JPWO2004099854A1 - 分波機能を備えた光学装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、チャンネル間損失偏差の低減を図り高精度の分波機能を実現したVIPA型の光学装置を提供することを目的とする。このため本発明の光学装置は、入力光を平行光に変換するコリメートレンズと、該コリメートレンズからの平行光の位相を変化させて強度分布をガウス型とは異なる形状に変える位相マスクと、該位相マスクから出力される光を一次元方向に集光するライン焦点レンズと、該ライン焦点レンズで集光された光を多重反射して出射するVIPA板と、を含んで構成される。

Description

本発明は、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)光を波長に応じて分波する機能を備えた光学装置に関し、特に、バーチャリ・イメージド・フェーズド・アレイ(Virtually Imaged Phased Array:VIPA)を利用してWDM光を分波する光学装置に関するものである。
波長分割多重(WDM)方式は、高速で多量のデータを伝送することが可能であり、各種の光通信システムに適用されている。WDM方式の光通信システムでは、所要の情報で変調された波長の異なる複数の光信号がそれぞれ合波されてWDM光となり、光送信器から1本の光伝送路を介して光受信器に伝送される。光受信器では、受信したWDM光が波長に応じて分波され、各波長の光信号の検波が行われる。このようなWDM光の送受信によって光通信システムでは多量のデータが高速に伝送される。従って、光受信器がWDM光を正確に分波する能力は、光通信システムの性能に大きく影響する。例えば、多くのキャリアを合波してWDM光を生成できたとしても、そのようなWDM光は、光受信器が正確にWDM光を分波できないのであれば、送信されるべきではない。このため、光受信器は高精度の分波機能を有していることが望まれる。
このような要求に応じて、本願の出願人は、WDM光を波長に応じて空間的に区別可能な複数の光束に分波するバーチャリ・イメージド・フェーズド・アレイ(VIPA)を利用した各種の光学装置を提案している(例えば、下記の特許文献1〜3参照)。
特開平9−43057号公報 特開2000−28849号公報 特表2000−511655号公報
ところで、上記のVIPA型の光学装置は、WDM光に含まれる複数の波長の光信号を高い精度で分波できるという優れた性能を有しているが、分波される各波長の光信号に対する損失の偏差(以下、チャンネル間損失偏差とする)が大きいという課題がある。チャンネル間損失偏差が大きいということは、分波される光信号の波長が予め定められた設計中心波長から短波長側または長波長側に離れて行くにつれて、設計中心波長に対する光信号パワーの偏差が大きくなってしまうため、VIPA型の光学装置の性能を低下させることになる。
本発明は上記の点に着目してなされたもので、チャンネル間損失偏差の低減を図り高精度の分波機能を実現したVIPA型の光学装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の分波機能を備えた光学装置は、入力光を平行光に変換する第1のレンズと、該第1のレンズで変換された平行光を一次元方向に集光する第2のレンズと、相対する平行な反射面を有し、前記第2のレンズで集光された光が前記各反射面の間に面に平行に入射され、該入射光が各々の反射面で多重反射されながらその一部が一方の反射面を透過して出射され、該出射光が干渉することにより波長に応じて進行方向の異なる光束が形成される光デバイスと、を含み、WDM光を波長に応じて分波する機能を備えた光学装置であって、前記第1および第2のレンズの間に光の位相を変化させる素子を備え、前記第1のレンズで変換された平行光が前記素子を介して前記第2のレンズに与えられることを特徴とするものである。
上記のような分波機能を備えた光学装置では、第1および第2のレンズの間に光の位相を変化させる素子を設けることで、第2のレンズに入射される光の強度分布がガウス型とは異なる形状に変えられる。これにより、第2のレンズで一次元方向に集光された後にVIPA型の光デバイスで多重反射されて出射される光の回折像を所望の強度分布とすることが可能になり、チャンネル間損失偏差の低減を図ることができるようになる。
上記の分波機能を備えた光学装置について、光の位相を変化させる素子は、第2のレンズの集光像が光デバイスから出射される光の目標とする回折像の逆フーリエ変換像に近づくように、第1のレンズで変換された平行光の位相を変化させて第2のレンズに与える光の強度分布を調整するのが好ましい。具体的には、第2のレンズから光デバイスに入射される光の光軸方向に対して垂直な方向をy軸として、第2のレンズの集光像の強度分布がsin(y)/y型の関数に従うようにしてもよい。これにより、光デバイスで多重反射して出射される光の回折像の強度分布が矩形に近い形状となり、チャンネル間損失偏差を効果的に低減することが可能になる。
なお、本発明の他の目的、特徴および利点に関しては、添付図面に関連する実施態様についての次の説明で明白になるであろう。
図1は、公知のVIPA型波長分波器の構成例を示す斜視図である。
図2は、図1の構成例についての側面図である。
図3は、公知のVIPAの動作原理を説明するためのモデルを示す図である。
図4は、公知のVIPAにおける干渉条件を説明するモデルを示す図である。
図5は、公知のVIPAにおける光の振る舞いを定式化するための座標系を示す図である。
図6は、公知のVIPAの機能を説明する概念図である。
図7は、公知のVIPAから出射される光の回折像の強度分布の一例を示す図である。
図8は、公知のVIPAの動作を説明する概念図である。
図9は、本発明の一実施形態によるVIPA型波長分波器の構成例を示す斜視図である。
図10は、図9の構成例についての側面図である。
図11は、本発明の一実施形態においてVIPAから出射される光の回折像の強度分布の一例を示す図である。
図12は、本発明の一実施形態におけるVIPAの機能を説明する概念図である。
図13は、本発明の一実施形態の動作を説明する概念図である。
図14は、本発明の一実施形態に関連した変形例を示す斜視図である。
以下、本発明にかかる分波機能を備えた光学装置の実施形態について添付図面に基づいて説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
まず、本発明を理解する上で有用であるため、公知のVIPA型波長分波器の動作原理について説明する。なお、動作原理の詳細な内容に関しては、前述した特許文献1〜3に具体的に記載されているので、ここでは基本的な内容について述べることにする。
公知のVIPA型波長分波器は、例えば図1の斜視図および図2の側面図に示すように、入力側光ファイバ1の一端から出射されたWDM光が、コリメートレンズ2で平行光に変換された後、ライン焦点レンズ3(例えば、円柱レンズや屈折率分布レンズなど)によって1つの線分の上に集光され、VIPA板10の照射窓13を通って対向する平行平面の間に入射される。このVIPA板10への入射光Liは、ここでは例えばVIPA板10の一方の平面に形成された100%より低い(好ましくは95〜98%程度)反射率を有する反射多層膜11と、他方の平面に形成された略100%の反射率を有する反射多層膜12との間で多重反射を繰り返すが、その際、反射多層膜11の面で反射するごとに数%の光がこの面を透過してVIPA板10の外に出射される。なお、入射光Liの光軸は、VIPA板10に対して垂直入射となる角度から傾けられていて、反射多層膜11,12間を1往復して拡がった光が照射窓13から漏れ出ないようにされている。
VIPA板10を透過した光は相互に干渉し、波長に応じて進行方向が異なる複数の光束Lf(図1では、1つの光束のみを示す)を作る。その結果、光束Lfを収束レンズ4で1点に集光すると、その集光位置は波長の変化に伴って直線上を移動する。この直線上に、例えば複数の出力側光ファイバを並べたファイバアレイ5を配列すれば、波長ごとに分波された光信号を各出力側光ファイバに導くことができる。
上記のようにVIPA板10で多重反射される光の振る舞いは、例えば図3に示すようなモデルを考えると、階段状の回折格子として周知のエシュロン格子(Echelon grating)と同様の振る舞いをする。このため、VIPA板10は仮想的な回折格子として考えることができる。また、例えば図4に示すようなモデルを基にVIPA板10における干渉条件を考えると、出射光はその光軸を基準にして上側が短波長、下側が長波長の条件で干渉するので、WDM光に含まれる複数の光信号のうちの短波長側の光信号が光軸の上側に出射され、長波長側の光信号が光軸の下側に出射されることになる。
ここで、VIPA板10における光の振る舞いを定式化する。
例えば図5に示すように、VIPA板10への入射光Liの光軸方向をz軸、このz軸に垂直な軸をy軸として、入射光Liが反射多層膜11で最初に反射されるz=0での光の振る舞いを考える。入射光LiがVIPA板10内を多重反射することによって、z=0上の光は規則正しく配列し、さらに、各々の光はその振幅が等比級数的に減少していく複数のガウスビームからの光であると考えることができる。そこで上記のガウスビームを次の(1)式で表すことにする。
Figure 2004099854
また、ωはビームウェストサイズの半径であり、Kは波数ベクトルである。
上記の(1)式に従ってVIPA板10でj回反射した光は、例えば図6に示すように、ガウス関数型の強度分布をもったビームがz,y方向にそれぞれ、dz=2t・cosθ,dy=2t・sinθ(ただし、tを反射多層膜11,12間の距離とし、θをVIPA板10の傾斜角度とする)のj倍ずれた位置に仮想的に配置されることになる。従って、このj回反射した光の虚像は、次の(2)式で表すことが可能である。
Figure 2004099854
この(2)式の関係を利用し、また、反射多層膜11の反射係数をrとすると、上記の仮想的な回折格子から出射される光のy方向に分布する複素振幅量Tout(y)は、次の(3)式で記述することが可能である。
Figure 2004099854
上記(3)式の見通しを良くするために、y方向の波数をkとし、次の(4)式に示すフーリエ変換を用いて整理すると、(5)式に示すような関係を得ることができる。
Figure 2004099854
なお、上記の(5)式を導出する際には、次の(6)式に示す近軸近似(kをz方向の波数とする)が成り立つ範囲での議論であると仮定している。また、(7)式に示すようなフルネル積分や(8)式および(9)式に示す関係もそれぞれ用いている。
Figure 2004099854
そして、上記の(5)式について、絶対値の2乗を求めると、次の(10)式に示す関係を得ることができる。
Figure 2004099854
ところで、回折格子の回折像(光強度)は、次のような関係が成り立つことが知られている(例えば、大津元一著,「現代光科学I」,第3刷,朝倉書店,1997年9月,p.118〜120参照)。
『回折像∝スリットのフーリエ変換像(回折像)×干渉縞の特性』
上記の関係を考慮すると、前述の(10)式に示した関係は、回折の効果によりガウス型の強度変調がかかり(右辺分子側のexp項)、さらに、その中にはエアリーの式で記述可能な干渉の効果(右辺分母側の(1−r)+4rsin(φ/2)項)が発生することを示している。従って、VIPA板10から出射された光の回折像は、例えば図7のような強度分布を示すようになる。
上述したような内容より、VIPA板10からの出射光にガウス型の変調がかかる理由は、ガウス型のスリットが並ぶ回折格子としての機能をVIPA板10が備えているためであり(図6参照)、このガウス型のスリットは、ライン焦点レンズ3に入射した光がガウス型の強度分布(振幅)をもった状態で集光されることから説明される。すなわち、VIPA板10から出射される光の回折像は、スリットの形状のフーリエ変換像に対応した強度変調を受ける。これを図8の概念図を参照して具体的に説明すれば、ガウス分布する光(図8の左側)のライン焦点レンズ3による集光像(図8の中央)をVIPA板10で多重反射させて得られる出射光の回折像(図8の右側)は、やはりガウス関数型の分布になる。
そこで、本発明は、上記のような変調の効果に着目して、VIPA型の構成においてハード的に固定されていないスリットの特徴を活かし、VIPA板10から出射される各波長の光信号に対する損失の偏差が低減されるような変調を実現可能にするための技術を提供する。その基本的な考え方は、VIPA板10からの出射光の回折像について所望の形状の変調がかかっている状態を想定し、その回折像の逆フーリエ変換像を求め、ライン焦点レンズ3で1次元方向に集光される光の像が上記の逆フーリエ変換像に近づくか、好ましくは略等しくなるように、ライン焦点レンズ3に入射される光の位相を変換することである。
以下、本発明の分波機能を備えた光学装置の具体的な実施形態について説明する。
図9は、本発明を適用したVIPA型波長分波器の一実施形態の構成を示す斜視図である。また、図10は、図9の構成についての側面図である。
図9および図10に示すVIPA型波長分波器は、例えば、上述の図1および図2に示した公知の構成について、コリメートレンズ2とライン焦点レンズ3との間に、光の位相を変化させる素子としての位相マスク20を挿入したものである。この位相マスク20以外の他の構成、すなわち、入力側光ファイバ1、コリメートレンズ2(第1のレンズ)、ライン焦点レンズ3(第2のレンズ)、VIPA板10、収束レンズ4(第3のレンズ)および出力側ファイバアレイ5については上述した公知の構成と同様である。
位相マスク20は、コリメートレンズ2を透過した平行光の位相を制御して、ライン焦点レンズ3に入力される光の強度分布をガウス分布とは異なる所要の形状に変換する公知の光学素子である。この位相マスク20を透過した光の強度分布は、ライン焦点レンズ3で1次元方向に集光される光の像が関数f(y)に略等しくなるように設計されている。
上記の関数f(y)は、VIPA板10から出射される光の目標とする回折像の逆フーリエ変換像に対応した関数である。具体的には、例えば図11に示すように、目標とする回折像としてチャンネル間損失偏差が略0となるような矩形の強度分布を想定した場合、その回折像の逆フーリエ変換像に対応した関数f(y)はsin(y)/y型となる。ライン焦点レンズ3の集光像がsin(y)/yに略等しくなるようにするためには、位相マスク20を透過してライン焦点レンズ3に入力される光の強度分布を矩形に近い形状とすることが必要になる。
ガウス分布の光を矩形に近い強度分布を有する光に変換するための位相マスク20としては、例えば特開平8−57678号公報等に記載されているような公知の位相マスクを利用することが可能である。なお、上記の公報に記載された位相マスクはレーザ加工装置に適用されるものであって、このレーザ加工装置は、厚みが異なる加工対象をガウス分布のビームで加工する場合にビーム中心付近のエネルギー供給が過剰となり加工対象の下地に損傷を与えてしまうといった問題を回避するために、位相マスクを使用してビームの強度分布をガウス分布から断面が矩形に近い分布に変換して、加工不良を防止したものである。
ここで、位相マスク20の機能について簡単に説明しておく。
一般的な位相マスクは、ホログラムと同じ原理に従って機能し、フラウンホーファ(Fraunhofer)回折近似が成り立つとすれば、ホログラム上の透過関数(透過像)は再生像の逆フーリエ変換によって求めることができる。このことは、位相マスク20を透過した直後の光の像が、ライン焦点レンズ3の所望の集光像の逆フーリエ変換像になっていれは良いことを意味する。逆フーリエ変換の情報は、位相マスク20における光路長に置き換えることが可能である。
このため、位相マスクの基本構成として、例えば、屈折率が実質的に均一な石英ガラスなどの基板を用い、その基板の光の伝搬方向に対する厚みを空間的に異ならせた構成を適用する場合、マスク露光および反応性イオンエッチングなどを利用して、上記の逆フーリエ変換の情報に対応した凹凸構造を基板に形成することで、透過光に対して所望の位相変化を与える位相マスクを設計することが可能になる。具体的に、前述の図11に示した一例では、ライン焦点レンズ3の集光像として求められたsin(y)/y型の関数の逆フーリエ変換を計算し、その計算結果を光路長に置き換えて石英ガラス基板の凹凸構造を設計して、位相マスク20を作製することになる。
また、上記の位相マスク20については、光の入出射面に無反射コーティングを施しておくのがよい。これにより、透過光の位相を一定にすることができるようになる。さらに、位相マスク20にヒーターなどの温度制御機能を設け、温度変動による位相マスク20の厚さの変化を抑えるようにするのが望ましい。これにより、透過光の位相を周囲温度の変化に拘わらず一定にすることも可能になる。
上記のような位相マスク20を設けたVIPA型波長分波器では、入力側光ファイバ1の一端から出射されたWDM光が、コリメートレンズ2で平行光に変換された後、位相マスク20で所要の位相差が与えられてその強度分布がガウス型から矩形に近い形状に変換される。そして、位相マスク20の透過光がライン焦点レンズ3で一次元方向に集光され、VIPA板10の照射窓13を通って反射多層膜11,12の間に入射される。このとき、ライン焦点レンズ3によって集光される光の強度分布は干渉の効果によってsin(y)/y型の関数に従うようになり、この集光像は、前述の図5に示した場合と同様の座標系を用いて具体的に表すと、次の(11)式となる。
Figure 2004099854
ただし、上記の(11)式については、振幅の変化よりも位相の変化が十分に早いとすることによって、振幅の変動を位置yの関数で近似できるものとした。これは、例えば図12に示すように、VIPA板10に対応した仮想的な回折格子が(11)式で記述されるようなsin(y)/y型の関数に従う形状のスリットを形成することを意味している。
上記の(11)式で表される光のフーリエ変換像は矩形となり、VIPA板10を透過した光の回折像は、その複素振幅量の絶対値の2乗が次の(12)式で表されるようになる。
Figure 2004099854
従って、上記のような本実施形態のVIPA型波長分波器によれば、図13の概念図に示すように、ガウス分布する光(図13の左側)を位相マスク20で矩形に近い強度分布に変換することで、ライン焦点レンズ3による集光像はsin(y)/y型の関数に従う強度分布を有するようになり(図13の中央)、その集光像をVIPA板10で多重反射させて得られる出射光の回折像は、目標として想定した矩形の強度分布が実現されるようになる(図13の右側)。これにより、VIPA板10を用いて分波した各波長の光信号についてのチャンネル間損失偏差を非常に小さくすることができ(図11参照)、高精度の波長分波機能を実現することが可能になる。
なお、上記の実施形態では、位相マスクの基本構成として、屈折率が均一な基板の厚みを空間的に異ならせた構成を適用した一例を示したが、これ以外でも例えば、基板の光の伝搬方向に対する厚みを一定とし、基板内の屈折率を空間的に異ならせることで、透過光に所要の位相差を与えるようにした位相マスクを適用することもできる。このような位相マスクは、具体的には、周知のイオン交換法等を適用して基板内部に屈折率分布を持たせることで作製可能である。さらに、ライン焦点レンズ3に入力される光の強度分布を変換するための光学素子は位相マスクに限定されるものではなく、上述したような位相マスクと同等の機能を実現する各種光デバイス(例えば、位相板や光フィルタ等)を適用することが可能である。
また、ライン焦点レンズ3の集光像がsin(y)/y型の関数に従うように位相マスク20の設計を行う一例を示したが、ライン焦点レンズ3の集光像を表す関数f(y)はsin(y)/y型に限定されるものではない。すなわち、関数f(y)は、VIPA板10から出射される光の目標とする回折像の逆フーリエ変換像に対応した関数であればよく、目標とする回折像は、光学装置に対する要求に応じて適宜に設定することが可能である。
さらに、上記の実施形態では、VIPA板10について、ライン焦点レンズ3からの光が入射される側とは反対側の面から多重反射した光が出射される透過型の構成例を示したが、例えば図14に示すように、多重反射した光が入射側と同じ側の面から出射される反射型の構成とすることも可能である。この場合、照射窓13に対向する側の反射多層膜11の反射率を略100%とし、照射窓13と同じ側の反射多層膜12の反射率を100%より低く(好ましくは95〜98%程度)する。
加えて、VIPA型波長分波器の実施形態について示したが、本発明の用途は波長分波器に限定されるものではなく、VIPA型の構成を適用してWDM光を分波する機能を備えた公知の各種光学装置についても同様にして応用することが可能である。
本発明にかかる分波機能を備えた光学装置は、第1および第2のレンズの間に光の位相を変化させる素子を設けたことにより、VIPA型の光デバイスから出射される光の回折像の強度分布を所望の形状とすることが可能になりチャンネル間損失偏差の低減を図ることができ、このような高精度の分波機能を実現した光学装置は例えば波長分波器などの様々な用途に有用であるため、産業上の利用可能性が大である。

Claims (11)

  1. 入力光を平行光に変換する第1のレンズと、
    該第1のレンズで変換された平行光を一次元方向に集光する第2のレンズと、
    相対する平行な反射面を有し、前記第2のレンズで集光された光が前記各反射面の間に面に平行に入射され、該入射光が各々の反射面で多重反射されながらその一部が一方の反射面を透過して出射され、該出射光が干渉することにより波長に応じて進行方向の異なる光束が形成される光デバイスと、を含み、波長分割多重光を波長に応じて分波する機能を備えた光学装置であって、
    前記第1および第2のレンズの間に光の位相を変化させる素子を備え、前記第1のレンズで変換された平行光が前記素子を介して前記第2のレンズに与えられることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記光の位相を変化させる素子は、前記第2のレンズの集光像が前記光デバイスから出射される光の目標とする回折像の逆フーリエ変換像に近づくように、前記第1のレンズで変換された平行光の位相を変化させて前記第2のレンズに与える光の強度分布を調整することを特徴とする光学装置。
  3. 請求項2に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記光の位相を変化させる素子は、前記第2のレンズから前記光デバイスに入射される光の光軸方向に対して垂直な方向をy軸として、前記第2のレンズの集光像の強度分布がsin(y)/y型の関数に従うように、前記第1のレンズで変換された平行光の位相を変化させて前記第2のレンズに与える光の強度分布を調整することを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記光の位相を変化させる素子は、屈折率が実質的に均一な基板を用い、該基板の光の伝搬方向に対する厚みを空間的に異ならせたことを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記光の位相を変化させる素子は、光の伝搬方向に対する厚みが実質的に均一な基板を用い、該基板の屈折率を空間的に異ならせたことを特徴とする光学装置。
  6. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記光の位相を変化させる素子は、光の入出射面に無反射コーティングが施されていることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記光の位相を変化させる素子は、透過光に与える位相変化を温度変動に拘わらず一定に制御するための温度制御機能を備えたことを特徴とする光学装置。
  8. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記第2のレンズは、円柱レンズであることを特徴とする光学装置。
  9. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記第2のレンズは、屈折率分布レンズであることを特徴とする光学装置。
  10. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記光デバイスは、一方の反射面の反射率が100%よりも低く、他方の反射面の反射率が略100%であり、前記第2のレンズで集光された光が入射される部分に光の反射を実質的に無視できる照射窓を有することを特徴とする光学装置。
  11. 請求項1に記載の分波機能を備えた光学装置であって、
    前記光デバイスから出射される光束を波長ごとに集光する第3のレンズを備え、入力側光ファイバから出射される光が前記第1のレンズに与えられ、前記第3のレンズで集光された光が各波長に対応した出力側光ファイバに導かれることを特徴とする光学装置。
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