み立ては想定していなかったため、投影光学系の光軸と各光学部材の反射面の光学基準軸とを高精度に一致させることが困難である。
更に、EUV露光装置の投影光学系では、要求される光学性能が厳しく、各ミラーの位置調整の精度が0.1μm以下と非常に小さく、高精度な位置合わせを行うことが必要不可欠である。
本発明は、上述した事情の下でなされたものであり、第1の観点からすると、所定形状の反射面を有するミラーであって、その一面に回転対称な面の一部から成る前記反射面が形成されたミラー素材と、前記ミラー素材のうち、前記反射面と異なる面の一部に、前記反射面の基準となるとともに前記回転対称な面の回転対称軸をなす光学基準軸に対して、所定の位置関係で設けられた位置測定用部材とを有することを特徴とするミラーである。
ここで、「光学基準軸」とは、ミラーの形状に関わらず、該ミラーの反射面の基準となる軸を指し、例えばミラーの反射面が球面又は非球面等の回転対称な面である場合の回転対称軸などもこれに該当する。従って、ミラーの反射面が、球面又は非球面の一部であり、その内部に回転対称軸が存在しないようなミラー形状であっても、その回転対称軸(仮想の軸)が光学基準軸である。ここで、「回転対称」とは、通常の意味における回転対称、すなわちある回転軸において、図形を回転させ同等な位置へ移すこと(例えば軸の回りに回転角ψ=2π/n(n=1,2,……)で対称操作したn回転対称など)とは異なり、回転対称軸の回りに任意の角度で図形を回転させた場合に常に同一図形となることを意味し、本明細書では、かかる意味で、「回転対称」なる用語を用いる。
これによれば、光学基準軸に対して所定の位置関係で設けられた位置測定用部材がミラー素材の反射面と異なる面の一部に設けられているので、この位置測定用部材を介してミラーの少なくとも一軸方向の位置情報を測定することが可能となり、これにより、ミラーの位置合わせを正確に行うことが可能となる。特に、位置測定用部材が、ミラー素材の側面に形成された基準平面を複数有する場合には、それらの基準平面を用いてミラーの2次元方向のシフト、チルトを正確に測定することが可能となるので、ミラーの2次元面内における位置合わせを正確に行うことが可能となる。また、基準平面の各々が、前記反射面の基準となるとともに前記回転対称な面の回転対称軸をなす光学基準軸に平行であることから、回転対称軸及び各基準平面に直交する方向を各基準平面に関する計測軸方向とすることができ、これにより測定位置が対象軸方向にずれていても、そのずれによって測定誤差が生じない。特に、基準平面が複数設けられ、基準平面の各々が該各基準平面に垂直の角度をなし前記回転対称軸を通る仮想直線が各基準平面を通るように配置されている場合には、例えば複数のミラーの基準平面位置を測定する場合に、測定軸を共有することが可能となり、測定装置を相対的に簡略な構成とすることが可能となる。
ここで、「平行」又は「垂直」という言葉は装置の要求される精度に対して実質的に垂直又は平行であるという意味である。
また、基準平面が2つ設けられている場合、2つの基準平面のなす角度が90度である場合、各基準平面に垂直な軸方向の測定感度を同じにすることができ軸間干渉がないので、より精度の高いミラーの位置測定を行うことが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、マスクに形成されたパターンを光学系を介して物体上に転写する露光装置であって、前記光学系が、本発明のミラーを含むことを特徴とする第1の露光装置である。
これによれば、高精度な露光を行うことが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、その一面に回転対称な面の一部から成る反射面が形成されたミラー素材と、前記ミラー素材のうち、前記反射面と異なる面の一部に、前記反射面の基準となるとともに前記回転対称な面の回転対称軸をなす光学基準軸に対して、所定の位置関係で設けられた位置測定用部材とを有するミラーに、前記光学基準軸及び前記位置測定用部材を通る仮想直線を設定し、前記仮想直線に対し、前記ミラーの位置を測定するための位置測定軸を実質的に一致させることを特徴とする位置合わせ方法である。
これによれば、仮想直線と位置測定軸とが実質的に一致するため、複数のミラーの位置測定用部材の位置を測定軸を動かさずに同じ測定装置で測定することができ、結果的に測定装置を簡略化することが可能である。
本発明は、第4の観点からすると、その一面に形成された回転対称な面の一部から成る反射面が形成されたミラー素材と、前記ミラー素材のうち、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記回転対称な面の回転対称軸に対して、所定の位置関係を有する位置測定用部材とを有する複数のミラーと;前記複数のミラーの前記回転対称軸を回転中心として配置された位置合わせ用の参照基準部材と;を備える第1の光学ユニットである。
これによれば、光学ユニットの光軸(複数のミラーを含む光学系の光軸)を挟んでミラーが配置された場合においても、全てのミラーの位置測定用部材に対して、所定の位置関係、例えば平行に参照基準部材を配置することが可能となり、高精度な測定を行うことが可能である。
この場合において、前記複数のミラーを保持する保持セルを更に備え、前記参照基準部材は前記保持セルのフランジ部に配置されていることとすることができる。かかる場合には、保持セルのフランジ部は剛性が高いため、形状変化が小さく、参照基準平面の位置ずれが少ないため、高精度な測定を行うことが可能である。
本発明は、第5の観点からすると、マスクに形成されたパターンを光学系を介して物体上に転写する露光装置であって、本発明の第1の光学ユニットを前記光学系として具備する第2の露光装置である。
これによれば、高精度な露光を行うことが可能となり、マスクに形成されたパターンを光学系を介して物体上に精度良く転写することが可能となる。
本発明は、第6の観点からすると、複数の光学部材を備える光学ユニットを製造する製造方法であって、前記複数の光学部材のうち特定の光学部材を保持セル内に組み込む第1工程と;前記保持セルの外部から前記保持セル内部の前記特定の光学部材の位置測定用部材に検出光を照射して光学ユニットの光軸に直交する2次元面内に関する前記特定の光学部材の位置情報を検出するとともに、その検出結果に基づいて前記特定の光学部材の前記2次元面内の位置を調整する第2工程と;を含む第1の製造方法である。
これによれば、複数の光学部材のうち特定の光学部材を保持セル内に組み込み(第1工程)、保持セルの外部から保持セル内部の前記特定の光学部材の位置測定用部材に検出光を照射して光学ユニットの光軸に直交する2次元面内に関する特定の光学部材の位置情報を検出するとともに、その検出結果に基づいて特定の光学部材の前記2次元面内の位置を調整する(第2工程)。従って、保持セル内に組み込んだ後に光学ユニットの光軸に直交する2次元面内に関する特定の光学部材の位置を精度良く調整することが可能となる。この場合、特定の光学部材の前記2次元面内の位置情報の検出は、例えばレーザ干渉計などの簡易な計測装置により行うことができ、高精度な光学特性を有する光学ユニットを容易に製造することが可能になる。
この場合において、前記特定の光学部材として、その一面に所定形状の反射面が形成されたミラー素材と、前記ミラー素材のうち、前記反射面と異なる面の一部に、前記反射面の基準となる光学基準軸に対して所定の位置関係で設けられた位置測定用部材とを有するミラーが用いられていることとすることができる。
本発明は第7の観点からすると、複数の光学部材を備える光学ユニットを製造する製造方法であって、前記複数の光学部材のうち特定の光学部材を保持セルの内部に対して、前記保持セルの基準軸と、前記特定の光学部材の光学基準軸との位置関係を調整した状態で取り付ける工程と;前記光学部材が取り付けられた前記保持セルの基準軸を基準として、該保持セルと他の保持セルとを組み付ける工程と;を含む第2の製造方法である。
これによれば、複数の光学部材のうち特定の光学部材を保持セルの内部に対して、その保持セルの基準軸と特定の光学部材の光学基準軸との位置関係を調整した状態で取り付ける。そして、その光学部材が取り付けられた保持セルの基準軸を基準として、その保持セルと他の保持セルとを取り付ける。すなわち、特定の光学部材の光学基準軸との位置関係が既知の保持セルの基準軸を基準として、その保持セルを他の保持セルに組み付けることにより、全ての保持セルの基準軸同士を所望の位置関係に設定することができるとともに、特定の光学部材と全ての保持セルの基準軸との位置関係を所望の状態に設定することができる。特に、複数の保持セルの各々に特定の光学部材が取り付けられている場合、各保持セルの基準軸と特定光学部材の光学基準軸との位置関係を調整した後は、保持セル同士を取り付けることで、各光学部材に直接触れることなく、複数の特定の光学部材同士の位置関係を所望の位置関係に調整することが可能となる。従って、高精度な光学特性を有する光学ユニットを容易に製造することが可能になる。
本発明は、第8の観点からすると、複数の光学部材を備える光学ユニットを製造する製造方法であって、 前記複数の光学部材のそれぞれについて該光学部材の光学基準軸と該光学部材の位置測定用部材との位置関係を測定する工程と;前記各光学部材を、複数の保持セルのそれぞれに、該保持セルの基準軸方向に関する位置ずれ及び前記基準軸に直交する面に対する傾斜を調整した状態で取り付ける工程と;前記各保持セルの外部から該保持セル内の光学部材の前記位置測定用部材に検出光を照射して前記位置測定用部材の位置情報を測定し、その測定結果と前記位置関係の測定結果とに基づいてその保持セルの基準軸に直交する面内でシフトさせて前記各光学部材の位置関係を調整する工程と含む第3の製造方法である。
これによれば、複数の光学部材のそれぞれについて該光学部材の光学基準軸と該光学部材の位置測定用部材との位置関係(すなわち位置測定用部材の位置(光学基準軸と位置測定用部材との距離)と位置測定用部材の傾き(光学基準軸と位置測定用部材の平行度))が測定される。次いで、各光学部材が、複数の保持セルのそれぞれに、該保持セルの基準軸方向に関する位置ずれ及び前記基準軸に直交する面に対する傾斜を調整した状態で取り付けられる。すなわち、各保持セルに取り付けられた状態では、各光学部材は、それぞれの保持セルの基準軸方向に関する位置と基準軸に直交する面に対する傾斜(チルト)とが所望の状態に設定されている。
そして、各保持セルの外部から該保持セル内の光学部材の前記位置測定用部材に検出光が照射されて位置測定用部材の位置情報が測定され、その測定結果と前記位置関係の測定結果とに基づいてその保持セルの基準軸に直交する面内でその保持セルをシフトさせることで各光学部材の位置関係が調整される。
すなわち、保持セル同士を取り付ける(組み上げる)際に調整できる保持セルの基準軸に直交する面内におけるシフト方向以外の方向の光学部材の位置・姿勢を予め調整した状態で保持セルに取り付けておき、保持セル同士を取り付ける際にはそのシフト方向の位置の調整が光学部材に直接触れることなく行われるので、誤差要因の少ない方法で高精度な光学ユニットを製造することが可能である。
本発明は、第9の観点からすると、本発明の第1〜第3の製造方法のいずれかによって製造された第2の光学ユニットである。
これによれば、本発明の第1〜第3の製造方法のいずれかによって第2の光学ユニットが製造されているので、その光学ユニットは光学特性が高精度に調整されている。
本発明は、第10の観点からすると、マスクに形成されたパターンを光学系を介して物体上に転写する露光装置であって、本発明の第2の光学ユニットを前記光学系として具備する露光装置である。
これによれば、高精度な調整がなされた本発明の第2の光学ユニットを光学系として具備しているので、該光学系によりマスクに形成されたパターンが物体上に転写され、これにより物体へのパターン転写を高精度に行うことが可能となる。
この場合において、前記マスクとして反射型マスクが用いられ、前記光学ユニットを構成する全ての光学部材はミラーであり、各ミラーの反射面には、その表面に極端紫外光の反射させるための多層膜が設けられていることとすることができる。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。
図1には、第1の実施形態に係る露光装置10の全体構成が概略的に示されている。この露光装置10では、後述するように、投影光学系POが使用されているので、以下においては、この投影光学系POの光軸方向をZ軸方向、これに直交する面内で図1における紙面内左右方向をY軸方向、紙面に直交する方向をX軸方向として説明するものとする。
この露光装置10は、レチクルRに形成された回路パターンの一部の像を投影光学系POを介してウエハW上に投影しつつ、レチクルRとウエハWとを投影光学系POに対して1次元方向(ここではY軸方向)に相対走査することによって、レチクルRの回路パターンの全体をウエハW上の複数のショット領域の各々にステップ・アンド・スキャン方式で転写するものである。
露光装置10は、EUV光(軟X線領域の光)を露光用照明光(以下、「露光ビーム」と記述する)ELとして射出する光源装置12、この光源装置12からの露光ビームELを反射して所定の入射角、例えば約50〔mrad〕でレチクルRのパターン面(図1における下面(−Z側の面))に入射するように折り曲げる折り曲げミラーMを含む照明光学系(なお、折り曲げミラーMは、投影光学系POの鏡筒内部に存在しているが、実際には照明光学系の一部である)、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRのパターン面で反射された露光ビームELをウエハWの被露光面(図1における上面(+Z側の面))に対して垂直に投射する投影光学系PO、及びウエハWを保持するウエハステージWST等を備えている。
前記光源装置12としては、一例として、レーザ励起プラズマ光源が用いられている。このレーザ励起プラズマ光源は、EUV光発生物質(ターゲット)に高輝度のレーザ光を照射することにより、そのターゲットが高温のプラズマ状態に励起され、該ターゲットが冷える際に放出するEUV光、紫外光、可視光、及び他の波長域の光を利用するものである。なお、本実施形態では、主に波長5〜20nm、例えば波長11nmのEUV光が露光ビームとして用いられるものとする。
前記照明光学系は、照明ミラー、波長選択窓等(いずれも図示省略)及び折り曲げミラーM等を含んで構成されている。また、光源装置12内の集光ミラーとしての放物面鏡も照明光学系の一部を構成する。光源装置12で射出され、照明光学系を介した露光ビームEL(前述の折り曲げミラーMで反射された露光ビームEL)は、レチクルRのパターン面を円弧スリット状の照明光となって照明する。
前記レチクルステージRSTは、XY平面に沿って配置されたレチクルステージベース32上に配置され、レチクルステージ駆動系34を構成する例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータが発生する磁気浮上力によって前記レチクルステージベース32上に浮上支持されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動系34が発生する駆動力によってY軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、X軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)にも微小量駆動されるようになっている。また、このレチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動系34が複数箇所で発生する磁気浮上力の調整によってZ軸方向及びXY面に対する傾斜方向(X軸回りの回転方向であるθx方向及びY軸回りの回転方向であるθy方向)にも微小量だけ駆動可能に構成されている。
レチクルステージRSTの下面側に不図示の静電チャック方式(又はメカチャック方式)のレチクルホルダが設けられ、該レチクルホルダによってレチクルRが保持されている。このレチクルRとしては、露光ビームELが波長11nmのEUV光であることと対応して反射型レチクルが用いられている。このレチクルRは、そのパターン面が下面となる状態でレチクルホルダによって保持されている。このレチクルRは、シリコンウエハ、石英、低膨張ガラスなどの薄い板から成り、その−Z側の表面(パターン面)には、EUV光を反射する反射膜が形成されている。この反射膜は、モリブデンMoとベリリウムBeの膜が交互に約5.5nmの周期で、約50ペア積層された多層膜である。この多層膜は波長11nmのEUV光に対して約70%の反射率を有する。なお、前記折り曲げミラーM、その他の照明光学系内の各ミラーの反射面にも同様の構成の多層膜が形成されている。
レチクルRのパターン面に形成された多層膜の上には、吸収層として例えばニッケルNi又はアルミニウムAlが一面に塗布され、その吸収層にパターンニングが施されて回路パターンが形成されている。
レチクルRの吸収層が残っている部分に当たったEUV光はその吸収層によって吸収され、吸収層の抜けた部分(吸収層が除去された部分)の反射膜に当たったEUV光はその反射膜によって反射され、結果として回路パターンの情報を含んだEUV光(露光ビームEL)がレチクルRのパターン面からの反射光として後述する投影光学系POへ向かう。
レチクルステージRST(レチクルR)のステージ移動面内での位置(XY面内の位置)は、レチクルステージRSTに設けられた(又は形成された)反射面にレーザビームを投射するレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)82Rによって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクル干渉計は、レチクルステージRSTのX軸方向位置(X位置)を計測するレチクルX干渉計とレチクルステージRSTのY軸方向位置(Y位置)を計測するレチクルY干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的にレチクル干渉計82Rとして示されている。そして、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の少なくとも一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRST(レチクルR)のY位置に加え、θz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量)も計測できるようになっている。
前記レチクルRのZ軸方向の位置は、レチクルRのパターン面に対し斜め方向から検出ビームを照射する送光系13aと、レチクルRのパターン面で反射された検出ビームを受光する受光系13bとから構成されるレチクルフォーカスセンサ(13a,13b)によって計測されている。このレチクルフォーカスセンサ(13a,13b)としては、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号等に開示される多点焦点位置検出系が用いられている。このため、該レチクルフォーカスセンサ(13a,13b)の計測値に基づいて、レチクルRのパターン面のZ位置のみならず、XY面に対する傾斜(θx、θy方向の回転量)も求めることができる。なお、本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
レチクル干渉計82R及びレチクルフォーカスセンサ(13a,13b)の計測値は、主制御装置20(図7参照)に供給され、該主制御装置20によってそれらレチクル干渉計82R及びレチクルフォーカスセンサ(13a,13b)の計測値に基づいてレチクルステージ駆動部34を介してレチクルステージRSTが駆動されることで、レチクルRの6次元方向の位置及び姿勢制御が行われるようになっている。
前記投影光学系POは、開口数(N.A.)が例えば0.1で、後述するように、反射光学素子(ミラー)のみから成る反射光学系が使用されており、ここでは、投影倍率が1/4倍のものが使用されている。従って、レチクルRによって反射され、レチクルRに形成されたパターンの情報を含む露光ビームELは、ウエハW上に投射され、これによりレチクルR上のパターンは1/4に縮小されてウエハWに転写される。なお、投影光学系POの具体的構成等については、後に更に詳述する。
前記ウエハステージWSTは、XY平面に沿って配置されたウエハステージベース60上に配置され、例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータから成るウエハステージ駆動部62によって該ウエハステージベース60上に浮上支持されている。このウエハステージWSTは、前記ウエハステージ駆動部62によってX軸方向及びY軸方向に所定ストローク(ストロークは例えば300〜400mmである)で駆動されるとともに、θz方向(Z軸回りの回転方向)にも微小量駆動されるようになっている。また、このウエハステージWSTは、ウエハステージ駆動部62によってZ軸方向及びXY面に対する傾斜方向にも微小量だけ駆動可能に構成されている。
ウエハステージWSTの上面には、静電チャック方式の不図示のウエハホルダが載置され、該ウエハホルダによってウエハWが吸着保持されている。ウエハステージWSTの位置は、外部に配置されたウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)82Wにより、例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、ウエハ干渉計はX軸方向に測長軸を有する干渉計及びY軸方向に測長軸を有する干渉計が設けられているが、図1ではこれらが代表的にウエハ干渉計82Wとして示されている。それらの干渉計は、測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。
また、投影光学系POの鏡筒を基準とするウエハWのZ軸方向に関する位置は、斜入射方式のウエハフォーカスセンサによって計測されるようになっている。このウエハフォーカスセンサは、図1に示されるように、投影光学系POの鏡筒を保持する不図示のコラムに固定され、ウエハWの上面に対し斜め方向から検出ビームを照射する送光系14aと、同じく不図示のコラムに固定され、ウエハW面で反射された検出ビームを受光する受光系14bとから構成される。このウエハフォーカスセンサ(14a,14b)としては、レチクルフォーカスセンサ(13a,13b)と同様の多点焦点位置検出系が用いられる。
ウエハ干渉計82W及びウエハフォーカスセンサ(14a、14b)の計測値は、主制御装置20(図7参照)に供給され、該主制御装置20によってウエハステージ駆動部62が制御され、ウエハステージWSTの6次元方向の位置及び姿勢制御が行われるようになっている。
ウエハステージWST上面の一端部には、レチクルRに形成されたパターンがウエハW面上に投影される位置と後述するアライメント系ALGとの相対位置関係の計測(いわゆるベースライン計測)等を行うための空間像計測器FMが設けられている。この空間像計測器FMは、従来のDUV露光装置の基準マーク板に相当するものである。
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、投影光学系POの鏡筒に、アライメント系ALGが固定されている。このアライメント系ALGとしては、ブロードバンド光をウエハW上のアライメントマーク(または空間像計測器FM)に照射し、その反射光を受光して画像処理によりマーク検出を行うFIA(Field Image Alignment )方式のアライメントセンサ、レーザ光をウエハW上の回折格子状のアライメントマークに2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させ、その位相からアライメントマークの位置情報を検出するLIA(Laser Interferometric Alignment )方式のアライメントセンサ、レーザ光をウエハW上のアライメントマークに照射し、回折・散乱された光の強度を利用してマーク位置を計測するLSA(Laser Step Alignment)方式のアライメントセンサやAFM(原子間力顕微鏡)のような走査型プローブ顕微鏡等種々のものを用いることができる。
なお、本実施形態では、レチクルステージRST、投影光学系PO、及びウエハステージWST等は、実際には、不図示の真空チャンバ内に収容されている。
次に、前記投影光学系POについて、図2〜図6に基づいて、詳細に説明する。
図2には、投影光学系POの概略斜視図が示されている。この投影光学系POは、Z軸方向に沿って上から下へ順次連結された5つの分割鏡筒152a、152b,152c,152d,152e、及び分割鏡筒152b,152c間に設けられたフランジFLG等から成る鏡筒52と、該鏡筒52内部に配置されたミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6(図3(A),図3(B),及び図4参照)とを含んで構成されている。この鏡筒52の−Y側の側壁には、分割鏡筒152a及び分割鏡筒152bの両者に跨る開口52aが形成されている。分割鏡筒152a〜152e及びフランジFLGは、ステンレス(SUS)等の脱ガスの少ない材料にて形成されている。
前記分割鏡筒152aには、その下端部近傍の外周面の一部(−Z側かつ+Y側部分)に外部に突出する張り出し部152fが設けられ、全体として上面が閉塞された概略円筒状の部材によって形成されている。この分割鏡筒152aは、その上壁(+Z側の壁)に上下に貫通する矩形の開口52bが形成されている。
前記分割鏡筒152bは、前記分割鏡筒152aよりも僅かに径の大きい円筒状の部材から成り、分割鏡筒152aの下側(−Z側)に連結されている。この分割鏡筒152bの下端部近傍には、他の部分より直径(外径)が大きな前記フランジ部FLGが連結されている。
前記分割鏡筒152cは、分割鏡筒152bよりも僅かに直径(外径)の小さい円筒状の部材から成り、フランジ部FLGの下側(−Z側)に連結されている。
前記分割鏡筒152dは、前記分割鏡筒152cよりも僅かに直径(外径)の小さい円筒状の部材から成り、分割鏡筒152cの下側(−Z側)に連結されている。
前記分割鏡筒152eは、底面が閉塞された、前記分割鏡筒152dよりも僅かに直径(外径)の小さい円筒状部材から成り、分割鏡筒152dの下側(−Z側)に連結されている。この分割鏡筒152eの底壁(−Z側の壁)には、不図示ではあるが、投影光学系POからウエハWに向けて露光ビームELを通過させるための開口が形成されている。
図3(A)には、鏡筒52内に配置された6つのミラーM1〜M6を斜め上方から見た斜視図が示され、図3(B)には、これらの6つのミラーM1〜M6を斜め下方から見た斜視図が示されている。これらの図からわかるように、6つのミラーM1〜M6は、上からミラーM2、ミラーM4、ミラーM3、ミラーM1、ミラーM6、ミラーM5の順に配置されている。なお、図3(A),図3(B)では、各ミラーの反射面に、ハッチングが付されている。
本実施形態では、ミラーM1〜M6それぞれの反射面は、設計値に対して露光波長の約50分の1から60分の1以下の凹凸となる加工精度が実現され、RMS値(標準偏差)で0.2nmから0.3nm以下の平坦度誤差しかないように設定されている。また、各ミラーの反射面の形状は、計測と加工とを交互に繰り返しながら形成されている。
前記ミラーM1は、図3(A)及び図4から分かるように、その上面が球面又は非球面などの回転対称な反射面とされた低熱膨張のミラー素材(例えば、石英、Zerodur:Schott社登録商標、ULE:Corning社登録商標等)から成る凹面鏡であり、その反射面の光学基準軸、すなわち回転対称軸(非球面軸)BX(図6(A)参照)が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整されている。このミラーM1は、前記分割鏡筒152cの内部に配置されている。ミラーM1は、分割鏡筒152cを一部破砕して示す斜視図である図5に示されるように、ミラー保持機構92によって、分割鏡筒152c内で保持されている。また、ミラーM1は、実際には、ミラーM1の平面図である図6(A)に示されるように、その外周の輪郭が多角形(8角形)状とされ、その側面の一部(外周面の+X側の一部)には、X軸に垂直な平面(鏡面加工が施された平面)から成る基準平面65xが形成され、その側面の別の一部(外周面の+Y側の一部)には、Y軸に垂直な平面(鏡面加工が施された平面)から成る基準平面65yが形成されている。2つの基準平面65x,65yは、互いに直交し(90度の角度をなし)、また、設計上は回転対称軸(非球面軸)と平行となるように配置されている。更に、基準平面65x,65yのそれぞれと垂直に交差し、基準平面65x,65yを通る仮想直線Lx,Lyが回転対称軸BXで交差するように配置されている。基準平面65x,65yは、ミラー本体と一体に形成しても良いし、別体を接合しても構わない。本実施形態では、上述の低熱膨張のミラー素材から成る基板を加工することによって、ミラー本体と一体に基準平面65x,65yが形成されている。これらの基準平面65x,65yは、少なくとも直径15mmで、その表面の凹凸が60nm以下の円形領域を含むような形状(大きさ)を有している。
なお、ミラー素材の外周部に後述するミラー保持部材44A,44B,44Cに保持される3つの突起をミラー本体と一体又は別体で設けても良い。
前記ミラー保持機構92は、図5に示されるように、分割鏡筒152cの内面にその一部が固定されたパラレルリンク機構411と、該パラレルリンク機構411のエンドエフェクタを構成するインナーリング42の上面にそれぞれ設けられ、ミラーM1の側面の3箇所を保持するミラー保持部材44A,44B,44Cとを備えている。
前記パラレルリンク機構411は、分割鏡筒152cの下端部で内側に突出する円環状の突出部上に、3つの調整用ワッシャWRを介して載置された円環状部材から成るアウターリング48と、該アウターリング48よりも径が一回り小さい円環状部材から成り、アウターリング48の上方に配置されたインナーリング42と、アウターリング48とインナーリング42とを相互に連結するとともにインナーリング42をアウターリング48に対してX,Y,Z軸方向及びθx方向(X軸回りの回転方向)、θy方向(Y軸回りの回転方向)、θz方向(Z軸回りの回転方向)の6自由度方向に駆動する駆動機構46と、を備えている。
前記駆動機構46は、一端と他端が、アウターリング48、インナーリング42に対して球面対偶を介して接続された同一構成の6本のリンク110によって構成されている。各リンク110は、図5に示されるように、第1軸部材113と、該第1軸部材113に接続又は連結された第2軸部材115とを有し、第1軸部材113の一端(下端)は、アウターリング48にボールジョイント111を介して取り付けられ、第2軸部材115の他端(上端)は、インナーリング42にボールジョイント(不図示)を介して取り付けられている。
この場合、第2軸部材115と、第1軸部材113との少なくとも一方には、リンク110の長さ、すなわち、第1軸部材113の下端と第2軸部材115の上端との距離を変更可能なアクチュエータが設けられている。かかるアクチュエータとしては、直動シリンダ、小型モータ、圧電素子などを用いることが考えられるが、本実施形態では、一例として圧電素子が用いられているものとする。
これまでの説明からわかるように、パラレルリンク機構411は、6本の伸縮可能なリンクを有する、スチュワートプラットホーム型と呼ばれるパラレルリンク機構である。
前記ミラー保持部材44A〜44Cは、インナーリング42の上面(+Z側の面)に所定の位置関係で配置され、ミラーM1の外周面の3箇所、例えば中心角120°間隔の外周の3等分点をそれぞれ保持している。これらのミラー保持部材44A〜44Cは、それぞれ、ほぼ逆U字状の形状を有しており、インナーリング42の半径方向についての剛性が低くなるように設定されている。
ミラー保持部材44A〜44CのそれぞれとミラーM1との間は、機械的なクランプ機構により固着されており、これにより、ミラーM1がインナーリング42に対して所定の位置関係を維持した状態で保持されている。なお、前述の如く、ミラー本体の外周部に3つの突起を設けた場合には、これら3つの突起がミラー保持部材44A〜44Cに保持される。
このように、ミラーM1がインナーリング42の半径方向についての剛性が低いミラー保持部材44A〜44Cによって、その外周の3等分点で保持されていることから、ミラーM1に熱膨張が生じるような場合であっても、ミラーM1の熱膨張による変形を吸収することができ、ミラーM1の歪みを抑制できる。
図5に示されるように、ミラーM1の基準平面65xに対向して分割鏡筒152cの一部には開口64xが形成されており、ミラーM1の基準平面65yに対向して分割鏡筒152cの一部には開口64yが形成されている。投影光学系POが露光装置本体に搭載された状態では、投影光学系POの外部に設置されたレーザ干渉計63X1,63Y1(図5では不図示、図7参照)からの測長ビームが開口64x,64yを介して、ミラーの基準平面65x,65yに照射され、該ミラーM1の基準平面65x,65yで反射された測長ビームがレーザ干渉計63X1,63Y1内のディテクタにより検出されることでミラーM1のXY位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。
図3(A)に戻り、前記ミラーM2は、その下面が球面又は非球面などの回転対称な反射面とされた前述と同様の低熱膨張のミラー素材から成り、その反射面の回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整された凹面鏡である(図3(B)、図4等参照)。このミラーM2は、図2の分割鏡筒152a内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構412(図7参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。
なお、ミラーM2にも、前述したミラーM1と同様に、ミラーM2のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X2,63Y2(図7参照)により、ミラーM2の位置が検出されるようになっている。
前記ミラーM3は、図3(A)、図3(B)及び図4を総合するとわかるように、その上面が反射面とされた前述と同様の低熱膨張のミラー素材から成る凸面鏡であり、投影光学系POの光軸AXから外れた位置に配置されている。但し、図4に示されるように、ミラーM3の反射面は、破線94aで示される球面又は非球面などの回転対称な面の一部であり、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が光軸AXにほぼ一致する位置にミラーM3は位置調整されている。このミラーM3は、図2の分割鏡筒152b内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構413(図7参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。
なお、ミラーM3にも、前述したミラーM1と同様に、ミラーM3のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X3,63Y3(図7参照)により、ミラーM3の位置が検出されるようになっている。
前記ミラーM4は、図3(A)、図3(B)及び図4を総合するとわかるように、その下面が反射面とされた前述と同様の低熱膨張のミラー素材から成る凹面鏡であり、投影光学系POの光軸AXから大きく外れた位置に配置されている。但し、図4に示されるように、ミラーM4の反射面は、破線94bで示される球面又は非球面などの回転対称な面の一部であり、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が光軸AXにほぼ一致する位置にミラーM4は位置調整されている。このミラーM4は、図2の分割鏡筒152a内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって、張り出し部152fに例えば1つのリンクがはみ出した状態で保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構414(図7参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。
なお、ミラーM4にも、前述したミラーM1〜M3と同様に、ミラーM4のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X4,63Y4(図7参照)により、ミラーM4の位置が検出されるようになっている。
前記ミラーM5は、図3(A)、図3(B)及び図4を総合するとわかるように、その上面が反射面とされ、その一部に切り欠きが形成された全体として概略馬蹄形状を有する前述の低熱膨張のミラー素材から成る凸面鏡である。このミラーM5は、その反射面が球面又は非球面などの回転対称な面の一部となっており、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整されている。このミラーM5では、光軸AXより−Y側の部分に露光ビームELの光路となる上記切り欠きが形成されている。このミラーM5は、図2の分割鏡筒152e内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構415(図7参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。
なお、ミラーM5にも、前述したミラーM1〜M4と同様に、ミラーM5のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X5,63Y5(図7参照)により、ミラーM5の位置が検出されるようになっている。
前記ミラーM6は、図3(A)、図3(B)及び図4を総合するとわかるように、その下面が反射面とされ、その一部に切り欠きが形成された全体として概略馬蹄形状を有する前述の低熱膨張のミラー素材から成る凹面鏡である。このミラーM6は、その反射面が球面又は非球面などの回転対称な面の一部となっており、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整されている。このミラーM5では、光軸AXより+Y側の部分に露光ビームELの光路となる上記切り欠きが形成されている。このミラーM5は、図2の分割鏡筒152d内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構416(図7参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。
なお、ミラーM6にも、前述したミラーM1〜M5と同様に、ミラーM6のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X6,63Y6(図7参照)により、ミラーM6の位置が検出されるようになっている。
ここで、上述のようにして構成された投影光学系POの作用について図1及び図4に基づいて説明する。図1に示されるように、光源装置12から射出され、投影光学系POの鏡筒52に形成された開口52aを介して鏡筒52の内部に入射された露光ビームELは、鏡筒52内に配置された照明光学系の一部を構成する折り曲げミラーMでほぼ上向きに反射され、鏡筒52の開口52bを介してレチクルRに所定の入射角で入射する。そして、レチクルRのパターン面で反射された露光ビームELは、図4に示されるように、ミラーM1で反射されてミラーM2の反射面に集光される。次いで、ミラーM2の反射面で反射された露光ビームELは、ミラーM3、M4で順次反射され、ミラーM6の切り欠きを通過してミラーM5に入射し、ミラーM5の反射面で反射される。その後、ミラーM5で反射された露光ビームELは、ミラーM6で反射され、パターンの結像光束となってミラーM5の切り欠きを介してウエハW上に照射される。
図7には、本実施形態に係る露光装置10の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御する主制御装置20を中心として構成されている。
次に、本第1の実施形態の投影光学系POの製造方法について、図8に沿ってかつ図9(A)、図9(B)、図10及びその他の図面を適宜参照しながら説明する。ここで、図8には、投影光学系POの製造手順が、フローチャート(流れ図)にて示されている。また、図9(A)には、1つの分割鏡筒152c及びその内部に設けられたミラーM1の概略平面図が示され、図9(B)には、分割鏡筒152c及びその内部の構成部品の縦断面図が示されている。また、図10には、ミラーM1,M6及びこれらに対応する分割鏡筒152c,152dの部分が縦断面図にて模式的に示されている。
〔ステップ1〕
図8のステップ1では、まず、所定のミラーデータを含む設計値に従って投影光学系POを構成する各光学部材としてのミラーM1〜M6、各ミラーを保持するミラー保持機構92、及びミラーとミラー保持機構92とが組み込まれる分割鏡筒152a〜152eを製造する。
図8のステップ1では、まず、所定のミラーデータを含む設計値に従って投影光学系POを構成する各光学部材としてのミラーM1〜M6、各ミラーを保持するミラー保持機構92、及びミラーとミラー保持機構92とが組み込まれる分割鏡筒152a〜152eを製造する。
すなわち、各ミラーは、周知のミラー加工機を用いて所定の光学材料からそれぞれ所定の設計値に従うように加工され、またミラー保持機構92を構成するアウターリング48、インナーリング42は、周知の金属加工機等を用いて所定の寸法に加工され、各リング42,48間に別の工程で作成された駆動機構46が取り付けられ、更に別の工程で作成されたミラー保持部材44A〜44Cがインナーリング42上面に取り付けられる。また、分割鏡筒152a〜152eは、周知の金属加工機等を用いて所定の材料(ステンレス、真鍮、セラミック等)からそれぞれ所定の寸法を有する形状に加工される。
〔ステップ2〕
ステップ2では、ステップ1で製造された投影光学系POを構成する各ミラーの非球面を高精度な非球面干渉計で計測し、回転対称軸(非球面軸)BX(図6(A)参照)を求める。非球面干渉計としては非球面の参照面を用いたフィゾー干渉計等を用いることが可能である。特に、非球面量の小さい(例えば100μm以下)ミラーの場合は、非球面干渉計を用いることによって、3次元測定機よりも高精度に回転対称軸BXの位置を測定することができる。また、非球面干渉計による回転対称軸BXの測定の際に、各ミラーの基準面(ここでは基準平面65x,65y)を非球面干渉計上に設けられたレーザ干渉計(レーザ干渉式測長器)又はローコヒーレント干渉計などで計測する。
ステップ2では、ステップ1で製造された投影光学系POを構成する各ミラーの非球面を高精度な非球面干渉計で計測し、回転対称軸(非球面軸)BX(図6(A)参照)を求める。非球面干渉計としては非球面の参照面を用いたフィゾー干渉計等を用いることが可能である。特に、非球面量の小さい(例えば100μm以下)ミラーの場合は、非球面干渉計を用いることによって、3次元測定機よりも高精度に回転対称軸BXの位置を測定することができる。また、非球面干渉計による回転対称軸BXの測定の際に、各ミラーの基準面(ここでは基準平面65x,65y)を非球面干渉計上に設けられたレーザ干渉計(レーザ干渉式測長器)又はローコヒーレント干渉計などで計測する。
ここで、基準平面65x,65yの位置と傾きを計測するために、レーザ干渉計又はローコヒーレント干渉計を用いるのは、これらの干渉計は、一般にワーキングディスタンスが大きく確保でき、かつ検出感度も高いからである。従って、非球面干渉計に具備する測定装置としてレーザ干渉計又はローコヒーレント干渉計は適している。なお、その測定装置としては、その他、リニアエンコーダや静電容量センサ等他の装置を用いることもできる。
図11(A)には、計測軸を3軸有するレーザ干渉計からの測長ビームIB1,IB2,IB3が、基準平面(65x,65y)に照射された状態が示されている。測長ビームIB1、IB2によってミラーのチルトを測定することができ、測長ビームIB1,IB3によってミラーの回転対称軸BX回りの回転を測定することができ、測長ビームIB1〜IB3の少なくとも1つによってミラーの位置ずれ(シフト)を測定することが可能である。
図11(B)には、測定ビームと参照ビームとの干渉縞を測定することによって、ミラーの位置ずれ、チルト、回転対称軸回りの回転等を測定する、ローコヒーレント干渉計からの測長ビームIB4が基準平面(65x,65y)に照射された状態が示されている。本実施形態では、前述の如く、基準平面65x,65yのそれぞれは、少なくとも直径15mmで、その表面の凹凸が60nm以下の円形領域を含むような形状(大きさ)を有しているので、直径15mmの測長ビームIB4は基準平面(65x,65y)内に完全に収まり(基準平面(65x,65y)からはみ出すことがなく)、また、凹凸が60nm以下であることから計測誤差の影響が小さくなる。この結果、傾きの測定誤差を1秒以下に抑えることができる。なお、基準平面65x,65yそれぞれの平面度及び2つの基準平面65x,65yがなす角度についても必要に応じて、同時または別途測定しておく。
そして、回転対称軸BX及び基準平面65x,65yの計測結果に基づいて、回転対称軸BXと基準平面65x,65yのXY方向に関する位置関係(以下、回転対称軸BXと基準平面65xとの距離を「Xシフト量Sx」と呼び、回転対称軸BXと基準平面65yとの距離を「Yシフト量Sy」と呼ぶものとする)、及び回転対称軸BXに対する基準平面65x,65yの傾斜(以下、図6(C)に示される回転対称軸BXに対する基準平面65xの傾き角を「Yチルト量θy」と呼び、回転対称軸BXに対する基準平面65yの傾き角(不図示)を「Xチルト量θx」と呼ぶものとする)を求める。
このような回転対称軸BXと基準平面65x,65yとの位置関係の測定はミラー毎に行う必要がある。本実施形態では、6枚のミラーM1〜M6についてこの測定を行う必要がある。すなわち、外形形状等の異なる複数のミラーを測定する必要がある。このような場合、測定軸を共通にすることによって、装置を簡略化することができる。
図12には、一例として一軸のレーザ干渉計を用いた場合の一例が示されている。今、外形が異なる2つのミラーM’、M”の各々の回転対称軸BXが重なるように配置する。すると、ミラーM’、M”(6枚のミラーM1〜M6のうち、2枚のミラーを簡略化したもの)それぞれの仮想直線(基準平面のそれぞれと垂直に交差し、基準平面を通る仮想直線)Lx、Lyを共通にすることができるため、この直線Lx、Lyを測定軸として、レーザ干渉計の光束を基準平面65x1,65x2、65y1,65y2に導けば、レーザ光束の軸を移動せずに、全てのミラーの回転対称軸BXと基準平面との位置関係を測定することが可能となる。仮に、測定軸が各ミラーで異なる場合、光束を導く位置を変える手段が必要となり、また、干渉計のキャリブレーションも測定毎に必要となり、コスト及び時間が増大するという問題がある。この問題は、他の測定装置を用いた場合も同様に問題となる。
〔ステップ3〕
ステップ3では、高精度な三次元測定器を用いて、投影光学系POを構成する各ミラーの反射面(非球面)とZ基準面(例えば、ミラーM1の外縁部に存在する最上面65z)とを計測する。そして、この計測結果に基づいて、図6(B)に示される非球面頂点BaとZ基準面65zとの関係(以下、この非球面頂点BaとZ基準面65zとの距離を「Zシフト量Sz」と呼ぶ)を求める。
ステップ3では、高精度な三次元測定器を用いて、投影光学系POを構成する各ミラーの反射面(非球面)とZ基準面(例えば、ミラーM1の外縁部に存在する最上面65z)とを計測する。そして、この計測結果に基づいて、図6(B)に示される非球面頂点BaとZ基準面65zとの関係(以下、この非球面頂点BaとZ基準面65zとの距離を「Zシフト量Sz」と呼ぶ)を求める。
〔ステップ4〕
ステップ2及びステップ3での投影光学系POを構成するミラーとそのミラーの回転対称軸(非球面軸)との関係の計測(Sx,Sy,Sz,θx,θy)が完了した後、ステップ4において、予め設定されている設計値に従って、各ミラーと該各ミラーを保持するミラー保持機構から成るユニット(以下、「ミラーユニット」と呼ぶ)を組み立てる。
ステップ2及びステップ3での投影光学系POを構成するミラーとそのミラーの回転対称軸(非球面軸)との関係の計測(Sx,Sy,Sz,θx,θy)が完了した後、ステップ4において、予め設定されている設計値に従って、各ミラーと該各ミラーを保持するミラー保持機構から成るユニット(以下、「ミラーユニット」と呼ぶ)を組み立てる。
〔ステップ5〕
ステップ5では、ステップ4で組み立てたミラーユニットをそれぞれに対応する分割鏡筒内に仮に組み込み、各ミラーと対応する分割鏡筒との位置関係を、それぞれ計測する。例えば、分割鏡筒152c及びミラーM1を採りあげて説明すると、分割鏡筒152c内のミラーM1のXYZシフト計測のための基準面(基準平面65x,65y、Z基準面65z)と、分割鏡筒152cに予め形成されているXYZシフト計測のための基準面(図9(A)、図9(B)に示される、分割鏡筒152cのX位置計測に用いられる基準面67x、Y位置計測に用いられる基準面67y、及びZ位置計測に用いられる基準面67z)を三次元測定器(又はレーザ干渉計)で計測し、図9(A)、図9(B)に示されるミラーM1と分割鏡筒152cとの位置関係(具体的には、ミラーM1の基準平面65xと分割鏡筒152cの基準面67xとの距離Sx’、ミラーM1の基準平面65yと分割鏡筒152cの基準面67yとの距離Sy’、及びミラーM1のZ基準面65zと分割鏡筒152cの基準面67zとの距離Sz’)を求める。この場合、三次元測定器(又はレーザ干渉計)を用いて基準面67x,67y,67zを計測するので、これらの基準面67x,67y,67zも鏡面加工を行い、また、十分な平面度を有するようにしておく必要がある。このとき、図9(A)に示されるように、基準面67x,67yとミラーM1の基準平面65x,65yとは平行に配置されることが好ましい。このような配置の場合、基準平面とミラーの基準平面との相対位置関係をより高精度に計測することができる。
ステップ5では、ステップ4で組み立てたミラーユニットをそれぞれに対応する分割鏡筒内に仮に組み込み、各ミラーと対応する分割鏡筒との位置関係を、それぞれ計測する。例えば、分割鏡筒152c及びミラーM1を採りあげて説明すると、分割鏡筒152c内のミラーM1のXYZシフト計測のための基準面(基準平面65x,65y、Z基準面65z)と、分割鏡筒152cに予め形成されているXYZシフト計測のための基準面(図9(A)、図9(B)に示される、分割鏡筒152cのX位置計測に用いられる基準面67x、Y位置計測に用いられる基準面67y、及びZ位置計測に用いられる基準面67z)を三次元測定器(又はレーザ干渉計)で計測し、図9(A)、図9(B)に示されるミラーM1と分割鏡筒152cとの位置関係(具体的には、ミラーM1の基準平面65xと分割鏡筒152cの基準面67xとの距離Sx’、ミラーM1の基準平面65yと分割鏡筒152cの基準面67yとの距離Sy’、及びミラーM1のZ基準面65zと分割鏡筒152cの基準面67zとの距離Sz’)を求める。この場合、三次元測定器(又はレーザ干渉計)を用いて基準面67x,67y,67zを計測するので、これらの基準面67x,67y,67zも鏡面加工を行い、また、十分な平面度を有するようにしておく必要がある。このとき、図9(A)に示されるように、基準面67x,67yとミラーM1の基準平面65x,65yとは平行に配置されることが好ましい。このような配置の場合、基準平面とミラーの基準平面との相対位置関係をより高精度に計測することができる。
なお、分割鏡筒152cは、上記分割鏡筒152cの基準面67xのY軸方向に関する中心を通る該基準面67xに垂直な直線(この場合図9(A)の平面図では基準面67xの垂直二等分線となる)と、基準面67yのX軸方向に関する中心を通る該基準面67yに垂直な直線(この場合図9(A)の平面図では基準面67yの垂直二等分線となる)との交点を、分割鏡筒152cの中心軸(基準軸)が通るように設計されている。
ここで、ミラーM1の基準面(基準平面65x,65y)の計測に際しては、分割鏡筒152cに形成された図5に示される開口64x、64yを介して、三次元測定器からの検出光をミラーM1の基準面(基準平面)65x,65yにそれぞれ照射し、その反射光に基づいて基準面65x,65yの位置を計測する。
その他のミラーM2〜M6及び対応する分割鏡筒についても、上記と同様にして、各ミラーと対応する分割鏡筒との位置関係を、それぞれ計測するようになっている。
〔ステップ6〕
次いで、ステップ6では、オートコリメータを用いて、各分割鏡筒内の各ミラーのXYチルト基準面(例えばミラーM1の場合、基準平面65x,65y)の傾きと各分割鏡筒のXYチルト基準面(分割鏡筒152cの場合、基準面67x,67y)の傾きとをそれぞれ計測し、対応する各分割鏡筒のXYチルト基準面に対する各ミラーのXYチルト基準面の相対角度(X軸回りの回転角であるXチルト量θx’及びY軸回りの回転角であるYチルト量θy’)をそれぞれ求める。
次いで、ステップ6では、オートコリメータを用いて、各分割鏡筒内の各ミラーのXYチルト基準面(例えばミラーM1の場合、基準平面65x,65y)の傾きと各分割鏡筒のXYチルト基準面(分割鏡筒152cの場合、基準面67x,67y)の傾きとをそれぞれ計測し、対応する各分割鏡筒のXYチルト基準面に対する各ミラーのXYチルト基準面の相対角度(X軸回りの回転角であるXチルト量θx’及びY軸回りの回転角であるYチルト量θy’)をそれぞれ求める。
〔ステップ7〕
次のステップ7では、上述したステップ5における計測結果(Sx’,Sy’,Sz’)とステップ6における計測結果(θx’,θy’)とに基づいて、各分割鏡筒に対する対応するミラーのXチルトθx’、Yチルトθy’が0になるように、かつ距離Sz’が所望の値になるような調整を行う。この調整は、例えば図5に示されるミラー保持機構92を構成するアウターリング48と分割鏡筒152cの下端部で内側に突出する円環状の突出部との間に配置される3つの調整用ワッシャWRを加工してそれぞれの厚さ(及び傾斜)を調整することにより、行われる。なお、調整用ワッシャWRを加工する場合に限らず、調整用ワッシャを複数種類用意し、最適な厚さの調整ワッシャを選択することで、調整を行うこととしても良い。そして、調整後の調整用ワッシャWR又は選択された調整用ワッシャを介して、再度各ミラーユニットを対応する分割鏡筒にそれぞれ取り付ける。なお、この調整の終了後に、基準面67x,67yとミラーの基準平面65x,65yとは真に平行な配置となる。
次のステップ7では、上述したステップ5における計測結果(Sx’,Sy’,Sz’)とステップ6における計測結果(θx’,θy’)とに基づいて、各分割鏡筒に対する対応するミラーのXチルトθx’、Yチルトθy’が0になるように、かつ距離Sz’が所望の値になるような調整を行う。この調整は、例えば図5に示されるミラー保持機構92を構成するアウターリング48と分割鏡筒152cの下端部で内側に突出する円環状の突出部との間に配置される3つの調整用ワッシャWRを加工してそれぞれの厚さ(及び傾斜)を調整することにより、行われる。なお、調整用ワッシャWRを加工する場合に限らず、調整用ワッシャを複数種類用意し、最適な厚さの調整ワッシャを選択することで、調整を行うこととしても良い。そして、調整後の調整用ワッシャWR又は選択された調整用ワッシャを介して、再度各ミラーユニットを対応する分割鏡筒にそれぞれ取り付ける。なお、この調整の終了後に、基準面67x,67yとミラーの基準平面65x,65yとは真に平行な配置となる。
〔ステップ8〕
次いで、ステップ8では、エアスピンドルを用いた回転テーブル等の真直度を保証できる装置を用いて各分割鏡筒の偏心を調整し、分割鏡筒のそれぞれを隣接する分割鏡筒に分離環(リングワッシャ)RWを介して一時的に固定することで(図10参照)、鏡筒52を一旦組み立てる。この段階では、これまでの説明から分かるように、各分割鏡筒に対する各ミラーのXYチルト(θx’,θy’)、Zシフト(Sz’)は調整されており、かつ各ミラーのXYシフト(Sx’,Sy’)は調整されていない状態である。
次いで、ステップ8では、エアスピンドルを用いた回転テーブル等の真直度を保証できる装置を用いて各分割鏡筒の偏心を調整し、分割鏡筒のそれぞれを隣接する分割鏡筒に分離環(リングワッシャ)RWを介して一時的に固定することで(図10参照)、鏡筒52を一旦組み立てる。この段階では、これまでの説明から分かるように、各分割鏡筒に対する各ミラーのXYチルト(θx’,θy’)、Zシフト(Sz’)は調整されており、かつ各ミラーのXYシフト(Sx’,Sy’)は調整されていない状態である。
〔ステップ9〕
ステップ9では、ステップ8で組み立てた投影光学系POの光学特性、例えば波面収差を、波面収差計測機を用いて計測し、その波面収差の計測結果に基づいて、各ミラーの投影光学系POの光軸に対するX軸方向、Y軸方向の位置ずれ量、すなわち、各ミラーが組み込まれた各分割鏡筒の偏心量を求める。また、ミラーのZシフト(ここでは、ステップ7の処理で各ミラーと対応する分割鏡筒との間のZ軸方向の位置関係の調整は行われているので、隣接する分割鏡筒相互間の距離、具体的には図10に示される分離環(リングワッシャ)RWの厚さを意味する)を求め、一旦組み立てた投影光学系を分解して各分離環(リングワッシャ)RWの厚さを変更する。この場合もリングワッシャを複数種類用意し、最適なリングワッシャを選択することで調整することとしても良い。そして、分割鏡筒のそれぞれと、厚さの調整がなされた複数の分離環(リングワッシャ)RWとを、分割鏡筒、分離環、分割鏡筒、分離環、分割鏡筒、……という順序で、順次組み上げ、その組み上げられた各分割鏡筒の偏心量を周知の偏心調整機で調整する。その調整後に、分割鏡筒のそれぞれを隣接する分割鏡筒に分離環を介してボルト止めすることで、投影光学系の組み立てが一応終了する。
ステップ9では、ステップ8で組み立てた投影光学系POの光学特性、例えば波面収差を、波面収差計測機を用いて計測し、その波面収差の計測結果に基づいて、各ミラーの投影光学系POの光軸に対するX軸方向、Y軸方向の位置ずれ量、すなわち、各ミラーが組み込まれた各分割鏡筒の偏心量を求める。また、ミラーのZシフト(ここでは、ステップ7の処理で各ミラーと対応する分割鏡筒との間のZ軸方向の位置関係の調整は行われているので、隣接する分割鏡筒相互間の距離、具体的には図10に示される分離環(リングワッシャ)RWの厚さを意味する)を求め、一旦組み立てた投影光学系を分解して各分離環(リングワッシャ)RWの厚さを変更する。この場合もリングワッシャを複数種類用意し、最適なリングワッシャを選択することで調整することとしても良い。そして、分割鏡筒のそれぞれと、厚さの調整がなされた複数の分離環(リングワッシャ)RWとを、分割鏡筒、分離環、分割鏡筒、分離環、分割鏡筒、……という順序で、順次組み上げ、その組み上げられた各分割鏡筒の偏心量を周知の偏心調整機で調整する。その調整後に、分割鏡筒のそれぞれを隣接する分割鏡筒に分離環を介してボルト止めすることで、投影光学系の組み立てが一応終了する。
その後、波面収差が所望の値になるまでステップ9を繰り返し、波面収差が所望の値になった段階で、投影光学系POが完成する。
説明は前後するが、前述したように、各ミラーは、パラレルリンク機構により6自由度方向に駆動可能とされているが、パラレルリンク機構による各ミラーの駆動範囲は、非常に狭いので、組み立て後に各ミラーの駆動範囲を最大にするためには、組み立て製造時には、各パラレルリンクをその可動範囲の中立位置に設定することが必要となる。そこで、本実施形態では、組み立て製造中の各パラレルリンク機構は、その可動範囲の中立位置に設定した状態で、上述した投影光学系の組み立てを行うようにしている。すなわち、製造組み立て段階では、パラレルリンク機構によるミラーの駆動は行われないようになっている。
次に、上述のようにして構成された本実施形態の露光装置10による露光工程の動作について説明する。
まず、不図示のレチクル搬送系によりレチクルRが搬送され、ローディングポジションにあるレチクルステージRSTに保持される。次いで、主制御装置20(図7参照)により、ウエハステージWST及びレチクルステージRSTの位置が制御され、レチクルR上に形成された不図示のレチクルアライメントマークのウエハW面上への投影像が空間像計測器FMを用いて検出され、その検出結果と干渉計82R、82Wの計測値とに基づいて、レチクルパターン像のウエハW面上への投影位置が求められる。すなわち、レチクルアライメントが行われる。
次に、主制御装置20により、空間像計測器FMがアライメント系ALGの直下へ位置するように、ウエハステージWSTが移動され、アライメント系ALGの検出信号及びそのときのウエハ干渉計82Wの計測値とに基づいて、間接的にレチクルRのパターン像のウエハW面上への投影位置とアライメント系ALGの相対距離、すなわちアライメント系ALGのベースラインが求められる。
かかるベースライン計測が終了すると、主制御装置20により、いわゆるEGA方式のウエハアライメントが行われ、ウエハW上の全てのショット領域の位置座標が求められる。
そして、次のようにしてステップ・アンド・スキャン方式の露光がEUV光を露光ビームELとして行われる。すなわち、主制御装置20ではウエハアライメントの結果得られたウエハW上の各ショット領域の位置情報に従って、ウエハ干渉計82Wからの位置情報をモニタしつつ、ウエハステージWSTを第1ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)に移動するとともに、レチクルステージRSTを走査開始位置(加速開始位置)に移動して、その第1ショットの走査露光を行う。この走査露光に際し、主制御装置20ではレチクルステージRSTとウエハステージWSTとを同期して駆動するとともに両者の速度比が投影光学系POの投影倍率に正確に一致するように両ステージの速度を制御し、露光(レチクルパターンの転写)を行う。これにより、ウエハW上の第1ショット領域には、例えば25mm(幅)×50mm(走査方向の長さ)の回路パターンの転写像が形成される。
上記のようにして第1ショット領域の走査露光が終了すると、主制御装置20ではウエハステージWSTを第2ショット領域の露光のための走査開始位置(加速開始位置)へ移動させるショット間のステッピング動作を行う。そして、その第2ショット領域の走査露光を上述と同様にして行う。以後、第3ショット領域以降も同様の動作を行う。
このようにして、ショット間のステッピング動作とショットに対する走査露光動作とが繰り返され、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全てのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。
ここで、上記の走査露光中やアライメント中には、ウエハフォーカスセンサ(14a、14b)によってウエハW表面と投影光学系POの間隔、XY平面に対する傾斜が計測され、主制御装置20によってウエハW表面と投影光学系POとの間隔、平行度が常に一定になるようにウエハステージWSTが制御される。また、主制御装置20では、レチクルフォーカスセンサ(13a、13b)の計測値に基づいて、露光中(レチクルパターンの転写中)の投影光学系POとレチクルRのパターン面との間隔が常に一定に保たれるように、レチクルRの投影光学系POの光軸方向(Z方向)の位置を調整しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとをY軸方向に沿って同期移動させる。
更に、本実施形態の露光装置10では、例えばオペレータの指示に基づいて、主制御装置20によって投影光学系POの所定の結像特性の調整が行われるようになっている。この投影光学系の結像特性の調整の前提として、結像特性を正確に計測する必要がある。その計測方法としては、例えば所定の計測用パターンが形成された計測用マスクを用いて露光を行い、計測用パターンの投影像が転写形成されたウエハを現像して得られるレジスト像を計測した計測結果に基づいて結像特性を算出する方法(焼き付け法)が主として採用される。
そして、オペレータにより上記の結像特性の算出結果が入力されると、主制御装置20は、所定の演算を行って、投影光学系POの結像特性を所望の状態に調整するための、ミラーM1〜M6それぞれのX軸、Y軸方向の駆動量(ゼロを含む)を算出し、その算出結果に応じてパラレルリンク機構411〜416を介してミラーM1〜M6の位置調整を行う。この調整に際して、主制御装置20は、投影光学系POの外部に配置されたレーザ干渉計63Xi,63Yi(i=1〜6)で計測されるミラーMiのX,Y位置情報に基づいて、ミラーM1〜M6それぞれのX,Y位置が目標位置に一致するように、パラレルリンク機構411〜416をフィードバック制御する。
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置10によると、極めて波長の短いEUV光(露光ビームEL)を露光光として用い、色収差のないオール反射の投影光学系POを介してレチクルRのパターンがウエハW上に転写されるので、レチクルR上の微細パターンをウエハW上の各ショット領域に高精度に転写することができる。具体的には、最小線幅70nm程度の微細パターンの高精度な転写が可能である。
また、本実施形態に係る投影光学系の製造方法によると、複数のミラーM1〜M6のそれぞれについて該ミラーの光学基準軸(回転対称軸)と該ミラーの基準平面(65x,65y等)との位置関係(すなわち基準平面の位置(光学基準軸と基準平面との距離)と基準平面(XYチルト基準面)の傾き(光学基準軸と基準平面の平行度))が測定される(図8のステップ2)。次いで、各ミラーが、複数の分割鏡筒のそれぞれに、該分割鏡筒の基準軸方向に関する位置ずれ及び基準軸に直交する面に対する傾斜を調整した状態で取り付けられる(図8のステップ7)。すなわち、各分割鏡筒に取り付けられた状態では、各ミラーは、それぞれの分割鏡筒の基準軸方向に関する位置と基準軸に直交する面に対する傾斜(チルト)とが所望の状態に設定されている。
そして、各分割鏡筒の外部から該分割鏡筒内のミラーの基準平面に検出光が照射されて基準面の位置情報が測定され、その測定結果と前記位置関係の測定結果とに基づいてその分割鏡筒の基準軸に直交する面内でその分割鏡筒をシフトさせることで各光学部材の位置関係が調整される(ステップ9)。
すなわち、分割鏡筒同士を取り付ける(組み上げる)際に調整できる分割鏡筒の基準軸に直交する面内におけるシフト方向以外の方向の光学部材の位置・姿勢を予め調整した状態で分割鏡筒に取り付けておき、分割鏡筒同士を取り付ける際にはそのシフト方向の位置の調整がミラーに直接触れることなく行われるので、誤差要因の少ない方法で高精度な投影光学系を製造することが可能である。
また、本実施形態では、投影光学系POを構成する光学部材(ミラー)として、回転対称軸(非球面軸)に平行で、かつ互いに直交する2つの基準平面を有するミラーを採用していることから、前述の非球面測定装置などを常時用いることなく、上記の三次元測定器やオートコリメータなどの簡易な測定装置を用いて、高精度な光学特性を有する投影光学系POを容易に製造することが可能になる。
《第2の実施形態》
以下、本発明の第2の実施形態を図13に基づいて説明する。この第2の実施形態では、投影光学系POの製造方法が、前述の第1の実施形態と異なるのみで、その他の部分の構成は、同様になっている。従って、以下では重複説明を避ける観点から相違点を中心として説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるものとする。
以下、本発明の第2の実施形態を図13に基づいて説明する。この第2の実施形態では、投影光学系POの製造方法が、前述の第1の実施形態と異なるのみで、その他の部分の構成は、同様になっている。従って、以下では重複説明を避ける観点から相違点を中心として説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるものとする。
図13には、本第2の実施形態に係る投影光学系POの製造手順が、フローチャート(流れ図)にて示されている。以下、この図13に沿って、本第2の実施形態の投影光学系POの製造方法について説明する。
図13のステップ1からステップ7までは、前述した第1の実施形態のステップ1からステップ7と同様の処理が行われるので詳細説明は省略するが、ステップ7の処理が終了した時点では、厚さが調整された後の調整用ワッシャWR又は選択された任意の調整用ワッシャを介して、各ミラーユニットが、ミラーのXチルトθx’、Yチルトθy’が0となり、かつミラーの分割鏡筒の基準軸方向の位置が所望の位置に調整された状態で、対応する分割鏡筒にそれぞれ取り付けられている。また、この場合、前述した距離Sx’、Sy’が既知であるから、分割鏡筒の基準軸(中心軸)と各ミラーの光学基準軸との位置関係も既知である。すなわち、ミラーM1〜M6のそれぞれが、対応する分割鏡筒の内部に対して、その分割鏡筒の基準軸と各ミラーの光学基準軸との位置関係が既知の関係に調整された状態で取り付けられている。
〔ステップ8〕
図13のステップ8では、分割鏡筒のそれぞれと、複数の分離環(リングワッシャ)RWとを、分割鏡筒、分離環、分割鏡筒、分離環、分割鏡筒、……という順序で、順次組み上げ、ステップ2で計測された各ミラーの光学基準軸、すなわち回転対称軸(非球面軸)と基準平面との関係(Sx,Sy,θx,θy)と、ステップ5で計測された各ミラーの基準平面と対応する分割鏡筒の基準面との関係とに基づいて、偏心調整機を介して複数の分割鏡筒152a〜152eの位置関係を調整することで、投影光学系の光軸に直交する面内におけるミラーM1〜M6相互の位置ずれ(XYシフト)を調整する。これにより、投影光学系の製造が終了する。この投影光学系では、ミラーM1〜M6の回転対称軸(非球面軸)、すなわち光学基準軸が同一軸に調整され、この調整された軸が投影光学系POの光軸となる。
図13のステップ8では、分割鏡筒のそれぞれと、複数の分離環(リングワッシャ)RWとを、分割鏡筒、分離環、分割鏡筒、分離環、分割鏡筒、……という順序で、順次組み上げ、ステップ2で計測された各ミラーの光学基準軸、すなわち回転対称軸(非球面軸)と基準平面との関係(Sx,Sy,θx,θy)と、ステップ5で計測された各ミラーの基準平面と対応する分割鏡筒の基準面との関係とに基づいて、偏心調整機を介して複数の分割鏡筒152a〜152eの位置関係を調整することで、投影光学系の光軸に直交する面内におけるミラーM1〜M6相互の位置ずれ(XYシフト)を調整する。これにより、投影光学系の製造が終了する。この投影光学系では、ミラーM1〜M6の回転対称軸(非球面軸)、すなわち光学基準軸が同一軸に調整され、この調整された軸が投影光学系POの光軸となる。
この場合、ミラーの光学基準軸(非球面軸)と基準平面との関係(Sx,Sy)とミラーの基準平面と分割鏡筒の基準面との関係(Sx’,Sy’)とに基づいて調整することから、実質的にミラーの光学基準軸(非球面軸)と分割鏡筒の基準面との関係を用いて、ミラーのXYシフトが調整されていることになる。
〔ステップ9〕
次のステップ9では、上述のようにして製造された投影光学系POの波面収差を測定し、該波面収差の計測結果に基づいて、パラレルリンク機構411〜416の少なくとも1つを駆動することで、ミラーの位置の微調整を行うこと。これにより、投影光学系POの光学特性の調整も完了する。
次のステップ9では、上述のようにして製造された投影光学系POの波面収差を測定し、該波面収差の計測結果に基づいて、パラレルリンク機構411〜416の少なくとも1つを駆動することで、ミラーの位置の微調整を行うこと。これにより、投影光学系POの光学特性の調整も完了する。
以上説明したように、本第2の実施形態の投影光学系の製造方法によると、複数のミラーM1〜M6を対応する分割鏡筒の内部に対して、その分割鏡筒の基準軸と各ミラーの光学基準軸との位置関係を調整した状態で取り付ける(ステップ2〜ステップ7)。
そして、特定のミラー、例えばミラーM1が取り付けられた分割鏡筒の基準面を基準として(この場合、分割鏡筒の基準軸と基準面との位置関係は既知であるから実質的に基準軸を基準として)、その分割鏡筒と他の分割鏡筒とを取り付ける(ステップ8)。
すなわち、特定のミラーの光学基準軸との位置関係が既知の分割鏡筒の基準軸を基準として、その分割鏡筒を他の分割鏡筒に組み付けることにより、各ミラーの光学基準軸同士の位置関係を所望の位置関係(上記実施形態では、同一軸上)に設定することができる。換言すれば、全ての分割鏡筒の基準軸同士を所望の位置関係に設定することができるとともに、特定のミラー(光学部材)と全ての分割鏡筒の基準軸との位置関係を所望の状態に設定することができる。
また、上記第2の実施形態では、複数の分割鏡筒の各々に非球面ミラーが取り付けられており、各分割鏡筒の基準軸と非球面ミラーの光学基準軸との位置関係を調整した後は、分割鏡筒同士を取り付けることで、各ミラーに直接触れることなく、複数のミラー同士の位置関係を所望の位置関係に調整することが可能となる。従って、高精度な光学特性を有する投影光学系を容易に製造することが可能になる。
《その他の製造方法》
ミラーユニットを投影光学系POを構成する分割鏡筒に組み付ける際に、該分割鏡筒の中心軸とミラーの光学基準軸(非球面軸)とが一致するように組み付けることも可能である。
ミラーユニットを投影光学系POを構成する分割鏡筒に組み付ける際に、該分割鏡筒の中心軸とミラーの光学基準軸(非球面軸)とが一致するように組み付けることも可能である。
すなわち、上記第1の実施形態で説明したステップ7(図8参照)において、調整用ワッシャを加工し、Zシフト及びX,Yチルトを調整するのに加えて、ステップ5で計測されたミラーと分割鏡筒との間の相対シフト量に基づいて、ミラーのXYシフトをも調整することとする。この場合、例えば分割鏡筒152cの基準面67xの垂直二等分線と、基準面67yの垂直二等分線との交点が、分割鏡筒152cの基準軸(中心軸)に一致するように設定され、他の分割鏡筒でも同様であるから、ミラーの基準平面と分割鏡筒の基準面との距離がX軸方向、Y軸方向でともに所望の値となるように調整することで、ミラーの光学基準軸と分割鏡筒の基準軸(中心軸)とを一致させことができる。
これにより、複数の分割鏡筒それぞれにミラーユニットが組み込まれた後に、ステップ8において複数の分割鏡筒を組み上げる場合において、各分割鏡筒の中心軸が一致するように、エアスピンドルを用いた回転テーブル等の真直度を保証できる装置を用いて各分割鏡筒を組み上げることにより、各ミラーの光学軸を容易に一致させることが可能となる。
すなわち、このようにすると、分割鏡筒の組み上げ時には、分割鏡筒内部のミラーを含むミラーユニットに触れることがないので、高精度な投影光学系の製造を行うことが可能となる。
この場合、図4に示されるミラーM3やM4のように、ミラーの反射面の有効領域が光学基準軸(非球面軸)上に存在しない場合であって、従来のような玉押し技術を用いることができない場合であっても、ミラーに形成された基準平面と該ミラーの光学基準軸(非球面軸)との位置関係を計測しておくことで、分割鏡筒の中心軸とミラーの光学基準軸とを正確に一致させることが可能である。
なお、ミラーM1等の特定の光学部材の基準平面と光学基準軸との位置関係の計測は、必ずしも投影光学系の製造段階で行う必要はなく、投影光学系の製造とは無関係に予め行っていても良い。この場合、例えば、そのミラーM1等の光学部材を分割鏡筒内に組み込み、分割鏡筒の外部から上記各実施形態と同様にして、分割鏡筒内部のミラーM1等の基準平面(側面)に検出光を照射して投影光学系(光学ユニット)の光軸に直交する2次元面内に関するミラーM1などの位置情報を検出するとともに、その検出結果に基づいてミラーM1などの前記2次元面内の位置を調整する。これにより、分割鏡筒内に組み込んだ後に投影光学系の光軸に直交する2次元面内に関するミラーM1等の位置を精度良く調整することが可能となる。この場合、ミラーの前記2次元面内の位置情報の検出は、例えばレーザ干渉計などの簡易な計測装置により行うことができ、高精度な光学特性を有する投影光学系等の光学ユニットを容易に製造することが可能になる。
なお、上記各実施形態では、ミラーにX軸方向の位置計測用のYZ平面を有する基準平面と、Y軸方向の位置計測用のXZ平面を有する基準平面とが形成されている場合(すなわち、両基準平面が相互に直交する場合)について説明したが、本発明がこれに限られるものではない。すなわち、例えば、各基準平面は、互いに直交していなくても良いし、それぞれ、X軸、Y軸に垂直とされていなくても良い。このような場合には、計測結果を換算することにより、ミラーのX軸方向の位置と、Y軸方向の位置を求めることとすれば良い。
なお、上記各実施形態では、複数の分割鏡筒から成る鏡筒を備える投影光学系POを、露光装置が備えている場合について説明したが、本発明の光学ユニットは、これに限定されるものではない。すなわち、単一の鏡筒の内部に複数のミラーが配置された投影光学系にも本発明を適用することができる。但し、この場合、図4に示されるような6枚ミラーで投影光学系を構成するようなときには、少なくとも一部のミラーは、その反射面の有効領域が光軸に関して偏芯しているため、光軸AXを挟んで反対側の位置に配置される場合がある。このような場合に、組み立て調整時に配置される基準平面の方向を固定してしまうと、場合によっては鏡筒内部に配置される他の部材等が邪魔をしてミラーに設けられた基準平面の位置測定を行うことができない可能性がある。この問題は、鏡筒に基準面を4面設けることによって解決することが可能である。
以下、これに関して図14(A)〜図14(C)に基づいて簡単に説明する。なお、ここでは、説明の便宜上図14(A)に示されるように、2枚のミラーMA,MBがその内部に配置された鏡筒について説明するが、図4に示されるような6枚のミラーを含む投影光学系や他の光学系の鏡筒についても同様に取り扱うことが可能である。鏡筒21のフランジ部21aの外周面(端面)に4つの基準面が22A〜22Dが設けられている。基準面22A〜22Dは鏡筒の中心軸を基準として中心角90度の間隔で配置され、基準面22A〜22Dの各々と直交する4本の直線が1点で交差するように配置されている。これらの直線に垂直でこの交点を通る直線が光軸AXとなる。ここで、基準面22A〜22Dを鏡筒21のフランジ部21aに設けたのは、フランジ部21aは鏡筒21の中で最も剛性が高く、位置変動が最も少ない部分であるため、鏡筒21全体の基準面を設ける場所として適しているからである。この場合、基準面22A〜22Dは、フランジ部21aの端面を加工することによって一体形成しても良いし、基準面が形成された別部材をフランジ部に接合することとしても良い。
鏡筒21に設けられた各基準面とミラーMA,MBの基準平面とが平行になるように配置し、かつ各基準面とミラーMA,MBの基準平面とが所定の位置関係になるようにミラーMA,MBを位置決めすることによって、光軸AXとミラーMA,MBの回転対称軸とが一致する。すなわち、図14(B)に示されるように、ミラーMAの2つの基準平面24x、24yは基準面22B,22Aに対してそれぞれ位置決めされ、図14(C)に示されるように、ミラーMBの2つの基準平面26x、26yは基準面22D,22Cに対してそれぞれ位置決めされる。基準面22A〜22Dのうち隣り合う2つの基準面を用いれば、ミラーの2次元方向(光軸方向をZ軸とするとX軸、Y軸方向)の位置とミラーのチルト(X軸回り、Y軸回りの回転)及びZ軸回りの回転を精度良く決めることができる。この場合、4つの基準面のうち、任意の隣り合う2つの基準面を用いることができるため、ミラーに設けられる基準平面及び、鏡筒21に設けられるその他の機構の配置自由度が大きくなり、設計に幅を持たせることができる。
なお、上記各実施形態において、ミラーのZ位置を計測するために、各ミラーの裏面(露光ビームELを反射する反射面とは反対側の面)に干渉計ビームを照射することとしても良い。この場合、図15に示されるように、ミラーの裏面の正三角形の頂点をなす3箇所に干渉計ビームを照射するための計測面部167を形成することとすることができる。この計測面部167は、干渉計ビームが外れない大きさ(具体的には直径15mm以上の大きさ)を有する円形領域を、その表面の凹凸が60nm以下の平面となるように加工することで形成されている。なお、計測面部167としては、平面に限らず、球面形状とすることも可能である。
また、計測面部が、ミラーの反射面の裏面のうちの、三角形の頂点をなす3箇所に設けられた場合に限られるものではなく、計測面部は、ミラーの反射面の裏面の全体であることとしても良い。また、3箇所に限られるものではなく、4箇所以上設けられていても良い。更には、ミラーのZシフト量だけを計測するのであれば、計測面部が3箇所未満であっても良い。
また、計測面部は、その反射率を高めるために、表面の平坦度を良好にしても良いが、例えば、ミラーの裏面に高反射コートを施して、そこを計測面部としても良い。一般に高反射コート材料はアルミ等の金属膜が好ましい。
なお、上記各実施形態では、X軸方向、Y軸方向の位置を測定するための各基準平面を位置測定用部材として説明したが、この構成に限られるものではない。位置測定用部材としては、二次元方向(X,Y平面内の位置)、或いは三次元方向(X,Y,Z空間内の位置)を測定するために、ミラーの面とは異なる面、例えば、側面に、球を取り付け、この球を三次元測定機で測定する構成であっても良い。
また、上記各実施形態では、露光ビームELとしてEUV光を用い、6枚のミラーのみから成るオール反射の投影光学系を用いる場合について説明したが、これは一例であって、本発明がこれに限定されないことは勿論である。すなわち、例えば、特開平11−345761号公報に開示されるような4枚のミラーのみから成る投影光学系を備えた露光装置は勿論、光源に波長100〜160nmのVUV光源、例えばAr2レーザ(波長126nm)を用い、4〜8枚のミラーを有する投影光学系などにも好適に適用することができる。また、レンズのみから成る屈折系の投影光学系、レンズを一部に含む反射屈折系の投影光学系のいずれにも、本発明は好適に適用することができる。勿論、光学素子としては、1又は2以上あれば良いので、その数が3以下の投影光学系についても本発明は好適に適用することができる。
なお、上記各実施形態では、本発明の光学装置を、露光装置を構成する投影光学系として採用した場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、本発明の光学装置を照明光学系として採用することとしても良い。また、露光装置に限らず、その他、鏡筒内に光学素子を有する光学装置であれば、種々の装置に採用することができ、いずれの場合にも、上記各実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
なお、上記各実施形態では、露光ビームとして波長11nmのEUV光を用いる場合について説明したが、これに限らず、露光ビームとして波長13nmのEUV光を用いても良い。この場合には、波長13nmのEUV光に対して約70%の反射率を確保するため、各ミラーの反射膜としてモリブデンMoとケイ素Siを交互に積層した多層膜を用いる必要がある。
また、上記各実施形態では、露光光源としてレーザ励起プラズマ光源を用いるものとしたが、これに限らず、SOR、ベータトロン光源、ディスチャージド光源、X線レーザなどのいずれを用いても良い。
以上説明したように、本発明のミラーは、EUV露光装置の投影光学系を構成するのに適している。また、本発明の位置合わせ方法は、その投影光学系を組み立てる際のミラーの位置合わせに適している。また、本発明の製造方法は、光学ユニットの製造に適している。また、本発明の光学ユニットは、投影光学系に適している。また、本発明の露光装置は、マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して物体上に転写するのに適している。
Claims (40)
- 所定形状の反射面を有するミラーであって、
その一面に回転対称な面の一部から成る前記反射面が形成されたミラー素材と、前記ミラー素材のうち、前記反射面と異なる面の一部に、前記反射面の基準となるとともに前記回転対称な面の回転対称軸をなす光学基準軸に対して、所定の位置関係で設けられた位置測定用部材とを有することを特徴とするミラー。 - 請求項1に記載のミラーにおいて、
前記反射面と異なる面は、前記ミラー素材の側面であり、
前記位置測定用部材は、前記側面の少なくとも一部に形成された少なくとも2面の基準平面を有することを特徴とするミラー。 - 請求項2に記載のミラーにおいて、
少なくとも2面の前記基準平面は、互いに直交する少なくとも一組の基準平面を含むことを特徴とするミラー。 - 請求項2に記載のミラーにおいて、
前記少なくとも2面の基準平面の各々は該各基準平面に垂直の角度をなし前記光学基準軸を通る仮想直線が各基準平面を通るように配置されていることを特徴とするミラー。 - 請求項4に記載のミラーにおいて、
前記ミラー素材の側面の一部には、前記基準平面が2面形成され、
該2面の基準平面のなす角度が90度であることを特徴とするミラー。 - 請求項4に記載のミラーにおいて、
前記ミラー素材の外形形状は非回転対称形状であることを特徴とするミラー。 - 請求項4に記載のミラーにおいて、
前記反射面の有効領域が前記光学基準軸を含んでいないことを特徴とするミラー。 - 請求項1に記載のミラーにおいて、
前記基準平面は、少なくとも直径15mmの円形領域を含む大きさを有することを特徴とするミラー。 - 請求項1に記載のミラーにおいて、
前記基準平面は、凹凸が60nm以下の円形領域を含むことを特徴とするミラー。 - 請求項1に記載のミラーにおいて、
前記ミラー素材の前記反射面の裏面には、計測面部が少なくとも1箇所設けられていることを特徴とするミラー。 - 請求項10に記載のミラーにおいて、
前記ミラー素材の前記反射面の裏面には、三角形の頂点を成す3箇所に前記計測面部がそれぞれ設けられていることを特徴とするミラー。 - 請求項10に記載のミラーにおいて、
前記計測面部の表面形状は、平面又は球面であることを特徴とするミラー。 - マスクに形成されたパターンを光学系を介して物体上に転写する露光装置であって、
前記光学系が、請求項1〜12のいずれか一項に記載のミラーを含むことを特徴とする露光装置。 - その一面に回転対称な面の一部から成る反射面が形成されたミラー素材と、前記ミラー素材のうち、前記反射面と異なる面の一部に、前記反射面の基準となるとともに前記回転対称な面の回転対称軸をなす光学基準軸に対して、所定の位置関係で設けられた位置測定用部材とを有するミラーに、前記光学基準軸及び前記位置測定用部材を通る仮想直線を設定し、
前記仮想直線に対し、前記ミラーの位置を測定するための位置測定軸を実質的に一致させることを特徴とする位置合わせ方法。 - 請求項14に記載の位置合わせ方法において、
前記位置測定用部材は、前記ミラー素材の側面の少なくとも一部に設けられ、前記光学基準軸に平行な基準平面を少なくとも2面有し、
前記仮想直線は、前記少なくとも2面の基準平面の各々に対して垂直の角度をなすことを特徴とする位置合わせ方法。 - その一面に形成された回転対称な面の一部から成る反射面が形成されたミラー素材と、前記ミラー素材のうち、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記回転対称な面の回転対称軸に対して所定の位置関係を有する位置測定用部材とを有する複数のミラーと;
前記複数のミラーの前記回転対称軸を回転中心として配置された位置合わせ用の参照基準部材と;を備える光学ユニット。 - 請求項16に記載の光学ユニットにおいて、
前記位置測定用部材は、前記ミラー素材の側面の少なくとも一部に設けられ、前記回転対称軸とそれぞれ平行な2つの位置合わせ用の基準平面を有し、
前記2つの基準平面の各々は、前記反射面の回転対称軸と平行であり、かつ各基準平面にそれぞれ垂直に交差し前記回転対称軸をそれぞれ通る2本の仮想直線が相互に直交するように配置され、
前記参照基準部材は、前記回転対称軸を回転中心として互いの面が90度の角度を成すように配置された4つの参照基準平面を有し、
前記4つの参照基準平面のうち、隣り合う2つの参照基準平面の一方と前記各ミラーの2つの基準平面の一方とが所定距離隔てて相互に平行に配置され、前記2つの参照基準平面の他方と、前記2つの基準平面の他方とが所定距離隔てて相互に平行に配置されていることを特徴とする光学ユニット。 - 請求項16に記載の光学ユニットにおいて、
前記複数のミラーを保持する保持セルを更に備え、
前記参照基準部材は前記保持セルのフランジ部に配置されていることを特徴とする光学ユニット。 - 請求項16に記載の光学ユニットにおいて、
前記反射面は、非球面であることを特徴とする光学ユニット。 - マスクに形成されたパターンを光学系を介して物体上に転写する露光装置であって、
請求項16〜19のいずれか一項に記載の光学ユニットを前記光学系として具備する露光装置。 - 複数の光学部材を備える光学ユニットを製造する製造方法であって、
前記複数の光学部材のうち特定の光学部材を保持セル内に組み込む第1工程と;
前記保持セルの外部から前記保持セル内部の前記特定の光学部材の位置測定用部材に検出光を照射して光学ユニットの光軸に直交する2次元面内に関する前記特定の光学部材の位置情報を検出するとともに、その検出結果に基づいて前記特定の光学部材の前記2次元面内の位置を調整する第2工程と;を含む製造方法。 - 請求項21に記載の製造方法において、
前記特定の光学部材として、その一面に所定形状の反射面が形成されたミラー素材と、前記ミラー素材のうち、前記反射面と異なる面の一部に、前記反射面の基準となる光学基準軸に対して所定の位置関係で設けられた位置測定用部材とを有するミラーが用いられていることを特徴とする製造方法。 - 請求項21に記載の製造方法において、
前記特定の光学部材として、その一面に形成された所定形状の反射面と、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記反射面の基準となる光学基準軸に平行な複数の基準平面とを有するミラーが用いられていることを特徴とする製造方法。 - 請求項21に記載の製造方法において、
前記特定の光学部材として、その一面に形成された所定形状の反射面と、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記反射面の基準となる光学基準軸に平行でかつ相互に直交する少なくとも一組の基準平面を含む複数の基準平面とを有するミラーが用いられていることを特徴とする製造方法。 - 請求項21に記載の製造方法において、
前記特定の光学部材として、その一面に形成された所定形状の反射面と、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記反射面の基準となる光学基準軸に平行で少なくとも直径15mmの円形領域を含む大きさを有する基準平面とを有するミラーが用いられていることを特徴とする製造方法。 - 請求項21に記載の製造方法において、
前記特定の光学部材として、その一面に形成された所定形状の反射面と、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記反射面の基準となる光学基準軸に平行で凹凸が60nm以下の円形領域を含む基準平面とを有するミラーが用いられていることを特徴とする製造方法。 - 請求項21に記載の製造方法において、
前記特定の光学部材として、その一面に形成され、回転対称な面の一部から成る所定形状の反射面と、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記反射面の基準となるとともに前記回転対称な面の回転対称軸である光学基準軸に平行な少なくとも1面の基準平面とを有するミラーが用いられていることを特徴とする製造方法。 - 請求項21に記載の製造方法において、
前記特定の光学部材として、その一面に形成された所定形状の反射面と、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記反射面の基準となる光学基準軸に平行な少なくとも1面の基準平面と、前記反射面の裏面に設けられた計測面部とを有するミラーが用いられ、
前記第2工程では、前記特定の光学部材の前記計測面部に検出光を更に照射して前記特定の光学部材の前記光軸方向に関する位置情報を更に検出するとともに、その検出結果に基づいて前記特定の光学部材の少なくとも前記光軸方向に関する位置を更に調整することを特徴とする製造方法。 - 請求項28に記載の製造方法において、
前記ミラーの各計測面部の表面形状は、平面又は球面であることを特徴とする製造方法。 - 請求項21に記載の製造方法において、
前記特定の光学部材として、その一面に形成された所定形状の反射面と、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記反射面の基準となる光学基準軸に平行な基準平面と、前記反射面の裏面の三角形の頂点を成す3箇所に設けられる計測面部とを有するミラーが用いられ、
前記第2工程では、前記特定の光学部材の前記各計測面部に検出光を更に照射して前記特定の光学部材の前記光軸方向に関する位置情報を更に検出するとともに、その検出結果に基づいて前記特定の光学部材の前記光軸方向に関する位置及び前記光軸方向に直交する面に対する傾斜を更に調整することを特徴とする製造方法。 - 請求項30に記載の製造方法において、
前記ミラーの各計測面部の表面形状は、平面又は球面であることを特徴とする製造方法。 - 複数の光学部材を備える光学ユニットを製造する製造方法であって、
前記複数の光学部材のうち特定の光学部材を保持セルの内部に対して、前記保持セルの基準軸と、前記特定の光学部材の光学基準軸との位置関係を調整した状態で取り付ける工程と;
前記光学部材が取り付けられた前記保持セルの基準軸を基準として、該保持セルと他の保持セルとを組み付ける工程と;を含む製造方法。 - 請求項32に記載の製造方法において、
前記複数の光学部材の少なくとも一部として、その一面に設けられ、回転対称な面の一部から成る所定形状の反射面と、前記反射面と異なる面の一部に設けられ、前記反射面の基準となるとともに前記回転対称な面の回転対称軸である光学基準軸に平行な少なくとも1面の基準平面とを有するミラーが用いられることを特徴とする製造方法。 - 請求項32に記載の製造方法において、
前記複数の光学部材の少なくとも一部は、その光学面に前記光学基準軸が含まれない光学部材であることを特徴とする製造方法。 - 複数の光学部材を備える光学ユニットを製造する製造方法であって、
前記複数の光学部材のそれぞれについて該光学部材の光学基準軸と該光学部材の位置測定用部材との位置関係を測定する工程と;
前記各光学部材を、複数の保持セルのそれぞれに、該保持セルの基準軸方向に関する位置ずれ及び前記基準軸に直交する面に対する傾斜を調整した状態で取り付ける工程と;
前記各保持セルの外部から該保持セル内の光学部材の前記位置測定用部材に検出光を照射して前記位置測定用部材の位置情報を測定し、その測定結果と前記位置関係の測定結果とに基づいてその保持セルの基準軸に直交する面内でシフトさせて前記各光学部材の位置関係を調整する工程と;を含む製造方法。 - 請求項35に記載の製造方法において、
前記複数の光学部材の少なくとも一部として、その一面に回転対称な面の一部から成る所定形状の反射面が形成され、前記反射面と異なる面の一部に、前記反射面の基準となるとともに前記回転対称な面の回転対称軸である光学基準軸に平行な少なくとも1面の基準平面が前記基準面として形成されたミラーが用いられていることを特徴とする製造方法。 - 請求項35に記載の製造方法において、
前記複数の光学部材の少なくとも一部は、その光学面に前記光学基準軸が含まれない光学部材であることを特徴とする製造方法。 - 請求項21〜37のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された光学ユニット。
- マスクに形成されたパターンを光学系を介して物体上に転写する露光装置であって、
請求項38に記載の光学ユニットを前記光学系として具備する露光装置。 - 請求項39に記載の露光装置において、
前記マスクとして反射型マスクが用いられ、
前記光学ユニットを構成する全ての光学部材はミラーであり、各ミラーの反射面には、その表面に極端紫外光の反射させるための多層膜が設けられていることを特徴とする露光装置。
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