JPWO2005028647A1 - 核酸プローブ、核酸チップ、標的核酸検出方法、薬剤スクリーニング方法、標的核酸検出装置及び遺伝子診断方法 - Google Patents

核酸プローブ、核酸チップ、標的核酸検出方法、薬剤スクリーニング方法、標的核酸検出装置及び遺伝子診断方法 Download PDF

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    • C12Q1/683Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism involving restriction enzymes, e.g. restriction fragment length polymorphism [RFLP]

Abstract

本発明の核酸プローブは、微量な標的核酸を高感度、高精度かつ高速に検出するための核酸プローブであって、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後に構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイズの結合力が減少し、前記標的核酸から解離するように設計されている。また、標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、切断されて、少なくともいずれか一方が前記標的核酸から解離可能な第一プローブ断片及び第二プローブ断片を生成する切断部と、シグナルを発生させるシグナル発生部と、を有してなる。また、該標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに切断される切断部を有し、標的核酸にハイブリダイゼーションするまでは、分子内で一部が互いにハイブリダイゼーションしてロック構造を形成している。

Description

本発明は、標的核酸にハイブリダイズした核酸プローブから生ずるシグナルを増幅させることにより、標的核酸に対する選択性が極めて高く、微量な標的核酸を高感度でかつ正確に検出可能な核酸プローブ、該核酸プローブを固定した核酸チップ、並びに、該核酸プローブを用いた、標的核酸検出方法、薬剤スクリーニング方法、標的核酸検出装置及び遺伝子診断方法に関する。
近年、遺伝子情報に関する技術が盛んに開発され、特に医療分野では、疾患関連遺伝子を解析することにより、疾患の分子レベルでの治療が可能となってきている。また、遺伝子診断により患者個人ごとに対応したテーラーメード医療も可能となってきており、例えば製薬分野においては、遺伝子情報に基づいて抗体やホルモンなどのタンパク質を特定し、薬剤として利用している。更に、農業や食品関連分野などにおいても多くの遺伝子情報を利用した製品が創り出されている。また、核酸プローブ、DNAチップなどを用いて得た患者の遺伝子情報を、コンピューターを用いてデータベースと比較乃至対比して診断を行う遺伝子診断の発想が生まれてきている。この遺伝子診断をベースにして、病気の予後判定、先天的因子による疾病の危険度の判定、テーラーメード医薬の投与など、従来では想定し得なかった事業が行われようとしている。
前記遺伝子診断において用いる前記核酸プローブや前記DNAチップでは、微量な標的核酸を分析するのは困難であるため、前記遺伝子診断を行うには、前記標的核酸をPCR法によって増幅しなければならない。ところが、微量な前記標的核酸の増幅に前記PCR法を用いる場合には熟練を要するため、従来は、該標的核酸の増幅が不十分で、該標的核酸を検出できないケースが多く発生してしまうという問題があった。この問題を克服し、微量な標的核酸を高感度でかつ高速に分析可能な技術の開発が、前記遺伝子診断の発展に必須である。このような、微量な標的核酸を高感度でかつ高速に分析可能な技術は、前記遺伝子診断のみならず輸血についても必要となる。輸血を行う際には、血液がHIV、HBV、HCVなどのウイルスに感染していないかどうかの検査が必要であるが、従来より採用されている、抗体ビーズ法、ウエスタンブロット法などの免疫学的検査の場合、前記ウイルスに対する抗体を検出することになり、該抗体は前記ウイルスに感染後1〜2ヶ月間は生成されないため、ウイルス感染の初期においては前記免疫学的検査が擬陰性になる、いわゆるウインドウピリオドの発生を防ぐことができないという問題がある。このため、ウイルス感染の初期など、微量にしか存在しないウイルス(標的核酸)を高感度でかつ高速に分析可能な技術は、前記輸血における前記ウインドウピリオドの発生を防ぐために必要であり、更に、あらゆる感染症、精神病、癌等の早期発見、早期治療に役立ち極めて重要である。
このような状況において、前記PCR法によることなく、シグナルを増幅させることにより、微量な標的核酸を検出可能な核酸プローブが開示されている(特表2003−525631参照)。この核酸プローブの場合、標的核酸とハイブリダイゼーションするセンサー分子と、該センサー分子が有するDNAザイム活性により、酵素反応的に切断され、標識がシグナルを発生可能なリポーター分子とを併用し、前記リポーター分子が前記センサー分子より連続的に切断されることにより、前記レポーター分子のシグナルが増幅され、増幅された該シグナルを検出することにより、微量な前記標的核酸の存在を検出することができる。しかし、該核酸プローブの場合、前記標的核酸とハイブリダイゼーションする前に前記リポーター分子が、前記センサー分子により切断されてしまうという、擬陽性反応が生じてしまう。また、前記センサー分子が、標的核酸の塩基配列に近い核酸を標的核酸であると誤認してハイブリダイゼーションしてしまい、標的核酸の選択性が十分でないという問題がある。即ち、この方法の場合、操作が煩雑な上に、感度及び精度が十分ではなく、誤検出等があり、信頼性が低いという問題がある。
一方、前記テーラーメード医薬の実現等のためには、投与した薬剤が生細胞に及ぼす影響(遺伝子の発現及び抑制)を定量的かつ高速に診断可能な技術の開発が必須であるが、本発明者らは、標的核酸に対する選択性が非常に高く、酵素や試薬などを必要とせず、生細胞への導入が可能であり、細胞内の鋳型となるDNA又はRNA上で化学反応を起こし、反応の進行に付随してシグナルを発することができ、細胞内で発現されるDNAやRNAの細胞内での検出乃至配列解析を可能とした核酸プローブ「QUALプローブ」を開発した(非特許文献1参照)。しかし、この「QUALプローブ」を用いる場合、前記RNA又はDNA1分子から前記シグナルを1つしか発生させることができないため、細胞中に多数存在するrRNA等の検出は容易であるが、極微量しか存在しないmRNAなどは検出が非常に困難であるという問題がある。
Imaging of RNA in Bacteria with Self-Ligating Quenched Probes sando S et al. J. AM. CHEM Soc. 2002,124,9686
本発明は、従来における問題を解決し、ウイルス感染の初期など、微量にしか存在しないウイルス(標的核酸)を高感度でかつ高速に分析可能な技術、生細胞に及ぼす影響(遺伝子の発現及び抑制)を定量的かつ高速に診断可能な技術、前記核酸プローブ「QUALプローブ」では達成できなかったシグナルの増幅を可能にする技術などを開発し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、標的核酸にハイブリダイズした核酸プローブから生ずるシグナルを増幅させることにより、標的核酸に対する選択性が極めて高く、微量な標的核酸を高感度、高精度かつ高速にしかも簡便に検出乃至分析可能であり、該標的核酸が極微量で短寿命等であったとしてもその存在乃至挙動を測定可能であり、遺伝子診断、食中毒菌の存在検査、虫歯乃至歯周病の診断、血液検査等に好適な核酸プローブを提供することを目的とする。
また、本発明は、該核酸プローブを担体に固定することにより、微量な標的核酸を高感度、が可能であり、遺伝子診断、食中毒菌の存在検査、虫歯乃至歯周病の診断、血液検査等に好適な核酸チップを提供することを目的とする。
また、本発明は、前記核酸プローブを用いることにより、微量な標的核酸を高感度、高精度かつ高速検出乃至分析が可能であり、遺伝子診断、食中毒菌の存在検査、虫歯乃至歯周病の診断、血液検査等に好適な標的核酸検出方法及び標的核酸検出装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記核酸プローブを用いることにより、薬剤の投与効果を分析可能であり、所望の薬剤を効率良くスクリーニング可能な薬剤スクリーニング方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記核酸プローブを用いることにより、特定疾患に関連する遺伝子の存在を高効率かつ高精度で診断可能な遺伝子診断方法を提供することを目的とする。
−核酸プローブ−
本発明の核酸プローブとしては、以下の第一〜第六までの核酸プローブが挙げられる。
前記第一の核酸プローブは、標的核酸を検出するための核酸プローブであって、該核酸プローブは前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し、前記標的核酸から解離するよう設計されていることを特徴とする。該第一の核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際には、構造変化を生ずる。すると、前記標的核酸から解離して、発光等のシグナルが生ずる。
前記第二の核酸プローブは、標的核酸を検出するための核酸プローブであって、前記標的核酸の少なくとも一部の塩基配列と相補的な配列を有する相補部位と、自己核酸酵素を形成可能な核酸酵素形成部位と、を有することを特徴とする。該第二の核酸プローブは、前記相補部位が前記標的核酸にハイブリダイゼーションすると、構造変化を起こし、前記核酸酵素形成部位が自己核酸酵素を形成可能である。すると、該核酸プローブは前記自己核酸酵素により切断等され、前記標的核酸から解離して、例えば、発光等のシグナルが生ずる。
前記第三の核酸プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に構造が変化可能な構造可変部を有してなり、該構造可変部の構造が変化したときに該標的核酸から解離可能であることを特徴とする。該第三の核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際には、構造可変部の構造が変化する。すると、該核酸プローブが切断等されて、前記標的核酸から解離して、例えば、発光等のシグナルが生ずる。
前記第四の核酸プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに切断される切断部を有してなり、標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記切断部に対する切断活性を有する切断活性領域を形成可能であることを特徴とする。該第四の核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際には、前記切断活性領域が形成され、前記切断部が切断される。すると、該核酸プローブが切断等されて、前記標的核酸から解離して、例えば、発光等のシグナルが生ずる。
前記第五の核酸プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、切断されて前記標的核酸から解離可能な第一プローブ断片及び第二プローブ断片を生成する切断部と、シグナルを発生させるシグナル発生部と、を有してなることを特徴とする。該第五の核酸プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、前記シグナル発生部からシグナル(発光等)が発生せず、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際には、前記シグナル発生部からシグナル(発光等)が発生する結果、該シグナル(発光等)を検出することにより、前記標的核酸の存在が検出される。なお、前記第五の核酸プローブも、次々に標的核酸にハイブリダイゼーションしては、前記シグナル(発光等)を生じ、該シグナルが短時間で増幅されるため(一つの標的核酸から多数のシグナル(発光等)が生ずるため)、前記標的核酸の量が極微量であったとしてもその存在が高感度、高精度かつ高速で検出される。
前記第六の核酸プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに切断される切断部を有し、標的核酸にハイブリダイゼーションするまでは、分子内で一部が互いにハイブリダイゼーションしてロック構造を形成していることを特徴とする。該第六の核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、分子内で一部が互いにハイブリダイゼーションしてロック構造を形成しているが、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際には、前記ロック構造における、互いにハイブリダイゼーションしている部分の相補的結合が解離する。すると、前記切断部が切断され易くなり、該切断部が切断されて、発光等のシグナルが生ずる。
前記第一から第六の核酸プローブは、前記標的核酸に次々にハイブリダイゼーションしては、その度に構造が変化し、切断等されて発光等のシグナルを生じ、該シグナルが短時間で増幅されるため(一つの標的核酸から多数のシグナルが生ずるため)、前記標的核酸の量が極微量であったとしてもその存在が高感度、高精度かつ高速で検出される。
−核酸チップ−
本発明の核酸チップは、本発明の前記核酸プローブを担体に固定してなることを特徴とする。該核酸チップに固定された前記核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、前記シグナルが生じないが、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際には、前記シグナル発生部からシグナル(発光等)が生ずる結果、例えば、該シグナル(発光等)の有無を検出することにより、前記標的核酸の存在の有無が検出される。本発明の核酸チップにおいては、前記標的核酸の量が極微量であったとしてもその存在が高感度、高精度かつ高速で検出される。
−標的核酸検出方法−
本発明の標的核酸検出方法としては、以下の第一〜第三までの標的核酸検出方法が挙げられる。
前記第一の標的核酸検出方法は、核酸プローブを用いて標的核酸を検出する核酸検出方法であって、前記核酸プローブは前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し前記標的核酸から解離するよう設計されていることを特徴とする。
前記第二の標的核酸検出方法は、標的核酸の少なくとも一部の塩基配列と相補的な配列を有する相補部位と、自己核酸酵素を形成可能な核酸酵素形成部位と、を有する核酸プローブを用いる標的核酸の検出方法であって、標的核酸に前記核酸プローブを相補的に結合させるハイブリダイゼーション工程と、ハイブリダイゼーション形成の後、前記自己核酸酵素が形成され前記核酸プローブの構造が変化し、その結果ハイブリダイゼーションの結合力が減少して該核酸プローブが前記標的核酸から解離する解離工程と、前記解離工程で解離した前記核酸プローブの少なくとも一部を検出する検出工程と、を有することを特徴とする。該標的核酸検出方法では、前記ハイブリダイゼーション形成工程において、前記標的核酸に前記核酸プローブが相補的に結合させられる。前記解離工程において、ハイブリダイゼーション形成後、前記自己核酸酵素が形成され、該核酸プローブの構造が変化し、その結果ハイブリダイゼーションの結合力が減少し、該核酸プローブが前記標的核酸から解離する。前記検出工程において、前記解離工程で解離した前記核酸プローブの少なくとも一部が検出される。その結果、前記標的核酸の存在の有無が検出される。
前記第三の標的核酸検出方法は、本発明の前記核酸プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション工程と、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルを検出することにより該標的核酸の存在を検出する標的核酸検出工程と、を含むことを特徴とする。該標的核酸検出方法では、前記ハイブリダイゼーション工程において、標的核酸に本発明の前記核酸プローブがハイブリダイゼーションする。前記標的核酸検出工程において、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルの有無を検出することにより該標的核酸の存在の有無が検出される。
なお、該標的核酸検出工程が、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブが切断されて生じた、第一プローブ断片及び第二プローブ断片の内、該第一プローブ断片に存在する発光部の発光の有無を検出することにより前記標的核酸の存在の有無を検出する標的核酸検出工程である場合には、該標的核酸検出工程において、ハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブにおける前記切断部が切断されて、前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片に分割され、該第一プローブ断片及び第二プローブ断片が前記標的核酸から離れる結果、前記消光部と前記発光部とが互いに離れ、前記第一プローブ断片に存在し、前記消光部の作用を受けなくなった前記発光部が生ずる発光を検出することにより、前記標的核酸の存在の有無が検出される。
−薬剤スクリーニング方法−
本発明の薬剤スクリーニング方法は、本発明の前記核酸プローブを、薬剤投与により発現した標的核酸にハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション工程と、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルの有無を検出することにより該標的核酸の存在の有無を検出する標的核酸検出工程と、を含み、前記標的核酸の存在の有無により薬剤をスクリーニングすることを特徴とする。
前記薬剤スクリーニング方法では、前記ハイブリダイゼーション工程において、薬剤投与により標的核酸が発現した場合には該標的核酸に本発明の前記核酸プローブがハイブリダイゼーションするが、薬剤投与により標的核酸が発現しなかった場合には該標的核酸に本発明の前記核酸プローブはハイブリダイゼーションしない。前記標的核酸が発現した場合には、前記標的核酸検出工程において、前記標的核酸にハイブリダイゼーションしたことに起因して前記核酸プローブから発生したシグナルを検出することにより該標的核酸の存在が検出される。この標的核酸の発現の有無に基づき所望の薬剤がスクリーニングされる。
なお、前記標的核酸検出工程が、該標的核酸にハイブリダイズした後に前記核酸プローブが切断されて生じた、第一プローブ断片及び第二プローブ断片の内、該第一プローブ断片に存在する発光物質の発光を検出することにより前記標的核酸の存在を検出する標的核酸検出工程である場合には、該標的核酸検出工程において、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後、前記核酸プローブにおける前記切断部が切断されて、前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片に分割され、該第一プローブ断片及び第二プローブ断片の少なくともいずれかが前記標的核酸から離れる結果、前記消光部と前記発光部とが互いに離れ、前記第一プローブ断片に存在し、前記消光部の作用を受けなくなった前記発光部が生ずる発光を検出することにより、前記標的核酸の存在が検出される。その結果、前記薬剤投与による前記標的核酸の発現の有無が検出され、この標的核酸の発現の有無に基づき所望の薬剤がスクリーニングされる。
−標的核酸検出装置−
本発明の標的核酸検出装置としては、以下の第一〜第二までの標的核酸検出装置が挙げられる。
前記第一の標的核酸検出装置は、試料中の標的核酸を検出するための核酸プローブが担体に固定された核酸分析用デバイスであって、前記核酸プローブは標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し前記標的核酸から解離するよう設計されていることを特徴とする。
前記第二の標的核酸検出装置は、本発明の前記核酸プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション手段と、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルを検出することにより該標的核酸の存在を検出する標的核酸検出手段と、を含むことを特徴とする。なお、該第二の標的核酸検出装置は、遺伝子情報データベースを格納するデータベース部と、標的核酸検出手段の検出結果データと、前記データベース部に格納された遺伝子情報データとを比較し分析するデータ分析部と、を有する第一の形態、及び、インターネットに通信可能であり、該インターネット上の遺伝子情報データベースにアクセス可能な通信部と、標的核酸検出手段の検出結果データと、前記インターネット上の遺伝子情報データベースの遺伝子情報データとを比較し分析するデータ分析部と、を有する第二の形態のいずれかであるのが好ましく、前記遺伝子情報データベースが、特定の疾患に関する、健常人の遺伝子情報と患者の遺伝子情報とを含むのがより好ましい。
前記標的核酸検出装置では、前記ハイブリダイゼーション手段により、標的核酸に本発明の前記核酸プローブを前記標的核酸にハイブリダイゼーションさせる。前記標的核酸検出手段により、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルが検出され、該標的核酸の存在が検出される。
なお、前記標的核酸検出手段が、該標的核酸にハイブリダイズした際に前記核酸プローブが切断されて生じた、第一プローブ断片及び第二プローブ断片の内、該第一プローブ断片に存在する発光物質の発光を検出することにより前記標的核酸の存在を検出する標的核酸検出手段である場合には、該標的検出手段が、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後に前記核酸プローブにおける前記切断部が切断されて、前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片に分割され、該第一プローブ断片及び第二プローブ断片が前記標的核酸から離れる結果、前記消光部と前記発光部とが互いに離れ、前記第一プローブ断片に存在し、前記消光部の作用を受けなくなった前記発光部が生ずる発光を検出する。その結果、前記標的核酸の存在が検出される。
−遺伝子診断方法−
本発明の遺伝子診断方法は、本発明の前記標的遺伝子検出装置を用い、被検者における、特定疾患に関する標的核酸の発現量を定量する標的核酸発現量定量ステップと、該被検者における前記特定疾患に関する標的核酸の発現量と、遺伝子情報データベースに含まれる、該特定疾患に関する標的核酸の健常人の発現量及び患者の発現量とをデータ分析部により比較し、該被検者が前記特定疾患の患者であるか否かを診断する診断ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の遺伝子診断方法は、本発明の前記標的遺伝子検出装置を用い、被検者における、特定疾患に関する標的核酸の発現量を定量する標的核酸発現量定量ステップと、該被検者における前記特定疾患に関する標的核酸の発現量と、遺伝子情報データベースに含まれる、該特定疾患に関する標的核酸の健常人の発現量及び患者の発現量とをデータ分析部により比較し、該被検者が前記特定疾患の患者であるか否かを診断する診断ステップと、を含むことを特徴とする。
前記遺伝子診断方法では、前記標的核酸発現量定量ステップにおいて、本発明の前記標的遺伝子検出装置を用いて、被検者における、特定疾患に関する標的核酸の発現量が定量される。前記診断ステップにおいて、前記被検者における前記特定疾患に関する標的核酸の発現量と、遺伝子情報データベースに含まれる、該特定疾患に関する標的核酸の健常人の発現量及び患者の発現量とがデータ分析部により比較され、該被検者が前記特定疾患の患者であるか否かが診断される。
図1は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の標的核酸検出方法のプロセスの一例を示す概念図である。 図2は、本発明の核酸プローブ(実施例1)の一例を示す概略説明図である。 図3は、本発明の核酸プローブ(実施例1)が標的核酸にハイブリダイゼーションした状態を示す模式図である。 図4は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の標的核酸方法を実施した実施例1における結果を示すグラフである。 図5Aは、標的核酸にハイブリダイゼーションするまではステムループ構造をとる本発明の核酸プローブの一例(右図)と、該核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションした状態(左図)とを示す概念図である。 図5Bは、図5Aの核酸プローブの一次元構造を示す模式図である。 図6は、ステムループ構造をとる本発明の核酸プローブを用いた本発明の標的核酸検出方法のプロセス(発光増幅)の一例を示す概念図である。 図7は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の薬剤スクリーニング方法の一例を示す概念図である。 図8は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の薬剤スクリーニング方法の他の例を示す概念図である。 図9は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の標的核酸検出装置の一例を示すのブロック図である。 図10は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の標的核酸検出方法を実施した実施例3の結果(発光の検出結果)を表す写真データである。 図11は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の標的核酸検出方法を実施した実施例5の結果を示す写真データである。 図12は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の標的核酸検出方法を実施した実施例6におけるハイブリダイゼーションの形態を示す概念図である。 図13は、本発明の核酸プローブを用いた本発明の標的核酸検出方法を実施した実施例6の結果を示す写真データである。
(核酸プローブ)
本発明の核酸プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該核酸プローブとしては、上記第一〜第六の核酸プローブが好ましく、該第一〜第六の核酸プローブの特徴を2つ有するものがより好ましく、3つ有するものが特に好ましい。なお、本発明の核酸プローブは、該第一〜第六の核酸プローブの特徴を有すること以外には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択したその他の部などを有していてもよい。
以下、本発明の核酸プローブについて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の核酸検出方法における反応サイクルの一例を示す概念図であり、図2は、本発明の核酸プローブの一例を示す模式図であり、図3は、本発明の核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションした状態を示す模式図であり、図4は、本発明の一実施例による標的核酸の検出反応の結果を示すグラフである。
前記第一の核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し、前記標的核酸から解離するよう設計されている。
このような構成とすることにより、標的核酸の存在を示すシグナルが増幅され検出感度が向上する。
例えば、図1に示すように、標的核酸1の分子上で、核酸プローブの結合乃至解離を含むサイクルが形成される。図1において、核酸プローブ2と標的核酸1とが接触すると、相互にハイブリダイズし複合体を形成する(A)。ハイブリダイゼーションした核酸プローブ2は自己核酸酵素7を形成し、自己核酸酵素7は、特定配列を有する切断部位12で切断する(B)。切断された核酸プローブは、標的核酸1との結合状態を維持できず自発的に解離する(C)。このとき蛍光物質Fは、消光物質Qとの相互作用を喪失し蛍光を発する。フリーになった標的核酸1には、再び新たな核酸プローブ2がハイブリダイゼーションし、プロセス(A)〜(C)を繰返すことにより蛍光シグナルが増幅される。このように、1分子の標的核酸上で、検出シグナルの増幅が行われるため、標的核酸1が、極微量あるいは短寿命の場合であっても高感度で検出することができる。
また、この反応サイクルにおいて、制限酵素や化学物質等を使用しないため、本発明の核酸プローブを直接生きた細胞に導入し、プロセス(A)〜(C)を進行させることも可能である。したがって、本発明によれば、細胞内で遺伝子等の標的核酸の「認識」、「シグナル増幅」、「診断」ができ、例えば投与された薬剤とそれによる遺伝子の発現乃至抑制との関係を直接的に観察するスクリーニングが可能となる。
更に、PCR等による遺伝子増幅や反応温度の制御等の必要がないため、実験室や分析機器等の特殊な機器や設備が不要となり、家庭内や学校、職場等、医療乃至研究施設外においても遺伝子診断を行なうことができる。
ここで、本発明でいう「標的核酸」とは、定量的、定性的検出、又は単なる検出を目的とする核酸又は遺伝子を意味し、精製、未精製のいずれの状態のものをも含む。また標的核酸は、その種類はいかなるものでもよく、RNA、DNA、PNA及び人工的に修飾された核酸等を挙げることができる。標的核酸の塩基配列は、例えば、マキサム・ギルバート法、ジデオキシ法等により決定することができる。
本発明の核酸プローブの構造変化は、自己核酸酵素の形成を含むことが好ましい。これにより、標的核酸1分子上で、核酸プローブの結合乃至解離からなるサイクルを容易に形成することができ、標的核酸の検出感度が向上する。また、核酸プローブを切断等するために制限酵素等を使用しないため、本発明の核酸プローブを細胞内に導入するだけで特異的酵素反応を利用して、細胞内の標的核酸を容易に検出することができる。
また、本発明の核酸プローブは標識物質を有するものであることが好ましい。これによって、標的核酸の存在をより容易に確認することができる。更に、かかる標識物質は、前記核酸プローブが前記標的核酸から解離する前後で異なるシグナルを発するものであることがより好ましい。標識物質に関する詳細は後述する。
前記第二の核酸プローブは、図2及び図3に示すように、標的核酸の少なくとも一部の塩基配列と相補的な配列を有する相補部位3a、3bと、自己核酸酵素を形成可能な核酸酵素形成部位6と、を備えている。
前記第三の核酸プローブは、図2及び図3に示すように、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に構造が変化可能な構造可変部としての切断部12を有してなり、該構造可変部の構造が変化したときに、即ち切断部12が切断されたときに、該標的核酸から解離可能である。
前記第四の核酸プローブは、図2及び図3に示すように、該標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに切断される切断部12を有してなり、標的核酸にハイブリダイゼーションした際に切断部12に対する切断活性を有する切断活性領域7を形成可能である。
前記第五の核酸プローブは、図2及び図3に示すように、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、切断されて前記標的核酸から解離可能な第一プローブ断片及び第二プローブ断片を生成する切断部12と、シグナルを発生させるシグナル発生部8と、を有してなる。
なお、図2が一本鎖に伸ばした状態の図である、図3が標的核酸にハイブリダイゼーションした状態の図である。図2及び図3に示すように、核酸プローブ2は、標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、塩基配列3a及び3bと、核酸酵素形成部位6と、シグナル発生部8である前記発光部としての発光物質Fと、切断部12と、前記シグナル発生部である前記消光部としての消光物質Qとを有してなる。
塩基配列3a及び3bは、標的核酸1に対してハイブリダイゼーション可能な領域であり、核酸プローブ2の両端に位置している。
図2に示す核酸酵素形成部位6は、図3に示すように、標的核酸1に核酸プローブ2がハイブリダイゼーションした際に切断活性領域7を形成し、切断部12に対する切断活性を発現する。なお、このとき、核酸プローブ2内では、分子内で一部が、具体的には切断部12を中心(間)にしてその両側の一部が、それぞれハイブリダイゼーションしている(図3中のY及びZ)。
切断部12は、リボ核酸(ヌクレオチドにおける糖がリボース)で形成されており、切断活性領域7が発現するリボザイム活性により切断可能である。
発光物質Fと消光物質Qとは、図2及び図3に示すように、切断部12を中心(間)にして互いに隣接して位置している。
これにより、前記第二〜第五の各核酸プローブは、標的核酸をアロステリックエフェクターとする、例えば自己切断型遺伝子診断プローブとして機能することができる。自己切断したヌクレオチドの各断片は、等温下ではそれぞれ標的核酸との相補的結合(ハイブリダイズ)を維持することができず自発的に解離する。その後、新たな核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズし、自己核酸酵素を形成した後解離する。こうして図1に示すような触媒サイクルが順次繰り返されることにより、蛍光シグナル等に代表される検出シグナルが増幅されるため、PCR等の核酸増幅等を行うことなく、従来の核酸測定法では非常に困難であった微量の核酸や遺伝子等も容易に検出可能となった。また、前記第二〜第五の各核酸プローブは、自己核酸酵素を形成するため特別の酵素や試薬の添加を必要とせず、生きた細胞への導入を可能にするものである。したがって、前記第二〜第五の各核酸プローブを用いれば、細胞内における1分子レベルの核酸や遺伝子の挙動をも観察することができる。
換言すれば、核酸プローブ2は、図1に示すように、標的核酸1が存在すると、標的核酸1に対してハイブリダイゼーション可能である相補的な塩基配列3a及び3bをその両端に有しているため(図2及び図3参照)、塩基配列3a及び3bが核酸配列1にハイブリダイゼーションすると(図1中のA)、核酸酵素形成部位6が三次元のコンファーメーションをとることにより切断活性領域7が形成されて、切断部12に対する切断活性(リボザイム活性)が生じ、切断部12(リボース部分)が切断(自己切断)され、発光物質Fを有する第一プローブ断片と、消光物質Qを有する第二プローブ断片とに分割され(図1中のB)、それぞれが標的核酸1から解離される結果、互いに隣接して位置していた発光物質Fと消光物質Qとが互いに離れて位置するようになる(図1中のC)。発光物質Fと消光物質Qとは、互いに隣接して位置していたときには、両者の間における蛍光共鳴エネルギー(fluorescence resource energy transfer:FRET)移動により、発光物質Fの発光が消光物質Qの作用により消光状態8にあったのが、該蛍光共鳴エネルギー移動がなくなり、消光物質Qの消光作用が働かなくなり、発光物質Fが発光を生ずるようになる(図1中のC)。この発光は、前記核酸プローブが標的核酸1にハイブリダイゼーションする度に生じ、この反応が繰り返されて(catalytic process、図1中のA〜Cのサイクル)、増幅される。即ち、核酸プローブ2が切断されると、前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片は、ハイブリダイゼーションを維持することができず、標的核酸1から解離すると、標的核酸1はフリーの状態となるため、新たな核酸プローブ2がハイブリダイゼーションし、図1中のA〜Cのサイクルが繰り返される。核酸プローブ2は、標的核酸1をアロステリックエフェクターとすることができる。このため、標的核酸1が極微量(<10ng/μl)あるいは短寿命であっても、前記核酸プローブによって生ずる発光を増幅させることにより、目視等にて容易にその存在を検出することができる。
この場合、従来のようなPCR法などを用いて核酸増幅を行う必要がなく、従来では測定不可能であった極微量な標的核酸を高感度、高精度かつ高速で検出することができる。また、制限酵素や化学物質などを使用しないため、核酸プローブ2を直接、生細胞に導入しハイブリダイゼーションさせることができ、ウイルスに対してハイブリダイゼーションさせることができる。したがって、核酸プローブ2によれば、細胞内に存在する極微量の標的核酸を検出することができる。
図5A及び図5B並びに図6は、前記第六の核酸プローブの一例を示す概略説明図である。前記第六の核酸プローブは、図5A及び図5B並びに図6に示すように、標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに切断される切断部(rA)を有し、前記標的核酸にハイブリダイゼーションするまでは、分子内で一部が互いにハイブリダイゼーションしてロック構造(ステムループ構造)を形成している。
この核酸プローブは、より詳しくは、前記標的核酸とハイブリダイゼーション可能な2つの塩基配列(5’末端の5’XGTAGGAGT3’及び3’末端の3’YGTGCCAGG5’)と、切断活性領域と、前記シグナル発生部である前記発光部としての発光物質Fと、切断部(rA)と、前記シグナル発生部である前記消光部としての消光物質Qと、アデニン(A)オリゴマー及びチミン(T)オリゴマーが互いにハイブリダイゼーションしてなるロック構造(ステムループ構造)と、を有してなる。
この核酸プローブは、図5A及び図5B並びに図6に示すように、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前までは、前記ロック構造(ステムループ構造)を形成している。なお、前記アデニン(A)オリゴマーは、前記核酸プローブの5’末端側の最末端に存在し、前記チミン(T)オリゴマーは、前記核酸プローブの3’末端側ではあるが最末端には存在していないため、図5A及び図5B並びに図6に示すように、前記ロック構造はステムループ構造をとる。そして、前記ステムループ構造を有している間の前記核酸プローブは、前記3’末端側が該ステムループ構造から突出した状態となっている。そして、このステムループ構造を有している間(前記標的核酸にハイブリダイゼーションするまでの間)の該核酸プローブは、前記切断活性領域を形成しておらず、前記切断部(rA:塩基がアデニンで、糖がリボースの構造)における切断は起こらない。このため、該核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前に、切断活性領域が形成されて前記切断部を切断してしまうことがなく、誤検出等のおそれがない。
本発明においては、このようなロック構造(ステムループ構造)を有し、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前に前記切断部の切断活性を発現しない本発明の核酸プローブのことを、「Locked TASC」プローブと称することがある。一方、上述したような、前記ステムループ構造を有していない本発明の核酸プローブのことを、「TASC」プローブと称することがある。
なお、この核酸プローブ、即ち前記「Locked TASC」プローブの場合には、図5B及び図6に示すように、前記ロック構造(ステムループ構造)をとるとき、自己核酸酵素を形成し得ないので前記切断活性領域を形成することはなく、逆に、前記切断活性領域を形成している間は、前記ロック構造(ステムループ構造)をとることはない。前記ロック構造(ステムループ構造)をとっている形状乃至構造と、前記切断活性領域を形成する形状乃至構造との間では、前記核酸プローブが大きな形状乃至構造変化を起こすことが必要となる。前記「Locked TASC」プローブの場合、この形状乃至構造変化は、該核酸プローブの前記標的核酸へのハイブリダイゼーションにより、容易に起こる。つまり、前記第六の核酸プローブにおいては、前記標的核酸とハイブリダイゼーション可能な2つの塩基配列の該標的核酸に対する親和性(結合力、ハイブリダイゼーション力)の方が、前記ロック構造(ステムループ構造)における親和性(結合力、ハイブリダイゼーション力)よりも大きく(強く)なるように設計されている。このため、該核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前には、前記ロック構造(ステムループ構造)をとっているが、前記標的核酸が存在すると、前記標的核酸とハイブリダイゼーション可能な2つの塩基配列が前記標的核酸におけるその相補部位に相互作用し、このとき、該2つの塩基配列の前記標的核酸に対する親和性(結合力、ハイブリダイゼーション力)が大きい(強い)ため、前記ロック構造(ステムループ構造)は容易に解かれ、その結果、該核酸プローブは、大きな形状乃至構造変化を伴って前記標的核酸にハイブリダイゼーション可能となる。
前記核酸プローブにおける、前記標的核酸とハイブリダイゼーション可能な2つの塩基配列の該標的核酸に対する親和性(結合力、ハイブリダイゼーション力)(以下「A2」と称する)や、前記ロック構造(ステムループ構造)における親和性(結合力、ハイブリダイゼーション力)(以下「A1」と称する)は、前記標的核酸とハイブリダイゼーション可能な塩基配列数又は前記ロック構造における相補鎖の塩基配列数、ハイブリダイゼーション時における各塩基間の水素結合数(2又は3)、などにより適宜調整することができる。
前記A1と前記A2との関係が、A2>A1、となるようにするには、例えば、前記標的核酸とハイブリダイゼーション可能な2つの塩基配列の数を、前記ロック構造における相補鎖の塩基配列数よりも多くする等すればよい。図5Aに示す例では、前記A2の数が「9塩基×2箇所=18」であるのに対し、前記A1の数は「5」であり、前記A2の数が前記A1の数の3倍強、4倍弱となっている。
そして、前記核酸プローブにおいて、図5Bに示すような一次元の切断活性領域は、図5A及び図6に示すように、前記標的核酸に前記核酸プローブがハイブリダイゼーションした際に前記切断活性領域を形成し、前記切断部(図5AではrA、図6ではQで表された部位)に対する切断活性を発現する。なお、このとき、前記核酸プローブ内では、分子内で一部が、具体的には前記切断部を中心(間)にしてその両側の一部が、それぞれハイブリダイゼーションしている(図5A中のrAの両側、図6のB及び図6のC中のQで表された部位の両側)。
前記切断部は、リボ核酸(ヌクレオチドにおける糖がリボース)で形成されており、前記切断活性領域が発現するリボザイム活性により切断可能である。
前記発光物質Fと前記消光物質Qとは、図6のAに示すように、前記ロック構造(ステムループ構造)をとっている間は互いに隣接して位置しており、この間は前記発光物質Fの発光は前記消光物質Qの作用により消光されている。
前記核酸プローブは、図5A左図及び図6のBに示すように、前記標的核酸(target)が存在すると、該標的核酸に対してハイブリダイゼーション可能である相補的な2つの塩基配列をその両端側に有しているため(図5A及び図6のB参照)、該2つの塩基配列が前記核酸配列にハイブリダイゼーションすると(図5A及び図6のB)、前記切断活性領域が形成されて、前記切断部に対する切断活性(リボザイム活性)が生じ(図6のCでは、マグネシウムイオンが該切断活性領域の中心に位置することにより切断活性が発現乃至向上された状態となる)、該切断部(リボース部分)が切断(自己切断)され、前記発光物質Fを有する第一プローブ断片と、消光物質Qを有する第二プローブ断片とに分割され(図6のD)、それぞれが前記標的核酸から解離される。なお、互いに隣接して位置していた発光物質F及び消光物質Qは、該核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、互いに離れて位置するようになるため(図6中のB)、このときには、前記消光物質Qの消光作用が働かなくなり、前記発光物質Fが発光を生ずるようになる。前記発光物質Fによる発光は、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションする度に生じ、この反応が繰り返されて(図6中のA〜Dのサイクル)、増幅される。即ち、前記核酸プローブが切断されると、前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片は、ハイブリダイゼーションを維持することができず、前記標的核酸から解離すると、該標的核酸はフリーの状態となるため、新たな核酸プローブがハイブリダイゼーションし、図6中のA〜Dのサイクルが繰り返される。前記核酸プローブは、前記標的核酸をアロステリックエフェクターとすることができる。このため、前記標的核酸が極微量(<10ng/μl)あるいは短寿命であっても、前記核酸プローブによって生ずる発光を増幅させることにより、目視等にて容易にその存在を検出することができる。
本発明の核酸プローブは、その全部がヌクレオチド鎖で形成されていてもよいし、その一部がヌクレオチド鎖で形成されていてもよく、後者の場合には、前記ヌクレオチドで形成された部分以外の部分は、例えば、アミノ酸鎖、糖鎖、合成ポリマー鎖などで形成されていてもよい。これらの中でも、製造効率等の点で、その全部がヌクレオチド鎖で形成されているのが好ましい。
なお、前記核酸プローブにおける前記ヌクレオチド鎖の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学合成法、プラスミドベクター、ファージベクターなどを使用する微生物法、核酸合成機を使用する機械的合成法、などが挙げられ、この中でも、量産性に優れる点で、機械的合成法が好ましい。
前記核酸プローブにおける前記ヌクレオチド鎖の塩基配列数(全長)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100が好ましく、10〜70がより好ましい。
前記ヌクレオチド鎖の塩基配列数(全長)が、100を超えると、非特異的ハイブリダイズが起こって検出精度が低下するおそれがあり、また、細胞膜に対する透過性が低下し、効率よく生細胞内で前記標的核酸を検出することができないことがあり、5未満であると、ハイブリダイゼーションの結合力が不十分になり、前記標的核酸の検出精度が低下することがある。
本発明の核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸と相補鎖を形成可能な領域(部位)を有している。これにより、該核酸プローブは、サンプル中の検出すべき前記標的核酸を捕捉することができる。
前記標的核酸と相補鎖を形成可能な領域(部位)の数としては、少なくとも1つ必要であり、2以上であってもよいが、2つであるのが好ましい。該相補鎖を形成可能な領域(部位)の数が、複数である場合には、前記標的核酸の捕捉性に優れ、検出感度を向上させることができ、また、前記標的核酸との結合力を容易に制御することができ、更に、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、該核酸プローブが後述の切断活性領域を安定にかつ効率良く形成し易い等の点で有利である。
前記標的核酸と相補鎖を形成可能な領域(部位)の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記核酸プローブのどの部分に存在してもよいが、例えば、該標的核酸と相補鎖を形成可能な領域(部位)の数が2つである場合、図3に示すように、前記核酸プローブの両末端であってもよいし(図3中の相補部3a及び相補部3b)、図5A及び図5Bに示すように、前記核酸プローブの一端と中央部とであってもよい。これらの中でも、後者の場合(図5A及び図5Bに示すような場合)には、前記核酸プローブが、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前後で大きな形状乃至構造変化を生ずるので、該ハイブリダイゼーションしたことにより、後述の切断活性領域を形成することができ、後述の切断部に対する切断活性を発現させることができるため、誤切断がなく、誤検出等の問題がない点で有利である。
前記相補鎖(前記標的核酸にハイブリダイゼーション可能な領域)の長さ、即ち該相補鎖における一方の塩基配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜13が好ましく、前記標的核酸に対する選択性が高い点で、2〜10がより好ましく、6〜9が特に好ましい。なお、前記標的核酸への結合力は、該相補鎖における塩基配列数に概ね比例し、例えば、図1中のAの例では、核酸プローブ2の標的核酸1に対する結合力は、相補部位3aと相補部位3bとの結合力の和となる。核酸プローブ1に切断等が生じた場合(図1中のB)、各核酸プローブ断片における結合力は、前記標的核酸に相補結合している部分(相補部位3a又は相補部位3b)単独の結合力しかないことになる。即ち、切断によって標的核酸1への結合力は略半分に減少することになる。この結合力の減少を利用することにより、標的核酸1へのハイブリダイゼーションと解離のプロセスを含む反応サイクルを確立させることができる。
前記塩基配列数が、1〜13である場合には、生物体内温度付近(37℃付近)において、各相補部位単独では標的核酸とのハイブリダイゼーションを維持できないものとし、より容易に自発的に解離させることができ、直接生体内や細胞内に導入して核酸プローブと標的核酸との反応サイクルを成立させることが容易に可能となる点で有利であり、2〜10、更には6〜9である場合には、その効果が顕著である点でより好ましい。なお、各相補鎖における塩基配列数は、互いに同数であってもよいし、異なっていてもよい。
−切断活性領域−
本発明の核酸プローブは、例えば、前記切断部に対する自己核酸酵素等の切断活性を有する部位を形成可能な切断活性領域(核酸酵素形成部位など)6を有するのが好ましい。これにより、核酸プローブ2は、標的核酸1にハイブリダイゼーションした後、自己核酸酵素の形成等を形成する構造変化を生じ、その後、前記標的核酸から解離可能となる。前記切断活性領域は、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に形成可能であるのが好ましい。
前記切断活性領域としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一定条件下で切断活性を発現するものなどが好適に挙げられ、例えば、特定の形状乃至構造をとったときに、切断活性(酵素活性)、例えばDNAザイム活性、RNAザイム活性、リボザイム活性等を発現可能なDNA鎖又はRNA鎖、などが挙げられる。
切断活性領域(核酸酵素形成部位)は、前記核酸プローブが前記標的核酸に結合したとき、酵素活性を発現するための金属イオンを捕捉する空洞を形成するようコンホメーション変化し得る領域を含む。前記切断活性領域は、前記核酸プローブ分子内で、例えばヌクレオチドの特異的切断等の酵素活性等の切断活性を有する。該核酸プローブは、制限酵素等を必要としないため、該核酸プローブを細胞内に導入するだけで特異的酵素反応を利用して、細胞内の標的核酸を検出することができる。また、通常、特異的切断をさせたい場合、切断しようとする特定配列部位を認識する酵素を選択して使用しなければならないが、任意の配列で核酸を切断しようとすると、あらゆる場合において特定配列部位を認識し切断する制限酵素が存在するとは限らない。しかし、本発明の核酸プローブは、同一分子内に核酸酵素形成部位とともに自己核酸酵素により認識乃至切断等される特定配列を有するため、酵素活性の発現について所望の特性を備えるよう設計が自由であり、制限酵素を用いる場合のような上記制限がない。
なお、切断部位12は、核酸プローブがハイブリダイゼーションした後自己核酸酵素7が形成されたとき、切断活性が最も効率よく発揮される位置に配置されることが好ましい。
核酸酵素形成部位6は、例えば、相補部位が2以上ある場合には、一の相補部位3aと他の相補部位3bとの間の領域にあることが好ましい。このような構成にすることにより、核酸プローブが標的核酸に確実に固定され、自己核酸酵素7はより安定化する。
そして、自己核酸酵素の作用の結果、ヌクレオチドが切断等されたとき、核酸プローブと標的核酸との結合力を減少させるよう設計することがより容易になる。
本発明では、核酸酵素形成部位から形成される自己核酸酵素は、切断活性、結合活性、その他いずれの活性を有するものであってもよいが、切断活性を有するものが好ましい。例えば、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後、自己核酸酵素の作用により2つの相補部位の間で切断された場合、各相補部位の結合力の総和力でもって標的核酸と結合状態を維持していたものが、切断後、短くなった各断片は標的核酸とのハイブリダイズを維持できず標的核酸から解離する。フリーとなった標的核酸は新たな核酸プローブと結合し、自己核酸酵素の形成、切断、解離、新たなハイブリダイズ形成を順次繰り返す反応サイクルを繰り返すことができる。したがって、遊離した切断片がシグナルを発するように設計された核酸プローブを使用した場合、1分子の標的核酸上でシグナルが増幅されるため、検出感度の向上を図ることができる。
核酸酵素形成部位6から形成される自己核酸酵素としては、DNA酵素、RNA酵素等が挙げられるがそのいずれであってもよく、これらの核酸酵素は、ハンマーヘッド型、ヘアピン型、HDV型及びその他のいずれのタイプを含むものでもよい。
前記切断活性領域を形成するには、前記核酸プローブが、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に分子内でハイブリダイゼーション可能な領域を有しているのが好ましい。この場合、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブが前記切断活性領域を形成する三次元コンファーメーションをとることが容易となり、また、該三次元コンファーメーションの安定性に優れ、形成される前記切断活性領域の切断活性等に優れる等の点で有利である。
前記核酸プローブにおいて、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に分子内でハイブリダイゼーション可能な領域の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2以上であるのが好ましい。該領域の数が2以上であると、前記切断活性領域の形成が容易である等の点で有利である。
前記核酸プローブにおいて、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に分子内でハイブリダイゼーション可能な領域の位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、後述する切断部を中心(間)にして互いに隣接した位置であるのが好ましく、この位置に加えて、これらの位置の中心(間)であって後述する切断部と対向する側(後述する切断活性領域内乃至付近)の位置などもよい。前記位置が、前記切断部を中心(間)にして互いに隣接した位置である場合には、前記切断活性領域と切断部とを該切断活性領域が前記切断部を切断可能に対向させることができる点で有利であり、また更に、これらの位置の中心(間)であって後述する切断部と対向する側(後述する切断活性領域内乃至付近)の位置にも存在する場合には、前記切断活性領域に複雑な三次元コンファーメーションを付与可能であり、その切断活性を増強可能である等の点で有利である。
前記核酸プローブにおいて、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に分子内でハイブリダイゼーション可能な領域の塩基配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記Y及びZの少なくともいずれかの塩基配列数が、2未満であると、前記切断活性領域の形成乃至構造維持が困難になることがある。
また、前記Yと前記Zとの合計の塩基配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜12が好ましい。
前記合計の塩基配列数が、2未満であると、前記切断活性領域の安定化及び切断効率の向上に十分寄与しないことがあり、12を超えると、前記核酸プローブが前記標的核酸とハイブリダイゼーションする前においても前記切断活性領域を形成可能な構造を有している場合においては、前記標的核酸とハイブリダイゼーションしていないフリーの前記核酸プローブが、前記核酸配列とハイブリダイゼーションする前に前記切断活性領域を形成し易くなり、前記核酸プローブどうしが互いにクロスハイブリダイゼーションを生じてしまうことがあり、検出精度、感度等が低下してしまうことがある。
なお、前記Zの部分の塩基配列としては、その一部に1個乃至数個の互いにハイブリダイゼーションしない塩基(互いにハイブリダイゼーションしない塩基)が存在していてもよい(その一部に欠失、置換等が存在していてもよい)。
また、前記Zの部分の塩基配列により、通常、前記核酸プローブにおいては前記切断部とは反対側にループ(ループ部)が形成される。
前記ループ部の塩基配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記核酸プローブの反応速度は、通常、該ループ部に依存しているため、該ループ部が短いほど安定であるので好ましい。
前記ループ部の塩基配列数が、2未満であると、エントロピー的に不利となり、後述するステムループ構造部分が不安定となり、前記切断活性領域の形成効率が低下してしまうことがある。
なお、前記切断活性領域により前記切断部が切断されると、前記核酸プローブは、前記第一プローブ断片と、前記第二プローブ断片とに分割される。
前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、互いに同程度の大きさであってもよいし、互いに異なる大きさであってもよく、これらが前記標的核酸から解離し易い大きさであるのが好ましい。この場合、前記切断活性領域による前記切断部の切断により生ずるシグナル(発光等)を短時間で発生させることができ、高速検出が可能となる点で有利である。
前記切断活性領域が前記切断部に対してDNAザイム活性、RNAザイム活性、リボザイム活性等を有する場合には、該切断活性領域は、通常、活性中心サイトを有しており、該活性中心サイトに前記金属イオンが存在すると、前記DNAザイム活性、RNAザイム活性、リボザイム活性等を生じ得る。
前記金属イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マグネシウムイオン、コバルトイオン、などが挙げられるが、これらの中でも、マグネシウムイオンが好適に挙げられる。
なお、前記活性中心サイトに前記金属イオンが存在するようにするには、例えば、前記核酸プローブを前記金属イオンが含まれる溶液中に存在させる方法などが挙げられる。この場合、前記金属イオンの前記溶液中の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10〜50mMが好ましい。
前記切断活性領域の設計方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、例えば、前記切断活性領域がDNA等の核酸鎖により形成する場合には、上述したSELEX法などが好適に挙げられる。
前記SELEX法においては、複数の核酸を、標的(ここでは前記切断部)に作用させ、該複数の核酸の中から結合力の強い核酸を選択分離し、これを増幅し、更に複数の核酸と共に前記標的(前記切断部)に作用させることを繰り返すことにより、前記標的(前記切断部)に対する親和性の高い核酸配列が選抜される。
−切断部−
前記切断部は、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に特異的に切断可能(前記切断活性領域により切断可能)であればよく、その形状、構造、大きさ、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記切断部は、前記切断活性領域の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、前記切断活性領域が前記DNAザイム活性を有する場合には、DNAであるのが好ましく、前記切断活性領域が前記RNAザイム活性を有する場合には、RNAであるのが好ましく、前記切断活性領域がRNA切断活性を有する場合には、リボースであるのが好ましい。
なお、前記切断部は、前記切断活性領域により切断されるが、前記切断活性領域が、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に形成されるように設計されている場合には、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションしたときだけ切断されるため、該標的核酸の誤検出等を防ぐことができる点で有利である。
−ロック構造−
本発明の核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションするまでは、分子内で一部が互いにハイブリダイゼーションしてロック構造を形成しているのが好ましい。
この場合、前記核酸プローブが前記ロック構造を有している間、即ち、該核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションするまでの間は、前記切断活性領域を形成せず、前記核酸プローブが前記分子内ハイブリダイゼーション構造を有さなくなるとき、即ち、該核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に初めて、前記切断活性領域を形成するため、前記標的核酸への該核酸プローブのハイブリダイゼーションと、前記切断部の切断等に代表される構造変化と、を完全にリンクさせることができ、誤検出等を効果的に防ぐことができる点で有利である。
前記ロック構造としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステムループ構造、ヘアピン構造、などが挙げられる。これらは、1種単独で前記核酸プローブ内に形成されていてもよいし、2以上組み合わされて前記核酸プローブ内に形成されていてもよい。これらの中でも、ステムループ構造が好ましく、該ステムループ構造は、一般に核酸が形成する三次元のヘアピン構造のことを意味し、通常、相補的結合により茎のような形状を有するステム部と、ループのような形状を有するループ部とを有する。
前記ロック構造における、前記ハイブリダイゼーションを形成している相補鎖(互いにハイブリダイゼーションした部分、例えば前記ステム部)の内、一方における塩基配列数としては、4〜8ntが好ましい。
前記塩基配列数が、4nt未満であると、該ハイブリダイゼーション領域(例えば前記ステム部)における相補鎖の結合力が弱く十分でないことがあり、誤検出等の原因となるおそれがあり、一方、8ntを超えると、前記ハイブリダイゼーション領域(例えば前記ステム部)における相補鎖の結合力が強すぎてしまい、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションすることができなくなる、あるいはハイブリダイゼーションし難くなるおそれがある。
−シグナル発生部−
本発明の核酸プローブにおける前記シグナル発生部としては、該核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、シグナルを発生すさせることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションすること等により発光可能な発光部や、発光を生ずる発光部と、該発光部に隣接して位置しているときは該発光部の発光を消光させる消光部との組合せ、などが好適に挙げられる。なお、前記シグナル発生部は、シグナルの発生の有無の検出のみならず、細胞内での前記標的核酸の挙動を追跡する動的パラメータとしても使用することができる。
これらは、前記核酸プローブ内に、1種単独で設けられていてもよいし、2以上組合せて設けられていてもよい。これらの中でも、前記発光部と前記消光部との組合せ、などが好適に挙げられる。。
前記シグナルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発光、消光、タンパク発現、放射線の放射、温度変化(発熱等)、磁力変化(磁気発生等)、切断片発生、物質生産、物質消費、変形、粘度変化、色変化、UV吸収、pH変化、旋光、異性化、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記シグナルの検出方法乃至手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記シグナルが、発光、消光等の場合には受光装置、カメラ等などが挙げられ、放射線の放射の場合には感光フィルムなどが挙げられ、温度変化の場合には熱電対、温度センサーなどが挙げられ、磁力変化の場合には磁力センサーなどが挙げられ、切断片発生の場合には電気泳動、SDS−PAGE、ウエスタン・ブロッティングなどが挙げられ、物質生産の場合には抗体、HPLC、アフィニティークロマトグラフィーなどが挙げられ、物質消費の場合にはIRスペクトル、MSスペクトルなどが挙げられ、変形の場合には電子顕微鏡などが挙げられ、粘度変化の場合には粘度センサーなどが挙げられる。
なお、前記発光部と前記消光部との組合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光共鳴エネルギー(fluorescence resource energy transfer:FRET)等の技術として知られているものなどが好適に採用することができる。
前記発光部としては、発光を生ずることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、蛍光物質、化学発光物質、電気化学発光物質、などを含むもの、あるいはこれらで形成されているもの、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、
前記消光部が該発光部に隣接して存在する場合に該消光部の作用により、その発光が消光されるものが好ましく、視認性に優れ、検出が容易な点で、前記蛍光物質がより好ましい。
前記蛍光物質としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができ、例えば、アントラセン、フルオロセイン、フルオロセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミン、スルホローダミン等のローダミン類、ダンシルクロライド、テキサスレッド、AL350、インドカルボシアニン(CY)、などが挙げられる。
前記核酸プローブが前記発光部を有していると、検出を目視等で行うことが可能になる点で有利である。
前記消光部としては、前記発光部に隣接して位置している場合に該発光部の発光を消光させることができれば特に制限はなく、前記発光部の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば、消光物質を含むもの、あるいは該消光物質で形成されているもの、などが挙げられる。
前記消光物質としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができ、例えば、前記発光部が前記蛍光物質で形成されている場合には、該蛍光物質が発光する際に放出するエネルギーを吸収可能な物質、などが挙げられ、前記発光物質との間で蛍光共鳴エネルギー(fluorescence resource energy transfer:FRET)移動が可能な物質、など好適に挙げられ、具体的には、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、ジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)、金ナノパーティクル、ブラックホールクエンチャー、などが挙げられる。
前記核酸プローブが前記消光部を有すると、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、即ち、該消光部が前記発光部に隣接して存在する場合には、該発光部の発光を消光することができ、一方、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後においては、前記切断部が切断され、前記第一プローブ断片と前記第二プローブ断片とに分割され、これらが前記標的核酸から解離する結果、即ち、前記消光部が前記発光部から離れて存在するようになるため、前記消光部の作用がなくなり、前記発光部に発光を生じさせることができるので、前記標的核酸の存在を該発光部の発光により、目視等で容易に検出することができる点で有利である。
前記消光部の前記核酸プローブにおける存在位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、前記発光部と隣接して位置し、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際には、即ち前記切断部が切断されて前記核酸プローブが前記第一プローブ断片と前記第二プローブ断片とに分割された後においては、前記発光部と離れて位置するのが好ましく、具体的には、前記第一プローブ断片に前記発光部が存在する場合には前記第二プローブ断片に存在しているのがより好ましく、また、これとは逆に、前記第二プローブ断片に前記発光部が存在する場合には前記第一プローブ断片に存在しているのが、換言すれば、前記切断部を間にして前記消光部と前記発光部とが位置しているのがより好ましい。この場合、前記切断部が切断された際に、前記消光部を前記発光部とは異なる別のプローブ断片に存在させることができる点で有利である。
前記切断部が切断されるまでの間における、前記消光部の前記発光部からの距離としては、該消光部の消光作用が働く範囲内であればよく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記消光部における前記発光部側の末端塩基と、前記発光部における前記消光部側の末端塩基との間に存在する塩基数で、5〜30ntが好ましい。
前記塩基数が、5未満であると、前記消光部と前記発光部との距離が近すぎ、分子設計、合成等が容易でないことがあり、30を超えると、前記消光部の消光作用が十分でないことがある。
なお、前記発光物質と前記消去物質との具体的な組合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フルオロセインイソチオシアネート(FITC)とテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)との組合せ、ジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)とフルオロセインとの組合せ、などが好適に挙げられる。
以上は、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、前記発光部の発光が生ずるように設計した場合について主に説明したが、本発明においては、これらの場合に限られず、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前に、前記発光部の発光が生じており、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、前記発光部の発光が消光するように設計してもよい。なお、本発明の核酸プローブとしては、前記標識物質(前記発光部及び前記消光部など)を有しない形態に設計してもよく、該核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションしたことの検出は、例えば、該ハイブリダイゼーションにより切断されて生じたプローブ断片を、例えば、電気泳動等することなどにより検出することができる。
図3の例では、蛍光物質Fと消光物質Qとは、自己核酸酵素による切断部位12を介した位置にそれぞれ設けられていることが好ましい。その原理は、蛍光共鳴エネルギー移動(fluorescence resource energy transfer:FRET)に基づく。FRETが成立するためには、特に蛍光物質(F)と消光物質(Q)との物質間の距離が重要となるが、本発明の核酸プローブ2が標的核酸1にハイブリダイズしている状態では、FとQとの物質間距離はFRETが成立していて消光するような距離に設計されている。その後、自己核酸酵素が作用し、オリゴヌクレオチドが所定の切断部位で切断されると、各切断片は標的核酸との結合を維持できず解離する。その結果、FRETから解放された蛍光物質は蛍光発光する。このように蛍光強度の増加から標的核酸を検出乃至定量することができる。
また、このようなFRET法によれば、ハイブリダイズした核酸プローブと、ハイブリダイズしない核酸プローブとを分離することなく目的の標的核酸の検出が可能となり、手順が簡略化され好ましい。
前記蛍光物質と前記消光物質とは、標的核酸にハイブリダイズした状態で切断部位を挟んで、約5〜30塩基配列の距離で隔てられていることが好ましいが、必ずしもこの場合に限られるものではない。
なお、核酸プローブに導入する標識物質としては、エネルギー供与物質とエネルギー受容物質(FITC/TRITC)からなる組合せを採用することもできる。
本発明の核酸プローブは、ガラス製基板等の担体表面に固定された形態、いわゆる「DNAチップ」として使用することが可能であり、Lab−on−Chipとして使用することもできる。
−その他の部−
前記その他の部としては、特に制限はなく、本発明の効果を害しない限り、適宜選択することができ、例えば、各種マーカー、水溶性リンカー、などが挙げられる。
前記各種マーカーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、放射線ラベル、量子ドットラベル、タンパク質ラベル、などが挙げられる。
前記核酸プローブを担体に固定して使用する場合には、前記核酸プローブと前記担体との間に前記水溶性リンカーを導入することが好ましい。
前記担体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂粒子やプレート、容器の底面や側面、などが挙げられる。前記核酸プローブを検出キット等に予め固定しておくことによって、手軽に前記標的核酸の検出作業が行える。
前記水溶性リンカーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールリンカーなどが使用できる。水溶性リンカーの長さは、担体の構造や種類などに応じて、適当な長さを決めればよい。
前記核酸プローブを細胞内に導入して使用する場合には、前記核酸プローブ中の核酸の一部又は全部について、2’−OMe化処理(糖の2’位のヒドロキシル基をメトキシ基に置換する処理)を行うことが好ましい。これによって、細胞内在性酵素による前記核酸プローブの非特異的切断を抑制することができ、前記標的核酸の検出精度を向上させることができる。
−用途及び有用性−
本発明の核酸プローブは、ウイルス、細菌、動物細胞、植物細胞などの前記標的核酸が極微量であっても検出可能であり、遺伝子治療、食中毒菌の存在検査、虫歯乃至歯周病の診断、血液検査等に好適に応用可能であり、後述する本発明の核酸チップ、標的核酸検出方法、薬剤スクリーニング方法、遺伝子検出装置、及び遺伝子診断方法に好適である。
また、本発明の核酸プローブは、例えば、血液検査(輸血時のウイルス感染予防)、全血、アルブミン製剤、血液凝固製剤などの血液製剤の衛生管理、人口受精時などのウイルス検査、性病検査、神経疾患の病態分析、などに好適に適用乃至応用可能である。より詳しくは、唾液中には微量のウイルスや細菌などが含まれているので、例えば、HIV感染検査、虫歯乃至歯周病の診断などとして、採取した唾液中に本発明の核酸プローブを添加するだけで、陽性、陰性の検査を簡便にかつ容易に目視等にて行うことができる。
また、本発明の核酸プローブは、犯罪捜査、法医学、考古学などの領域においても好適に応用可能である。
なお、本発明の核酸プローブを用いて前記標的核酸を検出する場合、該核酸プローブは、単独で使用してもよいし、ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下で(ヘルパーオリゴヌクレオチドと共に)使用してもよい。
前記ヘルパーオリゴヌクレオチドは、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションするのを補助する機能を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、前記ステムループ構造を直鎖構造に変化させるのを補助する機能を有するものなどが好ましい。該ヘルパーオリゴヌクレオチドは、前記核酸プローブが前記ロック構造を有する場合に特に好適に該核酸プローブと併用することができる。
前記ヘルパーオリゴヌクレオチドの長さ、即ち塩基配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜20が好ましい。
−標的核酸−
ここで、本発明の核酸プローブによる検出対象である前記標的核酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、精製、未精製のいずれであってもよく、RNA、DNA、PNA、人工的に装飾された核酸などのいずれであってもよい。なお、前記標的核酸の塩基配列の決定法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マキサム・ギルバート法、ジデオキシ法などが挙げられる。
前記標的核酸が存在する試料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、血液、血清、血漿、糞便、尿、喀痰、骨髄液、汗、涙、唾液、精液、水道水等の水、これらを前処理したもの、などの採取乃至調製したものであってもよいし、細胞(生細胞を含む)やウイルスなどであってもよい。
前記細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、動物細胞、植物細胞、菌類、酵母などが好適に挙げられる。
前記動物細胞としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができ、例えば、受精卵、ES細胞、EG細胞、EC細胞などの胚性幹細胞、胚性癌細胞、造血幹細胞、癌化し、不死化した癌細胞株、各臓器の細胞株、赤血球、リンパ球、白血球などが挙げられる。なお、前記動物細胞には、発生時から形質転換されたトランスジェニック動物の細胞も含まれる。
なお、前記動物細胞が由来する生体としては、例えば、哺乳類、爬虫類、鳥類、両生類、魚類、昆虫類、などのいずれでもよい。
前記哺乳類としては、例えば、肉食獣、霊長類、草食獣、げっし目、などが挙げられ、具体的には、マウス、ラット、ハムスター、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、イノシシ、ゾウ、キリン、パンダ、イヌ、ネコ、クマ、ウサギ、クジラ、イルカ、サル、ヒトなどが挙げられる。
前記爬虫類としては、例えば、カメ目、ヘビ目、ワニ目、ムカシトカゲ目、有鱗目、などが挙げられ、具体的には、リクガメ、ウミガメ、ミドリガメ、ゼニガメ、トカゲ、イグアナ、カメレオン、ヤモリ、ニシキヘビ、ナミヘビ、コブラなどが挙げられる。
前記鳥類としては、例えば、アヒル、ガチョウ、アホウドリ、ニワトリ、トキ、カモメ、ダチョウ、シギダチョウ、スズメ、カラス、キジ、カワセミ、九官鳥、ヤンバルクイナ、コウノトリ、ツル、ホトトギス、キツツキ、フクロウ、ホウカンチョウ、ミフウズラ、オウムなどが挙げられる。
前記両生類としては、例えば、カエル、イモリ、サンショウウオ、サラマンダーなどが挙げられる。
前記魚類としては、淡水魚、海水魚などが挙げられ、前記淡水魚としては、具体的には、アロワナ、グッピー、ナマズ、タナゴ、コイ、メダカ、ヤマメ、イワナ、ピラニア、ハイギョ、シクリッド、ナマズなどが挙げられ、前記海水魚としては、具体的には、エイ、サメ、クマノミ、キス、ハゼ、マグロ、ヒラメ、マンボウ、マンタ、クマノミ、エンゼルフィッシュ、ディスカスなどが挙げられる。
前記昆虫類としては、例えば、カブトムシ、クワガタ、トンボ、ハチ、コウロギ、スズムシ、カミキリムシ、アリ、ゴキブリ、カマキリ、セミ、タガメ、ハエ、バッタ、ホタル、チョウなどが挙げられる。
前記植物細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、花、茎、根、葉などの部分由来の細胞が挙げられ、それらのプロトプラストであってもよい。前記植物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、種子植物、シダ類、蘚苔類、藻類などの由来の細胞が挙げられ、発生の時点で該ポリヌクレオチドを導入されたトランスジェニック植物も含まれる。
前記種子植物としては、例えば、裸子植物、被子植物などが挙げられ、具体的には、イネ、小麦、大麦、サクラ、タンポポ、マツ、チューリップ、ヒマワリ、スギ、ブナ、ナス、ハス、アブラナ、ナデシコ、ソラマメ、ツバキ、セリ、トウモロコシ、ネギ、クロモ、サトイモ、ツユクサ、イチョウ、ソテツ、ヒノキ、カヤ、カラマツ、イブキ、キク、シソ、リンドウ、サクラソウ、ラン、ユリ、アヤメなどが挙げられる。
前記シダ植物としては、例えば、イヌワラビ、ワラビ、スギナ、ゼンマイ、ヘゴ、ミズニラ、ヒカゲノカズラ、トクサなどが挙げられる。
前記蘚苔類としては、例えば、スギゴケ、ミズゴケ、クロゴケ、ヒカリゴケ、チョウチンゴケ、タチゴケ、ゼニゴケ、ジャゴケ、ウロコゴケ、ハタケゴケ、コマチゴケ、ウキゴケなどが挙げられる。
前記藻類としては、例えば、クラミドモナス、アオノリ、クロレラ、アオミドロ、ミル、アオサ、マリモなどが挙げられる。
前記菌類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、きのこ類、真菌類、細菌などが挙げられる。
前記きのこ類としては、例えば、シイタケ、マツタケ、アガリクスダケ、エリンギ、マイタケ、ヤマブシタケ、ブナシメジ、タモギタケ、ナメコ、ヒラタケ、ホシシメジ、エノキダケなどが挙げられる。
前記真菌類としては、大きく酵母と糸状菌に分類することができる。
前記酵母としては、例えば、Candida albicansglabradatropicalisparapsilosisstellatoideaCryptococcus neoformansSaccharomyces cerevisiaeなどが挙げられ、前記糸状菌としては、例えば、Trichophytin rubrumMicrosporum canisAlternaria alternataAlternaria panaxBipolaris brizae、などが挙げられる
前記細菌としては、例えば、グラム陽性菌、グラム陰性菌などが挙げられ、また、嫌気性菌、通性嫌気性菌、微好気性菌、好気性菌などのいずれであってもよい。該細菌の具体的な種としては、例えば、Staphylococcus aureusStreptococcus pyogenesEnterococcus faecalisBucillus anthracisBatcillus subtilisClostridium tetaniListeria monocytogenesPseudomonas aeruginosaEscherichia coliHeamophilis influenzaeNeisseria gonorrhoeaeMycobacterium tuberculosisCorynebacterium glutamicumStreptomyces antibioticusSalmonella typhiEdwardsiella tardaCitrobacter freundiiVibrio parahaemolyticusMorganella morganiiSeratia marcescensKlebsiella pneumoniaeShigella dysenteriaeYersinia pestisTreponema pallidumLeptospira interroganseCampylobactor jejuniLactobacillus latisActinobacillus actinomycetemcomitancePurphyromonas gingivalisPrevotella intermediaBacteroides forsythusTreponema denticolaなどが挙げられ、更にクラミジア科、リケッチア科、マイコプラズマ科などのものも挙げられる。
なお、前記細菌としては、例えば、歯周病原因細菌、う蝕性細菌、食中毒原因菌、なども好適に挙げられる。
また、その他の微生物類として、原生生物、プランクトンなどが挙げられる。
前記原生動物としては、例えば、赤痢アメーバ、大腸アメーバ、膣トリコモナス、トリパノソーマ、マラリア、ニューモシスチスカリニ、クリプトモナス、ミドリムシ、糸状虫、鞭虫などが挙げられる。
前記プランクトンとしては、例えば、ミジンコ、ケンミジンコ、ワムシなどが挙げられる。
前記ウイルスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、センダイウイルス、バクテリオファージなどが挙げられる。
前記レトロウイルスとしては、例えば、マウス白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトTリンパ球向性ウイルスなどが挙げられる。
前記アデノウイルスとしては、例えば、イヌアデノウイルス1型、イヌアデノウイルス2型、ヒトアデノウイルス1型、ヒトアデノウイルス2型などが挙げられる。
前記センダイウイルスとしては、例えば、主にマウス由来のものが挙げられ、ヒトには感染しないことが知られている。
前記バクテリオファージとしては、例えば、T4ファージ、T5ファージ、T7ファージ、λファージ、M13などが挙げられる。
また、大腸菌内のプラスミド、コスミドなども挙げられ、該プラスミドとしては、例えば、pBR322、pBR325、pAT153、pUC8、pUC18、pUC19、pSP−RLUCなどが挙げられる。
(核酸チップ)
本発明の核酸チップは、本発明の前記核酸プローブを担体に固定してなること以外には特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の構成を採用することができる。中でも、前記水溶性リンカーを介して前記核酸プローブを前記担体に固定する構成が好ましい。
前記核酸プローブを固定する対象としては、公知の担体などが好適に挙げられる。該核酸プローブを前記担体に固定してなる前記核酸チップは、DNAチップとして好適に使用することができる。
前記担体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機材料で形成されていてもよいし、有機材料で形成されていてもよい。
前記無機材料としては、例えば、無機高分子、金属、セラミック、半導体、磁石、パラマグネット、アパタイトなどが挙げられる。
前記無機高分子としては、例えば、カーボン、熱硬化性樹脂を炭化焼成して得られたアモルファスカーボン、グラファイト、などが好適に挙げられる。
前記金属としては、例えば、金、白金、銀、銅、鉄、アルミニウム、などが好適に挙げられる。
前記セラミックとしては、例えば、アルミナ、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ガラス、水晶、シリカゲル、などが好適に挙げられる。
前記半導体としては、シリコン、などが好適に挙げられる。
これらの無機材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
前記有機材料としては、例えば、プラスチック、天然高分子、などが挙げられる。
前記プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネイト、ポリプロピレン、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、ポリイミド、アクリル樹脂、セラミックなどが挙げられる。
前記天然高分子としては、例えば、ポリアミノ酸、セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸、これらの誘導体、などが挙げられる。
前記担体の形状は、通常、前記核酸チップの形状にそのままなることから、該核酸チップをどのように設計するかという観点から選択することができ、特に制限はなく、例えば、フィルム状、板状、粒子状(ビーズなど)、各種成形品などが好適に挙げられる。前記形状が粒子状である場合には、例えば、流動的なビーズ表面に固定されたDNAマイクロビーズアレイなどとして設計することができる。なお、前記各種成型品としては、例えば、ストリップ、マルチウェルプレートのウェル又はストリップ、チューブ、メッシュ、連続発泡フォーム、膜、紙、針、ファイバー、プレート、中空糸、スライド、細胞容器などが挙げられる。
前記核酸チップの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記核酸チップ上における前記核酸プローブの配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記担体の全表面又は一部の表面であってもよいし、前記担体表面にアレイ状に配置させてもよい。
また、前記核酸チップ上に配置する前記核酸プローブの種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。後者の場合には、各核酸プローブをアレイ状に配置させておくことにより、同時に多種、多量の遺伝子を定性、定量等することができ、遺伝子診断等に好適に応用可能である。このとき、前記核酸プローブの種類毎に、生ずる発光の色を異なるように設計しておくと(マルチカラープローブとして設計しておくと)、発光色を目視等するだけで、どの標的核酸の存在の有無を瞬時に判断することができる点で有利である。
本発明の核酸チップは、前記標的核酸の検出乃至分析に好適に使用することができ、後述す本発明の標的核酸検出方法、薬剤スクリーニング方法、遺伝子診断方法などに好適に使用することができる。
本発明の核酸チップは、ウイルス、細菌、動物細胞、植物細胞などの前記標的核酸が極微量であっても検出可能であり、遺伝子治療等に好適に応用可能であり、後述する本発明の標的核酸検出方法、薬剤スクリーニング方法、遺伝子検出装置、及び遺伝子診断方法に好適である。
また、本発明の核酸チップは、例えば、血液検査(輸血時のウイルス感染予防)、全血、MAP、FFP、アルブミン製剤、血液凝固製剤などの血液製剤の衛生管理、人口受精時などのウイルス検査、性病検査、神経疾患の病態分析、などに好適に適用乃至応用可能である。より詳しくは、唾液中には微量のウイルスや細菌などが含まれているので、例えば、HIV感染検査などとして、採取した唾液中に本発明の核酸チップを用いただけで、陽性、陰性の検査を簡便にかつ容易に目視等にて行うことができる。
また、本発明の核酸チップは、犯罪捜査、法医学、考古学などの領域においても好適に応用可能である。
(標的核酸検出方法)
本発明の標的検出方法としては、以下の第一〜第三の標的検出方法が挙げられる。
前記第一の標的核酸検出方法は、核酸プローブを用いて標的核酸を検出する核酸検出方法であって、前記核酸プローブは前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し前記標的核酸から解離するよう設計されている。
前記第二の標的核酸検出方法は、標的核酸の少なくとも一部の塩基配列と相補的な配列を有する相補部位と、自己核酸酵素を形成可能な核酸酵素形成部位と、を有する核酸プローブを用いる標的核酸の検出方法であって、標的核酸に前記核酸プローブを相補的に結合させるハイブリダイゼーション工程と、ハイブリダイゼーション形成の後、前記自己核酸酵素が形成され前記核酸プローブの構造が変化し、その結果ハイブリダイゼーションの結合力が減少して該核酸プローブが前記標的核酸から解離する解離工程と、前記解離工程で解離した前記核酸プローブの少なくとも一部を検出する検出工程と、を含む。
前記第三の標的核酸検出方法は、本発明の前記核酸プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション工程と、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルを検出することにより該標的核酸の存在を検出する標的核酸検出工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
本発明の標的検出方法においては、基本的には核酸プローブを試料中に存在する標的核酸にハイブリダイズさせる操作のみであり、この後、自発的に核酸プローブの構造変化、ハイブリダイズ結合力の減少、核酸プローブの解離、シグナルの蓄積、が起こって標的核酸の測定が可能となる。このように操作が非常に簡単なため、複雑乃至特殊な装置や特別の試薬等が不要であり、必要時に必要なところ、例えば診療所、家庭、学校、職場等において速かに遺伝子診断を行うことができる。
標的核酸の検出を細胞内で行う場合には、前記核酸プローブを細胞内に導入することが必要である。前記核酸プローブの細胞内への導入方法としては、特に制限はなく、細胞の種類等により適宜選択することができ、例えば、リン酸カルシウム法、リポソーム法、エレクトロポレーション法、ソノポレーション法、などの既知の遺伝子導入方法が挙げられる。
本発明の核酸検出方法は、核酸プローブが前記標的核酸から解離する前後において、異なるシグナルを発する標識物質を有する核酸プローブを用いることが好ましい。
このように構成することにより、核酸プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーション乃至解離などの現象が、シグナルの変化として視認容易となり、標的核酸の検出がより容易になる。
また、本発明の核酸検出方法は、標的核酸の少なくとも一部の塩基配列と相補的な配列を有する相補部位と、自己核酸酵素を形成可能な核酸酵素形成部位と、を有する核酸プローブを用いる標的核酸の検出方法であって、標的核酸に前記核酸プローブを相補的に結合させるハイブリダイゼーション形成工程と、ハイブリダイゼーション形成の後、前記自己核酸酵素が形成され前記核酸プローブの構造が変化し、その結果ハイブリダイゼーションの結合力が減少して該核酸プローブが前記標的核酸から解離する解離工程と、前記解離工程で解離した前記核酸プローブの少なくとも一部を検出する検出工程と、を有することを特徴とする。
このような方法によれば、標的核酸と一度ハイブリダイゼーションした核酸プローブ上にある標識物質をポジティブに検出できるため、操作性に優れ、容易かつ高精度で標的核酸の検出を行うことができる。
更に、核酸プローブの相補部位でのみ標的核酸とハイブリダイゼーションさせるため、ハイブリダイゼーションを完了するのに要する時間を短縮することができ、検査の迅速化を図ることができる。
本発明の標的核酸検出方法によれば、核酸プローブ自身が標的核酸の認識、シグナルの増幅の両者を行うため、PCR等によってサンプルDNA(RNA)を増幅する必要がなく、従来のように制限酵素等を必要せず、核酸プローブ内に制限酵素部位を設ける必要がなく、更に化学物質等の添加を必要とせず、一定温度下で反応が進行するため、細胞内における標的核酸の検出方法としても使用することができる。
−ハイブリダイゼーション工程−
前記ハイブリダイゼーション工程は、本発明の前記核酸プローブを上述した標的核酸にハイブリダイゼーションさせる工程である。
前記ハイブリダイゼーションの条件等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、いわゆる「ストリンジェント」なハイブリダイゼーション条件下で行われることが好ましく、pHとしては、7.0〜8.5が好ましく、温度としては30℃〜60℃が好ましく、0.01〜0.1M未満のナトリウムイオン塩濃度の溶液中で行うのが好ましい。
なお、前記ハイブリダイゼーション工程においては、上述したヘルパーオリゴヌクレオチドを併用してもよい。
前記ヘルパーオリゴヌクレオチドは、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションするのを補助する機能を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができるが、前記ロック構造(ステムループ構造)を直鎖構造に変化させるのを補助する機能を有するものなどが好ましい。該ヘルパーオリゴヌクレオチドは、前記核酸プローブが前記ロック構造を有する場合に特に好適に該核酸プローブと併用することができる。
−標的核酸検出工程−
前記標的核酸検出工程は、本発明の前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に生じた前記シグナルを検出することにより前記標的核酸を検出する工程である。
前記シグナルとしては、上述した通りであり、例えば、発光、消光、放射線の放射、温度変化(発熱等)、磁力変化(磁気発生等)、切断片発生、物質生産、物質消費、変形、粘度変化、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シグナルの検出方法乃至手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記シグナルが、発光、消光等の場合には受光装置、カメラ等などが挙げられ、放射線の放射の場合には感光フィルムなどが挙げられ、温度変化の場合には熱電対、温度センサーなどが挙げられ、磁力変化の場合には磁力センサーなどが挙げられ、切断片発生の場合には電気泳動、SDS−PAGE、ウエスタン・ブロッティングなどが挙げられ、物質生産の場合には抗体、HPLC、アフィニティークロマトグラフィーなどが挙げられ、物質消費の場合にはIRスペクトル、MSスペクトルなどが挙げられ、変形の場合には電子顕微鏡などが挙げられ、粘度変化の場合には粘度センサーなどが挙げられる。
前記シグナルが、前記核酸プローブが切断されて生じた、第一プローブ断片及び第二プローブ断片の内、該第一プローブ断片に存在する前記発光部の発光である場合には、該標的核酸検出工程においては、前記発光を検出することにより前記標的核酸の存在が検出される。なお、このとき、前記発光部の発光を検出する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記発光部が前記発光物質で形成されており、該発光物質が蛍光物質である場合には、その発光(蛍光)を目視等乃至蛍光顕微鏡で容易に検出することができ、前記発光物質が前記化学発光物質で形成されている場合には、感光フィルム等を用いて容易に検出することができ、また、本発明においては、CCDカメラを用いて検出してもよく、この場合はデジタル解析をすることがができ、データの処理乃至加工が容易であり、前記標的核酸の定性、定量を高精度に行うことができる点で有利である。
本発明の標的核酸検出方法は、ウイルス、細菌、動物細胞、植物細胞などの前記標的核酸が極微量であっても検出可能であり、遺伝子治療、食中毒菌の存在検査、虫歯乃至歯周病の診断、血液検査等に好適に応用可能である。
また、本発明の標的核酸検出方法は、例えば、血液検査(輸血時のウイルス感染予防)、全血、MAP、FFP、アルブミン製剤、血液凝固製剤などの血液製剤の衛生管理、人口受精時などのウイルス検査、性病検査、神経疾患の病態分析、などに好適に適用乃至応用可能である。また、本発明の標的核酸検出方法は、犯罪捜査、法医学、考古学などの領域においても好適に応用可能である。
ここで、本発明の標的核酸検出方法の一例について図面を参照しながら説明する。
まず、標的核酸1と本発明の核酸プローブ2とをハイブリダイズさせる(図1中のA)。ハイブリダイズ形成工程において、反応条件は適宜設定可能であり、公知の方法によって行うことができ、いわゆる「ストリンジェント」なハイブリダイゼーション条件下で行われる。例えば、pH7.0〜8.5、温度30〜60℃の約0.01〜0.1M未満のマグネシウムイオン塩濃度の溶液を用いて行われる。なお、標的核酸は、通常、高温処理等によって予め一本鎖に変性されていることが好ましい。
次に、ハイブリダイゼーションした核酸プローブは一定条件の下、自己核酸酵素7を形成する(図1中のA)。この自己核酸酵素7よって特定配列の認識と酵素活性の発現が核酸プローブ1内で起こる。自己核酸酵素7が切断活性を有する場合、特定配列を有する切断部位12でヌクレオチドが切断される(図1中のB)。このように切断された核酸プローブ2は、標的核酸1との結合状態を維持することができず解離する(図1中のC)。これにより、核酸プローブ断片上の蛍光物質Fは消光物質Qの影響を受けることがなくなって蛍光シグナルを発する。このシグナルを次の検出工程において検出乃至解析する。
即ち、前記ハイブリダイゼーション工程において、図1に示すように、核酸プローブ2は、標的核酸1が存在すると、標的核酸1に対してハイブリダイゼーション可能である相補的な塩基配列3a及び3bをその両端に有しているため(図2及び図3参照)、塩基配列3a及び3bが核酸配列1にハイブリダイゼーションすると(図1中のA)、核酸酵素形成部位6が三次元のコンファーメーションをとることにより切断活性領域7が形成されて、切断部12に対する切断活性(リボザイム活性)が生じ、切断部12(リボース部分)が切断(自己切断)され、発光物質Fを有する第一プローブ断片と、消光物質Qを有する第二プローブ断片とに分割され(図1中のB)、それぞれが標的核酸1から解離される結果、互いに隣接して位置していた発光物質Fと消光物質Qとが互いに離れて位置するようになる(図1中のC)。発光物質Fと消光物質Qとは、互いに隣接して位置していたときには、両者の間における蛍光共鳴エネルギー(fluorescence resource energy transfer:FRET)移動により、発光物質Fの発光が消光物質Qの作用により消光状態8にあったのが、該蛍光共鳴エネルギー移動がなくなり、消光物質Qの消光作用が働かなくなり、発光物質Fが発光を生ずるようになる(図1中のC)。この発光は、前記核酸プローブが標的核酸1にハイブリダイゼーションする度に生じ、この反応が繰り返されて(catalytic process、図1中のA〜Cのサイクル)、増幅される。即ち、核酸プローブ2が切断されると、前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片は、ハイブリダイゼーションを維持することができず、標的核酸1から解離すると、標的核酸1はフリーの状態となるため、新たな核酸プローブ2がハイブリダイゼーションし、図1中のA〜Cのサイクルが繰り返される。核酸プローブ2は、標的核酸1をアロステリックエフェクターとすることができる。このため、標的核酸1が極微量(<10ng/μl)あるいは短寿命であっても、前記核酸プローブによって生ずる発光を増幅させることができる。
前記標的核酸検出工程において、発光物質Fによる発光を検出する。この検出は、前記核酸プローブの性状や標識物質に応じて適宜選択することにより行うことができ、例えば、核酸プローブが蛍光物質で標識されている場合は、蛍光顕微鏡等を用いて行うことができ、放射性同位元素で標識されている場合はオートラジオグラフィーにより行うことができ、化学発光物質で標識されている場合には、感光フィルムを用いた解析やCCDカメラを用いたデジタル解析により行うことができ、その結果、前記標的核酸の定性、定量分析を行うことが可能である。
なお、標識物質を有しない核酸プローブを用いた場合には、例えば切断された核酸プローブ断片をゲル電気泳動などで確認することにより標的核酸の検出を行うことができる。
本発明の核酸検出方法において、核酸酵素反応工程では前記核酸プローブが切断されることが好ましい。
上述のとおり、自己核酸酵素の活性は特に限定されないが、切断活性の発現により核酸プローブが切断されることが好ましい。核酸プローブが切断されることによりできた各断片は、標的核酸とのハイブリダイズを維持できず標的核酸から解離し、その後、新たな核酸プローブが標的核酸に結合する。その結果、このようなシグナルの増幅を可能にする反応サイクルを容易に形成することができる。
また、本発明の核酸検出方法において、核酸プローブは担体に固定されていることが好ましい。このようにすることによって、DNAチップ、DNAマイクロアレイ等の核酸分析用デバイスを構成することができ、高感度で多量の遺伝子データを得ることが可能となる。
更に、本発明の核酸プローブを使用した核酸分析用デバイスによれば、例えば、薬剤投与後の経過時間ごとに細胞あるいは臓器からmRNAを取り出し、本発明の核酸プローブを固定化したDNAチップ等で測定することで、遺伝子ごとのmRNA量の経時変化を見ることができる。mRNA量が増加することは、DNA分子からの遺伝情報が活発に転写されることを意味し、遺伝子の働きが増加することに対応する。この遺伝子の働きの時間変化をコンピュータ解析することで、遺伝子パスウェイの情報等が得られる。
また、塩基配列の異なる2以上の本発明の核酸プローブを同一担体に固定させた核酸検出用デバイスを構成することにより、一度に多種類の標的核酸を検出乃至測定することができる。
また、本発明の標的核酸検出方法の他の例について図面を参照しながら説明する。
前記ハイブリダイゼーション工程においては、図5A左図及び図6のBに示すように、前記標的核酸(target)が存在すると、前記核酸プローブが、該標的核酸に対してハイブリダイゼーション可能である相補的な2つの塩基配列をその両端側に有しているため(図5A及び図6のB参照)、該2つの塩基配列が前記核酸配列にハイブリダイゼーションすると(図5A及び図6のB)、前記切断活性領域が形成されて、前記切断部に対する切断活性(リボザイム活性)が生じ(図6のCでは、マグネシウムイオンが該切断活性領域の中心に位置することにより更に切断活性が向上された状態となっている)、該切断部(リボース部分)が切断(自己切断)され、前記発光物質Fを有する第一プローブ断片と、消光物質Qを有する第二プローブ断片とに分割され(図6のD)、それぞれが前記標的核酸から解離される。なお、互いに隣接して位置していた発光物質F及び消光物質Qは、該核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、互いに離れて位置するようになるため(図6中のB)、このときには、前記消光物質Qの消光作用が働かなくなり、前記発光物質Fが発光を生ずるようになる。ただし、該発光物質Fが発光を生ずるのと、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションして前記切断部が切断されるのとは、略同時に行われる。前記発光物質Fによる発光は、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションする度に生じ、この反応が繰り返されて(図6中のA〜Dのサイクル)、増幅される。即ち、前記核酸プローブが切断されると、前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片は、ハイブリダイゼーションを維持することができず、前記標的核酸から解離すると、該標的核酸はフリーの状態となるため、新たな核酸プローブがハイブリダイゼーションし、図6中のA〜Dのサイクルが繰り返される。前記核酸プローブは、前記標的核酸をアロステリックエフェクターとすることができる。このため、前記標的核酸が極微量(<10ng/μl)あるいは短寿命であっても、前記核酸プローブによって生ずる発光を増幅させることにより、目視等にて容易にその存在を検出することができる。
前記標的核酸検出工程において、発光物質Fによる発光を検出する。この検出は、目視で行ってもよいし、蛍光顕微鏡、CCDカメラ等を使用してもよい。
本発明の標的核酸検出方法は、微量な各種標的核酸の高感度、高精度かつ高速での検出に好適であり、後述する本発明の薬剤スクリーニング方法にも好適に応用可能である。
(薬剤スクリーニング方法)
本発明の薬剤スクリーニング方法は、ハイブリダイゼーション工程と、標的核酸検出工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程とを含む。
前記ハイブリダイゼーション工程は、本発明の前記核酸プローブを、薬剤投与により発現した又は発現しなかった前記標的核酸に上述したのと同様にハイブリダイゼーションさせる工程である。
−標的核酸検出工程−
前記標的核酸検出工程は、本発明の前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に生じた前記シグナルを検出することにより前記標的核酸を検出する工程である。なお、該標的核酸検出工程は、前記標的核酸検出方法における前記標的核酸検出工程と同様である。
本発明の薬剤スクリーニング方法においては、前記標的核酸検出工程において検出した前記標的核酸の存在の有無により薬剤をスクリーニングする。即ち、増幅された前記発光を検出し、薬剤投与後の遺伝子の発現量の変化を観ることにより、しかもこのスクリーニングを細胞、組織、臓器などの生細胞内で行うこともできるため、該薬剤の作用乃至副作用を効率良くスクリーニングすることができる。従来のスクリーニング法では、図7に示すように、前記薬剤によって発現したmRNAを単離し、逆転写反応によりcDNAを調製し、PCRで増幅させ、増幅されたcDNAにラベリングをし、ラベルの発光を検出するという非常に煩雑かつ熟練した技能が必要であったが、本発明における薬剤スクリーニング方法では、生細胞に直接、前記核酸プローブを導入することもできるので、迅速かつ簡易にスクリーニングを行うことができる。
また、本発明の薬剤スクリーニング方法は、図7に示すように、生細胞を用いることにより、今まで細胞を固定し、生物的な活動をさせていなかったことで発見できなかったmRNAなどの挙動を検出乃至分析することができ、更に微量なmRNAなどを検出乃至分析等することができる点で有利であり、また、図8で示すように、所望の阻害剤をスクリーニングすることもでき、既存薬の新たな作用、副作用を微量な遺伝子(標的核酸の発現の有無)を検出することにより知ることができ、また、スポーツ選手などに対するドーピング検査、麻薬常習犯に対する麻薬検出検査などにも応用することができる。
本発明の薬剤スクリーニング方法によりスクリーニングする薬剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、末梢神経作用薬、中枢神経作用薬、ホルモン剤、オータコイド、循環器系作用薬、呼吸器系作用薬、消化器系作用薬、泌尿生殖器系作用薬、皮膚作用薬、ビタミン剤、化学療法剤、消毒薬、防腐剤、生物学的製剤、漢方薬などが挙げられ、既存薬、新薬のいずれであってもよい。
前記末梢神経作用薬としては、例えば、局所麻酔薬、筋弛緩薬、自律神経系作用薬などが挙げられる。
前記局所麻酔薬としては、例えば、コカイン、トロパコカイン、プロカイン、リドカイン、ブピバカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジブカインなどが挙げられる。
前記筋弛緩薬としては、例えば、d−ツボクラ−レ、ガラミン、パンクロニウム、ベクロニウム、デカメトニウム、スクサメトニウム、ダントロリンなどが挙げられる。
前記自律神経作用薬としては、例えば、エピネフィリン、ノルエピネフィリン、イソプロテレノール、ドパミン、フェニレフリン、メトキサミン、クロニジン、メタラミノール、ナファゾリン、ドブタミン、メトキシフェナミン、オルシプレナリン、テルブタリン、クロルプレナリン、トリメトキノール、サルブタモール、ツロブテノール、プロカテロール、ピルブテロール、フェノテロール、ホルモテノール、クレンブテロール、マブテロール、チラミン、エフェドリン、メチルエフェドリン、アンフェタミン、エルゴタミン、エルゴトキシン、エルゴメトリン、ジヒドロエルゴトキシン、ジヒドロエルゴトキシン、フェノキシベンザミン、トラゾリン、フェントラミン、プラゾシン、テラゾシン、ドキサゾシン、ブナゾシン、ウラピジル、ヨヒンビン、プロプラノロール、ブプラノロール、ブフェトロール、ブクモロール、ナドロール、チモロール、チリソロール、プラクトロール、メトプロロール、アテノロール、ビソプロロール、ベタキソロール、ピンドロール、オクスプレノール、アルプレノロール、カルテオロール、インデノロール、ペンブトロール、ブニトロール、ボピンドロールアセブトロール、セリプロロール、ラベタノール、グアネチジン、メチルドーパ、クロニジン、グアンファシン、グアナベンズ、アセチルコリン、ベナテコール、メタコリン、ムスカリン、ピロカルピン、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、エドロホニウム、アンベノニウム、ジスチグミン、パラチオン、アトロピン、スコポラミン、ロートエキス、ホマトロピン、シクロペントレート、ニコチン、DMPP、TMA、DFP、TEPP、テトラエチルアンモニウム、ヘキサメトニウム、メカミラミン、トリメタファンなどが挙げられる。
前記中枢神経作用薬としては、例えば、亜酸化窒素、シクロプロパン、エチレン、エーテル、クロロフォルム、ハロセン、メトキシフルレン、エンフルラン、イソフルラン、セボフルラン、チオペンタール、チアミラール、ヘキソバルピタール、ペントバルピタール、プロパニシド、ケタミン、フェノバルビタール、ブロムワレリル尿素、ブロムジエチルアセチル尿素、抱水クロラール、グルテシミド、メタクワロン、ニトラゼパム、フルラゼパム、エスタゾラム、トリアゾラム、エチルパラフィノール、エトクロルビノール、エチルアルコール、メチルアルコール、ジスルフィラム、フェニトイン、メフェニトイン、エソトイン、フェノバルピタール、ネタルビタール、プリミドン、カルバマゼピン、ゾニサミド、トリメタジオン、パラメタジオン、バルプロ酸ナトリウム、フェンスクシミド、メトスクシミド、エトスクミシド、ジアゼパム、クロナゼパム、モルヒネ、コデイン、デバイン、パパベリン、ノスカピン、アヘンチンキ、リン酸コデイン、ヘロイン、ペチジン、フェンタニル、メサドン、レボルファノール、デキストロメトルファン、ペンタゾシン、フェナゾシン、ブプレノルファン、ブトルファノール、ナロルフィン、レバロルファン、ナロキソン、エンドルフィン、メフェネシン、エポリゾン、バクロフェン、チザニジン、レボドパ、カルビドパ、ベンゼラシド、トリヘキシフェニジル、ビペリデン、ベンズトロピン、アマンタジン、ブロモクリプチン、ペルゴリド、ドロキシドパ、ストリキニーネ、ピクロトキシン、ペンテトラゾール、ニケタミド、ジモルホラミン、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、アミノフィリン、クロルブロマジン、チオリダジン、フェルフェナジン、レセルピン、レシナミン、デセルピジン、ハロペリドール、クロルプロチキセン、チオチキセン、イプロニアジド、ナイアラミド、イソカルボキサジド、サフラジン、トラニルシプロミン、パージリン、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、ミアンセリン、リチウム、ジアゼパム、オキサゼパム、ニトラゼパム、エチゾラム、ロラゼパム、ヒドロキシジン、LSD−25、メスカリン、大麻、ジメチルトリプタミン、ジエチルトリプタミン、プシロシン、プシロシビン、ブホテニン、ハーミンなどが挙げられる。
前記ホルモン剤としては、ホルモン作用を有するもの又は阻害するものであれば特に制限はなく、例えば、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、乳汁分泌ホルモン、オキシトシン、バソブレッシン、甲状腺ホルモン、リオチロニンナトリウム、レボチロキシンナトリウム、メチルチオウラシル、プロピルチオウラシル、チアマゾール、カルシトニン、上皮小体ホルモン、インスリン、グルカゴン、カルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド、ヘタヘキサミド、1−ブチル−3−ニトロウレア、トルブタミド、グリベングラミド、グリミジン、グリブゾール、フェンフォルミン、ブフォルミン、メトフォルミン、エパルレスタット、ボグリボーズ、アカルノーズ、トログリタゾン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、デスオキシコルトン、プレドニゾロン、エチルプレドニゾロン、パラメタゾン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、アルドステロン、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、スチルベン、プロゲストロン、クロルマジノン、ノルエチステロン、テストステロン、アンドロステロン、エチオコラノロン、エピアンドロステロン、メチルテストステロン、テストステロン水性懸濁注射剤、テスットステロンエステル注射剤、オキシメトロン、メテノロン、混合ホルモン剤などが挙げられる。
前記オータコイドとしては、例えば、ヒスタミン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、クレマスチン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミン、クロルサイキリジン、シプロヘプラジン、メキタジン、テルフェナジン、シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、サイクリジン、メクリジン、プロメタジン、チェチルペラジン、セロトニン、メチセルギド、プロヘプタジン、レニン、アンギオテンシン、カプトプリル、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF2α、プロスタグランジンA2、トロンボキサンA2、ロイトコリエン、ブラジキニン、血漿カリクレイン、腺性カリクレイン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、サリチル酸アミド、インドメタシン、メッフェナム酸、フルフェナム酸、ジクロフェナック、ベンジダミン、エピリゾール、チアラミド、フェナセチン、アセトアミノフェン、アンチピリン、アミノピリン、スルピリン、コルヒチン、プロベネシフド、アロプリノール、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、スルフィンブタゾン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、ペニシラミン、アザチオプリン、ブシラミン、サラゾスルファピリジン、アクタリットなどが挙げられる。
前記循環器系作用薬としては、例えば、ジキタリス、ケジキタリス、ストロファンツス、カイソウ、ジギトキシン、ジゴキシン、メチルジゴキシン、G−ストロファンチン、ラナトシドC、ポロスシラリジ、ウアバイン、β受容体作用薬、アムリノン、ピモベンダン、ベスナリノン、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、メキシレチン、アプリジン、プロパフェノン、フレカイニド、ピルジカイニド、アドレナリン作動性β遮断薬、アミオダロン、ベラパミル、ヒドララジン、ジアゾキシド、プラゾシン、レセルピン、グアネチジン、中枢作用薬、サイアザイド系利尿薬、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、シラザプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、イミダプリル、デモカプリル、キナプリル、トランドラプリル、亜硝酸アミル、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、モロシドミン、ニコランジル、ジピリダモール、ジセラプ、プレニルアミン、クロモナール、トリメタジジン、オキシフェドナリン、エタフェノンニフェジピン、ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベニジピン、マニジピン、バルニジピン、エフォニジピン、アムロジピン、フェロジピン、ジルチアゼム、ベラパミル、イノシトールヘキサニコチレート、シクランデレート、シンナリジン、インクスプリン、アルプロスタジル、メクロフェノキサート、ビンポセチン、ニセルゴリン、イブシラスト、フルナリジン、イフェンプロジル、ペントキシフィリン、インデベノン、インデロキサジン、ビフェラミン、プロペントフィリン、ニコチン酸、コレスチラミン、プロブコール、プラバスタチン、シンバスタチン、ヘパリン、ジカマロール、トルメキサン、ワーファイリン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベータ、チクロピジン、シロスタゾール、イコサンペント酸エチル、ベラプロスト、トロンビン、トラネキサム酸、カルバゾクロム、硫酸鉄、フマール酸第一鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、含糖酸化鉄、エリスロポエチン、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、フィルグラスチム、レノグラスチム、ナルトグラスチム、ミリモスチム、クエン酸シルデナフィルなどが挙げられる。
前記呼吸器系作用薬としては、例えば、二酸化炭素、ジモルホラミン、ジメフリン、ドキサプラム、サポニン類、非サポニン性配糖体、ヨウ化カリウム、ブロムヘキシン、メチルシステイン、エチルシステイン、アセチルシステイン、カルボシステイン、アンブロキソール、キサンチン誘導体、クロモグリク酸ナトリウム、ケトチフェン、トラニラスト、アゼラスチン、オキサトミド、オザグレル、トシル酸スプラタスト、テルフェナジン、アステミゾール、セラトロダスト、プランルカスト水和物などが挙げられる。
前記消化器系作用薬としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム、天然ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、副交感神経遮断薬、ピレンゼピン、チキジウム、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール、メチルメチオニンスルホニウムクロリド、アズレンスルフォン酸、スクラルファート、アルジオキサ、ゲファルナート、テプレノン、トロキシピド、イルソグラジン、スルピルド、ソファルコン、プラウノトール、レバミピド、ベネキサートベータデクス、オルノプロスチル、ミソプロストール、エンプロスチル、クラリスロマイシン、アモキシシリン、メトロニダゾール、次硝酸ビスマス、ひまし油、アントラキノン誘導体。フェノールフタレイン、ピコスルファート、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸ナトリウム、グリセリン、ビサコジル、タンニン酸アルブミン、沈降炭酸カルシウム、薬用炭、アヘンアルカロイド、ベルベリン、ラクトミン、メトクロプラミド、ドンペリドン、シサプリド、トリメブチンなどが挙げられる。
前記被尿生殖器系作用薬としては、例えば、D−マンニトール、濃グリセリン、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化カルシウム、水銀利尿薬、アセタゾールアミド、ジクロルフェナミド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、メチクロチアジド、メトラゾン、クロールタリドン、フロセミド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタミド、アゾセミド、メフルシド、スピトノラクトン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム、ヘキサミン、マンデル酸、ニトロフラントイン、エルゴトキシン、エルゴタミン、エルゴメトリ、メチルエルゴメトリン、オキシトシン、ジノプロスト、ジノプロストン、ゲメプロスト、スパルテイン、酢酸フェニル水銀、硫酸オキシヒノリン、経口避妊薬などが挙げられる。
前記皮膚、粘膜作用薬としては、例えば、カラシ、カンタリス、トウガラシ、タンニン酸、没食子酸、酸化亜鉛、一酸化鉛、四三酸化鉛、硫酸亜鉛、酢酸鉛、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、氷酢酸、トリクロル酢酸、塩酸、乳酸、硝酸銀、塩化第二鉄、塩化亜鉛、硫酸銅、クエン酸銅、サリチル酸、イオウ、アラビアゴム、トラカガントゴム、でんぷん、アガー、メチルセルロース、グリセリン、プロピレングリコール、オリーブ油、ツバキ油、ゴマ油、ナタネ油、ダイズ油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、ヤシ油、カカオ脂、ステアリン酸、牛脂、豚脂、ラノリン、パラフィン、ペトロラタム、蜜ろう、タルク、カオリン、石松子、薬用炭、フィブリノーゲン、トロンボプラスチン、吸収性ゼラチンスポンジ、酸化セルロース、メトキサレン、モノベンゾンなどが挙げられる。
前記ビタミン剤としては、ビタミンA、ビタミンD,ビタミンE,ビタミンF、ビタミンK、ユビキノン、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、パントテン酸、α−リポ酸、ビチオン、葉酸、メゾイノチトール、p-アミノ酸安息香酸、シアノコバラミン、プロスルチアミン、フルスルチアミン、オクトチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、シコチアミン、ジセチアミン、アスコルビン酸、ビタミンPなどが挙げられる。
前記化学療法剤としては、ペニシリン系、セフェム系、オキサセフェム系、モノパクタム系、カルパペネム系、βラクタマーゼ阻害剤、ホスホマイシン、アミノ配糖体系、クロラムフェニコール、テトラサイクリン系、マクロライド系、リンコマイシン系、リファマイシン、抗ミコバクテリウム系、ポリエンマクロライド系、合成抗菌薬などの抗生物質、サルファ剤、キノロン剤、ビタラビン、イドクスウリジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ジドブシン、ジダノジン、インターフェロン、アマンタジン、エメチン、ピリメタミン、クロロキン、プリマキン、キナクリン、メトロニダゾール、イセチオン酸ペンタミジン、サントニン、カイニン酸、ピペラジン塩、パモ酸ピランテル、プラジカンテル、カマラ、酒石酸アンチモンナトリウム、ジエチルカルバマジン、ヘキシルレゾルシン、アンチモン化合物、ニクロサミド、ビオチノール、ベフェニウムヒドロキシナフトエート、ピルビニウムパモエート、イソチアニド、ストレプトマイシン、リファンピシン、エタンブトール、パラアミノサリチル酸、塩酸メクロルエタミン、シクロフォスファミド、メルファラン、チオテパ、ブスルファン、ニムスチン、メトトレキサート、6−メルカオウトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール、テストステロンプロピオネート、フルオキシメステロン、クラウステロン、ハイドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメタゾン、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アクチノマイシンD、アントラサイクリン、ドキソルビシン、ダウノビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ブレオマイシン、ペプロマイシン、マイトマイシンC、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、イリノテカン、L−アスパラキナーゼ、ペントスタチン、シスプラチン、トレチノイン、ビシバニール、クレスチン、リン酸オセルタミビルなどが挙げられる。
前記生物学的製剤としては、例えば、ジフテリア、破傷風混合ワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥弱毒風疹ワクチン、乾燥弱毒麻疹ワクチン、インフルエンザHAワクチン、日本脳炎ワクチン、乾燥BCGワクチン、痘瘡ワクチン、コレラワクチン、ワイル病秋疫混合ワクチン、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、ガス壊疽抗毒素、ジフテリア抗毒素、蛇抗毒素、破傷風抗毒素、精製ツベルクリン、BCGなどが挙げられる。
前記漢方薬しては、例えば、安中散、釣藤散、黄連解毒湯、桂枝茯苓丸、小紫胡湯、抑肝散、八味地黄丸、葛根湯などが挙げられる。
(標的核酸検出装置)
本発明の標的核酸検出装置としては、以下の第一から第二の標的核酸検出装置が好適に挙げられる。
前記第一の標的核酸検出装置は、試料中の標的核酸を検出するための核酸プローブが担体に固定された核酸分析用デバイスであって、前記核酸プローブは標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し前記標的核酸から解離するよう設計されている。
前記第二の標的核酸検出装置は、本発明の前記核酸プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション手段と、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルを検出することにより該標的核酸の存在を検出する標的核酸検出手段と、を含む。
前記ハイブリダイゼーション手段としては、本発明の前記核酸プローブを前記標的核酸にハイブリダイゼーションさせることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記核酸チップなどが好適に挙げられる。
前記標的核酸検出手段は、本発明の前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に生じた前記シグナルを検出することにより前記標的核酸を検出する手段であり、例えば、上述したシグナルが、発光、消光等の場合には受光装置、カメラ等などが挙げられ、放射線の放射の場合には感光フィルムなどが挙げられ、温度変化の場合には熱電対、温度センサーなどが挙げられ、磁力変化の場合には磁力センサーなどが挙げられ、切断片発生の場合には電気泳動、SDS−PAGE、ウエスタン・ブロッティングなどが挙げられ、物質生産の場合には抗体、HPLC、アフィニティークロマトグラフィーなどが挙げられ、物質消費の場合にはIRスペクトル、MSスペクトルなどが挙げられ、変形の場合には電子顕微鏡などが挙げられ、粘度変化の場合には粘度センサーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2以上を併用してもよい。
前記シグナルが、前記核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイズした際に該核酸プローブが切断されて生じた、前記第一プローブ断片及び前記第二プローブ断片の内、該第一プローブ断片に存在する前記発光部の発光である場合には、前記標的検出手段としては、蛍光顕微鏡、感光フィルム、CCDカメラなどが好適に挙げられる。
本発明においては、前記標的核酸検出手段が、前記標的核酸の存在のみならずその量までも定量することができるのが好ましい。
前記その他の手段としては、例えば、遺伝子情報データベースを格納するデータベース部、標的核酸検出手段の検出結果データと、前記データベース部に格納された遺伝子情報データとを比較し分析するデータ分析部、インターネットに通信可能であり、該インターネット上の遺伝子情報データベースにアクセス可能な通信部、前記標的核酸検出手段の検出結果データと、前記インターネット上の遺伝子情報データベースの遺伝子情報データとを比較し分析するデータ分析部、などが好適に挙げられる。
前記遺伝子情報データベースとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、特定の疾患に関する、健常人の遺伝子情報と患者の遺伝子情報とを含むものが好ましい。
本発明の前記標的核酸検出装置の好ましい具体例としては、前記ハイブリダイゼーション手段としての本発明の前記核酸チップと、前記標的検出手段としての前記蛍光顕微鏡とを含む本発明の前記標的検出装置が、図9に示すように、更に、CPU31、入力装置32、メモリ33、通信装置34、データベース装置36、及びこれらを双方向通信可能に接続するメインバス37を備えているものが挙げられる。
CPU31は、前記標的核酸検出装置の全体を制御し、メモリ33に格納されたプログラム、各種データ等に基づいて動作し、各種機能を実現する。ここで該各種機能とは、他の標的核酸検出装置から受け取ったデータを診断する遠隔診断機能、他のプロバイダ及びその他サーバーとの情報の受け渡しを制御するため、異なる信号を統一化する照合処理機能、前記標的核酸に関する各種情報を提供するデータベース処理機能などが挙げられる。前記各種データとしては、遺伝子診断のために作られる各種リストのデータなどが挙げられる。
入力装置32は、プロバイダの管理者が、遺伝子診断の条件などの入力を行うための装置である。メモリ33は、CPU31によってアクセスされるためのプログラムや前記遺伝子情報データベース、前記標的核酸検出装置が受信した情報、必要に応じて記憶装置35、データベース装置36等から読み出した情報、などを格納する機能を有する。
通信装置34は、インターネット、通信回線15等を介した外部との通信を制御する装置である。通信装置34は、例えば、モデムを変換装置として備えていてもよいし、ISDN回線との接続に介在するターミナルアダプタ(TA)及びデジタルサービスユニット(DSU)を備えていてもよい。
記憶装置35は、各種プログラムや各種データを格納し、記憶する機能を有し、例えば、記憶手段としてのROM38、ROM38に記憶された記憶媒体を読み込むレコーダー39などを有している。記憶装置35としては、ROM等の電子メモリ回路(電子記憶媒体)のほかに、フロッピーディスク等の磁気記憶媒体を前記記憶媒体とする磁気記憶装置、CD−ROM等の光学的記録媒体を前記記憶媒体とする光学記憶装置などが挙げられる。前記記憶媒体としては、記憶装置35に固定的に設けたものであってもよいし、着脱自在に設けたものであってもよい。記憶装置35に記憶されるプログラム、データ等は、前記標的核酸検出装置外にある記憶装置から通信手段を介して受信するようにしてもよい。
データベース装置36は、過去の前記標的核酸のデータリストなどを内部に格納している。
(遺伝子診断方法)
本発明の遺伝子診断方法は、本発明の前記標的遺伝子検出装置を用い、標的核酸発現量定量ステップと、診断ステップとを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他のステップを含む。
前記標的核酸発現量定量ステップは、被検者における、特定疾患に関する標的核酸の発現量を定量するステップである。
該ステップは、上述した本発明の標的核酸検出装置を用いた本発明の標的核酸検出方法により好適に行うことができ、例えば、本発明の前記核酸プローブを用い、前記標的核酸の発現量と発光量との関係を表す検量線を予め作成しておき、該検量線を用いて定量することにより、行うことができる。
前記診断ステップは、該被検者における前記特定疾患に関する標的核酸の発現量と、遺伝子情報データベースに含まれる、該特定疾患に関する標的核酸の健常人の発現量及び患者の発現量とをデータ分析部により比較し、該被検者が前記特定疾患の患者であるか否かを診断するステップである。
該診断ステップは、本発明の前記標的検出装置における、前記データベース部、前記データ分析部、前記通信部、前記データ分析部などにより好適に行うことができる。例えば、上述した記憶装置35に、該遺伝子診断方法のプログラムを記憶させておき、データベース装置36に過去の検出データから平均化された後述の(Xi−S/M−S)におけるS値とM値とを記憶させておき、前記被検者の前記疾患遺伝子(前記Xi)を前記標的核酸検出装置で定量し、前記CPUが前記(Xi−S/M−S)を計算し、前記被検者の健康状態をCPUが診断する。本発明の遺伝子診断方法によると、僻地等であっても診断が可能となる点で有利である。
前記診断ステップにおいては、例えば、特定疾患に関する標的遺伝子の、患者の発現量をMとし、健常人の発現量をSとし、被検者の発現量をXiとしたとき、(Xi−S/M−S)≧0.9、を満たすとき、該被検者を前記特定疾患の患者であると診断するようにしてもよい。このような計算は、前記標的核酸検出装置における前記CPU等により瞬時に行うことができ、この場合、高速なコンピューター診断が可能となる。
なお、前記(Xi−S/M−S)の値が、0.1以下であると、一般に、疾病の因子がない、予後がよいことなどを意味し、0.9近づくにつれて、ある被検者の標的核酸(疾患遺伝子)の発現が特定の疾患の状態に近づいていることを意味し、0.9を超えると、前記標的核酸(疾患遺伝子)の発現量が90%疾患遺伝子をもつ患者及び因子を持つ健常人に近いこととを意味する。
前記その他のステップとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、疾患遺伝子をいくつかの候補をから選択する選択ステップ、などが挙げられる。
本発明の遺伝子診断方法により診断することができる病気乃至疾患としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、癌、アルカプトン尿症、全身性エリトマトーデス、皮膚筋炎、慢性関節リュウマチ、強皮症、精神病、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、ループス腎炎、クロイトフェルツヤコブ病、アルツハイマー病、パーキンソン病、マルファン症候群、ウィリアムス症候群、再生不良性貧血、赤血球増多症、ファンコニ症候群、血友病A、血友病B、ホン・ウィルブランド病、血小板無力症、突発性血小板減少性紫斑病、チェアダック・東症候群、尋常性天疱瘡、フレリー症候群、脆弱X症候群、エドワード症候群、ミラー・デッガー症候群、プラダーヴィリー症候群、クブロッホ・サルツバーガー症候群、ローン症候群、クラインフェルター症候群、アンジェルマン症候群、網膜色素変性症、爪膝蓋骨症候群、ベーチェット病、マジャトジョセフ病、ゾリンガー・エリソン症候群、猫鳴き症候群、ターナー症候群、ストレンジプール病、メルゲルソン・ローゼンタール症候群、アルドステロン症、橋本病、クレチン病、クッシング症候群、ADH分泌異常症候群、末端肥大症、鎌形赤血球症、潰瘍性大腸炎、クローン病、家族性大腸性ポリポーシス、ダウン症、糖尿病、メープルシロップ尿症、筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィー、痛風、多発性筋炎、シェグレン症候群、混合性結合織病、ピルエ・ロビン症候群、プルーマー・ビンソン症候群、ランセイ・ハント症候群、顔面半側萎縮症、外胚葉性異型性症、骨形成不全症、オスラー病、ライター症候群、サルコイドーシス,若年性関節リュウマチ、ギルバート症候群、ローター症候群、ヘモクトマトーシス、フェニルケトン尿症、グリシン尿症、チロシノーシス、シスチン尿症、ホモシスチン尿症、ホルナー症候群、プラダーウィリ症候群、ゴージェ病、ヒスチジン血症、ウィルソン病、骨軟化症、嚢胞性繊維症、ポルフィリン代謝異常、ビリルビン代謝異常、ADA欠損症、自己免疫性溶血性貧血、サラセミア、ヘモグロビンC症、ピルビン酸キナーゼ欠損症、G6PD欠損症、遺伝性球状赤血球症、家族性周期性四肢麻痺、重症筋無力症、ギランバレー症候群、多発性硬化症、副甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症、クローゾン病、インスリノーマ、バセドウ病、高脂血症、舞踏病、高血圧、緑内障、白内障などが挙げられる。本発明の遺伝子診断方法は、これらの診断のみならず、これらの予後の推定、疾病にかかるリスク推定などを行うこともでき、また、投与する薬剤に対する生体の適応性などを標的核酸(遺伝子)の発現量により分析等することもできる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−核酸プローブの設計−
本発明の核酸プローブとして、前記標的核酸にハイブリダイゼーション可能な領域となる塩基配列3a及び3bを両末端に有し、公知のリボザイム(8〜17DNAzyme)を一部に有してなる塩基配列を用いた。該塩基配列は、下記配列1に示す塩基配列を有しており、前記切断部としてのrAは、5’末端側から数えて15番目に位置していた。また、前記切断部としてのrAを切断する活性を有する前記切断活性領域(リボザイム活性を示す)は、5’末端側から数えて32番目に位置するTと、5’末端側から数えて46番目に位置するAとの間に存在していた。この選抜した塩基配列における、5’末端側から14番目の塩基(T(dT))として、前記発光部としての蛍光物質(F):フルオロセインが結合したチミン(dT)、即ちフルオロセイン−dT((グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用い、5’末端側から18番目の塩基(T)として、前記消光部としての消光物質(Q):ジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)が結合したチミン(dT)、即ちジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)−dT(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用いた。以上により、実施例1の核酸プローブを作製した。また、5’末端から1番目のAから5’末端から10番目のCまでを3bとし、3’末端から1番目のCから3’末端から10番目のCまでを3aとした。
(配列1)
5’−ACTTCTCATCAACTrAGGTCTTTTTTTTTGACTCCGAGCCGGACGAAGTTCTAGTTGGTC−3’
図2は、実施例1の核酸プローブの一次元構造を模式化した図であり、塩基配列3a側が3’末端側であり、塩基配列3b側が5’末端側である(上記(配列1)と左右が逆になっている)。図2に示すように、前記切断部としてのrAは、前記発光部及び前記消光部の間に存在するため、該切断部が切断されて、実施例1の核酸プローブが第一プローブ断片と、第二プローブ断片とに分割されると、前記発光部は前記第一プローブ断片上に存在することになり、前記消光部は前記第二プローブ断片上に存在することになる。
図3は、実施例1の核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションした際の三次元構造を模式化した図である。図3に示すように、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に分子内でハイブリダイゼーション可能な領域が前記切断部を中心(間)にして互いに隣接して位置する2つである場合、その内の塩基配列3a及び3b側に近い方をYとし、他方をZとしたとき、前記Yの塩基配列数が4であり、前記Zの塩基配列数が4であり、前記Y及びZの合計の塩基配列数が8であった。
−核酸プローブの合成−
以上のように設計した実施例1の核酸プローブを、DNA合成機を使用した固相合成法により、固相合成し、脱保護を行い、ゲル電気泳動法により目的鎖長の前記核酸プローブのみを分離精製した。
まず、A−TOM−CE (Phosphoramidites)(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を保護基として用い、発光物質F及び消光物質Qを保護し、前記DNA合成機(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用いた固相法により、1μmolの濃度の前記標識物質を導入した本発明における核酸プローブを合成した。
合成後、生成物をチューブに移し、ここにメチルアミン(40%メチルアミン水溶液と、33%メチオアミン・エタノール溶液の等量混合液)を1.5ml添加し、35℃で6時間のインキュベートをし、前記核酸プローブを、前記固相から取り出し、前記標識物質の保護基を除去した。
次に、前記チューブを氷上で冷やした後、前記チューブを注意深く開け、滅菌状態下で上清を回収し、凍結乾燥した。該凍結乾燥後、1Mのテトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン(THF)溶液1mlを、前記チューブに添加し、50℃で、10分間の浸盪をし、前記核酸プローブについた前記保護基と、前記標識物質の部位にある基とを除去し、35℃に冷却した後、再び6時間の浸盪をした。
次に、1Mのトリス緩衝液(pH7.4)1mlをチューブに添加した後、よく浸盪し、遠心濃縮法により、前記THFを除去した。更に、1Mのトリス緩衝液(pH7.4)1mlを、前記チューブに添加し、前記チューブ内の核酸プローブ溶液の全量を2mlとした。
−核酸プローブの精製−
NAP−25カラム(ファルマシア社製)を、水15mlで平衡化した後、前記核酸プローブ溶液2mlを前記NAP−25カラムに加えた。前記核酸プローブ溶液を完全に前記カラムに浸透させた後、蒸留水0.5mlを加え、いわゆるゲルろ過を行い、不純物を除去した。更に蒸留水3mlを用いて、脱塩した前記核酸プローブを溶出した。
前記ゲルろ過した核酸プローブを凍結乾燥した後、7Mの尿素を含有した20%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製した。前記電気泳動後、UV照射することにより、核酸プローブのバンドを確認し、前記バンドの分画を切り出した。前記分画を遠心管に入れ、ガラス棒を用いてゲルを粉砕し、水を10ml加え、37℃で6時間の浸盪をした。透析後、凍結乾燥処理を行い固化物を得た。該固化物を蒸留水0.4mlに溶解した後、−20℃に冷凍保存した。
−ハイブリダイゼーション及び切断活性反応−
前記標的核酸として、下記配列2に示す塩基配列を有する22ntのオリゴヌクレオチドを用意した。
(配列2)
5’−GACCAACTAGAAGATGAGAAGT−3’
前記標的核酸500pmolと、前記核酸プローブ100pmolとを、50mMトリス−25mM塩化マグネシウム水溶液(pH7.2)100μl中、37℃で1.5時間、インキュベートをした。更にエタノール800μlを加え、4℃で12,000gの遠心分離を行い、エタノール沈殿を行った。上清を除き、残存している前記エタノールを真空乾燥により完全に除去した。
−標的核酸の検出−
前記真空乾燥により、前記エタノールが完全に除去された沈殿物を、ホルムアルデヒド5μlで溶解し、7Mの尿素を含有した20%ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動を行った。UVランプを照射し、バンドの存在を確認したところ、前記核酸プローブよりも長さが短い前記核酸プローブ断片が観られた。この結果、前記核酸プローブは、前記標的核酸とハイブリダイゼーションし、前記切断活性領域による前記切断部の自己切断が生じたことが確認された。
前記標的核酸10pmolと、前記核酸プローブ100pmolとを、50mMトリス−25mM塩化マグネシウム水溶液(pH7.2)100μl中で、37℃で、6時間のインキュベートをした(マグネシウムイオンの濃度は25mMであった)。この反応溶液に波長495nmの励起光を照射し、測定蛍光波長520nmの蛍光スペクトル変化を蛍光測定機(島津製作所製、RF−5300PC)を用いて測定した。前記蛍光の強度の増加から、前記核酸プローブが前記標的核酸とハイブリダイゼーションし、前記切断活性領域による前記切断部の自己切断が生じたことが確認された。
前記発光の強度変化から前記核酸プローブの切断量を割り出したグラフを図4に示した。図4中、実線は、前記発光の強度から割り出した前記核酸プローブの切断量を示し、点線は、発光の増幅ができない従来の核酸プローブを用いた場合の理論値を示す。
この結果から、従来の核酸プローブでは、1当量の前記標的核酸に対して、1当量のプローブしか反応しないが、本発明の核酸プローブでは、時間と共に切断量が増加し、1当量の前記標的核酸に対し、1当量以上の反応を示し、発光が増幅されることが判った。
(実施例2)
−核酸プローブの設計−
本発明の核酸プローブとして、下記配列3〜5の塩基配列を有する核酸プローブを選抜した。具体的には、前記標的核酸にハイブリダイゼーション可能な領域となる、5’末端側に位置するX配列の3’末端側に続くX側配列(5’末端側からGTAGGAGT)及び3’末端側に位置するY配列の5’末端側に続くY側配列(3’末端側からGTGCCAGG)を両末端に有する一本鎖のDNAランダム配列プールを作製した。該DNAランダム配列プールには、前記X側配列(塩基配列数:8)及び前記Y側配列(塩基配列数:8)の間のランダム配列の長さや配列種が異なる多数の塩基配列が含まれている。該DNAランダム配列プールは、DNA合成装置を用いて、3’末端側に位置する前記Y配列及びY側配列の内、該Y側配列の5’末端側に位置するシトシン(C)から一塩基づつ伸長させて、前記Y側配列に続くランダム配列を合成し、該ランダム配列の5’末端に、前記X配列の3’末端と前記X側配列の5’末端とが結合した配列における3’側のグアニン(G)を結合させることにより、合成した。なお、このランダム配列中には、前記切断部としてのrA(塩基がアデニンで、糖がリボース)が1つ含まれている。
次に、前記DNAランダム配列プールに含まれる多数の塩基配列の中から前記切断部の切断活性の高いものを選抜した。この選抜した塩基配列は、下記配列3〜5に示す塩基配列を有していた。
配列3では、前記切断部としてのrAは、5’末端側から数えて14番目に位置していた。また、前記切断部としてのrAを切断する活性を有する前記切断活性領域(リボザイム活性を示す)は、5’末端側から数えて29番目に位置するTと、5’末端側から数えて43番目に位置するAとの間に存在していた。配列3における、5’末端側から22番目の塩基(T(dT))として、前記消光部としての消光物質(Q):ジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)が結合したチミン(dT)、即ちジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)−dT(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用い、5’末端に、前記発光部としての蛍光物質(F):フルオロセインを結合させた、即ちフルオロセイン((グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を結合させた。以上により、実施例2における配列3の核酸プローブを作製した。
配列4では、前記切断部としてのrAは、5’末端側から数えて20番目に位置していた。また、前記切断部としてのrAを切断する活性を有する前記切断活性領域(リボザイム活性を示す)は、5’末端側から数えて35番目に位置するTと、5’末端側から数えて49番目に位置するAとの間に存在していた。配列4における、5’末端側から28番目の塩基(T(dT))として、前記消光部としての消光物質(Q):ジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)が結合したチミン(dT)、即ちジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)−dT(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用い、5’末端に、前記蛍光部としての蛍光物質(F):フルオロセインを結合させた、即ちフルオロセイン((グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を結合させた。以上により、実施例2における配列4の核酸プローブを作製した。
配列5では、前記切断部としてのrAは、5’末端側から数えて18番目に位置していた。また、前記切断部としてのrAを切断する活性を有する前記切断活性領域(リボザイム活性を示す)は、5’末端側から数えて33番目に位置するTと、5’末端側から数えて47番目に位置するAとの間に存在していた。配列5における、5’末端側から26番目の塩基(T(dT))として、前記消光部としての消光物質(Q):ジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)が結合したチミン(dT)、即ちジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)−dT(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用い、5’末端に、前記蛍光部としての蛍光物質(F):フルオロセインを結合させた、即ちフルオロセイン((グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を結合させた。以上により、実施例2における配列5の核酸プローブを作製した。
(配列3)
5’−CCGTAGGAGTGCTrAGTCTTTTTTTTTGATCCGAGCCGGACGAAGCGGACCGTGTC−3’
(配列4)
5’−AAAAAGCCGTAGGAGTGCTrAGTCTTTTTTTTTGATCCGAGCCGGACGAAGCGGACCGTGTC−3’
(配列5)
5’−AAAAAGGTAGGAGTGCTrAGTCTTTTTTTTTGATCCGAGCCGGACGAAGCGGACCGTG−3’
図5Bは、実施例2の核酸プローブの一次元構造を模式化した図である。
前記配列3の核酸プローブは、図5Aに示すように、5’末端側の前記X配列が5’末端側からCCの2塩基であり、3’末端側の前記Y配列が3’末端側からCTの2塩基であり、*印に位置する塩基(T)として、消光物質Qであるジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)が結合したチミン(T(dT))、即ちジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)−dT(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用い、5´末端(最末端)に位置する塩基として、発光物質Fであるフルオレセインが結合したリン酸基、即ちフルオレセインホスホロアミダイト(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用いた。前記配列3の核酸プローブにおいては、前記標的核酸とハイブリダイゼーションする領域の塩基配列数は、3’末端側が10であり、5’末端側が10であった。
前記配列4の核酸プローブは、図5Aに示すように、5’末端側の前記X配列が5’末端側からAAAAAGCCの8塩基であり、3’末端側の前記Y配列が3’末端側からCTの2塩基であり、*印に位置する塩基(T)として、消光物質Qであるジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)が結合したチミン(T(dT))、即ちジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)−dT(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用い、5´末端(最末端)に、発光物質Fであるフルオレセインが結合したリン酸基、即ちフルオレセインホスホロアミダイト((グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を結合させた。前記配列3の核酸プローブにおいては、前記標的核酸とハイブリダイゼーションする領域の塩基配列数は、3’末端側が10であり、5’末端側が10であった。
前記配列5の核酸プローブは、図5Aに示すように、5’末端側の前記X配列が5’末端側からAAAAAGの6塩基であり、3’末端側の前記Y配列が0塩基であり、*印に位置する塩基(T)として、消光物質Qであるジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)が結合したチミン(T(dT))、即ちジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)−dT(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用い、5´末端(最末端)に、発光物質Fであるフルオレセインが結合したリン酸基、即ちフルオレセインホスホロアミダイト((グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を結合させた。前記配列5の核酸プローブにおいては、前記標的核酸とハイブリダイゼーションする領域の塩基配列数は、5’末端側が8であり、3’末端側が8であった。
なお、実施例2における、前記配列3の核酸プローブを「TASC1プローブ」、前記配列4の核酸プローブを「Locked TASC2プローブ」、前記配列5の核酸プローブを「Locked TASC3プローブ」と、それぞれ称することがある。
前記配列3〜5の各核酸プローブにおいては、図5Aに示すように、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に分子内でハイブリダイゼーション可能な領域が前記切断部(rA)を中心(間)にして互いに隣接して位置する2つである場合、その内の前記X配列及び前記Y配列に近い方をYとし、他方をZとしたとき、前記Yの塩基配列数が3であり、前記Zの塩基配列数が3であり、前記Y及びZの合計の塩基配列数が6であった。また、前記配列3〜5の各核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際には、前記切断部(rA)と対向する側に前記切断活性領域(リボザイム活性を示す)が形成されており、該切断活性領域には3塩基対の相補鎖部位が存在していた。
なお、前記配列3〜5の各核酸プローブは、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、5’末端(5’最末端)に位置する前記X配列と、3’末端側であって最末端ではなく5’末端側にずれた箇所に位置し、該X配列に対する相補配列とが、分子内ハイブリダイゼーションを生じているため、図5A右に示すような、ステムループ構造を有していた。このステムループ構造は、該核酸プローブが前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に解かれた。実施例2の核酸プローブは、前記Locked TASCプローブであり、標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、前記ステムループ構造を維持し、前記切断活性領域を形成せず、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記ステムループ構造が解かれて初めて前記切断活性領域が形成された。
−核酸プローブの合成−
以上のように設計した前記核酸プローブを、DNA合成機を使用した固相合成法により、固相合成し、脱保護を行い、ゲル電気泳動法により目的鎖長の前記核酸プローブのみを以下のように分離精製した。
まず、ホスホロアミダイト(Phosphoramidites)(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)のBz-dAと、Bu-dGと、Ac-dCと、fluoresceinと、Ac-A-Tomと、ダブシル−dTとを用い、DNA/RNA合成機(ABI 392、パーキン−エルマー社製)を用いて前記核酸プローブをそれぞれ合成した。
前記合成後、合成物をチューブに移し、メチルアミン溶液(40%メチルアミン水溶液(フルカ社製 75590)と、33%メチルアミン・エタノール溶液(フルカ社製 75580)との等量混合液を1.5ml添加し、35℃で6時間のインキュベートをし、前記核酸プローブについた不純物を除去した。
前記チューブを氷上で冷やした後、前記チューブを注意深く開け、上清を回収し、凍結乾燥した。該凍結乾燥後、1Mのテトラブチルアンモニウム・テトラヒドロフラン(THF)溶液1mlを、前記チューブに添加し、50℃で10分間の浸盪をし、35℃に冷却後、再び6時間浸盪し、前記核酸プローブについた前記保護基を除去した。
−核酸プローブの精製−
NAP−25カラム(ファルマシア社製)を蒸留水15mlで平衡化した後、前記核酸プローブ溶液2mlを前記NAP−25カラムに加えた。前記核酸プローブ溶液を完全に前記NAP−25カラムに浸透させた後、蒸留水0.5mlを加え、いわゆるゲルろ過を行い、不純物を除去した。更に蒸留水3mlを用いて、脱塩した前記核酸プローブを溶出した。
前記ゲルろ過した核酸プローブを凍結乾燥した後、7Mの尿素を含有した8%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製した。前記電気泳動後、UV照射することにより、前記核酸プローブのバンドを確認し、この分画を切り出した。該分画を遠心管に入れ、ガラス棒を用いてゲルを粉砕し、水を10ml加え、37℃で6時間の浸盪をした。透析後、凍結乾燥処理を行い固化物を得た。該固化物を蒸留水0.4mlに溶解した後、−20℃で冷凍保存した。
−ハイブリダイゼーション及び切断活性反応−
前記標的核酸として、下記配列6に示す22ntのオリゴヌクレオチドと、下記配列7に示す22ntのオリゴヌクレオチドとを用意した。これらのオリゴヌクレオチドは、それぞれ大腸菌K12−MG1655の16SリボソームRNA326−347領域のRNA配列と、それをDNAに置き換えたDNA配列である。
(配列6)
5’−GACACGGTCCAGACTCCTACGG−3’
(配列7)
5’−GACACGGUCCAGACUCCUACGG−3’
前記標的核酸500pmol水溶液、又は添加しない水溶液(2種)と、前記配列3の核酸プローブ水溶液と、前記配列4の核酸プローブ水溶液との2種を、それぞれ100pmolずつ下記組合せで混合し、25mM塩化マグネシウム50mMトリス−HCl緩衝溶液(pH7.2)100μl中に添加し、3時間インキュベートした(マグネシウムイオン濃度は25mMである)。この反応液をアクリルアミド電気泳動にて解析し、切断されているバンドをデンシトグラフ(ATTO社製)を用いて測定した。
前記配列3の核酸プローブ(TASC1プローブ)の水溶液のみが添加された反応液では、Kobsは、1.9×10−3min−1であった。また、前記配列3の核酸プローブと、前記配列6の標的核酸とを添加した場合では、Kobsは、5.3×10−3min−1であった。アロステリックエフェクターとしてのパラメータ:Kobs/Kobsは、3であり、前記切断活性領域による前記切断部の自己切断が、前記標的核酸のみでも生じてしまうことが判った。
前記配列4の核酸プローブ(Locked TASC2プローブ:5’末端の配列が3’GAAAAA5’である)の水溶液のみ添加された反応液では、前記Kobsは、1.0×10−5min−1以下であり、前記配列4の核酸プローブと、前記配列6の標的核酸とを添加した場合では、Kobsは、4.4×10−3min−1であった。アロステリックエフェクターとしてのパラメータ:Kobs/Kobsは440以上であった。また、反応時間を24時間とした場合、前記配列4の核酸プローブのみ添加された反応液における自己切断は3%以下であった。この結果から、前記ステムループ構造を有すると、前記標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、前記切断活性領域による前記切断部の切断が生じてしまう擬陽性反応が改善されることが判った。
(実施例3)
実施例2において、前記配列3の核酸プローブ及び前記配列6の標的核酸を用いず、前記配列4の核酸プローブ(Locked TASC2プローブ)、前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)、下記配列8の核酸配列(前記配列5の核酸プローブとの相補鎖において2塩基相違)及び下記配列9の標的核酸(前記配列5の核酸プローブとの相補鎖において1塩基相違)を用いた以外は、実施例2と同様にして、前記標的核酸を検出した。
(配列8)
5’−GACACTGTCCAGACACCTACGG−3’
(配列9)
5’−GACACTGTCCAGACTCCTACGG−3’
前記配列8の標的核酸は、前記核酸プローブの相補鎖部分と2つ塩基配列が異なっており、前記配列9の標的核酸は、前記核酸プローブの相補鎖部分と1つ塩基配列が異なっている。
前記配列4の核酸プローブ(Locked TASC2プローブ)の溶液と、前記配列6の標的核酸溶液とが添加された反応液では、Kobs(full)が、4.4×10−3min−1であり、前記配列4の核酸プローブ(Locked TASC2プローブ)の溶液と、前記配列8の標的核酸溶液とが添加された反応液では、Kobs(1−mis)が、4.0×10−3min−1であり、前記配列4の核酸プローブ(Locked TASC2プローブ)の溶液と、前記配列9の標的核酸を添加した反応液では、Kobs(2−mis+)が、1.0×10−5未満であった。
前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)溶液と、前記配列6の標的核酸溶液とが添加された反応液では、Kobs(full)が、4.3×10−3min−1であり、前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)溶液と、前記配列8の標的核酸とが添加された反応液では、Kobs(1−mis)が、1×10−5min−1以下であり、前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)溶液と、前記配列9の標的核酸とが添加された反応液では、Kobs(2−mis+)が、1.0×10−5以下であった。アロステリックエフェクターとしてのパラメータ:Kobs(full)/Kobs(1−mis)は440以上であった。
以上の結果から、前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)は、前記標的核酸が1塩基でも異なれば反応せず、前記標的核酸に対する選択性が極めて高く、該標的核酸とハイブリダイゼーションする領域の塩基配列数としては、8+8(2ケ所)=16(合計)が特に好ましいことが判った。
(実施例4)
実施例3において、前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)溶液を用い、前記配列4の核酸プローブ(Locked TASC2プローブ)を用いず、25mM塩化マグネシウム50mMトリス−HCL緩衝溶液(pH7.2)100μlの代わりに、900mMのNaCl50mMトリス−HCL緩衝溶液(pH7.2)100μlを等量用いた以外は、実施例2と同様にして、前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)溶液と、前記配列6の標的核酸溶液とを反応させ、反応液をフルオロセイン 96ウエルミクロプレート(コーニング社製)にスポットし、蛍光イメージャー(バルサドク 3000 フルオロセイン イメージャー、バイオラド社製)で、観察した。結果を図10に示した。
この結果から、前記核酸プローブは、マグネシウムイオンが存在する場合には、前記切断活性領域の切断活性が生じたが(図10のレーン1参照)、ナトリウムイオンが存在する場合には、前記切断活性領域の切断活性が生じない(図10のレーン2参照)ことが判った。
(実施例5)
E.coliを、菌懸濁液のOD600の値が0.5になるまで培養し、167μlの前記菌懸濁液を4000rpm、10分間で遠心分離した後、上清を除去し、沈殿した菌体を4%のパラホルムアルデヒドで1時間固定し、PBSで洗浄し、1μMの前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)のトリス−HCl緩衝液(50mM、pH7.2、0.1%SDS)(25mM MgCl又は0.9MのNaCl、前記10μMのヘルパーオリゴヌクレオチド又は何も含有しないを含む)を調整した。この混合液(3種:前記25mMのMgClが存在し、前記ヘルパーオリゴヌクレオチド水溶液が、添加されない混合液、前記0.9MのNaClが存在し、前記ヘルパーオリゴヌクレオチド水溶液とを添加した混合液、前記25mMのMgClが存在し、前記ヘルパーオリゴヌクレオチド水溶液とを添加した混合液)を、37℃でインキュベートした。3μlの前記混合液を数回遠心し、蛍光顕微鏡(KSオリンパス社製)を用いて観察した。
前記ヘルパーオリゴヌクレオチドの塩基配列を下記配列10及び11に示す。
(配列10)
3’−GTCGGTGTGACCTTGACTCT−5’
(配列11)
3’−CCCTCCGTCGTCACCCCTTA−5’
この結果を図11に示した。図11のa(左写真)は、前記ヘルパーオリゴヌクレオチド水溶液が添加されず、前記MgCl水溶液を添加した混合液の画像であり、全く発光が観られなかった。図11のb(中央写真)は、前記ヘルパーオリゴヌクレオチド水溶液と、前記NaCl水溶液とを添加した混合液の画像であり、弱い蛍光のみが観測された。図11のc(右写真)は、前記ヘルパーオリゴヌクレオチド水溶液と、前記MgCl水溶液とを添加した混合液の画像であり、強い発光が確認された。
この結果から、前記核酸プローブは、細菌類の細胞に導入することができ、前記ヘルパーオリゴヌクレオチドと、前記MgClとを添加(マグネシウムイオンが存在)することにより、発光が増幅されることが確認された。
(実施例6)
実施例2において、下記配列12〜15の塩基配列を持つ核酸プローブを設計した以外は、実施例2と同様にして実施例6の核酸プローブを合成した。
(配列12)
5’−AAAAAGCCGTAGGAGTGCTAGTCTTTTT−3’
(配列13)
5’−CCGTAGGAGTGCTTTTTAGCGGACCGTGTC−3’
(配列14)
5’−AAAAAGCCGTAGGAGTGCTA−3’
(配列15)
5’−GAAGCGGACCGTGTC−3’
前記配列12〜15の核酸プローブは、前記配列4及び前記配列5の核酸プローブ(ステムループ構造を有する)のモデルとなる核酸プローブである。
前記標的核酸として、以下の配列を持つオリゴヌクレオチドを用意した。
(配列16)
5’−GGCATCCTCAGACCTGGCACAG−3’
(配列17)
5’−CATCCTCAGACCTGGCAC−3’
前記配列13の核酸プローブは、前記配列16の標的核酸とハイブリダイゼーションする塩基配列数は、10+10(2ケ所)=20(合計)であり、また、前記配列17の標的核酸とハイブリダイゼーションする塩基配列数は、8+8(2ケ所)=16(合計)であった。
実施例2において、前記配列3〜5との核酸プローブを前記配列12〜15の核酸プローブに、前記配列6〜7の標的核酸を前記配列16〜17の標的核酸に代え、温度条件を変化させ、以下に示す前記核酸プローブと前記標的核酸との組合せで反応液を組成した以外は、実施例2と同様にして、前記反応液を260nmの吸光度を測定した。吸光度と温度との関係を図13に示した。
前記配列12の核酸プローブは、標的核酸にハイブリダイゼーションする前においては、完全なステムループ構造を有し(図12A)、図13に示す線1のカーブにおける中心のTm値は、43℃であった。この結果から、前記配列4の核酸プローブと前記配列5の核酸プローブとにおけるステムループ構造は、温度耐久性があることが判った。
前記配列13の核酸プローブと、前記配列16の標的核酸とをハイブリダイゼーションさせた結果を図13の線2で表し、前記配列13の核酸プローブと、前記配列17の標的核酸とをハイブリダイゼーションさせた結果を線3で表した(図12Bの形態である)。前記線2のカーブにおける中心のTm値は、62℃であり、前記線3のカーブにおける中心のTm値は、53℃であった。
前記配列14及び15の核酸プローブと、前記配列16の標的核酸とをハイブリダイゼーションさせた結果を図13の線4で示し、前記配列14及び15の核酸プローブと前記配列17の標的核酸とをハイブリダイゼーションさせた結果を図13の線5で示した(図12Cの形態である)。前記線4のカーブにおける中心のTm値は、50℃であり、前記線5のカーブにおける中心のTm値は、43℃であった。
この結果から、全てTm値は37℃以上となり、室温ではハイブリダイゼーションに問題が生じないことが判った。
(実施例7)
実施例2において、下記配列18の塩基配列を設計した以外は、実施例2と同様にして、実施例7の核酸プローブを合成した。
配列18では、前記切断部としてのrAは、5’末端側から数えて20番目に位置していた。また、配列18における、5’末端側から28番目の塩基(T(dT))として、前記消光部としての消光物質(Q):ジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)が結合したチミン(dT)、即ちジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)−dT(グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を用い、5’末端に、前記蛍光部としての蛍光物質(F):フルオロセインを結合させた、即ちフルオロセイン((グレンリサーチ(Glen Reserch)社製)を結合させた。以上により、実施例7における配列18の核酸プローブを作製した。
(配列18)
5’−AAAAAGACTTCTCATCGCTrAGTCTTTTTTTTTGATCCGAGCCGGACGAAGCCTAGTTGGTC−3’
Dulbecco`s培地で、Hela細胞(子宮癌細胞)を1日間培養し、増殖していることを顕微鏡で確認した。それぞれ1×10個/mlの濃度であることを確認し、100マイクロリットルづつ96穴プレートに分注した。100マイクロリットルのPBSバッファーで洗浄後、c−fos遺伝子を標的とする実施例7の核酸プローブ(1マイクロリットル)をリポフェクチン(インビトロゲン社製)とともに添加し、37℃で1時間培養させた。蛍光スペクトルを蛍光顕微鏡(KSオリンパス社製、FV500)を用いて検出した。
コントロールとして用いた正常細胞からは発光が検出されなかったが、前記Hela細胞からは顕著な蛍光増幅が観られらた。この結果から、前記核酸プローブは高等生物の生細胞でも用いることができ、前記癌細胞と、正常細胞とを診断する上で有用な情報を得ることができることが判った。
(実施例8)
(実施例8)
Dulbecco`s培地で、Hela細胞(子宮癌細胞)をそれぞれ1日間培養し、増殖していることを顕微鏡で確認した。1×105個/mlの濃度であることを確認し、100マイクロリットルづつ96穴プレートに分注した。培養液に増殖因子EGFとチロシンキナーゼ阻害剤を添加し、37℃で、6時間培養した。100マイクロリットルのPBSバッファーで洗浄後、EGFRシグナルマーカーc−fos遺伝子を標的とする実施例8の核酸プローブ(1マイクロリットル)をリポフェクチン(インビトロゲン社製)とともに添加し、37℃で1時間培養させた。蛍光スペクトルを確認を蛍光顕微鏡(KSオリンパス社製、FV500)を用いて検出した。コントロールとして用いたチロシンキナーゼ阻害剤を添加していない細胞からは発光が検出されたったが、前記チロシンキナーゼ阻害剤添加細胞からは顕著な蛍光の増幅が観られらた。
この結果から、チロシンキナーゼ阻害剤導入後の前記Hela細胞では、原癌遺伝子の発現が抑制されたことが判った。本発明の核酸プローブを用いると、医薬品のスクリーニングに有用な情報を得られることが判った。
(実施例9)
実施例2において、前記配列5の核酸プローブ(Locked TASC3プローブ)を用い、最終濃度が1mMのMgCl水溶液、5mMのMgCl水溶液、10mMのMgCl水溶液、15mMのMgCl水溶液、20mMのMgCl水溶液、30mMのMgCl水溶液中で反応させた以外は、実施例2と同様にして、前記配列5の核酸プローブと、前記配列6の標的核酸を反応させ、反応液をフルオロセイン96ウェルミクロプレート(コーニング社製)にスポットし、バルサドク3000フルオロセイン・イメージャー(バイオラド社製)で観察した。
この結果から、添加するMgClの好ましい濃度としては、20mM〜30mMであることが判った。
本発明によると、標的核酸にハイブリダイズした核酸プローブから生ずる発光を増幅させることにより、標的核酸に対する選択性が極めて高く、微量な標的核酸を高感度、高精度かつ高速で検出可能であり、遺伝子診断、食中毒菌の存在検査、虫歯乃至歯周病の診断、血液検査等に好適な核酸プローブを提供することができる。
本発明の核酸プローブは、ウイルス、細菌、動物細胞、植物細胞などの微量な標的核酸(遺伝子)の検出などに特に好適であり、輸血の血液のウイルス感染を防止する検査、神経疾患の病態分析に特に好適であり、人類の寿命及びQOLを向上させることができる。該核酸プローブは、酵素や試薬が不要であり、加熱等が不要で生体温度でも機能し、前記シグナルを細胞死を与えるほど増幅させる必要がなく、細胞を破壊せずとも標的核酸の検出が可能である等の点で有利である。
また、本発明によると、前記核酸プローブを固定することにより、微量な標的核酸を高感度、高精度かつ高速検出乃至分析が可能であり、遺伝子診断、食中毒菌の存在検査、虫歯乃至歯周病の診断、血液検査等に好適な核酸チップを提供することができる。該核酸チップは、本発明の前記核酸プローブを用いているので、該核酸プローブの効果をそのまま奏することができる。
また、本発明によると、前記核酸プローブを用いることにより、微量な標的核酸を高感度、高精度かつ高速検出乃至分析が可能な標的核酸検出方法及び標的核酸検出装置を提供することができる。本発明の標的核酸検出方法及び標的核酸検出装置は、通院の手間を省かせることで、僻地の患者、通院距離の長い地方及び国の患者のQOLを向上させることができる。該標的核酸検出方法及び標的核酸検出装置は、本発明の前記核酸プローブを用いているので、該核酸プローブによる効果をそのまま奏することができる。
また、本発明によると、前記核酸プローブを用いることにより、薬剤の投与効果を分析可能であり、所望の薬剤を効率良くスクリーニング可能な薬剤スクリーニング方法を提供することができる。本発明の薬剤スクリーニング方法は、今まで得ることのできなかった遺伝子情報から、副作用及び作用機序を明確にさせ、テイラーメード医療を実現させる製薬業に革命を起こし得る画期的な技術である。該薬剤スクリーニング方法は、本発明の前記核酸プローブを用いているので、該核酸プローブによる効果をそのまま奏することができる。
また、本発明によると、前記核酸プローブを用いることにより、特定疾患の患者であるかどうかを高効率かつ高精度で診断可能な遺伝子診断方法を提供することができる。本発明の遺伝子診断方法は、通院の手間を省かせることで、僻地の患者、通院距離の長い地方及び国の患者のQOLを向上させることができる。該遺伝子診断方法は、本発明の前記核酸プローブを用いているので、該核酸プローブによる効果をそのまま奏することができる。

Claims (58)

  1. 標的核酸を検出するための核酸プローブであって、
    該核酸プローブは前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し、前記標的核酸から解離するよう設計されていることを特徴とする核酸プローブ。
  2. 前記構造変化は自己核酸酵素の形成を含む請求の範囲第1項に記載の核酸プローブ。
  3. 前記核酸プローブは標識物質を有する請求の範囲第1項から第2項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  4. 標的核酸を検出するための核酸プローブであって、
    前記標的核酸の少なくとも一部の塩基配列と相補的な配列を有する相補部位と、
    自己核酸酵素を形成可能な核酸酵素形成部位と、
    を有することを特徴とする核酸プローブ。
  5. 前記自己核酸酵素は前記核酸プローブを特異的に切断する切断活性を有するものである請求の範囲第4項に記載の核酸プローブ。
  6. 前記核酸プローブ分子内でハイブリダイゼーション可能な配列を含む分子内ハイブリダイズ領域を有する請求の範囲第4項から第5項に記載の核酸プローブ。
  7. 前記標的核酸の存在を認識容易にする標識物質を有する請求の範囲第4項から第6項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  8. 前記標識物質は少なくとも一対の蛍光物質と消光物質とを有する請求の範囲第7項に記載の核酸プローブ。
  9. 担体に固定化されている請求の範囲第1項から第8項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  10. 標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、前記標的核酸にハイブリダイゼーションした際に構造が変化可能な構造可変部を有してなり、該構造可変部の構造が変化したときに該標的核酸から解離可能であることを特徴とする核酸プローブ。
  11. 標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに切断される切断部を有してなり、標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記切断部に対する切断活性を有する切断活性領域を形成可能であることを特徴とする核酸プローブ。
  12. 標的核酸にハイブリダイゼーションした際にシグナルを発生させるシグナル発生部を有する請求の範囲第10項から第11項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  13. 標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、
    切断されて前記標的核酸から解離可能な第一プローブ断片及び第二プローブ断片を生成する切断部と、
    シグナルを発生させるシグナル発生部と、
    を有してなることを特徴とする核酸プローブ。
  14. シグナル発生部が、第一プローブ断片及び第二プローブ断片が標的核酸から解離した時、シグナルを発生させる請求の範囲第12項から第13項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  15. シグナル発生部が、発光を生ずる発光部と、該発光部に隣接して位置しているときは該発光部の発光を消光させる消光部とを含む請求の範囲第12項から第14項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  16. 発光部が第一プローブ断片に存在し、消光部が第二プローブ断片上に存在する請求の範囲第15項に記載の核酸プローブ。
  17. 標的核酸にハイブリダイゼーションするまでは、分子内で一部が互いにハイブリダイゼーションしてロック構造を形成している請求の範囲第1項から第16項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  18. 標的核酸にハイブリダイゼーション可能であり、該標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに切断される切断部を有し、標的核酸にハイブリダイゼーションするまでは、分子内で一部が互いにハイブリダイゼーションしてロック構造を形成していることを特徴とする核酸プローブ。
  19. ロック構造が、ステムループ構造、ヘアピン構造、及びインターナルループ構造から選択される少なくとも1種である請求の範囲第17項から第18項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  20. ロック構造において分子内ハイブリダイゼーションが生じている分子内ハイブリダイゼーション領域の内、一方の相補鎖の塩基配列数が、3〜8ntである請求の範囲第17項から第19項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  21. 標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、分子内で一部が互いにハイブリダイゼーション可能な分子内ハイブリダイゼーション領域を有する請求の範囲第1項から第20項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  22. 分子内ハイブリダイゼーション領域が、2以上存在し、該領域の内、切断部を間にして互いに隣接して位置する2つの内の一方をYとし、他方をZとしたとき、Y及びZの合計の塩基配列数が、2〜12ntである請求の範囲第21項に記載の核酸プローブ。
  23. Yの塩基配列数が1〜8であり、Zの塩基配列数が1〜8である請求の範囲第22項に記載の核酸プローブ。
  24. 標的核酸と相補的な塩基配列を少なくとも2つ有し、該少なくとも2つの相補的な塩基配列における塩基数が6〜10である請求の範囲第1項から第23項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  25. 切断部がヌクレオチドで形成されており、該ヌクレオチドにおける糖がリボースである請求の範囲第11項、第13項及び第18項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  26. 標的核酸にハイブリダイゼーションした際に、切断部に対する切断活性を示す切断活性領域を形成可能な請求の範囲第11項、第13項及び第18項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  27. 切断活性領域が、DNAザイム活性、RNAザイム活性及びリボザイム活性の少なくともいずれか有する請求の範囲第26項に記載の核酸プローブ。
  28. 切断活性領域が、金属イオンと相互作用することにより、切断部に対する切断活性を示す請求の範囲第27項に記載の核酸プローブ。
  29. 金属イオンが、マグネシウムイオンである請求の範囲第28項に記載の核酸プローブ。
  30. 発光部が発光物質を有し、消光部が消光物質を有してなり、
    該発光物質と該消去物質との組合せが、フルオロセインイソチオシアネート(FITC)とテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)との組合せ、ジメチルアミノベンゼンスルフォニル(DABSYL)とフルオロセインとの組合せ、から選択される請求の範囲第15項から第29項のいずれかに記載の核酸プローブ。
  31. 請求の範囲第1項から第30項のいずれかに記載の核酸プローブを担体に固定してなることを特徴とする核酸チップ。
  32. 核酸プローブを用いて標的核酸を検出する核酸検出方法であって、
    前記核酸プローブは前記標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し前記標的核酸から解離するよう設計されていることを特徴とする標的核酸検出方法。
  33. 前記構造変化は自己核酸酵素の形成を含む請求の範囲第32項に記載の標的核酸検出方法。
  34. 前記核酸プローブは標識物質を有し、該標識物質から発せられるシグナルは前記核酸プローブが前記標的核酸から解離する前後で異なるものである請求の範囲第32項から第33項のいずれかに記載の標的核酸検出方法。
  35. 標的核酸の少なくとも一部の塩基配列と相補的な配列を有する相補部位と、自己核酸酵素を形成可能な核酸酵素形成部位と、を有する核酸プローブを用いる標的核酸の検出方法であって、
    標的核酸に前記核酸プローブを相補的に結合させるハイブリダイゼーション工程と、
    ハイブリダイゼーション形成の後、前記自己核酸酵素が形成され前記核酸プローブの構造が変化し、その結果ハイブリダイゼーションの結合力が減少して該核酸プローブが前記標的核酸から解離する解離工程と、
    前記解離工程で解離した前記核酸プローブの少なくとも一部を検出する検出工程と、
    を有することを特徴とする標的核酸検出方法。
  36. 前記自己核酸酵素により前記核酸プローブが切断される請求の範囲第35項に記載の核酸検出方法。
  37. 前記核酸プローブが担体に固定されている請求の範囲第35項から第36項のいずれかに記載の標的核酸検出方法。
  38. 請求の範囲第1項から第30項のいずれかに記載の核酸プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション工程と、
    該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルを検出することにより該標的核酸の存在を検出する標的核酸検出工程と、
    を含むことを特徴とする標的核酸検出方法。
  39. 標的核酸検出工程が、標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブが切断されて生じた、第一プローブ断片及び第二プローブ断片の内、該第一プローブ断片に存在する発光部の発光を検出することにより前記標的核酸の存在を検出する請求の範囲第38項に記載の標的核酸検出方法。
  40. 標的核酸が、細胞内に存在する核酸及びウイルスの核酸のいずれかである請求の範囲第38項から第39項のいずれかに記載の標的核酸検出方法。
  41. 標的核酸とのハイブリダイゼーションが、ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下で行われる請求の範囲第38項から第40項に記載の標的核酸検出方法。
  42. 請求の範囲第1項から第23項のいずれかに記載の核酸プローブを、薬剤投与により発現した標的核酸にハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション工程と、
    該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルの有無を検出することにより該標的核酸の存在の有無を検出する標的核酸検出工程と、
    を含み、
    前記標的核酸の存在の有無により薬剤をスクリーニングすることを特徴とする薬剤スクリーニング方法。
  43. 標的核酸検出工程が、標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブが切断されて生じた、第一プローブ断片及び第二プローブ断片の内、該第一プローブ断片に存在する発光部の発光を検出することにより前記標的核酸の存在を検出する請求の範囲第42項に記載の薬剤スクリーニング方法。
  44. 試料中の標的核酸を検出するための核酸プローブが担体に固定された核酸分析用デバイスであって、
    前記核酸プローブは標的核酸にハイブリダイゼーションした後構造変化を生じ、構造変化した前記核酸プローブはハイブリダイゼーションの結合力が減少し前記標的核酸から解離するよう設計されていることを特徴とする標的核酸検出装置。
  45. 前記構造変化は自己核酸酵素の形成を含む請求の範囲第44項に記載の標的核酸検出装置。
  46. 前記核酸プローブは前記標的核酸を認識容易にする標識物質を有する請求の範囲第44項から第45項のいずれかに記載の標的核酸検出装置。
  47. 試料中の標的核酸を検出するための核酸分析用デバイスであって、
    前記標的核酸の少なくとも一部の塩基配列と相補的な配列を有する相補部位と、
    自己核酸酵素を形成可能な核酸酵素形成部位と、
    を有する核酸プローブが担体上に固定されていることを特徴とする標的核酸検出装置。
  48. 前記自己核酸酵素は前記核酸プローブを特異的に切断する切断活性を有するものである請求の範囲第47項に記載の標的核酸検出装置。
  49. 前記核酸プローブは分子内でハイブリダイゼーション可能な配列を含む分子内ハイブリダイゼーション領域を有する請求の範囲第44項から第48項のいずれかに記載の標的核酸検出装置。
  50. 前記核酸プローブは前記標的核酸を認識容易にする標識物質を備える請求の範囲第44項から第49項のいずれかに記載の標的核酸検出装置。
  51. 請求の範囲第1項から第30項のいずれかに記載の核酸プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせるハイブリダイゼーション手段と、
    該標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブから発生したシグナルを検出することにより該標的核酸の存在を検出する標的核酸検出手段と、
    を含むことを特徴とする標的核酸検出装置。
  52. 標的核酸検出手段が、標的核酸にハイブリダイゼーションした際に前記核酸プローブが切断されて生じた、第一プローブ断片及び第二プローブ断片の内、該第一プローブ断片に存在する発光部の発光を検出することにより前記標的核酸の存在を検出する請求の範囲第51項に記載の標的核酸検出装置。
  53. 遺伝子情報データベースを格納するデータベース部と、標的核酸検出手段の検出結果データと、前記データベース部に格納された遺伝子情報データとを比較し分析するデータ分析部と、を有する請求の範囲第51項から第52項のいずれかに記載の標的核酸検出装置。
  54. インターネットに通信可能であり、該インターネット上の遺伝子情報データベースにアクセス可能な通信部と、標的核酸検出手段の検出結果データと、前記インターネット上の遺伝子情報データベースの遺伝子情報データとを比較し分析するデータ分析部と、を有する請求の範囲第51項から第53項のいずれかに記載の標的核酸検出装置。
  55. 遺伝子情報データベースが、特定の疾患に関する、健常人の遺伝子情報と患者の遺伝子情報とを含む請求の範囲第51項から第54項のいずれかに記載の標的核酸検出装置。
  56. 標的核酸検出手段が、標的核酸の量を定量する請求の範囲第55項に記載の標的核酸検出装置。
  57. 請求の範囲第56項に記載の標的遺伝子検出装置を用い、
    被検者における、特定疾患に関する標的核酸の発現量を定量する標的核酸発現量定量ステップと、
    該被検者における前記特定疾患に関する標的核酸の発現量と、遺伝子情報データベースに含まれる、該特定疾患に関する標的核酸の健常人の発現量及び患者の発現量とをデータ分析部により比較し、該被検者が前記特定疾患の患者であるか否かを診断する診断ステップと、
    を含むことを特徴とする遺伝子診断方法。
  58. 診断ステップにおいて、特定疾患に関する標的遺伝子の、患者の発現量をMとし、健常人の発現量をSとし、被検者の発現量をXiとしたとき、(Xi−S/M−S)≧0.9、を満たすとき、該被検者を前記特定疾患の患者であると診断する請求の範囲第57項に記載の遺伝子診断方法。
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