JPWO2005078266A1 - 往復動エンジン - Google Patents

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Abstract

エンジン(1)は、シリンダ(2)内を往復動するピストン(3)と、ピストン(3)に設けられたピストンリング(5、6)と、ピストンリング(5、6)間における環状空間(11)をスラスト側(12)の半環状空間(13)及び反スラスト側(14)の半環状空間(15)に区画するようにピストン(3)の円周方向に移動自在であってシリンダ(2)の内面(31)に接近自在に、ピストン(3)の窪み(16)に収容されている区画部材(18)と、スラスト側(12)の半環状空間(13)をガス燃焼室(20)に連通させる連通手段(21)とを具備している。

Description

本発明は、自動車等に用いる往復動エンジンに関する。
この種の往復動エンジンとしては、例えば、ピストンに設けられた第一及び第二のリング溝と、第一及び第二のリング溝に嵌着された第一のピストンリング(トップリング)及び第二のピストンリング(セカンドリング)と、第一のピストンリングと第二のピストンリングとシリンダの内面(側壁内面)とに囲まれてなる環状空間をガスが導かれるスラスト側の半環状空間と反スラスト側の半環状空間とに区画(画成)するように組込まれた区画部材(画成部材)とを具備しており、ピストン作用行程時に、スラスト側の半環状空間に導かれるガスの圧力(ガス圧)によりピストンに作用するスラスト側に向かう側圧に抗してピストンを支持して、ピストンとシリンダとの摺動摩擦抵抗の低減を図るようになっている往復動エンジンが特開平5−26106号公報において提案されている。
ところで、斯かる往復動エンジンにおいては、区画部材による環状空間の区画は、ガス圧が導入されるスラスト側の半環状空間から反スラスト側の半環状空間へガス漏れが生じないように気密にしなければならない。
斯かる往復動エンジンに適用可能な区画部材の組込み構造としては、例えば、第一のピストンリング(トップリング)から第二のピストンリング(セカンドリング)までピストンの往復動方向に伸びた断面コ字状のコ字状溝を設け、このコ字状溝に板状の仕切りピースをシリンダの内面に向かって直線的に出入自在に収め、この仕切りピースの背面にスプリングを装置し、このスプリングによって仕切りピースを背面から弾性押圧することにより仕切りピースの頂面とシリンダの内面との気密の確保を図る区画部材の組込み構造が考えられる。
しかし、このような区画部材の組込み構造を有した往復動エンジンでは、往復動エンジンの運転中に、スラスト側の半環状空間にガスが導入された場合に、仕切りピースがコ字状溝の反スラスト側の片側面へ押付けられたり、また、斯かる押付け等に基づいて区画部材が傾けられたりする結果、仕切りピースとコ字状溝の壁面との摩擦抵抗が生じてしまい、仕切リピースのシリンダの内面に対する押圧が弱まる虞があり、而して、仕切りピースの頂面とシリンダの内面との気密が不完全となる虞がある。
更に、斯かる区画部材の組込み構造を有した往復動エンジンにおいては、コ字状溝の壁面と仕切りピースとの間隙には、燃焼生成物が付着し得、燃焼生成物が付着した場合には、仕切りピースが膠着して動き難くなる虞があり前記気密を確保することが困難である。
更にまた、斯かる区画部材の組込み構造を有した往復動エンジンでは、高温によるスプリングのヘタリ(劣化)等により仕切りピースの動きが悪くなり得て、前記気密は更に不完全となり易くなる虞がある。
従って、上述のような往復動エンジンでは、スラスト側の半環状空間から反スラスト側の半環状空間へのガス漏れを防ぎ難く、スラスト側の半環状空間におけるガス圧を十分に確保することが困難である。また、斯かる往復動エンジンでは、ピストンの作用行程中であってピストンがスラスト側に向かう側圧を受けたときに、当該側圧に抗してピストンをガス圧により支持(ガス圧支持)し難く、ピストンとシリンダとの摩擦抵抗の減少を図ることが困難である。
また、斯かる往復動エンジンでは、例えば第二のピストンリングが第二のリング溝に嵌着されているだけであるために、スラスト側に導入されたガスが第二のリング溝における底面とこれに対応する第二のピストンリングの内周面との隙間をつたって反スラスト側に漏洩する虞がある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされてものであり、その目的とするところは、区画部材による区画を簡単な構成で気密に行い得て、区画部材とシリンダの内面との隙間におけるガス漏れを低減させることができる往復動エンジンを提供することにある。また、本発明の他の目的とするところは、リング溝における底面とピストンリングとの隙間をつたうガスの漏洩を防ぎ得る往復動エンジンを提供することにある。
本発明の第一の態様の往復動エンジンは、シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンに設けられた第一及び第二のピストンリングと、第一及び第二のピストンリング間における環状空間をスラスト側の半環状空間及び反スラスト側の半環状空間に区画するようにピストンの円周方向に移動自在であってシリンダの内面に接近自在に、ピストンの第一及び第二のピストンリング間における窪みに収容されていると共に第一及び第二のピストンリング間に配された区画部材と、スラスト側の半環状空間をガス燃焼室に連通させる連通手段とを具備しており、連通手段によりガス燃焼室からスラスト側の半環状空間に導入されたガスに基づいて、区画部材をピストンの円周方向に移動させると共にシリンダの内面に接近させてピストンの窪み面とシリンダの内面とに接触させることにより、スラスト側の半環状空間を反スラスト側の半環状空間に対して閉じるようになっている。
第一の態様の往復動エンジンによれば、特に、スラスト側の半環状空間に導入されたガスに基づいて、区画部材をピストンの円周方向に移動させると共にシリンダの内面に接近させるようになっているために、区画部材をピストンの窪み面及びシリンダの内面に気密に接触させることができ、而して、区画部材による区画を簡単な構成で気密に行い得て、区画部材とシリンダの内面との隙間を介するガス漏れを低減させることができる。
本発明の第二の態様の往復動エンジンでは、第一の態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、連通手段によりガス燃焼室からスラスト側の半環状空間に導入されたガスに基づいて区画部材が移動される場合には、区画部材をシリンダの内面に向かわせるように案内する案内面を有している。
本発明の第三の態様の往復動エンジンでは、第二の態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、案内面とシリンダの内面とに接触して環状空間を区画するようになっている。
本発明の第四の態様の往復動エンジンでは、第二又は第三の態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、案内面よりもスラスト側で区画部材に当接する当接面を有している。
本発明の第五の態様の往復動エンジンでは、第四の態様の往復動エンジンにおいて、案内面及び当接面は、互いに協働して断面略V状のV面を構成している。
本発明の第六の態様の往復動エンジンでは、第四の態様の往復動エンジンにおいて、案内面及び当接面は、互いに協働してシリンダの内面に対して凹となっている凹面を構成している。
本発明の第七の態様の往復動エンジンでは、第一から第六のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、ピストンピンの軸方向において互いに対向している一対の区画部材を具備している。
本発明の第八の態様の往復動エンジンでは、第一から第七のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、直線面を有している。
本発明の第九の態様の往復動エンジンでは、第一から第七のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、平坦面を有している。
本発明の第十の態様の往復動エンジンでは、第一から第七のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、円弧面を有している。
本発明の第十一の態様の往復動エンジンでは、第一から第七のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、曲面を有している。
本発明の第十二の態様の往復動エンジンでは、第十一の態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、凹曲面又は凸曲面を有している。
本発明の第十三の態様の往復動エンジンでは、第一から第十二のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、そのスラスト側の面からガス圧を受けることによりシリンダの内面に向かう移動力を生じるようになっている。
本発明の第十四の態様の往復動エンジンでは、第一から第十三のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、窪み面に転がり接触するようになっている。
本発明の第十五の態様の往復動エンジンでは、第一から第十三のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、窪み面に滑り接触するようになっている。
本発明の第十六の態様の往復動エンジンでは、第一から第十五のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材の往復動方向における両端部は、第一及び第二のピストンリングに滑り接触している。
本発明の第十七の態様の往復動エンジンでは、第一から第十六のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、楕円柱状体からなる。
本発明の第十八の態様の往復動エンジンでは、第一から第十六のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、多角形柱状体からなる。
本発明の第十九の態様の往復動エンジンでは、第一から第十六のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、四角柱状体からなる。
本発明の第二十の態様の往復動エンジンでは、第一から第十六のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、三角柱状体からなる。
本発明の第二十一の態様の往復動エンジンでは、第四から第六のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、三角柱状体は、シリンダの内面に対面している第一の面と第一の面に連接していると共に案内面に対面している第二の面とでシリンダの内面及び案内面に接触することにより環状空間を区画するようになっている。
本発明の第二十二の態様の往復動エンジンでは、第二十一の態様の往復動エンジンにおいて、三角柱状体は、第一の面と第一及び第二の面に連接していると共に当接面に対面している第三の面とでシリンダの内面及び当接面に接触することにより環状空間を区画するようになっている。
本発明の第二十三の態様の往復動エンジンでは、第二十から二十二のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、三角柱状体のシリンダの内面に対面する面は、シリンダの内面と同等の曲率又はシリンダの内面よりも小さい曲率を有している。
本発明の第二十四の態様の往復動エンジンでは、第一から第十六のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材は、円柱状体からなる。
本発明の第二十五の態様の往復動エンジンでは、第二十四の態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、円柱状体の中心からスラスト側の半環状空間におけるガス圧により円柱状体が移動されようとする方向に向かって伸びる線上に位置する円柱状体の円周面の反スラスト側における部位よりもシリンダの内面から離反している円柱状体の円周面の反スラスト側における部位に接触するようになっている。
第二十五の態様の往復動エンジンによれば、上述の構成を具備しているために、円柱状体が窪み面に沿ってシリンダの内面に向かって転動するように当該円柱状体に回転モーメントを生じさせ得、而して、円柱状体による環状空間の区画をより確実に行い得る。尚、第二十四の態様の往復動エンジンにおいては、円柱状体が窪み面に沿って転動すると共に滑動することをも含む。
本発明の第二十六の態様の往復動エンジンでは、第二十四又は第二十五の態様の往復動エンジンにおいて、シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面に反スラスト側で接触している円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角は、60度以下である。
本発明の第二十七の態様の往復動エンジンでは、第二十四から第二十六のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面に反スラスト側で接触している円柱状体の円周面の部位に対する接線の交差角は、45度以下である。
第二十六又は第二十七の態様の往復動エンジンによれば、上述の構成を具備しているために、区画部材のシリンダの内面に対する過度の圧接を防止し得る。
本発明の第二十八の態様の往復動エンジンでは、第二十四又は第二十五の態様の往復動エンジンにおいて、窪み面は、シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面の反スラスト側における一の部位に接触する円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角が、シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面の前記一の部位よりも更に反スラスト側に位置する他の部位に接触する円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角よりも大きくなるように形成されている。
第二十八の態様の往復動エンジンによれば、上述の構成を具備しているために、例えば、区画部材のシリンダの内面に向かう移動を確実に開始させ得ると共に区画部材のシリンダの内面に対する過度の圧接を防止することができ、区画部材が窪み面とシリンダの内面との間に挟み込まれる虞をなくし得る。
本発明の第二十九の態様の往復動エンジンでは、第二十四から第二十八のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面にスラスト側で接触している円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角は、45度以上である。
本発明の第三十の態様の往復動エンジンでは、第二十四から第二十九のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面にスラスト側で接触している円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角は、50度以上である。
第二十九又は第三十の態様の往復動エンジンによれば、上述の構成を具備しているために、区画部材のシリンダの内面に向かう移動を確実に開始させ得る。
本発明の第三十一の態様の往復動エンジンは、第一から第三十のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、区画部材と窪み面とによって規定される空間が形成される場合には、当該空間とスラスト側の半環状空間とを連通させる連通路を規定する連通路規定面を有している。
第三十一の態様の往復動エンジンによれば、上述の構成を具備しているために、スラスト側の半環状空間におけるガスと区画部材及び窪み面によって規定される空間におけるガスとに基づいて区画部材をシリンダの内面に向かって好適に移動させ得る。
本発明の第三十二の態様の往復動エンジンは、第一から第三十一のいずれかの態様の往復動エンジンにおいて、第二のピストンリングが配されるようにピストンに設けられた第二のリング溝と、第二のリング溝における底面とこれに対応する第二のピストンリングの内周面との隙間を介するスラスト側の半環状空間と反スラスト側の半環状空間との連通を阻止するように第二のリング溝に備えられている阻止部材とを具備している。
本発明の第三十三の態様の往復動エンジンは、シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンに設けられた第一及び第二のピストンリングと、第一及び第二のピストンリングが夫々配されるようにピストンに設けられた第一及び第二のリング溝と、第一及び第二のピストンリング間における環状空間をスラスト側の半環状空間及び反スラスト側の半環状空間に区画するように第一及び第二のピストンリング間に配された区画部材と、スラスト側の半環状空間をガス燃焼室に連通させる連通手段と、第二のリング溝における底面とこれに対応する第二のピストンリングの内周面との隙間を介するスラスト側の半環状空間と反スラスト側の半環状空間との連通を阻止するように第二のリング溝に備えられている弾性を有した波状の阻止部材とを具備している。
第三十二又は第三十三の態様の往復動エンジンによれば、上述の構成を具備しているために、阻止部材によってリング溝における底面とピストンリングの内周面との隙間を介するガスの漏洩を防ぎ得る。
本発明の第三十四の態様の往復動エンジンでは、第三十二又は第三十三の態様の往復動エンジンにおいて、阻止部材は、第二のピストンリングの内周面と第二のリング溝における底面とに弾性をもって面接触するようになっている。
尚、上述のような各態様の往復動エンジンは、4サイクルガソリンエンジン又はディーゼルエンジンとして具体化され、いずれのエンジンでも本発明による効果を好適に発揮し得る。
本発明によれば、区画部材による区画を気密に行い得て、区画部材とシリンダの内面との間におけるガス漏れを低減させることができ、更に、第二のリング溝における底面と第二のピストンリングの内周面との隙間をつたってのガスの漏洩をも防ぎ得、従って、スラスト側の半環状空間のガス圧を十分に保持でき、ピストンをガス圧支持してシリンダとピストンとの摩擦抵抗を低減し得る往復動エンジンを提供し得る。
次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
図1は、本発明の実施の形態の例の正面説明図、
図2は、図1に示す例のII−II線断面説明図、
図3は、図1に示す例のIII−III線断面説明図、
図4は、図1に示す例のIV−IV線断面説明図、
図5は、図1に示す例の一部拡大説明図、
図6は、図1に示す例の一部拡大説明図、
図7は、図1に示す例の動作説明図、
図8は、本発明の実施の形態の他の例の一部拡大説明図、
図9は、図8に示す他の例の一部拡大説明図、
図10は、本発明の実施の形態の他の例の一部拡大説明図、
図11は、図10に示す他の例の一部拡大説明図、
図12は、図10に示す他の例の一部拡大説明図、
図13は、本発明の実施の形態の他の例の一部拡大説明図、
図14は、図13に示す他の例の一部拡大説明図、
図15は、図13に示す他の例の一部拡大説明図、
図16は、本発明の実施の形態の他の例の正面説明図、
図17は、図16に示す他の例の横断面説明図、
図18は、図16に示す他の例の反スラスト側から見た断面説明図、そして、
図19は、図16に示す他の例の動作説明図である。
図1から図7には、第一の実施例の往復動エンジンとしての4サイクルガソリンエンジン1(以下、エンジン1と称する)が示してあり、図16から図19には、第二の実施例の往復動エンジンとしての4サイクルディーゼルエンジン200が示してある。
まず、図1から図7に基づいてエンジン1について説明する。
3はピストン、2はシリンダである。ピストン3には、もちろんピストン3の側面(ランド部)4に、ピストンの頭部側から第一のピストンリング(トップリング)5、次に第二のピストンリング(セカンドリング)6、更にオイルリング7が設けられている。
さて、ピストン3には、ピストンピン43の軸方向Yにおける両軸端側の夫々において、ピストンリング5が配されたピストン3の第一のリング溝8からピストンリング6が配されたピストン3の第二のリング溝9にまで至った窪み16が形成されている。これらそれぞれの窪み16は、その横断面形状が末広形状に形成されている。
そして、これらそれぞれの窪み16には、軸方向Yで互いに対向している一対の区画部材18が収めてある。
上記のように収められた区画部材18は、その一方の端部63がピストンリング5の下面52に滑り接触し、その他方の端部64がピストンリング6の上面54に滑り接触している。
ピストン3がシリンダ2に組込まれた状態であるエンジン1においては、ピストンリング5とピストンリング6とシリンダ2の内面31とにより囲まれて形成された環状空間11がピストンピン43の両軸端側において、上記区画部材18によりスラスト側12の半環状空間13と反スラスト側14の半環状空間15とに区画されている。
区画部材18は、ピストンリング5及び6間における窪み16を画しているピストン3の窪み面10とシリンダ2の内面31とに間隙をもって囲まれており、ピストンリング5及び6間における環状空間11を半環状空間13及び15に区画するようにピストン3の円周方向Zに移動自在であってシリンダ2の内面31に接近自在に、窪み16に収容されてピストンリング5及び6間に配されている。区画部材18は、そのスラスト側12の面からガス39の圧力(ガス圧)Pを受けることによりシリンダ2の内面31に向かう移動力を生じ得、また、後述の隙間66を通過したガス39に基づいて生じ得る揚力によってもシリンダ2の内面31に向かう移動力を生じ得る。
窪み16を画している窪み面10は、半環状空間13をガス燃焼室20に連通させる連通手段21によりガス燃焼室20からスラスト側12の半環状空間13に導入されたガス39に基づいて円柱状体61からなる区画部材18が移動される場合には、区画部材18をシリンダ2の内面31に向かわせるように案内する案内面59と、案内面59よりもスラスト側12で区画部材18に当接する当接面60とを有している。案内面59及び当接面60は、互いに連接してピストン3に夫々設けられている。
当接面60よりも反スラスト側14に配された案内面59は、本例ではスラスト側12から反スラスト側14に向かってシリンダ2の内面31に漸次接近している平坦面又は直線面を有している。案内面59よりもスラスト側12に配された当接面60は、円周方向Zで案内面59に対面して配されていると共に案内面59と同様に形成されている。案内面59及び当接面60は、本例では、特に図5及び図6に示すように、互いに協働して断面略V状のV面を構成している。
案内面59は、図5に示すように、円柱状体61の中心Cからスラスト側12の半環状空間13におけるガス圧Pにより円柱状体61が移動されようとするB方向に向かって伸びる線71上に位置する円柱状体61の円周面62の反スラスト側14における部位72よりもシリンダ2の内面31から離反している円柱状体61の円周面62の反スラスト側14における部位73に接触するようになっている。
シリンダ2の内面31に最も近接している円柱状体61の近接部74及び円柱状体61の中心Cを通る線75と案内面59に接触している円柱状体61の部位73に対する接線76との交差角θ1は、50度程度であるが、例えば60度以下であってもよく、また、45度以下であってもよい。エンジン1では、交差角θ1を小さくすることにより区画部材18のシリンダ2の内面31に対する過度の圧接を防止することができる。また、エンジン1では、交差角θ1を大きくすることにより区画部材18とシリンダ2との隙間66を介するガス漏れを確実に防止することができる。交差角θ1は、環状空間11の区画に必要とされる区画部材18のシリンダ2に対する接触圧と区画部材18とシリンダ2との滑動抵抗(摺動抵抗)との関係を考慮して適宜設定される。
線75と当接面60に当接している円柱状体61の円周面62の部位77に対する接線78との交差角θ2は、50度程度であるが、例えば45度以上であってもよく、また、50度以上であってもよい。エンジン1では、交差角θ2を大きくすることにより円柱状体61の中心Cよりもスラスト側12でガス39のガス圧Pを受圧する円周面62の受圧面積を増して、区画部材18のシリンダ2の内面31に向かう移動を確実に開始させ得る。また、エンジン1では、交差角θ2を小さくすることにより円周方向Zにおける円柱状体61の移動可能領域を減少させて、円周方向Zにおける円柱状体61の揺動を低減させ得る。
区画部材18は、主要部分が窪み16に収容されていると共に、その頂部がピストン3の側面(ランド部)4からシリンダ2の内面31に向かって突出している円柱状体61からなる。具体的には、図5に示すように、例えば、ピストン3の外径が75mmであると共にシリンダ2の内径が75.5mmであるとき、即ち、ピストン3とシリンダ2との半径方向の間隙Fが0.25mmのとき、窪み16に収容された状態で、円柱状体61のシリンダ2の内面31側における頂部のピストン3の側面4からの突出長さGが0.15mmから0.2mmとなるように窪み16の深さ及び円柱状体61の外径を形成すると気密形成に良好である。また、ピストン3とシリンダ2との半径方向の間隙が0.25mm程度であれば、窪み16に収容された状態の円柱状体61の頂部のピストン3の側面4からの突出長さGが例えば0.1mm程度から0.2mm程度、好ましくは0.15mm程度となるように窪み16の深さ及び円柱状体61の外径を形成してもよく、斯かる場合には、円柱状体61の直径は、例えば1mm程度から3mm程度、好ましくは1.5mm程度から2mm程度、より好ましくは1.5mm程度となっていてもよい。尚、エンジン1は、上記の各値に限定されず、これらの各値はエンジン1の具体化に伴って夫々適宜変更され得る。
往復動方向Xに伸びた円柱状体61は、その円周面62で案内面59に接触していると共に当接面60に当接している場合には、シリンダ2の内面31から若干離反する程度の径を有している。円柱状体61の円周面62は、案内面59に転がり接触及び滑り接触するようになっている。円柱状体61の円周面62は、当接面60に転がり当接及び滑り当接するようになっている。円柱状体61の円周面62は、シリンダ2の内面31に転がり接触及び滑り接触するようになっている。
区画部材18は、円柱状体61が案内面59に接触していると共に当接面60に当接している場合には、半環状空間13に導入されたガス圧Pを円周面62のスラスト側12における部位で受圧することにより案内面59に沿ってシリンダ2の内面31に向かって移動され、円柱状体61が当接面60から離反した際に案内面59、当接面60及び円周面62によって規定される空間65に半環状空間13から円柱状体61と当接面60との隙間を介してガス39が導入されて生じる空間65におけるガス圧Pと半環状空間13におけるガス圧Pとによりシリンダ2の内面31に向かって移動されて、案内面59とシリンダ2の内面31とに接触することにより環状空間11を区画するようになっている。また、区画部材18は、円柱状体61と案内面59とが接触していない場合には、半環状空間13に導入されたガス圧Pを円周面62のスラスト側12における部位で受圧することにより反スラスト側14に移動されるようになっており、このように移動される結果、案内面59に接触して図6に示すA方向の回転モーメントを生じ得ることでシリンダ2の内面31に向かって移動し始めて案内面59とシリンダ2の内面31とに接触することにより環状空間11を区画するようになっている。
ピストンリング6の背面(内周面)23とリング溝9における底面22との間には、リング溝9の溝底をつたってのガス漏れを防ぐ一対の阻止部材25が夫々介装してある。阻止部材25は、往復動方向Xにおいて区画部材18に隣接するように、ピストン3の軸方向Yにおける両側であって区画部材18が夫々組込まれた位置の近傍に夫々配されている。
この阻止部材25は、バネ弾性をもつ波状の本体部81と、この本体部81の一方端に形成した折曲げ部82とからなり、この折曲げ部82をリング溝9における底面22に設けた穴に挿入した状態で阻止部材25が円周方向Zに移動しないように組込まれている。このように組込まれた阻止部材25は、ピストンリング6の背面(内周面)23とリング溝9における底面22とに弾性(反発弾性)をもって面接触して、溝底をつたってのガス漏れを防ぐようにしてある。尚、リング溝9の溝底は、ピストン3の底面22によって規定されている。
連通手段21は、シリンダ2の内面31に設けられていると共にピストン3が上死点近傍に位置する際にスラスト側12の半環状空間13をガス燃焼室20に連通させるガス通路90を夫々規定している複数の凹所、本例では凹所91、92及び93を具備している。
スラスト側12の半環状空間13は、燃焼行程において連通手段21を介してガス燃焼室20に連通し、これにより、半環状空間13にはガス燃焼室20からガス(高圧燃焼ガス)39が導入される。
このように、半環状空間13とガス燃焼室20とを連通させるタイミング、つまり、連通手段21による連通期間は、クランク角度において5度から35度が好適である。
尚、連通手段21により連通させるタイミングは、半環状空間13の往復動方向Xにおける幅寸法、連通手段21を構成する凹所の数、大きさやピストンリング5の厚さに応じて変化させてもよい。
内面31に設けられた凹所91、92及び93は、本例では、爆発行程(燃焼行程)において、往復動方向Xに関してピストン3がクランク角度で略5度から略35度に相当する位置に存在する場合に半環状空間13のみをガス燃焼室20に夫々連通させるようにスラスト側12に形成されている。凹所92は、往復動方向X及び軸方向Yに直交する方向でシリンダボア32の中心Dに対向するように配されており、凹所91及び93は、凹所92に対して夫々等しい間隔をもって配されている。
以上の連通手段21によれば、例えば、図1に示す燃焼行程において、ガス燃焼室20で燃焼されて発生した燃焼ガス39は、凹所91、92及び93を介して半環状空間13に満遍なく速やかに導入され得る。
本例のエンジン1の動作について説明すると、爆発行程において、図1に示すように、まず、ピストン3が上死点到達後であって上死点近傍に位置している際にガス燃焼室20の燃焼ガス39が凹所91、92及び93に夫々規定されるガス通路90を介して半環状空間13に導入される。
次に、区画部材18が半環状空間13に導入された燃焼ガス39に基づいて環状空間11を上述のようにして区画する結果、半環状空間13における燃焼ガス39のガス圧Pが高まり、斯かるガス圧Pによりピストン3にスラスト側12から反スラスト側14に向かう支持力を与えることでピストン3をスラスト側12においてガス圧支持する。
次に、ピストン3が図7に示すように往動により更に降下した場合には、連通手段21による連通が解除されて半環状空間13における燃焼ガス39のガス圧Pは保持され、このようにガス圧Pが保持された状態でピストン3は作用行程を降下する。ピストン3は、ピストン3に反スラスト側14からスラスト側12に向かう側圧に抗して半環状空間13におけるガス圧Pにより支持されており、従って、ピストン3にスラスト側12に向かう側圧が作用してもピストン3とシリンダ2の内面31との摩擦抵抗を軽減し得る。
以上のエンジン1は、連通手段21によりガス燃焼室20からスラスト側12の半環状空間13に導入されたガス39に基づいて、区画部材18をピストン3の円周方向Zに移動させると共にシリンダ2の内面31に接近させることにより、スラスト側12の半環状空間13を反スラスト側14の半環状空間15に対して閉じるようになっている。
以上のエンジン1によれば、シリンダ2内を往復動するピストン3と、ピストン3に設けられたピストンリング5及び6と、ピストンリング5及び6間における環状空間11をスラスト側12の半環状空間13及び反スラスト側14の半環状空間15に区画するようにピストン3の円周方向Zに移動自在であってシリンダ2の内面31に接近自在に、ピストン3のピストンリング5及び6間における窪み16に収容されていると共にピストンリング5及び6間に配された区画部材18と、スラスト側12の半環状空間13をガス燃焼室20に連通させる連通手段21とを具備しており、連通手段21によりガス燃焼室20からスラスト側12の半環状空間13に導入されたガス39に基づいて、区画部材18をピストン3の円周方向Zに移動させると共にシリンダ2の内面31に接近させてピストン3の窪み面10とシリンダ2の内面31とに接触させることにより、スラスト側12の半環状空間13を反スラスト側14の半環状空間15に対して閉じるようになっているために、区画部材18をシリンダ2の内面31に向かって移動させ得てシリンダ2の内面31及び案内面59に気密性をもって接触させることができる。
而して、エンジン1の運転中、特に、ピストン作用行程(燃焼行程)にスラスト側12の半環状空間13には、シリンダ2の内面31に形成した連通手段21から高圧のガス圧Pを導入させる一方、反スラスト側14の半環状空間15にはガス圧Pを生じさせない。このため、ピストン作用行程中には、スラスト側12の半環状空間13と反スラスト側14の半環状空間15とには圧力差が生じるが、スラスト側12の半環状空間13から反スラスト側14の半環状空間15へのガス漏れを低減させることができる。
従って、ピストン3は、スラスト側12の半環状空間13にガス圧Pを保持して作用行程を降下する。
エンジン1によれば、案内面59は、円柱状体61の中心Cからスラスト側12の半環状空間13におけるガス39のガス圧Pにより円柱状体61が移動されようとするB方向に向かって伸びる線71上に位置する円柱状体61の円周面62の反スラスト側14における部位72よりもシリンダ2の内面31から離反している円柱状体61の円周面62の反スラスト側14における部位73に接触するようになっているために、円柱状体61が案内面59に沿ってシリンダ2の内面31に向かって転動するように当該円柱状体61にA方向の回転モーメントを生じさせ得、而して、円柱状体61による環状空間11の区画をより確実に行い得る。
エンジン1によれば、リング溝9における底面22とこれに対応するピストンリング6の内周面23との隙間24を介するスラスト側12の半環状空間13と反スラスト側14の半環状空間15との連通を阻止するようにリング溝9に備えられている阻止部材25を具備しているために、阻止部材25によってリング溝9の溝底をつたってのガス39の漏洩を防ぎ得る。
尚、本例のエンジン1は、案内面59に代えて、円弧面を有している案内面を有していてもよく、また、例えば図8、図9、図13、図14及び図15に示すように、曲面を有している案内面101を有していてもよく、斯かる案内面101の曲面は、凹曲面や凸曲面であってもよい。また、エンジン1は、当接面60に代えて、円弧面を有している当接面を有していてもよく、また、例えば図8、図9及び図13に示すように、曲面を有している当接面102を有していてもよく、斯かる当接面102の曲面は、凹曲面や凸曲面であってもよい。円弧面を有している案内面及び当接面又は曲面を有している案内面101及び当接面102は、互いに協働してシリンダ2の内面31に対して凹となっている一つの凹面を構成するようになっていてもよい。
案内面101を有したエンジン1では、例えば、シリンダ2の内面31に最も近接している円柱状体61の近接部74及び円柱状体61の中心Cを通る線75と案内面101の一の部位103に接触する円柱状体61の円周面62の部位73aに対する接線76との図14に示す交差角θ1が、線75と案内面101の前記部位103よりも反スラスト側14に位置する他の部位104に接触する円柱状体61の円周面62の部位73bに対する接線76との図15に示す交差角θ1よりも大きくなるように形成されていてもよく、斯かる案内面101は、区画部材18が当接面102に当接し得るようにスラスト側12に配されている場合に部位103で区画部材18に接触する一方、区画部材18がシリンダ2の内面31に接触し得るように反スラスト側14に配されている場合に部位104で区画部材18に接触するようになっていてもよく、また、部位103及び104で区画部材18に同時的に接触するようになっていてもよい。このように構成された案内面101を有したエンジン1によれば、例えば、区画部材18のシリンダ2の内面31に向かう移動を確実に開始させ得ると共に区画部材18のシリンダ2の内面31に対する過度の圧接を防止することができ、区画部材18が案内面101とシリンダ2の内面31との間に挟み込まれる虞をなくし得る。
また、エンジン1は、区画部材18が案内面59に接触していると共に当接面60に当接している際に窪み面10及び区画部材18によって規定される空間65が形成される場合には、空間65とスラスト側12の半環状空間13とを連通させる連通路(図示せず)を規定する連通路規定面(図示せず)を更に有していてもよい。斯かる連通路を規定する連通路規定面を有している場合には、連通路を介して空間65にガス39を導入させることにより、当接面60と区画部材18とが当接している場合においても、半環状空間13におけるガス39を受圧する区画部材18の受圧面積が前記当接によって狭められることなく、広い受圧面積をもって受圧することができ、而して、半環状空間13及び空間65におけるガス39に基づいて区画部材18をシリンダ2の内面31に向かって好適に移動させ得る。
更に、エンジン1は、区画部材18に代えて、例えば図8及び図9に示すように、環状空間11を区画することができるように配された楕円柱状体111からなる区画部材113を具備していてもよく、区画部材18に代えて、例えば図10から図12に示すように、環状空間11を区画することができるように配された三角柱状体112からなる区画部材114を具備していてもよく、区画部材18に代えて、環状空間11を区画することができるように配された四角柱状体からなる区画部材を具備していてもよく、また、区画部材18に代えて、環状空間11を区画することができるように配された多角形柱状体からなる区画部材を具備していてもよい。エンジン1は、楕円柱状体111からなる区画部材113を具備している場合には、例えば、案内面59及び当接面60に代えて、互いに協働してシリンダ2の内面31に対して凹となっている一つの凹面を構成している案内面101及び当接面102を具備していてもよい。エンジン1は、三角柱状体112からなる区画部材114を具備している場合には、三角柱状体112のシリンダ2の内面31に対面する面115は、シリンダ2の内面31と同等の曲率又はシリンダ2の内面31よりも小さい曲率を有していてもよい。三角柱状体112は、図12に示すように、シリンダ2の内面31に対面している面115と面115に連接していると共に案内面59に対面している面116とで案内面59に接触することにより環状空間11を区画するようになっていてもよく、また、図11に示すように、面115と面115及び116に連接していると共に当接面60に対面している面117とで当接面60に当接することにより環状空間11を区画するようになっていてもよい。エンジン1が三角柱状体112からなる区画部材114、四角柱状体からなる区画部材又は多角形柱状体からなる区画部材を具備している場合には、三角柱状体112、四角柱状体又は多角形柱状体の少なくとも一つの面(側面)は、凹曲面や凸曲面を有した曲面からなっていてもよく、また三角柱状体112、四角柱状体又は多角形柱状体のシリンダ2の内面31に対面する面は、内面31に面接触し得るように当該内面31に対応する曲面からなっていてもよい。
更にまた、エンジン1は、阻止部材25に代えて又は加えて、リング溝8に備えられていると共に阻止部材25と同様に構成された阻止部材を具備していてもよい。
以上のように、本発明における往復動エンジンの一つの実施の形態をエンジン(4サイクルガソリンエンジン)1により説明したが、本発明は、斯かるエンジン1に限定されず、例えば図16から図19に示すように、エンジン1とほぼ同様の構成、特に、窪み16を画する窪み面10を有したピストン3、ピストンリング5及び6、リング溝8及び9、区画部材18、連通手段21並びに阻止部材25と同様の構成を具備した4サイクルディーゼルエンジン200によっても好適に動作するように具体化され得る。4サイクルディーゼルエンジン200の上記各構成は、エンジン1における各構成と同様に適宜設計変更を行い得る。

Claims (34)

  1. シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンに設けられた第一及び第二のピストンリングと、第一及び第二のピストンリング間における環状空間をスラスト側の半環状空間及び反スラスト側の半環状空間に区画するようにピストンの円周方向に移動自在であってシリンダの内面に接近自在に、ピストンの第一及び第二のピストンリング間における窪みに収容されていると共に第一及び第二のピストンリング間に配された区画部材と、スラスト側の半環状空間をガス燃焼室に連通させる連通手段とを具備しており、連通手段によりガス燃焼室からスラスト側の半環状空間に導入されたガスに基づいて、区画部材をピストンの円周方向に移動させると共にシリンダの内面に接近させてピストンの窪み面とシリンダの内面とに接触させることにより、スラスト側の半環状空間を反スラスト側の半環状空間に対して閉じるようになっている往復動エンジン。
  2. 窪み面は、連通手段によりガス燃焼室からスラスト側の半環状空間に導入されたガスに基づいて区画部材が移動される場合には、区画部材をシリンダの内面に向かわせるように案内する案内面を有している請求の範囲1に記載の往復動エンジン。
  3. 区画部材は、案内面とシリンダの内面とに接触して環状空間を区画するようになっている請求の範囲2に記載の往復動エンジン。
  4. 窪み面は、案内面よりもスラスト側で区画部材に当接する当接面を有している請求の範囲2又は3に記載の往復動エンジン。
  5. 案内面及び当接面は、互いに協働して断面略V状のV面を構成している請求の範囲4に記載の往復動エンジン。
  6. 案内面及び当接面は、互いに協働してシリンダの内面に対して凹となっている凹面を構成している請求の範囲4に記載の往復動エンジン。
  7. ピストンピンの軸方向において互いに対向している一対の区画部材を具備している請求の範囲1から6のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  8. 窪み面は、直線面を有している請求の範囲1から7のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  9. 窪み面は、平坦面を有している請求の範囲1から7のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  10. 窪み面は、円弧面を有している請求の範囲1から7のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  11. 窪み面は、曲面を有している請求の範囲1から7のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  12. 窪み面は、凹曲面又は凸曲面を有している請求の範囲11に記載の往復動エンジン。
  13. 区画部材は、そのスラスト側の面からガス圧を受けることによりシリンダの内面に向かう移動力を生じるようになっている請求の範囲1から12のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  14. 区画部材は、窪み面に転がり接触するようになっている請求の範囲1から13のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  15. 区画部材は、窪み面に滑り接触するようになっている請求の範囲1から13のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  16. 区画部材の往復動方向における両端部は、第一及び第二のピストンリングに滑り接触している請求の範囲1から15のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  17. 区画部材は、楕円柱状体からなる請求の範囲1から16のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  18. 区画部材は、多角形柱状体からなる請求の範囲1から16のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  19. 区画部材は、四角柱状体からなる請求の範囲1から16のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  20. 区画部材は、三角柱状体からなる請求の範囲1から16のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  21. 三角柱状体は、シリンダの内面に対面している第一の面と第一の面に連接していると共に案内面に対面している第二の面とでシリンダの内面及び案内面に接触することにより環状空間を区画するようになっている請求の範囲4から6のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  22. 三角柱状体は、第一の面と第一及び第二の面に連接していると共に当接面に対面している第三の面とでシリンダの内面及び当接面に接触することにより環状空間を区画するようになっている請求の範囲21に記載の往復動エンジン。
  23. 三角柱状体のシリンダの内面に対面する面は、シリンダの内面と同等の曲率又はシリンダの内面よりも小さい曲率を有している請求の範囲20から22のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  24. 区画部材は、円柱状体からなる請求の範囲1から16のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  25. 窪み面は、円柱状体の中心からスラスト側の半環状空間におけるガス圧により円柱状体が移動されようとする方向に向かって伸びる線上に位置する円柱状体の円周面の反スラスト側における部位よりもシリンダの内面から離反している円柱状体の円周面の反スラスト側における部位に接触するようになっている請求の範囲24に記載の往復動エンジン。
  26. シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面に反スラスト側で接触している円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角は、60度以下である請求の範囲24又は25に記載の往復動エンジン。
  27. シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面に反スラスト側で接触している円柱状体の円周面の部位に対する接線の交差角は、45度以下である請求の範囲24から26のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  28. 窪み面は、シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面の反スラスト側における一の部位に接触する円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角が、シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面の前記一の部位よりも更に反スラスト側に位置する他の部位に接触する円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角よりも大きくなるように形成されている請求の範囲24又は25に記載の往復動エンジン。
  29. シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面にスラスト側で接触している円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角は、45度以上である請求の範囲24から28のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  30. シリンダの内面に最も近接している円柱状体の近接部及び円柱状体の中心を通る線と窪み面にスラスト側で接触している円柱状体の円周面の部位に対する接線との交差角は、50度以上である請求の範囲24から29のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  31. 区画部材と窪み面とによって規定される空間が形成される場合には、当該空間とスラスト側の半環状空間とを連通させる連通路を規定する連通路規定面を有している請求の範囲1から30のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  32. 第二のピストンリングが配されるようにピストンに設けられた第二のリング溝と、第二のリング溝における底面とこれに対応する第二のピストンリングの内周面との隙間を介するスラスト側の半環状空間と反スラスト側の半環状空間との連通を阻止するように第二のリング溝に備えられている阻止部材とを具備している請求の範囲1から31のいずれか一つに記載の往復動エンジン。
  33. シリンダ内を往復動するピストンと、ピストンに設けられた第一及び第二のピストンリングと、第一及び第二のピストンリングが夫々配されるようにピストンに設けられた第一及び第二のリング溝と、第一及び第二のピストンリング間における環状空間をスラスト側の半環状空間及び反スラスト側の半環状空間に区画するように第一及び第二のピストンリング間に配された区画部材と、スラスト側の半環状空間をガス燃焼室に連通させる連通手段と、第二のリング溝における底面とこれに対応する第二のピストンリングの内周面との隙間を介するスラスト側の半環状空間と反スラスト側の半環状空間との連通を阻止するように第二のリング溝に備えられている弾性を有した波状の阻止部材とを具備している往復動エンジン。
  34. 阻止部材は、第二のピストンリングの内周面と第二のリング溝における底面とに弾性をもって面接触するようになっている請求の範囲32又は33に記載の往復動エンジン。
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