JPWO2004018521A1 - 抗イディオタイプ抗体、該抗イディオタイプ抗体の作成方法、及び該抗イディオタイプ抗体を用いたイディオタイプ抗体の調製方法 - Google Patents

抗イディオタイプ抗体、該抗イディオタイプ抗体の作成方法、及び該抗イディオタイプ抗体を用いたイディオタイプ抗体の調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、従来の方法に比べて簡単且つ安価に作成することのできる抗イディオタイプ抗体、その作成方法、及び該抗イディオタイプ抗体を用いた目的とするイディオタイプ抗体の調製方法を提供する。第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を調製し、該物質を第2抗原に連結して融合抗原を作成し、この融合抗原と前記第2抗原に結合する第2抗体とを結合させることにより、前記第1抗体に対する抗イディオタイプ抗体を得る。また、動物に、特定のイディオタイプ抗体に対する抗イディオタイプ抗体を接種した後、前記イディオタイプ抗体の抗原を接種することにより、前記イディオタイプ抗体を調製する方法において、本発明の抗イディオタイプ抗体を用いることにより、効率よく目的とするイディオタイプ抗体を得ることができる。

Description

本発明は、簡単且つ安価に作成できる抗イディオタイプ抗体及びその作成方法に関する。更には、該抗イディオタイプ抗体を用いたイディオタイプ抗体の調製方法に関する。
抗原特異性の異なる抗体分子の抗原結合部位の形はそれぞれ異なっており、それぞれの抗体分子に特有の抗原結合部位を有している。このような抗原結合部位は免疫原性を有しており、イディオタイプと呼ばれている。また、この結合部位周辺の免疫原性を有するエピトープは特にイディオトープと呼ばれている。
抗体のイディオトープに対する抗体は、抗イディオタイプ抗体と呼ばれ、古くから生体内での免疫反応を制御していると考えられており(Jerne NJ 著 Ann Immunal(Paris)1974;125c:373−378等)、最近では、抗イディオタイプ抗体が、イディオトープを持つ抗体(イディオタイプ抗体)の発現に影響を与えていることが分かっている(「免疫学イラストレイテッド」、117頁、多田富雄監訳、南江堂、2000年2月10日発行)。
現在、抗イディオタイプ抗体の作成は、通常の抗体作成と同様に、各種動物に対してイディオタイプ抗体又はイディオトープを接種して免疫し、抗イディオタイプ抗体を選別する方法が行われている。
このような抗イディオタイプ抗体は、様々な試薬として利用されているだけでなく、ワクチンへの応用も進められている。
しかし、従来の抗イディオタイプ抗体の作成方法では、1)通常の抗体作成と同程度の時間と費用がかかる、2)抗イディオタイプ抗体の選別が難しい、3)作成の都度、動物を屠殺する必要がある、などの問題点があった。
本発明の目的は、従来の方法に比べて簡単且つ安価に作成することのできる抗イディオタイプ抗体、その作成方法、及び該抗イディオタイプ抗体を用いた目的とするイディオタイプ抗体の調製方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つは、第1抗原に結合する第1抗体の抗イディオタイプ抗体であって、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と第2抗原とが連結された融合抗原と、前記第2抗原に結合する第2抗体とから構成されていることを特徴とする抗イディオタイプ抗体である。
本発明の抗イディオタイプ抗体においては、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質は、前記第1抗原のエピトープであることが好ましい。
また、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質は、タンパク質、ペプチド、糖、脂質、核酸又はそれらの複合体であることが好ましい。
更に、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質は、スペーサーを介して前記第2抗原に連結されていることが好ましい。
本発明の抗イディオタイプ抗体は、第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と第2抗原とが連結された融合抗原と、前記第2抗原に結合する第2抗体とから構成されているので、第1抗体のイディオトープに応じて前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を変更するだけで、簡単に前記第1抗体の抗イディオタイプ抗体としての機能を付与することができる。
本発明のもう一つは、第1抗原に結合する第1抗体の抗イディオタイプ抗体の作成方法であって、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を調製し、該物質を第2抗原に連結して融合抗原を作成し、この融合抗原と前記第2抗原に結合する第2抗体とを結合させることを特徴とする、抗イディオタイプ抗体の作成方法である。
本発明の作成方法においては、前記第1抗原のエピトープを調製し、このエピトープを、前記第2抗原に連結することが好ましい。
また、前記第1抗体の抗原結合部位に結合するタンパク質、ペプチド、糖、脂質、核酸又はそれらの複合体を調製し、これを前記第2抗原に連結することが好ましい。
更に、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を、スペーサーを介して前記第2抗原に連結することが好ましい。
本発明の作成方法によれば、第1抗体のイディオトープに応じて前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を変更するだけで、第1抗体の抗イディオタイプ抗体を簡単且つ安価に得ることができる。
また、本発明のもう一つは、動物に、特定のイディオタイプ抗体に対する抗イディオタイプ抗体を接種した後、前記イディオタイプ抗体の抗原を接種することにより、前記イディオタイプ抗体を調製する方法において、前記抗イディオタイプ抗体として、請求項1〜4のいずれか一つに記載の抗イディオタイプ抗体を用いることを特徴とするイディオタイプ抗体の調製方法である。
本発明の調製方法によれば、目的とするイディオタイプ抗体の抗イディオタイプ抗体を簡単に調製することができるので、イディオタイプ抗体の産生量を増加させることができ、目的とするイディオタイプ抗体を効率よく調製することができる。
図1は、第1抗原のエピトープを、そのまま第1抗体の抗原結合部位に結合する物質として用いて抗イディオタイプ抗体を作成する方法の説明図である。
図2は、第1抗体の抗原結合部位に結合するペプチドをファージディスプレイ法によりスクリーニングして調製し、これを用いて抗イディオタイプ抗体を作成する方法の説明図である。
図3は、マウス抗His−Tag抗体▲1▼〜▲4▼が、ウサギ抗ペプチドA抗体に対する抗イディオタイプ抗体となっているかどうかをELISA法で確認した結果を示す図である。
図4は、マウス抗ビオチン抗体▲5▼〜▲8▼が、ウサギ抗ペプチドC抗体に対する抗イディオタイプ抗体となっているかどうかをELISA法で確認した結果を示す図である。
本発明の抗イディオタイプ抗体は、第1抗原に結合する第1抗体の抗イディオタイプ抗体であって、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と第2抗原とが連結された融合抗原と、前記第2抗原に結合する第2抗体とから構成されているものである。
本発明において、第1抗原は抗原として利用可能な物質であれば特に限定されるものではない。具体的には、抗体、タンパク質受容体、ホルモン、酵素、ペプチド、核酸、複合糖質、細胞、ウイルス、低分子化合物等が例示できる。
イディオタイプ抗体である第1抗体は、所定の第1抗原を用いて常法により調製してもよく、種々の抗原に対する抗体が市販されているので、それらを用いることもできる。
第1抗体の抗原結合部位に結合する物質としては、具体的には、タンパク質、ペプチド、糖、脂質、核酸又はそれらの複合体等が例示できる。本発明においては、第1抗体の抗原結合部位が認識、結合する最小部分、すなわち前記第1抗原のエピトープであることが好ましい。このような抗原のエピトープは、文献等に記載された情報に基いて決定することができるが、例えば、第1抗体の抗原結合部位に結合する物質が、ペプチド又はタンパク質の場合は、ファージディスプレイ法(Smith,G.P.,Science,288,1315−1317(1985))によって得ることもできる。ファージディスプレイ法は、ファージの外殻タンパク質に外来タンパク質を融合タンパク質として提示させたファージライブラリーを用いて、所定のターゲット物質に結合するタンパク質をスクリーニングする方法であり、このようなファージライブラリーを第1抗体に接触させて、選択操作(バイオパニング)を行なうことで、第1抗体に結合する外来タンパク質を発現したファージ群のみを選択的に得、このファージのDNAを解析することにより、ファージ表面に提示された外来タンパク質のアミノ酸配列を容易に同定することができる。そして、このアミノ酸配列に基いて、公知の方法(固相法、Fmoc法等)によってペプチド又はタンパク質を合成することにより、目的のペプチド又はタンパク質を簡単、且つ大量に調製することができる。第1抗体の抗原結合部位に結合するペプチド又はタンパク質のアミノ酸配列やアミノ酸数は第1抗体によって変わるため一概に決定できないが、例えば、ペプチドの場合、通常、2〜200個のアミノ酸からなるペプチドが好ましく、5〜18個のアミノ酸からなるペプチドがより好ましい。
ファージライブラリーは、例えば、Smith,G.P.,Science,288,1315−1317(1985)、J.K.Scott and G.P.Smith,Science,249,386−390(1990)等に記載された方法にしたがって、ランダム化したDNAを化学合成し、これをファージDNAの外殻タンパク質をコードする遺伝子に挿入し、このDNAを大腸菌に導入することにより調製することもできるが、商品名「Phage Display Peptide Library Kit」、New England Biolab社製)等の市販のものを用いることもできる。
本発明においては、第1抗体の抗原結合部位に結合するペプチド又はタンパク質を効率よくスクリーニングするために、ファージ表面に提示される外来タンパク質のバリエーションをできるだけ増やしたファージライブラリーを用いることが好ましい。
本発明において、第2抗原は、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を化学的、物理的に連結することのできる物質であれば特に制限されないが、具体的には、ペプチド(例えば、ヒスチジンが数個アミノ結合したHis−Tag等)、糖、核酸、脂質及びこれらの複合体、ビオチン等が例示できる。なお、第2抗原に対する抗体、すなわち第2抗体が入手しやすいものであることが好ましい。
上記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と第2抗原を連結する方法は、該物質及び第2抗原の種類によって異なるため一概に言えないが、それぞれの種類に応じて公知の方法で連結すればよい。例えば、第1抗体の抗原結合部位に結合する物質及び第2抗原としてペプチドを用いる場合は、以下のような方法が挙げられる。
1)第1抗体の抗原結合部位に結合するペプチドと第2抗原であるペプチドとを連続した一つのペプチドとして合成する。
2)第2抗原であるペプチドにアミノ基、チオール基やカルボキシル基等の官能基を有するアミノ酸を付加したペプチドを合成し、そのアミノ基やチオール基等を活性化して、第1抗体の抗原結合部位に結合するペプチドを連結する。
本発明においては、第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と第2抗原とを連結する際に、スペーサーを介して連結することが好ましい。スペーサーとしては、第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と第2抗原とを化学的、物理的に連結できる物質であれば特に制限はなく、具体的には、ペプチド、炭素数2〜18の主鎖(主鎖中にエステル結合やエーテル結合を有していてもよい。)を有し、好ましくは水酸基等の親水性の官能基を有するもの(例えば、両末端に活性基を有するポリビニルアルコール、好ましくはビニルアルコール分子が2〜10程度重合したもの)、2〜10糖からなる糖鎖等が例示できる。上記ペプチドとしては、グリシンやセリンが数個(通常4〜10個)ペプチド結合したペプチド等のフレキシブルリンカー等が好ましく挙げられる。
このようなスペーサーを介して連結することにより、前記第1抗体の抗原結合部位に結合するペプチドと第1抗体との立体的な結合阻害を回避することができる。スペーサーの長さは、前記第1抗体の抗原結合部位に結合するペプチドと第1抗体との立体的な結合阻害を回避するのに十分な長さを適宜選択すればよい。
なお、スペーサーは、予め第1抗体の抗原結合部位に結合する物質に連結してから第2抗原と連結してもよく、予め第2抗原に連結してから第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と連結してもよい。スペーサーと、第1抗体の抗原結合部位に結合する物質又は第2抗原との連結は、公知の方法(大野素徳・金岡祐一・崎山文夫・前田浩 著、「生物化学実験法13 蛋白質の化学修飾(下)」(学会出版センター)、81〜113頁等参照)で行うことができる。
また、上記第2抗原に結合する第2抗体は、入手が容易なものが好ましく、目的等に応じてマウス抗体、ウサギ抗体、ヒト抗体等を選択して用いることができる。
本発明の抗イディオタイプ抗体は、上記のようにして第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と第2抗原とを連結した融合抗原と、前記第2抗原に対する第2抗体とを抗原抗体反応により結合させることにより得ることができる。
以下、本発明の抗イディオタイプ抗体の作成方法について、図1、2を参照して更に詳細に説明する。
図1は、第1抗原のエピトープを、そのまま第1抗体の抗原結合部位に結合する物質として用いて抗イディオタイプ抗体を作成する方法について説明したものである。この方法は、第1抗原のエピトープが既に分かっており、該エピトープを公知の方法で調製できる場合に有効な方法である。
すなわち、第1抗原1のエピトープ2を、常法にしたがって解析した結果に基いて、あるいは文献情報等に基いて公知の方法で合成又は調製する。そして、このエピトープ2を第2抗原21に直接連結することにより融合抗原23を作成し、この融合抗原23と第2抗原21に対する第2抗体20とを抗原抗体反応により結合させることにより、第1抗体10に対する抗イディオタイプ抗体31を作成することができる。また、エピトープ2と第2抗原21とを、スペーサー22を介して連結した融合抗原24を用いることにより、抗イディオタイプ抗体32を作成することができ、融合抗原23と24の両方を用いることにより、抗イディオタイプ抗体33を作成することができる。
このようにして得られた抗イディオタイプ抗体31〜33は、図に示すように、第1抗体10の抗原結合部位11に、エピトープ2を介して結合することができる。
図2は、第1抗体の抗原結合部位に結合する物質、すなわち第1抗体のエピトープ解析をファージディスプレイ法により行ない、その解析結果に基いて第1抗体の抗原結合部位に結合するペプチドを調製し、抗イディオタイプ抗体を作成する方法について説明したものである。この方法は、第1抗体(イディオタイプ抗体)が既に得られている場合に有効な方法である。なお、以下の説明において、上記の説明と実質的に同じものには同一の符号を附し、その説明を省略する。
すなわち、第1抗体12の抗原結合部位13に結合するペプチド3を提示したファージ4を、ファージディスプレイ法によりスクリーニングし、そのアミノ酸配列を解析して公知の方法でペプチド3を合成する。そして、ペプチド3を第2抗原21に直接連結することにより融合抗原25を作成し、この融合抗原25と第2抗原21に対する第2抗体20とを抗原抗体反応により結合させることにより、抗イディオタイプ抗体34を作成することができる。また、ペプチド3と第2抗原21とを、スペーサー22を介して連結した融合抗原26を用いることにより、抗イディオタイプ抗体35を作成することができ、融合抗原25と26の両方を用いることにより、抗イディオタイプ抗体36を作成することができる。
このようにして得られた抗イディオタイプ抗体34〜36は、図に示すように、第1抗体12の抗原結合部位13に、ペプチド3を介して結合することができる。
本発明の抗イディオタイプ抗体は、従来の抗イディオタイプ抗体の代替として様々な用途に用いることが可能であり、例えば、各種の検出・測定試薬、ワクチン等の医薬品へ利用することができる。
また、「免疫学イラストレイテッド」(117頁、多田富雄監訳、南江堂、2000年2月10日発行)等に記載されているように、動物に、特定のイディオタイプ抗体に対する抗イディオタイプ抗体を適量接種した後、前記イディオタイプ抗体の抗原(第1抗原)を接種することにより、前記イディオタイプ抗体の産生量が大幅に増加することが知られている。したがって、上記のようなイディオタイプ抗体の調製方法において、本発明の抗イディオタイプ抗体を用いることにより、目的とするイディオタイプ抗体を効率よく調製することができる。なお、上記動物としては、通常、抗体を作成するときに用いられるマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウマ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ヒト等が例示できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
任意のペプチド、具体的には配列番号1に示すペプチド(以下、ペプチドAという)を第1抗原として用い、一般的な抗ペプチド抗体作成方法にしたがってウサギを免疫し、3回の試験採血の後、十分な量の抗ペプチドA抗体が得られたため、採血後、ペプチドAをカラムに固定化し、ウサギ抗ペプチドA抗体(第1抗体)を精製した。
ペプチドAのC末端側に、ヒスチジンが4個ペプチド結合したペプチドであるHis−Tag(第2抗原)を連結したペプチド▲1▼、及びペプチドAのC末端側に2つのセリンをスペーサーとして挿入し、その後にHis−Tagを連結したペプチド▲2▼をそれぞれ常法にしたがって合成した。また、対照として、配列番号2に示すペプチド(以下、ペプチドBという)のC末端側にHis−Tagを連結したペプチド▲3▼、及びペプチドBのC末端側に2つのセリンをスペーサーとして挿入し、その後にHis−Tagを連結したペプチド▲4▼をそれぞれ合成した。
上記ペプチド▲1▼〜▲4▼を、His−Tagに結合するマウス抗体(第2抗体、商品名「Anti−Histag Antibody」、CN Bioscience Inc製)と抗原抗体反応により結合させた。以下、ペプチド▲1▼を結合させたマウス抗His−Tag抗体をマウス抗His−Tag抗体▲1▼、ペプチド▲2▼を結合させたマウス抗His−Tag抗体をマウス抗His−Tag抗体▲2▼、ペプチド▲3▼を結合させたマウス抗His−Tag抗体をマウス抗His−Tag抗体▲3▼、ペプチド▲4▼を結合させたマウス抗His−Tag抗体をマウス抗His−Tag抗体▲4▼という。
そして、マウス抗His−Tag抗体▲1▼〜▲4▼が、ウサギ抗ペプチドA抗体に対する抗イディオタイプ抗体となっているかどうかを、ELISA法を用いて確認した。具体的には、ウサギ抗ペプチドA抗体を10μg/mlとなるように100mM炭酸ナトリウムバッファ(pH8.0)に溶解し、コーニング社製96穴プレート(高結合タイプ)に1ウェルあたり100μlずつ加え、25℃で1時間放置し、物理吸着による固定化を行った。プレートを洗浄後、2%(w/v)スキムミルク溶液(100mM 炭酸ナトリウムバッファ(pH8.0))を1ウェルあたり250μl加えてブロッキングした。また、対照として、ウサギ抗ペプチドA抗体を固定化せず、2%(w/v)スキムミルク溶液(100mM 炭酸ナトリウムバッファ(pH8.0))を250μl加えてブロッキングしたウェルを作成した。
マウス抗His−Tag抗体▲1▼〜▲4▼を、それぞれ1μg/mlとなるように2%(w/v)スキムミルク溶液(100mM 炭酸ナトリウムバッファ(pH8.0))に溶解し、200μlずつウサギ抗ペプチドA抗体固定化ウェル3つ、ブロッキングのみのウェル2つに加え、25℃で1時間放置した。プレートを洗浄後、HRPで標識した抗マウス抗体を加え、25℃で1時間放置し、更に洗浄後、ABTS反応液を加え、405nmの吸光度で融合抗体の結合量を測定し、吸光度比(ウサギ抗ペプチドA抗体固定化ウエル3つの吸光度の平均値/ブロッキングのみのウエル2つの吸光度の平均値)を求めた。その結果を図3に示す。
図3から、マウス抗His−Tag抗体▲1▼、▲2▼は、ウサギ抗ペプチドA抗体との結合が見られ、ウサギ抗ペプチドA抗体の抗イディオタイプ抗体であることが示された。特に、スペーサーを入れたマウス抗His−Tag抗体▲2▼は、スペーサーのないマウス抗His−Tag抗体▲1▼に比べて、ウサギ抗ペプチドA抗体とより結合しやすくなっていることが分かる。
任意のペプチド、具体的には配列番号3に示すペプチド(以下、ペプチドCという)を第1抗原として用い、実施例1と同様にしてペプチドCに結合する抗体(第1抗体、以下、ウサギ抗ペプチドC抗体という)を精製した。
ペプチドCのN末端側にビオチン(第2抗原)を直接連結したペプチド▲5▼、及びペプチドCのN末端側に商品名「sulfo NHS−LC−Biotin」(ピアース社製)を用いてスペーサーを介してビオチンを連結したペプチド▲6▼を調製した。また、対照として、上記ペプチドBのN末端側にビオチンを直接連結したペプチド▲7▼、及びペプチドBのN末端側に商品名「sulfo NHS−LC−Biotin」(ピアース社製)を用いてスペーサーを介してビオチンを連結したペプチド▲8▼を調製した。
上記ペプチド▲5▼〜▲8▼を、ビオチンに結合するマウス抗体(第2抗体、商品名「anti Biotin antibody」、Dianova GmbH社製)と抗原抗体反応により結合させた。以下、ペプチド▲5▼を結合させたマウス抗ビオチン抗体をマウス抗ビオチン抗体▲5▼、ペプチド▲6▼を結合させたマウス抗ビオチン抗体をマウス抗ビオチン抗体▲6▼、ペプチド▲7▼を結合させたマウス抗ビオチン抗体をマウス抗ビオチン抗体▲7▼、ペプチド▲8▼を結合させたマウス抗ビオチン抗体をマウス抗ビオチン抗体▲8▼という。
そして、マウス抗ビオチン抗体▲5▼〜▲8▼が、ウサギ抗ペプチドC抗体に対する抗イディオタイプ抗体となっているかどうかを、実施例1と同様にしてELISA法を用いて確認した。その結果を図4に示す。
図4から、マウス抗ビオチン抗体▲5▼、▲6▼は、ウサギ抗ペプチドC抗体との結合が見られ、ウサギ抗ペプチドC抗体の抗イディオタイプ抗体であることが示された。特に、スペーサーを入れたマウス抗ビオチン抗体▲6▼は、スペーサのないマウス抗ビオチン抗体▲5▼に比べて、ウサギ抗ペプチドC抗体とより結合しやすくなっていることが分かる。今回は、第2抗原としてビオチンのように小さいものを用いたため、スペーサーの効果が大きく現れたと考えられる。
配列番号1:第1抗原として用いたペプチド。
配列番号2:第1抗体の抗原結合部位に結合しないペプチド。
配列番号3:第1抗原として用いたペプチド。
以上説明したように本発明によれば、第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を調製し、該物質を第2抗原に連結して融合抗原を作成し、この融合抗原と前記第2抗原に結合する第2抗体とを結合させることにより、前記第1抗体に対する抗イディオタイプ抗体を簡便且つ安価に得ることができる。
本発明の抗イディオタイプ抗体は、例えば、各種の検出・測定試薬、ワクチン等の医薬品へ利用することができる。また、上述したように、本発明の抗イディオタイプ抗体を用いることにより、目的とするイディオタイプ抗体を効率よく調製することができる。
【配列表】
Figure 2004018521

Claims (9)

  1. 第1抗原に結合する第1抗体の抗イディオタイプ抗体であって、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質と第2抗原とが連結された融合抗原と、前記第2抗原に結合する第2抗体とから構成されていることを特徴とする抗イディオタイプ抗体。
  2. 前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質は、前記第1抗原のエピトープである、請求項1に記載の抗イディオタイプ抗体。
  3. 前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質は、タンパク質、ペプチド、糖、脂質、核酸又はそれらの複合体である、請求項1又は2に記載の抗イディオタイプ抗体。
  4. 前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質は、スペーサーを介して前記第2抗原に連結されている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の抗イディオタイプ抗体。
  5. 第1抗原に結合する第1抗体の抗イディオタイプ抗体の作成方法であって、前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を調製し、該物質を第2抗原に連結して融合抗原を作成し、この融合抗原と前記第2抗原に結合する第2抗体とを結合させることを特徴とする、抗イディオタイプ抗体の作成方法。
  6. 前記第1抗原のエピトープを調製し、このエピトープを、前記第2抗原に連結する、請求項5に記載の抗イディオタイプ抗体の作成方法。
  7. 前記第1抗体の抗原結合部位に結合するタンパク質、ペプチド、糖、脂質、核酸又はそれらの複合体を調製し、これを前記第2抗原に連結する、請求項5又は6に記載の抗イディオタイプ抗体の作成方法。
  8. 前記第1抗体の抗原結合部位に結合する物質を、スペーサーを介して前記第2抗原に連結する、請求項5〜7のいずれか一つに記載の抗イディオタイプ抗体の作成方法。
  9. 動物に、特定のイディオタイプ抗体に対する抗イディオタイプ抗体を接種した後、前記イディオタイプ抗体の抗原を接種することにより、前記イディオタイプ抗体を調製する方法において、前記抗イディオタイプ抗体として、請求項1〜4のいずれか一つに記載の抗イディオタイプ抗体を用いることを特徴とするイディオタイプ抗体の調製方法。
JP2004530610A 2002-08-22 2003-08-22 抗イディオタイプ抗体、該抗イディオタイプ抗体の作成方法、及び該抗イディオタイプ抗体を用いたイディオタイプ抗体の調製方法 Expired - Fee Related JP4387945B2 (ja)

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