JPWO2005070945A1 - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(mrsa)に有効な新規アミノグリコシド系抗生物質 - Google Patents

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(mrsa)に有効な新規アミノグリコシド系抗生物質 Download PDF

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Abstract

肺炎、敗血症等の重症感染症の起因菌、特にMRSAに対して優れた抗菌活性を有する、一般式(I)等で表される化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物およびこれらの化合物を含んでなる抗菌剤、並びにこれらの化合物を有効成分とする医薬組成物が開示されている。【化1】

Description

関連出願の参照
本特許出願は、先に出願された日本国における特許出願である特願2004−13642号(出願日:2004年1月21日)に基づく優先権の主張を伴うものである。先の特許出願の明細書の記載は、引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
発明の背景
発明の分野
本発明は、臨床上における重篤な感染症の起因菌、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に有効な新規アミノグリコシド系抗生物質に関する。
背景技術
近年、MRSAは、院内感染により急速に伝播し、臨床上において重篤な感染症の起因菌として問題になっており、その治療剤の検討がなされている。
例えば、The Journal of Antibiotics、24巻、1971年、485頁には、アミノグリコシド抗生物質カナマイシンについて種々の誘導体が合成され、それらのカナマイシン誘導体の中から3’, 4’−デオキシカナマイシンB(ジベカシン)が見い出されたことが開示されており、ジベカシンは1975年以来耐性菌に有効な化学療法剤として広く使用されている。
また、The Journal of Antibiotics、26巻、1973年、412頁には、ジベカシンの1位のアミノ基が、アミノヒドロキシブチリル酸(HABA)でアシル化された(S)−1−N−(4−アミノ−2−ヒドロキシブチロイル)ジベカシン(アルベカシン)が開示されており、アルベカシンは1990年末よりMRSA感染症の特効薬として使用されている。
また、日本化学療法学会雑誌、50巻、2002年、494頁には、アルベカシンはMRSA感染症治療薬として使用され始めてから10年以上が経過するが、アルベカシンに対して軽度耐性のMRSAは認められているものの、依然として高度耐性菌は臨床上にほとんど出現していないことが開示されている。
また、特許第3215759号公報には、アルベカシンの5位置換誘導体として、5−置換−2”−デオキシ−2”−アミノ誘導体が、耐性菌に有効な化合物として開示されている。
また、米国特許第4000261号公報および米国特許第4000262号公報には、アミノグリコシド系抗生物質の5位水酸基の立体配置を反転させた、5−エピ誘導体が開示されている。しかしながら、これらの公報には、5−エピ誘導体の抗MRSA活性については、示唆も開示もされていない。
また、特公昭63−10719号公報には、種々の耐性菌に有効な抗菌剤活性を有する1−N−(L-4−アミノー2−ヒドロキシブチリル)−3’,4’−ジデオキシカナマイシンBの製造方法が開示されている。
また、The Journal of Antibiotics(1981), 34(12), 1635-40には、5−デオキシアルベカシンの化学的修飾方法が開示されており、さらに、5−デオキシアルベカシン等が開示されている。
また、Carbohydrate Research276(1995), 75-89には、5−デオキシ−5−エピフルオロアルベカシン等の製造方法および抗菌活性が開示されている。
また、The Journal of Antibiotics(1998), 51(8), 735-42には、3”−N−アセチルアルベカシン等の製造方法および抗菌活性が開示されている。
また、The Journal of Antibiotics(1975), 28(4), 340-343には、3’,4’−ジデオキシ−6’−N−メチル−カナマイシンBの1−アシル化誘導体の製造方法およびその抗菌活性が開示されている。
発明の概要
本発明者らは、今般、アミノグリコシド抗生物質、特にアルベカシン誘導体において、アルベカシンの5位の立体配置を反転し、種々の置換基を導入した構造を特徴とする化合物群を見い出し、さらに、この化合物群が感染症の起因菌、特にMRSAに対して顕著な抗菌活性を有することを見い出した。さらに本発明者らは、アルベカシンの5位に二つの置換基を導入した構造を特徴とする化合物群を見い出し、さらに、この化合物群が感染症の起因菌、特にMRSAに対して顕著な抗菌活性を有することを見い出した。さらに本発明者らは、アルベカシンの6’位、3”位、4”位、6”位について誘導化した化合物群を見い出し、さらに、この化合物群が感染症の起因菌、特にMRSAに対して顕著な抗菌活性を有することを見い出した。本発明は、これらの知見に基づくものである。
したがって、本発明は、重篤な感染症の起因菌、とりわけ、MRSAに対して顕著な抗菌活性を有する新規アミノグリコシド系抗生物質の提供をその目的としている。
そして、本発明の第一の態様による化合物は、一般式(I)で表される化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
Figure 2005070945
〔式中、
R4”aおよびR4”bは、同一または異なって、水素原子または水酸基を表し、
R5aは、ハロゲン原子、
水酸基、
アミノ基、
アジド基、
1-6アルカノイルオキシ基、
1-6アルキルスルホニルオキシ基、
1-6アルカノイルアミノ基、
アリールカルボニルアミノ基、
ジ−C1-6アルキルアミノ基、または
1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、
R6”aはC1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、ハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよい)を表し、
R6’aおよびR6’bは、同一または異なって、水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
R3”a は水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
点線は単結合または二重結合を表し、
mは0〜2の整数を表し、
Xは水素原子または水酸基を表し、
nは1〜3の整数を表し、
*はRまたはS配置を表し、
ここで、R4”aが水素原子であり、R4”bが水酸基であり、点線が単結合の場合は、R5aがフッ素原子以外の前述の基を表し、R3"aが水素原子であり、R4”aが水素原子であり、R4”bが水酸基であり、R6”aがヒドロキシメチル基であり、R6'aおよびR6'bがともに水素原子であり、Xが水素原子であり、かつ、点線が単結合である場合は、R5aが水酸基、アミノ基、アジド基以外の前述の基を表す〕
であるものである。
さらに、本発明の第一の態様による抗菌剤は、本発明の第一の態様による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなるものである。
さらに、本発明の第一の態様による抗MRSA剤は、一般式(Ia):
Figure 2005070945
〔式中、
R4”aおよびR4” bは、同一または異なって、水素原子または水酸基を表し、
R5aは、ハロゲン原子、
水酸基、
アミノ基、
アジド基、
1-6アルカノイルオキシ基、
1-6アルキルスルホニルオキシ基、
1-6アルカノイルアミノ基、
アリールカルボニルアミノ基、
ジ−C1-6アルキルアミノ基、または
1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、
R6”aは、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、ハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよい)を表し、
R6’aおよびR6’bは、同一または異なって、水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
R3”a は水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
点線は、単結合または二重結合を表し、
mは0〜2の整数を表し、
Xは水素原子または水酸基を表し、
nは1〜3の整数を表し、
*はRまたはS配置を表し、ここで、R4”aが水素原子であり、R4”bが水酸基であり、点線が単結合の場合は、R5aがフッ素原子以外の前述の基を表す〕
で表される化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物
を含んでなるものである。
また、本発明の第二の態様による化合物は、一般式(II)で表される化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
Figure 2005070945
〔式中、
R5CはC1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、C1-6アルコキシ基で置換されていてもよい)、
2-6アルケニル基、または
アミノC1-6アルキル基(このアミノ基の1以上の水素原子は、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基、またはヘテロアリール基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)を表し、
nは1〜3の整数を表す〕である。
さらに、本発明の第二の態様による抗菌剤は、本発明の第二の態様による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなるものである。
さらに、本発明の第二の態様による抗MRSA剤は、本発明の第二の態様による化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなるものである。
また、本発明の第三の態様による化合物は、一般式(III)で表される化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
Figure 2005070945
〔式中、
R4”cは水素原子または水酸基を表し、
R4”dは水素原子または水酸基を表し(ただし、R4”cが水酸基の場合はR4”dは水素原子を表す)、
R6”cは、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、アミノ基またはアジド基により置換されていてもよい)、または下記の基:
Figure 2005070945
(ここで、R6”dおよびR6”eは同一若しくは異なって、水素原子またはアミノC1-6アルキル基を表し、あるいはR6”dとR6”eとは一緒になってヘテロ原子を1−4個含む6員環基を形成してもよく、Yは水素原子または水酸基を表し、pは0または1の整数を表す)
を表し、
R3”c およびR3”dは、同一または異なって、
水素原子、
1-10アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、アリール基(水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい)、
ホルムイミドイル基、または
アミジノ基を表し、
R6’cおよびR6’dは、同一または異なって、
水素原子、
アミノC1-6アルキル基、
ホルムイミドイル基、
アミジノ基、または
ベンジル基(水酸基で置換されていてもよい)を表し、
rは0−2の整数を表し、
Jは水素原子または水酸基を表し、
sは1−3の整数を表し、
*はRまたはS配置を表すが、ただし、R4”c、R3”c、R3”d、R6’c、およびR6’dがともに水素原子を表し、R4”dが水酸基を表し、R6”cがヒドロキシメチル基を表し、rが0を表し、Xが水素原子を表し、sが2である化合物を除く〕である。
さらに、本発明の第三の態様による抗菌剤は、本発明の第三の態様による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなるものである。
さらに、本発明の第三の態様による抗MRSA剤は、本発明の第三の態様による化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなるものである。
本発明によれば、臨床上わずかではあるが認められているアルベカシン耐性菌に対しても優れた抗菌活性を有する、新規アミノグリコシド系抗生物質を提供することが可能となる。また、本発明による新規アミノグリコシド系抗生物質は、大腸菌および緑膿菌等の感染症の起因菌に対しても顕著な抗菌活性を有するものである。
発明の具体的説明
本明細書において、特に断らない限り、基または基の一部としての「アルキル」、「アルコキシ」、または「アルケニル」という語は、基が直鎖状、分枝鎖状、または環状のアルキル、アルコキシまたはアルケニルを意味する。また、特に断らない限り、「アリール」とは、フェニルまたはナフチルを意味し、「ヘテロアリール」という語は、特に断らない限り、1−3個の窒素、酸素若しくは硫黄原子を含む5−6員ヘテロアリール(5−6員環芳香族複素環基)を意味する。
5−エピアルベカシン類縁体
本発明の第一の態様において、R5aで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を挙げることができ、フッ素原子または塩素原子がより好ましい。
本発明の第一の態様において、R5aで表されるC1-6アルカノイルオキシ基は、好ましくは、C1-3アルカノイルオキシ基であり、その具体例としては、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ等を挙げることができ、より好ましくはアセチルオキシ基である。
本発明の第一の態様において、R5aで表されるC1-6アルキルスルホニルオキシ基は、好ましくはC1-3アルキルスルホニルオキシ基であり、その具体例としては、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、イソプロピルスルホニルオキシ基、ブチルスルホニルオキシ基等を挙げることができ、より好ましくはメチルスルホニルオキシ基である。
本発明の第一の態様において、R5aで表されるC1-6アルカノイルアミノ基は、好ましくはC1-3アルカノイルアミノ基であり、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ等を挙げることができ、より好ましくはアセチルアミノ基である。
本発明の第一の態様において、R5aで表されるアリールカルボニルアミノ基は、好ましくはC6-10アリール−カルボニルアミノ基であり、その具体例としては、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等の等を挙げることができ、より好ましくはフェニルカルボニルアミノ基である。
本発明の第一の態様において、R5aで表されるジ−C1-6アルキルアミノ基は、好ましくはジ−C1-3アルキルアミノ基であり、その具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等を挙げることができ、より好ましくはジメチルアミノ基である。
本発明の第一の態様において、R5aで表されるC1-6アルキルアミノ基は、好ましくはC1-3アルキルアミノ基であり、その具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等を挙げることができ、より好ましくはメチルアミノ基である。
さらに、R5aで表されるC1-6アルキルアミノ基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよく、置換されたアルキルアミノ基の具体例としては、ヒドロキシメチルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、3−ヒドロキシプロピルアミノ基、ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、アリルアミノ基、アミノメチルアミノ基、(2−アミノエチル)アミノ基、(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル)アミノ基等を挙げることができる。
本発明の第一の態様において、R6”aで表されるC1-6アルキル基は、好ましくはC1-3アルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2-メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル等の直鎖若しくは分岐鎖C1-6アルキル基を挙げることができ、より好ましくは、メチル基またはエチル基である。
さらに、R6”aで表されるC1-6アルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、ハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよく、置換されたアルキル基の具体例としては、2−アミノ−1−ヒドロキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、フルオロメチル基等を挙げることができる。
本発明の第一の態様において、R6’a 、R6’bおよびR3"aで表されるC1-6アルキル基は、好ましくはC1-3アルキル基である。
本発明の好ましい態様によれば、好ましい式(I)で表される化合物として、
R5aが、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アジド基、C1-3アルカノイルオキシ基、C1-3アルキルスルホニルオキシ基、C1-3アルカノイルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基、ジ−C1-3アルキルアミノ基、または
1-3アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)であり、
R6”aが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、ハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよい)であり、
R6’aおよびR6’bが、同一または異なって、水素原子またはC1-3アルキル基であり、
R3”a が水素原子またはC1-3アルキル基であるものが挙げられる。
本発明の別の好ましい態様によれば、好ましい式(I)で表される化合物として、
R4”aが水素原子または水酸基であり、
R4” bが水素原子であり、
R6”aがヒドロキシメチル基であり、
R6’aおよびR6’bのいずれか一方が水素原子であり、
点線が単結合であり、
mが0であり、
Xが水素原子であり、
nが1〜3の整数であるものが挙げられる。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、好ましい式(I)で表される化合物として、
R5aが塩素原子、水酸基、アミノ基、アジド基、C1-6アルカノイルオキシ基、C1-6アルキルスルホニルオキシ基、C1-6アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、ジ−C1-6アルキルアミノ基、またはC1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)であり、
R6”aがヒドロキシメチル基であり、
R6’aおよびR6’bのいずれか一方が水素原子であり、
点線が単結合であり、
mが0であり、
Xが水素原子であり、
nが2であるものが挙げられる。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、好ましい式(I)で表される化合物として、
R6”aが、ヒドロキシメチル基またはフルオロメチル基であり、
R6’aおよびR6’bがともに水素原子であり、
R3”a が水素原子であり、
点線が二重結合であり、
mは0であり、
Xが水素原子であり、
nが1若しくは2であるものが挙げられる。
5位2置換アルベカシン類縁体
本発明の第二の態様によれば、R5cで表されるC1-6アルキル基は、好ましくは、C1-3アルキル基である。
さらに、R5cで表されるC1-6アルキル基(好ましくはC1-3アルキル基)の1以上の水素原子は、C1-6アルコキシ基、好ましくはC1-3アルコキシ基で置換されていてもよく、置換されたアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基等を挙げることができ、より好ましくはメトキシメチル基である。
本発明の第二の態様において、R5cで表されるC2-6アルケニル基は、好ましくはC2-4アルケニル基であり、その具体例としては、ビニル、2−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−エチル−2−プロペニル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル等を挙げることができる。
本発明の第二の態様において、R5cで表されるアミノC1-6アルキル基は、好ましくはアミノC1-3アルキル基であり、その具体例としては、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基等を挙げることができ、より好ましくはアミノメチル基である。
さらに、R5cで表されるアミノC1-6アルキル基(好ましくはアミノC1-3アルキル基)におけるアミノ基の1以上の水素原子は、C1-6アルキル基、好ましくはC1-3アルキル基で置換されていてもよく、より好ましくはメチルアミノメチル基である。
さらに、R5cで表されるアミノC1-6アルキル基(好ましくはアミノC1-3アルキル基)におけるアミノ基の1以上の水素原子の置換基であるC1-6アルキル基(好ましくはC1-3アルキル基)の1以上の水素原子は、アミノ基、水酸基、またはヘテロアリール基(好ましくは、ピロリル基またはピリジル基)で置換されていてもよく、このようなR5cとしては、例えば、(2−アミノエチル)アミノメチル基、(3−アミノプロピル)アミノメチル基、(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノメチル基、(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル基、アリルアミノメチル基、(2−ピリジルメチル)アミノ基等を挙げることができ、より好ましくは、(2−アミノエチル)アミノメチル基、(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノメチル基、(2−ヒドロキシエチル)アミノメチル基、(2−ピリジルメチル)アミノ基等が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、好ましい式(II)で表される化合物として、R5Cが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、C1-6アルコキシ基で置換されていてもよい)、C2-4アルケニル基、またはアミノC1-3アルキル基(このアミノ基の1以上の水素原子は、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基、ヘテロアリール基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)であるものが挙げられる。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、好ましい式(II)で表される化合物として、R5Cが、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、C1-3アルコキシ基で置換されていてもよい)、C2-6アルケニル基、またはアミノC1-6アルキル基(このアミノ基の1以上の水素原子は、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基、ピロリル基またはピリジル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)であるものが挙げられる。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、好ましい式(II)で表される化合物として、R5Cが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、C1-3アルコキシ基で置換されていてもよい)、C2-4アルケニル基、またはアミノC1-3アルキル基(このアミノ基の1以上の水素原子は、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基、ピロリル基またはピリジル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)であるものが挙げられる。
6’位、3”位、4”位、6”位について誘導化したアルベカシン誘導体
本発明の第三の態様において、R6"cで表されるC1-6アルキル基は、好ましくは、C1-3アルキル基である。
ここで、R6"cで表される上記C1-6アルキル基(好ましくは、C1-3アルキル基)の1以上の水素原子は、水酸基、アミノ基、またはアジド基により置換されていてもよく、置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アジドメチル基、アジドエチル基等を挙げることができ、より好ましくはヒドロキシメチル基、アミノメチル基、アジドメチル基である。
本発明の第三の態様において、R6"dおよびR6"eで表されるアミノC1-6アルキル基は、好ましくはアミノC1-3アルキル基であり、より好ましくはアミノエチル基である。
本発明の第三の態様において、R6"dおよびR6"eが一緒になって形成するヘテロ原子を1−4個含む6員環基としては、NおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含んでなる6員複素飽和環が挙げられ、具体例としては、モルホリニル基、ピペラジル基、ピペリジル基が挙げられ、好ましくはモルホリニル基である。
本発明の第三の態様において、R3”c およびR3”dで表されるC1-10アルキル基は、好ましくはC1-6アルキル基であり、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2-メチルブチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基等の直鎖若しくは分岐鎖C1-10アルキル基等を挙げることができ、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられ、特に好ましくはメチル基またはエチル基である。
ここで、R3”c およびR3”dで表されるC1-10アルキル基(好ましくは、C1-6アルキル基)の1以上の水素原子は、水酸基またはアリール基(水酸基もしくはアミノ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよく、置換されたアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基、フェネチル基、(m−ヒドロキシ)ベンジル基、(p−ヒドロキシ)ベンジル基、(m−アミノ)ベンジル基等を挙げることができ、好ましくはヒドロキシエチル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基、フェネチル基、(m−ヒドロキシ)ベンジル基、(p−ヒドロキシ)ベンジル基、(m−アミノ)ベンジル基である。
本発明の第三の態様において、R6’cおよびR6’dで表されるアミノC1-6アルキル基は、好ましくはアミノC1-3アルキル基であり、より好ましくはアミノエチル基である。
本発明の第三の態様において、R6’cおよびR6’dで表されるベンジル基(水酸基で置換されていてもよい)は、具体例として、(o−ヒドロキシ)ベンジル基、(m−ヒドロキシ)ベンジル基(p−ヒドロキシ)ベンジル基が挙げられ、好ましくは(o−ヒドロキシ)ベンジル基である。
また、本発明の好ましい態様によれば、好ましい式(III)で表される化合物として、R6”cが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、アミノ基またはアジド基により置換されていてもよい)、または下記の基:
Figure 2005070945
(ここで、R6”dおよびR6”eは、同一または異なって、水素原子またはアミノC1-3アルキル基を表し、あるいはR6”dとR6”eとは一緒になってヘテロ原子を1−4個含む6員環基を形成してもよく、Yは水素原子または水酸基を表し、pは0または1の整数を表す)
であり、
R3”c およびR3”dは、同一または異なって、
水素原子、
1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基(水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい)、ナフチル基(水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)、
ホルムイミドイル基、または
アミジノ基であり、
R6’c、R6’dは同一または異なって、
水素原子、
アミノC1-3アルキル基、
ホルムイミドイル基、
アミジノ基、または
ベンジル基(水酸基で置換されていてもよい)
であるものが挙げられる。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、好ましい式(III)で表される化合物として、R4”cが水素原子であり、R4”dが水酸基であり、R6’cおよびR6’dがともに水素原子であり、R3”cおよびR3”dがともに水素原子であり、rが0であり、Jが水素原子であり、sが2であるものが挙げられる。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、好ましい式(III)で表される化合物として、R4”cが水素原子であり、R4”dが水酸基であり、R6’cおよびR6’dがともに水素原子であり、R6”cがヒドロキシメチル基であり、R3”cおよびR3”dのいずれか一方が水素原子であり、rが0であり、Jが水素原子であり、sが2であるものが挙げられる。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、好ましい式(III)で表される化合物として、R4”cが水素原子であり、R4”dが水酸基であり、R6”cがヒドロキシメチル基であり、R3”c およびR3”dがともに水素原子であり、sが2であるものが挙げられる。
また、本発明によれば、 5,4”−ジエピアルベカシン、5−デオキシ−4”−エピ−5−エピフルオロアルベカシン、5−デオキシ−4”−エピ−5−エピクロロアルベカシン、5−デオキシ−4”−エピ−5−エピアミノアルベカシン、4”−デオキシ−5−エピアルベカシン、1−N−[(S)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−5,4”−ジエピジベカシン、5,4”−ジエピ−3”−N−メチルアルベカシン、5,4”−ジエピ−6’−N−メチルアルベカシン、5−エピアルベカシン、5−デオキシ−5−エピクロロアルベカシン、5−デオキシ−5−エピアミノアルベカシン、5−デオキシ−5−エピ(2−アミノエチル)アミノアルベカシン、5−エピ−3”−N−メチルアルベカシン、6”−アミノメチル−5−エピアルベカシン、3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアルベカシン、5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピフルオロアルベカシン、5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアミノアルベカシン、1−N−[(S)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピジベカシン、3’,4’−ジデヒドロ−5,4”−ジエピアルベカシン、5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−4”−エピ−5−エピフルオロアルベカシン、5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−4”−エピ−5−エピアミノアルベカシン、4”−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアルベカシン、6”−アミノメチルアルベカシンが提供される。
製造方法
本発明第一の態様による化合物は、以下のA〜Qの方法に従って製造することができる。
A法
A法は、化合物(A1)の5位アキシアルに置換基R5aを導入し、次いで4”位アキシアルに置換基R4”aを導入することにより、一般式(A9)で表される化合物を製造する方法であり、その工程は以下に示される通りである。出発原料である式(A1)で表される化合物は特開昭49−62442、特開昭55−81897、特開昭55−164696、特公昭63−10719に記載された方法で製造することができる。
Figure 2005070945
第A1工程
第A1工程は、式(A1)の化合物の5個のアミノ基に保護基(A)を導入し、一般式(A2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基存在下、式(A1)の化合物とAOあるいはACl(ここでAはtert−ブトキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Z基)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基を表す)を反応させることにより達成される。
A1工程で使用される溶媒としては、水、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびこれらの混合溶剤が挙げられ、好ましくは水とN,N−ジメチルホルムアミドとの混合溶剤である。使用される塩基としては水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンを挙げることができ、好ましくはトリエチルアミンである。反応温度は0℃〜40℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
第A2工程
第A2工程は、一般式(A2)で表される化合物の4”位、6”位水酸基に保護基を導入し、一般式(A3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、酸存在下、一般式(A2)で表される化合物とECOあるいはEC(OMe)(ここでEは水素原子、メチル基、フェニル基あるいはECとしてシクロヘキシル基を表す)を反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される酸としてはp−トルエンスルホン酸、ピリジニウム p−トルエンスルホネート、カンファースルホン酸、塩酸などが挙げられ、好ましくは、p−トルエンスルホン酸である。反応温度は20℃〜50℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第A3工程
第A3工程は、一般式(A3)で表される化合物の2”位、2’’’位水酸基に保護基を導入し、一般式(A4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(A3)で表される化合物とBOあるいはBCl(Bとしてはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としてはピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタンなどが挙げられ、好ましくはピリジンである。使用される塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくはピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第A4工程
第A4工程は、一般式(A4)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより、一般式(A5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(A4)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ、5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここで、R5aは、アセトキシ基、アジド基、クロル原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第A5工程
第A5工程は、一般式(A5)で表される化合物の4”位、6”位の保護基を除去する工程である。この工程は、一般式(A5)で表される化合物を、酸と反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、メタノール、塩化メチレン、クロロホルム、水およびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは塩化メチレンとメタノールの混合溶媒である。使用される酸としては酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、三塩化ホウ素などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は0.1〜8時間である。
一般式(A5)で表される化合物の置換基ECの1方が水素原子でもう1方がフェニル基である場合には、水素および接触水素還元触媒と反応させることによっても保護基を除去することができる。使用される接触水素還元触媒としては、パラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などを挙げることができ、好ましくは、パラジウム-炭素溶媒である。使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくはメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、またはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第A6工程
第A6工程は、一般式(A6)で表される化合物の6”位水酸基に保護基を導入し、一般式(A7)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(A6)で表される化合物とR13Cl(R13は、トリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ベンゾイル基を表す)とを反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基導入工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、アセトニトリル、ピリジンなどが挙げられ、好ましくはピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくはピリジンである。反応温度は20℃〜80℃で行われる。反応時間は通常2〜10時間である。
シリル基導入工程で使用される溶媒としては、好ましくは塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジンなどである。塩基としては4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
ベンゾイル基導入工程で使用される溶媒としては、好ましくはアセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどである。塩基としては好ましくはトリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。この工程では、ベンゾイル化の試薬としてベンゾイルクロリドの他に無水安息香酸、ベンゾイルシアニドあるいは安息香酸、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、トリフェニルホスフィンの組み合わせなどを用いることができる。
第A7工程
第A7工程は、一般式(A7)で表される化合物の4”位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(A8)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(A7)で表される化合物とトリフルオロメタンスルホニルクロリドあるいはトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させ、4”位にトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR4”aM(ここで、R4”aは、C1−6アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウムを表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基を導入する工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは塩化メチレンである。使用される塩基としては、ピリジン、ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくはピリジンである。反応温度は−30℃〜20℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜50度で行われる。反応時間は1〜6時間である。
第A8工程
第A8工程は、一般式(A8)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(A9)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(A8)で表される化合物と塩基とを反応させて6”位を除く水酸基の保護基を除去し、次いで得られた化合物を酸と反応させてアミノ基および6”位水酸基の保護基を除去することにより達成される。
6”位を除く水酸基の保護基を除去する工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくはメタノールと塩化メチレンの混合溶剤である。使用される塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜8時間で行われる。
アミノ基および6”位水酸基の保護基を除去する工程で使用される溶媒としては、酢酸エチル、塩化メチレン、アセトニトリル、アセトン、水などが挙げられ、好ましくは、水である。使用される酸としてはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。一般式(A8)で表される化合物の保護基Aが、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基であり、かつ、点線が単結合を表す場合には、水素および接触水素還元触媒と反応させることによっても保護基を除去することができる。使用される接触水素還元触媒としてはパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などを挙げることができ、好ましくは、パラジウム-炭素である。溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
B法
B法は、一般式(B1)で表される化合物の4”位アキシアルに置換基R4”aを導入し、次いで5位アキシアルに置換基R5aを導入することにより、一般式(B6)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(B1)で表される化合物は前述のA法の第A1〜A3工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第B1工程
第B1工程は、一般式(B1)で表される化合物の4”位、6”位の保護基を除去する工程である。この工程は、一般式(B1)で表される化合物と、酸とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、メタノール、塩化メチレン、クロロホルム、水およびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、塩化メチレンとメタノールの混合溶媒である。使用される酸としては酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、三塩化ホウ素などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は0.1〜8時間である。
一般式(B1)の化合物の置換基ECの1方が水素原子でもう1方がフェニル基である場合には水素および接触水素還元触媒と反応させることによっても保護基を除去することができる。使用される接触水素還元触媒としては、パラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などを挙げられ、好ましくは、パラジウム-炭素である。使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第B2工程
第B2工程は、一般式(B2)で表される化合物の6”位水酸基に保護基を導入する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(B2)で表される化合物とR13Cl(R13はトリフェニルメチル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ベンゾイル基を表す)とを反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基導入工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、アセトニトリル、ピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は20℃〜80℃で行われる。反応時間は通常2〜10時間である。
シリル基導入工程で使用される溶媒としては、好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジンなどである。塩基としては4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
ベンゾイル基導入工程で使用される溶媒としては、好ましくは、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなどである。塩基としては好ましくは、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。この工程では、ベンゾイル化の試薬としてベンゾイルクロリドの他に無水安息香酸、ベンゾイルシアニドあるいは安息香酸、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート、トリフェニルホスフィンの組み合わせなどを用いることができる。
第B3工程
第B3工程は、一般式(B3)で表される化合物の4”位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(B4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(B3)で表される化合物とトリフルオロメタンスルホニルクロリドあるいはトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させ、4”位にトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR4”aM(ここでR4”aはC−Cアルカノイル基、ベンゾイルオキシ基を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウムを表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基を導入する工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は−30℃〜20℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜50℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
第B4工程
第B4工程は、一般式(B4)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより、一般式(B5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、 塩基の存在下、一般式(B4)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ、5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここでR5aはアセトキシ基、アジド基、クロル原子、ブロム原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は20℃〜120℃であり、好ましくは、80℃〜120℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。さらに、一般式(B5)で表される化合物をA法の第A8工程に従い脱保護することにより、一般式(A9)で表される化合物を製造することができる。
(C法)
C法は、一般式(C1)で表される化合物の5位アキシアルにフルオロ基を導入することにより、一般式(C3)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。C法について、各工程毎にその詳細を説明する。ここで出発原料である一般式(C1)で表される化合物は、前述のB法の第B1〜B3工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第C1工程
第C1工程は、一般式(C1)で表される化合物の5位アキシアルにフルオロ基を導入する工程である。この工程は、一般式(C1)で表される化合物をフルオロ化試剤と反応させることにより達成される。
本工程で使用されるフルオロ化試剤としては、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、三フッ化モルホリノ硫黄が挙げられる。使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、塩化メチレンである。反応温度は−40℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第C2工程
第C2工程は、一般式(C2)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(C3)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
D法
D法は、一般式(D1)で表される化合物の5位アジド基をアミノ基に還元することにより一般式(D2)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。 ここで出発原料である一般式(D1)で表される化合物は前述のA、B法および後述のE〜H法、J法、M〜Q法に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第D1工程
第D1工程は、一般式(D1)で表される化合物の5位アジド基をアミノ基に還元する工程である。この工程は、一般式(D1)の化合物と還元剤とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される還元剤としては、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、水素およびパラジウム−炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などのような接触水素還元触媒などが挙げられ、一般式(D1)で表される化合物の点線が二重結合を表す場合には、トリブチルホスフィンが好ましく、点線が単結合を表す場合には、水素およびパラジウム−炭素触媒が好適である。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられる。反応温度は10℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
E法
E法は、一般式(E1)で表される化合物の4”位を還元し、次いで5位のアキシアルに置換基R5aを導入することにより、一般式(E5)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(E1)で表される化合物は、前述のB法の第B1〜B2工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第E1工程
第E1工程は、一般式(E1)で表される化合物の4”位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(E2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(E1)で表される化合物と、トリフルオロメタンスルホニルクロリドあるいはトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させ、4”位にトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いでMX(ここでXはクロル原子、ブロム原子を表し、Mはリチウム、ナトリウムを表す)と反応させることにより達成される。
脱離基を導入する工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は−30℃〜20℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜50℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第E2工程
第E2工程は、一般式(E2)で表される化合物の4”位ハロゲン基を還元することにより一般式(E3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、遊離基開始剤の存在下、一般式(E2)で表される化合物と還元剤とを反応させることにより達成される。
本工程において使用される還元剤としては、例えば、水素化トリ−n−ブチルスズ、水素化ジ−n−ブチルスズ、水素化トリエチルスズ、水素化トリフェニルスズなどが挙げられ、好ましくは、水素化トリ−n−ブチルスズである。使用される遊離基開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられ、好ましくは、ジオキサンである。反応温度は20℃〜120℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第E3工程
第E3工程は、一般式(E3)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(E4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(E3)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ、5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここでR5aはアセトキシ基、アジド基、クロル原子、ブロム原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第E4工程
第E4工程は、一般式(E4)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(E5)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は、前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
F法
F法は、式(F1)で表される化合物の4”位アキシアルに置換基R4”aを導入し、次いで5位アキシアルに置換基R5aを導入し、さらに1位アミノ基に側鎖を導入することにより、一般式(F11)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。 出発原料である式(F1)で表される化合物はTetrahedron Lett., 4951-4954 (1979). およびJ. Med. Chem., 34, 1483-1492 (1991).に記載された方法に準じて製造することができる。
Figure 2005070945
第F1工程
第F1工程は、式(F1)で表される化合物の4”位、6”位水酸基に保護基を導入し、一般式(F2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、酸存在下、式(F1)の化合物とECOあるいはEC(OMe)(ここでEは水素原子、メチル基、フェニル基あるいはECとしてシクロヘキシル基を表す)を反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される酸としては、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウム p−トルエンスルホネート、カンファースルホン酸、塩酸などが挙げられ、好ましくは、p−トルエンスルホン酸である。反応温度は20℃〜50℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第F2工程
第F2工程は、一般式(F2)で表される化合物の2”位水酸基に保護基を導入し、一般式(F3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(F2)で表される化合物とBOあるいはBCl(Bとしてはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としてはピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第F3工程
第F3工程は、一般式(F3)で表される化合物を一般式(F4)で表される化合物に変換する工程である。この工程は、一般式(F3)で表される化合物と、酸とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、メタノール、塩化メチレン、クロロホルム、水およびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、塩化メチレンとメタノールの混合溶媒である。使用される酸としては酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、三塩化ホウ素などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は0.1〜8時間である。
第F4工程
第F4工程は、一般式(F4)で表される化合物の6”位水酸基に保護基を導入し、一般式(F5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(F4)で表される化合物とR13Cl(R13は、トリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基を表す)とを反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基導入工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、アセトニトリル、ピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は20℃〜80℃で行われる。反応時間は通常2〜10時間である。
シリル基導入工程で使用される溶媒としては、好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジンなどである。塩基としては4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第F5工程
第F5工程は、一般式(F5)で表される化合物の4”位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(F6)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(F5)で表される化合物とトリフルオロメタンスルホニルクロリドあるいはトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させ、4”位にトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR4”aM(ここでR4”aはC−Cアルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウムを表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基を導入する工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、ルチジン、コリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は−30℃〜20℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜50℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
第F6工程
第F6工程は、一般式(F6)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(F7)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(F6)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここでR5aはアセトキシ基、アジド基、クロル原子、ブロム原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第F7工程
第F7工程は、一般式(F7)で表される化合物の6”位を除く水酸基の保護基を除去し、一般式(F8)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(F7)で表される化合物と、塩基とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、塩化メチレン、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶媒である。使用される塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜8時間で行われる。
第F8工程
第F8工程は、一般式(F8)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(F9)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(F8)で表される化合物と、還元剤とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される還元剤としては、水素とともに用いるパラジウム−炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などのような接触水素還元触媒または金属ナトリウム、金属リチウムなどが挙げられ、一般式(F8)で表される化合物の点線が二重結合を表す場合には金属ナトリウムが好適であり、点線が単結合を表す場合には水素およびパラジウム−炭素触媒が好適である。使用される溶媒としては、接触水素還元の場合には、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられ、金属ナトリウムを用いる場合には、液体アンモニアが好適である。反応温度は−60℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
第F9工程
第F9工程は、一般式(F9)で表される化合物の1位アミノ基に側鎖を導入し、一般式(F10)(ここで、F10におけるAは、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基を表す)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、縮合剤の存在下、一般式(F9)で表される化合物とカルボン酸、ANH(CHCH(OH)COOH(ここでAは前記と同一の意味を表し、nは1〜3の整数を表す)とを縮合反応させるか、または縮合剤を使用せずに一般式(F9)で表される化合物とカルボン酸、ANH(CHCH(OH)COOH(ここでAは前記と同一の意味を表す)の誘導体とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される縮合剤としては例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドなどのカルボジイミド類、またはこれらの縮合剤に添加剤として1−オキソベンゾトリアゾール、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3、4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジンなどを加えたものが挙げられる。使用されるカルボン酸誘導体としてはN−ヒドロキシフタルイミドエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、p−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステルなどが挙げられ、好ましくは、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステルである。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第F10工程
第F10工程は、一般式(F10)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(F11)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
G法
G法は、式(G1)で表される化合物の6’位のアミノ基に置換基R6’aを導入することにより、一般式(G6)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。一般式(G6)で表される化合物から前述したA法の第A3〜A8工程、B法の第B1〜6工程に従い、または後述するJ法に準じて、一般式(G7)で表される化合物を製造することができる。
Figure 2005070945
第G1工程
第G1工程は、式(G1)で表される化合物のアミノ基を保護することにより、式(G2)の化合物を製造する工程である。この工程は、はじめに酢酸亜鉛存在下、式(G1)の化合物とN−ベンジルオキシカルボニルオキシコハク酸イミドとを反応させ、6’位アミノ基がベンジルオキシカルボニル基(Z基)で保護された化合物を得、次いで得られた化合物の3位、2’位、3”位、4’’’位のアミノ基を塩基存在下、ジ−tert−ブチルジカルボネートと反応させてtert−ブトキシカルボニル基(Boc基)で保護することにより達成される。
6’位保護の工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、水、N,N−ジメチルホルムアミドあるいはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、水とN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
3位、2’位、3”位、4’’’位保護の工程で使用される溶媒としては、水、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびこれらの混合溶剤が挙げられ、好ましくは、水とジオキサンとの混合溶剤である。使用される塩基としては水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンを挙げることができ、好ましくは、トリエチルアミンである。反応温度は0℃〜40℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
第G2工程
第G2工程は、式(G2)で表される化合物の保護基を除去し、次いでベンジル基で保護することにより式(G3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、式(G2)で表される化合物を水素を用いて接触水素還元し、次いで得られた6’位アミノ体とベンズアルデヒドを還元剤の存在下反応させることにより達成される。
脱保護工程で使用される還元剤としては水素およびパラジウム−炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などのような接触水素還元触媒あるいは金属ナトリウム、金属リチウムなどが挙げられ、一般式(G2)で表される化合物の点線が二重結合を表す場合には金属ナトリウムが好適であり、点線が単結合を表す場合には水素およびパラジウム−炭素触媒が好適である。使用される溶媒としては接触水素還元の場合には、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられ、金属ナトリウムを用いる場合には、液体アンモニアが好適である。反応温度は−60℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
ベンジル化の工程で使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウムなどが挙げられ、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムである。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールとジオキサンの混合溶媒である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。また、本工程は、塩基存在下、ベンジルブロマイドと反応させることによっても達成される。
第G3工程
第G3工程は、式(G3)で表される化合物の6’位アミノ基に置換基を導入し、一般式(G4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、式(G3)で表される化合物とR01CHO(R01は水素原子、C1−5アルキル基を表す)とを還元剤の存在下反応させることにより達成される。
本工程で使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウムなどが挙げられ、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムである。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールとジオキサンの混合溶媒である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第G4工程
第G4工程は、一般式(G4)で表される化合物の6’位ベンジル基をtert−ブトキシカルボニル基に変換する工程である。この工程は、一般式(G4)で表される化合物とジ−tert−ブチルジカルボネートと還元剤とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤などが挙げられ、好ましくは、水とテトラヒドロフランの混合溶媒である。使用される還元剤としては水素およびパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの接触水素還元触媒が挙げられ、好ましくは、水素およびパラジウム-炭素である。反応温度は10℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
第G5工程
第G5工程は、一般式(G5)で表される化合物の4”位、6”位水酸基に保護基を導入し、一般式(G6)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、酸存在下、一般式(G5)で表される化合物とECOあるいはEC(OMe)(ここでEは水素原子、メチル基、フェニル基あるいはECとしてシクロヘキシル基を表す)を反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される酸としてはp−トルエンスルホン酸、ピリジニウム p−トルエンスルホネート、カンファースルホン酸、塩酸などが挙げられ、好ましくは、p−トルエンスルホン酸である。反応温度は20℃〜50℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
H法
H法は、式(H1)で表される化合物の5位および4”位のアキシアルに置換基R5aおよびR4”aを導入し、次いで3’’位アミノ基に置換基R3”aを導入することにより、一般式(G6)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である式(H1)で表される化合物は特開昭63−1319号公報、特開平7−82290号公報、および米国特許第4297485号公報に記載された方法で製造することができる。
Figure 2005070945
第H1工程
第H1工程は、式(H1)で表される化合物の6”位水酸基を選択的に保護することにより、式(H2)の化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、式(H1)で表される化合物とR13Cl(R13はトリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基を表す)とを反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基導入工程で使用される溶媒としては塩化メチレン、アセトニトリル、ピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は20℃〜80℃で行われる。反応時間は通常2〜10時間である。
シリル基導入工程で使用される溶媒としては好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジンなどである。塩基としては4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第H2工程
第H2工程は、式(H2)で表される化合物の2”位水酸基に保護基を導入し、一般式(H3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基存在下、式(H2)で表される化合物とBOあるいはBCl(Bとしてはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としてはピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第H3工程
第H3工程は、一般式(H3)で表される化合物の5位および4”位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(H4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(H3)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ、5位および4”位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR4”aM(ここでR4”aはC−Cアルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウムを表す)とを反応させることにより達成される。ここで一般式(H4)の5位置換基R5aはR4”aと同一の意味を表す。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第H4工程
第H4工程は、一般式(H4)で表される化合物の6”位を除く水酸基の保護基を除去し、一般式(H5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(H4)で表される化合物と塩基とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶剤である。使用される塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどがあげられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜8時間で行われる。
第H5工程
第H5工程は、一般式(H5)で表される化合物の1位および3”位アミノ基の保護基を除去し、次いで3”位アミノ基を選択的に保護することにより、一般式(H6)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(H5)で表される化合物と還元剤とを反応させ、得られた1、3”位アミノ体を塩基存在下、トリフルオロ酢酸エチルエステルと反応させることにより達成される。
脱保護工程で使用される還元剤としては、水素とともに用いられるパラジウム−炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などのような接触水素還元触媒または金属ナトリウム、金属リチウムなどが挙げられ、一般式(H5)で表される化合物の点線が二重結合を表す場合には、金属ナトリウムが好ましく、点線が単結合を表す場合には水素およびパラジウム−炭素触媒が好ましい。使用される溶媒としては接触水素還元の場合には、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられ、金属ナトリウムを用いる場合には、液体アンモニアが好ましい。反応温度は−60℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
保護工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第H6工程
第H6工程は、一般式(H6)で表される化合物の1位アミノ基に側鎖を導入し、一般式(H7)(ここで、Aはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基を表す)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、縮合剤の存在下、一般式(H6)で表される化合物とカルボン酸、ANH(CH)nCH(OH)COOH(ここでAは前記と同一の意味を表し、nは1〜3の整数を表す)とを反応させるか、または縮合剤を使用せずに一般式(H6)で表される化合物とカルボン酸、ANH(CH)nCH(OH)COOH(ここでAは前記と同一の意味を表す)の誘導体とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドなどのカルボジイミド類、またはこれらの縮合剤に添加剤として1−オキソベンゾトリアゾール、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3、4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジンなどを加えたものが挙げられる。使用されるカルボン酸誘導体としてはN−ヒドロキシフタルイミドエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、p−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステルなどが挙げられ、好ましくは、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステルである。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第H7工程
第H7工程は、一般式(H7)の化合物の3”位の保護基をトリフルオロアセチル基からジ(4−メトキシフェニル)メチル基(PDMD基)に変換し、一般式(H8)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(H7)で表される化合物と塩基とを反応させ、次いで得られた3”位アミノ体とジ(4−メトキシフェニル)メチルクロリドとを塩基存在下、反応させることにより達成される。
脱保護工程で使用される塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化アンモニウムなどが挙げられ、好ましくは、水酸化アンモニウムである。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランとエタノールの混合溶媒である。反応温度は0℃〜50℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
保護工程で使用される塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、トリエチルアミンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
第H8工程
第H8工程は、一般式(H8)で表される化合物の3’’位アミノ基に置換基を導入し、一般式(H9)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(H8)で表される化合物とR01CHO(ここでR01は、水素原子、C1−5アルキル基を表す)とを還元剤の存在下反応させることにより達成される。
本工程で使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウムなどが挙げられ、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムである。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールとジオキサンの混合溶媒である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第H9工程
第H9工程は、一般式(H9)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(H10)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
I法
I法は、式(I1)で表される化合物の1位に側鎖を導入し、次いで5位および6”位にフルオロ基を導入することにより、一般式(I8)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。これらの製造法について、各工程毎にその詳細を説明する。
Figure 2005070945
第I1工程
第I1工程は、式(I1)で表される化合物の1位および3”位アミノ基の保護基を除去し、次いで3”位アミノ基を選択的に保護することにより、式(I2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、式(I1)で表される化合物と還元剤とを反応させ、得られた1、3”位アミノ体を塩基存在下、トリフルオロ酢酸エチルエステルと反応させることにより達成される。
脱保護工程で使用される還元剤としては、水素とともに用いるパラジウム−炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などのような接触水素還元触媒あるいは金属ナトリウム、金属リチウムなどが挙げられ、一般式(I1)で表される化合物の点線が二重結合を表す場合には、金属ナトリウムが好ましく、点線が単結合を表す場合には水素およびパラジウム−炭素触媒が好ましい。使用される溶媒としては接触水素還元の場合にはメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられ金属ナトリウムを用いる場合には液体アンモニアが好ましい。反応温度は−60℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
保護工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第I2工程
第I2工程は、式(I2)で表される化合物の1位アミノ基に側鎖を導入し、一般式(I3)(ここでAはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基を表す)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、縮合剤の存在下、式(I2)で表される化合物とカルボン酸、ANH(CH)nCH(OH)COOH(ここでAは前記と同一の意味を表す)とを反応させるか、あるいは縮合剤を使用せずに、式(I2)で表される化合物とカルボン酸、ANH(CH)nCH(OH)COOH(ここでAは前記と同一の意味を表し、nは1〜3の整数を表す)の誘導体とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドなどのカルボジイミド類、またはこれらの縮合剤に添加剤として1−オキソベンゾトリアゾール、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3、4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジンなどを加えたものが挙げられる。使用されるカルボン酸誘導体としてはN−ヒドロキシフタルイミドエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、p−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステルなどが挙げられ、好ましくは、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステルである。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第I3工程
第I3工程は、一般式(I3)で表される化合物の6”位水酸基に保護基を導入し、一般式(I4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(I3)で表される化合物とR13Cl(R13はトリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基を表す)とを反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基導入工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、アセトニトリル、ピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は20℃〜80℃で行われる。反応時間は通常2〜10時間である。
シリル基導入工程で使用される溶媒としては、好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジンなどである。塩基としては4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第I4工程
第I4工程は、一般式(I4)で表される化合物の2”位、4”位、2’’’位水酸基に保護基を導入し、一般式(I5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(I4)で表される化合物とBOあるいはBCl(Bとしてはアセチル基、ベンゾイル基を表す)とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第I5工程
第I5工程は、一般式(I5)で表される化合物の6”位水酸基の保護基であるトリフェニルメチル基あるいはシリル基を除去し、一般式(I6)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(I5)で表される化合物と酸あるいは塩基とを反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基の脱保護工程で使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、テラヒドロフラン、ジメトキシエタン、水などが挙げられ、好ましくは、ジエチルエーテルである。使用される酸としてはギ酸、酢酸、などが挙げられ、好ましくは、ギ酸である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
シリル基の脱保護工程で使用される溶媒としては、好ましくは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどである。使用される脱保護の試薬としてはテトラブチルアンモニウムフルオライド、フッ化水素−ピリジン、フッ化水素−トリエチルアミン、フッ化水素などである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第I6工程
第I6工程は、一般式(I6)で表される化合物の5位および6”位をフルオロ化し、一般式(I7)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(I6)で表される化合物とフルオロ化試剤とを反応させることにより達成される。
本工程で使用されるフルオロ化試剤としては三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、三フッ化モルホリノ硫黄が挙げられる。使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、塩化メチレンである。反応温度は−40℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第I7工程
第I7工程は、一般式(I7)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(I8)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
J法
J法、式(J1)で表される化合物の5位アキシアルに置換基R5aを導入することにより、一般式(J4)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。これらの製造法について、各工程毎にその詳細を説明する。
Figure 2005070945
第J1工程
第J1工程は、式(J1)で表される化合物の5位を除くすべての水酸基およびアミノ基に保護基を導入する工程である。この工程は、はじめに塩基存在下、式(J1)で表される化合物とAOあるいはACl(ここでAはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基を表す)を反応させ、アミノ基に保護基を導入し、次いで塩基存在下、BOあるいはBCl(Bはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させて水酸基に保護基を導入することにより達成される。
アミノ基の保護工程で使用される溶媒としては、水、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびこれらの混合溶剤が挙げられ、好ましくは、水とN,N−ジメチルホルムアミドとの混合溶剤である。使用される塩基としては水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンを挙げることができ、好ましくは、トリエチルアミンである。反応温度は0℃〜40℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
水酸基の保護工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第J2工程
第J2工程は、一般式(J2)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(J3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(J2)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ、5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここでR5aはアセトキシ基、アジド基、クロル原子、ブロム原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第J3工程
第J3工程は、一般式(J3)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(J4)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
K法
K法は、一般式(K1)で表される化合物の5位アキシアルのアジド基をアミノ基に還元し、得られたにアミノ基に置換基を導入することにより、一般式(K4)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(K1)で表される化合物は、前述のJ法の第J1〜J2工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第K1工程
第K1工程は、一般式(K1)で表される化合物の水酸基の保護基を除去し、一般式(K2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(K1)で表される化合物と塩基とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶剤である。使用される塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキサイドである。反応温度は0℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜8時間で行われる。
第K2工程
第K2工程は、一般式(K2)で表される化合物の5位アジド基をアミノ基に還元する工程である。この工程は、一般式(K2)で表される化合物と還元剤とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される還元剤としては、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、水素とともに用いるパラジウム−炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などのような接触水素還元触媒などが挙げられ、一般式(K2)で表される化合物の点線が二重結合を表す場合には、トリブチルホスフィンが好ましく、点線が単結合を表す場合には、水素およびパラジウム−炭素触媒が好ましい。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられる。反応温度は10℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
第K3工程
第K3工程は、一般式(K3)で表される化合物の5位アミノ基に置換基を導入し、次いで保護基を除去することにより一般式(K4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(K3)で表される化合物とR02COCl(ここでR02はC1−5アルキル基、アリール基を表す)またはR03X(ここでR03はC1−6アルキル基、アラルキル基を表し、Xはハロゲンを表す)とを反応させるか、あるいは還元剤の存在下、R04CHO(Rは水素原子、C1−5アルキル基、アリール基を表す)と反応させ、次いで塩基あるいは酸と反応させて保護基を除去することにより達成される。
02COClとの反応工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、ピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
03Xとの反応工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、水などが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、炭酸カリウムである。反応温度は20℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
04CHOとの反応工程で使用される溶媒としては使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールとジオキサンと酢酸の混合溶媒である。使用される還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられ、好ましくは、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
塩基による脱保護の工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶剤である。使用される塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜8時間で行われる
酸による脱保護の工程で使用される溶媒としては、酢酸エチル、塩化メチレン、アセトニトリル、アセトン、水などが挙げられ、好ましくは、水である。使用される酸としてはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられ、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。一般式(K3)で表される化合物の保護基Aがベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基の場合、水素および接触水素還元触媒と反応させることによっても保護基を除去することができる。使用される接触水素還元触媒としてはパラジウム-炭素、酸化白金などを挙げることができ、溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
L法
L法は、一般式(L1)(ここでR5aはC1−6アルカノイルオキシ基を表す)で表される化合物の5位アキシアルに置換スルホニルオキシ基を導入することにより、一般式(L5)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(L1)で表される化合物は前述のJ法の第J1〜J2工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第L1工程
第L1工程は、一般式(L1)で表される化合物の水酸基の保護基を除去し、一般式(L2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(L1)で表される化合物と塩基とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶剤である。使用される塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜8時間で行われる。
第L2工程
第L2工程は、一般式(L2)で表される化合物の5位を除く水酸基に保護基を導入し、一般式(L3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(L2)で表される化合物とBOあるいはBCl(Bはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第L3工程
第L3工程は、一般式(L3)で表される化合物の5位水酸基をスルホニル化する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(L3)で表される化合物とR05SOCl(ここでR05はC1−6アルキル基を表す)とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
第L4工程
第L4工程は、一般式(L4)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(L5)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は、前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
M法
M法は、一般式(M1)で表される化合物の5位アキシアルに置換基R5aを導入し、次いで1位に側鎖を導入することにより、一般式(M6)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(M1)で表される化合物は前述のI法の第I1工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第M1工程
第M1工程は、一般式(M1)で表される化合物の5位を除く水酸基に保護基を導入し、一般式(M2)で表される化合物を製造する工程において、塩基存在下、一般式(M1)で表される化合物とBOあるいはBCl(Bはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第M2工程
第M2工程は、一般式(M2)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(M3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(M2)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここでR5aはアセトキシ基、アジド基、クロル原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第M3工程
第M3工程は、一般式(M3)で表される化合物の水酸基の保護基を除去し、次いで1位アミノ基の保護基を除去する工程である。この工程は、一般式(M3)で表される化合物と塩基とを反応させ、次いで得られた化合物と還元剤とを反応させることにより達成される。
水酸基の脱保護工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶剤である。使用される塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜8時間で行われる。
アミノ基の脱保護工程で使用される還元剤としては、水素およびパラジウム−炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などのような接触水素還元触媒あるいは金属ナトリウム、金属リチウムなどが挙げられ、一般式(M3)で表される化合物の点線が二重結合を表す場合には金属ナトリウムが好適であり、点線が単結合を表す場合には水素およびパラジウム−炭素触媒が好ましい。使用される溶媒としては接触水素還元の場合にはメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒などが挙げられ、金属ナトリウムを用いる場合には液体アンモニアが好ましい。反応温度は−60℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
第M4工程
第M4工程は、一般式(M4)で表される化合物の1位アミノ基に側鎖を導入し、一般式(M5)(ここでAはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基を表す)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、縮合剤の存在下、一般式(M4)で表される化合物とカルボン酸、ANH(CH)nCH(OH)COOH(ここでAは前記と同一の意味を表し、nは1〜3の整数を表す)とを縮合反応させるか、あるいは縮合剤を使用せずに一般式(M4)で表される化合物とカルボン酸、ANH(CH)nCH(OH)COOH(ここでAは前記と同一の意味を表す)の誘導体とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドなどのカルボジイミド類、またはこれらの縮合剤に添加剤として1−オキソベンゾトリアゾール、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3、4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジンなどを加えたものが挙げられる。使用されるカルボン酸誘導体としてはN−ヒドロキシフタルイミドエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、p−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステルなどが挙げられ、好ましくは、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステルである。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第M5工程
第M5工程は、一般式(M5)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(M6)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
N法
N法は、一般式(N1)で表される化合物の3”位に置換基R3”aを導入し、次いで5位アキシアルに置換基R5aを導入することにより、一般式(N6)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である式(N1)で表される化合物は特開昭55−164696号公報に記載された方法で製造することができる。
Figure 2005070945
第N1工程
第N1工程は、一般式(N1)で表される化合物の3”位アミノ基にベンジル基を導入する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(N1)で表される化合物とベンジルブロマイドとを反応させることにより達成される。また、本工程は、還元剤の存在下、一般式(N1)で表される化合物とベンズアルデヒドと反応させることによっても達成される。
本工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレンなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、炭酸カリウムである。反応温度は20℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第N2工程
第N2工程は、一般式(N2)で表される化合物の3”位アミノ基に置換基を導入し、一般式(N3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(N2)で表される化合物とR01CHO(ここでR01は水素原子、C1−5アルキル基を表す)とを還元剤の存在下反応させることにより達成される。
本工程で使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられ、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムである。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールとジオキサンの混合溶媒である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第N3工程
第N3工程は、一般式(N3)で表される化合物の3”位ベンジル基をtert−ブトキシカルボニル基に変換する工程である。この工程は、一般式(N3)で表される化合物とジ−tert−ブチルジカルボネートと還元剤とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤などが挙げられ、好ましくは、水とテトラヒドロフランの混合溶媒である。使用される還元剤としては水素とともに用いられるパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの接触水素還元触媒が挙げられ、好ましくは、水素およびパラジウム-炭素である。反応温度は10℃〜30℃で行われる。反応時間は通常1〜8時間である。
第N4工程
第N4工程は、一般式(N4)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(N5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(N4)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここでR5aはアセトキシ基、アジド基、クロル原子、ブロム原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第N5工程
第N5工程は、一般式(N5)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(N6)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
O法
O法は、一般式(O1)で表される化合物の6’位に側鎖を導入し、次いで5位アキシアルに置換基R5aを導入することにより、一般式(O9)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(O1)で表される化合物は前述のG法の第G1工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第O1工程
第O1工程は、一般式(O1)で表される化合物の4”、6”位に保護基を導入し、次いで6’位の保護基を除去する工程である。この工程は、酸存在下、一般式(O1)で表される化合物とECOあるいはEC(OMe)(ここでEは水素原子、メチル基、フェニル基あるいはECとしてシクロヘキシル基を表す)を反応させ、次いで還元剤と反応させることにより達成される。
保護工程で使用される溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される酸としてはp−トルエンスルホン酸、ピリジニウム p−トルエンスルホネート、カンファースルホン酸、塩酸などが挙げられ、好ましくは、p−トルエンスルホン酸である。反応温度は20℃〜50℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
脱保護工程で使用される還元剤としては、水素とともに用いられるパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの接触水素還元触媒が挙げられ、好ましくは、水素およびパラジウム-炭素である。使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第O2工程
第O2工程は、一般式(O2)で表される化合物の6’位アミノ基をアルデヒドに酸化する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(O2)で表される化合物と酸化剤とを反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、好ましくは、水とクロロホルムの混合溶媒である。使用される酸化剤としては好ましくは、ニンヒドリンである。使用される塩基としては炭酸水素ナトリウムである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は12〜48時間である。
第O3工程
第O3工程は、一般式(O4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(O3)で表される化合物とニトロメタンを塩基存在下反応させることにより達成される。本工程で使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、ジクロロエタンおよびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶媒である。使用される塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
第O4工程
第O4工程は、一般式(O5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(O4)で表される化合物と還元剤とを反応させることにより達成される。本工程で使用される還元剤としては、水素およびパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの接触水素還元触媒が挙げられ、好ましくは、水素および酸化白金である。使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第O5工程
第O5工程は、一般式(O5)で表される化合物の保護基を除去し、式(O6)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
第O6工程
第O6工程は、式(O6)で表される化合物の5位を除くすべての水酸基およびアミノ基に保護基を導入する工程である。この工程は、はじめに塩基存在下、式(O6)で表される化合物とAOあるいはACl(ここでAはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基を表す)を反応させアミノ基に保護基を導入し、次いで塩基存在下、BOあるいはBCl(Bとしてはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより水酸基に保護基を導入することにより達成される。
アミノ基の保護工程で使用される溶媒としては、水、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびこれらの混合溶剤が挙げられ、好ましくは、水とN,N−ジメチルホルムアミドとの混合溶剤である。使用される塩基としては水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンを挙げることができ、好ましくは、トリエチルアミンである。反応温度は0℃〜40℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
水酸基の保護工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第O7工程
第O7工程は、一般式(O7)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(O8)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(O7)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ、5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここでR5aはアセトキシ基、アジド基、クロル原子、ブロム原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第O8工程
第O8工程は、一般式(O8)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(O9)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
P法
P法は、一般式(P1)で表される化合物の6”位水酸基を還元し、次いで5位アキシアルに置換基R5aを導入することにより、一般式(P6)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(P1)で表される化合物は、前述のA法の第A1工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第P1工程
第P1工程は、一般式(P1)で表される化合物の5位を除く水酸基に保護基を導入する工程である。この工程は、酸存在下、一般式(P1)で表される化合物とPhCH(OR06(ここでR06はメチル基、エチル基を表す)とを反応させ4”位、6”位を保護し、次いで塩基存在下、BOあるいはBCl(Bはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させ2”位、2’’’位を保護することにより達成される。
4”位、6”位保護工程で使用される溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、酢酸エチルなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される酸としてはp−トルエンスルホン酸、ピリジニウム p−トルエンスルホネート、カンファースルホン酸、塩酸などが挙げられ、好ましくは、p−トルエンスルホン酸である。反応温度は0℃〜10℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
2”位、2’’’位保護工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第P2工程
第P2工程は、一般式(P3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(P2)で表される化合物とハロゲン化剤とを反応させることにより達成される。本工程で使用される溶媒としては、好ましくは、四塩化炭素である。使用されるハロゲン化剤としてはN−ブロモコハク酸イミドである。反応温度は20℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第P3工程
第P3工程は、一般式(P4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、遊離基開始剤の存在下、一般式(P3)で表される化合物と還元剤とを反応させるかあるいは接触水素還元することにより達成される。
本工程において使用される還元剤としては、例えば水素化トリ−n−ブチルスズ、水素化ジ−n−ブチルスズ、水素化トリエチルスズ、水素化トリフェニルスズなどが挙げられ、好ましくは、水素化トリ−n−ブチルスズである。使用される遊離基開始剤としてはアゾビスイソブチルニトリルが挙げられる。使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられ、好ましくは、ジオキサンである。反応温度は20℃〜120℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
接触水素還元で使用される触媒としては、パラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などが挙げれ、好ましくは、パラジウム-炭素である。使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第P4工程
第P4工程は、一般式(P4)で表される化合物の5位水酸基に脱離基を導入し、次いで置換反応することにより一般式(P5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(P4)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)とを反応させ5位に置換スルホニルオキシ基を有する化合物を合成し、次いで得られた化合物とR5aM(ここでR5aはアセトキシ基、アジド基、クロル原子、ブロム原子、C1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、Mはリチウム、ナトリウム、セシウム、水素原子を表す)とを反応させることにより達成される。
脱離基の導入工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
置換反応の工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第P5工程
第P5工程は、一般式(P5)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(P6)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
Q法
Q法は、一般式(Q1)で表される化合物の6”位に側鎖R6”a(ここでR6”aは2−アミノ−1−ヒドロキシエチル基を表す)を導入し、一般式(Q7)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(Q1)で表される化合物は前述のJ法の第J1〜J2工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第Q1工程
第Q1工程は、一般式(Q1)で表される化合物の水酸基の保護基を除去する工程である。この工程は、一般式(Q1)で表される化合物と塩基とを反応させることにより達成される。本工程で使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、クロロホルムおよびこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶剤である。使用される塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜8時間で行われる。
第Q2工程
第Q2工程は、一般式(Q2)で表される化合物の6”位水酸基をトリフェニルメチル基あるいはシリル基で保護し、次いで残りの水酸基をアシル基で保護することにより、一般式(Q3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(Q2)で表される化合物とR13Cl(R13はトリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基を表す)とを反応させ、次いで塩基存在下、BOあるいはBCl(Bとしてはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基導入工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、アセトニトリル、ピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は20℃〜80℃で行われる。反応時間は通常2〜10時間である。
シリル基導入工程で使用される溶媒としては、好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジンなどである。塩基としては4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
アシル基導入工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第Q3工程
第Q3工程は、一般式(Q3)で表される化合物の6”位水酸基の保護基であるトリフェニルメチル基またはシリル基除去し、一般式(Q4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(Q3)で表される化合物と、酸または塩基とを反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基の脱保護工程で使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、テラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、水などが挙げられ、好ましくは、ジエチルエーテルである。使用される酸としてはギ酸、酢酸、などが挙げられ、好ましくは、ギ酸である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
シリル基の脱保護工程で使用される溶媒としては好ましくは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどである。使用される脱保護の試薬としてはテトラブチルアンモニウムフルオライド、フッ化水素−ピリジン、フッ化水素−トリエチルアミン、フッ化水素などである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第Q4工程
第Q4工程は、一般式(Q4)で表される化合物の6”位水酸基をアルデヒドに酸化する工程である。この工程は、一般式(Q3)で表される化合物と酸化剤を反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、好ましくは、ピリジンである。使用される酸化剤としてはジメチルスルホキシド、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび水素供与体である。ここで、水素供与体としてはリン酸、トリフルオロ酢酸が挙げられ、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は6〜24時間である。
第Q5工程
第Q5工程は、一般式(Q6)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(Q5)で表される化合物とニトロメタンを塩基存在下反応させ、次いで生成するニトロ体と還元剤とを反応させることにより達成される。
ニトロメタンとの反応工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタンおよびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶媒である。使用される塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
還元工程で使用される還元剤としては、水素とともに用いられるパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの接触水素還元触媒または鉄が挙げられ、一般式(Q5)で表される化合物の点線が単結合を表す場合には、水素および酸化白金が好ましく、点線が二重結合を表す場合には鉄が好ましい。使用される溶媒としては、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸またはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は0℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第Q6工程
第Q6工程は、一般式(Q6)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(Q7)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
本発明の第二の態様による一般式(II)で表される化合物は、以下のRの方法に従って製造することができる。
R法
R法は、一般式(R1)で表される化合物の5位アキシアルに置換基を導入し、一般式(R4)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(R1)で表される化合物は前述のJ法の第J1工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第R1工程
第R1工程は、一般式(R2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(R1)で表される化合物と酸化剤とを反応させることにより達成される。本工程で使用される酸化剤としては、好ましくは、ジメチルスルホキシドと無水酢酸の組み合わせである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は48〜72時間である。
第R2工程
第R2工程は、一般式(R3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(R2)で表される化合物とR07MgX(ここでR07は、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基を表し、Xはハロゲンを表す)とを反応させるか、またはジアゾメタンと反応させ、次いで得られたエポキシ体とNaN3、R08NH(ここでR08はC1−6のアルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基で置換されていてもよい)、アラルキル基を表す)、R09ONa(ここで、R09はC1−6アルキル基を表す)とを反応させることにより達成される。NaN3との反応で得られたアジド体は、さらに還元剤と反応させることによりアミノ体に変換することができる。
07MgXとの反応工程で使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン、ベンゼン、トルエンなどが挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランである。反応温度は−40℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
ジアゾメタンとの反応工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、塩化メチレン、ジクロロエタンなどが挙げられ、好ましくは、メタノールである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜4時間である。
NaN、R08NH、R09ONaとの反応工程で使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノールなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は0℃〜80℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
アジド体を還元する工程で使用される還元剤としては、水素とともに用いるパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの水素接触水素還元触媒を挙げることができ、好ましくは、水素およびパラジウム-炭素である。溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第R3工程
第R3工程は、一般式(R3)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(R4)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
本発明の第三の態様による一般式(III)で表される化合物は、以下のS〜Xの方法に従って製造することができる。
S法
S法は、一般式(S1)で表される化合物の3”位に置換基R3”cを導入し、一般式(S3)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。これらの製造法について、各工程毎にその詳細を説明する。また、一般式(S3)で表される化合物は、前述の一般式(N4)で表される化合物の保護基を除去することによっても製造することができる。
Figure 2005070945
第S1工程
第S1工程は、一般式(S1)で表される化合物の3”位アミノ基に置換基R3”cを導入し、一般式(S2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、還元剤の存在下、一般式(S1)で表される化合物とR10CHO(ここでR10はC1−9アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は水酸基で置換されていてもよい)、アリール基、アラルキル基を表す)とを反応させるか、塩基の存在下、R14X(ここで、R14はC1−10アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、OR15(ここで、R15は、トリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、テトラヒドロピラニル基を表す)で置換されていてもよい)、またはアラルキル基を表す)と反応させるか、またはホルムイミドイル基、アミジノ基を導入するためにそれぞれイミドイル化剤、アミジノ化剤を反応させることにより達成される。
10CHOとの反応工程において使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられ、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムである。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールとジオキサンの混合溶媒である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
14Xとの反応工程において使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、水、またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドと水との混合溶媒である。使用される塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、好ましくは、炭酸カリウムである。反応温度は、20〜80℃で行われる。反応時間は1〜16時間である。
ホルムイミドイル基導入工程で使用されるイミドイル化剤としては、好ましくは、イミデート塩酸塩、EtOCH=NH・HClである。使用される溶媒としては、塩化メチレン、ジクロロエタン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどが挙げられ、好ましくは、メタノールである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
アミジノ基導入工程で使用されるアミジノ化剤としては、好ましくは、1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−2−チオシュードウレアである。溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される塩基としてはトリエチルアミンであり、添加剤としては塩化水銀が挙げられる。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
第S2工程
第S2工程は、一般式(S2)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(S3)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は、前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
T法
T法は、一般式(T1)で表される化合物の6’位に置換基R6’Cを導入し、一般式(T4)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。一般式(T1)で表される化合物は、前述のG法の第G1工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第T1工程
第T1工程は、一般式(T2)で表される化合物を製造する工程である。はじめに6’位の保護基を除去し、次いで還元剤の存在下、一般式(T1)で表される化合物とR11CHO(ここでR11はC1−5アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、tert−ブトキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基などで保護されたアミノ基で置換されていてもよい)、アリール基を表す)とを反応させるか、また、ホルムイミドイル基およびアミジノ基を導入する場合には、それぞれホルムイミドイル化剤、アミジノ化剤を反応させることにより達成される。
11CHOとの反応工程で使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールとジオキサンの混合溶媒である。使用される還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられ、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
ホルムイミドイル基導入工程で使用されるイミドイル化剤としては、好ましくは、イミデート塩酸塩、EtOCH=NH・HClである。使用される溶媒としては、塩化メチレン、ジクロロエタン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどが挙げられ、好ましくは、メタノールである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
アミジノ基導入工程で使用されるアミジノ化剤としては、好ましくは、1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−2−チオシュードウレアである。溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。使用される塩基としてはトリエチルアミンであり、添加剤としては塩化水銀が挙げられる。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。
第T2工程
第T2工程は、一般式(T2)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(T3)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
U法
U法は、一般式(U1)で表される化合物の6’位に側鎖を導入し、一般式(U4)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(U1)で表される化合物は前述のO法の第O1〜O2工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第U1工程
第U1工程は、一般式(U2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(U1)で表される化合物とPh3P=CHCNとを反応させるか、あるいは塩基存在下、(EtO)P(O)CH2CNとを反応させることにより達成される。
Ph3P=CHCNとの反応工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエンなどが挙げられ、好ましくは、クロロホルムである。反応温度は20℃〜60℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。(EtO)P(O)CH2CNとの反応工程で使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、N.N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、好ましくは、テトラヒドロフランである。使用される塩基としては水素化ナトリウム、水素化カリウム、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、水素化ナトリウムである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第U2工程
第U2工程は、一般式(U3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(U2)で表される化合物と還元剤とを反応させることにより達成される。本工程で使用される還元剤としては、水素とともに用いるパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの接触水素還元触媒が挙げれ、好ましくは、水素および酸化白金である。使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第U3工程
第U3工程は、一般式(U3)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(U4)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は、前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
V法
V法は、一般式(V1)で表される化合物の6”位に側鎖を導入し、一般式(V6)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(V1)で表される化合物は前述のA法の第A1工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第V1工程
第V1工程は、一般式(V1)で表される化合物の6”位水酸基をトリフェニルメチル基あるいはシリル基で保護し、次いで残りの水酸基をアシル基で保護することにより、一般式(V2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基の存在下、一般式(V1)で表される化合物とR13Cl(R13はトリフェニルメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基を表す)とを反応させ、次いで塩基存在下、BOあるいはBCl(Bとしてはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基導入工程で使用される溶媒としては、塩化メチレン、アセトニトリル、ピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は20℃〜80℃で行われる。反応時間は通常2〜10時間である。
シリル基導入工程で使用される溶媒としては、好ましくは、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ピリジンなどである。塩基としては4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、イミダゾール、ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
アシル基導入工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第V2工程
第V2工程は、一般式(V2)で表される化合物の6”位水酸基の保護基であるトリフェニルメチル基あるいはシリル基を除去し、一般式(V3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(V2)で表される化合物と酸あるいは塩基とを反応させることにより達成される。
トリフェニルメチル基の脱保護工程で使用される溶媒としては、ジエチルエーテル、テラヒドロフラン、水などが挙げられ、好ましくは、ジエチルエーテルである。使用される酸としてはギ酸、酢酸、などが挙げられ、好ましくは、ギ酸である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
シリル基の脱保護工程で使用される溶媒としては好ましくは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどである。使用される脱保護の試薬としてはテトラブチルアンモニウムフルオライド、フッ化水素−ピリジン、フッ化水素−トリエチルアミン、フッ化水素などである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
第V3工程
第V3工程は、一般式(V3)で表される化合物の6”位水酸基をアルデヒドに酸化する工程である。この工程は、一般式(V3)で表される化合物と酸化剤を反応させることにより達成される。本工程で使用される溶媒としては、好ましくは、ピリジンである。使用される酸化剤としてはジメチルスルホキシド、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび水素供与体の組み合わせである。ここで、水素供与体としてはリン酸、トリフルオロ酢酸が挙げられ、好ましくは、トリフルオロ酢酸である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は6〜24時間である。
第V4工程
第V4工程は、一般式(V5)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(V4)で表される化合物とニトロメタンを塩基存在下反応させ、次いで生成するニトロ体と還元剤とを反応させることにより達成されるか、または、一般式(V4)で表される化合物とR12NH(ここでR12はC1−6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はtert−ブトキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基などで保護されたアミノ基で置換されていてもよい)を表す)またはモルホリンとを還元剤の存在下反応させることにより達成される。
ニトロメタンとの反応工程で使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、tertert−ブチルアルコール、塩化メチレン、ジクロロエタンおよびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、メタノールと塩化メチレンの混合溶媒である。使用される塩基としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、tert−BuOKなどが挙げられ、好ましくは、ナトリウムメトキシドである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜6時間である。次の還元工程で使用される還元剤としては、水素およびパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの接触水素還元触媒が挙げられ、好ましくは、水素および酸化白金である。使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
アミノ化合物との反応工程で使用される還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられ、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムである。使用される溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、水またはこれらの混合溶媒などが挙げられ、好ましくは、メタノールとジオキサンの混合溶媒である。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第V5工程
第V5工程は、一般式(V5)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(V6)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。
W法
W法は、一般式(W1)で表される化合物の6”位に側鎖を導入し、一般式(W5)(ここでR6”cはアジドメチル基、アミノメチル基を表す)で表される化合物を製造する方法であり、以下に示す工程を経て製造される。出発原料である一般式(W1)で表される化合物は前述のA法の第A1工程に従い製造することができる。
Figure 2005070945
第W1工程
第W1工程は、一般式(W2)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(W1)で表される化合物とWSOCl(ここでWはメチル、フェニル、p−トリル基を表す)を反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチルなどを挙げることができ、好ましくは、塩化メチレンである。使用される塩基としてはピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどを挙げることができ、好ましくは、4−ジメチルアミノピリジンである。反応温度は通常0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜24時間である。
第W2工程
第W2工程は、一般式(W2)で表される化合物の2”位、4”位、2’’’位水酸基に保護基を導入し、一般式(W3)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、塩基存在下、一般式(W2)で表される化合物とBOあるいはBCl(Bとしてはアセチル基、ベンゾイル基を表す)と反応させることにより達成される。
本工程で使用される溶媒としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。使用される塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられ、好ましくは、ピリジンである。反応温度は0℃〜30℃で行われる。反応時間は1〜8時間である。
第W3工程
第W3工程は、一般式(W4)で表される化合物を製造する工程である。この工程は、一般式(W3)で表される化合物とナトリウムアジドとを反応させ、次いで生成するアジド体と還元剤とを反応させることにより達成される。
アジド化工程で使用される溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。反応温度は60℃〜90℃で行われる。反応時間は1〜12時間である。
還元工程で使用される還元剤としては、水素とともに用いるパラジウム-炭素、パラジウムブラック、水酸化パラジウム、酸化白金などの接触水素還元触媒を挙げられ、好ましくは、水素およびパラジウム-炭素である。使用される溶媒としては本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤である。反応温度は10℃〜30℃であり、反応時間は通常1〜8時間である。
第W4工程
第W4工程は、一般式(W4)で表される化合物の保護基を除去し、一般式(W5)で表される化合物を製造する工程である。保護基の除去は前述の第A8工程と同様の条件で行うことができる。

本発明による化合物は、塩として存在することができる。その塩としては例えば薬学的に許容な非毒性塩が挙げられる。それらの塩の具体例としてはフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸のようなハロゲン化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、炭酸塩のような無機酸塩、酢酸、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、安息香酸、マンデル酸、酪酸、マレイン酸、プロピオン酸、蟻酸、リンゴ酸のようなカルボン酸塩、アルギニン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸のようなアミノ酸塩、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸のような有機酸塩等が挙げられ、好ましい例としては硫酸塩などの無機酸塩である。
溶媒和物
また、本発明による化合物は、その溶媒和物として存在することができる。好ましい溶媒和物としては、水和物、エタノール和物が挙げられる。
抗菌作用
本発明による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物は、感染症の起因菌(MRSA、黄色ブドウ球菌、大腸菌、および緑膿菌等)に対して優れた抗菌活性を有し、したがって、抗菌剤、とりわけ、抗MRSA剤として用いることができる。したがって、本発明による別の態様によれば、抗菌剤の製造のための、本発明による化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
医薬
本発明による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物は、医薬としても利用することができる。具体的には、本発明による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物は、感染症の予防または治療に用いることができる。感染症としては、例えば、敗血症、感染性心内膜炎、皮膚科領域感染症、外科感染症、整形外科領域感染症、呼吸器感染症、尿路感染症、腸管感染症、腹膜炎、髄膜炎、眼科領域感染症、耳鼻科領域感染症を挙げることができ、さらに具体的には、皮膚化膿疾患、熱傷・術創二次感染、肺炎、気管支内感染症、結核、腎盂腎炎、腸炎(食中毒を含む)、結膜炎、中耳炎等を挙げることができる。したがって、本発明の別の態様によれば、本発明による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなる組成物、とりわけ、医薬組成物が提供される。さらに、本発明の別の態様によれば、本発明による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を、ヒトを含む動物に投与することを含んでなる、感染症の予防または治療方法が提供される。また、本発明による別の態様によれば、医薬組成物の製造のための、本発明による化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
本発明による化合物および薬理学的に許容されうる塩を有効成分とする医薬組成物は、経口または非経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与、眼局所投与、経肺投与)のいずれかの投与経路で、ヒトを含め全ての哺乳動物に投与することができる。従って、本発明による化合物を有効成分としてなる医薬組成物は、投与経路に応じて適当な剤形とされ、具体的には主として静注、筋注等の注射剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ剤等の経口剤、軟膏剤、点眼剤、乾燥粉末または霧状化エアロゾル処方物等のいずれかの製剤形態に調整することができる。これらの製剤は通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、界面活性化剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤、等張化剤、pH調整剤等製剤用添加剤を用いて常法により製造することができる。使用可能な無毒性の上記添加剤としては、例えば、乳糖、D-マンニトール、果糖、ブドウ糖、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、またはその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリン、ラノリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、またはその塩、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、塩化ベンザルコニウム、リン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、Tween80、水酸化ナトリウム、硫酸等が挙げられる。投与量は用法、患者の年齢、性別、症状の程度等を考慮して適宜決定される。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、アルベカシン、3,2’,6’−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−4”’−N−p−メトキシベンジルオキシカルボニルアルベカシンおよび3,2’,6’−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−3”−トリフルオロアセチル−ジベカシンは、特開昭55−164696号公報に記載の方法に従って合成したものである。また、2’,3,6’−トリ−N−(t−ブトキシカルボニル)−3”−N−トリフルオロアセチル−3’,4’−ジデヒドロジベカシンとは、3’,4’−ジデヒドロジベカシンを用いて、特開昭55−164696号公報の方法に従って合成したものである。また、2’,3,6’−トリ−N−(t−ブトキシカルボニル)−3”−N−トリフルオロアセチル−3’,4’−ジデヒドロジベカシンとは、3’,4’−ジデヒドロジベカシンを用いて、特開昭55−164696号公報の方法に従って合成したものである。また、3’,4’−ジデヒドロアルベカシンとは、特公昭63−10719号公報記載の方法に従って合成したものである。また、3,2’,6’,3”−テトラ−N−t−ブトキシカルボニル−3’,4’−ジデヒドロ−4”’−p−メトキシベンジルオキシカルボニルアルベカシンとは、特開昭55−81897号公報の方法に従って合成したものである。
実施例1
5,4”−ジエピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程1−(a)
アルベカシン100gを450mLの水に溶かした溶液に、N,N−ジメチルホルムアミド900mLを加え、氷浴下でジt−ブチルジカルボネ−ト250gを加えて、室温にて一夜撹拌した。この反応液に酢酸エチルを加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。この溶液を濃縮乾固し、固体として下記の化合物188gを得た。
Figure 2005070945
製造工程1−(b)
製造工程1−(a)にて得た上記の化合物40gを、N,N−ジメチルホルムアミド360mLに溶解し、1,1−ジメトキシシクロヘキサン11.6mLおよびp−トルエンスルホン酸一水和物1.3gを加え、50℃、46〜48mbarにて、5時間反応させた。この溶液に酢酸エチルを加えた後、水で洗浄し、濃縮乾固して、下記の化合物45gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1155[M+Na],1171[M+Na]
製造工程1−(c)
製造工程1−(b)にて得た上記の化合物25gをピリジン500mLに溶解し、内温4〜6℃にてベンゾイルクロライドを20分掛けて滴下した。この溶液の内温を4〜6℃に保ちながら2時間撹拌した後、室温まで昇温し、1時間撹拌した。この溶液に水0.75mLを加えた後、減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、水、10%硫酸水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮乾固して、下記の化合物30gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1363[M+Na],1379[M+K]
製造工程1−(d)
製造工程1−(c)にて得た上記の化合物11.6gを、塩化メチレン150mLに溶解し、室温で4−ジメチルアミノピリジン18gを加え、氷浴下メシルクロライド4.5mLを加え、さらに氷浴下で1時間撹拌した後、室温まで昇温して4時間撹拌した。この反応液に、氷浴下で水100mLを加え、塩化メチレン240mLを加えた。この溶液を、10%硫酸水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。この溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜1:2)にて精製し、下記の化合物7.4gを得た。
Figure 2005070945
製造工程1−(e)
製造工程1−(d)にて得た上記の化合物6.0gを、N、N−ジメチルホルムアミド60mLに溶解した。この溶液に、検体乾燥機にて120℃で2時間乾燥させた酢酸セシウム6.4gを加え、100℃で2時間反応させた。この溶液を室温まで冷やし、減圧濃縮した。残渣に塩化メチレン300mLを加え、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。得た溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜2:3)にて精製し、下記の化合物4.6gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1405[M+Na],1421[M+K]
製造工程1−(f)
製造工程1−(e)にて得た上記の化合物1.13gを、塩化メチレン40mL、メタノール4mLの混合溶液に溶解し、90%トリフルオロ酢酸水溶液4mLを加えて1時間攪拌した。この反応液に水20mLを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、下記の化合物1.03gを得た。
Figure 2005070945
製造工程1−(g)
製造工程1−(f)にて得た上記の化合物1.03gを、ピリジン8mLに溶解し、トリフェニルメチルクロリド0.56gを加えて60℃で1晩攪拌した。この反応後、メタノ−ル0.15mLを加えて1時間攪拌した。この反応液を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、下記の化合物0.99gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z:1567[M+Na]
製造工程1−(h)
製造工程1−(g)にて得た上記の化合物0.84gを、塩化メチレン8mLにて溶解し、ピリジン0.54mLを加えた。−18℃に冷却下、この溶液にトリフルオロメタンスルホン酸無水物0.24mLを加え、−5℃にて2時間攪拌した。この反応液にメタノールを6滴加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を氷水、飽和炭酸水素ナトリウム水、および10%硫酸水素カリウム水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、さらにトルエンを加えて減圧濃縮した。得た残渣をN、N−ジメチルホルムアミド9mLに溶解した。この溶液に、検体乾燥機にて120℃で2時間乾燥させた酢酸セシウム0.59gを加え、室温で2時間反応させた。この反応液を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、下記の化合物0.93gを得た。
Figure 2005070945
製造工程1−(i)
製造工程1−(h)にて得た上記の化合物0.92gを、塩化メチレン15mLに溶解し、0.5Mナトリウムメトキシド−メタノール溶液5mLを加えて室温で3時間攪拌した。反応液にドライアイスを加えて30分攪拌後、減圧濃縮し、下記の化合物(0.72g)を粗精製物として得た。
Figure 2005070945
製造工程1−(j)
製造工程1−(i)にて得た粗精製物0.72gに、90%トリフルオロ酢酸水15mLを加えて室温にて1晩攪拌した。この反応液に水10mLを加え、得た水層をジエチルエーテル5mLで3回洗浄し、水層をアンモニア水でpH7に中和し、さらにBio−Rex70(NH ,110mL,100−200mesh)で精製して、標題の化合物:5,4”−ジエピアルベカシン(0.16g)を得た。
TSPMS:m/z553[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.54 (1H, m),1.60 (1H, m),1.93 (4H, m),2.11 (1H, m),2.22 (1H, ddd, J=4.4, 4.6, 12.9 Hz)2.85 (2H, m),2.94 (2H, m),3.02 (1H, m),3.17(1H, dd, J=2.9, 10.7 Hz),3.41 (1H, m),3.67 (1H, dd, 2.4, 10.0 Hz),3.76 (1H, dd, J=3.9, 10.7 Hz),3.92 (2H, m),4.00 (1H, dd, J=2.6, 10.5 Hz),4.02 (1H, m),4.07 (1H, brd),4.27 (1H, m),4.38 (1H, dd, J=3.6, 9.2 Hz),4.46 (1H, m),4.75 (1H, dd, J=2.3 Hz),5.14 (1H, d, J=3.4 Hz),5.27 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例2
5−デオキシ−4”−エピ−5−エピフルオロアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程2−(a)
実施例1の製造工程1−(b)にて得た化合物2.5gを、ピリジン7.0mLに溶解し、無水酢酸3.0mLを加え、室温で1晩攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、下記の化合物1.9gを得た。
Figure 2005070945
ESIMS:m/z1217[M+H]+
製造工程2−(b)
製造工程2−(a)で得た上記の化合物1.0gを用いて、実施例1の製造工程1−(f)の方法に従い、下記の化合物0.91gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1159[M+Na]+
製造工程2−(c)
製造工程2−(b)で得た化合物2.4gを用いて、製造工程1−(g)の方法に従い、下記の化合物2.2gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1379[M+H]+
製造工程2−(d)
製造工程2−(c)で得た化合物0.74gを用いて、実施例1−(h)の方法に従い、下記化合物0.25gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1443[M+Na]+
製造工程2−(e)
製造工程2−(d)で得た化合物0.18gを、塩化メチレン5.0mLに溶解し、−50℃に冷却下、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)を0.058mL加えた後、室温で3時間攪拌した。その後、氷冷下飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を5mL加え、5分間攪拌した後、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、粗精製物として下記の化合物を得た。得た粗精製物は単離、精製することなく次の工程である製造工程2−(f)に用いた。
Figure 2005070945
製造工程2−(f)
製造工程2−(e)で得た粗精製物170mgを用いて,実施例1の製造工程1−(i) 、(j)の方法に従い、標題の化合物:5−デオキシ−4”−エピ−5−エピフルオロアルベカシン(7.3mg)を得た。
FABMS:m/z555[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ:1.88 (2H, m),2.12 (4H, m),2.20 (3H, m),2.37 (1H, m),2.52 (1H, m),3.12 (2H, m),3.23 (3H, m),3.40 (1H, dd, J=3.0, 10.7 Hz),3.66 (1H, m), 4.03 (1H, dd, J=3.9, 10.7 Hz),4.03 (1H, dd, J=10.3, 27.1 Hz),4.18 (2H, m),4.28 (1H, m),4.32 (1H, m),4.38 (1H, dd, J=11.0, 27.3 Hz),4.52 (1H, m),4.63 (1H, dd, J=3.6, 9.3 Hz),4.67 (1H, ddd, J=4.7, 11.0 Hz),5.43 (1H, d, J=3.2 Hz),5.52 (1H, d, J=3.6 Hz),5.88 (1H, d, J=52.2 Hz) 。
実施例3
5−デオキシ−4”−エピ−5−エピクロロアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程3−(a)
製造工程2−(d)で得た化合物0.28gを用い、製造工程1−(d)の方法に従い、下記の化合物0.21gを得た。
Figure 2005070945
製造工程3−(b)
製造工程3−(a)で得た化合物0.21gを用いて、実施例1の製造工程1−(e)の方法に従い、酢酸セシウムの代わりにリチウムクロライドを下記の化合物0.13gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1461[M+Na]+,1477[M+K]+
製造工程3−(c)
製造工程3−(b)で得た化合物130mgを用いて、製造工程1−(i) 、1−(j)の方法に従い、標題の化合物: 5−デオキシ−4”−エピ−5−エピクロロアルベカシン(14.0mg)を得た。
FABMS:m/z571[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ:1.60 (2H, m),1.92 (4H, m),2.11 (1H, m),2.26 (1H, m),2.85 (2H, m),2.98 (3H, m),3.16 (1H, dd, J=2.9, 10.7 Hz),3.52 (1H, m), 3.77 (1H, dd, J=3.9, 10.7 Hz),3.92 (3H, m),4.02 (1H, m),4.07 (1H, brd, J=2.9 Hz),4.24 (1H, dd, J=3.1, 10.5 Hz),4.33 (1H, m),4.38 (1H, dd, J=3.6, 9.2 Hz),4.53 (1H, m),5.10 (1H, d, J=3.4 Hz),5.23 (1H, brs, J=3.7 Hz) ,5.27 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例4
5−デオキシ−4”−エピ−5−エピアジドアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程4−(a)
製造工程3−(a)で得た化合物100mgを用いて、製造工程1−(e)の方法に従い、酢酸セシウムの代わりにアジ化ナトリウムを用い、下記の化合物57mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1446[M+H]+
製造工程4−(b)
製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、上記4−(a)で得た化合物(52mg)を用いて標題の化合物: 5−デオキシ−4”−エピ−5−エピアジドアルベカシン(6.3mg)を得た。
FABMS:m/z578[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ:1.54 (1H, m),1.60 (1H, m),1.92 (4H, m),2.12 (1H, m),2.19 (1H, ddd, J=4.5, 12.9 Hz),2.86 (2H, m),2.95 (2H, m),3.04 (1H, m),3.14 (1H, dd, J=3.0, 10.7 Hz),3.34 (1H, m), 3.78 (2H, m), 3.95 (2H, m),4.00 (1H, m),4.09 (2H, brd),4.24 (2H, m),4.37 (1H, dd, J=3.6, 9.3 Hz),4.46 (1H, ddd, J=3.6, 11.5 Hz),4.61 (1H, brs),5.16 (1H, d, J=3.4 Hz),5.30 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例5
5−デオキシ−4”−エピ−5−エピアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程5−(a)
実施例4で得た化合物:5−デオキシ−4”−エピ−5−エピアジドアルベカシン(8.3mg)を水5.0mLに溶解し、アルゴン気流下10% Pd−C(8.0mg)を加えた後、水素置換を行い室温で5時間攪拌した。反応液をセライト濾過したのち、CM−Sephadex(NH )を用いて精製し、標題の化合物:5−デオキシ−4”−エピ−5−エピアミノアルベカシン(5.7mg)を得た。
FABMS:m/z552[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3):δ 1.57 (1H, m),1.62 (1H, m),1.97 (4H, m),2.15 (1H, m),2.23 (1H, m),2.89 (2H, m),2.98 (2H, m),3.05 (1H, m),3.20 (1H, dd, J=3.2, 11.0 Hz),3.47 (1H, ddd, J=4.4, 11.7 Hz), 3.74 (1H, dd, J=3.4, 10.3 Hz), 3.79 (1H, dd, J=3.9, 11.0 Hz),3.94 (2H, m),4.04 (2H, m),4.12 (2H, m),4.22 (1H, dd, J=6.1 Hz),4.41 (1H, dd, J=3.4, 9.3 Hz),4.52 (1H, ddd, J=3.6, 7.3 Hz),5.16 (1H, d, J=3.2 Hz),5.30 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例6
5−デオキシ−4”−エピ−5−エピ(2−ヒドロキシエチル)アミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程6−(a)
製造工程3−(a)で得た化合物(100mg)を用い、製造工程1−(e)の方法に従い、酢酸セシウムの代わりに2−アミノエタノールを用いて、下式の化合物を粗精製物として得た。そして、この粗精製物を単離、精製することなく次の製造工程6−(b)に用いた。
Figure 2005070945
製造工程6−(b)
製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、製造工程6−(a)で得た化合物72mgを用いて、標題の化合物:5−デオキシ−4”−エピ−5−エピ(2−ヒドロキシエチル)アミノアルベカシン(13mg)を得た。
FABMS:m/z596[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3):δ1.56 (1H, m),1.65 (1H, m),1.99(4H, m),2.17 (1H, m),2.26 (1H, ddd, J=4.9, 13.2 Hz),2.90 (2H, m),3.00 (2H, m),3.08 (2H, m),3.17 (1H , m),3.27 (1H , m),3.46 (1H, m), 3.80 (1H, m), 4.00 (5H, m),4.13 (1H, m),4.15 (1H, dd, J=3.2, 11.0 Hz),4.27 (1H, dd, J=5.8, 5.9 Hz),4.41 (1H, dd, J=3.4, 9.2 Hz),4.65 (1H, ddd, J=4.2, 11.7 Hz),5.17 (1H, d, J=3.2 Hz),5.30 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例7
4”−エピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程7−(a)
製造工程1−(i)および(j)の方法に従い、製造工程2−(d)で得た化合物75mgを用いて標題の化合物:4”−エピアルベカシン(24mg)を得た。
FABMS:m/z553[M+H]+
1H-NMR(D2O+ ND3 ):δ1.70 (2H, m),1.90 (1H, m)2.00 (3H, m),2.19 (2H, m),2.92 (2H, m),3.02 (2H, m),3.12 (1H, ddd, J=3.7, 12.4 Hz),3.18 (1H, m),3.20 (1H, m),3.61 (1H, dd, J=9.1 Hz),3.85 (1H, dd, J=3.8, 10.7 Hz),3.97 (4H, m),4.13 (1H, m),4.16 (1H, brd),4.22 (1H, ddd, J=4.3, 9.7, 13.4 Hz),4.44 (1H, dd, J=3.6, 9.2 Hz),4.51 (1H, m)5.39 (1H, d, J=3.8 Hz),5.41 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例8
4”−デオキシ−5−エピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程8−(a)
製造工程2−(c)で得た化合物560mgを用いて、製造工程2−(d)の方法に従い、酢酸セシウムの代わりにリチウムクロリドを用いて、下記の化合物284mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1435[M+K]+
製造工程8−(b)
製造工程8−(a)で得た化合物140mgをジオキサン7.0mLに溶解し、水素化トリ−n−ブチルスズ0.43mL、アゾビスイソブチルニトリル15mgを加え、80℃で1晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し残渣をヘキサンで洗浄後、分取−TLC(ヘキサン:酢酸エチル=5:7)で精製し下記の化合物109mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1385[M+Na]+, 1401[M+K]+
製造工程8−(c)
製造工程8−(b)で得た化合物95mgを用いて、製造工程1−(d)の方法に従い、下式の化合物を粗精製物として得た。この化合物を単離、精製することなく次の工程に付した。
Figure 2005070945
製造工程8−(d)
製造工程8−(c)で得た化合物を用いて、製造工程1−(e)の方法に従い、下記の化合物25mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1427[M+Na]+
製造工程8−(e)
製造工程8−(d)で得た化合物25mgを用いて、製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、標題の化合物:4”−デオキシ−5−エピアルベカシン(10mg)を得た。
FABMS:m/z537[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3):δ1.30 (1H, m),1.40 (1H, m),1.47 (1H, m),1.78 (4H, m),1.91 (1H, m),2.00 (1H, m),2.08 (1H, m),2.72 (2H, m), 2.83 (2H, m),2.89 (1H, m),3.16 (1H, m),3.28 (1H, m),3.33 (1H, dd, J=3.8, 10.2 Hz),3.52 (1H, dd, J=2.2, 10.3 Hz),3.60 (1H, dd, J=7.6, 12.1 Hz),3.70 (1H, dd, J=2.7, 12.1 Hz),3.84 (1H, m),3.92 (1H, m),4.16 (1H, m),4.25 (1H, dd, J=3.6, 9.5 Hz),4.31 (1H, ddd, J=4.6, 12.2 Hz),4.57 (1H, brs),5.01 (1H, d, J=3.4 Hz) ,5.12 (1H, d, J=3.8 Hz)。
実施例9
1−N−[(S)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−5,4”−ジエピジベカシン
Figure 2005070945
製造工程9−(a)
3,2’,6’−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−3”−トリフルオロアセチル−ジベカシン5gを1,4−ジオキサン100mL、水50mLに溶解し、トリエチルアミン0.44mL、ベンジルオキシカルボニルオキシコハク酸イミド2gを加えて、1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をヘキサン、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテルで洗浄後、乾燥し、下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(b)
製造工程9−(a)で得た化合物をメタノール150mLに溶解し、アンモニア水150mLを加え、室温で一晩攪拌した。この反応液を減圧濃縮し、下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(c)
製造工程9−(b)で得た化合物を用いて、テトラヒドロフラン100mL、水50mLに溶解し、トリエチルアミン0.66mL、t−ブチルジカルボネート1.9mLを加え、1晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=300:10:1)にて精製し、下記の化合物2.8gを得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(d)
製造工程9−(c)で得た化合物を用いて、製造工程1−(b)の方法に従い、下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(e)
製造工程9−(d)で得た化合物を用いて、製造工程2−(a)の方法に従い、下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(f)
製造工程9−(e)で得た化合物を用いて、製造工程1−(f)の方法に従い、下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(g)
製造工程9−(f)で得た化合物3gを用いて、製造工程1−(g)の方法に従い、下記の化合物1.2gを得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(h)
製造工程9−(g)で得た化合物1.2gを用いて、製造工程1−(h)の方法に従い、下記の化合物1.2gを得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(i)
製造工程9−(h)で得た化合物1.2gを用いて、製造工程1−(d)の方法に従い、下記の化合物0.35gを得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(j)
製造工程9−(i)で得た化合物0.35gを用いて、製造工程1−(e)の方法に従い、下記の化合物0.20gを得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(k)
製造工程9−(j)で得た化合物0.20gを用いて、製造工程1−(i)の方法に従い、下記の化合物0.17gを得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(l)
製造工程9−(k)で得た化合物75mgをメタノールに溶解し、ギ酸0.23mL、パラジウム炭素145mgを加えて、5時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣に塩化メチレンを加え、5%炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を濃縮乾固し、下記の化合物46mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(m)
(s)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシプロピオン酸30mgをテトラヒドロフラン1mLに溶解し、さらに、この溶液にDCC25mg、ヒドロキシコハク酸イミド14mgを加えて5時間攪拌し、活性エステル溶液を調製した。また、製造工程9−(l)にて得た化合物67mgを、テトラヒドロフラン/水(テトラヒドロフラン:水=3:1)の溶液1mLに溶かし、炭酸ナトリウム13mgを加えた。さらに、この溶液に、先に調製した活性エステル溶液を加えて1時間攪拌した。その後、反応液に塩化メチレン80mLを加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=100:10:1)にて精製し、下記の化合物20mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程9−(n)
製造工程9−(m)で得た化合物20mgを90%トリフルオロ酢酸水2mLに溶解し、4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水2mLに溶解し、パラジウム炭素20mgを加えて、水素雰囲気下で4時間攪拌した。この溶液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をCM−Sephadex(NH )で精製し、標題の化合物:1−N−[(S)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−5,4”−ジエピジベカシン(10mg)を得た。
FABMS:m/z539[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ :1.33-1.54 (2H, m),1.75-1.88 (3H, m),2.05-2.13 (1H, m),2.69-2.83 (2H ,m),2.86-2.95 (2H, m),3.00-3.09 (2H, m),3.20-3.33(1H ,m),3.54 (1H, dd, J=2.5),3.64 (1H, dd, J=4.0, 10.8 Hz),3.79-4.00 (3H, m),3.86 (1H, dd, J=2.3, 10.8 Hz),3.96 (1H, d, J=1.9 Hz),4.12-4.18 (1H, m),4.22 (1H, dd, J=3.9, 6.9 Hz),4.30-4.38 (1H ,m),4.56 (1H, s),5.02 (1H, d, J=3.2 Hz),5.14 (1H, d, J=4.1 Hz)。
実施例10
1−N−[(S)−(5−アミノ−2−ヒドロキシペンタノイル)]−5,4”−ジエピジベカシン
Figure 2005070945
製造工程10−(a)
(s)−5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸を用いて、実施例9の方法に従い、標題の化合物:1−N−[(S)−(5−アミノ−2−ヒドロキシペンタノイル)]−5,4”−ジエピジベカシンを得た。
FABMS:m/z567[M+H]+
実施例11
5,4”−ジエピ−3”−N−メチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程11−(a)
3,2’,6’−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−4”’−N−p−メトキシベンジルオキシカルボニル−アルベカシン3.0gをメタノール/ジオキサン溶液30mL(メタノール:ジオキサン=1:1)に溶解させ、トリエチルアミン0.84mL、ベンズアルデヒド0.46mLを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、得た残渣をメタノール/ジオキサン溶液30mL(メタノール:ジオキサン=1:1)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム113mgを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=9:1)で精製し、下記の化合物0.87gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1107[M+H]+
製造工程11−(b)
製造工程11−(a)で得た化合物1.40gを用いて、製造工程11−(a)の方法に従い、ベンズアルデヒドの代わりにホルムアルデヒドを用い、下記の化合物0.99gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1121[M+H]+
製造工程11−(c)
製造工程1−(b)〜1−(j)の方法に従い、上記(b)で得た化合物を用いて反応を行い、得た化合物を水に溶解し、1M塩酸を加えアルゴン気流下10%Pd−Cを加えた後、水素置換を行い、室温で一晩攪拌した。反応液をセライト濾過した後CM−Sephadex(NH )を用いて精製し標題の化合物:5,4”−ジエピ−3”−N−メチルアルベカシンを得た。
FABMS:m/z567[M+H]+
実施例12
5,4”−ジエピ−6’−N−メチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程12−(a)
アルベカシン22gを116mLの水に溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド772mLを加え、酢酸亜鉛14.7gを加えて1時間攪拌し、ベンジルオキシカルボニルオキシコハク酸イミドを加え、5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得た残渣をアンバーライトCG−50(NH )にて精製し、下記の化合物4.9gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z687[M+H]+
製造工程12−(b)
製造工程12−(a)で得た化合物4.9gを100mLの水に溶解し、メタノール150mL, 1,4−ジオキサン25mLを加え、さらに、トリエチルアミン0.8mL、ジt−ブチルジカルボネート9.5mLを加えて1晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をヘキサン、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテルで洗浄した後、濃縮乾固し、下記の化合物8.0gを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(c)
製造工程12−(b)で得た化合物を、80mLの1,4−ジオキサンに溶解し、16mLの水を加え、10%Pd−C 0.5gを加え、水素雰囲気下、接触水素還元反応を行った。セライトろ過後、ろ液を濃縮乾固して、下記の化合物を6.0g得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(d)
製造工程12−(c)で得た化合物6.0gを100mLの1,4−ジオキサンに溶解し、100mLのメタノールを加え、トリエチルアミン1.8mL, ベンズアルデヒド1.0mLを加えて2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をジイソプロイルエーテルにて洗浄した後、濃縮乾固した。100mLの1,4−ジオキサンに溶かし、100mLのメタノールを加えた。水素化ホウ素ナトリウム0.24gを加えて、2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水100mlを加え、塩化メチレンにて抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮乾固して、下記の化合物4.0gを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(e)
製造工程12−(d)で得た化合物6.58gを用い、ベンズアルデヒドの代わりにホルムアルデヒドを用いて、製造工程12−(d)の方法に従い、下記の化合物6.74gを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(f)
製造工程12−(e)で得た化合物4gを140mLのテトラヒドロフランに溶かした溶液に、20mLの水を加え、水酸化パラジウム1gを加えて、水素雰囲気下、3時間攪拌した。セライトろ過後、ろ液を濃縮乾固した。100mLのテトラヒドロフランに溶かし、トリエチルアミン1.2mL、ジ−t−ブチルジカルボネート2.9mLを加えて3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=100:10:1)にて精製し、下記の化合物1.0gを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(g)
製造工程12−(f)で得た化合物1gを用いて、製造工程1−(b)の方法に従い、下記の化合物1.2gを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(h)
製造工程12−(g)で得た化合物1.2gをピリジン7mLに溶解し、無水酢酸0.25mLを加え、2時間反応させた。反応液を減圧濃縮後、水30mLを加え、塩化メチレンにて抽出し、10%硫酸水素カリウム水、飽和炭酸ナトリウム水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。この溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)にて精製し、下記の化合物0.38gを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(i)
製造工程12−(h)で得た化合物0.38gを塩化メチレン10ml、メタノール1mlの混合溶液に溶解し、90%トリフルオロ酢酸水溶液1mlを加え1時間攪拌した。氷浴下、トリエチルアミンを加えて中和後、反応液を減圧濃縮し、塩化メチレンにて抽出し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、濃縮乾固して、下記の化合物0.34gを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(j)
製造工程12−(i)で得た化合物250mgを用いて、製造工程1−(g)の方法に従い、下記の化合物70mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(k)
製造工程12−(j)で得た化合物70mgを用いて、製造工程1−(h)の方法に従い、下記の化合物66mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(l)
製造工程12−(k)で得た化合物50mgを用いて、製造工程1−(d)の方法に従い、下記の化合物50mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(m)
製造工程12−(l)で得た化合物70mgを用いて、製造工程1−(e)の方法に従い、下記の化合物60mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程12−(n)
製造工程12−(m)で得た化合物35mgを用いて、製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、標題の化合物:5,4”−ジエピ−6’−N−メチルアルベカシン(3mg)を得た。
FABMS:m/z567[M+H]+
1H-NMR(D2O+DCl)δ:1.62 (1H, m),1.88 (1H, m),1.99 (1H, m),2.04 (1H, m),2.10 (2H, m)3.26 (2H, m),2.82 (3H, s),3.16 (1H, dd, J=9.0, 13.0 Hz),3.25 (2H, m),3.30 (1H, dd, J=2.0, 13.0 Hz),3.59 (1H, m),3.62 (1H, dd, J=3.1, 11.2 Hz),3.73 (1H, m),3.80 (1H, dd, J=8.8, 12.0 Hz),3.87 (1H, dd, J=2.7, 12.0 Hz),4.05 (2H, m),4.22 (3H, m),4.36 (1H, dd, J=3.8, 9.3 Hz),4.41 (1H, m),4.80 (1H, m),5.26 (1H, d, J=4.0 Hz),5.47 (1H, d, J=3.7 Hz)。
実施例13
5−エピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程13−(a)
製造工程2−(a)の方法に従い、製造工程1−(a)で得た化合物14gを用いて下記の化合物11.6gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1259[M+K]+
製造工程13−(b)
製造工程13−(a)で得た化合物11.6gを用いて、製造工程1−(d)の方法に従い、下記の化合物7.4gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1321[M+Na]+, 1337[M+K]+
製造工程13−(c)
製造工程1−(e)の方法に従い、製造工程13−(b)で得た化合物7.4gを用いて、下記の化合物3.6gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1263[M+H]+
製造工程13−(d)
製造工程1−(i) および1−(j)の方法に従い、製造工程13−(c)で得た化合物5.1gを用いて標題の化合物: 5−エピアルベカシン(1.3g)を得た。
FABMS:m/z553[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ:1.27-1.48 (2H, m)1.64-1.80 (4H, m),1.85-1.95 (1H, m),1.98-2.07 (1H ,m),2.60-2.86 (5H, m),3.02 (1H, dd, J=10.3 Hz),3.17-3.26 (2H, m),3.39 (1H, ddd, J=1.2, 3.9, 10.3 Hz),3.46 (1H, dd, J=1.2, 10.3 Hz),3.67 (1H, dd, J=6.9, 12.1Hz),3.77-3.93 (4H, m),4.17 (1H,dd, J=3.7, 9.3 Hz),4.25 (1H, dd, J=4.4, 11.7 Hz),4.50 (1H, s),4.94 (1H, d, J=3.2 Hz),5.40 (1H d, J=3.9 Hz)。
実施例14
5−デオキシ−5−エピアセチルアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程14−(a)
アルベカシン3.36gを水30mLに溶かした溶液に、イソプロピルアルコール12mL、テトラヒドロフラン60mL、トリエチルアミン2.4mLを加え、室温でS−p−メトキシベンジルオキシカルボニル−4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン10.86gのイソプロピルアルコール/テトラヒドロフラン溶液(イソプロピルアルコール18mL、テトラヒドロフラン30mL)を滴下し、60℃にて3時間攪拌した。ジエチルエーテル100mLを加え、6℃で14時間放置した。析出した固体をろ取し、ジエチルエーテル、水で洗浄後、減圧下乾燥させ、固体として下記の化合物6.61gを得た。
Figure 2005070945
製造工程14−(b)
製造工程14−(a)で得た化合物4.11gをピリジン50mLに溶解し、氷冷下、ベンゾイルクロライド2.05gの塩化メチレン9mL溶液を加え、氷冷下0.5時間攪拌した後、室温まで昇温で4時間攪拌した。水0.1mLを加えた後、減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、水、10%硫酸水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で、順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮乾固して、下記の化合物5.22gを得た。
Figure 2005070945
製造工程14−(c)
製造工程14−(b)で得た化合物を用いて、製造工程4−(a)の方法に従い、下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程14−(d)
製造工程14−(c)で得た化合物103mgを、テトラヒドロフラン2mLおよび水0.2mLの混合溶媒に溶解し、ラネーニッケル存在下常圧水素圧で3時間攪拌した。触媒を濾去した後、減圧濃縮し、得た残渣をクロロホルム:メタノール=5:1の溶液2mLに溶解し、トリエチルアミン0.03mL、無水酢酸30mgを加え室温で一晩攪拌した。得た残渣を製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、脱保護して標題の化合物:5−デオキシ−5−エピアセチルアミノアルベカシン(6mg)を得た。
FABMS:m/z594[M+H]+
実施例15
5−デオキシ−5−エピメタンスルホニルオキシアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程15−(a)
製造工程13−(c)で得た化合物を、製造工程1−(i)の方法に従って反応後、さらに製造工程2−(a)の方法に従い反応させた。こうして得た化合物を用いて製造工程1−(d)の方法に従い反応させた後、製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い脱保護し、標題の化合物:5−デオキシ−5−エピメタンスルホニルオキシアルベカシンを得た。
FABMS:m/z631[M+H]+
1H-NMR(D2O+DCl)δ:1.69 (1H, m),1.92 (3H, m),2.15 (3H, m),2.34 (1H, m),3.12 (3H, m),3.41 (2H, m),3.47 (3H, s),3.67 (3H, m),3.95 (5H, m),4.27 (1H, m),4.35 (2H, m),4.44 (1H, m),5.18 (1H, d, J=3.6 Hz),5.50 (1H, brs),5.58 (1H, brs)。
実施例16
5−デオキシ−5−エピクロロアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程16−(a)
製造工程3−(b)の方法に従い、製造工程13−(b)で得た化合物を用いて下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程16−(b)
製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、製造工程15−(a)で得た化合物を用いて、標題の化合物:5−デオキシ−5−エピクロロアルベカシンを得た。
FABMS:m/z571[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ:1.62 (1H, dddd, J=3.90, 13.67, 13.67, 13.67 Hz),1.85 (1H, ddd, J=12.7, 12.7, 12.7 Hz),1.90-2.10 (4H, m),2.17 (1H, ddt, J=3.42, 7.81, 14.16 Hz),2.34 (1H, ddd, J=4.39, 4.39, 12.7 Hz),3.09 (1H, dd, J=7.33, 13.19 Hz),3.17 (2H, dd, J=6.84, 6.84 Hz),3.27 (1H, dd, J=2.93, 13.18 Hz),3.38 (1H, dd, J=10.26, 10.26 Hz),3.58 (1H, dd, J=9.77, 9.77 Hz),3.58-3.63 (1H, m),3.69 (1H, dd, J=7.33, 12.21 Hz),3.81 (1H, dd, J=3.90, 11.23 Hz),3.87-3.97 (3H, m),4.05-4.13 (1H, m),4.28 (1H, dd, J=3.41, 9.27 Hz),4.30 (1H, dd, J=2.93, 9.77 Hz),4.38-4.45 (1H, m),4.42 (1H, dd, J=2.93, 10.74 Hz),5.15 (1H, dd, J=2.93, 2.93 Hz),5.17 (1H, d, J=3.91 Hz),5.35 (1H, d, J=3.42 Hz)。
実施例17
5−デオキシ−5−エピアジドアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程17−(a)
製造工程4−(a)の方法に従い、製造工程13−(b)で得た化合物を用いて下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程17−(b)
製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、製造工程17−(a)で得た化合物を用いて、標題の化合物: 5−デオキシ−5−エピアジドアルベカシンを得た。
FABMS:578[M+H]+
実施例18
5−デオキシ−5−エピアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程18−(a)
実施例17で得た化合物を用いて、実施例5の方法に従い、標題の化合物:5−デオキシ−5−エピアミノアルベカシンを得た。
FABMS:m/z552[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ:1.27-1.48 (1H, m)1.33 (1H,q ,J=12.8 Hz),1.67-1.80 (4H, m),1.87-1.97 (1H, m),2.01 (1H,dt, J=4.7, 12.8 Hz),2.62-2.87(5H, m),3.02 (1H, t, J=10.1 Hz),3.15-3.30 (1H, m),3.38 (1H, dd, J=3.9 Hz, J=10.1Hz),3.52 (1H, dd, J=3.1 Hz,J=10.3 Hz),3.73-3.87 (6H, m),4.19 (1H, dd, J=3.6, 9.5 Hz),4.26-4.35 (1H, m),4.93 (1H, d, J=3.4 Hz),5.17 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例19
5−デオキシ−5−エピジメチルアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程19−(a)
製造工程17−(a)で得た化合物288mgを用いて、製造工程1−(i)の方法に従い反応を行い、下記の化合物250mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程19−(b)
製造工程19−(a)で得た化合物220mgを、水:エタノール=1:1の溶液4mLに溶解しアルゴン気流下10%Pd−C200mgを加えた後室温で一晩攪拌した。反応液をセライト濾過した後、P−TLC(展開溶媒:アセトン)で精製を行い、下記の化合物120mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程19−(c)
製造工程19−(b)で得た化合物90mgを用いて製造工程11−(b)の方法に従って反応させ、さらに製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:5−デオキシ−5−エピジメチルアミノアルベカシン(8mg)を得た。
FABMS:m/z580[M+H]+
実施例20
5−デオキシ−5−エピベンゾイルアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程20−(a)
製造工程19−(b)で得た化合物50mgを用いて、製造工程1−(c)の方法に従って反応させ、さらに製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:5−デオキシ−5−エピベンゾイルアミノアルベカシン(8mg)を得た。
FABMS:656[M+H]+
実施例21
5−デオキシ−5−エピベンジルアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程21−(a)
製造工程19−(b)で得た化合物100mgをN,N−ジメチルホルムアミド3mLに溶解し、炭酸カリウム13mgおよびベンジルブロマイド0.066mLを加え、室温で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮後塩化メチレンで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濃縮乾固により化合物(64mg)を得た。さらに、この化合物を用いて、製造工程1−(j)の方法に従い脱保護を行い、標題の化合物:5−デオキシ−5−エピベンジルアミノアルベカシン(30mg)を得た。
FABMS:m/z642[M+H]+
実施例22
5−デオキシ−5−エピメチルアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程22−(a)
製造工程13−(b)で得た化合物500mgを用いて、製造工程1−(i)の方法に従い、下記の化合物406mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程22−(b)
製造工程22−(a)で得た化合物100mgにメチルアミン−メタノール溶液5.0mLを加え、封管中60℃で4日間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製し、下記の化合物27.0mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1088[M+Na]+
製造工程22−(c)
製造工程22−(b)で得た化合物23.0mgを用い、製造工程1−(j)の方法に従い、標題の化合物:5−デオキシ−5−エピメチルアミノアルベカシン(12.0mg)を得た。
FABMS:m/z566[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ:1.48 (1H, m),1.60 (1H, m),1.90 (4H, m),2.09 (1H, m),2.19 (1H, m),2.74 (3H, s),2.84 (2H, m),2.94 (2H, m),3.01 (1H, m),3.15 (1H, dd, J=9.7, 10.5 Hz),3.32 (1H, m),3.40 (1H, dd, J=9.8, 10.0 Hz),3.56 (2H, m),3.72 (1H, dd, J=3.0, 10.0 Hz), 3.88 (2H, m),3.99 (2H, m),4.08 (1H, m),4.35 (1H, dd, J=3.4, 9.3 Hz),4.52 (1H, ddd, J=4.8, 12.0 Hz),5.12 (1H, d, J=3.4 Hz),5.20 (1H, d, J=4.0 Hz)。
実施例23
5−デオキシ−5−エピアリルアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程23−(a)
製造工程22−(b)の方法に従い、製造工程22−(a)の化合物100mgを用い、さらに、メチルアミン−メタノール溶液の代わりにアリルアミンを用いて、下記の化合物21mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1092[M+H]+
製造工程23−(b)
製造工程1−(j)の方法に従い、製造工程23−(a)で得た化合物21mgを用いて 標題の化合物:5−デオキシ−5−エピアリルアミノアルベカシン(12.0mg)を得た。
FABMS:m/z592[M+H]+
実施例24
5−デオキシ−5−エピ(2−アミノエチル)アミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程24−(a)
製造工程1−(e)の方法に従い、酢酸セシウムの代わりにエチレンジアミンを用い、製造工程22−(a)で得た化合物100mgを用いて下記の化合物21mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1095[M+H]+
製造工程24−(b)
製造工程1−(j)の方法に従い、製造工程24−(a)で得た化合物を用いて標題の化合物:5−デオキシ−5−エピ(2−アミノエチル)アミノアルベカシン(16.0mg)を得た。
FABMS:m/z595[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.48 (1H, m),1.59 (1H, m),1.90 (4H, m),2.08 (1H, m),2.18 (1H, m)2.83 (2H, m)2.92 (4H, m),3.00 (2H, m),3.13 (1H, dd, J=10.2 Hz),3.20 (1H, m),3.35 (1H, m),3.40 (1H, dd, J=10.2 Hz),3.55 (1H, dd, J=3.9, 10.2 Hz),3.65 (1H, brs),3.71 (1H, dd, J=3.0, 10.1 Hz),3.87 (1H, m),3.97 (2H, m),4.06 (2H, m),4.34 (1H, dd, J=3.5, 9.8 Hz),4.59 (1H, m),5.10 (1H, d, J=3.4 Hz),5.19 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例25
5−デオキシ−5−エピ(2−ヒドロキシエチル)アミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程25−(a)
製造工程1−(e)の方法に従い、酢酸セシウムの代わりに2−アミノエタノールを用い、製造工程22−(a)で得た化合物100mgを用いて、下記の化合物25.0mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1096[M+H]+
製造工程25−(b)
製造工程1−(j)の方法に従い、製造工程25−(a)で得た化合物25.0mgを用いて標題の化合物:5−デオキシ−5−エピ(2−ヒドロキシエチル)アミノアルベカシン(11.4mg)を得た。
FABMS:m/z596[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.26 (1H, m),1.35 (1H, m),1.69 (4H, m),1.87 (1H, m),1.96 (1H, m)2.61 (2H, m)2.70 (3H, m),2.80 (1H, m),2.89 (1H, dd, J=9.6 Hz),3.09 (1H, m),3.17 (1H, dd, J=9.6,10.0 Hz),3.32 (1H, dd, J=3.6,9.6 Hz),3.43 (1H, brs),3.52 (1H, m),3.65 (3H, m),3.74 (2H, m),3.85 (2H, m),4.12 (1H, dd, J=3.6, 10.0 Hz),4.39 (1H, m),4.87 (1H, d, J=3.2Hz),4.97 (1H, d, J=3.8 Hz)。
実施例26
5−デオキシ−5−エピ(3−ヒドロキシプロピル)アミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程26−(a)
製造工程1−(e)の方法に従い、酢酸セシウムの代わりに3−アミノ−1−プロパノールを用い、製造工程22−(a)で得た化合物100mgを用いて下記の化合物43.0mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1110[M+H]+
製造工程26−(b)
製造工程1−(j)の方法に従い、製造工程26−(a)で得た化合物43.0mgを用いて標題の化合物:5−デオキシ−5−エピ(3−ヒドロキシプロピル)アミノアルベカシン(18.5mg)を得た。
ESIMS:m/z610[M+H]+
実施例27
5−デオキシ−5−エピ(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル)アミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程27−(a)
製造工程1−(e)の方法に従い、酢酸セシウムの代わりに2−アミノ−1,3−プロパンジオールを用い、製造工程22−(a)で得た化合物100mgを用いて下記の化合物13.8mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程27−(b)
製造工程1−(j)の方法に従い、製造工程27−(a)で得た化合物13.8mgを用いて標題の化合物:5−デオキシ−5−エピ(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル)アミノアルベカシン(6.0mg)を得た。
FABMS:m/z626[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.49 (1H, m),1.60 (1H, m),1.95 (4H, m),2.09 (1H, m),2.20 (1H, m),2.84 (2H, m),2.93 (2H, m),3.03 (1H, m),3.11 (1H, dd, J=10.1 Hz),3.34 (1H, m),3.43 (1H, dd, J=9.7,10.1 Hz),3.48 (1H, m),3.57 (1H, dd, J=3.8,10.1 Hz),3.70-4.09 (11H, m),4.36 (1H, dd, J=3.4, 9.5 Hz),4.81 (1H, m),5.17 (1H, d, J=3.4 Hz),5.22 (1H, d, J=3.8 Hz)。
実施例28
5−エピ−3”−N−メチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程28−(a)
3,2’,6’−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−4”’−N−p−メトキシベンジルオキシカルボニル−アルベカシン3.0gをメタノール/ジオキサン溶液(メタノール:ジオキサン=1:1)30mLに溶解させ、トリエチルアミン0.84mL、ベンズアルデヒド0.46mLを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、ジイソプロピルエーテルで洗浄し、得た残渣をメタノール/ジオキサン溶液(メタノール:ジオキサン=1:1)30mLに溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム113mgを加え、室温で1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、塩化メチレンで抽出して無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=9:1)で精製し、下記の化合物0.87gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1107[M+H]+
製造工程28−(b)
製造工程28−(a)の方法に従い、ベンズアルデヒドの代わりにホルムアルデヒドを用い、かつ、製造工程28−(a)で得た化合物1.40gを出発物質として用いて、下記の化合物0.99gを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1121[M+H]+
製造工程28−(c)
製造工程2−(a)の方法に従い、製造工程28−(b)で得た化合物370mgを用いて下記の化合物200mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1289[M+H]+
製造工程28−(d)
製造工程1−(d)および1−(e)の方法に従い、製造工程28−(c)で得た化合物200mgを用いて下記の化合物134mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1331[M+H]+
製造工程28−(e)
製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、製造工程28−(d)で得た化合物130mgを用いて下記の化合物19mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z657[M+H]+
製造工程28−(f)
製造工程28−(e)で得た化合物19.0mgを水5.0mLに溶解し、1N塩酸0.5mLを加え、アルゴン気流下10%Pd−C 5mgを加えた後、水素置換を行い室温で一晩攪拌した。反応液をセライト濾過した後CM−Sephadex(NH )を用いて精製し、標題の化合物:5−エピ−3”−N−メチルアルベカシン(16.0mg)を得た。
FABMS:567[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.40 (2H, m),1.77 (4H, m),1.95 (1H, m),2.05 (1H, ddd, J=4.2, 5.1, 13.2 Hz),2.47 (3H, s),2.70 (2H, m),2.83 (4H, m),3.26 (1H, m),3.40 (1H, dd, J=9.8,10.0 Hz),3.50 (1H, dd, J=2.2,10.3 Hz),3.57 (1H, dd, J=3.9,10.5 Hz),3.70 (1H, dd, J=7.0,12.0 Hz),3.85 (3H, m),3.93 (1H, dd, J=2.0,12.0 Hz),4.23 (1H, dd),4.31 (1H, m),4.54 (1H, dd,),4.98 (1H, d, J=3.6 Hz),5.07 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例29
5−エピ−6’−N−メチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程29−(a)
製造工程12−(f)で得た化合物を用いて、製造工程2−(a)の方法に従って水酸基のアセチル化を行い、得られた化合物を用いて製造工程1−(d)および1−(e)の方法に従い5位の水酸基の反転反応を行った後に、製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い脱保護を行い、標題の化合物:5−エピ−6’−N−メチルアルベカシンを得た。
FABMS:m/z567[M+H]+
実施例30
6’−アミノメチル−6’−デアミノ−5−エピ−6’−ヒドロキシアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程30−(a)
製造工程12−(b)で得た化合物620mgをN,N−ジメチルホルムアミド10mLに溶かした溶液に、触媒量のp−TsOH・HOおよび2,2−ジメトキシプロパン210mgを加え、室温で20時間攪拌した。反応液にトリエチルアミンを加え、減圧濃縮し、得た残渣をイソプロピルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥させ、固体として下記の化合物640mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程30−(b)
製造工程30−(a)で得た化合物640mgをジオキサン10mL、メタノール10mL、水8mLに溶解し、水酸化パラジウム170mgを加え、水素圧30lbsにて接触水素還元反応を16時間行った。反応液をセライトろ過し、メタノール:水=1:1の溶液で洗浄後、ろ液を濃縮乾固し、下記の化合物560mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程30−(c)
製造工程30−(b)で得た化合物500mgをクロロホルム12mL、水6mLに溶解し、ニンヒドリン440mg、炭酸水素ナトリウム210mgを加え、室温で16時間攪拌した。反応液に塩化メチレンを加え、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得た溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、塩化メチレン:メタノール=15:1)にて精製し、下記の化合物256mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程30−(d)
製造工程30−(c)で得た化合物100mgを塩化メチレン5mL、テトラヒドロフラン2mL、メタノール1mLに溶解し、ニトロメタン60mg、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(1M)100mgを加え1時間攪拌した。この反応液を1Mの塩酸溶液で中和し、クロロホルムを加え、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。このようにして得た溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、塩化メチレン:メタノール=15:1)にて精製し、下記の化合物82mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程30−(e)
製造工程30−(d)で得た化合物82mgをメタノール7mL、水3mL、酢酸0.2mLに溶解し、酸化白金50mgを加え、水素圧40lbsで接触水素還元反応を20時間行った。反応液をセライトろ過し、メタノール:水=1:1の溶液で洗浄後、ろ液を減圧濃縮し、製造工程1−(j)と同様の方法で脱保護した。こうして得た化合物を用い、製造工程1−(a)の方法に従いアミノ基を保護した後、実施例13の方法に従って反応を行い、標題の化合物:6’−アミノメチル−6’−デアミノ−5−エピ−6’−ヒドロキシアルベカシン を得た。
FABMS:m/z583[M+H]+
実施例31
6’−アミノメチル−6’−デアミノ−5−デオキシ−5−エピアセトキシ−6’−ヒドロキシアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程31−(a)
実施例30と同様の方法で反応を行い、6’−アミノメチル−6’−デアミノ−5−エピ−6’−ヒドロキシアルベカシンとともに、標題の化合物:6’−アミノメチル−6’−デアミノ−5−デオキシ−5−エピアセトキシ−6’−ヒドロキシアルベカシンを得た。
FABMS:m/z625[M+H]+
実施例32
6”−デオキシ−5−エピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程32−(a)
製造工程1−(a)で得た化合物1.55gを、ジメチルホルムアミド20mLに溶解し、p−TsOH・H2O100mg、ベンズアルデヒドジメチルアセタール2mLを加え、5℃にて5時間攪拌した。反応液にトリエチルアミンを加え中和後、減圧濃縮し、得た残渣にピリジン30mL、無水酢酸1.5mLを加え、室温で3日間攪拌した。この反応液にメタノール20mLを加えた後、減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、硫酸水素カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得た溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)にて精製し、下記の化合物1.13gを得た。
Figure 2005070945
製造工程32−(b)
製造工程32−(a)で得た化合物200mgを四塩化炭素6mLに溶解し、N−ブロモコハク酸イミド50mg、炭酸バリウム18mgを加え、還流下3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、酢酸エチル:トルエン=1:1)にて精製し、下記の化合物154mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程32−(c)
製造工程8−(b)の方法に従い、製造工程32−(b)で得た化合物67mgを用いてハロゲンの還元を行い、下記の化合物65mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程32−(d)
製造工程1−(d)の方法に従い、製造工程−(c)で得た化合物25mgを用いて下記の化合物30mgを得た。
Figure 2005070945
TSPMS:m/z1303[M+H]+
製造工程32−(e)
製造工程32−(d)で得た化合物30mgを用いて、製造工程1−(e)の方法に従い反応を行い、得た化合物を引き続き製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:6”−デオキシ−5−エピアルベカシンを得た。
FABMS:m/z537[M+H]+
実施例33
6”−アミノメチル−5−エピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程33−(a)
製造工程13−(c)で得た化合物を用いて、製造工程1−(i)の方法に従って水酸基を脱保護した後、得た化合物0.33gを用いて、製造工程1−(g)の方法に従い、下記の化合物0.32gを得た。
Figure 2005070945
製造工程33−(b)
製造工程2−(a)の方法に従い、製造工程33−(a)で得た化合物0.32gを用いて、下記の化合物0.29gを得た。
Figure 2005070945
製造工程33−(c)
製造工程33−(b)で得た化合物0.36gをジエチルエーテル0.75mLおよびギ酸0.75mLに溶解して20分攪拌後、塩化メチレンで抽出し、飽和水酸化ナトリウム水で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得た残渣をトルエン12.3mL、DMSO1.6mLに溶解し、ピリジン0.085mL、トリフルオロ酢酸0.027mL、および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド0.26gを加え、室温で1晩攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出して減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=15:1)で精製し、下記の化合物0.05gを得た。
Figure 2005070945
製造工程33−(d)
製造工程30−(d)の方法に従い、製造工程33−(c)で得た化合物100mgを用いて、下記の化合物38mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程33−(e)
製造工程30−(e)の方法に従い、製造工程33−(d)で得た化合物38mgを用いて、標題の化合物:6”−アミノメチル−5−エピアルベカシン(20mg)を得た。
FABMS:m/z582[M+H]+
実施例34
5−メチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程34−(a)
実施例14−(a)の方法に従い、下記の化合物6.61gを得た。
Figure 2005070945
製造工程34−(b)
製造工程34−(a)で得た化合物の4.11gをピリジン50mLに溶解し、氷冷下にてベンゾイルクロライド2.05gの塩化メチレン9mL溶液を加えた。この溶液を氷冷下0.5時間攪拌した後、室温まで昇温し、4時間攪拌した。その後、この溶液に水0.1mLを加えた後に減圧濃縮した。この残渣に酢酸エチルを加え、水、10%硫酸水素カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で、順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後に濃縮乾固し、下記の化合物5.22gを得た。
Figure 2005070945
製造工程34−(c)
製造工程34−(b)にて得た化合物1.197gを、ジメチルスルホキサイド5mLに溶解し、無水酢酸1.5mLを加え、室温で3日間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1mLを加え、1時間攪拌した後、酢酸エチルを加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固して、下記の化合物1.20gを得た。
Figure 2005070945
製造工程34−(d)
製造工程34−(c)で得た化合物320mgを、テトラヒドロフラン4mLに溶解し、氷冷下、メチルマグネシウムブロマイドのテトラヒドロフラン溶液(0.93mmol/mL)0.97mLを加え、氷冷下3時間攪拌した。この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。このようにして得た溶液を減圧濃縮し、残渣をPreparative TLC(展開系、クロロホルム:メタノール=30:1)にて精製し、下記の化合物100mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程34−(e)
製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、製造工程34−(d)で得た化合物100mgを用いて、標題の化合物:5−メチルアルベカシン(5.1mg)を得た。
FABMS:m/z567[M+H]+
1H-NMR(D2O+DCl )δ:1.63-1.73 (1H, m)1.86 (1H, ddd, J=12.4, 12.4, 12.4 Hz),1.96-2.03 (2H, m),2.05-2.15 (2H, m),2.21 (1H, ddt, J=3.7, 7.1, 14.7 Hz')2.31 (1H, ddd, J=4.4, 4.4, 13.0 Hz),3.21 (2H, d, J=7.1, 7.1 Hz),3.21 (1H, dd, J=6.8, 13.1 Hz),3.32 (1H, dd, J=3.5, 13.5 Hz),3.37 (3H, s),3.42 (1H, dd, J=10.5, 10.5 Hz),3.47-3.56 (1H, m),3.63-3.68 (1H, m),3.75 (1H, dd, J=10.0, 10.0 Hz),3.79-3.84 (3H, m),3.87 (1H, d, J=10.8 Hz),4.02 (1H, d, J=10.7 Hz),4.06 (1H, dt, J=3.2, 10.3 Hz),4.10-4.16 (1H, m),4.18-4.25 (1H, m),4.31 (1H, dd, J=3.6, 9.3 Hz),5.16 (1H, d, J=3.6 Hz),5.83 (1H, d, J=3.7 Hz)。
実施例35
5−メトキシメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程35−(a)
製造工程34−(c)で得た化合物の60mgを、メタノール4mLに溶解し、氷冷下、ジアゾメタンのジエチルエーテル溶液(0.6mmol/mL)1.0mLを加え、氷冷下2時間攪拌した。この反応液を減圧濃縮し、得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開系、クロロホルム:メタノール=30:1)にて精製し、下記の化合物50.6mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程35−(b)
製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、製造工程35−(a)で得た化合物の44mgを用いて、標題の化合物:5−メトキシメチルアルベカシン(5.8mg)を得た。
FABMS:m/z597[M+H]+
1H-NMR(D2O+DCl)δ:1.69-1.75 (1H, m),1.90 (1H, ddd, J=12.7, 12.7, 12.7 Hz),1.99-2.06 (2H, m),2.08-2.16 (2H, m),2.24 (1H, ddt, J=3.9, 7.3, 14.4 Hz),2.39 (1H, ddd, J=4.6, 4.6, 12.9 Hz),3.20-3.24 (1H, m),3.24 (2H, dd, J=7.4, 7.4 Hz),3.35 (1H, dd, J=3.4, 13.6 Hz),3.44 (1H, dd, J=10.5, 10.5 Hz),3.50 (3H, s),3.63-3.68 (1H,m),3.77 (1H, dd, J=10.0, 10.0 Hz),3.82 (1H, d, J=10.7 Hz),3.86 (1H, dd, J=3.7, 10.0 Hz),3.87 (2H, d, J=2.9 Hz),3.87-3.92 (1H, m),3.94 (1H, d, J=10.8 Hz),4.02 (1H, d, J=10.7 Hz),4.06 (1H, dt, J=2.9, 10.0 Hz),4.12 (1H, d, J=11.0 Hz),4.26 (1H, dddd, J=3.4, 6.9, 6.9, 6.9 Hz),4.33 (1H, dd, J=3.6, 6.9 Hz),4.35-4.40 (1H, m),5.19 (1H, d, J=3.6 Hz),5.76 (1H, d, J=3.2 Hz)。
実施例36
5−ビニルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程36−(a)
製造工程34−(c)で得た化合物とビニルマグネシウムブロマイドを製造工程34−(d)の方法に準じて反応させ、次いで製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い脱保護し、精製して、標題の化合物:5−ビニルアルベカシンを得た。
TSPMS:m/z579[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3),δ:1.38-1.45 (2H, m),1.54-1.63 (1H, m),1.71-1.79 (3H, m),1.89-1.94 (1H, m),2.10 (1H, ddd, J=4.4, 4.4, 13.2 Hz),2.64-2.68 (2H, m),2.75-2.79 (2H, m),2.85 (1H, ddd, J=4.4, 4.4, 11.7 Hz),2.88 (1H, dd, J=10.0, 10.0 Hz),3.01-3.08 (1H, m),3.30 (1H, dd, J=10.0, 10.0 Hz),3.37 (1H, dd, J=3.6, 10.2 Hz),3.43 (1H, d, J=10.3 Hz),3.70-3.85 (4H, m),3.99 (1H, dt, J=2.9, 10.2 Hz'),4.07 (1H, ddd, J=4.4, 10.8, 10.8 Hz),4.18 (1H, dd, J=3.9, 9.2 Hz),4.98 (1H, d, J=4.0 Hz),5.12 (1H, d, J=3.4 Hz),5.53 (1H, dd, J=1.4, 10.9 Hz),5.58 (1H, dd, J=1.4, 17.1 Hz),6.09 (1H, dd, J=10.7, 16.8 Hz)。
実施例37
5−アミノメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程37−(a)
製造工程35−(a)で得た化合物50mgをジメチルホルムアミド0.5mLに溶解し、アジ化ナトリウム5.4mgを加え、80℃で2時間攪拌した。この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後に酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。このようにして得た溶液を減圧濃縮し、残渣をPreparative TLC(展開系、クロロホルム:メタノール=30:1)にて精製し、下記の化合物24.3mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程37−(b)
製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い、製造工程37−(a)で得た化合物24.3mgから下記の化合物5.3mgを得た。
Figure 2005070945
TSPMS: m/z608[M+H]+
1H-NMR(D2O+DCl)δ:1.66-1.77 (1H, m),1.92 (1H, ddd, J=12.4, 12.4, 12.4 Hz),1.99-2.07 (2H, m),2.08-2.16 (2H, m),2.22 (1H, ddt, J=3.9, 7.3, 14.4 Hz),2.38 (1H, ddd, J=4.9, 4.9, 12.9 Hz),3.22 (2H, dd, J=7.1, 7.1 Hz),3.23 (1H, dd, J=6.8, 13.9 Hz),3.34 (1H, dd, J=3.4, 13.4 Hz),3.44 (1H, dd, J=10.5, 10.5 Hz'),3.65-3.70 (1H, m),3.77 (1H, dd, J=10.0, 10.0 Hz),3.80-3.85 (2H, m),3.87 (2H, d, J=3.4 Hz),3.91 (1H, d, J=13.7 Hz),3.96 (1H, d, J=13.7 Hz),4.05 (1H, d, J=10.7 Hz),4.08 (1H, dt, J=3.4, 9.8 Hz),4.14 (1H, d, J=10.7 Hz),4.21-4.33 (2H, m),4.33 (1H, dd, J=3.7, 9.3 Hz),5.18 (1H, d, J=3.6 Hz),5.81 (1H, d, J=3.5 Hz)。
製造工程37−(c)
製造工程37−(b)で得た化合物5.3mgを水1mLに溶解し、10%パラジウム−炭素4.6mgを加え、室温且つ常圧にて3時間接触水素還元を行った。この反応液をろ過し、減圧濃縮して得た残渣をCM−Sephadex(NH ) (展開系;水:濃アンモニア水=10:1)にて精製し、標題の化合物:5−アミノメチルアルベカシン4.0mgを得た。
TSPMS: m/z582[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.70-1.81 (1H, m),1.95-2.10 (3H, m),2.10-2.20 (2H, m),2.25 (1H, ddt, J=3.7, 7.1, 14.4 Hz),2.42 (1H, ddd, J=4.8, 4.8, 12.9 Hz),3.25 (2H, dd, J=7.3, 7.3 Hz),3.35-3.40 (3H, m),3.55 (1H, d, J=13.9 Hz),3.56-3.65 (1H, m),3.61 (1H, d, J=13.9 Hz),
3.74-3.77 (1H, m),3.78 (1H, dd, J=10.0, 10.0 Hz),3.88 (1H, dd, J=4.1, 11.8 Hz),3.92 (1H, dd, J=3.9, 11.2 Hz),3.97 (1H, dd, J=2.2, 12.2 Hz),4.05 (1H, ddd, J=2.2, 4.1, 10.0 Hz),4.27 (1H, d, J=11.0 Hz),4.30-4.45 (4H, m),5.29 (1H, d, J=4 Hz),5.81 (1H, d, J=3.2 Hz)。
実施例38
5−メチルアミノメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程38−(a)
製造工程35−(a)で得た化合物150mgを、メタノール:塩化メチレン=1:1の溶液5mLの溶解した。この溶液に、1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液0.5mLを加え、室温で4時間攪拌した。この反応液を1mol/lの塩酸によって中和後、減圧濃縮した。この残渣を塩化メチレンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、下記の化合物110mgを得た。
Figure 2005070945
FABMS:m/z1423[M+K]+
製造工程38−(b)
製造工程38−(a)にて得た化合物10mgに、エタノール1mL、40%メチルアミン水溶液1.1mgを加え80℃で3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得た残渣を製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、精製して、標題の化合物:5−メチルアミノメチルアルベカシン(3.7mg)を得た。
TSPMS: m/z596[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 ),1.38 (1H, ddd, J=12.7, 12.7, 12.7 Hz),1.41-1.44 (1H, m),1.62-1.79 (4H, m),1.91-1.93 (1H, m),2.22 (1H, ddd, J=4.7, 4.7, 13.2 Hz)2.46 (3H, s),2.65-2.70 (2H, m),2.76-2.81 (2H, m),2.90 (1H, dd, J=10.3, 10.3 Hz),2.93-3.01 (2H, m),3.05 (1H, d, J=13.2 Hz),3.10 (1H, d, J=13.4 Hz),3.31 (1H, dd, J=9.8, 9.8 Hz),3.39 (1H, dd, J=3.8, 10.4 Hz),3.41 (1H, d, J=10.3 Hz),3.74-3.81 (3H, m),3.82-3.92 (1H, m),4.04 (1H, ddd, J=2.6, 3.9, 10.3 Hz),4.11 (1H, ddd, J=4.4, 12.2, 12.2 Hz),4.18 (1H, dd, J=3.7, 9.3 Hz),5.03 (1H, d, J=3.7 Hz),5.07 (1H, d, J=3.4 Hz)。
実施例39
5−(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程39−(a)
製造工程38−(b)の方法に従い、製造工程38−(a)の化合物 12.3mgとヒドロキシエチルアミンを反応させ、標題の化合物:5−(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルアルベカシン(4.4mg)を得た。
TSPMS:m/z 626[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.35 (1H, ddd, J=12.7, 12.7, 12.7 Hz),1.37-1.50 (1H, m),1.60-1.85 (4H, m),1.88-1.98 (1H, m),2.04 (1H, ddd, J=4.6, 4.6, 13.2 Hz),2.62-2.70 (2H, m),2.72-2.83 (4H, m),2.85-3.00 (3H, m),3.00 (1H, d, J=13.0 Hz),3.05 (1H, d, J=13.0 Hz),3.31 (1H, dd, J=9.8, 9.8 Hz),3.38 (1H, dd, J=3.7, 10.5 Hz),3.39(1H, d, J=10.0 Hz),3.65-3.73 (2H, m),3.75-3.83 (3H, m),3.85-3.95 (1H, m),4.02-4.08 (1H, m),4.13 (1H, ddd, J=3.9, 11.4, 11.4 Hz),4.18 (1H, dd, J=3.6, 9.3 Hz),5.03 (1H, d, J=4.4 Hz),5.04 (1H, d, J=4.2 Hz)。
実施例40
5−(2−アミノエチル)アミノメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程40−(a)
製造工程38−(b)の方法に従い、製造工程38−(a)の化合物 15mgとジアミノエタンとを反応させ、標題の化合物:5−(2−アミノエチル)アミノメチルアルベカシン(4.4mg)を得た。
TSPMS:m/z625[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.35 (1H, ddd, J=12.9, 12.9, 12.9 Hz),1.42 (1H, dddd, J=4.9, 12.4, 12.4, 12.4 Hz),1.64 (1H, dddd, J=3.7, 12.4, 12.4, 12.4 Hz),1.71-1.79(3H, m),1.91-1.93 (1H, m),2.03 (1H, ddd, J=4.7, 4,7, 13.2 Hz),2.62-2.82 (6H, m)2.88-2.99 (3H, m),2.99 (1H, d, J=13.2 Hz),3.05 (1H, d, J=12.9 Hz),3.31 (1H, dd, J=9.7, 9.7 Hz),3.38 (1H, dd, J=3.7, 10.5 Hz),3.40 (1H, d, J=10.2 Hz),3.73-3.79 (3H, m),3.84-3.92 (1H, m),4.02 (1H, dt, J=2.9, 9.5 Hz),4.13 (1H, ddd, J=3.8, 11.4, 11.4 Hz),4.18 (1H, dd, J=3.6, 9.2 Hz),5.04 (1H, d, J=3.9 Hz),
5.07 (1H, d, J=3.2 Hz)。
実施例41
5−(3−アミノプロピル)アミノメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程41−(a)
製造工程38−(b)の方法に従い、製造工程38−(a)の化合物 30mgと1,3−ジアミノプロパンとを反応させ、標題の化合物:5−(3−アミノプロピル)アミノメチルアルベカシン(4.0mg)を得た。
FABMS:m/z639[M+H]+
1H-NMR(D2O+ ND3 )δ:1.36 (1H, m),1.43 (1H, m),1.72 (5H, m)1.94 (1H, m),2.04 (1H, ddd, J=4.4, 13.2 Hz),2.68 (2H, m),2.73 (4H, m),2.78 (2H, m),2.92 (2H, m),2.99 (1H, m)3.04 (2H, m),3.32 (1H, dd, J=10.0 Hz),3.39 (2H, m),3.79 (3H, m),3.89 (1H, m),4.02 (1H, m),4.12(1H, ddd, J=4.3, 11.4 Hz),4.19 (1H, dd, J=3.6, 9.3 Hz),5.03 (1H, d, J=3.9 Hz),5.05 (1H, d, J=3.4 Hz)。
実施例42
5−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程42−(a)
製造工程38−(b)の方法に従い、製造工程38−(a)の化合物 30mgと1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンとを反応させ、標題の化合物:5−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)アミノメチルアルベカシン(10.2mg)を得た。
TSPMS:m/z655[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3 )δ:1.47 (2H, m),1.75 (1H, m),1.83 (3H, m),2.04 (1H, m),2.12 (1H, m),2.76 (6H, m),2.90 (2H, m),3.04 (4H, m),3.16 (1H, dd, J=10.0,13.0 Hz),3.40 (1H, m),3.47 (2H, m),3.86 (3H, m),3.98 (1H, m),4.12 (1H, m),4.23 (1H, dd),4.31 (1H, m),4.54 (1H, dd),4.98 (1H,d, J=3.6 Hz),5.07 (1H, d, J=3.9 Hz)。
実施例43
5−(2−ピリジルメチル)アミノメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程43−(a)
製造工程38−(b)の方法に従い、製造工程38−(a)の化合物20mgと2−(アミノメチル)ピリジンとを反応させ、標題の化合物:5−(2−ピリジルメチル)アミノメチルアルベカシン(10.2mg)を得た。
TSPMS:m/z673[M+H]+
実施例44
3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程44−(a)
実施例13の方法に準じて、3’,4’−ジデヒドロアルベカシンを用いて、標題の化合物:3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアルベカシンを得た。
FABMS:m/z551[M+H]+
1H-NMR(D2O+DCl)δ:1.77 (1H, ddd, J=12.7, 12.7, 12.7 Hz),1.92-2.01 (1H, m),2.19 (1H, ddt, J=3.90, 7.32, 14.16 Hz),2.30 (1H, ddd, J=4.89, 4.89, 12.69 Hz),3.18 (2H, dd, J=7.32, 7.32 Hz),3.30 (1H, dd, J=6.34, 13.67 Hz),3.36 (1H, dd, J=3.90, 13.67 Hz),3.46 (1H, dd, J=10.25, 10.25 Hz),3.62 (1H, dd, J=9.77, 9.77 Hz),3.74 (1H, dd, J=6.83, 11.72 Hz),3.75-3.79 (1H, m),3.81 (1H, dd, J=3.42, 10.75 Hz),3.89 (1H, ddd, J=1.96, 6.84, 9.28 Hz),3.94 (1H, dd, J=1.95, 11.72 Hz),4.06 (1H, dd, J=2.44, 10.74 Hz),4.19-4.25 (2H, m),4.29 (1H, dd, J=3.91, 9.28 Hz),4.36 (1H, ddd, J=4.88, 10.75, 10.75 Hz),4.72-4.90 (2H, m),5.18 (1H, d, J=3.91 Hz),5.59 (1H, d, J=3.91 Hz),6.04 (1H, ddd, J=2.93, 2.93, 10.75 Hz),6.18 (1H, ddd, J=2.44, 2.44, 10.25 Hz)。
実施例45
5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピフルオロアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程45−(a)
実施例13及び製造工程2−(e)の方法に準じて、3’,4’−ジデヒドロアルベカシンから標題の化合物:5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピフルオロアルベカシンを得た。
FABMS:m/z553[M+H]+
実施例46
5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピクロロアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程46−(a)
実施例16の方法に準じて、3’,4’−ジデヒドロアルベカシン161mgから、標記化合物:5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピクロロアルベカシン(86mg)を得た。
FABMS:m/z569[M+H]+
実施例47
5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアジドアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程47−(a)
実施例17の方法に準じて、3’,4’−ジデヒドロアルベカシンから標記化合物:5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアジドアルベカシンを得た。
FABMS:m/z576[M+H]+
実施例48
5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程48−(a)
実施例17の方法に準じて、3’,4’−ジデヒドロアルベカシン161mgから、下記の化合物86mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程48−(b)
製造工程48−(a)で得た化合物85mgをジメチルホルムアミド2mL、水6μLに溶解し、トリブチルホスフィン0.03mLを加え、室温で15時間攪拌した。反応液を濃縮乾固し、残渣を酢酸エチル(10mL) に溶解し、水、10%食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシムにて脱水し、濃縮乾固した。得た化合物(5−エピアミノ体)を塩化メチレン2.4mLおよびメタノール1.2mLに溶解し、氷冷下、0.5Mナトリウムメトキサイド0.1mLを加え、室温で15時間攪拌した。反応液にドライアイスを加えた後、減圧濃縮し、得た残渣をヘキサン、イソプロピルエーテル、水で洗浄後減圧乾燥し、下記の化合物54mgを得た
Figure 2005070945
製造工程48−(c)
製造工程1−(j)の方法に従い、製造工程48−(b)で得た化合物の54mgから、標記化合物:5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアミノアルベカシン(17mg)を固体として得た。
FABMS:m/z550[M+H]+
実施例49
1−N−[(S)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピジベカシン
Figure 2005070945
製造工程49−(a)
2’,3,6’−トリ−N−(t−ブトキシカルボニル)−3”−N−トリフルオロアセチル−3’,4’−ジデヒドロジベカシン2.70gを用いて、製造工程9−(a)の方法に従って反応を行った。こうして得た化合物(3.03g)を用いて、製造工程1−(c)の方法に従って、ベンゾイル化した化合物(2.55g)を得た。この化合物を用いて製造工程1−(d)および(e)の方法に従って反応を行った後、さらに製造工程1−(i)の方法に従って反応を行い、ベンゾイル基及びアセチル基を脱保護した化合物(1.77g)を得た。この化合物350mgを、無水テトラヒドロフラン4mLに溶解した。さらに、冷却下、反応中に液体アンモニア20mLを捕集し、金属ナトリウム200mgを加えた。この反応液が深青色を10分継続した後、塩化アンモニウムを515mg加えて反応を停止した。反応中の液体アンモニアを室温、窒素気流下にて留去後、反応液を濃縮乾固し、残渣をクロロホルム:メタノール=5:1で抽出し、酢酸でpH6とした。この溶液を濃縮乾固して得た化合物を、製造工程9−(m)の方法に従って反応させ、さらに製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:1−N−[(S)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピジベカシン(28mg)を得た。
FABMS:m/z537[M+H]+
実施例50
1−N−[(R)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピジベカシン
Figure 2005070945
製造工程50−(a)
実施例49の方法に準じて反応を行い、標題の化合物:1−N−[(R)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピジベカシンを得た。
FABMS:m/z537[M+H]+
実施例51
3’,4’−ジデヒドロ−5,4”−ジエピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程51−(a)
実施例1の方法に準じて、3’,4’−ジデヒドロアルベカシンから、標題の化合物:3’,4’−ジデヒドロ−5,4”−ジエピアルベカシンを得た。
FABMS:m/z551[M+H]+
1H-NMR(D2O+ND3)δ:1.35 (1H, m),1.82 (1H, m),2.02 (2H, m),2.80 (2H, m),2.89 (2H, m),3.00 (1H, dd, J=2.9, 10.7 Hz),3.18 (1H, m),3.53 (2H, m),3.59 (1H, dd, J=3.9, 10.7 Hz),3.76 (2H, m),3.82 (1H, dd, J=2.7, 10.7 Hz),3.89 (1H, brd),4.09 (1H, m),4.22 (1H, dd, J=3.6, 9.3 Hz),4.26 (1H, m),4.37 (1H, m),4.59 (1H, m),5.09 (1H, d, J=4.0 Hz),5.16 (1H, d, J=4.2 Hz),5.80 (1H, s),5.80 (1H, s)。
実施例52
5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−4”−エピ−5−エピフルオロアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程52−(a)
実施例2の方法に準じて、3’,4’−ジデヒドロアルベカシンから、標題の化合物:5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−4”−エピ−5−エピフルオロアルベカシンを得た。
FABMS:m/z553[M+H]+
1H-NMR(D2O+DCl)δ:1.70 (1H, ddd, J=12.7, 12.7, 12.7 Hz),1.76-1.86 (1H, m),2.03 (1H, ddt, J=3.90, 7.32, 14.65 Hz),2.20 (1H, ddd, J=4.39, 4.39, 13.19 Hz),3.03 (2H, dd, J=7.33, 7.33 Hz),3.12 (1H, dd, J=6.35, 13.67 Hz),3.22 (1H, dd, J=3.42, 13.67 Hz),3.49 (1H, dd, J=2.93, 11.23 Hz),3.59-3.66 (1H, m),3.63 (2H, d, J=5.86 Hz),3.84 (1H, dd, J=3.91, 10.74 Hz),3.95-4.04 (3H, m),4.07-4.10 (1H, m),4.14 (1H, dd, J=3.91, 9.28 Hz),4.15-4.23 (2H, m),4.54-4.56 (1H, m),5.05 (1H, d, J=3.91 Hz),5.48 (1H, d, J=3.91 Hz),5.50 (1H, d, J=51.27 Hz),5.86 (1H, ddd, J=1.95, 1.95, 11.23 Hz),6.00 (1H, ddd, J=1.95, 1.95, 10.74 Hz)。
実施例53
5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−4”−エピ−5−エピアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程53−(a)
実施例4の方法に準じて、3’,4’−ジデヒドロアルベカシンから、下記の化合物を得た。
Figure 2005070945
製造工程53−(b)
製造工程48−(b)および48−(c)の方法に従い、製造工程53−(a)で得た化合物の150mgから、標題の化合物:5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−4”−エピ−5−エピアミノアルベカシン(10mg)を固体として得た。
ESIMS: m/z572[M+Na]+
実施例54
4”−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程54−(a)
3,2’,6’,3”−テトラ−N−t−ブトキシカルボニル−3’,4’−ジデヒドロ−4”’−p−メトキシベンジルオキシカルボニルアルベカシン1.50gを用いて、製造工程1−(b)〜1−(g)の方法に従って反応を行い、下記の化合物0.74gを得た。
Figure 2005070945
製造工程54−(b)
製造工程54−(a)で得た化合物300mgを用いて、製造工程8−(a)および8−(b)の方法に従って反応を行い、下記の化合物100mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程54−(c)
製造工程54−(b)で得た化合物97mgを用いて製造工程1−(i)および1−(j)の方法に従い脱保護を行い、標題の化合物:4”−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアルベカシン(20mg)を得た。
ESIMS:m/z557[M+Na]+
1H-NMR(D2O+DCl)δ:1.68(1H,m),1.79(1H,m),2.01(1H,m),2.15(1H,m),2.21(1H,m)2.32(1H,m),2.32(1H,m),3.21(2H,m),3.35(2H,m),3.73(5H,m),4.05(1H,dd,J=2.4,10.7 Hz),4.21(2H,m),4.25(1H,brs),4.32(1H,dd,J=3.7,9.3 Hz),4.38(1H,m),4.75(1H,brs),5.22(1H,J=3.6 Hz),5.61(1H,d,J=3.9 Hz),6.07(1H,m),6.21(1H,m)。
実施例55
5,6”−ジデオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−6”−フルオロ−5−エピフルオロアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程55−(a)
2’,3,6’−トリ−N−(t−ブトキシカルボニル)−3”−N−トリフルオロアセチル−3’,4’−ジデヒドロジベカシン(2.537g)と(S)−4−(p−メトキシベンジルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシブタン酸とを、実施例9の方法に準じて反応させ、下記の化合物3.325gを得た。
Figure 2005070945
製造工程55−(b)
製造工程1−(g)の方法に従い、製造工程55−(a)で得た化合物 2.80gから、下記の化合物1.71gを得た。
Figure 2005070945
製造工程55−(c)
製造工程2−(a)の方法に従い、製造工程55−(b)で得た化合物 1.54gから、下記の化合物 1.64gを得た。
Figure 2005070945
製造工程55−(d)
製造工程55−(c)で得た化合物1.08gを用いて、製造工程33−(c)の方法に従ってトリフェニルメチル基の除去を行い、下記の化合物700mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程55−(e)
製造工程2−(e)の方法に従い、製造工程55−(d)で得た化合物340mgから、下記の化合物180mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程55−(f)
製造工程9−(b)および製造工程1−(j)の方法に従い、製造工程55−(e)で得た化合物 180mgから、標題の化合物:5,6”−ジデオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−6”−フルオロ−5−エピフルオロアルベカシン(17mg)を得た。
FABMS:m/z555[M+H]+
1H-NMR(D2O+DCl)δ:1.71 (1H, ddd, J=12.7, 12.7, 12.7 Hz),1.77-1.89 (1H, m),2.03 (1H, ddt, J=3.90, 7.32, 14.65 Hz),2.19 (1H, ddd, J=4.40, 4.40, 12.70 Hz),3.02 (2H, dd, J=7.32, 7.32 Hz),3.14 (1H, dd, J=6.35, 13.67 Hz),3.22 (1H, dd, J=3.42, 13.67 Hz),3.29 (1H, dd, J=10.25, 10.25 Hz),3.59 (1H, dd, J=10.26, 10.26 Hz),3.62-3.65 (1H, m),3.69 (1H, dd, J=3.42, 10.75 Hz),3.90-3.99 (1H, m),4.02 (1H, ddd, J=1.96, 10.74, 28.30 Hz),4.08-4.10 (1H, m),4.14 (1H, dd, J=3.42, 9.28 Hz),4.17-4.25 (2H, m),4.54-4.74 (3H, m'),5.07 (1H, d, J=3.91 Hz),5.31 (1H, d, J=51.76 Hz),5.50 (1H, d, J=3.91 Hz),5.87 (1H, ddd, J=2.44, 2.44, 10.74 Hz),6.01 (1H, ddd, J=1.95, 1.95, 10.74 Hz)。
実施例56
3”−N−メチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程56−(a)
製造工程28−(b)で得た化合物4.10gを用いて、製造工程1−(j)の方法に従い脱保護を行い、さらに製造工程28−(f)の方法に従って反応を行い、標題の化合物:3”−N−メチルアルベカシン(1.54g)を得た。
FABMS:m/z567[M+H]+
1H-NMR(D2O+ ND3 ),δ:1.55 (2H, m),1.76 (1H, m)1.87 (3H, m),2.04 (2H, m),2.55 (3H, s)2.78 (2H, m),2.87 (3H, m),2.98 (1H, m),3.04 (1H, m)3.46 (1H, dd, J=9.3 Hz),3.57 (1H, dd, J=9.7, 10.0 Hz),3.64 (1H, dd, J=3.6, 10.5 Hz),3.86 (4H, m),3.98 (1H, m),4.10 (2H, m),4.30 (1H, dd, J=3.6, 9.3 Hz),5.20 (1H, d, J=3.6 Hz),5.27 (1H, d, J=3.5 Hz)。
実施例57
3”−N−エチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程57−(a)
製造工程28−(b)において、ホルムアルデヒドの代わりにアセトアルデヒドを用いて反応を行って得た化合物を用いて、製造工程56−(a)の方法に従い、標題の化合物:3”−N−エチルアルベカシンを得た。
FABMS:m/z581[M+H]+
1H NMR (D2O+DCl)δ:1.19 (3H, t, J=7.3 Hz),1.42-1.58 (1H, m),1.62-2.13 (7H, m),2.93-3.46 (9H, m), 3.61-3.92 (8H, m),3.94-4.09 (2H, m), 4.13 (1H, dd, J=3.7, 9.3 Hz),5.03 (1H, d, J=3.7Hz),5.64 (1H, d, J=3.6Hz)。
実施例58
3”−N−(2−ヒドロキシエチル)アルベカシン
Figure 2005070945
製造工程58−(a)
3,2’,6’−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−4”’−N−p−メトキシベンジルオキシカルボニル−アルベカシン61mgを、DMF0.6mLおよび水0.02mLに溶解し、炭酸カリウム14mgおよび2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン42mgを加え、60℃で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮後、水を加えて濾過し、得た残渣を分取−TLCを用いて精製した。このようにして得た化合物を製造工程1−(j)の方法に従って処理し、標題の化合物:3”−N−(2−ヒドロキシエチル)アルベカシンを得た。
FABMS:m/z597[M+H]+
実施例59
3”−N−ベンジルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程59−(a)
製造工程1−(j)の方法に従い、製造工程28−(a)で得た化合物85mgを用いて、標題の化合物:3”−N−ベンジルアルベカシン(56mg)を得た。
TSPMS:m/z643[M+H]+
1H NMR (D2O+DCl)δ:1.58-1.72 (1H, m),1.86-2.15 (5H, m),2.16-2.33 (2H , m),3.15(1H, dd, J=7.3, 13.4 Hz),3.21 (2H, t, J=7.3 Hz),3.30 (1H, d, J=7.3, 13.4 Hz),3.51-3.64 (3H, m),3.82 (1H, dd, J=4.2, 12.5 Hz),3.82-3.88 (1H ,m),3.87 (1H, dd, J=2.2, 11.7 Hz),3.93 (1H, t, J=10.0 Hz),3.94 (1H, t, J=10.3 Hz),3.97-4.08 (3H, m),4.15 (1H, ddd, J=4.6, 10.7, 12.2 Hz),4.19-4.26 (1H, m), 4.32 (1H, dd, J=3.8, 9.4 Hz),4.47 (2H, qAb, J=12.9, 16.9 Hz),5.22 (1H, d, J=3.6 Hz),5.81 (1H, d, J=3.7 Hz),7.54 (5H, s)。
実施例60
3”−N−(3−ヒドロキシベンジル)アルベカシン
Figure 2005070945
製造工程60−(a)
ベンズアルデヒドの代わりにm−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いて製造工程28−(a)の方法に従って反応を行い、得た化合物を製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:3”−N−(3−ヒドロキシベンジル)アルベカシンを得た。
FABMS:m/z659[M+H]+
1H NMR (D2O:DCl)δ:1.36-1.51 (1H,m),1.63-2.12(7H, m),2.89-3.12 (4H, m),3.29-3.43 (3H, m),3.57-4.23 (11H, m),4.65 (2H, s),5.00 (1H, d, J=3.6Hz),5.59 (1H, d, J=3.4Hz),6.77-6.89 (3H, m),7.15-7.21 (1H, m)。
実施例61
3”−N−(4−ヒドロキシベンジル)アルベカシン
Figure 2005070945
製造工程61−(a)
ベンズアルデヒドの代わりにp−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いて製造工程28−(a)の方法に従って反応を行い、得た化合物を製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:3”−N−(4−ヒドロキシベンジル)アルベカシンを得た。
FABMS:m/z659[M+H]+
1H NMR (D2O+DCl)δ:1.35-1.48 (1H, m),1.60-2.10 (7H, m),2.87-3.09 (4H, m), 3.25-3.42 (3H, m),3.54-4.04 (10H, m) 4.08 (1H, dd, J=3.6, 9.5 Hz),4.14 (2H, qAb, J=13.2, 16.3 Hz),4.97 (1H, d, J=3.6 Hz),5.57 (1H, d, J=3.4 Hz),6.74 (2H, d, J=8.5 Hz),7.17 (2H, d, J=8.5 Hz)。
実施例62
3”−N−(3−アミノベンジル)アルベカシン
Figure 2005070945
製造工程62−(a)
製造工程28−(a)の方法に従い、ベンズアルデヒドの代わりにm−(t−ブトキシカルボニル)アミノベンズアルデヒドを用いて反応を行い、得た化合物を製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:3”−N−(3−アミノベンジル)アルベカシンを得た。
FABMS:m/z658[M+H]+
1H NMR (D2O+DCl)δ:1.37-1.50 (1H, m),1.63-2.11 (7H, m),2.90-3.12 (4H, m),3.30-3.43 (3H, m),3.58-4.05 (10H, m) 4.09-4.14 (1H, m),4.32 (2H, qAb, J=13.4, 15.6 Hz),5.01 (1H, d, J=3.7Hz),5.60 (1H, d, J=3.5 Hz),7.31-7.48 (4H, m)。
実施例63
3”−N−(2−フェニルエチル)アルベカシン
Figure 2005070945
製造工程63−(a)
製造工程28−(a)の方法に従い、ベンズアルデヒドの代わりに3−フェニルプロピオンアルデヒドを用いて反応を行い、得た化合物を製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:3”−N−(2−フェニルエチル)アルベカシンを得た。
FABMS:m/z657[M+H]+
1H NMR (D2O+DCl)δ:1.28-1.41 (1H, m),1.55-2.02 (7H, m),2.80-3.03 (6H, m),3.21-3.34 (5H, m),3.47-3.97 (10H, m),4.00 (1H, dd, J=3.7, 9.5 Hz),4.90 (1H, d, J=3.7 Hz),5.52 (1H, d, J=3.4 Hz),7.05-7.18(5H, m)。
実施例64
3”−N−アミジノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程64−(a)
3,2’,6’−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−4”’−N−p−メトキシベンジルオキシカルボニル−アルベカシン104mgを、N,N−ジメチルホルムアミド1mLに溶解した。この溶液に、N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素40mgのN,N−ジメチルホルムアミド溶液0.2mL、トリエチルアミン0.034mL、および塩化水銀38mgのN,N−ジメチルホルムアミド溶液0.2mLを順次加え、室温にて3時間攪拌した。この反応液を濾過した後、減圧濃縮して得た残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製した。さらに、得た化合物を製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:3”−N−アミジノアルベカシン(43mg)を得た。
FABMS:m/z595[M+H]+
実施例65
3”−N−ホルムイミドイルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程65−(a)
3,2’,6’−トリ−N−t−ブトキシカルボニル−4”’−N−p−メトキシベンジルオキシカルボニルアルベカシン102mgを、メタノール4mLに溶解し、エチルホルムイミデート塩酸塩37mgを加え、室温にて2日間攪拌した。この反応液を濃縮乾固してジエチルエーテルで洗浄して得た固体を、製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:3”−N−ホルムイミドイルアルベカシンを得た。
FABMS:m/z580[M+H]+
実施例66
6’−N−(2−ヒドロキシベンジル)アルベカシン
Figure 2005070945
製造工程66−(a)
製造工程12−(c)で得た化合物50mgをメタノール1mLに溶解し、2−ヒドロキシベンズアルデヒド9.6mgを加え、2時間室温で攪拌した。さらに、この反応液に水素化ホウ素ナトリウム16mgを加えて1時間攪拌した。この反応液を濾過し、減圧濃縮して得た残渣を、製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:6’−N−(2−ヒドロキシベンジル)アルベカシン(27.4mg)を得た。
FABMS:m/z659[M+H]+
実施例67
6’−N,N−ビス(2−アミノエチル)アルベカシン
Figure 2005070945
製造工程67−(a)
製造工程12−(b)で得た化合物620mgを、N,N−ジメチルホルムアミド10mLに溶かした溶液に、触媒量のp−TsOH・HOおよび2,2−ジメトキシプロパン(210mg)を加え、室温で20時間攪拌した。この反応液にトリエチルアミンを加えて減圧濃縮し、得た残渣をイソプロピルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥させ、下記の化合物640mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程67−(b)
製造工程67−(a)で得た化合物640mgを、ジオキサン10mL、メタノール10mL、および水8mLの溶液に溶解し、水酸化パラジウム170mgを加えて、水素圧30lbsにて接触水素還元反応を16時間行った。この反応液をセライトろ過し、メタノール:水=1:1の溶液で洗浄後、ろ液を濃縮乾固して下記の化合物560mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程67−(c)
製造工程67−(b)で得た化合物95mgをメタノール5mLに溶解し、この反応液に、N−ベンジル−N−(t−ブトキシカルボニル)アミノアセトアルデヒド70mgおよびシアン化水素化ホウ素ナトリウム14mgを加え、室温で1時間攪拌した。この反応液を減圧濃縮し、製造工程1−(j)と同様の方法で脱保護し、下記の化合物27mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程67−(d)
製造工程−(c)で得た化合物の21mgを、水2mLおよび酢酸0.3mLに溶解し、さらに、水酸化パラジウム17mgを加えて、水素雰囲気下16時間、接触水素還元反応を行った。この反応液をセライトろ過後、ろ液を濃縮乾固した。得た化合物をさらに製造工程1−(j)と同様の方法で処理し、標題の化合物:6’−N,N−ビス(2−アミノエチル)アルベカシン(13mg)を得た。
FABMS:m/z639[M+H]+
実施例68
6’−N−アミジノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程68−(a)
製造工程12−(c)で得た化合物109mgを、N,N−ジメチルホルムアミド1mLに溶解した。この溶液に、N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−S−メチルイソチオ尿素41mgのN,N−ジメチルホルムアミド溶液0.2mL、トリエチルアミン0.032mL、および塩化水銀37mgのN,N−ジメチルホルムアミド溶液0.1mLを順次加え、室温にて3時間攪拌した。この反応液を濾過し、減圧濃縮して得た残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製した。こうして得た化合物を製造工程1−(j)の方法に従って脱保護し、標題の化合物:6’−N−アミジノアルベカシン(53mg)を得た。
FABMS:m/z595[M+H]+
実施例69
6’−N−ホルムイミドイルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程69−(a)
製造工程12−(c)で得た化合物196mgを、メタノール4mLに溶解し、エチルホルムイミデート塩酸塩67mgを加えて、室温で2日間攪拌した。この反応液を濃縮乾固し、ジエチルエーテルで洗浄して、固形物を得た。この固形物を、製造工程1−(j)の方法に従って処理し、標題の化合物:6’−N−ホルムイミドイルアルベカシンを得た。
FABMS:m/z580[M+H]+
実施例70
6’−アミノメチル−6’−デアミノ−6’−ヒドロキシアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程70−(a)
製造工程30−(d)で得た化合物82mgを、メタノール7mL、水3mL、および酢酸0.2mLの溶液に溶解した。この溶液に酸化白金50mgを加え、水素圧40lbsにて接触水素還元反応を20時間行った。この反応液をセライトろ過し、メタノール:水=1:1の溶液で洗浄後、ろ液を減圧濃縮した。さらに、こうして得た化合物を製造工程1−(j)と同様の方法にて脱保護し、標題の化合物:6’−アミノメチル−6’−デアミノ−6’−ヒドロキシアルベカシン(31mg)を得た。
FABMS:m/z583[M+H]+
実施例71
6’−(2−アミノエチル)−6’−デアミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程71−(a)
製造工程30−(c)で得た化合物の75mgをクロロホルム3mLに溶解し、この溶液にPhP=CHCN 60mgを加え、40℃にて12時間攪拌した。この反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、塩化メチレン:メタノール=25:1)にて精製し、下記の化合物54mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程71−(b)
製造工程71−(a)で得た化合物54mgを、メタノール7mL、水3mL、および酢酸0.2mLの溶液に溶解した。この溶液に酸化白金35mgを加え、水素圧40lbsにて接触水素還元反応を20時間行った。この反応液をセライトろ過し、メタノール:水=6:4の溶液で洗浄後、ろ液を減圧濃縮した。こうして得た生成物を、製造工程1−(i)、(j)と同様の方法で脱保護し、標題の化合物:6’−(2−アミノエチル)−6’−デアミノアルベカシン(19.8mg)を得た。
FABMS:m/z581[M+H]+
実施例72
6”−アジド−6”−デオキシアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程72−(a)
製造工程32−(b)で得た化合物100mgを、ジメチルホルムアミド4mLに溶解し、アジ化ナトリウム65mgを加え、90℃にて22時間攪拌した。この反応液から不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、得た残渣に酢酸エチルを加え、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、酢酸エチル:トルエン=1:1)にて精製し、下記の化合物32mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程72−(b)
製造工程72−(a)で得た化合物30mgを、メタノール3mLに溶解し、2M 水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加え、室温で0.5時間攪拌した。この反応液を1M 塩酸で中和後、減圧濃縮した。こうして得た化合物を、製造工程1−(j)と同様の方法にて脱保護し、標題の化合物:6”−アジド−6”−デオキシアルベカシン(8mg)を得た。
FABMS:m/z578[M+H]+
実施例73
6”−アミノ−6”−デオキシアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程73−(a)
実施例72で得た化合物(6”−アジド−6”−デオキシアルベカシン)25mgを、水2mLおよびメタノール0.3mLに溶解した。この溶液にパラジウムブラック10mgを加え、水素雰囲気下にて3時間、接触水素還元反応を行った。この反応溶液をセライトろ過後、ろ液を濃縮乾固した。こうして得た化合物を製造工程1−(j)と同様の方法で処理し、標記の化合物:6”−アミノ−6”−デオキシアルベカシン(12.6mg)を得た。
FABMS:m/z552[M+H]+
実施例74
6”−デオキシ−6”−(4−モルホリニル)アルベカシン
Figure 2005070945
製造工程74−(a)
製造工程1−(a) で得た化合物1.0gをピリジン20mLに溶解し、4−ジメチルアミノピリジン900mgおよびトリチルクロライド560mgを加え、この反応液を70℃にて4時間攪拌した。さらに、この反応液に無水酢酸0.9mLを加え、室温で16時間攪拌した。この反応液にメタノール1mLを加えた後、減圧濃縮した。そして、残渣に酢酸エチルを加え、硫酸水素カリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、塩化メチレン:メタノール=25:1)にて精製し、下記の化合物1.24gを得た。
Figure 2005070945
製造工程74−(b)
製造工程74−(a)で得た化合物480mgを、ジエチルエーテル3mLに溶解し、ギ酸3mLを加え、室温で20時間攪拌した。この反応液に酢酸エチルを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、塩化メチレン:メタノール=15:1)にて精製し、下記の化合物200mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程74−(c)
製造工程74−(b)で得た化合物200mgをベンゼン8mLおよびジメチルスルホキシド1mLに溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミド180mg、ピリジン46mg、およびトリフルオロ酢酸21mgを加え、室温で16時間攪拌した。この反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得た残渣に酢酸エチルを加え、水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開系、塩化メチレン:メタノール=60:1)にて精製し、下記の化合物200mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程74−(d)
製造工程74−(c)で得た化合物96mgを、メタノール5mLに溶解し、モルホリン230mgおよびシアン化水素化ホウ素ナトリウム18mgを加え、室温で3時間攪拌した。さらに,この反応液に2M 水酸化ナトリウム水溶液0.3mLを加え、0.5時間攪拌した。この反応液を1M 塩酸で中和後、減圧濃縮した。こうして得た化合物を製造工程1−(j)と同様の方法で脱保護し、標題の化合物:6”−デオキシ−6”−(4−モルホリニル)アルベカシン(31mg)を得た。
FABMS:m/z622[M+H]+
実施例75
6”−デオキシ−6”−(2−アミノエチル)アミノアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程75−(a)
製造工程74−(d)と同様の方法で、製造工程74−(c)の化合物70mgとN−(tert−ブトキシカルボニル)エチレンジアミンとを反応させ、標題の化合物:6” −デオキシ−6”−(2−アミノエチル)アミノアルベカシン(26mg)を得た。
FABMS:m/z595[M+H]+
実施例76
6”−アミノメチルアルベカシン
Figure 2005070945
製造工程76−(a)
製造工程74−(c)で得た化合物108mgを5mLのメタノールに溶かした溶液に、1M ナトリウムメトキシド・メタノール溶液0.1mLを加え、室温にて30分撹拌後した。さらに、この反応液にニトロメタン0.55mLを加えて、室温にて4時間撹拌後した。この反応液を、氷浴下1M塩酸にて中和し、濃縮乾固した。こうして得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(塩化メチレン:メタノール=15:1)にて精製し、下記の化合物43mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程76−(b)
製造工程76−(a)で得た化合物43mgを、エタノール2.5mLおよび水2.5mLに溶解した。この溶液に酢酸0.05mLおよび酸化白金20mgを加え、水素雰囲気下、接触水素還元反応を行った。16時間後、この反応溶液に再度酸化白金40mgを加えて、さらに12時間、水素雰囲気下にて接触水素還元反応を行った。この反応液をセライトろ過後、ろ液を濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=60:10:1)にて精製し、下記の化合物10mgを得た。
Figure 2005070945
製造工程76−(c)
製造工程76−(b)で得た化合物の10mgに、90%トリフルオロ酢酸水1mLを加えて室温で1晩攪拌した。この反応液に水10mLを加え、水層をジエチルエーテル5mLで3回洗浄した。さらに、この水層をアンモニア水でpH7に中和した後、CM−Sephadex(NH )20mLにて精製し、標題の化合物:6”−アミノメチルアルベカシン(0.3g)を得た。
FABMS:m/z582[M+H]+
試験例1
抗細菌活性
本発明の新規アミノグリコシド系抗生物質誘導体の代表的な実施例記載化合物(実施例1、実施例2、実施例9、実施例13、実施例18、実施例24、実施例44、実施例44、実施例45、実施例48、実施例49、実施例51、実施例52、実施例53、実施例54、実施例76)を用いて、MRSA(MRSA-HR, MRSA-LR)に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/mL)を日本化学療法学会法に準じた寒天平板希釈法により測定した。この結果、実施例記載化合物は、MRSA-HR株に対してMIC値8以下を示し、MRSA-LR株に対してMIC値4以下を示した。一方、特開昭55−164696号公報に記載のアルベカシンについて同様に試験したところ、MRSA-HR株に対してMIC値64を示し、MRSA-LR株に対してMIC値16を示した。また、上記の実施例記載化合物を用いて、緑膿菌(P.aeruginosa PAO1)に対する最小発育阻止濃度を測定したところ、MIC値4以下を示した。

Claims (27)

  1. 一般式(I)で表される化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
    Figure 2005070945
    〔式中、
    R4”aおよびR4”bは、同一または異なって水素原子または水酸基を表し、
    R5aは、ハロゲン原子、
    水酸基、
    アミノ基、
    アジド基、
    1-6アルカノイルオキシ基、
    1-6アルキルスルホニルオキシ基、
    1-6アルカノイルアミノ基、
    アリールカルボニルアミノ基、
    ジ−C1-6アルキルアミノ基、または
    1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、
    R6”aはC1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、ハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよい)
    R6’aおよびR6’bは、同一または異なって、水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
    R3”a は水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
    点線は単結合または二重結合を表し、
    mは0〜2の整数を表し、
    Xは水素原子または水酸基を表し、
    nは1〜3の整数を表し、
    *はRまたはS配置を表し、ここで、R4”aが水素原子であり、R4”bが水酸基であり、点線が単結合の場合は、R5aがフッ素原子以外の前述の基を表し、R3"aが水素原子であり、R4”aが水素原子であり、R4”bが水酸基であり、R6”aがヒドロキシメチル基であり、R6'aおよびR6'bがともに水素原子であり、Xが水素原子であり、かつ、点線が単結合である場合は、R5aが水酸基、アミノ基、アジド基以外の前述の基を表す〕。
  2. R5aが、C1-3アルカノイルオキシ基、C1-3アルキルスルホニルオキシ基、C1-3アルカノイルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基、ジ−C1-3アルキルアミノ基、またはC1-3アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)である、請求項1記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  3. R6”aが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、ハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよい)である、請求項1に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  4. R6’aおよびR6’bが、同一または異なって、水素原子またはC1-3アルキル基である、請求項1に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  5. R3”a がC1-3アルキル基である、請求項1記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  6. R5aが、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、アジド基、C1-3アルカノイルオキシ基、C1-3アルキルスルホニルオキシ基、C1-3アルカノイルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基、ジ−C1-3アルキルアミノ基、または
    1-3アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)であり、
    R6”aが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、ハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよい)であり、
    R6’aおよびR6’bが、同一または異なって、水素原子またはC1-3アルキル基であり、
    R3”a が水素原子またはC1-3アルキル基である、請求項1記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  7. R4”aが水素原子または水酸基であり、
    R4” bが水素原子であり、
    R6”aがヒドロキシメチル基であり、
    R6’aおよびR6’bのいずれか一方が水素原子であり、
    点線が単結合であり、
    mが0であり、
    Xが水素原子であり、
    nが1〜3の整数である、請求項1記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  8. R5aが塩素原子、水酸基、アミノ基、アジド基、C1-6アルカノイルオキシ基、C1-6アルキルスルホニルオキシ基、C1-6アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、ジ−C1-6アルキルアミノ基、またはC1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)であり、
    R6”aがヒドロキシメチル基であり、
    R6’aおよびR6’bのいずれか一方が水素原子であり、
    点線が単結合であり、
    mが0であり、
    Xが水素原子であり、
    nが2である請求項1記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  9. R6”aが、ヒドロキシメチル基またはフルオロメチル基であり、
    R6’aおよびR6’bがともに水素原子であり、
    R3”a が水素原子であり、
    点線が二重結合であり、
    mは0であり、
    Xが水素原子であり、
    nが1若しくは2である請求項1記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  10. 一般式(II)で表される化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
    Figure 2005070945
    〔式中、
    R5CはC1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、C1-6アルコキシ基で置換されていてもよい)、
    2-6アルケニル基、または
    アミノC1-6アルキル基(このアミノ基の1以上の水素原子は、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基、またはヘテロアリール基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)を表し、
    nは1〜3の整数を表す〕。
  11. R5Cが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、C1-6アルコキシ基で置換されていてもよい)、C2-4アルケニル基、またはアミノC1-3アルキル基(このアミノ基の1以上の水素原子は、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基、ヘテロアリール基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)である、請求項10に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  12. R5Cが、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、C1-3アルコキシ基で置換されていてもよい)、C2-6アルケニル基、またはアミノC1-6アルキル基(このアミノ基の1以上の水素原子は、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基、ピロリル基またはピリジル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)である、請求項10記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  13. R5Cが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、C1-3アルコキシ基で置換されていてもよい)、C2-4アルケニル基、またはアミノC1-3アルキル基(このアミノ基の1以上の水素原子は、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子はアミノ基、水酸基、ピロリル基またはピリジル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)である、請求項10記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  14. 一般式(III)で表される化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
    Figure 2005070945
    〔式中、
    R4”cは水素原子または水酸基を表し、
    R4”dは水素原子または水酸基を表し(ただし、R4”cが水酸基の場合はR4”dは水素原子を表す)、
    R6”cは、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、アミノ基またはアジド基により置換されていてもよい)、または下記の基:
    Figure 2005070945
    (ここで、R6”dおよびR6”eは同一若しくは異なって、水素原子またはアミノC1-6アルキル基を表し、あるいはR6”dとR6”eとは一緒になってヘテロ原子を1−4個含む6員環基を形成してもよく、Yは水素原子または水酸基を表し、pは0または1の整数を表す)
    を表し、
    R3”c およびR3”dは、同一または異なって、
    水素原子、
    1-10アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、アリール基(水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい)、
    ホルムイミドイル基、または
    アミジノ基を表し、
    R6’cおよびR6’dは、同一または異なって、
    水素原子、
    アミノC1-6アルキル基、
    ホルムイミドイル基、
    アミジノ基、または
    ベンジル基(水酸基で置換されていてもよい)を表し、
    rは0−2の整数を表し、
    Jは水素原子または水酸基を表し、
    sは1−3の整数を表し、
    *はRまたはS配置を表すが、ただし、R4”c、R3”c、R3”d、R6’c、およびR6’dがともに水素原子を表し、R4”dが水酸基を表し、R6”cがヒドロキシメチル基を表し、rが0を表し、Xが水素原子を表し、sが2である化合物を除く〕。
  15. R6”cが、C1-3アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、アミノ基またはアジド基により置換されていてもよい)、または下記の基:
    Figure 2005070945
    (ここで、R6”dおよびR6”eは、同一または異なって、水素原子またはアミノC1-3アルキル基を表し、あるいはR6”dとR6”eとは一緒になってヘテロ原子を1−4個含む6員環基を形成してもよく、Yは水素原子または水酸基を表し、pは0または1の整数を表す)
    であり、
    R3”c およびR3”dは、同一または異なって、
    水素原子、
    1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基(水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい)、ナフチル基(水酸基またはアミノ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい)、
    ホルムイミドイル基、または
    アミジノ基であり、
    R6’c、R6’dは同一または異なって、
    水素原子、
    アミノC1-3アルキル基、
    ホルムイミドイル基、
    アミジノ基、または
    ベンジル基(水酸基で置換されていてもよい)
    であるものである、請求項14に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  16. R4”cが水素原子であり、R4”dが水酸基であり、R6’cおよびR6’dがともに水素原子であり、R3”cおよびR3”dがともに水素原子であり、rが0であり、Jが水素原子であり、sが2である、請求項14記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  17. R4”cが水素原子であり、R4”dが水酸基であり、R6’cおよびR6’dがともに水素原子であり、R6”cがヒドロキシメチル基であり、R3”cおよびR3”dのいずれか一方が水素原子であり、rが0であり、Jが水素原子であり、sが2である、請求項14記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  18. R4”cが水素原子であり、R4”dが水酸基であり、R6”cがヒドロキシメチル基であり、R3”c およびR3”dがともに水素原子であり、sが2である、請求項14記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  19. 5,4”−ジエピアルベカシン、
    5−デオキシ−4”−エピ−5−エピフルオロアルベカシン、
    5−デオキシ−4”−エピ−5−エピクロロアルベカシン、
    5−デオキシ−4”−エピ−5−エピアミノアルベカシン、
    4”−デオキシ−5−エピアルベカシン、
    1−N−[(S)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−5,4”−ジエピジベカシン、
    5,4”−ジエピ−3”−N−メチルアルベカシン、
    5,4”−ジエピ−6’−N−メチルアルベカシン、
    5−エピアルベカシン、
    5−デオキシ−5−エピクロロアルベカシン、
    5−デオキシ−5−エピアミノアルベカシン、
    5−デオキシ−5−エピ(2−アミノエチル)アミノアルベカシン、
    5−エピ−3”−N−メチルアルベカシン、
    6”−アミノメチル−5−エピアルベカシン
    3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアルベカシン、
    5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピフルオロアルベカシン、
    5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアミノアルベカシン、
    1−N−[(S)−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノイル)]−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピジベカシン、
    3’,4’−ジデヒドロ−5,4”−ジエピアルベカシン、
    5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−4”−エピ−5−エピフルオロアルベカシン、
    5−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−4”−エピ−5−エピアミノアルベカシン、
    4”−デオキシ−3’,4’−ジデヒドロ−5−エピアルベカシン、
    6”−アミノメチルアルベカシン。
  20. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなる、医薬組成物。
  21. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなる、抗菌剤。
  22. 一般式(Ia):
    Figure 2005070945
    〔式中、
    R4”aおよびR4” bは、同一または異なって、水素原子または水酸基を表し、
    R5aは、ハロゲン原子、
    水酸基、
    アミノ基、
    アジド基、
    1-6アルカノイルオキシ基、
    1-6アルキルスルホニルオキシ基、
    1-6アルカノイルアミノ基、
    アリールカルボニルアミノ基、
    ジ−C1-6アルキルアミノ基、または
    1-6アルキルアミノ基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、フェニル基、ビニル基、アミノ基またはヒドロキシメチル基で置換されていてもよい)を表し、
    R6”aは、C1-6アルキル基(このアルキル基の1以上の水素原子は、水酸基、ハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよい)を表し、
    R6’aおよびR6’bは、同一または異なって、水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
    R3”a は水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
    点線は、単結合または二重結合を表し、
    mは0〜2の整数を表し、
    Xは水素原子または水酸基を表し、
    nは1〜3の整数を表し、
    *はRまたはS配置を表し、ここで、R4”aが水素原子であり、R4”bが水酸基であり、点線が単結合の場合は、R5aがフッ素原子以外の前述の基を表す〕
    で表される化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなる、抗MRSA剤。
  23. 請求項10乃至13に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなる、抗MRSA剤。
  24. 請求項14乃至18に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなる、抗MRSA剤。
  25. 医薬組成物の製造のための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用。
  26. 抗菌剤の製造のための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用。
  27. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を、ヒトを含む動物に投与することを含んでなる、感染症の予防または治療方法。
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