JPWO2004004881A1 - 液体混合装置および液体混合方法 - Google Patents
液体混合装置および液体混合方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2004004881A1 JPWO2004004881A1 JP2004519286A JP2004519286A JPWO2004004881A1 JP WO2004004881 A1 JPWO2004004881 A1 JP WO2004004881A1 JP 2004519286 A JP2004519286 A JP 2004519286A JP 2004519286 A JP2004519286 A JP 2004519286A JP WO2004004881 A1 JPWO2004004881 A1 JP WO2004004881A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- mixed material
- reflector
- fuel
- vibrating body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02M—SUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
- F02M25/00—Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
- F02M25/022—Adding fuel and water emulsion, water or steam
- F02M25/0228—Adding fuel and water emulsion
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01F—MIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
- B01F23/00—Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
- B01F23/40—Mixing liquids with liquids; Emulsifying
- B01F23/41—Emulsifying
- B01F23/411—Emulsifying using electrical or magnetic fields, heat or vibrations
- B01F23/4111—Emulsifying using electrical or magnetic fields, heat or vibrations using vibrations
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01F—MIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
- B01F31/00—Mixers with shaking, oscillating, or vibrating mechanisms
- B01F31/80—Mixing by means of high-frequency vibrations above one kHz, e.g. ultrasonic vibrations
- B01F31/85—Mixing by means of high-frequency vibrations above one kHz, e.g. ultrasonic vibrations with a vibrating element inside the receptacle
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02M—SUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
- F02M25/00—Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
- F02M25/022—Adding fuel and water emulsion, water or steam
- F02M25/0221—Details of the water supply system, e.g. pumps or arrangement of valves
- F02M25/0225—Water atomisers or mixers, e.g. using ultrasonic waves
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02M—SUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
- F02M27/00—Apparatus for treating combustion-air, fuel, or fuel-air mixture, by catalysts, electric means, magnetism, rays, sound waves, or the like
- F02M27/08—Apparatus for treating combustion-air, fuel, or fuel-air mixture, by catalysts, electric means, magnetism, rays, sound waves, or the like by sonic or ultrasonic waves
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Abstract
液体燃料2と水等の不溶性液体4との混合液11を収容または流通させる容器等10と、この容器等の混合液に少なくとも一部が接する配置で設けられた振動体13と、この振動体13を高周波振動させる振動発生装置20と、振動体13に狭隘な空間をあけて対向する反射体14とを備える。振動体13の高周波振動により燃料2に不溶性液体4を拡散・混合させて超微粒化・高混合密度のエマルジョン燃料12を生成する。上記構成によれば、キャビテーション効果を極めて効果的に発生させ、これをより有効に利用できる各種液体混合物の超微粒化技術を提案するものであり、特にエマルジョン燃料、工業用液体材料、食品、化粧品もしくは薬品等の液体混合物を、短時間で能率よく超微粒化することができ、超高混合密度化、高品質化を図ることができるとともに、長期間保存しても液体材料の分離が殆ど生じることがない液体混合物を得ることができる。
Description
本発明は、例えば燃料、工業用材料、食品、化粧品もしくは薬品等に適用される各種液体混合物を生成するための液体混合技術に係り、特にキャビテーション効果をより有効に利用することによって、液体混合物の超微粒化・高混合密度化を達成することができる液体混合装置および液体混合方法に関するものである。
一般にディーゼルエンジン車などは、軽油を燃料として走行しているが、近年、排気ガスに含まれるNoxや未燃焼生成物、煤塵などの排出が大気を汚染し、人間に健康被害をもたらしていることが社会問題として取り上げられている。
このため、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化を目的として種々の技術開発がなされ、例えばエンジンの排気管先端部にセラミックスフィルタや特殊な触媒装置を取付け、Noxや煤塵の排出量を低減させることが行なわれている。
ところで、ディーゼルエンジン車、とりわけ大型トラック等では、排気量が大きいためにエンジンから排出される排気ガスも多量になり、これらの排気ガス浄化装置は、大型の装置となってくる。また、排気ガスに含まれる種々の化学物質を目の細かいフィルタや触媒表面によって捕集するため、走行距離が長くなるに従って目詰まりが生ずることになり、装置内部を定期的に洗浄し、目詰まりした物質を除去する作業が必要となってくる。
そこで最近では、このような装置の大型化や作業手間に対処するため、ディーゼルエンジンの燃料そのものを改良して、排気ガス中の煤塵等を低減させようとする技術開発がなされている。
この技術の一つとして、軽油等のディーゼルエンジン用燃料に水を混合し、スクリュー式のプロペラにて混合液を攪拌してエマルジョン化する装置が提案されている。すなわち、このようなエマルジョン化された燃料は、燃焼の際に水分が蒸発して小爆発を起こすことにより完全燃焼を促進され、NOxや煤塵の発生が抑制されるというものである。
しかし、このようなスクリュー式の攪拌手段の場合には、燃料をエマルジョン化する設備が大掛かりになるとともに処理に長時間が必要であり、しかも生成されたエマルジョン燃料についても、その中に含まれている水の塊が大きいために、しばらく放置しておくと短時間のうちに元の燃料と水とに分離してしまう現象が発生していた。
一方、燃料以外の分野、例えばセラミックス等の工業用材料、クリーム等の練り食品、化粧品もしくは薬品等の分野においても、各種液体混合物が用いられている。そして、これらの分野における液体混合物についても、工業製品としての中間製品や最終製品の形状・寸法等の高精度化・品質向上等が望まれ、また食品の食感、化粧品や薬品の特性等の向上が求められている。しかしながら、このような各種分野における液体混合物についても、必ずしも求められる超微粒化・高混合密度化が達成されていない。
なお、従来の公知技術としては、例えば特開平10−277375号公報において、燃料を断熱膨張と超音波を用いて超微粒化し、エマルジョン化することが開示されている。この技術においては、キャビテーションを発生させないことにより、均一に分散したエマルジョンを製造することができると紹介されている。
また、他の公知技術としては、特開平8−310971号公報において、超音波診断用造影剤について、超音波処理のキャビテーション効果により分散相の気化を促進し、少ない投与量で十分な造影効果を得ることができることが開示されている。
さらに、別の公知技術として、特開平10−298051号公報において、油相とポリマー粒子を一緒に攪拌して水相と混合し、次にキャビテーション原理に基づくホモナイズ化をさせることにより、良好かつ安定な水中油滴型エマルジョンを得ることが開示されている。
上述したように、軽油等の燃料に水等の不溶性液体を混合してエマルジョン燃料とする従来の技術では、スクリュー式攪拌手段を採用しているため大掛かりな設備構成が必要となるとともに、エマルジョン化に長時間を要し、さらにエマルジョン化した後の燃料が短時間のうちに分離するなど、実際にディーゼルエンジンやその他の燃焼装置、例えばボイラ等に利用するに際して種々の問題がある。
なお、上述した特開平10−277375号公報の記載によれば、燃料を断熱膨張と超音波を用いて超微粒化する場合、均一に分散したエマルジョンを製造するにはキャビテーションを発生させないことが望ましいとされているが、これは微粒化処理の際における燃料の流動性に着目した見解である。液体の微粒化自体については、上述した他の公知文献(特開平8−310971号公報、特開平10−298051号公報)に記載されているように、キャビテーション効果による高エネルギを利用することが望ましいと考えられる。
しかしながら、キャビテーション効果の利用に関する上記2つの公知文献においては、高エネルギをより効果的に取出すための明確な装置構成および方法等についての具体的な開示がされていない。一般的なキャビテーション効果を得る技術としては、上述したスクリュー式攪拌手段のように、液体中で攪拌手段を高速回転させるか、1枚の振動板を液体中で高速振動させる程度のものであり、必ずしも十分なキャビテーション効果を得ることができず、液体混合物を能率よく超微粒化することは困難である。このような従来技術で得られる液体混合物は、上述したように、比較的短時間のうちに各液体材料毎に分離し易く、長時間の品質保存ができない等の問題がある。
また、セラミックス等の工業用材料、クリーム等の練り食品、化粧品もしくは薬品等に適用される各種液体混合物についても、上述した従来の技術のもとでは、必ずしも超微粒化・高混合密度化が図れず、高品質化等の要望に十分に対応することができない。
さらに、液体混合物としては、液体同士を混合材料とするもののほか、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、またはこれらの各液体混合物を組合せたものが存在する。このような液体混合物全般についても、従来技術のもとでは、望まれる超微粒化が必ずしも十分に達成できていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、キャビテーション効果を極めて効果的に発生させ、これをより有効に利用できる各種液体混合物の超微粒化技術を提案するものであり、特にエマルジョン燃料、工業用液体材料、食品、化粧品もしくは薬品等の液体混合物を、短時間で能率よく超微粒化することができ、超高混合密度化、高品質化を図ることができるとともに、長期間保存しても液体材料の分離が殆ど生じることがない液体混合物を得ることができる液体混合装置および液体混合方法を提供することを目的とする。
このため、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化を目的として種々の技術開発がなされ、例えばエンジンの排気管先端部にセラミックスフィルタや特殊な触媒装置を取付け、Noxや煤塵の排出量を低減させることが行なわれている。
ところで、ディーゼルエンジン車、とりわけ大型トラック等では、排気量が大きいためにエンジンから排出される排気ガスも多量になり、これらの排気ガス浄化装置は、大型の装置となってくる。また、排気ガスに含まれる種々の化学物質を目の細かいフィルタや触媒表面によって捕集するため、走行距離が長くなるに従って目詰まりが生ずることになり、装置内部を定期的に洗浄し、目詰まりした物質を除去する作業が必要となってくる。
そこで最近では、このような装置の大型化や作業手間に対処するため、ディーゼルエンジンの燃料そのものを改良して、排気ガス中の煤塵等を低減させようとする技術開発がなされている。
この技術の一つとして、軽油等のディーゼルエンジン用燃料に水を混合し、スクリュー式のプロペラにて混合液を攪拌してエマルジョン化する装置が提案されている。すなわち、このようなエマルジョン化された燃料は、燃焼の際に水分が蒸発して小爆発を起こすことにより完全燃焼を促進され、NOxや煤塵の発生が抑制されるというものである。
しかし、このようなスクリュー式の攪拌手段の場合には、燃料をエマルジョン化する設備が大掛かりになるとともに処理に長時間が必要であり、しかも生成されたエマルジョン燃料についても、その中に含まれている水の塊が大きいために、しばらく放置しておくと短時間のうちに元の燃料と水とに分離してしまう現象が発生していた。
一方、燃料以外の分野、例えばセラミックス等の工業用材料、クリーム等の練り食品、化粧品もしくは薬品等の分野においても、各種液体混合物が用いられている。そして、これらの分野における液体混合物についても、工業製品としての中間製品や最終製品の形状・寸法等の高精度化・品質向上等が望まれ、また食品の食感、化粧品や薬品の特性等の向上が求められている。しかしながら、このような各種分野における液体混合物についても、必ずしも求められる超微粒化・高混合密度化が達成されていない。
なお、従来の公知技術としては、例えば特開平10−277375号公報において、燃料を断熱膨張と超音波を用いて超微粒化し、エマルジョン化することが開示されている。この技術においては、キャビテーションを発生させないことにより、均一に分散したエマルジョンを製造することができると紹介されている。
また、他の公知技術としては、特開平8−310971号公報において、超音波診断用造影剤について、超音波処理のキャビテーション効果により分散相の気化を促進し、少ない投与量で十分な造影効果を得ることができることが開示されている。
さらに、別の公知技術として、特開平10−298051号公報において、油相とポリマー粒子を一緒に攪拌して水相と混合し、次にキャビテーション原理に基づくホモナイズ化をさせることにより、良好かつ安定な水中油滴型エマルジョンを得ることが開示されている。
上述したように、軽油等の燃料に水等の不溶性液体を混合してエマルジョン燃料とする従来の技術では、スクリュー式攪拌手段を採用しているため大掛かりな設備構成が必要となるとともに、エマルジョン化に長時間を要し、さらにエマルジョン化した後の燃料が短時間のうちに分離するなど、実際にディーゼルエンジンやその他の燃焼装置、例えばボイラ等に利用するに際して種々の問題がある。
なお、上述した特開平10−277375号公報の記載によれば、燃料を断熱膨張と超音波を用いて超微粒化する場合、均一に分散したエマルジョンを製造するにはキャビテーションを発生させないことが望ましいとされているが、これは微粒化処理の際における燃料の流動性に着目した見解である。液体の微粒化自体については、上述した他の公知文献(特開平8−310971号公報、特開平10−298051号公報)に記載されているように、キャビテーション効果による高エネルギを利用することが望ましいと考えられる。
しかしながら、キャビテーション効果の利用に関する上記2つの公知文献においては、高エネルギをより効果的に取出すための明確な装置構成および方法等についての具体的な開示がされていない。一般的なキャビテーション効果を得る技術としては、上述したスクリュー式攪拌手段のように、液体中で攪拌手段を高速回転させるか、1枚の振動板を液体中で高速振動させる程度のものであり、必ずしも十分なキャビテーション効果を得ることができず、液体混合物を能率よく超微粒化することは困難である。このような従来技術で得られる液体混合物は、上述したように、比較的短時間のうちに各液体材料毎に分離し易く、長時間の品質保存ができない等の問題がある。
また、セラミックス等の工業用材料、クリーム等の練り食品、化粧品もしくは薬品等に適用される各種液体混合物についても、上述した従来の技術のもとでは、必ずしも超微粒化・高混合密度化が図れず、高品質化等の要望に十分に対応することができない。
さらに、液体混合物としては、液体同士を混合材料とするもののほか、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、またはこれらの各液体混合物を組合せたものが存在する。このような液体混合物全般についても、従来技術のもとでは、望まれる超微粒化が必ずしも十分に達成できていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、キャビテーション効果を極めて効果的に発生させ、これをより有効に利用できる各種液体混合物の超微粒化技術を提案するものであり、特にエマルジョン燃料、工業用液体材料、食品、化粧品もしくは薬品等の液体混合物を、短時間で能率よく超微粒化することができ、超高混合密度化、高品質化を図ることができるとともに、長期間保存しても液体材料の分離が殆ど生じることがない液体混合物を得ることができる液体混合装置および液体混合方法を提供することを目的とする。
発明者においては、2種以上の液体同士を混合材料とする液体混合物、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、または前記各液体混合物を組合せたもの等、各種の液体混合物について、キャビテーション効果による超微粒化のメカニズムについて研究した結果、混合材料が収容される容器内で、高周波振動する振動体と、この振動体による混合材料の振動を反射させる反射体とを、互いの間に狭隘な空間をあけて対向させることにより、極めて高いキャビテーション効果を得ることができ、液体混合物を超微粒化し、超高混合密度化、高品質化を図ることができることを見出した。
例えば2種の液体同士からなる液体混合物であるエマルジョンにおいては、一方の液体中に他方の液体が細かい塊状の水滴として混合した状態で存在している。このエマルジョンを振動体と反射体との狭隘な空間に導入した状態で、振動体を反射体から離間する方向に動作させると、振動体と反射体との狭隘な空間に瞬間的に負圧になる場が形成され、その負圧により液体混合物中に気泡、すなわちキャビテーション泡が発生する。
次に、振動体を高周波振動により反射体に接近する方向に動作させると、瞬間的に高圧の圧力場が形成され、キャビテーション泡は高圧によって崩壊される。このキャビテーション泡の崩壊時には、高圧の衝撃波(泡崩壊時発生衝撃波)が発生する。この衝撃波は、塊状となっている他方の液体に破壊エネルギとして作用し、キャビテーション泡の崩壊時には、その液体を破裂させる外向きの破壊エネルギが発生する。これにより、その液体は、より小さい塊状へと分割される。
このように、キャビテーション泡の崩壊時に大きな衝撃圧力が生じ、条件によっては、発生する衝撃圧力が数百MPaに達する。そして、衝撃波は振動体と反射体との間で反射し、衝撃波反射波となって、再び一方の液体と他方の液体とに衝撃波として繰り返し作用する。
また、振動体を20KHz以上の超音波領域で振動させると、例えば液体燃料の場合、分子のクラスターが振動によって小さくなる。したがって、振動体を超音波振動させることにより、キャビテーションによる衝撃圧力と、超音波振動によるクラスター分解作用との相乗効果により、燃料等の高分子鎖は物理的に切断され、低分子化による改質作用も行われる。このことにより、高分子の液体自体についてもキャビテーションの衝撃波および反射波によって低分子化が促進され、燃料の場合には、より燃焼し易い成分に変化する。
また、キャビテーション処理においては、さらに混合および撹絆作用が加えられ、拡散・混合が推進される。これにより、超微粒化・高混合密度の液体混合物が生成される。なお、各液体の供給量を一定に制御することにより、各液体が一定の割合で、均質かつ微細に混合した質の高い液体混合物が生成される。
このように、狭隘な空間をあけて振動体と反射体とを対向させてキャビテーションを有効に発生させることにより、キャビテーション泡の崩壊により発生した衝撃波が周囲に拡散されずに閉じこめられた状態で保持され、高密度な衝撃波場が形成・保持され、液体混合物が衝撃波により、微細な分子の状態に分断されて細分化されると同時に、混合・撹絆を繰り返すことにより、均一な拡散・混合が行われる。
そして、上述のようにして生成された液体混合物は、一定以上の高エネルギを加えない限り、容易に元の状態に戻ることはない。したがって、微細化された液体材料の状態は、長期間に亘って維持され続けるので、長期間保存しても各液体材料に分離することが殆どなく、品質低下等の問題が生じることもなく常時、良好な品質の液体混合物として各種分野において利用することができる。
本発明に係る液体混合装置は、以上の知見に基づいてなされたものであり、2種以上の液体同士を混合材料とする液体混合物、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、または前記各液体混合物を組合せたものを生成する液体混合装置であって、前記混合材料が収容される容器と、この容器内に設けられ、少なくとも一面が前記混合材料と一定範囲に亘って接する配置とされる振動体と、この振動体に連結され、この振動体を前記一面と直交する方向に高周波振動させる高周波振動発生装置と、前記容器内に設けられ、前記振動体の前記混合材料に接する面との間に狭隘な空間をあけて対向配置されて当該対向面間に存在する前記混合材料に前記振動体による高周波振動の反射波を生じさせる反射体とを備え、前記振動体と前記反射体とは、前記高周波振動発生装置から付与される前記振動体の高周波振動により、前記振動体が前記反射体から離間する方向に移動する際における減圧作用で前記混合材料にキャビテーション泡を発生させる一方、前記振動体が前記反射体側に向かう方向に移動する際の加圧作用で前記キャビテーション泡を崩壊させ、この崩壊作用に基づく衝撃波エネルギをもって前記キャビテーション泡を微粒化させるとともに、前記混合材料間の拡散を推進させることにより、前記液体混合物を超微粒化および高密度化させる機能を有する構成としている。
この液体混合装置の望ましい態様は、以下のとおりである。
前記高周波振動発生装置による前記振動体の高周波振動領域を、超音波領域に設定する。
前記振動体は、前記混合材料にキャビテーション泡の生成と崩壊とを連続して繰り返させるものとする。
前記振動発生装置は、圧電型セラミックス振動子または超磁歪材料もしくは磁歪材料により構成された振動子を備え、前記振動体は、前記振動子と一体構造とされ、または前記振動子とは別部材として前記振動子に連結した構造とする。
前記振動体および反射体の少なくとも互いに対向する表面部分が、キャビテーション泡に壊触されにくい高硬度の材料によって構成されているものとする。
前記反射体は、前記容器に交換可能に設けられている構成とする。
前記振動体と前記反射体との間隔は、10mm以下とされている構成とする。
前記容器は、前記振動体と反射体との間に混合材料を導入する混合材料入口と、前記振動体と反射体との間で衝撃波を受けて微粒化した液体混合物を外部に排出する液体混合物排出口とを有する構成とする。
前記容器は、前記振動体と反射体との間に混合材料を導入する混合材料入口として、前記反射体の中央位置を貫通する1または複数の孔を有する構成とする。
前記振動体および反射体の少なくともいずれか一方の対向面に、円錐状の多数のピットを設け、この各ピットから発生する前記衝撃波を、前記振動体と前記反射体との間の空間の一点にそれぞれ焦点部として収束させ、前記焦点部の集合により前記振動体と前記反射体との間に超高衝撃波発生領域を生成させる構成とする。
前記振動体は、振動方向に沿って対向する配置で複数段設けられ、各段の対向する前記振動体同士は相互に反射体として機能する構成とする。
前記振動体に前記混合材料を蛇行して流通させる流路孔が穿設されている構成とする。
また、本発明に係る液体混合方法では、液体同士を混合材料とする液体混合物、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、または前記各液体混合物を組合せたものを生成する液体混合方法であって、前記混合材料を、高周波振動する振動体とこの振動体に狭隘な空間をあけて対向する反射体とを有する容器内に収容し、前記振動体と前記反射体との間に存在する前記混合材料を、前記高周波振動発生装置から付与される前記振動体の高周波振動により、前記振動体が前記反射体から離間する方向に移動する際における減圧作用で前記混合材料にキャビテーション泡を発生させる一方、前記振動体が前記反射体側に向かう方向に移動する際の加圧作用で前記キャビテーション泡を崩壊させ、この崩壊作用に基づく衝撃波エネルギをもって前記キャビテーション泡を微粒化させるとともに、前記混合材料間の拡散を推進させることにより、前記液体混合物を超微粒化および高密度化する。
この液体混合方法の望ましい態様は、以下のとおりである。
2種以上の液体同士を混合材料として適用する場合、一の液体を重油、軽油、廃油または廃食油とし、他の液体を前記油以外の油、アルコール、前記アルコール以外の溶剤および水から選ばれる一種以上の液体とし、これらの混合により液体燃料を生成する。
液体と気体とを混合材料として適用する場合、前記液体を食用油もしくは油脂、またはこれらに液状添加剤および香料から選ばれる一種以上の液体を加えたものとする一方、前記気体を空気とし、これらの混合によりクリーム状の食品、化粧品もしくは薬品を生成する。
液体と粉体とを混合材料として適用する場合、前記液体を工業用、食用、化粧用もしくは薬用の液体原料とし、前記粉体をセラミックス微粉末、食用微粉末、化粧用微粉末もしくは薬用微粉末またはこれらに添加剤を加えたものとし、これらの混合により液体工業用材料、食品、化粧品、または薬品を生成する。
例えば2種の液体同士からなる液体混合物であるエマルジョンにおいては、一方の液体中に他方の液体が細かい塊状の水滴として混合した状態で存在している。このエマルジョンを振動体と反射体との狭隘な空間に導入した状態で、振動体を反射体から離間する方向に動作させると、振動体と反射体との狭隘な空間に瞬間的に負圧になる場が形成され、その負圧により液体混合物中に気泡、すなわちキャビテーション泡が発生する。
次に、振動体を高周波振動により反射体に接近する方向に動作させると、瞬間的に高圧の圧力場が形成され、キャビテーション泡は高圧によって崩壊される。このキャビテーション泡の崩壊時には、高圧の衝撃波(泡崩壊時発生衝撃波)が発生する。この衝撃波は、塊状となっている他方の液体に破壊エネルギとして作用し、キャビテーション泡の崩壊時には、その液体を破裂させる外向きの破壊エネルギが発生する。これにより、その液体は、より小さい塊状へと分割される。
このように、キャビテーション泡の崩壊時に大きな衝撃圧力が生じ、条件によっては、発生する衝撃圧力が数百MPaに達する。そして、衝撃波は振動体と反射体との間で反射し、衝撃波反射波となって、再び一方の液体と他方の液体とに衝撃波として繰り返し作用する。
また、振動体を20KHz以上の超音波領域で振動させると、例えば液体燃料の場合、分子のクラスターが振動によって小さくなる。したがって、振動体を超音波振動させることにより、キャビテーションによる衝撃圧力と、超音波振動によるクラスター分解作用との相乗効果により、燃料等の高分子鎖は物理的に切断され、低分子化による改質作用も行われる。このことにより、高分子の液体自体についてもキャビテーションの衝撃波および反射波によって低分子化が促進され、燃料の場合には、より燃焼し易い成分に変化する。
また、キャビテーション処理においては、さらに混合および撹絆作用が加えられ、拡散・混合が推進される。これにより、超微粒化・高混合密度の液体混合物が生成される。なお、各液体の供給量を一定に制御することにより、各液体が一定の割合で、均質かつ微細に混合した質の高い液体混合物が生成される。
このように、狭隘な空間をあけて振動体と反射体とを対向させてキャビテーションを有効に発生させることにより、キャビテーション泡の崩壊により発生した衝撃波が周囲に拡散されずに閉じこめられた状態で保持され、高密度な衝撃波場が形成・保持され、液体混合物が衝撃波により、微細な分子の状態に分断されて細分化されると同時に、混合・撹絆を繰り返すことにより、均一な拡散・混合が行われる。
そして、上述のようにして生成された液体混合物は、一定以上の高エネルギを加えない限り、容易に元の状態に戻ることはない。したがって、微細化された液体材料の状態は、長期間に亘って維持され続けるので、長期間保存しても各液体材料に分離することが殆どなく、品質低下等の問題が生じることもなく常時、良好な品質の液体混合物として各種分野において利用することができる。
本発明に係る液体混合装置は、以上の知見に基づいてなされたものであり、2種以上の液体同士を混合材料とする液体混合物、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、または前記各液体混合物を組合せたものを生成する液体混合装置であって、前記混合材料が収容される容器と、この容器内に設けられ、少なくとも一面が前記混合材料と一定範囲に亘って接する配置とされる振動体と、この振動体に連結され、この振動体を前記一面と直交する方向に高周波振動させる高周波振動発生装置と、前記容器内に設けられ、前記振動体の前記混合材料に接する面との間に狭隘な空間をあけて対向配置されて当該対向面間に存在する前記混合材料に前記振動体による高周波振動の反射波を生じさせる反射体とを備え、前記振動体と前記反射体とは、前記高周波振動発生装置から付与される前記振動体の高周波振動により、前記振動体が前記反射体から離間する方向に移動する際における減圧作用で前記混合材料にキャビテーション泡を発生させる一方、前記振動体が前記反射体側に向かう方向に移動する際の加圧作用で前記キャビテーション泡を崩壊させ、この崩壊作用に基づく衝撃波エネルギをもって前記キャビテーション泡を微粒化させるとともに、前記混合材料間の拡散を推進させることにより、前記液体混合物を超微粒化および高密度化させる機能を有する構成としている。
この液体混合装置の望ましい態様は、以下のとおりである。
前記高周波振動発生装置による前記振動体の高周波振動領域を、超音波領域に設定する。
前記振動体は、前記混合材料にキャビテーション泡の生成と崩壊とを連続して繰り返させるものとする。
前記振動発生装置は、圧電型セラミックス振動子または超磁歪材料もしくは磁歪材料により構成された振動子を備え、前記振動体は、前記振動子と一体構造とされ、または前記振動子とは別部材として前記振動子に連結した構造とする。
前記振動体および反射体の少なくとも互いに対向する表面部分が、キャビテーション泡に壊触されにくい高硬度の材料によって構成されているものとする。
前記反射体は、前記容器に交換可能に設けられている構成とする。
前記振動体と前記反射体との間隔は、10mm以下とされている構成とする。
前記容器は、前記振動体と反射体との間に混合材料を導入する混合材料入口と、前記振動体と反射体との間で衝撃波を受けて微粒化した液体混合物を外部に排出する液体混合物排出口とを有する構成とする。
前記容器は、前記振動体と反射体との間に混合材料を導入する混合材料入口として、前記反射体の中央位置を貫通する1または複数の孔を有する構成とする。
前記振動体および反射体の少なくともいずれか一方の対向面に、円錐状の多数のピットを設け、この各ピットから発生する前記衝撃波を、前記振動体と前記反射体との間の空間の一点にそれぞれ焦点部として収束させ、前記焦点部の集合により前記振動体と前記反射体との間に超高衝撃波発生領域を生成させる構成とする。
前記振動体は、振動方向に沿って対向する配置で複数段設けられ、各段の対向する前記振動体同士は相互に反射体として機能する構成とする。
前記振動体に前記混合材料を蛇行して流通させる流路孔が穿設されている構成とする。
また、本発明に係る液体混合方法では、液体同士を混合材料とする液体混合物、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、または前記各液体混合物を組合せたものを生成する液体混合方法であって、前記混合材料を、高周波振動する振動体とこの振動体に狭隘な空間をあけて対向する反射体とを有する容器内に収容し、前記振動体と前記反射体との間に存在する前記混合材料を、前記高周波振動発生装置から付与される前記振動体の高周波振動により、前記振動体が前記反射体から離間する方向に移動する際における減圧作用で前記混合材料にキャビテーション泡を発生させる一方、前記振動体が前記反射体側に向かう方向に移動する際の加圧作用で前記キャビテーション泡を崩壊させ、この崩壊作用に基づく衝撃波エネルギをもって前記キャビテーション泡を微粒化させるとともに、前記混合材料間の拡散を推進させることにより、前記液体混合物を超微粒化および高密度化する。
この液体混合方法の望ましい態様は、以下のとおりである。
2種以上の液体同士を混合材料として適用する場合、一の液体を重油、軽油、廃油または廃食油とし、他の液体を前記油以外の油、アルコール、前記アルコール以外の溶剤および水から選ばれる一種以上の液体とし、これらの混合により液体燃料を生成する。
液体と気体とを混合材料として適用する場合、前記液体を食用油もしくは油脂、またはこれらに液状添加剤および香料から選ばれる一種以上の液体を加えたものとする一方、前記気体を空気とし、これらの混合によりクリーム状の食品、化粧品もしくは薬品を生成する。
液体と粉体とを混合材料として適用する場合、前記液体を工業用、食用、化粧用もしくは薬用の液体原料とし、前記粉体をセラミックス微粉末、食用微粉末、化粧用微粉末もしくは薬用微粉末またはこれらに添加剤を加えたものとし、これらの混合により液体工業用材料、食品、化粧品、または薬品を生成する。
第1図は、本発明の第1実施形態として、燃料装置を示す構成図である。
第2図は、第1実施形態における燃料エマルジョン化の作用説明図である。
第3図は、第1実施形態における燃料エマルジョン化の作用説明図である。
第4図は、第1実施形態における燃料エマルジョン化の作用説明図である。
第5図は、第1実施形態における燃料改質効果を示す測定グラフである。
第6図は、本発明の第2実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第7図は、本発明の第2実施形態における断面図である。
第8図は、本発明の第2実施形態の変形例を示す断面図である。
第9図は、本発明の第3実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第10図は、本発明の第4実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第11図は、本発明の第5実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第12図は、本発明の第6実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第13図は、本発明の第7実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第14図は、第13図の拡大断面図である。
第15図は、本発明の振動体の拡大断面図である。
第16図は、本発明の第7実施形態における変形例を示す断面図である。
第17図は、本発明の第8実施形態として、ディーゼルエンジンを示す構成図である。
第18図は、本発明の第9実施形態として、ディーゼルエンジンを示す構成図である。
第19図は、本発明の第10実施形態として、燃料装置を示す構成図である。
第20図は、本発明の第11実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第2図は、第1実施形態における燃料エマルジョン化の作用説明図である。
第3図は、第1実施形態における燃料エマルジョン化の作用説明図である。
第4図は、第1実施形態における燃料エマルジョン化の作用説明図である。
第5図は、第1実施形態における燃料改質効果を示す測定グラフである。
第6図は、本発明の第2実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第7図は、本発明の第2実施形態における断面図である。
第8図は、本発明の第2実施形態の変形例を示す断面図である。
第9図は、本発明の第3実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第10図は、本発明の第4実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第11図は、本発明の第5実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第12図は、本発明の第6実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第13図は、本発明の第7実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
第14図は、第13図の拡大断面図である。
第15図は、本発明の振動体の拡大断面図である。
第16図は、本発明の第7実施形態における変形例を示す断面図である。
第17図は、本発明の第8実施形態として、ディーゼルエンジンを示す構成図である。
第18図は、本発明の第9実施形態として、ディーゼルエンジンを示す構成図である。
第19図は、本発明の第10実施形態として、燃料装置を示す構成図である。
第20図は、本発明の第11実施形態の液体混合装置を示す構成図である。
1…燃料装置、2…燃料、3…燃料供給管、4…清水、4a…水滴、5…水供給管、6…燃料供給ポンプ、7…燃料流量調整弁、8…水供給ポンプ、9…水流量調整弁、10…エマルジョン燃料生成タンク、11…混合液、12…エマルジョン燃料、13…振動板、14…反射板、15…キャビテーション発生部、15a…開口部、15b…他方の開口部、16…吸液部材、17…排液管、18…吸込みポンプ、19…連結棒、20…高周波振動発生装置、22…振動子、23…高周波用コイル、24…高周波電源装置、25…電源ケーブル、26…支持アーム、27…取付ボルト、28…静止部、29…キャビテーション泡、30…ディーゼルエンジン、31…燃料タンク、32…水タンク、33…エマルジョン燃料供給配管、34…吸込みポンプ、35…流量調整弁、36…エマルジョン燃料噴射ポンプ、37a,37b…燃料噴射用配管、38…ディーゼルエンジン本体、39a,39b…シリンダ、40…エンジン回転軸、41…フランジ、42…発電機、43…回転軸、44…送電用ケーブル、45…電力変換器、46…出力端子、47…電源ケーブル、48…コントローラ、49a,49b,49c…信号線、50,51…電源ケーブル、57…流路、58a…燃料入口、58b…水入口、59…エマルジョン燃料出口、60…流量調整弁、61…ガイドロッド、62…フランジ、63…ボルト、64…弾性支持体、65…振動子、66…小径孔、67…コイル、70…容器、71…底壁、72…凹部、73…締結具、74…小孔、75…排出管、76…バルブ、81…第1のタンク、82…第2のタンク、83,84…混合材供給配管、85,85…ポンプ、91…第3のタンク、92…ポンプ、101…一次予混合槽、102…スラリーポンプ、103…液体供給配管、104…フィルタ、105…ポンプ、110…ピット、111…焦点部、112…超高衝撃波発生領域、b…反射波、c…衝撃波。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態(第1図〜第5図)]
本実施形態では2種の液体同士を混合材料として適用する液体混合装置および液体混合方法について説明する。特に、一の液体を重油または軽油等の液体燃料とし、他の液体を水とし、これらの混合によりエマルジョン燃料を生成する燃料装置および燃料生成方法について説明する。
第1図は、本実施形態による燃料装置の構成を示す概略図であり、第2図〜第5図は作用説明図である。
第1図に示すように、本実施形態の液体混合装置(燃料装置)1は、例えば軽油等の液体燃料(以下、単に「燃料」という)2を供給する燃料供給管3と、燃料に対する不溶性液体、例えば水(本実施形態では「清水」を適用する)4を供給する水供給管5とを備えている。
燃料供給管3の基端側は図示しない燃料タンクに接続されており、この燃料管3には燃料供給ポンプ6および燃料流量調整弁7が設けられている。燃料供給ポンプ6および燃料流量調整弁7は、図示しない制御手段に接続され、後述するエマルジョン燃料生成処理に必要な所定の燃料の供給量が確保されるようになっている。
同様に、水供給管5の基端側も図示しない水タンクに接続されており、この水供給管5にも水供給ポンプ8および水流量調整弁9が設けられている。水供給ポンプ8および水流量調整弁9も、図示しない制御手段に接続され、エマルジョン燃料生成処理に必要な所定の清水の供給量が確保されるようになっている。
これら燃料供給管3および水供給管5の各先端側は互いに接近して、エマルジョン燃料生成タンク10内に配置され、これにより混合材料入口が形成されている。なお、燃料供給管3および水供給管5の各先端部は、第1図の例では垂直配置とされた後、先端部分が傾斜状態となって斜め下方に開口している。
エマルジョン燃料生成タンク10は、燃料供給管3から供給される燃料2と、水供給管5から供給される清水4との混合液11を、一時的に収容できる容器であり、その内部において燃料2中に清水4を拡散・混合させ、混合液11から超微粒化・高混合密度のエマルジョン燃料12を生成するものである。
すなわち、エマルジョン燃料生成タンク10は、略水平に配置された平坦な直方体状の密閉タンク構造とされており(第1図では、密閉用のタンク上壁を図示省略してある)、その内側上部に振動体としての水平板状の振動板13が配置されるとともに、この振動板13の下面に対向するタンク内下部には、振動板13と対向する配置で反射体としての水平な反射板14が配置されている。これら振動板13と反射板14との間には、キャビテーション発生部15として上下方向に狭隘な空間、例えば間隙δが10mm以下、具体的には数mmの空間が形成されている。このキャビテーション発生部15としての空間の横向きの開口部分に、前述した燃料供給管3および水供給管5の各先端開口部が臨んでおり、燃料2と清水4との混合液11がキャビテーション発生部15内に横向きの一方の開口部15aから導入されるようになっている。
なお、キャビテーション発生部15の横向きの他方の開口部15bには、漏斗状の吸液部材16がその広口部をキャビテーション発生部15に向けて横向きに配置され、この吸液部材16の狭口側には排液管17が接続され、これにより液体混合物排出口が形成されている。排液管17は、エマルジョン生成タンク10の任意の壁、例えば底壁10aを垂直に貫通して外部方向に延び、吸込みポンプ18を介してエマルジョン燃料12を、所定のエマルジョン燃料供給部に供給するようになっている。
振動板13および反射板14は、それらの全体または少なくとも相対する面を構成する部分が硬度の高い材料、例えばセラミックスまたは超硬合金などの硬質材料によって構成される。
セラミックスとしては、例えばアルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)およびジルコニア(ZyO2)等が適用される。
また、超硬合金としては、例えばタングステンカーバイド(WC)、タングステンカーバイド・コバルト合金(WC−Co,WC−TiC−Co,WC−TiC−TaC−Co等)およびステライト(Stellite)等が適用される。
このような材料の適用により、振動板13および反射板14は、後述するキャビテーション発生時における衝撃に十分耐え、壊触されない高強度をもつ構成とされている。なお、振動板13および反射板14の対向部分のみを高硬度とする場合には、各種金属等の母材の表面にセラミックスもしくは超高合金等の硬質メッキによる表面処理を施すこと等により構成することができる。
そして、振動板13は、例えば上方に向って延びる垂直な連結棒19を介して高周波振動発生装置20に連結され、この高周波振動発生装置20によって上下方向(矢印a方向)に高周波振動されるようになっている。
高周波振動発生装置20は、ケース内に振動源として例えば磁歪材料からなる振動子22を収納するとともに、その振動子22を駆動するための高周波用コイル23を配置して構成したものであり、高周波電源装置24から電源ケーブル25にて高周波電力が供給されるようにしたものである。なお、高周波電源装置24は、商用電源、車両用バッテリあるいは車両の発電機等の基本電源からの電力を周波数変換し、高周波電流を発生するものである。これにより、振動子22ひいては振動板13の高周波振動領域が、例えば超音波領域20kHz以上に設定される。
なお、振動発生装置20の振動子22は、圧電素子または超磁歪材料により構成することもでき、また、振動板13と振動子22とを同一材料により一体構造とすることもできる。高周波発生装置20は、支持アーム26に取付ボルト27を介して固接されており、支持アーム26は強固な静止部28に固定されている。
次に、エマルジョン燃料生成方法について説明する。まず、第1図に示すように、燃料2が燃料供給管3の燃料供給ポンプ6により燃料流量調整弁7を経由して、エマルジョン燃料生成タンク10内に配置された振動板13と反射板14との狭隘な空間部、すなわちキャビテーション発生部15に供給される。一方、清水4も同様に水供給管5の水供給ポンプ8により水流量調整弁9を介してエマルジョン燃料生成タンク10内のキャビテーション発生部15に供給される。これにより、燃料2と清水4との混合液はキャビテーション発生部15およびエマルジョン燃料生成タンク10内に充満する。
この場合、燃料供給ポンプ6および水供給ポンプ8から吐出される流量は、エマルジョン燃料の必要な生成量に従って制御される。そして、高周波振動発生装置20の先端部に取付けられた振動板13は、少なくとも下面、例えば全体が、エマルジョン燃料生成タンク10内に充満した燃料2および清水4の混合液11に浸漬される状態となる。
この状態で振動板13が高周波振動することにより、キャビテーション発生部15において混合液11にキャビテーションが発生し、燃料2に清水4が拡散・混合して超微粒化され、高混合密度のエマルジョン燃料12が生成される。
第2図は、このエマルジョン燃料12の生成メカニズムを示す説明図である。第2図に模式的に示すように、エマルジョン燃料生成タンク10内の混合液11は、燃料2中に清水4が細かい塊状の水滴4aとして混合した状態で存在している。振動板13と反射板14との狭隘な空間に導入された混合液11についても同様である。
この状態で振動板13が振動方向aに沿って上向きに動作すると、振動板13と反射板14との狭隘な空間に瞬間的に負圧になる場が形成され、その負圧により混合液11中に気泡、すなわちキャビテーション泡29が発生する。このキャビテーション泡29は燃料2中に多数発生するとともに、塊状となって燃料2に分散混合している水滴4a中にも発生する。
そして、振動板13が高周波振動により次の瞬間に下向きに動作すると、上記と逆に高圧の圧力場が形成され、キャビテーション泡29は高圧により崩壊される。このキャビテーション泡29の崩壊時には、高圧の衝撃波(泡崩壊時発生衝撃波:矢印c)が発生する。この衝撃波cは、塊状の水滴4aに破壊エネルギとして作用する。特に水滴4a内に発生したキャビテーション泡29の崩壊時には、その水滴4aを破裂させる外向きの破壊エネルギが発生する。これにより、水滴4aは、より小さい塊状へと分割する。また、衝撃波cは振動板13と反射板14との間で反射し、衝撃波反射波(以下、単に「反射波」という:矢印b)となって、再び燃料2と清水4(水滴4a)とに衝撃波として繰り返し作用することになる。
すなわち、振動板13が燃料2および清水4の混合液11中で高周波振動すると、振動板13の超高速往復動作によって微細なキャビテーション泡29の形成・崩壊が繰返される。
第3図は、振動板13の振動によって生じるキャビテーション泡が崩壊する時の衝撃波速度(縦軸:単位m/s)と、その往復動作によって形成・崩壊される微細なキャビテーション泡29の直径(横軸:単位mm)との関係を示す特性図である。この第3図に示すように、振動板13の速度を適当な振動速度にし、直径0.2〜0.8mmの微細なキャビテーション泡29を発生させ、崩壊させた場合には、衝撃波の速度は約100〜200m/sの高速で伝播する。
そして、このキャビテーション泡29の崩壊時に大きな衝撃圧力が生じ、条件によっては、発生する衝撃圧力が数百MPaに達する。この衝撃圧力が数百MPaに達することは、高周波振動を超音波領域に設定した本実施形態において、明確に観測することができた。
第4図は、振動板13と反射板14との間隙値(横軸:単位mm)と、この両者の間隙におけるキャビテーション発生部15での発生圧力(縦軸:単位Mpa)との関係を示す実測値に基づく特性図である。この第4図に示すように、振動板13と反射板14との間隙値10mm以下とすることにより、発生圧力を100〜300Mpaとすることができる。
また、キャビテーション発生部15においてキャビテーション泡29の崩壊時に発生する衝撃波cと、発生した衝撃波cの反射波bとは、燃料2に対しても作用する。すなわち、振動板13を20KHz以上の超音波領域で振動させると、高分子の液体である燃料2中の分子のクラスターが振動によって小さくなる。したがって、振動板13を超音波振動させることにより、キャビテーションによる衝撃圧力と、超音波振動によるクラスター分解作用との相乗効果により、燃料2を構成している高分子鎖が物理的に切断され、低分子化による改質作用も行われる。
第5図は、燃料2として軽油を適用した場合について、キャビテーション発生部15で改質作用を受けた燃料成分の分析結果を示した測定グラフである。第5図の横軸に軽油の分子数を表し、縦軸に分子量を表している。キャビテーション処理前の燃料の場合は、第5図に実線の柱状グラフによる特性線Aとして示したように、高分子側の分子量が多く、低分子側の分子量が少ない。
これに対し、キャビテーション処理後においては、第5図に仮想線の柱状グラフによる特性線Bとして示したように、高分子側の分子量が低減するとともに、低分子側の分子量が増加する傾向を示す。このことは、高分子側の分子の鎖が衝撃波にて分断され、分断された低分子が増加分として計測されたことを裏付けている。このことにより、清水4を添加して撹絆・混合するだけではなく、燃料2そのものもキャビテーションの衝撃波cおよび反射波bによって低分子化が促進され、より燃焼し易い成分に変化していることを物語っている。
また、キャビテーション処理においては、このように低分子化した燃料2と、微細化された水滴4aとに対し、さらに混合および撹絆作用が加えられ、拡散・混合が推進される。これにより、超微粒化・高混合密度のエマルジョン燃料12が生成される。なお、燃料2と清水4との供給量を一定に制御することにより、燃料2と清水4とが一定の割合で、均質かつ微細に混合した質の高いエマルジョン燃料が生成される。
以上のように、キャビテーション発生部15の上下幅を数mmとした本実施形態においては、キャビテーション泡29の崩壊により発生した衝撃波b,cが周囲に拡散されずに閉じこめられた状態で保持されるため、高密度な衝撃波場が形成・保持される。そして、清水4は衝撃波により、微細な分子の状態に分断されて細分化されると同時に、燃料2と混合・撹絆を繰り返すことにより、均一に水分が拡散・混合されたエマルジョン燃料が生成されるものである。なお、実験結果によると、キャビテーション発生部15の間隙値を10mmまで拡大しても、前記と略程度の効果が得られることが認められた。
なお、第1図に示すように、生成されたエマルジョン燃料12は、キャビテーション発生部15の右端に設けられた漏斗状の吸液部材16から排液管17を介して吸込みポンプ18によりエマルジョン燃料生成タンク10の外部に排出され、所定容器への収容または燃焼器への連続供給等、次工程への供給が行なわれる。
そして、上述のようにして生成されたエマルジョン燃料12は、一定以上の高エネルギを加えない限り、容易に元の状態に戻ることはない。したがって、微細化された水滴4aおよび低分子化された燃料2の状態は、長期間に亘って維持され続けるので、長期間保存しても燃料2と清水4とに分離することが殆どなく、燃焼器への供給等、次工程への供給時においても品質低下等の問題が生じることなく常時、良好な品質のエマルジョン燃料としてディーゼルエンジン、ボイラ、その他各種燃焼器に供給利用することができる。
そして、本実施形態により生成したエマルジョン燃料12をディーゼルエンジン、ボイラ、その他各種燃焼器に供給して燃焼した場合には、燃料が超微粒化・高混合密度であり、かつ燃料2と清水4とが一定の割合で、均質かつ微細に混合した質の高いものであるため、燃焼温度が低く抑えられとともに、燃料中の水分が水蒸気となり、水蒸気の一部が分離して小爆発の現象(マイクロエクスプロージョン現象)を起こし、爆発力で燃料をはじき散らすことにより空気との混合を助け、燃焼反応が助長されることにより、未燃焼部分が殆どなくなる。このため、従来では未燃焼によって生成されていた未燃焼生成物、いわゆる黒煙の煤塵の発生が大きく低減する。また、本実施形態によって得られたエマルジョン燃料12は、燃焼温度が低く抑えられるため、燃焼時に有害なNOx等の化学物質の生成も殆ど生じない。したがって、燃焼排気ガス中に含まれる黒煙などの煤塵や有害なNOx等の化学物質の生成を大幅に抑制することができ、大気汚染防止を効果的に推進することができる。
また、本実施形態によれば、小型かつ簡易な構成のもとで、燃料のエマルジョン化を能率よく行うことができ、しかも生成したエマルジョン燃料を長期間保存しても燃料と他の液体との分離が殆ど生じることがない超微粒化・高混合密度のエマルジョン燃料生成が可能となる。したがって、従来のスクリュー式攪拌手段を採用する場合等と比較して、構成が簡易かつ小型なもので済み、大掛かりな設備構成も不要となり、燃焼器への実際利用が容易に図れるようになる。
なお、以上の第1実施形態においては、燃料2と清水4とを均一に撹絆・混合する場合について述べたが、これは最も望ましい場合を例示したものであり、清水以外の水、例えば中水を利用することも場合により可能である。また、水に加え、燃料の燃焼上において望まれる他の液体、例えば界面活性剤等の乳化剤を混合する等の応用も可能である。
[第2実施形態(第6図〜第8図)]
本発明の第2実施形態では、2種の液体同士を混合材料として適用する液体混合装置および液体混合方法について説明する。特に、液体混合物生成用の容器が、振動体と反射体との間に混合材料を導入する混合材料入口として、反射体の中央位置を貫通する1または複数の孔を有する構成について説明する。また、一の液体を重油、軽油、廃油または廃食油とし、他の液体を前記油以外の油、アルコール、アルコール以外の溶剤とし、これらの混合によりエマルジョン燃料または改質された液体燃料を生成する方法について説明する。
本実施形態の液体混合装置1は、基本的な構成については第1実施形態と略同様である。すなわち、第6図に示すように、液体混合用の容器70内の平面視における略中央位置に、振動発生装置20に連結された水平な円板状の振動板13が配置され、この振動板13の下方には、反射板14が狭隘な空間をあけて水平に配置されている。
反射板14は、容器70の底壁71中央に設けた上側開口の平面視円形状の凹部72に嵌合され、この反射板14の表面(上面)と容器70の底壁上面とが高さ方向において一致する構成となっている。そして、反射板14の周囲部がボルト等の締結具73によって着脱可能に締結固定され、反射板14が長期間の使用等により消耗した場合に容易に交換できるようになっている。
そして、第6図および第7図に示すように、この反射板14の略中央位置には、例えば1つの小孔74が上下方向に貫通して形成され、この小孔74が混合材料導入用の入口とされている。なお、容器70には液体混合物の排出口としてバルブ76付きの液体排出管75が設けられている。
なお、反射板14の小孔74は必ずしも1つに限らず、例えば第8図に示すように2つ、あるいは図示しないがそれ以上の複数としてもよい。
そして、本実施形態においては、2種類の液体の供給源として、第1のタンク81および第2のタンク82が配置されている。
第1のタンク81には、燃料となる油、例えば重油、軽油、廃油(例えばエンジンオイル)または廃食油が収容されている。また、第2のタンク82には、例えば第1のタンク81に収容された油以外の油(第1のタンク81に重油が収容されている場合における軽油、廃油、廃食油)、アルコールまたはアルコール以外の溶剤(例えばシンナー等の芳香族系の溶剤)、その他の燃焼可能な液体原料が収容されている。
これらのタンク81、82には、混合材供給配管83,84が接続されるとともに、各混合材供給配管83,84には、それぞれポンプ85、86が設けられている。各混合材供給配管83,84は、ポンプ85、86の下流において統合された後、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結入されている。この混合材供給配管83,84は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置の小孔74を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。すなわち、液体材料である燃料等は、容器70の底部略中央位置に向って垂直上方に導入され、反射板14の中央位置の小孔74を介し、振動板13と反射板14との間のキャビテーション発生部15に供給される。
なお、本実施形態における振動板13および反射板14の材質、振動板13および反射板14間の間隙寸法等、高周波振動発生装置20、および他の部品構成等については、第1実施形態と略同様であるから、第6図の対応位置に、第1図と同一の符号を付して重複説明を省略する。
液体混合時においては、第1、第2のタンク81,82に収容された各混合材料が、それぞれポンプ85,86により圧送され、統合された後、容器70の底部を介して反射板14の小孔74に供給され、この小孔74からキャビテーション発生部15に噴出される。混合材料としての燃料等は、振動板13の振動作用によって生じるキャビテーション発生部15での高衝撃波により、微細なエマルジョンとなる。本実施形態においては、振動板13と容器底部の反射板14との距離が小さいため、振動板13と反射板14との隙間に側方から原料を供給する場合に比して、キャビテーション発生部15の衝撃波を多く受け易くなり、より微細なエマルジョン化が可能になる。
したがって、本実施形態によれば、第1のタンク81から供給される重油、軽油、廃油または廃食油と、第2のタンク82から供給される油、アルコールまたはアルコール以外の溶剤等の混合燃料としてのより微細なエマルジョンを生成することができる。
なお、上記の燃料組合せのほか、重油とガソリンとを混合し、内燃機関またはガスタービン用燃焼器に適用する混合燃料を生成することも可能である。
[第3実施形態(第9図)]
本発明の第3実施形態では、3種以上の液体同士を混合材料とする場合に対応する液体混合装置および液体混合方法について説明する。第9図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。なお、本実施形態の構成は、液体の混合材料の供給系統以外については第2実施形態と同一であるから、同一構成部分については第9図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
第9図に示すように、本実施形態においては、例えば3種類の液体の供給源として、第1のタンク81、第2のタンク82および第3のタンク91が配置されている。
第1のタンク81には、燃料となる油、例えば重油、軽油、廃油(例えばエンジンオイル)または廃食油が収容されている。
また、第2のタンク82には、例えば第1のタンク81に収容された油以外の油(第1のタンク81に重油が収容されている場合における軽油、廃油、廃食油)、アルコールまたはアルコール以外の溶剤(例えばシンナー等の芳香族系の溶剤)、または水が収容されている。
さらに、第3のタンク91には、乳化剤として、液体石鹸等の界面活性剤が収容されている。
これらのタンク81,82,91には、3系統の混合材供給配管83,84,90が接続されるとともに、各混合材供給配管83,84,90には、それぞれポンプ85,86,92が設けられている。各混合材供給配管83,84,90は、ポンプ85,86,92の下流において統合された後、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結されている。この混合材供給配管は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。
そして、液体混合時においては第2実施形態と同様に、第1、第2、第3のタンク81,82,91に収容された各混合材料が、それぞれポンプ85,86,92により圧送され、統合された後、容器70の底部を介して反射板14の小孔74に供給され、この小孔74からキャビテーション発生部15に噴出される。混合材料としての燃料等は、振動板13の振動作用によって生じるキャビテーション発生部15での高衝撃波により、微細なエマルジョンとなる。本実施形態においては、振動板13と容器底部の反射板14との距離が小さいため、振動板13と反射板14との隙間に側方から原料を供給する場合に比して、キャビテーション発生部の衝撃波を多く受け易くなり、より微細なエマルジョン化が可能になる。
なお、上記の例では3種の液体を原料として使用する場合について説明したが、4種以上の液体を原料として使用する場合についても、タンクおよび配管数を増加することにより、容易に対応することができる。
本実施形態によれば、3種以上の液体を小孔74に供給することにより、比重の異なる原料からなる各液体に対しても、キャビテーションの衝撃波の効果が有効に得られ、より広範囲の混合材料からなる混合燃料として、微細なエマルジョンを生成することができる。
[第4実施形態(第10図)]
本発明の第4実施形態では、粘度の高い液体を混合材料とする場合に対応する液体混合装置および液体混合方法について説明する。第10図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。なお、本実施形態の構成は、液体の混合材料の供給系統以外については第2実施形態と同一であるから、同一構成部分については第10図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
第10図に示すように、本実施形態においては、例えば2種類の液体の供給源として、第1のタンク81および第2のタンク82が配置されている。
第1のタンク81には、第2実施形態と同様に、燃料となる油、例えば重油、軽油、廃油(例えばエンジンオイル)または廃食油が収容されている。
また、第2のタンク82には、粘度の高いグリス、アルコールまたはアルコール以外の溶剤(例えばシンナー等の芳香族系の溶剤)が収容されている。そして、この第2のタンク82には、電源93に接続されたヒータ94が設けられ、グリスのように粘度の高い液体を適用する場合には、これを加温することができるようになっている。
すなわち、一般に粘度の高い液体は、加温すると粘度が小さくなり、流れ易くなる。粘度が高過ぎると、振動板13を高周波で振動させてもキャビテーションが発生し難い。そこで、本実施形態では、ヒータ94を適用して粘度が小さくなるようにし、これにより、流動性の高い液体として、キャビテーション発生部に供給するようになっている。
なお、本実施形態においても、各タンク81,82には、混合材供給配管が接続されるとともに、各混合材供給配管には、それぞれポンプ85,86が設けられている。各混合材供給配管83,84は、ポンプ85,86の下流において統合された後、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結入されている。この混合材供給配管83,84は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。
そして、液体混合時においては第2実施形態と同様に、第1、第2のタンク81,82に収容された各混合材料が、それぞれポンプ85,86により圧送される。この場合、第2タンク82に粘度の高い液体が収容されている場合には、ヒータ94をオンとして粘度が小さくなるようにし、これにより、流動性の高い液体として、キャビテーション発生部15に供給し、キャビテーションの気泡が容易に発生させることができる。
[第5実施形態(第11図)]
本発明の第5実施形態では、液体と気体とを混合材料とし、きめ細かいクリーム状の液体混合物を生成する場合に対応する液体混合装置および液体混合方法について説明する。第11図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。なお、本実施形態の構成は、液体の混合材料の供給系統以外については第2実施形態と同一であるから、同一構成部分については第11図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
第11図に示すように、本実施形態においては、例えば2種類の液体の供給源として、第1のタンク81および第2のタンク82が配置されるとともに、大気を導入する空気供給配管95が設けられている。
第1のタンク81には、例えば食用油、化粧用油脂、または薬用油脂等の液体が収容されている。また、第2のタンク82には、調味量その他の各種添加剤、または香料等としての液体が収容されている。これら各タンク81,82には、混合材供給配管83,84が接続されるとともに、各混合材供給配管83,84には、それぞれポンプ85,86が設けられ、また空気供給配管98には、空気浄化用フィルタ(雑菌等を除去する殺菌手段を有する)97と、エアポンプ96とが設けられ、清浄な空気が供給できるようになっている。
そして、各混合材供給配管83,84に空気供給配管98が接続されて統合されて、第2実施形態と同様に、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結入されている。この混合材供給配管は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。
液体混合時においては、第1、第2のタンク81,82に収容された液体の各混合材料にエアフィルタ97で清浄化された空気が混入し、これにより空気と混合した材料が圧送される。
この場合、第1のタンク81から圧送される食用油または油脂などの原料液と、第2のタンク82から圧送される各種添加剤または香料等に加え、エアフィルタ97にてゴミや雑菌等を除去した清浄な空気が、ポンプ96によって液体混合用の容器70内に底部から供給され、キャビテーション発生部15におけるキャビテーション泡の衝撃波により、各液体の原料と空気とが混合攪拌される。
この際、上述した各実施形態と同様に、振動板13と容器底部の反射板14との距離が小さいため、振動板13と反射板14との隙間に側方から原料を供給する場合に比して、キャビテーション発生部15の衝撃波を多く受けて超微細な空気の粒を多量に含んだクリーム状の材料を生成することができ、例えばクリーム状の食品、化粧品もしくは薬品等における味覚、触覚等の性能を向上することができる。
具体的には、食用油、食用酢、動物性または植物性蛋白質の混合攪拌によるマヨネーズ、油と空気の混合攪拌によるクリーム製造、食用粉末と多糖類溶液等の製造に効果的である。
[第6実施形態(第12図)]
本発明の第6実施形態では、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物を生成する場合に対応する液体混合装置および液体混合方法について説明する。すなわち、本実施形態では、例えば液体と粉体とを混合材料として例えばセラミックス成型用プリフォーム等の液体原料である緻密な工業用原料液を作成する場合において、液体にセラミックス微粉末等、またはこれらに添加剤を加える技術について説明する。第12図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。なお、本実施形態の構成は、液体の混合材料の供給系統以外については第2実施形態と同一であるから、同一構成部分については第12図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
第12図に示すように、本実施形態においては、セラミックス等の粉末の供給源として、第1のタンク81が設けられるとともに、各種添加剤等の粉体および液体原料を収容する第2のタンク82が配置されている。各タンクには、混合材料供給配管83,84が接続されるとともに、各混合材供給配管83,84には、それぞれポンプ85,86が設けられ、互いに統合されている。統合した配管部には、例えばスクリュー式の攪拌羽根を有する一次予混合槽101が設けられ、その下流側にはスラリーポンプ102が設けられている。
また、本実施形態では水その他の液体を供給する液体供給配管103が設けられ、この液体供給配管103には、フィルタ104およびポンプ105が設けられている。この液体供給配管103はポンプ105の下流側にて2系統に分岐され、一方の系統配管103aは一次予混合槽101の上流側に連結され、別の系統配管103bはスラリーポンプ102の下流側に連結されている。
全てが統合された配管は、第2実施形態と同様に、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結入されている。混合材供給配管は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。
液体混合時においては、第1のタンク81に収容されたセラミックス等の粉体原料と、第2のタンク82に収容された各種添加剤等の粉体とが、混合材供給配管83,84に供給されるとともに、これに加えて、液体供給配管103から一次予混合槽101の上流側またはスラリーポンプ102の下流側に、清浄にした水等の液体が供給される。
例えば第1のタンク81および第2のタンク82の粉体、液体材料等とともに、液体供給配管103aからフィルタ104で清浄にした水等を一次予混合槽101に供給して攪拌し、次に、この予混合槽101にて混合されたスラリー状の物質をスラリーポンプ102を用いて容器70のキャビテーション発生部15に小孔74を介して供給する。この場合、スラリーポンプ102における粘度が高いような場合に、途中で水等を液体供給配管103からスラリーポンプ102の下流側に供給するものである。これにより粉体原料の液体との混合による粘性が適宜に調整される。
そして、キャビテーション発生部15におけるキャビテーション泡の衝撃波が発生すると、スラリー状物質の各材料が均質に液体中に短時間で分散・攪拌される。
したがって、本実施形態によれば、工業用粉末材料としてのセラミックス生成用の予備混合体等を高品質のものとして製作することが可能となる。
なお、本実施形態においては、工業用の他、食用、化粧用もしくは薬用の液体原料とし、粉体を食用微粉末、化粧用微粉末もしくは薬用微粉末またはこれらに添加剤を加えたものとして、食品、化粧品、または薬品等を生成する場合にも適用することが可能である。
[第7実施形態(第13図〜第16図)]
本発明の第7実施形態では、さらに高い衝撃波を発生する超高衝撃波用の液体混合装置について説明する。第13図は、本発明の第7実施形態の液体混合装置を示す構成図であり、第14図は、第13図の拡大断面図である。第15図は、さらに振動体を拡大して示す断面図であり、第16図は、変形例を示す断面図である。
本実施形態の液体混合装置は、振動板13の端版13aおよび反射板14の少なくともいずれか一方の対向面に、円錐状の多数のピット110を設け、この各ピット110から発生する衝撃波を、振動板13と反射板14との間の空間の一点にそれぞれ焦点部111として収束させ、焦点部111の集合により振動板13と反射板14との間に超高衝撃波発生領域112を生成させる構成としたものである。
なお、本実施形態の液体混合装置の全体構成については、第13図に示すように、例えば第2実施形態で示したものと略同一である。この同一構成部分については、第13図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
本実施形態では、第14図および第15図に振動板13の断面を拡大して示すように、この振動板13の反射板14側への対向面に、円錐状の多数のピット110が設けられている。これらのピット110の深さは例えば0.1〜1mmであり、ピット間の間隔は例えば0.0〜3mmである。そして、反射板14から反射した衝撃波がこれらのピット110の内面側に当接すると、凹面反射によって反射板14側に向う途中の位置で収束する。すなわち、振動板駆動時における超音波による衝撃波は、ピット110内の傾斜面によりキャビテーション発生部15における略中央の領域に焦点として衝撃波を収束することになる。振動板13が駆動した場合には、反射板14との間の空間に、焦点部111の集合による超高衝撃波発生領域112が生成されるようになる。効果的なキャビテーション泡の直径は0.2〜0.8mmである。
この場合、キャビテーション発生部15に生じる超高衝撃波発生領域112では、キャビテーション発生部15における他の領域に比して10〜20倍の強度をもつ衝撃波が発生する。すなわち、3000〜数万気圧の高圧場を発生させることが可能である。
なお、第16図は、反射板14側にも、円錐状の多数のピット110を形成した場合を示している。このような構成の場合には、反射板14側から放出された衝撃波だけでなく、振動板13側から放出される衝撃波も加わり、さらに一層の液体混合物の超微粒化を図ることが可能となる。
[第8実施形態(第17図)]
本発明の第8実施形態では、前述した第1実施形態のエマルジョン燃料生成装置1をディーゼルエンジンに適用した場合について説明する。第17図は、本実施形態によるディーゼルエンジンを示す構成図であり、第1実施形態と同一構成部分については図1と同一符号を付している。なお、第1実施形態と同一構成部分についての重複説明は省略する。
第17図に示すように、このディーゼルエンジン30は、燃料系統に、キャビテーション処理前の燃料2を収容する燃料タンク31と、同処理前の清水4を収容する水タンク32とを備えている。これらの燃料タンク31および水タンク32に、それぞれ燃料供給管3および水供給管5の基端側が接続されている。そして、これらの燃料供給管3および水供給管5の先端側が、燃料ポンプ6および清水供給ポンプ8を介して、エマルジョン燃料生成タンク10に接続され、燃料2および清水4を連続的に供給するようになっている。
このような構成のディーゼルエンジン30において、エマルジョン燃料生成タンク10の構成は、第1実施形態で示した燃料装置1のものと略同様の構成であり、振動板13および反射板14が設けられ、キャビテーション発生部15が形成されている。振動板13は高周波振動発生装置20によって高周波振動され、このエマルジョン燃料生成タンク10において、第1実施形態で示したキャビテーション処理が行なわれる。そして、このエマルジョン燃料生成タンク10の排液管である2次側のエマルジョン燃料供給管33に、キャビテーション処理によって生成されたエマルジョン燃料12が排出・供給される。
エマルジョン燃料供給配管33には、吸込みポンプ34および流量調整弁35を介してエマルジョン燃料噴射ポンプ36が接続されている。エマルジョン燃料噴射ポンプ36には、例えば2本の燃料噴射用配管37a,37bを介してディーゼルエンジン本体38の2気筒型シリンダ39a,39bが連結されている。なお、符号40は、エンジン回転軸を示している。
このような構成において、エンジン運転時には、エマルジョン燃料生成タンク10に供給された燃料2および清水4は、キャビテーション発生部15にて均質に撹絆・混合され、エマルジョン燃料12として生成される。生成されたエマルジョン燃料12は、吸込みポンプ34によって吸引され、エマルジョン燃料噴射ポンプ36へと移送される。
エマルジョン燃料噴射ポンプ36に供給されるエマルジョン燃料12は、ディーゼルエンジン30の負荷状況に応じて、エマルジョン燃料供給管33に設けられた流量調整弁35によって流量制御され、エマルジョン燃料噴射ポンプ36に供給される。エマルジョン燃料噴射ポンプ36に供給されたエマルジョン燃料12は、エマルジョン燃料供給管37a,37bにてディーゼルエンジン本体38のシリンダ39a,39bに供給され、これらのシリンダ39a,39b内で燃焼して仕事に供される。燃焼後の排気ガスは、図示しない排気口から外部に排気される。
この場合、シリンダ39a,39b内にてエマルジョン燃料12が爆発・燃焼する際には、燃焼温度が低く抑えられるとともに、燃料中の水分が水蒸気となり、水蒸気の一部分離して小爆発の現象を起こし、爆発力で燃料をはじき散らすことにより空気との混合を助ける。そして、燃焼反応が助長されることにより、シリンダ39a,39b内での未燃焼部分がほとんどなくなる。このため、未燃焼によって生成される未燃焼生成物、いわゆる黒煙の煤塵の発生を大きく低減することができるとともに、排気ガス中に含まれる有害な化学物質の生成を大幅に抑制することができ、大気に放出される排気ガス中のNOxや煤塵などをより効果的に低減することができる。
また、本実施形態によれば、エマルジョン燃料として、燃料2に清水4を加えて使用するため、燃料消費量が少なくてすむ利点も得られる。
なお、本実施形態では2気筒ディーゼルエンジンを例に説明したが、単気筒エンジンあるいは3気筒以上の多気筒エンジンに対しても、同様に適用できることは勿論である。
[第9実施形態(第18図)]
本発明の第9実施形態では、ディーゼルエンジン30に発電機を取り付けた構成について説明する。第18図は、本実施形態によるディーゼルエンジンを示す構成図であり、第1実施形態と同一構成部分については第1図と同一符号を付している。なお、第1実施形態と同一構成部分についての重複説明は省略する。
第18図に示すように、ディーゼルエンジン30の回転軸40にフランジ41を介して発電機42の回転軸43が連結されている。発電機42には、送電用ケーブル44を介して電力変換器45が接続され、この電力変換器45により発生電力が常用電圧(100v)に変換され、出力端子46等に出力される。
また、電力変換器45には電源ケーブル47を介して高周波電源装置24が接続され、発電機42で発電した電力の一部を、高周波振動発生装置20の振動用電源として適用できるようになっている。
さらに、本実施形態では、燃料2および清水4の供給量を制御するための燃料流量調整弁7および水流量調整弁9とが自動弁として構成されている。これらの燃料流量調整弁7、水流量調整弁9および高周波電源装置24は、コントローラ48にそれぞれ信号線49a,49b,49cを介して接続され、このコントローラ48によって制御可能とされている。そして、これらのコントローラ48、燃料流量調整弁7および水流量調整弁9は、電力変換器45に別の電源ケーブル50,51によって接続され、電力変換器45からの電流を駆動用電源として作動するようになっている。
このような構成の本実施形態によれば、第8実施形態と同様の効果に加え、エンジンによる発生電力の一部を、エマルジョン燃料生成のための制御用電力および操作用電力として使用することができるため、外部からの電力供給を必要とすることなく、エンジン運転を行うことが可能となるという経済的および構成簡素化等の面での利点、および車両・船舶等の移動手段として適用する場合に移動体自体での電力自給が可能となる利点が得られる等の効果が奏される。
[第10実施形態(第19図)]
本発明の第10実施形態では、燃料装置の変形例として、一つのエマルジョン燃料生成タンクに複数のキャビテーション発生部を設けた構成について説明する。すなわち、この燃料装置では、高周波で振動する振動子自体を振動体として適用し、振動体を複数段設けるとともに、その各振動体に燃料および清水の混合液の流路を交互に設け、1回の処理において複数回のキャビテーション処理を施す構成としたものである。第19図は、本実施形態による燃料装置の構成を示す断面図である。
この第19図に示すように、本実施形態では、エマルジョン燃料生成タンク10が所定軸長の筒状空間を有する構成とされており、例えば軸心が縦方向に配置され、これによりエマルジョン燃料生成タンク10内に縦長な流路57が形成されている。エマルジョン燃料生成タンク10の上端部には流路57に通じる燃料入口58aおよび水入口58bが設けられ、下端部にはエマルジョン燃料出口59が設けられている。そして、燃料供給ポンプ6から供給される燃料2および水供給ポンプ9から供給される清水4が燃料入口58aおよび水入口58bから導入された後、エマルジョン燃料生成タンク10内を流動してエマルジョン燃料出口59から排液管17を介して連続的に排出され、流量調整弁60を経て、燃焼器(例えばディーゼルエンジン30)に供給されるようになっている。
エマルジョン燃料生成タンク10の中心位置には縦長な柱状のガイドロッド61がエマルジョン燃料生成タンク10の上下端に亘って挿入され、このガイドロッド61は例えばその上端に設けたフランジ62をボルト63等によって締結することによりエマルジョン燃料生成タンク10に固定されている。ガイドロッド61の外周部には複数の短筒状の弾性支持体64が略等間隔で嵌合されており、これらの弾性支持体64間に位置して、ガイドロッド61に磁歪材料からなる複数のディスク状の振動子65が所定間隔で段状に嵌合されている。そして、これらの振動子65が、ガイドロッド61の軸方向、すなわち燃料の流動方向である上下方向に沿い、弾性支持体64にそれぞれ上下方向から支持された状態で上下動可能とされている。なお、各振動子65の外周縁と流路57を形成するエマルジョン燃料生成タンク10の内周面との間には、これらの接触防止のため僅かな幅の間隙dが設けられている。
各振動子65には、燃料2と清水4との混合液11を上下方向に通過し得る通液用の孔、例えば小径孔66が振動子65の中心側と外周側とに交互に位置を異ならせて、すなわち上下に隣接する振動子65同士に対して内外周に異なる配置で穿設されている。そして、エマルジョン燃料生成タンク10内には、各振動子65の周囲に位置して、高周波電流用のコイル67が設けられている。これらのコイル67に、高周波電源装置24から電源ケーブル25を介して振動用電流が供給され、発生する高周波の磁場によって各振動子65に上下方向の振動が発生するようになっている。なお、高周波電源装置24では、前記各実施形態と同様に、商用電源、車両用バッテリまたは自給用発電機等からの電力供給により高周波電流を発生する。
このような構成の本実施形態においては、高周波電源装置24から高周波電流が各コイル67に供給され、高周波電流が各コイル67にて高周波の磁力を発生させる。これらの発生磁場により、その内側に配置されている各振動子65が軸方向に収縮と伸長とを繰返し、その収縮と伸長とが振動子65の表面であるキャビテーション発生部に伝達され、キャビテーション発生部が高周波で振動を発生する。
この作用により、小径孔66を介して交互に蛇行状態で上方から下方に向って流れる混合液11中に、各振動子65間においてキャビテーション泡29が連続的に形成・崩壊を繰返すことにより衝撃波が連続して発生し、その結果、混合液11に高圧が発生する。よって、本実施形態においては、混合液11が連続的に流動する間に、小径孔66を順次通過するに従ってより均一なエマルジョン燃料12が生成されていく。そして、混合液11における燃料2の高分子鎖が分断されるとともに、清水4の水滴が微細化され、燃焼時に煤塵などが生じ易い高分子成分の組成量が減少した状態でディーゼルエンジン30等の燃焼器に供給される。すなわち、均一かつ微細に混合・撹絆されたエマルジョン燃料12が外部に取り出される。これにより、燃焼器用の燃料として使用した場合に、煤塵などの発生を抑制することができ、排気ガスを浄化したと同等の機能が得られる。
本実施形態によれば、前記各実施形態と同様の効果に加えて、複数の振動子65の間に連続的に混合液11を通過させることにより、キャビテーション泡29の形成・崩壊を繰り返すので、単位体積当りの処理時間を長くすることが可能となる。したがって、燃料2および清水4の供給量を制御することにより、安定した改質処理が効率よく行える。
なお、本実施形態ではエマルジョン燃料生成タンク10の軸心、すなわち燃料2および清水4の混合液11の流動方向を上下方向とした場合について説明したが、この方向は横・斜め方向等、任意の方向に設定することができる。
[第11実施形態(第20図)]
本発明の第11実施形態では、前述した第1〜第7実施形態の液体混合装置を多数組合せた構成について説明する。第20図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。
第20図に示すように、本実施形態では、同一の容器70内に、複数の振動板13と複数の反射板14とを並列的に配置し、各振動板13を同時に超音波領域で高周波振動させる構成とされている。これにより、キャビテーション発生領域を広範囲に亘って形成することができる。
したがって、例えば容器70を大型とし、その多くの範囲にキャビテーション発生領域を形成することにより、多量の混合材料を同時に微粒化することが可能となる。
また、容器70を例えば管状としてその軸方向に振動板13および反射板14を配列し、その容器70内の軸方向に沿って混合材料を流動させる構成とすれば、連続的に衝撃波エネルギを与え、超微粒の効果を次第に高める装置として適用することができる。
[第1実施形態(第1図〜第5図)]
本実施形態では2種の液体同士を混合材料として適用する液体混合装置および液体混合方法について説明する。特に、一の液体を重油または軽油等の液体燃料とし、他の液体を水とし、これらの混合によりエマルジョン燃料を生成する燃料装置および燃料生成方法について説明する。
第1図は、本実施形態による燃料装置の構成を示す概略図であり、第2図〜第5図は作用説明図である。
第1図に示すように、本実施形態の液体混合装置(燃料装置)1は、例えば軽油等の液体燃料(以下、単に「燃料」という)2を供給する燃料供給管3と、燃料に対する不溶性液体、例えば水(本実施形態では「清水」を適用する)4を供給する水供給管5とを備えている。
燃料供給管3の基端側は図示しない燃料タンクに接続されており、この燃料管3には燃料供給ポンプ6および燃料流量調整弁7が設けられている。燃料供給ポンプ6および燃料流量調整弁7は、図示しない制御手段に接続され、後述するエマルジョン燃料生成処理に必要な所定の燃料の供給量が確保されるようになっている。
同様に、水供給管5の基端側も図示しない水タンクに接続されており、この水供給管5にも水供給ポンプ8および水流量調整弁9が設けられている。水供給ポンプ8および水流量調整弁9も、図示しない制御手段に接続され、エマルジョン燃料生成処理に必要な所定の清水の供給量が確保されるようになっている。
これら燃料供給管3および水供給管5の各先端側は互いに接近して、エマルジョン燃料生成タンク10内に配置され、これにより混合材料入口が形成されている。なお、燃料供給管3および水供給管5の各先端部は、第1図の例では垂直配置とされた後、先端部分が傾斜状態となって斜め下方に開口している。
エマルジョン燃料生成タンク10は、燃料供給管3から供給される燃料2と、水供給管5から供給される清水4との混合液11を、一時的に収容できる容器であり、その内部において燃料2中に清水4を拡散・混合させ、混合液11から超微粒化・高混合密度のエマルジョン燃料12を生成するものである。
すなわち、エマルジョン燃料生成タンク10は、略水平に配置された平坦な直方体状の密閉タンク構造とされており(第1図では、密閉用のタンク上壁を図示省略してある)、その内側上部に振動体としての水平板状の振動板13が配置されるとともに、この振動板13の下面に対向するタンク内下部には、振動板13と対向する配置で反射体としての水平な反射板14が配置されている。これら振動板13と反射板14との間には、キャビテーション発生部15として上下方向に狭隘な空間、例えば間隙δが10mm以下、具体的には数mmの空間が形成されている。このキャビテーション発生部15としての空間の横向きの開口部分に、前述した燃料供給管3および水供給管5の各先端開口部が臨んでおり、燃料2と清水4との混合液11がキャビテーション発生部15内に横向きの一方の開口部15aから導入されるようになっている。
なお、キャビテーション発生部15の横向きの他方の開口部15bには、漏斗状の吸液部材16がその広口部をキャビテーション発生部15に向けて横向きに配置され、この吸液部材16の狭口側には排液管17が接続され、これにより液体混合物排出口が形成されている。排液管17は、エマルジョン生成タンク10の任意の壁、例えば底壁10aを垂直に貫通して外部方向に延び、吸込みポンプ18を介してエマルジョン燃料12を、所定のエマルジョン燃料供給部に供給するようになっている。
振動板13および反射板14は、それらの全体または少なくとも相対する面を構成する部分が硬度の高い材料、例えばセラミックスまたは超硬合金などの硬質材料によって構成される。
セラミックスとしては、例えばアルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)およびジルコニア(ZyO2)等が適用される。
また、超硬合金としては、例えばタングステンカーバイド(WC)、タングステンカーバイド・コバルト合金(WC−Co,WC−TiC−Co,WC−TiC−TaC−Co等)およびステライト(Stellite)等が適用される。
このような材料の適用により、振動板13および反射板14は、後述するキャビテーション発生時における衝撃に十分耐え、壊触されない高強度をもつ構成とされている。なお、振動板13および反射板14の対向部分のみを高硬度とする場合には、各種金属等の母材の表面にセラミックスもしくは超高合金等の硬質メッキによる表面処理を施すこと等により構成することができる。
そして、振動板13は、例えば上方に向って延びる垂直な連結棒19を介して高周波振動発生装置20に連結され、この高周波振動発生装置20によって上下方向(矢印a方向)に高周波振動されるようになっている。
高周波振動発生装置20は、ケース内に振動源として例えば磁歪材料からなる振動子22を収納するとともに、その振動子22を駆動するための高周波用コイル23を配置して構成したものであり、高周波電源装置24から電源ケーブル25にて高周波電力が供給されるようにしたものである。なお、高周波電源装置24は、商用電源、車両用バッテリあるいは車両の発電機等の基本電源からの電力を周波数変換し、高周波電流を発生するものである。これにより、振動子22ひいては振動板13の高周波振動領域が、例えば超音波領域20kHz以上に設定される。
なお、振動発生装置20の振動子22は、圧電素子または超磁歪材料により構成することもでき、また、振動板13と振動子22とを同一材料により一体構造とすることもできる。高周波発生装置20は、支持アーム26に取付ボルト27を介して固接されており、支持アーム26は強固な静止部28に固定されている。
次に、エマルジョン燃料生成方法について説明する。まず、第1図に示すように、燃料2が燃料供給管3の燃料供給ポンプ6により燃料流量調整弁7を経由して、エマルジョン燃料生成タンク10内に配置された振動板13と反射板14との狭隘な空間部、すなわちキャビテーション発生部15に供給される。一方、清水4も同様に水供給管5の水供給ポンプ8により水流量調整弁9を介してエマルジョン燃料生成タンク10内のキャビテーション発生部15に供給される。これにより、燃料2と清水4との混合液はキャビテーション発生部15およびエマルジョン燃料生成タンク10内に充満する。
この場合、燃料供給ポンプ6および水供給ポンプ8から吐出される流量は、エマルジョン燃料の必要な生成量に従って制御される。そして、高周波振動発生装置20の先端部に取付けられた振動板13は、少なくとも下面、例えば全体が、エマルジョン燃料生成タンク10内に充満した燃料2および清水4の混合液11に浸漬される状態となる。
この状態で振動板13が高周波振動することにより、キャビテーション発生部15において混合液11にキャビテーションが発生し、燃料2に清水4が拡散・混合して超微粒化され、高混合密度のエマルジョン燃料12が生成される。
第2図は、このエマルジョン燃料12の生成メカニズムを示す説明図である。第2図に模式的に示すように、エマルジョン燃料生成タンク10内の混合液11は、燃料2中に清水4が細かい塊状の水滴4aとして混合した状態で存在している。振動板13と反射板14との狭隘な空間に導入された混合液11についても同様である。
この状態で振動板13が振動方向aに沿って上向きに動作すると、振動板13と反射板14との狭隘な空間に瞬間的に負圧になる場が形成され、その負圧により混合液11中に気泡、すなわちキャビテーション泡29が発生する。このキャビテーション泡29は燃料2中に多数発生するとともに、塊状となって燃料2に分散混合している水滴4a中にも発生する。
そして、振動板13が高周波振動により次の瞬間に下向きに動作すると、上記と逆に高圧の圧力場が形成され、キャビテーション泡29は高圧により崩壊される。このキャビテーション泡29の崩壊時には、高圧の衝撃波(泡崩壊時発生衝撃波:矢印c)が発生する。この衝撃波cは、塊状の水滴4aに破壊エネルギとして作用する。特に水滴4a内に発生したキャビテーション泡29の崩壊時には、その水滴4aを破裂させる外向きの破壊エネルギが発生する。これにより、水滴4aは、より小さい塊状へと分割する。また、衝撃波cは振動板13と反射板14との間で反射し、衝撃波反射波(以下、単に「反射波」という:矢印b)となって、再び燃料2と清水4(水滴4a)とに衝撃波として繰り返し作用することになる。
すなわち、振動板13が燃料2および清水4の混合液11中で高周波振動すると、振動板13の超高速往復動作によって微細なキャビテーション泡29の形成・崩壊が繰返される。
第3図は、振動板13の振動によって生じるキャビテーション泡が崩壊する時の衝撃波速度(縦軸:単位m/s)と、その往復動作によって形成・崩壊される微細なキャビテーション泡29の直径(横軸:単位mm)との関係を示す特性図である。この第3図に示すように、振動板13の速度を適当な振動速度にし、直径0.2〜0.8mmの微細なキャビテーション泡29を発生させ、崩壊させた場合には、衝撃波の速度は約100〜200m/sの高速で伝播する。
そして、このキャビテーション泡29の崩壊時に大きな衝撃圧力が生じ、条件によっては、発生する衝撃圧力が数百MPaに達する。この衝撃圧力が数百MPaに達することは、高周波振動を超音波領域に設定した本実施形態において、明確に観測することができた。
第4図は、振動板13と反射板14との間隙値(横軸:単位mm)と、この両者の間隙におけるキャビテーション発生部15での発生圧力(縦軸:単位Mpa)との関係を示す実測値に基づく特性図である。この第4図に示すように、振動板13と反射板14との間隙値10mm以下とすることにより、発生圧力を100〜300Mpaとすることができる。
また、キャビテーション発生部15においてキャビテーション泡29の崩壊時に発生する衝撃波cと、発生した衝撃波cの反射波bとは、燃料2に対しても作用する。すなわち、振動板13を20KHz以上の超音波領域で振動させると、高分子の液体である燃料2中の分子のクラスターが振動によって小さくなる。したがって、振動板13を超音波振動させることにより、キャビテーションによる衝撃圧力と、超音波振動によるクラスター分解作用との相乗効果により、燃料2を構成している高分子鎖が物理的に切断され、低分子化による改質作用も行われる。
第5図は、燃料2として軽油を適用した場合について、キャビテーション発生部15で改質作用を受けた燃料成分の分析結果を示した測定グラフである。第5図の横軸に軽油の分子数を表し、縦軸に分子量を表している。キャビテーション処理前の燃料の場合は、第5図に実線の柱状グラフによる特性線Aとして示したように、高分子側の分子量が多く、低分子側の分子量が少ない。
これに対し、キャビテーション処理後においては、第5図に仮想線の柱状グラフによる特性線Bとして示したように、高分子側の分子量が低減するとともに、低分子側の分子量が増加する傾向を示す。このことは、高分子側の分子の鎖が衝撃波にて分断され、分断された低分子が増加分として計測されたことを裏付けている。このことにより、清水4を添加して撹絆・混合するだけではなく、燃料2そのものもキャビテーションの衝撃波cおよび反射波bによって低分子化が促進され、より燃焼し易い成分に変化していることを物語っている。
また、キャビテーション処理においては、このように低分子化した燃料2と、微細化された水滴4aとに対し、さらに混合および撹絆作用が加えられ、拡散・混合が推進される。これにより、超微粒化・高混合密度のエマルジョン燃料12が生成される。なお、燃料2と清水4との供給量を一定に制御することにより、燃料2と清水4とが一定の割合で、均質かつ微細に混合した質の高いエマルジョン燃料が生成される。
以上のように、キャビテーション発生部15の上下幅を数mmとした本実施形態においては、キャビテーション泡29の崩壊により発生した衝撃波b,cが周囲に拡散されずに閉じこめられた状態で保持されるため、高密度な衝撃波場が形成・保持される。そして、清水4は衝撃波により、微細な分子の状態に分断されて細分化されると同時に、燃料2と混合・撹絆を繰り返すことにより、均一に水分が拡散・混合されたエマルジョン燃料が生成されるものである。なお、実験結果によると、キャビテーション発生部15の間隙値を10mmまで拡大しても、前記と略程度の効果が得られることが認められた。
なお、第1図に示すように、生成されたエマルジョン燃料12は、キャビテーション発生部15の右端に設けられた漏斗状の吸液部材16から排液管17を介して吸込みポンプ18によりエマルジョン燃料生成タンク10の外部に排出され、所定容器への収容または燃焼器への連続供給等、次工程への供給が行なわれる。
そして、上述のようにして生成されたエマルジョン燃料12は、一定以上の高エネルギを加えない限り、容易に元の状態に戻ることはない。したがって、微細化された水滴4aおよび低分子化された燃料2の状態は、長期間に亘って維持され続けるので、長期間保存しても燃料2と清水4とに分離することが殆どなく、燃焼器への供給等、次工程への供給時においても品質低下等の問題が生じることなく常時、良好な品質のエマルジョン燃料としてディーゼルエンジン、ボイラ、その他各種燃焼器に供給利用することができる。
そして、本実施形態により生成したエマルジョン燃料12をディーゼルエンジン、ボイラ、その他各種燃焼器に供給して燃焼した場合には、燃料が超微粒化・高混合密度であり、かつ燃料2と清水4とが一定の割合で、均質かつ微細に混合した質の高いものであるため、燃焼温度が低く抑えられとともに、燃料中の水分が水蒸気となり、水蒸気の一部が分離して小爆発の現象(マイクロエクスプロージョン現象)を起こし、爆発力で燃料をはじき散らすことにより空気との混合を助け、燃焼反応が助長されることにより、未燃焼部分が殆どなくなる。このため、従来では未燃焼によって生成されていた未燃焼生成物、いわゆる黒煙の煤塵の発生が大きく低減する。また、本実施形態によって得られたエマルジョン燃料12は、燃焼温度が低く抑えられるため、燃焼時に有害なNOx等の化学物質の生成も殆ど生じない。したがって、燃焼排気ガス中に含まれる黒煙などの煤塵や有害なNOx等の化学物質の生成を大幅に抑制することができ、大気汚染防止を効果的に推進することができる。
また、本実施形態によれば、小型かつ簡易な構成のもとで、燃料のエマルジョン化を能率よく行うことができ、しかも生成したエマルジョン燃料を長期間保存しても燃料と他の液体との分離が殆ど生じることがない超微粒化・高混合密度のエマルジョン燃料生成が可能となる。したがって、従来のスクリュー式攪拌手段を採用する場合等と比較して、構成が簡易かつ小型なもので済み、大掛かりな設備構成も不要となり、燃焼器への実際利用が容易に図れるようになる。
なお、以上の第1実施形態においては、燃料2と清水4とを均一に撹絆・混合する場合について述べたが、これは最も望ましい場合を例示したものであり、清水以外の水、例えば中水を利用することも場合により可能である。また、水に加え、燃料の燃焼上において望まれる他の液体、例えば界面活性剤等の乳化剤を混合する等の応用も可能である。
[第2実施形態(第6図〜第8図)]
本発明の第2実施形態では、2種の液体同士を混合材料として適用する液体混合装置および液体混合方法について説明する。特に、液体混合物生成用の容器が、振動体と反射体との間に混合材料を導入する混合材料入口として、反射体の中央位置を貫通する1または複数の孔を有する構成について説明する。また、一の液体を重油、軽油、廃油または廃食油とし、他の液体を前記油以外の油、アルコール、アルコール以外の溶剤とし、これらの混合によりエマルジョン燃料または改質された液体燃料を生成する方法について説明する。
本実施形態の液体混合装置1は、基本的な構成については第1実施形態と略同様である。すなわち、第6図に示すように、液体混合用の容器70内の平面視における略中央位置に、振動発生装置20に連結された水平な円板状の振動板13が配置され、この振動板13の下方には、反射板14が狭隘な空間をあけて水平に配置されている。
反射板14は、容器70の底壁71中央に設けた上側開口の平面視円形状の凹部72に嵌合され、この反射板14の表面(上面)と容器70の底壁上面とが高さ方向において一致する構成となっている。そして、反射板14の周囲部がボルト等の締結具73によって着脱可能に締結固定され、反射板14が長期間の使用等により消耗した場合に容易に交換できるようになっている。
そして、第6図および第7図に示すように、この反射板14の略中央位置には、例えば1つの小孔74が上下方向に貫通して形成され、この小孔74が混合材料導入用の入口とされている。なお、容器70には液体混合物の排出口としてバルブ76付きの液体排出管75が設けられている。
なお、反射板14の小孔74は必ずしも1つに限らず、例えば第8図に示すように2つ、あるいは図示しないがそれ以上の複数としてもよい。
そして、本実施形態においては、2種類の液体の供給源として、第1のタンク81および第2のタンク82が配置されている。
第1のタンク81には、燃料となる油、例えば重油、軽油、廃油(例えばエンジンオイル)または廃食油が収容されている。また、第2のタンク82には、例えば第1のタンク81に収容された油以外の油(第1のタンク81に重油が収容されている場合における軽油、廃油、廃食油)、アルコールまたはアルコール以外の溶剤(例えばシンナー等の芳香族系の溶剤)、その他の燃焼可能な液体原料が収容されている。
これらのタンク81、82には、混合材供給配管83,84が接続されるとともに、各混合材供給配管83,84には、それぞれポンプ85、86が設けられている。各混合材供給配管83,84は、ポンプ85、86の下流において統合された後、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結入されている。この混合材供給配管83,84は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置の小孔74を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。すなわち、液体材料である燃料等は、容器70の底部略中央位置に向って垂直上方に導入され、反射板14の中央位置の小孔74を介し、振動板13と反射板14との間のキャビテーション発生部15に供給される。
なお、本実施形態における振動板13および反射板14の材質、振動板13および反射板14間の間隙寸法等、高周波振動発生装置20、および他の部品構成等については、第1実施形態と略同様であるから、第6図の対応位置に、第1図と同一の符号を付して重複説明を省略する。
液体混合時においては、第1、第2のタンク81,82に収容された各混合材料が、それぞれポンプ85,86により圧送され、統合された後、容器70の底部を介して反射板14の小孔74に供給され、この小孔74からキャビテーション発生部15に噴出される。混合材料としての燃料等は、振動板13の振動作用によって生じるキャビテーション発生部15での高衝撃波により、微細なエマルジョンとなる。本実施形態においては、振動板13と容器底部の反射板14との距離が小さいため、振動板13と反射板14との隙間に側方から原料を供給する場合に比して、キャビテーション発生部15の衝撃波を多く受け易くなり、より微細なエマルジョン化が可能になる。
したがって、本実施形態によれば、第1のタンク81から供給される重油、軽油、廃油または廃食油と、第2のタンク82から供給される油、アルコールまたはアルコール以外の溶剤等の混合燃料としてのより微細なエマルジョンを生成することができる。
なお、上記の燃料組合せのほか、重油とガソリンとを混合し、内燃機関またはガスタービン用燃焼器に適用する混合燃料を生成することも可能である。
[第3実施形態(第9図)]
本発明の第3実施形態では、3種以上の液体同士を混合材料とする場合に対応する液体混合装置および液体混合方法について説明する。第9図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。なお、本実施形態の構成は、液体の混合材料の供給系統以外については第2実施形態と同一であるから、同一構成部分については第9図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
第9図に示すように、本実施形態においては、例えば3種類の液体の供給源として、第1のタンク81、第2のタンク82および第3のタンク91が配置されている。
第1のタンク81には、燃料となる油、例えば重油、軽油、廃油(例えばエンジンオイル)または廃食油が収容されている。
また、第2のタンク82には、例えば第1のタンク81に収容された油以外の油(第1のタンク81に重油が収容されている場合における軽油、廃油、廃食油)、アルコールまたはアルコール以外の溶剤(例えばシンナー等の芳香族系の溶剤)、または水が収容されている。
さらに、第3のタンク91には、乳化剤として、液体石鹸等の界面活性剤が収容されている。
これらのタンク81,82,91には、3系統の混合材供給配管83,84,90が接続されるとともに、各混合材供給配管83,84,90には、それぞれポンプ85,86,92が設けられている。各混合材供給配管83,84,90は、ポンプ85,86,92の下流において統合された後、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結されている。この混合材供給配管は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。
そして、液体混合時においては第2実施形態と同様に、第1、第2、第3のタンク81,82,91に収容された各混合材料が、それぞれポンプ85,86,92により圧送され、統合された後、容器70の底部を介して反射板14の小孔74に供給され、この小孔74からキャビテーション発生部15に噴出される。混合材料としての燃料等は、振動板13の振動作用によって生じるキャビテーション発生部15での高衝撃波により、微細なエマルジョンとなる。本実施形態においては、振動板13と容器底部の反射板14との距離が小さいため、振動板13と反射板14との隙間に側方から原料を供給する場合に比して、キャビテーション発生部の衝撃波を多く受け易くなり、より微細なエマルジョン化が可能になる。
なお、上記の例では3種の液体を原料として使用する場合について説明したが、4種以上の液体を原料として使用する場合についても、タンクおよび配管数を増加することにより、容易に対応することができる。
本実施形態によれば、3種以上の液体を小孔74に供給することにより、比重の異なる原料からなる各液体に対しても、キャビテーションの衝撃波の効果が有効に得られ、より広範囲の混合材料からなる混合燃料として、微細なエマルジョンを生成することができる。
[第4実施形態(第10図)]
本発明の第4実施形態では、粘度の高い液体を混合材料とする場合に対応する液体混合装置および液体混合方法について説明する。第10図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。なお、本実施形態の構成は、液体の混合材料の供給系統以外については第2実施形態と同一であるから、同一構成部分については第10図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
第10図に示すように、本実施形態においては、例えば2種類の液体の供給源として、第1のタンク81および第2のタンク82が配置されている。
第1のタンク81には、第2実施形態と同様に、燃料となる油、例えば重油、軽油、廃油(例えばエンジンオイル)または廃食油が収容されている。
また、第2のタンク82には、粘度の高いグリス、アルコールまたはアルコール以外の溶剤(例えばシンナー等の芳香族系の溶剤)が収容されている。そして、この第2のタンク82には、電源93に接続されたヒータ94が設けられ、グリスのように粘度の高い液体を適用する場合には、これを加温することができるようになっている。
すなわち、一般に粘度の高い液体は、加温すると粘度が小さくなり、流れ易くなる。粘度が高過ぎると、振動板13を高周波で振動させてもキャビテーションが発生し難い。そこで、本実施形態では、ヒータ94を適用して粘度が小さくなるようにし、これにより、流動性の高い液体として、キャビテーション発生部に供給するようになっている。
なお、本実施形態においても、各タンク81,82には、混合材供給配管が接続されるとともに、各混合材供給配管には、それぞれポンプ85,86が設けられている。各混合材供給配管83,84は、ポンプ85,86の下流において統合された後、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結入されている。この混合材供給配管83,84は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。
そして、液体混合時においては第2実施形態と同様に、第1、第2のタンク81,82に収容された各混合材料が、それぞれポンプ85,86により圧送される。この場合、第2タンク82に粘度の高い液体が収容されている場合には、ヒータ94をオンとして粘度が小さくなるようにし、これにより、流動性の高い液体として、キャビテーション発生部15に供給し、キャビテーションの気泡が容易に発生させることができる。
[第5実施形態(第11図)]
本発明の第5実施形態では、液体と気体とを混合材料とし、きめ細かいクリーム状の液体混合物を生成する場合に対応する液体混合装置および液体混合方法について説明する。第11図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。なお、本実施形態の構成は、液体の混合材料の供給系統以外については第2実施形態と同一であるから、同一構成部分については第11図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
第11図に示すように、本実施形態においては、例えば2種類の液体の供給源として、第1のタンク81および第2のタンク82が配置されるとともに、大気を導入する空気供給配管95が設けられている。
第1のタンク81には、例えば食用油、化粧用油脂、または薬用油脂等の液体が収容されている。また、第2のタンク82には、調味量その他の各種添加剤、または香料等としての液体が収容されている。これら各タンク81,82には、混合材供給配管83,84が接続されるとともに、各混合材供給配管83,84には、それぞれポンプ85,86が設けられ、また空気供給配管98には、空気浄化用フィルタ(雑菌等を除去する殺菌手段を有する)97と、エアポンプ96とが設けられ、清浄な空気が供給できるようになっている。
そして、各混合材供給配管83,84に空気供給配管98が接続されて統合されて、第2実施形態と同様に、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結入されている。この混合材供給配管は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。
液体混合時においては、第1、第2のタンク81,82に収容された液体の各混合材料にエアフィルタ97で清浄化された空気が混入し、これにより空気と混合した材料が圧送される。
この場合、第1のタンク81から圧送される食用油または油脂などの原料液と、第2のタンク82から圧送される各種添加剤または香料等に加え、エアフィルタ97にてゴミや雑菌等を除去した清浄な空気が、ポンプ96によって液体混合用の容器70内に底部から供給され、キャビテーション発生部15におけるキャビテーション泡の衝撃波により、各液体の原料と空気とが混合攪拌される。
この際、上述した各実施形態と同様に、振動板13と容器底部の反射板14との距離が小さいため、振動板13と反射板14との隙間に側方から原料を供給する場合に比して、キャビテーション発生部15の衝撃波を多く受けて超微細な空気の粒を多量に含んだクリーム状の材料を生成することができ、例えばクリーム状の食品、化粧品もしくは薬品等における味覚、触覚等の性能を向上することができる。
具体的には、食用油、食用酢、動物性または植物性蛋白質の混合攪拌によるマヨネーズ、油と空気の混合攪拌によるクリーム製造、食用粉末と多糖類溶液等の製造に効果的である。
[第6実施形態(第12図)]
本発明の第6実施形態では、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物を生成する場合に対応する液体混合装置および液体混合方法について説明する。すなわち、本実施形態では、例えば液体と粉体とを混合材料として例えばセラミックス成型用プリフォーム等の液体原料である緻密な工業用原料液を作成する場合において、液体にセラミックス微粉末等、またはこれらに添加剤を加える技術について説明する。第12図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。なお、本実施形態の構成は、液体の混合材料の供給系統以外については第2実施形態と同一であるから、同一構成部分については第12図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
第12図に示すように、本実施形態においては、セラミックス等の粉末の供給源として、第1のタンク81が設けられるとともに、各種添加剤等の粉体および液体原料を収容する第2のタンク82が配置されている。各タンクには、混合材料供給配管83,84が接続されるとともに、各混合材供給配管83,84には、それぞれポンプ85,86が設けられ、互いに統合されている。統合した配管部には、例えばスクリュー式の攪拌羽根を有する一次予混合槽101が設けられ、その下流側にはスラリーポンプ102が設けられている。
また、本実施形態では水その他の液体を供給する液体供給配管103が設けられ、この液体供給配管103には、フィルタ104およびポンプ105が設けられている。この液体供給配管103はポンプ105の下流側にて2系統に分岐され、一方の系統配管103aは一次予混合槽101の上流側に連結され、別の系統配管103bはスラリーポンプ102の下流側に連結されている。
全てが統合された配管は、第2実施形態と同様に、垂直に立上り、容器70の下部中央に連結入されている。混合材供給配管は、容器70の底部略中央位置に向って下方から垂直配置で導入された後、先端部分が反射板14の中央位置を貫通し、液体材料である燃料等を、振動板13と反射板14との狭隘な空間であるキャビテーション発生部15に下方から垂直上向きに供給するようになっている。
液体混合時においては、第1のタンク81に収容されたセラミックス等の粉体原料と、第2のタンク82に収容された各種添加剤等の粉体とが、混合材供給配管83,84に供給されるとともに、これに加えて、液体供給配管103から一次予混合槽101の上流側またはスラリーポンプ102の下流側に、清浄にした水等の液体が供給される。
例えば第1のタンク81および第2のタンク82の粉体、液体材料等とともに、液体供給配管103aからフィルタ104で清浄にした水等を一次予混合槽101に供給して攪拌し、次に、この予混合槽101にて混合されたスラリー状の物質をスラリーポンプ102を用いて容器70のキャビテーション発生部15に小孔74を介して供給する。この場合、スラリーポンプ102における粘度が高いような場合に、途中で水等を液体供給配管103からスラリーポンプ102の下流側に供給するものである。これにより粉体原料の液体との混合による粘性が適宜に調整される。
そして、キャビテーション発生部15におけるキャビテーション泡の衝撃波が発生すると、スラリー状物質の各材料が均質に液体中に短時間で分散・攪拌される。
したがって、本実施形態によれば、工業用粉末材料としてのセラミックス生成用の予備混合体等を高品質のものとして製作することが可能となる。
なお、本実施形態においては、工業用の他、食用、化粧用もしくは薬用の液体原料とし、粉体を食用微粉末、化粧用微粉末もしくは薬用微粉末またはこれらに添加剤を加えたものとして、食品、化粧品、または薬品等を生成する場合にも適用することが可能である。
[第7実施形態(第13図〜第16図)]
本発明の第7実施形態では、さらに高い衝撃波を発生する超高衝撃波用の液体混合装置について説明する。第13図は、本発明の第7実施形態の液体混合装置を示す構成図であり、第14図は、第13図の拡大断面図である。第15図は、さらに振動体を拡大して示す断面図であり、第16図は、変形例を示す断面図である。
本実施形態の液体混合装置は、振動板13の端版13aおよび反射板14の少なくともいずれか一方の対向面に、円錐状の多数のピット110を設け、この各ピット110から発生する衝撃波を、振動板13と反射板14との間の空間の一点にそれぞれ焦点部111として収束させ、焦点部111の集合により振動板13と反射板14との間に超高衝撃波発生領域112を生成させる構成としたものである。
なお、本実施形態の液体混合装置の全体構成については、第13図に示すように、例えば第2実施形態で示したものと略同一である。この同一構成部分については、第13図の対応部分に第6図と同一符号を付し、重複説明は省略する。
本実施形態では、第14図および第15図に振動板13の断面を拡大して示すように、この振動板13の反射板14側への対向面に、円錐状の多数のピット110が設けられている。これらのピット110の深さは例えば0.1〜1mmであり、ピット間の間隔は例えば0.0〜3mmである。そして、反射板14から反射した衝撃波がこれらのピット110の内面側に当接すると、凹面反射によって反射板14側に向う途中の位置で収束する。すなわち、振動板駆動時における超音波による衝撃波は、ピット110内の傾斜面によりキャビテーション発生部15における略中央の領域に焦点として衝撃波を収束することになる。振動板13が駆動した場合には、反射板14との間の空間に、焦点部111の集合による超高衝撃波発生領域112が生成されるようになる。効果的なキャビテーション泡の直径は0.2〜0.8mmである。
この場合、キャビテーション発生部15に生じる超高衝撃波発生領域112では、キャビテーション発生部15における他の領域に比して10〜20倍の強度をもつ衝撃波が発生する。すなわち、3000〜数万気圧の高圧場を発生させることが可能である。
なお、第16図は、反射板14側にも、円錐状の多数のピット110を形成した場合を示している。このような構成の場合には、反射板14側から放出された衝撃波だけでなく、振動板13側から放出される衝撃波も加わり、さらに一層の液体混合物の超微粒化を図ることが可能となる。
[第8実施形態(第17図)]
本発明の第8実施形態では、前述した第1実施形態のエマルジョン燃料生成装置1をディーゼルエンジンに適用した場合について説明する。第17図は、本実施形態によるディーゼルエンジンを示す構成図であり、第1実施形態と同一構成部分については図1と同一符号を付している。なお、第1実施形態と同一構成部分についての重複説明は省略する。
第17図に示すように、このディーゼルエンジン30は、燃料系統に、キャビテーション処理前の燃料2を収容する燃料タンク31と、同処理前の清水4を収容する水タンク32とを備えている。これらの燃料タンク31および水タンク32に、それぞれ燃料供給管3および水供給管5の基端側が接続されている。そして、これらの燃料供給管3および水供給管5の先端側が、燃料ポンプ6および清水供給ポンプ8を介して、エマルジョン燃料生成タンク10に接続され、燃料2および清水4を連続的に供給するようになっている。
このような構成のディーゼルエンジン30において、エマルジョン燃料生成タンク10の構成は、第1実施形態で示した燃料装置1のものと略同様の構成であり、振動板13および反射板14が設けられ、キャビテーション発生部15が形成されている。振動板13は高周波振動発生装置20によって高周波振動され、このエマルジョン燃料生成タンク10において、第1実施形態で示したキャビテーション処理が行なわれる。そして、このエマルジョン燃料生成タンク10の排液管である2次側のエマルジョン燃料供給管33に、キャビテーション処理によって生成されたエマルジョン燃料12が排出・供給される。
エマルジョン燃料供給配管33には、吸込みポンプ34および流量調整弁35を介してエマルジョン燃料噴射ポンプ36が接続されている。エマルジョン燃料噴射ポンプ36には、例えば2本の燃料噴射用配管37a,37bを介してディーゼルエンジン本体38の2気筒型シリンダ39a,39bが連結されている。なお、符号40は、エンジン回転軸を示している。
このような構成において、エンジン運転時には、エマルジョン燃料生成タンク10に供給された燃料2および清水4は、キャビテーション発生部15にて均質に撹絆・混合され、エマルジョン燃料12として生成される。生成されたエマルジョン燃料12は、吸込みポンプ34によって吸引され、エマルジョン燃料噴射ポンプ36へと移送される。
エマルジョン燃料噴射ポンプ36に供給されるエマルジョン燃料12は、ディーゼルエンジン30の負荷状況に応じて、エマルジョン燃料供給管33に設けられた流量調整弁35によって流量制御され、エマルジョン燃料噴射ポンプ36に供給される。エマルジョン燃料噴射ポンプ36に供給されたエマルジョン燃料12は、エマルジョン燃料供給管37a,37bにてディーゼルエンジン本体38のシリンダ39a,39bに供給され、これらのシリンダ39a,39b内で燃焼して仕事に供される。燃焼後の排気ガスは、図示しない排気口から外部に排気される。
この場合、シリンダ39a,39b内にてエマルジョン燃料12が爆発・燃焼する際には、燃焼温度が低く抑えられるとともに、燃料中の水分が水蒸気となり、水蒸気の一部分離して小爆発の現象を起こし、爆発力で燃料をはじき散らすことにより空気との混合を助ける。そして、燃焼反応が助長されることにより、シリンダ39a,39b内での未燃焼部分がほとんどなくなる。このため、未燃焼によって生成される未燃焼生成物、いわゆる黒煙の煤塵の発生を大きく低減することができるとともに、排気ガス中に含まれる有害な化学物質の生成を大幅に抑制することができ、大気に放出される排気ガス中のNOxや煤塵などをより効果的に低減することができる。
また、本実施形態によれば、エマルジョン燃料として、燃料2に清水4を加えて使用するため、燃料消費量が少なくてすむ利点も得られる。
なお、本実施形態では2気筒ディーゼルエンジンを例に説明したが、単気筒エンジンあるいは3気筒以上の多気筒エンジンに対しても、同様に適用できることは勿論である。
[第9実施形態(第18図)]
本発明の第9実施形態では、ディーゼルエンジン30に発電機を取り付けた構成について説明する。第18図は、本実施形態によるディーゼルエンジンを示す構成図であり、第1実施形態と同一構成部分については第1図と同一符号を付している。なお、第1実施形態と同一構成部分についての重複説明は省略する。
第18図に示すように、ディーゼルエンジン30の回転軸40にフランジ41を介して発電機42の回転軸43が連結されている。発電機42には、送電用ケーブル44を介して電力変換器45が接続され、この電力変換器45により発生電力が常用電圧(100v)に変換され、出力端子46等に出力される。
また、電力変換器45には電源ケーブル47を介して高周波電源装置24が接続され、発電機42で発電した電力の一部を、高周波振動発生装置20の振動用電源として適用できるようになっている。
さらに、本実施形態では、燃料2および清水4の供給量を制御するための燃料流量調整弁7および水流量調整弁9とが自動弁として構成されている。これらの燃料流量調整弁7、水流量調整弁9および高周波電源装置24は、コントローラ48にそれぞれ信号線49a,49b,49cを介して接続され、このコントローラ48によって制御可能とされている。そして、これらのコントローラ48、燃料流量調整弁7および水流量調整弁9は、電力変換器45に別の電源ケーブル50,51によって接続され、電力変換器45からの電流を駆動用電源として作動するようになっている。
このような構成の本実施形態によれば、第8実施形態と同様の効果に加え、エンジンによる発生電力の一部を、エマルジョン燃料生成のための制御用電力および操作用電力として使用することができるため、外部からの電力供給を必要とすることなく、エンジン運転を行うことが可能となるという経済的および構成簡素化等の面での利点、および車両・船舶等の移動手段として適用する場合に移動体自体での電力自給が可能となる利点が得られる等の効果が奏される。
[第10実施形態(第19図)]
本発明の第10実施形態では、燃料装置の変形例として、一つのエマルジョン燃料生成タンクに複数のキャビテーション発生部を設けた構成について説明する。すなわち、この燃料装置では、高周波で振動する振動子自体を振動体として適用し、振動体を複数段設けるとともに、その各振動体に燃料および清水の混合液の流路を交互に設け、1回の処理において複数回のキャビテーション処理を施す構成としたものである。第19図は、本実施形態による燃料装置の構成を示す断面図である。
この第19図に示すように、本実施形態では、エマルジョン燃料生成タンク10が所定軸長の筒状空間を有する構成とされており、例えば軸心が縦方向に配置され、これによりエマルジョン燃料生成タンク10内に縦長な流路57が形成されている。エマルジョン燃料生成タンク10の上端部には流路57に通じる燃料入口58aおよび水入口58bが設けられ、下端部にはエマルジョン燃料出口59が設けられている。そして、燃料供給ポンプ6から供給される燃料2および水供給ポンプ9から供給される清水4が燃料入口58aおよび水入口58bから導入された後、エマルジョン燃料生成タンク10内を流動してエマルジョン燃料出口59から排液管17を介して連続的に排出され、流量調整弁60を経て、燃焼器(例えばディーゼルエンジン30)に供給されるようになっている。
エマルジョン燃料生成タンク10の中心位置には縦長な柱状のガイドロッド61がエマルジョン燃料生成タンク10の上下端に亘って挿入され、このガイドロッド61は例えばその上端に設けたフランジ62をボルト63等によって締結することによりエマルジョン燃料生成タンク10に固定されている。ガイドロッド61の外周部には複数の短筒状の弾性支持体64が略等間隔で嵌合されており、これらの弾性支持体64間に位置して、ガイドロッド61に磁歪材料からなる複数のディスク状の振動子65が所定間隔で段状に嵌合されている。そして、これらの振動子65が、ガイドロッド61の軸方向、すなわち燃料の流動方向である上下方向に沿い、弾性支持体64にそれぞれ上下方向から支持された状態で上下動可能とされている。なお、各振動子65の外周縁と流路57を形成するエマルジョン燃料生成タンク10の内周面との間には、これらの接触防止のため僅かな幅の間隙dが設けられている。
各振動子65には、燃料2と清水4との混合液11を上下方向に通過し得る通液用の孔、例えば小径孔66が振動子65の中心側と外周側とに交互に位置を異ならせて、すなわち上下に隣接する振動子65同士に対して内外周に異なる配置で穿設されている。そして、エマルジョン燃料生成タンク10内には、各振動子65の周囲に位置して、高周波電流用のコイル67が設けられている。これらのコイル67に、高周波電源装置24から電源ケーブル25を介して振動用電流が供給され、発生する高周波の磁場によって各振動子65に上下方向の振動が発生するようになっている。なお、高周波電源装置24では、前記各実施形態と同様に、商用電源、車両用バッテリまたは自給用発電機等からの電力供給により高周波電流を発生する。
このような構成の本実施形態においては、高周波電源装置24から高周波電流が各コイル67に供給され、高周波電流が各コイル67にて高周波の磁力を発生させる。これらの発生磁場により、その内側に配置されている各振動子65が軸方向に収縮と伸長とを繰返し、その収縮と伸長とが振動子65の表面であるキャビテーション発生部に伝達され、キャビテーション発生部が高周波で振動を発生する。
この作用により、小径孔66を介して交互に蛇行状態で上方から下方に向って流れる混合液11中に、各振動子65間においてキャビテーション泡29が連続的に形成・崩壊を繰返すことにより衝撃波が連続して発生し、その結果、混合液11に高圧が発生する。よって、本実施形態においては、混合液11が連続的に流動する間に、小径孔66を順次通過するに従ってより均一なエマルジョン燃料12が生成されていく。そして、混合液11における燃料2の高分子鎖が分断されるとともに、清水4の水滴が微細化され、燃焼時に煤塵などが生じ易い高分子成分の組成量が減少した状態でディーゼルエンジン30等の燃焼器に供給される。すなわち、均一かつ微細に混合・撹絆されたエマルジョン燃料12が外部に取り出される。これにより、燃焼器用の燃料として使用した場合に、煤塵などの発生を抑制することができ、排気ガスを浄化したと同等の機能が得られる。
本実施形態によれば、前記各実施形態と同様の効果に加えて、複数の振動子65の間に連続的に混合液11を通過させることにより、キャビテーション泡29の形成・崩壊を繰り返すので、単位体積当りの処理時間を長くすることが可能となる。したがって、燃料2および清水4の供給量を制御することにより、安定した改質処理が効率よく行える。
なお、本実施形態ではエマルジョン燃料生成タンク10の軸心、すなわち燃料2および清水4の混合液11の流動方向を上下方向とした場合について説明したが、この方向は横・斜め方向等、任意の方向に設定することができる。
[第11実施形態(第20図)]
本発明の第11実施形態では、前述した第1〜第7実施形態の液体混合装置を多数組合せた構成について説明する。第20図は、本実施形態による液体混合装置を示す構成図である。
第20図に示すように、本実施形態では、同一の容器70内に、複数の振動板13と複数の反射板14とを並列的に配置し、各振動板13を同時に超音波領域で高周波振動させる構成とされている。これにより、キャビテーション発生領域を広範囲に亘って形成することができる。
したがって、例えば容器70を大型とし、その多くの範囲にキャビテーション発生領域を形成することにより、多量の混合材料を同時に微粒化することが可能となる。
また、容器70を例えば管状としてその軸方向に振動板13および反射板14を配列し、その容器70内の軸方向に沿って混合材料を流動させる構成とすれば、連続的に衝撃波エネルギを与え、超微粒の効果を次第に高める装置として適用することができる。
以上で説明したように、本発明に係る液体混合装置および液体混合方法によれば、キャビテーション効果を極めて効果的に発生させ、これをより有効に利用することができ、特にエマルジョン燃料、工業用液体材料、食品、化粧品もしくは薬品等の液体混合物を、短時間で能率よく超微粒化することができ、超高混合密度化、高品質化を図ることができるとともに、長期間保存しても液体材料の分離が殆ど生じることがない液体混合物を得ることができる。
Claims (16)
- 2種以上の液体同士を混合材料とする液体混合物、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、または前記各液体混合物を組合せたものを生成する液体混合装置であって、前記混合材料が収容される容器と、この容器内に設けられ、少なくとも一面が前記混合材料と一定範囲に亘って接する配置とされる振動体と、この振動体に連結され、この振動体を前記一面と直交する方向に高周波振動させる高周波振動発生装置と、前記容器内に設けられ、前記振動体の前記混合材料に接する面との間に狭隘な空間をあけて対向配置されて当該対向面間に存在する前記混合材料に前記振動体による高周波振動の反射波を生じさせる反射体とを備え、前記振動体と前記反射体とは、前記高周波振動発生装置から付与される前記振動体の高周波振動により、前記振動体が前記反射体から離間する方向に移動する際における減圧作用で前記混合材料にキャビテーション泡を発生させる一方、前記振動体が前記反射体側に向かう方向に移動する際の加圧作用で前記キャビテーション泡を崩壊させ、この崩壊作用に基づく衝撃波エネルギをもって前記キャビテーション泡を微粒化させるとともに、前記混合材料間の拡散を推進させることにより、前記液体混合物を超微粒化および高密度化させる機能を有することを特徴とする液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記高周波振動発生装置による前記振動体の高周波振動領域は、超音波領域に設定されている液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記振動体は、前記混合材料にキャビテーション泡の生成と崩壊とを連続して繰り返させるものである液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記振動発生装置は、圧電型セラミックス振動子または超磁歪材料もしくは磁歪材料により構成された振動子を備え、前記振動体は、前記振動子と一体構造とされ、または前記振動子とは別部材として前記振動子に連結した構造とされている液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記振動体および反射体の少なくとも互いに対向する表面部分が、キャビテーション泡に壊触されにくい高硬度の材料によって構成されている液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記反射体は、前記容器に交換可能に設けられている液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記振動体と前記反射体との間隔は、10mm以下とされている液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記容器は、前記振動体と反射体との間に混合材料を導入する混合材料入口と、前記振動体と反射体との間で衝撃波を受けて微粒化した液体混合物を外部に排出する液体混合物排出口とを有する液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記容器は、前記振動体と反射体との間に混合材料を導入する混合材料入口として、前記反射体の中央位置を貫通する1または複数の孔を有する液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記振動体および反射体の少なくともいずれか一方の対向面に、円錐状の多数のピットを設け、この各ピットから発生する前記衝撃波を、前記振動体と前記反射体との間の空間の一点にそれぞれ焦点部として収束させ、前記焦点部の集合により前記振動体と前記反射体との間に超高衝撃波発生領域を生成させる構成とした液体混合装置。
- 請求の範囲第1項記載の液体混合装置において、前記振動体は、振動方向に沿って対向する配置で複数段設けられ、各段の対向する前記振動体同士は相互に反射体として機能する液体混合装置。
- 請求の範囲第11項記載の液体混合装置において、前記振動体に前記混合材料を蛇行して流通させる流路孔が穿設されている液体混合装置。
- 2種以上の液体同士を混合材料とする液体混合物、液体と気体とを混合材料とする液体混合物、液体と粉体とを混合材料とする液体混合物、または前記各液体混合物を組合せたものを生成する液体混合方法であって、前記混合材料を、高周波振動する振動体とこの振動体に狭隘な空間をあけて対向する反射体とを有する容器内に収容し、前記振動体と前記反射体との間に存在する前記混合材料を、前記高周波振動発生装置から付与される前記振動体の高周波振動により、前記振動体が前記反射体から離間する方向に移動する際における減圧作用で前記混合材料にキャビテーション泡を発生させる一方、前記振動体が前記反射体側に向かう方向に移動する際の加圧作用で前記キャビテーション泡を崩壊させ、この崩壊作用に基づく衝撃波エネルギをもって前記キャビテーション泡を微粒化させるとともに、前記混合材料間の拡散を推進させることにより、前記液体混合物を超微粒化および高密度化することを特徴とする液体混合方法。
- 請求の範囲第13項記載の液体混合方法において、2種以上の液体同士を混合材料として適用する場合、一の液体を重油、軽油、廃油または廃食油とし、他の液体を前記油以外の油、アルコール、前記アルコール以外の溶剤および水から選ばれる一種以上の液体とし、これらの混合により液体燃料を生成する液体混合方法。
- 請求の範囲第13項記載の液体混合方法において、液体と気体とを混合材料として適用する場合、前記液体を食用油もしくは油脂、またはこれらに液状添加剤および香料から選ばれる一種以上の液体を加えたものとする一方、前記気体を空気とし、これらの混合によりクリーム状の食品、化粧品もしくは薬品を生成する液体混合方法。
- 請求の範囲第13項記載の液体混合方法において、液体と粉体とを混合材料として適用する場合、前記液体を工業用、食用、化粧用もしくは薬用の液体原料とし、前記粉体をセラミックス微粉末、食用微粉末、化粧用微粉末もしくは薬用微粉末またはこれらに添加剤を加えたものとし、これらの混合により液体工業用材料、食品、化粧品、または薬品を生成する液体混合方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002199826 | 2002-07-09 | ||
JP2002199826 | 2002-07-09 | ||
PCT/JP2003/008589 WO2004004881A1 (ja) | 2002-07-09 | 2003-07-07 | 液体混合装置および液体混合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2004004881A1 true JPWO2004004881A1 (ja) | 2005-11-04 |
Family
ID=30112483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004519286A Pending JPWO2004004881A1 (ja) | 2002-07-09 | 2003-07-07 | 液体混合装置および液体混合方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7841762B2 (ja) |
EP (1) | EP1552879B1 (ja) |
JP (1) | JPWO2004004881A1 (ja) |
AU (1) | AU2003281265A1 (ja) |
DE (1) | DE60310974T2 (ja) |
WO (1) | WO2004004881A1 (ja) |
Families Citing this family (26)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1878602A (zh) * | 2003-11-28 | 2006-12-13 | 三菱化学株式会社 | 有机化合物微粒的制造方法 |
JP4785429B2 (ja) * | 2005-06-07 | 2011-10-05 | 東芝プラントシステム株式会社 | 無機材料ナノ構造体の加工方法および同加工装置 |
DE102005037490A1 (de) | 2005-08-09 | 2007-02-15 | Leuze Electronic Gmbh & Co Kg | Optischer Sensor |
JP4829617B2 (ja) * | 2006-01-12 | 2011-12-07 | バブコック日立株式会社 | 廃食用油を燃料として利用する方法と装置 |
JP4652238B2 (ja) * | 2006-01-17 | 2011-03-16 | 鐵夫 杉岡 | バイオ・ディーゼル・フューエル・エンジン・システムおよびバイオ・ディーゼル・フューエル・エンジンの運転方法 |
US7930998B2 (en) * | 2006-03-30 | 2011-04-26 | Eric William Cottell | Real time in-line water-in-fuel emulsion apparatus, process and system |
KR100778493B1 (ko) * | 2006-11-28 | 2007-11-28 | 한국엑스오일 주식회사 | 대체 유화연료 및 그 제조방법 |
DE102008006953B4 (de) * | 2008-01-31 | 2010-09-02 | Airbus Deutschland Gmbh | System und Verfahren zur Reduktion von Schadstoffen in Triebwerksabgasen |
EP2310661A4 (en) * | 2008-08-04 | 2011-12-28 | Robert Ryon | METHODS AND SYSTEMS FOR REFORMING FUEL |
BRPI0917036A2 (pt) * | 2008-12-04 | 2018-02-06 | D&Y Laboratories | métodos para produzir um produto e produto contendo clusters de água |
FR2939423B1 (fr) * | 2008-12-09 | 2011-12-09 | Yves Lecoffre | Procede et dispositif de traitement d'au moins un compose transporte dans un liquide |
SG163454A1 (en) * | 2009-01-30 | 2010-08-30 | Neftech Pte Ltd | A method and apparatus for increasing the fuel efficiency of mixed fuels |
GB201000527D0 (en) | 2010-01-13 | 2010-03-03 | Pera Innovation Ltd | Sonication apparatus and method |
IT1402779B1 (it) * | 2010-10-19 | 2013-09-18 | Ecotecne S R L | Apparecchio per la produzione di un'emulsione combustibile |
EP2668389B1 (en) * | 2011-01-24 | 2020-03-11 | Jenkins, Walter P. | System and method for vaporizing a fuel mixture |
JP5829458B2 (ja) * | 2011-08-25 | 2015-12-09 | 株式会社Screenホールディングス | 基板処理装置 |
US8715720B2 (en) * | 2011-09-14 | 2014-05-06 | Scott Murray | Cloud mixer and method of minimizing agglomeration of particulates |
ES2613643T3 (es) | 2011-10-17 | 2017-05-25 | Sandvik Intellectual Property Ab | Método para producir un polvo de carburo cementado o de metal cerámico usando un mezclador acústico resonante |
ES2599641T3 (es) * | 2011-10-17 | 2017-02-02 | Sandvik Intellectual Property Ab | Método para producir un polvo de carburo cementado o de metal cerámico usando un mezclador acústico resonante |
DE102012206399B4 (de) | 2012-04-18 | 2018-01-04 | Egm-Holding-International Gmbh | Verfahren zur Emulsionsbehandlung |
JP6472177B2 (ja) * | 2014-06-11 | 2019-02-20 | 大川原化工機株式会社 | 湿式分散器および微粒子の分散方法 |
JPWO2016059717A1 (ja) * | 2014-10-17 | 2017-09-21 | 株式会社エコプラナ | 炭化水素系燃料の製造方法及びその製造装置 |
KR101814103B1 (ko) * | 2016-05-25 | 2018-01-02 | 부경대학교 산학협력단 | 초음파 스트리밍 및 충격파를 이용한 나노입자 분산장치 |
RU2629342C1 (ru) * | 2016-10-11 | 2017-08-28 | федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Пензенский государственный аграрный университет" | Ультразвуковой смеситель компонентов дизельного смесевого топлива |
CN108219865A (zh) * | 2018-03-07 | 2018-06-29 | 重庆希元盛节能科技有限公司 | 一种醇基燃料自动合成装置 |
KR102534206B1 (ko) * | 2021-02-05 | 2023-05-18 | 이창섭 | 3축 휘핑크림 제조장치 |
Family Cites Families (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB508675A (en) * | 1936-10-24 | 1939-06-26 | Egon Hiedemann | Process for the treatment of liquids containing suspended particles with sound and ultra-sound waves |
US2543818A (en) * | 1945-07-24 | 1951-03-06 | Albert C Wilcox | Vibrating drink mixer |
DE970926C (de) * | 1948-02-05 | 1958-11-13 | Mueller Hans | Vorrichtung zum Mischen, Ruehren usw. von Fluessigkeiten |
US2681798A (en) * | 1950-04-11 | 1954-06-22 | Muller Hans | Device for mixing, stirring, emulsifying, and pumping, and the acceleration of chemical and physical reactions by vibration |
US2828231A (en) * | 1954-03-31 | 1958-03-25 | Gen Electric | Method and apparatus for ultrasonic cleansing |
CH474566A (fr) | 1965-08-05 | 1969-06-30 | Coal Res Inst | Procédé d'homogénéisation d'une huile combustible liquide impure |
US3715104A (en) * | 1970-11-05 | 1973-02-06 | E Cottell | Apparatus for carrying out ultrasonic agitation of liquid dispersions |
US4118797A (en) * | 1977-10-25 | 1978-10-03 | Energy And Minerals Research Co. | Ultrasonic emulsifier and method |
US4259021A (en) * | 1978-04-19 | 1981-03-31 | Paul R. Goudy, Jr. | Fluid mixing apparatus and method |
JPS58163425A (ja) * | 1982-03-25 | 1983-09-28 | Toshiba Corp | 超音波乳化装置 |
US5375926A (en) * | 1992-09-14 | 1994-12-27 | Nihon Techno Kabushiki Kaisha | Apparatus for mixing and dispensing fluid by flutter of vibrating vanes |
JP3396319B2 (ja) * | 1993-12-28 | 2003-04-14 | 浜松ホトニクス株式会社 | 液体処理方法および液体処理装置 |
JP2000024494A (ja) * | 1998-07-13 | 2000-01-25 | Toto Ltd | 超音波処理装置 |
JP3661076B2 (ja) | 1998-11-18 | 2005-06-15 | 株式会社日立製作所 | 化学分析装置 |
JP2001225060A (ja) | 1999-12-08 | 2001-08-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 水処理方法とその装置 |
JP2001276593A (ja) * | 2000-03-29 | 2001-10-09 | Toto Ltd | 超音波溶解装置 |
US20030042326A1 (en) * | 2000-12-22 | 2003-03-06 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Apparatus and method to selectively microemulsify water and other normally immiscible fluids into the fuel of continuous combustors at the point of injection |
-
2003
- 2003-07-07 JP JP2004519286A patent/JPWO2004004881A1/ja active Pending
- 2003-07-07 DE DE60310974T patent/DE60310974T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2003-07-07 US US10/519,396 patent/US7841762B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-07-07 EP EP03741234A patent/EP1552879B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2003-07-07 WO PCT/JP2003/008589 patent/WO2004004881A1/ja active IP Right Grant
- 2003-07-07 AU AU2003281265A patent/AU2003281265A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1552879B1 (en) | 2007-01-03 |
US20050270896A1 (en) | 2005-12-08 |
EP1552879A1 (en) | 2005-07-13 |
DE60310974T2 (de) | 2007-10-11 |
EP1552879A4 (en) | 2006-06-07 |
US7841762B2 (en) | 2010-11-30 |
AU2003281265A1 (en) | 2004-01-23 |
WO2004004881A1 (ja) | 2004-01-15 |
DE60310974D1 (de) | 2007-02-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2004004881A1 (ja) | 液体混合装置および液体混合方法 | |
Lin et al. | Emulsification characteristics of three-and two-phase emulsions prepared by the ultrasonic emulsification method | |
US9416329B2 (en) | Apparatus and process for production of nanobubble liquid | |
US4118797A (en) | Ultrasonic emulsifier and method | |
Lin et al. | Comparison of fuel properties and emission characteristics of two-and three-phase emulsions prepared by ultrasonically vibrating and mechanically homogenizing emulsification methods | |
KR101380585B1 (ko) | 초음파 처리 장치, 및 초음파 처리 챔버 및 방법 | |
AU2003285402A1 (en) | Method and device for making a dispersion or an emulsion | |
JPH08501866A (ja) | 液体燃料の圧力噴霧装置及び方法 | |
JP2006241243A (ja) | 内燃機関用燃料改質装置 | |
CN1147214A (zh) | 用于产生一种受声场作用而使气体部分与液体部分分离的流体的方法及喷嘴 | |
JP5143942B2 (ja) | 微細化混合装置 | |
JP4095861B2 (ja) | 改質燃料用ディーゼルエンジン | |
RU2488432C2 (ru) | Способ создания водотопливной эмульсии | |
JP2006322463A (ja) | 燃料改質装置および燃料改質方法 | |
JP4879232B2 (ja) | 微細化混合装置 | |
RU2726488C2 (ru) | Гидростабилизированное топливо, способ его получения и теплоэнергообменный реактор | |
JP4284061B2 (ja) | 液体混合装置 | |
RU2619783C1 (ru) | Акустический смеситель | |
RU26197U1 (ru) | Гидродинамический диспергатор | |
JP3423984B2 (ja) | 液体混合装置 | |
KR200227912Y1 (ko) | 초음파를 이용한 액체 유화기 | |
JP3178958U (ja) | 液体混合装置 | |
RU56506U1 (ru) | Устройство для воздействия на поток текучей среды | |
RU2084681C1 (ru) | Генератор кавитации-3 | |
RU18238U1 (ru) | Устройство для диспергирования смесей |