JPWO2005069436A1 - アンテナ装置および無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
アンテナ装置10は、上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とを対にした方位角領域(セクタ)アンテナ、および上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とを対にした別のセクタアンテナとを備えている。上方指向性アンテナ21,23は、上方のチルト角領域に指向するアンテナであり、下方指向性アンテナ22,24は、下方のチルト角領域に指向するアンテナである。セクタアンテナは、全方位を3以上に分割した方位角領域(セクタ)の無線信号を送信または受信するアンテナであり、セクタ毎に2つずつ水平方向に並べて設置される。こうした構成により、設置スペースを効率的に使いつつダイバーシチの効果を向上できる。
Description
この発明は、特定の方位角領域ごとに無線信号を送受信する方位角領域アンテナを備えたアンテナ装置、およびこのアンテナ装置を備えた無線通信装置に関するものである。
従来のアンテナ装置は、例えば、特開平3−38933号公報に記載されるように、移動通信の基地局に適用されるものであって、スペースダイバーシチ用の第1アンテナと第2アンテナとで構成される。
この他、例えば、特開平5−63634号公報に記載されるように、移動通信の基地局に適用されるアンテナ装置であって、外部ゾーンに対応した第1アンテナと、垂直面内指向性をふ角方向に電気的又は機械的に傾斜させることが可能な第2アンテナとで構成されるものがある。
これら従来のアンテナ装置において、ダイバーシチの効果を向上させるためにアンテナの数を増やそうとする場合、単純にアンテナの数を増やすだけでは、設置スペースが無闇に増えてしまうという問題があった。
この他、例えば、特開平5−63634号公報に記載されるように、移動通信の基地局に適用されるアンテナ装置であって、外部ゾーンに対応した第1アンテナと、垂直面内指向性をふ角方向に電気的又は機械的に傾斜させることが可能な第2アンテナとで構成されるものがある。
これら従来のアンテナ装置において、ダイバーシチの効果を向上させるためにアンテナの数を増やそうとする場合、単純にアンテナの数を増やすだけでは、設置スペースが無闇に増えてしまうという問題があった。
本発明の目的は、設置スペースを効率的に使いつつ、ダイバーシチの効果を維持でき又はダイバーシチの効果を向上できるアンテナ装置および無線通信装置を提供することである。
本発明のアンテナ装置は、全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに水平方向に2以上並べて構成したアンテナ装置であって、前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであることを特徴とする。
本発明によれば、方位角領域アンテナを水平方向に2以上並べ、各方位角領域アンテナを2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナとすること、すなわち、空間ダイバシチと指向性ダイバシチとを組合わせることによって、設置スペースを効率的に使いつつダイバーシチの効果を向上できる。
また本発明のアンテナ装置は、全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに備えたアンテナ装置であって、前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであり、かつ、隣接する方位角領域に対応した方位角領域アンテナとともに共通支柱によって支持されることを特徴とする。
本発明によれば、方位角領域アンテナを2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナとすることによって、指向性ダイバーシチの効果を維持するとともに、相互に隣接する方位角領域にそれぞれ対応した方位角領域アンテナをともに共通支柱で支持するため、設置スペースを効率的に使うことができる。
また本発明の無線通信装置は、全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに水平方向に2以上並べて構成したアンテナ装置と、該アンテナ装置を介して受信した信号に対して処理を行う受信装置と、前記アンテナ装置を介して送信する信号に対して送信処理を行う送信装置とを備えた無線通信装置であって、前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであることを特徴とする。
本発明の無線通信装置によれば、上記アンテナ装置と同様に、設置スペースを効率的に使いつつダイバーシチの効果を向上できる。
本発明のアンテナ装置は、全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに水平方向に2以上並べて構成したアンテナ装置であって、前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであることを特徴とする。
本発明によれば、方位角領域アンテナを水平方向に2以上並べ、各方位角領域アンテナを2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナとすること、すなわち、空間ダイバシチと指向性ダイバシチとを組合わせることによって、設置スペースを効率的に使いつつダイバーシチの効果を向上できる。
また本発明のアンテナ装置は、全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに備えたアンテナ装置であって、前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであり、かつ、隣接する方位角領域に対応した方位角領域アンテナとともに共通支柱によって支持されることを特徴とする。
本発明によれば、方位角領域アンテナを2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナとすることによって、指向性ダイバーシチの効果を維持するとともに、相互に隣接する方位角領域にそれぞれ対応した方位角領域アンテナをともに共通支柱で支持するため、設置スペースを効率的に使うことができる。
また本発明の無線通信装置は、全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに水平方向に2以上並べて構成したアンテナ装置と、該アンテナ装置を介して受信した信号に対して処理を行う受信装置と、前記アンテナ装置を介して送信する信号に対して送信処理を行う送信装置とを備えた無線通信装置であって、前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであることを特徴とする。
本発明の無線通信装置によれば、上記アンテナ装置と同様に、設置スペースを効率的に使いつつダイバーシチの効果を向上できる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図2は、実施の形態1に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。
図3は、実施の形態1に係るアンテナ装置のチルト角指向性を示す図である。
図4は、比較例1に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図5は、比較例1に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。
図6は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図7は、実施の形態2に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。
図8は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の電気的構成を示す図である。
図9は、実施の形態3に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図10は、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図11は、本発明の実施の形態5に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図12は、本発明の実施の形態6に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
図13は、比較例2に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
図2は、実施の形態1に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。
図3は、実施の形態1に係るアンテナ装置のチルト角指向性を示す図である。
図4は、比較例1に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図5は、比較例1に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。
図6は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図7は、実施の形態2に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。
図8は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の電気的構成を示す図である。
図9は、実施の形態3に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図10は、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図11は、本発明の実施の形態5に係る無線通信装置の構成を示す図である。
図12は、本発明の実施の形態6に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
図13は、比較例2に係るアンテナ装置の構成を示す図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置1は、アンテナ装置10および受信装置50を備え、たとえば移動体通信システムにおいて移動体通信端末と無線通信を行う基地局に適用可能なものである。
アンテナ装置10は、上方指向性アンテナ21,23、下方指向性アンテナ22,24および支柱41〜44を備えている。上方指向性アンテナ21は、上方のチルト角領域に指向するアンテナであり、支柱41によって支持される。下方指向性アンテナ22は、下方のチルト角領域に指向するアンテナであり、支柱42によって支持される。上方指向性アンテナ23は、上方のチルト角領域に指向するアンテナであり、支柱43によって支持される。下方指向性アンテナ24は、下方のチルト角領域に指向するアンテナであり、支柱44によって支持される。
これらのアンテナのうち、上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とが対になって、無線通信装置1周囲の全方位を均等に3分割した方位角領域(以降、セクタと呼ぶ)の無線信号を受信するセクタアンテナを構成する。同様に、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とが対になって、セクタアンテナを構成する。図1では、1セクタに対応した構成のみを図示している。上方指向性アンテナ21,23は、同一のチルト角領域(上方)に指向するアンテナであり、空間ダイバーシチの効果を得るために、互いに無線周波数に応じた距離L0だけ水平方向に離して設置する。同様に、下方指向性アンテナ22,24は、同一のチルト角領域(下方)に指向するアンテナであり、空間ダイバーシチの効果を得るために、互いに無線周波数に応じた距離L0だけ水平方向に離して設置する。無線周波数に応じた距離L0とは、具体的には、無線搬送波の波長よりも大きな距離のことである。
一方、上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とで、指向性ダイバーシチの効果を得ることができるため、これらは近接(距離L1)して設置することができる。同様に、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とで、指向性ダイバーシチの効果を得ることができるため、これらも近接(距離L1)して設置することができる。このように、空間ダイバーシチと指向性ダイバーシチとを組合わせることによって、設置スペースを効率的に使いつつダイバーシチの効果を向上できる。
受信装置50は、無線受信部(RX)51〜54および選択合成受信部55を備えている。無線受信部51は、上方指向性アンテナ21で受信した高周波信号をベースバンド信号に変換する。同様に、無線受信部52〜54は、指向性アンテナ22〜24で受信した高周波信号をそれぞれベースバンド信号に変換する。選択合成受信部55は、各指向性アンテナ21〜24を経由して得られた信号を基に、選択あるいは合成の処理を行うことにより、受信信号を決定する。
選択合成受信部55で行う選択合成処理には、空間ダイバーシチおよび指向性ダイバーシチのそれぞれについて、次のものがある。
まず、空間ダイバーシチを行う上方指向性アンテナ21,23の対について、いずれか受信品質の良好な信号を選択する選択型と、2信号を合成する合成型とがある。前者は、受信品質の低い信号による影響を除去できる利点があり、後者は、フェージング等により局所的に受信レベルが低下した場合の一方の信号を他方の信号で補うことができる利点がある。また、空間ダイバーシチを行う下方指向性アンテナ22,24の対についても、同様に選択型と合成型とがあり、利点も同様である。更に、選択型と合成型とのいずれかを選択する選択合成型も適用可能である。選択合成型は、選択型の利点と合成型の利点の両方を有する。
指向性ダイバーシチを行う上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22との対、および上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24との対については、いずれか受信品質の良好な信号を選択する選択型と、2信号を合成する合成型とがある。選択型は、受信品質の低い信号による影響を除去できる利点がある。具体的に説明すると、通信相手が無線通信装置1と通話可能な通信エリアのうち外側エリアにいる場合は、より利得の高い上方指向性アンテナからの信号を選択でき、利得が低くノイズを拾う下方指向性アンテナからの信号を除去できる。反対に、通信相手が通話エリアのうち内側エリアにいる場合は、より利得の高い下方指向性アンテナからの信号を選択でき、利得が低くノイズを拾う上方指向性アンテナからの信号を除去できる。合成型は、通信相手が通話エリアのうち外側エリアと内側エリアとの境界付近にいる場合、ともに利得が低くなった上方指向性アンテナからの信号と下方指向性アンテナからの信号とを合成して互いに補い合うことで、利得の高い受信信号を得ることが可能である。更に、空間ダイバーシチの場合と同様に、選択合成型も適用可能である。
図2は、実施の形態1に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。アンテナ装置10は、図1で説明した上方指向性アンテナ21,23、下方指向性アンテナ22,24および支柱41〜44に加えて、上方指向性アンテナ25,27,29,31、下方指向性アンテナ26,28,30,32および支柱45〜49を備えている。このうち、図1で説明した上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とで第1セクタアンテナ11を構成し、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とで第1セクタアンテナ12を構成する。同様に、上方指向性アンテナ25と下方指向性アンテナ26とで第2セクタアンテナ13を構成し、上方指向性アンテナ27と下方指向性アンテナ28とで第2セクタアンテナ14を構成する。また、上方指向性アンテナ29と下方指向性アンテナ30とで第3セクタアンテナ15を構成し、上方指向性アンテナ31と下方指向性アンテナ32とで第3セクタアンテナ16を構成する。
支柱44は、図1で説明したように下方指向性アンテナ24を支持するのに加えて、上方指向性アンテナ25をも支持する。支柱45は、下方指向性アンテナ26を支持する。支柱46は、上方指向性アンテナ27を支持する。支柱47は、下方指向性アンテナ28とともに上方指向性アンテナ29を支持する。支柱48は、下方指向性アンテナ30を支持する。支柱49は、上方指向性アンテナ31を支持する。支柱41は、図1で説明したように上方指向性アンテナ21を支持するのに加えて、下方指向性アンテナ32をも支持する。
第1セクタアンテナ11,12、第2セクタアンテナ13,14および第3セクタアンテナ15,16は、三角形の各辺を描くようにそれぞれ配置する。これに合せて、支柱41〜49も三角形を描くように配置し、特に2つの指向性アンテナを共通に支持する支柱41,44,47は、支柱41〜49が描く三角形の頂点に配置する。
図1について、第1セクタアンテナ11,12を離して配置させる一方で、上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とは近接配置が可能であること、および上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とは近接配置が可能であることを説明したが、第2セクタおよび第3セクタにそれぞれ対応したアンテナについても、同じことが言える。したがって、図2に示すように、3箇所に纏まったスペースを確保するだけでアンテナ装置10を設置することができ、スペースの利用効率を向上できる。
また、支柱41,44,47を、各セクタと隣接するセクタとに共通に使用するので、アンテナ装置10の設置に関し、スペースの利用効率をさらに向上することができる。
なお、図2において、全セクタに対応したアンテナ装置10の構成について説明したが、図1の受信装置50も第1セクタのみに対応した構成であって、実際の受信装置50は、第2セクタおよび第3セクタについても、図1と同様の構成、すなわち無線受信部と選択合成受信部とを含む構成を有する。
さらに、図1および図2では、3つのセクタに対応し、各セクタ当り2つのセクタアンテナを有し、2つのチルト角領域に指向するアンテナ装置および無線通信装置を図示したが、これに限るものではなく、4以上のセクタに対応し、各セクタ当り3以上のセクタアンテナを有し、3以上のチルト角領域に指向する構成にも拡張可能である。
図3は、実施の形態1に係るアンテナ装置のチルト角指向性を示す図である。チルト角は、アンテナ装置10を含む鉛直面内において水平方向を基準とする角度である。曲線61は、チルト角に対する上方指向性アンテナによるアンテナ利得を示すものである。曲線62は、チルト角に対する下方指向性アンテナによるアンテナ利得を示すものである。曲線63は、上方および下方の両チルト角領域をカバーするアンテナによるアンテナ利得を示すものである。
曲線61は、特定の中心軸(長軸61a)を持つ楕円形をなす。したがって、上方指向性アンテナによるアンテナ利得は、この長軸61aのチルト角を中心にした狭いチルト角領域に指向性を有する。同様に、曲線62は、特定の中心軸(長軸62a)を持つ楕円形をなす。したがって、下方指向性アンテナによるアンテナ利得は、この長軸62aのチルト角を中心にした狭いチルト角領域に指向性を有する。長軸61aのチルト角は、長軸62aのチルト角よりも小さく、水平に近い。こうしたチルト角指向性によって、無線通信装置1は、遠くの通信相手に対して主に上方指向性アンテナを使い、近くの通信相手に対して主に下方指向性アンテナを使って、無線通信を行うことができる。
図4は、比較例1に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置101は、図1に示した無線通信装置1のうち、アンテナ装置10をアンテナ装置110に置換えたものである。その他の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略し、アンテナ装置110の構成を説明する。アンテナ装置110は、第1セクタアンテナ111〜114および支柱41〜44を備えている。第1セクタアンテナ111〜114は、特にチルト角指向性を有するものではなく、それぞれ無線周波数に応じた所定の間隔を空けて配置される。
図5は、比較例1に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。アンテナ装置110は、図4に示した第1セクタアンテナ111〜114および支柱41〜44に加えて、第2セクタアンテナ115〜118、第3セクタアンテナ119〜122および支柱45〜49を備えている。
以上のような比較例1に係る無線通信装置101と、実施の形態1に係る無線通信装置1とを比較すると、比較例1が各セクタ毎にセクタアンテナを単純に4本並べて空間ダイバーシチのみを行うのに対し、実施の形態1は各セクタ毎に空間ダイバーシチと指向性ダイバーシチとを組合わせるので、設置スペースの利用効率が高い。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置2は、図1に示した無線通信装置1において、アンテナ装置10をアンテナ装置70に置換えたものである。アンテナ装置70は、アンテナ装置10において個別の支柱に支持されていた上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とを共通の支柱77で支持するとともに、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とを共通の支柱78で支持したものである。支柱77上では、上方指向性アンテナ21が下方指向性アンテナ22の上方に、支柱78上では、上方指向性アンテナ23が下方指向性アンテナ24の上方にそれぞれ配置される。その他の構成については、図1の無線通信装置1と同一であるため、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
このように、上方指向性アンテナと下方指向性アンテナとを共通の支柱で支持することによって、アンテナ装置を設置する場合に、スペースの利用効率をさらに向上することができる。
図7は、実施の形態2に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。アンテナ装置70は、図6で説明した上方指向性アンテナ21,23、下方指向性アンテナ22,24,および支柱77,78に加えて、上方指向性アンテナ25,27,29,31、下方指向性アンテナ26,28,30,32および支柱79を備えている。このうち、図6で説明した上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とで第1セクタアンテナ71を構成し、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とで第1セクタアンテナ72を構成する。同様に、上方指向性アンテナ25と下方指向性アンテナ26とで第2セクタアンテナ73を構成し、上方指向性アンテナ27と下方指向性アンテナ28とで第2セクタアンテナ74を構成する。また、上方指向性アンテナ29と下方指向性アンテナ30とで第3セクタアンテナ75を構成し、上方指向性アンテナ31と下方指向性アンテナ32とで第3セクタアンテナ76を構成する。
支柱78は、図6で説明したように第1セクタアンテナ72を支持するのに加えて、第2セクタアンテナ73をも支持する。支柱79は、第2セクタアンテナ74とともに第3セクタアンテナ75を支持する。支柱77は、図6で説明したように第1セクタアンテナ71を支持するのに加えて、第3セクタアンテナ76をも支持する。
第1セクタアンテナ71,72、第2セクタアンテナ73,74および第3セクタアンテナ75,76は、三角形の各辺を描くようにそれぞれ配置する。これに合せて、支柱77〜79も三角形の頂点に配置する。
このように、各セクタに対応するセクタアンテナと、隣接するセクタに対応するセクタアンテナとを共通の支柱で支持するとともに、上方指向性アンテナと下方指向性アンテナとを共通の支柱で支持することによって、3本の支柱だけを使ってアンテナ装置を設置することができ、スペースの利用効率をさらに向上することができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の電気的構成を示す図である。アンテナ装置80は、図6で示したアンテナ装置70において、個別に有していた上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とを、単一の第1セクタアンテナ81に共通化させたものである。アンテナ装置80は、第1セクタアンテナ81、分配器85〜88、位相補正器89〜92および出力コネクタ93,94を備えている。第1セクタアンテナ81は、鉛直方向に並べて配置され個別に無線信号の受信が可能なアンテナ素子95〜98から構成される。分配器85〜88は、アンテナ素子95〜98からの信号を同一の2信号に分配させる。分配器85〜88から出力される信号線の各一方は、出力コネクタ93に位相補正器を介さずに接続される。分配器85〜88から出力される信号線の各一方は、位相補正器89〜92をそれぞれ介して出力コネクタ94に接続される。
このように、アンテナ素子95〜98からの各信号が位相補正を受けず同位相のまま合成されて出力コネクタ93から出力される一方、アンテナ素子95〜98からの各信号が位相補正を受けて位相がずれた状態で合成され出力コネクタ94から出力されるので、単一の指向性アンテナ81を使って2つのチルト角領域に指向した受信信号を出力することができる。このような特性を使って、図3と同じチルト角指向性を持たせることが可能である。
図9は、実施の形態3に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置3は、図6で示した無線通信装置2において、アンテナ装置70をアンテナ装置80に置換えたものである。図8では、第1セクタアンテナ81に関する構成のみを図示したが、実際には、アンテナ装置80は第1セクタに対応したもう一方の第1セクタアンテナ82をも備えている。さらには、第2セクタ、第3セクタにそれぞれ対応したセクタアンテナを2本ずつ備えている。
こうした構成により、各セクタアンテナ毎に上方指向性アンテナと下方指向性アンテナとを統合することができ、アンテナの設置スペースを縮小できる。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置4は、図1で示した無線通信装置1に、送信装置200とデュプレクサ211〜214を追加したものである。無線通信装置1と同一構成には、同一の参照符号を付して説明を省略し、無線通信装置1と異なる構成について以下に説明する。
送信装置200は、選択送信部201、無線送信部(TX)202,203および分配器204,205を備えている。選択送信部201は、受信装置50の選択合成部55からの指示に従って上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、選択されたチルト角指向性に対応した無線送信部202または無線送信部203にベースバンドの送信信号を出力する。無線送信部202,203は、ともに選択送信部201から受けたベースバンドの送信信号を無線送信可能な高周波帯域の信号に変換する。このうち無線送信部202は、分配器204およびデュプレクサ211を介して上方指向性アンテナ21に接続され、分配器204およびデュプレクサ213を介して上方指向性アンテナ23に接続されており、上方指向性に対応したものである。無線送信部203は、分配器205およびデュプレクサ212を介して下方指向性アンテナ22に接続され、分配器205およびデュプレクサ214を介して下方指向性アンテナ24に接続されており、下方指向性に対応したものである。分配器204は、無線送信部202から出力された高周波信号を、上方指向性アンテナ21側と上方指向性アンテナ23側とに分配する分配器である。分配器205は、無線送信部203から出力された高周波信号を、下方指向性アンテナ22側と下方指向性アンテナ24側とに分配する分配器である。
デュプレクサ211は、上方指向性アンテナ21と無線受信部51とを繋ぐ信号線上に設けられ、無線受信部51と分配器204とを接続する。デュプレクサ212は、下方指向性アンテナ22と無線受信部52とを繋ぐ信号線上に設けられ、無線受信部52と分配器205とを接続する。デュプレクサ213は、上方指向性アンテナ23と無線受信部53とを繋ぐ信号線上に設けられ、無線受信部53と分配器204とを接続する。デュプレクサ214は、下方指向性アンテナ24と無線受信部54とを繋ぐ信号線上に設けられ、無線受信部54と分配器205とを接続する。
この他、選択合成受信部55は、受信信号について上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、これに合せて送信信号についても上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択させるため、これを送信装置200の選択送信部201に指示する。
次に、無線通信装置4の送信動作について説明する。
無線通信装置4において、通信相手に送信するための送信信号が作られると、この送信信号は選択送信201によって無線送信部202もしくは無線送信部203またはその両方に出力される。いずれに出力されるかは、選択合成受信部55からの指示に従う。
すなわち、選択合成受信部55が受信信号について上方指向性を選択した場合、送信信号についても上方指向性を選択させるための指示信号が選択合成受信部55から選択送信部201に伝えられ、この指示信号に従って、選択送信部201は上方指向性を選択する。この場合、送信信号は選択送信部201から無線送信部202へ出力される。選択送信部201からの送信信号は、無線送信部202において周波数変換の処理を受ける。無線送信部202からの送信信号は、分配器204によって上方指向性アンテナ21と上方指向性アンテナ23とに分配される。分配された送信信号は、デュプレクサ211を経由して上方指向性アンテナ21、およびデュプレクサ213を経由して上方指向性アンテナ23から、それぞれ無線送信される。無線送信された各信号は、空中で合成され通信相手まで伝送される。
また、選択合成受信部55が受信信号について下方指向性を選択した場合、送信信号についても下方指向性を選択させるための指示信号が選択送信部201に伝えられ、この指示信号に従って、選択送信部201は下方指向性を選択する。この場合、送信信号は選択送信部201から無線送信部203へ出力される。選択送信部201からの送信信号は、無線送信部203において周波数変換の処理を受ける。無線送信部203からの送信信号は、分配器205によって下方指向性アンテナ22と下方指向性アンテナ24とに分配される。分配された送信信号は、デュプレクサ212を経由して下方指向性アンテナ22、およびデュプレクサ214を経由して下方指向性アンテナ24から、それぞれ無線送信される。無線送信された各信号は、空中で合成され通信相手まで伝送される。
また、選択合成受信部55が受信信号について上方指向性および下方指向性を選択した場合、上述した上方指向性および下方指向性の2系統の信号が両方ともに無線送信される。
このように、受信信号について選択したチルト角指向性を、受信信号の発信元と同一の通信相手への送信信号にも適用することによって、無線信号を効率良く通信相手に伝送することができる。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置5は、図10で示した無線通信装置4において、送信装置200に替えて送信装置300を設けたものである。無線通信装置4と同一構成には、同一の参照符号を付して説明を省略し、無線通信装置4と異なる構成について以下に説明する。
送信装置300は、STTD(Space Time block coding Transmit Diversity;時空間ブロック符号化送信ダイバーシチ)符号化部301、選択送信部302,303および無線送信部(TX)304〜307を備えている。STTD符号化部301は、1つの送信信号と、この送信信号に時間的順序入れ替え、正負反転、複素共役の処理を施した送信信号とを生成し、一方を選択送信部302に他方を選択送信部303に出力する。これにより、空間ダイバーシチと時間ダイバーシチとを組合わせた時空間ダイバーシチを実現できる。
選択送信部302は、受信装置50の選択合成部55からの指示に従って、上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、選択されたチルト角指向性に対応した無線送信部304または無線送信部305にベースバンドの送信信号を出力する。選択送信部303は、受信装置50の選択合成部55からの指示に従って、上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、選択されたチルト角指向性に対応した無線送信部306もしくは無線送信部307またはその両方にベースバンドの送信信号を出力する。これにより、鉛直方向においては、2つのチルト角領域のいずれかまたはその両方に指向した無線信号を選択的に送信することができる。
無線送信部304,305は、ともに選択送信部302から受けたベースバンドの送信信号を無線送信可能な高周波帯域の信号に変換する。同様に、無線送信部306,307は、ともに選択送信部303から受けたベースバンドの送信信号を無線送信可能な高周波帯域の信号に変換する。無線送信部304は、デュプレクサ211を介して上方指向性アンテナ21に接続されており、上方指向性に対応したものである。無線送信部305は、デュプレクサ212を介して下方指向性アンテナ22に接続されており、下方指向性に対応したものである。無線送信部306は、デュプレクサ213を介して上方指向性アンテナ23に接続されており、上方指向性に対応したものである。無線送信部307は、デュプレクサ214を介して下方指向性アンテナ24に接続されており、下方指向性に対応したものである。
この他、選択合成受信部55は、受信信号について上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、これに合せて送信信号についても上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択させるため、これを送信装置300の選択送信部302,303に指示する。なお、複数の受信信号について、上方指向性と下方指向性とに分かれた場合は、主に選択されたチルト角指向性を選択することとする。
次に、無線通信装置5の送信動作について説明する。
無線通信装置5において、通信相手に送信するための送信信号が作られると、この送信信号に基づきSTTD符号化部301において2つの送信信号が生成される。2つの信号のうち、一方は選択送信部302に、他方は選択送信部303に出力される。選択送信部302に出力された方の信号は、選択送信部302によって無線送信部304もしくは無線送信部305またはその両方に出力される。いずれに出力されるかは、選択合成受信部55からの指示に従う。
すなわち、選択合成受信部55が受信信号について上方指向性を選択した場合、送信信号についても上方指向性を選択させるための指示信号が選択合成受信部55から選択送信部302に伝えられ、この指示信号に従って、選択送信部302は上方指向性を選択する。この場合、送信信号は選択送信部302から無線送信部304へ出力される。選択送信部302からの送信信号は、無線送信部304において周波数変換の処理を受ける。無線送信部304から出力された送信信号は、デュプレクサ211を経由して上方指向性アンテナ21から無線送信される。
STTD符号化部301によって選択送信部303に出力された方の信号は、選択送信部303によって無線送信部306もしくは無線送信部307またはその両方に出力される。いずれに出力されるかは、選択送信部302と同様に、選択合成受信部55からの指示に従う。
すなわち、選択送信部302が上方指向性を選択した場合、選択送信部303も同様に上方指向性を選択する。この場合、送信信号は選択送信部303から無線送信部306へ出力される。選択送信部303からの送信信号は、無線送信部306において周波数変換の処理を受ける。無線送信部306から出力された送信信号は、デュプレクサ213を経由して上方指向性アンテナ23から無線送信される。
また、選択合成受信部55が受信信号について下方指向性を選択した場合、送信信号についても下方指向性を選択させるための指示信号が選択送信部302,303に伝えられ、この指示信号に従って、選択送信部302,303は下方指向性を選択する。この場合、一方の送信信号は、選択送信部302から無線送信部305へ出力され、他方の送信信号は、選択送信部303から無線送信部307へ出力される。選択送信部302からの送信信号は、無線送信部305において周波数変換の処理を受け、選択送信部303からの送信信号は、無線送信部307において周波数変換の処理を受ける。無線送信部305からの送信信号は、デュプレクサ212を経由して下方指向性アンテナ22から無線送信される。無線送信部307からの送信信号は、デュプレクサ214を経由して下方指向性アンテナ24から無線送信される。
また、選択合成受信部55が受信信号について上方指向性および下方指向性を選択した場合、上述した上方指向性および下方指向性の2系統の信号が両方ともに無線送信される。
このように、受信信号について選択したチルト角指向性を、受信信号の発信元と同一の通信相手への時空間送信ダイバーシチ信号にも適用することによって、無線信号を効率良く通信相手に伝送することができる。
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6に係るアンテナ装置の構成を示す図である。アンテナ装置400は、図7に示したアンテナ装置70において、各セクタ毎に2つずつセクタアンテナを設けていたものを、各セクタ毎のセクタアンテナを1つずつに変更したものである。
アンテナ装置400は、第1セクタアンテナ401、第2セクタアンテナ402、第3セクタアンテナ403および支柱421を備えている。第1セクタアンテナ401は、上方指向性アンテナ411および下方指向性アンテナ412から構成される。第2セクタアンテナ402は、上方指向性アンテナ413および下方指向性アンテナ414から構成される。第3セクタアンテナ403は、上方指向性アンテナ415および下方指向性アンテナ416から構成される。支柱421は、上方指向性アンテナ411,413,415および下方指向性アンテナ412,414,416の全てを共通に支持する支柱である。
このように、第1〜第3セクタの各セクタアンテナを共通の支柱で支持するとともに、各セクタアンテナに含まれる上方指向性アンテナと下方指向性アンテナとを共通の支柱で支持することにより、全ての指向性アンテナを1本の支柱421で支持するので、アンテナ装置の設置スペースを効率的に使用できる。
なお、アンテナ装置400に、実施の形態1〜5の受信装置、さらには送信装置を組合わせることによって、無線通信装置を構成することが可能である。ただし、実施の形態1〜5はいずれも各セクタ毎に2つずつのセクタアンテナを設けたが、アンテナ装置400はセクタ毎のセクタアンテナが1つずつであるため、その分だけ受信装置および送信装置の構成も簡略化することができる。
図13は、比較例2に係るアンテナ装置の構成を示す図である。アンテナ装置500は、図5で示したアンテナ装置110において、各セクタ毎に4つずつセクタアンテナを設けていたものを、各セクタ毎のセクタアンテナを2つずつに変更したものである。
アンテナ装置500は、第1セクタアンテナ501,502、第2セクタアンテナ503,504、第3セクタアンテナ505,506および支柱511,512,513を備えている。支柱511は、第1セクタアンテナ501および第3セクタアンテナ506を共通に支持する支柱である。支柱512は、第1セクタアンテナ502および第2セクタアンテナ503を共通に支持する支柱である。支柱513は、第2セクタアンテナ504および第3セクタアンテナ505を共通に支持する支柱である。
以上のような比較例2に係るアンテナ装置500と、実施の形態6に係るアンテナ装置400とを比較すると、比較例2が各セクタ毎にセクタアンテナを水平方向に2本並べて空間ダイバーシチを行うのに対し、実施の形態6は各セクタ毎に指向性ダイバーシチを行うので、設置スペースの利用効率が高い。
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置1は、アンテナ装置10および受信装置50を備え、たとえば移動体通信システムにおいて移動体通信端末と無線通信を行う基地局に適用可能なものである。
アンテナ装置10は、上方指向性アンテナ21,23、下方指向性アンテナ22,24および支柱41〜44を備えている。上方指向性アンテナ21は、上方のチルト角領域に指向するアンテナであり、支柱41によって支持される。下方指向性アンテナ22は、下方のチルト角領域に指向するアンテナであり、支柱42によって支持される。上方指向性アンテナ23は、上方のチルト角領域に指向するアンテナであり、支柱43によって支持される。下方指向性アンテナ24は、下方のチルト角領域に指向するアンテナであり、支柱44によって支持される。
これらのアンテナのうち、上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とが対になって、無線通信装置1周囲の全方位を均等に3分割した方位角領域(以降、セクタと呼ぶ)の無線信号を受信するセクタアンテナを構成する。同様に、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とが対になって、セクタアンテナを構成する。図1では、1セクタに対応した構成のみを図示している。上方指向性アンテナ21,23は、同一のチルト角領域(上方)に指向するアンテナであり、空間ダイバーシチの効果を得るために、互いに無線周波数に応じた距離L0だけ水平方向に離して設置する。同様に、下方指向性アンテナ22,24は、同一のチルト角領域(下方)に指向するアンテナであり、空間ダイバーシチの効果を得るために、互いに無線周波数に応じた距離L0だけ水平方向に離して設置する。無線周波数に応じた距離L0とは、具体的には、無線搬送波の波長よりも大きな距離のことである。
一方、上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とで、指向性ダイバーシチの効果を得ることができるため、これらは近接(距離L1)して設置することができる。同様に、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とで、指向性ダイバーシチの効果を得ることができるため、これらも近接(距離L1)して設置することができる。このように、空間ダイバーシチと指向性ダイバーシチとを組合わせることによって、設置スペースを効率的に使いつつダイバーシチの効果を向上できる。
受信装置50は、無線受信部(RX)51〜54および選択合成受信部55を備えている。無線受信部51は、上方指向性アンテナ21で受信した高周波信号をベースバンド信号に変換する。同様に、無線受信部52〜54は、指向性アンテナ22〜24で受信した高周波信号をそれぞれベースバンド信号に変換する。選択合成受信部55は、各指向性アンテナ21〜24を経由して得られた信号を基に、選択あるいは合成の処理を行うことにより、受信信号を決定する。
選択合成受信部55で行う選択合成処理には、空間ダイバーシチおよび指向性ダイバーシチのそれぞれについて、次のものがある。
まず、空間ダイバーシチを行う上方指向性アンテナ21,23の対について、いずれか受信品質の良好な信号を選択する選択型と、2信号を合成する合成型とがある。前者は、受信品質の低い信号による影響を除去できる利点があり、後者は、フェージング等により局所的に受信レベルが低下した場合の一方の信号を他方の信号で補うことができる利点がある。また、空間ダイバーシチを行う下方指向性アンテナ22,24の対についても、同様に選択型と合成型とがあり、利点も同様である。更に、選択型と合成型とのいずれかを選択する選択合成型も適用可能である。選択合成型は、選択型の利点と合成型の利点の両方を有する。
指向性ダイバーシチを行う上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22との対、および上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24との対については、いずれか受信品質の良好な信号を選択する選択型と、2信号を合成する合成型とがある。選択型は、受信品質の低い信号による影響を除去できる利点がある。具体的に説明すると、通信相手が無線通信装置1と通話可能な通信エリアのうち外側エリアにいる場合は、より利得の高い上方指向性アンテナからの信号を選択でき、利得が低くノイズを拾う下方指向性アンテナからの信号を除去できる。反対に、通信相手が通話エリアのうち内側エリアにいる場合は、より利得の高い下方指向性アンテナからの信号を選択でき、利得が低くノイズを拾う上方指向性アンテナからの信号を除去できる。合成型は、通信相手が通話エリアのうち外側エリアと内側エリアとの境界付近にいる場合、ともに利得が低くなった上方指向性アンテナからの信号と下方指向性アンテナからの信号とを合成して互いに補い合うことで、利得の高い受信信号を得ることが可能である。更に、空間ダイバーシチの場合と同様に、選択合成型も適用可能である。
図2は、実施の形態1に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。アンテナ装置10は、図1で説明した上方指向性アンテナ21,23、下方指向性アンテナ22,24および支柱41〜44に加えて、上方指向性アンテナ25,27,29,31、下方指向性アンテナ26,28,30,32および支柱45〜49を備えている。このうち、図1で説明した上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とで第1セクタアンテナ11を構成し、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とで第1セクタアンテナ12を構成する。同様に、上方指向性アンテナ25と下方指向性アンテナ26とで第2セクタアンテナ13を構成し、上方指向性アンテナ27と下方指向性アンテナ28とで第2セクタアンテナ14を構成する。また、上方指向性アンテナ29と下方指向性アンテナ30とで第3セクタアンテナ15を構成し、上方指向性アンテナ31と下方指向性アンテナ32とで第3セクタアンテナ16を構成する。
支柱44は、図1で説明したように下方指向性アンテナ24を支持するのに加えて、上方指向性アンテナ25をも支持する。支柱45は、下方指向性アンテナ26を支持する。支柱46は、上方指向性アンテナ27を支持する。支柱47は、下方指向性アンテナ28とともに上方指向性アンテナ29を支持する。支柱48は、下方指向性アンテナ30を支持する。支柱49は、上方指向性アンテナ31を支持する。支柱41は、図1で説明したように上方指向性アンテナ21を支持するのに加えて、下方指向性アンテナ32をも支持する。
第1セクタアンテナ11,12、第2セクタアンテナ13,14および第3セクタアンテナ15,16は、三角形の各辺を描くようにそれぞれ配置する。これに合せて、支柱41〜49も三角形を描くように配置し、特に2つの指向性アンテナを共通に支持する支柱41,44,47は、支柱41〜49が描く三角形の頂点に配置する。
図1について、第1セクタアンテナ11,12を離して配置させる一方で、上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とは近接配置が可能であること、および上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とは近接配置が可能であることを説明したが、第2セクタおよび第3セクタにそれぞれ対応したアンテナについても、同じことが言える。したがって、図2に示すように、3箇所に纏まったスペースを確保するだけでアンテナ装置10を設置することができ、スペースの利用効率を向上できる。
また、支柱41,44,47を、各セクタと隣接するセクタとに共通に使用するので、アンテナ装置10の設置に関し、スペースの利用効率をさらに向上することができる。
なお、図2において、全セクタに対応したアンテナ装置10の構成について説明したが、図1の受信装置50も第1セクタのみに対応した構成であって、実際の受信装置50は、第2セクタおよび第3セクタについても、図1と同様の構成、すなわち無線受信部と選択合成受信部とを含む構成を有する。
さらに、図1および図2では、3つのセクタに対応し、各セクタ当り2つのセクタアンテナを有し、2つのチルト角領域に指向するアンテナ装置および無線通信装置を図示したが、これに限るものではなく、4以上のセクタに対応し、各セクタ当り3以上のセクタアンテナを有し、3以上のチルト角領域に指向する構成にも拡張可能である。
図3は、実施の形態1に係るアンテナ装置のチルト角指向性を示す図である。チルト角は、アンテナ装置10を含む鉛直面内において水平方向を基準とする角度である。曲線61は、チルト角に対する上方指向性アンテナによるアンテナ利得を示すものである。曲線62は、チルト角に対する下方指向性アンテナによるアンテナ利得を示すものである。曲線63は、上方および下方の両チルト角領域をカバーするアンテナによるアンテナ利得を示すものである。
曲線61は、特定の中心軸(長軸61a)を持つ楕円形をなす。したがって、上方指向性アンテナによるアンテナ利得は、この長軸61aのチルト角を中心にした狭いチルト角領域に指向性を有する。同様に、曲線62は、特定の中心軸(長軸62a)を持つ楕円形をなす。したがって、下方指向性アンテナによるアンテナ利得は、この長軸62aのチルト角を中心にした狭いチルト角領域に指向性を有する。長軸61aのチルト角は、長軸62aのチルト角よりも小さく、水平に近い。こうしたチルト角指向性によって、無線通信装置1は、遠くの通信相手に対して主に上方指向性アンテナを使い、近くの通信相手に対して主に下方指向性アンテナを使って、無線通信を行うことができる。
図4は、比較例1に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置101は、図1に示した無線通信装置1のうち、アンテナ装置10をアンテナ装置110に置換えたものである。その他の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略し、アンテナ装置110の構成を説明する。アンテナ装置110は、第1セクタアンテナ111〜114および支柱41〜44を備えている。第1セクタアンテナ111〜114は、特にチルト角指向性を有するものではなく、それぞれ無線周波数に応じた所定の間隔を空けて配置される。
図5は、比較例1に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。アンテナ装置110は、図4に示した第1セクタアンテナ111〜114および支柱41〜44に加えて、第2セクタアンテナ115〜118、第3セクタアンテナ119〜122および支柱45〜49を備えている。
以上のような比較例1に係る無線通信装置101と、実施の形態1に係る無線通信装置1とを比較すると、比較例1が各セクタ毎にセクタアンテナを単純に4本並べて空間ダイバーシチのみを行うのに対し、実施の形態1は各セクタ毎に空間ダイバーシチと指向性ダイバーシチとを組合わせるので、設置スペースの利用効率が高い。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置2は、図1に示した無線通信装置1において、アンテナ装置10をアンテナ装置70に置換えたものである。アンテナ装置70は、アンテナ装置10において個別の支柱に支持されていた上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とを共通の支柱77で支持するとともに、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とを共通の支柱78で支持したものである。支柱77上では、上方指向性アンテナ21が下方指向性アンテナ22の上方に、支柱78上では、上方指向性アンテナ23が下方指向性アンテナ24の上方にそれぞれ配置される。その他の構成については、図1の無線通信装置1と同一であるため、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
このように、上方指向性アンテナと下方指向性アンテナとを共通の支柱で支持することによって、アンテナ装置を設置する場合に、スペースの利用効率をさらに向上することができる。
図7は、実施の形態2に係るアンテナ装置の配置を示す平面図である。アンテナ装置70は、図6で説明した上方指向性アンテナ21,23、下方指向性アンテナ22,24,および支柱77,78に加えて、上方指向性アンテナ25,27,29,31、下方指向性アンテナ26,28,30,32および支柱79を備えている。このうち、図6で説明した上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とで第1セクタアンテナ71を構成し、上方指向性アンテナ23と下方指向性アンテナ24とで第1セクタアンテナ72を構成する。同様に、上方指向性アンテナ25と下方指向性アンテナ26とで第2セクタアンテナ73を構成し、上方指向性アンテナ27と下方指向性アンテナ28とで第2セクタアンテナ74を構成する。また、上方指向性アンテナ29と下方指向性アンテナ30とで第3セクタアンテナ75を構成し、上方指向性アンテナ31と下方指向性アンテナ32とで第3セクタアンテナ76を構成する。
支柱78は、図6で説明したように第1セクタアンテナ72を支持するのに加えて、第2セクタアンテナ73をも支持する。支柱79は、第2セクタアンテナ74とともに第3セクタアンテナ75を支持する。支柱77は、図6で説明したように第1セクタアンテナ71を支持するのに加えて、第3セクタアンテナ76をも支持する。
第1セクタアンテナ71,72、第2セクタアンテナ73,74および第3セクタアンテナ75,76は、三角形の各辺を描くようにそれぞれ配置する。これに合せて、支柱77〜79も三角形の頂点に配置する。
このように、各セクタに対応するセクタアンテナと、隣接するセクタに対応するセクタアンテナとを共通の支柱で支持するとともに、上方指向性アンテナと下方指向性アンテナとを共通の支柱で支持することによって、3本の支柱だけを使ってアンテナ装置を設置することができ、スペースの利用効率をさらに向上することができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係るアンテナ装置の電気的構成を示す図である。アンテナ装置80は、図6で示したアンテナ装置70において、個別に有していた上方指向性アンテナ21と下方指向性アンテナ22とを、単一の第1セクタアンテナ81に共通化させたものである。アンテナ装置80は、第1セクタアンテナ81、分配器85〜88、位相補正器89〜92および出力コネクタ93,94を備えている。第1セクタアンテナ81は、鉛直方向に並べて配置され個別に無線信号の受信が可能なアンテナ素子95〜98から構成される。分配器85〜88は、アンテナ素子95〜98からの信号を同一の2信号に分配させる。分配器85〜88から出力される信号線の各一方は、出力コネクタ93に位相補正器を介さずに接続される。分配器85〜88から出力される信号線の各一方は、位相補正器89〜92をそれぞれ介して出力コネクタ94に接続される。
このように、アンテナ素子95〜98からの各信号が位相補正を受けず同位相のまま合成されて出力コネクタ93から出力される一方、アンテナ素子95〜98からの各信号が位相補正を受けて位相がずれた状態で合成され出力コネクタ94から出力されるので、単一の指向性アンテナ81を使って2つのチルト角領域に指向した受信信号を出力することができる。このような特性を使って、図3と同じチルト角指向性を持たせることが可能である。
図9は、実施の形態3に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置3は、図6で示した無線通信装置2において、アンテナ装置70をアンテナ装置80に置換えたものである。図8では、第1セクタアンテナ81に関する構成のみを図示したが、実際には、アンテナ装置80は第1セクタに対応したもう一方の第1セクタアンテナ82をも備えている。さらには、第2セクタ、第3セクタにそれぞれ対応したセクタアンテナを2本ずつ備えている。
こうした構成により、各セクタアンテナ毎に上方指向性アンテナと下方指向性アンテナとを統合することができ、アンテナの設置スペースを縮小できる。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置4は、図1で示した無線通信装置1に、送信装置200とデュプレクサ211〜214を追加したものである。無線通信装置1と同一構成には、同一の参照符号を付して説明を省略し、無線通信装置1と異なる構成について以下に説明する。
送信装置200は、選択送信部201、無線送信部(TX)202,203および分配器204,205を備えている。選択送信部201は、受信装置50の選択合成部55からの指示に従って上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、選択されたチルト角指向性に対応した無線送信部202または無線送信部203にベースバンドの送信信号を出力する。無線送信部202,203は、ともに選択送信部201から受けたベースバンドの送信信号を無線送信可能な高周波帯域の信号に変換する。このうち無線送信部202は、分配器204およびデュプレクサ211を介して上方指向性アンテナ21に接続され、分配器204およびデュプレクサ213を介して上方指向性アンテナ23に接続されており、上方指向性に対応したものである。無線送信部203は、分配器205およびデュプレクサ212を介して下方指向性アンテナ22に接続され、分配器205およびデュプレクサ214を介して下方指向性アンテナ24に接続されており、下方指向性に対応したものである。分配器204は、無線送信部202から出力された高周波信号を、上方指向性アンテナ21側と上方指向性アンテナ23側とに分配する分配器である。分配器205は、無線送信部203から出力された高周波信号を、下方指向性アンテナ22側と下方指向性アンテナ24側とに分配する分配器である。
デュプレクサ211は、上方指向性アンテナ21と無線受信部51とを繋ぐ信号線上に設けられ、無線受信部51と分配器204とを接続する。デュプレクサ212は、下方指向性アンテナ22と無線受信部52とを繋ぐ信号線上に設けられ、無線受信部52と分配器205とを接続する。デュプレクサ213は、上方指向性アンテナ23と無線受信部53とを繋ぐ信号線上に設けられ、無線受信部53と分配器204とを接続する。デュプレクサ214は、下方指向性アンテナ24と無線受信部54とを繋ぐ信号線上に設けられ、無線受信部54と分配器205とを接続する。
この他、選択合成受信部55は、受信信号について上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、これに合せて送信信号についても上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択させるため、これを送信装置200の選択送信部201に指示する。
次に、無線通信装置4の送信動作について説明する。
無線通信装置4において、通信相手に送信するための送信信号が作られると、この送信信号は選択送信201によって無線送信部202もしくは無線送信部203またはその両方に出力される。いずれに出力されるかは、選択合成受信部55からの指示に従う。
すなわち、選択合成受信部55が受信信号について上方指向性を選択した場合、送信信号についても上方指向性を選択させるための指示信号が選択合成受信部55から選択送信部201に伝えられ、この指示信号に従って、選択送信部201は上方指向性を選択する。この場合、送信信号は選択送信部201から無線送信部202へ出力される。選択送信部201からの送信信号は、無線送信部202において周波数変換の処理を受ける。無線送信部202からの送信信号は、分配器204によって上方指向性アンテナ21と上方指向性アンテナ23とに分配される。分配された送信信号は、デュプレクサ211を経由して上方指向性アンテナ21、およびデュプレクサ213を経由して上方指向性アンテナ23から、それぞれ無線送信される。無線送信された各信号は、空中で合成され通信相手まで伝送される。
また、選択合成受信部55が受信信号について下方指向性を選択した場合、送信信号についても下方指向性を選択させるための指示信号が選択送信部201に伝えられ、この指示信号に従って、選択送信部201は下方指向性を選択する。この場合、送信信号は選択送信部201から無線送信部203へ出力される。選択送信部201からの送信信号は、無線送信部203において周波数変換の処理を受ける。無線送信部203からの送信信号は、分配器205によって下方指向性アンテナ22と下方指向性アンテナ24とに分配される。分配された送信信号は、デュプレクサ212を経由して下方指向性アンテナ22、およびデュプレクサ214を経由して下方指向性アンテナ24から、それぞれ無線送信される。無線送信された各信号は、空中で合成され通信相手まで伝送される。
また、選択合成受信部55が受信信号について上方指向性および下方指向性を選択した場合、上述した上方指向性および下方指向性の2系統の信号が両方ともに無線送信される。
このように、受信信号について選択したチルト角指向性を、受信信号の発信元と同一の通信相手への送信信号にも適用することによって、無線信号を効率良く通信相手に伝送することができる。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係る無線通信装置の構成を示す図である。無線通信装置5は、図10で示した無線通信装置4において、送信装置200に替えて送信装置300を設けたものである。無線通信装置4と同一構成には、同一の参照符号を付して説明を省略し、無線通信装置4と異なる構成について以下に説明する。
送信装置300は、STTD(Space Time block coding Transmit Diversity;時空間ブロック符号化送信ダイバーシチ)符号化部301、選択送信部302,303および無線送信部(TX)304〜307を備えている。STTD符号化部301は、1つの送信信号と、この送信信号に時間的順序入れ替え、正負反転、複素共役の処理を施した送信信号とを生成し、一方を選択送信部302に他方を選択送信部303に出力する。これにより、空間ダイバーシチと時間ダイバーシチとを組合わせた時空間ダイバーシチを実現できる。
選択送信部302は、受信装置50の選択合成部55からの指示に従って、上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、選択されたチルト角指向性に対応した無線送信部304または無線送信部305にベースバンドの送信信号を出力する。選択送信部303は、受信装置50の選択合成部55からの指示に従って、上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、選択されたチルト角指向性に対応した無線送信部306もしくは無線送信部307またはその両方にベースバンドの送信信号を出力する。これにより、鉛直方向においては、2つのチルト角領域のいずれかまたはその両方に指向した無線信号を選択的に送信することができる。
無線送信部304,305は、ともに選択送信部302から受けたベースバンドの送信信号を無線送信可能な高周波帯域の信号に変換する。同様に、無線送信部306,307は、ともに選択送信部303から受けたベースバンドの送信信号を無線送信可能な高周波帯域の信号に変換する。無線送信部304は、デュプレクサ211を介して上方指向性アンテナ21に接続されており、上方指向性に対応したものである。無線送信部305は、デュプレクサ212を介して下方指向性アンテナ22に接続されており、下方指向性に対応したものである。無線送信部306は、デュプレクサ213を介して上方指向性アンテナ23に接続されており、上方指向性に対応したものである。無線送信部307は、デュプレクサ214を介して下方指向性アンテナ24に接続されており、下方指向性に対応したものである。
この他、選択合成受信部55は、受信信号について上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択し、これに合せて送信信号についても上方もしくは下方またはその両方のチルト角指向性を選択させるため、これを送信装置300の選択送信部302,303に指示する。なお、複数の受信信号について、上方指向性と下方指向性とに分かれた場合は、主に選択されたチルト角指向性を選択することとする。
次に、無線通信装置5の送信動作について説明する。
無線通信装置5において、通信相手に送信するための送信信号が作られると、この送信信号に基づきSTTD符号化部301において2つの送信信号が生成される。2つの信号のうち、一方は選択送信部302に、他方は選択送信部303に出力される。選択送信部302に出力された方の信号は、選択送信部302によって無線送信部304もしくは無線送信部305またはその両方に出力される。いずれに出力されるかは、選択合成受信部55からの指示に従う。
すなわち、選択合成受信部55が受信信号について上方指向性を選択した場合、送信信号についても上方指向性を選択させるための指示信号が選択合成受信部55から選択送信部302に伝えられ、この指示信号に従って、選択送信部302は上方指向性を選択する。この場合、送信信号は選択送信部302から無線送信部304へ出力される。選択送信部302からの送信信号は、無線送信部304において周波数変換の処理を受ける。無線送信部304から出力された送信信号は、デュプレクサ211を経由して上方指向性アンテナ21から無線送信される。
STTD符号化部301によって選択送信部303に出力された方の信号は、選択送信部303によって無線送信部306もしくは無線送信部307またはその両方に出力される。いずれに出力されるかは、選択送信部302と同様に、選択合成受信部55からの指示に従う。
すなわち、選択送信部302が上方指向性を選択した場合、選択送信部303も同様に上方指向性を選択する。この場合、送信信号は選択送信部303から無線送信部306へ出力される。選択送信部303からの送信信号は、無線送信部306において周波数変換の処理を受ける。無線送信部306から出力された送信信号は、デュプレクサ213を経由して上方指向性アンテナ23から無線送信される。
また、選択合成受信部55が受信信号について下方指向性を選択した場合、送信信号についても下方指向性を選択させるための指示信号が選択送信部302,303に伝えられ、この指示信号に従って、選択送信部302,303は下方指向性を選択する。この場合、一方の送信信号は、選択送信部302から無線送信部305へ出力され、他方の送信信号は、選択送信部303から無線送信部307へ出力される。選択送信部302からの送信信号は、無線送信部305において周波数変換の処理を受け、選択送信部303からの送信信号は、無線送信部307において周波数変換の処理を受ける。無線送信部305からの送信信号は、デュプレクサ212を経由して下方指向性アンテナ22から無線送信される。無線送信部307からの送信信号は、デュプレクサ214を経由して下方指向性アンテナ24から無線送信される。
また、選択合成受信部55が受信信号について上方指向性および下方指向性を選択した場合、上述した上方指向性および下方指向性の2系統の信号が両方ともに無線送信される。
このように、受信信号について選択したチルト角指向性を、受信信号の発信元と同一の通信相手への時空間送信ダイバーシチ信号にも適用することによって、無線信号を効率良く通信相手に伝送することができる。
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6に係るアンテナ装置の構成を示す図である。アンテナ装置400は、図7に示したアンテナ装置70において、各セクタ毎に2つずつセクタアンテナを設けていたものを、各セクタ毎のセクタアンテナを1つずつに変更したものである。
アンテナ装置400は、第1セクタアンテナ401、第2セクタアンテナ402、第3セクタアンテナ403および支柱421を備えている。第1セクタアンテナ401は、上方指向性アンテナ411および下方指向性アンテナ412から構成される。第2セクタアンテナ402は、上方指向性アンテナ413および下方指向性アンテナ414から構成される。第3セクタアンテナ403は、上方指向性アンテナ415および下方指向性アンテナ416から構成される。支柱421は、上方指向性アンテナ411,413,415および下方指向性アンテナ412,414,416の全てを共通に支持する支柱である。
このように、第1〜第3セクタの各セクタアンテナを共通の支柱で支持するとともに、各セクタアンテナに含まれる上方指向性アンテナと下方指向性アンテナとを共通の支柱で支持することにより、全ての指向性アンテナを1本の支柱421で支持するので、アンテナ装置の設置スペースを効率的に使用できる。
なお、アンテナ装置400に、実施の形態1〜5の受信装置、さらには送信装置を組合わせることによって、無線通信装置を構成することが可能である。ただし、実施の形態1〜5はいずれも各セクタ毎に2つずつのセクタアンテナを設けたが、アンテナ装置400はセクタ毎のセクタアンテナが1つずつであるため、その分だけ受信装置および送信装置の構成も簡略化することができる。
図13は、比較例2に係るアンテナ装置の構成を示す図である。アンテナ装置500は、図5で示したアンテナ装置110において、各セクタ毎に4つずつセクタアンテナを設けていたものを、各セクタ毎のセクタアンテナを2つずつに変更したものである。
アンテナ装置500は、第1セクタアンテナ501,502、第2セクタアンテナ503,504、第3セクタアンテナ505,506および支柱511,512,513を備えている。支柱511は、第1セクタアンテナ501および第3セクタアンテナ506を共通に支持する支柱である。支柱512は、第1セクタアンテナ502および第2セクタアンテナ503を共通に支持する支柱である。支柱513は、第2セクタアンテナ504および第3セクタアンテナ505を共通に支持する支柱である。
以上のような比較例2に係るアンテナ装置500と、実施の形態6に係るアンテナ装置400とを比較すると、比較例2が各セクタ毎にセクタアンテナを水平方向に2本並べて空間ダイバーシチを行うのに対し、実施の形態6は各セクタ毎に指向性ダイバーシチを行うので、設置スペースの利用効率が高い。
Claims (13)
- 全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに水平方向に2以上並べて構成したアンテナ装置であって、
前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記請求の範囲1記載のアンテナ装置であって、
前記チルト角指向アンテナを、隣接する方位角領域に対応したチルト角指向アンテナとともに支持する共通支柱を備えたことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記請求の範囲1記載のアンテナ装置であって、
前記チルト角指向アンテナは、前記チルト角領域にそれぞれ指向する個別アンテナを組合わせて構成されることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記請求の範囲3記載のアンテナ装置であって、
前記個別アンテナをともに支持する共通支柱を備えたことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記請求の範囲1記載のアンテナ装置であって、
前記チルト角指向アンテナは、鉛直方向に2以上並べたアンテナ素子と、前記アンテナ素子から出力された信号の位相を調整して合成することにより、2以上の前記チルト角領域に指向した信号を生成するための位相調整部とを備えたことを特徴とするアンテナ装置。 - 全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに備えたアンテナ装置であって、
前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであり、かつ、隣接する方位角領域に対応した方位角領域アンテナとともに共通支柱によって支持されることを特徴とするアンテナ装置。 - 全方位を3以上に分割した方位角領域の無線信号を送信または受信する方位角領域アンテナを、前記方位角領域ごとに水平方向に2以上並べて構成したアンテナ装置と、該アンテナ装置を介して受信した信号に対して処理を行う受信装置とを備えた無線通信装置であって、
前記方位角領域アンテナは、2以上のチルト角領域に指向するチルト角指向アンテナであることを特徴とする無線通信装置。 - 前記請求の範囲7記載の無線通信装置であって、
前記受信装置は、前記方位角領域ごとに水平方向に2以上並べた方位角領域アンテナを介して受信した信号のいずれかを選択または合成することにより、受信信号を生成することを特徴とする無線通信装置。 - 前記請求の範囲7記載の無線通信装置であって、
前記受信装置は、前記チルト角領域に指向した信号のいずれかを選択または合成することにより、受信信号を生成することを特徴とする無線通信装置。 - 前記請求の範囲7記載の無線通信装置であって、
前記アンテナ装置を介して送信する信号に対して送信処理を行う送信装置を備えたことを特徴とする無線通信装置。 - 前記請求の範囲10記載の無線通信装置であって、
前記送信装置は、前記チルト角領域に指向した信号のいずれかを選択または合成することにより、送信信号を生成することを特徴とする無線通信装置。 - 前記請求の範囲11記載の無線通信装置であって、
前記送信装置は、前記受信装置による前記チルト角領域に指向した信号の受信状態に応じて、前記チルト角領域に指向した信号のいずれかを選択または合成することにより、送信信号を生成することを特徴とする無線通信装置。 - 前記請求の範囲10記載の無線通信装置であって、
前記送信装置は、前記方位角領域ごとに水平方向に2以上並べた方位角領域アンテナを介して、互いに時間的順序を入れ替えた関係にある信号をそれぞれ送信することを特徴とする無線通信装置。
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