JPWO2003107332A1 - 情報記録装置および情報記録方法 - Google Patents

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Abstract

記録信号に基づいて、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号が生成され、これに基づいて光源が制御され、レーザパルスが記録媒体に照射されることにより、記録信号に対応する記録マークが記録媒体上に形成される。かかる記録パルス信号の生成処理において、記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるときには、トップパルスの位置を記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときのトップパルスの位置より前方にシフトさせる。これにより、高速記録時においても適切な形状の記録マークを形成することができる。

Description

技術分野
本発明は、レーザ光線などを利用して光ディスクに情報を記録する技術に属する。
背景技術
DVD−R(DVD−Recordable)、DVD−RW(DVD−Re−recordable)などの書き込み又は書き換え可能な光ディスクには、ディスクの記録面上にレーザ光を照射して情報を記録する。光ディスクの記録面上のレーザ光が照射された部分は、温度が上昇するために光ディスクを構成する光記録媒体に変化が生じ、これにより記録マークが記録面上に形成される。
よって、記録すべき情報に応じた時間幅を有する記録パルスでレーザ光を変調して記録すべき信号に応じた長さのレーザパルスを生成し、これを光ディスクに照射することにより、記録すべき情報に応じた長さの記録マークを光ディスク上に形成することができる。
一方、最近では1つの記録マークを1つのレーザパルスで形成するのではなく、複数の短いパルスを含むパルス列部(パルストレインとも呼ばれる)により記録マークを形成するレーザパワーの制御手法が利用されている。このような手法はライトストラテジーとも呼ばれ、単一の記録パルスを照射する方法に比べて、光ディスクの記録面上における熱蓄積が減少するので、記録マークが形成される記録面上の温度分布を均一化することができる。その結果、記録マークが涙滴形状となることを防止して好ましい形状の記録マークを形成することができる。
上記の記録パルス列は、所定のリード(読取)パワーレベルとライト(書き込み又は記録)パワーレベルとの間で振幅が変動する複数のパルスにより構成されている。即ち、記録信号に従って、記録マークを形成しない光ディスクの記録面上の領域(以下、「スペース部」とも呼ぶ。)ではリードパワーでレーザ光が記録面上に照射され、記録マークを形成すべき光ディスクの記録面上の領域(以下、「マーク部」とも呼ぶ。)では、リードパワーとライトパワーの間で振幅が変化する記録パルス列に応じたパワーでレーザ光が記録面上に照射され、それにより記録マークが記録面上に形成される。
上述のライトストラテジーによる記録パルス波形の一例を図15に示す。図15の例は記録データのうち7Tのマークを記録する部分の記録パルス波形である。図示のように、記録パルスは、1つのトップパルス90と、それに続く複数のパルス91からなるパルストレイン(「マルチパルス」とも呼ばれる)92により構成される。トップパルス90は例えば1.5Tのパルス幅を有し、それに続くパルストレイン92の各パルス91は例えば0.5Tのパルス幅を有する。トップパルス90及びパルストレイン92はともにライトパワーPwとリードパワーPrの2値の間で振幅が変化するパルスである。
トップパルス90は、マークの記録のために光ディスクの記録面を予熱及びマーク始端部を形成する役割を有し、1.5Tのパルス幅のトップパルス90に対応する記録レーザを照射することにより、光ディスクの記録面を融点まで導く。その後、それに続くパルストレイン92により所望の長さのマークを記録面に形成する。パルストレイン92は例えばパルス幅0.5Tの複数のパルス91(オン期間及びオフ期間を含む1周期は1T)の連続により構成される。これにより、光ディスクの記録面は、0.5Tのレーザ照射、0.5Tの急冷、0.5Tのレーザ照射、...が繰り返され、形成されるマークの長さが制御される。
図15に例示する記録パルス波形を使用する方法では、記録すべきマーク長をnとすると、記録パルスは1つのトップパルス90と、(n−3)個のパルス91を含むパルストレイン92とにより構成される。記録すべきマーク長に応じて、上述のような記録パルスを生成して記録レーザを駆動することにより、光ディスクの記録面上に所望の長さのマーク記録が行われる。
近年、DVD−Rドライブなどのコンピュータ周辺機器においては、高速転送レートが要望されている。高速転送レートを得るためには、ディスク回転速度(線速度)を上げる必要があり、これに伴って記録時のレーザパワーも引き上げる必要がある。
しかし、図15の例をはじめとする各種記録方法では、一般的に記録レーザパワーの引き上げに伴って記録マークの幅が広がってしまう。記録マークの幅が広がってしまうと、以下のような問題が生じる。
DVD−Rディスクにおいては、記録トラック(グルーブ)は一定の周波数でウォブリングされ、また記録トラックの間のランドトラックにはランドプリピット(Land Pre−Pit:以下、「LPP」という。)と呼ばれるアドレスピットが形成されている。このウォブリングとLPPにより、記録中のディスク回転制御や記録クロックの生成、また記録アドレス等のデータ記録に必要な情報を得ることができるようになっている。しかし、記録マークの幅が広がってしまうと、記録マークがランドやLPP上の記録膜にまで及び、LPPを変形させたり、つぶしてしまったりする場合がある。その結果、記録再生装置がLPPを検出できなくなり、ディスクに対する記録・再生が不可能となってしまう。
また、DVD+Rと呼ばれるタイプのディスクでは、記録マークの幅が広がってしまうと、ウォブル信号の記録信号への漏れ込みが生じ、信号品質を悪化させると共に、ウォブル信号に変調されているアドレス信号が読み出されなくなってしまう。
発明の開示
本発明は、高速記録時においても適切な形状のマークを記録することが可能な情報記録装置及び情報記録方法を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点によれば、記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、前記レーザ光を出射する光源と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせる。
また、同様の観点によれば、光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせる。
上記の情報記録装置及び方法によれば、例えばDVD−Rなどの記録媒体に対して、レーザ光を照射して記録マークを形成することにより情報を記録する。この際、少なくとも2種類の速度で記録を行うことができ、第1の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第1の回転速度で回転駆動され、それより速い第2の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第2の回転速度で回転駆動される。記録信号に基づいて生成される記録パルス信号は、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む。生成された記録パルス信号に基づいて光源が制御され、レーザパルスが記録媒体に照射されることにより、記録信号に対応する記録マークが記録媒体上に形成される。
ここで、記録パルス信号の生成処理においては、記録媒体が第2の回転速度で回転駆動されるときには、トップパルスの位置を記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときのトップパルスの位置より前方にシフトさせる。第1の回転速度より高速の第2の回転速度で記録媒体が駆動される高速記録時において、トップパルスの位置を前方にシフトすることにより、記録媒体上に形成される記録マークが短くなることを防止することができる。その結果、高速記録時においても適切な形状の記録マークを形成することができる。
上記の情報記録装置及び方法においては、前記トップパルスのシフト量は、0.1〜2.0Tの間の値であることが好ましい。
上記の情報記録装置及び方法の他の一態様では、前記信号生成手段は、前記第1の振幅を、前記第2の振幅の1.1〜2.0倍の間の値とすることが好ましい。
本発明の他の観点によれば、記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、前記レーザ光を出射する光源と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記ラストパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記ラストパルスの位置より後方にシフトさせる。
また、本発明の同様の観点によれば、光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記ラストパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記ラストパルスの位置より後方にシフトさせる。
上記の情報記録装置及び方法によれば、例えばDVD−Rなどの記録媒体に対して、レーザ光を照射して記録マークを形成することにより情報を記録する。この際、少なくとも2種類の速度で記録を行うことができ、第1の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第1の回転速度で回転駆動され、それより速い第2の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第2の回転速度で回転駆動される。記録信号に基づいて生成される記録パルス信号は、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む。生成された記録パルス信号に基づいて光源が制御され、レーザパルスが記録媒体に照射されることにより、記録信号に対応する記録マークが記録媒体上に形成される。
ここで、記録パルス信号の生成処理においては、記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるときには、ラストパルスの位置を記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときのラストパルスの位置より後方にシフトさせる。第1の回転速度より高速の第2の回転速度で記録媒体が駆動される高速記録時において、ラストパルスの位置を後方にシフトすることにより、記録媒体上に形成される記録マークが短くなることを防止することができる。その結果、高速記録時においても適切な形状の記録マークを形成することができる。
上記の情報記録装置及び方法においては、前記ラストパルスのシフト量は、0.1〜2.0Tの間の値であることが好ましい。
上記の情報記録装置及び方法の他の一態様では、前記信号生成手段は、前記第1の振幅を、前記第2の振幅の1.1〜2.0倍の間の値とすることが好ましい。
本発明のさらに他の観点では、記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、前記レーザ光を出射する光源と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、1つ又は複数のパルスにより構成されるとともに前記トップパルスに続くパルス列部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせる。
また、同様の観点では、光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、1つ又は複数のパルスにより構成されるとともに前記トップパルスに続くパルス列部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせる。
上記の情報記録装置及び方法によれば、例えばDVD−Rなどの記録媒体に対して、レーザ光を照射して記録マークを形成することにより情報を記録する。この際、少なくとも2種類の速度で記録を行うことができ、第1の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第1の回転速度で回転駆動され、それより速い第2の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第2の回転速度で回転駆動される。記録信号に基づいて生成される記録パルス信号は、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、1つ又は複数のパルスにより構成されるとともに前記トップパルスに続くパルス列部とを含む。生成された記録パルス信号に基づいて光源が制御され、レーザパルスが記録媒体に照射されることにより、記録信号に対応する記録マークが記録媒体上に形成される。
ここで、記録パルス信号の生成処理においては、記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるときには、トップパルスの位置を記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときのトップパルスの位置より前方にシフトさせる。第1の回転速度より高速の第2の回転速度で記録媒体が駆動される高速記録時において、トップパルスの位置を前方にシフトすることにより、記録媒体上に形成される記録マークが短くなることを防止することができる。その結果、高速記録時においても適切な形状の記録マークを形成することができる。
上記の情報記録装置及び方法においては、前記ラストパルスのシフト量は、0.1〜1.5Tの間の値であることが好ましい。
上記の情報記録装置及び方法の他の一態様では、前記信号生成手段は、前記パルス列部のデューティ比を、0.3〜0.9の間の値とすることが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1に、本発明の実施形態にかかる情報記録再生装置の全体構成を概略的に示す。情報記録再生装置1は、光ディスクDに情報を記録し、また、光ディスクDから情報を再生するための装置である。光ディスクDとしては、例えば1回に限り記録が可能なCD−R(Compact Disc−Recordable)又はDVD−R、複数回にわたって消去及び記録が可能なCD−RW(Compact Disc−Rewritable)又はDVD−RWなどの種々の光ディスクを使用することができる。
情報記録再生装置1は、光ディスクDに対して記録ビーム及び再生ビームを照射する光ピックアップ2と、光ディスクDの回転を制御するスピンドルモータ3と、光ディスクDへの情報の記録を制御する記録制御部10と、光ディスクDに既に記録されている情報の再生を制御する再生制御部20と、スピンドルモータ3の回転を制御するスピンドルサーボ、並びに光ピックアップ2の光ディスクDに対する相対的位置制御であるフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを含む各種サーボ制御を行うためのサーボ制御部30と、を備える。
記録制御部10は記録信号を受け取り、後述の処理により光ピックアップ2内部のレーザダイオードを駆動するための駆動信号SDを生成して、これを光ピックアップ2へ供給する。
再生制御部20は、光ピックアップ2から出力される読取RF信号Srfを受け取り、これに対して所定の復調処理、復号化処理などを施して再生信号を生成して出力する。
サーボ制御部30は、光ピックアップ2からの読取RF信号Srfを受け取り、これに基づいてトラッキングエラー信号及びフォーカス信号などのサーボ信号S1を光ピックアップ2へ供給するとともに、スピンドルサーボ信号S2をスピンドルモータ3へ供給する。これにより、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ、スピンドルサーボなどの各種サーボ処理が実行される。
なお、本発明は主として記録制御部10における記録方法に関するものであり、再生制御及びサーボ制御については既知の種々の方法が適用できるので、それらについての詳細な説明は行わない。
また、図1には本発明の1つの実施形態として情報記録再生装置を例示しているが、本発明は記録専用の情報記録装置に適用することも可能である。
図2に、光ピックアップ2及び記録制御部10の内部構成を示す。図2に示すように、光ピックアップ2は、光ディスクDに対して情報を記録するための記録ビーム及び光ディスクDから情報を再生するための再生ビームを生成するレーザダイオードLDと、レーザダイオードLDから出射されたレーザ光を受光して、レーザ光に対応するレーザパワーレベル信号LDoutを出力するフロントモニタダイオード(FMD)16とを備える。
なお、光ピックアップ2は、この他に再生ビームの光ディスクDによる反射ビームを受光して読取RF信号Srfを生成するための光検出器や、記録ビーム及び再生ビーム並びに反射ビームを適切な方向に案内する光学系などの既知の構成要素を備えるが、それらの図示及び詳細な説明は省略する。
一方、記録制御部10は、レーザダイオード(LD)ドライバ12と、APC(Automatic Power Control)回路13と、サンプルホールド(S/H)回路14と、コントローラ15とを備える。
LDドライバ12は、記録信号に応じた電流をレーザダイオードLDに供給して、光ディスクDへ情報の記録を行う。フロントモニタダイオード16は、光ピックアップ2内のレーザダイオードLDの近傍に配置され、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光を受光して、そのレベルを示すレーザパワーレベル信号LDoutを出力する。
サンプルホールド回路14は、サンプルホールド信号APC−S/Hにより規定されるタイミングでレーザパワーレベル信号LDoutのレベルをサンプルし、ホールドする。APC回路13は、サンプルホールド回路14の出力信号に基づき、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光のリードパワーレベルが一定となるようにLDドライバ12のパワー制御を行う。
コントローラ15は、主として記録動作とAPC動作とを行う。まず、記録動作について説明する。記録動作では、コントローラ15はレーザダイオードLDへ供給される電流量を制御するスイッチの切換信号SWR、SWW1及びSWW2を生成して、LDドライバ12へ供給する。
図3にLDドライバ12の詳細構成を示す。図3に示すように、LDドライバ12は、リードレベル用の電流源17R、ライトレベル用の電流源17W1及び17W2、スイッチ18R、18W1及び18W2を備える。
リードレベル用の電流源17Rは、レーザダイオードLDにリードパワーでレーザ光を出射させるための駆動電流IRを流す電流源であり、駆動電流IRはスイッチ18Rを介してレーザダイオードLDに供給される。よって、スイッチ18RをオンにするとレーザダイオードLDにリードパワーの駆動電流IRが供給され、スイッチ18Rをオフにすると駆動電流IRの供給は停止される。電流源17Rからの駆動電流IRの大きさは、制御信号SAPCにより変化する。
ライトレベル用の電流源17W1及び17W2は、それぞれレーザダイオードLDにライトパワーでレーザ光を出射させるための駆動電流IW1及びIW2を流す電流源である。駆動電流IW1はスイッチ18W1を介してレーザダイオードLDに供給され、駆動電流IW2はスイッチ18W2を介してレーザダイオードLDに供給される。
本発明によるライトストラテジーでは、第1のライトパワーPhと、それより低い第2のライトパワーPmの2つのレベルのライトパワーが使用される(図5参照)。スイッチ18Rをオンにした状態で、スイッチ18W1をオンにすると、レーザダイオードLDに駆動電流IR及びIW1の合計駆動電流が供給され、これにより第2のライトパワーPmでレーザダイオードが駆動される。また、スイッチ18R及び18W1をオンにした状態でさらにスイッチ18W2をオンにすると、レーザダイオードLDにはさらに駆動電流IW2が供給され、その結果、レーザダイオードには駆動電流IR、IW1及びIW2の合計の駆動電流が流れてレーザダイオードは第1のライトパワーPhで駆動される。スイッチ18W1をオフにすると駆動電流IW1の供給は停止され、スイッチ18W2をオフにすると駆動電流IW2の供給は停止される。
図4に、レーザダイオードLDに供給される駆動電流と、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光の出力パワーとの関係を示す。図4からわかるように、レーザダイオードLDに駆動電流IRを供給すると、リードパワーPRでレーザ光が出射される。その状態でさらに駆動電流IW1を加えると、第2のライトパワーPmでレーザ光が出射される。また、さらに駆動電流IW2を加えると、第1のライトパワーPhでレーザ光が出射される。
光ディスクへの情報の記録時には、基本的には駆動電流IRを常に供給してリードパワーPRでレーザ光を出射しておき、さらに記録パルスに従って駆動電流IW1及びIW2を追加することにより第1のライトパワーPh又は第2のライトパワーPmが印加されて、情報が光ディスクに記録される。
次に、APC動作について説明する。APC動作は、レーザダイオードLDにより出力されるレーザ光のリードパワーのレベルが一定となるように、LDドライバ12からレーザダイオードLDに供給される駆動電流レベルを調整するものである。より詳細には、記録信号(8−16変調されており、3T〜11T、14Tの長さのマーク期間及びスペース期間を有する)のスペース部のうち、長いスペース期間(例えば5T〜11T、14Tのスペース期間)中において、リードパワーのレベルが一定となるように記録制御部10からの駆動信号SDを調整する。
具体的には以下のように動作する。コントローラ15は、上述のように記録信号に対応する記録パルスを生成して、当該記録パルスによってLDドライバ12を駆動してレーザダイオードLDからレーザ光を出射させる。
フロントモニタダイオード16は、光ピックアップ2内のレーザダイオードLDの近傍に配置され、レーザダイオードLDから出射したレーザ光を受光してそのレベルを示すレーザパワーレベル信号LDoutを生成し、サンプルホールド回路14に供給する。
サンプルホールド回路14は、コントローラ15から入力されるサンプルホールド信号APC−S/Hにより与えられるタイミングで、フロントモニタダイオード16から供給されるレーザパワーレベル信号LDoutをサンプルし、そのレベルを所定期間ホールドする。コントローラ15から出力されるサンプルホールド信号APC−S/Hは、APCを実行する期間(「APC期間」と呼ぶ。)を示すパルスである。
よってサンプルホールド回路14は、記録信号のスペース期間中のAPC期間においてレーザパワーレベル信号LDoutのレベルをホールドしてAPC回路13へ供給する。APC回路13は、APC期間におけるレーザパワーレベル信号LDoutのレベルが一定となるように、LDドライバ12へ制御信号SAPCを供給する。
制御信号SAPCは、図3に示すように、LDドライバ12内のリードレベル用電流源17Rに入力される。これにより、制御信号SAPCに応じて、リードレベル用電流源17Rから流れる電流IRが変化する。つまり、レーザダイオードLDにより得られるリードパワーレベルが一定となるようにAPCが実行される。
[ライトストラテジー]
次に、本発明によるライトストラテジーについて説明する。
(基本ライトストラテジー)
まず、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形を図5に示す。図5に示すように、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形は、トップパルス40、中間バイアス部41及びラストパルス42の3つの部分により構成される。また、これらの部分以外においては、記録パルス波形はリードパワーPRのレベルに維持されている。
基本ライトストラテジーは、2値のライトパワーを使用している。トップパルス40及びラストパルス42は第1のライトパワーPhを有し、中間バイアス部41は第2のライトパワーPmを有している。第2のライトパワーPmはリードパワーPRより高いが、第1のライトパワーPhより低く設定される。
トップパルス40はマーク記録のために光ディスクの記録面を予熱し、マーク始端部を形成する役割を有する。中間バイアス部41は記録データの長さに応じてその時間幅が変化する。ラストパルス42は主としてマークの後端部の形状を調整する役割を有する。また、基本的には、形成される記録マークの長さはトップパルス幅Ttop、ラストパルス幅Tlp、トップパルス前端部からラストパルス後端部までの幅Tp及び第1のライトパワーPhにより制御され、形成される記録マークの幅は第2のライトパワーPmにより制御される。
図6に、記録すべき各マーク長に対応する記録パルス波形を示す。記録データは8−16変調されており、3T〜11T、14Tの長さのマーク期間及びスペース期間を有する。図示のように、記録パルス波形の前方エッジはマーク長にかかわらず常に記録データの前方エッジから1.5T遅れた位置にある。3T及び4Tの記録データの記録パルス波形は中間バイアス部41を有さず、トップパルス40とラストパルス42とが合成された形で1つのパルスとなっている。このパルスのパワーはトップパルス及びラストパルスと同じ第1のライトパワーPhである。
記録データが5T以上の場合は、それぞれの長さに応じて中間バイアス部41の長さが増加する。トップパルス40とラストパルス42のパルス幅は基本的にはそれぞれほぼ一定であり、中間バイアス部41のように記録データ長に応じて大きく変化させなくても良い。
なお、図6の例においては、記録データが4Tの場合もトップパルスとラストパルスが合成した1つのパルス波形としているが、図6中の破線100で示すように、記録データが4Tの場合は中間バイアス部を設けるように記録パルス波形を決定することもできる。
また、記録速度を高速化した場合には、その分クロックも高速化するので、3T及び4Tの記録データのみならず、5T以上の記録データについても、中間バイアス部が無くなった単一パルス型の記録パルス波形としても良い。
(改良型ライトストラテジー)
次に、本発明の改良型ライトストラテジーについて説明する。改良型ライトストラテジーは、上述の基本ライトストラテジーを基礎とし、さらに高速記録を行う際に適したものである。例えば、2種類以上の異なる速度で記録を行うことができる情報記録装置において、上述の基本ライトストラテジーを利用して通常速度の記録を行い、以下に説明する改良型ライトストラテジーを利用して通常速度よりも高速な記録を行うことができる。
高速記録を行うためにディスク回転速度を増加させる場合、正しく記録マークを形成するためには、その分記録レーザパワーも増加しなければならない。しかし、記録レーザパワーをあまりに増加すると、ディスクの記録トラックに形成される記録マークの幅が必要以上に広くなり、LPPの検出に支障が出るなどの不具合が生じる。本発明の改良型ライトストラテジーは、高速記録用にディスク回転速度を増加した場合でも、適切な幅の記録マークを形成することを可能とする。
先に述べたように、基本ライトストラテジーにおいて、形成される記録マークの幅に最も影響を与えるのは中間バイアス部41のライトパワーPmである。よって、ライトパワーPmを下げれば、記録マークの幅が小さくなり変調度を下げることができる。なお、変調度とは、最長スペース部(14Tスペース)に対する再生信号のピーク値とゼロレベルとの差I14Hと、最長記録マークと最長スペースに対する再生信号の振幅I14の比(I14/I14H)を示す値であり、DVD−R規格書によれば、変調度:0.60(60%)以上が要求されている。
しかし、中間バイアス部41のライトパワーPmのみを下げて変調度を小さくすると、再生波形に歪みが生じ、記録・再生におけるジッタの増加、記録マークの読取エラーの増加、エラーレートの増加などの問題が生じる。また、歪んだ再生波形を利用して再生処理を行うと記録データの誤検出の可能性が増加する。さらに、中間バイアス部41のライトパワーPmのみを下げて記録を行うと、ディスク上に形成される記録マークの形状は、トップパルス40とラストパルス42に対応する先端部と後端部では幅広で、中間バイアス部41に対応する中間部分のみ幅が狭くなった形状となり、幅広である先端部と後端部でやはりLPPの形状に悪影響を与えてしまう。
このような不具合を解消するために、中間バイアス部41のライトパワーPmのみでなく、トップパルス40とラストパルス42に対応するライトパワーPhのレベルも減少させれば、再生波形の歪みを抑えることができる。しかし、前述のようにトップパルス40とラストパルス42に対応するライトパワーPhは、形成される記録マークの長さに影響を与える。よって、再生波形の歪みを抑制するために、トップパルス40とラストパルス42に対応するライトパワーPhを小さくすると、記録マークの長さが短くなってしまい、記録データの誤検出が生じる恐れがある。
そこで、本発明の改良型ライトストラテジーでは、トップパルス40の位置を所定量だけ前方にシフトすること、又は、ラストパルス42の位置を所定量だけ後方にシフトすることによりトップパルス前端部からラストパルス後端部までの幅Tpを大きくし、記録マークの長さが短くなることを防止することとした。即ち、本発明の改良型ライトストラテジーでは、
(改良点1):トップパルス40の位置を所定量だけ前方にシフトする、又は、ラストパルス42の位置を所定量だけ後方にシフトすること、及び、
(改良点2):中間バイアス部41に対応するライトパワーPmを減少させること、を同時に行うこととした。
また、上記の2つに加え、必要に応じて、
(改良点3):トップパルス40及びラストパルス42に対応するライトパワーPhを小さくすることも併せて行う。
この改良型ライトストラテジーによれば、中間バイアス部41のライトパワーPmを減少させることにより、記録マークの幅の広がりを抑制する。ライトパワーPmを減少させると再生波形に歪みが生じるが、トップパルス40及びラストパルス42に対応するライトパワーPhを必要に応じて減少させてこの歪みを抑制する。また、ライトパワーPhを減少させると記録マーク全体の長さが短くなるが、その分、トップパルス40の位置を前方にシフトするか、又はラストパルス42の位置を後方へシフトして、形成される記録マークの全体の長さを適正な長さに保つ。以上により、高速記録時において、記録レーザパワーを増加させた場合でも、記録マークの幅が増大することを防止し、かつ、歪みの発生も抑制することができる。
図7に、本発明の改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形の例を示す。図7(a)は記録データの波形であり、図7(b)は基本ライトストラテジーによる記録パルス波形であり、図7(c)及び図7(d)は改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形の例であり、図7(e)はクロック波形である。
図7(c)に示す改良型ライトストラテジーの記録パルス波形は、図7(b)に示す基本ライトストラテジーの記録パルス波形と比較して、トップパルス40の位置が0.5Tだけ前方へシフトしている。なお、このシフト量は単なる一例であり、光ディスクに応じて0.1〜1.5Tの間の値を取り得る。また、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmは、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形中間バイアス部41のライトパワーPmよりも小さくなっている。更に、改良型ライトストラテジーによるトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhは、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhよりも小さくなっており、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmの1.1〜2.0倍の間を取り得る。
一方、図7(d)に示す改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形例は、図7(b)に示す基本ライトストラテジーによる記録パルス波形例と比較して、ラストパルス42の位置が0.5Tだけ後方にシフトしている。なお、このシフト量は単なる一例であり、光ディスクに応じて0.1〜1.5Tの間の値を取り得る。また、中間バイアス部41のライトパワーPmが、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形中間バイアス部41のライトパワーPmよりも小さくなっており、更に、記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhが、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhよりも小さくなっており、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmの1.1〜2.0倍の間を取り得ることは、図7(c)に示す記録パルス波形例と同様である。
なお、本発明の改良型ライトストラテジーでは、トップパルス40及びラストパルス42に対応するライトパワーPhを減少させること(即ち、改良点3)は必須ではない。基本的には、中間バイアス部41のライトパワーPmを下げる量が大きい場合には、それに応じてライトパワーPhをある程度下げないと信号波形の歪みが大きくなってしまうという事実がある。本発明においては、ライトパワーPhを下げるか否か、又は、下げる場合にどの程度下げるかは、改良点1によりトップパルス又はラストパルスをシフトさせる量、及び、改良点2により中間バイアス部のライトパワーPmを減少させる量に依存して決定されることになる。
図8に、本発明の改良型ライトストラテジーによる記録データ3T〜11T及び14Tに対応する記録パルス波形を示す。なお、比較のため、同記録速度における基本ライトストラテジーによる3T〜11T及び14Tの記録パルス波形を破線で示している。なお、本改良型ライトストラテジーによれば、3Tと4Tの記録データに対する記録パルス波形が中間バイアス部を持たないが、中間バイアス部を設けても良い。また、高速記録時の速度が高まる(例えば6倍速、8倍速、..)に従って、より長い記録データ(例えば5T、6T、..)に対する記録パルス波形まで、中間バイアス部を有しない波形としても良い。
なお、図7に示した例では、7Tの記録マークに対応する記録パルス波形において0.5Tだけトップパルスを前方にシフトしているが、このシフト量は単なる一例であり、上述したように光ディスクに応じて0.1〜1.5Tの間の値を取り得る。但し、トップパルス40の位置を前方にシフトする場合でも、トップパルスの前エッジが記録データの前エッジより前方に位置することはない。また、図8に示した3T〜11T及び14Tの記録パルス波形においては、トップパルスのシフト量は同一であるが、各記録パルスの長さに応じて同一の割合でトップパルスをシフトさせてもよい。
次に、図9を参照して、改良型ライトストラテジーにより得られる特性を、基本ライトストラテジーを利用した比較例により得られる特性と比較して検討する。図9(a)〜(d)に示した特性グラフにおいて、STG1は図7(b)に例示する基本ライトストラテジーによる記録パルス波形を使用した場合の特性を示す。STG2は同じ基本ライトストラテジーによる記録パルス波形において、中間バイアス部41のライトパワーPmを低下させ、トップパルス40及びラストパルス42のパルス幅を長くした比較例の特性である。STG3は同じ基本ライトストラテジーによる記録パルス波形において、中間バイアス部41のライトパワーPmをSTG2の場合よりさらに低下させ、トップパルス40及びラストパルス42のパルス幅をSTG2の場合よりさらに長くした比較例の特性である。
一方、STG4は、図7(c)に例示する改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形であり、トップパルス40の位置を0.5Tだけ前方にシフトするとともに中間バイアス部41のライトパワーPmを低下させた場合の特性である。また、STG5は同じく改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形であるが、トップパルス40の位置を1.0Tだけ前方にシフトし、中間バイアス部41のライトパワーPmをSTG4の場合よりさらに低下させた場合の特性である。
図9(a)及び図9(b)では、横軸は中間バイアス部のライトパワーPmを示し、縦軸は変調度(Modulation)を示している。また、図9(c)及び図9(d)では、横軸は同じく中間バイアス部のライトパワーPmを示し、縦軸はARを示している。AR(Aperture Ratio after recording)は、図10に示すように、記録後におけるプッシュプル信号に現れるLPP信号の最大値AP(max)と最小値AP(min)との比(AP(max)/AP(min))であり、LPPの品質を示す値である。このARの値が大きいほど、形成される記録マークが隣接するランド上のLPPに影響を与えることが小さいことを意味する。DVD−Rディスクの規格書によれば、AR>15%が要求されており、DVD−RWディスクの規格書によれば、AR>10%が要求されている。
図9(a)と図9(b)を比較するとわかるように、改良型ライトストラテジーによる特性STG4及びSTG5では、中間バイアス部のライトパワーPmを低下させると、それに応じて変調度が低下している。これに対し、比較例の特性STG2及びSTG3では、改良型ライトストラテジーの場合に比べて、中間バイアス部のライトパワーPmの低下に対する変調度の減少度合いが小さい。即ち、改良型ライトストラテジーの方が、中間バイアス部のライトパワーPmの低下により、効果的に変調度を減少させることができる。
次に、図9(c)と図9(d)を比較するとわかるように、改良型ライトストラテジーによる特性STG4及びSTG5では、中間バイアス部のライトパワーPmを減少させると、ARの値は顕著に増加する。これに対して、比較例の特性STG2及びSTG3では、中間バイアス部のライトパワーPmを減少させても、歪みが増加してしまい、AR値はあまり増加しない。よって、改良型ライトストラテジーにおける、中間バイアス部のライトパワーPmの減少の方が、より効果的にAR値の増加に寄与し、形成される記録マークがランドトラック上のLPPに影響を与えることが防止できる。
図11に、上記比較例の場合と、改良型ライトストラテジーの場合の再生信号波形例を示す。図11(a)は比較のために基本ライトストラテジー(STG1)で記録した場合の再生信号波形を示し、図11(b)は上記比較例(STG3)により記録したマークの再生信号波形例を示し、図11(c)は本願の改良型ライトストラテジー(STG5)により記録したマークの再生信号波形例を示す。各図の特に符号110の付近の波形に注目すると、図11(a)に示す再生信号波形では、3T〜11T及び14Tに対応する各波形の下端レベルが揃っているが、変調度が大きくLPPに与える影響が大きい。図11(b)に示す比較例の場合の再生信号波形では、図11(a)と比較して変調度が小さくなっているが、波形の下端レベルが揃っておらず、7〜8Tより長い記録マークの中央部に対応する再生信号波形の下端レベルが高くなり波形が歪んでしまっている。これは、長い記録マークがひょうたんのように、その中央部がくびれて形成されていることによる。一方、図11(c)に示す改良型ライトストラテジーの再生信号波形例は、図11(a)と比較して変調度が小さくなっており、各記録マークの再生信号波形の下端が揃っている。
以上説明したように、本発明の改良型ライトストラテジーでは、(1)トップパルスの位置を前方にシフトするか、又はラストパルスの位置を後方にシフトすること、及び、(2)シフト量に応じてトップパルスのライトパワーPh及び中間バイアス部のライトパワーPmを低下させることにより、再生信号波形に歪みを生じさせることなく、形成される記録マークの幅の増大を抑制することができる。
[他の適用例]
上に説明した改良型ライトストラテジーは、図5に示すような基本ライトストラテジーを基礎としていた。しかし、本発明の改良型ライトストラテジーの考え方は、図15に示した従来型のライトストラテジーにも同様に適用することが可能である。
本発明の改良型ライトストラテジーの考え方を従来型のライトストラテジーに適用した場合の適用例を図12及び図13に示す。図12(a)は記録データ波形を示し、図12(b)はトップパルスとパルストレインにより構成される従来型ライトストラテジーの改良前の記録パルス波形を示し、図12(c)は本発明の改良型ライトストラテジーの考え方を従来型ライトストラテジーに適用した場合の記録パルス波形例を示す。図12(b)と図12(c)を比較するとわかるように、本発明を適用した記録パルス波形では、トップパルス70の位置が0.5Tだけ前方にシフトしている。また、パルストレイン72を構成する各パルス71のパルス幅が減少している。なお、かかるパルストレイン72のデューティ比(パルス71の幅/パルス71の周期)としては、ディスクに応じて0.3〜0.9の間の値を取り得る。これは、前述の基本ライトストラテジーにおいて中間バイアス部のレベルを低下させることと等価である。
また、図13に示す例でも、図13(a)は記録データ波形を示し、図13(b)はトップパルスとパルストレインにより構成される従来型ライトストラテジーの改良前の記録パルス波形を示し、図13(c)は本発明の改良型ライトストラテジーの考え方を従来型ライトストラテジーに適用した場合の記録パルス波形例を示す。
図12に示した例で、トップパルス70のみを前方にシフトし、パルストレイン72を構成するパルス71の位置は移動させなかったが、図13に示す例ではパルストレイン72を構成する各パルス71を、トップパルス70のシフト量に応じて均等に移動させている。即ち、トップパルス70の移動により記録パルス全体の時間幅が増加した割合に応じて、各パルス71の位置をシフトしている。また、図12(c)と同様に、パルストレイン72を構成する各パルス71のパルス幅が減少している。これは、前述の基本ライトストラテジーにおいて中間バイアス部のレベルを低下させることと等価である。
図12(c)及び図13(c)に示す例によっても、図7(c)などに示す改良型ライトストラテジーと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、図7(c)によれば、トップパルスの位置を所定量だけ前方にシフトし、また図7(d)によれば、ラストパルスの位置を所定量だけ後方にシフトするようにしたが、トップパルスの位置とラストパルスの両方を夫々前方および後方にシフトし、記録マークの長さが所望となるようにしても良い。
また、図14(b)に示すように、基本ライトストラテジーのトップパルス40の位置が図7(b)に示す基本ライトストラテジーのトップパルス40の位置に対して0.5T後方にある場合、図14(c)に示す改良型ライトストラテジーのトップパルス40の位置は、図14(b)に示す基本ライトストラテジーのトップパルスと比較して、光ディスクに応じて、前方へ0.1T〜2.0Tの間でシフトすることができる。この場合においても、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmは、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形中間バイアス部41のライトパワーPmよりも小さくなっている。更に、改良型ライトストラテジーによるトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhは、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhよりも小さくなっており、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmの1.1〜2.0倍の間を取り得る。一方、図14(d)に示す改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形は、図14(b)に示す基本ライトストラテジーによる記録パルス波形例と比較して、ラストパルス42の位置を0.1T〜2.0T後方にシフトさせた状態を示すものであり、その詳細な説明を省略する。
また、上述の実施例によれば、ラストパルス42を備える記録パルス信号であったが、ラストパルス42を備えない記録パルス信号に本発明を適用することもできる。
以上説明したように、本発明の改良型ライトストラテジーによれば、トップパルス、中間バイアス部及びラストパルスにより構成される記録パルス信号において、トップパルスの位置を前方にシフトするかラストパルスの位置を後方へシフトさせることにより、再生信号波形に歪みを生じさせることなく、形成される記録マークの幅の増大を抑制することができる。よって、記録トラックに隣接するランドトラック上のLPPを記録マークにより変形させたり、つぶしたりすることが防止できる。また、再生信号波形の歪みを生じさせないので、ジッタや記録マークの読取エラーなどを防止することができる。
また、トップパルス及びパルストレインにより構成される記録パルス波形に対して、同様の改良を適用し、トップパルスの位置を前方にシフトすることによっても、同様の効果を得ることができる。
産業上の利用可能性
本発明に係る情報記録装置および情報記録方法は、レーザ光線などを利用して光ディスクの情報を記録する際に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明を適用した情報記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示す記録制御部の構成を示すブロック図である。
図3は、図2に示すLDドライバの構成を示す図である。
図4は、レーザダイオードに与えられる駆動電流と出力パワーとの関係を示すグラフである。
図5は、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形の例を示す波形図である。
図6は、基本ライトストラテジーによる3T〜11T、14Tの長さの記録パルス波形を示す波形図である。
図7は、本発明の改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形の例を示す波形図である。
図8は、本発明の改良型ライトストラテジーによる3T〜11T、14Tの長さの記録パルス波形を示す波形図である。
図9は、本発明の改良型ライトストラテジーによる特性を、比較例の特性との比較において示す。
図10は、ARの説明に供する図である。
図11は、本発明の改良型ライトストラテジーによる再生信号波形を、比較例の再生信号波形との比較において示す。
図12は、本発明の改良型ライトストラテジーを従来型のライトストラテジーに適用した例を示す。
図13は、本発明の改良型ライトストラテジーを従来型のライトストラテジーに適用した例を示す。
図14は、本発明の改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形の他の例を示す波形図である。
図15は、従来のライトストラテジーによる記録パルス波形の例を示す。
本発明は、レーザ光線などを利用して光ディスクに情報を記録する技術に属する。
DVD−R(DVD-Recordable)、DVD−RW(DVD-Re-recordable)などの書き込み又は書き換え可能な光ディスクには、ディスクの記録面上にレーザ光を照射して情報を記録する。光ディスクの記録面上のレーザ光が照射された部分は、温度が上昇するために光ディスクを構成する光記録媒体に変化が生じ、これにより記録マークが記録面上に形成される。
よって、記録すべき情報に応じた時間幅を有する記録パルスでレーザ光を変調して記録すべき信号に応じた長さのレーザパルスを生成し、これを光ディスクに照射することにより、記録すべき情報に応じた長さの記録マークを光ディスク上に形成することができる。
一方、最近では1つの記録マークを1つのレーザパルスで形成するのではなく、複数の短いパルスを含むパルス列部(パルストレインとも呼ばれる)により記録マークを形成するレーザパワーの制御手法が利用されている。このような手法はライトストラテジーとも呼ばれ、単一の記録パルスを照射する方法に比べて、光ディスクの記録面上における熱蓄積が減少するので、記録マークが形成される記録面上の温度分布を均一化することができる。その結果、記録マークが涙滴形状となることを防止して好ましい形状の記録マークを形成することができる。
上記の記録パルス列は、所定のリード(読取)パワーレベルとライト(書き込み又は記録)パワーレベルとの間で振幅が変動する複数のパルスにより構成されている。即ち、記録信号に従って、記録マークを形成しない光ディスクの記録面上の領域(以下、「スペース部」とも呼ぶ。)ではリードパワーでレーザ光が記録面上に照射され、記録マークを形成すべき光ディスクの記録面上の領域(以下、「マーク部」とも呼ぶ。)では、リードパワーとライトパワーの間で振幅が変化する記録パルス列に応じたパワーでレーザ光が記録面上に照射され、それにより記録マークが記録面上に形成される。
上述のライトストラテジーによる記録パルス波形の一例を図15に示す。図15の例は記録データのうち7Tのマークを記録する部分の記録パルス波形である。図示のように、記録パルスは、1つのトップパルス90と、それに続く複数のパルス91からなるパルストレイン(「マルチパルス」とも呼ばれる)92により構成される。トップパルス90は例えば1.5Tのパルス幅を有し、それに続くパルストレイン92の各パルス91は例えば0.5Tのパルス幅を有する。トップパルス90及びパルストレイン92はともにライトパワーPwとリードパワーPrの2値の間で振幅が変化するパルスである。
トップパルス90は、マークの記録のために光ディスクの記録面を予熱及びマーク始端部を形成する役割を有し、1.5Tのパルス幅のトップパルス90に対応する記録レーザを照射することにより、光ディスクの記録面を融点まで導く。その後、それに続くパルストレイン92により所望の長さのマークを記録面に形成する。パルストレイン92は例えばパルス幅0.5Tの複数のパルス91(オン期間及びオフ期間を含む1周期は1T)の連続により構成される。これにより、光ディスクの記録面は、0.5Tのレーザ照射、0.5Tの急冷、0.5Tのレーザ照射、...が繰り返され、形成されるマークの長さが制御される。
図15に例示する記録パルス波形を使用する方法では、記録すべきマーク長をnとすると、記録パルスは1つのトップパルス90と、(n−3)個のパルス91を含むパルストレイン92とにより構成される。記録すべきマーク長に応じて、上述のような記録パルスを生成して記録レーザを駆動することにより、光ディスクの記録面上に所望の長さのマーク記録が行われる。
近年、DVD−Rドライブなどのコンピュータ周辺機器においては、高速転送レートが要望されている。高速転送レートを得るためには、ディスク回転速度(線速度)を上げる必要があり、これに伴って記録時のレーザパワーも引き上げる必要がある。
しかし、図15の例をはじめとする各種記録方法では、一般的に記録レーザパワーの引き上げに伴って記録マークの幅が広がってしまう。記録マークの幅が広がってしまうと、以下のような問題が生じる。
DVD−Rディスクにおいては、記録トラック(グルーブ)は一定の周波数でウォブリングされ、また記録トラックの間のランドトラックにはランドプリピット(Land Pre-Pit:以下、「LPP」という。)と呼ばれるアドレスピットが形成されている。このウォブリングとLPPにより、記録中のディスク回転制御や記録クロックの生成、また記録アドレス等のデータ記録に必要な情報を得ることができるようになっている。しかし、記録マークの幅が広がってしまうと、記録マークがランドやLPP上の記録膜にまで及び、LPPを変形させたり、つぶしてしまったりする場合がある。その結果、記録再生装置がLPPを検出できなくなり、ディスクに対する記録・再生が不可能となってしまう。
また、DVD+Rと呼ばれるタイプのディスクでは、記録マークの幅が広がってしまうと、ウォブル信号の記録信号への漏れ込みが生じ、信号品質を悪化させると共に、ウォブル信号に変調されているアドレス信号が読み出されなくなってしまう。
本発明は、高速記録時においても適切な形状のマークを記録することが可能な情報記録装置及び情報記録方法を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点によれば、記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、前記レーザ光を出射する光源と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、前記第2の振幅は前記第1の振幅より小さく、前記中間バイアス部は前記トップパルスに時間的に連続しており、前記ラストパルスは前記中間バイアス部に時間的に連続しており、前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせるとともに、前記第1及び第2の振幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記第1及び第2の振幅より小さくする
また、同様の観点によれば、光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、前記第2の振幅は前記第1の振幅より小さく、前記中間バイアス部は前記トップパルスに時間的に連続しており、前記ラストパルスは前記中間バイアス部に時間的に連続しており、前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせるとともに、前記第1及び第2の振幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記第1及び第2の振幅より小さくする
上記の情報記録装置及び方法によれば、例えばDVD−Rなどの記録媒体に対して、レーザ光を照射して記録マークを形成することにより情報を記録する。この際、少なくとも2種類の速度で記録を行うことができ、第1の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第1の回転速度で回転駆動され、それより速い第2の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第2の回転速度で回転駆動される。記録信号に基づいて生成される記録パルス信号は、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む。第2の振幅は第1の振幅より小さく、中間バイアス部はトップパルスに時間的に連続しており、ラストパルスは中間バイアス部に時間的に連続している。生成された記録パルス信号に基づいて光源が制御され、レーザパルスが記録媒体に照射されることにより、記録信号に対応する記録マークが記録媒体上に形成される。
ここで、記録パルス信号の生成処理においては、記録媒体が第2の回転速度で回転駆動されるときには、トップパルスの位置を記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときのトップパルスの位置より前方にシフトさせるとともに、前記第1及び第2の振幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記第1及び第2の振幅より小さくする。第1の回転速度より高速の第2の回転速度で記録媒体が駆動される高速記録時において、トップパルスの位置を前方にシフトすることにより、記録媒体上に形成される記録マークが短くなることを防止することができる。その結果、高速記録時においても適切な形状の記録マークを形成することができる。
上記の情報記録装置及び方法においては、前記トップパルスのシフト量は、0.1〜2.0Tの間の値であることが好ましい。また、前記信号生成手段又は工程は、前記トップパルスの位置をシフトさせることにより、前記トップパルスの始端部から前記ラストパルスの終端部までのパルス幅を増加させる。
上記の情報記録装置及び方法の他の一態様では、前記信号生成手段は、前記第1の振幅を、前記第2の振幅の1.1〜2.0倍の間の値とすることが好ましい。
本発明の他の観点によれば、記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、前記レーザ光を出射する光源と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、前記第2の振幅は前記第1の振幅より小さく、前記中間バイアス部は前記トップパルスに時間的に連続しており、前記ラストパルスは前記中間バイアス部に時間的に連続しており、前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記ラストパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記ラストパルスの位置より後方にシフトさせるとともに、前記第1及び第2の振幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記第1及び第2の振幅より小さくする
また、本発明の同様の観点によれば、光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、前記第2の振幅は前記第1の振幅より小さく、前記中間バイアス部は前記トップパルスに時間的に連続しており、前記ラストパルスは前記中間バイアス部に時間的に連続しており、前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記ラストパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記ラストパルスの位置より後方にシフトさせるとともに、前記第1及び第2の振幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記第1及び第2の振幅より小さくする
上記の情報記録装置及び方法によれば、例えばDVD−Rなどの記録媒体に対して、レーザ光を照射して記録マークを形成することにより情報を記録する。この際、少なくとも2種類の速度で記録を行うことができ、第1の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第1の回転速度で回転駆動され、それより速い第2の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第2の回転速度で回転駆動される。記録信号に基づいて生成される記録パルス信号は、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む。第2の振幅は第1の振幅より小さく、中間バイアス部はトップパルスに時間的に連続しており、ラストパルスは中間バイアス部に時間的に連続している。生成された記録パルス信号に基づいて光源が制御され、レーザパルスが記録媒体に照射されることにより、記録信号に対応する記録マークが記録媒体上に形成される。
ここで、記録パルス信号の生成処理においては、記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるときには、ラストパルスの位置を記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときのラストパルスの位置より後方にシフトさせるとともに、前記第1及び第2の振幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記第1及び第2の振幅より小さくする。第1の回転速度より高速の第2の回転速度で記録媒体が駆動される高速記録時において、ラストパルスの位置を後方にシフトすることにより、記録媒体上に形成される記録マークが短くなることを防止することができる。その結果、高速記録時においても適切な形状の記録マークを形成することができる。
上記の情報記録装置及び方法においては、前記ラストパルスのシフト量は、0.1〜2.0Tの間の値であることが好ましい。また、前記信号生成手段又は工程は、前記ラストパルスの位置をシフトさせることにより、前記トップパルスの始端部から前記ラストパルスの終端部までのパルス幅を増加させる。
上記の情報記録装置及び方法の他の一態様では、前記信号生成手段は、前記第1の振幅を、前記第2の振幅の1.1〜2.0倍の間の値とすることが好ましい。
本発明のさらに他の観点では、記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、前記レーザ光を出射する光源と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、1つ又は複数のパルスにより構成されるとともに前記トップパルスに続くパルス列部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせるとともに、前記パルス列部の各パルスの幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記パルス列部の各パルスの幅より小さくする
また、同様の観点では、光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、1つ又は複数のパルスにより構成されるとともに前記トップパルスに続くパルス列部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせるとともに、前記パルス列部の各パルスの幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記パルス列部の各パルスの幅より小さくする
上記の情報記録装置及び方法によれば、例えばDVD−Rなどの記録媒体に対して、レーザ光を照射して記録マークを形成することにより情報を記録する。この際、少なくとも2種類の速度で記録を行うことができ、第1の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第1の回転速度で回転駆動され、それより速い第2の記録速度で記録を行う際には記録媒体は第2の回転速度で回転駆動される。記録信号に基づいて生成される記録パルス信号は、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、1つ又は複数のパルスにより構成されるとともに前記トップパルスに続くパルス列部とを含む。生成された記録パルス信号に基づいて光源が制御され、レーザパルスが記録媒体に照射されることにより、記録信号に対応する記録マークが記録媒体上に形成される。
ここで、記録パルス信号の生成処理においては、記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるときには、トップパルスの位置を記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときのトップパルスの位置より前方にシフトさせるとともに、前記パルス列部の各パルスの幅を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記パルス列部の各パルスの幅より小さくする。第1の回転速度より高速の第2の回転速度で記録媒体が駆動される高速記録時において、トップパルスの位置を前方にシフトすることにより、記録媒体上に形成される記録マークが短くなることを防止することができる。その結果、高速記録時においても適切な形状の記録マークを形成することができる。
上記の情報記録装置及び方法においては、前記ラストパルスのシフト量は、0.1〜1.5Tの間の値であることが好ましい。
上記の情報記録装置及び方法の他の一態様では、前記信号生成手段は、前記パルス列部のデューティ比を、0.3〜0.9の間の値とすることが好ましい。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1に、本発明の実施形態にかかる情報記録再生装置の全体構成を概略的に示す。情報記録再生装置1は、光ディスクDに情報を記録し、また、光ディスクDから情報を再生するための装置である。光ディスクDとしては、例えば1回に限り記録が可能なCD−R(Compact Disc-Recordable)又はDVD−R、複数回にわたって消去及び記録が可能なCD−RW(Compact Disc-Rewritable)又はDVD−RWなどの種々の光ディスクを使用することができる。
情報記録再生装置1は、光ディスクDに対して記録ビーム及び再生ビームを照射する光ピックアップ2と、光ディスクDの回転を制御するスピンドルモータ3と、光ディスクDへの情報の記録を制御する記録制御部10と、光ディスクDに既に記録されている情報の再生を制御する再生制御部20と、スピンドルモータ3の回転を制御するスピンドルサーボ、並びに光ピックアップ2の光ディスクDに対する相対的位置制御であるフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを含む各種サーボ制御を行うためのサーボ制御部30と、を備える。
記録制御部10は記録信号を受け取り、後述の処理により光ピックアップ2内部のレーザダイオードを駆動するための駆動信号SDを生成して、これを光ピックアップ2へ供給する。
再生制御部20は、光ピックアップ2から出力される読取RF信号Srfを受け取り、これに対して所定の復調処理、復号化処理などを施して再生信号を生成して出力する。
サーボ制御部30は、光ピックアップ2からの読取RF信号Srfを受け取り、これに基づいてトラッキングエラー信号及びフォーカス信号などのサーボ信号S1を光ピックアップ2へ供給するとともに、スピンドルサーボ信号S2をスピンドルモータ3へ供給する。これにより、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ、スピンドルサーボなどの各種サーボ処理が実行される。
なお、本発明は主として記録制御部10における記録方法に関するものであり、再生制御及びサーボ制御については既知の種々の方法が適用できるので、それらについての詳細な説明は行わない。
また、図1には本発明の1つの実施形態として情報記録再生装置を例示しているが、本発明は記録専用の情報記録装置に適用することも可能である。
図2に、光ピックアップ2及び記録制御部10の内部構成を示す。図2に示すように、光ピックアップ2は、光ディスクDに対して情報を記録するための記録ビーム及び光ディスクDから情報を再生するための再生ビームを生成するレーザダイオードLDと、レーザダイオードLDから出射されたレーザ光を受光して、レーザ光に対応するレーザパワーレベル信号LDoutを出力するフロントモニタダイオード(FMD)16とを備える。
なお、光ピックアップ2は、この他に再生ビームの光ディスクDによる反射ビームを受光して読取RF信号Srfを生成するための光検出器や、記録ビーム及び再生ビーム並びに反射ビームを適切な方向に案内する光学系などの既知の構成要素を備えるが、それらの図示及び詳細な説明は省略する。
一方、記録制御部10は、レーザダイオード(LD)ドライバ12と、APC(Automatic Power Control)回路13と、サンプルホールド(S/H)回路14と、コントローラ15とを備える。
LDドライバ12は、記録信号に応じた電流をレーザダイオードLDに供給して、光ディスクDへ情報の記録を行う。フロントモニタダイオード16は、光ピックアップ2内のレーザダイオードLDの近傍に配置され、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光を受光して、そのレベルを示すレーザパワーレベル信号LDoutを出力する。
サンプルホールド回路14は、サンプルホールド信号APC-S/Hにより規定されるタイミングでレーザパワーレベル信号LDoutのレベルをサンプルし、ホールドする。APC回路13は、サンプルホールド回路14の出力信号に基づき、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光のリードパワーレベルが一定となるようにLDドライバ12のパワー制御を行う。
コントローラ15は、主として記録動作とAPC動作とを行う。まず、記録動作について説明する。記録動作では、コントローラ15はレーザダイオードLDへ供給される電流量を制御するスイッチの切換信号SWR、SWW1及びSWW2を生成して、LDドライバ12へ供給する。
図3にLDドライバ12の詳細構成を示す。図3に示すように、LDドライバ12は、リードレベル用の電流源17R、ライトレベル用の電流源17W1及び17W2、スイッチ18R、18W1及び18W2を備える。
リードレベル用の電流源17Rは、レーザダイオードLDにリードパワーでレーザ光を出射させるための駆動電流IRを流す電流源であり、駆動電流IRはスイッチ18Rを介してレーザダイオードLDに供給される。よって、スイッチ18RをオンにするとレーザダイオードLDにリードパワーの駆動電流IRが供給され、スイッチ18Rをオフにすると駆動電流IRの供給は停止される。電流源17Rからの駆動電流IRの大きさは、制御信号SAPCにより変化する。
ライトレベル用の電流源17W1及び17W2は、それぞれレーザダイオードLDにライトパワーでレーザ光を出射させるための駆動電流IW1及びIW2を流す電流源である。駆動電流IW1はスイッチ18W1を介してレーザダイオードLDに供給され、駆動電流IW2はスイッチ18W2を介してレーザダイオードLDに供給される。
本発明によるライトストラテジーでは、第1のライトパワーPhと、それより低い第2のライトパワーPmの2つのレベルのライトパワーが使用される(図5参照)。スイッチ18Rをオンにした状態で、スイッチ18W1をオンにすると、レーザダイオードLDに駆動電流IR及びIW1の合計駆動電流が供給され、これにより第2のライトパワーPmでレーザダイオードが駆動される。また、スイッチ18R及び18W1をオンにした状態でさらにスイッチ18W2をオンにすると、レーザダイオードLDにはさらに駆動電流IW2が供給され、その結果、レーザダイオードには駆動電流IR、IW1及びIW2の合計の駆動電流が流れてレーザダイオードは第1のライトパワーPhで駆動される。スイッチ18W1をオフにすると駆動電流IW1の供給は停止され、スイッチ18W2をオフにすると駆動電流IW2の供給は停止される。
図4に、レーザダイオードLDに供給される駆動電流と、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光の出力パワーとの関係を示す。図4からわかるように、レーザダイオードLDに駆動電流IRを供給すると、リードパワーPRでレーザ光が出射される。その状態でさらに駆動電流IW1を加えると、第2のライトパワーPmでレーザ光が出射される。また、さらに駆動電流IW2を加えると、第1のライトパワーPhでレーザ光が出射される。
光ディスクへの情報の記録時には、基本的には駆動電流IRを常に供給してリードパワーPRでレーザ光を出射しておき、さらに記録パルスに従って駆動電流IW1及びIW2を追加することにより第1のライトパワーPh又は第2のライトパワーPmが印加されて、情報が光ディスクに記録される。
次に、APC動作について説明する。APC動作は、レーザダイオードLDにより出力されるレーザ光のリードパワーのレベルが一定となるように、LDドライバ12からレーザダイオードLDに供給される駆動電流レベルを調整するものである。より詳細には、記録信号(8−16変調されており、3T〜11T、14Tの長さのマーク期間及びスペース期間を有する)のスペース部のうち、長いスペース期間(例えば5T〜11T、14Tのスペース期間)中において、リードパワーのレベルが一定となるように記録制御部10からの駆動信号SDを調整する。
具体的には以下のように動作する。コントローラ15は、上述のように記録信号に対応する記録パルスを生成して、当該記録パルスによってLDドライバ12を駆動してレーザダイオードLDからレーザ光を出射させる。
フロントモニタダイオード16は、光ピックアップ2内のレーザダイオードLDの近傍に配置され、レーザダイオードLDから出射したレーザ光を受光してそのレベルを示すレーザパワーレベル信号LDoutを生成し、サンプルホールド回路14に供給する。
サンプルホールド回路14は、コントローラ15から入力されるサンプルホールド信号APC-S/Hにより与えられるタイミングで、フロントモニタダイオード16から供給されるレーザパワーレベル信号LDoutをサンプルし、そのレベルを所定期間ホールドする。コントローラ15から出力されるサンプルホールド信号APC-S/Hは、APCを実行する期間(「APC期間」と呼ぶ。)を示すパルスである。
よってサンプルホールド回路14は、記録信号のスペース期間中のAPC期間においてレーザパワーレベル信号LDoutのレベルをホールドしてAPC回路13へ供給する。APC回路13は、APC期間におけるレーザパワーレベル信号LDoutのレベルが一定となるように、LDドライバ12へ制御信号SAPCを供給する。
制御信号SAPCは、図3に示すように、LDドライバ12内のリードレベル用電流源17Rに入力される。これにより、制御信号SAPCに応じて、リードレベル用電流源17Rから流れる電流IRが変化する。つまり、レーザダイオードLDにより得られるリードパワーレベルが一定となるようにAPCが実行される。
[ライトストラテジー]
次に、本発明によるライトストラテジーについて説明する。
(基本ライトストラテジー)
まず、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形を図5に示す。図5に示すように、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形は、トップパルス40、中間バイアス部41及びラストパルス42の3つの部分により構成される。また、これらの部分以外においては、記録パルス波形はリードパワーPRのレベルに維持されている。
基本ライトストラテジーは、2値のライトパワーを使用している。トップパルス40及びラストパルス42は第1のライトパワーPhを有し、中間バイアス部41は第2のライトパワーPmを有している。第2のライトパワーPmはリードパワーPRより高いが、第1のライトパワーPhより低く設定される。
トップパルス40はマーク記録のために光ディスクの記録面を予熱し、マーク始端部を形成する役割を有する。中間バイアス部41は記録データの長さに応じてその時間幅が変化する。ラストパルス42は主としてマークの後端部の形状を調整する役割を有する。また、基本的には、形成される記録マークの長さはトップパルス幅Ttop、ラストパルス幅Tlp、トップパルス前端部からラストパルス後端部までの幅Tp及び第1のライトパワーPhにより制御され、形成される記録マークの幅は第2のライトパワーPmにより制御される。
図6に、記録すべき各マーク長に対応する記録パルス波形を示す。記録データは8−16変調されており、3T〜11T、14Tの長さのマーク期間及びスペース期間を有する。図示のように、記録パルス波形の前方エッジはマーク長にかかわらず常に記録データの前方エッジから1.5T遅れた位置にある。3T及び4Tの記録データの記録パルス波形は中間バイアス部41を有さず、トップパルス40とラストパルス42とが合成された形で1つのパルスとなっている。このパルスのパワーはトップパルス及びラストパルスと同じ第1のライトパワーPhである。
記録データが5T以上の場合は、それぞれの長さに応じて中間バイアス部41の長さが増加する。トップパルス40とラストパルス42のパルス幅は基本的にはそれぞれほぼ一定であり、中間バイアス部41のように記録データ長に応じて大きく変化させなくても良い。
なお、図6の例においては、記録データが4Tの場合もトップパルスとラストパルスが合成した1つのパルス波形としているが、図6中の破線100で示すように、記録データが4Tの場合は中間バイアス部を設けるように記録パルス波形を決定することもできる。
また、記録速度を高速化した場合には、その分クロックも高速化するので、3T及び4Tの記録データのみならず、5T以上の記録データについても、中間バイアス部が無くなった単一パルス型の記録パルス波形としても良い。
(改良型ライトストラテジー)
次に、本発明の改良型ライトストラテジーについて説明する。改良型ライトストラテジーは、上述の基本ライトストラテジーを基礎とし、さらに高速記録を行う際に適したものである。例えば、2種類以上の異なる速度で記録を行うことができる情報記録装置において、上述の基本ライトストラテジーを利用して通常速度の記録を行い、以下に説明する改良型ライトストラテジーを利用して通常速度よりも高速な記録を行うことができる。
高速記録を行うためにディスク回転速度を増加させる場合、正しく記録マークを形成するためには、その分記録レーザパワーも増加しなければならない。しかし、記録レーザパワーをあまりに増加すると、ディスクの記録トラックに形成される記録マークの幅が必要以上に広くなり、LPPの検出に支障が出るなどの不具合が生じる。本発明の改良型ライトストラテジーは、高速記録用にディスク回転速度を増加した場合でも、適切な幅の記録マークを形成することを可能とする。
先に述べたように、基本ライトストラテジーにおいて、形成される記録マークの幅に最も影響を与えるのは中間バイアス部41のライトパワーPmである。よって、ライトパワーPmを下げれば、記録マークの幅が小さくなり変調度を下げることができる。なお、変調度とは、最長スペース部(14Tスペース)に対する再生信号のピーク値とゼロレベルとの差I14Hと、最長記録マークと最長スペースに対する再生信号の振幅I14の比(I14/I14H)を示す値であり、DVD−R規格書によれば、変調度:0.60(60%)以上が要求されている。
しかし、中間バイアス部41のライトパワーPmのみを下げて変調度を小さくすると、再生波形に歪みが生じ、記録・再生におけるジッタの増加、記録マークの読取エラーの増加、エラーレートの増加などの問題が生じる。また、歪んだ再生波形を利用して再生処理を行うと記録データの誤検出の可能性が増加する。さらに、中間バイアス部41のライトパワーPmのみを下げて記録を行うと、ディスク上に形成される記録マークの形状は、トップパルス40とラストパルス42に対応する先端部と後端部では幅広で、中間バイアス部41に対応する中間部分のみ幅が狭くなった形状となり、幅広である先端部と後端部でやはりLPPの形状に悪影響を与えてしまう。
このような不具合を解消するために、中間バイアス部41のライトパワーPmのみでなく、トップパルス40とラストパルス42に対応するライトパワーPhのレベルも減少させれば、再生波形の歪みを抑えることができる。しかし、前述のようにトップパルス40とラストパルス42に対応するライトパワーPhは、形成される記録マークの長さに影響を与える。よって、再生波形の歪みを抑制するために、トップパルス40とラストパルス42に対応するライトパワーPhを小さくすると、記録マークの長さが短くなってしまい、記録データの誤検出が生じる恐れがある。
そこで、本発明の改良型ライトストラテジーでは、トップパルス40の位置を所定量だけ前方にシフトすること、又は、ラストパルス42の位置を所定量だけ後方にシフトすることによりトップパルス前端部からラストパルス後端部までの幅Tpを大きくし、記録マークの長さが短くなることを防止することとした。即ち、本発明の改良型ライトストラテジーでは、
(改良点1):トップパルス40の位置を所定量だけ前方にシフトする、又は、ラストパルス42の位置を所定量だけ後方にシフトすること、及び、
(改良点2):中間バイアス部41に対応するライトパワーPmを減少させること、を同時に行うこととした。
また、上記の2つに加え、必要に応じて、
(改良点3):トップパルス40及びラストパルス42に対応するライトパワーPhを小さくすることも併せて行う。
この改良型ライトストラテジーによれば、中間バイアス部41のライトパワーPmを減少させることにより、記録マークの幅の広がりを抑制する。ライトパワーPmを減少させると再生波形に歪みが生じるが、トップパルス40及びラストパルス42に対応するライトパワーPhを必要に応じて減少させてこの歪みを抑制する。また、ライトパワーPhを減少させると記録マーク全体の長さが短くなるが、その分、トップパルス40の位置を前方にシフトするか、又はラストパルス42の位置を後方へシフトして、形成される記録マークの全体の長さを適正な長さに保つ。以上により、高速記録時において、記録レーザパワーを増加させた場合でも、記録マークの幅が増大することを防止し、かつ、歪みの発生も抑制することができる。
図7に、本発明の改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形の例を示す。図7(a)は記録データの波形であり、図7(b)は基本ライトストラテジーによる記録パルス波形であり、図7(c)及び図7(d)は改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形の例であり、図7(e)はクロック波形である。
図7(c)に示す改良型ライトストラテジーの記録パルス波形は、図7(b)に示す基本ライトストラテジーの記録パルス波形と比較して、トップパルス40の位置が0.5Tだけ前方へシフトしている。なお、このシフト量は単なる一例であり、光ディスクに応じて0.1〜1.5Tの間の値を取り得る。また、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmは、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形中間バイアス部41のライトパワーPmよりも小さくなっている。更に、改良型ライトストラテジーによるトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhは、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhよりも小さくなっており、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmの1.1〜2.0倍の間を取り得る。
一方、図7(d)に示す改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形例は、図7(b)に示す基本ライトストラテジーによる記録パルス波形例と比較して、ラストパルス42の位置が0.5Tだけ後方にシフトしている。なお、このシフト量は単なる一例であり、光ディスクに応じて0.1〜1.5Tの間の値を取り得る。また、中間バイアス部41のライトパワーPmが、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形中間バイアス部41のライトパワーPmよりも小さくなっており、更に、記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhが、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhよりも小さくなっており、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmの1.1〜2.0倍の間を取り得ることは、図7(c)に示す記録パルス波形例と同様である。
なお、本発明の改良型ライトストラテジーでは、トップパルス40及びラストパルス42に対応するライトパワーPhを減少させること(即ち、改良点3)は必須ではない。基本的には、中間バイアス部41のライトパワーPmを下げる量が大きい場合には、それに応じてライトパワーPhをある程度下げないと信号波形の歪みが大きくなってしまうという事実がある。本発明においては、ライトパワーPhを下げるか否か、又は、下げる場合にどの程度下げるかは、改良点1によりトップパルス又はラストパルスをシフトさせる量、及び、改良点2により中間バイアス部のライトパワーPmを減少させる量に依存して決定されることになる。
図8に、本発明の改良型ライトストラテジーによる記録データ3T〜11T及び14Tに対応する記録パルス波形を示す。なお、比較のため、同記録速度における基本ライトストラテジーによる3T〜11T及び14Tの記録パルス波形を破線で示している。なお、本改良型ライトストラテジーによれば、3Tと4Tの記録データに対する記録パルス波形が中間バイアス部を持たないが、中間バイアス部を設けても良い。また、高速記録時の速度が高まる(例えば6倍速、8倍速、..)に従って、より長い記録データ(例えば5T、6T、..)に対する記録パルス波形まで、中間バイアス部を有しない波形としても良い。
なお、図7に示した例では、7Tの記録マークに対応する記録パルス波形において0.5Tだけトップパルスを前方にシフトしているが、このシフト量は単なる一例であり、上述したように光ディスクに応じて0.1〜1.5Tの間の値を取り得る。但し、トップパルス40の位置を前方にシフトする場合でも、トップパルスの前エッジが記録データの前エッジより前方に位置することはない。また、図8に示した3T〜11T及び14Tの記録パルス波形においては、トップパルスのシフト量は同一であるが、各記録パルスの長さに応じて同一の割合でトップパルスをシフトさせてもよい。
次に、図9を参照して、改良型ライトストラテジーにより得られる特性を、基本ライトストラテジーを利用した比較例により得られる特性と比較して検討する。図9(a)〜(d)に示した特性グラフにおいて、STG1は図7(b)に例示する基本ライトストラテジーによる記録パルス波形を使用した場合の特性を示す。STG2は同じ基本ライトストラテジーによる記録パルス波形において、中間バイアス部41のライトパワーPmを低下させ、トップパルス40及びラストパルス42のパルス幅を長くした比較例の特性である。STG3は同じ基本ライトストラテジーによる記録パルス波形において、中間バイアス部41のライトパワーPmをSTG2の場合よりさらに低下させ、トップパルス40及びラストパルス42のパルス幅をSTG2の場合よりさらに長くした比較例の特性である。
一方、STG4は、図7(c)に例示する改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形であり、トップパルス40の位置を0.5Tだけ前方にシフトするとともに中間バイアス部41のライトパワーPmを低下させた場合の特性である。また、STG5は同じく改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形であるが、トップパルス40の位置を1.0Tだけ前方にシフトし、中間バイアス部41のライトパワーPmをSTG4の場合よりさらに低下させた場合の特性である。
図9(a)及び図9(b)では、横軸は中間バイアス部のライトパワーPmを示し、縦軸は変調度(Modulation)を示している。また、図9(c)及び図9(d)では、横軸は同じく中間バイアス部のライトパワーPmを示し、縦軸はARを示している。AR(Aperture Ratio after recording)は、図10に示すように、記録後におけるプッシュプル信号に現れるLPP信号の最大値AP(max)と最小値AP(min)との比(AP(max)/AP(min))であり、LPPの品質を示す値である。このARの値が大きいほど、形成される記録マークが隣接するランド上のLPPに影響を与えることが小さいことを意味する。DVD−Rディスクの規格書によれば、AR>15%が要求されており、DVD−RWディスクの規格書によれば、AR>10%が要求されている。
図9(a)と図9(b)を比較するとわかるように、改良型ライトストラテジーによる特性STG4及びSTG5では、中間バイアス部のライトパワーPmを低下させると、それに応じて変調度が低下している。これに対し、比較例の特性STG2及びSTG3では、改良型ライトストラテジーの場合に比べて、中間バイアス部のライトパワーPmの低下に対する変調度の減少度合いが小さい。即ち、改良型ライトストラテジーの方が、中間バイアス部のライトパワーPmの低下により、効果的に変調度を減少させることができる。
次に、図9(c)と図9(d)を比較するとわかるように、改良型ライトストラテジーによる特性STG4及びSTG5では、中間バイアス部のライトパワーPmを減少させると、ARの値は顕著に増加する。これに対して、比較例の特性STG2及びSTG3では、中間バイアス部のライトパワーPmを減少させても、歪みが増加してしまい、AR値はあまり増加しない。よって、改良型ライトストラテジーにおける、中間バイアス部のライトパワーPmの減少の方が、より効果的にAR値の増加に寄与し、形成される記録マークがランドトラック上のLPPに影響を与えることが防止できる。
図11に、上記比較例の場合と、改良型ライトストラテジーの場合の再生信号波形例を示す。図11(a)は比較のために基本ライトストラテジー(STG1)で記録した場合の再生信号波形を示し、図11(b)は上記比較例(STG3)により記録したマークの再生信号波形例を示し、図11(c)は本願の改良型ライトストラテジー(STG5)により記録したマークの再生信号波形例を示す。各図の特に符号110の付近の波形に注目すると、図11(a)に示す再生信号波形では、3T〜11T及び14Tに対応する各波形の下端レベルが揃っているが、変調度が大きくLPPに与える影響が大きい。図11(b)に示す比較例の場合の再生信号波形では、図11(a)と比較して変調度が小さくなっているが、波形の下端レベルが揃っておらず、7〜8Tより長い記録マークの中央部に対応する再生信号波形の下端レベルが高くなり波形が歪んでしまっている。これは、長い記録マークがひょうたんのように、その中央部がくびれて形成されていることによる。一方、図11(c)に示す改良型ライトストラテジーの再生信号波形例は、図11(a)と比較して変調度が小さくなっており、各記録マークの再生信号波形の下端が揃っている。
以上説明したように、本発明の改良型ライトストラテジーでは、(1)トップパルスの位置を前方にシフトするか、又はラストパルスの位置を後方にシフトすること、及び、(2)シフト量に応じてトップパルスのライトパワーPh及び中間バイアス部のライトパワーPmを低下させることにより、再生信号波形に歪みを生じさせることなく、形成される記録マークの幅の増大を抑制することができる。
[他の適用例]
上に説明した改良型ライトストラテジーは、図5に示すような基本ライトストラテジーを基礎としていた。しかし、本発明の改良型ライトストラテジーの考え方は、図15に示した従来型のライトストラテジーにも同様に適用することが可能である。
本発明の改良型ライトストラテジーの考え方を従来型のライトストラテジーに適用した場合の適用例を図12及び図13に示す。図12(a)は記録データ波形を示し、図12(b)はトップパルスとパルストレインにより構成される従来型ライトストラテジーの改良前の記録パルス波形を示し、図12(c)は本発明の改良型ライトストラテジーの考え方を従来型ライトストラテジーに適用した場合の記録パルス波形例を示す。図12(b)と図12(c)を比較するとわかるように、本発明を適用した記録パルス波形では、トップパルス70の位置が0.5Tだけ前方にシフトしている。また、パルストレイン72を構成する各パルス71のパルス幅が減少している。なお、かかるパルストレイン72のデューティ比(パルス71の幅/パルス71の周期)としては、ディスクに応じて0.3〜0.9の間の値を取り得る。これは、前述の基本ライトストラテジーにおいて中間バイアス部のレベルを低下させることと等価である。
また、図13に示す例でも、図13(a)は記録データ波形を示し、図13(b)はトップパルスとパルストレインにより構成される従来型ライトストラテジーの改良前の記録パルス波形を示し、図13(c)は本発明の改良型ライトストラテジーの考え方を従来型ライトストラテジーに適用した場合の記録パルス波形例を示す。
図12に示した例で、トップパルス70のみを前方にシフトし、パルストレイン72を構成するパルス71の位置は移動させなかったが、図13に示す例ではパルストレイン72を構成する各パルス71を、トップパルス70のシフト量に応じて均等に移動させている。即ち、トップパルス70の移動により記録パルス全体の時間幅が増加した割合に応じて、各パルス71の位置をシフトしている。また、図12(c)と同様に、パルストレイン72を構成する各パルス71のパルス幅が減少している。これは、前述の基本ライトストラテジーにおいて中間バイアス部のレベルを低下させることと等価である。
図12(c)及び図13(c)に示す例によっても、図7(c)などに示す改良型ライトストラテジーと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、図7(c)によれば、トップパルスの位置を所定量だけ前方にシフトし、また図7(d)によれば、ラストパルスの位置を所定量だけ後方にシフトするようにしたが、トップパルスの位置とラストパルスの両方を夫々前方および後方にシフトし、記録マークの長さが所望となるようにしても良い。
また、図14(b)に示すように、基本ライトストラテジーのトップパルス40の位置が図7(b)に示す基本ライトストラテジーのトップパルス40の位置に対して0.5T後方にある場合、図14(c)に示す改良型ライトストラテジーのトップパルス40の位置は、図14(b)に示す基本ライトストラテジーのトップパルスと比較して、光ディスクに応じて、前方へ0.1T〜2.0Tの間でシフトすることができる。この場合においても、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmは、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形中間バイアス部41のライトパワーPmよりも小さくなっている。更に、改良型ライトストラテジーによるトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhは、基本ライトストラテジーによる記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42のライトパワーPhよりも小さくなっており、改良型ライトストラテジーによる中間バイアス部41のライトパワーPmの1.1〜2.0倍の間を取り得る。一方、図14(d)に示す改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形は、図14(b)に示す基本ライトストラテジーによる記録パルス波形例と比較して、ラストパルス42の位置を0.1T〜2.0T後方にシフトさせた状態を示すものであり、その詳細な説明を省略する。
また、上述の実施例によれば、ラストパルス42を備える記録パルス信号であったが、ラストパルス42を備えない記録パルス信号に本発明を適用することもできる。
以上説明したように、本発明の改良型ライトストラテジーによれば、トップパルス、中間バイアス部及びラストパルスにより構成される記録パルス信号において、トップパルスの位置を前方にシフトするかラストパルスの位置を後方へシフトさせることにより、再生信号波形に歪みを生じさせることなく、形成される記録マークの幅の増大を抑制することができる。よって、記録トラックに隣接するランドトラック上のLPPを記録マークにより変形させたり、つぶしたりすることが防止できる。また、再生信号波形の歪みを生じさせないので、ジッタや記録マークの読取エラーなどを防止することができる。
また、トップパルス及びパルストレインにより構成される記録パルス波形に対して、同様の改良を適用し、トップパルスの位置を前方にシフトすることによっても、同様の効果を得ることができる。
本発明に係る情報記録装置および情報記録方法は、レーザ光線などを利用して光ディスクの情報を記録する際に利用することができる。
本発明を適用した情報記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。 図1に示す記録制御部の構成を示すブロック図である。 図2に示すLDドライバの構成を示す図である。 レーザダイオードに与えられる駆動電流と出力パワーとの関係を示すグラフである。 基本ライトストラテジーによる記録パルス波形の例を示す波形図である。 基本ライトストラテジーによる3T〜11T、14Tの長さの記録パルス波形を示す波形図である。 本発明の改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形の例を示す波形図である。 本発明の改良型ライトストラテジーによる3T〜11T、14Tの長さの記録パルス波形を示す波形図である。 本発明の改良型ライトストラテジーによる特性を、比較例の特性との比較において示す。 ARの説明に供する図である。 本発明の改良型ライトストラテジーによる再生信号波形を、比較例の再生信号波形との比較において示す。 本発明の改良型ライトストラテジーを従来型のライトストラテジーに適用した例を示す。 本発明の改良型ライトストラテジーを従来型のライトストラテジーに適用した例を示す。 本発明の改良型ライトストラテジーによる記録パルス波形の他の例を示す波形図である。 従来のライトストラテジーによる記録パルス波形の例を示す。

Claims (12)

  1. 記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、
    前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、
    前記レーザ光を出射する光源と、
    前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、
    前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、
    前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせることを特徴とする情報記録装置。
  2. 前記トップパルスのシフト量は、0.1〜2.0Tの間の値であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。
  3. 前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記第1の振幅を、前記第2の振幅の1.1〜2.0倍の間の値とすることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。
  4. 記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、
    前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、
    前記レーザ光を出射する光源と、
    前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、
    前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、
    前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記ラストパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記ラストパルスの位置より後方にシフトさせることを特徴とする情報記録装置。
  5. 前記ラストパルスのシフト量は、0.1〜2.0Tの間の値であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の情報記録装置。
  6. 前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記第1の振幅を、前記第2の振幅の1.1〜2.0倍の間の値とすることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の情報記録装置。
  7. 記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、
    前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動源と、
    前記レーザ光を出射する光源と、
    前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、1つ又は複数のパルスにより構成されるとともに前記トップパルスに続くパルス列部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成手段と、
    前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、
    前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせることを特徴とする情報記録装置。
  8. 前記トップパルスのシフト量は、0.1〜1.5Tの間の値であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の情報記録装置。
  9. 前記信号生成手段は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記パルス列部のデューティ比を0.3〜0.9の間の値とすることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の情報記録装置。
  10. 光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、
    前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、
    前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、
    前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、
    前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせることを特徴とする情報記録方法。
  11. 光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、
    前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、
    前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、後端部に位置し前記第1の振幅を有するラストパルスと、前記トップパルスと前記ラストパルスの間に位置し第2の振幅を有する中間バイアス部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、
    前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、
    前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記ラストパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記ラストパルスの位置より後方にシフトさせることを特徴とする情報記録方法。
  12. 光源からのレーザ光を記録媒体に照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、
    前記記録媒体を少なくとも第1の回転速度と該第1の速度より速い第2の回転速度で回転駆動する駆動工程と、
    前記記録信号に基づき、前端部に位置し第1の振幅を有するトップパルスと、1つ又は複数のパルスにより構成されるとともに前記トップパルスに続くパルス列部とを含む記録パルス信号を生成する信号生成工程と、
    前記記録パルス信号に基づいて前記光源を制御することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御工程と、を備え、
    前記信号生成工程は、前記記録媒体が前記第2の回転速度で回転駆動されるとき、前記トップパルスの位置を前記記録媒体が前記第1の回転速度で回転駆動されるときの前記トップパルスの位置より前方にシフトさせることを特徴とする情報記録方法。
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