JPWO2004029251A1 - フルクトシルアミンオキシダーゼ - Google Patents

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Abstract

本発明は、フサリウム・プロリフェラタム(Fusarium proliferatum)を培養し、培養生成物から得られる基質特異性の異なる2種類のフルクトシルアミンオキシダーゼ(FAO)を精製することにより得ることができる酵素であって、アマドリ化合物の測定に有用なフルクトシルアミンオキシダーゼを提供する。

Description

本発明は、新規なフルクトシルアミンオキシダーゼに関し、さらに詳しくは、フサリウム プロリフェラタム由来のフルクトシルアミンオキシダーゼ、その製造方法、及びそれを用いるアマドリ化合物の測定方法に関する。
アマドリ化合物は、血液や食品中のタンパク質、ペプチド及びアミノ酸のようなアミノ基を有する物質と、例えばグルコースのような還元性の糖が共存する場合、アミノ基とアルデヒド基が非酵素的かつ不可逆的に結合し、アマドリ転移することにより生成される。アマドリ化合物の生成速度は、反応性物質の濃度、接触時間、温度などの関数で表される。従って、その生成量から、それら反応性物質を含有する物質に関する様々な情報を得ることができることから、アマドリ化合物の分析は、医療分野、食品分野等で有用である。特に医療分野で注目されているのは、糖尿病の診断及び管理の指標としての糖化タンパクである。糖尿病は、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害を初め様々な全身症状(合併症)を引き起こす疾患であり、失明や透析導入の最も主要な原因となっている。これらの合併症は、患者の生活や社会活動を制限するばかりか医療費の増加にもかかわっており、深刻な社会問題である。従って、糖尿病の早期発見と発見後の適切な血糖コントロールの重要性が指摘されている。糖尿病における血糖コントロールの指標として、通常、過去約1〜2ヶ月の平均血糖値を反映する糖化ヘモグロビン、過去約2週間の平均血糖値を反映する糖化アルブミン、あるいは血清中の還元能を示す糖化タンパク質を意味するフルクトサミン等が測定される。糖化ヘモグロビン(HbA1c)はヘモグロビンのβ鎖N末端バリンのα−アミノ基が糖化されたものであり、HbA1cの測定は糖尿病患者の血糖コントロールにおいて重要な役割を占めている。
アマドリ化合物の酵素法による分析は、アマドリ化合物に酸化還元酵素を作用させ、生成する過酸化水素量又は消費される酸素量に基づいて、その量を測定することで行われる。該酸化還元酵素の一つであるフルクトシルアミノ酸オキシダーゼは、通常、微生物から精製されている[例えば特許文献1〜6(特公平6−65300号公報、特開平3−155780号公報、特開平7−289253号公報([0031]、[0037])、特開平8−154672号公報(請求項2、[0027])、特開平11−243950号公報([0037])、特開平5−192193号公報)参照]。
これらの文献に記載の酵素について簡単に説明すると、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)由来の酵素にはα−アミノ基糖化アミノ酸に特異的であり、フルクトシルリジン(以下、「FL」と称することもある)には作用しないものがあるが、これは熱安定性が悪く(45℃、10分の熱処理で90%以上失活)実用性に乏しい(特公平6−65300号公報)。アスペルギルス属(Aspergillus)由来の酵素には、FLに対する活性が、フルクトシルバリン(以下、「FV」と称することもある)に対する活性より低いものがあるが、その糖化タンパク又はその加水分解物に対する作用については不明である(特開平3−155780号公報参照)。ギベレラ属(Gibberella)由来の酵素にはαアミノ基が保護された、フルクトシルNα−Z−リジン(以下、FZLと称することもある)に対して高い特異性を有し、フルクトシルポリリジンに対して活性があるが、フルクトシルバリンには作用しないものがある(特開平7−289253号公報([0031]、[0037])参照)。また、フサリウム属(Fusarium)が産生する酵素にはフルクトシルリジンに対する活性がフルクトシルバリンに対する活性と同等かより高いものがある(特開平8−154672号公報(請求項2、[0027]参照)。また、他のフサリウム属(Fusarium)やギベレラ属(Gibberella)から産生される酵素にはフルクトシルバリンには作用せず、フルクトシルリジンに特異的なものもある(特開平11−243950号公報([0037]))。
しかしながら、既存の酵素は、例えば糖化ヘモグロビンの測定における活性等に関して十分に満足できないことから、活性が高く、特異性に優れた酵素が望まれていた。すなわち、これら既存の酵素の場合、プロテアーゼ処理等により断片化処理された糖化アミノ酸や糖化ポリリジンに対する活性は認められるが、α位が糖化された糖化ペプチドに対する活性は殆ど認められない。従って、例えば、α−アミノ基が糖化されたアミノ酸残基をN−末端に有する糖化ヘモグロビンの場合は、N−末端のフルクトシルバリンを確実に遊離させる必要がある。
一般に、従来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを用いて糖化タンパクを正確に測定するには、該酵素の基質となる糖化アミノ酸を確実に遊離させることが前提となるが、実際には、目的の糖化アミノ酸を確実に遊離させる方法はなく、それを可能にするほど特異性の高いプロテアーゼも提供されていない。この問題を解決する一つの方法は、N末端が糖化されたペプチドそのものに反応し得るフルクトシルアミンオキシダーゼを使用することである。とりわけ糖尿病のコントロールに重要なヘモグロビンA1c(HbA1c)を正確かつ効率良く測定するには断片化産物としての糖化ペプチドにも活性なフルクトシルアミンオキシダーゼを使用する必要がある。
従って、本発明はアマドリ化合物、特に糖化タンパクを正確かつ効率良く測定するために、新規で有用なフルクトシルアミンオキシダーゼ(以下、「FAO」と呼称することもある)を提供することを目的するものである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、フサリウム(Fusarium)属の菌株が基質特異性において優れたFAOを生産することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、フサリウム プロリフェラタム(Fusarium proliferatum)由来のフルクトシルアミンオキシダーゼを提供するものである。
図1は、フサリウムプロリフェラタム(Fusarium proliferatum)の培養物の、Resource Qカラムクロマトグラフィーにおけるタンパク(OD=280nm)と活性の溶出パターンを示す図である。
図2は、本発明の酵素の一つであるFAO−Q1の溶媒中での活性とpHとの関係を示すグラフである。
図3は、本発明の酵素の一つであるFAO−Q2の溶媒中での活性とpHとの関係を示すグラフである。
図4は、FAO−Q1の溶媒中での活性と温度との関係を示すグラフである。
図5は、FAO−Q2の溶媒中での活性と温度との関係を示すグラフである。
図6は、FAO−Q1及びFAO−Q2のゲル濾過法による分子量の測定結果を示す図である。
本発明のフルクトシルアミンオキシダーゼは、以下の式(I)で示される反応における触媒活性を有する。
Figure 2004029251
(式中、Rは−[CH(OH)]n−CHOH(nは5又は6である)、Rはアミノ酸残基又はアミノ酸2〜10個のペプチド残基を表す。)
上記の式(I)において、Rはアミノ酸残基又はアミノ酸2〜10個のペプチド残基であり、好ましくは、アミノ酸残基又はアミノ酸2〜6個のペプチド残基、より好ましくはアミノ酸残基又はアミノ酸2〜3個のペプチド残基である。
を構成するアミノ酸は測定すべきアマドリ化合物により異なるが、例えぱ、バリン、リジン、ヒスチジン、ロイシン、セリンを挙げることができる。Rがペプチド残基である場合は、バリン又はロイシンをN−末端に含む2〜10個のアミノ酸からなるペプチド残基である。バリンをN末端に有するアミノ酸数2〜3個のペプチド残基がより好ましく、そのようなペプチドの具体例として、バリン−ヒスチジン、バリン−ヒスチジン−ロイシンが挙げられる。
本発明のFAOがHbA1cの測定に用いられるものである場合、上記のごとく、α−アミノ基が糖化されたバリン、即ちフルクトシルバリン(FV)、又はFVをN末端に有するペプチドに対して活性があることが好ましい。一方、糖化アルブミンの測定に用いられるものである場合、糖化アルブミン分子ではリジンのε−アミノ基が糖化されていることから、ε−アミノ基が糖化されたフルクトシルリジン(εFL)又はεFLを含むペプチドに対して活性があることが好ましい。
本発明のFAOは、酵素作用を有する限りその起源は特に制限されない。例えば、特定の糖化アミノ酸又は糖化ペプチドのみを炭素源及び窒素源として含有する培地で成育する微生物により産生され、糖化アミノ酸及び糖化ペプチドを基質として酵素活性を発揮するFAOは本発明に有用である。上記の微生物のスクリーニングに用いる糖化ペプチドとしては、目的の糖化タンパクを断片化した場合に生成されるものが例示される。そのような糖化ペプチドのみを炭素源及び窒素源とする培地で培養した菌体より酵素を精製し、その活性を確認することにより、目的のFAOを得ることができる。後述するように、本発明者らはフルクトシルバリン−ヒスチジン−ロイシン(FVHL)を用いて土壌中の微生物をスクリーニングし、FVHL資化能を有する、フサリウム属(Fusarium)の微生物を見出した。
なお、上記のFVHLは、ヘモグロビンβ鎖のN末端と同じ配列を有していることから、該ペプチドはHbA1cの測定に有用なFAOをスクリーニングするのに好適である。そのような糖化ペプチドは当該技術分野で既知の方法で製造することができる。
従って、本発明のFAOはフサリウム属の菌株を用いて微生物学的に製造することができる。好ましい微生物はフサリウムプロリフェラタム(Fusarium proliferatum)又はその変異体である。
フサリウムプロリフェラタム(Fusarium proliferatum)は、実施例1に記載の方法により、本発明者らが土壌中から新たに分離した菌株であり、本菌株は茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている(微生物の表示:Fusarium sp.GL2−1株、受領日:受託日:平成14年9月9日;受託番号FERMP−19005)(国際寄託への移管日:平成15年8月11日;受託番号:FERM BP−8451)。本発明のフサリウムプロリフェラタム(Fusarium proliferatum)を、以下、「GL2−1株」とも表記する。
GL2−1株を元株として、変異体誘導や組換え遺伝子技術などにより、FVHLや他の基質に対する活性が高められた派生菌株を得ることができる。そのような変異株も本発明のFAOの供給源である。そのような派生菌株は、人為的に突然変異を誘発されたものや、スクリーニングで得られたもの等を包含する。
本発明のFAOは、グルコース−バリン褐変化培地(以下、GV褐変化培地と称する)でFAO産生能を有する微生物を培養すると、生産される。GV褐変化培地は、グルコースとバリンを温度120℃において30分間、オートクレーブ処理することにより得られる。好ましいGV褐変化培地の例として、グルコース1.5%、L−バリン0.5%、KHPO0.1%、NaHPO0.1%、MgSO・7HO0.05%、CaCl・2HO0.01%、酵母エキス0.2%を含有する培地を挙げることができる。
培養は、通常、25〜37℃、好ましくは28℃で行われる。培地のpHは4.0〜8.0の範囲であり、好ましくは5.5〜6.0である。しかしながら、これらの条件は、それぞれの菌の状態に応じて適宜調整されものであり、上記に限定されない。
例えば、GL2−1株をこのような条件下、12〜36時間、好ましくは24時間培養すると、FAOが菌糸体内に蓄積される。したがって、ろ過により回収した菌糸体を定法に従って遠心分離すれば無細胞抽出液を得ることができる。細胞の磨砕は、機械的手段又は溶媒を利用した自己消化、凍結、超音波処理、加圧などのいずれでもよい。
酵素の分離精製法も既知であり、硫安などを用いる塩析、エタノール等の有機溶媒による沈殿、イオン交換クロマトグラフィやゲルろ過、アフィニティークロマトグラフィなどを、適宜組み合わせて行う。
例えば、培養物を、遠心又は吸引ろ過して菌糸体を集め、洗浄後、1mM DTTを含む0.1M Tris−HC緩衝液(pH8.0)に懸濁し、ミニビードビータ(ガラスビーズ0.5mm)で菌糸体を破砕し、遠心分離して得た上清(無細胞抽出液)を硫安分画し、透析した後、Resource Qカラムクロマトグラフィー(アマシャムバイオシステムズ社製)で処理することにより精製する。
あるいは、FAOが培地中に分泌又は蓄積される場合は、それ自体既知の方法に従い、例えば、イオン交換樹脂処理法、活性炭吸着処理法、有機溶媒沈澱法、減圧濃縮法、凍結乾燥法、結晶化法等を適宜組み合わせて分離精製することができる。
以上に述べた方法で、GL2−1株の培養物から、Resource Qカラムクロマトグラフィーで異なる保持時間を示す、少なくとも2種類の、GL2−1株由来のFAOを得た。1つはフルクトシルバリン(FV)及びN−αフルクトシルリジン(FZL)の両方に活性な酵素(以下、「FAO−Q1」と称する)であり、他方はFVには活性があるが、FZLには活性を示さない酵素(以下、「FAO−Q2」と称する)である。なお、本明細書では、GL2−1株が産生するFAO−Q1,FAO−Q2についてその製造や同定に関して記載しているが、本発明は特定の起源に限定されず、本発明の目的に適う、下記の特性を有する全FAOを包含する。
本発明のGL2−1株由来の酵素について以下に詳細に説明する。
FAO−Q1
▲1▼ フルクトシルバリンに対する活性が、フルクトシルリジンに対する活性とほぼ同等か若しくはそれよりも高い。
▲2▼ 酵素反応における至適pHが7.5である。
▲3▼ 酵素の安定性に好適な温度が約30〜40℃である。
▲4▼ SDS−PAGEによる分子量が約39kDaであって、ゲル濾過法による分子量が約39.4kDaである。
FAO−Q2
▲1▼ フルクトシルリジンに対して検出可能な活性がなく、フルクトシルバリンに対する活性がある。
▲2▼ 酵素反応における至適pHが7である。
▲3▼ 酵素の安定性に好適な温度が約30〜40℃である。
▲4▼ SDS−PAGEによる分子量が約49kDaであって、ゲル濾過法による分子量が約58kDaである。
これら2つの酵素の一般的な特性は以下の通りである。
1.一般的な誘導特性
いずれもFVHLによって誘導される酵素であり、FVHLを唯一の炭素源及び窒素源とする培地で誘導される。
2.反応特異性及び基質特異性
GL2−1株の培養物から部分精製した酵素は、実施例2(1)に記載されているように、Resource Qカラムクロマトグラフィーにおいて、異なる保持時間を示す活性な画分Q1、Q2を含んでおり、各画分は、それぞれ、本明細書中で「FAO−Q1」及び「FAO−Q2」と呼称する酵素を含有していた。上で述べたように、FAO−Q1はFV及びFZLの両方に同程度の活性を有し、かつFVLにも活性であり、他方、FAO−Q2はFVには活性であり、FVH、FVHLというN−末端バリンが糖化されたペプチドにも活性を示したが、FZLには活性を示さなかった。
3.pH及び温度の条件
至適pHの検討
前記活性測定法方法に準じ、pH3.5から10.0の範囲の各pH条件により酵素反応を行った。
ただし、使用したバッファーはpH3.5から6.0の範囲では100mM酢酸バッファー、pH6.0から8.0の範囲では100mMリン酸カリウムバッファー、pH7.0から9.0の範囲では100mMトリス−塩酸バッファー、pH9.0から10.0の範囲では100mMグリシン−NaOHバッファーであった。
図2及び図3に示す通り、本発明の酵素FAO−Q1の至適pHは、30℃において約7.5であることが、FAO−Q2の至適pHは、30℃において約7.0であることが判明した。
酵素の安定性に好適な温度の検討
酵素の温度条件は、0.1M Tris−HCl緩衝液(pH8.0)中で30〜65℃の温度条件にFAO−Q1又はFAO−Q2を加え、10分間インキュベートした後、通常の条件で活性を測定し、判定した。測定結果を図4及び図5に示す。
これらの図より、酵素の安定性に好適な温度範囲は30℃から40℃であることが判明した。
4.力価の測定
酵素の力価測定は、例えば、実施例1(3)に記載されている、当該技術分野で既知の方法(速度法)で行うことができる。この方法では、FAOと糖化アミノ酸又は糖化ペプチドとの反応によって生成する過酸化水素を、該過酸化水素の存在下で生成するキノン色素による吸光度(505nm)に基づいて測定する。キノン色素の分子吸光係数5.16×10−1cm−1)から、1分間に生成する過酸化水素のマイクロモルを算出し、この数字を酵素活性単位(ユニット:U)とする。
なお、活性の測定は上記の方法に限定されず、その他の方法(終末法、又は酸素吸収量を測定する方法等)を用いても同様に本発明のFAOの酵素活性を測定することができる。
ミハエリス定数の測定
上記の力価測定法において、酵素濃度、pH、温度などの条件を一定に保ち,基質の濃度だけを変化させながら反応の初速度を測定し、各基質に対するミハエリス定数を求めることができる。
本発明のFAOのうち、FAO−Q1はFV及びFZLにほぼ同程度の活性を示すことから、広くアマドリ化合物の分析に有用である。一方、FAO−Q2はFVには活性であるがFZLには活性を示さないことから、糖化ヘモグロビンを選択的に分析するのに有用である。しかも、FAO−Q2は、糖化ヘモグロビンのN−末端配列であるFVH,FVHLにも活性を示すことから、該酵素を用いれば、糖化ヘモグロビン内部の糖化(ε位)を測定することなく、N末端の糖化のみを測定することができるため、より正確にHbA1cの測定が行える。
本発明のFAOを用いて糖化タンパク等のアマドリ化合物を分析するには、既知の方法に従い、アマドリ化合物を含有する試料と、本発明のFAOとを接触させ、酸素の消費量又は過酸化水素の発生量を測定すればよい。任意の試料を用いることができ、例えば、血液(全血、血漿又は血清)、尿等に代表される生体由来の試料の他、醤油等の食品が挙げられる。特に好ましいのは血液である。
本発明のFAOの使用に際して、反応溶液のpH及び温度は、それぞれ、使用する酵素に適した条件とする。即ち、FAO−Q1の場合、pH約6.5〜12、好ましくは約7〜8、より好ましくは約7.5、温度約30〜40℃で行う。
また、FAO−Q2の場合、pH約6〜10、好ましくは約6.5〜8、より好ましくは約7、温度約30〜40℃で行う。但し、基質や他の反応条件により適宜変更が可能であり、上記に限定されない。
FAOの使用量は、それぞれ、使用する測定法に応じて適宜選択することができるが、通常、0.1ユニット/ml以上、好ましくは1〜100ユニット/mlである。緩衝液としてはTris−HCl等を用いる。
本発明のFAOで糖化タンパクを分析するには、あらかじめ断片化処理し、糖が結合したアミノ酸残基又はペプチドを遊離させてから行うことが好ましい。そのような方法は化学的な方法、酵素を用いる方法を含めて、当該技術分野で既知である。しかしながら、本発明のFAO、特にFAO−Q2の場合は、糖化アミノ酸のみならず糖化タンパクの分解産物としての糖化ペプチドにも活性があるため、上記の断片化処理が完璧でなくても良好な精度で測定することができる。
従って、本発明はまた、上記のFAO(FAO−Q1又はFAO−Q2)を用いて、試料中に含まれるアマドリ化合物を測定する方法を提供するものである。
本発明の測定方法に用いるFAOは、該FAOを産生するフサリウム プロリフェラタムFERMBP−8451を栄養培地で培養し、培養物から、産生された本発明のFAOを分離精製することにより製造することができる。このようにして得られる、いわゆる天然のFAOは、本発明の目的に適う限り、自然に起こりうる修飾や変異を有していてもよく、また測定の精度、信頼性に影響しないことを条件として、培養物からの分離、精製工程で混入しうる酵素以外の物質を伴っていてもよい。
また、本発明のFAOは遺伝子組換え技術によっても製造することができる。即ち、配列番号4又は配列番号6に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを用い、常法により、それぞれ、FAO−Q1及びFAO−Q2に対応する組換タンパク質を得ることができる。
従って、本発明は、配列番号4又は配列番号6のアミノ酸配列を有するFAOを提供するものである。
なお本明細書中、「FAO(FAO−Q1、FAO−Q2を含む)」というときは、特記しない限り天然の微生物起源から分離した酵素と、組換型酵素の両方を包含するものとする。
また、本発明は、本発明のFAOをコードするDNAを提供するものである。
本発明のDNAは、好ましくは、配列番号4又は配列番号6のアミノ酸配列で表されるタンパク質をコードしており、より好ましくは、配列番号3又は配列番号5に記載のヌクレオチド配列を有する。
遺伝子組換技術による組換タンパク質の製造方法は当該技術分野で既知であり、例えば、本発明のDNAを適当な宿主に導入し、得られた形質転換体を培養し、ついで培養物から本発明のFAOを分離・精製することにより、所望の活性を有する組換えタンパク質を得ることができる。なお、このような方法で得られる本発明の組換型FAOは、配列番号4及び配列番号6に記載のアミノ酸配列に限定されず、上記の定義に従う限り、該配列から常法に従って導かれるアミノ酸配列を有するタンパク質、並びに配列番号4及び配列番号6に示したアミノ酸配列の、所望の酵素活性を有するそのフラグメントをも包含することは当業者ならば容易に理解しうることである。
組換え型FAOの製造は既知の方法で行うことができ、例えば、FAOをコードするDNAを適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入して様々な宿主内でFAOを発現する発現ベクターを構築する。次いで、この発現ベクターを用いて適当な宿主細胞を形質転換する。宿主細胞としては、微生物[原核生物(細菌、例えば大腸菌や枯草菌等)、真核生物(例えば酵母)]、動物細胞又は培養植物細胞が挙げられる。それぞれの宿主に関して適当な宿主−ベクター系が知られており、文献(例えばMolecular Cloning:A LABOLATORY MANUAL,Cold Spring Harbor Laboratory Press)記載の方法や既知の方法で発現させることができる。
発現ベクターによる宿主細胞の形質転換も文献(例えば、Molecular Cloning、前掲)記載か当業者既知の方法で行うことができる。
得られた形質転換体の培養も、それぞれの宿主に適した培地を選択するか、新たに調製したして実施することができる。通常、培地には炭素源(例えばグルコース、メタノール、ガラクトース、フルクトース等)及び無機また有機窒素源(例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、ペプトン、カザミノ酸等)を含有していてよい。所望により、培地に他の栄養源(例えば無機塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム)、ビタミン類(例えばビタミンB1)、抗生物質(例えばアンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシン等))を加えてもよい。哺乳動物細胞の培養には、イーグル培地が適当である。
形質転換体の培養は、通常、pH6.0〜8.0、好ましくはpH7.0、25〜40℃(好ましくは30〜37℃)で8〜48時間行えばよい。生産されたFAOが培養溶液、培養濾液(上澄み)中に存在しているときは、培養物を濾過又は遠心分離する。培養濾液から、FAOを天然又は合成のタンパク質の精製、単離に一般的に用いられる常法(例えば透析、ゲル濾過、抗FAOモノクロナール抗体を用いてのアフィニティカラムクロマトグラフィー、適当な吸着剤を用いてのカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等)によって精製できる。
生産されたFAOが培養形質転換体のペリプラズム及び細胞質中に存在するときは、濾過や遠心分離によって細胞を集め、それらの細胞壁及び/又は細胞膜を、たとえば超音波及び/又はリゾチーム処理によって、破壊して、デブリス(細胞破砕物)を得る。デブリスを適当な水溶液(例えばトリス−塩酸緩衝液)に溶解させる。この溶液から、上記の方法に準じてFAOを精製することができる。酵素活性を有するフラグメントが必要であれば、例えば制限酵素処理やエキソヌクレアーゼ処理等により断片を得る。このように、組換技術を利用することにより、任意の宿主細胞を用いてFAOを効率よく製造することが可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 FAOを生産する微生物のスクリーニングと同定
(1)FAOを生産する微生物のスクリーニング
糖化ヘモグロビンのβ鎖N末端配列を持つフルクトシルバリン−ヒスチジン−ロイシン(FVHL)を、VHLのグリコシル化により調製した。そのような方法は当業者に既知である。
このFVHLを単一の炭素源及び窒素源とする培地(FVHL培地)を用いて、土壌よりFVHL資化性菌を分離した。試験管(16.5mm径)にFVHL培地5mlを入れ、採取した土壌を添加して30℃で48時間、振盪(300rpm)培養した。
(FVHL培地)
FVHL 5 g
HPO 1 g
NaHPO 1 g
MgSO・7HO 0.5g
CaCl・2HO 0.1g
ビタミン混合物* 0.1%(v/v)
金属溶液** 1.0%(v/v)
蒸留水 適量
全量 1,000ml
(*ビタミン混合物)
チアミンHCl 1 mg
リボフラビン 2
パントテン酸カルシウム 2
ピリドキシンHCl 2
ビオチン 0.1
p−アミノ安息香酸 1
ニコチン酸 2
葉酸 0.1
蒸留水 適量
全量 100 ml
(**金属溶液)
MnSO・3HO 1.7 g
ZnSO・7HO 2.2
CuSO・5HO 0.4
CoCl・2HO 0.28
NaMoO・2HO 0.26
BO 0.4
KI 0.06
蒸留水 適量
全量 1,000 ml
その結果、FVHLを資化する13株を得た。それらを下記の培養、活性確認に供し、FAO活性を有する物質を産生する菌株をさらに選抜した。
(2)培養及び無細胞抽出液の調製
上記(1)で得た13株をグルコースーバリン(GV)褐変化培地で培養し、粗酵素液を調製した。
(GV褐変化培地)
グルコース 1.5 %(w/v)
L−バリン 0.5
HPO 0.1
NaHPO 0.1
MgSO・7HO 0.05
CaCl・2HO 0.01
酵母エキス 0.2
試験管(16.5mm径)にGV褐変化培地5mlを入れ、30℃で24時間、振盪培養(300rpm)した。次いで、フィルターでろ過して菌糸体を回収し、ミニビードビータ(ガラスビーズ0.5mm)で菌糸体を破砕し、遠心分離(4℃、10,000×g、10min)して無細胞抽出液を調製し、粗酵素液として使用した。
(3)FAO活性の測定
粗酵素液のFAO活性を前記の速度法で測定した。即ち、以下の混合物中で生成する過酸化水素を比色法で経時的に測定し、FAO活性を確認した。
Tris−HCl緩衝液(pH8.0)100 μmol
4−アミノアンチピリン 4.5μmol
フェノール 6 μmol
FV 5 μmol
パーオキシダーゼ 6 units
粗酵素液(無細胞抽出液) 1 ml
全量 3 ml
酵素液以外の混合物(全量3ml)を30℃で平衡化した後、酵素液を添加し、505nmにおける吸光度を経時的に測定した。生成するキノン色素の分子吸光係数(5.16×10−1cm−1)から、1分間に生成する過酸化水素のマイクロモルを算出し、この数字を酵素活性単位(ユニット:U)とした。その結果、FAOを有する1つの株を得た。
(4)株の同定
菌学的性質
ポテトデキストロース寒天(PDA)、オートミール寒天(OA)、及び2%麦芽寒天培地(MEA)の各プレートに播種後、25℃で最長8週間培養し、菌学的特性を観察した。コロニーの色調に関する記述はKomerup & Wanscher(1978)に従った。
(コロニーの巨視的特徴の観察)
・全縁が滑らかで僅かに、凸状の盛り上がりを示した。
気中菌糸(aerial hypha)は綿毛状で、コロニー表面の色調は当初より、White−reddish white(11A1−2)を示した。その後、8週間経過後も明らかな呈色度合いの変化、及び分生子(conidia)の着生による表面色調の変化は観察されなかった。
・コロニー裏面の色調は表面とほぼ同等で、PDA、MEA培地における長期間の培養では、若干pale red(11A3)呈色が観察された。また、PDA、OAプレートからは,僅かに透明な滲出液(exudate)の産生が認められた。
(コロニーの微視的観察)
・小型分生子(microconidia)と大型分生子(macroconidia)の両方が観察された。
・小型分生子は、フィロア型(phialidic)でAcremonium属様の分生子柄(conidiophore)の構造であった。分生子柄はほぼ単生で時折り2軸に分枝し、気中菌糸の全般にかけて生じた。1〜2細胞性で粘性を持っており、柄先端より塊状となった。形状は楕円形(ellipsoidal)から紡錘形(fisiform)で、表面は平滑(smooth)からやや粗面(slightly rough)であった。
・大型分生子はFusarium属の大型分生子の形態で、3〜6細胞性で三日月型(luniform)で、表面は平滑、脚胞(footcell)を有した。気中菌糸部に中厚からやや細く、短いものが多く観察された。また、細胞壁が脆弱で、大半の大型分生子は表面が欠損していた。
Arx(1974)、Domish(1993)及びMalloch(1981)に記載されている分類体系に基づいて、上記の結果を考察し、本菌体はFusarium属に帰属すると推定された。同様の形態を示すものにCylindrocarpon、Candelabrella、Monacrosporium、Trichophoron等が挙げられるが、本菌体は大型分生子が三日月型であること、気中菌糸が輪(ring)を形成しないこと、また、小型分生子を形成すること、等からこれらとは区別され、“Gene of Hyphomycetes”(Carmichael et al.,1980)に記載のFusarium属の定義に合致するものである。
この菌株は「Fusarium sp.GL2−1株」との表記の下、受託番号FERM BP−8451で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。
種の同定 (リボゾームの塩基配列の解析)
上記GL2−1株の18SリボソームDNA(18SrDNA)配列を調べることにより同定を試みた。
上記(2)に記載の培養方法に従ってGL2−1株をGV培地で培養し、得られた菌糸体から常法によりDNAを調製した。その後、このDNAを鋳型として、PCRでrDNAの内部転写スペーサー(Internal transcribed spacer)配列を増幅し、塩基配列を解析した(Mycopathologia Vol.140 P35〜49 1997参照)。その結果、配列番号1に示す塩基配列が確認された。この塩基配列をホモロジー検索したところ、フサリウム プロリフェラタムと100%のホモロジーがあることが判明した。
実施例2 GL2−1株を用いるFAOの生産と同定
(1)FAOの部分精製
1)培養と無細胞抽出液の調製
実施例1で同定したGL2−1株を、実施例1(2)に記載のGV褐変化培地100mlを用いて、同様の培地組成、培養条件下で培養した。
培養後、培養液をフィルターでろ過して菌糸体を回収し得られた菌糸体0.6gに1mM DTTを含む0.1M Tris−HCl緩衝液(pH8.0)を加えて懸濁し、続いてミニビードビータ(ガラスビーズ0.5mm)により菌糸体を破砕後、遠心分離(4℃、10,000×g、10min)し、上清を無細胞抽出液とした。
2)硫安分画
1)で得た無細胞抽出液を、硫酸アンモニウム濃度30〜80%飽和画分を1mMのDTTを含む50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)に溶解し、同緩衝液で一晩透析した。
3)Resource Qカラムクロマトグラフィー
以下の条件で透析後の硫安画分のクロマトグラフィーを行った。
分析条件
カラム(容量):Resource Qカラム(1ml)(アマシャムバイオシステムズ社製)
流速 :1ml/min
緩衝液A :50mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)+1mM DTT
緩衝液B : 緩衝液A+1M NaCl
溶出条件
0〜5min: 緩衝液B 0%
5〜35min: 緩衝液B 0〜50%
35〜40min:緩衝液B 50〜100%
Resource Qカラムクロマトグラフィーにおけるタンパク(OD=280nm)と活性の溶出パターンを図1に示す。FVを基質としたFAO活性で活性をモニターしたところ、2つの画分(Q1、Q2)に反応性が認められた。活性の測定は実施例1(3)に記載の方法に準じて行った。これらの画分に含有されるFAOを本明細書中、FAO−Q1、FAO−Q2と呼称する。
Figure 2004029251
(2)FAO−Q1及びFAO−Q2の基質特異性の比較
上記の(1)、3)で分離した2つの画分に含有される酵素(FAO−Q1,FAO−Q2)の基質特異性を調べた。酵素液として、上記2つの画分を用い、実施例1(3)に記載の方法に従って、FAO活性を測定した。基質として、FV、FVH、FVHL、FVL、FVLS、FZLを用いた。結果を表2に示す。
Figure 2004029251
表2から、FAO−Q1はFV及びFZLの両方に同程度の活性を有し、かつFVLにも活性を示すこと、FAO−Q2はFVには活性があるがFZLには活性を示さず、FVH、FVHLというN−末端バリンが糖化されたペプチドにも活性を示すことが明らかである。
(3)Km値の測定
FV又はFZLを基質として、実施例1(3)に記載の方法に従い、FAO−Q1及びFAO−Q2の存在下で測定し、FV又はFZLに対するKm値(ミカエリス定数)を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2004029251
FVに対するKm値は、FAO−Q1、FAO−Q2でほぼ同程度であった。一方、FAO−Q1のFZLに対するKm値はFVに対するKm値より小さく同酵素は、FVに比べてFZLに対する親和性が高いことが分った。
1)SDS電気泳動法による測定
常法に従ってSDS電気泳動法(ゲル濃度10〜15w/v%のグラジエントゲル使用)により分子量の測定を行った。分子量既知の標準蛋白質としてアマシャム バイオシステムズ社製の分子量マーカー(ホスホリラーゼb:97kDa、牛血清アルブミン:68kDa、オボアルブミン:45kDa、カルボニックアンヒドラーゼ:32kDa、トリプシンインヒビター:20.1kDa、α−ラクトアルブミン:14.4kDa)を使用して測定したところ、FAO−Q1の分子量は約39kDaであり、FAO−Q2の分子量は約49kPaであった。
2)ゲル濾過法による測定
常法に従ってゲル濾過法による分子量の測定を行った。カラムサイズが1×30cmのスーパーデックス200(アマシャム バイオシステムズ社製)を用い、分子量既知の標準蛋白質として、ロシュ・ダイアグノスティックス(株)社製の分子量マーカー(アルドラーゼ 150kDa、牛血清アルブミン 68kDa、オボアルブミン 45kDa、キモトリプシノーゲンA 25kDa、チトクロームC 12.5kDa)を使用して検量線を作成し、本発明酵素の分子量を算出した。結果を図2に示す。これより、FAO−Q1の分子量は約39.4kDaであり、FAO−Q2の分子量は約58kDaであることが判明した。
(5)部分アミノ酸の解析
N末端アミノ酸配列を決定するため、精製したFAO−Q2酵素を蒸留水に対して透析した後、蛋白量として約40ngをN末端配列分析用の試料とした。N末端配列はプロテインシーケンサー・モデル476A(アプライドバイオシステムズ社製、米国)を用い、N末端から10残基まで分析した。N末端から得られたFAO−Q2の配列は、配列表における配列番号2に示すアミノ酸配列であることが判明した。一方FAO−Q1は、N末端がブロックされており、この方法では決定できなかった。
実施例3 FAOcDNAのクローニング
GL2−1株のゲノムDNAを調製し、それを鋳型としてPCR法でFAOcDNAを得た。
(1)GL2−1株のゲノムDNAの調製
以下の工程に従い、GL2−1株からゲノムDNAを得た。
1.菌株を15mlのDP培地(1%デキストン(Dextone)、1%ペプトン(Peptone)、0.5%NaCl、pH7.4)で30℃にて2−3日間液体培養する。
2.ガラスフィルター(3GL)で集菌し、菌体(湿重量0.3g)を得る。
3.得られた菌体を液体窒素が入った乳鉢と乳棒で破砕し、さらに乳鉢などで粉状にした後、コーニング管に集める。
4.氷冷した2ml TEバッファー(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA)を加え、軽くボルテックスする。
5.2mlの50mM EDTA、0.5%SDS溶液を加え、数回転倒撹拌し、37℃で30分間インキュベートする。
6.遠心分離(3,000rpm、10分間)する。
7.上清をフェノール−クロロホルムによる処理(3回)に供する(但し、撹拌は転倒撹拌による。)。
8.2.5容のエタノールを加え、数回転倒撹拌する。この段階で糸状のDNAが確認できる。
9.軽く遠心(3,000rpm、5分間)して沈降させるが、糸状にならない場合は通常のエタノール沈殿法に従い遠心する。
10.沈殿を400μlのTEバッファー(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA)(以下同様)に溶かし、エッペンドルフチューブに移し、5μlのRNase(10mg/ml)を加え、37℃、30分間インキュベートする。
11.フェノール−クロロホルムによる処理を2回行った後、2.5容エタノールを加え、十分に転倒撹拌する。
12.糸状のDNAをつまようじで新しいチューブに移す(余分なエタノールを除く)。
13.50−100μlのTEに溶解する。(緩やかにピペッティングし、ボルテックスはしない。)。
14.DNAを定量する。1μgをアガロース電気泳動にかけてバンドを確認した。
(2)PCRによるcDNAの取得
1)部分配列(約200bpフラグメント)の取得
既に明らかになっている糸状菌由来のFAODの全アミノ酸配列を用いて相同性が高い領域を検索し、その情報を基に以下のプライマーを設計した。
プライマー:
Figure 2004029251
上記ゲノムDNAを鋳型に用い、Taqポリメラーゼ(=TaKaRa Ex Taq((宝酒造社製))を用いる標準的な反応液組成でPCRを行った。
PCR反応の条件:
プライマー(配列番号7) :0.2μM
プライマー(配列番号8) :0.2μM
10Ex Taq PCRバッファー(宝酒造社製) :10μl
塩化マグネシウム :2.5mM
Taqポリメラーゼ(宝酒造社製) :2.5U
D.D.W.(二重脱イオン水)を加えて全量を100μlとする。
94℃、1分間を1サイクル;94℃、1分間、50℃1分間、72℃、1分間を35サイクル;72℃、3分間を1サイクル。
PCR終了後、アガロースゲル電気泳動に反応液10μlを供したところ、200bpに目的の断片と思われるバンドが確認された。そこでこのバンドを切り出して、インビトロジェン社製のTOPO TA Cloning Kitにて、該キットに添付の指示書に従って処理し、E.coli JM109を形質転換した。この形質転換株を任意に20株選択し、プラスミド抽出を行った。それぞれのプラスミドに対し制限酵素処理を行い、適当なサイズのDNAが挿入されているプラスミドを選択し、配列を決定した。配列決定は、BigDye Terminator Cycle Sequence Kitと、シーケンサーとしてABI PRISM3100 Genetic Analyzerを用いて行った。
その結果、2つのアイソザイム(FAO−Q1とFAO−Q2)に相当するであろう2種類の塩基(ポリヌクレオチド)が得られた。決定した塩基配列より予想されるアミノ酸配列に、精製酵素から決定したアミノ酸配列が確認された。このことより、上記PCRで増幅したDNA断片には、FAO−Q1をコードする遺伝子の一部、FAO−Q2をコードする遺伝子の一部が存在することがわかった。
2)上流及び下流の部分配列、及び全長DNAの取得
上記1)で得た2種類の200bpフラグメントから上流及び下流に位置するDNA配列を、TaKaRaLA PCR in vitro Cloning Kitを使用し、解析した。得られたFAO−Q1とFAO−Q2の塩基配列をそれぞれ配列番号3及び配列番号5に、これらによってコードされている推定のアミノ酸配列をそれぞれ配列番号4及び6に示す。
産業上の利用分野
本発明によって新規なFAOが提供され、これらはアマドリ化合物の分析方法の発展に寄与することが期待される。特に、本発明のFAOのうち、糖化アミノ酸のみならず糖化ペプチドに対しても活性を有する酵素を用いることにより、糖化タンパクの分解が不完全な場合であっても糖化タンパクをより正確に測定することが可能となる。その結果、糖尿病における血糖値コントロールに重要なHbA1cを正確に測定することができ、延いては糖尿病患者の治療や合併症の予防に貢献しうる。また、本発明の新規なフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするDNAは、遺伝子組換え技術を用いる酵素の効率的な大量生産を可能にし、マドリ化合物の分析法の開発を促進すると期待される。
【配列表】
Figure 2004029251
Figure 2004029251
Figure 2004029251
Figure 2004029251
Figure 2004029251
Figure 2004029251
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Figure 2004029251
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Figure 2004029251
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Figure 2004029251
Figure 2004029251
Figure 2004029251
Figure 2004029251

Claims (11)

  1. フサリウム プロリフェラタム(Fusarium proliferatum)由来のフルクトシルアミンオキシダーゼ。
  2. フサリウム プロリフェラタム(Fusarium proliferatum)由来の酵素であって、次に示す理化学的特徴を有するフルクトシルアミンオキシダーゼ。
    ▲1▼ フルクトシルバリンに対する活性が、フルクトシルリジンに対する活性とほぼ同等か若しくはそれよりも高い。
    ▲2▼ 酵素反応における至適pHが7.5である。
    ▲3▼ 酵素の安定性に好適な温度が約30〜40℃である。
    ▲4▼ SDS−PAGEによる分子量が約39kDaであって、ゲル濾過法による分子量が約39.4kDaである。
  3. 配列番号4のアミノ酸配列を有する請求項2に記載のフルクトシルアミンオキシダーゼ。
  4. フサリウム プロリフェラタム由来の酵素であって、次に示す理化学的特徴を有するフルクトシルアミンオキシダーゼ。
    ▲1▼ フルクトシルリジンに対して検出可能な活性がなく、フルクトシルバリンに対する活性がある。
    ▲2▼ 酵素反応における至適pHが7である。
    ▲3▼ 酵素の安定性に好適な温度が約30〜40℃である。
    ▲4▼ SDS−PAGEによる分子量が約49kDaであって、ゲル濾過法による分子量が約58kDaである。
  5. 配列番号6のアミノ酸配列を有する請求項3に記載のフルクトシルアミンオキシダーゼ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のフルクトシルアミンオキシダーゼを生産することを特徴とする、フサリウムプロリフェラタム(FERM BP−8451)。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするDNA。
  8. 配列番号3又は配列番号5に記載のヌクレオチド配列からなる請求項7記載のDNA。
  9. 請求項7又は8に記載のDNAで形質転換された宿主細胞。
  10. 請求項6又は9に記載の微生物又は宿主細胞を培地に培養し、培養物からフルクトシルアミンオキシダーゼを回収することを特徴とする、フルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載のフルクトシルアミンオキシダーゼを用いることを特徴とする、試料中に含まれるアマドリ化合物を測定する方法。
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