JPWO2003097821A1 - セレウス菌が産生するセレウリドの合成酵素、それをコードする遺伝子、及びセレウリドの検出方法 - Google Patents

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Abstract

セレウス菌(Bacillus cereus)が産生する嘔吐毒(セレウリド)の簡便かつ迅速な検出法を提供する。検体中のセレウリド合成酵素の存在を指標としてセレウリドを検出する。セレウリド合成酵素の存在は当該酵素をコードする核酸を検出すること、又は当該酵素に特異的な抗体を用いた免疫学的方法によって行われる。

Description

技術分野
本発明はセレウス菌(Bacillus cereus)が産生する嘔吐毒(セレウリド)、及びその検出方法に関する。臨床検査あるいは食品検査などにおけるセレウリドの検出に本発明を利用できる。
背景技術
食品に混入して食中毒の原因となる細菌毒素の中でも黄色ブドウ球菌下痢毒素とセレウス菌嘔吐毒素が熱耐性毒素として加熱処理が無効である事が知られている。食品衛生上極めて重要である黄色ブドウ球菌毒素については検出法が確立されている一方で、セレウス菌嘔吐毒素の検出については現在まで適当な方法が開発されていない。セレウス菌は100℃、30分の加熱に耐える耐熱性の芽胞を形成するため煮沸によって完全に死滅させるのは困難であり、非加熱食品は固より加熱食品においてもセレウス菌嘔吐毒素による汚染が問題となる。セレウス菌は世界的に食中毒菌として知られ、わが国においても本菌による食中毒が多数報告されている。1994年にはセレウス菌から本嘔吐毒(セレウリドと命名される)が分離、精製され、その化学構造が決定された(Agata,N.,et al FEMS Microbiol.Lett.121,31−34(1994))。これに伴ってセレウリドをHEp−2細胞を利用して検出する方法が開発された(Agata,N.,et al FEMS Microbiol.Lett.121,31−34(1994))。
ここで、嘔吐毒素(セレウリド)の食品及びその他検体中での有無を明らかにすることはHACCPによる食品製造管理上きわめて重要であり、その検出法の開発が世界的に求められてきた。しかしながら、これまでセレウス菌の検出ならびにセレウリド検出を簡便かつ迅速に行う方法は開発されるに至っていない。上記のHEp−2細胞を利用する方法であっても熟練した技術を必要とすることから、簡便かつ正確な検出、及び多数の検体の同時処理が困難なものであった。さらに、検体が患者の嘔吐物、糞便、食品または拭き取り試料の場合、セレウス菌の同定までには増菌培養、分離培養を経て純培養、確認培養に至る操作を行わなければならない。各培養段階に要する時間はそれぞれ18〜24時間であり、総所要時間にすると約4日間もの長時間を要する。
本発明は以上の背景の下なされたものであって、セレウリドの検出に利用できるポリペプチド、核酸など、及びこれらを利用した簡便、かつ迅速なセレウリドの検出法を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明者らは上記目的に鑑み鋭意検討を行った。その結果、まずセレウリドの生合成に関与する酵素を見出し、併せてその同定に成功した。この酵素をコードする遺伝子の塩基配列と、セレウリドを産生しないセレウス菌が保有する対応遺伝子との比較を行ったところ、両者の間で相違する配列を見出し、この相違部分を利用してセレウリドの検出が行えるとの知見を得るに至った。本発明は以上の知見に基づきなされたものであって、以下の構成を提供する。
[1] 配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列の一部が改変されてなる配列を含有し、かつセレウリド合成活性を有するポリペプチド。
[2] 配列番号3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列の一部が改変されてなる配列を含有し、かつ前記ポリペプチドが有するセレウリド合成に関わる機能構造を保持するポリペプチド。
[3] [1]に記載されるいずれかのポリペプチドをコードする核酸。
[4] [2]に記載されるいずれかのポリペプチドをコードする核酸。
[5] [3]又は[4]に記載の核酸を保有するベクター。
[6] [5]に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
[7] 配列番号6の塩基配列においてセレウリド合成活性に直接関与する領域の少なくとも一部の配列、又は前記領域の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸。
[8] 配列番号7の塩基配列の少なくとも一部、又は前記塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸。
[9] 配列番号8の塩基配列においてセレウリド合成活性に直接関与する領域の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸。
[10] 配列番号9の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸。
[11] セレウリド合成活性を有するポリペプチドをコードするDNAにおける、セレウリド合成活性に直接関与する領域の少なくとも一部を含むDNA領域を特異的に増幅するように設計された一組の核酸。
[12] [7]〜[10]のいずれかに記載の核酸を不溶性支持体に固定してなる固相化核酸。
[13] セレウリド合成酵素に特異的に結合する抗体。
[14] 配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドに結合性を有し、かつ配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドに結合性を有しない、ことを特徴とする抗体。
[15] [7]〜[10]のいずれかに記載の核酸、[11]に記載の一組の核酸、又は[12]に記載の固相化核酸を含むセレウリド検出用キット。
[16] [11]に記載の一組の核酸と、
DNA増幅用酵素と、及び
DNA合成試薬と、を含むセレウリド検出用キット。
[17] [13]又は[14]に記載の抗体と、
抗原抗体反応用試薬と、を含むセレウリド検出用キット。
[18] 検体中の(a)又は(b)の存在を調べる工程、を含むセレウリド検出方法、
(a)配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列の一部が改変されてなる配列を含有し、かつセレウリド合成活性を有するポリペプチド、
(b)(a)のいずれかのポリペプチドをコードする核酸。
[19] 以下の工程を含むセレウリド検出方法、
(i)検体中のDNAを鋳型とし、[11]に記載の一組の核酸を用いてDNA増幅反応を行う工程、
(ii)増幅されたDNAを検出する工程。
[20] 以下の工程を含むセレウリド検出方法、
(iii)検体中のmRNAを鋳型としてcDNAを調製する工程、
(iv)[11]に記載の一組の核酸を用いてDNA増幅反応を行う工程、
(v)増幅されたDNAを検出する工程。
[21] 以下の工程を含むセレウリド検出方法、
(I)検体を[13]又は[14]に記載の抗体に接触させる工程、
(II)Iの工程の後、抗原抗体反応物を検出する工程。
[22] 前処理として以下の工程が行われる、[18]〜[21]のいずれかに記載のセレウリド検出方法、
(A)検体をセレウス菌の増菌培地に播種して培養する工程。
[23] 前処理として以下の工程が行われる、[18]〜[21]のいずれかに記載のセレウリド検出方法、
(A)検体をセレウス菌の増菌培地に播種して培養する工程、
(B)増殖したセレウス菌を溶菌ないし破砕する工程。
尚、本発明におけるDNAは2本鎖DNAに限らず、それを構成する1本鎖DNA(センス鎖及びアンチセンス鎖)を含む意味で用いられる。また、本発明のDNAにはコドンの縮重を考慮した任意の塩基配列を有するDNAが包含される。さらにはその形態も限定されず、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAが含有される。
また、本発明においてポリペプチドとは広義のポリペプチドを意味し、即ち複数のアミノ酸がペプチド結合をしたものを包括する表現として使用され、オリゴペプチド、狭義のポリペプチド、及びタンパク質を包含する。
本発明においては、セレウス菌が産生する嘔吐毒をセレウリドと称することとする。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1の局面はセレウリド合成活性を有するポリペプチド(以下、「セレウリド合成酵素」ともいう)に関する。本発明で提供されるセレウリド合成酵素は配列番号1のアミノ酸配列を含有する。この酵素は後述の実施例で示される様にセレウス菌のcDNAライブラリーを用いて同定された。セレウス合成酵素はセレウリドの合成に関与し、セレウリドを産生するセレウス菌においてのみ見いだされる。したがって、検体中における当該酵素の存在はセレウリド産生の有無を反映したものとなる。このようにセレウリド合成酵素はセレウリド検出の指標となる点で有用である。
一方、セレウリド合成酵素に特異的に結合する抗体が得られれば、これを利用して免疫学的方法により当該酵素の検出、即ちセレウリドの検出が可能となる。そこで、このような抗体を作製するための免疫源(抗原)として利用できる点においても本発明で提供されるポリペプチド(セレウリド合成酵素)は有用である。
ここで、配列番号1のアミノ酸配列の一部が改変されてなるアミノ酸配列を含有するポリペプチド(以下、「改変ポリペプチド」という)であってもセレウリド合成活性を有する限り、上記のポリペプチドと同様にセレウリドの検出などに利用することができる。このようなポリペプチドの例としては、配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドにおいて、セレウリド合成活性に関与する立体構造が保存されているポリペプチドが挙げられる。
ここでの「アミノ酸配列の一部が改変されてなる」とは、アミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、付加、及び/又は挿入されてなることを意味する。セレウリド合成活性を保持する限り、アミノ酸配列の改変(変異)位置は特に限定されず、また複数の位置で改変が生じていてもよい。改変にかかるアミノ酸数は、例えば全アミノ酸の10%以内に相当する数であり、好ましくは全アミノ酸の5%以内に相当する数である。さらに好ましくは全アミノ酸の1パーセント以内に相当する数である。以上のような改変ポリペプチドは公知の遺伝子工学的手法を用いて作製することができる。
後述の実施例で示されるように配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチドは4つのドメインから構成されていると考えられる。本発明においてはこれらのドメインを便宜上N末端側から順にCRS1、CRS2、CRS3、及びCRS4と称する。本発明者らの検討した結果によればセレウリド産生菌に特徴的なのはCRS3(1805番目〜2824番目のアミノ酸配列)及びCRS4(2825番目〜3704番目のアミノ酸配列)であった。従って、これらのドメインがセレウリド生合成に直接関与していると考えられた。このことから、これらいずれか又は両者を含有するポリペプチドがセレウリド合成酵素に特異的な抗体を作製するために特に有効な抗原になるものと考えられる。そこで、本発明は配列番号3、配列番号4、又は配列番号5に記載されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをも提供するものである。尚、これらのポリペプチドにおいて、それが有するセレウリド生合成に関わる機能構造を保持する限り一部のアミノ酸が改変されていてもよい。
尚、特に限定しない限り、以下の説明において「セレウリド生合成に直接関与している領域」といった場合には配列番号1のアミノ酸配列において1805番目〜3704番目の領域、即ちCRS3及びCRS4(DNAの場合にはCRS3及びCRS4をコードするDNA領域)を意味する。
本発明のポリペプチドの中で自然界に存在するものは抽出、精製等の操作を経ることにより、天然のポリペプチドとして調製することができる。例えば、セレウリドを産生するセレウス菌の菌体内から調製することができる。
また、本発明のポリペプチド(改変ポリペプチドを含む)は遺伝子工学的手法を用いて組換えポリペプチドとして調製することもできる。即ち、本発明のポリペプチドをコードするDNAを適当な宿主細胞に形質転換し、形質転換体内で発現されたポリペプチドを回収することにより調製することができる。回収されたポリペプチドは目的に応じて適宜精製される。組換えポリペプチドとして調製する場合には種々の修飾が可能である。例えば、本発明のポリペプチドをコードするDNAと他の適当なDNAとを同時にベクターに挿入し、本発明のポリペプチドと当該他のDNAがコードするペプチドないしポリペプチドとが連結された組換えポリペプチドを得ることができる。このような修飾により、組換えポリペプチドの抽出、精製の簡便化、又は生物学的機能の付加が可能である。
本発明のポリペプチドは化学合成により調製することもできる。例えば、周知のペプチド合成方法である固相法等により合成することができる。
本発明の第2の局面は上記本発明のポリペプチドをコードする核酸を提供する。このような核酸の具体例としては、配列番号6又は配列番号7の塩基配列を有するDNA、或は配列番号8又は配列番号9のRNAを挙げることができる。またはこれらのDNA等において一部が改変されてなるDNA等を挙げることができる。ここでの「一部が改変されてなる」とはDNA又はRNAを構成する塩基の一部が欠失、置換、挿入若しくは付加されていることを意味する。改変にかかる塩基数は、例えば1〜100個、好ましくは1〜20個、更に好ましくは、1〜10個である。
本発明の核酸はセレウリドを検出する際の試料として利用でき、即ちセレウリドの存在の有無についての指標を与える点で有用である。また、上記本発明のポリペプチドに結合する抗体、即ちセレウリドの検出に利用できる抗体を作製するために抗原を調製する過程で利用できる点で有用である。
以上の核酸は、適当なゲノムDNAライブラリー又はcDNAライブラリー、或はセレウリド産生菌の菌体内抽出液から、セレウリド合成酵素をコードする遺伝子(配列番号6の塩基配列を有するDNA)に特異的にハイブリダイズ可能なプローブ、プライマーなどを適宜利用して調製することができる。また、セレウリド合成酵素をコードする遺伝子の少なくとも一部を鋳型とし、dNTP(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)を原料としてPCR法などにより合成することもできる。
本発明のDNAを調製するために用いるゲノムDNAライブラリー又はcDNAライブラリーは、例えばセレウス菌NC7401株から常法に従って作製することができる。
本発明は上記本発明のDNA(改変DNAを含む)を保持するベクターも提供する。本発明のDNAを保持し得るものであれば、いかなるベクターを使用することも可能であるが、使用目的(クローニング、ポリペプチドの発現)に応じて、また宿主細胞の種類を考慮して適当なベクターを選択することが好ましい。本発明のDNAのベクターへの挿入は、例えば制限酵素及びDNAリガーゼを用いた周知の方法(Molecular Cloning,Third Edition,1.84,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York)により行うことができる。
本発明は更に上記本発明のDNA(改変DNAを含む)を保持する形質転換体を提供する。即ち、本発明のDNAで宿主細胞を形質転換して得られる形質転換体に関する。例えば、本発明のDNAをリン酸カルシウム法、エレクトロポーレーション(Potter,H.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.81,7161−7165(1984))、リポフェクション(Felgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84,7413−7417(1984))、マイクロインジェクション(Graessmann,M. & Graessmann,A.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.73,366−370(1976))等の公知の遺伝子導入方法により宿主細胞に導入して形質転換させることができる。また、上記本発明のベクターで宿主細胞を形質転換して本発明の形質転換体を得ることもできる。目的に応じて種々の宿主細胞を用いることが可能であり、例えば、大腸菌等の原核細胞、酵母等の真核細胞を用いることができる。大腸菌の系を利用する場合にはpET−3cやpET−8cなどのpETベクター(Novagen社)、pBADプラスミド(Invitrogen社)、pGEXプラスミド(Amersham Pharmacia biotech社)などを発現ベクターとして使用できる。
本発明の形質転換体を適当な条件で培養することにより、本発明のDNAの発現産物(ポリペプチド)を大量に生産することが可能であり、この発現産物は例えばセレウリド合成酵素の検出に利用可能な抗体の作製に利用できる。尚、数個のヒスチジンからなるHis−Tag、β−D−ガラクトシダーゼ、GST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)、チオレドキシン、マルトース結合タンパク、Myc、Xpress、FLAG等のタグ分子との融合タンパク質(ペプチド)として発現させることにより、発現産物の精製を容易に行うことができる。
本発明の第3の局面はセレウリドの検出方法に関し、検体中における次の(a)又は(b)の存在を調べる工程を含むことを特徴とする。(a):配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列の一部が改変されてなる配列を含有し、かつセレウリド合成活性を有するポリペプチド、又は(b):(a)のいずれかのポリペプチドをコードする核酸である。尚、検体中におけるセレウリドの存在は、即ちセレウリドを産生するセレウス菌の存在を意味することから、本発明における「セレウリドの検出方法」は「セレウリドを産生するセレウス菌の検出方法」と同義なものとして使用される。
(a)の存在を調べる方法は特に限定されないが、検出対象のポリペプチドに特異的な抗体を利用した免疫学的方法を利用することができる。
同様に、(b)の存在を調べる方法も特に限定されず、例えば検出対象のポリペプチドをコードする核酸に特異的な核酸プライマー及び/又は核酸プローブを利用した方法や、セレウリド合成酵素に特異的な領域を特異的に増幅するように設計された一組のプライマー(核酸)を用いたPCR法(ポリメレースチェーンリアクション)及びその変法や応用方法(PCR−RFLP(restriction fragment length polymorphism:制限酵素断片長多型)法、RT−PCR(reverse transcriptase PCR)法など)、サザンブロットハイブリダイゼーション法、ドットハイブリダイゼーション法(Southern,E.,J.Mol.Biol.98,503−517(1975))、ノーザンブロット法等を利用することができる。
本発明で提供されるセレウリド検出方法のより具体的な例を以下に示す。まず、PCR法等の核酸増幅反応を利用した例として、(i)検体中のDNAを鋳型とし、セレウリド合成活性を有するポリペプチドをコードするDNA(例えば配列番号6の塩基配列からなるDNA)における、セレウリド合成活性に直接関与する領域(例えば配列番号7の塩基配列からなるDNA領域)の少なくとも一部を含むDNA領域を特異的に増幅するように設計された一組の核酸を用いてDNA増幅反応を行う工程、及び(ii)増幅されたDNAを検出する工程を含む方法を挙げることができる。また、RT−PCR法を利用した方法として、(iii)検体中のmRNAを鋳型としてcDNAを調製する工程、(iv)セレウリド合成活性を有するポリペプチドをコードするDNAにおける、セレウリド合成活性に直接関与する領域の少なくとも一部を含むDNA領域を特異的に増幅するように設計された一組の核酸を用いてDNA増幅反応を行う工程、及び(v)増幅されたDNAを検出する工程を含む方法を挙げることができる。
一組のプライマーによって規定される増幅領域はPCR法等によって増幅され得る大きさである必要があるため、4,000bp程度以下であることが好ましい。一方、増幅領域が小さ過ぎる場合には増幅産物とプライマーのダイマーとを区別し難くなるため、50bp以上であることが好ましい。さらに、効率的に増幅させるためには増幅領域が100bp〜1,000bpの大きさであることが好ましい。
PCR法等における2本鎖核酸を熱変性させる際の温度としては例えば約90℃〜約95℃であり、プライマーをハイブリダイズさせるアニーリング時の温度としては例えば約37℃〜約65℃であり、重合反応時の温度としては例えば約50℃〜80℃である。PCR法及びその変法などにおいてはこれら熱変性、アニーリング、重合を1サイクルとして増幅産物が検出可能な程度になるまで繰り返される。増幅産物の検出はアガロース電気泳動を利用して行うことができる。即ち、酵素反応液をアガロース電気泳動にかけることにより増幅された核酸断片の存在及びその長さを確認することができる。この電気泳動の結果から検体中にプライマーが認識する配列を有する核酸が存在しているかどうかを判定することができ、これによってセレウリドの存在の有無、即ちセレウリドを産生するセレウス菌の存在の有無を判定することができる。増幅産物の検出にはアガロース電気泳動に限らず、その他の電気泳動や各種のクロマトグラフィーを利用することができる。
本発明のセレウリド検出方法において利用できる核酸(プライマー用又はプローブ用)としては、セレウリド合成酵素をコードする遺伝子を特異的に検出することに利用できるものであれば特に限定されず、例えば配列番号6の塩基配列においてセレウリド合成活性に直接関与する領域の少なくとも一部の配列を含有する核酸、又は前記領域の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸を挙げることができる。ここで「セレウリド合成活性に直接関与する領域」とは、上記のように具体的にはCRS3及びCRS4をコードする領域を意味し、即ち配列番号7の塩基配列を有する領域である。検体中のmRNAを検出対象として利用する場合においても同様に、配列番号8の塩基配列においてセレウリド合成活性に直接関与する領域の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸をセレウリド検出方法に利用することができる。より具体的には配列番号9の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸を例示することができる。
プローブ、プライマーには、解析方法に応じて適宜DNA断片又はRNA断片が用いられる。プローブ、プライマーの塩基長はそれぞれの機能が発揮される長さであればよく、選択性や検出感度及び再現性を考慮すれば、プライマーの塩基長としては10bp以上、好ましくは15bp以上、具体的には10〜30bp程度、好ましくは15〜25bp程度である。
尚、プライマーの場合には増幅対象に特異的にハイブリダイズし、目的のDNAフラグメントを増幅することができる限り鋳型となる配列と多少のミスマッチがあってもよい。ミスマッチの程度としては、1〜数個、好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜3個である。プローブの場合も同様に、検出に影響のない範囲で検出対象の配列に対して多少のミスマッチがあってもよい。
PCR法等の特定DNA領域の増幅を伴う方法を用いたセレウリド検出方法に利用できる核酸(プライマーセット)の具体例を以下に示す。
プライマーセット1
Figure 2003097821
プライマーセット2
Figure 2003097821
プライマーセット3
Figure 2003097821
プライマーセット4
Figure 2003097821
プライマーセット5
Figure 2003097821
本発明における核酸(プライマー、プローブ)はホスホジエステル法など公知の方法によって合成することができる。また、プローブとして用いられる場合の標識物質、標識方式は公知のものを採用することができる。ここでの標識物質としては32Pなどの放射性同位元素、フルオレセインイソチオシアネート、テトラメチルローダミンイソチオシアネートなどの蛍光物質を例示でき、標識方法としてはアルカリホスファターゼ及びT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いた5’末端標識法、T4DNAポリメラーゼやKlenow断片を用いた3’末端標識法、ニックトランスレーション法、ランダムプライマー法(Molecular Cloning,Third Edition,Chapter 9,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York)などを例示できる。
次に、免疫学的方法を利用したセレウリドの検出方法について説明する。免疫学的方法を利用したセレウリドの検出方法としては、I)検体をセレウリド合成酵素に特異的な抗体に接触させる工程、及びII)Iの工程の後、抗原抗体反応物を検出する工程(工程II)を含む方法を例示することができる。ここでの「セレウリド合成酵素に特異的な抗体」とは、セレウリド合成酵素に特異的な結合性を有する抗体を意味し、具体例としては配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドに結合性を有し、かつ配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドに結合性を有しない抗体を挙げることができる。使用できる抗体のクラスは特に限定されず、例えばIgGクラス、IgMクラス等に分類される抗体が用いられる。また、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、dsFv等の抗体断片を用いることもできる。
ここで、測定方法としては例えばELISA(酵素結合免疫吸着定量法)法、ラジオイムノアッセイ、FACS、免疫沈降法、イムノブロッティング等の定性的又は定量的な方法が挙げられる。また、抗原抗体反応の種類としては、セレウリド合成酵素に特異的な抗体に対して検体中のセレウリド合成酵素と別途添加したセレウリド合成酵素とを競合的に反応させる方法(競合法)、及び競合的に反応させない方法(非競合法)のいずれを採用することもできる。
セレウリド合成酵素に特異的な抗体としてモノクローナル抗体を用いることが好ましい。モノクローナル抗体の特異性の高さにより、高感度の測定が可能となるからである。また、セレウリド合成酵素に特異的かつ互いに異なるエピトープを認識する2種類の抗体を用いたサンドイッチ法を利用することが感度、特異性の面で好ましい。
抗体は固相化して用いることができる。固相化に用いる不溶性支持体としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、ナイロン樹脂等の樹脂や、ガラス等の水に不溶性の物質が用いられ、特にその材質は限定されない。この不溶性支持体への抗体の担持は物理吸着又は化学吸着によって行うことができる。
免疫学的測定法において使用できる標識物質としてはペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、及びマイクロペルオキシダーゼなどの酵素、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、及びユーロピウムなどの蛍光物質、ルミノール、イソルミノール、及びアクリジニウム誘導体などの化学発光物質、NADなどの補酵素、ビオチン、並びに131I、及び125Iなどの放射性物質などが標識物質として用いられる。特に、ビオチンを標識物質として用い、蛍光色素や酵素で標識したアビジン(例えばアビジンペルオキシダーゼ)を反応させる方法によれば、より高感度の測定が可能である。
セレウリド合成酵素に特異的に結合するモノクローナル抗体は常法によって取得することができる。以下にモノクローナル抗体の作製方法の一例を示す。まずセレウリド合成酵素を取得し、これを抗原としてマウス等の動物に免疫する。その後、免疫された動物から抗体産生細胞を摘出し、これと骨髄腫細胞とを融合してハイブリドーマ細胞を得る。続いて、このハイブリドーマをモノクローナル化した後、セレウリド合成酵素に特異的に結合する抗体を産生するクローンを選択する。
抗原としては、セレウリドを産生するセレウス菌の菌体内から分離、精製されたセレウリド合成酵素を用いることができる。また、セレウリド合成酵素をコードする塩基配列を用い、大腸菌等による発現系を利用して得られる組換えポリペプチドを用いることもできる。
免疫方法としては、例えば上記抗原をフロインド完全あるいは不完全アジュバンドと混合してエマルジョン化し、マウス等の腹腔内、皮下又は筋肉に一定の間隔をおいて数回注射する方法を採用することができる。免疫する動物としてはマウスの他、ラット、ハムスター、ウサギ、モルモット、ニワトリ、ヒツジ、ヤギ等を用いることができる。免疫が完成した後、免疫した動物の脾臓を採り出し、抗体産生細胞を取得する。抗体産生細胞をリンパ節、末梢血液などから採取することもできる。
使用する骨髄腫細胞の種類は特に限定されず、免疫に用いる動物との関係で適宜適切なものが選択される。抗体産生細胞と同種の動物由来の骨髄腫細胞を用いることが好ましく、例えば、マウスを用いた場合にはミエローマ細胞株PAIを用いることができる。細胞融合は、例えば一定割合で抗体産生細胞と骨髄腫細胞を混合し、ここへポリエチレングリコールを加えて撹拌処理することにより行われる。また、電気パルスを用いて細胞融合をすることもできる。
細胞融合が行われたハイブリドーマのみを選択するには、一般的なHAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを所定の割合で含有した選択培地)を用いた方法を用いることができる。ハイブリドーマを含む培養液は後の選択のために96well plate等の容器内で生育される。
次に、各容器内の培養上清を採取し、セレウリド合成酵素に対する抗体を産生しているハイブリドーマをセレウリド合成酵素を用いたELISA法等により選択する。抗体陽性の容器内のハイブリドーマは限界希釈法によりクローニングし、モノクローナル化されたハイブリドーマ細胞株が得られる。
ハイブリドーマの培養液を精製することにより所望の抗体を取得することができる。また、ハイブリドーマを所望数以上に増殖させた後、これを動物(例えばマウス)の腹腔内に移植し、腹水内で増殖させて腹水を精製することにより所望の抗体を取得することもできる。上記培養液の精製又は腹水の精製には、プロテインG、プロテインA等を用いたアフィニティークロマトグラフィーが好適に用いられる。また、抗原を固相化したアフィニティークロマトグラフィーを用いることもできる。更には、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、硫安分画、及び遠心分離等の方法を用いることもできる。これらの方法は単独ないし任意に組み合わされて用いられる。
以上の方法により得られた抗体がセレウリド合成酵素を特異的に認識するか否かは、例えばセレウリド合成酵素を固相化したプレートを用いたELISA法により確認することができる。
本発明のセレウリド検出方法において利用される核酸(プライマー又はプローブ)を不溶性支持体に固定化して用いることができる。同様に、本発明のセレウリド検出方法において利用される抗体を不溶性支持体に固定化して用いることもできる。固定化に使用する不溶性支持体をチップ状、ビーズ状などに加工しておけば、これら固定化核酸又は固定化抗体を用いて検体中のセレウリドの検出を簡便に行うことができる。
本発明の更なる局面はセレウリドの検出に利用できるキットを提供する。即ち、セレウリドの検出に利用される核酸(一組の核酸、固相化核酸を含む)を用いてセレウリド検出用キットを構築することができる。セレウリド検出用キットにはこれらの核酸の他、核酸増幅用酵素(例えばPCR法に使用されるDNA合成酵素)や基質となる核酸(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、反応用試薬などを含めることができる。また、標準物質としてセレウリド合成酵素(部分精製品でもよい)、セレウリド産生菌株の菌体内抽出物(一部精製したものでもよい)を含めることができる。
以上のセレウリド検出用キットによれば検体中の核酸をターゲットとしてセレウリドが検出されるが、検体中のポリペプチド、即ちセレウリド合成酵素をターゲットとしてセレウリドを検出するためのキットを構築することもできる。このようなキットには上記のセレウリド合成酵素に特異的な抗体(固相化抗体を含む)が含有される。その他、当該抗体に結合する2次抗体、抗原抗体反応用試薬(緩衝液、発色基質、発色試薬、発色反応停止液等)などを含めてキットを構成することもできる。また、標準物質としてセレウリド合成酵素(部分精製品でもよい)、セレウリド産生菌株の菌体内抽出物(一部精製したものでもよい)を含めることができる。
本発明のセレウリド検出方法に供する検体は特に限定されず、例えば各種食品、ヒト若しくは動物の嘔吐物若しくは糞便、又は拭き取り試料などを検体として用いることができる。これらの検体は予めリゾチーム等の酵素による処理、加圧処理、加熱処理又は超音波処理等に供される。これらの処理によって検体中の菌体が溶菌ないし破砕される。但し、検体を採取した時点で検体中のセレウス菌の細胞膜が破砕されていることを期待できる場合には、当該溶菌処理などは必須ではない。
ここで、検査対象からサンプリングした試料をセレウス菌の増殖培地(選択培地)を用いて予め培養しておくことが好ましい。この培養工程を採用することにより、より信頼性の高い検出を行うことができる。
尚、検査対象が液状の場合にはサンプリングした試料を直接溶菌などの処理や培養工程に用いることもできるが、検査対象が固体状の場合には一旦適当な溶媒を用いて菌体の抽出を行った後にこれらの処理に用いることが好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
<実施例1> セレウス菌ゲノムDNAライブラリーからの嘔吐毒(セレウリド)合成酵素遺伝子のクローニング
セレウス菌NC7401株(名古屋市衛生研究所、国立医薬品食品衛生研究所に保管)からEMBL3(プロメガ社製)を用いてファージライブラリーを作製した。得られた約400個の白色プラークをスクリーニングし、リボゾームを介さないアミノ酸合成酵素に特異的に保存されている領域であり、BSC I(GGAATTCCTTAAAIGCIGGAGGAGCITATGTGCCGCTTGATCC:配列番号20)及びII(GGAATTCCTTTIGGITTICCIGTTGTICCIGAIGTGTAAAT:配列番号21)をプライマーとして(Kathrin,M.,et ai.,FEMS Microbiol.Lett.135,295−303(1996))特異的に増幅されるDNA断片を用いてサザンハイブリダイゼーション法による分析を行った。尚、鋳型としてNC7401株の染色体DNAを用い、BSC I及びIIをプライマーとしたPCR法によって増幅されるDNA断片をディグラベリングキット(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)でラベルしたプローブを用いた。分析の結果、発現量が大きなインサート(挿入)DNAを複数選択し、それぞれを制限酵素Sal1で切り出し、クローニングベクターpHSG299(宝酒造株式会社製)のマルチクローニング部位にサブクローニングした。
<実施例2> 嘔吐毒(セレウリド)合成酵素cDNAの配列解析
サブクローニングされた各DNA断片の配列をオートシーケンサー(アプライドバイオシステム社製)を用いたサイクルシーケンス反応によって解析した。重複する配列を考慮して各DNA断片の配列情報を分析することにより、セレウリド合成酵素の全長のDNA配列及びアミノ酸配列が決定された(配列番号1)。この配列を詳細に検討したところ、セレウリド合成酵素はそれぞれ一つのアミノ酸を合成する4つのドメインから構成されており、N末端側の2つのドメインはセレウリドを産生しないセレウリド菌株にも広く保存されているが、c末端側の2つのドメインはセレウリドを産生する菌株に特異的なものであった。
<実施例3> PCR法を利用したセレウリドの検出
(3−1)検体の調製
図1の表に示したセレウス菌(セレウリド産生株及び非産生株を各5株)から以下の手順に従って検体を調製した。対照群としてはバチルス・スリンギエネシス(Bacillus thuringienesis)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)を用いた。
各菌体をそれぞれ適当な増菌培地(LB培地)に接種し、37℃、好気条件下で一晩培養を行い、培養後の培地1.5mlから遠心操作により菌体を回収した。回収された菌体を10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で1回洗浄した後、同緩衝液にリゾチームを1mg/mlとなるように溶解した溶液0.5mlに懸濁させた。この状態で37℃、10分間放置することにより溶菌させた。続いて、溶菌液に上記緩衝液で飽和させたフェノールを等量加え、十分に攪拌した。遠心処理の後、上層液を回収し、エタノール沈澱処理を行って核酸成分を沈澱させた。得られた沈殿物を上記緩衝液1mlに溶解し、これを以下の検出方法における検体とした。
(3−2)PCR用プライマーの合成
配列番号6に示されるセレウリド合成酵素の塩基配列情報を基にセレウリド産生株に特異的な配列を選び、以下に示すプライマー(オリゴヌクレオチド)を化学合成した。
Figure 2003097821
(3−3)PCR法
上記の各検体3μlに滅菌蒸留水16.05μl、10×反応用バッファーを3μl、dNTP溶液を4.8μl、センス鎖用プライマーを1.5μl、アンチセンス鎖用プライマーを1.5μl、及び耐熱性DNAポリメラーゼを0.150μl加えて全量約30μlの反応液を調製した。尚、10×反応用バッファーの組成は500mM KCl、100mM Tris−HCl(pH8.3)、15mM MgCl、0.1%(w/v)ゼラチンであり、dNTP溶液は各終濃度が1.25mMとなるようにdATP、dCTP、dGTP、及びdTTPを混合させた溶液である。また、各プライマーは(3−2)で得られた化学合成精製品の水溶液(50DU/ml)である。耐熱性DNAポリメラーゼにはTaq DNAポリメラーゼ(5unit/ml:Perkin Elmer Cetus社製)を用いた。
PCRの反応条件は次の通りとした。即ち、熱変性:94℃1分間、アニーリング:55℃、1分間、重合反応:72℃、1分間である。熱変性からアニーリングを経て重合反応に至る過程を1サイクルとし、これを35サイクル行った。尚、PCR反応はDNAThermal Cycler(Perkin Elmer Cetus社製)を用いて行った。
(3−4) PCR増幅産物の検出
PCR反応液から増幅されたDNA断片を検出するため、以下の条件でアガロース電気泳動を行った。アガロースゲルとしてゲル濃度2%(w/v)のものを用いた。泳動後のゲルの染色は臭化エチジウム(0.5μg/ml)を用いて行った。電気泳動の条件は印加電圧100V、泳動時間30分とした。その他の泳動条件及び操作方法はMolecular Cloning,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New Yorkに記載されている方法に従った。
図1に染色後のゲルを示す。図1において左のレーンから順にNC7401株、NC−T株、NC−G15株、NC327株、NC−l−55株(以上、セレウリド産生株)、ATCC14579株、B−4ac株、PHLS2668株、PHLS4433株、NC1225株(以上、セレウリド非産生株)、バチルス・スリンギエネシス(HD73)、及びバチルス・サブチリス(ATCC21332)のPCR反応後の溶液を電気泳動した結果である。図1に示されるように、セレウリド産生株(レーン1〜5)では約450bpのPCR増幅産物が得られているのがわかる。一方、セレウリド非産生株やバチルス・スリンギエネシスHD73及びバチルス・サブチリスATCC21332ではこのPCR増幅産物に相当するバンドは検出されなかった。以上の結果から、本実施例の方法によってセレウリド産生株の検出、即ちセレウリドの検出を特異的に行えることが確認された。
<実施例4> PCR法を利用したセレウリド産生セレウス菌の微量検出
(4−1)検体のDNA量算定
図1の表に示したセレウス菌NC7401株を用いて、実施例3の(3−1)に示した方法で検体を調製し、精製DNA標品を得た。そして、この標品中のDNA量を波長260nmの吸光度を測定することにより算定した。
(4−2)PCR増幅産物の検出
(4−1)で求めたDNA量を参考にして検体を希釈してDNA量がそれぞれ300ng(分子数:約1×10)、30ng(分子数約:1×10)、3ng(分子数:約1)、0.3ng(分子数:約1×10−1)含まれる試料を調製した。これらの試料を用いて実施例3の(3−2)及び(3−3)に示した方法でPCR反応を行い、続いて(3−4)に示した方法でPCR増幅産物の検出を行った。図2に各PCR増幅産物を電気泳動したゲルの染色後の状態を示す。レーン番号1、2、3、及び4は300ng、30ng、3ng、及び0.3ngの試料からのPCR増幅産物をそれぞれ電気泳動したレーンである。レーン3、即ち3ngのDNAを含む試料を用いた場合においても目的とするバンドを確認することができる。これは、セレウス菌染色体の1〜数分子相当のDNA量を検出していることを意味し、このことから、理論的には数個程度のセレウリド産生セレウス菌が検体中に存在していればその存在、即ちセレウリドの検出を行うことができるといえる。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
産業上の利用の可能性
本発明によりセレウス菌が産生する嘔吐毒(セレウリド)のアミノ酸配列及び塩基配列が提供される。これにより、核酸プローブや抗体を用いたセレウリドの検出が可能となる。セレウリドに特異的な抗体や核酸プローブを用いることにより、簡便かつ迅速にセレウリドを検出可能となる。実施例に示した本発明の検出方法の一例では、検体中の核酸を増幅する反応に約3時間、その後の検出結果を得るまでに約30分であり、現在まで検出不可能であったセレウリドを極めて短時間に検出が行えた。
また、本発明の方法によれば高感度にセレウリドを検出することができる。このことは少量の検体からの検出も可能であること、及び検体の前処理を簡便化できることをも意味する。さらに、本発明のセレウリド検出方法では、セレウリドを直接検出するのではなく、セレウリド合成酵素の有無を調べ、その結果からセレウリドが検体中に存在するかを判別する。セレウス菌の中でセレウリドを産生する株に共通する特徴として、本発明において同定されたセレウリド合成酵素活性を有しており、即ちセレウリド産生株は必然的にセレウリド合成酵素遺伝子を有すると考えられる。しかも、他の生物種で、セレウリドと同一の毒素を産生するものは知られていないことから、セレウリド合成酵素又はそれをコードする遺伝子を検出対象とすることにより、検体中のセレウリドの存在(セレウリド産生菌の存在)を選択的ないし特異的に検出することが可能となる。したがって、信頼性の高い結果が得られ、食品検査、臨床検査に適したものとなる。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
図1は本発明の実施例においてPCR増幅産物を電気泳動したゲルの染色後の状態を示す図である。左のレーンから順にNC7401株、NC−T株、NC−G15株、NC327株、NC−1−55株(以上、セレウリド産生株)、ATCC14579株、B−4ac株、PHLS2668株、PHLS4433株、NC1225株(以上、セレウリド非産生株)、バチルス・スリンギエネシス(HD73)、及びバチルス・サブチリス(ATCC21332)のPCR反応後の溶液を電気泳動した結果が示される。
図2はDNA濃度の異なる試料からのPCR増幅産物を電気泳動したゲルの染色後の状態を示す図である。レーン番号1、2、3、及び4は300ng、30ng、3ng、及び0.3ngの試料からのPCR増幅産物をそれぞれ電気泳動したレーンである。

Claims (23)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列の一部が改変されてなる配列を含有し、かつセレウリド合成活性を有するポリペプチド。
  2. 配列番号3のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列の一部が改変されてなる配列を含有し、かつ前記ポリペプチドが有するセレウリド合成に関わる機能構造を保持するポリペプチド。
  3. 請求の範囲第1項に記載されるいずれかのポリペプチドをコードする核酸。
  4. 請求の範囲第2項に記載されるいずれかのポリペプチドをコードする核酸。
  5. 請求の範囲第3項に記載の核酸を保有するベクター。
  6. 請求の範囲第5項に記載のベクターで形質転換された形質転換体。
  7. 配列番号6の塩基配列においてセレウリド合成活性に直接関与する領域の少なくとも一部の配列、又は前記領域の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸。
  8. 配列番号7の塩基配列の少なくとも一部、又は前記塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸。
  9. 配列番号8の塩基配列においてセレウリド合成活性に直接関与する領域の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸。
  10. 配列番号9の塩基配列に相補的な配列の少なくとも一部を含有する核酸。
  11. セレウリド合成活性を有するポリペプチドをコードするDNAにおける、セレウリド合成活性に直接関与する領域の少なくとも一部を含むDNA領域を特異的に増幅するように設計された一組の核酸。
  12. 請求の範囲第7項に記載の核酸を不溶性支持体に固定してなる固相化核酸。
  13. セレウリド合成酵素に特異的に結合する抗体。
  14. 配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチドに結合性を有し、かつ配列番号2のアミノ酸配列からなるポリペプチドに結合性を有しない、ことを特徴とする抗体。
  15. 請求の範囲第7項に記載の核酸を含むセレウリド検出用キット。
  16. 請求の範囲第11項に記載の一組の核酸と、
    DNA増幅用酵素と、及び
    DNA合成試薬と、を含むセレウリド検出用キット。
  17. 請求の範囲第13項に記載の抗体と、
    抗原抗体反応用試薬と、を含むセレウリド検出用キット。
  18. 検体中の(a)又は(b)の存在を調べる工程、を含むセレウリド検出方法、
    (a)配列番号1のアミノ酸配列を含有するポリペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列の一部が改変されてなる配列を含有し、かつセレウリド合成活性を有するポリペプチド、
    (b)(a)のいずれかのポリペプチドをコードする核酸。
  19. 以下の工程を含むセレウリド検出方法、
    (i)検体中のDNAを鋳型とし、請求の範囲第11項に記載の一組の核酸を用いてDNA増幅反応を行う工程、
    (ii)増幅されたDNAを検出する工程。
  20. 以下の工程を含むセレウリド検出方法、
    (iii)検体中のmRNAを鋳型としてcDNAを調製する工程、
    (iv)請求の範囲第11項に記載の一組の核酸を用いてDNA増幅反応を行う工程、
    (v)増幅されたDNAを検出する工程。
  21. 以下の工程を含むセレウリド検出方法、
    (I)検体を請求の範囲第13項に記載の抗体に接触させる工程、
    (II)Iの工程の後、抗原抗体反応物を検出する工程。
  22. 前処理として以下の工程が行われる、請求の範囲第18項に記載のセレウリド検出方法、
    (A)検体をセレウス菌の増菌培地に播種して培養する工程。
  23. 前処理として以下の工程が行われる、請求の範囲第18項に記載のセレウリド検出方法、
    (A)検体をセレウス菌の増菌培地に播種して培養する工程、
    (B)増殖したセレウス菌を溶菌ないし破砕する工程。
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