JPWO2005082252A1 - 睡眠段階判定方法 - Google Patents

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Abstract

無侵襲センサで検出した生体信号検出手段で検出した信号の信号強度のばらつきを示す信号強度分散値を算出し、この信号強度分散値あるいはこの信号強度分散値から導出される値を指標値として睡眠段階を判定することを特徴とするものである。睡眠中の被験者の睡眠段階を判定する方法及び睡眠段階判定装置であって、寝台に配置した生体信号を検出する無侵襲センサと、無侵襲センサの出力から心拍信号を検出する圧力検出チューブと圧力検出センサと生体信号抽出手段とから成り、圧力検出センサで検出した圧力変動から生体信号を抽出する。生体信号検出手段で検出した信号をゲインコントロールして得られる係数の逆数として得られる信号強度を検出する。この信号強度のばらつきを示す信号強度分散値を算出し、この信号強度分散値あるいはこの信号強度分散値から導出される値を指標値として睡眠段階を判定することを特徴とするものである。

Description

本発明は、生体信号検出手段から検出した生体信号から睡眠段階を判定する睡眠段階の判定方法であって、取扱が容易で日常的に使用可能である睡眠段階判定方法に関する。
個人の健康状態について調べる際に、睡眠をその判定指標とすることが多く、睡眠と健康とが密接に関連していることはよく知られているところである。健康と夜間の睡眠の深さおよびその質が翌日の気分や気力と密接に関連しており、一方精神的なストレスや体調が不良である場合には、眠りの深さや睡眠段階の推移パターンに変化が起こり、快適な睡眠が得られない。
健康な睡眠では、入眠した後にノンレム睡眠段階とレム睡眠段階とが一定の間隔で繰り返し現われるが、体調を崩しているときや、精神的なストレスがかかっているときには、そのリズムが乱れることが知られている。したがって夜間の睡眠中の睡眠段階とその発生パターンを監視することにより、被験者の精神的なストレスや体調の不良を知ることが可能になる。
特に高齢者は、眠りが浅い等の睡眠の不調を訴える人が多く、睡眠の質が問題となる。睡眠の質を知るためには睡眠段階の推移を知ることによって改善する対処法や措置を見いだすことが可能になる。
従来からある睡眠段階を知る方法としては、睡眠ポリソムノグラフ(PSG)を用いる方法が一般的である。PSGを用いる方法では、睡眠中の脳神経系の活動を脳波、表面筋電位、眼球運動等から推定して睡眠に関する多くの情報を得ることができるが、被験者の顔や身体に多くの電極を装着して測定を行うために、自然な睡眠を得ることが困難であり、また慣れるまでに数日から1週間の日時を要する。したがって被験者に与えられる身体的および肉体的な負担は非常に大きなものであり、さらに、この測定は病院等特定の施設と取り扱いに習熟した専門家が実施する必要がある。従って、これに要する費用も多額になる。
このために、PSGは睡眠障害があることが明らかな患者等に使用するのは有効な治療法に成りえても、日常の健康管理に使用することは困難である。
そこで、被験者の日常の健康状態を知るためにPSGを用いずに、簡単に睡眠段階を知る方法が提案されている。たとえば、腕時計型の振動強度測定装置を腕に装着し、その加速度を測定することにより睡眠段階を判定する方法があるが、レム睡眠とノンレム睡眠の2段階の睡眠段階しか知ることができない。健康管理に用いるには少なくとも覚醒/レム睡眠段階、浅いノンレム睡眠および深いノンレム睡眠段階の3段階の睡眠段階を把握する必要があり、この装置を健康管理の目的で使用することは適切ではない。
また、本発明人は無侵襲で心拍数を測定し、この信号データから睡眠段階を判定する方法(例えば、特開2000−325315号公報参照。)を提案しており、この方法では覚醒、レム睡眠、浅いノンレム睡眠および深いノンレム睡眠の4段階の睡眠段階を知ることができる。したがって、この方法は健康管理に用いることは可能である。しかし、無侵襲で検出した生体信号から心拍信号を抽出し、その心拍信号から自律神経の影響を解析することにより、睡眠段階を判定する方法であるために、複雑な計算と計算時間及び膨大なメモリを要する。その結果、この方法を実現するには装置の構成が複雑となり、さらにその装置が高価となるために、日常的に使用することが困難である。
そこで本発明は、身体的および精神的な負担を被験者にかけることなく、老齢者であっても取扱が容易であり、日常的に使用可能な睡眠段階の判定方法を提供することを目的とする。
さらに本発明により実現される装置の価格および維持費用の点で廉価であり、その装置の導入が容易な睡眠段階の判定方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、生体信号検出手段で検出した信号の信号強度のばらつきを示す信号強度分散値を算出し、この信号強度分散値あるいはこの信号強度分散値から導出される値を指標値として睡眠段階を判定することを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、睡眠段階判定処理が容易でありながら価格及び維持費用の廉価なものとすることができる。
また、前記指標値は、所定時間に検出された信号強度データの分散値であることを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、シンプルな判定方法とすることができる。
また、前記指標値は、所定時間に検出された信号強度データの分散値と、この分散値の移動平均との差の信号であることを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、日常的に使用可能な判定方法とすることができる。
また、前記指標値は、所定時間に検出された信号強度データの分散値を求め、その分散値の所定時間における移動平均の信号であることを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、日常的に使用可能な判定方法とし、また、信号の高周波成分を除去し妥当な判定結果を得ることができる。
また、前記信号強度分散値から異常値を除去した信号強度分散信号値あるいはこの信号強度分散値から導出される値を指標値とすることを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、寝返り等により生じる異常値を除くことができ妥当な判定結果を得ることができる。
また、前記信号強度は、生体信号検出手段で検出した信号をゲインコントロールして得られる係数の逆数として得られる信号強度であることを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、妥当な判定結果を得ることができる。
また、前記生体信号検出手段は、無侵襲な検出手段であることを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、精神的な負担を軽減することができる。
また、前記生体信号検出手段は、圧力検出チューブと圧力検出センサと生体信号抽出手段とから成り、圧力検出センサで検出した圧力変動から生体信号を抽出することを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、取り扱い及び測定等が容易でありながら価格及び維持費用の廉価なものとすることができる。
また、前記生体信号検出手段は、心電計、脈拍計等の心拍信号検出手段であることを特徴とするものである。
そして、この様にすることにより、通常の測定器でも実施が容易なものとすることができる。
従来からある睡眠段階を知る方法としては、睡眠ポリソムノグラフ(PSG)を用いる方法が一般的であるが、この方法を日常の健康管理に使用することは困難である。また、PSGを用いずに、簡単に睡眠段階を知る方法が提案されているが、性能あるいは費用などの観点から導入には問題があった。
本発明の検出方法は、生体信号強度が睡眠段階で眠りが深くなるほど、その強度のばらつき度が小さくなることに注目したものであり、信号強度の分散度の値から睡眠段階を判定する睡眠段階判定方法である。特に心拍信号の信号強度を測定するだけで睡眠段階の測定を可能にしたものである。
その結果、この方法によれば、取扱が容易であり、日常的に使用可能な睡眠段階の測定を実現することが可能となる。
さらに測定方法が簡明な方法であるので、価格および維持費用の点で廉価であり、導入が容易な睡眠段階の判定することができる装置の実現を可能にするものである。
第1図(A)、(B)はそれぞれ本発明の睡眠段階判定方法における睡眠段階を判定する流れを示すブロック図、矢視方向から見た一部断面図である。
第2図は、第1の実施例における睡眠段階を判定する手順を示すフローチャート図である。
第3図は、第2の実施例における睡眠段階を判定する手順を示すフローチャート図である。
第4図は、第3の実施例における睡眠段階を判定する手順を示すフローチャート図である。
第5図は、指標信号の測定結果と閾値の関係を示すグラフである。
第6図は、本実施例の睡眠判定結果と従来の睡眠ポリソムノグラフ(PSG)を用いた方法の結果とを比較したグラフである。
本発明の検出方法は、睡眠時の生体信号の強さが睡眠段階によって異なることに注目したものであり、特に生体信号強度は、睡眠段階で眠りが深くなるほど、その強度のばらつきが小さくなることに注目したものである。
第1図(A)は、本発明の睡眠段階判定方法を実施する工程を示すブロック図であり、第1図(B)は、矢視方向から見た一部断面図である。第1図(A)に示す生体信号検出手段1は、睡眠中の被験者の微細な生体信号を検出する無侵襲センサであり、この生体信号を信号増幅整形手段2により、信号を後の処理工程で処理できるように生体信号検出手段1で検出された信号を増幅し、呼吸などの不要な信号をバンドパスフィルターなどにより除去する。
生体信号検出手段1は圧力センサ1aと圧力検出チューブ1bとからなり、無侵襲な生体信号の検出手段を構成している。圧力センサ1aは、微小な圧力の変動を検出するセンサであり、本実施例では、低周波用のコンデンサマイクロホンタイプを使用するが、これに限るものではなく、適切な分解能とダイナミックレンジを有するものであればよい。
本実施例で使用した低周波用のコンデンサマイクロフォンは、一般の音響用マイクロフォンが低周波領域に対して配慮されていないのに引き替え、受圧面の後方にチャンバーを設けることによって低周波領域の特性を大幅に向上させたものであり、圧力検出チューブ1b内の微小圧力変動を検出するのに好適なものである。また、微小な差圧を計測するのに優れており、0.2Paの分解能と約50Paのダイナミックレンジを有し、通常使用されるセラミックを利用した微差圧センサと比較して数倍の性能を持つものであり、生体信号が体表面に通して圧力検出チューブ1bに加えた微小な圧力を検出するのに好適なものである。また周波数特性は0.1Hz〜20Hzの間でほぼ平坦な出力値を示し、心拍および呼吸数等の微少な生体信号を検出するのに適している。
圧力検出チューブ1bは、生体信号の圧力変動範囲に対応して内部の圧力が変動するように適度の弾力を有するものを使用する。また圧力変化を適切な応答速度で圧力センサ1aに伝達するためにチューブの中空部の容積を適切に選ぶ必要がある。圧力検出チューブ1bが適度な弾性と中空部容積を同時に満足できない場合には、圧力検出チューブ1bの中空部に適切な太さの芯線をチューブ長さ全体にわたって装填し、中空部の容積を適切にとることができる。
圧力検出チューブ1bは寝台7上に敷かれた硬質シート8の上に配置され、その上に弾性を有するクッションシート9が敷かれており、圧力検出チューブ1bの上には被験者が横臥する。なお、圧力検出チューブ1bは、クッションシート9などに組み込んだ構成にすることにより、圧力検出チューブ1bの位置を安定させる構造としてもよい。
本実施例では、2組の生体信号検出手段1が設けられており、一方が被験者の胸部の部位の生体信号を検出し、他方が被験者の臀部の部位を検出することで、被験者の就寝の姿勢に関わらず生体信号を検出するように構成されている。
生体信号検出手段1によって検出された生体信号は、人の体から発する様々な振動が混ざりあった信号であり,その中に心拍信号を始めとして呼吸信号や寝返り等の信号が含まれている。本発明では、呼吸信号は無呼吸症などにより睡眠時に信号が途切れることがあり、信号増幅整形手段2によりフィルタや統計処理等の手段を用いて呼吸信号を除いた生体信号を取り出す。言うまでもなくこの中には、寝返りによる非常に高いレベルの信号も含まれる。
本実施例では、心拍信号を無侵襲な生体信号検出手段1の検出信号から抽出したが、これに限るものではなく、例えば、専用の心拍計を装着することや、脈拍を検出することでも心拍信号を得ることが可能である。
自動利得制御手段3は、信号増幅整形手段2の出力を所定の信号レベルの範囲に入るように自動的にゲイン制御を行ういわゆるAGC回路であり、この際のゲインの値(係数)を信号強度演算手段4に出力する。ゲイン制御は、例えば信号のピーク値が上限閾値を超えた場合に出力信号の振幅が小さくなるようにゲインを設定し、ピーク値が下限閾値を下回った場合に振幅が大きくなるようにゲインを設定している。
信号強度演算手段4は、自動利得制御手段3において生体信号に対して施したゲイン制御の係数から信号の強度を演算する。上述のAGC回路から得られるゲインの値は信号の大きさが大なるときには小さく、また信号の大きさが小なるときは大きく設定されるために、ゲインの値を用いて信号強度を示すには、ゲインの値と反比例するように信号強度を示す関数を設定するようにするのがよい。
信号強度演算手段4で得られた信号強度のデータについて所定時間の間のデータのばらつきを示す標準偏差を分散値演算手段5で算出する。すなわち、ある時刻において、その時刻までの一定時間にサンプリングしたデータのばらつきを示す指標を分散値と呼ぶことにすると、本実施例では、標準偏差を分散値として採用している。
本実施例では、ばらつきを示す指標である分散値として標準偏差を採用したが、これにかぎるものではなく、例えば分散、偏差平方和、範囲などの統計量を採用してもよい。
睡眠段階判定手段6において睡眠段階の判定を行う。分散値演算手段5で算出した信号強度の分散値である標準偏差の値あるいは標準偏差から導出される値を指標信号とする。予め睡眠段階の閾値を求めておき、指標信号の値と閾値の値を比較することにより睡眠段階を判定する。
第2図は生体信号強度から睡眠段階を判定する第1の実施例の手順を示すフローチャートである。第2図を用いて第1の実施例による睡眠段階を判定する手順について説明する。
まず、信号強度演算手段4において1秒ごとに信号強度の値が演算され、分散値演算手段5に出力される。各時点において連続する80点のデータの標準偏差を演算し分散値信号を求める。
この分散値に対して睡眠段階判定手段6において異常値の補正を行う。信号強度演算手段4の出力の値が他の出力時の値と比較して異常に高い値を示すことがある。例えば寝返りを打った場合などは、信号強度の値がそこだけ高い値を示すことがある。このような場合を含むデータの分散値を算出すると、通常の場合とかけ離れた値を示すことになる。
信号強度の異常値の除去方法としては、規定以上の値があれば、直前のデータとかけ離れない値を採用することが望ましい。本実施例では規定以上の値が現われた場合には、その直前にある規定内のデータと置き換える方法を採用することで、異常値の睡眠段階の判定への影響を排除している。
信号強度の異常値は、一晩の睡眠中に現われる頻度は必ずしも多くなく、標準偏差の算出に用いるサンプル数によって、省略することも可能である。
睡眠段階判定手段6では、次いで睡眠段階の判定を行う。睡眠段階の判定にあたっては、覚醒/レム睡眠段階と浅いノンレム睡眠を判定する第1の閾値および、浅いノンレム睡眠と深いノンレム睡眠を判定する第2の閾値を設定し、ばらつきを示す分散値信号の値がどの範囲に入るかを2つの閾値から判定する。
尚、前記分散値と交感神経のパワー密度とが略比例の関係にあるとの知見を得ている。そして、前記パワー密度は、心拍のR波のRR間隔の一定区間(約0.04Hz〜約0.15Hz)の周波数を解析して得られる値であって、値が大きくなるにつれ交感神経の活動が促進されて心身が興奮状態になって深い睡眠状態を妨げることを意味している。
さらに、前記分散値と、脳波から得られる脳波成分(α波、β波、θ波、δ波)のうちδ波(約0.5Hz〜約3.5Hz)の成分比率とが略反比例の関係にあるとの知見を得ている。そして、δ波の成分比率は、睡眠が深くなれば大きくなるという特徴がある。
そして、これらのことから、前記分散値は、覚醒/レム睡眠段階、浅いノンレム睡眠、深いノンレム睡眠段階の順で小さくなり、覚醒/レム睡眠段階でばらつき度は高く、深いノンレム睡眠段階では小さい。したがって、覚醒/レム睡眠段階と浅いレム睡眠を判定する第1の閾値より、浅いノンレム睡眠と深いノンレム睡眠を判定する第2の閾値の方がその値は小さい。
第1の閾値と第2の閾値を求める方法としては、PSGによる睡眠段階判定と比較して、一致度が最も高くなるように第1の閾値と第2の閾値を定めるのが適当である。
分散値信号の値が第1の閾値より大きいならば、覚醒/レム睡眠段階と判定する。一方、分散値信号の値が第2の閾値より小さければ、深いノンレム睡眠段階と判定する。それ以外は、浅いノンレム睡眠段階と判定する。以上の判定を各時刻で実施することにより、連続した睡眠段階のデータが得られる。
第3図は生体信号強度から睡眠段階を判定する第2の実施例の手順を示すフローチャートであり、標準偏差の移動平均を求め、標準偏差の値から指し引いた値を分散値信号としている点が第1の実施例と異なる。
分散値演算手段5により第1の実施例と同様にして求めた分散値について、各時刻における連続する100点の移動平均値を求める。分散値演算手段5により求めた分散値とこの移動平均値の差をとり、これを指標値信号とする。
次いで、この指標値信号を用いて、第1の実施例と同様にして睡眠段階の判定を行う。なお異常値の補正は、必要に応じて実施するか否か選択できる。
第4図は生体信号強度から睡眠段階を判定する第3の実施例の手順を示すフローチャートであり、指標値信号として、標準偏差の移動平均を用いていることが他の実施例と異なる。
分散値演算手段5により第1の実施例と同様にして求めた分散値について、各時刻における連続する100点の移動平均値を求める。
次いで、この指標値信号を用いて、第1の実施例と同様にして睡眠段階の判定を行う。なお異常値の補正は、必要に応じて実施するか否か選択できる。
本実施例では、この移動平均値信号を指標信号とする。移動平均値であるので、信号の高周波成分が除去されている結果となり、第1の実施例および第2の実施例が微細な睡眠段階も結果が示されるのに対して、短い時間の出現は無視されることが特徴である。
第5図は、指標信号の測定結果の一例であり、第1の閾値と第2の閾値のレベルも合わせて示されている。ここで、指標信号の値が第1の閾値(閾値1)より上であれば、覚醒/レム睡眠段階であり、分散度信号と移動平均値との差の信号の値が第2の閾値(閾値2)より下であれば、深いノンレム睡眠段階であり、第1の閾値と第2の閾値との間のレベルであれば浅いノンレム睡眠段階であると判定できる。
第6図に以上の判定結果とPSG方式による判定結果との比較を示す。この測定例では86.5%の一致率を示しており、実用に耐えるものである。
本発明の睡眠段階判定方法では、心拍信号の強度を解析するだけで睡眠段階を判定することが可能であるので、この睡眠段階判定方法を実現する装置においては、1台の装置で多数の被験者の睡眠段階を判定することが可能になる。その結果、老人ホーム等の多数の老齢者の睡眠段階を測定して健康管理に利用することが可能となる。
本実施例で採用している分散度の算出や移動平均の算出に使用したデータの数は一例であり、これに限るものではない。
また本実施例では、心拍信号の検出を生体信号から抽出する方法によっている。この方法では、寝返りなどの体動に信号強度の高いデータが入ってくるため、補正手段を用いることにより体動などの影響を小さくする必要があるが、心拍信号の検出を心拍計あるいは脈拍計を装着する方法によれば、体動の影響を受けることはなく、補正手段を設ける必要はない。ただし、装着する心拍計あるいは脈拍計は、肉体的および精神的に負担とならない小型、軽量のものである必要がある。
以上のように、本発明にかかる睡眠段階判定方法は、生体信号検出手段で検出した生体信号から睡眠段階を判定する睡眠段階の判定方法等として有用であり、特に取扱が容易で日常的に使用したい場合に適している。

Claims (9)

  1. 生体信号検出手段で検出した信号の信号強度のばらつきを示す信号強度分散値を算出し、この信号強度分散値あるいはこの信号強度分散値から導出される値を指標値として睡眠段階を判定することを特徴とする睡眠段階判定方法。
  2. 前記指標値は、所定時間に検出された信号強度データの分散値であることを特徴とする請求項1に記載の睡眠段階判定方法。
  3. 前記指標値は、所定時間に検出された信号強度データの分散値と、この分散値の移動平均との差の信号であることを特徴とする請求項1に記載の睡眠段階判定方法。
  4. 前記指標値は、所定時間に検出された信号強度データの分散値を求め、その分散値の所定時間における移動平均の信号であることを特徴とする請求項1に記載の睡眠段階判定方法。
  5. 前記信号強度分散値から異常値を除去した信号強度分散信号値あるいはこの信号強度分散値から導出される値を指標値とすることを特徴とする請求項1に記載の睡眠段階判定方法。
  6. 前記信号強度は、生体信号検出手段で検出した信号をゲインコントロールして得られる係数の逆数として得られる信号強度であることを特徴とする請求項1に記載の睡眠段階判定方法。
  7. 前記生体信号検出手段は、無侵襲な検出手段であることを特徴とする請求項1に記載の睡眠段階判定方法。
  8. 前記生体信号検出手段は、圧力検出チューブと圧力検出センサと生体信号抽出手段とから成り、圧力検出センサで検出した圧力変動から生体信号を抽出することを特徴とする請求の請求項7に記載の睡眠段階判定方法。
  9. 前記生体信号検出手段は、心電計、脈拍計等の心拍信号検出手段であることを特徴とする請求項1に記載の睡眠段階判定方法。
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