JPWO2005049650A1 - ラクトフェリン・ポリペプチド及びその製造方法 - Google Patents

ラクトフェリン・ポリペプチド及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2005049650A1
JPWO2005049650A1 JP2005515538A JP2005515538A JPWO2005049650A1 JP WO2005049650 A1 JPWO2005049650 A1 JP WO2005049650A1 JP 2005515538 A JP2005515538 A JP 2005515538A JP 2005515538 A JP2005515538 A JP 2005515538A JP WO2005049650 A1 JPWO2005049650 A1 JP WO2005049650A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactoferrin
amino acid
human
elastase
polypeptide according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005515538A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4627263B2 (ja
Inventor
健一 小峯
健一 小峯
俊二 菅原
俊二 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Publication of JPWO2005049650A1 publication Critical patent/JPWO2005049650A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4627263B2 publication Critical patent/JP4627263B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/79Transferrins, e.g. lactoferrins, ovotransferrins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

各種炎症性サイトカイン産生誘導活性、各種ケモカイン産生誘導活性を有するラクトフェリン・ポリペプチドを提供すること。フェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含むことを特徴とするラクトフェリン・ポリペプチド。プロテアーゼにより分解することで得られる。分子量25kDa未満である。

Description

本発明は、ラクトフェリン分子中に含まれる、炎症性サイトカインの産生誘導能、ケモカインの産生誘導能などの炎症誘起作用を有する新規ペプチドに関する発明である。
[特許文献1]特開2003−289749号公報
[特許文献2]特開2004−002471号公報
[非特許文献1]Annu.Rev.Nutr.1995.15.93−110.,Pediatr.Res.1996.40.257−262.,J.Peptide Res.2001.57.240−249.,J.Vet.Med.Sci.2002.64.873−878
[非特許文献2]FEMS Microbiol. Lett.1996.145.209−214.,Pro.Natl.Acad.Sci.USA.1998.95.,12641−12646.Mol.Microbiol.2003.47.607−617.
ラクトフェリンは多機能性の糖タンパクで、各種疾患において乳汁、唾液、涙、糞便、尿や血液などの体液中に増加する。また、抗菌作用、抗ウイルス作用、リンパ球の活性化作用、抗腫瘍作用鉄結合性など、生体にとって有益な作用が数多く報告されている(非特許文献1:Annu.Rev.Nutr.1995.15.93−110.,Pediatr.Res.1996.40.257−262.,J.Peptide Res.2001.57.240−249.,J.Vet.Med.Sci.2002.64.873−878.)。そのため、ラクトフェリンを各種疾患に応用する研究が多く成されている。一方、細菌性疾患で増加するラクトフェリンは、細菌の産生する酵素などにより切断されその作用は失活するものと考えられている(非特許文献2:FEMS Microbiol.Lett.1996.145.209−214.,Pro.Natl.Acad.Sci.USA.1998.95.,12641−12646.Mol.Microbiol.2003.47.607−617.)。そのため、感染菌による炎症像がラクトフェリンの存在にもかかわらず悪化すると考えられている。また、ウシの細菌性疾患であるウシ乳房炎において、乳汁中に催炎作用を示す「炎症性ラクトフェリン」という分子量30〜60kDaのラクトフェリン蛋白群が増加し、炎症を増悪することが報告されている(特許文献1:特開2003−289749号公報)。しかしながら、この炎症性ラクトフェリン蛋白群においては、催炎作用を示す詳細な部位も構造も明らかとされておらず、その性状と生理的な作用意義には不明の点が多い。
一方、特許文献2(特開2004−002471号公報)には、次のペプチドが記載されている。
「Ala−Pro−Arg−Lys−Asn−Val−Arg−Trp−Cys−Thr−Ile−Ser−Gln−Pro−Asp−Ser−Phe−Lys」のアミノ酸配列で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである。また、特許文献2には、ウシ・ラクトフェリンを、プロテアーゼにより酵素分解し、酵素分解物から上記ペプチドを採取する技術が記載されている。
炎症性疾患において体液中に増加するタンパクとして、セリンプロテアーゼの一種である、白血球の産生するエラスターゼがある(Clinica.Chemica.Acta.1995.239.91−101.)。エラスターゼは、炎症時には補体成分やグロブリンを分解することが知られている(Am.J.Pathol.1979.94.75−83.,Elastase.(R.P.Mecham,ed)1986.Catalytic and biological properties.In:Biological of Extracelluler Matrix Orlando,FL:Academic Pess,217−320.,Biochemistry.1997.16.3390−3396.)。しかしながら、このエラスターゼとラクトフェリンの関与を報告した事例はない。また、細菌性疾患で、細菌の産生する酵素により分解されるラクトフェリンについても、その生理作用は報告されていない。
特許文献2記載のペプチドは、免疫賦活剤であり、炎症誘起活性を有するものではない。
本発明では、炎症性疾患で増加するエラスターゼに着目し、ラクトフェリンが分解されることを明らかとし、分解されたラクトフェリン中に各種炎症性サイトカインやケモカインの産生誘導活性を有するポリペプチドを分離できるようにしたものである。また、このポリペプチドより、ヒトのラクトフェリンに存在するアミノ酸配列を有するポリペプチドを合成し、この様な炎症誘起活性を有する新規ラクトフェリン・ポリペプチドを見出した。本発明はこの新知見に基づき発明したものである。
本発明は、炎症誘起作用を有するラクトフェリン・ポリペプチドを提供することを目的とする。
本発明は、炎症誘起物質を提供することを目的とする。
本発明は、炎症誘起作用を有するラクトフェリン・ポリペプチドを唾液中より単離・精製する製造方法。及び、その合成ペプチドの製造法を提供することを目的とする。
本発明のラクトフェリン・ポリペプチドは、フェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含むことを特徴とする。
ラクトフェリン・ポリペプチドは、分子量25kDa未満であることが好ましい。
ラクトフェリン・ポリペプチは、ヒト・ラクトフェリンをプロテアーゼにより分解することで得られたものであることが好ましい。
本発明の炎症誘起物質は、各種炎症性サイトカイン産生誘導活性を有する前記ラクトフェリン・ポリペプチドと、その合成ペプチドによることを特徴とする。
本発明の炎症誘起物質は、各種ケモカイン産生誘導活性を有する前記ラクトフェリン・ポリペプチドと、その合成ペプチドによることを特徴とする。
本発明の炎症誘起物質は、サイトカインやケモカインなどの炎症メディエーターの産生を誘導する細胞内転写因子である、NFκBの発現増強作用を有する前記ラクトフェリン・ポリペプチドと、その合成ペプチドによることを特徴とする。
本発明の合成ペプチドを作成する製造法は、ヒト乃至ウシ・ラクトフェリンをプロテアーゼにより分解し、SDS−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動法、ゲルろ過法、コンカナバリンA(Con A)アフィニティークロマトグラフィー法、ラクトフェリン抗体結合アフィニティークロマトグラフィー法により精製して、フェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含むラクトフェリン・ポリペプチドを単離し、アミノ酸シークエンサーにより確定し、合成ペプチドを作成することを特徴とする。
本発明は、炎症性疾患(歯周病)を罹患したヒトの唾液を、50%飽和硫酸アンモニュウム沈殿法により濃縮後、トリス−塩酸緩衝液で脱塩後、ヒト・ラクトフェリン抗体(ICN Pharmaceuticals,Inc.,USA)CNB r活性化Sepharose 4B(Pharmasia,Sweden)によりラクトフェリンを精製した。さらに、ヒト・ラクトフェリン(ICN Pharmaceuticals,Inc.,USA)をメタロプロテアーゼの一種である、エラスターゼ(SIGMA,USA)により37℃で1時間処理し、その後、エラスターゼ阻害剤(CALBIOCHEM−NOVABIOCHEM,Inc.,USA)により反応を停止した。そして、炎症性疾患の検体から得られたラクトフェリンと、エラスターゼ処理したラクトフェリンを、コンカナバリンA(Con A)二次元免疫電気泳動法によりその泳動像を観察した。さらに、炎症性疾患検体とエラスターゼ処理ヒト・ラクトフェリンは15%アクリルアミドゲルを用いたSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法(SDS PAGE)により詠動した。泳動後、PVDF膜(BioRad,USA)に転写し、各検体に共通して認められたバンドを切り出した後、N−末端アミノ酸配列をアミノ酸シークエンサー(Hewlett Packard,USA)により解析した。そして、各ラクトフェリン・ポリペプチドを作成し、サイトカインならびにケモカインの産生誘導能を各種細胞により解析し、炎症誘起活性を有するペプチドを確定した。
なお、特許文献2に記載されているペプチドのアミノ酸配列は、本願発明に係るペプチドのアミノ酸配列とは異なる。
本願発明におけるアミノ酸配列は、Phe−Lys−Asp(略記号:FKD)を含むペプチドである。また、N−アミノ酸配列の位置もC末領域に近い部分に位置している。さらに、FKDは、ヒト・ラクトフェリンでは2箇所、ウシ・ラクトフェリンでは一箇所しか存在しない。
そのため、このFKDを含むラクトフェリン・ポリペプチドが炎症誘起作用を示すものである。
本発明によると、アミノ酸配列(FKD)を有している新規ラクトフェリン・ポリペプチドは催炎作用を有する物質であり、「催炎性ラクトフェリン・ポリペプチド」と呼べる物質であった。そして本発明により、従来のラクトフェリンが持つ有益な生理作用の他に、催炎作用を持つドメインの発見は、ラクトフェリンの有効利用、炎症性疾患ならびに各種感染症など、多くの研究分野の進展に大きく寄与すを発明である。
第1図は、歯周病患者唾液中ラクトフェリンとエラスターゼ処理後のヒト・ラクトフェリンのSDS PAGEならびにCon A二次元免疫電気泳動像。
第2図は、エラスターゼ処理後のヒト・ラクトフェリンの分子量とCon A二次元免疫電気泳動像の変化。
第3図は、分子量ならびにN−末端アミノ酸配列とラクトフェリン分子中の位置。
第4図は、作成ヒト・ラクトフェリン・ポリペプチドとの共培養による、炎症性サイトカイン、ケモカインおよびNFκBp65の発現増強効果。
ヒトの炎症性疾患の検体とエラスターゼ処理した検体では、検体中のラクトフェリンの小分子化の起こっていることが確認された。また、この際のCon A二次元免疫電気泳動像でも、両検体はCon A親和性の弱い画分の出現することが判明した。第1図に示す。
エラスターゼ濃度を0.001unit〜1.0unitまで、段階的に変え反応させたところ、エラスターゼの反応濃度の増加に従い、分子量20kDa近辺の小分子のラクトフェリンが増加した。さらに、Con A二次元免疫電気泳動においてもCon A親和性の弱い画分が増加した。この小分子化したラクトフェリンは、ウシ乳房炎乳汁で報告されている、「炎症性ラクトフェリン」蛋白群(分子量30〜60kDa)とは明らかに異なる分子量のものであった。第2図に示す。
ヒトの炎症性疾患の検体と、エラスターゼ処理した検体に共通して認められたラクトフェリン・ドメインは、第1図に示した通りである。この内、ヒトならびにウシで、N−末端側にあるドメインは既に抗菌活性や、腫瘍細胞に対するアポトーシス活性が報告されているアミノ酸配列を含んでいた。また、ヒトのドメインではN−末端アミノ酸配列の中ほどに位置するドメインには、免疫抑制作用を有するミニドメインの一部が含まれていた。これより下流に位置する他の二つのドメインは未報告のものであった。第3図に示す。
これらラクトフェリン・ドメインのうち、既にその作用が報告されているドメインを除外し、エラスターゼ処理したヒト・ラクトフェリンと炎症性疾患分泌液中のラクトフェリンに共通して認められた、分子量20〜25kDaの主たる二つのラクトフェリン分子は、アミノ酸配列の解析結果から、N−末領域に位置することが判明した。そして、この二つのドメインからペプチドを作成し、その生理作用について解析した。作成したポリペプチドは表1に示した通りである。
(表1)
Figure 2005049650
;@
これら作成ポリペプチドは、健康なヒトの抹消血を、ヘパリンナトリウムを用いて採血し、リンフォライトH(Cedarlane,Canada)を用いた比重遠心法によりリンパ球を分離し、これを用いて各種サイトカインならびにケモカイン産生誘導能と、細胞内転写因子であるNFκBp65の発現誘導能を解析した。ヒトのサイトカイン(IL−6とTNFα;Techne Co.,USA)、ケモカイン(IL−8とMCP−1;American Research Product,Inc.,USA)およびNFκB(TransAM NF κ B family transcription factor assay kit;Active Motif,Co.,USA)の測定は酵素抗体法により測定した。
エラスターゼ処理ヒト・ラクトフェリン中から分離し作成したポリペプチドのうち、HuPep1.とHuPep4.で、図2に示したとおり、炎症性サイトカインのIL−6の産生誘導能が確認された。また、これらのポリペプチドでは、炎症時に血液中に増加するIL−8とMCP−1の産生誘導能や、これらサイトカインやケモカインの産生誘導をつかさどる、細胞内転写因子のNFκBp65の発現増強も確認された。このHupep1.ならびにHuPep4.は、FKDのアミノ酸配列が共通していた。図4に示す。
本発明において見出された、エラスターゼにより分解された、ヒトのラクトフェリン中に含まれる、FKDのアミノ酸配列を含む新規ラクトフェリン・ポリペプチドは、ヒトでは2箇所あった。そして、この新規ラクトフェリン・ポリペプチドは、細胞内の転写因子であるNFκBの発現を増強し、細胞障害作用などを示すサイトカインや、白血球の遊走化活性を示すケモカインの産生を誘導し、炎症を引き起こす物質であった。さらに、NFκBは一酸化窒素(NO)、アラキドン酸代謝産物や各種酵素などの炎症メディエーターの産生を誘導することが知られている。そのため、本発明で見出された新規ラクトフェリン・ポリペプチド、これら炎症メディエーターの産生誘導能を示すことは容易に想定される、新規のラクトフェリン・ポリペプチドである。また、この新規ポリペプチドは、エラスターゼ以外のプロテアーゼによってラクトフェリン分子が分解され、出現することが可能と考えられる。この、FKDを含むアミノ酸配列はウシのラクトフェリン中にも一箇所(N末端より300番目から302番目)あり、ヒトのラクトフェリンで確認されたポリペプチドと近い位置に存在する。また、エラスターゼなどのプロテアーゼにより切断されるアミノ酸も近傍に位置している。そのため、これらプロテアーゼにより分解され得るものと考えられる。すなわち、ヒト以外でも、同様のアミノ酸配列(FKD)を有している、ウシを始めとした動物由来のラクトフェリンからも、同様の炎症誘起作用を有する新規ラクトフェリン・ポリペプチドは分離可能である。
本発明によると、アミノ酸配列(FKD)を有している新規ラクトフェリン・ポリペプチドは催炎作用を有する物質であり、「催炎性ラクトフェリン・ポリペプチド」と呼べる物質であった。そして本発明により、従来のラクトフェリンが持つ有益な生理作用の他に、催炎作用を持つドメインの発見は、ラクトフェリンの有効利用、炎症性疾患ならびに各種感染症など、多くの研究分野の進展に大きく寄与する発明である。
本発明は、ラクトフェリン分子中に含まれる、炎症性サイトカインの産生誘導能、ケモカインの産生誘導能などの炎症誘起作用を有する新規ペプチドに関する発明である。
特開2003−289749号公報 特開2004−002471号公報 Annu.Rev.Nutr.1995.15.93−110.,Pediatr.Res.1996.40.257−262.,J.Peptide Res.2001.57.240−249.,J.Vet.Med.Sci.2002.64.873−878 FEMS Microbiol. Lett.1996.145.209−214.,Pro.Natl.Acad.Sci.USA.1998.95.,12641−12646.Mol.Microbiol.2003.47.607−617.
ラクトフェリンは多機能性の糖タンパクで、各種疾患において乳汁、唾液、涙、糞便、尿や血液などの体液中に増加する。また、抗菌作用、抗ウイルス作用、リンパ球の活性化作用、抗腫瘍作用鉄結合性など、生体にとって有益な作用が数多く報告されている(非特許文献1:Annu.Rev.Nutr.1995.15.93−110.,Pediatr.Res.1996.40.257−262.,J.Peptide Res.2001.57.240−249.,J.Vet.Med.Sci.2002.64.873−878.)。そのため、ラクトフェリンを各種疾患に応用する研究が多く成されている。
一方、細菌性疾患で増加するラクトフェリンは、細菌の産生する酵素などにより切断されその作用は失活するものと考えられている(非特許文献2:FEMS Microbiol.Lett.1996.145.209−214.,Pro.Natl.Acad.Sci.USA.1998.95.,12641−12646.Mol.Microbiol.2003.47.607−617.)。
そのため、感染菌による炎症像がラクトフェリンの存在にもかかわらず悪化すると考えられている。また、ウシの細菌性疾患であるウシ乳房炎において、乳汁中に催炎作用を示す「炎症性ラクトフェリン」という分子量30〜60kDaのラクトフェリン蛋白群が増加し、炎症を増悪することが報告されている(特許文献1:特開2003−289749号公報)。しかしながら、この炎症性ラクトフェリン蛋白群においては、催炎作用を示す詳細な部位も構造も明らかとされておらず、その性状と生理的な作用意義には不明の点が多い。
一方、特許文献2(特開2004−002471号公報)には、次のペプチドが記載されている。
「Ala−Pro−Arg−Lys−Asn−Val−Arg−Trp−Cys−Thr−Ile−Ser−Gln−Pro−Asp−Ser−Phe−Lys」のアミノ酸配列で表されるアミノ酸配列からなるペプチドである。
また、特許文献2には、ウシ・ラクトフェリンを、プロテアーゼにより酵素分解し、酵素分解物から上記ペプチドを採取する技術が記載されている。
炎症性疾患において体液中に増加するタンパクとして、セリンプロテアーゼの一種である、白血球の産生するエラスターゼがある(Clinica.Chemica.Acta.1995.239.91−101.)。
エラスターゼは、炎症時には補体成分やグロブリンを分解することが知られている(Am.J.Pathol.1979.94.75−83.,Elastase.(R.P.Mecham,ed)1986.Catalytic and biological properties.In:Biological of Extracelluler Matrix Orlando,FL:Academic Pess,217−320.,Biochemistry.1997.16.3390−3396.)。
しかしながら、このエラスターゼとラクトフェリンの関与を報告した事例はない。また、細菌性疾患で、細菌の産生する酵素により分解されるラクトフェリンについても、その生理作用は報告されていない。
特許文献2記載のペプチドは、免疫賦活剤であり、炎症誘起活性を有するものではない。
本発明では、炎症性疾患で増加するエラスターゼに着目し、ラクトフェリンが分解されることを明らかとし、分解されたラクトフェリン中に各種炎症性サイトカインやケモカインの産生誘導活性を有するポリペプチドを分離できるようにしたものである。
また、このポリペプチドより、ヒトのラクトフェリンに存在するアミノ酸配列を有するポリペプチドを合成し、この様な炎症誘起活性を有する新規ラクトフェリン・ポリペプチドを見出した。本発明はこの新知見に基づき発明したものである。
本発明は、各種炎症性サイトカイン産生誘導活性、各種ケモカイン産生誘導活性、NFκBの発現増強を有する小分子ラクトフェリン及びペプチド並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のラクトフェリンは、ラクトフェリンをエラスターゼにより処理して得られたフェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含む分子量25kDa未満の小分子ラクトフェリンであることを特徴とする。
前記アミノ酸配列はFKDCHLA又はGQKDLLFKDSAIであることを特徴とする。
本発明のペプチドは、ラクトフェリンをエラスターゼにより処理して得られるフェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含む分子量25kDa未満のペプチドであることを特徴とする。
前記アミノ酸配列はFKDCHLA又はGQKDLLFKDSAIであることを特徴とする。
前記ペプチドは合成ペプチドであることを特徴とする。
本発明のペプチドは、FKDCHLA又はGQKDLLFKDSAIで表されるアミノ酸配列からなることを特徴とする。
本発明の各種炎症性サイトカイン産生誘導活性物質は、上述の小分子ラクトフェリン又上述のペプチドのいずれか1つからなることを特徴とする。
本発明の各種ケモカイン産生誘導活性物質は、上述の小分子ラクトフェリン又上述のペプチドのいずれか1つからなることを特徴とする。
本発明のNFκBの発現増強物質は、上述の小分子ラクトフェリン又上述のペプチドのいずれか1つからなることを特徴とする。
本発明のラクトフェリン・ポリペプチドの製造方法は、ヒト乃至ウシ・ラクトフェリンをエラスターゼにより分解後精製して、フェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含む分子量25kDa未満のラクトフェリン・ポリペプチドを採取することを特徴とする。
前記アミノ酸配列はFKDCHLA又はGQKDLLFKDSAIであることを特徴とする
本発明の合成ペプチドを作成する製造法は、ヒト乃至ウシ・ラクトフェリンをプロテアーゼにより分解し、SDS−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動法、ゲルろ過法、コンカナバリンA(Con A)アフィニティークロマトグラフィー法、ラクトフェリン抗体結合アフィニティークロマトグラフィー法により精製して、フェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含むラクトフェリン・ポリペプチドを単離し、アミノ酸シークエンサーにより確定し、合成ペプチドを作成することを特徴とする。
本発明は、炎症性疾患(歯周病)を罹患したヒトの唾液を、50%飽和硫酸アンモニュウム沈殿法により濃縮後、トリス−塩酸緩衝液で脱塩後、ヒト・ラクトフェリン抗体(ICN Pharmaceuticals,Inc.,USA)CNB r活性化Sepharose 4B(Pharmasia,Sweden)によりラクトフェリンを精製した。
さらに、ヒト・ラクトフェリン(ICN Pharmaceuticals,Inc.,USA)をセリンプロテアーゼの一種である、エラスターゼ(SIGMA,USA)により37℃で1時間処理し、その後、エラスターゼ阻害剤(CALBIOCHEM−NOVABIOCHEM,Inc.,USA)により反応を停止した。
そして、炎症性疾患の検体から得られたラクトフェリンと、エラスターゼ処理したラクトフェリンを、コンカナバリンA(Con A)二次元免疫電気泳動法によりその泳動像を観察した。
さらに、炎症性疾患検体とエラスターゼ処理ヒト・ラクトフェリンは15%アクリルアミドゲルを用いたSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法(SDS PAGE)により詠動した。
泳動後、PVDF膜(BioRad,USA)に転写し、各検体に共通して認められたバンドを切り出した後、N−末端アミノ酸配列をアミノ酸シークエンサー(Hewlett Packard,USA)により解析した。
そして、各ラクトフェリン・ポリペプチドを作成し、サイトカインならびにケモカインの産生誘導能を各種細胞により解析し、炎症誘起活性を有するペプチドを確定した。
なお、特許文献2に記載されているペプチドのアミノ酸配列は、本願発明に係るペプチドのアミノ酸配列とは異なる。
本願発明におけるアミノ酸配列は、Phe−Lys−Asp(略記号:FKD)を含むペプチドである。また、N−アミノ酸配列の位置もC末領域に近い部分に位置している。
さらに、FKDは、ヒト・ラクトフェリンでは2箇所、ウシ・ラクトフェリンでは一箇所しか存在しない。
そのため、このFKDを含むラクトフェリン・ポリペプチドが炎症誘起作用を示すものである。
本発明によると、アミノ酸配列(FKD)を有している新規ラクトフェリン・ポリペプチドは催炎作用を有する物質であり、「催炎性ラクトフェリン・ポリペプチド」と呼べる物質であった。そして本発明により、従来のラクトフェリンが持つ有益な生理作用の他に、催炎作用を持つドメインの発見は、ラクトフェリンの有効利用、炎症性疾患ならびに各種感染症など、多くの研究分野の進展に大きく寄与す発明である。
ヒトの炎症性疾患の検体とエラスターゼ処理した検体では、検体中のラクトフェリンの小分子化の起こっていることが確認された。また、この際のCon A二次元免疫電気泳動像でも、両検体はCon A親和性の弱い画分の出現することが判明した。第1図に示す。
エラスターゼ濃度を0.001unit〜1.0unitまで、段階的に変え反応させたところ、エラスターゼの反応濃度の増加に従い、分子量20kDa近辺の小分子のラクトフェリンが増加した。さらに、Con A二次元免疫電気泳動においてもCon A親和性の弱い画分が増加した。この小分子化したラクトフェリンは、ウシ乳房炎乳汁で報告されている、「炎症性ラクトフェリン」蛋白群(分子量30〜60kDa)とは明らかに異なる分子量のものであった。第2図に示す。
ヒトの炎症性疾患の検体と、エラスターゼ処理した検体に共通して認められたラクトフェリン・ドメインは、第1図に示した通りである。この内、ヒトならびにウシで、N−末端側にあるドメインは既に抗菌活性や、腫瘍細胞に対するアポトーシス活性が報告されているアミノ酸配列を含んでいた。また、ヒトのドメインではN−末端アミノ酸配列の中ほどに位置するドメインには、免疫抑制作用を有するミニドメインの一部が含まれていた。
これより下流に位置する他の二つのドメインは未報告のものであった。第3図に示す。
これらラクトフェリン・ドメインのうち、既にその作用が報告されているドメインを除外し、エラスターゼ処理したヒト・ラクトフェリンと炎症性疾患分泌液中のラクトフェリンに共通して認められた、分子量20〜25kDaの主たる二つのラクトフェリン分子は、アミノ酸配列の解析結果から、N−末領域に位置することが判明した。そして、この二つのドメインからペプチドを作成し、その生理作用について解析した。作成したポリペプチドは表1に示した通りである。
Figure 2005049650
れら作成ポリペプチドは、健康なヒトの抹消血を、ヘパリンナトリウムを用いて採血し、リンフォライトH(Cedarlane,Canada)を用いた比重遠心法によりリンパ球を分離し、これを用いて各種サイトカインならびにケモカイン産生誘導能と、細胞内転写因子であるNFκBp65の発現誘導能を解析した。ヒトのサイトカイン(IL−6とTNFα;Techne Co.,USA)、ケモカイン(IL−8とMCP−1;American Research Product,Inc.,USA)およびNFκB(TransAM NF κ B family transcription factor assay kit;Active Motif,Co.,USA)の測定は酵素抗体法により測定した。
エラスターゼ処理ヒト・ラクトフェリン中から分離し作成したポリペプチドのうち、HuPep1.とHuPep4.で、炎症性サイトカインのIL−6の産生誘導能が確認された。また、これらのポリペプチドでは、炎症時に血液中に増加するIL−8とMCP−1の産生誘導能や、これらサイトカインやケモカインの産生誘導をつかさどる、細胞内転写因子のNFκBp65の発現増強も確認された。このHupep1.ならびにHuPep4.は、FKDのアミノ酸配列が共通していた。図4に示す。
本発明において見出された、エラスターゼにより分解された、ヒトのラクトフェリン中に含まれる、FKDのアミノ酸配列を含む新規ラクトフェリン・ポリペプチドは、ヒトでは2箇所あった。そして、この新規ラクトフェリン・ポリペプチドは、細胞内の転写因子であるNFκBの発現を増強し、細胞障害作用などを示すサイトカインや、白血球の遊走化活性を示すケモカインの産生を誘導し、炎症を引き起こす物質であった。さらに、NFκBは一酸化窒素(NO)、アラキドン酸代謝産物や各種酵素などの炎症メディエーターの産生を誘導することが知られている。そのため、本発明で見出された新規ラクトフェリン・ポリペプチド、これら炎症メディエーターの産生誘導能を示すことは容易に想定される、新規のラクトフェリン・ポリペプチドである。また、この新規ポリペプチドは、エラスターゼ以外のプロテアーゼによってラクトフェリン分子が分解され、出現することが可能と考えられる。この、FKDを含むアミノ酸配列はウシのラクトフェリン中にも一箇所(N末端より300番目から302番目)あり、ヒトのラクトフェリンで確認されたポリペプチドと近い位置に存在する。また、エラスターゼなどのプロテアーゼにより切断されるアミノ酸も近傍に位置している。そのため、これらプロテアーゼにより分解され得るものと考えられる。すなわち、ヒト以外でも、同様のアミノ酸配列(FKD)を有している、ウシを始めとした動物由来のラクトフェリンからも、同様の炎症誘起作用を有する新規ラクトフェリン・ポリペプチドは分離可能である。
本発明によると、アミノ酸配列(FKD)を有している新規ラクトフェリン・ポリペプチドは催炎作用を有する物質であり、「催炎性ラクトフェリン・ポリペプチド」と呼べる物質であった。そして本発明により、従来のラクトフェリンが持つ有益な生理作用の他に、催炎作用を持つドメインの発見は、ラクトフェリンの有効利用、炎症性疾患ならびに各種感染症など、多くの研究分野の進展に大きく寄与する発明である。
歯周病患者唾液中ラクトフェリンとエラスターゼ処理後のヒト・ラクトフェリンのSDS PAGEならびにCon A二次元免疫電気泳動像。 エラスターゼ処理後のヒト・ラクトフェリンの分子量とCon A二次元免疫電気泳動像の変化。 分子量ならびにN−末端アミノ酸配列とラクトフェリン分子中の位置。 作成ヒト・ラクトフェリン・ポリペプチドとの共培養による、炎症性サイトカイン、ケモカインおよびNFκBp65の発現増強効果。
本発明のラクトフェリンは、ラクトフェリンをエラスターゼにより処理して出現しFKDのアミノ酸配列を含む分子量25kDa未満の小分子ラクトフェリンであることを特徴とする。
F:フェニルアラニン
K:リシン
D:アスパラギン酸(D)
前記アミノ酸配列はFKDCHLA又はGQKDLLFKDSAIであることを特徴と
する。
本発明のペプチドは、ラクトフェリンをエラスターゼにより処理して出現したFKDのアミノ酸配列を含む分子量25kDa未満のペプチドであることを特徴とする。
前記アミノ酸配列はFKDCHLA又はGQKDLLFKDSAIであることを特徴とする。
前記ペプチドは合成ペプチドであることを特徴とする。
本発明の合成ペプチドを作成する製造法は、ヒト乃至ウシ・ラクトフェリンをエラスターゼにより分解後精製して、出現したFKDのアミノ酸配列を含む分子量25kDa未満のラクトフェリン・ポリペプチドを採取することを特徴とする。
本発明において見出された、エラスターゼにより分解された、ヒトのラクトフェリン中に含まれる、FKDのアミノ酸配列を含む新規ラクトフェリン・ポリペプチドは、ヒトでは2箇所あった。そして、この新規ラクトフェリン・ポリペプチドは、細胞内の転写因子であるNFκBの発現を増強し、細胞障害作用などを示すサイトカインや、白血球の遊走化活性を示すケモカインの産生を誘導し、炎症を引き起こす物質であった。さらに、NFκBは一酸化窒素(NO)、アラキドン酸代謝産物や各種酵素などの炎症メディエーターの産生を誘導することが知られている。そのため、本発明で見出された新規ラクトフェリン・ポリペプチド、これら炎症メディエーターの産生誘導能を示すことは容易に想定される、新規のラクトフェリン・ポリペプチドである。また、この新規ポリペプチドは、エラスターゼによってラクトフェリン分子が分解され、出現することが可能と考えられる。この、FKDを含むアミノ酸配列はウシのラクトフェリン中にも一箇所(N末端より300番目から302番目)あり、ヒトのラクトフェリンで確認されたポリペプチドと近い位置に存在する。また、エラスターゼなどのプロテアーゼにより切断されるアミノ酸も近傍に位置している。そのため、これらプロテアーゼにより分解され得るものと考えられる。すなわち、ヒト以外でも、同様のアミノ酸配列(FKD)を有している、ウシを始めとした動物由来のラクトフェリンからも、同様の炎症誘起作用を有する新規ラクトフェリン・ポリペプチドは分離可能である。

Claims (11)

  1. フェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含むことを特徴とするラクトフェリン・ポリペプチド。
  2. 分子量25kDa未満であることを特徴とする請求項1記載のラクトフェリン・ポリペプチド。
  3. ヒト・ラクトフェリンをプロテアーゼにより分解することで得られたことを特徴とする請求項1又は2記載のラクトフェリン・ポリペプチド。
  4. 前記プロテアーゼはエラスターゼであることを特徴とする請求項3記載のラクトフェリン・ポリペプチド。
  5. 各種炎症性サイトカイン産生誘導活性を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載のラクトフェリン・ポリペプチド、並びに、その合成ペプチドによる炎症誘起物質。
  6. 各種ケモカイン産生誘導活性を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載のラクトフェリン・ポリペプチド、並びに、その合成ペプチドによる炎症誘起物質。
  7. サイトカインやケモカインなどの炎症メディエーターの産生を誘導する細胞内転写因子である、NFκBの発現増強作用を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載のラクトフェリン・ポリペプチド、並びに、その合成ペプチドによる炎症誘起物質。
  8. ヒト乃至ウシ・ラクトフェリンをプロテアーゼにより分解後精製して、フェニルアラニン(F)、リシン(K)、アスパラギン酸(D)のアミノ酸配列を含むラクトフェリン・ポリペプチドを、ヒト及至ウシ・ラクトフェリンより単離・精製する製造法。
  9. 請求項8記載のラクトフェリン・ポリペプチドを、アミノ酸シークエンサーにより確定し、合成ペプチドを作成することを特徴とする合成ペプチドの製造法。
  10. 前記精製は、SDS−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動法、ゲルろ過法、コンカナバリンA(Con A)アフィニティークロマトグラフィー法、ラクトフェリン抗体結合アフィニティークロマトグラフィー法により、唾液中ラクトフェリンより単離・精製することを特徴とする請求項8記載のラクトフェリン・ポリペプチドの製造方法。
  11. 前記精製は、SDS−ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動法、ゲルろ過法、コンカナバリンA(Con A)アフィニティークロマトグラフィー法、ラクトフェリン抗体結合アフィニティークロマトグラフィー法により行うことを特徴とする請求項9記載の合成ペプチドの製造法。
JP2005515538A 2004-02-16 2004-02-16 ラクトフェリン・ポリペプチド及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4627263B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2004/001614 WO2005049650A1 (ja) 2004-02-16 2004-02-16 ラクトフェリン・ポリペプチド及びその製造法並びに炎症誘起物質

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010199281A Division JP2011006468A (ja) 2010-09-06 2010-09-06 ラクトフェリン・ポリペプチド及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005049650A1 true JPWO2005049650A1 (ja) 2007-10-04
JP4627263B2 JP4627263B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=34616820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005515538A Expired - Fee Related JP4627263B2 (ja) 2004-02-16 2004-02-16 ラクトフェリン・ポリペプチド及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20070197426A1 (ja)
JP (1) JP4627263B2 (ja)
WO (1) WO2005049650A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013014669A1 (en) 2011-07-24 2013-01-31 Carmel-Haifa University Economic Corp. Lactoferrin fragments and use thereof
WO2014174517A1 (en) 2013-04-25 2014-10-30 Carmel-Haifa University Economic Corp. Synthetic anti-inflammatory peptides and use thereof
CN114129713B (zh) * 2021-11-23 2024-05-24 南方科技大学 乳铁蛋白活性肽或编码该活性肽的核苷酸序列在制备抗炎和/或抗氧化产品中的应用

Also Published As

Publication number Publication date
US20070197426A1 (en) 2007-08-23
JP4627263B2 (ja) 2011-02-09
WO2005049650A1 (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ghebrehiwet et al. cC1q-R (calreticulin) and gC1q-R/p33: ubiquitously expressed multi-ligand binding cellular proteins involved in inflammation and infection
TW464656B (en) Interferon-gamma production inducing polypeptide monoclonal antibody, and agent for interferon-gamma susceptive disease
US5639593A (en) Method for determining TNF
JPH0648956A (ja) ヒト免疫不全ウィルス感染・増殖抑制剤
US6084069A (en) Autotaxin: motility stimulating protein useful in cancer diagnosis and therapy
JP3268777B2 (ja) セリンプロテアーゼをコードするdna―配列とその関連対象物
Mochizuki et al. Biochemical and biologic characterization of lymphocyte regulatory molecules. IV. Purification of Interleukin 2 from a murine T cell lymphoma.
JP4627263B2 (ja) ラクトフェリン・ポリペプチド及びその製造方法
Higgins et al. Interleukin 1 beta propeptide is detected intracellularly and extracellularly when human monocytes are stimulated with LPS in vitro.
JP2011006468A (ja) ラクトフェリン・ポリペプチド及びその製造方法
EP0499541A1 (fr) Procédé de purification d'une protéine fortement glycosylée
EP2026830A2 (fr) Peptides modulateurs de l'activation des macrophages, utilisables pour le traitement de la polyarthrite rhumatoïde
JPS63173594A (ja) 発癌遺伝子により誘導される分泌タンパク質
JP2011503137A (ja) 新規のアルギニン置換ペプチド及びその使用
MacKAY et al. Quantitative recovery, selective removal and one‐step purification of human parotid and leukemic lysozymes by immunoadsorption
Sunder-Plassmann et al. Functional characterization of cytokine autoantibodies in chronic renal failure patients
JP5312025B2 (ja) Il−32モジュレーター
JP4476934B2 (ja) 新規ペプチドおよび免疫賦活剤、機能性食品ならびに機能性食品の製造方法
JP2001501818A (ja) 細胞を培養する方法
JP2006514699A (ja) 肝疾患に対するccケモカイン変異体の使用
Hiroshima et al. Synthesis of secretory leukocyte protease inhibitor using cell-free protein synthesis system
JP2001163896A5 (ja)
Koj et al. Origin of circulating acute phase cytokines: modified proteins may trigger IL-6 production by macrophages. Preliminary report
WO1987007303A1 (fr) Nouvelle lymphokine suppressive de l'activation plaquettaire
JPH07179496A (ja) カテプシンl特異的阻害ポリペプチド

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A5211

Effective date: 20050215

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20050216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050215

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20060616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060719

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060919

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061218

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070201

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20070302

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20091201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100906

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101104

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4627263

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees