JPWO2003106702A1 - グルコース脱水素酵素を用いたグルコース濃度測定方法およびグルコースセンサ - Google Patents
グルコース脱水素酵素を用いたグルコース濃度測定方法およびグルコースセンサ Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、試料液(たとえば血液などの生化学的試料またはこれの調整液)のグルコース濃度を測定するための技術に関する。
背景技術
糖尿病患者にとっては、血糖値を管理するために日頃から自己の血糖値を把握しておくことは重要である。その一方、頻繁に医療機関に足を運ぶのが煩わしことから、患者自身が簡易に血糖値の測定を行え、しかも出先などでも血糖値の測定を手軽に行えるように、手のひらに納まるようなサイズの携帯型の簡易血糖値測定装置が用いられている。
携帯型の簡易血糖値測定装置を使用する場合には、酵素反応場を提供するグルコースセンサを血糖値測定装置に装着し、グルコースセンサに対して血液(検体)を供給することにより血糖値の測定が行われる。この場合、測定者の皮膚を切開して血液を採取し、この血液を試料液としてグルコースセンサに供給する方法が一般的に採用されている。この方法では、血液採取に対する測定者への負担を小さくする観点からは、採取すべき血液量が少ないほうが好ましいため、少ない血液(検体)で血糖値を測定できるように様々な改良が検討されている。
グルコースセンサは、たとえば基板上に電極および試薬層を形成するとともに、この試薬層を内部に収容した格好でキャピラリを設けた構成とされる(図2および図3参照)。試薬層は、酸化還元酵素と電子伝達物質とを含んだものとして構成されるが、酸化還元酵素としてはGODやPQQGDHが、電子伝達物質としてはフェリシアン化カリウムが汎用されている(たとえば日本国特開2000−65778号公報)。このグルコースセンサでは、キャピラリを利用して試薬層に検体が供給されたときに、キャピラリの内部に液相の反応系が構築される。このとき、酸化還元酵素によって、たとえばグルコースの酸化反応が触媒される一方で、電子伝達物質の還元反応が触媒される。
これに対して、簡易血糖値測定装置においては、グルコースセンサの電極を利用して、反応系に対して電圧を印加することにより応答電流値が測定される。この応答電流値は、たとえば還元型の電子伝達物質の量(グルコース濃度に相関する量)に起因するものであり、グルコース濃度を演算する際の基礎とされるものである。グルコース濃度を演算する場合には、クーロメトリ法あるいはアンペロメトリ法が採用される。クーロメトリ法は、検体中の殆ど全てのグルコースを反応させてから、演算用の応答電流値の積算値を取得し、積算値(電量)に基づいてグルコース濃度を演算する方法である。一方、アンペロメトリ法は、反応開始から一定時間後に応答電流値を取得し、この応答電流値に基づいてグルコース濃度を演算する方法である。
GODは、グルコースとの反応速度が小さい(Km(ミカエリス定数)が大きい)ため、検体中の大部分のグルコースを反応させて演算用の電量を取得するクーロメトリ法では測定時間が著しく長くなってしまう。そのため、酸化還元酵素としてGODを用いて短時間でグルコース濃度を測定する場合には、アンペロメトリ法が利用されている。
しかしながら、アンペロメトリ法では、グルコース濃度が小さい場合には、応答電流値を取得する段階において酵素反応が殆ど終了してしまいかねず、得られる応答電流値が小さくなって、低濃度領域での測定精度が悪くなってしまう。微量検体においては、グルコースの絶対量が少ないために同様な問題が生じうる。このような不具合を解消するためには、使用する酵素量を少なくすればよい。しかしながら、酵素量が少ない場合には、グルコースの反応速度が小さくなるため、一定以上のグルコース濃度の検体においては、グルコース濃度の差がグルコースの反応量の差として優位に現れない。その結果、酵素量を少なくすれば、高濃度領域においては、グルコース濃度の差を応答電流値の差として有意に得られず、分解能が悪化してしまう。したがって、アンペロメトリ法は、測定レンジが小さく、微量検体の測定には不向きな方法であるといえる。
さらに、GODは、電子伝達物質との反応性もさほど大きくない。そのため、測定時間を短くするためには、電子伝達物質を多量に用いる必要がある。その結果、グルコースセンサ(正確には試薬層やキャピラリ)の小型化が困難となり、これに応じて必要な検体量も多くなる。この点からも、GODを使用する方法は微量検体を測定するのに不向きであるといえる。
これらの事情からすれば、GODを使用するアンペロメトリ法では、精度良くグルコースを測定できる検体量は、最小で0.6μL、測定時間にして最小で15秒、測定レンジにしてグルコース濃度が10〜600mg/dLの範囲が限界であるといわれている。
その一方で、酸化還元酵素としてPQQGDHを採用した場合には、クーロメトリ法を採用すれば、0.3μLの微量検体でも血糖値を測定することが可能となることが知られている。ところが、クーロメトリ法は、上述のように検体中の殆ど全てのグルコースを利用してグルコース濃度を演算する方法であるため、アンペロメトリ法に比べて、グルコース高濃度域では相対的に測定時間が長くなる傾向にある。たとえば、実用上必要とされる最低限の測定レンジ(10〜600mg/dL)を確保するためには、測定時間を15〜30秒は確保する必要がある。
測定時間を短くするためには、試薬層における酵素や電子伝達物質の含有量を多くすることも考えられるが、この場合には、試薬層の溶解性が悪化する。そのため、キャピラリに検体を供給したときに、キャピラリにおいて均一な液相の反応系を構築するのが困難となる。その結果、グルコースセンサ毎(測定毎)の溶解の程度の差に起因して再現性が悪化し、あるいは血液中の血球成分の影響を受けやすくなるなどして、測定精度が悪化するといった問題が生じる。とくに、フェリシアン化カリウムは血液に対する溶解性が小さいため、電子伝達物質としてフェリシアン化カリウムを使用する場合には、測定精度の悪化が顕著となる。また、フェリシアン化カリウムは、保存安定性が悪く、容易に還元体へと移行するため、含有量が多くなるとバックグラウンドの増大につながり、今度はグルコース低濃度域の測定精度が低下する。
発明の開示
本発明は、測定レンジを大きく確保しつつも、短時間かつ精度良く、微量検体を測定できるようにすることを目的としている。
本発明の第1の側面においては、酵素および電子伝達物質を含む反応系を利用してグルコース濃度を測定する方法であって、上記酵素としてチトクロムCが結合されたグルコース脱水素酵素を使用し、上記電子伝達物質としてRu化合物を使用する、グルコース濃度測定方法が提供される。
チトクロムCとしては、ブルクホルデリア属に属する微生物に由来するものを使用するのが好ましい。チトクロムCとしては、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において分子量が約43kDaであるものを使用することができる。
本発明の第2の側面においては、酵素および電子伝達物質を含む反応系を利用してグルコース濃度を測定する方法であって、上記酵素としてブルクホルデリア属由来のグルコース脱水素酵素を使用し、上記電子伝達物質としてRu化合物を使用する、グルコース脱水素酵素を用いたグルコース濃度測定方法が提供される。
本発明に係るグルコース濃度測定方法では、たとえば反応系に対して刺激を与える一方で、この刺激に対する応答を検出し、この応答の検出量に基づいてグルコース濃度が演算される。この場合、刺激は、たとえば電圧として与えられ、応答は、電流あるいは光学的特性として得られる。
本発明の第3の側面においては、第1および第2電極と、酵素および電子伝達物質を含んだ試薬層と、を備え、上記試薬層に対してグルコース溶液を供給して反応系を構築するとともに、この反応系に対して上記第1および第2電極を利用して刺激を与えるように構成されたグルコースセンサであって、上記酵素としてチトクロムCが結合されたグルコース脱水素酵素を使用し、上記電子伝達物質として、Ru化合物を使用したことを特徴とする、グルコースセンサが提供される。
チトクロムCとしては、ブルクホルデリア属に属する微生物に由来するものを使用するのが好ましい。チトクロムCとしては、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において分子量が約43kDaであるものを使用することができる。
本発明の第4の側面においては、第1および第2電極と、酵素および電子伝達物質を含んだ試薬層と、を備え、上記試薬層に対してグルコース溶液を供給して反応系を構築するとともに、この反応系に対して上記第1および第2電極を利用して刺激を与えるように構成されたグルコースセンサであって、上記酵素としてブルクホルデリア属由来のグルコース脱水素酵素を使用し、上記電子伝達物質としてRu化合物を使用したことを特徴とする、グルコースセンサが提供される。
本発明では、グルコース脱水素酵素として、グルコース脱水素酵素活性を有し、かつ還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約60kDaであるαサブユニットを有するものを使用することができる。グルコース脱水素酵素は、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約14kDaであるγサブユニットを有するものであってもよい。
本発明では、Ru化合物として、たとえば下記化学式に示す錯体を使用することができる。
[Ru(NH3)5X]n+
上記化学式におけるXとしては、NH3、ハロゲンイオン、CN,ピリジン、ニコチンアミド、またはH2Oが挙げられる。例示したもののうち、XがNH3またはハロゲンイオンであるRu錯体を使用するのが好ましい。一方、化学式におけるn+は、Xの種類によって決定されるRu錯体の価数を示している。
Ru錯体は、還元型(II)が不安定なために通常は酸化型(III)として存在する。そのため、たとえばグルコースセンサの試薬層に酸化型のRu錯体を混在させた状態で光や水に曝露されたとしても、容易には還元されない。また、Ru錯体は結晶化しにくく、微粉末状態を適切に維持することができるといった特性をも有している。この点からは、Ru錯体は溶解性が高いといえる。したがって、曝露耐性や保存安定性などを考慮した場合、試薬層に対しては、酸化型としてRu錯体を含ませるのが好ましい。
本発明のグルコースセンサは、たとえば試薬層が設けられ、かつ試料液を保持するための液保持空間をさらに備えたものとして構成される。この場合、試薬層は、固層として構成されるとともに、液保持空間に試料液を保持した状態では、酸化還元酵素および電子伝達物質の少なくとも一部が試料液に溶解するように構成される。つまり、グルコースセンサは、試料供給後においては、液保持空間内において、グルコース、酸化還元酵素および電子伝達物質により液相として反応系が構築されるように構成するのが好ましい。
液保持空間の容量は、微量試料液を測定できるように、たとえば0.1〜0.5μLに設定される。この場合、試薬層における酸化還元酵素の含有量は、たとえばグルコース脱水素酵素活性1.0〜10.0Uに相当する量とされる。酵素1単位(U)は、標準検定条件(pH6.0、37℃)の下でDCIP(2,6−ジクロロフェノルインドフェノル)の還元にもとづく退色を、DCIPの吸収波長である600nmにおいて経時的に計測したときに、1分ごとに1μMグルコースを酸化する量(モル吸光係数は4.76×1000μM/cm)として定義した。一方、試薬層における電子伝達物質の含有量は、たとえば液保持空間が試料液で満たされたときの電子伝達物質の濃度に換算して1.0〜5.0wt%に相当する量とされる。
液保持空間は、たとえば毛細管力により試料液を移動させるように構成される。
本発明でいうブルクホルデリア属に属する微生物は、グルコース脱水素酵素活性を有するαサブユニット、またはチトクロムC(βサブユニット)を含む酵素(以下、単に「GDH」ということがある)を産出できるものであれば特に限定されないが、その中でもブルクホルデリア・セパシア、とくにブルクホルデリア・セパシアKS1株(以下、単に「KS1株」ということがある)が好ましい。KS1株は、温泉付近の土壌から分離した新規菌株であるが、その菌学的性質からブルクホルデリア・セパシアであると同定されており、平成12年9月25日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に微生物受託番号第FERM BP−7306として寄託されている。KS1株は、αサブユニット(分子量約60kDa)、βサブユニット(チトクロムCに相当)(分子量約43kDa)およびγサブユニット(分子量約14kDa)を含むGDHを産出することができる。ただし、分子量は、還元条件下でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において測定したものである。
チトクロムC(βサブユニットを含む)は、電子伝達タンパク質であり、電子伝達速度を向上させる観点からは、グルコース脱水素酵素活性を有するサブユニット(αサブユニットを含む)に対して、チトクロムCを結合させた形で、GDH(以下、単に「CyGDH」ということがある)として使用するのが好ましい。チトクロムCは、ブルクホルデリア属に属する微生物に由来するもの(βサブユニット)に限らず、グルコース脱水素酵素活性を有するサブユニットに結合し、電子伝達機能を発揮できる限りにおいては、他の微生物や生体細胞に由来するものであってもよい。
αサブユニットは、既述のようにグルコース脱水素酵素活性を有するものである。αサブユニットとγサブユニットとからなるGDH(以下、単に「αGDH」ということがある)は、γサブユニットを有しないGDHに比べて、グルコースとの反応速度が大きい(Vmax/Kmが大きい)。この点については、本発明者らによって確認されている。したがって、グルコースとの反応速度を大きくする観点からは、αサブユニットを使用する場合には、αサブユニットに対してγサブユニットを結合させた形で、GDHとして使用するのが好ましい。
なお、本願の特許請求の範囲においては、由来菌によりαサブユニット、チトクロムC(βサブユニット)あるいはγサブユニットを特定することがあるが、これは各サブユニットを特定するための便法に過ぎない。すなわち、目的とするサブユニットの発現コードを含むベクターを宿主に移入し、この宿主から産出されるGDHをグルコース脱水素酵素として使用する場合であっても、相違点がGDH(サブユニット)の起源のみしかないときには、本発明の技術的範囲に属することを念のためにここで確認しておく。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示した濃度測定装置1は、本発明に係るグルコースセンサ2を用いて、血液などのグルコースを含む試料液中のグルコース濃度を測定するためのものである。この濃度測定装置1は、電圧印加部3、電流値測定部4、検知部5、制御部6、演算部7および表示部8を備えて大略構成されている。
グルコースセンサ2は、使い捨てとして構成されたものであり、図2および図3に良く表れているように、カバー板20、スペーサ21および基板22を有している。
カバー板20には穴部23が設けられており、スペーサ21には穴部23に連通するとともに先端部24aが開放した細幅なスリット24が設けられている。カバー板20およびスペーサ21が基板22の上面22aに積層された状態では、スリット24によりキャピラリ25が規定されている。このキャピラリ25は、その容量が、たとえば0.1〜0.5μLに設定されており、スリット24の先端開口部24aおよび穴部23を介して外部と連通している。先端開口部24aは試料液導入口25aを構成しており、この試料液導入口25aから供給された試料液は、毛細管現象により穴部23に向けてキャピラリ25内を進行する。
基板22の上面22aには、第1電極26、第2電極27、および試薬層28が設けられている。
第1および第2電極26,27は、全体として基板22の長手方向に延びており、それらの端部26a,27aが基板22の短手方向に延びている。基板22の上面22aは、第1および第2電極26,27の端部26a,26b,27a,27bが露出するようにして絶縁膜29により覆われている。
試薬層28は、たとえば固形状であり、第1および第2電極26,27の端部26a,27a間を橋渡すようにして設けられている。この試薬層28は、たとえば相対的に多量の酸化型のRu化合物(電子伝達物質)および相対的に少量のGDH(グルコース脱水素酵素)を含んでいる。試薬層におけるGDHの含有量は、たとえばグルコース脱水素酵素活性1.0〜10.0Uに相当する量とされ、試薬層におけるRu化合物の含有量は、たとえばキャピラリ25が試料液で満たされたときのRu化合物の濃度に換算して1.0〜5.0wt%に相当する量とされる。
酸化型のRu化合物は、電子伝達体として機能すればよいが、たとえば下記化学式で示されるRu錯体を使用するのが好ましい。
[Ru(NH3)5X]n+
上記化学式におけるXとしては、NH3、ハロゲンイオン、CN、ピリジン、ニコチンアミド、またはH2Oが挙げられる。例示したもののうち、XがNH3またはハロゲンイオンであるRu錯体を使用するのが好ましい。一方、化学式におけるn+は、Xの種類によって決定されるRu錯体の価数を示している。
試薬層28では、GDHに対して、Ru化合物の比率が大きくされており、Ru化合物が試薬層28の溶解性に与える影響は大きい。その一方で、Ru化合物として化学式で示したRu錯体は、結晶化しにくく、微粉末の状態を適切に維持でき、溶解性の高いものである。したがって、試薬層28は、全体として溶解性が高く、血液の供給によって容易に溶解するものとされている。そのため、グルコースセンサ2では、キャピラリ25の容積を上述した範囲のように小さく設定したとしても、血液が供給されたときに、キャピラリ25内において略均一な液相の反応系を適切に構築することができるようになる。
一方、GDHとしては、グルコース脱水素酵素活性を有するサブユニットに対して電子伝達たんぱく質であるチトクロムCを結合させたもの使用するのが好ましい。グルコース脱水素酵素活性を有するサブユニットやチトクロムCは、たとえばブルクホルデリア属に属する微生物、たとえばブルクホルデリア・セパシアKS1株に由来するものを使用するのが好ましい。もちろん、グルコース脱水素酵素活性を有するサブユニットやチトクロムCは、ブルクホルデリア属に属する微生物に限らず、目的とする機能が発揮できる範囲において他の微生物や生体細胞に由来するものであってもよいし、目的とするサブユニットの発現コードをブルクホルデリア属に属する微生物から取得するとともに、この発現コードを含むベクターを宿主に移入し、この宿主から産出させたものであってもよい。
微生物としてブルクホルデリア属に属するKS1株を用いる場合には、グルコース脱水素酵素活性を有するサブユニットは分子量約60kDaであるαサブユニットとして得られ、チトクロムCは分子量約43kDaであるβサブユニットとして得られる。このKS1株では、αサブユニットおよびβサブユニットに対して、分子量約14kDaであるγサブユニットが結合したGDHが産出される。ただし、分子量は、還元条件下でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において測定したものである。この場合、グルコースとの反応速度を大きくする観点からは、αサブユニットに対してγサブユニットを結合させたαGDHを使用するのが好ましい。一方、電子伝達速度を向上させる観点からは、αGDHに対してβサブユニット(チトクロムC)を結合させたCyGDHを使用するのが好ましい。
図1に示した電圧印加部3は、第1電極26の端部26bと第2電極27の端部27bとの間に定電圧を印加するものである。電圧印加部3は、グルコースセンサ2をグルコース濃度測定装置1に設けられた装着部(図示略)に装着することにより、第1および第2接触子3a,3bを介して、グルコースセンサ2の端部26b,27bと導通するようになっている。電圧印加部3としては、たとえば乾電池や充電池などの直流電源が使用される。
電流値測定部4は、反応系に対する電圧印加時に、たとえば還元型のRu化合物から放出された電子の量に相関する応答電流値を測定するものである。
検知部5は、グルコース濃度測定装置1にグルコースセンサ2が装着された後において、試薬層28に試料液が供給され、グルコース濃度の測定が可能になったか否かを検知するものである。
制御部6は、電圧印加部3を制御し、第1および第2電極26,27の間に電圧が印加される状態(閉回路)と印加されない状態(開回路)とを選択するものである。
演算部7は、電流値測定部4により測定された応答電流値に応じて、試料液中のグルコース濃度の演算を行うものである。
なお、検知部5、制御部6および演算部7のそれぞれは、たとえばCPUおよびROMやRAMなどのメモリにより構成されるが、検知部5、制御部6および演算部7の全てを、1つのCPUに対して複数のメモリを接続することにより構成することもできる。また、演算部7による演算結果は、表示部8により表示される。表示部8は、たとえばLCDなどにより構成される。
次に、試料液中のグルコース濃度測定の手順を図1ないし図3に加えて、図4および図5をも参照しつつ説明する。
図1に良く表れているように、まずグルコース濃度測定装置1にグルコースセンサ2をセットする。そうすると、グルコースセンサ2の第1電極26の端部26bが濃度測定装置1の第1接触子3aと接触し、第2電極27の端部27bが第2接触子3bと接触する。先にも触れたように、この状態では第1および第2電極26,27が電圧印加部3に導通可能とされている。実際の測定においては、グルコースセンサ2に試料液を供給する以前から、制御部6の制御に基づいて、電圧印加部3により第1および第2電極26,27間に定電圧が印加されている。印加電圧値は、たとえば100〜500mVの範囲に設定される。
次いで、グルコースセンサ2の試料液導入口25aを介して血液などの試料液を供給する。試料液は、毛細管現象によりグルコースセンサ2のキャピラリ25内を進行する。その過程において、試料液により試薬層28が溶解されて、液相の反応系が構築される。反応系においては、たとえばGDHによりグルコースが酸化されるとともにRu化合物が還元型とされる。
2つの端部26b,27bを介して第1および第2電極26,27間に定電圧を印加した状態では、試薬層28に存在する還元型のRu化合物が第1電極26の端部26a側に移動し、この端部26aに電子を放出して酸化型のRu化合物となる。したがって、電圧印加部3により第1および第2電極26,27間に定電圧を供給した状態では、還元型のRu化合物から付与された電子の量が第1電極26および第1接触子3aを介して電流値測定部4において応答電流として測定される。
一方、電流値測定部4において測定された応答電流値は、検知部5においてモニタリングされており、図4に示したように、応答電流値が閾値I1(たとえば0.1〜3.0μA)を超えた時点t0で、検知部5は試薬層28に試料液が供給され、試薬層28が溶解したことを検知する。
検知部5において試料液が供給されたことが検知された場合には、電流値測定部4は、この検知から一定時間(たとえばt2−t0が10秒以下、さらに好ましくは5秒以下)の経過時点t2における演算用の応答電流値I2を測定する。
なお、図5に示したように、検知部5において試料液が供給されたことが検知されてから一定時間(たとえばt1−t0が10秒以下、さらに好ましくは3秒以下)が経過する時点t1まで電圧の印加を一旦中止してもよい。その上で、時点t1から電圧を再印加する一方で、この再印加から一定時間(たとえばt2−t1が3秒以上、さらに好ましくは3秒〜5秒)が経過する時点t2における応答電流値を演算用の応答電流値I2として採用してもよい。
一方、演算部7では、演算用の応答電流I2に基づいて、試料液中のグルコース濃度を演算する。グルコース濃度の演算は、応答電流値を電圧値に換算した後に、この電圧値を、予め作成しておいた電圧値とグルコース濃度との関係を示す検量線に当てはめることにより演算される。検量線は、たとえばデータ化されて演算を実行するプログラムとともにROMに格納されている。
本実施の形態では、Ru化合物と、特定のGDH(αGDHやCyGDHなど)と、を組み合わせて試薬層28が構成されている。このような試薬層28では、試料液を供給したときの反応速度(酵素反応速度および電子伝達速度(Vmax/Km)の双方を含む)が大きく、たとえばCyGDHではVmax/Kmが約2100mMである。そのため、グルコース濃度が小さい場合であっても、最大速度でグルコース反応が進行し、単位時間当たりに生成される反応生成物の量はグルコース濃度の大小に関わらず同じとなる。また、グルコース濃度が1000mg/dL程度であっても、1秒未満全てのグルコースとの反応が終了し、検体量が少なくても多くの反応生成物が得られるため、グルコース濃度の大きさに関わらず、短時間でエンドポイントに達することができる。その結果、後述する実施例から明らかとなるが、測定対象となる試料液(たとえば血液)の量を少なくしつつも、測定時間(図4および図5のt2−t0)を短く設定できる。その上、グルコース濃度が大きい微量検体を測定する場合であっても、同一濃度のグルコース濃度を複数回測定した場合における応答電流値のバラツキが小さく、測定レンジの幅も大きく確保できるようになる。
上述したように、試薬層28が溶解性の高いものとされているため、微量試料を測定するためにキャピラリサイズが小さくされている場合であっても、試料液の供給時にキャピラリ25において、略均一な液相の反応系を構築することができる。そのため、試料液としての血液(検体)を使用する場合においても、血球成分の影響をさほど受けることなく、再現性良く応答電流値を測定することができる。
Ru錯体などのRu化合物は酸化型が安定であるために還元型へとは移行しにくいため、Ru化合物を用いたバイオセンサは保存安定性が高く、バックグラウンドが小さい。そのため、グルコース濃度が小さい試料や微量試料を用いてグルコース濃度を測定する場合であっても、測定精度が悪化することもない。
本実施の形態では、グルコースセンサと濃度測定装置との組み合わせにおいて、グルコース濃度の測定方法を説明したが、本発明に係るグルコース濃度の測定方法は、酵素固定化電極を備えたメータを用いて実現することも可能である。
実施例
以下においては、酵素反応を利用したグルコース濃度の測定において、Ru錯体とαGDHまたはCyGDHを組み合わせて試薬層を構成したグルコースセンサは、微量検体であっても、反応速度が大きく(測定時間が短く)、測定レンジが広くて再現性に優れ、ヘマトクリット(Hct)の影響を受けにくいことを実証する。
〈グルコースセンサの作成〉
グルコースセンサとしては、基板上に、第1電極、第2電極、試薬層、およびキャピラリが形成されたもの(図2および図3参照)を使用した。第1および第2電極は、基板上にカーボンインクをスクリーン印刷した後に乾燥させることにより形成した。キャピラリの容積は、基本的には0.3μLに設定した。ただし、検体中のHctの影響については、後述するようにキャピラリの容積を0.4μLおよび0.5μLとしたものについても検討した。試薬層は、電子伝達層および酵素含有層からなる2層構造とした。電子伝達層は、基板上に電子伝達物質を含む第1材料液0.4μLを塗布した後に第1材料液を送風乾燥(30℃,10%Rh)することにより形成した。酵素含有層は、電子伝達層上に、酸化還元酵素を含む第2材料液0.3μLを塗布した後に第2材料液を送風乾燥(30℃,10%Rh)することにより形成した。
第1材料液は、下記表1の▲1▼〜▲4▼を番号通りの順序で混合した混合液を1〜3日放置した後、この混合液に電子伝達物質を添加することにより調製した。第2材料液は、酸化還元酵素を0.1%CHAPSに溶解させることにより調製した。
電子伝達物質としては、[Ru(NH3)6]Cl3(Aldrich製)(以下、単に「Ru」あるいは「Ru錯体」という)またはK3[Fe(III)(CN)6](ナカライテスク(株)製「28637−75」)(以下、単に「Ferri」という)を使用し、酸化還元酵素としては、CyGDH、αGDHまたはPQQGDHを使用した。上述したように、CyGDHは、αサブユニット、βサブユニットおよびγサブユニットからなり、αGDHは、αサブユニットおよびγサブユニットからなるものである。PQQGDHはPQQ(ピロロキノリンキノン)を補酵素とするものである。
表1などにおいて、SWNはルーセントタイトSWNの略号であり、CHAPSは3−[(3−cholamidopropyl)dimethylammonio]propanesulfonic acidの略号であり、ACESはN−(2−acetamido)−2−aminoetanesulfonic acidの略号である。SWNとしてはコープケミカル(株)製「3150」を使用し、CHAPSとしては同仁化学研究所製「KC062」を使用し、ACESとしては同仁化学研究所製「ED067」を使用した。なお、ACES溶液はpHが7.5となるように調製した。
〈グルコース溶液の調製〉
グルコース溶液としては、グルコース濃度およびHct値が目的濃度に調製された全血(検体)を用いた。Hct値は、特段の限定がない限りは42%に調整している。グルコース濃度は、試験目的に応じて、0、101、412、624、820あるいは1034mg/dLに調整した。
〈応答電流値の測定〉
応答電流値は、グルコースセンサの第1および第2電極の間に定電位(200mV)を印加した状態で、試薬層にキャピラリ容積に応じた量(0.3μL、0.4μL、0.5μL)の検体を供給し、この検体供給から特定時間(5秒あるいは10秒)の経過後に測定した。
[測定レンジの評価]
測定レンジは、種々のグルコース濃度の検体を用いて応答電流値を測定した上で、グルコース濃度を横軸に、応答電流値を縦軸に設定したときのプロット点の直線性から評価した。検体の供給から5秒後の応答電流値に関する結果を図6A〜図6Dおよび図7A〜図7Dに、検体の供給から10秒後の応答電流値に関する結果を図8A〜図8Dおよび図9A〜図9Dにそれぞれ示した。これらの図においては、各プロット点は、同一構成とされた10個のグルコースセンサについて応答電流値を測定した上で、その平均値として示してある。本評価で使用したグルコースセンサにおいては、酸化還元酵素および電子伝達物質に関しては下記表2に示した通りとした。表2においては、センサ番号A−1〜3,B−1〜3が本案のグルコースセンサであり、その他は比較のためのグルコースセンサである。表2における酸化還元酵素の活性は、キャピラリに検体を供給して液相反応系を構成した場合における当該液相反応系での活性を表しており、電子伝達物質の含有量は、上記液相反応系における電子伝達物質の重量比率を表している。
[再現性の評価]
再現性は、同一条件下(グルコースセンサの構成および検体の濃度が同一)での測定値のバラツキにより評価した。バラツキは、相対標準偏差(C.V.)により評価した。C.V.は、図6〜図9における各プロット点を計算する際の基礎となる10個の測定データに基づいて計算した。5秒値についての結果を表3ないし表5に、10秒値についての結果を表6ないし表8にそれぞれ示した。
[検体中のHctの影響の検討]
Hctの影響は、試薬層の組成が同一の複数のグルコースについて、グルコース濃度が同一でHct値が異なる複数の検体を用いて、検体供給から一定時間経過後の応答電流値を測定することにより行った。グルコースセンサとしては、本案センサ1〜3および比較センサを使用した。本案センサ1では、スペーサの厚みを58μmとしてキャピラリ容積(検体量)を0.5μLに設定し、本案センサ2では、スペーサの厚みを44μmとしてキャピラリ容積(検体量)を0.4μLに設定し、本案センサ3は、スペーサの厚みを33μmとしてキャピラリ容積(検体量)を0.3μLに設定した。本案センサ1〜3では、試薬層におけるCyGDHの含有量を2.0U相当量、[Ru(NH3)6]Cl3の含有量を4wt%(電子伝達物質の濃度に換算して)とした。一方、比較センサとしては、アークレイ(株)製の簡易血糖値測定機グルコカード専用センサを用いた。このセンサは、酸化還元酵素としてGODを、電子伝達物質としてFerriを用いたものである。
本案センサ1〜3を用いたときの結果は図10A〜図10Cに、比較センサを用いたときの結果は図10Dに示した。図10A〜図10Dにおいては、Hct値が42%のときの応答電流値を基準とし、この測定値に対するずれ量(Bias)を縦軸として表してある。図10A〜図10Cにおいては横軸を時間、図10Dにおいては横軸をHct値として表している。なお、各図における各プロット点は、5回の測定の平均値として示してあり、図10Dにおけるプロット点は、検体の供給から30秒後の値に基づいて計算したものである。
[評価結果の考察]
酵素としてCyGDH、電子伝達物質としてRu錯体を使用したグルコースセンサ(A−1〜3)は、図6Aおよび図8Aから分かるように、Ru錯体の含有量を小さくしても高い直線性が得られている。このような結果は、5秒値であるか10秒値であるかを問わず、またグルコース濃度が高い濃度域(600〜1000mg/dL)においても得られていることから、CyGDHとRu錯体とを組み合わせた系は、反応速度が大きい(Kmが小さい)ということができる。表3〜表8から分かるように、CyGDHとRu錯体とを組み合わせた系は、C.V.が小さく、再現性に優れている。以上の結果をまとめると、CyGDHとRu錯体とを組み合わせた系は、5秒値と10秒値の双方においてRuの濃度を変化させても、直線性、再現性に大きな変化は無く、5秒で十分反応が終了し、グルコースを定量できるといえる。
αGDHとRu錯体とを組み合わせたグルコースセンサ(B−1〜3)では、図6Bおよび図8Bから分かるように、Ru錯体の含有量を小さく(2wt%)した場合には、グルコース濃度が高い濃度域(600〜1000mg/dL)で直線性が若干乱れているものの、基本的には、CyGDHとRu錯体とを組み合わせた系と同様な結果が得られている。そのため、αGDHとRu錯体とを組み合わせた系についても、反応速度が大きいといえ、また表3〜表8から分かるように、基本的には再現性に優れているといえる。したがって、αGDHとRu錯体とを組み合わせた系についても、5秒で十分反応が終了し、グルコースを定量できるといえる。
これに対して、RuとPQQGDHとを組み合わせたグルコースセンサ(C−1〜3,D−1〜3)では、図6C,図6Dおよび図8C,図8Dから分かるように、直線性を確保するためには、Ru錯体および酸化還元酵素の含有量を大きくする必要がある。この場合、試薬層の総量が大きくなるため、微量検体(0.3μL)を測定するためにキャピラリサイズを小さくする方向性には馴染まず、実用的でない。
電子伝達物質としてFerriを用いたグルコースセンサ(E−1〜3,F−1〜3,G−1〜3,H−1〜3)は、図7A〜図7Dおよび図9A〜図9Dから明らかなように、直線性が悪い。しかも、図7C,図7Dおよび図9C,図9Dから分かるように、酸化還元酵素としてPQQGDHを使用したグルコースセンサG−1〜3,H−1〜3では、酵素量を多く(20U)しても、RuとCyGDHとを組み合わせた系には、反応速度において及ばず、実用的でないといえる。また、表3〜表8から分かるように、Ferri自体の溶解性の悪さからか、全体的に再現性が悪く、この点からも実用性を欠いているといえる。
図10A〜図10Cに示したように、本案センサ1〜3では、測定時間を長く設定するにつれて、Hctの影響が小さくなり、検体の供給開始から10秒後では殆どにHctの影響を受けていない。一方、キャピラリ容積が小さく、スペーサの厚みが小さい本案センサほど、Hctの影響が小さくなっている。このことから、Hctの影響を抑制するためには、スペーサの厚みを小さくして、センサの電極表面でのグルコース反応を素早く起こさせるのが有用であるといえる。
これに対して、比較センサでは、検体の供給開始から30秒後においても、Hct値が大きい場合には、Hctの影響を大きく受けており、そのBias値は、本案センサの5秒値に同等程度である。したがって、Ru錯体とCyGDHとを組み合わせた本案センサ1〜3は、検体量が少なくても短い時間で測定可能であり、しかもHctの影響を受けにくい。そのため、Ru錯体とCyGDHとを組み合わせた場合には、検体量の減量および測定時間の短縮が可能であり、Hctの影響を受けにくいグルコースセンサの構築が可能となる。
以上のことから、微量検体(たとえば0.3μL)にて短時間で血糖を測定する場合においては、RuとCyGDHとを組み合わせは、測定レンジ、再現性、測定時間、Hctの影響を回避する点において、優位な組み合わせであるといえる。
本発明では、Ru錯体と特定のグルコース脱水素酵素(チトクロムCが結合されたもの、またはブルクホルデリア属に属する微生物に由来するもの)とを組み合わせた反応系を構築することにより、測定レンジを大きく確保しつつ、短時間かつ精度良く、ヘマトクリットの影響をさほど受けることなく、微量なグルコース溶液を測定できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、濃度測定装置に対して本発明に係るグルコースセンサを装着した状態を示すものであり、濃度測定装置についてはブロック図で、グルコースセンサについては平面図で示したものである。
図2は、グルコースセンサの一例を示す全体斜視図である。
図3は、図2のグルコースセンサの分解斜視図である。
図4は、グルコース濃度の測定において、第1および第2電極間に印加する電圧値、および応答電流値の経時的変化の一例を示すグラフである。
図5は、グルコース濃度の測定において、第1および第2電極間に印加する電圧値、および応答電流値の経時的変化の他の例を示すグラフである。
図6A〜図6Dは、Ru錯体を用いて試薬層を構成した場合において、グルコース濃度と反応開始5秒後の応答電流値との関係を示すグラフである。
図7A〜図7Dは、鉄錯体を用いて試薬層を構成した場合において、グルコース濃度と反応開始5秒後の応答電流値との関係を示すグラフである。
図8A〜図8Dは、Ru錯体を用いて試薬層を構成した場合において、グルコース濃度と反応開始10秒後の応答電流値との関係を示すグラフである。
図9A〜図9Dは、鉄錯体を用いて試薬層を構成した場合において、グルコース濃度と反応開始10秒後の応答電流値との関係を示すグラフである。
図10A〜図10Dは、ヘマトクリット(Hct)の影響を、反応開始から特定時間経過後のBias(Hct42%基準)として評価したグラフである。
Claims (32)
- 酵素および電子伝達物質を含む反応系を利用してグルコース濃度を測定する方法であって、
上記酵素としてチトクロムCが結合されたグルコース脱水素酵素を使用し、
上記電子伝達物質としてRu化合物を使用する、グルコース脱水素酵素を用いたグルコース濃度測定方法。 - 上記チトクロムCは、ブルクホルデリア属に属する微生物に由来するものである、請求項1に記載のグルコース濃度測定方法。
- 上記チトクロムCは、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約43kDaである、請求項1に記載のグルコース濃度測定方法。
- 上記反応系に対して刺激を与える一方で、この刺激に対する応答を検出し、この応答の検出量に基づいてグルコース濃度を演算する、請求項1に記載のグルコース濃度測定方法。
- 上記グルコース脱水素酵素は、グルコース脱水素酵素活性を有し、かつ還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約60kDaであるαサブユニットを有している、請求項1に記載のグルコース濃度測定方法。
- 上記グルコース脱水素酵素は、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約14kDaであるγサブユニットを有している、請求項1に記載のグルコース濃度測定方法。
- 上記Ru化合物は、下記化学式に示す錯体である、請求項1に記載のグルコース濃度測定方法。
[Ru(NH3)5X]n+
(上記化学式におけるXは、NH3、ハロゲンイオン、CN,ピリジン、ニコチンアミド、またはH2Oであり、n+は、Xの種類によって決定されるRu錯体の価数を示している。) - 酵素および電子伝達物質を含む反応系を利用してグルコース濃度を測定する方法であって、
上記酵素としてブルクホルデリア属に属する微生物に由来するグルコース脱水素酵素を使用し、
上記電子伝達物質としてRu化合物を使用する、グルコース脱水素酵素を用いたグルコース濃度測定方法。 - 上記反応系に対して刺激を与える一方で、この刺激に対する応答を検出し、この応答の検出量に基づいてグルコース濃度を演算する、請求項8に記載のグルコース濃度測定方法。
- 上記グルコース脱水素酵素は、グルコース脱水素酵素活性を有し、かつ還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約60kDaであるαサブユニットを有している、請求項8に記載のグルコース濃度測定方法。
- 上記グルコース脱水素酵素は、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約14kDaであるγサブユニットを有している、請求項8に記載のグルコース濃度測定方法。
- 上記Ru化合物は、下記化学式に示す錯体である、請求項8に記載のグルコース濃度測定方法。
[Ru(NH3)5X]n+
(上記化学式におけるXは、NH3、ハロゲンイオン、CN,ピリジン、ニコチンアミド、またはH2Oであり、n+は、Xの種類によって決定されるRu錯体の価数を示している。) - 第1および第2電極と、酵素および電子伝達物質を含んだ試薬層と、を備え、上記試薬層に対してグルコース溶液を供給して反応系を構築するとともに、この反応系に対して上記第1および第2電極を利用して刺激を与えるように構成されたグルコースセンサであって、
上記酵素としてチトクロムCが結合されたグルコース脱水素酵素を使用し、
上記電子伝達物質としてRu化合物を使用する、グルコースセンサ。 - 上記チトクロムCは、ブルクホルデリア属に属する微生物に由来するものである、請求項13に記載のグルコースセンサ。
- 上記チトクロムCは、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約43kDaである、請求項13に記載のグルコースセンサ。
- 上記グルコース脱水素酵素は、グルコース脱水素酵素活性を有し、かつ還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約60kDaであるαサブユニットを有している、請求項13に記載のグルコースセンサ。
- 上記グルコース脱水素酵素は、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約14kDaであるγサブユニットを有している、請求項13に記載のグルコースセンサ。
- 上記Ru化合物は、下記化学式に示す錯体である、請求項13に記載のグルコースセンサ。
[Ru(NH3)5X]n+
(上記化学式におけるXは、NH3、ハロゲンイオン、CN,ピリジン、ニコチンアミド、またはH2Oであり、n+は、Xの種類によって決定されるRu錯体の価数を示している。) - 上記試薬層が設けられ、かつ試料液を保持するための液保持空間をさらに備えており、
上記試薬層は、固層として構成されているとともに、上記液保持空間に試料液を保持した状態では、上記酸化還元酵素および電子伝達物質の少なくとも一部が上記試料液に溶解するように構成されている、請求項13に記載のグルコースセンサ。 - 上記液保持空間の容量は、0.1〜0.5μLである、請求項19に記載のグルコースセンサ。
- 上記試薬層における酵素の含有量は、グルコース脱水素酵素活性1.0〜10.0Uに相当する量である、請求項19に記載のグルコースセンサ。
- 上記試薬層における電子伝達物質の含有量は、上記液保持空間が試料液で満たされたときの電子伝達物質の濃度に換算して1.0〜5.0wt%に相当する量である、請求項21に記載のグルコースセンサ。
- 上記液保持空間は、毛細管力により試料液を移動させるように構成されている、請求項19に記載のグルコースセンサ。
- 第1および第2電極と、酵素および電子伝達物質を含んだ試薬層と、を備え、上記試薬層に対してグルコース溶液を供給して反応系を構築するとともに、この反応系に対して上記第1および第2電極を利用して刺激を与えるように構成されたグルコースセンサであって、
上記酵素としてブルクホルデリア属に属する微生物に由来のグルコース脱水素酵素を使用し、
上記電子伝達物質としてRu化合物を使用する、グルコースセンサ。 - 上記グルコース脱水素酵素は、グルコース脱水素酵素活性を有し、かつ還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約60kDaであるαサブユニットを有している、請求項24に記載のグルコースセンサ。
- 上記グルコース脱水素酵素は、還元条件化でのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動において、分子量が約14kDaであるγサブユニットを有している、請求項24に記載のグルコースセンサ。
- 上記Ru化合物は、下記化学式に示す錯体である、請求項24に記載のグルコースセンサ。
[Ru(NH3)5X]n+
(上記化学式におけるXは、NH3、ハロゲンイオン、CN,ピリジン、ニコチンアミド、またはH2Oであり、n+は、Xの種類によって決定されるRu錯体の価数を示している。) - 上記試薬層が設けられ、かつ試料液を保持するための液保持空間をさらに備えており、
上記試薬層は、固層として構成されているとともに、上記液保持空間に試料液を保持した状態では、上記酸化還元酵素および電子伝達物質の少なくとも一部が上記試料液に溶解するように構成されている、請求項24に記載のグルコースセンサ。 - 上記液保持空間の容量は、0.1〜0.5μLである、請求項28に記載のグルコースセンサ。
- 上記試薬層における酵素の含有量は、グルコース脱水素酵素活性1.0〜10.0Uに相当する量である、請求項28に記載のグルコースセンサ。
- 上記試薬層における電子伝達物質の含有量は、上記液保持空間が試料液で満たされたときの電子伝達物質の濃度に換算して1.0〜5.0wt%に相当する量である、請求項30に記載のグルコースセンサ。
- 上記液保持空間は、毛細管力により試料液を移動させるように構成されている、請求項24に記載のグルコースセンサ。
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