JPWO2003086072A1 - 臓器保存用組成物および臓器の保存方法 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の分野
本発明は、イヌリン型フルクタンを含んでなる臓器保存用組成物およびそれを用いる臓器の保存方法に関する。
関連技術
臓器移植は、末期臓器不全のような重篤な臓器疾患のために通常の治療が困難な場合における最終治療法となりうるものである。
例えば、日本では、1997年10月に「臓器の移植に関する法律(いわゆる臓器移植法)」が施行され、従来の生体臓器移植(特に生体肝移植)に加えて脳死臓器移植が法的に可能になった。一方、欧米では、30年以上も前から臓器提供のシステムが確立されており、これまでに心臓移植については40000例以上、腎臓移植については数十万例の移植が行われている。欧米では、移植医療が、医療の一態様として社会に定着している。
移植治療が安全な治療法の一つとして考慮されるようになってきた背景としては、移植臓器の確保が充分に成されること、臓器保存技術の改善、移植手技の向上、拒絶反応の制御が可能なこと等の環境が満たされつつあることが挙げられる。
臓器移植においては、単にドナー(臓器提供者)から臓器を摘出しレシピエント(臓器受容者)に移植することだけではなく、ドナーから摘出した臓器をいかに良好な状態で保存するかということは大きな課題の一つである。一般的に、生体内の臓器は長時間血流が途絶えると壊死する。例えば、肝臓の場合、常温で阻血すると30〜90分で不可逆的な変化が起こるとされている。生体臓器移植であれば臓器摘出から移植までの時間を調節することが可能である。しかしながら、臓器の摘出と移植とが異なった施設で行われる脳死臓器移植では、組織適合性等によるレシピエントの選択や臓器の搬送等に時間がかかることがあるため、臓器摘出から移植までの時間を短縮するには限界がある。摘出した臓器の構造と機能とを維持しながら可能な限りその臓器を長時間保存することは、臓器移植の成否を左右するポイントの一つである。
一般的に、摘出した臓器の保存は低温浸漬法で行われる。この方法は、冷却した灌流液を用いて摘出臓器を洗浄する初期灌流(フラッシング)を行い、次に冷却した保存液を用いて臓器を低温浸漬保存する方法である。臓器を冷却することによりその酸素消費量を抑制することができるが、臓器を冷却保存すると細胞膜のナトリウムポンプが破壊される。このため、臓器の保存液として、高カリウム/低ナトリウムである、細胞内液と同様の組成を有する液を使用することが有利とされていた。
臓器保存剤としては、当初、グルコースと細胞内液タイプの電解質を含むコリンズ(Collins)液や、コリンズ液からマグネシウムを除去したユーロコリンズ(Euro−Collins)液等が用いられていた。しかしながら、これらの保存液は腎臓には有効であるが、腎臓以外の臓器に対しては、組織・細胞の保護効果が十分でないことがある。
近時、ウィスコンシン大学のグループにより開発されたUW(University of Wisconsin)液が、臓器保存剤として多くの場合に使用されるようになっている。このUW液は、肝臓や膵臓の保存時間を延長することができるものであり、例えば、特公平7−68082号公報(米国特許第4879283号公報、ドイツ国特許第3843958号公報)、特公平8−22801号公報に開示されている。UW液は、不浸透剤としてのラクトビオン酸塩およびラフィノースと、膠質浸透圧剤としてのヒドロキシエチル澱粉と、エネルギー代謝促進成分としてのアデノシンやインスリンとを加えてなる電解質溶液である。UW液は、デュポン・ファーマスーティカルズ(Du Pont Pharmaceuticals)社から商品名ヴィアスパン(ViaSpan)として市販されており、臨床的にも広く使用されている。しかしながら、UW液は安定性や調製法に難点があるばかりでなく、単一の商品形態の保存液であるため、心臓、肝臓、腎臓、肺、膵臓、小腸等多様な臓器に十分対応しているとはいえないことがある。
このように、保存による臓器の障害を軽減し、臓器の保存状態を改善してその保存時間を延長することができる臓器保存剤が依然として望まれている。
臓器保存剤には、通常、グルコース、ラフィノース、マンニトール等の糖質が含まれている。しかしながら、どのようなタイプの糖質が臓器保存に適切であるかについての知見は本発明者らの知る限り非常に少ない。
例えば、特開平6−40801号公報(欧州特許第580444号公報)には、トレハロース、ヒドロキシエチル澱粉および各種電解質を含む臓器保存剤が開示されている。しかしながら、ここにはイヌリン型フルクタンの利用可能性については開示されていない。
[発明の概要]
本発明者らは今般、臓器保存を行う際に、イヌリン型フルクタンを含む臓器保存剤を用いることによって、保存された臓器の機能低下およびその組織学的構造の損傷を著しく抑制することを見出した。これにより、臓器保存状態を著しく改善することがわかった。本発明はかかる知見に基づくものである。
よって、本発明は、保存される臓器の機能および組織学的構造の維持作用に優れた臓器保存用組成物の提供をその目的とする。
本発明による臓器保存用組成物は、イヌリン型フルクタンを有効成分として含んでなるものである。
本発明による臓器の保存方法は、臓器保存に有効な量の前記臓器保存用組成物を、臓器と接触させることを含んでなるものである。
また本発明の別の態様によれば、抑制または改善する上での有効量の前記臓器保存用組成物を、臓器と接触させることを含んでなる、臓器移植の過程で起こりうる臓器の機能低下および損傷を抑制または改善する方法が提供される。
本発明によれば、臓器保存剤を製造するための、イヌリン型フルクタンの使用が提供される。
本発明による臓器保存用組成物は、従来知られている臓器保存剤に比べて、臓器機能の低下や組織学的構造の損傷を著しく抑制し、臓器の保存状態を改善することができるものである。このため、本発明の臓器保存用組成物および臓器の保存方法は、移植臓器を取扱う医療および臨床分野のみならず、臓器等を保存することがある様々な分野において、広く用いることができる。
[発明の具体的説明]
臓器保存用組成物
本発明による臓器保存用組成物は、前記したように、イヌリン型フルクタンを有効成分として含んでなるものである。
ここで「有効成分として含んでなる」とは、所望する剤型に応じた担体を含んでいてもよいことは当然として、併用可能な他の薬剤を含有する場合も包含する意味である。
イヌリン型フルクタン
イヌリン型フルクタンは、スクロースにフルクトースがβ2→1結合で重合した重合度3以上のフルクタンであり、還元末端にはグルコースが結合しているものである。したがって、イヌリン型フルクタンは、化学構造GFnで表すことができる。ここで、Gはグルコシル単位であり、Fはフルクトシル単位であり、nは互いに結合されたフルクトース分子の数を意味する。
本発明において、イヌリン型フルクタンの重合度は、好ましくは3〜30、より好ましくは3〜6である。
本発明におけるイヌリン型フルクタンは、前記したいずれかの重合度を持つもの単独からなってもよいが、2種以上の重合度が異なるイヌリン型フルクタンの混合物であってもよい。
イヌリン型フルクタンが、2種以上の重合度が異なるイヌリン型フルクタンの混合物である場合、その混合物は、重合度が異なるイヌリン型フルクタンを、それぞれ任意の含量で含むことができるが、好ましくは、該混合物は、重合度3〜6であるイヌリン型フルクタンを10重量%以上、より好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含んでなる。
本発明の一つの好ましい態様によれば、イヌリン型フルクタンは、重合度3〜6のイヌリン型フルクタンから選択される2種以上のイヌリン型フルクタンの混合物である。
本発明の別の一つの好ましい態様によれば、イヌリン型フルクタンは、重合度3のイヌリン型フルクタン、すなわち、1−ケストース(GF2)である。
本発明のさらに別の一つの好ましい態様によれば、イヌリン型フルクタンは、重合度4のイヌリン型フルクタン、すなわち、ニストース(GF3)である。
本発明において使用可能なイヌリン型フルクタンは、天然由来のものであっても、化学的に合成して得られたものであってもよい。
イヌリン型フルクタンは、アヤメ科、キク科、ユリ科、ラン科等の植物の根、および根茎、またはイネ科穀類に含まれている。このため、イヌリン型フルクタンを、例えばチコリーやキクイモから公知の方法にしたがって抽出および/または精製することによって得ることができる。スクロースにフルクトース転移活性を有する酵素を作用させることによっても、イヌリン型フルクタンを得ることができる。また、高分子量のイヌリン型フルクタンに対してイヌリナーゼやイヌリンフルクトトランスフェラーゼ、サッカラーゼ等の酵素を作用させることによって、所望する重合度のイヌリン型フルクタンを得ることもできる。イヌリン型フルクタンを合成して得る場合には、公知の方法にしたがうことによって合成できる。
本発明において使用可能なイヌリン型フルクタンの具体例を示すと下記のとおりである。下記のプロセスの過程で得られたイヌリン型フルクタンおよびイヌリン型フルクタン混合物のいずれも、本発明において使用可能である。
スクロースにアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来の酵素を作用させることによって、重合度3〜6のイヌリン型フルクタンを55重量%以上含むイヌリン型フルクタン混合物(商品名:メイオリゴG)(明治製菓株式会社製)を得ることができる。前記イヌリン型フルクタン混合物を、カラムクロマトグラフィーまたは膜分離等を用いて精製することによって、重合度3〜6のイヌリン型フルクタンをさらに高含量で含んでなるイヌリン型フルクタン混合物を得ることができる。例えば、前記メイオリゴGをカラムクロマトグラフィーを用いて精製することによって、重合度3〜6のイヌリン型フルクタンを95重量%以上含んでなるイヌリン型フルクタン(商品名:メイオリゴP)(明治製菓株式会社製)を得ることができる。カラムクロマトグラフィーや晶析等をさらに用いることによって、単一成分を主成分とするイヌリン型フルクタン、例えば1−ケストース(重合度3)、ニストース(重合度4)、またはフラクトシルニストース(重合度5)を得ることができる。
イヌリン型フルクタンは、天然に存在しヒトによる食経験もあり安全性には問題がないが、本発明において使用する場合には、公知の方法にしたがって、混在することがあるパイロジェンを除去することが望ましい。
本発明の臓器保存用組成物において、イヌリン型フルクタンの配合量は、特に限定されず、該組成物の使用形態、使用環境に応じて適宜変更可能である。このため、例えば該組成物がイヌリン型フルクタン単独の形態であってもよい。また例えば、臓器保存用組成物を溶剤として使用する場合には、臓器保存用組成物の溶液中にイヌリン型フルクタンが、好ましくは3.5〜300g/L、さらに好ましくは50〜150g/L、最も好ましくは50〜100g/L含まれる。イヌリン型フルクタンの濃度は、保存または灌流する臓器に応じて適宜変更可能である。
任意成分
本発明による臓器保存用組成物は、イヌリン型フルクタンに加えて、任意成分をさらに含んでなることができる。このような任意成分としては、例えば、糖質、電解質、有機酸、ビタミン、アミノ酸、ホルモン、抗生物質、活性酸素除去剤、抗凝固剤、降圧剤、凍結防止剤、血栓溶解剤、製剤用添加剤(担体)、および溶媒等が挙げられる。
糖質としては、例えば、グルコース、スクロース、ラクトース、ラフィノース、トレハロース、スタキオース、ガラクトシルトレハロース、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、パラチノース、ラクチトール、キシリトール、ヒドロキシエチル澱粉、デキストラン等が挙げられる。
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
有機酸としては、例えば、グルコン酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、β−ヒドロキシ酪酸、クエン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マレイン酸が挙げられる。
本発明においては、臓器保存用組成物を所定の溶媒に溶解した場合、または臓器保存用組成物が溶剤形態である場合に、臓器保存用組成物が溶解している溶液が、イヌリン型フルクタンに加えて、所定のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよびアニオンを、所定の濃度で含んでなることが好ましい。したがって、本発明による臓器保存用組成物に、前記した電解質、有機酸、またはその有機酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)を配合することによって、臓器保存用組成物を溶解したときに、所望のイオンを生じさせることができる。
本発明の好ましい態様によれば、臓器保存用組成物が液剤である場合、臓器保存用組成物は、下記成分(a)〜(d)を下記の量で含んでなる:
(a)イヌリン型フルクタン 3.5〜300 g/L
(b)Na+ 5〜150 mM
(c)K+ 5〜150 mM
(d)Cl−、HCO3 −、CO3 2−、有機酸および有機酸アニオンからなる群より選択される一種以上の成分 10〜150 mM。
成分(b)のNaイオンの濃度は、好ましくは10〜30mMである。
成分(c)のKイオンの濃度は、好ましくは115〜120mMである。
成分(d)は、好ましくは、Cl−、HCO3 −および/またはCO3 2−である。成分(d)の濃度は、好ましくは25〜104mMである。
本発明のより好ましい態様によれば、臓器保存用組成物が液剤である場合、臓器保存用組成物は、下記成分(e)〜(h)の少なくとも一種以上を下記の量でさらに含んでなる:
(e)Mg2+ 0〜20 mM
(f)Ca2+ 0〜5 mM
(g)H2PO4 −および/またはHPO4 2− 0〜150 mM
(h)ヒドロキシエチル澱粉 0〜100 g/L。
成分(e)のMgイオンの濃度は、好ましくは0〜5mMである。
成分(f)のCaイオンの濃度は、好ましくは0〜5mMである。
成分(g)は、好ましくは、H2PO4 −およびHPO4 2−である。成分(g)の濃度は、好ましくは25〜57.5mMである。
成分(h)のヒドロキシエチル澱粉の濃度は、好ましくは0〜50g/Lである。
本発明のさらに好ましい態様によれば、臓器保存用組成物が液剤である場合、臓器保存用組成物は、下記成分(a’)〜(h’)を下記の量で含んでなる:
(a’)イヌリン型フルクタン 50〜150 g/L
(b’)Na+ 10〜30 mM
(c’)K+ 115〜120 mM
(d’)Cl−、HCO3 −、CO3 2−、有機酸および有機酸アニオンからなる群より選択される一種以上の成分 25〜104 mM
(e’)Mg++ 0〜5 mM
(g’)H2PO4 −およびHPO4 2− 25〜57.5 mM
(h’)ヒドロキシエチル澱粉 0〜50 g/L。
本発明の臓器保存用組成物の具体例を挙げると、例えば下記成分(a’)〜(h’)を下記の量で含んでなるものが挙げられる:
イヌリン型フルクタン 50〜100 g/L
Na+ 10 mM
K+ 115 mM
Cl− 15 mM
HCO3 − 10 mM
H2PO4 − 15 mM
HPO4 2− 42.5 mM。
本発明において、イヌリン型フルクタン以外のイオン組成に関しては、公知の臓器保存用溶液、例えばユーロコリンズ(Euro−Collins)液、UW(University of Wisconsin)液、Celsior液等の成分の一部を変更または削除することによって、調製することができる。例えば、公知の臓器保存用溶液の成分の内のグルコース、ラフィノース等の糖質の全部または一部を、イヌリン型フルクタンに代えることによって、本発明による臓器保存用組成物を調製してもよい。
上述した任意成分の内、ホルモンとしては、例えば、デキサメゾン、ハイドロコーチゾン等が挙げられ、抗生物質としては、例えば、ペニシリンG、ストレプトマイシン等が挙げられる。抗凝固剤としては、例えば、ヘパリンが挙げられ、降圧剤としては、例えば、血管拡張剤、クロルプロマジン等が挙げられ、血栓溶解剤としては、例えばウロキナーゼ等が挙げられる。
製剤用添加剤としては、例えば、賦形剤、分散剤、保存剤、防腐剤、乳化剤、増量剤、着色剤、界面活性化剤、緩衝剤、溶解補助剤、安定化剤、pH調整剤等が挙げられる。
溶媒としては、例えば、精製水、滅菌精製水、生理食塩水等が挙げられる。
臓器保存用組成物の製法および用途
本発明による臓器保存用組成物は、イヌリン型フルクタンを用いて、公知の臓器保存剤の製法にしたがうことにより、当業者であれば容易に製造することができる。
本発明の臓器保存用組成物の剤型は、前記した溶媒を含むことによって液剤形態となっているのが通常であるが、必要に応じて、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の固形剤の形態であってもよい。固形剤の形態である場合には、使用に際して、精製水、滅菌精製水、生理食塩水等の適当な溶媒に溶解、懸濁または乳化させることができる。
本発明において、臓器保存には、臓器移植の過程で摘出した臓器を一時的に保存しておくことを包含することは当然として、臓器移植の過程で臓器において灌流を行うこと、および、摘出していない臓器または移植後の臓器を各種疾患や損傷から保護することも包含する。
本発明による臓器保存用組成物は、臓器の保存および灌流に用いることができる。例えば、該臓器保存用組成物は、臓器の保存液および灌流液として用いることができる。本発明による臓器保存用組成物は、好ましくは、臓器移植の過程で起こりうる臓器の機能低下および損傷の抑制または改善に用いられる。
本発明において臓器とは、心臓、肝臓、腎臓、肺、膵臓のような狭義の臓器に限定されず、腸管、血液、骨髄、眼球、角膜、骨、皮膚、血管、心臓弁のような組織を包含する。
したがって、本発明による臓器保存用組成物は、これらの臓器の保存に好適に使用することができる。好ましくは、本発明による臓器保存用組成物は、心臓、肝臓、腎臓、肺、膵臓に用いられ、より好ましくは心臓、肝臓、腎臓、肺、さらに好ましくは腎臓に用いられる。
本発明によれば、臓器保存に有効な量の前記臓器保存用組成物を、臓器と接触させることを含んでなる臓器の保存方法が提供される。
ここで臓器保存に有効な量は、臓器保存を有効に行うのに必要な量をいい、臓器の種類およびその状態、臓器保存用組成物の形態等に応じて適宜決定することができる。
また「臓器保存用組成物を臓器と接触させる」とは、臓器保存用組成物と臓器を、いずれかの態様により少なくとも接触させれば良いことをいい、例えば、臓器上に臓器保存用組成物を適用すること、臓器を臓器保存用組成物を含んでなる溶液に浸漬すること、および臓器を臓器保存用組成物を用いて灌流することが包含される。臓器を溶液に浸漬する場合、低温条件下で浸漬することが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、臓器の保存方法は、臓器保存に有効な量の前記臓器保存用組成物を、臓器と接触させることを含んでなる方法であって、冷却した溶剤形態の該臓器保存用組成物を用いて臓器を低温下において浸漬することを含んでなる方法が提供される。より好ましくは、該保存方法は、浸漬する工程の前に、冷却した溶剤形態の該臓器保存用組成物を灌流液として用いて摘出臓器を灌流する工程をさらに含んでなる。ここで低温とは、0〜4℃、好ましくは3〜4℃のことであり、具体例を挙げると約4℃である。また保存の際に使用される溶剤形態の臓器保存用組成物の量は、臓器の重量および保存予定時間等に応じて適宜変更することができるが、通常、臓器が充分に浸漬する量を使用する。例えば、ヒトの腎臓であれば、腎臓約400gに対して800mlの量で使用することができる。
また本発明の別の態様によれば、抑制または改善する上での有効量の前記臓器保存用組成物を、臓器と接触させることを含んでなる、臓器移植の過程で起こりうる臓器の機能低下および損傷を抑制または改善する方法が提供される。
ここで、抑制または改善する上での有効量は、臓器の機能低下および損傷を有効に抑制または改善するために必要な量のことをいい、臓器の種類およびその状態、臓器保存用組成物の形態等に応じて適宜決定することができる。
また「臓器移植の過程で起こりうる臓器の機能低下および損傷」として、例えば、Na/Kポンプ障害に伴う細胞浮腫、Ca濃度の上昇による細胞膜とミトコンドリアの障害、ATPからのhypoxanthineの産生等のような症状が挙げられる。
さらに本発明によれば、臓器保存用組成物または臓器保存剤を製造するための、イヌリン型フルクタンの使用が提供される。臓器保存剤とは、臓器の保存を行うために用いられる医薬のことであり、本発明による臓器保存用組成物からなることができる。ここで臓器保存用組成物または臓器保存剤は、保存液または灌流液の形態であることができる。
[実 施 例]
以下本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例1: 腎臓の保存試験
(a)臓器保存用組成物の調製
本発明による臓器保存用組成物1〜6と、比較例である臓器保存用組成物7〜13を以下のようにして調製した。
臓器保存用組成物1〜3(本発明)
市販のユーロコリンズ液(EC液、吉富製薬社製)465mlに対して、ニストース(明治製菓株式会社製)をそれぞれ25g、50g、75g溶解して、臓器保存用組成物1〜3を調製した。これら組成物1〜3はそれぞれ、以下において、EC+5%GF3、EC+10%GF3、EC+15%GF3と表すことがある。
なお使用したEC液は、ブドウ糖注射液を混合していない溶液であり、下記の電解質組成を有するものであった。
Na+ 10mM
K+ 115mM
Cl− 15mM
HCO3 − 10mM
H2PO4 − 15mM
HPO4 2− 42.5mM
臓器保存用組成物4〜6(本発明)
臓器保存用組成物1の場合と同じEC液465mlに対して、1−ケストース(明治製菓株式会社製)をそれぞれ25g、50g、75g溶解して、臓器保存用組成物4〜6を調製した。これら組成物4〜6はそれぞれ、以下においてEC+5%GF2、EC+10%GF2、EC+15%GF2と表すことがある。
臓器保存用組成物7(比較例)
臓器保存用組成物1の場合と同じEC液465mlに対して、日本薬局方ブドウ糖注射液(50w/v%)35mlを加えて全容量500mlとすることによって、臓器保存用組成物7を調製した。この組成物7は、以下においてEC+3.5%Glcと表すことがある。
臓器保存用組成物8〜11(比較例)
臓器保存用組成物1の場合と同じEC液465mlに対して、25g、50g、75g、100gのトレハロース(林原社製)を溶解し、臓器保存用組成物8〜11を調製した。これら組成物8〜11はそれぞれ、以下において、EC+5%Tre、EC+10%Tre、EC+15%Tre、EC+20%Treと表すことがある。
臓器保存用組成物12(比較例)
臓器保存用組成物1の場合と同じEC液に対して、浸透圧が320mOsm/kgとなるようにラフィノース(日本甜菜製糖社製)を溶解して、臓器保存用組成物12を調製した。この組成物12は以下において、EC+Rafと表すことがある。
臓器保存用組成物13(比較例)
臓器保存用組成物13としては、市販のUW液(商品名:ヴィアスパン、デュポン・ファーマスーティカルズ社製)を用いた。
(b)評価試験: 単離潅流腎モデルを用いた腎機能評価
約400gのSD系ラット(日本SLC社より入手可能)に、50mg/kgのネンブタール(商品名)(ダイナボット社製)を腹腔内投与することによって、該マウスを麻酔した。次いで、該マウスに1mlのヘパリンを投与した後、4℃に冷却した臓器保存用組成物を用いてその腎臓を灌流した。その後、該マウスから腎臓を摘出し、摘出した腎臓を直ちに、4℃に冷却した臓器保存用組成物中に移し、そこで4℃条件下で48時間保存した。48時間保存後に、TN式摘出臓器灌流装置(夏目製作所製)を用い、また、7.5%ウシアルブミンを含むクレブス−ヘンゼライト(Krebs−Henseleit)液を灌流液として用いて、腎臓を90分間持続灌流した。
尿量およびクレアチニン・クリアランス
灌流を30、60、90分間行った時点で、それぞれ尿量、クレアチニン・クリアランス(Ccr)を測定した。
尿素は、尿管にポリエチレンチューブを挿入して、所定時間の排出尿量を測定した。Ccrは、下記式(1)に基づいて算出した。
Ccr=(尿のクレアチニン値)×(所定時間あたりの尿量)/(灌流液のクレアチニン値) ・・・・・・ (1)
結果は、表1、図1および図2に示されるとおりであった。
表1においては、結果を、各組成物についてそれぞれ8匹のラットの腎臓を用いて得られた測定データの平均値と標準偏差により示した。また、図1および図2には、灌流を60分間行った時点での尿量およびCcrを示した。
これらの結果において、尿量値およびCcr値はいずれも、値が高いものほど、腎機能が良好に保存されていることを表す。すなわちこの場合は、腎臓の保存状態が良好であることを意味する。
臓器保存用組成物1、2、4および5を用いて腎臓を保存した場合の尿量値およびCcr値はいずれも、比較例である臓器保存用組成物を用いた場合よりも有意に高い値を示していた。
病理組織像の所見
臓器保存用組成物中で48時間保存した後の腎臓を、病理組織学的な所見に基づきその保存状態を評価した。
臓器保存用組成物2(EC+10%GF3)を用いて保存した腎臓の病理組織像は図3Aに示されるとおりであった。この場合の腎臓では、尿細管上皮細胞および刷子縁が良好に保存されており、糸球体にも変化は見られなかった。
臓器保存用組成物4(EC+5%GF2)を用いて保存した腎臓では、一部刷子縁に変性脱落が見られたが、尿細管上皮細胞は良好に保存されていた。また、糸球体にも変化が見られず、保存状態は良好であった。
臓器保存用組成物7(EC+3.5%Glc)を用いて保存した腎臓では、糸球体には変化が見られなかったが、近位尿細管上皮細胞の腫大、空胞変性が見られた。
臓器保存用組成物12(EC+Raf)を用いて保存した腎臓では、糸球体の血管曲と思われる部位の外側に核成分が多くみられ、炎症細胞の浸潤も考えられた。また、ごく一部に尿細管上皮細胞に脱落がみられた。
臓器保存用組成物13(UW液)を用いて保存した腎臓の病理組織像は図3Bに示されるとおりであった。この場合の腎臓では、糸球体はよく保たれているが、皮質外側に近位尿細管上皮細胞のわずかな脱落、空胞変性がみられた。
例2: 肝臓の保存試験
例1と同様にして、臓器保存用組成物1(EC+5%GF3)と、臓器保存用組成物13(UW液)とを用意した。これら組成物をそれぞれ用いて、以下の試験を行った。
400g前後のラットを全身麻酔した後、開腹し、門脈にエラスターを挿入して、4℃に冷却した臓器保存用組成物を5ml流した。肝臓が白くなるのを確認して肝上部の動脈をクランプし、次いで下大静脈を切開した。その後に、20mlの臓器保存用組成物をエラスターに流して肝臓を摘出した。摘出した肝臓は臓器保存用組成物中において48時間単純冷却保存した。
48時間保存した後の肝組織を採取して、これを10%ホルマリンを用いて固定した。この肝組織を、病理組織学的な所見に基づいてその保存状態を評価した。
得られた肝組織の病理組織像は、図4に示されるとおりであった。この内、図4Aは、臓器保存用組成物1(EC+5%GF3)を用いた場合の病理組織像を表し、図4Bは、臓器保存用組成物13(UW液)を用いた場合の病理組織像を表す。
臓器保存用組成物1を用いて保存した肝臓は、肝細胞の萎縮が軽度に見られるのみであり、保存状態は良好であった。一方、臓器保存用組成物13を用いて保存した肝臓は、肝細胞の萎縮がかなり見られ、肝細胞の解離傾向が見られた。また軽度から中程度の変性も見られた。
例3: 心臓および肺の保存試験
例1と同様にして、臓器保存用組成物14(EC+2.5%GF3)と、EC液のみからなる臓器保存用組成物15(EC液)とを用意した。これら組成物をそれぞれ用いて、以下の試験を行った。
400g前後のラットを全身麻酔した後、開腹し、下大動脈の末梢を結紮してエラスターを挿入し、頚静脈と下大静脈を切開した。その後エラスターから臓器保存用組成物を60ml流して心臓および肺を摘出した。摘出した心臓および肺は、臓器保存用組成物中において24時間単純冷却保存した。
24時間保存した後の臓器の一部を採取して、これを10%ホルマリンで固定した。この臓器を、病理組織学的な所見に基づいてその保存状態を評価した。
得られた心臓の病理組織像は、図5に示されるとおりであった。また、得られた肺の病理組織像は、図6に示されるとおりであった。これらの内、図5Aおよび図6Aは、臓器保存用組成物14(EC+2.5%GF3)を用いた場合の病理組織像を表し、図5Bおよび図6Bは、臓器保存用組成物15(EC液)を用いた場合の病理組織像を表す。
臓器保存用組成物14を用いて保存した心臓は、好酸性の増多も核の濃縮も見られず、保存状態は良好であった。また、臓器保存用組成物14を用いて保存した肺は、肺胞腔がよく開いており、漏出性出血も見られず、保存状態は良好であった。
一方、臓器保存用組成物15を用いて保存した心臓は、心筋繊維の好酸性の増多が見られ、核の淡明化も見られた。また、一部横紋の不明瞭化も見られた。臓器保存用組成物15を用いて保存した肺は、肺胞壁の弾性繊維の変性や肺胞の萎縮が見られた。また、内皮細胞の変性にともなって漏出が見られた。
【図面の簡単な説明】
図1は、例1の単離灌流腎モデルにおいて、持続灌流を60分間行った時点での腎臓から排出された尿量を示すグラフである。
図2は、例1の単離灌流腎モデルにおいて、持続灌流を60分間行った時点での腎臓のクレアチニン・クリアランス(Ccr)を示すグラフである。
図3は、例1において、所定の臓器保存用組成物を用いて、4℃で、48時間保存した後の腎臓の病理組織像(倍率100倍)の写真である。この内、図3Aは、臓器保存用組成物2(EC+10%GF3)を用いた場合の病理組織像を表し、図3Bは、臓器保存用組成物13(UW液)を用いた場合の病理組織像を表す。
図4は、例2において、所定の臓器保存用組成物を用いて、4℃で、48時間保存した後の肝臓の病理組織像(倍率100倍)の写真である。この内、図4Aは、臓器保存用組成物1(EC+5%GF3)を用いた場合の病理組織像を表し、図4Bは、臓器保存用組成物13(UW液)を用いた場合の病理組織像を表す。
図5は、例3において、所定の臓器保存用組成物を用いて、4℃で、24時間保存した後の心臓の病理組織像(倍率100倍)の写真である。この内、図5Aは、臓器保存用組成物14(EC+2.5%GF3)を用いた場合の病理組織像を表し、図5Bは、臓器保存用組成物15(EC液)を用いた場合の病理組織像を表す。
図6は、例3において、所定の臓器保存用組成物を用いて、4℃で、24時間保存した後の肺の病理組織像(倍率100倍)の写真である。この内、図6Aは、臓器保存用組成物14(EC+2.5%GF3)を用いた場合の病理組織像を表し、図6Bは、臓器保存用組成物15(EC液)を用いた場合の病理組織像を表す。
Claims (17)
- イヌリン型フルクタンを有効成分として含んでなる、臓器保存用組成物。
- イヌリン型フルクタンが、重合度3〜6のイヌリン型フルクタンから選択される2種以上のイヌリン型フルクタンの混合物である、請求項1に記載の臓器保存用組成物。
- イヌリン型フルクタンが1−ケストースである、請求項1に記載の臓器保存用組成物。
- イヌリン型フルクタンがニストースである、請求項1に記載の臓器保存用組成物。
- 下記成分(a)〜(d)を下記の量で含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の臓器保存用組成物:
(a)イヌリン型フルクタン 3.5〜300 g/L
(b)Na+ 5〜150 mM
(c)K+ 5〜150 mM
(d)Cl−、HCO3 −、CO3 2−、有機酸および有機酸アニオンからなる群より選択される一種以上の成分 10〜150 mM。 - 下記成分(e)〜(h)の少なくとも一種以上を下記の量でさらに含んでなる、請求項5に記載の臓器保存用組成物:
(e)Mg2+ 0〜20 mM
(f)Ca2+ 0〜5 mM
(g)H2PO4 −および/またはHPO4 2− 0〜150 mM
(h)ヒドロキシエチル澱粉 0〜100 g/L。 - 臓器移植の過程で起こりうる臓器の機能低下および損傷を抑制または改善するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の臓器保存用組成物。
- 臓器保存に有効な量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の臓器保存用組成物を、臓器と接触させることを含んでなる、臓器の保存方法。
- 接触が、臓器を臓器保存用組成物を用いて灌流することにより行われる、請求項8に記載の方法。
- 抑制または改善する上での有効量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の臓器保存用組成物を、臓器と接触させることを含んでなる、臓器移植の過程で起こりうる臓器の機能低下および損傷を抑制または改善する方法。
- 臓器が、腎臓、肝臓、心臓、肺および膵臓からなる群より選択されるものである、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 臓器保存用組成物を製造するための、イヌリン型フルクタンの使用。
- イヌリン型フルクタンが、重合度3〜6のイヌリン型フルクタンから選択される2種以上のイヌリン型フルクタンの混合物である、請求項12に記載の使用。
- イヌリン型フルクタンが1−ケストースである、請求項12に記載の使用。
- イヌリン型フルクタンがニストースである、請求項12に記載の使用。
- 臓器保存用組成物が臓器の灌流液である、請求項12〜15のいずれか一項に記載の使用。
- 臓器が、腎臓、肝臓、心臓、肺および膵臓からなる群より選択されるものである、請求項12〜16のいずれか一項に記載の使用。
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