JPWO2004006776A1 - 腹膜機能に関する検査方法 - Google Patents

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Abstract

腹膜透析患者の状態を評価するための腹膜機能を検査する。この検査方法は、所定量の腹膜透析液の注液および排液を、浸透圧の相違する腹膜透析液について交互に繰り返す工程と、患者の腹腔内に貯留されている腹膜透析液の量や着目溶質の濃度を把握するために排液の検査を行う工程と、腹膜平衡試験を行う工程と、注排液を行うことに起因する血液の状態変化を把握するための血液検査を行う工程とを含む。血液検査を行う工程を1回のみ実施する。患者の状態に応じた至適な腹膜透析を行うための、患者の腹膜透析能及び除水能の現状を効率的かつ正確に評価することができる。

Description

本発明は、慢性腎不全患者の状態に応じた至適な腹膜透析を行うために、患者の腹膜機能の現状を効率的かつ正確に評価する、腹膜透析能及び除水能に関する検査方法に関する。
従来の腹膜透析医療において、腹膜機能の評価や至適な透析条件を探るために、腹膜透析患者の腹膜透析状態や腹膜透過能をいかに正確に把握するかということは、最も重要な課題の一つであった。例えば、1970年代に考案されたいわゆる慢性腹膜透析療法である連続歩行可能腹膜透析(CAPD)においては、約2Lの腹膜透析液を5〜6時間腹腔内に貯留し、1日に4〜6回交換する。そして、患者の体内の恒常性を維持するために、患者の腹膜の透析能及び除水能(以下、総称して「腹膜機能」という。)の評価を行い、その評価に応じた最適な透析液交換スケジュール(以下、「処方」という。)を設定する。
しかし、CAPDが考案された1970年代は、腹膜機能の特徴と腹膜透析歴による腹膜機能の経時的な変化がほとんど明らかになっていなかったため、適切に腹膜機能を評価する検査方法は確立されておらず、処方は医師の経験と判断により設定されていた。
1980年代に入ると、症例の増加に伴って、患者ごとに腹膜機能が異なることが明らかになり、透析能及び除水能を定性的に評価する腹膜機能検査法が提案されるようになってきた。最も多く採用されている定性的評価法としては、腹膜平衡試験(以下PETとも記す)が挙げられる。PETによれば、腹膜機能を4段階のカテゴリ、すなわち、良好、やや良好、やや不良、および不良に分類し、カテゴリごとに適切と考えられる一般的な処方パターンを提案する。
続いて1990年代に入ると、上記定性的評価法では適用患者に制限があることが示され、患者の体格を考慮した定量的評価法が提案された。定量的評価法では、慢性腹膜透析患者の透析量の指標であるクレアチニンクリアランス、尿素Kt/Vと、生存率に関する統計結果を、クライテリア(目標値、標準)として採用する。そして、生存率に対してこれら2つのパラメタの定量的目標値を満足する処方を、至適処方と判断している。上述した定性的評価法およびこの定量的評価法を併用することによって、処方パターンと処方の至適判断を行うことができるようになった。
しかしながら、これら2つの評価法の併用は、あくまでも各時点での処方の適切さを評価しているのみである。したがって、処方の設定は試行錯誤的であり、かつ医師の経験により行う以外に手段が無いことが問題であった。
そこで、慢性腹膜透析法の数理モデルを構築し、腹膜の物質移動速度の解析により最適な処方を提案する計算機シミュレーション法が提案された。計算機シミュレーション法により、定性的評価法で提案された処方パターンと定量的評価法で示されたクライテリアを用いることによって、患者の腹膜機能に応じた処方の提案を行うことができるようになった。
しかしながら、解析に必要なデータを集めるための効率的かつ経済的な臨床データ収集プロトコル(検査法)が確立していなかった。計算機シミュレーション法を実施するための臨床データ収集プロトコル(検査法)は多数考案されているが、いずれのプロトコルも体内のサーカディアンリズム(既日周期)を考慮して、24時間に亘って、着目溶質(尿毒素等)の物質収支と水分の出納を測定する検査法である。
図1に、従来の腹膜機能に関する検査方法の工程例を図示する。横軸は、検査開始からの経過時間を示す。時間の経過に従った「注液」および「排液」が示される。また、体重測定11、採血12、蓄尿13および尿検査14のタイミングが、「注液」および「排液」との関係で示されている。
図1に示すように、24時間に亘る着目溶質(尿毒素等)の物質収支と水分の出納を検出するために、まず、浸透圧の低い透析液である低浸透圧液(360(単位はmOsm/kg−solvent。以下同様))の注液を、検査終了日の前前日の夜(22:30)から開始する。翌朝に排液しつつ、一度目の採血12(8:00)を行う。
次に体重測定11を実施してから、浸透圧の高い透析液である中浸透圧液(400)を注液し、腹膜平衡試験(PET)のため、排液、一部採取、返戻を所定時間経過ごとに2回繰り返した後、最終的に排液する。なお、PETは一般的には、中浸透圧液(400)を用いて行われる。また、PETは病院で実施するべき項目であり、患者が病院に滞在している間に2回目の採血12を行うのが一般的である。以後、透析液を注排液し、最後の排液完了時点(8:00)において、3回目の採血12及び尿検査14を行う。
このような検査工程において、患者は、採血やPETを行う必要があることから、病院内に滞在することが避けられなかった。すなわち、上述したような検査は24時間内に行う数度の採血を伴う。したがって、患者の生活環境によっては、入院を必要とすることが多々あり、時間的な束縛や精神的疲労を患者に与えているという問題点があった。
また、検査項目が多く、患者や医療従事者に少なからぬ手間や負担をかけているにもかかわらず、患者の日常状態を的確に反映したデータを集めることは困難であるという問題点も残されていた。
本発明は、患者の状態に応じた至適な腹膜透析を行うべく、患者の腹膜透析能及び除水能の現状を効率的かつ正確に評価することが可能な、腹膜機能に関する検査方法を提供することを目的とする。
本発明の検査方法は、腹膜透析患者の状態を評価するための腹膜機能に関する検査方法であって、所定量の腹膜透析液の注液および排液を、浸透圧の相違する前記腹膜透析液について交互に繰り返す工程と、患者の腹腔内に貯留されている前記腹膜透析液の量および着目溶質の濃度を把握するために前記排液の検査を行う工程と、腹膜平衡試験を行う工程と、前記注排液を行うことに起因する血液の状態変化を把握するための血液検査を行う工程とを含み、血液検査を行う工程を1回のみ実施することを特徴とする。
図1は、従来例の腹膜機能に関する検査方法の工程図である。
図2は、本発明の一実施の形態にかかる腹膜機能に関する検査方法の工程図である。
図3は、血中膠質濃度の検査時間に対する変化を示す図である。
図4は、血中晶質濃度の検査時間に対する変化を示す図である。
図5は、血中電解質濃度の検査時間に対する変化を示す図である。
図6は、腹腔内透析液量と貯留時間との関係を示す図である。
図7は、溶質濃度と貯留時間との関係を示す図である。
本発明の検査方法は、血液検査を行う工程を1回のみ実施することにより、検査実施における患者に与える経済的及び精神的負担と時間的な拘束感を軽減することを可能とする。この方法は、慢性腹膜透析患者の検査中24時間における血中溶質濃度変化が僅かであることの発見に基づく。それにより、計算機シミュレーション法の解析精度に実質的な影響を及ぼすことなく、24時間内の代表時刻1点の採血の検査データを用いて簡素な検査方法を実現したものである。
この検査方法において、腹膜平衡試験を行う工程を全行程の最後に実施し、血液検査を行う工程を腹膜平衡試験を行う工程の直前又は直後、あるいは腹膜平衡試験中おいて実施することが好ましい。それにより、定性的評価法である腹膜平衡試験と併せて、採血を検査期間中の1回、好ましくは検査終了時に実施すれば、検査のための在院時間を最短に設定することができる。
腹膜機能を把握するための着目溶質を、総タンパク質、アルブミン、グルコース、クレアチニン、尿素、ナトリウム、およびクロールとすることが好ましい。
また、排液中のアルブミン濃度を排液中の総タンパク質濃度に基づいて推定することが好ましい。それにより、測定費用をより安価に抑えることが可能となる。
注液と排液を繰り返す工程は、各浸透圧を有する透析液について少なくとも3回行うことが好ましい。その場合に、注液と排液を繰り返す工程を、同じ浸透圧を有する透析液を用いて複数回行う際に、透析液を注入してから排液するまでの貯留時間を、各回毎に互いに異ならせることが好ましい。
上記方法によれば、貯留時間の異なる3種類の臨床データから、除水量の経時変化と排液中溶質濃度の経時変化を曲線で表す際に、次の理由により、精度良くカーブフィッティングを行うことができる。すなわち、高精度のカーブフィッティングを行うためには、曲線の変化量が大きい時間帯をより精度良好に予測する必要があるが、除水量の経時変化で最も変化量の大きくなる時間帯、つまり除水量が最大値を示す時間帯に検査のサンプリングポイントを多く設定することによって、カーブフィッティングの精度は良くなるからである。その結果、例えば、サンプリングを行わない貯留時間を処方設定に含むような、任意の腹膜透析シミュレーションが可能となる。
以下、本発明の実施の形態にかかる腹膜機能に関する検査方法について、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態にかかる腹膜機能に関する検査方法の工程を示す。図2には、図1の場合と同様に、時間の経過に従った「注液」および「排液」のタイミングが示されている。また、体重測定21、採血22、蓄尿23および尿検査24のタイミングが、「注液」および「排液」との関係で示されている。
本実施形態の検査方法においても、24時間に亘って、着目溶質(尿毒素等)の物質収支と水分の出納を検出する必要があることから、透析液の注液を、検査終了日の前前日の夜から開始する。ただし本実施の形態では、この検査開始時に、浸透圧の高い透析液、すなわち中浸透圧液(400)を2L注液する。これは、浸透圧の高い透析液を注液することにより、長い貯留時間を確保可能だからである。これに対して、検査開始時に低浸透圧液(360)を注液すると、貯留時間が短くなるため夜中の注排液を必要とし、患者の生活様式に影響を与える。
また、翌朝における排液の段階では、従来の検査方法とは異なり、一度目の採血を行わない。そして、2Lの低浸透圧液(360)の注液を2度繰り返した後、2Lの中浸透圧液(400)と低浸透圧液(360)を交互に注排液し、最後の注液開始前に一回だけ採血22を行う。同時に、尿のある患者の場合には尿検査24のために採尿し、蓄尿23を実施しておく。そして、最終的には体重測定21を実施後、腹膜平衡試験(PET)を行う。すなわち、注液されている透析液を3度に分けて採取して、全体の検査を終了する。
このように、本実施の形態の検査方法は、採血のタイミング及び回数が従来と異なっている点に特徴を有する。このような変更が可能な理由を、以下の実証実験に基づいて説明する。
まず、慢性腹膜透析患者約100名に対して、図1に示す従来の腹膜機能に関する検査方法で検査を実施し、24時間に亘って採血及び透析液排液の蓄積を行い、検査中の血液及び排液に含まれる着目溶質濃度を測定した。検査中の透析液交換スケジュールでは、除水能に応じて適用される浸透圧の異なる二種類の透析液(低浸透圧液及び中浸透圧液)を3回ずつ貯留し、各貯留時間は、互いに異なる長さとした。このようにするのは、計算機シミュレーション法の解析精度の低下防止と、処方シミュレーションのバリエーション拡張のためである。
慢性腹膜透析患者の恒常性の確認に重要な着目溶質としては、総タンパク質、アルブミン、グルコース、クレアチニン、尿素、ナトリウム、およびクロールを対象とすることが望ましい。これら着目溶質の血中濃度が、検査中の24時間間隔でどのような変化を示しているのかを確認した。
測定の結果として図3に、総タンパク質及びアルブミン(膠質)の血中濃度について、検査時間に対する変化を示す。図3において、●印は総タンパク質の血中濃度を、◆印はアルブミンの血中濃度を、それぞれ示す。図3から明らかなように、総タンパク質及びアルブミンの血中濃度については、検査時間の24時間に亘って、ほとんど変化が見られなかった。
図4は、グルコース、クレアチニンおよび尿素(晶質)の血中濃度の検査時間に対する変化の度合を示す。図4において、●印はクレアチニンの血中濃度を、◆印は尿素の血中濃度を、▲印はグルコースの血中濃度を、それぞれ示す。図4から明らかなように、クレアチニンと尿素の血中濃度については、検査時間の24時間に亘って、ほとんど変化が見られなかった。また、グルコースの血中濃度については検査途上では上昇するものの、検査開始時と終了時においては、ほとんど変化が見られなかった。
図5は、ナトリウム及びクロール(電解質)の血中濃度の検査時間に対する変化の度合を示す。図5において、●印はナトリウムの血中濃度を、◆印はクロールの血中濃度を、それぞれ示している。図5から明らかなように、ナトリウム及びクロールの血中濃度については、検査時間の24時間に亘って、ほとんど変化が見られなかった。
以上のとおり、慢性腹膜透析患者の恒常性の確認に重要な着目溶質として考えられている総タンパク質、アルブミン、グルコース、クレアチニン、尿素、ナトリウム、クロールの全てについて、これら着目溶質の血中濃度は、検査開始時と検査時間24時間経過後においては、ほとんど変化していないことが明らかである。したがって、採血及び採尿は、検査開始時あるいは検査時間24時間経過後のいずれかの時点でのみ行えば十分であると考えられる。
ここで、患者の便宜を考慮すると、採血及び腹膜平衡試験(PET)は病院で行わざるを得ず、また最終的に透析液排液検体を病院へ提出する必要がある。これを考慮すると、検査開始時に採血及びPETを行う場合は、患者は都合2回病院へ移動する必要が生じ、好ましくない。一方、透析液排液の保管は在宅でも可能であることから、患者が透析液排液検体を病院に持参し、採血を検査終了時に実施すれば、入院を必要とすることもない。したがって図2に示すように、採血22、採尿24及びPETを、一連の検査終了時点において病院で行えば、患者は最終日1回のみ病院に来ることで、すべての検査を実施することができる。それにより、患者は時間的な拘束から解放され、患者の精神的及び経済的負担を軽減することが可能となる。
なお、図3に示されるように、排液中におけるアルブミン濃度と、排液中における総タンパク質濃度との間には、実験的に明らかな正の相関性が見られる。したがって、測定費用が高価である排液中アルブミン濃度を、測定費用が安価な排液中総タンパク質濃度を用いて推算することが可能である。すなわち、排液中総タンパク質濃度を測定するだけで、排液中アルブミン濃度を実際に測定することなく算出して、検査結果を得ることが可能である。
本実施の形態における検査方法により、低浸透圧液と中浸透圧液の時間的に不連続な臨床データとして、除水量及び排液中溶質濃度を収集することができる。本検査方法を用いて収集された除水量(腹腔内透析液量)及び排液中溶質濃度のデータの例を、それぞれ図6及び図7に、貯留時間ベースにプロットして示す。図6において、●印は高い浸透圧を有する透析液(中浸透圧液)の場合の腹腔内透析液量を、◆印は低い浸透圧を有する透析液(低浸透圧液)の場合の腹腔内透析液量を、それぞれ示す。また、図7において、●印は高い浸透圧を有する透析液(中浸透圧液)の場合の溶質濃度を、◆印は低い浸透圧を有する透析液(低浸透圧液)の場合の溶質濃度を、太い実線は血液の溶質濃度を、それぞれ示す。
本実施の形態における検査方法では、異なる3種の長さの貯留時間に関して臨床データを収集しており、かつ浸透圧の相違する透析液を交互に注液する。これは、浸透圧の高い透析液を連続して使用することによって、除水過多となることを未然に防止するためである。従って、より具体的な条件に従えば、低浸透圧液の注液が一部連続してもよいが、中浸透圧液の注液は連続しないように、低浸透圧液の注液と中浸透圧液の注液を交互に行う。この条件によれば、図2に示した工程では、(12:30)の低浸透圧液(360)の注液と、(15:30)の中浸透圧液(400)の注液と入れ替えることは可能である。
また、本実施の形態では、浸透圧の相違する透析液の注液を交互に繰り返す工程の最後、すなわち腹膜平衡試験の開始時には、浸透圧が相対的に高い方の透析液を注液する。これは、腹膜平衡試験には浸透圧が高い方の透析液を注液する必要があるからである。その理由は以下のとおりである。腹膜の透過性が亢進している患者の場合、浸透圧が低い方の腹膜透析液では十分な除水が見込めない。従って、比較的短時間(例えば、4時間)の貯留で、尿毒素の除去量が除去限界値に到達してしまい、正確な検査値が得られない。一方、浸透圧が高い方の透析液では、浸透圧が低い方の透析液に比べて尿毒素の除去限界値が高い。このため、腹膜の透過性が亢進した患者でも、短時間貯留で除去限界値に達することはない。従って、浸透圧が高い方の透析液を用いれば、患者の腹膜透過性に影響を受けることなく、正確な検査値が得られる。以上のとおり、透析液の注排液を繰り返す工程の最後には、浸透圧が高い方の透析液を注液することが好ましい。
また、本実施の形態では、浸透圧の相違する透析液の注液を交互に繰り返す工程の最初に、浸透圧の高い方の透析液を注液する。これは、浸透圧の高い方の透析液を注液すれば長い貯留時間を確保可能であり、注液を繰り返す工程を夜間に開始する場合に適しているからである。これに対して、浸透圧が低い方の透析液を注液すると貯留時間が短くなり、短い時間間隔での注排液を必要とし、患者の生活様式に影響を与える。以上のとおり、透析液の注排液を繰り返す工程の最初には、浸透圧が高い方の透析液を注液することが好ましい。
以上のように本実施の形態は、慢性腹膜透析患者の検査中24時間における血中溶質濃度変化が僅かであることの発見に基づき、計算機シミュレーション法の解析精度に実質的な影響を及ぼすことなく、24時間内の代表時刻1点の採血の検査データを用いて簡素な検査方法を実現したものである。その結果、検査実施における患者に与える経済的及び精神的負担と時間的な拘束感を軽減することが可能となる。
また、定性的評価法である腹膜平衡試験(PET)と併せて、採血を検査期間中の1回、好ましくは検査終了時に実施することによって、検査のための在院時間を最短に設定することができる。
産業上の利用の可能性
本発明の腹膜機能に関する検査方法によれば、計算機シミュレーション法の解析精度に実質的な影響を及ぼすことなく、24時間内の代表時刻1点の採血の検査データを用いて簡素な検査方法を実現する。その結果、検査実施における患者に与える経済的及び精神的負担と時間的な拘束感を軽減することが可能となる。

Claims (8)

  1. 腹膜透析患者の状態を評価するための腹膜機能に関する検査方法であって、
    所定量の腹膜透析液の注液および排液を、浸透圧の相違する前記腹膜透析液について交互に繰り返す工程と、
    患者の腹腔内に貯留されている前記腹膜透析液の量および着目溶質の濃度を把握するために前記排液の検査を行う工程と、
    腹膜平衡試験を行う工程と、
    前記注排液を行うことに起因する血液の状態変化を把握するための血液検査を行う工程とを含み、
    前記血液検査を行う工程を1回のみ実施することを特徴とする腹膜機能に関する検査方法。
  2. 前記腹膜平衡試験を行う工程を全行程の最後に実施し、前記血液検査を行う工程を前記腹膜平衡試験を行う工程の直前又は直後、あるいは前記腹膜平衡試験中において実施する請求項1に記載の腹膜機能に関する検査方法。
  3. 前記腹膜機能を把握するための着目溶質を、総タンパク質、アルブミン、グルコース、クレアチニン、尿素、ナトリウム、およびクロールとする請求項1又は2に記載の腹膜機能に関する検査方法。
  4. 排液中のアルブミン濃度を排液中の総タンパク質濃度に基づいて推定する請求項3に記載の腹膜機能に関する検査方法。
  5. 前記注液と排液を繰り返す工程を、各浸透圧を有する透析液について少なくとも3回行う請求項1に記載の腹膜機能に関する検査方法。
  6. 前記注液と排液を繰り返す工程を、同じ浸透圧を有する前記透析液を用いて複数回行う際に、前記透析液を注入してから排液するまでの貯留時間を、各回毎に互いに異ならせる請求項5に記載の腹膜機能に関する検査方法。
  7. 前記所定量の腹膜透析液の注液および排液を、浸透圧の相違する前記腹膜透析液について交互に繰り返す工程において、当該工程の最後には、浸透圧が相対的に高い方の前記腹膜透析液を注液する請求項1に記載の腹膜機能に関する検査方法。
  8. 前記所定量の腹膜透析液の注液および排液を、浸透圧の相違する前記腹膜透析液について交互に繰り返す工程において、当該工程の最初には、浸透圧が相対的に高い方の前記腹膜透析液を注液する請求項1に記載の腹膜機能に関する検査方法。
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