JPWO2003086003A1 - 無線ネットワークにおけるタイミング制御装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

無線ネットワーク制御装置であるIPノード1は、タイムスタンプ要求メッセージをTsend1の時刻に、基地局であるIPノード2に送出する。Tsend1は、タイムスタンプ要求メッセージの発信元タイムスタンプ格納領域に格納される。IPノード2では、タイムスタンプ要求メッセージを受け取ると、該メッセージを受け取った時刻Treceive2を取得し、タイムスタンプ応答メッセージを作成する。そして、時刻Tsend2において、タイムスタンプ応答メッセージをIPノード1に送出する。Treceive2とTsend2は、Tsend1と共に、タイムスタンプ応答メッセージに格納される。IPノード1では、タイムスタンプ応答メッセージを受け取ると、Tsend1、Treceive2、Tsend2に基づいて、IPノード1からIPノード2への伝送時間と、IPノード2からIPノード1への伝送時間とを算出し、タイミング制御に使用する。

Description

技術分野
本発明は、IPプロトコルを用いたデジタルパケット通信システムにおける通信ノード間のタイミング制御装置及び方法に関する。
背景技術
近年、CDMA(Code Division Multiple Access)通信システムの開発が急速に進み、狭帯域CDMA通信システムの商用サービスなども実施されている。また、音声のみならず、画像などの大きなデータをやりとりするために、より帯域の広いシステム(W−CDMA:Wideband−CDMA)の開発が急がれている。こうした状況の中で、第三世代通信システムの標準化組織である3GPP(3rd Generation Partnership Project:http://www.3gpp.org/)により、W−CDMA方式を基にした仕様が整備され、実際に3GPPで規定されたシステムの導入が開始されつつある。
図1は、現在の3GPPシステムの概要を示す図である。
各ノード101、102−0〜102−n、103−0〜103−n、104−0〜104−nは、ATM(Asynchronous Transfer Mode)伝送路で物理的に接続される。また、交換機101とコアネットワーク100もATM伝送路で物理的に接続される。図1において、移動機105は複数の基地局103−0〜103−nに対してデータを送信する。各基地局103−0〜103−nは、このデータを受信した後、ATMセルに変換し、ATM伝送路で無線ネットワーク制御装置102−0に送信する。無線ネットワーク制御装置102−0は、これらのデータの処理を行った後、再びATMセルに変換し、ATM伝送路で交換機101に送信する。無線ネットワーク制御装置102−0〜102−nはプロトコル終端装置とこれを制御する制御装置が内蔵されている(3GPP Specification TS25.301、TS25.401など参照)。また、無線ネットワーク制御装置102−0〜102−nと交換機間101、無線ネットワーク制御装置102−0〜102−n間、無線ネットワーク制御装置102−0〜102−nと基地局103−0〜103−n、104−0〜104−n間のインターフェースをそれぞれ、Iu、Iur、Iubと呼んでいる。
3GPPシステムでは、データ転送に使用するチャネルがプロトコルレイヤ毎に規定されている。
図2は、3GPPシステムにおける代表的なプロトコルスタックを示す図である。
図2においては、RLCレイヤ以上の信号を転送するチャネルを論理チャネル(Logical Channel)、MACレイヤ以上の信号を転送するチャネルをトランスポートチャネル(Transport Channel)と定義している。
3GPPでは、各インターフェースに関して、信号送受信のタイミングを規定しているが、その中でも特に、無線に最も近いインターフェースであるIubに関しては、信号送受信のタイミングを詳細に規定している(TS25.402、TS25.427、TS25.435)。
図2において、各略号の意味は以下の通りである。
Figure 2003086003
Figure 2003086003
図3〜図5は、3GPPシステムの信号送受信の同期取得手順について説明する図である。
無線ネットワーク制御装置と基地局との間でタイミングの同期を取るために、3GPP TS25.402において、図3に示されるように、Node Synchronisationと呼ばれる手順が規定されている。これによると、無線ネットワーク制御装置SNRCと基地局Node Bは、各ノードにおける時刻情報を格納したDL Node Synchronisation、UL Node Synchronisationと呼ばれる制御フレームをやりとりすることにより、ノード間のタイミングを計測するようになっている。ここで、DLはダウンリンク、ULはアップリンクを示している。2つの時間(t2、t1+t4−t3)は、ラウンドトリップディレイを示す。SRNCの4094、4095・・・及びNode Bの147、148・・・はそれぞれフレーム番号を示す。
一方、Iub上のトランスポートチャネル上では、各信号にCFN(Connection Frame Number)と呼ばれるコネクション同期用の番号が付与され、これをTTI(Transmission Time Interval)と呼ばれるタイミングに従って、信号送受を行っている。特に、基地局側は、無線ネットワーク制御装置からの受信信号に対して、図4に示すような受信ウィンドウを有しており、この受信ウィンドウ内に、期待されるCFNを持つ信号が到着しているかどうかを以て送受信タイミングの正常性を判断することになっている。仮に無線ネットワーク制御装置が送出した信号が、基地局の受信ウィンドウ外に到着した場合には、該基地局は、タイミングのずれ分(ToA)をTiming Adjustmentと呼ばれる制御フレームに格納して、無線ネットワーク制御装置に送出し、これを受信した無線ネットワーク制御装置は、ToAの値に従って該基地局に対する信号送出タイミングの補正を行う。なお、基地局にて遅着した信号は破棄される。
図4において、TOAは、Time Of Arrival(以下、実施形態の説明その他においては単なる到着時間を示すものである)、LTOAは、Latest Time Of Arrival、TOAWSは、TOA Window Startpoint、TOAWEは、TOA Window Endpoint、t procは、無線に送信する前の処理時間である。DL Data Frame152は受信ウィンドウで受信したときOKとなる。
従って、上記のようなタイミング補正を行う前提として、無線ネットワーク制御装置と基地局間においては、それぞれが有しているCFNタイミングが互いに合致している必要がある。このため、上述のNode Synchronisationで無線ネットワーク制御装置と基地局間のタイミングを計測した後、更に、Transport Channel Synchronisationと呼ばれる手順により、Iubの各トランスポートチャネル毎にCFNに関するタイミング補正が行われる。これは、図5に示されるように、各トランスポートチャネル上で、CFNと基地局における受信タイミング情報を格納したDL Synchronisation、UL Synchronisationと呼ばれる制御フレームをやりとりすることにより行われる。Node Bは、DL Data Frameを受信ウィンドウの終端とTOA分のずれをもって受信できたので、UL Data Frameを正しくRNCへ返送できる。Frame Offsetとは、Node B内でのフレームの処理時間を示す。
なお、図5において、各略号は、前述したとおりであるが、特に、UEは、移動機であり、基地局と移動機の間にはDL Radio FrameとUL Radio Frameが送受信される。
以上のように、Iub上の送信タイミングは、厳密に規定されており、特に下り信号(無線ネットワーク制御装置から基地局に向かう信号)については、無線上への送出タイミング及び基地局が有すべきバッファ量に大きく影響するため、精密なタイミング制御が必要となってくる。
現在、3GPPにおいて、現行の3GPPシステムと既存のインターネット網との親和性を高めると共に、柔軟でコスト的に有利なネットワークを構築するために、現状システムにおけるTNLのプロトコル(図2参照)としてIPプロトコル群を用いた次世代システムの検討がなされている。
図6は、TNLプロトコルとしてIPプロトコル群を用いたシステムの例を示す図である。
図6において、実線は物理的にノード間が接続されている物理パスを示し、点線は、インターネット網等を介してノード間が論理的に接続されていることを示している。
ここでの注意点として、3GPPは、図2のRNLについては、現行システムを大幅に変化させないことを要求条件としているため、各ノード、あるいは各ノード間において実現される諸機能については、それらのほとんどが次世代システムでも引き継がれることになる。
各無線ネットワーク制御装置601〜603と基地局604〜608は、それぞれ直接インターネット600に接続することも可能で、各ノード間は、IPプロトコル群により通信が行われる。
現状のシステムでは、無線ネットワーク制御装置102−0〜102−nと基地局103−0〜103−n、104−0〜104−nの間は、ATM伝送路により物理的に接続されているため、伝送時間揺らぎは通常それほど問題にならない。しかしながら、図6の構成のように、例えば、無線ネットワーク制御装置601と基地局605間がインターネットを介して接続された場合、ノード間を信号が伝送される際に多数のルータを経由することも考えられ、この場合、経路の障害・輻輳により、無線ネットワーク制御装置601と基地局605間の伝送時間の揺らぎが非常に大きくなることが考えられる。
通常のIPネットワークは、ネットワークの自立性、柔軟性、耐久性、簡易性、コストなどに主眼がおかれたシステム設計がされており、全ての信号に対して、タイミング制御の完全性は要求されていなかった。すなわち、ネットワーク故障などにより、信号の遅着、消失などが発生しても、上位層の適切な再送制御により救済されることを前提とした設計が行われているということができる。
しかしながら、移動通信、特に、無線を介した通信を行うシステムに関しては、上記のIPネットワークの特性に加え、限られた無線リソースを有効に活用するために、前述したような厳密なタイミング保証を行う必要がある。無線通信においては、通常のトラフィックデータから制御用信号にいたるまで、全ての信号についてネットワーク側と移動機側の送受タイミングを合わせる必要がある。当然、無線プロトコルにも再送制御は存在するが、有線系システムと異なり、限られた無線リソースを有効に活用するためには、再送などによる無駄な信号送受を極力減らす必要がある。現状の無線システムでは、最大384kbps程度のレートで信号送受を行うことが可能となってきており、近い将来には2Mbps程度、将来的には100Mbps程度までレートを向上させる方向でシステム設計がなされている。こうした高速通信を行う際に、上記のような再送が発生すると、無線リソースを無駄に消費するだけで実効的なレートが上がらないというシステム的に致命的な問題が発生する。そればかりか、このような状態が累積した結果、リソース不足が発生し、サービスが行えなくなることも考えられる。
更に、移動通信においては、移動機が送受信位置を変えながら通信を継続する(ハンドオーバ)ために、一つの移動機に対して複数の無線チャネル(ブランチ)を張ることになるが(図6における、移動機609と基地局604、605)、このブランチ間のタイミングが保証されない限り、エリア間を移動する際に通信の瞬断等が発生し、通信品質を保てなくなるばかりか、時には呼切断にまで至ることが考えられる。
以上のことから、IPプロトコルを用いた次世代無線システムに於いては、ノード間、特に無線に一番近いインターフェースであるIub上のタイミング制御を定常的に行い、必要なタイミング制御をリアルタイムに行う必要がある。現在の3GPPシステムにおけるIub上のタイミング制御方法に従い、タイミングのずれを事前に予測した制御を行うことも可能であるが、実際にこれを行うかどうかは実際の設計に委ねられている。既に、事前にタイミング補正を行うよう設計されているシステムでは、TNLプロトコルがIPプロトコルに変更になっても、それほど問題にならないかもしれないが、遅延の少ないATM技術に基づいて開発されたシステムでは、それほど頻繁にはタイミング制御を行わない設計になっていることも多い。このようなシステムをIP化していく中で、既存の開発資産を有効に活用し、短期間、低コストで開発を行うためには、下位レイヤ(TNL)のみでタイミング制御の機能を実現させることが重要となってくる。更に、精密なタイミング制御が可能になれば、それだけ、基地局が実装すべきバッファの量も節約することができ、全体としてコストの低いシステムを構築することができる。
発明の開示
本発明の課題は、無線通信システムにおいて、無線ネットワーク制御装置と基地局がIPプロトコルで接続された場合のタイミング制御の装置及び方法を提供することである。
特に、上述のように、移動通信システムが、伝送遅延のないATMベースのシステムから伝送遅延の大きなIPベースのシステムに移行するにあたって、信号がインターネット網を経由する際のタイミングのずれを予め検出・補正し、信号の消失・再送などを未然に防ぐことにより、無線リソースの効率的な利用、及び、無線通信(特にハンドオーバ時)の品質の向上を実現し、また、こうしたタイミング制御をトランスポート層の機能だけを用いて実現すること、また、その結果バッファなどのメモリ資源を削減することなどにより、短期間に効率的かつ低コストにシステム開発を実現でき、結果として、より低価格のサービスを提供することである。
本発明のタイミング制御装置は、移動機を収容する基地局と、無線ネットワークの制御を行う無線ネットワーク制御装置とがIPプロトコルで接続されている無線ネットワークにおける無線ネットワーク制御装置のタイミング制御装置であって、複数の基地局とタイムスタンプを格納したタイムスタンプメッセージをやりとりすることにより、基地局を結ぶ回線の往復それぞれの伝送時間を計測する計測手段と、該計測された伝送時間を基地局と対応させて格納・管理する格納管理手段と、該格納管理された伝送時間を用いて、各基地局への信号の送信タイミングを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明のタイミング制御方法は、移動機を収容する基地局と、無線ネットワークの制御を行う無線ネットワーク制御装置とがIPプロトコルで接続されている無線ネットワークにおける無線ネットワーク制御装置のタイミング制御方法であって、複数の基地局とタイムスタンプを格納したタイムスタンプメッセージをやりとりすることにより、基地局を結ぶ回線の往復それぞれの伝送時間を計測する計測ステップと、該計測された伝送時間を基地局と対応させて格納・管理する格納管理ステップと、該格納管理された伝送時間を用いて、各基地局への信号の送信タイミングを制御する制御ステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、基地局と無線ネットワーク制御装置の間が、IPネットワークのような、伝送時間の揺らぎが大きいネットワークで構成されていても、基地局が移動機と通信するために必要なタイミング制御が容易に行える。特に、各手段を3GPPの仕様のトランスポートネットワークレイヤにおいて実現すれば、上位レイヤの変更をする必要がないので、3GPPの仕様に合わせるためのシステム開発コストが少なく抑えられる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施形態のシステムは、インターネットプロトコル(IP)及びインターネット制御メッセージプロトコル(ICMP)を実装した無線ネットワーク制御装置と基地局から構成され、該無線ネットワーク制御装置は、IP送受信処理部、経路制御部、ICMP処理部などを含む信号終端部の他に、更に、基地局情報管理部とブランチ間位相差管理部とを有し、これらが管理する情報を基に、ICMPタイムスタンプ要求・応答メッセージを使用して、無線ネットワーク制御装置と基地局間のタイミング制御を実現するものである。この場合において、前述の3GPPの仕様を遵守するものとする。
前記基地局情報管理部は、該基地局のIPアドレス、無線ネットワーク制御装置と基地局との間の伝送時間などを対応付けて管理し、前記ICMPタイムスタンプ要求・応答メッセージにより得られるノード間伝送時間に応じて、該無線ネットワーク制御装置と該基地局間のタイミング制御を行う。
ブランチ間位相差管理部は、移動機毎に、該移動機に対応するブランチの追加・削除に応じて動的に該ブランチ情報が更新する。また、移動機からのデータ受信時にはブランチ間位相差が動的に更新され、該更新されたブランチ間位相差を基に、上記タイミング制御のトリガをかける。
更に、上記の機能は全てTNLの機能のみで実現する。
図7は、ICMPタイムスタンプ要求/応答メッセージフォーマットを示す図である。
図7のタイムスタンプ要求/応答メッセージのフォーマットは、IETFRFC950において規定されているものである。特に、メッセージのタイプを示すフィールド、コード、チェックサム、識別子、シーケンス番号の他に、発信元タイムスタンプ、受信タイムスタンプ、及び送信タイムスタンプを格納するフィールドを有しており、これらタイムスタンプの値を用いて、本実施形態を実現する。
図8は、本実施形態に従って、IPノード1とIPノード2との間でタイムスタンプ要求/応答メッセージが送受される様子を示す図である。
図8において、IPノード1は、時刻Tsend1にタイムスタンプ要求メッセージ800をIPノード2宛てに送信する。このとき、タイムスタンプ要求メッセージのタイプコード、発信元タイムスタンプには、それぞれ、0x0D、時刻Tsend1を格納し、受信タイムスタンプ、送信タイムスタンプには、何も格納しない。その他の領域は、適切な値を格納する。
該タイムスタンプが時刻Treceive2にIPノード2にて受信されると、IPノード2は、受信処理を行った後、タイムスタンプ応答メッセージ801の、タイプコード、発信元タイムスタンプ、受信タイムスタンプ、送信タイムスタンプに、それぞれ、0x0E、Tsend1、Treceive2、Tsend2を格納し、時刻Tsend2にIPノード1に対して該タイムスタンプ応答メッセージ801を送信する。このとき、該タイムスタンプ応答メッセージの他の領域には、適切な値を格納する。
その後、時刻Treceive1に該タイムスタンプ応答メッセージをIPノード1が受信すると、IPノード1は、IPノード1からIPノード2までの伝送時間1をTreceive2−Tsend1により算出する。同様に、IPノード2からIPノード1までの伝送時間1をTreceive1−Tsend2により算出する。
上記のタイムスタンプ要求/応答メッセージはIPパケットのペイロード部分として運ばれる。従って、IPv4、IPv6のいずれの場合にも本メッセージが使用できる。
図9は、タイムスタンプ要求/応答メッセージをIPパケットのペイロードに格納する様子を示した図である。
IPパケットには、先頭にIPパケットヘッダが付加され、この中に、IPパケットペイロードのどの部分からICMPタイムスタンプ要求/応答メッセージが格納されているかを示す情報(不図示)が格納される。そして、図9に示すように、ICMPタイムスタンプ要求/応答メッセージは、IPパケットのペイロードに格納されて転送される。従って、無線ネットワーク制御装置と基地局の間がIPネットワークで構築されている場合、このようなIPパケットを使って、タイムスタンプ情報を無線ネットワーク制御装置と基地局の間でやりとりすることができる。
本発明の上記実施形態のタイミング制御方法は、無線ネットワーク制御装置と基地局間における信号送受タイミングを保証するための該無線ネットワーク制御装置と該基地局との間の伝送時間の取得・管理方法、及びタイミング制御方法であり、
(a)各テーブルを初期化し、初期情報を設定するステップ
(b)基地局のIPアドレス及び該基地局に対応する前記伝送時間をテーブルにて管理するステップ
(c)移動機に割り当てられるブランチ間の位相差をテーブルにて移動機毎にダイナミックに管理するステップ
(d)各種情報から、所定のトリガにより、無線ネットワーク制御装置から指定された基地局に対して、ICMPタイムスタンプ要求メッセージを送出するステップ
(e)該基地局から受信したタイムスタンプ応答メッセージから前記伝送時間を算出し、ステップ(a)の基地局IPアドレス管理テーブル内の伝送時間を更新するステップ
(f)ステップ(a)に記載の基地局IPアドレス管理テーブル内の伝送時間に基づいて基地局毎にIPパケットの送信タイミングを制御するステップ
等を有する。
更に、このような無線ネットワーク制御装置と基地局間のタイミング制御方法は、対向する(図6のIurで接続される)無線ネットワーク制御装置のIPアドレスを管理する同様なテーブルを該無線ネットワーク制御装置内に設けることで、無線ネットワーク制御装置間すなわち、図6に記載のIur上のタイミング制御にも応用可能である。
以下では、本実施形態の構成及び処理ステップについてより詳細に説明する。
図10は、本発明を実現するための無線ネットワーク制御装置内信号終端部の一実施形態を示す図である。また、図11は、無線ネットワーク制御装置と基地局間の通信制御シーケンスを表す図である。
図10における各括弧付き数字の意味は以下の通りである。
(1)送信元IPアドレス
(2)受信RNLデータ
(3)受信ICMPデータ
(4)送信先IPアドレス
(5)送信RNLデータ
(6)送信タイミング補正値
(7)送信ICMPデータ
(8)ICMP送出トリガ
(9)ブランチ情報位相差情報
(10)位相差情報
(11)タイムスタンプ要求メッセージ送出要求
信号終端部は、IPデータグラム受信処理部1013、IPデータグラム送信処理部1000、経路制御部1002、RNL処理部1003、ICMP処理部1010、基地局情報管理部1004、ブランチ間位相差管理部1007から構成される。IPデータグラム受信処理部1013は、IPデータグラムを受信して、IPデータグラムから必要な情報を取り出し、各処理部へ情報を渡す処理を行う。IPデータグラム送信処理部1000は、IPデータグラムが入力されたときに持っていた情報に従ってIPデータグラムが処理された後、処理結果に基づいて、IPデータグラムを送出する処理部である。経路制御部1002は、送信元IPアドレスからルーティングを行い、送信先IPアドレスをIPデータグラム送信処理部1000に通知するものである。RNL処理部1003は、受信RNLデータよりRNLの処理を行って、結果を送信RNLデータとして、IPデータグラム送信処理部1000に入力するものである。ICMP処理部1010は、タイムスタンプ応答メッセージ処理を行ったり、タイムスタンプ要求メッセージ処理を行う処理部であり、内部に、タイムスタンプ応答メッセージ処理部1011、及び、タイムスタンプ要求メッセージ処理部1012を有している。
基地局情報管理部1004は、内部に制御部1005と伝送時間管理テーブル1006とを有する。伝送時間管理テーブル1006は、各エントリ毎に、基地局の情報を管理する。この管理情報は、様々な種類が考えられるが、例えば、基地局のIPアドレス、該基地局がICMPに対応しているかどうかを示すフラグ、基準となる無線ネットワーク制御装置と基地局間の伝送時間、新たに測定される伝送時間、基準伝送時間と新たに測定される伝送時間との比較に使用される閾値などである。
また、基地局情報管理部1004内の制御部1005は、基地局情報管理部1004と他の機能ブロックとの間でやりとりされる情報の制御を行い、伝送時間管理テーブルへの情報の格納・取り出し、他機能ブロックに対する設定を行う。
ブランチ間位相差管理部1007は、内部に制御部1008とブランチ間位相差管理テーブル1009を有する。ブランチ間位相差管理テーブル1009は、各エントリ毎に、移動機に対して設定されるブランチ情報(複数可)を管理する。この管理情報は、様々な種類が考えられるが、例えば、ブランチ識別するためのブランチ識別子、単一の移動機に設定された複数のブランチ間の位相差情報、位相差情報からタイミング制御を行う際の判断基準に使用する閾値情報などである。ブランチ間位相差管理部1007は、ブランチ追加・削除や、データ受信時のブランチ間位相差取得時には、ダイナミックにブランチ間位相差管理テーブル内の情報を更新する。
なお、送信タイミングを制御する送信スケジューリング部1001は、IPデータグラム送信処理部1000内に組み込むことなどが考えられる。
IPデータグラム送信処理部1000内送信スケジューリング部1001は、無線ネットワーク制御装置と基地局間の伝送時間差(ブランチ間位相差)を吸収するために、該無線ネットワーク制御装置からそれぞれの基地局への送信データは、該送信スケジューリング部において、必ず一定時間だけバッファリングされた後に送信される。すなわち、ネットワーク故障等によって、該無線ネットワーク制御装置と基地局間の伝送時間に変化が生じた際には、上述のバッファリング時間を調整することにより、適切な送信タイミングに補正を行うものである。これにより、上位層とは独立にIP層だけでタイミングの補正が可能となる。
図13は、送信スケジューリング部の構成図を示す図である。
送信スケジューリング部1001は、
・送信データを一定時間バッファリングしておくための遅延吸収バッファ
・送信データをバッファリングする時間を設定する遅延時間設定レジスタ
・遅延時間設定レジスタ手段に格納された値に基づいて、遅延吸収バッファ内のデータの送信タイミング制御を行う送信タイミング制御部
から構成される。
タイムスタンプ要求・応答メッセージの送受により、無線ネットワーク制御装置と基地局との間の伝送時間に異常を検出した際には、基地局情報管理部1004は、図13の該当する全CHの遅延時間設定レジスタの値を変更する。例えば、基地局#Aとの間の伝送時間が、通常時よりも非常に大きくなった場合には(この判断は閾値(図14、15参照)との比較で行う)、基地局Aに対応する遅延時間設定レジスタに格納される、送信データのバッファリング時間を短くする。逆に、基地局#Aとの間の伝送時間が、通常時よりも非常に小さくなった場合には、基地局Aに対応する遅延時間設定レジスタに格納される、送信データのバッファリング時間を長くする。
送信すべきデータが存在する場合、以下の手順に従ってデータ送信処理が行われる。
(1)RNL処理部1003からの送信データを遅延吸収バッファに格納する。この際、データを格納したことを送信タイミング制御部に通知する。
(2)経路制御部1002は、IP処理部にIPヘッダに格納する送信先IPアドレスを通知する。通知を受けたIP処理部は直ちに(1)で格納されたデータを引き取り、IPパケットを生成する。生成されたIPパケットは再び、もとの遅延吸収バッファに格納される。
(3)送信タイミング制御部は、(1)で通知を受けた際に、対応する遅延時間設定レジスタに格納されている値を取得し、該遅延時間が経過した後に、(2)で格納された遅延吸収バッファ内のIPパケットを送信する。
以下、図11、図12のシーケンスを参照しながら説明する。
・装置起動時の伝送時間管理テーブルの初期化
通常、装置が起動した際には、前述したNode Synchronisation手順により無線ネットワーク制御装置と基地局間の位相差が測定される。このとき、RNL処理部1003では、DL/UL Node Synchronisationにより得られた位相差を、基地局情報管理部1004内の伝送時間管理テーブル1006内の対応する基地局のエントリ内の情報要素として設定する。この手順を全ての基地局に対して実行することにより、伝送時間管理テーブル1006内の全ての基準伝送時間の設定が完了し、以後のタイミング制御に使用される。
また、装置起動時には、伝送時間管理テーブル1006内に設定されている全ての基地局に対して、タイムスタンプ要求メッセージを送出する。これは、ノード間の位相差を測定するというよりも、むしろ、各基地局がタイムスタンプメッセージに対応しているかどうかを調べるためのものである。
このとき、基地局情報管理部1004内の制御部1005が、ICMP処理部1010内タイムスタンプ要求メッセージ処理部1012に対して、タイムスタンプ要求メッセージ送出要求を出すと共に、伝送時間管理テーブル1006内に格納されている基地局のIPアドレスを取得し、IPデータグラム送信処理部1000に設定する。その後、IPデータグラム送信処理部1000は、タイムスタンプ要求メッセージを格納したIPデータグラムを生成し、該当する基地局に対して送信を行う。
タイムスタンプ要求メッセージを受信した基地局が、タイムスタンプ要求・応答メッセージに対応していない場合(ICMPv6のみ実装している場合など)には、基地局はパラメータ異常メッセージを無線ネットワーク制御装置に対して返送する。該パラメータ異常メッセージを受信した無線ネットワーク制御装置は、該メッセージを送信してきた基地局がタイムスタンプメッセージを扱えないことが分かるので、伝送時間管理テーブル1006内にそうした情報を設定する。この手順により、以後タイムスタンプメッセージが扱える基地局にのみ、タイムスタンプ要求メッセージを送出すれば良いことになる。ただし、タイムスタンプ応答メッセージが到着する前に、何からの別の要因でパラメータ異常メッセージが送出されてくることも考えられるので、このような場合は、タイムスタンプ要求メッセージを再度送出することが望ましい。その他、無線ネットワーク制御装置に物理的に隣接している基地局については、通常のIPネットワーク内で見られるような大きな伝送揺らぎが発生する可能性が低いため、このような基地局に対しては、予めタイムスタンプメッセージを送出しないように設定しておくことも可能である。また、閾値などのシステムデータは、あらかじめ決められた値が伝送時間管理テーブル1006に設定される。
・装置起動時のブランチ間位相差管理テーブル1009の初期化
ブランチ間位相差管理テーブル1009内の内容は、呼が設定された際に該呼に対応する情報がエントリに追加され、呼が開放された際には、そのエントリは削除されるようなダイナミックな情報である。従って、装置起動時には、該ブランチ間位相差管理テーブル1009の内容は、閾値のようなシステムパラメータが設定される以外は、全て初期化される。
・システム起動時のその他の機能ブロックの初期化
その他の機能ブロックについては、記憶手段の初期化、テーブルの初期化、初期値の設定など、それぞれ適切な初期化を行う。
・ブランチ間位相差管理テーブル1009の設定手順
前述したように、ブランチ間位相差管理テーブル1009は、呼の設定・開放に伴って動的に情報が設定・消去されるテーブルである。テーブル内の各エントリには、移動機を識別するためのID番号と、該移動機に割り当てられるブランチのIDが格納される。ハンドオーバ時等は、1台の移動機に対して複数のブランチが割り当てられるので、前記ブランチIDの格納領域も複数確保しておく。このブランチIDは、IPアドレスを使用することも可能であるし、また、装置内で独自にマッピングした値を使用することもできるであろう。また、1台の移動機に複数のブランチが割り当てられた場合には、各ブランチ間の位相差を計算し、その値を対応するエントリ内の領域に格納する。この位相差に関しても、いくつかの計算方法が考えられる。例えば、ハンドオーバ時には、同一のデータが移動機内で複製され、各ブランチから無線ネットワーク制御装置に送られてくる。このとき、最も早く到着したデータと最も遅く到着したデータの到着時刻の差を位相差としてテーブル内に設定する方法や、各ブランチ間の位相差の平均値を設定する方法などが考えられる。また、ブランチが1つのときは、位相差を0にするための処理を行う必要がある。
また、このような位相差計算の際には、次の点にも留意する必要がある。ある移動機に対して複数のブランチが設定されている場合、前記無線ネットワーク制御装置は、該移動機から常に該ブランチ数分のデータを受信するとは限らず、時には無線インターフェース上あるいはIub上での同期がはずれ、あるブランチに付いては信号が消失してしまうことがある。このような場合、該無線ネットワーク制御装置は、該ブランチから到着するはずのないデータを持ち続けることになり、正確なブランチ間の位相差算出ができなくなる。このようなときは、データの到着したブランチだけを位相差計算の対象とすべきである。従って、該ブランチ間位相差管理テーブル1009内において、移動機毎に到着時間に関する閾値を設け、最も早く到着したデータから該閾値が規定する時間以内に到着したデータについてのみ位相差計算の対象とする方法が考えられる。該到着時間に関する閾値はシステムデータにより予め設定されるようにすれば良い。また、該閾値は移動機毎ではなく、装置に1つ設定することも可能である。
更に、該無線ネットワーク制御装置が、あるブランチから全くデータを受信しない状態が長く続いた場合には、例えば、呼の切断が行われたにも関わらず、該呼に対するリソースが開放されずに残ったままになっているなどといった、無線リソース管理に異常を致していることが予想される。このように開放されないリソースが累積すると最終的には全くサービスを提供できない致命的状態に陥ることになる。従って、リソース開放のための閾値を設け、該閾値が表す時間内に1つもデータを受信しなかった場合には、該リソースを強制的に開放する必要がある。該閾値はこれまで同様、移動機毎に設けてもよいし、また、無線ネットワーク制御装置で1つ設けても良い。
以上のように、設定されたブランチに関する各種情報は、呼の開放と共にテーブル内から消去される。
・タイムスタンプ要求メッセージ送出トリガ
本実施形態においては、適当な契機でタイムスタンプ要求メッセージを送出し、応答メッセージ内の情報から伝送時間管理テーブル1009を更新し、必要で有れば、タイミング制御を行い、ノード間の伝送タイミングを保証する。ここでは、タイムスタンプ要求メッセージを送出する契機について記載する。
まず、第1の方法として、基地局情報管理部内にタイマ手段を設け、これにより定期的にタイムスタンプ要求メッセージを送出する方法が考えられる。この際、基地局情報管理部1004に1つのタイマを設け、該タイマがタイムアウトした時点で、全ての基地局に対して一斉にタイムスタンプ要求メッセージを送出する方法が考えられる。あるいは、基地局情報管理部1004内の伝送時間管理テーブル1006のエントリ毎、すなわち、基地局毎にタイマを設け、それぞれが独立して周期的にタイムスタンプ要求メッセージを送出する方法も考えられる。後者の場合、無線ネットワーク制御装置から距離的に近い基地局に対しては、伝送揺らぎは小さいと考えられるので、タイマ値は比較的長く設定し、逆に距離的に遠い基地局に対しては、伝送揺らぎが大きくなると考えられるためタイマ値を小さく設定する等といったことが可能となる。
また、ブランチ毎にIPアドレスが付与され、該ブランチを該IPアドレスで識別するようなシステムでは、該ブランチIPアドレス毎にタイムスタンプ要求・応答メッセージを送出する方法も可能であり、より詳細なタイミング制御が可能となる。
いずれにしても、これらタイマ値は、システムデータとして予め決められた値を用いれば良く、タイムアウトする度に新しく値を設定する。
第2の方法として、ブランチ間位相差が大きくなったときに、タイムスタンプ要求メッセージを送出する方法が考えられる。
前述したように、呼の設定、開放に伴ってブランチ間位相差管理テーブル1009内の情報がダイナミックに更新されて行くが、ブランチ間位相差管理部1007内の制御部はこれらのリアルタイムの情報に基づいて、基地局情報管理部1004に対してタイムスタンプ要求メッセージ送出のトリガを与えることが可能である。該トリガを与えるかどうかの判断は、前記のブランチ間位相差管理テーブル1009内に格納されたブランチ間位相差を、ある閾値と比較することで行われるが、この際の閾値の扱いについても、いくつかの方法が考えられる。例えば、ブランチ間位相差管理部1007内で1つの閾値を有し、各移動機に対応する位相差を、全て該閾値と比較する方法がある。あるいは、各エントリ毎、すなわち、呼毎に、閾値を設定することも可能である。通常、必ずしも、全てのサービスに対して、厳密なタイミング制御が必要であるとは限らず、サービスに応じたタイミング制御を行うことも有効である。
いずれの方法にしても、テーブル内に格納されたブランチ間位相差が、閾値以上となった場合に、ブランチ間位相差管理部1007内から、基地局情報管理部1004に対してタイムスタンプ要求メッセージを送出するよう要求を出すことになる。このとき、トリガとなったブランチが属する基地局それぞれに対して、タイムスタンプ要求メッセージを送出する必要があるが、このブランチと基地局との対応方法もいくつか考えられる。例として、ブランチをIPアドレスで管理している場合では、ブランチと基地局のIPアドレスをれぞれのサブネットアドレスが一致するはずなので、これをもって判断すれば良い。あるいは、ブランチIDを装置独自で割り当てているならば、そのマッピングテーブル内に基地局の情報(IPアドレス)を持たせておけば良く、ブランチ間位相差管理部1007から基地局情報管理部1004にタイムスタンプ要求メッセージのトリガを与える際に、基地局のIPアドレスそのものも設定するようにすればよい。
第3の方法として、RNL処理部1003において、タイミング異常を検出した際、すなわち、無線ネットワーク制御装置がTiming Adjustment(3GPPの勧告 TS25.402参照)を検出したことをトリガとする方法も考えられる。この場合、RNL処理部1003は、Timing Adjustmentを受信した場合に、基地局情報管理部1004に対して割り込み通知をあげることにより、タイムスタンプ要求メッセージの送出トリガとすることができる。あるいは、基地局情報管理部1004が周期的にRNL処理部1003にポーリングを行い、Timing Adjustmentを受信したかどうかを検出する方法も考えられる。また、Timing Adjustmentがどの基地局が送出したものかを特定するための情報も必要であり、これは次のようにして実現可能である。IPデータグラム受信処理部1013は、データを受信した場合、IPレイヤの処理を行い、RNLデータを抽出する。その後、RNLデータはRNL処理部1003へ渡されるが、送信元IPアドレスは、経路制御に用いるほか、基地局情報管理部1004に渡される。該送信元IPアドレスを受け取った基地局情報管理部1004は、前記のTiming Adjustmentの受信を知るまで、該基地局情報管理部1004内で保持される。もしも、受信したデータが、Timing Adjustmentではない通常のデータであれば、前記の基地局情報管理部1004内で保持されていたIPアドレスは、次のIPデータ受信時に上書きされるだけであるが、受信したデータがTiming Adjustmentであることを知った場合には、保持していたIPアドレスをタイムスタンプ送出先として使用する。
・タイムスタンプ要求メッセージの送出処理
以上のように、タイムスタンプ要求のトリガは全て基地局情報管理部1004に集約され、該送出トリガを検出した基地局情報管理部1004は、ICMP処理部1010内のタイムスタンプ要求メッセージ処理部1012にタイムスタンプ要求メッセージを送出するように要求する。同時に、これまでに説明したように、基地局情報管理部1004はタイムスタンプ要求メッセージを送出すべき基地局のIPアドレスを知っているので、該基地局IPアドレスをIPデータグラム送信処理部1000に設定する。また、タイムスタンプ要求メッセージ処理部1012は、前記基地局情報管理部1004からのトリガを受けると、タイムスタンプ要求メッセージを生成し、IPデータグラム送信処理部1000に転送する。このようにして、IPデータグラム送信処理部1000に、タイムスタンプ要求メッセージとその送信先IPアドレスが渡されるのと共に、該IPデータグラム送信処理部1000は、IPデータグラムを生成、送信する。
・タイムスタンプ要求メッセージの受信処理
無線ネットワーク制御装置が送出したタイムスタンプ要求メッセージに対して、基地局はタイムスタンプ応答メッセージを送出するが、無線ネットワーク制御装置が該タイムスタンプ応答メッセージを受信した際の動作について記載する。
タイムスタンプ応答メッセージを格納したIPデータグラムは、IPデータグラム受信処理部1013で受信された後、IPデータグラムの内容がICMPメッセージであることが判別されると、ICMPデータは、ICMP処理部1010へ、送信元アドレスは、経路制御部1002で使用される他に基地局情報管理部1004にも渡される。ICMPデータを受信したICMP処理部1010は、さらにそのデータ種別がタイムスタンプ応答メッセージであれば、該データをタイムスタンプ応答メッセージ処理部1011で処理する。該タイムスタンプ応答メッセージ処理部1011では、タイムスタンプ応答メッセージ内の時刻情報から、無線ネットワーク制御装置と基地局との間の伝送時間を計算し、該伝送時間を基地局情報管理部1004に渡す。該基地局情報管理部1004では、前記IPデータグラム受信処理部から取得したタイムスタンプ応答メッセージの送信元基地局と、前記タイムスタンプ応答メッセージ処理部1011から取得した位相差情報とを用いて、伝送時間管理テーブル内の対応する基地局エントリに対して、位相差情報を更新する。
・タイミング制御方法
これまでに、タイムスタンプ要求メッセージを送出する方法と、受信したタイムスタンプ応答メッセージからノード間の位相差情報を抽出し、伝送時間管理テーブルを更新する方法について記載したが、以降では、このようにしてリアルタイムに更新される伝送時間管理テーブルの情報をもとに、実際にタイミング制御を行う方法について記載する。
図14〜図16は、各テーブルの構成例を示した図である。
前述の通り、基地局情報管理部1004内の伝送時間管理テーブル1006(図14参照)は、該テーブル内に保持している新・旧位相差を比較して、タイミング制御を行うか否かを判断するため、閾値を有している。伝送時間管理テーブルが更新された場合、旧位相差と新位相差の差分が計算され、この値が前記閾値と比較される。この場合、例えば、位相差の差分計算として、新位相差から旧位相差を減ずる方法を採った場合、計算結果は、当然、正・負両方の値を取ることが考えられる。したがって、閾値も少なくとも上限閾値(正の値)と下限閾値(負の値)の2種類を用意しておくことが必要である。あるいは、正の閾値を1つだけ設けておき、負の閾値は、該正の閾値の符号を反転する方法も考えられる。このとき、前記計算結果が、上限閾値と下限閾値との間に収まらない場合には、位相差が、それまでとは大きくずれたことを意味しているため、これを以てタイミング制御を行えば良い。IPデータグラム送信処理部1000は、内部に送信スケジューリング部1001を有しており、これには、無線ネットワーク制御装置と各基地局との間の位相差、及び、各トランスポートチャネル毎のタイミングオフセットが格納されている。従って、タイミング制御を行う際は、基地局情報管理部1004内の制御部1005が、前記送信スケジューリング部1001内の無線ネットワーク制御装置と該当基地局間の位相差部分に対して、補正されたノード間位相差を設定することによって行われる。以後、タイミング制御が行われた基地局に対しては、前記の補正された位相差に基づいて信号の送信が行われる。
図14は、伝送時間管理テーブルの実施形態の例を示す図である。
各エントリ毎に、基地局IPアドレス、ICMPフラグ、基準伝送時間Tbase、測定した伝送時間Tmeasure、上限・下限閾値、送出タイマを格納する領域が用意されている。
基地局アドレスは、無線ネットワーク制御装置が制御する基地局のIPアドレスを表す。
ICMPフラグは、該基地局がタイムスタンプメッセージに対応しているかどうかを示すフラグであり、前述したシステム起動時の手順により設定される。すなわち、無線ネットワーク制御装置が送出したタイムスタンプ要求メッセージに対して、基地局がタイムスタンプ応答メッセージを返送してきた場合には、“Enable”を、パラメータ異常メッセージを返送してきた場合は、“Disable”を設定する。
基準伝送時間Tbaseは、同じくシステム起動時に行われるNode Synchronisationにより得られた無線ネットワーク制御装置と基地局との間の伝送時間が格納される。この値は、実際にタイミング制御が行われた際などに、新しい値に更新される。
測定した伝送時間Tmeasureは、システム運用中のタイムスタンプメッセージの送受により得られる、無線ネットワーク制御装置と基地局との間の伝送時間が格納される。この値が、常に、上記基準伝送時間と比較される。
上限・下限閾値は、前記の基準伝送時間と測定した伝送時間との比較する際に、基準となる値である。ここでの比較方法としては、“下限閾値<(測定した伝送時間)−(基準伝送時間)<上限閾値”を満たさない場合に、タイミング制御を行うものとする。また、閾値は、各エントリ毎ではなく、テーブルに1つの閾値を設けるようにすることも可能である。
図15は、伝送時間管理テーブルの別の実施形態であり、図14の実施形態に加えて、更に、上限閾値保護段数、下限閾値保護段数を設けたものである。
これは、前記測定した伝送時間と前記基準伝送時間との差が、閾値を超えたとしても、すぐにはタイミング制御を行わないための方法である。例えば、瞬間的に、ある経路の伝送遅延が大きくなり、その後はまた元に戻るような状況があった場合、無駄なタイミング制御を行わないためである。この実施形態においては、テーブル初期化時に、該保護段数を設定し、閾値を超える度に、値を1づつ減じていき、値が0になった時点で初めてタイミング制御を行うようにする。図15では、各エントリ毎に、上限閾値に対する保護段数と下限閾値に対する保護段数を別個に設けているが、これを上限、下限をまとめた1つの保護段数を設ける、または、各エントリ毎ではなく、テーブルに1つの保護段数を設けるようにすることも可能である。前記のように、閾値も各エントリ毎ではなく、テーブルに1つの閾値を設けるようにすることが可能である。
図16は、ブランチ間位相差管理テーブルの一実施形態を示す図である。
各エントリ毎に、移動機のID、ブランチID#0〜n、ブランチ間最大位相差、閾値を格納する領域が設けられている。このテーブルは、起動時は、何も格納されておらず(エントリ数0)、呼が設定され、該呼に対してブランチが設定されたときに初めて設定される。また、呼が開放された際には、該呼に対するエントリは削除される。また、ブランチ情報は、常に適切な手段により更新されるものとする。
ブランチ間位相差の格納領域には、RNL処理部1003から得た各ブランチ間の位相差情報を基に設定される。ここでは、複数ブランチ間の最大の位相差を設定することとする。また、該位相差は、常に同一エントリ内の閾値格納領域に格納された値と比較され、閾値を超えた場合には、基地局情報管理部1004に対してタイムスタンプ要求メッセージを送出するようトリガをかけることができる。
ここでも、閾値は、各エントリ毎ではなく、テーブルに1つの保護段数を設ける様にすることも可能である。
・処理フロー
以下では、上記のような実施形態における処理の流れについて記載する。
図17は、無線ネットワーク制御装置の起動時の処理フローを示す図である。S14−1において、無線ネットワーク制御装置が起動すると、S14−2で各種テーブル、記憶手段などの初期化を行うと共に、ハードウェアの初期化設定やアプリケーションのロードが行われ、その後各種設定が行われる。その後、S14−3で、プラットフォームあるいはアプリケーションがシステムデータを取得し、伝送時間管理テーブル1006内に基地局のIPアドレス、該基地局に対応する閾値、保護段数、タイマ値を、基地局数分設定する。この設定が完了すると、RNL処理部1003により全ての基地局に対して、Node Synchronisation手順が実行され、その結果得られた無線ネットワーク制御装置と各基地局との間の伝送時間を伝送時間管理テーブル1006内の基準伝送時間Tbaseの値として格納する(S14−4)。Node Synchronisationが終了すると、S14−5において、ICMP処理部1010内のタイムスタンプ要求メッセージ処理部1012と基地局情報管理部1004が連携して、各基地局に対してタイムスタンプ要求メッセージを送出する。該メッセージの応答メッセージを受信すると、ICMP処理部1010は、S14−6において、該応答メッセージを識別判断し、タイムスタンプ応答メッセージでなかった場合には(例えば、パラメータ異常メッセージなど)、S14−8にて、該メッセージを返送してきた基地局はタイムスタンプメッセージを扱えないものとして、伝送管理テーブル1006内の該当する基地局エントリ内のICMPフラグをDisableに設定するよう、基地局情報管理部1004に対して要求する(この要求は制御部1005等が処理する)。一方、S14−6において、前記応答メッセージがタイムスタンプ応答メッセージであった場合には、該メッセージを返送してきた基地局は、タイムスタンプメッセージを扱えるものと判断し、ICMP処理部1010は、伝送管理テーブル1006内の該当する基地局エントリ内のICMPフラグをEnableに設定するよう基地局情報管理部1004に対して要求する。更に、このときタイムスタンプ応答メッセージはタイムスタンプ応答メッセージ処理部1011に処理が移され、ここにおいて、無線ネットワーク制御装置とメッセージを返送してきた基地局との間の伝送時間が算出される。このように算出された伝送時間は、S14−9において、タイムスタンプ応答メッセージ処理部1011から、基地局情報管理部1004に渡され、該算出値が、伝送管理部テーブル1006内の該当する基地局エントリ内のTmeasureに格納される。上記のようなタイムスタンプメッセージの送受信と伝送時間の算出・設定が全ての基地局に対して行われ、初期化完了となる(S14−10)。
図18は、ブランチ間位相差管理テーブル更新処理フローを示す図である。
ブランチ間位相差管理部1007では、ブランチ間位相差管理テーブル1009の情報を更新する処理と、テーブル内の情報を監視し、タイムスタンプ要求メッセージ送出のトリガをかける処理が行われる。前者の処理はRNL処理部1003と連携して行われ、後者の処理はICMP処理部1010内のタイムスタンプ要求メッセージ処理部1012と連携して行われる。
はじめに、同図(a)左のブランチ間位相差管理テーブル1009にブランチIDが追加される際の処理フローについて記載する。
RNL処理部1003で新しいブランチが設定された場合(S15−1)、該設定情報は、RNL処理部1003からブランチ間位相差管理部1007に渡される。このとき、新しい呼の設定に伴ってブランチが設定される場合と、既存の呼に対して新しいブランチが設定される場合の2通りが考えられる。従って、該ブランチ間位相差管理部1007は、S15−2において、新しく設定されたブランチに対応する移動機がブランチ間位相差管理テーブル1009内に既にエントリとして存在しているかどうか判別する必要がある(S15−2)。ここで、エントリ内に該ブランチに対応する移動機が存在していない場合には、S15−4、S15−5において、該移動機がブランチ情報と合わせて、ブランチ間位相差管理テーブル1009内に新規に登録される。一方、S15−2において、既に該ブランチに対応する移動機がテーブル内に登録されていれば、S15−3において、該ブランチと同じブランチIDを持つブランチが該移動機のエントリ内に既に存在していないかどうかを確認する。仮に、存在していた場合には、同一移動機に対する同一ブランチの二重設定ということになり、S15−8において、上位処理部に対してエラー応答を返す。存在していない場合は、S15−5において、該移動機に新しく設定されたブランチとしてテーブル内に登録される。
次に、同図(a)右のブランチ間位相差管理テーブル1009からブランチIDが削除される際の処理フローについて記載する。RNL処理部1003で既知のブランチが削除された場合(S15−6)、該削除情報は、RNL処理部1003からブランチ間位相差管理部1007に渡される。このとき、ブランチ間位相差管理部1007では、削除されるべき該ブランチが本当にブランチ間位相差管理テーブル内に既にエントリされているかどうかが調べられる(S15−7)。仮に、テーブル内にエントリされていなければ、エントリ内に存在しているブランチに対するブランチ削除指示であれば、S15−9において、該ブランチが削除される。
最後に、同図(b)の同一移動機から複数のブランチを経由して送られてきた同一のデータを無線ネットワーク制御装置が受信した際の処理について記載する。
ブランチ間位相差管理部1007は、RNL処理部1003における受信処理を常に監視し、移動機からの上りのデータを受信すると(S15−10)、データの到着時刻を内部で一次記憶領域に格納する(S15−11)。この受信時刻取得処理を各移動機の各ブランチ毎に行うことにより、移動機毎にブランチ間の位相差を算出し、ブランチ間位相差管理テーブル1009の対応する移動機のエントリ内の、ブランチ間位相差格納領域に設定する(S15−12)。この算出方法は、例えば、最も早く到着したデータの受信時刻と最も遅く到着したデータの受信時刻の差分をとるなどがある。このようにして算出された位相差は、S15−13で、該テーブル内の閾値と比較され、閾値よりも大きい場合は、その移動機に割り当てられたブランチが属する全ての基地局に対してタイムスタンプ要求メッセージを送出するよう基地局情報管理部にトリガをかける(S15−14)。この際、ブランチ間位相差管理部1007は、該当ブランチのブランチIDのみを基地局情報管理部1004に渡せば良く、基地局情報管理部は1004は、該ブランチIDと伝送時間管理テーブル1006内の基地局のIPアドレスを比較することにより該ブランチがどの基地局に属しているものかを識別することができる。当然、ブランチIDとそれが属する基地局の対応関係の割り出し方法は、他にも考えられ、この方法に限られるものではない。S15−13において、算出された位相差が該テーブル内の閾値内に収まっていた場合には、S15−10に戻って上記処理を繰り返す。
図19は、タイムスタンプ要求メッセージ送信時の処理フローを示す図である。
本実施形態においては、タイミングスタンプ要求メッセージを送出し、ノード間位相差を再調査する必要がある場合には、そのトリガは、全て基地局情報管理部1004に集約される。その後、該トリガを受けた基地局情報管理部1004がICMP処理部1010内のタイムスタンプ要求メッセージ処理部1012に直接メッセージ送出要求を出すことになる。このように送出トリガを基地局情報管理部1004内に集約するのは、タイムスタンプ要求メッセージ送出先の基地局のIPアドレスが、該管理部1004内の伝送時間管理テーブルで一括管理されているため、それぞれのトリガに対してどの基地局に対してタイムスタンプ要求メッセージを送出すればよいか制御しやすいためである。
本実施形態では、タイムスタンプ要求メッセージの送出トリガとしては、(1)Timing Adjustmentを受信したときに送出、(2)一定周期で送出、(3)ブランチ間の位相差が大きくなった場合の3種類が考えられる。特に、(1)、(3)のように信号送受のタイミングに異常が検出された場合には、直ちにタイムスタンプメッセージで無線ネットワーク制御装置と基地局との間の正常性を確認することが重要となってくる。
以下、実際の処理の流れについて記載する。Timing AdjustmentがRNL処理部1003で検出されると(S16−1)、その情報は基地局情報管理部1004にタイムスタンプ要求メッセージ送出トリガとして渡される。この際、同時にIPデータグラム受信処理部1013から該基地局情報管理部1004に、送信元IPアドレスが渡されるので、該基地局情報管理部1004は、該IPアドレスからTiming Adjustmentを送出した基地局のIPアドレスを割り出す(S16−2)。その後、S16−7において、該基地局情報管理部10004は、タイムスタンプ要求メッセージ処理部1012に対してタイムスタンプ要求メッセージの送出要求を出す。タイムスタンプ要求メッセージ処理部1012は、該要求を受けると、直ちにタイムスタンプ要求メッセージを生成し、該メッセージをIPデータグラム送信処理部に渡す(S16−8)。また、該基地局情報管理部1004は、IPデータグラム送信処理部1000に対してS16−2で割り出した送信先のIPアドレスを設定する(S16−9)。S16−10において、IPデータグラム送信処理部1000は、S16−8、S16−9で受け取ったタイムスタンプ要求メッセージ、送出先IPアドレスを用いてIPデータグラムを生成し、基地局に対して送出する。
また、S16−3に示すように、伝送時間管理テーブル1006内の送出タイマのタイムアウトを以て周期的にトリガがかけられた場合には、S16−4において、満了したタイマに対応する基地局のIPアドレスを用い、前記のようにS16−7からS16−10までの処理によりタイムスタンプ要求メッセージが送出される。更に、図18のS15−10〜S15−14に示したようにブランチ間の位相差からトリガがかかった場合には、S16−5で該トリガを認識し、上述したようにブランチIDから基地局のIPアドレスを割り出す(S16−6)。その後、前記のようにS16−7からS16−10までの処理によりタイムスタンプ要求メッセージが送出される。
図20及び図21は、伝送時間管理テーブル更新からタイミング制御までの処理フローを示す図である。
S17−1において、IPデータグラムを受信すると、S17−2で、IPデータグラム受信処理部1013においてIPデータグラムの受信処理及びエラーチェックが行われ、ここで、IPデータグラムにパラメータなどのエラーが検出された場合には、S17−3においてエラー処理を行う。S17−2において、IPデータグラムが正常であった場合には、S17−4において、IPデータグラムのペイロードがICMPメッセージであるかどうかが判定され、ICMPメッセージでない場合には、S17−5で通常のIPパケット処理が行われる。S17−4においてICMPメッセージであった場合には、ICMPメッセージ部分がIPデータグラム受信処理部1013からICMP処理部1010に渡され、S17−6においてチェックサムなどICMPメッセージの正常性がチェックされ、異常があった場合、S17−7においてエラー処理が行われる。S17−6において、ICMPメッセージが正常であった場合には、S17−8において、該ICMPメッセージ内のタイプフィールドをチェックし、該メッセージがICMPタイムスタンプ応答メッセージであるかどうかチェックする。
ここで、S17−8において、ICMPメッセージがタイムスタンプ応答メッセージでなかった場合には、S17−9において、ICMP処理部1010により通常のICMPメッセージの処理が行われる。
一方、該メッセージがタイムスタンプ応答メッセージであった場合、該タイムスタンプ応答メッセージ部分は、タイムスタンプ応答メッセージ処理部1011に渡され、S17−10において、該タイムスタンプ応答メッセージ処理部は、該タイムスタンプ応答メッセージから、発信元タイムスタンプ、受信タイムスタンプ、送信タイムスタンプを抽出し、無線ネットワーク制御装置と基地局間の伝送時間を計算する。このとき、該基地局情報管理部1004は、IPデータグラム受信処理部1006の該当する基地局のエントリ内のTmeasureに値を格納する(S17−11)。その後、S17−12では、該伝送時間管理テーブル1006内のS17−11で更新されたエントリについて、更新された伝送時間(Tmeasure)と基準伝送時間(Tbase)との差が計算され、S17−13で該算出された伝送時間の差が同エントリ内の上限閾値及び下限閾値と比較される。
ここで、該伝送時間の差が下限閾値以上かつ上限閾値以下であれば、特にタイミング補正の必要はないので、S17−18にて処理は終了し、次のIPデータグラムの受信を待つ。一方、S17−13で前記伝送時間の差が、下限閾値以下、あるいは、上限閾値以上であった場合には、S17−14において、下限閾値を超えた場合には下限閾値の保護段数を、上限閾値を超えた場合には上限閾値の保護段数を1減ずる。その後、S17−15において、該上限閾値保護段数あるいは下限閾値保護段数が0であるかどうかチェックされ、0でなければ、S17−18で処理は終了する。
一方、S17−15で保護段数が0になった場合には、無線ネットワーク制御装置と基地局との間の伝送時間が当初のものからずれてきていると判断できるため、無線ネットワーク制御装置からデータを送出する際のタイミングを補正する必要がある。したがって、S17−16で、基地局情報管理部1004は、送信スケジューリング部1001に、補正を行うべき基地局のIPアドレスと補正値(例えば、Tmeasure−Tbase(補正値なので、符号が伝送時間の差の逆になっている))を渡し、タイミング補正をするよう要求する。その後、S17−17において、送信スケジューリング部は、基地局情報管理部から指示された基地局に対する送信タイミングオフセットを補正値分だけ変更する。以上により、送信タイミングの制御が行われる。
前述したように、今後3GPPが規定する標準仕様に従って、移動通信システムが、伝送遅延は少ないがコストの高いATMベースのシステムから伝送遅延は大きいがコストの低いIPベースのシステムに移行する可能性が非常に高くなってきている。特に、厳密なタイミング制御が必要な無線通信にとっては、通常は柔軟性が高いと言われるIPネットワークがそれゆえ逆に伝送揺らぎを増大させ、結果タイミング保証を困難にしてしまうことが予想される。このような条件では、例えば、無線通信を特徴付けるハンドオーバ技術について言えば、ある移動機に設定された複数ブランチ間のタイミング保証ができなくなるおそれがあるため、その機能すら満足に満たせなくなってしまう。また、遅延による再送が多発し、その結果、無線リソースを浪費するばかりでなく、こうした信号の再送は、実効的な伝送レートの著しい低下につながるため、今後ますます高まって行くであろう高速無線通信への要求に対して大きな壁となってしまう。しかしながら、だからといって、精密なタイミング制御のために、各ノードに大容量のバッファを搭載し、これまでの制御手順に変更を加えたりするような、大規模なシステム変更を行うようでは、その開発期間、コストの面で、現行システムをIPネットワークシステムへ移行していく意味が無くなってしまう。
本発明では、トランスポートネットワークレイヤすなわちIPレイヤ以下の機能のみを用いて、タイミング制御を実現することが可能であり、無線通信の主機能を司る無線プロトコルレイヤ(RNL)に変更を加えずに済む。このことにより、既存の開発資産を有効に活用でき、結果として開発期間の短縮化、開発コストの削減が可能となる。
また、上記のようなタイミング制御方法としては、定期的にノード間の位相差を測定するだけでなく、ある移動機に対して複数設定される各ブランチ間の位相差情報をダイナミックに反映できるようにすることで、通信中の信号送受、特に、ハンドオーバ時の品質を高い水準で確保することができる。当然、信号の再送なども極力抑えられるので、無線リソース的な観点からも非常に効率の良い高速通信が可能となる。
更に、ノード間の伝送揺らぎはリアルタイムに監視されるので、少しでも異常を検出したら、たとえ、その異常が信号破棄などまでは引き起こさないとしても、事前に最適なタイミングに補正する。これにより、基地局が有するべき受信バッファの量は最小限に抑えられ、装置の小型化、コスト低下といったメリットをもたらす。通常の無線システムでは、非常に多くの基地局が設置されるため、1台あたりのコスト低下は、システム全体のコスト低下に大きく寄与することになり、それゆえ影響度が大きいのである。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明により、今後、伝送揺らぎの大きなIPネットワークにおいて、大容量の無線通信を行う場合に於いても、高品質で効率的なシステムを、短期間、低コストで実現することができ、その結果、サービスを低価格で提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1は、現在の3GPPシステムの概要を示す図である。
図2は、3GPPシステムにおける代表的なプロトコルスタックを示す図である。
図3は、信号送受信の同期取得手順について説明する図である。
図4は、信号送受信の同期取得手順について説明する図である。
図5は、信号送受信の同期取得手順について説明する図である。
図6は、TNLプロトコルとしてIPプロトコル群を用いたシステムの例を示す図である。
図7は、本発明の実施形態に従う、ICMPタイムスタンプ要求/応答メッセージフォーマットを示す図である。
図8は、本実施形態に従って、IPノード1とIPノード2との間でタイムスタンプ要求/応答メッセージが送受される様子を示す図である。
図9は、タイムスタンプ要求/応答メッセージをIPパケットのペイロードに格納する様子を示した図である。
図10は、本発明を実現するための無線ネットワーク制御装置内信号終端部の一実施形態を示す図である。
図11は、無線ネットワーク制御装置と基地局間の通信制御シーケンスを表す図(その1)である。
図12は、無線ネットワーク制御装置と基地局間の通信制御シーケンスを表す図(その2)である。
図13は、送信スケジューリング部の構成図を示す図である。
図14は、各テーブルの構成例を示した図である。
図15は、各テーブルの構成例を示した図である。
図16は、各テーブルの構成例を示した図である。
図17は、無線ネットワーク制御装置の起動時の処理フローを示す図である。
図18は、ブランチ間位相差管理テーブル更新処理フローを示す図である。
図19は、タイムスタンプ要求メッセージ送信時の処理フローを示す図である。
図20は、伝送時間管理テーブル更新からタイミング制御までの処理フローを示す図(その1)である。
図21は、伝送時間管理テーブル更新からタイミング制御までの処理フローを示す図(その2)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動機を収容する基地局と、無線ネットワークの制御を行う無線ネットワーク制御装置とがIPプロトコルで接続されている無線ネットワークにおける無線ネットワーク制御装置のタイミング制御装置であって、
複数の基地局とタイムスタンプを格納したタイムスタンプメッセージをやりとりすることにより、基地局を結ぶ回線の往復それぞれの伝送時間を計測する計測手段と、
該計測された伝送時間を基地局と対応させて格納・管理する格納管理手段と、
該格納管理された伝送時間を用いて、各基地局への信号の送信タイミングを制御する制御手段とを備え、
動的にタイミング制御を行うことを特徴とするタイミング制御装置。
【請求項2】 前記タイムスタンプメッセージは、インターネット制御メッセージプロトコルのタイムスタンプ要求/応答メッセージであることを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
【請求項3】 前記格納管理手段は、先に計測された伝送時間と現在計測された伝送時間と、上限閾値及び下限閾値を格納し、先に計測された伝送時間と現在計測された伝送時間の差が該上下限閾値範囲外になった場合に、タイミング制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
【請求項4】 前記伝送時間の差が所定回数以上前記上下限閾値範囲外になった場合に、タイミング制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のタイミング制御装置。
【請求項5】 前記所定回数は、上限閾値と下限閾値に対し、異なった値を設定可能であることを特徴とする請求項4に記載のタイミング制御装置。
【請求項6】 前記タイムスタンプメッセージは、前記基地局からのメッセージ送信を要求するメッセージを受信した際に送信されることを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
【請求項7】 前記タイムスタンプメッセージを用いて、前記移動機のハンドオーバ時の複数のブランチ間位相差を移動機毎に計測管理し、その結果に基づいて前記無線ネットワーク制御装置からの信号の送出タイミングの制御を行うハンドオーバ手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
【請求項8】 前記格納管理手段は、移動機の識別子、ブランチの識別子、ブランチ間位相差、ブランチ間位相差と比較を行う閾値を少なくとも格納することを特徴とする請求項7に記載のタイミング制御装置。
【請求項9】 前記タイムスタンプメッセージは、前記移動機に対して複数設定されたブランチ間の位相差が所定値より大きくなった場合に送出されることを特徴とする請求項7に記載のタイミング制御装置。
【請求項10】 複数のブランチに対する位相差の値の内、最も大きい位相差を前記ブランチ間位相差として格納管理することを特徴とする請求項7に記載のタイミング制御装置。
【請求項11】 複数のブランチに対する位相差の値の平均値を、前記ブランチ間位相差として格納管理することを特徴とする請求項7に記載のタイミング制御装置。
【請求項12】 同一の移動機から単一のブランチについてのみ位相差が得られた場合には、前記ブランチ間位相差を0に設定することを特徴とする請求項7に記載のタイミング制御装置。
【請求項13】 前記ブランチ間位相差の計測には、前記タイムスタンプメッセージの内、最初に受信されたものから所定時間以内に受信されたもののみを利用することを特徴とする請求項7に記載のタイミング制御装置。
【請求項14】 前記所定時間は、各移動機毎に設定されることを特徴とする請求項13に記載のタイミング制御装置。

Claims (40)

  1. 移動機を収容する基地局と、無線ネットワークの制御を行う無線ネットワーク制御装置とがIPプロトコルで接続されている無線ネットワークにおける無線ネットワーク制御装置のタイミング制御装置であって、
    複数の基地局とタイムスタンプを格納したタイムスタンプメッセージをやりとりすることにより、基地局を結ぶ回線の往復それぞれの伝送時間を計測する計測手段と、
    該計測された伝送時間を基地局と対応させて格納・管理する格納管理手段と、
    該格納管理された伝送時間を用いて、各基地局への信号の送信タイミングを制御する制御手段とを備え、
    動的にタイミング制御を行うことを特徴とするタイミング制御装置。
  2. 前記無線ネットワークは、3GPPによって規定された仕様に従うことを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
  3. 前記各手段は、トランスポートネットワークレイヤにおいて実現されることを特徴とする請求項2に記載のタイミング制御装置。
  4. 前記タイムスタンプメッセージは、インターネット制御メッセージプロトコルのタイムスタンプ要求/応答メッセージであることを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
  5. 前記格納管理手段は、先に計測された伝送時間と現在計測された伝送時間と、上限閾値及び下限閾値を格納し、先に計測された伝送時間と現在計測された伝送時間の差が該上下限閾値範囲外になった場合に、タイミング制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
  6. 前記伝送時間の差が所定回数以上前記上下限閾値範囲外になった場合に、タイミング制御を行うことを特徴とする請求項5に記載のタイミング制御装置。
  7. 前記所定回数は、上限閾値と下限閾値に対し、異なった値を設定可能であることを特徴とする請求項6に記載のタイミング制御装置。
  8. 前記タイムスタンプメッセージは、所定時間毎に定期的に送出されることを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
  9. 前記タイムスタンプメッセージは、前記基地局からのメッセージ送信を要求するメッセージを受信した際に送信されることを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
  10. 前記タイムスタンプメッセージは、該タイムスタンプメッセージを扱うことのできる基地局にのみ送信することを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
  11. 各基地局にタイムスタンプメッセージを送信し、返ってくる応答内容に基づいて、該基地局がタイムスタンプメッセージを扱えるか否かを判断することを特徴とする請求項10に記載のタイミング制御装置。
  12. 前記タイムスタンプメッセージを用いて、前記移動機のハンドオーバ時の複数のブランチ間位相差を移動機毎に計測管理し、その結果に基づいて前記無線ネットワーク制御装置からの信号の送出タイミングの制御を行うハンドオーバ手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のタイミング制御装置。
  13. 前記格納管理手段は、移動機の識別子、ブランチの識別子、ブランチ間位相差、ブランチ間位相差と比較を行う閾値を少なくとも格納することを特徴とする請求項12に記載のタイミング制御装置。
  14. 前記タイムスタンプメッセージは、前記移動機に対して複数設定されたブランチ間の位相差が所定値より大きくなった場合に送出されることを特徴とする請求項12に記載のタイミング制御装置。
  15. 複数のブランチに対する位相差の値の内、最も大きい位相差を前記ブランチ間位相差として格納管理することを特徴とする請求項12に記載のタイミング制御装置。
  16. 複数のブランチに対する位相差の値の平均値を、前記ブランチ間位相差として格納管理することを特徴とする請求項12に記載のタイミング制御装置。
  17. 同一の移動機から単一のブランチについてのみ位相差が得られた場合には、前記ブランチ間位相差を0に設定することを特徴とする請求項12に記載のタイミング制御装置。
  18. 前記ブランチ間位相差の計測には、前記タイムスタンプメッセージの内、最初に受信されたものから所定時間以内に受信されたもののみを利用することを特徴とする請求項12に記載のタイミング制御装置。
  19. 前記所定時間は、各移動機毎に設定されることを特徴とする請求項18に記載のタイミング制御装置。
  20. 前記所定時間は、前記無線ネットワーク制御装置の1つ設定されることを特徴とする請求項18に記載のタイミング制御装置。
  21. 移動機を収容する基地局と、無線ネットワークの制御を行う無線ネットワーク制御装置とがIPプロトコルで接続されている無線ネットワークにおける無線ネットワーク制御装置のタイミング制御方法であって、
    複数の基地局とタイムスタンプを格納したタイムスタンプメッセージをやりとりすることにより、基地局を結ぶ回線の往復それぞれの伝送時間を計測する計測ステップと、
    該計測された伝送時間を基地局と対応させて格納・管理する格納管理ステップと、
    該格納管理された伝送時間を用いて、各基地局への信号の送信タイミングを制御する制御ステップと、
    を備えることを特徴とするタイミング制御方法。
  22. 前記無線ネットワークは、3GPPによって規定された仕様に従うことを特徴とする請求項21に記載のタイミング制御方法。
  23. 前記各ステップは、トランスポートネットワークレイヤにおいて実現されることを特徴とする請求項22に記載のタイミング制御方法。
  24. 前記タイムスタンプメッセージは、インターネット制御メッセージプロトコルのタイムスタンプ要求/応答メッセージであることを特徴とする請求項21に記載のタイミング制御方法。
  25. 前記格納管理ステップでは、先に計測された伝送時間と現在計測された伝送時間と、上限閾値及び下限閾値を格納し、先に計測された伝送時間と現在計測された伝送時間の差が該上下限閾値範囲外になった場合に、タイミング制御を行うことを特徴とする請求項21に記載のタイミング制御方法。
  26. 前記伝送時間の差が所定回数以上前記上下限閾値範囲外になった場合に、タイミング制御を行うことを特徴とする請求項25に記載のタイミング制御方法。
  27. 前記所定回数は、上限閾値と下限閾値に対し、異なった値を設定可能であることを特徴とする請求項26に記載のタイミング制御方法。
  28. 前記タイムスタンプメッセージは、所定時間毎に定期的に送出されることを特徴とする請求項21に記載のタイミング制御方法。
  29. 前記タイムスタンプメッセージは、前記基地局からのメッセージ送信を要求するメッセージを受信した際に送信されることを特徴とする請求項21に記載のタイミング制御方法。
  30. 前記タイムスタンプメッセージは、該タイムスタンプメッセージを扱うことのできる基地局にのみ送信することを特徴とする請求項21に記載のタイミング制御方法。
  31. 各基地局にタイムスタンプメッセージを送信し、返ってくる応答内容に基づいて、該基地局がタイムスタンプメッセージを扱えるか否かを判断することを特徴とする請求項30に記載のタイミング制御方法。
  32. 前記タイムスタンプメッセージを用いて、前記移動機のハンドオーバ時の複数のブランチ間位相差を移動機毎に計測管理し、その結果に基づいて前記無線ネットワーク制御装置からの信号の送出タイミングの制御を行うハンドオーバステップを更に備えることを特徴とする請求項21に記載のタイミング制御方法。
  33. 前記格納管理ステップでは、移動機の識別子、ブランチの識別子、ブランチ間位相差、ブランチ間位相差と比較を行う閾値を少なくとも格納することを特徴とする請求項32に記載のタイミング制御方法。
  34. 前記タイムスタンプメッセージは、前記移動機に対して複数設定されたブランチ間の位相差が所定値より大きくなった場合に送出されることを特徴とする請求項32に記載のタイミング制御方法。
  35. 複数のブランチに対する位相差の値の内、最も大きい位相差を前記ブランチ間位相差として格納管理することを特徴とする請求項32に記載のタイミング制御方法。
  36. 複数のブランチに対する位相差の値の平均値を、前記ブランチ間位相差として格納管理することを特徴とする請求項32に記載のタイミング制御方法。
  37. 同一の移動機から単一のブランチについてのみ位相差が得られた場合には、前記ブランチ間位相差を0に設定することを特徴とする請求項32に記載のタイミング制御方法。
  38. 前記ブランチ間位相差の計測には、前記タイムスタンプメッセージの内、最初に受信されたものから所定時間以内に受信されたもののみを利用することを特徴とする請求項32に記載のタイミング制御方法。
  39. 前記所定時間は、各移動機毎に設定されることを特徴とする請求項38に記載のタイミング制御方法。
  40. 前記所定時間は、前記無線ネットワーク制御装置の1つ設定されることを特徴とする請求項38に記載のタイミング制御方法。
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