JPWO2004032964A1 - アレルギー性疾患治療剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、プロスタグランジンE2受容体のサブタイプのひとつであるEP3受容体作動活性を有する化合物を含有するアレルギー性疾患の予防および/または治療剤に関する。さらに詳しく言えば、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息、またはアトピー性喘息等のアレルギー性呼吸器疾患の治療において、EP3受容体作動活性を有する化合物は有効であり、さらに選択性に優れた化合物は、より顕著な治療効果を期待することができる。
Description
本発明は、アレルギー性疾患の予防および/または治療剤に関する。さらに詳しく言えば、プロスタグランジンE2受容体のサブタイプのひとつであるEP3受容体作動活性を有する化合物を含有するアレルギー性疾患の予防および/または治療剤に関する。
喘息、花粉症、鼻炎、皮膚炎の主な原因であるアレルギー反応の異常は、人口の20%以上が有しているといわれ、社会上の問題となっている(Lancet,351,1225(1998)、Science,296,490(2002)、Nature,402,B2(1999))。これらのアレルギー反応は、ハウスダストや花粉などの抗原がIgEと結合し、その複合体が肥満細胞上のIgE受容体に作用することにより肥満細胞が活性化するという過程をたどる。活性化した肥満細胞は、ヒスタミンを始めとした種々のケミカルメディエーターを遊離し、アレルギー反応の進展や炎症状態を引き起こすが、その際に、プロスタグランジン(以下、PGと略記する。)やロイコトリエン(以下、LTと略記する。)といった脂質メディエーターも多量に産生される(Clin Allergy Immunol,16,223(2002))。これら脂質メディエーターのうち、PGD2、LTB4、LTC4、LTD4は好酸球に代表される炎症細胞の遊走を引き起こすなどして、アレルギー症状を亢進させることが知られている。
一方で、大量に産生されるプロスタグランジンE2(以下、PGE2と略記する。)については、その生理活性が多岐に渡り、細胞保護作用、胃酸分泌抑制作用、子宮収縮作用、消化管の蠕動運動亢進作用、発痛作用、覚醒作用、血圧降下作用などが知られているが、アレルギー反応に対する作用については明確ではなかった。
近年の研究の中で、PGE2受容体にはそれぞれ役割の異なったサブタイプが存在することがわかってきた。現時点で知られているサブタイプは大別して4種類あり、それぞれEP1、EP2、EP3、EP4と呼ばれている(J.B.C,268,35,26767−(1993)、Mol.Pharmacol,46,213−(1994)、B.B.R.C,198,99−(1994)、J.B.C,269,11873−(1994)、J.Lipid Mediators Cell Signalling,12,379−391(1995))。PGE2はこれら受容体に結合することにより様々な生理作用を発揮するが、場合によっては複数のサブタイプの受容体に結合することによって作用が相反し、各サブタイプ独自の作用が検出し難くなることもある。そのため、発明者らは、EP3受容体を欠損させたマウスを作出し、また、EP3受容体作動活性を有する化合物を合成し、これらを用いてEP3受容体の生理的役割について研究を行なっている。
EP3受容体は、末梢神経の情報伝達(Biochem.J.,340,365−(1999))、中枢における発熱反応の制御(Nature,395,281−(1998))、脳内ニューロンに発現して記憶の形成(J.Comp.Neurol.,421,543−(2000))、血管の新生(日薬理誌117(4),283−(2001))、腎尿細管に発現し原尿の再吸収(Kidney Int Suppl,55,S183−(1996))、子宮収縮作用、ACTH産生、血小板凝集(Circulation 104,1176−(2001))に関与していること、また、血管平滑筋、心臓や消化管にも発現していることが知られている。しかしながら、アレルギーの発症に対して特異的に関与していることは知られていなかった。
発明者らは、アレルギー反応におけるEP3受容体の関与を調べる目的で、すでに文献に報告している方法(Science,287,2013−(2000))を用いて検討した。すなわち、EP3受容体欠損マウスに卵白アルブミン(以下、OVAと略記する。)を吸入させることにより喘息状態を引き起こし、その肺の状態を分析した。その結果、EP3欠損マウスでは、野生型マウスと比較し、肺組織・肺胞中の細胞浸潤とTh2型サイトカイン遊離の有意の増加を示すことを見出した。また、感作した野生型マウスの肺を摘出し、インビトロで抗原刺激した時放出されるヒスタミン、LT量は、PGH産生酵素(シクロオキシゲナーゼ)阻害剤であるインドメタシンによって増加し、EP3受容体に対するアゴニストによって抑制されることを見出した。これらについては既に発表済みであるが、上記EP3受容体欠損マウスを用いた実験では、EP3受容体欠損マウスは野生型に比し、アレルギー性喘息症状の亢進を示すものの、野生型でも有意の喘息症状を示した。この結果は、これら動物では抗原刺激に伴い、PGE2が産生され、これが野生型ではEP3受容体に働いて喘息発作の軽減を起こすことを示した。しかし、この実験ではEP3受容体に対するアゴニストによるEP3受容体刺激がこのようなフィードバック抑制をこえて野生型での喘息アレルギー症状の抑制につながるかは全く不明であった。また、EP3受容体に対するアゴニストの感作肺放出ヒスタミン量の抑制は、インドメタシンによって増強した部分の改善に過ぎないことから、シクロオキシゲナーゼ阻害剤の服用によって引き起こされると考えられている種類の喘息(いわゆるアスピリン喘息)への効果は期待されるものの、生活環境にある抗原によって引き起こされる様々なアレルギー性疾患に対する効果まで示唆されていなかった。
一方で、大量に産生されるプロスタグランジンE2(以下、PGE2と略記する。)については、その生理活性が多岐に渡り、細胞保護作用、胃酸分泌抑制作用、子宮収縮作用、消化管の蠕動運動亢進作用、発痛作用、覚醒作用、血圧降下作用などが知られているが、アレルギー反応に対する作用については明確ではなかった。
近年の研究の中で、PGE2受容体にはそれぞれ役割の異なったサブタイプが存在することがわかってきた。現時点で知られているサブタイプは大別して4種類あり、それぞれEP1、EP2、EP3、EP4と呼ばれている(J.B.C,268,35,26767−(1993)、Mol.Pharmacol,46,213−(1994)、B.B.R.C,198,99−(1994)、J.B.C,269,11873−(1994)、J.Lipid Mediators Cell Signalling,12,379−391(1995))。PGE2はこれら受容体に結合することにより様々な生理作用を発揮するが、場合によっては複数のサブタイプの受容体に結合することによって作用が相反し、各サブタイプ独自の作用が検出し難くなることもある。そのため、発明者らは、EP3受容体を欠損させたマウスを作出し、また、EP3受容体作動活性を有する化合物を合成し、これらを用いてEP3受容体の生理的役割について研究を行なっている。
EP3受容体は、末梢神経の情報伝達(Biochem.J.,340,365−(1999))、中枢における発熱反応の制御(Nature,395,281−(1998))、脳内ニューロンに発現して記憶の形成(J.Comp.Neurol.,421,543−(2000))、血管の新生(日薬理誌117(4),283−(2001))、腎尿細管に発現し原尿の再吸収(Kidney Int Suppl,55,S183−(1996))、子宮収縮作用、ACTH産生、血小板凝集(Circulation 104,1176−(2001))に関与していること、また、血管平滑筋、心臓や消化管にも発現していることが知られている。しかしながら、アレルギーの発症に対して特異的に関与していることは知られていなかった。
発明者らは、アレルギー反応におけるEP3受容体の関与を調べる目的で、すでに文献に報告している方法(Science,287,2013−(2000))を用いて検討した。すなわち、EP3受容体欠損マウスに卵白アルブミン(以下、OVAと略記する。)を吸入させることにより喘息状態を引き起こし、その肺の状態を分析した。その結果、EP3欠損マウスでは、野生型マウスと比較し、肺組織・肺胞中の細胞浸潤とTh2型サイトカイン遊離の有意の増加を示すことを見出した。また、感作した野生型マウスの肺を摘出し、インビトロで抗原刺激した時放出されるヒスタミン、LT量は、PGH産生酵素(シクロオキシゲナーゼ)阻害剤であるインドメタシンによって増加し、EP3受容体に対するアゴニストによって抑制されることを見出した。これらについては既に発表済みであるが、上記EP3受容体欠損マウスを用いた実験では、EP3受容体欠損マウスは野生型に比し、アレルギー性喘息症状の亢進を示すものの、野生型でも有意の喘息症状を示した。この結果は、これら動物では抗原刺激に伴い、PGE2が産生され、これが野生型ではEP3受容体に働いて喘息発作の軽減を起こすことを示した。しかし、この実験ではEP3受容体に対するアゴニストによるEP3受容体刺激がこのようなフィードバック抑制をこえて野生型での喘息アレルギー症状の抑制につながるかは全く不明であった。また、EP3受容体に対するアゴニストの感作肺放出ヒスタミン量の抑制は、インドメタシンによって増強した部分の改善に過ぎないことから、シクロオキシゲナーゼ阻害剤の服用によって引き起こされると考えられている種類の喘息(いわゆるアスピリン喘息)への効果は期待されるものの、生活環境にある抗原によって引き起こされる様々なアレルギー性疾患に対する効果まで示唆されていなかった。
本発明者らは、アレルギー治療における新たな標的として、EP3受容体作動活性を有する化合物に注目した。本発明の課題は、選択的にEP3受容体を介することを特徴とするアレルギー性疾患の予防および/または治療剤の提供にある。
本発明者らは、アレルギー性疾患動物モデルを用いて、EP3受容体作動活性を有する化合物の投与が、アレルギー性疾患治療に有効であるか否かを検討した。その結果、EP3受容体作動活性を有する化合物が、アレルギー性疾患の治療および/または予防に効果を有することを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は
(1)EP3受容体作動活性を有する化合物を含有するアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(2)アレルギー性疾患が、アレルギー性呼吸器疾患、アレルギー性鼻疾患、アレルギー性皮膚疾患、またはアレルギー性眼疾患である前記1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(3)アレルギー性呼吸器疾患が、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息もしくはアトピー性喘息であり、アレルギー性鼻疾患が、アレルギー性鼻炎、春季カタル、花粉症もしくは慢性アレルギー性鼻炎であり、アレルギー性皮膚疾患がアトピー性皮膚炎であり、またはアレルギー性眼疾患が、季節性アレルギー性結膜炎、花粉症もしくは慢性アレルギー性結膜炎である前記2記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(4)アレルギー性呼吸器疾患が、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息、またはアトピー性喘息である前記2記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(5)EP3受容体作動活性を有する化合物が、一般式(I)
[式中、Rはオキソ基、またはハロゲン原子を表わし、
R1−1およびR1−2はそれぞれ独立して、C1〜4アルキル基を表わし、
R1−3はC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、C2〜10アルキニレン基、フェニル基、フェノキシ基、C3〜7シクロアルキル基、またはC3〜7シクロアルキルオキシ基で置換されているC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、またはC2〜10アルキニレン基を表わす。フェニルおよびシクロアルキル基は、1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、トリハロメチル基、またはニトロ基で置換されていてもよい。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物である前記1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(6)11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエン酸、またはその塩もしくはその溶媒和物である前記5記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(7)EP3受容体作動活性を有する化合物が、ミソプロストール、またはスルプロストンである前記1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(8)前記1記載のEP3受容体作動活性を有する化合物と、抗喘息薬、吸入ステロイド薬、吸入β2刺激薬、メチルキサンチン系喘息薬、抗アレルギー薬、ヒスタミンH1−拮抗薬、抗炎症薬、抗コリン薬、トロンボキサン拮抗薬、ロイコトリエン拮抗薬、LTD4拮抗薬、PAF拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、β2作動薬、ステロイド薬、メディエーター遊離抑制薬、好酸球化学遊走抑制薬、クロモグリク酸ナトリウム、マクロライド系抗生剤、免疫抑制剤および減感作療法剤から選択される1種以上の薬剤との組み合わせからなる医薬組成物、
(9)EP3受容体作動活性を有する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とするアレルギー性疾患を予防および/または治療する方法、および
(10)アレルギー性疾患の予防および/または治療剤を製造するためのEP3受容体作動活性を有する化合物の使用に関するものである。
本発明者らは、これまでに、PGE2受容体のサブタイプの1つであるEP3遺伝子欠損マウスの解析によって、同マウスの肺胞洗浄液(以下、BALFと略記する。)中の好酸球浸潤の顕著な増加、肺組織への浸潤細胞数、およびTh2型サイトカイン量の増加がより顕著に認められたこと等の結果から、EP3がアレルギー反応の発症に関与していることを明らかとしている。さらに、感作した野生型マウスの肺をインビトロで抗原刺激した時に放出されるケミカルメディエーター量が、PGH産生酵素(シクロオキシゲナーゼ)阻害剤であるインドメタシンによって増加し、EP3受容体に対するアゴニストによって抑制されることを見出している。しかしながら、この抑制は、インドメタシンによって増強した部分の改善に過ぎないことから、シクロオキシゲナーゼ阻害剤の服用によって引き起こされると考えられている、いわゆるアスピリン喘息のみへの効果は期待されるもの、抗原によって引き起こされる他の多くのアレルギー性疾患に対してまでは効果が期待されないとものと考えられていた。
本発明者らは、新たに、抗原感作によって引き起こされるアレルギー反応へのEP3受容体作動活性を有する化合物の作用を、抗原感作喘息モデルマウスを用いて更に鋭意研究した。すなわち、予め、抗原であるOVAで感作したマウスを用い、喘息反応を誘導し、その後、アレルギー反応の指標であるBALF中の炎症性細胞数の変化について検討を行った。その結果、実施例1に示されるように、EP3受容体作動活性を有する化合物を投与することにより、BALF中の好酸球数、および好中球数が著しく減少し、アレルギー反応が抑制されていることがわかった。すなわち、喘息モデルマウスは、EP3受容体作動活性を有する化合物を投与されることにより、病態が治療されていた。このことから、EP3受容体作動活性を有する化合物が、アスピリン喘息のみに留まらず、抗原に暴露されることを原因とする多くのアレルギー性疾患の治療および/または予防に有用であることが示された。
本発明に用いられるEP3受容体作動活性を有する化合物としては、EP3受容体に対して作動活性を有している化合物ならいかなるものでもよく、選択的にEP3作動活性を有する化合物、さらに特異的にEP3作動活性を有する化合物を含む。
選択的にEP3作動活性を有する化合物は、EP3以外のプロスタグランジン受容体作動活性のいずれを有していてもよい。好ましくは、それら作動活性のうち一番強い活性が、EP3作動活性の1/10以下、または1/100以下、好ましくは1/1000以下である物質を含む。一方、特異的にEP3作動活性を有する化合物は、EP3以外のプロスタグランジン受容体作動活性のいずれもが、EP3作動活性の1/10以下または1/100以下、好ましくは1/1000以下、より好ましくは1/10000以下である物質を含む。
本発明に係る化合物の式中、特に断わらない限り、当業者にとって明らか
本発明に使用される化合物については、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
本発明中のEP3作動活性を有する化合物として、WO98/34916号パンフレットに記載の化合物が挙げられ、さらに、そのうちの好ましい化合物として、一般式(I)
[式中、Rはオキソ基、またはハロゲン原子を表わし、
R1−1およびR1−2はそれぞれ独立して、C1〜4アルキル基を表わし、
R1−3はC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、C2〜10アルキニレン基、フェニル基、フェノキシ基、C3〜7シクロアルキル基、またはC3〜7シクロアルキルオキシ基で置換されているC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、またはC2〜10アルキニレン基を表わす。フェニルおよびシクロアルキル基は、1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、またはトリハロメチル基、ニトロ基で置換されていてもよい。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(I)中、C1〜4アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C1〜4アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C1〜10アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C2〜10アルケニル基とは、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C2〜10アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、プチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C3〜7シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル基を意味する。一般式(I)中、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を意味する。
一般式(I)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエン酸(WO98/34916号パンフレット参照)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第5624959号、または米国特許第5723493号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(II)
[式中、R2−1は−COOR2−4基(基中、R2−4は水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)、−CONR2−5R2−6基(基中、R2−5およびR2−6はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜4のアルキル基、または水酸基が1個置換しているC1〜4アルキル基を表わす。)、または−CH2OHを表わし、
(基中、A2は単結合、またはC1〜4のアルキレン基を表わす。)、または
(基中、A2は式
(基中、mfおよびnmはそれぞれ0または1〜4の整数を表わす。ただし、mf+nmは2〜4の整数である。)で示される基を表わし、B2は−NR2−3SO2−、または−SO2NR2−3−(基中、R2−3は水素原子、C1〜4のアルキル基、または−CH2COOR2−7(基中、R2−7は水素原子、またはR2−4a(基中、R2−4aはC1〜4のアルキル基を表わす。)を表わす。)を表わし、R2−2は(1)C1〜6アルキル基、C2〜6のアルケニル基、またはC2〜6アルキニル基、(2)1〜3個のフェニル基、C4〜7のシクロアルキル基、あるいはC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、またはハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基によって置換されているC1〜6アルキル基、C2〜6のアルケニル基、またはC2〜6アルキニル基、または(3)ナフチル基を表わし、
化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第5753700号、または米国特許第6013673号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(III)
[式中、R3−1は水素原子、C1〜4アルキル基、式(C1〜4アルキレン)−COOR3−10基(基中、R3−10は水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)で示される基、(C1〜4アルキレン)−OH基、式(C1〜4アルキレン)−CONR3−4R3−5(式中、R3−4およびR3−5はそれぞれ独立して水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)で示される基、式(C1〜4アルキレン)−CONR3−6−(C1〜4アルキレン)−OH(式中、R3−6は水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わす。)で示される基、式(C1〜4アルキレン)−NR3−4R3−5(式中、R3−4およびR3−5は前記と同じ意味を表わす。)で示される基、(C1〜4アルキレン)−CN基、または(C1〜4アルキレン)−テトラゾリル基を表わし、
A3は単結合、C1〜6アルキレン基、C2〜6アルケニレン基、−S−(C1〜6アルキレン)基、または−O−(C1〜6アルキレン)基を表わし、
B3は式NR3−3CO、またはCONR3−3(式中、R3−3は水素原子またはC1〜4のアルキル基を表わす。)で示される基を表わし、
R3−2は(1)C1〜6アルキル基、(2)C2〜6アルケニル基、(3)フェニル基、C4〜7シクロアルキル基、ナフチル基および窒素原子1個を含有する4〜7員のヘテロ環から任意に選択される1〜3個の置換基で置換されたC1〜6のアルキル基、(4)フェニル基、C4〜7シクロアルキル基、ナフチル基および窒素原子1個を含有する4〜7員のヘテロ環から任意に選択される1〜3個の置換基で置換されたC2〜6のアルケニル基、(5)式R3−7R3−8(式中、R3−7およびR3−8は独立して、フェニル基、C4〜7シクロアルキル基、ナフチル基、または窒素原子1個を含有する4〜7員のヘテロ環を表わす。)で示される基、または(6)式(C1〜6アルキレン)−NR3−7R3−8(式中、R3−7およびR3−8は前記と同じ意味を表わす。)で示される基を表わす。ただし、R3−2中の環は、1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(III)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、2−[5−[2−[N−(ジフェニルメチル)カルバモイル]エチル]ナフタレン−1−イルオキシ]酢酸、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、WO97/05091号パンフレットに記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(IV)
[式中、A4は、水素原子、−(C1〜4アルキレン)−COOR4−1基(基中、R4−1は水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)、−(C1〜4アルキレン)−CONR4−2R4−3基(基中、R4−2およびR4−3はそれぞれ独立して水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)、−(C1〜4アルキレン)−OH基、−(C1〜4アルキレン)−テトラゾリル基、または−(C1〜4アルキレン)−CN基を表わし、
E4は、単結合、またはC1〜6アルキレン基を表わし、
G4は、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、または−NR4−4−基(基中、R4−4は水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)を表わし、
L4は、C1〜6アルキレン基、−(CH2)mc−CH=CH−(CH2)nd−基(基中、mcは0または1〜3の整数、ndは0または1〜3の整数を表わす。)、または−(CH2)xa−CH(OH)−(CH2)ya−基(基中、xaは1〜3の整数、yaは0または1〜3の整数を表わす。)を表わし、
M4は、
(基中の各フェニル基は1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わし、
ただし、(1)G4が−SO−、またはSO2−基の場合、M4は、
(基中の各フェニル基は1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わさず、(2)L4中のmcが0の場合、G4は−SO−、または−SO2−基を表わし、(3)L4中のndが0の場合、M4は、
(基中の各フェニル基は1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わし、(4)L4中のyaが0の場合、M4は、
(基中の各フェニル基は1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わし、(5)A4が水素原子の場合、L4は−(CH2)mc−CH=CH−(CH2)nd−基(基中、mcおよびndは前記と同じ意味を表わす。)、または−(CH2)xa−CH(OH)−(CH2)ya−基(基中、xaおよびyaは前記と同じ意味を表わす。)を表わし、(6)A4中のテトラゾリル基は、
を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(IV)中、R4−1、R4−2、R4−3およびR4−4によって表わされるC1〜4アルキル基、またはM4中の、フェニル基の置換基としてのC1〜4アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびこれらの異性体基を意味し、A4中のC1〜4アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンおよびこれらの異性体基を意味し、E4およびL4が表わすC1〜6アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンおよびこれらの異性体基を意味し、M13中のC1〜4アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびこれらの異性体基を意味し、M4中のハロゲン原子とは、塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素原子を意味し、−O−A4で示される側鎖の結合位置は1〜4位のどこでもよいが、好ましくは1位であり、−E4−G4−L4−M4で示される側鎖の位置は5〜8位のどこでもよいが、好ましくは5位もしくは6位である。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、WO99/25358号パンフレットに記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(V)
[式中、R5は、少なくとも2個のペンダント置換基を有する置換ヘテロアリール基であり、該ペンダント置換基は、C1〜6アルキル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、COR5−1、COCF3、SO2NR5−1、NO2およびCNからなる群から選択されるか、あるいはR5は、少なくとも1個のシアノ基を有する置換ヘテロアリール基であり、R5−1は水素原子、または炭素数6までの低級アルキル基であり、X5は−OR5−1および−N(R5−1)2からなる群から選択される基であり、Y5は=O、または2個の水素原子である。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特開平11−012249号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(VI)
[式中、A6は式
(式中、R6−4は水素原子、C1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表わす。)で示される基、または式
(式中、pは0または1〜3の整数を表わす。)で示される基を表わし、B6は式
(式中、R6−4は前記と同意義である。)で示される基、または式
(式中、qは1〜4の整数を表わす。)で示される基を表わし、Xはメチレン基、酸素原子、または硫黄原子を表わし、R6−1はC1〜4のアルキル基、フェニル基、または(C1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、またはC2〜5のアルカノイル基)で置換されたフェニル基を示し、R6−2は水素原子、またはC1〜4のアルキル基を示し、R6−3はC1〜4のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表わし、neおよびmdはそれぞれ0または1を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特開平10−168056号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(VII)
[式中、A7はエチレン基、ビニレン基、またはエチニレン基を表わし、
R7は式
(式中、R7−1はC1〜4のアルキル基、またはC3〜8のシクロアルキル基を表わす。)で示される基、または式
(式中、R7−2およびR7−3は同一、または異なって、水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わし、R7−4はC1〜4のアルキル基、C3〜8のシクロアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、C3〜8のシクロアルコキシ基、ヒドロキシ基、C1〜4のヒドロキシアルキル基、C2〜8のアシルオキシ基、C1〜4のアルキルチオ基、C1〜4のアルキルスルフィニル基、ニトロ基、またはアセチルアミノ基を表わす。)で示される基を示し、nfは0または1を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特開平7−233145号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(VIII)
[式中、R8−1およびR8−2は同一もしくは異なって水素原子、C1〜6のアルキル基、C3〜8のシクロアルキル基、C3〜8のシクロアルキル基で置換されたメチル基、C7〜12の架橋環式炭化水素の1価基、C1〜6のアルキルスルホニル基もしくはメトキシカルボニルメチル基を表わすか、またはR8−1とR8−2は一緒になって隣接する窒素原子と共に複素環式化合物の1価基を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第4692464号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(IX)
[式中、R9−1は水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わし、
A9はトランス−CH=CH−を表わし、
W9は遊離、またはテトラヒドロピラニル基によって保護されたヒドロキシメチル基を表わし、
D9は炭素原子1〜5個を有する直鎖状、または分枝状のアルキル基を表わし、
E9は−C≡C−結合を表わし、
R9−2はC1〜2のアルキル基を表わし、
R9−3は遊離、またはテトラヒドロピラニル基によって保護されたヒドロキシ基を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(IX)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、(1S,5S,6R,7R)−5−[7−ヒドロキシ−6−[3(S)−ヒドロキシ−3−メチル−1(E)−オクテニル]ビシクロ[3.3.0]オクト−2−エン−3−イル]ペンタン酸(この化合物は、TEI−3356とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特表昭51−125255号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(X)
[式中、R10−1は水素原子、またはC1〜12の直鎖状、または分枝状アルキル基を表わし、R10−2はアリール基、または複素環式基を表わし、これらはハロゲン原子、C1〜4の直鎖状、または分枝状アルキル基、トリハロメチル基、C2〜4のアルケニル基、フェニル基、C1〜4のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシ部分がC1〜4のアルコカルボニル基、ヒドロキシメチレン基、アルコキシ部分がC1〜4のアルコキシメチレン基、スルフィノ基、アルキル部分がC1〜4のアルキルスルホニル基およびスルファモイル、カルバモイル、N−アミノカルバモイル、アミジノ、アミノおよびヒドロキシイミノ基(それぞれの上記窒素含有基は場合によりC1〜4の1個、またはそれ以上のアルキル基により置換されている。)から選択される1個、またはそれ以上の置換基により置換され、ngは5〜8の整数を表わし、
(1)A10は、C1〜12の直鎖状、または分枝状アルキレン基を表わし、X10はエチレン基、またはトランス−ビニレン基を表わし、Y10はカルボニル基、または−CH(OR10−3)−基(基中、R10−3は水素原子、またはカルボキシル性アシル基を表わす。)を表わし、Z10は直接結合、酸素原子、または硫黄原子を表わすか、あるいは
(2)A10およびZ10は、共に直接結合を表わし、X10およびY10はそれぞれ同時にエチレンとカルボニル、トランス−ビニレンとカルボニル、またはエチレンと−CH(OR10−3)−基(基中、R10−3は前述の定義を有する。)を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(X)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば(+/−)−15α−ヒドロキシ−9−オキソ−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノルプロスト−13−トランス−エン酸(この化合物は、M&B28767とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特開昭61−249951号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(XI)
[式中、nhは1または2であり、
meは2〜5の整数であって、X11はシス、またはトランス−CH=CH−もしくは−CH2−CH2−であり、あるいは
meは1〜4の整数であって、X11は−CH=C=CH−であり、
R11−1は(1)フェニル基(C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4アルカノイル基、メチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、ハロゲン原子、−CO2R11−2基(基中、R11−2は水素原子、C1〜4アルキル基、またはフェニル基である。)、−NHCOR11−2基(基中、R20−2は上記定義の通りであるか、またはヒドロキシ基、CH3CONH−、またはベンゾイルアミノ基で任意に置換されてフェニル基である。)、−CONR11−3R11−4基(基中、R11−3またはR11−4は同一か、または異なり、それぞれ水素原子、またはC1〜4アルキル基である。)、−NHCONH2、−CH2CH(CONH2)NHCOCH3、または式
で任意に置換されたもの)、または(2)2−ナフチル基であり、
Y11は式
[式中、R11−5、R11−6およびR11−7はそれぞれ水素原子、またはメチル基であるが、これらのうち少なくとも1個は水素原子であって、Ar11はフェニル基(1個、または2個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4アルキルチオ基、C1〜4アルキルスルフィニル基、C1〜4アルキルスルホニル基、ハロゲン原子、またはトリフルオルメチル基で任意に置換されたもの)]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(XI)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば(−)−[1(R)−[1α(Z),2β(R*),3α]]−7−[3−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)−5−オキソシクロペンチル]−4−ヘプテン酸 4−(ベンゾイルアミノ)フェニルエステル(この化合物は、GR63799Xとも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第4863961号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(XII)
[式中、R12は、水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わし、
R12−1は、水素原子、ビニル、またはC1〜4のアルキル基を表わし、波線は、R、またはS立体化学を表わし、
R12−2、R12−3、およびR12−4は水素原子、またはC1〜4のアルキル基であり、または
R12−2およびR12−3は炭素原子YとともにC4〜6個のシクロアルケニル基を形成し、または
R12−2およびR12−4は炭素原子XおよびYとともにC4〜6個のシクロアルケニル基を形成する。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(XII)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、メチル−7−(2β−(6−(1−シクロペンチル−イル)−4R−ヒドロキシ−4−メチル−1E,5E−ヘキサジエニル)−3α−ヒドロキシ−5−オキソ−1R,1α−シクロペンチル)−4Z−ヘプテン酸(この化合物は、SC−46275とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第3985791号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(XIII)
[式中、R13は水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わし、
R13−1は水素原子、メチル基、またはエチル基を表わし、
R13−2は水素原子、オルト、メタもしくはパラ−ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、または臭素原子)、オルト、メタもしくはパラ−トリフルオロメチル基、オルト、メタもしくはパラ−アルキル基、またはオルト、メタもしくはパラ−アルコキシ基を表わす。
ただし、R13−1がα−配置の時、同じ炭素原子に結合している水酸基はβ−配置をとり、R13−1がβ−配置の時は、同水酸基はα−配置をとる。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(XIII)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、9−オキソ−11α,15α−ジヒドロキシ−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノルプロスタ−4,5,13−トランス−トリエン酸メチルエステル(この化合物は、Enprostil(エンプロスチル)とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明中のEP3作動活性を有する化合物のより好ましい化合物として、16−フェノキシ−ω−17,18,19,20−テトラノル−PGE2メチルスルフォナミド(この化合物は、Sulprostone(スルプロストン)とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第3965143号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(XIV)
[式中、R14−1、R14−2、およびR14−3は水素原子、またはC1〜7のアルキル基であり、R14−4はC1〜7のアルキル基であり、R14−5は水素原子、C1〜7のアルキル基、またはC1〜7のアルカノイル基であり、R14−6はC2〜4のアルキル基、またはC5〜7のシクロアルキル基であり、X14はカルボニル、ヒドロキシメチレン、またはアルカノイルオキシメチレン基(ただし、アルカノイル部は1〜7個の炭素原子を含む。)であり、V14はメチレン、ヒドロキシメチレン、またはアルカノイルオキシメチレン基(ただし、アルカノイル部は1〜7個の炭素原子を含む。)であり、Y14はエチレン、またはビニレン基であり、Y14−1はビニレン、エチニレン、または以下の基
(基中、njは0または1であり、R14−7およびR14−8は水素原子、またはC1〜7のアルキル基である。)、Z14はエチレン、ビニレン、またはエチニレン基である。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(XIV)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば(+/−)−15−デオキシ−16−α,β−ヒドロキシ−16−メチル PGE1メチルエステル(この化合物は、Misoprostol(ミソプロストール)とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
その他、本発明のEP3作動活性を有する化合物のうち、好ましい化合物として15−ヒドロキシ−9−オキソ−,(15S)−プロスタン−1−オイック酸(この化合物は、AY23626とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
[本発明に用いられる化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明の化合物、より好ましい化合物である11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエン酸、およびそれらの塩は、WO98/34916号パンフレットに記載の方法により製造することができる。
一般式(II)で示される化合物およびその塩は、米国特許第5624959号、または米国特許第5723493号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(III)で示される本発明の化合物、より好ましい化合物である2−[5−[2−[N−(ジフェニルメチル)カルバモイル]エチル]ナフタレン−1−イルオキシ]酢酸およびその塩は、米国特許第5753700号、または米国特許第6013673号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(IV)で示される化合物およびその塩は、WO97/05091号パンフレットに記載の方法により製造することができる。
一般式(V)で示される化合物およびその塩は、WO99/25358号パンフレットに記載の方法により製造することができる。
一般式(VI)で示される化合物およびその塩は、特開平11−012249号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(VII)で示される化合物およびその塩は、特開平10−168056号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(VIII)で示される化合物およびその塩は、特開平7−233145号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(IX)で示される化合物、より好ましい化合物である5−[(1S,5S,6R,7R)−7−ヒドロキシ−6−[(E)−(S)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]ビシクロ[3.3.0]オクト−2−エン−3−イル]ペンタン酸、およびその塩は、米国特許第4692464号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(X)で示される化合物、より好ましい化合物である(+/−)−15α−ヒドロキシ−9−オキソ−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノルプロスト−13−トランス−エン酸、およびその塩は、特表昭51−125255号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(XI)で示される化合物、より好ましい化合物である[1R−[1α(Z),2β(R*),3α]]−4−(ベンゾイルアミノ)フェニル−7−[3−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)−5−オキソシクロペンチル]−4−ヘプテン酸、およびその塩は、特開昭61−249951号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(XII)で示される化合物、より好ましい化合物であるメチル−7−(2β−(6−(1−シクロペンチル−イル)−4R−ヒドロキシ−4−メチル−1E,5E−ヘキサジエニル)−3α−ヒドロキシ−5−オキソ−1R,1α−シクロペンチル)−4Z−ヘプテン酸、およびその塩は、米国特許第4863961号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(XIII)で示される化合物、より好ましい化合物である9−オキソ−11α,15α−ジヒドロキシ−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノルプロスタ−4,5,13−トランス−トリエン酸メチルエステル、およびその塩は、米国特許第3985791号明細書、または欧州特許第0139608号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(XIV)で示される化合物、より好ましい化合物である(+/−)−15−デオキシ−16−α,β−ヒドロキシ−16−メチル PGE1メチルエステル、およびその塩は、米国特許第3965143号、または米国特許第4301146号明細書に記載の方法により製造することができる。
[医薬品への応用]
EP3受容体作動活性を有する化合物は、ヒトを含めた哺乳動物、特にヒトにおいて、アレルギー性疾患あるいは炎症性疾患の予防および/または治療に有用である。例えば、アレルギー性呼吸器疾患(例えば、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息、アトピー性喘息、アスピリン喘息、アレルギー性気管支炎)、アレルギー性鼻疾患(例えば、アレルギー性鼻炎、春季カタル、花粉症、慢性アレルギー性鼻炎)、アレルギー性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎)、アレルギー性眼疾患(例えば、花粉症、季節性アレルギー性結膜炎、または慢性アレルギー性結膜炎)、慢性気管支炎、気道過敏症、好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、サルコイド症、肺線維症、特発性間質性肺炎、過敏性肺臓炎、ウルシ皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、じんま疹、湿疹、疱疹性皮膚炎、食物アレルギー、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、または関節炎の治療および/または予防に有用である。より好ましくは、気管支喘息の治療および/または予防に有用である。
本発明に用いられる化合物には、公知の方法で製造される塩も当然含まれる。塩は薬理学的に許容される塩が好ましいが、本明細書および特許請求の範囲に特記された化合物は、薬理学的に許容し得る程度に低毒性であり、医薬品として使用するために十分安全であることが確認されている。
ここでいう薬理学的に許容される塩とは、親化合物が酸性化合物である場合はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等であり、親化合物が塩基性化合物である場合は有機、無機の酸付加塩等が挙げられる。
さらに、薬理学的に許容される塩は、水溶性のものが好ましい。好ましい塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミンやアミノ酸(例えば、テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
酸付加塩は水溶性であることが好ましい。好ましい酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
また、本発明に用いられる化合物、またはその塩は、溶媒和物であってもよい。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であるものが好ましい。好ましい溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
また、本発明に用いられる化合物は、公知の方法で製造されるプロドラッグであってもよい。
本発明に用いられる化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により本発明に用いられる化合物に変換する化合物をいう。本発明に用いられる化合物のプロドラッグとしては、本発明に用いられる化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、本発明に用いられる化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);本発明に用いられる化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、本発明に用いられる化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、本発明に用いられる化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。
本発明に用いられる化合物、またはそのエステルは、α−、β−あるいは、γ−シクロデキストリン、あるいはこれらの混合物を用いて、GB1351238号明細書、またはGB1419221号明細書記載の方法を用いることにより、シクロデキストリン包接化合物に変換することができる。シクロデキストリン包接化合物に変換することにより、安定性が増大し、また水溶性が大きくなるため、薬剤として使用する際好都合である。
本発明の予防および/または治療剤は、通常、全身的、または局所的に、経口、または非経口の形で投与される。
投与量は、本発明に用いる薬物により異なり、また年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、経口投与の場合は、通常、成人一人あたり、1回につき、1μgから100mgの範囲で、1日1回から数回投与される。非経口投与の場合は、成人一人あたり、1回につき、0.1ngから10mgの範囲で、1日1回から数回投与され、その非経口投与形態は、好ましくは、静脈内投与であり、1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
本発明の予防および/または治療剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、吸入剤、経鼻剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠などが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質がそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
舌下錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。口腔内貼付錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのまま、あるいは原末もしくは造粒原末粒子に適当なコーティング剤(エチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノール、またはそれらの混液等)に溶解、懸濁、または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法、または通常使用されている処方により製造される。
軟膏剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に混和、または溶融させて製造される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて製造される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融、または乳化させて製造される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるものが単独で、または2種以上に溶解、懸濁、または乳化させて製造される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2868691号明細書および米国特許第3095355号明細書に詳しく記載されている。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解、または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁、または乳化させて用いられる。溶剤としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化、または無菌の注射用蒸留水、または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤、または吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水、または他の適当な媒体に溶解、または懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のためのその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
持続性製剤としては、疾患の部位へ直接、本発明記載の化合物を持続的に供給できればよく、その投与形態としては埋め込み製剤が挙げられる。
本発明の治療剤の持続性フィルム状製剤のフィルム基材で使用する生体内吸収性高分子としては、脂肪酸エステル重合体、またはその共重合体、ポリアクリル酸エステル類、ポリヒドロキシ酪酸類、ポリアルキレンオキサレート類、ポリオルソエステル、ポリカーボネートおよびポリアミノ酸類が挙げられ、これらは1種類、またはそれ以上混合して使用することができる。脂肪酸エステル重合体、またはその共重合体とは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリフォスファゼンなど、およびこれらの2成分以上からなるグラフト、ブロック、交互、ランダム共重合体が挙げられ、これらは1種類、またはそれ以上混合して使用することができる。その他に、ポリα−シアノアクリル酸エステル、ポリβ−ヒドロキシ酪酸、ポリトリメチレンオキサート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリγ−ベンジル−L−グルタミン酸およびポリL−アラニンなどがあり、これらの2成分以上、または上述材料との共重合体など、あるいは1種類、またはそれ以上混合も使用することができる。好ましくは、ポリ乳酸、ポリグルコール酸、または乳酸−グリコール酸共重合体である。
ポリ乳酸あるいは乳酸−グリコール酸共重合体で使用される乳酸としては、L−乳酸、またはDL−乳酸が挙げられる。
本発明に使用される前記生体内吸収性高分子重合物の平均分子量は約2,000〜約800,000のものが好ましく、約5,000〜約200,000がより好ましい。例えば、ポリ乳酸において、その重量平均分子量は約5,000〜約100,000ものが好ましく、さらに約6,000〜約50,000が好ましい。ポリ乳酸は、それ自体公知の製造方法に従って合成できる。
乳酸−グリコール酸共重合物においては、その乳酸とグリコール酸との組成比は約100/0〜約0/100(W/W)までのもの、より好ましくは約90/10〜約30/70(W/W)のものを目的に応じて用いることができる。使用する乳酸−グリコール酸共重合物の重量平均分子量は約5,000〜約100,000が好ましく、さらに約10,000〜約80,000が好ましい。乳酸−グリコール酸共重合物は、それ自体公知の製造方法に従って合成できる。
フィルム状製剤の製造方法は、特に制限されないが、例えば前記の生体内吸収性高分子と本発明の有効化合物を有機溶媒に溶解した後、蒸留乾固、風乾、または凍結乾燥してフィルム状とする方法、生体内吸収性高分子を有機溶媒に溶解し、本発明で用いる化合物を水あるいは前者有機溶媒と混和しない溶媒に溶解した後に乳化混合して凍結乾燥する方法、あるいは生体内吸収性高分子と本発明で用いる化合物を適当な溶剤に溶かした後、増粘剤(セルロース類、ポリカーボネート類等)を加えて、ゲル化する方法により製造することができる。
本発明の予防および/または治療剤は、有効成分(化合物)の作用が徐放性を有し、生体内吸収性高分子の種類、配合量などによりその徐放期間は異なるが、通常1週から3カ月の徐放期間を有するので、軟骨障害に起因する疾患等に用いることができる。これらの中で特に当該患者の場合、患部を固定しギブスなどで覆うことが多いため、頻回投与を避け1回の投与で持続的に治癒促進することが望まれるため、本発明の剤には特に有効である。
本発明の予防および/または治療剤の投与量は、薬物放出の持続時間、投与対象動物などにより異なるが、本発明で用いる化合物の有効量であればよい。例えばフィルム状製剤として関節部位に使用する場合、1回当りの投与量として、成人(体重50kg)当り、有効成分として約0.001mgから500mgを、好ましくは約0.01mgから50mgを1週間ないし3カ月に1回投与すればよい。
本発明の予防および/または治療剤は、その予防および/または治療効果の補完および/または増強のため、動態・吸収改善、投与量の低減のため、および/または、副作用の軽減のために既存のアレルギー性疾患あるいは炎症性疾患の治療薬と併用、あるいは共に製剤化することができる。
例えば、抗喘息薬(例えば、プロカテロール)、吸入ステロイド薬(例えば、ベクロメタゾン、フルチカゾン、ブデソナイド)、吸入β2刺激薬(例えば、フェノテロール、サブタモール、フォルモテロール、サルメテロール)、メチルキサンチン系喘息薬(例えば、テオフィリン)、抗アレルギー薬(例えば、トシル酸スプラタスト)、ヒスタミンH1−拮抗薬(例えば、フマル酸ケトチフェン、テルフェナジン、塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、オキサトミド、メキタジン、フマル酸エメダスチン、アステミゾール、エバスチン、塩酸フェキソフェナジン、塩酸オロパタジン、ベシル酸ベポタスチン、塩酸セチリジン)、抗炎症薬(例えば、ジクロフェナクナトリウム、イブプロフェン、インドメタシン)、抗コリン薬(例えば、臭化イプラトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化チオトロピウム)などが挙げられる。また、トロンボキサン拮抗薬(例えば、塩酸オザグレル、セラトロダスト、ラマトロバン)、ロイコトリエン拮抗薬(例えば、プランルカスト、モンテルカスト、ザフリルカスト、ザイリュートン)、メディエーター遊離抑制薬(例えば、トラニラスト、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、タザノラスト、ペミロラスト)、LTD4拮抗薬、PAF拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、β2作動薬、ステロイド薬好酸球化学遊走抑制薬、DSCG(クロモグリク酸ナトリウム)、マクロライド系抗生剤(例えば、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン)、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、FK506)、減感作療法剤(特異的アレルゲン)と併用あるいは共に製剤化することができる。
本発明の予防および/または治療剤と他の薬剤の併用は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明の薬剤を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明の薬剤を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
本発明の予防および/または治療剤と他の薬物の使用量は特に限定されず、安全に使用される量ならいかなる量でもよい。また、本発明の薬剤の治療効果を補完および/または増強する他の薬物には、既知および/または新規化合物も含まれる。
さらに、ここでいう他の薬物は、一般的に使用されるいかなる剤形であってもよい。例えば、固形剤(例えば、錠剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)、液剤(水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等)等が挙げられる。
本発明者らは、アレルギー性疾患動物モデルを用いて、EP3受容体作動活性を有する化合物の投与が、アレルギー性疾患治療に有効であるか否かを検討した。その結果、EP3受容体作動活性を有する化合物が、アレルギー性疾患の治療および/または予防に効果を有することを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は
(1)EP3受容体作動活性を有する化合物を含有するアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(2)アレルギー性疾患が、アレルギー性呼吸器疾患、アレルギー性鼻疾患、アレルギー性皮膚疾患、またはアレルギー性眼疾患である前記1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(3)アレルギー性呼吸器疾患が、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息もしくはアトピー性喘息であり、アレルギー性鼻疾患が、アレルギー性鼻炎、春季カタル、花粉症もしくは慢性アレルギー性鼻炎であり、アレルギー性皮膚疾患がアトピー性皮膚炎であり、またはアレルギー性眼疾患が、季節性アレルギー性結膜炎、花粉症もしくは慢性アレルギー性結膜炎である前記2記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(4)アレルギー性呼吸器疾患が、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息、またはアトピー性喘息である前記2記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(5)EP3受容体作動活性を有する化合物が、一般式(I)
[式中、Rはオキソ基、またはハロゲン原子を表わし、
R1−1およびR1−2はそれぞれ独立して、C1〜4アルキル基を表わし、
R1−3はC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、C2〜10アルキニレン基、フェニル基、フェノキシ基、C3〜7シクロアルキル基、またはC3〜7シクロアルキルオキシ基で置換されているC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、またはC2〜10アルキニレン基を表わす。フェニルおよびシクロアルキル基は、1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、トリハロメチル基、またはニトロ基で置換されていてもよい。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物である前記1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(6)11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエン酸、またはその塩もしくはその溶媒和物である前記5記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(7)EP3受容体作動活性を有する化合物が、ミソプロストール、またはスルプロストンである前記1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤、
(8)前記1記載のEP3受容体作動活性を有する化合物と、抗喘息薬、吸入ステロイド薬、吸入β2刺激薬、メチルキサンチン系喘息薬、抗アレルギー薬、ヒスタミンH1−拮抗薬、抗炎症薬、抗コリン薬、トロンボキサン拮抗薬、ロイコトリエン拮抗薬、LTD4拮抗薬、PAF拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、β2作動薬、ステロイド薬、メディエーター遊離抑制薬、好酸球化学遊走抑制薬、クロモグリク酸ナトリウム、マクロライド系抗生剤、免疫抑制剤および減感作療法剤から選択される1種以上の薬剤との組み合わせからなる医薬組成物、
(9)EP3受容体作動活性を有する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とするアレルギー性疾患を予防および/または治療する方法、および
(10)アレルギー性疾患の予防および/または治療剤を製造するためのEP3受容体作動活性を有する化合物の使用に関するものである。
本発明者らは、これまでに、PGE2受容体のサブタイプの1つであるEP3遺伝子欠損マウスの解析によって、同マウスの肺胞洗浄液(以下、BALFと略記する。)中の好酸球浸潤の顕著な増加、肺組織への浸潤細胞数、およびTh2型サイトカイン量の増加がより顕著に認められたこと等の結果から、EP3がアレルギー反応の発症に関与していることを明らかとしている。さらに、感作した野生型マウスの肺をインビトロで抗原刺激した時に放出されるケミカルメディエーター量が、PGH産生酵素(シクロオキシゲナーゼ)阻害剤であるインドメタシンによって増加し、EP3受容体に対するアゴニストによって抑制されることを見出している。しかしながら、この抑制は、インドメタシンによって増強した部分の改善に過ぎないことから、シクロオキシゲナーゼ阻害剤の服用によって引き起こされると考えられている、いわゆるアスピリン喘息のみへの効果は期待されるもの、抗原によって引き起こされる他の多くのアレルギー性疾患に対してまでは効果が期待されないとものと考えられていた。
本発明者らは、新たに、抗原感作によって引き起こされるアレルギー反応へのEP3受容体作動活性を有する化合物の作用を、抗原感作喘息モデルマウスを用いて更に鋭意研究した。すなわち、予め、抗原であるOVAで感作したマウスを用い、喘息反応を誘導し、その後、アレルギー反応の指標であるBALF中の炎症性細胞数の変化について検討を行った。その結果、実施例1に示されるように、EP3受容体作動活性を有する化合物を投与することにより、BALF中の好酸球数、および好中球数が著しく減少し、アレルギー反応が抑制されていることがわかった。すなわち、喘息モデルマウスは、EP3受容体作動活性を有する化合物を投与されることにより、病態が治療されていた。このことから、EP3受容体作動活性を有する化合物が、アスピリン喘息のみに留まらず、抗原に暴露されることを原因とする多くのアレルギー性疾患の治療および/または予防に有用であることが示された。
本発明に用いられるEP3受容体作動活性を有する化合物としては、EP3受容体に対して作動活性を有している化合物ならいかなるものでもよく、選択的にEP3作動活性を有する化合物、さらに特異的にEP3作動活性を有する化合物を含む。
選択的にEP3作動活性を有する化合物は、EP3以外のプロスタグランジン受容体作動活性のいずれを有していてもよい。好ましくは、それら作動活性のうち一番強い活性が、EP3作動活性の1/10以下、または1/100以下、好ましくは1/1000以下である物質を含む。一方、特異的にEP3作動活性を有する化合物は、EP3以外のプロスタグランジン受容体作動活性のいずれもが、EP3作動活性の1/10以下または1/100以下、好ましくは1/1000以下、より好ましくは1/10000以下である物質を含む。
本発明に係る化合物の式中、特に断わらない限り、当業者にとって明らか
本発明に使用される化合物については、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
本発明中のEP3作動活性を有する化合物として、WO98/34916号パンフレットに記載の化合物が挙げられ、さらに、そのうちの好ましい化合物として、一般式(I)
[式中、Rはオキソ基、またはハロゲン原子を表わし、
R1−1およびR1−2はそれぞれ独立して、C1〜4アルキル基を表わし、
R1−3はC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、C2〜10アルキニレン基、フェニル基、フェノキシ基、C3〜7シクロアルキル基、またはC3〜7シクロアルキルオキシ基で置換されているC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、またはC2〜10アルキニレン基を表わす。フェニルおよびシクロアルキル基は、1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、またはトリハロメチル基、ニトロ基で置換されていてもよい。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(I)中、C1〜4アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C1〜4アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C1〜10アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C2〜10アルケニル基とは、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C2〜10アルキニル基とは、エチニル、プロピニル、プチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルおよびこれらの分枝型異性体基を意味し、C3〜7シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル基を意味する。一般式(I)中、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を意味する。
一般式(I)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエン酸(WO98/34916号パンフレット参照)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第5624959号、または米国特許第5723493号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(II)
[式中、R2−1は−COOR2−4基(基中、R2−4は水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)、−CONR2−5R2−6基(基中、R2−5およびR2−6はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜4のアルキル基、または水酸基が1個置換しているC1〜4アルキル基を表わす。)、または−CH2OHを表わし、
(基中、A2は単結合、またはC1〜4のアルキレン基を表わす。)、または
(基中、A2は式
(基中、mfおよびnmはそれぞれ0または1〜4の整数を表わす。ただし、mf+nmは2〜4の整数である。)で示される基を表わし、B2は−NR2−3SO2−、または−SO2NR2−3−(基中、R2−3は水素原子、C1〜4のアルキル基、または−CH2COOR2−7(基中、R2−7は水素原子、またはR2−4a(基中、R2−4aはC1〜4のアルキル基を表わす。)を表わす。)を表わし、R2−2は(1)C1〜6アルキル基、C2〜6のアルケニル基、またはC2〜6アルキニル基、(2)1〜3個のフェニル基、C4〜7のシクロアルキル基、あるいはC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、またはハロゲン原子から選ばれる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基によって置換されているC1〜6アルキル基、C2〜6のアルケニル基、またはC2〜6アルキニル基、または(3)ナフチル基を表わし、
化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第5753700号、または米国特許第6013673号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(III)
[式中、R3−1は水素原子、C1〜4アルキル基、式(C1〜4アルキレン)−COOR3−10基(基中、R3−10は水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)で示される基、(C1〜4アルキレン)−OH基、式(C1〜4アルキレン)−CONR3−4R3−5(式中、R3−4およびR3−5はそれぞれ独立して水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)で示される基、式(C1〜4アルキレン)−CONR3−6−(C1〜4アルキレン)−OH(式中、R3−6は水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わす。)で示される基、式(C1〜4アルキレン)−NR3−4R3−5(式中、R3−4およびR3−5は前記と同じ意味を表わす。)で示される基、(C1〜4アルキレン)−CN基、または(C1〜4アルキレン)−テトラゾリル基を表わし、
A3は単結合、C1〜6アルキレン基、C2〜6アルケニレン基、−S−(C1〜6アルキレン)基、または−O−(C1〜6アルキレン)基を表わし、
B3は式NR3−3CO、またはCONR3−3(式中、R3−3は水素原子またはC1〜4のアルキル基を表わす。)で示される基を表わし、
R3−2は(1)C1〜6アルキル基、(2)C2〜6アルケニル基、(3)フェニル基、C4〜7シクロアルキル基、ナフチル基および窒素原子1個を含有する4〜7員のヘテロ環から任意に選択される1〜3個の置換基で置換されたC1〜6のアルキル基、(4)フェニル基、C4〜7シクロアルキル基、ナフチル基および窒素原子1個を含有する4〜7員のヘテロ環から任意に選択される1〜3個の置換基で置換されたC2〜6のアルケニル基、(5)式R3−7R3−8(式中、R3−7およびR3−8は独立して、フェニル基、C4〜7シクロアルキル基、ナフチル基、または窒素原子1個を含有する4〜7員のヘテロ環を表わす。)で示される基、または(6)式(C1〜6アルキレン)−NR3−7R3−8(式中、R3−7およびR3−8は前記と同じ意味を表わす。)で示される基を表わす。ただし、R3−2中の環は、1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(III)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、2−[5−[2−[N−(ジフェニルメチル)カルバモイル]エチル]ナフタレン−1−イルオキシ]酢酸、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、WO97/05091号パンフレットに記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(IV)
[式中、A4は、水素原子、−(C1〜4アルキレン)−COOR4−1基(基中、R4−1は水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)、−(C1〜4アルキレン)−CONR4−2R4−3基(基中、R4−2およびR4−3はそれぞれ独立して水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)、−(C1〜4アルキレン)−OH基、−(C1〜4アルキレン)−テトラゾリル基、または−(C1〜4アルキレン)−CN基を表わし、
E4は、単結合、またはC1〜6アルキレン基を表わし、
G4は、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、または−NR4−4−基(基中、R4−4は水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)を表わし、
L4は、C1〜6アルキレン基、−(CH2)mc−CH=CH−(CH2)nd−基(基中、mcは0または1〜3の整数、ndは0または1〜3の整数を表わす。)、または−(CH2)xa−CH(OH)−(CH2)ya−基(基中、xaは1〜3の整数、yaは0または1〜3の整数を表わす。)を表わし、
M4は、
(基中の各フェニル基は1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わし、
ただし、(1)G4が−SO−、またはSO2−基の場合、M4は、
(基中の各フェニル基は1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わさず、(2)L4中のmcが0の場合、G4は−SO−、または−SO2−基を表わし、(3)L4中のndが0の場合、M4は、
(基中の各フェニル基は1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わし、(4)L4中のyaが0の場合、M4は、
(基中の各フェニル基は1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基で置換されていてもよい。)を表わし、(5)A4が水素原子の場合、L4は−(CH2)mc−CH=CH−(CH2)nd−基(基中、mcおよびndは前記と同じ意味を表わす。)、または−(CH2)xa−CH(OH)−(CH2)ya−基(基中、xaおよびyaは前記と同じ意味を表わす。)を表わし、(6)A4中のテトラゾリル基は、
を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(IV)中、R4−1、R4−2、R4−3およびR4−4によって表わされるC1〜4アルキル基、またはM4中の、フェニル基の置換基としてのC1〜4アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびこれらの異性体基を意味し、A4中のC1〜4アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンおよびこれらの異性体基を意味し、E4およびL4が表わすC1〜6アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレンおよびこれらの異性体基を意味し、M13中のC1〜4アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびこれらの異性体基を意味し、M4中のハロゲン原子とは、塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素原子を意味し、−O−A4で示される側鎖の結合位置は1〜4位のどこでもよいが、好ましくは1位であり、−E4−G4−L4−M4で示される側鎖の位置は5〜8位のどこでもよいが、好ましくは5位もしくは6位である。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、WO99/25358号パンフレットに記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(V)
[式中、R5は、少なくとも2個のペンダント置換基を有する置換ヘテロアリール基であり、該ペンダント置換基は、C1〜6アルキル、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、COR5−1、COCF3、SO2NR5−1、NO2およびCNからなる群から選択されるか、あるいはR5は、少なくとも1個のシアノ基を有する置換ヘテロアリール基であり、R5−1は水素原子、または炭素数6までの低級アルキル基であり、X5は−OR5−1および−N(R5−1)2からなる群から選択される基であり、Y5は=O、または2個の水素原子である。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特開平11−012249号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(VI)
[式中、A6は式
(式中、R6−4は水素原子、C1〜4のアルキル基、またはハロゲン原子を表わす。)で示される基、または式
(式中、pは0または1〜3の整数を表わす。)で示される基を表わし、B6は式
(式中、R6−4は前記と同意義である。)で示される基、または式
(式中、qは1〜4の整数を表わす。)で示される基を表わし、Xはメチレン基、酸素原子、または硫黄原子を表わし、R6−1はC1〜4のアルキル基、フェニル基、または(C1〜4のアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、またはC2〜5のアルカノイル基)で置換されたフェニル基を示し、R6−2は水素原子、またはC1〜4のアルキル基を示し、R6−3はC1〜4のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表わし、neおよびmdはそれぞれ0または1を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特開平10−168056号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(VII)
[式中、A7はエチレン基、ビニレン基、またはエチニレン基を表わし、
R7は式
(式中、R7−1はC1〜4のアルキル基、またはC3〜8のシクロアルキル基を表わす。)で示される基、または式
(式中、R7−2およびR7−3は同一、または異なって、水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わし、R7−4はC1〜4のアルキル基、C3〜8のシクロアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、C3〜8のシクロアルコキシ基、ヒドロキシ基、C1〜4のヒドロキシアルキル基、C2〜8のアシルオキシ基、C1〜4のアルキルチオ基、C1〜4のアルキルスルフィニル基、ニトロ基、またはアセチルアミノ基を表わす。)で示される基を示し、nfは0または1を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特開平7−233145号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(VIII)
[式中、R8−1およびR8−2は同一もしくは異なって水素原子、C1〜6のアルキル基、C3〜8のシクロアルキル基、C3〜8のシクロアルキル基で置換されたメチル基、C7〜12の架橋環式炭化水素の1価基、C1〜6のアルキルスルホニル基もしくはメトキシカルボニルメチル基を表わすか、またはR8−1とR8−2は一緒になって隣接する窒素原子と共に複素環式化合物の1価基を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第4692464号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(IX)
[式中、R9−1は水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わし、
A9はトランス−CH=CH−を表わし、
W9は遊離、またはテトラヒドロピラニル基によって保護されたヒドロキシメチル基を表わし、
D9は炭素原子1〜5個を有する直鎖状、または分枝状のアルキル基を表わし、
E9は−C≡C−結合を表わし、
R9−2はC1〜2のアルキル基を表わし、
R9−3は遊離、またはテトラヒドロピラニル基によって保護されたヒドロキシ基を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(IX)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、(1S,5S,6R,7R)−5−[7−ヒドロキシ−6−[3(S)−ヒドロキシ−3−メチル−1(E)−オクテニル]ビシクロ[3.3.0]オクト−2−エン−3−イル]ペンタン酸(この化合物は、TEI−3356とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特表昭51−125255号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(X)
[式中、R10−1は水素原子、またはC1〜12の直鎖状、または分枝状アルキル基を表わし、R10−2はアリール基、または複素環式基を表わし、これらはハロゲン原子、C1〜4の直鎖状、または分枝状アルキル基、トリハロメチル基、C2〜4のアルケニル基、フェニル基、C1〜4のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、アルコキシ部分がC1〜4のアルコカルボニル基、ヒドロキシメチレン基、アルコキシ部分がC1〜4のアルコキシメチレン基、スルフィノ基、アルキル部分がC1〜4のアルキルスルホニル基およびスルファモイル、カルバモイル、N−アミノカルバモイル、アミジノ、アミノおよびヒドロキシイミノ基(それぞれの上記窒素含有基は場合によりC1〜4の1個、またはそれ以上のアルキル基により置換されている。)から選択される1個、またはそれ以上の置換基により置換され、ngは5〜8の整数を表わし、
(1)A10は、C1〜12の直鎖状、または分枝状アルキレン基を表わし、X10はエチレン基、またはトランス−ビニレン基を表わし、Y10はカルボニル基、または−CH(OR10−3)−基(基中、R10−3は水素原子、またはカルボキシル性アシル基を表わす。)を表わし、Z10は直接結合、酸素原子、または硫黄原子を表わすか、あるいは
(2)A10およびZ10は、共に直接結合を表わし、X10およびY10はそれぞれ同時にエチレンとカルボニル、トランス−ビニレンとカルボニル、またはエチレンと−CH(OR10−3)−基(基中、R10−3は前述の定義を有する。)を表わす。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(X)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば(+/−)−15α−ヒドロキシ−9−オキソ−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノルプロスト−13−トランス−エン酸(この化合物は、M&B28767とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、特開昭61−249951号公報に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(XI)
[式中、nhは1または2であり、
meは2〜5の整数であって、X11はシス、またはトランス−CH=CH−もしくは−CH2−CH2−であり、あるいは
meは1〜4の整数であって、X11は−CH=C=CH−であり、
R11−1は(1)フェニル基(C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4アルカノイル基、メチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基、ハロゲン原子、−CO2R11−2基(基中、R11−2は水素原子、C1〜4アルキル基、またはフェニル基である。)、−NHCOR11−2基(基中、R20−2は上記定義の通りであるか、またはヒドロキシ基、CH3CONH−、またはベンゾイルアミノ基で任意に置換されてフェニル基である。)、−CONR11−3R11−4基(基中、R11−3またはR11−4は同一か、または異なり、それぞれ水素原子、またはC1〜4アルキル基である。)、−NHCONH2、−CH2CH(CONH2)NHCOCH3、または式
で任意に置換されたもの)、または(2)2−ナフチル基であり、
Y11は式
[式中、R11−5、R11−6およびR11−7はそれぞれ水素原子、またはメチル基であるが、これらのうち少なくとも1個は水素原子であって、Ar11はフェニル基(1個、または2個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、C1〜4アルキルチオ基、C1〜4アルキルスルフィニル基、C1〜4アルキルスルホニル基、ハロゲン原子、またはトリフルオルメチル基で任意に置換されたもの)]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(XI)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば(−)−[1(R)−[1α(Z),2β(R*),3α]]−7−[3−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)−5−オキソシクロペンチル]−4−ヘプテン酸 4−(ベンゾイルアミノ)フェニルエステル(この化合物は、GR63799Xとも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第4863961号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(XII)
[式中、R12は、水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わし、
R12−1は、水素原子、ビニル、またはC1〜4のアルキル基を表わし、波線は、R、またはS立体化学を表わし、
R12−2、R12−3、およびR12−4は水素原子、またはC1〜4のアルキル基であり、または
R12−2およびR12−3は炭素原子YとともにC4〜6個のシクロアルケニル基を形成し、または
R12−2およびR12−4は炭素原子XおよびYとともにC4〜6個のシクロアルケニル基を形成する。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(XII)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、メチル−7−(2β−(6−(1−シクロペンチル−イル)−4R−ヒドロキシ−4−メチル−1E,5E−ヘキサジエニル)−3α−ヒドロキシ−5−オキソ−1R,1α−シクロペンチル)−4Z−ヘプテン酸(この化合物は、SC−46275とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第3985791号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(XIII)
[式中、R13は水素原子、またはC1〜4のアルキル基を表わし、
R13−1は水素原子、メチル基、またはエチル基を表わし、
R13−2は水素原子、オルト、メタもしくはパラ−ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、または臭素原子)、オルト、メタもしくはパラ−トリフルオロメチル基、オルト、メタもしくはパラ−アルキル基、またはオルト、メタもしくはパラ−アルコキシ基を表わす。
ただし、R13−1がα−配置の時、同じ炭素原子に結合している水酸基はβ−配置をとり、R13−1がβ−配置の時は、同水酸基はα−配置をとる。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(XIII)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば、9−オキソ−11α,15α−ジヒドロキシ−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノルプロスタ−4,5,13−トランス−トリエン酸メチルエステル(この化合物は、Enprostil(エンプロスチル)とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明中のEP3作動活性を有する化合物のより好ましい化合物として、16−フェノキシ−ω−17,18,19,20−テトラノル−PGE2メチルスルフォナミド(この化合物は、Sulprostone(スルプロストン)とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
さらに、本発明のEP3作動活性を有する化合物として、米国特許第3965143号明細書に記載の化合物が挙げられ、そのうちの好ましい化合物として、一般式(XIV)
[式中、R14−1、R14−2、およびR14−3は水素原子、またはC1〜7のアルキル基であり、R14−4はC1〜7のアルキル基であり、R14−5は水素原子、C1〜7のアルキル基、またはC1〜7のアルカノイル基であり、R14−6はC2〜4のアルキル基、またはC5〜7のシクロアルキル基であり、X14はカルボニル、ヒドロキシメチレン、またはアルカノイルオキシメチレン基(ただし、アルカノイル部は1〜7個の炭素原子を含む。)であり、V14はメチレン、ヒドロキシメチレン、またはアルカノイルオキシメチレン基(ただし、アルカノイル部は1〜7個の炭素原子を含む。)であり、Y14はエチレン、またはビニレン基であり、Y14−1はビニレン、エチニレン、または以下の基
(基中、njは0または1であり、R14−7およびR14−8は水素原子、またはC1〜7のアルキル基である。)、Z14はエチレン、ビニレン、またはエチニレン基である。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
一般式(XIV)で示される化合物のうち、より好ましいものとして、例えば(+/−)−15−デオキシ−16−α,β−ヒドロキシ−16−メチル PGE1メチルエステル(この化合物は、Misoprostol(ミソプロストール)とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
その他、本発明のEP3作動活性を有する化合物のうち、好ましい化合物として15−ヒドロキシ−9−オキソ−,(15S)−プロスタン−1−オイック酸(この化合物は、AY23626とも称される。)、またはその塩もしくはその溶媒和物が挙げられる。
[本発明に用いられる化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明の化合物、より好ましい化合物である11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエン酸、およびそれらの塩は、WO98/34916号パンフレットに記載の方法により製造することができる。
一般式(II)で示される化合物およびその塩は、米国特許第5624959号、または米国特許第5723493号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(III)で示される本発明の化合物、より好ましい化合物である2−[5−[2−[N−(ジフェニルメチル)カルバモイル]エチル]ナフタレン−1−イルオキシ]酢酸およびその塩は、米国特許第5753700号、または米国特許第6013673号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(IV)で示される化合物およびその塩は、WO97/05091号パンフレットに記載の方法により製造することができる。
一般式(V)で示される化合物およびその塩は、WO99/25358号パンフレットに記載の方法により製造することができる。
一般式(VI)で示される化合物およびその塩は、特開平11−012249号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(VII)で示される化合物およびその塩は、特開平10−168056号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(VIII)で示される化合物およびその塩は、特開平7−233145号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(IX)で示される化合物、より好ましい化合物である5−[(1S,5S,6R,7R)−7−ヒドロキシ−6−[(E)−(S)−4−ヒドロキシ−4−メチル−1−オクテニル]ビシクロ[3.3.0]オクト−2−エン−3−イル]ペンタン酸、およびその塩は、米国特許第4692464号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(X)で示される化合物、より好ましい化合物である(+/−)−15α−ヒドロキシ−9−オキソ−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノルプロスト−13−トランス−エン酸、およびその塩は、特表昭51−125255号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(XI)で示される化合物、より好ましい化合物である[1R−[1α(Z),2β(R*),3α]]−4−(ベンゾイルアミノ)フェニル−7−[3−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)−5−オキソシクロペンチル]−4−ヘプテン酸、およびその塩は、特開昭61−249951号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式(XII)で示される化合物、より好ましい化合物であるメチル−7−(2β−(6−(1−シクロペンチル−イル)−4R−ヒドロキシ−4−メチル−1E,5E−ヘキサジエニル)−3α−ヒドロキシ−5−オキソ−1R,1α−シクロペンチル)−4Z−ヘプテン酸、およびその塩は、米国特許第4863961号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(XIII)で示される化合物、より好ましい化合物である9−オキソ−11α,15α−ジヒドロキシ−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノルプロスタ−4,5,13−トランス−トリエン酸メチルエステル、およびその塩は、米国特許第3985791号明細書、または欧州特許第0139608号明細書に記載の方法により製造することができる。
一般式(XIV)で示される化合物、より好ましい化合物である(+/−)−15−デオキシ−16−α,β−ヒドロキシ−16−メチル PGE1メチルエステル、およびその塩は、米国特許第3965143号、または米国特許第4301146号明細書に記載の方法により製造することができる。
[医薬品への応用]
EP3受容体作動活性を有する化合物は、ヒトを含めた哺乳動物、特にヒトにおいて、アレルギー性疾患あるいは炎症性疾患の予防および/または治療に有用である。例えば、アレルギー性呼吸器疾患(例えば、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息、アトピー性喘息、アスピリン喘息、アレルギー性気管支炎)、アレルギー性鼻疾患(例えば、アレルギー性鼻炎、春季カタル、花粉症、慢性アレルギー性鼻炎)、アレルギー性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎)、アレルギー性眼疾患(例えば、花粉症、季節性アレルギー性結膜炎、または慢性アレルギー性結膜炎)、慢性気管支炎、気道過敏症、好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、サルコイド症、肺線維症、特発性間質性肺炎、過敏性肺臓炎、ウルシ皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、じんま疹、湿疹、疱疹性皮膚炎、食物アレルギー、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、または関節炎の治療および/または予防に有用である。より好ましくは、気管支喘息の治療および/または予防に有用である。
本発明に用いられる化合物には、公知の方法で製造される塩も当然含まれる。塩は薬理学的に許容される塩が好ましいが、本明細書および特許請求の範囲に特記された化合物は、薬理学的に許容し得る程度に低毒性であり、医薬品として使用するために十分安全であることが確認されている。
ここでいう薬理学的に許容される塩とは、親化合物が酸性化合物である場合はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等であり、親化合物が塩基性化合物である場合は有機、無機の酸付加塩等が挙げられる。
さらに、薬理学的に許容される塩は、水溶性のものが好ましい。好ましい塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミンやアミノ酸(例えば、テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
酸付加塩は水溶性であることが好ましい。好ましい酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
また、本発明に用いられる化合物、またはその塩は、溶媒和物であってもよい。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であるものが好ましい。好ましい溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
また、本発明に用いられる化合物は、公知の方法で製造されるプロドラッグであってもよい。
本発明に用いられる化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により本発明に用いられる化合物に変換する化合物をいう。本発明に用いられる化合物のプロドラッグとしては、本発明に用いられる化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、本発明に用いられる化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);本発明に用いられる化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、本発明に用いられる化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、本発明に用いられる化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。
本発明に用いられる化合物、またはそのエステルは、α−、β−あるいは、γ−シクロデキストリン、あるいはこれらの混合物を用いて、GB1351238号明細書、またはGB1419221号明細書記載の方法を用いることにより、シクロデキストリン包接化合物に変換することができる。シクロデキストリン包接化合物に変換することにより、安定性が増大し、また水溶性が大きくなるため、薬剤として使用する際好都合である。
本発明の予防および/または治療剤は、通常、全身的、または局所的に、経口、または非経口の形で投与される。
投与量は、本発明に用いる薬物により異なり、また年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、経口投与の場合は、通常、成人一人あたり、1回につき、1μgから100mgの範囲で、1日1回から数回投与される。非経口投与の場合は、成人一人あたり、1回につき、0.1ngから10mgの範囲で、1日1回から数回投与され、その非経口投与形態は、好ましくは、静脈内投与であり、1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
本発明の予防および/または治療剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、吸入剤、経鼻剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠などが含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質がそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
舌下錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。口腔内貼付錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのまま、あるいは原末もしくは造粒原末粒子に適当なコーティング剤(エチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノール、またはそれらの混液等)に溶解、懸濁、または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法、または通常使用されている処方により製造される。
軟膏剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に混和、または溶融させて製造される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて製造される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融、または乳化させて製造される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は、公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるものが単独で、または2種以上に溶解、懸濁、または乳化させて製造される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2868691号明細書および米国特許第3095355号明細書に詳しく記載されている。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解、または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁、または乳化させて用いられる。溶剤としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化、または無菌の注射用蒸留水、または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤、または吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水、または他の適当な媒体に溶解、または懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のためのその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
持続性製剤としては、疾患の部位へ直接、本発明記載の化合物を持続的に供給できればよく、その投与形態としては埋め込み製剤が挙げられる。
本発明の治療剤の持続性フィルム状製剤のフィルム基材で使用する生体内吸収性高分子としては、脂肪酸エステル重合体、またはその共重合体、ポリアクリル酸エステル類、ポリヒドロキシ酪酸類、ポリアルキレンオキサレート類、ポリオルソエステル、ポリカーボネートおよびポリアミノ酸類が挙げられ、これらは1種類、またはそれ以上混合して使用することができる。脂肪酸エステル重合体、またはその共重合体とは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリフォスファゼンなど、およびこれらの2成分以上からなるグラフト、ブロック、交互、ランダム共重合体が挙げられ、これらは1種類、またはそれ以上混合して使用することができる。その他に、ポリα−シアノアクリル酸エステル、ポリβ−ヒドロキシ酪酸、ポリトリメチレンオキサート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリγ−ベンジル−L−グルタミン酸およびポリL−アラニンなどがあり、これらの2成分以上、または上述材料との共重合体など、あるいは1種類、またはそれ以上混合も使用することができる。好ましくは、ポリ乳酸、ポリグルコール酸、または乳酸−グリコール酸共重合体である。
ポリ乳酸あるいは乳酸−グリコール酸共重合体で使用される乳酸としては、L−乳酸、またはDL−乳酸が挙げられる。
本発明に使用される前記生体内吸収性高分子重合物の平均分子量は約2,000〜約800,000のものが好ましく、約5,000〜約200,000がより好ましい。例えば、ポリ乳酸において、その重量平均分子量は約5,000〜約100,000ものが好ましく、さらに約6,000〜約50,000が好ましい。ポリ乳酸は、それ自体公知の製造方法に従って合成できる。
乳酸−グリコール酸共重合物においては、その乳酸とグリコール酸との組成比は約100/0〜約0/100(W/W)までのもの、より好ましくは約90/10〜約30/70(W/W)のものを目的に応じて用いることができる。使用する乳酸−グリコール酸共重合物の重量平均分子量は約5,000〜約100,000が好ましく、さらに約10,000〜約80,000が好ましい。乳酸−グリコール酸共重合物は、それ自体公知の製造方法に従って合成できる。
フィルム状製剤の製造方法は、特に制限されないが、例えば前記の生体内吸収性高分子と本発明の有効化合物を有機溶媒に溶解した後、蒸留乾固、風乾、または凍結乾燥してフィルム状とする方法、生体内吸収性高分子を有機溶媒に溶解し、本発明で用いる化合物を水あるいは前者有機溶媒と混和しない溶媒に溶解した後に乳化混合して凍結乾燥する方法、あるいは生体内吸収性高分子と本発明で用いる化合物を適当な溶剤に溶かした後、増粘剤(セルロース類、ポリカーボネート類等)を加えて、ゲル化する方法により製造することができる。
本発明の予防および/または治療剤は、有効成分(化合物)の作用が徐放性を有し、生体内吸収性高分子の種類、配合量などによりその徐放期間は異なるが、通常1週から3カ月の徐放期間を有するので、軟骨障害に起因する疾患等に用いることができる。これらの中で特に当該患者の場合、患部を固定しギブスなどで覆うことが多いため、頻回投与を避け1回の投与で持続的に治癒促進することが望まれるため、本発明の剤には特に有効である。
本発明の予防および/または治療剤の投与量は、薬物放出の持続時間、投与対象動物などにより異なるが、本発明で用いる化合物の有効量であればよい。例えばフィルム状製剤として関節部位に使用する場合、1回当りの投与量として、成人(体重50kg)当り、有効成分として約0.001mgから500mgを、好ましくは約0.01mgから50mgを1週間ないし3カ月に1回投与すればよい。
本発明の予防および/または治療剤は、その予防および/または治療効果の補完および/または増強のため、動態・吸収改善、投与量の低減のため、および/または、副作用の軽減のために既存のアレルギー性疾患あるいは炎症性疾患の治療薬と併用、あるいは共に製剤化することができる。
例えば、抗喘息薬(例えば、プロカテロール)、吸入ステロイド薬(例えば、ベクロメタゾン、フルチカゾン、ブデソナイド)、吸入β2刺激薬(例えば、フェノテロール、サブタモール、フォルモテロール、サルメテロール)、メチルキサンチン系喘息薬(例えば、テオフィリン)、抗アレルギー薬(例えば、トシル酸スプラタスト)、ヒスタミンH1−拮抗薬(例えば、フマル酸ケトチフェン、テルフェナジン、塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、オキサトミド、メキタジン、フマル酸エメダスチン、アステミゾール、エバスチン、塩酸フェキソフェナジン、塩酸オロパタジン、ベシル酸ベポタスチン、塩酸セチリジン)、抗炎症薬(例えば、ジクロフェナクナトリウム、イブプロフェン、インドメタシン)、抗コリン薬(例えば、臭化イプラトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化チオトロピウム)などが挙げられる。また、トロンボキサン拮抗薬(例えば、塩酸オザグレル、セラトロダスト、ラマトロバン)、ロイコトリエン拮抗薬(例えば、プランルカスト、モンテルカスト、ザフリルカスト、ザイリュートン)、メディエーター遊離抑制薬(例えば、トラニラスト、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、タザノラスト、ペミロラスト)、LTD4拮抗薬、PAF拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、β2作動薬、ステロイド薬好酸球化学遊走抑制薬、DSCG(クロモグリク酸ナトリウム)、マクロライド系抗生剤(例えば、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン)、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、FK506)、減感作療法剤(特異的アレルゲン)と併用あるいは共に製剤化することができる。
本発明の予防および/または治療剤と他の薬剤の併用は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明の薬剤を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明の薬剤を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
本発明の予防および/または治療剤と他の薬物の使用量は特に限定されず、安全に使用される量ならいかなる量でもよい。また、本発明の薬剤の治療効果を補完および/または増強する他の薬物には、既知および/または新規化合物も含まれる。
さらに、ここでいう他の薬物は、一般的に使用されるいかなる剤形であってもよい。例えば、固形剤(例えば、錠剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)、液剤(水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等)等が挙げられる。
EP3受容体作動活性を有する化合物は、ヒトを含めた哺乳動物、特にヒトにおいて、アレルギー性疾患あるいは炎症性疾患の治療および/または予防に有用である。例えば、アレルギー性呼吸器疾患(例えば、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息、アトピー性喘息、アスピリン喘息、アレルギー性気管支炎)、アレルギー性鼻疾患(例えば、アレルギー性鼻炎、春季カタル、花粉症、慢性アレルギー性鼻炎)、アレルギー性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎)、アレルギー性眼疾患(例えば、花粉症、季節性アレルギー性結膜炎、または慢性アレルギー性結膜炎)、慢性気管支炎、気道過敏症、好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、サルコイド症、肺線維症、特発性間質性肺炎、過敏性肺臓炎、ウルシ皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、じんま疹、湿疹、疱疹性皮膚炎、食物アレルギー、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、または関節炎の治療および/または予防に有用である。より好ましくは、気管支喘息の治療および/または予防に有用である。
第1図は、OVA感作マウス喘息モデルでのBALF中の好酸球数を指標としたEP3受容体に対するアゴニストである式(I−1)の化合物の喘息治療効果を示す。
第2図は、OVA感作マウス喘息モデルでのBALF中の好中球数を指標としたEP3受容体に対するアゴニストである式(I−1)の化合物の喘息治療効果を示す。
第3図は、OVA感作マウス喘息モデルでのBALF中の好酸球数を指標としたEP3受容体に対するアゴニストの喘息治療効果を示す。
第4図は、OVA感作マウス喘息モデルでのBALF中の好中球数を指標としたEP3受容体に対するアゴニストの喘息治療効果を示す。
第2図は、OVA感作マウス喘息モデルでのBALF中の好中球数を指標としたEP3受容体に対するアゴニストである式(I−1)の化合物の喘息治療効果を示す。
第3図は、OVA感作マウス喘息モデルでのBALF中の好酸球数を指標としたEP3受容体に対するアゴニストの喘息治療効果を示す。
第4図は、OVA感作マウス喘息モデルでのBALF中の好中球数を指標としたEP3受容体に対するアゴニストの喘息治療効果を示す。
以下に本発明に関する実施例および製剤例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
予め、OVAで2回(0日目、12日目)抗原感作した野生型マウス(C57/BL6)を用い、4日間隔で計3回(22日目、26日目、30日目)の吸入感作を行う事により喘息反応を誘導し、その後、アレルギー反応の指標であるBALF中の炎症性細胞数の変化について検討を行った。
その結果、その感作の期間中(22日目〜33日目)、EP3受容体作動活性を有する化合物(I−1)(WO98/34916号明細書記載の実施例1の化合物)で示される化合物
を10μg/kgで1日2回皮下投与することにより、BALF中の好酸球数、好中球数が有意に減少し、アレルギー反応が抑制されていることがわかった(第1図および第2図に示す)。一方、EP1、EP2、EP3、およびEP4受容体に対する非選択的作動活性を有する化合物であることが知られている(Br.J.Pharmacol.,122,217−(1997),Mol.Pharmacol.,59,1446−(2001))16,16−ジメチルPGE2(dmPGE2)は、10μg/kgの1日2回皮下投与では有意な効果は認められなかった(第1図および第2図に示す)。また、dmPGE2、およびEP1若しくはEP3受容体に対する作動活性を有する化合物であることが知られているSulprostone(Br.J.Pharmacol.,122,217−(1997))は共に、200μg/kgの1日2回の皮下投与では有意な効果を認めた(第3図および第4図に示す)。すなわち、喘息等のアレルギー性疾患の治療において、EP3受容体に対する作用を有する化合物は有効であり、EP3受容体に選択的な作動化合物に、より顕著な治療効果を期待することができる。
製剤例1
以下の各成分を常法により混合したのち、打錠して、1錠中に0.5mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。
・11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエ
ン酸 ・・・・・ 50mg
・カルボキシメチルセルロース カルシウム ・・・・・200mg
・ステアリン酸マグネシウム ・・・・・100mg
・微結晶セルロース ・・・・・ 9.2g
製剤例2
以下の各成分を常法により混合したのち、溶液を常法により滅菌し、1mlずつバイアルに充填し、常法により凍結乾燥し、1バイアル中0.2mgの活性成分を含有するバイアル100本を得た。
・11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエ
ン酸 ・・・・・ 20mg
・マンニット ・・・・・ 5g
・蒸留水 ・・・・・100ml
その結果、その感作の期間中(22日目〜33日目)、EP3受容体作動活性を有する化合物(I−1)(WO98/34916号明細書記載の実施例1の化合物)で示される化合物
を10μg/kgで1日2回皮下投与することにより、BALF中の好酸球数、好中球数が有意に減少し、アレルギー反応が抑制されていることがわかった(第1図および第2図に示す)。一方、EP1、EP2、EP3、およびEP4受容体に対する非選択的作動活性を有する化合物であることが知られている(Br.J.Pharmacol.,122,217−(1997),Mol.Pharmacol.,59,1446−(2001))16,16−ジメチルPGE2(dmPGE2)は、10μg/kgの1日2回皮下投与では有意な効果は認められなかった(第1図および第2図に示す)。また、dmPGE2、およびEP1若しくはEP3受容体に対する作動活性を有する化合物であることが知られているSulprostone(Br.J.Pharmacol.,122,217−(1997))は共に、200μg/kgの1日2回の皮下投与では有意な効果を認めた(第3図および第4図に示す)。すなわち、喘息等のアレルギー性疾患の治療において、EP3受容体に対する作用を有する化合物は有効であり、EP3受容体に選択的な作動化合物に、より顕著な治療効果を期待することができる。
製剤例1
以下の各成分を常法により混合したのち、打錠して、1錠中に0.5mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。
・11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエ
ン酸 ・・・・・ 50mg
・カルボキシメチルセルロース カルシウム ・・・・・200mg
・ステアリン酸マグネシウム ・・・・・100mg
・微結晶セルロース ・・・・・ 9.2g
製剤例2
以下の各成分を常法により混合したのち、溶液を常法により滅菌し、1mlずつバイアルに充填し、常法により凍結乾燥し、1バイアル中0.2mgの活性成分を含有するバイアル100本を得た。
・11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエ
ン酸 ・・・・・ 20mg
・マンニット ・・・・・ 5g
・蒸留水 ・・・・・100ml
Claims (10)
- EP3受容体作動活性を有する化合物を含有するアレルギー性疾患の予防および/または治療剤。
- アレルギー性疾患が、アレルギー性呼吸器疾患、アレルギー性鼻疾患、アレルギー性皮膚疾患、またはアレルギー性眼疾患である請求の範囲1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤。
- アレルギー性呼吸器疾患が、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息もしくはアトピー性喘息であり、アレルギー性鼻疾患が、アレルギー性鼻炎、春季カタル、花粉症もしくは慢性アレルギー性鼻炎であり、アレルギー性皮膚疾患がアトピー性皮膚炎であり、またはアレルギー性眼疾患が、季節性アレルギー性結膜炎、花粉症もしくは慢性アレルギー性結膜炎である請求の範囲2記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤。
- アレルギー性呼吸器疾患が、気管支喘息、小児喘息、アレルギー性喘息、またはアトピー性喘息である請求の範囲2記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤。
- EP3受容体作動活性を有する化合物が、一般式(I)
[式中、Rはオキソ基、またはハロゲン原子を表わし、
R1−1およびR1−2はそれぞれ独立して、C1〜4アルキル基を表わし、
R1−3はC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、C2〜10アルキニレン基、フェニル基、フェノキシ基、C3〜7シクロアルキル基、またはC3〜7シクロアルキルオキシ基で置換されているC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニレン基、またはC2〜10アルキニレン基を表わす。フェニルおよびシクロアルキル基は、1〜3個のC1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、ハロゲン原子、トリハロメチル基、またはニトロ基で置換されていてもよい。]で示される化合物、またはその塩もしくはその溶媒和物である請求の範囲1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤。 - 11α,15α−ジメトキシ−9−オキソプロスタ−5Z,13E−ジエン酸、またはその塩もしくはその溶媒和物である請求の範囲5記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤。
- EP3受容体作動活性を有する化合物が、ミソプロストール、またはスルプロストンである請求の範囲1記載のアレルギー性疾患の予防および/または治療剤。
- 請求の範囲1記載のEP3受容体作動活性を有する化合物と、抗喘息薬、吸入ステロイド薬、吸入β2刺激薬、メチルキサンチン系喘息薬、抗アレルギー薬、ヒスタミンH1−拮抗薬、抗炎症薬、抗コリン薬、トロンボキサン拮抗薬、ロイコトリエン拮抗薬、LTD4拮抗薬、PAF拮抗薬、ホスホジエステラーゼ阻害薬、β2作動薬、ステロイド薬、メディエーター遊離抑制薬、好酸球化学遊走抑制薬、クロモグリク酸ナトリウム、マクロライド系抗生剤、免疫抑制剤および減感作療法剤から選択される1種以上の薬剤との組み合わせからなる医薬組成物。
- EP3受容体作動活性を有する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とするアレルギー性疾患を予防および/または治療する方法。
- アレルギー性疾患の予防および/または治療剤を製造するためのEP3受容体作動活性を有する化合物の使用。
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