JPWO2003072142A1 - リポソームへの金属錯体の封入方法 - Google Patents

リポソームへの金属錯体の封入方法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、実用化の可能な放射化学的収率と純度で99mTcなどの短半減期金属放射性核種とCDとの錯体を封入したリポソームを作製する方法を提供することである。本発明によれば、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体と、エチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることを含む、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームの製造方法が提供される。

Description

技術分野
本発明は、99mTcなどの短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームの製造方法に関する。より詳細には、N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンを配位させた99mTcなどの短半減期金属放射性核種の錯体を用いた、99mTcなどの短半減期金属放射性核種の錯体を封入したリポソームの製造方法、該方法で製造されたリポソーム、該方法で使用するための試薬キットに関する。
背景技術
放射性核種を用いた癌の画像診断は、非侵襲的な早期診断を可能とする。画像診断に汎用されるラジオアイソトープ(RI)のうち、金属RIであるテクネチウム−99m(99mTc)は、画像診断に適切な半減期(6時間)とγ線のエネルギー(141keV)を有し、さらに99Moを親核種とするジェネレーターシステムにより生理食塩水溶液として容易に入手可能であるため、臨床応用に最も適した核種である。99mTcを腫瘍へ選択的に送達する目的で、標識母体に抗体やペプチドを用いる研究がこれまで多くなされているが、リポソームも画像診断への利用が検討されてきたキャリアのひとつである。リポソームは、脂質二分子膜で構成される閉鎖小胞であり、化学療法剤などの薬物、タンパク質、核酸などのカプセル型DDSキャリアとして注目されている。核医学診断においても、内部に大量の放射能を内包でき、粒子径の調節や膜表面の化学修飾により標的指向化が可能であることから、99mTcで標識したリポソームは固形癌のほか、センチネルリンパ節や、炎症・感染部位の高感度画像診断への応用が期待される。
腫瘍組織では血管透過性が亢進しており、またリンパ系を介する回収が欠如しているため、高分子が血中から腫瘍組織間質へ漏出し、蓄積しやすいことが明らかになっている。また、このような特性から組織間質に透過したリポソームは、腫瘍組織内において、細胞内へ取り込まれることなく細胞間質に存在することが示唆されている。しかし血流を循環するリポソームは、主に肝臓、脾臓などの細網内皮系組織に捕捉され、血中から除去される。これまでよく検討されてきた同じく腫瘍の画像診断を目的とした67Gaおよび111Inのnitrilotriacetic acid(NTA)錯体を封入したリポソームは、実験動物において優れた腫瘍集積性を示すものの、肝臓や脾臓への高い放射能集積も認められ、実用化への大きな障害となっている。肝臓や脾臓に取り込まれたリポソームは、実質細胞内のリソソームと融合し代謝されるが、このときリソソーム内に放出された封入錯体67Gaおよび111In−NTAは水溶性であるため膜を透過できず、またその低い安定性から錯体が分解し、リソソーム内に放射性核種が貯留する。その結果、これらの組織内に長時間にわたる放射能の滞留を示すと考えられる。
そこでリポソームが細胞内リソソーム内に取り込まれ、代謝を受けた後に放出されるRI錯体に、リソソームから血中へ移行し、速やかに尿中へと排泄される性質を付与することで、これらの非特異的な放射能滞留を解消されると考えた。このような性質を有する錯体として99mTc−ethylene dicysteine(99mTc−CD)(図1)を選択した。99mTc−CDは2分子の遊離カルボン酸と安定な5価中性錯体構造を有し、パラアミノ馬尿酸と同様に、腎臓の有機アニオントランスポータを介して、安定な化学形で尿排泄されることが報告されている。本発明者らのこれまでの研究によれば、99mTcと同族の長半減期金属放射性核種であるレニウム−186(186Re)のCD錯体、186Re−CDをリポソーム内に封入することで、肝臓や脾臓に集積する放射能を186Re−CDとして速やかに尿中へ排泄し、これらの臓器の放射能滞留を大きく低減できることが明らかになっている。これらの結果は、99mTc−CD錯体封入リポソームも同様に、肝臓や脾臓での放射能滞留の解消が可能であることを示唆している。
しかし、186Re−CDリポソーム作製時、脂質に186Re−CD錯体をそのまま添加して膨潤させる直接封入では、封入効率は3.2%と著しく低かったことから、186Re−CDまたは99mTc−CDのリポソームへの封入法の確立が必要とされる。また、臨床で使用する際は、直接封入リポソームは使用直前にリポソームを調製する必要があり、実用性の面からもあらかじめ調製したリポソームを臨床で標識する方法が望ましい。67Gaや111Inの効率的かつ簡便な封入法として、高い脂溶性と置換活性を有する錯体である67Gaおよび111In−oxine錯体を作製し、NTA内包リポソームとインキュベートすることにより、リポソーム膜を透過した錯体が内部で配位子交換反応を起こし、水溶性キレートである67Gaおよび111In−NTAとしてリポソーム内に保持させる手法が報告されている(図2)。配位子交換反応と呼ばれるこの封入法を用いた場合、67Gaや111Inの封入効率は約90%に達する。また、99mTc標識リポソームを高い放射化学的収率で得る方法として、脂溶性錯体である99mTc−hexamethyl propyleneamine oxime(99mTc−HMPAO)を、グルタチオン内包リポソームとインキュベートすることにより、内部で99mTc−HMPAOを還元的に水溶性分解物に変換させる。封入効率はおよそ60%から90%であり、最近では核医学的に用いられるRI標識リポソームは、この封入法によって調製されるものがもっとも一般的であるが、67Ga、111Inおよび99mTcのいずれの標識リポソームにおいても、前述のような肝臓・脾臓への放射能滞留の問題が生じる。
発明の開示
本発明は上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、投与した放射能が速やかに排泄されるためには、高い封入効率のみでなく、内部の99mTc−CDの放射化学的純度を十分に向上させることも同時に必要である。従って、本発明の目的は、実用化の可能な放射化学的収率と純度で99mTcなどの短半減期金属放射性核種とCDとの錯体を封入したリポソームを作製する方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決することを目的として、高い膜透過性と置換活性を有する2種の99mTc錯体である99mTc−HMPAOと99mTc−N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミン(MRP20)(図3)を配位子交換反応において利用し、両者を比較検討した。また、作製した99mTc−CD封入リポソームの体内放射能動態を検討し、99mTcによる画像診断および186Reによる内用放射線治療に対する本標識法の有用性について評価した。その結果、99mTc−N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミン(99mTc−MRP20)を用いて配位子交換反応により99mTc−CDをリポソームに封入することにより、肝臓や脾臓への非特異的放射能滞留を解消する99mTc封入リポソームを作製することが可能であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体と、エチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることを含む、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームの製造方法が提供される。
好ましくは、99mTc−N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとエチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることを含む、99mTc−エチレンジステイン(CD)錯体封入リポソームの製造方法が提供される。
本発明の別の側面によれば、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体と、エチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることにより製造される、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームが提供される。
好ましくは、99mTc−N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとエチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることにより製造される、99mTc−エチレンジステイン(CD)錯体封入リポソームが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記したリポソームを含む、診断剤又は治療剤が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、1種類以上のリポソーム形成物質;エチレンジステイン(CD);エチレンジステイン(CD)封入リポソーム;短半減期金属放射性核種;N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミン;または、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体:から成る群から選択される少なくとも1種類以上の物質を含む、本発明による短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームの製造方法を行うための試薬キットが提供される。
好ましくは、短半減期金属放射性核種は、99mTcまたはその塩である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明により提供される、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームの製造方法は、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体と、エチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることを特徴とするものである。
本発明で用いることができる短半減期金属放射性核種の種類は特に限定されないが、好ましくは、99mTc(テクネシウム99m)、または186/188Reであり、特に好ましくは、99mTcである。
本発明で用いる短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミン(MRP20)との錯体は、例えば、短半減期金属放射性核種が99mTcである場合には、MRP20のエタノール溶液と塩化第一スズの塩酸溶液を混和し、これに99mTcO 溶液を加え室温で放置することにより製造することができる。99mTc以外の短半減期金属放射性核種を使用する場合には、99mTcO 溶液の代わりに、対応する短半減期金属放射性核種を含有する溶液を使用すればよい。
本発明で用いるエチレンジステイン(CD)封入リポソームは、リポソーム形成物質を用いて常法により製造することができる。
リポソーム形成物質は、当分野で通常使用されるものであれば特に限定されないが、生体内において安定なリポソームを提供するという点から、リン脂質あるいはその誘導体、リン脂質以外の脂質あるいはその誘導体が好適に用いられる。
前記リン脂質は、例えば、リン脂質は、例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルトイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルエアノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルジオリピン、大豆レチシン、卵黄レシチン、等の天然または合成のリン脂質、あるいはこれらを常法に従って水素添加したものが挙げられる。
さらに、親水性高分子の脂質誘導体を添加してリポソームの表面を修飾することもできる。使用することができる親水性高分子の脂質誘導体としては、リポソームの構造安定を損なうものでなければ特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、デキストラン、プルラン、フィコール、ポリビニルアルコール、合成ポリアミノ酸、アミロース、アミロペクチン、マンナン、シクロデキストリン、ペクチン、カラギーナン、及びこれらの誘導体などが挙げられ、特に好ましくは、ポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコール誘導体を使用することができる。
本発明で用いるリポソームには、必要に応じ、安定化剤、酸化防止剤等を用いることも可能である。安定化剤は、例えば、膜流動性を低下させるコレステロール等のステロール;グリセロール、シュクロース等の糖類が挙げられる。酸化防止剤は、例えば、トコフェロール同族体、例えば、ビタミンEなどが挙げられる。
リポソームを製造するためには、フラスコ中で溶媒に溶解したリポソーム形成物質(2種類以上の混合物でもよい)を、減圧下で溶媒を留去することにより、フラスコ内壁に脂質の薄膜を形成させることができる。
溶媒としては使用する脂質を溶解し得るものが何れも使用でき、例えば、クロロホルム、メチルクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等を挙げることができる。
次いで、減圧デシケーターに移し減圧下で溶媒を完全に留去した後、CD水溶液を添加し、脂質を膨潤させ、懸濁液として多重膜リポソーム(MLV)を得ることができる。さらに、0.2μm、0.05μmなどのメンブランフィルターを用いて順次加圧ろ過することにより、単膜リポソームを得ることができる。
得られたリポソーム分散液は、ゲル濾過、遠心分離等の公知の方法に準じて精製することによって、リポソームとリポソームに内封されなかった物質とを分離することができる。
次いで、上記で得られたエチレンジステイン(CD)封入リポソームに、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体(特に好ましくは、99mTc−N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンなど)を添加して、インキュベートすることにより、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームを製造することができる。インキュベートの温度および時間は特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、室温で30分から数時間程度インキュベートすることにより、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームを製造することができる。
上記した本発明の方法で得られる短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームは、短半減期金属放射性核種(例えば、99mTc)−CD錯体の純度が高いことを特徴とする。このようにリポソーム内部の短半減期金属放射性核種(例えば、99mTc)−CD錯体の放射化学的純度が高いほど、肝臓や脾臓からの速やかな放射能消失が期待できるため、本発明の方法で製造される短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームは、従来の99mTc封入リポソームや99mTc−HMPAO−CDリポソームよりも大幅に肝臓や脾臓での放射能滞留が低減しているという特徴を有している。このような特徴を有するリポソーム自体も本発明の範囲内に属する。
本発明の方法で得られる短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームは、例えば、癌または腫瘍などを含む各種疾患の診断剤または治療剤として有用である。
本発明のリポソームは、経口または非経口投与により生体に投与することができる。投与法は、注射による投与が好ましく、癌または腫瘍の存在部位により静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、動脈内注射などの何れも用いることができるが、好ましくは静脈内注射である。
本発明のリポソームを診断剤または治療剤として投与する場合、リポソームをそのまま投与してもよいが、リポソームを含む医薬組成物の形態で投与することが好ましい。前記医薬組成物は、本発明のリポソームおよび薬学的に許容される賦形剤を含み、必要に応じて、他の薬学的製剤、担体、補助薬等を含んでいてもよい。
本発明のリポソームを注射により被験者に投与する場合、液体の医薬組成物を調製することが好ましい。
液体の医薬組成物は、例えば、本発明のリポソームを、水、生理食塩水、水性ブドウ糖、グリセロール、グリコール、エタノール等のような担体中に、必要に応じてアジュバントを添加して、溶解または分散させることにより、溶液または懸濁液として調製することができる。
また、本発明の医薬組成物には、所望により、湿潤剤、乳化剤、または可溶化剤、pH緩衝剤等、例えば、アセテート、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、一ラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミンナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等のような助剤を少量含有させてもよい。このような医薬組成物の調製方法は、当業者に自明である。
本発明のリポソームの投与量は、投与の目的、封入された短半減期金属放射性核種の種類や封入量などにより異なるが、通常成人に対し0.1mg〜1g程度投与される。
さらに、本発明では、下記式:
Figure 2003072142
で表される99mTc−N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミン(99mTc−MRP20)を使用する。
99mTc−MRP20は、N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミン(MRP20)のエタノール溶液と塩化第一スズの塩酸溶液を混和し、これに99mTcO 溶液を加え室温で放置することにより製造することができる。
さらに、本発明によれば、1種類以上のリポソーム形成物質;エチレンジステイン(CD);エチレンジステイン(CD)封入リポソーム;短半減期金属放射性核種;N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミン;または、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体:から成る群から選択される少なくとも1種類以上の物質を含む、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームの製造方法を行うための試薬キットが提供される。
上記において、1種類以上のリポソーム形成物質、及びエチレンジステイン(CD)は、エチレンジステイン(CD)封入リポソームを製造するための試薬であり、これらの単独又は両方を試薬キットに含めてもよいし、あるいは製造後のエチレンジステイン(CD)封入リポソーム自体を試薬キットに含めてもよい。
同様に、短半減期金属放射性核種、及びN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンは、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体を製造するための試薬であり、これらの単独または両方を試薬キットに含めてもよいし、あるいは製造後の短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体を試薬キットに含めてもよい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例
(実験材料と方法)
1.一般的方法
99mTcO 溶液は、99Mo/99mTcジェネレーター(Ultra Techne Kow,第一アイソトープ)の生理食塩水溶出液を用いた。錯体合成における生成物の確認は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ペーパークロマトグラフィー(PC)、セルロースアセテート膜電気泳動法(EP)および逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を用いた。TLCはMerck社製シリカゲル(Silica gel 60 F254)を用い、クロロホルムとメタノールの混合溶媒(4:1)で展開した。PCはWhatman社製ろ紙(No.1)を用い、50%アセトニトリルで展開した。EPは、泳動膜にセルロースアセテート膜(SELECA−V,東洋濾紙会社)、緩衝液にベロナール緩衝液(pH=8.6,I=0.06,ナカライテスク)を使用し、一定電流(1mA/cm)で25分間泳動した。RP−HPLCはカラムにCOSMOSIL C18−AR−300(4.6mm×150mm,ナカライテスク)を用いてこれにフラクションコレクター(Pharmacia)を接続し、採取した全フラクションをガンマカウンター(ARC−380M,Aloka)で測定した。標識化合物の分析は、流速を0.5ml/min、移動相は(A)0.01Mリン酸緩衝液(pH:7.0)とアセトニトリルを用いて、アセトニトリルの割合が10分で0−100%になる測定条件、(B)0.0125Mリン酸緩衝液(pH=2.5)とアセトニトリルを用いて、アセトニトリルの割合が12分で0〜9%、20分から40分で9〜100%になる測定条件で行った。
2.CDおよびMRP20の合成
N,N’−ethylene dicysteine(CD)の合成はBrondeauらの方法に準じて行った(Blondeau et al.Canadian J Chem 45:49−52,1967)。L−thioproline(thiazolidine−4−carboxylic acid,東京化成)のアンモニア溶液に金属ナトリウムを加え撹拌した後、NHClを加え室温で一晩撹拌し、生成した結晶を水に溶解し塩酸で析出させて得た(収率23%,融点251−254℃)。
N−[2(1H−pyrolylmethyl)]−N’−(4−pentene−3−one−2)ethane−1,2−diamne(MRP20)の合成はMorganらの方法に準じて行った(Morgan et al.Inorg.Chim.Acta 190:257−264,1991)。Pyrrole−2−aldehydeとethylen diamineをアセトニトリル中で一晩撹拌後、メタノール溶媒下NaBHで還元し、塩基性条件でクロロホルムに抽出して中間体を得た。次いで中間体とacetyl acetoneをアセトニトリル中で撹拌後、クロロホルムで抽出し、シリカゲルカラム(溶媒は酢酸エチル:メタノール=5:1)とベンゼンによる再結晶で精製した。収率15.9%,融点74−75℃(文献値75℃)。
3. 99m Tc−HMPAOおよび 99m Tc−MRP20の合成
99mTc−HMPAO(99mTc−hexamethyl propyleneamine oxime)は日本メジフィジックスから供給されたキット(Cerebrotec(登録商標),Nycomed Anlersham International)によって調製した。キットに99mTcO 生理食塩水溶液を加え、溶解直後に使用した。
99mTc−MRP20はMRP20のエタノール溶液(171mM)190μlと塩化第一スズの0.01NHCl溶液(1.35M)10μlを混和し、これに99mTcO 溶液200μlを加え室温で15分放置したものを使用した。
得られた99mTc錯体(99mTc−HMPAO、99mTc−MRP20および99mTc−CD)の放射化学的収率はTLC,PC,EP,RP−HPLCにより求めた。放射化学的収率の算出は、乾燥後のTLCプレート、ろ紙、およびセルロースアセテート膜を5mmの幅に切断し、各切片をガンマカウンターで測定し、各プレート上のすべての放射能を100%としたときのそれぞれのRf値における放射能の割合を求めることで行った。
4.HMPAOおよびMRP20の分配係数の測定
オクタノール500μlと、pH7.0のHEPES緩衝液またはpH12.0のNaHPO−NaOH緩衝液500μlに、生理食塩水で8mMに調製したHMPAOまたはMRP20溶液を20μl加え、撹拌・静置した後、オクタノール層、水層の吸光度を測定し、二錯体の脂溶性を比較した。
5. 99m Tc錯体の水溶液中での安定性
99mTc−HMPAOと99mTc−MRP20の水溶液中での安定性を比較する目的で、99mTc−HMPAO水溶液を50mMアンモニア緩衝液(pH9.4)で最終リガンド濃度が1mMとなるよう希釈し、25℃または37℃の水浴中でインキュベートし、一定時間(0.5,2,4,8,24時間)後に上述の分析法によってそれぞれの放射化学的純度を求めた。99mTc−MRP20水溶液は50mMリン酸緩衝液(pH8.3)で希釈し、同様の操作を行った。
また遊離リガンドの安定性への影響を検討する目的で、99mTc錯体溶液をRP−HPLCで精製し、100%アセトニトリル中に溶出された精製99mTc錯体溶液を緩衝液で1:1の割合で混和・希釈して、精製前と同様に、錯体の放射化学的純度の時間変化を調べた。
6. 99m Tc錯体のCDとの配位子交換反応性
CDを1N NaOHで66.7mMとなるよう溶解した後、緩衝液で10倍に希釈し、2N HClでpHを調整したものをCD水溶液とした。このCD水溶液と99mTc−HMPAOおよび99mTc−MRP20溶液を3:1の割合で混合し、37℃で30分間インキュベート後、EPによってTc−CDの放射化学的収率を求めた。CDを希釈する緩衝液として、HEPES緩衝液pH7.0またはpH8.3、アンモニア緩衝液pH9.4または10.5、リン酸ナトリウム緩衝液pH11.2(すべて50mM)を用いた。CD溶液と99mTc−HMPAOおよび99mTc−MRP20溶液を溶液混合後のCD濃度は5mM,HMPAOおよびMRP20濃度は2mMであった。
7.リポソームの調製
ナス型フラスコにクロロホルム2mlで溶解したdistearoylphosphatidylcholine(DSPC,日本油脂)とcholesterol(CH,Sigma)をモル比として2:1(15μmole:7.5μmole)で混合させた後、減圧下65℃で溶媒を留去することにより、フラスコ内壁に脂質の薄膜を形成させた。減圧デシケーターに移し4時間以上減圧下で溶媒を完全に留去した後、ほぼ等張の封入物質の水溶液を添加し、65℃にて脂質を膨潤させ、懸濁液として多重膜リポソーム(MLV)を得た。0.2μm、0.05μmのポリカーボネート・メンブランフィルター(Nuclepore(登録商標),野村マイクロサイエンス)を用いて順次加圧ろ過をして単膜リポソーム(SUV)を得た。生成したリポソームは5%マンニトール水溶液で膨潤したBio−Gel A−1.5m(Bio−Rad)を担体とするゲルろ過(エコノカラム,1×30cm,Bio−Rad)に付し、5%マンニトール水溶液で溶出して精製した。次いでリポソーム溶液を400,000g、20分で遠心分離し、沈殿を生理食塩水で再懸濁してリポソーム溶液を調製した。
8. 99m Tc−CD封入リポソームの作製
99mTc−CD封入リポソームは配位子交換反応により作製した。CDを生理食塩水に溶解し2N NaOHでpHを11.8とした5mMのCD溶液1.5mlを、上記の方法で作製したリン脂質の薄膜に添加し、リポソームを調製した後、ゲルろ過で未封入のCDを除去した。得られた精製リポソーム500μlを同量の生理食塩水で希釈した後、99mTc−HMPAO溶液および99mTc−MRP20溶液140μlをこれに加え、37℃で60分間インキュベートし、99mTc−CD封入リポソームを得た。反応溶液を遠心分離し沈殿した画分を99mTc−CD封入リポソーム画分とした。
9. 99m Tc/GSHリポソームの作製
99mTc/GSHリポソームは従来の方法に準じて調製した。GSHを135mM NaCl/10mM HEPES buffer(pH7.4)に溶かし2N NaOHでpH=6.7とし、50mM GSH溶液を調製した。GSH溶液1.5mlをリン脂質の薄膜に添加し、リポソームを調製した後、ゲルろ過で未封入のGSHを除去した。次に99mTc−HMPAO250μlを精製リポソーム500μlに加え、25℃で40分間インキュベートし99mTc/GSHリポソームを得た。反応溶液を遠心分離し沈殿した画分を99mTc/GSHリポソーム画分とした。
10. 99m Tc−CD封入リポソームの内容物の分析
99mTc−HMPAOを用いて調製した99mTc−CDリポソーム(99mTc−HMPAO−CDリポソーム)および99mTc−MRP20を用いて調製した99mTc−CDリポソーム(99mTc−MRP20−CDリポソーム)の各沈殿画分に、およそ250kBq/mlとなる量のエタノールを加え十分に撹拌し、20分静置して脂質膜を溶解した。溶出させたリポソーム内容物をEPによって分析した。
11.正常マウスにおける体内動態
99mTc−CD封入リポソーム画分あるいは99mTc/GSHリポソーム画分をリン脂質濃度1.4〜1.8μmole/mlとなるように生理食塩水で希釈した。それぞれのリポソーム溶液0.1mlを一群5匹で5週令のddY系雄性マウスの尾静脈より投与した。投与10分、1、3、6、24時間後に断頭によって屠殺した後、各組織を摘出し、臓器重量ならびに放射能をγ線検出装置で測定した。各臓器に分布した放射能は、投与した量を100%としたときのそれぞれの臓器1gあたりの放射能(%ID/g tissue)として表した。
投与24時間後に、尿中放射能の分析を行った。採取した尿300μlを遠心ろ過用フィルター(Microcon(登録商標),Millipore)に付し4℃で8800rpm、15分間遠心してタンパクを除去した後、0.45μmのシリンジフィルターでろ過したものをEP、RP−HPLCによって分析した。
(結果)
1. 99m Tc化合物の化学的性質
99mTcO は、EPでは8.0cm陽極側に泳動し、クロロホルムとメタノールの混合溶媒で展開するTLCではRf値は0.8から0.9、50%アセトニトリルで展開するPCではRf値は0.9から1.0であった。99mTcO の加水分解によって生じる99mTcOは、EP、TLCおよびPCは原点に残存すると考えられる。99mTc−CDは、EPでは6.0cm陽極側に泳動し、RP−HPLC(B)において22.0分後に溶出された。99mTc−HMPAOは、EPでは原点から泳動せず、TLCでRf値は0.9であるため、TLC Rf値が0.9付近の放射能の割合から、EPで求められる99mTcO の割合を差し引いた値を放射化学的収率とした。RP−HPLC(A)での保持時間は16.9分であった。次に示す方法で合成した99mTc−MRP20は、EPでは原点から泳動せず、PCではRf値は0.8から1.0であるため、EPで原点に残存する放射能の割合と、PCで原点に残存する放射能の割合を求めることで、放射化学的収率を算出した。RP−HPLC(A)での保持時間は18.1分であった。これらの結果をまとめたもの(99mTc化合物の分析値)を表1に示す。
Figure 2003072142
2.HMPAOおよびMRP20の分配係数
オクタノール層に移行したHMPAOの吸光度は検出限界以下であった。MRP20のオクタノール層の吸光度と水層の吸光度の比は、緩衝液のpHが7.0のときに2.1±0.7、pHが12.0のときは5.0±1.6であった。
3. 99m Tc−MRP20の合成
通常の操作でMRP20を99mTcで標識した場合、負電荷を有する加水分解物が50%以上生成し、目的標識物の収率は35〜40%程度にとどまった。そこで、溶媒であるエタノールと塩酸を6時間以上窒素ガスで置換し、またスズ・塩酸溶液を少量ずつ反応溶液に加えるようにしたところ、99mTc−MRP20が81〜92%の放射化学的収率で得られた。RP−HPLC(A)による精製後の99mTc−MRP20の放射化学的純度はほぼ100%であった。
4. 99m Tc錯体の水溶液中での安定性
99mTc−HMPAOと99mTc−MRP20の両錯体溶液をRP−HPLCによる精製前と精製後について、溶液中に存在する各錯体の放射化学的純度の時間変化を調べた。その結果を図4に示す。
未精製の99mTc−HMPAOは、錯体形成後30分でおよそ40%まで分解し、その後の分解は比較的緩やかに進んだ。一方、99mTc−MRP20は、錯体形成後2時間でも放射化学的純度はおよそ70%であり、25℃において約40%まで分解が進んだのは4時間後であった。精製後については、37℃では2錯体の間で安定性に大差は見られなかったが、25℃では逆に99mTc−HMPAOの方が99mTc−MRP20よりも安定であった。24時間後では99mTc−MRP20は6%まで分解したのに対し、99mTc−HMPAOの放射化学的純度は59%であった。
5. 99m Tc錯体のCDとの配位子交換反応性
99mTc−HMPAOと99mTc−MRP20の両錯体をRP−HPLCにより精製する前後で、CDとの配位子交換反応性に及ぼすpHの影響を調べた結果を図5に示す。
未精製の99mTc−HMPAOとCDとの交換反応において、混和溶液のpHが上昇するに伴い99mTc−CDの収率は増加し、pH11.9では収率は57%であった。また、精製後の交換反応率もpH11.9で収率は74%に達した。
99mTc−MRP20とCDとの交換反応性は精製前後とも99mTc−HMPAOよりもはるかに高く、測定範囲内のpHでは90%以上の99mTc−CD収率を示した。とくに精製後の99mTc−MRP20では、つねに95%以上の99mTc−CD収率を示し、pHによる影響は見られなかった。
6. 99m Tc封入リポソームの作製
99mTcを封入したリポソームの遠心後の上清を分取し、沈殿と上清のそれぞれの放射能を測定することで封入効率を求めた。封入効率は沈殿の放射能を沈殿の放射能と上清の放射能の和で除した値とした。99mTc−HMPAOを用いた配位子交換反応による99mTc−CDの封入効率は66.4%であり、99mTc−MRP20を用いた99mTc−CDの封入効率は70.0%であった。また、99mTc−HMPAOを用いたGSHリポソームへの封入効率は75.1%であった。
99mTc−CD封入リポソームの内容物を分析した結果を図6、図7に示す。99mTc(HMPAO)−CDリポソーム、99mTc(MRP20)−CDリポソームのどちらの内容物もEPでは主要ピークが7.5cmから8.0cm陽極側にあらわれた。しかし、99mTc(HMPAO)−CDリポソームは、内部に存在する放射能のうち、99mTc−CDに相当するピークは54%にとどまった。それに対して99mTc(MRP20)−CDリポソームの内容物については、EPでは91.1%の放射能が陽極側に6.5cm泳動し、RP−HPLC(B)ではほぼすべての放射能が22.3分の保持時間で溶出された。
7.正常マウスにおける体内動態
99mTc−HMPAOおよび99mTc−MRP20を用いて標識した99mTc−CD封入リポソームおよび比較対照となる99mTc/GSHリポソームを正常マウスに静脈投与したときの体内放射能動態を図8に示す。三者の血中からの消失は同程度であり、投与早期には肝臓や脾臓への放射能集積に大きな相違が見られなかった。しかし時間経過に伴い、99mTc/GSHリポソームではこれらの臓器への放射能集積の増加が認められ、6時間後99mTc−CDリポソームとの差は顕著になり、24時間後においては肝臓は臓器1gあたり投与放射能の20%が滞留し、脾臓では24時間後も放射能の蓄積傾向が見られ、投与放射能の56%が残存した。一方、99mTc−CD封入リポソームでは、肝臓の放射能は投与30分、脾臓では投与3時間を最高値としてその後は経時的に減少した。また、2種の99mTc−CDリポソームを比較すると、99mTc−MRP20−CDリポソームは99mTc(HMPAO)−CDリポソームに比べ、特に投与6時間と24時間でより速やかな放射能消失を示した。
投与24時間後に体外排泄された放射能量を図9に、また尿中放射能を分析した結果を図10に示す。投与放射能のうち、尿中排泄された放射能の割合は、 9mTc(HMPAO)−CDリポソーム投与群では59%、99mTc(MRP20)−CDリポソーム投与群では74%であった。99mTc(MRP20)−CDリポソーム投与後に排泄された尿中放射能は、そのうちの91.2%がEPで陽極側に6.0cm泳動し、RP−HPLC(B)では保持時間22.5分後に溶出された。
(考察)
リポソームの99mTc標識法としてもっとも一般的な、99mTc−HMPAOとグルタチオン内包リポソームによる封入は、高い効率での封入を可能とする。しかし、このような99mTc封入リポソームは99mTc−HMPAOの還元的分解物を内包しており、99mTc化合物が細網内皮系へ蓄積することにより生じる非特異的放射能滞留が、画像精度低下の問題を引き起こす。一方、直接封入による99mTc−CDリポソームの作製は、封入効率が著しく低く実用性に劣るが、リポソームに内包される99mTc−CDの放射化学的純度は理論的にはほぼ100%であり、実際にマウス投与後には投与放射能の約80%が尿中排泄され、速やかな非標的組織からの放射能消失を示すことが先の検討から明らかになっている。画像診断への応用を考慮すると、従来の標識法と同等の高い放射化学的収率ともに、直接封入法に匹敵する高い放射化学的純度を同時に達成する必要がある。
本実施例で、99mTc−HMPAOまたは99mTc−MRP20を用いた配位子交換反応により99mTc−CD封入リポソームを作製したところ、186Re−CD直接封入時は3.2%であった封入効率が、66%から70%と大きく向上した。膜透過性錯体として99mTc−HMPAOと99mTc−MRP20のどちらを使用しても、封入効率に大きな違いは見られなかったが、封入後リポソームに内包される99mTc−CDの放射化学的純度に顕著な差が認められた。99mTc−MRP20と比較すると、99mTc(HMPAO)−CDリポソーム内の99mTc−CD純度ははるかに低い。これは、99mTc−HMPAOの加水分解物と思われる、負電荷を有する放射性化合物の生成が原因である。配位子交換反応では、出発原料となる錯体は置換活性が高く比較的不安定である必要があり、そのため目的とする錯体の生成反応は、原料となる錯体の分解反応と競合的に進行する。どちらの反応が優位に進行するかは、原料錯体の安定性に強く依存するが、錯体そのものの安定性だけでなく、リポソーム内配位子濃度も重要な因子であると推測される。HMPAOとMRP20の分配係数から明らかなように、遊離状態でのMRP20は、HMPAOよりもはるかに脂溶性が高い。膜外のMRP20が受動拡散によりリポソーム膜を容易に透過することで、リポソーム内部においても高い遊離MRP20濃度を示し、このような過剰な遊離配位子の共存が、錯体の加水分解を受けにくい状態にしている可能性が考えられる。また錯体としての99mTc−MRP20自体が99mTc−HMPAOよりも安定性が高いこと(図4)、またCDとの反応性が高い錯体であること(図5)が示され、これらの要因がCDとの配位子交換反応に有利に働き、リポソーム内でも高い純度で99mTc−CDが生成すると考察される。
リポソーム内部の99mTc−CDの放射化学的純度が高いほど、肝臓や脾臓からの速やかな放射能消失が期待できるため、99mTc−MRP20−CDリポソームが従来の99mTc封入リポソームや99mTc−HMPAO−CDリポソームよりも大幅に肝臓や脾臓での放射能滞留を低減したのは、内部99mTc−CD純度が投与後の体内放射能分布に大きな影響を及ぼした結果であると考えられる。これは、投与放射能の74%が尿中排泄され、そのうちの91%が99mTc−CDの化学形で検出されたことからも支持される。以上の結果から、99mTc−MRP20を用いた配位子交換反応によって、従来問題とされてきた非特異的放射能滞留を低減させる99mTc−CD封入リポソームの、高い放射化学的収率での作製が可能であることが示された。本発明の封入法は高精度画像診断を可能とする99mTc標識リポソームの作製に有用である。また、本発明の封入法は、癌の内用放射線治療を目的とする細胞殺傷性の186/188Re標識リポソームの作製においても基礎的知見を与えることが期待される。
産業上の利用の可能性
膜透過性錯体の99mTc−MRP20は、CDとの配位子交換反応によって99mTc−CDを高収率で与えることから、本発明による99mTc−MRP20を用いた配位子交換反応によって、高い放射化学的収率と純度で99mTc−CD封入リポソームを作製することが可能となった。また、本法で作製した 9mTc−CD封入リポソームは、従来問題とされた肝臓や脾臓での非特異的な放射能滞留を大きく低減することが示された。本発明により、99mTc標識リポソームを用いる画像診断精度を向上させることが可能になった。また、本発明の方法は、癌の内用放射線治療を目的とする細胞殺傷性の186/188Re標識リポソームの作製にも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、99mTc−CDの推定構造を示す。CDは配位原子に窒素とイオウを有し、5価の99mTcと、安定なオキソ錯体を形成する。
図2は、86Re−CD直接封入法(A)と、111In−NTAの配位子交換反応(B)を示す。
■:CDまたはNTA
▲:86Reまたは111In
○:オキシン
図3は、99mTc−HMPAO(左)と、99mTc−MRP20(右)の構造を示す。高い脂溶性と置換活性を持つ99mTc錯体であり、比較的容易に加水分解および配位子交換反応を起こすと考えられる。
図4は、99mTc−HMPAOおよび99mTc−MRP20の水溶液中での安定性を示す。錯体形成0時間後を100%としたときの、各99mTc錯体の放射化学的純度の時間変化を表す。
(A)RP−HPLC未精製の99mTc−HMPAO;
(B)RP−HPLC精製後の99mTc−HMPAO;
(C)RP−HPLC未精製の99mTc−MRP20;
(D)RP−HPLC精製後の99mTc−MRP20;
○:25℃,□:37℃
図5は、99mTc−HMPAO(A)および99mTc−MRP20(B)とCDの配位子交換反応性のpHによる影響を示す。交換反応によって生じた99mTc−CDの放射化学的吸収率を縦軸に表す。
○:RP−HPLC未精製の99mTc錯体との交換;
□:RP−HPLC精製後の99mTc錯体との交換:
図6は、99mTc−HMPAOを用いて調製した99mTc−CDリポソーム(99mTc(HMPAO)−CDリポソーム)の内容物のEP分析結果を示す。
図7は、99mTc−MRP20を用いて調製した99mTc−CDリポソーム(99mTc(MRP20)−CDリポソーム)の内容物のEP分析結果(A)とRP−HPLC分析結果(B)を示す。
図8は、99mTc標識リポソームをマウスに静脈投与したときの体内放射能動態を示す。
△:99mTc/GSHリポソーム;
■:99mTc(HMPAO)−CDリポソーム:
●:99mTc(MRP20)−CDリポソーム:
図9は、99mTc−CD封入リポソームをマウスに投与後、対外排泄された放射能の投与放射能に対する割合を示す。
■:99mTc(HMPAO)−CDリポソーム投与群;
□(斜線):99mTc(MRP20)−CDリポソーム投与群;
図10は、99mTc(MRP20)−CDリポソームをマウスに投与後、尿中排泄された放射能のEP(A)とRP−HPLC(B)での分析結果を示す。

Claims (7)

  1. 短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体と、エチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることを含む、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームの製造方法。
  2. 99mTc−N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとエチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることを含む、99mTc−エチレンジステイン(CD)錯体封入リポソームの製造方法。
  3. 短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体と、エチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることにより製造される、短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソーム。
  4. 99mTc−N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとエチレンジステイン(CD)封入リポソームとを混合し、インキュベートすることにより製造される、99mTc−エチレンジステイン(CD)錯体封入リポソーム。
  5. 請求項3または4に記載のリポソームを含む、診断剤又は治療剤。
  6. 1種類以上のリポソーム形成物質;エチレンジステイン(CD);エチレンジステイン(CD)封入リポソーム;短半減期金属放射性核種;N−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミン;または、短半減期金属放射性核種とN−[2(1H−ピロリルメチル)]−N’−(4−ペンテン−3−オン−2)エタン−1,2−ジアミンとの錯体:から成る群から選択される少なくとも1種類以上の物質を含む、請求項1に記載の短半減期金属放射性核種とエチレンジステイン(CD)との錯体を封入したリポソームの製造方法を行うための試薬キット。
  7. 短半減期金属放射性核種が、99mTcまたはその塩である、請求項6に記載の試薬キット。
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