JPH01174391A - 脂肪酸エステル製造方法 - Google Patents

脂肪酸エステル製造方法

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JPH01174391A
JPH01174391A JP62336599A JP33659987A JPH01174391A JP H01174391 A JPH01174391 A JP H01174391A JP 62336599 A JP62336599 A JP 62336599A JP 33659987 A JP33659987 A JP 33659987A JP H01174391 A JPH01174391 A JP H01174391A
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JP
Japan
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acid
lipase
alcohols
fatty acid
reaction
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JP62336599A
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English (en)
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Toshiyuki Nishio
俊幸 西尾
Minoru Kamimura
稔 上村
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Sapporo Breweries Ltd
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Sapporo Breweries Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は脂肪酸エステル類の製造方法に関し、詳しくは
有機溶媒中にアルコールおよび脂肪酸を高濃度に溶解せ
しめ、実質的に水を添加せず酵素法により各種脂肪酸エ
ステルを常温で容易に、かつ安価に高い収率で製造する
方法に関する。
[従来の技術および発明が解決しようとする問題点] 一般に、脂肪酸エステルの化学的製造は熱エネルギーを
利用するため、触媒の存在下で高温に加熱することによ
り行なわれる。しかし、この方法では反応温度が高いた
めに原料となるアルコールや脂肪酸、あるいは生成物の
分解1着色1看香などが生じたり、また化学法に用いる
無機触媒が反応特異性を持たないために、副反応により
副生物ができてしまうことが多かった。特に、分子中に
炭素間の2重結合を多く有するものを原料とした場合、
生成物の分解や過酸化物の生成が進行しやすいため、純
度の高いものを収率よく得るのは難しかった。このよう
な化学法としては、例えばコレスチロール脂肪酸エステ
ルを製造するにあたり、脂肪酸とコレスチロールを13
0〜200℃て酸触媒存在下に3〜4時間加熱するPa
ge−Rudyの方法がよく知られている。しかしなが
ら、この方法では不飽和脂肪酸を原料とした場合には副
生物が多量に生じ、収量も非常に悪くなる。また、高温
にするためには高圧条件にしなければならず、高温高圧
に耐え得る特殊容器も必要となるなどの問題があった。
このような問題を解決するために、リパーゼのエステル
合成作用を利用した酵素法による脂肪酸エステルの製造
法が提案された。酵素反応は酵素分子の配座の変化エネ
ルギーを利用するため、常温で進行する上に、反応特異
性が高いという利点を有している。従って、この酵素法
は脂肪酸とアルコールからのエステル合成反応を常温常
圧下で行なうことができるため、原料および生成物の分
解や副生物の生成もないはかりでなく、上記のような特
殊容器も必要としない。それ故、リパーゼによる脂肪酸
エステルの製造は、近年の各種微生物由来のリパーゼの
開発とあいまって盛んに検討されており、例えばアスペ
ルギルス・ニガー(へspergillus匣又ゴ)、
リソ”ブス・デレマー(Rhizopus delem
ar)、ゲオトリカム・キャンデイダム(Geotri
chum candidum) 、ペニシリウム・シク
ロピウム(Penicilljum cyclopiu
m)由来の4種類のリパーゼを用いて各種アルコールと
脂肪酸とのエステルを合成する方法[Biochem、
 Biophys。
Acta、 575.156 (1979)など]が報
告されている。また、微生物由来のリパーゼを用いた脂
肪酸エステルの製法としては特公昭51−7554号公
報、同57−23535号公報、同5B−38号公報、
特開昭56−329!14号公報、同59−22019
5号公報、同59−220196号公報、同82−69
994号公報などに記載の方法があげられる。しかしな
から、これらの方法はいずれも酵素か水にしか溶けない
ことから水を反応溶媒とするため、反応が水と水不溶性
原料とから成る不均一系において行なわれており、エス
テル合成活性か原料の分散状態に左右されるはかりでな
く、常温固体のものを原料とした場合にはほとんど反応
が起こらないなどの問題があった。さらに、反応系に水
が多く存在するため、脱水縮合反応であるエステル合成
反応が水により阻害され、効率よく高い収率で製造する
のは困難であった。
このような問題を解決するために、水をほとんど含まず
、多くの原料が溶解しつる有機溶媒中でリパーゼを作用
させて脂肪酸エステルを合成する方法が検討されている
。この反応は、有機溶媒中に可能な範囲で水を含ませ、
酵素の安定性に必要な水分を確保(脱水しない)して行
t2う微水系である。このような方法としては、例えば
シクロヘキサン、トルエン、四塩化炭素といった有機溶
媒中でキャンディダ・シリントラシア(Candida
cyljndracea)のリパーゼを用いてコレスチ
ロールとオレイン酸からコレステリルオレエートを高い
収率で合成する方法(J、 Jpn、 Oil IJe
m、 Soc、。
35、955.1986)や、特開昭61−10779
1号公報に記載されている方法をあげることができる。
しかしながら、これらの方法は用いる原料の量に対して
使用する酵素の量が多い上に反応時間も長いため、実際
に工業的な規模で行なうには経済性の面で問題があった
[問題点を解決するための手段] そこで、本発明者らは水を殆んど含まない微水系におい
て、原料の量に対して極めて少量の酵素を用い、原料が
高濃度に仕込まれた有機溶媒中、短い反応時間で脂肪酸
とアルコールから高い収率でエステルを合成する方法を
開発すべく鋭意研究した。その結果、シュードモナス属
微生物由来のリパーゼ、例えばシュードモナス・フライ
(Pseudomonas fragi) 22.39
Bの培養液から調製したリパーゼを実質的に水を加える
ことなく有機溶媒中に分散させて作用させれば、広範囲
のアルコールと脂肪酸から高濃度のエステルを生成する
ことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はスチロール類、テルペンアルコール
類、ビタミンアルコール類およびその他の炭素数1〜3
0の脂肪族アルコール類よりなる群から選ばれた少なく
とも1種のアルコール類および炭素数2〜32の脂肪酸
を有機溶媒中に混合し、実質的に水を添加することなく
、該混合物にシュードモナス属微生物由来のリパーゼを
加え、作用させることを特徴とする脂肪酸エステルの製
造方法を提供するものである。
本発明に用いるアルコールとしては、スチロール類、テ
ルペンアルコール類、ビタミンアルコール類およびその
他の炭素数1〜30の脂肪族アルコール類であれば飽和
のもの、不飽和のもの、直鎖のもの、側鎖を有するもの
、環状のもの(炭素数4以上の場合)、水酸基を複数有
するもの、あるいは置換基を有するもののいずれであっ
てもよく、これらのうちから少なくとも1種を用いれば
よい。具体例を示すと、スチロール類としてはコレスチ
ロール、エルゴスチロール、スチグマスチロール、α−
シトスチロール、β−シトスチロール、γ−シトスチロ
ール、ラドスチロール、チモスチロール、デスモスチロ
ール、ブラシカスチロール、カンペスチロール、α−ス
ピナスチロール、ラノスチロール、ルミスチロール、タ
キスチロールなどが、テルペンアルコール類としてはゲ
ラニオール、ファル卑ソール、フィトール、シトロネロ
ール、ソラネソール、デカイソプレノール、リナロール
、ネロール、ラバンズロール、ミルセノール、テルピネ
オール、メントール、ボルネオール、メボール、イソボ
ルニルシクロヘキサノール、ネロリドール、サンタロー
ル、セドロール、パチュリアルコールなどが、ビタミン
アルコール類としてはレチノール、デヒドロレチノール
、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、α
−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェ
ロール、δ−トコフェロールなどが挙げられる。また、
その他の炭素数1〜3oの脂肪族アルコール類としては
、飽和及び不飽和のものを含め、1価1級のものの具体
例を示すと、直鎖のものでは、メタノール、エタノール
、1−プロパツール、1−ブタノール、1−ペンタノー
ル、1−ヘキサノール、1−オクタツール、1−デカノ
ール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−
ヘキサデカノール、1−オクタデカノール、1−エイコ
サノール、1−ドコサノール、1−テトラコサノール、
1−へキサコサノール、1−オクタコサノール、1−ト
リアコンタノール、3−デセン−1−オール、7−ドデ
セン−1−オール、9−テトラデセン−1−オール。
9−へキサデセン−1−オール、9−オクタデセン−1
−オール、9−エイコセン−1−オールなどが、側鎖を
有するものとしては4−メチル−1−ペンタノール、3
−メチル−1−ペンタノール、10−メチル−1−ヘン
デカノール、9−メチル−1−ヘンデカノール、 12
−メチル−1−トリデカノール、 11−メチル−1−
トリデカノール。
14−メチル−1−ペンタデカノール、13−メチル−
1−ペンタデカノール、 16−メチル−1−ヘプタデ
カノール、15−メチル−1−ペンタデカノール、1−
エチニル−2−メチル−ベンテノールなどが、脂環式の
ものとしてはシクロプロピルカルビノール、シクロペン
タンエタノール、シクロヘキサンメタノール、シクロヘ
キサンエタノールなどが、また置換基としてフェニル基
を有するものとしては、ベンジルアルコール、α−フェ
ニルエチルアルコール、β−フェニルエチルアルコール
、2−フェニル−1−プロパツール、シンナミルアルコ
ールなどが、置換基としてアミノ基を有するものとして
はエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパツール、
4−アミノ−1−ブタノールなどが、置換基としてハロ
ゲンを有するものとしては3−クロロ−1−プロパツー
ル、4−クロロ−1−ブタノール、5−クロロ−1−ペ
ンタノールなどが挙げられる。その他イミダゾール基、
ピリジル基、ナフチル基、チエニル基などの置換基を有
するアルコールを例示することができる。次に、1価2
級のものの具体例を示すと、飽和及び不飽和のものを含
め、直鎖のものとしては2−プロパツール、2−ブタノ
ール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−オク
タツール。
3−デカノール、3−ドデカノール、2−テトラデカノ
ール、1−ヘキセン−3−オールなどが、側鎖を有する
ものとしては3−メチル−2−ペンタノール、2−メチ
ル−2−ヘキサノール、2−メチル−3−オクタツール
、2−メチル−4−ペンテン−2−オールなどが、脂環
式のものとじてはシクロヘキサノール、2−メチルシク
ロヘキサノール、2−エチルシクロヘキサノール、4−
t−ブチルシクロヘキサノールなどが、また置換基とし
てハロゲンを有するものとしては1−クロロ−2−プロ
パツールなどか、置換基としてフェニル基を有するもの
としては1−フェニルエタノール、1−フェニルプロパ
ツールなどが挙げられる。さらに、2価以上の多価アル
コールの具体例を示すと、1級及び2級のものを含め、
エチレングリコール、1.3−プロパンジオール、1,
2−ブタンジオール、1.3−ブタンジオール、1.4
−ブタンジオール、2.3−ブタンジオール、l、5−
ベンタンジオール、2.4−ベンタンジオール、1.6
−ヘキサンジオール、2.5−ヘキサンジオール。
1.8−オクタンジオール、 1.10−デカンジオー
ル、 1.12−ドデカンジオール、 1.14−テト
ラデカンジオール、 1,1li−ヘキサデカンジオー
ル、グリセロール、エリスリトール、 1,2.6−ヘ
キサンジオール、トリメチロールエタン、ペンタエリス
リトール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、ソルビ]・−ル、マンニトール、キシリ
トールなどか、脂環式のものとしては1.2−シクロヘ
キサンジオール、1.3−シクロヘキサンジオール、1
,4−シクロヘキサンジオール、1.4−シクロヘキサ
ンジメタツールなどか、また置換基としてアミノ基を有
するものとしてはトリエタノールアミン、ジェタノール
アミンなどが、置換基としてフェニル基を有するものと
して2−フェニル−2−プロパツールなどが挙げられる
。さらに、分子内にエーテル結合を有するものとしては
ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールや
ポリエチレングリコール(PEG) 200. PEG
400. PEG 600. PEG 1000などが
挙げられる。
また、本発明に用いる脂肪酸は炭素数2〜32のもので
あれば飽和のもの、不飽和のもの、直鎖のもの、側鎖を
有するもの、置換基を有するもの。
環状のもの、カルボキシル基を複数有するもののいずれ
であってもよい。具体例を示すと、直鎮節和脂肪酸とし
ては酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、アラキシン酸、へヘン酸、リグノ
セリン酸。
セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセロン酸な
どが、側鎖をもった飽和脂肪酸としてはイソ吉草酸、2
−メチルブタン酸、イソカプリル酸、7−メチルノナン
酸、インラウリン酸、9−メチリ−ウンデカン酸、イン
パルミチン酸、13−メチルペンタデカン酸118−メ
チルノナデカン酸、17−メチルノナデカン酸、22−
メチルトリコサン酸、 21−メチルトリコサン酸、2
6−メチルへブタコサン酸、3.7.11−トリメチル
ドデカン酸。
2.6,10.14−テトラメチルペンタデカン酸など
が、直鎖不飽和脂肪酸としてはクロトン酸、ジヒドロソ
ルビン酸、ウンデシレン酸、デンチセチン酸、フィゼテ
リン酸、ミリストオレイン酸、パルミトオレイン酸、オ
レイン酸、エライジン酸、ガトレイン酸、エルカ酸、ブ
ラシジン酸、ネルホン酸などのモノエン脂肪酸;ソルビ
ン酸、リルン酸などのジエン脂肪酸、α−リルン酸、γ
−リルン酸、エレオステアリン酸などのトリエン脂肪酸
、炭素間2重結合を4つ以上含むアラキドン酸、 5,
8,11,14.17−ニイコサベンタエン酸、7゜1
0.13,16.19−Fコサペンタエン酸、 4,7
,10,13゜16−トコサペンタエン酸などが、側鎖
をもった不飽和脂肪酸としてはゲラン酸、ネロン酸1フ
ァルネソン酸などか、シクロプロパンあるいはシクロプ
ロペン環をもった脂肪酸としてはジヒドロステクリン酸
、ステタリン酸、ラクトバシン酸などが、シクロペンテ
ン環をもった脂肪酸としてはアレプリン酸、ヒドソカル
ビン酸、ゴルリン酸などが、また、置換基として水酸基
をもりたヒドロキシ酸としては2−ヒドロキシラウリン
酸、2−ヒドロキシミリスチン酸、2−ヒドロキシパル
ミチン酸、2−ヒドロキシステアリン酸などが、カルボ
キシル基を2つ以上もった二塩基酸としてはアジピン酸
、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸
などが挙げられる。さらに、プロスタグランジン(PG
)E、、 PGF、ぺ、 PGE2. PGE3などの
ブロスタン酸たる炭素数20のシクロペンタン酸の不飽
和ヒドロキシ−またはケト−誘導体も挙げることができ
る。
上記アルコールと脂肪酸の配合割合は前者:後者=1〜
10:1〜10(モル比)、好ましくは1〜2:1〜2
(モル比)とし、これらを高濃度、たとえば1〜50%
の割合で有機溶媒に仕込むことができる。
本発明では、上記のアルコール類および脂肪酸を有機溶
媒中に混合して、実質的に水を添加することなく、ここ
にシュードモナス属微生物由来のリパーゼを加えて脂肪
酸エステルを製造する。本発明において「実質的に水を
添加することなく」とは、有機溶媒中に酵素の安定性に
必要な水分を確保(脱水しない)して行なう微水系の状
態を意味する。
本発明において反応溶媒として用いる有機溶媒には特に
制限はなく、具体例を示すとベンゼン。
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジクロル
メタン、クロロホルム、テトラクロルメタン、トリクロ
ルエタン、テトラクロルエタンなどのハロゲン化炭化水
素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へブタン、n−
オクタン、イソヘキサン、イソオクタンなどの脂肪族炭
化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式
炭化水素類の他、エチルエーテル、アセトン、ジオキサ
ンなどを示すことができ、中でもn−ヘキサンのような
脂肪族炭化水素が特に好ましい。これら有機溶媒は特級
のもの、1級のものあるいは工業用のものでも任意に使
用できる。ただし、水分含量の多いものはあらかじめ脱
水処理して、水分含量を0.1%以下にしてなるべく乾
燥状態に近いものとすることが好ましい。反応系に水分
がより少ない方が高いエステル合成率を得ることができ
、生成したエステルの再分解の恐れもない上に、リパー
ゼの活性を長く安定的に保持し、さらにリパーゼの再利
用度も高めることができるので、乾燥状態に近い有機溶
媒を用いるべきである。
本発明で用いるリパーゼは、シュードモナス属微生物由
来のものであり、例えばシュードモナス・フライ(Ps
eudomonas 葺」ユ) 22.398 (FE
RMP−1339)により生成されるものなどがあげら
れ、特開昭61−280274号公報に記載の方法など
により製造することができる。このリパーゼの具体例を
示すと、リパーゼB(サッポロビール株式会社製)など
を挙げることができる。このほかシュードモナス・フル
オレッセンス(Ps、 fluorescens)によ
り生産されるリパーゼP(天野製薬社製)などがある。
このようなリパーゼはそのまま用いてもよいが、リパー
ゼをポリエチレングリコール。
ポリプロピレングリコールなどを主鎖とする光架橋性プ
レポリマー、例えば関西ペイント社製のENT−100
0,ENT−2000,ENT−3000,ENTP−
1000゜ENTP−2000,ENTP−3000,
ENTP−4000などを用いて包括固定化したものや
、東洋ゴム工業社製のウレタンプレポリマーなどを用い
て包括固定化したもの、さらには各種イオン交換樹脂、
セライト、ベントナイト、アルミナ、ゼオライト、ガラ
スピーズ、シリカゲルなどの無機材料といった固定化担
体を用いて固定化したものを用いることもてきる。これ
らの固定化酵素は比較的大きな粒子となっているので、
カラムにつめてバイオリアクター化する時などには有利
である。本発明で用いるリパーゼの使用量は各々の基質
量0.1〜2モルに対し1g程度(約14000単位)
、好ましくは各々の基質量0.5〜1モルに対し1g程
度(約14000単位)であり、リパーゼを作用させる
ためには室温で、好ましくは24時間以内の反応を行な
えばよい。
本発明で用いるリパーゼは、後記実験例に示すように有
機溶媒中でのエステル合成活性能が極めて高く安定して
おり、これは有機溶媒中に原料のアルコールおよび脂肪
酸の量比が1=1 (モル比)付近において高濃度に仕
込まれていても変わることはないので、従来の酵素法に
比べて脂肪酸エステルを容易に効率よく、かつ高収率で
製造することができる。また、本発明で用いるリパーゼ
は有機溶媒中では不溶状態であり、極めて安定であるの
で酵素反応系から分離が容易で、酵素の再利用を容易に
し、繰り返し使用が可能である。
[実施例] 次に、本発明を実施例により説明する。
実験例 リパーゼB(サッポロビール株式会社製)の粉末0.2
5 gを15mp用のスクリューキャップ付きの試験管
に取り、ここに第1表に示す各種有機溶媒(いずれも水
分01%以下)を5mg加えて充分攪拌し、60℃で2
時間放置した後、エバポレーターによって有機溶媒を除
去し、乾燥状態の粉末リパーゼ剤を得た。得られたリパ
ーゼ剤の残存活性をリパーゼ力価測定法で測定した。な
お、リパーゼ力価測定法は、山田らのPVA乳化法(日
本農芸化学会誌、第36巻、860頁、 1962年)
を改変した方法である。この結果を第1表に示す。
/ 第1表 *未処理のリパーゼBの活性を100%としたときの相
対値 第1表から明らかなように、上記リパーゼは各種有機溶
媒中で60℃という高温下でも極めて高しλ安定性を示
した。
実施例1 スクリューキャップイ」キの50mn用三角フラスコに
バルミチン酸0.256 g (約1ミリモル)および
1−ヘキサデカノール(バルミチルアルコール)0.2
42 g (約1ミ(ノモル)を入れたものを3個用意
し、その1木にはベンゼンlOmρ、他の1木には1.
1.1−トリクロロエタン、残りの1本にはn−ヘキサ
ン10mFを加えて充分に攪拌し溶解させた後、各々に
リパーゼB(サッポロヒール株式会社製)5mg(活性
にして約700単位)を加え、25℃で充分に振とうさ
せながら4時間反応を行なった。なお、酵素の活性は実
験例1の方法で測定し、酵素単位はオリーブ油エマルジ
ョンを基質とし、pH7,0、37℃の条件下で作用さ
せて1分間に1マイクロモルの脂肪酸を遊離させる酵素
量を1単位とした。以下、特に記述しない限り活性測定
はこの方法によるものとする。反応開始後10分、30
分、1時間、2時間、4時間(反応終了時)の5回、各
々の反応液をシリカゲル薄層プレート(メルク社製、タ
イプ60. 5 x 10cm)に1uρづつスポット
し、石を山エーテル:ジエチルエーテル、酢酸−70:
 30 : 1 (v/v)の組成から成る展開溶媒に
て展開した。プレート状のスポットの検出は10%リン
モリブデン酸含有エタノール溶液を噴霧した後、120
℃にて加熱することにより発色させて行なった。この結
果を第1図に示す。
なお、図中のAは有機溶媒がベンゼン、Bは有機溶媒が
1.1.1−1−リクロロエタン、Cは有機溶媒がn−
ヘキサンのものを示す。第1図より明らかなように、い
ずれの有機溶媒を用いた場合でも、反応時間の経過に伴
ってバルミチン酸およびバルミチルアルコールが減少し
、それらのエステルであると思われる物質(パルミチル
パルミテート)か生成して行くことかわかる。
次に、生成した物質かバルミチルパルミテートであるこ
とを確認するために、反応後4時間の各々の反応液を1
0X 10cmの上記と同様のシリカゲル薄層プレート
にラインうちし、上記と同様の展開溶媒で展開後、プレ
ートの両端を1.5cmづつ切り離し、これを上記と同
様の方法で発色させてプレート上の生成物の位置を確認
した。発色操作を行なっていない残りのプレートから生
成物をジエチルエーテルで抽出し、エバポレーターで濃
縮乾固させた後、これを四塩化炭素に溶解して、その赤
外線吸収スペクトルを測定した。また、市販されている
パルミチルバルミテート(フナコシ薬品製)について、
同経の方法で赤外線吸収スペクトルを測定し、上記の反
応生成物のものと比較した。この結果を第2図に示す。
なお、赤外線吸収スペクトルの測定は赤外吸収分光光度
計270−30型(日立社製)を用(・、汀なった。
第2図から明らかなように、反応生成物のスペクトルの
1740カイザー付近にエステル結合の吸収が見られる
こと、市販品のスペクトルと一致することから反応生成
物がバルミチルバルミテートであることが確認された。
実施例2 ゲラニオール15.43 g (約0.1モル)および
酪酸(n−ブチリックアシッド) 8.81g (約0
.1モル)を栓付きの500m#用三角フラスコに入れ
、ここにn−ヘキサンを総量100mj!となるように
加える(原料濃度は各々1モル/−J2となっている。
)。次に、リパーゼBを200mg  (活性にして約
28,000単位)加え、25℃で充分に振とうさせな
がら反応を16時間行なった。反応開始後2時間毎に、
反応生成物であるゲラニルn−ブチレートを高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC) (RI 5E−51:
昭和電工社製、示差屈折計;カラム: Lichros
o篩RP−18,4,6X 250mm、 Merck
社製;移動相溶媒ニアセトニトリル:水=98:2.流
速・1mR1分:カラム?L 度: 25℃)により定
量分析を行ない、エステル合成率を求めた。この結果を
第3図に示す。
第3図から明らかなように、反応開始後16時間でゲラ
ニルn−ブチレートの合成率は95%に達しており、良
好な結果が得られた。
実施例3 実施例2において、リパーゼBの他に一般によく用いら
れているリパーゼ剤のうちリパーゼP(天野製薬社製)
 1140mg (活性にして28,000単位)およ
び比較のためリパーゼOF(泡糊産業社製、キャンディ
ダ属微生物由来の酵素) 150mg(活性にして28
,000単位)を用いたこと、溶媒をn−ヘキサンの他
にシクロヘキサン、ベンゼン。
トルエン、 1,1.1−トリクロロエタンの4種類を
用いたこと以外は実施例2と同様にして16時間反応を
行ない、生成物の定量を行なった。得られたゲラニオー
ルn−ブチレートの合成率を第2表に示す。
第2表 表より明らかなように、リパーゼBおよびリパーゼPは
エステルの合成に用いることができ、特にリパーゼBは
IgtA算で100 g強のゲラニルn−ブチレートを
合成することができる。
”::1.、:、、、 :、、。9’、a2g (’W
。。・2.” −1−>v、8.。
バルミチン酸8.41g (0,025モル)を栓付き
の500mjt用三角フラスコに入れ、ここにn−ヘキ
サンを総量100m#となるように加えた。次に、リパ
ーゼBを50mg (活性にして7,000単位)加え
、40℃で充分に振とうさせながら24時間反応を行な
った。反応開始後2時間、4時間、8時間。
16時間、24時間の時点で反応生成物であるコレステ
リルパルミテートをHPLC(カラム: 5peelc
osilLC−18、4,6x 250cm 、スペル
コ社製;移動相溶媒:クロロホルム:メタノール;アセ
トニトリル=1:1:1.その他の条件は実施例2で用
いたHPLCト同じ)により定量分析を行ない、エステ
ル合成率を求めた。この結果を第4図に示す。
第4図から明らかなように、反応開始後16時間でコレ
ステリルパルミテートの合成率は95%に達しており、
良好な結果が得られた。
実施例5 実施例4において、リパーゼBの他に実施例3で用いた
リパーゼP 285mg  (活性にしテア、000単
位)およびリパーゼOF 37.5mg  (活性にし
て7.000単位)を用いたこと以外は実施例4と同様
の操作により24時間反応を行ない、生成物の定量を行
なった。得られたコレステリルパルミテートの合成率を
第3表に示す。
第3表 表より明らかなように、リパーゼBは有機溶媒中で高い
エステル合成率を示した。
実施例6 実施例4において、それぞれの酵素量を50mgとした
こと以外は同様の操作で反応を行ない、生成物の定量を
行なった。得られたコレステリルパルミテートの合成率
を第4表に示す。
第4表 表より明らかなように、リパーゼBは少量でも高い合成
率を示し、リパーゼBは1g換算で300g強のコレス
テリルパルミテートを合成することができる。
[発明の効果] 本発明によれは、用いる酵素が有機溶媒中でも高いエス
テル合成率を示すので、従来の酵素法よりも効率よく容
易に、かつ高い収率で脂肪酸エステルを製造することが
できる。さらに、酵素の添加量が少なくてよいことや、
酵素を繰り返し使用できるため、より安価に工業的スケ
ールで脂肪酸エステルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1において行なった薄層クロマトグラフ
ィーの結果を示すものである。 第2図は実施例1において反応生成物およびパルミチル
パルミテートの赤外線吸収スペクトルを示し、Aが対照
試薬、Bが本発明の反応生成物の結果を示している。 第3図は実施例2におけるゲラニルn−ブチレート合成
率の経時的変化を示すものである。 第4図は実施例4におけるコレステやリルパルミテート
合成率の経時的変化を示すものである。 特許出願人  サッポロビール株式会社代 理 人  
弁理士 久保1)藤 部第3図 0  2  4  6  8  10 12  14 
 曹、6反怠時間(時間) 0   5   10   15  20、  2’5
反 克 時間  (昨開ン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)スチロール類、テルペンアルコール類、ビタミン
    アルコール類およびその他の炭素数1〜30の脂肪族ア
    ルコール類よりなる群から選ばれた少なくとも1種のア
    ルコール類および炭素数2〜32の脂肪酸を有機溶媒と
    混合し、実質的に水を添加することなく、該混合物にシ
    ュードモナス属微生物由来のリパーゼを加え、作用させ
    ることを特徴とする脂肪酸エステルの製造方法。
  2. (2)シュードモナス属由来のリパーゼがシュードモナ
    ス・フラギ(¥Pseudomonas¥ ¥frag
    i¥)の生産するリパーゼである特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003040275A1 (fr) * 2001-11-07 2003-05-15 The Nisshin Oillio,Ltd. Graisses et huiles riches en esters d'acides gras isoprenoides lineaires et leur procede de production
JP2012219196A (ja) * 2011-04-08 2012-11-12 Okamura Seiyu Kk 飽和脂肪酸ステロールエステル

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