JP2009141333A - 光学素子の位置決め装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
収差補正上好ましい計測位置と実際の計測位置を一致させた光学素子の位置決め装置を提供する。
【解決手段】
本発明の光学素子の位置決め装置は、光学素子2を含む可動部と、可動部を駆動する駆動機構100と、光学素子2の位置を計測する位置計測センサ130と、位置計測センサ130による計測結果に基づき駆動機構100を制御する光学素子制御手段10とを備え、光学素子2に中心画角の主光線が入射する入射位置(p点)は、光学素子2を含む光学系の光軸からずれており、位置計測センサ130は、光軸に直交する方向における入射位置を計測する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学素子の位置決め装置に関する。
半導体素子やマイクロデバイスの製造におけるリソグラフィ工程で使用される半導体露光装置は、数多くの異なる種類のパターンを有する原版(レチクル)を基板(シリコンウエハ)に転写する装置である。半導体素子の集積度は年々増す一方であり、この高集積度の回路パターンを作成するためには、投影光学系の収差やディストーションの低減が不可欠である。
投影光学系の収差やディストーションを低減させるために、投影光学系の一部の光学素子を複数軸方向に移動させることがある。特開2001−343575号公報(特許文献1)には、複数軸方向の駆動として、光軸方向に移動させたり、チルト駆動可能な三軸駆動機構が考案されている。
また、特開2005−276933号公報(特許文献2)には、光学素子を6軸駆動可能な縮小型パラレルリンク機構が開示されている。
特開2001−343575号公報 特開2005−276933号公報
しかしながら、上述の公知技術には以下のような課題があるため、対策が望まれていた。
特開2001−343575号公報(特許文献1)において開示された駆動方法は、光軸周りにセンサ、および駆動機構が光軸から等距離、等角度間隔に配置された例である。このような駆動方法を、反射型光学素子を含む光学系で、可動の光学素子が光軸外に配置される場合に適用したとすると、光軸上の点を中心に回転させるのは、駆動機構に要求されるストロークが大きくなってしまう問題がある。たとえ駆動ストロークの大きな駆動機構を適用しても、駆動ストロークと機構の剛性はトレードオフの関係にあるため、両立するのが難しく、十分な外乱振動特性が得られないという問題がある。
特開2005−276933号公報(特許文献2)で開示されている光学素子駆動方法は、インナーリング(ミラーM1)の重心を通る軸周りに回転(ピッチング、及び、ローリング)させるとある。しかし計測手段は光軸に直交する平面方向のレーザ干渉計二軸と、アクチュエータによる入力量を測定する静電容量センサ6軸であり、可動部の全軸方向を直接計測していない装置であるため、重心を通る軸周りに高精度に位置決めする構成としては十分でない。本発明の主な適用分野であるEUV光を用いる露光装置のような反射型の投影光学系の場合、光学素子の(光軸に直交方向の)角度位置決め誤差は、光束のシフトになるため、敏感である。したがって、高精度な光学素子の計測方法が望まれていた。
本発明は、収差補正上好ましい計測位置と実際の計測位置とを一致させた光学素子の位置決め装置を提供する。
本発明の一側面としての光学素子の位置決め装置は、光学素子を含む可動部と、前記可動部を駆動する駆動部と、前記光学素子の位置を計測する計測部と、前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、前記計測部は、前記光軸に直交する方向における前記入射位置を計測する。
本発明の他の側面としての光学素子の位置決め装置は、光学素子を含む可動部と、前記可動部を駆動する駆動部と、前記光学素子の位置を計測する計測部と、前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、前記計測部は、少なくとも3つの計測点に基づいて、前記光軸の方向における前記入射位置を計測する。
本発明の他の側面としての光学素子の位置決め装置は、光学素子を含む可動部と、前記可動部を駆動する駆動部と、前記光学素子の位置を計測する計測部と、前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、前記計測部は、前記光軸に直交する方向における前記入射位置の移動量を計測する。
本発明の他の側面としての光学素子の位置決め装置は、光学素子を含む可動部と、前記可動部を駆動する駆動部と、前記光学素子の位置を計測する計測部と、前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、前記計測部は、少なくとも3つの計測点を前記光軸に直交する平面に投影したときに作られる多角形の重心の位置と、前記入射位置を該平面に投影したときの位置とが一致するように設けられており、前記計測部は、前記少なくとも3つの計測点に基づいて、前記光軸の方向における前記入射位置を計測する。
本発明の他の側面としての光学素子の位置決め装置は、光学素子を含む可動部と、前記可動部を駆動する駆動部と、前記光学素子の位置を計測する計測部と、前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の第1の方向に沿った光軸から前記第1の方向に垂直方向な第2の方向にずれており、前記計測部は、少なくとも3つの計測点を前記第1の方向に直交する平面に投影したときに作られる多角形の重心の位置と、前記入射位置を該平面に投影したときの位置との距離が、前記光学素子の、前記第1および第2の方向と直交する第3の方向の長さの四分の一以内になるように設けられており、前記計測部は、前記少なくとも3つの計測点に基づいて、前記第1の方向における前記入射位置を計測する。
本発明の他の側面としての光学素子の位置決め装置は、光学素子を含む可動部と、前記可動部を駆動する駆動部と、前記光学素子の位置を計測する計測部と、前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、前記計測部は、前記光軸の方向に関して、前記入射位置と同じ高さに位置する計測点において、前記光軸に直交する方向における前記入射位置を計測する。
本発明の他の側面としての光学素子の位置決め装置は、光学素子を含む可動部と、前記可動部を駆動する駆動部と、前記光学素子の位置を計測する計測部と、前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、前記計測部は、前記光軸の方向に関して、前記入射位置との高さの差が60mm以内に位置する計測点において、前記光軸に直交する方向における前記入射位置を計測する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、収差補正上好ましい計測位置と実際の計測位置とを一致させた光学素子の位置決め装置を提供することができる。
また、本発明によれば、収差の発生しにくい位置を中心に光学素子の位置決めを行うため、結像特性の良好な投影光学系を実現することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に関わる図である。図2は、本発明が適用される半導体露光装置の概略構成の一例を示す図である。
本実施例の露光装置は、露光用の照明光としてEUV光(例えば、波長13.4nm)を用いて、例えば、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式でレチクル7に形成された回路パターンをウエハ5に露光する投影露光装置である。以下、EUV光を用いた露光装置に本発明の駆動機構を適用した例を説明するが、KrF、ArF、F2など他の光源を用いた、露光装置に本実施例で述べる光学素子の位置決め装置を適用しても良い。
かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィ工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナ」とも呼ばれる。)を例に説明する。
図2を参照して、露光装置は、照明装置(不図示)と、レチクル7を載置する不図示のレチクルステージと、ウエハ5を載置するウエハステージ6と、前述のレチクル7の像をウエハ5上に形成する投影光学系1とを有する。
また、EUV光は大気に対する透過率が低いため、少なくとも、EUV光が通る光路中(即ち、光学系全体)は真空雰囲気となっている。
レチクル7は、反射型であり、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成されている。このレチクル7は、静電チャック等を用いてレチクルステージに支持、固定されており、レチクルステージと一体的に駆動されている。レチクル7から発せられた回折光は、投影光学系1で反射されてウエハ5上に投影される。レチクル7とウエハ5とは、光学的に共役の関係に配置される。本実施例の露光装置は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、レチクル7とウエハ5を走査することによりレチクル7のパターンをウエハ5上に縮小投影する。
投影光学系1は、複数の反射ミラー(即ち、多層膜ミラー)を用いて、レチクル7面上のパターンを像面であるウエハ5上に縮小投影する。複数のミラーの枚数は、例えば4枚から8枚程度である。図2では、6枚のミラー系の例を示した。4枚から8枚程度の少ない枚数のミラーで広い露光領域を実現するには、光軸から一定の距離だけ離れた細い円弧状の領域(リングフィールド)だけを用いて、レチクル7とウエハ5を同時に走査して、パターンを転写する。ミラーの数は、4枚、6枚、8枚等の偶数枚であることが好ましい。投影光学系1の開口数(NA)は、0.2から0.5程度である。
設置される床の振動が投影光学系1、さらにはその内部の各ミラーに伝達しないよう、鏡筒定盤9とベースフレーム8は除振機構11を介して締結される。
10は光学素子制御手段で、所定の制御フローにしたがって本発明の光学要素駆動機構を制御する。光学素子制御手段10は、位置計測センサ130による計測結果に基づき駆動機構100を制御する制御部である。具体的には、露光収差やアライメント情報から得られる倍率誤差などの誤差量を最小化するように計算された結果、及び予め記憶されたプログラムに基づいて駆動機構に指令を与え、所定の光学素子を調整駆動することで、投影光学系1の光学性能を最適化する。
図8にフローを示す。図8は、露光装置稼動中に収差調整することを想定した場合と、投影光学系の組立調整を想定した場合との両者を念頭において描いてある。例えば投影光学系の組立調整の場合は、光学素子を調整駆動した後に、再度波面収差測定などを行うことができるので、その結果で再度光学素子を調整駆動することが可能となる。この結果、点線で示したルートをたどることができる。露光装置稼動中の場合は、再度光学性能を確認することができない場合が多いので、一般的には駆動位置が所望の位置に収まっていることが確認できれば、終了となる。
図1は、図2に示された投影光学系1の一部であり、光学素子の位置決め装置3の一例である。本図から、光学素子2の質量中心は、明らかに共軸から離れた系であることがわかる。光学素子の位置決め装置3は、光学素子2、保持機構110、光学素子支持枠120、駆動機構100、及び、光学素子の位置(移動量)を計測する計測部としての位置計測センサ130(不図示)を有する。
本実施例の光学素子の位置決め装置3は、鏡筒101に固定されている。ただし、これに代えて、光学素子の位置決め装置3がベースプレートに組みつけられ、さらに鏡筒101とベースプレートが結合される形態を採用することもできる。この場合、光学素子の位置決め装置3のメンテナンスや組立調整、さらに光学素子2の修正加工の工程が容易になるという点で、より好ましい。
駆動機構100は、光学素子2、保持機構110、及び光学素子支持枠120を含む可動部を複数の軸方向に位置調整するように駆動する駆動部である。光学素子2の高精度な位置調整により、投影光学系1が最適な結像性能を得ることを可能にする。
光学素子の位置決め装置3は、直交3軸、及びその軸まわりの回転3軸の計6軸に駆動できることが好ましい。この6軸方向の駆動を実現するために、スチュワート・プラットフォーム型のパラレルリンク機構などが好適に用いられる。この駆動機構100のアクチュエータとしては、積層型ピエゾアクチュエータが好適に用いられる。
保持機構110は、露光により生じる光学素子2の熱歪を軽減するため、組立時の光学素子2の変形を軽減するため、また、駆動機構100の駆動に伴う外力を光学素子2に伝えないようにするために用いる。
図1に示すように、駆動機構100の一端は鏡筒101に取り付けられ、他端は光学素子支持枠120に結合されている。
保持機構110は、主に光学素子支持枠120から光学素子2に与えられる外力や、熱歪による変形を軽減するため、あるいは組立直しなどに伴う光学素子2の面形状の再現性を確保するために構成される。図1に示した保持機構110はその一例である。
光学素子2の位置調整を高精度に行う際、位置計測センサ130の利用は不可欠である。本実施例のように、6軸方向に姿勢調整する機構の場合、少なくとも6個の位置計測センサ130が必要となる。通常6個の長さ計測センサを対象物の周囲に配置する。保持機構110や光学素子支持枠120が十分剛である場合は、光学素子支持枠120の周囲に位置計測センサ130を配置して、光学素子2の姿勢を計測したとみなしても良い。しかし、良好な変形遮断特性を持つ保持機構110は、十分剛と言えない場合がある。
十分剛な保持機構110で光学素子2が連結されていれば、光学素子2と光学素子支持枠120の姿勢は一致しているとみなすことができる。一方、十分剛ではない保持機構110の場合は、光学素子2の姿勢と光学素子支持枠120の姿勢が、光学要求精度(例えば1nm程度)レベルで一致せず、光学素子2の姿勢を位置計測センサ130により直接計測するのが好ましい。
位置計測センサ130の配置は自由ではなく、結像性能への悪影響の小さいセンサの配置方法がある。図3は、ある光学素子2の位置計測方法を示した一例である。図3(a)は、光学素子2に露光光が当たる側の面、図3(b)は側面、図3(c)は光学素子2の裏面を表している。
図3(a)の光学素子面には、露光光の当たる領域が示されている。露光熱により生じた露光収差などを補正したり、アライメント計測から得られた倍率成分などを調整する場合、従来の屈折型の投影光学系のように光軸対称に全周光学素子が存在する系では、光軸上のある点を中心に光学素子2を回動したり並進させたりした。しかし図4に示すように、光軸(共軸)から離れた部分にのみ光学素子2が存在し、その周囲に駆動機構100が配置される場合、光軸上の点周りに光学素子2を回動させると、駆動機構100に要求される移動距離が大きくなってしまう。
大きな移動距離を実現可能な駆動機構100は、剛性を高くとりにくく、外部からの振動特性が悪化し、結像性能を低下させる可能性がある。したがって、図4に示すように、共軸から離れた位置に光学素子2が存在する光学素子の位置決め装置3の場合、光学素子2の近傍周りに回動させるのが好ましい。なお、ここでは光学素子2としてミラーM4を駆動することで、光学収差補正をする例である。
制御の上では、駆動機構100を可動部(光学素子2、保持機構110、光学素子支持枠120)の重心に対して均等に(駆動機構100と光学素子支持枠120が接する三つの部分が作る三角形の内心とが可動部の重心とが一致する)配置するのが好ましい。図3のように、可動部の形状がY軸に対して概ね対象であれば、重心はY軸上近傍にある。しかし、位置計測センサ130をY軸に対して非対称に配置することで対称性を壊したり、投影光学系1内の他の機構との空間配置上の都合で非対称になった場合には、可動部重心はY軸上から外れることになる。
一方、光学設計の観点から、露光光の当たる領域の中心(光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置、以下「p点」という)ができるだけ移動誤差の生じることのないように回動させるのが良い(図5(a)参照)。図5(b)に示すように、p点でなくY軸から離れた点回りにY軸方向まわりの回転をさせた場合、回転軸の左右で発生する収差が変わり、調整が困難になったりするからである。したがって位置計測センサ130は、このp点に計測誤差が生じないように配置するのが良い。ここで共軸、又は光軸中心に定義されたX,Y,Z軸と区別するために、p点まわりのローカルな直交座標系を、α、β、γと定義する。α軸はX軸と、β軸はY軸と、γ軸はZ軸とそれぞれ平行であるとする。(本実施例では、β軸と、Y軸は一致している)。
図3の例では、β方向のシフト計測とγ軸まわりの角度計測を行うために、2つの計測点Y1、Y2を計測する2個の位置計測センサ130を間隔Dにて配置している。これらの位置計測センサは、p点計測に誤差が生じないように、光軸に沿った方向(第1の方向)に関して、p点と同じ高さに位置する計測点Y1,Y2を計測する。また、計測点Y1,Y2は、α軸方向におけるp点からの長さd1、d2(d1+d2=D)がそれぞれ等距離になるように配置されている。このため、α軸方向のシフト計測についても、計測点Y1,Y2を用いて計測可能な配置となっている。
また、α軸方向のシフト計測を行うため、計測点X2を計測する位置計測センサ130が設けられている。この位置計測センサも、上記理由により、光軸の方向に関して、p点と同じ高さに位置する計測点X2を計測する。
上述のとおり、α、β軸方向を計測するそれぞれの位置計測センサの計測点Y1,Y2,X2が、光軸に関してp点と同じ高さに一致するのが望ましい。しかし、他のユニットや部品との干渉など、空間配置上同一高さにするのが困難な場合がある。この場合は、p点と位置計測センサの測定点高さを事前に三次元計測器などで計測し、その値を用いて換算することで同様の効果を得ることができる。なお、p点は反射面上にあるため直接計測することが困難な場合もありうる。この場合は、面形状計測装置により、p点位置を同定し、光学素子2の基準面(例えば光学素子2の反射面に対する裏面)との距離を求め、その基準面と位置計測センサの測定点を計測することで達成することができる。このように、位置計測センサは、光軸(第1の方向)に対して垂直方向(第2の方向)におけるp点の位置(移動量)を計測するものであれば、p点の位置(移動量)を直接計測するものでなくてもよい。
一方、γ軸方向シフト、及びα軸まわり、β軸まわりの回転角度は、光学素子2の周囲に3個の位置計測センサ130を配置し計測する。このとき、3個の位置計測センサ130は、γ軸に垂直な面内においてp点に対して均等に配置するのが良い。ここで均等に配置するとは、3つのZ方向の位置計測センサ130の計測点が作る三角形の重心とp点とが、光軸と垂直なある面に投影した場合に一致するということである。
言い換えれば、この重心とp点とを結ぶ直線が共軸と平行になるということである。ここで、「重心とp点とが一致」とは完全に一致している場合に限らず、光学性能の観点から、光学素子2のα軸方向長さの四分の一以下の範囲で近接していればよい。これを図7を用いて説明する。三つの位置計測センサ130の位置関係が図のとおりでなく、任意の位置にそれぞれが取り付けられ、その位置計測センサが作る三角形の重心が、p’点であったとする。p’点のα軸方向の位置は、計測誤差などがあり、p点からL−eであるとする(eは誤差量である)。鉛直方向駆動に伴う、β軸周りの回転誤差量を、L、eを用いて求めると、L=100mm、Z駆動量を0.01mm、e=0.03mmの例では、ミラーのα軸方向の長さの四分の一を越えると、50nrad以上となり、多くの場合許容できない。対象とする光学素子の敏感度にもよるが、この角度誤差量が大きくなるほど、収差や像の位置ズレを悪化させるからである。
このように、3つの位置計測センサ130は、少なくとも3つの計測点Z1、Z2、Z3を光軸に直交する平面に投影したときに作られる多角形の重心の位置と、p点をこの平面に投影したときの位置とが一致するように設けられていることが好ましい。これらの位置は、第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向(α軸方向)において、光学素子2の長さの四分の一以内の範囲で一致すればよい。
上述のとおり、γ軸方向を計測する位置計測センサの計測点Z1,Z2,Z3をγ軸に垂直な面の投影した三角形の重心が、p点と一致するように配置するのがよい。しかし、空間配置上の制限により、そのような配置が困難な場合がある。この場合は、p点と各センサの計測点を事前に三次元計測器などで計測し、その値を用いて換算することで同様の効果を得ることができる。このように、少なくとも3つの計測点に基づいて、光軸(第1の方向)に対する垂直方向(第2の方向)におけるp点の位置(移動量)を計測するものであれば、重心とp点の位置とが一致している必要はない。
図3から分かるように、光学素子2が共軸から離れた部分のみにある、すなわち光学素子の質量中心が共軸外にある場合のβ軸方向シフト計測(図の例ではY1、Y2)は、共軸から遠い側に位置計測センサ130を配置し、計測するのが好ましい。光学素子2の共軸に近い側にはp点の高さに光学素子2が存在しないからである。
図6は、図1で示した光学素子位置決め装置のA断面を示したものである。共軸から離れた部分のみにあるマイナスZ方向に凹な面をもつ光学素子2の露光光の当たる領域の中央(p点)と同一なZ方向高さ(点線で強調した)で水平方向のシフト計測が可能なように位置計測センサ(水平方向)130を配置した例である。水平方向変位計測が、p点と同一Z方向高さでない場合は、その不一致の量だけ回転成分による影響を受け、計測誤差になりやすい。回転成分は、上述のように別のセンサにて計測する構成が考えられる。このため、回転成分計測値が正しく、かつ水平方向計測のZ方向高さが正確にあらかじめ分かっていればp点の水平方向変位に換算できる。このような場合には、水平方向変位計測が、p点と同一Z方向高さでなくてもよい。しかし実際には、水平方向計測のZ方向高さや角度計測値には誤差が含まる。したがって、p点からのずれは光学敏感度を考慮して、60mm以内に留めるのがよい。
図6に示す位置計測センサ130は、リニアエンコーダを用いた例である。位置計測センサ130の計測ターゲットとしてのセンサターゲット131は、光学素子2の一部にリニアエンコーダによって計測可能なスケールを接着、オプチカル・コンタクト、ネジ固定、機械加工後、成膜などの方法により形成されている。
センサターゲット131あるいはそのベース(基材)は、光学素子2に直接結合されるので、光学素子2の線膨張係数と同じであることが望ましい。この点で、光学素子2とセンサターゲット131(またはそのベース)は、同一の材料で構成されていることがより好ましい。
水平方向の位置計測をする位置計測センサ130は少なくとも3個あり、そのうち一つの計測方向を示す仮想直線は、露光光の当たる領域の中央(p点)を通ることが望ましい。すなわち、第2の方向又は第3の方向における入射位置(p点)(移動量)を計測する計測方向を示す仮想直線のうち少なくとも一つは、光学素子2の入射位置(p点)を通る。図3に示されるように、この仮想直線は、計測点X2からα軸方向に沿って延びた直線である。
また、水平方向の位置計測をする位置計測センサ130の少なくとも3個のうちp点を通らない少なくとも二つの計測方向を示す仮想直線は、互いに平行であることが望ましい。すなわち、光軸に沿う方向(第1の方向)における入射位置(p点)の位置(移動量)を計測する計測方向を示す仮想直線のうち少なくとも二つは、互いに平行である。図3に示されるように、この仮想直線は、計測点Y1、Y2からβ軸方向に沿って延びた直線である。これによって、水平方向の計測にアッベ誤差が生じにくくなり、光学素子位置決め装置を高精度に駆動することが可能となる。
なお、鉛直方向の姿勢計測についてもリニアスケールを用いた例で示してあり、前述の水平方向のセンサと、略直交する方向に位置計測センサ(鉛直方向)130をそれと対向するように、ターゲットを前述同様に設けている。
図6では、位置計測センサ130としてリニアスケールを用いた例で示したが、レーザ干渉計や、静電容量変位センサ、渦電流変位センサ、作動トランスなど他の原理に基づくセンサを用いても良い(ここではそれらの適用例については図示しない)。
図7は、図1に示した光学素子位置決め装置の斜視図、図6に示した断面図を共軸の方向から見た平面図である。α軸方向シフト計測を行う位置計測センサ130を1個、β軸方向シフト計測、及びγ軸方向まわりの角度計測を行う位置計測センサ130を2個、γ軸方向シフト、α、β軸方向まわりの角度計測を行う位置計測センサ130を3個、合計6個の配置を示している。β軸方向のシフト計測を行う2個の位置計測センサ130は、Y軸に対して等距離に配置し、p点の位置(移動量)計測に誤差が生じにくいように配慮してある。X軸方向計測の位置計測センサ130は、X軸上に配置することで同様の効果を得ている。なおα軸の位置計測センサ130とベータ軸の位置計測センサ130の配置を入れ替えても構わない。
γ軸方向の3個の位置計測センサ130の計測点が形成する三角形は、二等辺三角形や、正三角形であるのが良い。三つのセンサ値からα軸まわりの回転角、及びβ軸まわりの回転角に換算する際に、上で述べた三角形の形状が歪んでいると、どちらかの角度計測分解能が劣化するからである。両角度計測の分解能を同一にしたい場合は、√5:√5:1の二等辺三角形にするのが良い。
なお、γ軸方向シフト、α、β軸方向まわりの回転角計測を行う位置計測センサ130は3個で構成されることで説明してきた。ただし冗長ではあるが、位置計測センサ130の個数を増やし平均化効果により高精度化を図ることも考えられる。この場合、計測点が作る幾何形状は三角形ではなく、位置計測センサ130の仕様個数に応じた多角形となる。
本実施例では、水平方向の位置計測を行う位置計測センサ130がα、β軸にそれぞれ沿っていたが、図9に示すように水平方向の位置計測センサ130をp点周りのある円に対して略接線方向に配置し、T1、T2、T3の3方向の計測を行っても良い。
以上説明した実施例では、光学素子としてミラーを例にあげた。しかし、本発明の位置決め装置で駆動制御する対象はミラーに限られるものではない。例えば、レンズ、平行平板ガラス、プリズム、あるいはバイナリーオプティクスなどの回折光学素子でも良い。
以上述べたように、本発明によれば比較的光学像性能に悪影響を与えない光学素子位置決め装置を実現することができる。
本実施例の光学素子の位置決め装置の概要図である。 本実施例の駆動機構を搭載する半導体露光装置の全体図である。 本実施例の光学素子の位置決め装置の計測点を示す概要図である。 本実施例の光学素子の駆動回転中心を示す図である。 本実施例の光学素子の回転中心と誤差を示す図である。 本実施例の光学素子の位置決め装置の部分断面図である。 本実施例の光学素子の位置決め装置の計測系の具体的な配置例を示す図である。 本実施例の光学素子の位置決め装置の光学性能補正のフローを示す図である。 本実施例の光学素子の位置決め装置の水平方向センサの他の配置例を示す図である。
符号の説明
1…投影光学系
2…光学素子
3…光学素子位置決め装置
5…ウエハ
6…ウエハステージ
7…レチクル
8…ベースフレーム
9…鏡筒定盤
10…光学素子制御手段
100…駆動機構
101…鏡筒
120…光学素子支持枠
130…位置計測センサ
131…センサターゲット

Claims (14)

  1. 光学素子を含む可動部と、
    前記可動部を駆動する駆動部と、
    前記光学素子の位置を計測する計測部と、
    前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、
    前記計測部は、前記光軸に直交する方向における前記入射位置を計測することを特徴とする光学素子の位置決め装置。
  2. 前記計測部は、前記光軸の方向に関して、前記入射位置と同じ高さに位置する計測点を計測することを特徴とする請求項1記載の光学素子の位置決め装置。
  3. 前記計測部は、さらに、少なくとも3つの計測点に基づいて前記光軸の方向における前記入射位置を計測することを特徴とする請求項1記載の光学素子の位置決め装置。
  4. 光学素子を含む可動部と、
    前記可動部を駆動する駆動部と、
    前記光学素子の位置を計測する計測部と、
    前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、
    前記計測部は、少なくとも3つの計測点に基づいて、前記光軸の方向における前記入射位置を計測することを特徴とする光学素子の位置決め装置。
  5. 前記計測部は、前記少なくとも3つの計測点を前記光軸に直交する平面に投影したときに作られる多角形の重心の位置と、前記入射位置を該平面に投影したときの位置とが一致するように設けられていることを特徴とする請求項4記載の光学素子の位置決め装置。
  6. 前記多角形は二等辺三角形であり、該二等辺三角形の辺の比は√5:√5:1であることを特徴とする請求項5記載の光学素子の位置決め装置。
  7. 前記光軸に直交する方向における前記入射位置を計測する計測方向を示す仮想直線のうち少なくとも一つは、前記光学素子の前記入射位置を通ることを特徴とする請求項1記載の光学素子の位置決め装置。
  8. 前記光軸に直交する方向における前記入射位置を計測する計測方向を示す仮想直線のうち少なくとも二つは、互いに平行であることを特徴とする請求項1記載の光学素子の位置決め装置。
  9. 前記計測部の計測ターゲットは、前記光学素子と同一の材料で構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の光学素子の位置決め装置。
  10. 光学素子を含む可動部と、
    前記可動部を駆動する駆動部と、
    前記光学素子の位置を計測する計測部と、
    前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、
    前記計測部は、前記光軸に直交する方向における前記入射位置の移動量を計測することを特徴とする光学素子の位置決め装置。
  11. 光学素子を含む可動部と、
    前記可動部を駆動する駆動部と、
    前記光学素子の位置を計測する計測部と、
    前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、
    前記計測部は、少なくとも3つの計測点を前記光軸に直交する平面に投影したときに作られる多角形の重心の位置と、前記入射位置を該平面に投影したときの位置とが一致するように設けられており、
    前記計測部は、前記少なくとも3つの計測点に基づいて、前記光軸の方向における前記入射位置を計測することを特徴とする光学素子の位置決め装置。
  12. 光学素子を含む可動部と、
    前記可動部を駆動する駆動部と、
    前記光学素子の位置を計測する計測部と、
    前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の第1の方向に沿った光軸から前記第1の方向に垂直方向な第2の方向にずれており、
    前記計測部は、少なくとも3つの計測点を前記第1の方向に直交する平面に投影したときに作られる多角形の重心の位置と、前記入射位置を該平面に投影したときの位置との距離が、前記光学素子の、前記第1および第2の方向と直交する第3の方向の長さの四分の一以内になるように設けられており、
    前記計測部は、前記少なくとも3つの計測点に基づいて、前記第1の方向における前記入射位置を計測することを特徴とする光学素子の位置決め装置。
  13. 光学素子を含む可動部と、
    前記可動部を駆動する駆動部と、
    前記光学素子の位置を計測する計測部と、
    前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、
    前記計測部は、前記光軸の方向に関して、前記入射位置と同じ高さに位置する計測点において、前記光軸に直交する方向における前記入射位置を計測することを特徴とする光学素子の位置決め装置。
  14. 光学素子を含む可動部と、
    前記可動部を駆動する駆動部と、
    前記光学素子の位置を計測する計測部と、
    前記計測部による計測結果に基づき前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記光学素子に中心画角の主光線が入射する入射位置は、前記光学素子を含む光学系の光軸からずれており、
    前記計測部は、前記光軸の方向に関して、前記入射位置との高さの差が60mm以内に位置する計測点において、前記光軸に直交する方向における前記入射位置を計測することを特徴とする光学素子の位置決め装置。
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