JPWO2003040275A1 - 鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル高含有油脂並びにその製造方法 - Google Patents

鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル高含有油脂並びにその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、成分(A)鎖状イソプレノイドアルコールからなる群より選ばれる1種または2種以上と、成分(B)脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドからなる群の1種または2種以上およびこれらを含有する油脂を原料とし、カルボン酸エステル加水分解酵素で処理することにより得られることを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂に関する。

Description

発明の背景
本発明は、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を多く含有する油脂およびその製造方法に関し、また、該鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂がら単離することで得られる鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類およびその製造方法に関する。
イソプレノイドとはイソプレン(C5H8)を構成単位とする一群の天然有機化合物の総称であり、テルペノイドと総称されるモノテルペン(C10)、セスキテルペン(C15)、ジテルペン(C20)、セスタテルペン(C25)、トリテルペン(C30)などのテルペン類のほか、C30のスクアレンに由来する各種ステロイド類、C40のカロテノイド類やC30からC120ほどにわたる各種ポリプレノール、さらには分子量数十万にも及ぶ天然ゴムに至るまで、自然界に存在するイソプレノイドの構造は約2万種以上といわれている。また、構造の一部にイソプレノイドを持つクロロフィル、ビタミンK1、K2、およびユビキノン、メナキノンなどの複合イソプレノイドもまた天然に多種多様に存在しており、光合成や電子伝達系など、生体内での重要な生物学的機能を担っている。あるいは、細菌の細胞壁の生合成における糖キャリアリピドとしてのウンデカプレニルリン酸(C55)、さらに真核生物におけるドリコールリン酸(C80〜C120)は、N−グリコシド型糖鎖や糖タンパク質の生合成の糖キャリアリピドとしても重要であることが分かっている。さらに、ファルネシル基(C15)や、ゲラニルゲラニル基(C20)などで修飾されたいわゆるプレニル化タンパク質が、ガン遺伝子産物Rasやシグナル伝達系に重要なGタンパク質などにおいて必須な役割をしているなど、イソプレノイドの生理学的機能が解明されてきている。
一方、油脂にはステロールや高級アルコールなどが、主に脂肪酸エステルの形態で微量に存在することは良く知られている。特に近年、これらの成分が油脂の品質、物性や栄養生理機能に関与していることが解ってきており、これらを含有する油脂が機能性油脂として注目されてきている。鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類に関しては、油脂中に微量存在することが確認はされており、例えば、植物原油においては、種類によって数十〜数百ppm存在することが知られているが、精製工程を経た食用油においてはせいぜい数ppmしか存在しないため(油化学,Vol.44,No.3,192−196,1995)、これまでに、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを油脂に積極的に多く含有させようとする試みはなされていない。
発明の開示
本発明は、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を達成するために、鋭意研究した結果、カルボン酸エステル加水分解酵素を用い、鎖状イソプレノイドアルコール類と、脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドからなる群の1種または2種以上およびこれらを含有する油脂から、容易に下記一般式(II)で表される鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を高含有する油脂を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2003040275
すなわち、本発明は、次の成分(A)および(B)を原料とし、カルボン酸エステル加水分解酵素で処理することで得られることを特徴とする、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類から選ばれる1種または2種以上を通常の油脂よりも多く含有する油脂の製造方法に関し、好ましくはカルボン酸エステル加水分解酵素としてカルボキシエステラーゼおよび/またはトリアシルグリセロールリパーゼで処理することで得られることを特徴とする、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類から選ばれる1種または2種以上を通常の油脂よりも多く含有する油脂の製造方法に関する。
(A)下記一般式(I)で表される鎖状イソプレノイドアルコールからなる群より選ばれる1種または2種以上;
Figure 2003040275
(式中、波線部は一重結合または二重結合を意味し、nは1〜14から選ばれるいずれか一つの整数を意味する。)
(B)脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドからなる群の1種または2種以上およびこれらを含有する油脂。
この時、使用する油脂としては、本来微量ながら鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を含有するものとして植物油が好ましく、さらには食用であれば、そのまま食用油として使用できるため好ましい。
鎖状イソプレノイドアルコール類としては、ゲラニオール、ファルネソール、ゲラニルゲラニオール、ゲラニルファルネソール、ファルネシルファルネソール、ゲラニルゲラニルファルネソールゲラニルファルネシルファルネソール、ファルネシルファルネシルファルネソール、フィトール、ジヒドロフィトールからなる群より選ばれる1種または2種以上を使用することが好ましい。使用する脂肪酸としては、炭素数が2〜30である脂肪酸が好ましく、同様に、使用する脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドとしては、その脂肪酸残基の炭素数が2〜30であることが好ましい。
これにより得られた鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂は、さらにその濃度を上げるために濃縮および/または精製処理を行ってもよく、これにより、より高濃度である鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂も好適に得ることができる。また、さらに単離することにより、非常に容易かつ安価に、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を得ることもできる。
また、本発明は、上記成分(A)および(B)を原料とし、カルボン酸エステル加水分解酵素で処理することを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂の製造方法に関する。
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、次の成分(A)および(B)を原料とし、カルボン酸エステル加水分解酵素で処理することで得られることを特徴とする、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂に関する。
(A)下記一般式(I)で表される鎖状イソプレノイドアルコールからなる群より選ばれる1種または2種以上;
Figure 2003040275
(式中、波線部は一重結合または二重結合を意味し、nは1〜14から選ばれるいずれか一つの整数を意味する。)
(B)脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドからなる群の1種または2種以上およびこれらを含有する油脂。
鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルとは、構造的には、鎖状イソプレノイドアルコールと脂肪酸から、脱水縮合の結果生じる構造を有するものを示す。鎖状イソプレノイドアルコールとは、一般に、炭素数5個のイソプレン単位が複数個結合した鎖状構造を有し、かつ、水酸基を有するのものを示す。また、エステル体とは、鎖状イソプレノイドアルコール類の水酸基と脂肪酸類のカルボキシル基から形成可能なものを示す。
本発明に用いるカルボン酸エステル加水分解酵素としては、動物、植物、微生物等いずれの起源のものでもよく、常法により前記組織もしくは培養液から抽出、精製して調整したものでもよいが、市販品を利用することが至便である。また、これらの酵素は、固定化されているもの、固定化されていないもの、何れも好適に使用することができるが、使用の簡便さからは、固定化されたものが好ましい。
本発明に用いるカルボン酸エステル加水分解酵素としては、カルボキシエステラーゼおよび/またはトリアシルグリセロールリパーゼが好ましい。カルボキシエステラーゼとは、一般に、脂肪酸モノエステルをアルコールと脂肪酸に加水分解する酵素であり、トリアシルグリセロールリパーゼとは、一般に、脂肪(トリグリセリド)を脂肪酸とグリセロールに加水分解する反応を触媒する酵素である。本発明に用いるカルボキシエステラーゼおよび/またはトリアシルグリセロールリパーゼとしては、動物、植物、微生物等いずれの起源のものでもよく、以下に制限されないが、例えば、ブタ膵臓、大豆、米ヌカ、麦芽、ヒマ種子など由来のカルボキシエステラーゼおよび/またはトリアシルグリセロールリパーゼ、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、キャンディダ シリンドラセ(Candida cylindracea)、キャンディダ アンタークティカ(Candida antarctica)、リゾプス デレマー(Rhizopus delemar)、リゾプス ジャバニカス(Rhizopus javanicus)、アルカリゲネス エスピー(Alcaligenes sp.)、アルカリゲネス ファエカリス(Alcaligenes faecalis)、ムコール ミーハイ(Mucor miehei)、ムコール ジャバニカス(Mucor javanicus)、シュードモナス フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、サーモマイセス ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)など由来のカルボキシエステラーゼおよび/またはトリアシルグリセロールリパーゼ等を挙げることができる。これらは常法により前記組織もしくは培養液から抽出、精製して調整することも出来るが、市販品を利用することが至便である。また、これらの酵素は、固定化されているもの、固定化されていないもの、何れも好適に使用することができるが、使用の簡便さからは、固定化されたものが好ましい。
本発明の原料として用いる鎖状イソプレノイドアルコールとしては、下記一般式(I)で表されるものであれば特に制限はないが、必要頻度が高いものあるいは原料供給が容易なものとして、例えば、ゲラニオール、ファルネソール、ゲラニルゲラニオール、ゲラニルファルネソール、ファルネシルファルネソール、ゲラニルゲラニルファルネソール、ゲラニルファルネシルファルネソール、ファルネシルファルネシルファルネソール、フィトール、ジヒドロフィトール等を挙げることができる。
Figure 2003040275
(式中、波線部は一重結合または二重結合を意味し、nは1〜14から選ばれるいずれか一つの整数を意味する。)
本発明の原料としては、脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドの1種または2種以上およびこれを含有する油脂であれば特に制限は無い。また、油脂は、原油、未精製油脂、精製途中段階の油脂、精製油脂等、何れのものでもよいが、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、紅花油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、パーム油、カカオ脂、カポック油等の植物油、ラード、牛脂、魚油等の動物油脂の他、特に制限は無いが、例えば、天然および化学反応や酵素反応により得られた、MCT、MLCT、ジグリセライド、モノグリセライドや、脂肪酸の構造を設計した構造油脂等が挙げられる。これらの中でも好ましくは、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、紅花油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、パーム油、カカオ脂、カポック油等の植物油が良く、最も好ましくは、極めて微量であるが鎖状イソプレノイドアルコールを含有しているものとして、大豆油、菜種油、綿実油、ヒマワリ油、紅花油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、パーム油、カカオ脂、カポック油等の植物油が好ましい。さらに、本発明における酵素処理後の工程数を少なくしようとするならば、すでに精製等された食用植物油を用いることが好ましい。
本発明の原料として用いる脂肪酸としては、炭素数が2〜30の範囲にある脂肪酸であれば特に制限はないが、例えば、酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の直鎖飽和脂肪酸、トウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、シスバクセン酸、ペトロセリン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、セトレン酸、ネルボン酸、キシメン酸、ラメクエン酸等の一価不飽和脂肪酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のn−3系不飽和脂肪酸、リノール酸、リノエライジン酸、γ−リノレン酸、ビスホモγ−リノレン酸、アラキドン酸等のn−6系不飽和脂肪酸、共役リノール酸、α−エレオステアリン酸等の共役脂肪酸、ピレノン酸、シアドン酸、ジュニペロン酸、コロンビン酸等の5位に二重結合を持つ脂肪酸、ヒラゴン酸、モロクチン酸、クルパノドン酸、ニシン酸等の上記以外の多価不飽和脂肪酸、等の直鎖不飽和脂肪酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、イソ酸、アンチイソ酸等の分岐脂肪酸、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、ミコール酸、ポリヒドロキシ酸等のヒドロキシ脂肪酸、エポキシ脂肪酸、ケト脂肪酸、環状脂肪酸等が挙げられ、特に自然界での存在量等の面からは直鎖脂肪酸が好ましく、さらには直鎖不飽和脂肪酸が好ましく、その中でも特に、パルミトオレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、エルカ酸等の一価不飽和脂肪酸、リノール酸、γ−リノレン酸、ビスホモγ−リノレン酸、アラキドン酸等のn−6系不飽和脂肪酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のn−3系不飽和脂肪酸、共役リノール酸、α−エレオステアリン酸等の共役脂肪酸等が好ましい。
本発明の原料として用いる脂肪酸メチルエステルを構成する脂肪酸残基としては、上記脂肪酸の説明個所で挙げられた脂肪酸の残基が挙げられる。
本発明の原料として用いる脂肪酸エチルエステルを構成する脂肪酸残基としては、上記脂肪酸の説明個所で挙げられた脂肪酸の残基が挙げられる。
本発明の原料として用いるモノグリセライドとしては、1−モノグリセライド、2−モノグリセライドの何れでも良い。この際のモノグリセライドを構成する脂肪酸残基としては、上記脂肪酸の説明個所で挙げられた脂肪酸の残基が挙げられる。
本発明の原料として用いるジグリセライドとしては、1,2−ジグリセライド、1,3−ジグリセライドの何れでも良い。この際のジグリセライドを構成する脂肪酸残基としては、上記脂肪酸の説明個所で挙げられた脂肪酸の残基が挙げられ、その組み合わせについては特に制限はない。
本発明の原料として用いるトリグリセライドを構成する脂肪酸残基としては、上記脂肪酸の説明個所で挙げられた脂肪酸の残基が挙げられ、その組み合わせについては特に制限はない。
これまでに述べてきた鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂は、必要に応じて、含有する鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を濃縮および/または精製し、さらに高含有な油脂にすることもできる。そのような濃縮および/または精製の方法については一概に規定し難いが、例えば、分別蒸留、分別昇華、帯融解、溶媒抽出、各種吸着法、起泡分離法、膜分離法、分子ふるいを用いる分離法、クロマトグラフィーを利用する方法などが挙げられる。
本発明の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂は、上記成分(A)および(B)を原料とし、カルボン酸エステル加水分解酵素で処理することで得られることを特徴とする。これは、例えば、成分(A)および成分(B)から化学合成的な手法により鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂を直接的に得ることと比較すると、化学合成的な手法で得た鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂は、その反応過程において成分(A)同士あるいは成分(B)同士での非選択的な反応により副反応生成物が生じ、目的とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を好適に得ることが難しい場合があるため好ましくない。また、油脂として望ましくない副反応生成物を含有してしまい、これら副反応生成物を除くためには再度の油脂の生成工程が必要となってしまう。これに対し、本発明の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂は、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を得るために酵素を用いることから、その反応過程において成分(A)と成分(B)が選択的に反応し、余計な副反応生成物の生成が殆どないため、酵素を除去するのみで簡便に通常の油脂と同様に扱うことができるため、好ましい。また、化学合成的な手法では、反応を促進するために数十から数百℃という温度を必要とするが、このような高熱をかけた場合、成分(A)、(B)共に酸化劣化も促進されてしまうため、このような方法で得られた油脂は通常の油脂としての使用に耐えるものではない。これに対し、本発明の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂は、これを得るために酵素を用いることから、非常に緩やかな反応条件で得ることができ、その反応過程において成分(A)、(B)の酸化劣化等が進行しないため、通常の油脂と同様に使用することができる。
また、安全性の面からは、化学合成的な手法では、当然、化学物質を用いるため、このような過程を経て得られた油脂は、特に食用油として使用することはできないが、本発明の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂は、これを得るために酵素を用いることから、非常に安全性に優れ、特に食用油として用いる場合に好ましい。
本発明の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂における鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類の含量としては特に制限はないが、例えば、食用、医薬用、化粧用等の実用的な使用面を考慮に入れると、油脂としては精製されているものが好ましく、このような場合の含量としては、例えば、0.0001〜50質量%、好ましくは0.0005〜45質量%、より好ましくは0.001〜40質量%、さらに好ましくは0.005〜35質量%、さらに好ましくは0.01〜30質量%、さらに好ましくは0.05〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。また、必要に応じて鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を濃縮および/または精製する場合は、必要なだけ濃縮および/または精製すればよく、特に制限はないが、例えば、0.01〜90質量%、好ましくは0.05〜80質量%、より好ましくは0.1〜70質量%、さらに好ましくは0.5〜60質量%、特に好ましくは1〜50質量%である。
また上述の通り、本発明は、次の成分(A)および(B)を原料とし、カルボン酸エステル加水分解酵素で処理することを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂の製造方法に関する。
(A)下記一般式(I)で表される鎖状イソプレノイドアルコールからなる群より選ばれる1種または2種以上;
Figure 2003040275
(式中、波線部は一重結合または二重結合を意味し、nは1〜14から選ばれるいずれか一つの整数を意味する。)
(B)脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドからなる群の1種または2種以上およびこれらを含有する油脂。
原料成分(A)としては、上述の通りであり、上記一般式(I)で表されるものであれば特に制限はないが、ゲラニオール、ファルネソール、ゲラニルゲラニオール、ゲラニルファルネソール、ファルネシルファルネソール、ゲラニルゲラニルファルネソール、ゲラニルファルネシルファルネソール、ファルネシルファルネシルファルネソール、フィトール、ジヒドロフィトールが好ましく、特には、ゲラニルゲラニオールが好ましい。
原料成分(B)としては、上述の通り、脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドおよびこれらを含有する油脂であれば特に制限はなく、また、原油、未精製油脂、精製途中段階の油脂、精製油脂等、何れのものでもよいが、反応性の面からは、特にトリグリセライドが好ましく、例えばトリグリセライド含量が高い油脂が好ましい。このトリグリセライド含量が高い油脂としては、必要な油脂の特性等によって選択すればよいため一概に規定されないが、例えば、トリグリセライド含量が90質量%以上、好ましくは95質量%以上、さらには97質量%以上のものが好ましい。これらトリグリセライドを中心に用いた場合、反応性は非常に高く、ほぼ100%近い収率で目的物を得ることができるため、非常に好ましい。
本発明の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂を製造するにおいて、鎖状イソプレノイドアルコールから選ばれる1種または2種以上、および、脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドから選ばれる1種または2種以上の混合比率は、目的とする最終生成物の形態や反応効率等にもよるので如何様にも設定可能であるが、濃縮および/または精製をすることも考慮に入れれば、鎖状イソプレノイドアルコールから選ばれる1種または2種以上:脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドから選ばれる1種または2種以上(質量:質量)として、例えば、10:1〜1:1000000、好ましくは5:1〜1:100000、より好ましくは2:1〜1:10000であればよい。
特に、上述のように、原料成分(A)としてゲラニルゲラニオールを、原料成分(B)としてトリグリセライドおよびトリグリセライド含量が90%以上の油脂を用いる場合には、その混合比率は、ゲラニルゲラニオール:トリグリセライド(質量:質量)として、例えば、1:1〜1:1000000、好ましくは1:1〜1:100000、より好ましくは1:1〜1:10000であればよい。
製造においては、上記原料の混合物を溶媒に希釈することが好ましい。カルボン酸エステル加水分解酵素は水分の存在で失活が速まることから、本発明の製造に用いる溶媒としては疎水性有機溶媒が好ましい。疎水性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられ、特に好ましいものとしては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンが挙げられる。さらにこれらのうち、脱水処理されたものは、反応性の面で好ましい。これら溶媒は、上記原料混合物1(質量)に対して、0〜1000倍量(質量)、好ましくは1〜100倍量(質量)、より好ましくは1〜25倍量(質量)を加ればよい。
用いる酵素の量は、酵素の種類、反応性、固定化剤等の添加物の含量等によるので、一概に規定されず、以下に限定されないが、上記原料混合物1(質量)に対して、0.001〜1000倍量(質量)、好ましくは0.01〜100倍量(質量)、より好ましくは0.1〜25倍量(質量)を使用すれば、効率よく反応が進行する。
反応に要する時間は、反応の進行度合いや目的とする生成物の量によるので、一概に規定されないが、例えば、0.5〜72時間、好ましくは1〜48時間、より好ましくは1〜24時間であれば、製造コストとの釣り合いがとれる。
温度は、反応の進行度合いや目的とする生成物の量によるので、一概に規定されないが、例えば、20〜80℃、好ましくは25〜75℃、より好ましくは30〜70℃である場合、効率よく反応が進行する。
その他の製造条件としては、窒素および/またはアルゴン気流下にて反応を行えば、酸化による生成物の劣化等を防ぐことができ、好ましい。また、撹拌等を行うことは、反応を効率よく進行させることができ、好ましい。
また、これまでに述べてきた鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂に含有される鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類は、単離することにより、ほぼ鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類のみとして得ることもできる。すなわち、本発明は、上記鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂から単離することで得られることを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類に関する。そのための単離の方法については一概に規定し難いが、例えば、分別蒸留、分別昇華、帯融解、溶媒抽出、各種吸着法、起泡分離法、膜分離法、分子ふるいを用いる分離法、クロマトグラフィーを利用する方法などが挙げられる。方法の効率、簡便さ、収率等の面からは、クロマトグラフィーが好ましく、さらには吸着クロマトグラフィーが好ましい。吸着クロマトグラフィーとしては、液体クロマトグラフィーを利用する方法が、本発明における鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を分解することなく、収率良く単離出来るので、好ましい。液体クロマトグラフィーとしては、具体的に、順相液体クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等が挙げられるが、本発明における鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を単離する際には、いずれの方法を用いることができる。とりわけ、分離能、処理量、工程数等を考慮に入れると、順相液体クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が好ましい。
ここで、順相液体クロマトグラフィーとは、例えば以下のような方法を指す。すなわち、例えばシリカゲルを固定相、ヘキサン−酢酸エチル混液、クロロホルム−メタノール混液等を移動相としたカラムを作成し、上記製造法で得た反応混合物を負荷率0.1〜5%(wt(質量)/v(体積))で供し、単一移動相による連続的溶出法あるいは溶媒極性を順次増加させる段階的溶出法により、所定の画分を溶出させる方法である。
逆相液体クロマトグラフィーとは、例えば以下のような方法を指す。すなわち、例えばオクタデシルシランを結合させたシリカ(ODS)を固定相、水−メタノール混液、水−アセトニトリル混液、水−アセトン混液等を移動相としたカラムを作成し、上記製造法で得た反応混合物を負荷率0.1〜5%(wt(質量)/v(体積))で供し、単一溶媒による連続的溶出法あるいは溶媒極性を順次低下させる段階的溶出法により、所定の画分を溶出させる方法である。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とは、原理的には、上記順相液体クロマトグラフィーあるいは逆相液体クロマトグラフィーと同様のものであり、より迅速かつ高分離能での単離を行うためのものである。
上記手法は2種以上を組み合わせることもでき、この場合、本発明における鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を高度に単離することができ、かつ、より不純物が除去された状態で得ることができるため好ましい。
上記のようにして得られた鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類は、その製法的に、化学合成等の手法により得るよりも、安価かつ大量に得ることが容易であり、好ましい。特に原料として、油脂を用いる場合、油脂は非常に安価であり、またその製造工程においても、例えば、主に用いる溶媒はヘキサン等の安価な溶媒であるため、製造コストの面からも非常に好ましい。当然、化学薬品の使用も最小限であり、安全性の面でも好ましい。
上記のようにして得られた鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類は、そのまま使用することもできるが、さらに目的に応じて、その1種または2種以上を他の油脂に添加、含有させることもできる。この場合、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類は高度に単離されているので、油脂に不要なものがより除去されており、余計な色や臭いをつけることがないため好ましい。またこの場合、その含量のコントロールが容易な点でも好ましい。本発明においては、このようにして得られた油脂も好適に使用することができる。また、当然、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類添加後、必要に応じて、一般に行われている油脂の精製工程を経て精製することで、通常の油脂として使用することもできる。また、その他、上記方法で得られた鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類は、食品、医薬品等に使用してもよい。
本発明は、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を多く含有する油脂およびその製造方法に関し、また、該鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂から単離することで得られる鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類およびその製造方法に関する。本発明によれば、非常に簡便に、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を多く含有する油脂を提供することができる。また、これらの油脂から、単離することで得られる鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類は、医薬品や飲食物や皮膚外用剤といった形態において、安全に使用することができる。
実施例
次に、実施例を挙げ、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に挙げる実施例に原料として使用した、ゲラニオール(和光純薬社製)、ファルネソール(シグマ社製)、ゲラニルゲラニオール(シグマ社製)、フィトール(和光純薬社製)、トリオレイン(和光純薬社製)、ジオレイン(1−ジオレイン、2−ジレイン混合物:フナコシ社製)、モノオレイン(1−モノオレイン、2−モノレイン混合物:フナコシ社製)、オレイン酸メチル(和光純薬社製)、オレイン酸(和光純薬社製)、トリγ−リノレン(フナコシ社製)、共役リノール酸エチルエステル(フナコシ社製)、エイコサペンタエン酸エチルエステル(和光純薬社製)、トリドコサヘキサエノイン(フナコシ社製)については、試薬として購入した。ジヒドロフィトールについては、文献(J.Org.Chem.58.5285−5287.1993)に従って、フィトールを還元することにより得た。
また、以下に挙げる実施例においては、各サンプルを10μL分取し、これをヘキサンで1000倍希釈したものをガスクロマトグラフィーにて分析して、含量および純度を測定した。以下にそのガスクロマトグラフィーの測定条件を示す。
(ガスクロマトグラフィー条件)
カラム:DB−1ht (J&W社、φ0.32mm×0.15μm×5m)
オーブン温度:100〜350℃(20℃/min)
注入口/検出器温度:300/330℃
注入口圧力:5psi
スプリット比:25:1
実施例1 脂肪酸ゲラニルゲラニルエステル含有油脂
精製大豆油1000gに対し、ゲラニルゲラニオール0.1gを溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で3時間プロペラ攪拌機により攪拌した。反応後、10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、ろ紙濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを完全に溜去して脂肪酸ゲラニルゲラニルエステル含有油脂を得た。得られた油脂における脂肪酸ゲラニルゲラニルエステルの含量は、0.0187%であった。得られた油脂は、味、風味等良好であり、通常の精製大豆油と同様に使用することができた。
実施例2 脂肪酸ファルネシルエステル含有油脂
精製大豆油1000gに対し、ファルネソール2gを溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で9時間プロペラ攪拌機により攪拌した。反応後、10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、ろ紙濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを完全に溜去して脂肪酸ファルネシルエステル含有油脂を得た。得られた油脂における脂肪酸ゲラニルゲラニルエステルの含量は、0.446%であった。得られた油脂は、味、風味等良好であり、通常の精製大豆油と同様に使用することができた。
実施例3 脂肪酸フィチルエステル含有油脂
精製大豆油1000gに対し、フィトール0.5gを溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で24時間プロペラ攪拌機により攪拌した。反応後、10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、ろ紙濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを完全に溜去して脂肪酸フィチルエステル含有油脂を得た。得られた油脂における脂肪酸ゲラニルゲラニルエステルの含量は、0.088%であった。得られた油脂は、味、風味等良好であり、通常の精製大豆油と同様に使用することができた。
実施例4 脂肪酸イソプレニルエステル含有油脂
精製大豆油1000gに対し、ファルネソール0.5g、ゲラニルゲラニオール0.5g、フィトール0.5gを溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で24時間プロペラ攪拌機により攪拌した。反応後、10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、ろ紙濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを完全に溜去して脂肪酸フィチルエステル含有油脂を得た。得られた油脂における脂肪酸イソプレニルエステルの含量は、全体として0.251%であった。得られた油脂は、味、風味等良好であり、通常の精製大豆油と同様に使用することができた。
実施例5 オレイン酸ゲラニルゲラニルエステル含有油脂
トリオレイン10gに対し、ゲラニルゲラニオール0.1gを溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で1時間攪拌した。反応後、10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを完全に溜去してオレイン酸ゲラニルゲラニルエステル含有油脂を得た。得られた油脂における脂肪酸ゲラニルゲラニルエステルの含量は、1.90%であった。得られた油脂は、味、風味等良好であり、通常のトリオレインと同様に使用することができた。
実施例6 γ−リノレン酸ゲラニルゲラニルエステル含有油脂
トリγ−リノレン10gに対し、ゲラニルゲラニオール1gを溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で3時間攪拌した。反応後、10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを完全に溜去してγ−リノレン酸ゲラニルゲラニルエステル含有油脂を得た。得られた油脂における脂肪酸ゲラニルゲラニルエステルの含量は、18.2%であった。得られた油脂は、味、風味等良好であり、通常のトリγ−リノレンと同様に使用することができた。
実施例7 γ−リノレン酸ゲラニルゲラニルエステル濃縮油脂
実施例5で得た油脂10gを、その約50倍量のシリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーにて分画した。移動層としてヘキサン:酢酸エチル=10:1の混合溶液を用い、500mLづつ分画したもののうち、2番目と3番目の分画から真空蒸留によりヘキサンおよび酢酸エチルを完全に留去し、油脂1.87gを得た。得られた油脂におけるγ−リノレン酸ゲラニルゲラニルエステルの含量は、48.4%であった。
実施例8 ステアリン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとトリステアリン900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム435(Novo社製)を添加して、60℃で3時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ステアリン酸ゲラニルゲラニル187mgを得た。
実施例9 オレイン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとトリオレイン900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにリパーゼQL(名糖産業社製)を添加して、60℃で2時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、オレイン酸ゲラニルゲラニル186mgを得た。
実施例10 オレイン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとトリオレイン100mgを500mgのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにリパーゼQL(名糖産業社製)を添加して、60℃で2時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、オレイン酸ゲラニルゲラニル62.5mgを得た。
実施例11 オレイン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとジオレイン900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにリパーゼQL(名糖産業社製)を添加して、60℃で2時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、オレイン酸ゲラニルゲラニル164mgを得た。
実施例12 オレイン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとモノオレイン900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにリパーゼQL(名糖産業社製)を添加して、60℃で2時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、オレイン酸ゲラニルゲラニル139mgを得た。
実施例13 オレイン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとオレイン酸メチル900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにリパーゼQL(名糖産業社製)を添加して、60℃で2時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、オレイン酸ゲラニルゲラニル83mgを得た。
実施例14 オレイン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとオレイン酸900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにリパーゼQL(名糖産業社製)を添加して、60℃で2時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、オレイン酸ゲラニルゲラニル77mgを得た。
実施例15 γ−リノレン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとトリγ−リノレン900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で3時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、γ−リノレン酸ゲラニルゲラニル183mgを得た。
実施例16 共役リノール酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgと共役リノール酸エチルエステル300mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で24時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、共役リノール酸ゲラニルゲラニル118mgを得た。
実施例17 エイコサペンタエン酸ゲラニル
ゲラニオール100mgとエイコサペンタエン酸エチルエステル900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で24時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エイコサペンタエン酸ゲラニル102mgを得た。
実施例18 エイコサペンタエン酸ファルネシル
ファルネソール100mgとエイコサペンタエン酸エチルエステル750mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で24時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エイコサペンタエン酸ファルネシル107mgを得た。
実施例19 エイコサペンタエン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとエイコサペンタエン酸エチルエステル600mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で24時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エイコサペンタエン酸ゲラニルゲラニル106mgを得た。
実施例20 エイコサペンタエン酸フィチル
フィトール100mgとエイコサペンタエン酸エチルエステル600mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で24時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エイコサペンタエン酸フィチル94mgを得た。
実施例21 エイコサペンタエン酸ジヒドロフィチル
ジヒドロフィトール100mgとエイコサペンタエン酸エチルエステル600mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で24時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エイコサペンタエン酸ジヒドロフィチル74mgを得た。
実施例22 ドコサヘキサエン酸ゲラニルゲラニル
ゲラニルゲラニオール100mgとトリドコサヘキサエノイン900mgを1gのイソオクタンに溶解し、総量に対して1%となるようにノボザイム(Novo社製)を添加して、60℃で3時間攪拌した。GCで反応が平衡に達したのを確認し、反応液に10倍量のヘキサンを加えて希釈したものから、濾過によりリパーゼを取り除き、真空蒸留によりヘキサンを溜去して粗反応生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ドコサヘキサエン酸ゲラニルゲラニル193mgを得た。
上記実施例から、鎖状イソプレノイドアルコール類と、脂肪酸やトリグリセライド等およびこれらを含有する油脂の反応に要する混合比率は、特に1:1〜1:10000で効率よく反応することが分かった。また、各実施例から、何れの鎖状イソプレノイドアルコールも用いることができることが確認できたが、特に実施例1、5、9、10、11等から、ゲラニルゲラニオールを用いることで、ゲラニルゲラニル脂肪酸エステル高含有油脂を効率的に得ることができることが分かった。また、各実施例から、脂肪酸、脂肪酸メチル、脂肪酸エチル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドおよびこれらを含有する油脂は、何れも用いることができることが確認できたが、特に実施例1〜6、および、8,9、15、22等から、トリグリセライドおよびこれらを含有する油脂を用いた場合、効率的に鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル高含有油脂を得ることができることが分かった。また、実施例7から、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを濃縮した油脂を好適に得ることができることも分かった。
実施例23 鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル高含有油脂
実施例9、18、19と同様にして得た各鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを、精製大豆油、精製菜種油の各々に、質量比で、それぞれ1000ppm、10000ppmづつになるように添加、溶解し、計12種類の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル含有油脂を調製した。いずれの油脂も、味、風味等良好であり、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを特に添加していない油脂と同様に使用することができた。
実施例24 鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル混合高含有油脂
実施例7、8、22と同様にして得た3種の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを、精製大豆油および実施例1の油脂の各々に、質量比で、それぞれ10ppm、100ppm、1000ppm、10000ppmづつになるように添加、溶解し、計8種類の、上記3種の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを高含有する油脂を調製した。いずれの油脂も、味、風味等良好であり、上記3種の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを特に添加していない精製大豆油および実施例1の油脂と同様に使用することができた。
本発明によれば、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂を簡便かつ効率よく得ることができる。特に、酵素を用いるという点で、非常に安全性に優れていることから、食用油脂として使用することができる。また、これらの油脂から鎖状イソプレノイド脂肪酸エステルを単離することもでき、これらを新規な医薬品や食品として使用することが可能である。

Claims (20)

  1. 次の成分(A)および(B)を原料とし、カルボン酸エステル加水分解酵素で処理することにより得られることを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂:
    (A)下記一般式(I)で表される鎖状イソプレノイドアルコールからなる群より選ばれる1種または2種以上;
    Figure 2003040275
    (式中、波線部は一重結合または二重結合を意味し、nは1〜14から選ばれるいずれか一つの整数を意味する。)
    (B)脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドからなる群の1種または2種以上およびこれらを含有する油脂。
  2. 前記カルボン酸エステル加水分解酵素がカルボキシエステラーゼおよび/またはトリアシルグリセロールリパーゼである請求項1に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  3. 成分(A)の鎖状イソプレノイドアルコールがゲラニオール、ファルネソール、ゲラニルグラニオール、ゲラニルファルネソール、ファルネシルファルネソール、ゲラニルゲラニルファルネソールゲラニルファルネシルファルネソール、ファルネシルファルネシルファルネソール、フィトール、ジヒドロフィトールからなる群より選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1および2に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  4. 成分(B)の油脂がトリグリセライドおよびこれを含有する植物油であることを特徴とする請求項1および2に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  5. 前記植物油が食用であることを特徴とする請求項4に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  6. 成分(B)の脂肪酸の炭素数が2〜30であることを特徴とする請求項1〜4に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  7. 成分(B)の脂肪酸メチルエステルを構成する脂肪酸残基の炭素数が2〜30であることを特徴とする請求項1〜4に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  8. 成分(B)の脂肪酸エチルエステルを構成する脂肪酸残基の炭素数が2〜30であることを特徴とする請求項1〜4に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  9. 成分(B)のモノグリセライドを構成する脂肪酸残基の炭素数が2〜30であることを特徴とする請求項1〜4に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  10. 成分(B)のジグリセライドを構成する脂肪酸残基の炭素数が2〜30であることを特徴とする請求項1〜4に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  11. 成分(B)のトリグリセライドを構成する脂肪酸残基の炭素数が2〜30であることを特徴とする請求項1〜4に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  12. ゲラニルゲラニオールとトリグリセライドおよびこれを含有する食用植物油を原料とし、トリアシルグリセロールリパーゼで処理することにより得られることを特徴とするゲラニルゲラニル脂肪酸エステル高含有油脂。
  13. 請求項1〜12に記載の油脂中の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を濃縮および/または精製することで得られることを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂。
  14. 請求項1〜13に記載の油脂から単離することで得られることを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類。
  15. 次の成分(A)および(B)を原料とし、カルボン酸エステル加水分解酵素で処理することを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂の製造方法:
    (A)下記一般式(I)で表される鎖状イソプレノイドアルコールからなる群より選ばれる1種または2種以上;
    Figure 2003040275
    (式中、波線部は一重結合または二重結合を意味し、nは1〜14から選ばれるいずれか一つの整数を意味する。)
    (B)脂肪酸、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドからなる群の1種または2種以上およびこれらを含有する油脂。
  16. 成分(A)と成分(B)の混合比率が(A):(B)=10:1〜1:1000000であることを特徴とする請求項15に記載の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂の製造方法。
  17. ゲラニルゲラニオールとトリグリセライドおよびこれを含有する食用植物油を原料とし、トリアシルグリセロールリパーゼで処理することを特徴とするゲラニルゲラニル脂肪酸エステル高含有油脂の製造方法。
  18. ゲラニルゲラニオールとトリグリセライドおよびこれを含有する食用植物油の混合比率がゲラニルゲラニオール:トリグリセライドおよびこれを含有する食用植物油=1:1〜1:1000000であることを特徴とする請求項17に記載のゲラニルゲラニル脂肪酸エステル高含有油脂の製造方法。
  19. 請求項15〜18に記載の方法で得られる油脂中の鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を濃縮および/または精製することを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類高含有油脂の製造方法。
  20. 請求項15〜19に記載の方法で得られる油脂から単離することを特徴とする鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類の製造方法。
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